JP5873410B2 - 熱解析装置、熱解析方法及び熱解析プログラム - Google Patents

熱解析装置、熱解析方法及び熱解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、発熱体が配置される領域における熱解析を行う熱解析装置、熱解析方法及び熱解析プログラムに関する。
高レベル放射性廃棄物の地層処分において、処分坑道の設計条件として廃棄体周囲に設置される人工バリア(人工バリア材料)の制限温度が採用されている。地層処分で想定される高レベル廃棄体は約4万本ある。これに対し従来は、処分坑道及び坑道内の廃棄体がそれぞれ同ピッチで無限に連続して配置されると仮定し、廃棄体1本が専有する直方体領域を取り出して反射境界を利用したモデルによる熱解析を実施していた。この熱解析には、例えば特許文献1に示されるようなFEM(有限要素法)解析が用いられていた。
特開2011−226855号公報
しかしながら、上記のように廃棄体1本が専有する直方体領域毎に熱解析によって設計を行うとすると、廃棄体が配置される位置にかかわらず1本あたりの廃棄体が専有する直方体領域の大きさは同じ大きさとなる。即ち、処分坑道の中央に配置されて周囲を他の廃棄体に囲まれており他の廃棄体の発熱からの影響が大きい廃棄体と、処分坑道の端に配置されて他の廃棄体の発熱からの影響が小さい廃棄体とが同じ大きさの直方体領域を専有することになる。そのため、処分坑道全体の専有面積が非常に大きく非合理的なものとなる。
また、全ての廃棄体を考慮した熱解析をFEM解析で行おうとすると、4万本もの廃棄体のモデル化が必要なため非常に規模の大きな解析メッシュが必要となる。そのため、設計段階におけるトライアル検討作業は非常に煩雑で負担が大きいものとなり、現実的な時間で熱解析を行うことができない。
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、放射性廃棄物等の複数の発熱体が配置される場合に効率的かつ適切に熱解析を行うことができる熱解析装置、熱解析方法及び熱解析プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る熱解析装置は、複数の発熱体が配置される領域における熱解析を行う熱解析装置であって、領域及び単位個数の発熱体に関する情報を入力する単位情報入力手段と、単位情報入力手段によって入力された情報に基づいて、単位個数の発熱体からの位置に応じた当該発熱体による温度の影響を算出するベースケース算出手段と、領域における複数の発熱体が配置される位置及び発熱体個数を示す情報を入力する発熱体情報入力手段と、ベースケース算出手段によって算出された影響、及び発熱体情報入力手段によって入力された情報によって示される発熱体が配置される位置から領域における所定位置である評価点までの距離に基づいて、当該発熱体の当該評価点での温度の影響を算出する温度影響算出手段と、温度影響算出手段によって算出された各発熱体の評価点での温度の影響を加算する加算手段と、加算手段によって加算された評価点での温度の影響を示す情報を出力する出力手段と、を備える。
本発明に係る熱解析装置では、位置に応じた発熱体による温度の影響の算出は単位個数の発熱体について算出される。単位個数の発熱体についての算出であるため、この算出は小さな負荷で行うことができる。一方で、領域に配置された複数の発熱体による温度の影響は、算出された位置に応じた単位個数の発熱体による温度の影響が用いられて、各発熱体による温度の影響が加算されて算出される。加算という負荷が小さい演算により算出されるため、この算出も小さな負荷で行うことができる。従って、本発明に係る熱解析装置では、効率的に発熱体の熱解析を行うことができる。一方で、本発明に係る熱解析装置では、発熱体の配置が考慮されて温度の影響が算出されるため、適切に熱解析を行うことができる。例えば、領域の中央と端とそれぞれで、発熱体の配置に応じて発熱体による温度の影響を算出することができる。
単位情報入力手段は、単位個数の発熱体に関する情報として単位個数の発熱体の発熱量を示す情報を入力して、発熱体情報入力手段は、配置される発熱体の発熱量を示す情報を入力して、温度影響算出手段は、単位個数の発熱体及び配置される各発熱体の各発熱量にも応じて当該配置される各発熱体の当該評価点での温度の影響を算出する。この構成によれば、配置される発熱体に発熱量のばらつきが生じるような場合であっても適切に熱解析を行うことができる。
発熱体情報入力手段は、各発熱体の発熱量に応じて、当該各発熱体の配置を決定することとすることができる。この構成によれば、各発熱体の発熱量に応じた各発熱体の配置に応じた熱解析を行うことができる。
発熱体情報入力手段は、発熱量の確率分布を示す情報を入力して、当該確率分布に応じて各発熱体の発熱量を決定する。この構成によれば、発熱体の発熱量にばらつきがあり確率分布に従う場合であっても適切な熱解析を行うことができる。
発熱体情報入力手段は、確率分布に応じて各発熱体の発熱量を複数、決定して、温度影響算出手段及び加算手段は、発熱体情報入力手段によって決定された各発熱体の発熱量の複数の組毎に処理を行う、こととすることができる。この構成によれば、各発熱体の発熱量の複数の組に対して熱解析を行うことができ、発熱量にばらつきに応じた評価点での温度の影響を考慮することができる。
熱解析装置は、加算手段によって加算された評価点での温度の影響が予め設定された条件を満たすか否かを判断して、満たしていると判断されたら出力手段による出力を実行させ、満たしていないと判断されたら当該評価点での温度の影響とは異なる複数の発熱体が配置される位置を示す情報を発熱体情報入力手段に入力して、当該位置に基づく評価点での温度の影響を再度算出させる判断手段を更に備えることとすることができる。この構成によれば、複数の発熱体をどのように配置すればよいかの設計を容易に行うことができる。
ところで、本発明は、上記のように熱解析装置の発明として記述できる他に、以下のように熱解析方法及び熱解析プログラムの発明としても記述することができる。これはカテゴリ等が異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
即ち、本発明に係る熱解析方法は、複数の発熱体が配置される領域における熱解析を行う熱解析方法であって、領域及び単位個数の発熱体に関する情報を入力する単位情報入力ステップと、単位情報入力ステップにおいて入力された情報に基づいて、単位個数の発熱体からの位置に応じた当該発熱体による温度の影響を算出するベースケース算出ステップと、領域における複数の発熱体が配置される位置及び発熱体個数を示す情報を入力する発熱体情報入力ステップと、ベースケース算出ステップにおいて算出された影響、及び発熱体情報入力ステップにおいて入力された情報によって示される発熱体が配置される位置から領域における所定位置である評価点までの距離に基づいて、当該発熱体の当該評価点での温度の影響を算出する温度影響算出ステップと、温度影響算出ステップにおいてによって算出された各発熱体の評価点での温度の影響を加算する加算ステップと、加算ステップにおいて加算された評価点での温度の影響を示す情報を出力する出力ステップと、を含み、単位情報入力ステップにおいて、単位個数の発熱体に関する情報として単位個数の発熱体の発熱量を示す情報を入力して、発熱体情報入力ステップにおいて、配置される発熱体の発熱量を示す情報を入力して、温度影響算出ステップにおいて、単位個数の発熱体及び配置される各発熱体の各発熱量にも応じて当該配置される各発熱体の当該評価点での温度の影響を算出し、発熱体情報入力ステップにおいて、発熱量の確率分布を示す情報を入力して、当該確率分布に応じて各発熱体の発熱量を決定する
また、本発明に係る熱解析プログラムは、複数の発熱体が配置される領域における熱解析を行う熱解析プログラムであって、コンピュータを、領域及び単位個数の発熱体に関する情報を入力する単位情報入力手段と、単位情報入力手段によって入力された情報に基づいて、単位個数の発熱体からの位置に応じた当該発熱体による温度の影響を算出するベースケース算出手段と、領域における複数の発熱体が配置される位置及び発熱体個数を示す情報を入力する発熱体情報入力手段と、ベースケース算出手段によって算出された影響、及び発熱体情報入力手段によって入力された情報によって示される発熱体が配置される位置から領域における所定位置である評価点までの距離に基づいて、当該発熱体の当該評価点での温度の影響を算出する温度影響算出手段と、温度影響算出手段によって算出された各発熱体の評価点での温度の影響を加算する加算手段と、加算手段によって加算された評価点での温度の影響を示す情報を出力する出力手段と、として機能させ、単位情報入力手段は、単位個数の発熱体に関する情報として単位個数の発熱体の発熱量を示す情報を入力して、発熱体情報入力手段は、配置される発熱体の発熱量を示す情報を入力して、温度影響算出手段は、単位個数の発熱体及び配置される各発熱体の各発熱量にも応じて当該配置される各発熱体の当該評価点での温度の影響を算出し、発熱体情報入力手段は、発熱量の確率分布を示す情報を入力して、当該確率分布に応じて各発熱体の発熱量を決定する
