JP5872466B2 - 放射性核種含有ナノ粒子を製造するための封入方法 - Google Patents

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Description

本願は、2009年7月17日に出願されたデンマーク特許出願第PA 2009 00879号、2010年2月2日に出願された米国特許仮出願第61/300,782号及び2010年2月2日に出願された欧州特許出願第10152394.2号に基づいて優先権を主張する。これらの出願の開示内容全体は参照により本願明細書に援用する。
本願明細書において引用する全ての特許文献及び非特許文献の開示内容は参照によって本願明細書に援用する。
本発明は、患者の癌及びその他の疾患を診断するために有用な撮影(画像化)用組成物に関連する技術分野に関する。特に、本発明は、銅同位体(例えば、61Cu及び64Cu)等の放射性核種が封入された新規なリポソーム組成物を含む診断用化合物に関する。また、本発明は、リポソーム組成物等の送達システムに放射性核種を封入するための新規な方法、及び癌性組織等(一般的には血管の出血を伴う病理学的症状)の標的部位の診断におけるそれらの使用に関する。本発明は、ポジトロン断層法(PET)の利用における新規な診断ツール(手段)を提供する。
リポソームは、その内部に封入され及び/又はその膜中に含有された様々な診断物質又は治療物質を送達するベシクルとして機能することができる。通常、リポソームは、1以上の二重層の膜によって外部環境から分離された内部コアからなるナノスケールのベシクルである。二重層膜は、疎水性領域と親水性領域を含む合成又は天然脂質等の両親媒性分子によって形成することができる(非特許文献1)。また、二重層膜は、粒子(例えば、ポリマーソーム又はポリマー粒子)を構成する両親媒性ポリマーによって形成することもできる。
リポソームは、例えば、有用な特性を有するか又は有用な活性をもたらす化合物又は放射性核種等の担体として機能することができる。この場合、リポソームは内部に所望の物質を含むように形成される。リポソームに導入される物質は、リポソーム膜の外表面に結合していてもいいし、リポソームの内部コアに位置していてもよいし、又はリポソームの二重層中に位置していてもよい。リポソーム内に放射性核種を封入するための方法としては、例えば、リポソーム形成後の表面標識(非特許文献2)、予め形成したリポソームの脂質二重層への標識の導入(非特許文献3)、脂質キレート剤複合体の導入による予め形成したリポソームの表面標識(非特許文献4及び非特許文献5)、予め形成したリポソームへの水相封入(非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8及び非特許文献9)が知られている。予め形成したリポソーム内への水相封入による物質の封入は、物質の「loading」、「encapsulating」、「entrapping」とも呼ばれる。
水相封入によるリポソーム内への物質の封入は、生体内安定性が最も高いと見られるが、これは当該物質がリポソーム内の保護された場所に存在するようになるためである。リポソーム内に物質を封入する目的は、生体内の破壊的環境及び急速な排泄から物質を保護することである場合が多い。物質を封入することにより、当該物質の活性が有用ではなかったり望ましくなかったりし得る部位ではなくて、その活性が有益である部位又は環境において活性が主に発揮されるようにすることができる。ポリエチレングリコール(PEG)鎖が外表面に結合したリポソームは血流中において長い循環時間を示すことが知られている。これらのリポソーム組成物は、注入するやいなやリポソームを攻撃しその迅速な除去又は破裂及び内部に封入された物質の早過ぎる放出を引き起こす免疫系を、効果的に回避することができる。血流中における循環時間を長くすることにより、リポソーム内に封入された物質は標的組織に到達するまでリポソーム内にとどまることになる。この現象はパッシブターゲティング送達(passive targeting delivery)と呼ばれ、長時間循環したナノ粒子が腫瘍領域又は炎症部位に蓄積するのは、これらの領域においては血管系が出血していること、及び有効なリンパ排出系が欠如していることによるものである。例えば、長時間循環リポソーム内に封入された放射性診断物質をパッシブターゲティングによって患者の患部に送達して診断を容易化することができる。アクティブ又はリガンドターゲッティング送達システムは、細胞表面の抗原又は受容体を標的とするリガンドを表面に結合させたリポソーム組成物である(非特許文献10)。放射性核種が封入されたリポソーム組成物を含む製剤において長時間循環リポソームとターゲティング化リポソームの特性を一つに組み合わせることにより、標的部位(腫瘍等)における放射能送達の特異性と程度を著しく高めることができる。
理想的には、リポソーム組成物は、(i)高い封入効率(封入工程に使用される物質の全量に対する封入された物質の割合が高いこと)を達成し、(ii)安定した形態(保管時における、又は、リポソームが所期の活性を発揮することが期待される部位もしくは環境に到達する前における封入物質の放出(漏出)が最小であること)で、所望の物質(化合物又は放射性核種)を含むように形成することができる。