本発明によれば、放射性廃棄物等の複数の発熱体が配置される場合に効率的かつ適切に熱解析を行うことができる。
本発明の実施形態に係る熱解析装置の機能的な構成を示す図である。 放射性廃棄物が地層処分される際の配置の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る熱解析装置による重ね合わせを用いた熱解析のイメージを示す図である。 ベースケースの熱解析に用いるFEM解析モデルを示す図である。 ベースケースの温度上昇量の空間分布を示すグラフである。 ベースケースの温度上昇量の空間分布を示す別のグラフである。 各廃棄体が配置される位置から評価点までの距離の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る熱解析装置で実行される処理(熱解析方法)を示すフローチャートである。 岩盤竪置きモデルに対する温度経時変化の比較を示すグラフである。 FEM解析のモデル(FEMメッシュ)を示す図である。 廃棄体1本あたりの発熱量の経時変化の設定を示す図である。 FEM解析と本実施形態に係る熱解析との廃棄体の緩衝材内側温度の経時変化(ケースA)を示すグラフである。 FEM解析と本実施形態に係る熱解析との廃棄体の緩衝材内側温度の経時変化(ケースB)を示すグラフである。 FEM解析と本実施形態に係る熱解析との廃棄体の緩衝材内側温度の経時変化(ケースC)を示すグラフである。 (a)12本モデル及び(b)12本モデルの処分坑道周辺の解析メッシュを示す図である。 本実施形態において解析の対象となる廃棄体を示した図である。 FEM解析と本実施形態に係る熱解析との温度の経時変化を示すグラフである。 12本の廃棄体の初期発熱量の設定を示す図である。 廃棄体専有面積の拡大の考え方を示す図である。 地下パネルレイアウト例(処分孔竪置き式、結晶質岩)を示す図である。 発熱量に応じた廃棄体の分類((a)2分割の場合(b)4分割の場合(c)8分割の場合)を示す図である。 各廃棄体に発熱量を割り当てる順序を示す図である。 各リアライゼーションにおける緩衝材の最高温度の例を示すグラフである。 必要となる専有面積比の結果を示すグラフである。 1パネル分を想定した6,669個の廃棄体配置を示す図である。 緩衝材内部温度最大値のコンター(廃棄体初期発熱量は一様)を示す図である。 パネル端部の処分坑道方向の緩衝材最大温度の分布を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る関連文書抽出プログラムの構成を、記録媒体と共に示す図である。
以下、図面と共に本発明に係る熱解析装置、熱解析方法及び熱解析プログラムの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に本実施形態に係る熱解析装置10を示す。熱解析装置10は、複数の発熱体が配置される領域における熱解析を行う装置である。この熱解析は、熱解析装置10に解析に必要な情報が入力されて、入力された情報が用いられた熱解析装置10による情報処理によって行われる。熱解析装置10は、具体的には、ワークステーションやPC(Personal Computer)等の情報処理装置に相当し、CPU(CentralProcessing Unit)やメモリ等のハードウェアにより構成されている。熱解析装置10は、これらの構成要素がプログラム等により動作することにより後述する各機能が発揮される。なお、本実施形態では、熱解析装置10は一つの装置で実現されているが、複数の情報処理装置がネットワークにより互いに接続されて構成される情報処理システムにより実現されていてもよい。
ここで本実施形態における熱解析の対象の例について説明する。本実施形態では、高レベル放射性廃棄物の廃棄体を発熱体(熱源)として、地下深部に定置(埋設)する地層処分を行うことを例として説明する。廃棄体を地層処分する際には、地下数百m程度の場所に坑道を設けて坑道内に廃棄体を配置して坑道が埋め戻される。廃棄体を定置する処分坑道群とそれを取り囲む坑道からなる一つの区画をパネル(処分パネル)と呼ぶ。
廃棄体が地層処分される際には、通常、処分される環境に影響を及ぼすことを防止するために人工バリアが設けられる。図2に廃棄体が地層処分される際の配置の例を示す。図2(a)は横置き方式の場合の例であり、図2(b)は竪置き(縦置き)方式の例である。図2に示すように人工バリア100は、ガラス固化体101、オーバーパック102及び緩衝材103を含んで構成される。なお、図2(b)に示すような竪置き方式の場合、岩盤200に設けられた孔にガラス固化体101、オーバーパック102及び緩衝材103が配置され、その上を坑道埋戻し材201で覆う。なお、本実施形態では硬岩竪置きケースを例として説明する。
ガラス固化体101は、放射性核種を安定なガラス構造の中に取り込み、地下水への溶出を抑制する。オーバーパック102は、廃棄体(ガラス固化体101)を格納する堅固な容器であり、ガラス固化体101と地下水の接触を一定期間阻止するものである。緩衝材103は、オーバーパック102と岩盤200との間に充填される部材である。緩衝材103は、その物理的、化学的緩衝機能によってガラス固化体101を保護すると共に、周囲からの地下水の浸透やその中での流れを抑制し、更に地下水に溶出した放射線核種を吸着することによって放射線核種の移動を抑制するものである。緩衝材103は、例えば、ベントナイトによって構成される。
上記のようにして処分された廃棄体は発熱して発熱の影響は廃棄体の周囲に及ぶ。この影響によって、人工バリア100の温度が変動する。上述したように坑道の設計条件として人工バリア100の制限温度(具体的には例えば、オーバーパックの温度制限)が採用されている。従って、廃棄体をどのように配置するか、即ち、坑道をどのように設計するかは、廃棄体が配置された場合に人工バリア100がどのような温度となるかにかかっている。本実施形態に係る熱解析装置10は、複数の廃棄体が特定の領域に配置された場合に当該領域の熱解析を行う装置である。例えば、人工バリア100の位置等の所定位置の温度の時間変化を計算する。
引き続いて、熱解析装置10の機能構成について説明する。図1に示すように、熱解析装置10は、単位情報入力部11と、ベースケース算出部12と、発熱体情報入力部13と、温度影響算出部14と、加算部15と、判断部16と、出力部17とを備えて構成される。
ここで、本実施形態に係る熱解析装置10による熱解析の概要を説明する。この熱解析では、まず単位個数の廃棄体(例えば1本)を廃棄体が配置される領域に配置し、それ以外の隣接する廃棄体からの熱影響がないものを仮定した状態(ベースケース)に対して熱解析を行って、その場合の温度の空間分布を得る。続いて図3に示すように、複数の廃棄体300が配置される位置に基づいて、温度の算出対象の位置である評価点(図3では廃棄体300aが配置される位置)と各廃棄体300との距離を求める。当該距離に基づいて、ベースケースの温度の空間分布を参照して各廃棄体300による評価点での温度の影響を算出する。ここで、熱解析の対象は、例えばパネル規模(パネル単位)での廃棄体の配置とする。
続いて、各廃棄体300による評価点での温度の影響を足し合わせて(重ね合わせて)、評価点での温度を算出する。なお、このように廃棄体が1本だけで周囲の廃棄体は岩盤として計算されたケース(ベースケース)を重ね合わせている手法は、熱解析上、廃棄体自体の領域が全体領域に対して無視できるほど小さいから合理的である。このとき、図3に示すように各廃棄体300の初期発熱量を廃棄体300毎に異なるものとして計算することとしてもよい。例えば、予め設定した確率分布に応じて各廃棄体300の発熱量を決定することとしてもよい。以上が、本実施形態に係る熱解析装置10による熱解析の概要である。
なお、本実施形態に係る熱解析は、処分坑道の設計検討を念頭に、連設坑道を考慮した熱解析の多数回の試行を簡便に実施する評価方法である。即ち、処分坑道が計画される地盤が比較的均質一様な岩盤であり、廃棄体間の隔離が、廃棄体が設置される坑道の外径に比べて相対的に大きいため坑道中の人口バリアや埋戻し材の熱特性が温度分布に与える影響が小さいという条件に着目して行われたものである。引き続いて、熱解析装置10の各構成要素の機能について詳細に説明する。
単位情報入力部11は、廃棄体が配置される領域(坑道)及び単位個数の廃棄体に関する情報を入力する単位情報入力手段である。単位情報入力部11に入力される情報は、上述したベースケースにおける温度の空間分布を算出するのに必要な情報である。廃棄体が配置される領域に関する情報としては、例えば、地層処分される領域である岩盤(硬岩系)の熱伝導率、比熱、密度を示す情報である。なお、単位個数の廃棄体が配置される領域は、例えば均質一様な地層中の単独の処分坑道であるものとする。また、単位情報入力部11は、後述する加算部15によって計算される岩盤の温度を算出するために岩盤の初期温度を示す情報を入力してもよい。
単位個数の廃棄体に関する情報としては、例えば、廃棄体を構成するガラス固化体、オーバーパック、緩衝材の熱伝導率、比熱、密度を示す情報である。また、単位情報入力部11は、埋戻し材の熱伝導率、比熱、密度を示す情報を入力してもよい。また、単位情報入力部11は、単位個数の廃棄体に関する情報として単位個数の廃棄体の発熱量を示す情報を入力することとしてもよい。この発熱量を示す情報は、具体的には例えば廃棄体が配置された段階での発熱量である初期発熱量を示す情報を用いる。
なお、ベースケースに含まれる廃棄体の数である単位個数は1つとしてもよいが、2つ以上としてもよい。単位個数を2以上とする場合には、単位情報入力部11は、廃棄体の位置関係を示す情報等廃棄体の組から温度の空間分布を算出するのに必要な情報を入力する。
また、単位情報入力部11は、ベースケース算出部12による算出により用いられる情報、例えば、解析モデルのパラメータの情報等も入力してもよい。この情報の入力は、熱解析装置10のユーザによる操作に基づいて行われてもよいし、あるいは予め熱解析装置10に記憶されている情報を読み出すことで行われてもよい。なお、後述する情報の入力についても上記と同様に行われる。単位情報入力部11は、入力した情報をベースケース算出部12に出力する。
ベースケース算出部12は、単位情報入力部11から入力された情報に基づいて、単位個数の廃棄体からの位置に応じた当該廃棄体による温度の影響を算出するベースケース算出手段である。このとき算出される温度の影響は、単位個数の廃棄体以外の(隣接する)廃棄体からの影響がないものとして計算される。廃棄体による温度の影響は、具体的には例えば、廃棄体の存在による当該位置の温度の上昇量(領域(岩盤)の当初の温度からの上昇量)である。即ち、ベースケース算出部12は、単位個数の廃棄体による温度上昇量の空間分布を算出する。ベースケース算出部12は、無限とみなすことが可能な岩盤領域(例えば、2000m×2000m×12000mの三次元領域)の中央に廃棄体1体を埋設したモデルで熱解析(熱伝導解析)を実施することによって温度上昇量の空間分布を求める。ベースケースの熱解析は、例えば、従来の方法と同様のFEM解析によって行われる。なお、FEM解析以外の方法でも廃棄体の距離に応じた熱解析を行いうるものであれば任意の方法でベースケースの熱解析が行われてもよい。
図4(a)及び図4(b)にFEM解析モデル図を示す。解析モデルは境界条件の対称性から1/4切出しモデル(廃棄体の中心において90度の角度で対称となっている廃棄体及び領域を切り出したモデル)を用いることができる。以下の表1に解析に使用される物性値の例を示す。

境界条件は、例えば図4(a)に示したように設定する。廃棄体の発熱条件については、例えば、初期発熱量及び発熱量の変動を適宜設定する。
ベースケース算出部12は、上記の熱解析によって、廃棄体中心からの水平距離及び配置からの経過時間に応じて、各位置の温度の上昇量を算出する。上記の条件により求められた温度上昇量の空間分布を図5及び図6に示す。図5に示すグラフは、廃棄体からの水平距離(横軸、単位はcm)と温度上昇量(縦軸、単位は℃)との関係を示すグラフである。線の種類は廃棄体を配置してからの経過時間を示す(単位は年)。図6に示すグラフは、廃棄体を配置してからの経過時間(横軸、単位は年)と温度上昇量(縦軸、単位は℃)との関係を示すグラフである。線の種類は廃棄体からの水平距離を示す(単位はm)。図5及び図6に示すように水平距離が大きくなる程、温度上昇量は小さくなっている。また、廃棄体を配置してからの経過時間に関しては、廃棄体の配置時点から一旦上昇して、最高温度に到達してから経過時間が大きくなるにつれて温度上昇量は小さくなっている。ベースケース算出部12は、算出した温度上昇量の空間分布を示す情報を、廃棄体中心からの水平距離及び配置からの経過時間の関数としてデータベース化して温度影響算出部14等から参照できるようにしておく。
発熱体情報入力部13は、領域における複数の廃棄体が配置される位置、及び廃棄体の個数である発熱体個数を示す情報を入力する発熱体情報入力手段である。発熱体情報入力部13に入力される情報は、上述したベースケースにおける温度の空間分布を用いて複数の廃棄体が配置された場合の評価点での温度の影響を算出するのに必要な情報である。複数の廃棄体が配置される位置及び発熱体個数を示す情報は、例えば、発熱体個数分の各廃棄体の座標である。また、発熱体情報入力部13は、廃棄体の総数、廃棄体が配置される領域における坑道の数及び間隔(処分坑道間距離)、並びに坑道内に設けられる廃棄体の数(処分孔数)及び間隔(処分孔定置間隔)を示す情報を入力して、それらの情報から各廃棄体の座標を算出してもよい。
発熱体情報入力部13は、評価点での温度の影響を算出するのに用いるため、配置される各廃棄体の発熱量を示す情報を入力してもよい。廃棄体の発熱量は、上述したベースケースの場合と同様に具体的には例えば廃棄体が配置された段階での発熱量である初期発熱量である。
例えば、個々の廃棄体についてそれぞれ発熱量を示す情報を入力する(決定論的に代表値を設定する方法)。あるいは、発熱体情報入力部13は、確率分布を示す情報入力して、確率分布に応じて発熱量の無作為抽出を行って発熱量を設定することとしてもよい(確率分布を与え、ランダムサンプリングにより設定する方法)。発熱量の確率分布としては、例えば正規分布を用いることができる。正規分布を用いる場合、発熱体情報入力部13は、平均値と分散とを入力する。また、確率分布に応じて発熱量を決定する場合には、各廃棄体の発熱量を複数、決定することとしてもよい。即ち、複数の組の各廃棄体の発熱量を決定することとしてもよい。複数の組の発熱量を決定する場合は、その組毎に温度影響算出部14及び加算部15による熱解析が行われる。
また、発熱体情報入力部13は、各廃棄体の発熱量に応じて、当該各廃棄体の配置を決定することとしてもよい。例えば、より詳細には後述するように熱の打消し効果が最も高くなるよう、発熱量の平均値との差の絶対値が近いものの組み合わせで高発熱量の廃棄体と低発熱量の廃棄体とを交互に配置することとしてもよい。また、これにより廃棄体による温度の影響になるべく偏りがでないようになる。発熱体情報入力部13は、入力した情報を温度影響算出部14に出力する。
温度影響算出部14は、ベースケース算出部12によってデータベース化された情報、及び発熱体情報入力部13から入力された情報に基づいて、領域に配置される複数の廃棄体それぞれの評価点での温度の影響(各廃棄体の温度の影響の寄与分)を算出する温度影響算出手段である。温度影響算出部14は、評価点を示す情報を入力する。評価点を示す情報は、例えば、領域上の座標である。なお、評価点は、領域上の1点でもよいし、複数の点でもよい。温度影響算出部14は、発熱体情報入力部13から入力された情報に基づいて、各廃棄体が配置される位置から評価点までの距離を求める。
図7に各廃棄体が配置される位置から評価点までの距離の例を示す。図7は、硬岩竪置きの処分坑道3列×廃棄体4個の配置に対して計算を行う例である。ここでは、廃棄体300(1)の緩衝材103内側を評価点とする(緩衝材103内側の温度を求める)。配置された各廃棄体300の中心点から、評価点までの距離を求める。温度影響算出部14は、当該距離に基づいて、各廃棄体の当該評価点での温度の影響を算出する。
具体的には、温度影響算出部14は、ベースケース算出部12によってデータベース化された情報から、距離に応じた温度上昇量を抽出する。なお、ベースケースの解析結果(距離に応じた温度上昇量)が離散的なデータであり、距離が一致しない場合には、内挿補間により対応する距離に応じた温度上昇量を算出する。