予め形成したリポソーム内への水相封入による銅同位体等の放射性核種の封入は、脂質膜を通して金属イオンを輸送することができる化合物(イオノフォア)を使用して行うことができる。膜障壁を通過した放射性核種は、リポソーム組成物の内部に封入されたキレート剤に対するより強い親和性のために該キレート剤とより好ましく結合し、遊離(フリーの)イオノフォアは放出され、放射性核種はリポソーム組成物内に封入される。
診断及び/又は治療用途において、銅同位体に注目が集まっている。診断用途においては、ポジトロン断層法(PET)による診断撮影に使用することができる陽電子放射体の61Cu及び64Cuが注目を浴びている。64Cuは全ての崩壊様式を有する興味深い銅同位体であり、半減期が12.7時間であって生物学的研究に適している。半減期が約6〜12時間であれば、標的の迅速な識別を可能とする十分なバックグラウンドクリアランスを確保しながら、炎症性組織又は癌性標的においてリポソームを十分に蓄積させる上で理想的であると思われる(非特許文献11)。また、64Cuは全ての銅同位体の化学特性を表すモデル核種として使用することができる。
治療用途のための理想的な放射性同位体は、β、α及びオージェ電子放出体等の低透過性放射線を放射する同位体である。そのような放射性同位体の例としては、67Cu、67Ga、225Ac、90Y、177Lu、119Sbが挙げられる。放射性医薬品としての低エネルギー放射性同位体が標的部位に到達すると、エネルギーは標的部位のみに照射され、周辺の正常な組織には照射されない。異なる放射性同位体から放射された粒子のエネルギー及び組織におけるその到達範囲、並びにその半減期は様々であり、最も適切な放射性同位体は、用途、疾患及び疾患組織へのアクセス可能性に応じて異なる。
診断用途において理想的な放射性同位体は、比較的短い半減期を有し、ポジトロン断層法(PET)及び/又は単一光子放射断層撮影(SPECT)等の撮影技術によって検出される高透過放射線を放射する同位体である。放射性核種の半減期は、非標的器官からの除去を可能としながらも、所望の化学反応を行って放射性医薬品を合成することが可能な程度に十分長く、また患者の標的組織において蓄積することができる程度に十分長くなければならない。放射性核種である64Cuは、PET及びSPECT(非特許文献12)並びに治療(非特許文献13)の用途において汎用的な同位体であることが証明されている。61Cu(T1/2=3.33時間)及び64Cu(T1/2=12.7時間)等の放射性核種からなる放射性医薬品及び放射性標識リポソーム組成物はポジトロン断層法(PET)による撮影に使用することができ、単一光子放射断層撮影(SPECT)に対する主な利点としては、a)コリメータの代わりに、互いに対向する一対のシンチレーターによって同時(<10-9秒)に検出された光子のみが表示(registered)される消滅放射線同時検出(ACD)法を採用しており、検出視野が(非発散)円柱状であり、感度及び解像度が検出視野内において変化しないため、感度が著しく向上し(×30〜40)、空間分解能が約2倍(<5mm)向上すること(非特許文献14)、b)PETスキャナは、全ての画像を、光子減衰、散乱及び偶発性についての補正後の放射能濃度(例えば、Bq/mL)の単位に基づいて提供するため、SPECTよりも定量的な方法であると考えられること(非特許文献15)、が挙げられる。
特許文献1は、腫瘍の中性子捕捉治療のためのリポソーム封入化合物にかかる組成物及び使用方法を開示している。特許文献1では、活性化しなければ放射性を示さない安定元素(ホウ素等)がリポソームに封入されている。特許文献1に開示された方法は、イオノフォアやキレート剤は使用していない。
特許文献2は、癌治療に適しており、カルシウムイオノフォアA23187を使用したイオノフォア封入によってα粒子を放射する重放射性核種(原子量:>150)が封入された放射性標識リポソームを開示している。この方法は診断的見地からは有用ではなく、PETを使用することもできない。
特許文献3及び特許文献4は、子宮内膜インプラント又は該インプラント内の血管の出血を治療及び/又は検出するために有用な医薬組成物と共に放射性標識錯体が封入されたリポソームを開示している。放射性核種は、オキシン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)のいずれかと錯体を形成している陽電子放射体又はガンマ放射体であり、陽電子放射体は11C、18F、76Br、77Br及び89Zrから選択され、ガンマ放射体は67Ga及び111Inから選択される。しかしながら、該リポソームは陽電子放射体の封入にオキシン以外のイオノフォアを使用しておらず、該医薬組成物は子宮内膜インプラント又は該インプラント内の血管の出血を治療及び/又は検出するためにのみ使用される。