ベースケースの発熱量と配置される廃棄体の発熱量とが同じものとすると、上記のように取得されたベースケースに係る温度上昇量を、個々の廃棄体に係る温度上昇量として用いることができる。
ベースケースの発熱量と配置される廃棄体の発熱量とが異なるものである(個々の廃棄体の発熱量が互いに異なるものである)とすると、例えば以下のようにして個々の廃棄体に係る温度上昇量を算出することができる。その場合、温度影響算出部14は、ベースケースの及び配置される各廃棄体の各発熱量にも応じて当該配置される各発熱体の当該評価点での温度の影響を算出する。具体的には、発熱量の異なる廃棄体に対しては、ベースケースの解析結果と熱解析の線形性を利用して次式から温度上昇量を算出することとしてもよい。
各廃棄体による温度上昇量[℃]=ベースケース解析による温度上昇量[℃]×各廃棄体の初期発熱量[W]/ベースケースにおける初期発熱量[W]
上記の式は、ベースケース解析の温度上昇量に、対象廃棄体の初期発熱量とベースケースの初期発熱量との比を掛け合わせたものである。上記の式によって各廃棄体の温度上昇量を算出することで、廃棄体毎に異なる発熱量を考慮した温度評価を行うことができる。
温度影響算出部14は、各廃棄体による評価点での温度上昇量を廃棄体が配置されてからの経過時間毎(各時刻)に対して行う。上述したようにベースケース解析による温度上昇量は、廃棄体が配置されてからの経過時間毎に計算されているのでその経過時間毎に計算を行えばよい。これにより、時系列の温度の履歴(時系列変化)を得ることができる。温度影響算出部14は、算出した各廃棄体による評価点での温度上昇量を示す情報を加算部15に出力する。
評価点から一定の距離以上離れた廃棄体による熱的寄与は無視できる程小さいため、1つの評価点の温度を求めるにあたって、モデル上の全ての廃棄体による温度上昇量を足し合わせることは所要計算時間の観点から必ずしも効率的ではない。そこで、上述した各廃棄体の評価点での温度の影響の算出では、評価点に対する全ての廃棄体の影響を考慮してもよいが、評価点から一定以上の距離に配置される廃棄体(熱的影響が無視できると考えられる範囲の廃棄体)については評価点に対する温度の影響が極めて小さいものとして足し合わせ計算の対象から除外してもよい。即ち、温度影響算出部14は、評価点から予め設定した一定の距離以内に配置される廃棄体のみについて評価点での温度の影響を算出することとしてもよい。
加算部15は、温度影響算出部14によって算出された各廃棄体の評価点での温度の影響を加算する加算手段である。具体的には、加算部15は、評価点毎に算出された全ての廃棄体による温度上昇量の値を足し合わせる(重ね合わせる)ことによって求める。また、加算部15は、予め入力されている評価点における岩盤の当初の温度(初期地温)に上記の温度上昇量の値を足し合わせることで評価点における温度を算出してもよい。加算部15による評価点における温度上昇量及び温度の算出も廃棄体が配置されてからの経過時間毎に行われる。加算部15は、計算した評価点の温度を示す情報を判断部16に出力する。
判断部16は、加算部15によって算出された評価点での温度上昇量が予め設定された条件を満たすか否かを判断する判断手段である。なお、判断の対象は、評価点での温度上昇量ではなく温度としてもよい。判断部16による判断は、例えば、廃棄体の配置が坑道の設計条件を満たすかどうかを判断するものである。そして、後述するように廃棄体の配置が坑道の設計条件を満たすように、あるいは廃棄体の配置がより望ましい状態となるように配置を変更して再度、上記の計算を行わせるものである。即ち、判断部16は廃棄体の配置の設計を行うための手段である。従って、熱解析装置10が、廃棄体の配置の設計を目的としないもの、単に評価点での温度を示す情報等を算出するためのものである場合には、熱解析装置10は必ずしも判断部16を備えている必要はない。その場合、加算部15による演算の結果が出力部17によって出力される。
具体的には、判断部16は、評価点での温度上昇量と坑道の設計条件に対応する予め設定した閾値(許容値)とを比較し、評価点での温度上昇量が閾値を下回るか否かを判断する。なお、このときの温度上昇量は、廃棄体が配置されてからの各経過時間における温度上昇量のうち最も高い温度(将来最高温度上昇)とする。判断部16は、評価点での温度上昇量が閾値以上であると判断した場合、即ち、坑道の設計条件を満たすものではないと判断した場合、廃棄体が配置される位置を変更して再度、評価点での温度上昇量を算出させる。具体的には、評価点での温度上昇量が閾値以上である場合の廃棄体の配置と異なる廃棄体の配置を発熱体情報入力部13に入力して、再度その配置に基づいて上述した処理と同様に温度上昇量を算出させる。ここで、評価点での温度上昇量が閾値以上である場合は、温度上昇量を下げる方向で廃棄体の配置を(それ以前に変更を行っている場合は再度)変更する。具体的には、廃棄体の間隔をより広くさせる。間隔を広げるために、個々の廃棄体の配置を変更してもよいし、坑道間の間隔や坑道内での廃棄体の配置位置の間隔を広げることとしてもよい。
判断部16は、評価点での温度上昇量が閾値を下回ると判断した場合、即ち、坑道の設計条件を満たすと判断した場合、その場合の評価点での温度、及び廃棄体の配置を示す情報を出力部17に出力する。判断部16は、評価点での温度上昇量が下回ると判断した場合であっても、敷地の制約下で廃棄体が配置される領域(占有空間)をなるべく小さくすることが望ましいため、廃棄体の間隔を狭めて再度温度を算出させることとしてもよい。このようにして、将来最高温度上昇が許容値を下回る最小廃棄体間隔となるよう、敷地の制約下で占有空間が最小となる坑道の大きさ、坑道間隔を設定することとしてもよい。判断部16は、坑道の間隔等が予め設定した判断基準に基づき最適となったと判断した場合、その場合の評価点での温度、及び廃棄体の配置を示す情報を出力部17に出力する。
また、上述したように発熱体情報入力部13によって確率分布に準じて発熱量の無作為抽出を行って各廃棄体の発熱量を設定する場合には、算出される評価点での温度上昇量もばらつきが生じる。そこで、予め設定した回数(リアライゼーション数)だけ各廃棄体の発熱量の設定を行って、設定した発熱量毎にリアライゼーション数分評価点での温度上昇量の算出を行うモンテカルロシミュレーションを行ってもよい。その場合、判断部16は、各試行に対して上記の判断を行って、何れの場合にも(あるいは一定の回数以上)評価点での温度上昇量が閾値を下回る場合に条件を満たすと判断することとしてもよい。
出力部17は、加算部15によって加算された評価点での温度の影響を示す情報を出力する出力手段である。具体的には、出力部17は、評価点での温度上昇量あるいは温度を示す情報を出力する。温度上昇量あるいは温度は、廃棄体の配置からの経過時間毎の情報として出力されてもよいし、それらの最大値が出力されてもよい。また、判断部16による上述の判断が行われた場合には、条件を満たした場合の各廃棄体の配置を示す情報(例えば、各廃棄体の座標)を出力することとしてもよい。出力部17による出力は、例えば、熱解析装置10のユーザが熱解析の結果を確認できるように表示装置等への表示出力としてもよいし、あるいは他の装置に情報を出力することとしてもよい。以上が、熱解析装置10の機能構成である。
引き続いて、図8のフローチャートを用いて、本実施形態に係る熱解析装置10で実行される処理(熱解析方法)を説明する。本実施形態に係る熱解析装置10では、まず、単位情報入力部11によって、廃棄体が配置される領域、及び1本(単位個数)の廃棄体に関する情報が入力される(S01、単位情報入力ステップ)。入力される情報は、ベースケースの解析を行うために必要な情報である。入力された情報は、単位情報入力部11からベースケース算出部12に出力される。
続いて、ベースケース算出部12によって、単位情報入力部11から入力された情報に基づいて1本の廃棄体からの距離に応じた廃棄体による温度上昇量が算出される(S02、ベースケース算出ステップ)。また、温度上昇量は、廃棄体が配置されてからの経過時間にも応じて算出される。本算出は、例えば、FEM解析によって行われる。ベースケース算出部12によって算出された温度上昇量の情報は、データベース化されて温度影響算出部14等から参照できるようにされる。以上は、複数の廃棄体が配置された場合の熱解析を行うために必要な処理である。上記のベースケースの算出処理は、複数の廃棄体が配置された場合の熱解析を行うたびに行われる必要はなく、1度だけ行われればよい。また、以下の複数の廃棄体が配置された場合の熱解析を行う処理と連続的に行われる必要はない。
以下の複数の廃棄体が配置された場合の熱解析の処理は、各廃棄体の発熱量が確率分布に従うものを例とし、また、熱解析の結果を用いて条件に合致する廃棄体の配置位置を算出するものとする。
この処理では、発熱体情報入力部13によって複数の廃棄体が配置される位置の情報等が入力される(S03、発熱体情報入力ステップ)。また、発熱体情報入力部13によって廃棄体の発熱量に係る確率分布を示す情報が入力され、その情報に基づいて各廃棄体の発熱量が決定される。これらの情報は、発熱体情報入力部13から温度影響算出部14に出力される。
続いて、温度影響算出部14によって、ベースケース算出部12によってデータベース化された情報、及び発熱体情報入力部13から入力された情報に基づいて、領域に配置される複数の廃棄体それぞれによる評価点での温度上昇量が算出される(S04、温度影響算出ステップ)。この算出は、評価点と各廃棄体との間の距離に応じたベースケースの温度上昇量を取得して、その温度上昇量に基づいて行われる。算出された温度上昇量を示す情報は、温度影響算出部14から加算部15に出力される。
続いて、加算部15によって、温度影響算出部14によって算出された各廃棄体の評価点での温度上昇量が足し合わされ(総和が取られ)、評価点での温度上昇量が算出される(S05、加算ステップ)。算出された評価点での温度上昇量を示す情報は、判断部16に出力される。
続いて、判断部16によって、加算部15によって算出された評価点での温度上昇量が予め設定された条件(温度要件)を満たすか否かが判断される(S06、判断ステップ)。条件を満たさないと判断された場合(S06のNo)は、廃棄体の配置位置が再設定され(S07)、再設定された位置に基づいて再度、S04以降の処理が繰り返される。なお、上記の処理フローでは条件を満たさないものが1つでもあると配置位置を再設定することとしている。それ以外にも、所定のリアライゼーション数分計算を行った後に、条件を満たさない(温度が閾値を上回る)ものが一定の比率を超えた場合に配置位置を再設定することとしてもよい。
S06で条件を満たすと判断された場合(S06のYes)、続いて判断部16によって、各廃棄体における1つの配置において予め設定された回数の計算(S04及びS05の処理)が実施されたか否かが判断される(S08、判断ステップ)。例えば、合計で10000リアライゼーションの計算が実施されたか否かが判断される。設定された回数の計算が行われていないと判断された場合(S08のNo)、発熱体情報入力部13によって再度、確率分布に従った各廃棄体の発熱量(以前の計算とは値が異なる発熱量)が決定され、各廃棄体の発熱量が再設定される(S09)。再設定された発熱量が用いられてS04以降の処理が繰り返される。
S08で設定された回数の計算が行われていると判断された場合(S08のYes)、熱解析結果を示す情報が、出力部17によって出力されて(S10、出力ステップ)処理が終了する。以上が、本実施形態に係る熱解析装置10で実行される処理である。
上述したように本実施形態では、位置に応じた廃棄体による温度の影響の算出は単位個数である1本の廃棄体(ベースケース)について算出される。この算出は、FEM解析等の解析手法で行われるが1本の廃棄体についての算出であるため、この算出は、配置される廃棄体全てを考慮したFEM解析等と比べて小さな負荷で行うことができる。また、領域に配置された複数の廃棄体による温度の影響は、算出された位置に応じたベースケースの発熱体による温度の影響が用いられて、各廃棄体による温度の影響が加算されて算出される。加算という負荷が小さい演算により算出されるため、この算出も、配置される廃棄体全てを考慮したFEM解析等と比べて極めて小さな負荷で行うことができる。
従って、本実施形態では、効率的に廃棄体の熱解析を行うことができる。一方で、本実施形態では、同じ条件で一定の配置が繰り返されるもの等ではなく、廃棄体の配置が考慮されて温度の影響が算出されるため、適切に熱解析を行うことができる。例えば、領域の中央と端とそれぞれで、廃棄体の配置に応じて廃棄体による温度の影響を算出することができる。
これにより、例えば、処分坑道及び処分孔の計画段階におうて、様々な条件が変化する中でトライアル計算が必要となるところ、処分坑道間隔及び坑道内廃棄体定置間隔(処分孔間隔)を設定するためのトライアル計算が簡易に実施できる。
また、配置される個々の廃棄体の発熱量の情報を考慮して熱解析を行うこととしてもよい。この構成によれば、配置される廃棄体に発熱量のばらつきが生じるような場合であっても適切に熱解析を行うことができる。これにより、合理的な設計を行うことができる。廃棄体の製造条件等の違い等により廃棄体の発熱量にばらつきが生じる場合には、従来のFEM解析による方法では現実的な計算時間での計算を行うことができない。従って、特に廃棄体の発熱量にばらつきが生じる場合、特に本実施形態の熱解析は有用である。なお、廃棄体の発熱量のばらつきが小さい方が坑道間隔を狭くできる。
また、廃棄体の発熱量に応じて各廃棄体の配置される位置を決定することとしてもよい。この構成によれば、各廃棄体の発熱量に応じた各廃棄体の配置に応じた熱解析を行うことができる。例えば、上述したように廃棄体が配置される領域において、廃棄体からの温度上昇量の偏りがなるべく出ないようにした配置での熱解析を行うことができる。但し、個々の廃棄体の発熱量の情報が一定であることが想定できる場合等には必ずしも上記のような構成とする必要はない。
また、廃棄体の発熱量を確率分布に従ったものとすることができる。この構成によれば、廃棄体の発熱量にばらつきがあり確率分布に従う場合であっても適切な熱解析を行うことができる。更にこの場合、各廃棄体の発熱量の複数の組について熱解析を行う、具体的には例えば、モンテカルロシミュレーションを行うことができる。この構成によれば、各廃棄体の発熱量の複数の組に対して熱解析を行うことができ、発熱量のばらつきに応じた評価点での温度の影響を考慮することができる。なお、発熱量の確率分布は、必ずしも正規分布を用いる必要はなく、任意の確率分布を用いることができる。
また、本実施形態のように熱解析の結果が予め設定された条件を満たすか否かを判断して、廃棄体の配置の条件を変更して熱解析を行うこととすることができる。この構成によれば、複数の廃棄体をどのように配置すればよいかの設計を容易に行うことができる。但し、ある廃棄体の配置の際に領域内の温度を知ることを目的とする場合等(廃棄体の配置の設計を目的としない場合)には、必ずしも上記の構成とする必要はない。
また、本実施形態では、発熱体の例は高レベル放射性廃棄物としたが、それ以外でも領域に複数の発熱体が配置されるものであれば任意のものに適用することができる。
本実施形態による熱解析を行った例を説明する。本実施形態による熱解析と従来のFEM解析を行った結果とを比較することによって本実施形態による熱解析の妥当性の検証を行った。
1)1/4切出しモデル
硬岩竪置きケースのモデル(廃棄体1体の専有面積領域を対象とした側部断熱モデル)に対して本実施形態に係る熱解析を行い、緩衝材内部温度の経時変化を比較した。熱解析では100坑道×100廃棄体の配置とし、中央に設定された廃棄体の緩衝材内部温度を求めた。
3次元FEM解析で得られた温度の経時変化と本実施形態に係る熱解析(重ね合わせ計算)による結果を比較した結果を図9に示す。図9において横軸は配置からの経過時間(単位は年)、縦軸は各位置での温度(単位は[℃])である。上記のグラフにおいて、実線で示されるものがFEM解析で得られた結果であり、丸印で示されるものが本実施形態に係る熱解析結果である。緩衝材内部温度の最大値は、本実施形態による熱解析の結果が若干小さくなっているが、経時変化をほぼ再現できているといえる。但し、数百年程度以降では誤差がやや大きくなっている。この誤差の理由としては、本実施形態による熱解析に利用するベースケース解析結果の精度の影響や無限個の固化体からの寄与分を有限個で加算近似する際の誤差の影響が考えられる。
2)複数廃棄体の発熱量の空間的ばらつきを考慮したモデルによる検証
発熱量の異なる複数廃棄体に対する本実施形態に係る熱解析の適用性を確認するため、15個の廃棄体をモデル化した3次元非定常FEM熱解析を実施し、その結果と本実施形態に係る熱解析との比較を行った。
(a)FEM解析条件と解析ケース
硬岩竪置き式において、処分坑道3本に廃棄体5個ずつ埋設された系を対象にモデル化を行った。処分深度を1000m、廃棄体の定置密度は処分坑道離間距離=10m、処分孔間隔=4.44mとした。人工バリア仕様及び材料物性値はベースケース解析と同じとした。解析領域として1000m×1000m×1200mの範囲をモデル化した。解析メッシュ(総節点数=646,728、総要素数=648,748)の抜粋を図10(a)(b)(中央部分のみ)に示す。