特許文献5は、イオノフォアとしてオキシンを使用して放射性核種111In、177Lu、90Y及び225Acをリポソーム組成物に封入することを開示している。核種は、リポソーム組成物の内部に封入されたジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)又は他のキレート剤に対するより強い親和性のために、該キレート剤とより好ましく結合し、遊離オキシンは放出され、放射性核種がリポソーム組成物内に封入される。診断的見地からは、この方法はPET撮影には使用することができず、放射性核種が限定されているためにSPECTにしか使用することができない。
特許文献6は、各種撮影に使用される60Cu、62Cu、67Cu等の放射性核種に結合するキレート剤に共有結合させることができ、インテグリン受容体に結合するペプチドミメチック部分(moiety)を開示している。特許文献6は、キレート化Tm及びGdを含む、核磁気共鳴映像法(MRI)のためのリポソームの製造方法も開示している。特許文献6に開示された製造方法では、イオノフォアは使用していない。
非特許文献16は、理論的研究において放射性核種131I、67Cu、188Re又は211Atで標識されたリポソームの治療的有効性について分析しているが、標識リポソームを製造するための化学的方法については示唆していない。
放射性銅同位体を使用した放射性医薬品は現在までに数えるほどしか見出されていない。放射性銅同位体を使用した放射性医薬品の例としては、低酸素血症マーカーとしての60Cu−ATSMや、腫瘍治療剤としての可能性が示唆されている64Cu−ATSM及び64Cu−PTSMが挙げられる。その他の物質として、銅標識ペプチドや、放射性銅が二官能性キレート剤を介して生体分子に結合した抗体も知られている。しかしながら、銅封入リポソーム組成物は得られていない。
従って、診断用途に関連する技術分野において、放射性核種61Cu等のPETに有用な放射線診断用物質及び撮影用物質等の様々な化合物の送達に有用な各種リポソーム組成物を提供することが求められている。本発明は、化合物カルボスチリルを使用して、放射性銅同位体又は他の放射性核種を、予め形成したリポソーム組成物に封入するための新規な方法を提供する。全ての銅同位体の化学特性を表すモデル核種として陽電子放射体64Cuを使用する。
欧州特許第386 146 B1号 国際公開第WO2001/060417号 国際公開第WO2004/082627号 国際公開第WO2004/082626号 米国特許出願公開第2009/0081121号 国際公開第WO2006/095234号
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本発明は、癌又はその他の疾患の撮影及び/又は治療のための多機能かつ多様式(multimodality)の放射性核種の送達に有用なリポソーム組成物に関する。
本発明の一態様は、ベシクル形成成分と、ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、内部に封入され銅放射性核種を含む放射性標識物質と、を有するリポソーム組成物から構成される、リポソーム内に封入された放射性核種を提供する。本発明の一実施形態において、銅核種はCu(II)カチオンである。本発明の別の実施形態において、銅核種はCu(I)カチオンである。本発明の一実施形態において、放射性核種は、銅とは異なる1種以上の同位体をさらに含み、該同位体は放射性であってもなくてもよい。一実施形態において、銅とは異なる1種以上の同位体は、キレート剤等のリンカー分子を介してナノ粒子組成物の内表面又は外表面に結合している。別の実施形態において、銅とは異なる1種以上の同位体は、ナノ粒子組成物の内部に封入されている。
本発明の一実施形態において、ベシクルは、放射性であってもなくてもよい、銅とは異なる1種以上の同位体をさらに含む。
本発明の別の態様は、リポソーム組成物内に封入された放射性核種の製造方法であって、リポソーム組成物は、ベシクル形成成分と、ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含み、物質封入成分は、キレート剤であるか、還元剤(アスコルビン酸、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド、ラクトース、アラビノース、麦芽糖及びアセトール等)であるか、又は銅イオンと共に低溶解性塩を形成する物質(リン酸、シュウ酸、塩化物等)である方法に関する。リポソーム組成物内には放射性核種が封入され、放射性核種は銅放射性核種を含む。
また、本発明は、患者の癌性疾患、及び、一般的に血管の出血を伴う病理学的症状を診断及び/又は治療するための方法であって、リポソーム組成物を患者に投与することを含み、リポソーム組成物は、ベシクル形成成分と、ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含み、放射性標識物質は、61Cu、64Cu及び67Cu等からなる群から選択される銅同位体の形で放射性核種を含む方法を提供する。本発明の一実施形態において、放射性標識物質は、61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される銅同位体の形で放射性核種を含む。本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子組成物は静脈内投与する。本発明に係る方法の別の実施形態において、ナノ粒子組成物は経口投与する。