解析は以下の表2に示す3ケースを実施した。

ここで、表2に示される廃棄体の番号は、図13(a)の配置図に示すとおりであり、μは初期発熱量の平均値、σは初期発熱量の標準偏差である(廃棄体1本あたりの発熱量の経時変化の設定を示す図11参照。図11において横軸は配置からの経過時間(単位は年)、縦軸は廃棄体1本の発熱量(単位は[W])である。ここではμ=350[W]、σ=50[W]とした)。
(b)FEM解析結果と本実施形態に係る熱解析結果との比較
上記FEM解析と同様の廃棄体の配置条件に対して本実施形態に係る熱解析(重ね合わせ計算)を行った。ケースAの解析結果の比較として、各廃棄体の緩衝材内側温度の経時変化を図12に、また、緩衝材最大温度に着目した比較を以下の表3にそれぞれ示す。

ケースBの解析結果の比較として、各廃棄体の緩衝材内側温度の経時変化を図13に、また、緩衝材最大温度に着目した比較を以下の表4にそれぞれ示す。

ケースCの解析結果の比較として、各廃棄体の緩衝材内側温度の経時変化を図14に、また、緩衝材最大温度に着目した比較を以下の表5にそれぞれ示す。

上記の各廃棄体の緩衝材内側温度の経時変化のグラフにおいて、凡例の上側がFEM解析結果であり、下側が本実施形態に係る熱解析結果である。これらの図表から、廃棄体発熱量の異なる複数廃棄体に対する本実施形態に係る熱解析(重ね合わせ計算)の結果は、FEM解析結果とほとんど差がなく、その適用性が確認された。
3)廃棄体12本FEMモデルとの比較
本実施形態に係る熱解析(重ね合わせ計算)の検証として、廃棄体12本のFEMモデルに対して本実施形態に係る熱解析を行い、結果を比較した。図15(a)及び図15(b)に本検証に用いた12本モデルを示す。12本モデルは、岩盤200内の坑道400に廃棄体300が12本並べられたモデルである。12本モデルは、対称性を利用した側部断熱モデルであり、12本毎に同じ発熱条件の廃棄体が対称性を保ちつつ無限に広がっている状態を仮定している。
本実施形態に係る熱解析では、図16に示すように1764個の廃棄体(処分坑道21×廃棄体84)を考慮し、その中央部の廃棄体12本の緩衝材内側温度を評価して比較した。各廃棄体近傍の温度の経時変化を図17に示す。図17において、横軸は配置からの経過時間(単位は年)、縦軸は各位置での温度(単位は[℃])である。また、以下の表6に緩衝材内部の最高温度に着目した比較を示す。

これらより、本実施形態に係る熱解析による結果は、FEM解析結果を精度良く近似できていることがわかる。
上述した検討に用いたシステムの入力データは以下の通りである。
・予め算出されたベースケース解析結果(時間毎の距離と温度上昇量とのデータ)
・評価点の座標
・岩盤の初期地温
・廃棄体総数、処分坑道数、坑道1本当りの処分孔数、処分坑道間距離、処分孔定置間隔
・各廃棄体の初期発熱量(決定論的に設定する場合)
・リアライゼーション数(確率論的に設定する場合)
・初期発熱量の平均値、標準偏差、上下限値(確率論的に設定する場合)
・アウトプットする評価点の数とその番号
このシステムでは、上述したように評価点に対して熱的影響が無視できると考えられる範囲の廃棄体は、足し合わせ計算の対象から除外するよう計算アルゴリズムの工夫を行った。今回作成したプログラムでは、廃棄体数6,669個(27×247)、1タイプステップ、1リアライゼーションの重ね合わせ計算に対して、CPU=3.33GHzのPCを使用した場合の計算時間は約2秒であった。
また、上述した本実施形態に係る熱解析を用いた、必要となる廃棄体専有面積や合理的な廃棄体の空間配置方法に対して以下のような点が考慮されてもよい。ここでは岩盤竪置きを対象として、各廃棄体の発熱量を考慮して計画的に定置することの定量的効果、パネル端部の“除熱効果”の定量的効果について考慮する。
(1)各廃棄体の発熱量を考慮して計画的に定置する効果の検討
1)目的
ガラス固化体受入れ時の確認や地下施設での廃棄体の定置に際して、各廃棄体の発熱量のばらつきをどのように取扱うべきかについて検討を行う。以下の説明は、本実施形態に係る熱解析とは異なり、廃棄体毎の発熱分布が対称性を保ちながら無限に広がる状況を仮定した評価モデルを用いた検討に基づくものである。当該検討でガラス固化体特性として発熱量の管理が重要であることが明らかになったため、発熱量の異なる複数廃棄体をモデル化した熱解析を行い、発熱量のばらつきの取扱方法に係る検討を開始した。発熱量のばらつきの取扱いに関しては、以下の表7に示す通り、廃棄体の配置方法及び設計の考え方の相違によって3つのパターンを考えた。

*)ガラス固化体製造時に発熱量の上限値が設けられることから、定置時(50年貯蔵後を想定)の発熱量にも自ずと上限値が存在する。
表7のA案は、全ての廃棄体の発熱量が上限値に等しいと仮定して熱的設計を行うことを想定しており、設計の考え方は最も保守的で明快である。しかしその一方、上記の検討により、必要となる廃棄体専有面積(処分坑道間距離と処分孔間隔の積)が過大になることが示された。B案はA案同様、地下の廃棄体配置をランダムとするが、発熱量の分布を考慮してより合理的な設計を志向するものである。B案について、発熱量のばらつきを正規分布として発熱量を設定した12本の廃棄体(図18参照、矢印で示された発熱量が設定される発熱量である)を、緩衝材最高温度が最も大きくなるよう保守的に配置して熱解析を実施した。その結果、必要廃棄体専有面積はA案より小さく、A案より合理的な設計が可能であるとの見通しが得られた。
C案は、A,B案とは異なり廃棄体1本毎の発熱量を考慮してその配置を工夫する場合である。上記の検討では、上記B案で想定した保守的な廃棄体配置に対し、緩衝材最高温度が小さくなるように工夫して廃棄体を並び替えて熱解析を実施した結果、緩衝材最高温度はB案に比べて小さくなった。このことから、発熱量に応じて廃棄体の配置を工夫することにより、より合理的な設計が可能であるとの見通しが得られた。
しかしながら、上記の検討において使用した評価モデルは、発熱量の確率分布を分割して12本の廃棄体(図18参照)に割り当て、この廃棄体12本毎の発熱分布が対称性を保ちながら無限に広がる状況を仮定したものであり、評価モデルとしての一般性には欠ける。上記の検討において使用した評価モデルは、これによって定性的な傾向の議論は行えるものの、発熱量の空間的ばらつきに対して合理的に説明のつく形で廃棄体の定置間隔を設定する(設計を行う)には必ずしも適切な評価モデルとはいえない。
そこで、廃棄体の発熱量の不確実性を考慮する上で、より一般性が高い温度評価システムを用いて、廃棄体をランダムに定置する場合(表7のB案)と発熱量に応じて配置方法を工夫する場合(表7のC案)に対して温度評価を行う。それらの結果に基づいて必要となる廃棄体専有面積を算定し、廃棄体発熱量を管理することの効果を定量的に調べる。
2)検討方針
下記の2ケースにおける温度評価を行い、それぞれにおいて必要とされる廃棄体専有面積を算定し、両者の比較によって後者の効果を定量的に明らかにする。
・各廃棄体の発熱量の相違を考慮せずランダムに定置する場合
・各廃棄体の発熱量の相違を考慮して配置を工夫する場合
(a)前提条件
本検討では、評価モデル上考慮する全ての廃棄体において、それぞれの周囲の緩衝材の最高温度が100℃を超えないことを要件とする。
(b)検討対象
本検討では硬岩竪置きを対象とする。処分深度は1,000m(地表面温度を15℃、温度勾配を+3℃/100mと仮定し初期地温を45℃と設定)を基本に検討を実施する。但し、竪置き式の場合は岩盤の力学条件により廃棄体専有面積が決まるため、処分深度が浅く地温が小さい場合には、廃棄体発熱量のばらつきの存在が特に問題にならない場合があると予想される。そこで、そのような条件を明らかにしておくため、熱解析の線形性を利用し、処分深度1,000mの結果に基づき処分深度を変化させた場合の評価も実施する。
(c)必要廃棄体専有面積の算出方法
本検討では、複数廃棄体の発熱量のばらつきを考慮した温度評価として、発熱量の確率分布を仮定した、本実施形態の熱解析を用いたランダムサンプリングによるモンテカルロシミュレーションを実施する。モンテカルロシミュレーションのリアライゼーション数は10,000回とする。必要となる廃棄体専有面積の考え方について、本検討では10,000回の計算結果全てにおいて、モデル化した廃棄体の全てで緩衝材最高温度が100℃以下となることが必要条件であるものとする。つまり、緩衝材最高温度が100℃を超える廃棄体の存在する確率が1/10,000以下となるような専有面積を求めるものとする。
具体的には、岩盤の力学条件等を考慮し、例えば、処分坑道間隔=10m、処分孔間隔=4.4mを初期値とし、上記の条件が満たされるまで廃棄体専有面積を増加させて計算を行うこととする。
(d)専有面積拡大の方法
緩衝材温度を効率的に低減する観点からは、廃棄体専有面積(処分坑道間隔と処分孔間隔との積)を広げる際に、処分坑道間隔と処分孔間隔とを等方的に大きくするのが効果的であるが、本検討においてはコスト的な優位性に鑑み、処分孔間隔を固定して処分坑道間隔のみを大きくとることとする(図19参照)。
(e)発熱量のばらつきとその空間分布
廃棄体発熱量の確率分布は正規分布であると仮定する。ここで、廃棄体がバッチ単位で製造されること(1バッチ=廃棄体約12本相当)を考慮すると、その製造時期等に応じて発熱量に違いが生じ、バッチ毎の特定(偏り)を有することが可能性としては考えられる。しかし、本検討においては、発熱量のばらつきは処分パネル全体で一様であると仮定する。つまり、全ての廃棄体の発熱量は同じ確率分布に従い、廃棄体発熱量の空間的な偏りは考慮しないものとする。
3)検討方法
(a)解析手法
本実施形態に係る熱解析(「重ね合わせの手法」)を用いた近似的評価により、複数廃棄体の発熱量の空間的ばらつきを考慮した温度評価を行う。
(b)解析モデル
本検討では図20に示す地下施設レイアウトの廃棄体配置を参考に、1パネル分の廃棄体を解析対象として取扱うものとする。即ち、処分坑道本数=27本、処分坑道1本当りの廃棄体本=247個、総廃棄体=6,669個(27×247)として検討を行う。但し、パネル形状については簡単のため長方形とする。
(c)解析物性値
解析に使用する物性値を上記の表1に示す。
(d)廃棄体の分布に関するパラメータ
廃棄体初期発熱量の確率分布を正規分布と仮定し、以下のパラメータを考慮する。
a)初期発熱量の平均値
初期発熱量の平均値は350[W]とする。
b)初期発熱量の標準偏差
本検討では、初期発熱量の標準偏差を50[W]と設定する。
c)初期発熱量の上限値と下限値
初期発熱量の上限値を430[W]と設定する。また、初期発熱量の下限値としては200[W](μ−3σ)を設定する。
(e)発熱量に応じた廃棄体配置の工夫
緩衝材温度を効果的に低減できるような配置方法を考える場合、定置開始時に1パネル分の廃棄体が全て揃っているとすれば、緩衝材の最高温度をミニマムとすることを目的関数とした廃棄体の最適配置問題と考え、例えば「遺伝的アルゴリズム」や「焼きなまし法」などの最適化法を適用することも考えられる。
実務上は、廃棄体の発熱量が計測管理されているため、受入れ単位ごとの廃棄体の最適な配置方法が決定論的に求められると考えられる。ここでは、緩衝材の最高温度を低減するためには発熱量の大きい廃棄体の隣に発熱量の小さい廃棄体を定置することが基本的に有効であるとの立場から、以下に示す簡便な配置方法についてその効果を検討する。
[案1]2分割法
図21(a)に、1パネル分の廃棄体の発熱量の分布イメージを示す。図21(a)に示すとおり、廃棄体を発熱量の大きさに応じて2つのグループに分類し、発熱量の大きい方をグループ(A)、発熱量の小さい方をグループ(B)と呼ぶことにする。この方法は、処分坑道において廃棄体が以下の順序で定置され、常にグループ(A)と(B)の廃棄体が互いに隣り合うように管理する方法である(以下「2分割法」)。
→b→a→b→a→b→…→a→b→…
(a,bはそれぞれグループ(A),(B)から無作為に抽出された廃棄体)
また、処分坑道直角方向に隣り合う廃棄体についても、上記の順序となるよう配置上の考慮をするものとする。
[案2]4分割法
上記の考え方を延長し、図21(b)に示すように廃棄体を発熱量の大きさに応じて4つのグループに分類し、発熱量の大きい方から順にグループ(A)、グループ(B)、グループ(C)、グループ(D)と呼ぶことにする。この方法は、処分坑道において廃棄体が以下の順序で定置され、発熱量の大きい廃棄体は常に発熱量の小さい廃棄体と隣り合うように管理する方法である(以下「4分割法」)。
→d→b→c→a→d→b→c→a→d→b→c→…
…→a→d→b→c→…
(a,b,c,dはそれぞれグループ(A),(B),(C),(D)から無作為に抽出された廃棄体)
また、処分坑道直角方向に隣り合う廃棄体についても、上記の順序となるよう配置上の考慮をするものとする。
[案3]8分割法
上記同様の考え方を延長し、図21(c)に示すように廃棄体を発熱量の大きさに応じて8つのグループに分類し、発熱量の大きい方から順にグループ(A)、グループ(B)、…、グループ(H)と呼ぶことにする。8分割法では、廃棄体の定置順序の一例として、以下の順序で定置されるよう管理する。
→h→d→e→c→f→b→g
→h→d→e→c→f→b→g→…
…→a→h→d→e→c→f→b→g→…
(a,b,…,hはそれぞれグループ(A),(B),…,(H)から無作為に抽出された廃棄体)
また、処分坑道直角方向に隣り合う廃棄体についても、上記の順序となるよう配置上の考慮をするものとする。
(f)解析における各廃棄体の発熱量の設定
解析における各廃棄体の発熱量の設定は、以下の方法による。ランダム配置の場合は、各ケースで仮定した発熱量の確率分布に従い、1リアライゼーションにつき6,669個のランダムサンプリングを行う。これらの発熱量を順番にQ,Q,…,Q6669とする。図22に示すように、パネル隅角部の廃棄体から順番に上記の発熱量Q〜Q6669をそれぞれ各廃棄体に割り当てていく。
発熱量に応じて工夫して配置する場合(2分割法の場合)は、上記と同様、発熱量の確率分布に従って1リアライゼーションにつき6,669個のランダムサンプリングを行い、これらの発熱量を順番にQ,Q,…,Q6669とする。Q〜Q6669の発熱量をその大きさに従って2つのグループ(A),(B)に分割する(以下、各発熱量が(A),(B)どちらに属するかをQ(A),Q(B)等と表現)。Q,Q,Q,…の順番がグループ(A),(B)交互になっている場合には、図22の順序に従いそのまま定置する。グループ(A),(B)のいずれかが連続して交互となっていない場合には、直近の発熱量を入れ替えて(A),(B)が交互となるように調整する。例えばQ(A),Q(B),Q(B),Q(A),Q(A),…となっている場合、定置順序を入れ替えてQ(A),Q(B),Q(A),Q(B),Q(A),…の順序に調整する。
(g)解析ケース及び解析手順
以下の表8に示す6ケースに対してモンテカルロシミュレーションを実施し、各ケースにおいて必要となる廃棄体専有面積を試行錯誤的に求める。

この時の処理は、図8を用いて説明した処理である。なお、S07における廃棄体の配置位置の再設定は、例えば、処分坑道間距離を0.5m増加させるというものである。また、廃棄体専有面積は、上述したように処分坑道間距離と処分孔間隔の積で算出することができる。
4)検討結果
モンテカルロシミュレーションの結果の一例として、表8に示すケース1−Bの発熱条件で廃棄体配置を標準仕様で固定したケース(処分深度=1000m、廃棄体の初期発熱量の平均値=350W、標準偏差=50W、上限値=430W、処分坑道離間距離=10m、ランダム配置)における1万リアライゼーションの解析結果を図23に示す。図23は、各リアライゼーションにおける全ての廃棄体(6,669個)周囲の緩衝材のピーク温度の最大値を1万点プロットしたものである。
図8を用いて説明した処理に従って算定した各ケースの廃棄体専有面積の結果を図24に示す。これより、廃棄体をランダムに配置する場合に比べて、発熱量に応じて廃棄体配置を工夫することの定量的効果が明らかとなった。
(2)パネル端部の“除熱効果”の定量的効果
パネル端部の“除熱効果”が期待できる領域について、「除熱効果のない領域」に対してどの程度の発熱量の割増しを許容し得るか、その効果を定量的に検討する。ここでは上記(1)と同様、硬岩竪置き、処分深度1,000mのケースを対象とし、評価モデルも上記同様の1パネル分の廃棄体(27×247=6,669個、図25参照)を対象に検討を行う。ここでは、廃棄体発熱量を決定論的に配置して温度評価を行い、
・除熱効果が期待できる領域の範囲
・端部に置ける最大発熱量
を調べる。
まず、全ての廃棄体の初期発熱量が一様に350[W]であるとした場合について、パネルの位置に応じた緩衝材内側温度の最大値の分布を図26に示す。これより、“除熱効果”が期待できる範囲は、パネル端部から概ね50m程度の領域であると考えられる。