本発明の特に重要な方法は、放射性核種が封入されたリポソーム組成物の製造方法である。放射性核種の封入は、形成されたリポソーム組成物(及び、一般的に脂質膜)を通して金属体を輸送することができる親油性化合物(イオノフォア)を使用して水相で行う。放射性核種は物質封入成分と相互作用し、リポソーム組成物の内部に封入される。これにより、遊離イオノフォアが放出され、放射性核種をリポソーム組成物の内部に封入することができる。
また、本発明は、放射性標識リポソーム組成物の製造方法であって、該リポソーム組成物は、内部に封入された細胞内核ターゲティング特性を有する化合物をさらに含む方法を提供する。細胞内核ターゲティング特性を有する化合物は、キレート剤、アミノ酸配列及び放射性核種等からなる群から選択される成分を含む。一実施形態において、該化合物は、キレート剤、アミノ酸配列及び放射性核種からなる群から選択される。細胞内核ターゲティング特性を有する化合物は、物質封入成分に結合しナノ粒子組成物内に封入された核局在配列ペプチド(NLSペプチド)であってもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態は、リポソーム組成物及び/又は標識錯体を検出することによって患者の標的部位におけるリポソーム組成物の存在を監視する工程をさらに含む。放射性核種が陽電子放射体である場合には、監視はポジトロン断層法(PET)によって行うことができる。放射性核種がガンマ放射体である場合には、監視は単一光子放射断層撮影(SPECT)によって行うことができる。
本発明の別の実施形態は、患者の癌疾患又はその他の疾患を診断及び/又は治療するための方法であって、ナノ粒子が、61Cu、64Cu及び67Cu等からなる群から選択される銅同位体の形で放射性核種を含む方法を提供する。好適な実施形態において、銅同位体は61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される。
また、本発明は、癌疾患を診断及び/又は治療するための方法であって、血管新生又は炎症部位の組織又は細胞を標的とする外部部分(リポソーム組成物の表面に結合される)と組み合わせて放射性核種を含む長時間循環リポソームを投与することを含み、放射性核種は、61Cu、64Cu及び67Cu等からなる群から選択される銅同位体である方法を提供する。本発明の好適な実施形態において、放射性核種は61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される銅同位体である。
また、本発明は、医薬送達組成物の製造方法であって、外部リン脂質層及び内部リン脂質層を有するリポソーム成分を用意する工程と、血管新生又は炎症部位又は血管の出血を標的とする部分を外部リン脂質層に結合させてターゲティング化リポソーム成分を形成する工程と、放射性標識錯体がリポソーム内に拡散しリポソーム内に封入されることに適した条件においてリポソーム成分を放射性標識錯体と組み合わせる工程と、を含む方法を提供する。
式Aで示されるイオノフォアは、ベシクル膜を通して様々な金属放射性核種を輸送することができることが見出された。従って、本発明の別の態様又は本発明に係る方法において、ベシクル膜を通して放射性核種を輸送するために使用するイオノフォアは式A(図2)で示され(式Aのあらゆる好適な実施形態を含む)、ベシクルに封入される放射性核種は銅とは異なる放射性核種であってもよい。
本発明のさらなる態様及び利点は、以下の説明から明らかになるか、本発明を実施することにより明らかになるだろう。本発明の目的及び利点は、特に請求項に記載された要素及び組み合わせによって実現及び達成することができる。
なお、上述した説明及び以下の説明は例示及び説明のみを目的とするものであり、請求項に記載された本発明の範囲を制限することを意図するものではないことを理解されたい。
上述した発明の概要及び以下の発明の詳細な説明は、添付図面を参照することによってより良く理解されるだろう。本発明について説明するために、現時点において好適と思われる実施形態を図面に示している。ただし、本発明は図面に示す実施形態及び手段に限定されるものではないことを理解されたい。
図1は、(A)カルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン、あるいは2HQともいう)及び(B)キノリン(C97N)の構造を示す。C及びDは、銅同位体又はその他の金属体をリポソームに封入するために使用することができる本発明に係るイオノフォアの例であるカルボスチリルの誘導体である。Rは、例えば、H、F、Cl、Br、I、炭素鎖(H以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C24炭素鎖)、OH、O−Z(式中、ZはH以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C24炭素鎖である)、S−H、S−Z、Se−H、Se−Z、NH2、NH−Z又はN−Z−Zを表す。