次に、最も外側の処分坑道の廃棄体のみ初期発熱量を上げた場合の温度評価を行った。最も外側の処分坑道における緩衝材最大温度を図27に示す。これより、他の廃棄体の初期発熱量が一様に350[W]の場合、最外縁の処分坑道の廃棄体の初期発熱量は460[W]まで許容可能といえる。
引き続いて、上述した一連の熱解析装置10による処理をコンピュータに実行させるための熱解析プログラムを説明する。図28に示すように、熱解析プログラム30は、コンピュータに挿入されてアクセスされる、あるいはコンピュータが備える記録媒体20に形成されたプログラム格納領域21内に格納される。
熱解析プログラム30は、単位情報入力モジュール31と、ベースケース算出モジュール32と、発熱体情報入力モジュール33と、温度影響算出モジュール34と、加算モジュール35と、判断モジュール36と、出力モジュール37とを備えて構成される。単位情報入力モジュール31と、ベースケース算出モジュール32と、発熱体情報入力モジュール33と、温度影響算出モジュール34と、加算モジュール35と、判断モジュール36と、出力モジュール37とを実行させることにより実現される機能は、上述した熱解析装置10の単位情報入力部11と、ベースケース算出部12と、発熱体情報入力部13と、温度影響算出部14と、加算部15と、判断部16と、出力部17の機能とそれぞれ同様である。
なお、熱解析プログラム30は、その一部若しくは全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送され、他の機器により受信されて記録(インストールを含む)される構成としてもよい。また、熱解析プログラム30の各モジュールは、1つのコンピュータでなく、複数のコンピュータのいずれかにインストールされてもよい。その場合、当該複数のコンピュータによるコンピュータシステムよって上述した一連の熱解析プログラム30の処理が行われる。
1…廃棄体、10…熱解析装置、11…単位情報入力部、12…ベースケース算出部、13…発熱体情報入力部、14…温度影響算出部、15…加算部、16…判断部、17…出力部、20…記録媒体、21…処分坑道、21…プログラム格納領域、30…熱解析プログラム、31…単位情報入力モジュール、32…ベースケース算出モジュール、33…発熱体情報入力モジュール、34…温度影響算出モジュール、35…加算モジュール、36…判断モジュール、37…出力モジュール。

Claims (6)

  1. 複数の発熱体が配置される領域における熱解析を行う熱解析装置であって、
    前記領域及び単位個数の発熱体に関する情報を入力する単位情報入力手段と、
    前記単位情報入力手段によって入力された情報に基づいて、前記単位個数の発熱体からの位置に応じた当該発熱体による温度の影響を算出するベースケース算出手段と、
    前記領域における前記複数の発熱体が配置される位置及び発熱体個数を示す情報を入力する発熱体情報入力手段と、
    前記ベースケース算出手段によって算出された前記影響、及び前記発熱体情報入力手段によって入力された情報によって示される発熱体が配置される位置から前記領域における所定位置である評価点までの距離に基づいて、当該発熱体の当該評価点での温度の影響を算出する温度影響算出手段と、
    前記温度影響算出手段によって算出された各発熱体の前記評価点での温度の影響を加算する加算手段と、
    前記加算手段によって加算された前記評価点での温度の影響を示す情報を出力する出力手段と、
    を備え
    前記単位情報入力手段は、前記単位個数の発熱体に関する情報として前記単位個数の発熱体の発熱量を示す情報を入力して、
    前記発熱体情報入力手段は、配置される発熱体の発熱量を示す情報を入力して、
    前記温度影響算出手段は、前記単位個数の発熱体及び配置される各発熱体の各発熱量にも応じて当該配置される各発熱体の当該評価点での温度の影響を算出し、
    前記発熱体情報入力手段は、前記発熱量の確率分布を示す情報を入力して、当該確率分布に応じて各発熱体の発熱量を決定する、熱解析装置。
  2. 前記発熱体情報入力手段は、各発熱体の発熱量に応じて、当該各発熱体の配置を決定する請求項に記載の熱解析装置。
  3. 前記発熱体情報入力手段は、前記確率分布に応じて各発熱体の発熱量を複数、決定して、
    前記温度影響算出手段及び前記加算手段は、前記発熱体情報入力手段によって決定された各発熱体の発熱量の複数の組毎に処理を行う、請求項1又は2に記載の熱解析装置。
  4. 前記加算手段によって加算された前記評価点での温度の影響が予め設定された条件を満たすか否かを判断して、満たしていると判断されたら前記出力手段による出力を実行させ、満たしていないと判断されたら当該評価点での温度の影響とは異なる前記複数の発熱体が配置される位置を示す情報を発熱体情報入力手段に入力して、当該位置に基づく前記評価点での温度の影響を再度算出させる判断手段を更に備える請求項1〜の何れか一項に記載の熱解析装置。
  5. 複数の発熱体が配置される領域における熱解析を行う熱解析方法であって、
    前記領域及び単位個数の発熱体に関する情報を入力する単位情報入力ステップと、
    前記単位情報入力ステップにおいて入力された情報に基づいて、前記単位個数の発熱体からの位置に応じた当該発熱体による温度の影響を算出するベースケース算出ステップと、
    前記領域における前記複数の発熱体が配置される位置及び発熱体個数を示す情報を入力する発熱体情報入力ステップと、
    前記ベースケース算出ステップにおいて算出された前記影響、及び前記発熱体情報入力ステップにおいて入力された情報によって示される発熱体が配置される位置から前記領域における所定位置である評価点までの距離に基づいて、当該発熱体の当該評価点での温度の影響を算出する温度影響算出ステップと、
    前記温度影響算出ステップにおいてによって算出された各発熱体の前記評価点での温度の影響を加算する加算ステップと、
    前記加算ステップにおいて加算された前記評価点での温度の影響を示す情報を出力する出力ステップと、
    を含み、
    前記単位情報入力ステップにおいて、前記単位個数の発熱体に関する情報として前記単位個数の発熱体の発熱量を示す情報を入力して、
    前記発熱体情報入力ステップにおいて、配置される発熱体の発熱量を示す情報を入力して、
    前記温度影響算出ステップにおいて、前記単位個数の発熱体及び配置される各発熱体の各発熱量にも応じて当該配置される各発熱体の当該評価点での温度の影響を算出し、
    前記発熱体情報入力ステップにおいて、前記発熱量の確率分布を示す情報を入力して、当該確率分布に応じて各発熱体の発熱量を決定する、熱解析方法。
  6. 複数の発熱体が配置される領域における熱解析を行う熱解析プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記領域及び単位個数の発熱体に関する情報を入力する単位情報入力手段と、
    前記単位情報入力手段によって入力された情報に基づいて、前記単位個数の発熱体からの位置に応じた当該発熱体による温度の影響を算出するベースケース算出手段と、
    前記領域における前記複数の発熱体が配置される位置及び発熱体個数を示す情報を入力する発熱体情報入力手段と、
    前記ベースケース算出手段によって算出された前記影響、及び前記発熱体情報入力手段によって入力された情報によって示される発熱体が配置される位置から前記領域における所定位置である評価点までの距離に基づいて、当該発熱体の当該評価点での温度の影響を算出する温度影響算出手段と、
    前記温度影響算出手段によって算出された各発熱体の前記評価点での温度の影響を加算する加算手段と、
    前記加算手段によって加算された前記評価点での温度の影響を示す情報を出力する出力手段と、
    として機能させ
    前記単位情報入力手段は、前記単位個数の発熱体に関する情報として前記単位個数の発熱体の発熱量を示す情報を入力して、
    前記発熱体情報入力手段は、配置される発熱体の発熱量を示す情報を入力して、
    前記温度影響算出手段は、前記単位個数の発熱体及び配置される各発熱体の各発熱量にも応じて当該配置される各発熱体の当該評価点での温度の影響を算出し、
    前記発熱体情報入力手段は、前記発熱量の確率分布を示す情報を入力して、当該確率分布に応じて各発熱体の発熱量を決定する、熱解析プログラム。
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