Xは、例えば、SH、SeH、O−Y(式中、YはH以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C8炭素鎖である)、S−Y、SeY、NH2、NH−Y、N−Y−Yを表す。 図2は本発明に係る2−置換イオノフォアの一般化構造を示す。本発明の又は本発明に係る方法の好適な実施形態において、Xはヒドロキシ基であり、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は水素原子であり、この場合該化合物は2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル、あるいは2HQ)と命名される(図1Aを参照)。別の実施形態において、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表す。一実施形態において、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。 図3は、オキシン(8−ヒドロキシキノリン、8HQともいう)の構造を示す(A)。B及びCは、銅同位体又はその他の金属体をリポソームに封入するために使用することができる本発明に係るイオノフォアの例である。Rは、例えば、H、F、Cl、Br、I、炭素鎖(H以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C24炭素鎖)、OH、O−Z(式中、ZはH以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C24炭素鎖である)、S−H、S−Z、Se−H、Se−Z、NH2、NH−Z又はN−Z2を表す。Xは、例えば、SH、SeH、O−Y(式中、YはH以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C8炭素鎖である)、S−Y、SeY、NH2、NH−Y、N−Y2を表す。 図4は本発明に係る8−置換イオノフォアの一般化構造を示す。本発明の又は本発明に係る方法の好適な実施形態において、Yはヒドロキシル基であり、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は水素原子であり、該化合物は8−ヒドロキシキノリン(オキシン、8HQともいう)と命名される(図3Aを参照)。別の実施形態において、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、互いに独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表す。一実施形態において、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。 図5Aは、イオノフォア(カルボスチリル)を使用した64Cu封入リポソーム組成物の封入モデルを示す。封入される銅同位体は、Cu(II)カチオン又はCu(I)カチオンであってもよい。図5Bは、イオノフォアを使用した放射性核種封入ナノ粒子組成物の封入モデルを示す。 図6は、等温滴定熱量測定(ITC)分析によるDOTAを使用した2−ヒドロキシキノリンからのCu(II)抽出の測定結果を示す。2−ヒドロキシキノリンとDOTAの交換を熱スパイクプロット(A)及び積分熱プロット(B)として示している。実験条件:0.5mM Cu(2−ヒドロキシキノリン)2に10μLの5mM DOTAを注入して滴定した。全ての溶液はミリQ水(pH7.4)を使用して調製した。 図7は、カルボスチリル(A)又はオキシン(B)を使用した場合の、DSPC/コレステロール/DSPE−PEG−2000から構成されるDOTA封入リポソームへの64Cuの封入効率を示す(Sephadex G−50カラムを使用したサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で解析)。いずれの場合も、リポソームの内部pHは4.0だった。図7及び図10に示すデータは、分析に使用したソフトウェアが異なる以外は同一である。高い封入効率(それぞれ93%及び94%)が得られた。 図8は、100nmのサイズを有する64Cu−リポソームの、37℃の溶液(pH7.4)中で24時間インキュベートした後のインビトロ安定性を示す。64Cu−リポソームには、カルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン、2HQ)(A、C)又はオキシン(B、D)を使用して64Cuを封入した。リポソームの内部pHは4.0(A、B)及び7.4(C、D)であった。 図9は、等温滴定熱量測定(ITC)分析によるDOTAを使用した2−ヒドロキシキノリンからのCu(II)抽出の測定結果を示す。2−ヒドロキシキノリンとDOTAの交換を熱スパイクプロット(A)及び積分熱プロット(B)として示している。実験条件:0.5mM Cu(2HQ)2に2μLの5mM DOTAを注入して滴定した。全ての溶液はMES緩衝液(pH5.9)を使用して調製した。 図10は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)による、64Cu−リポソームと封入されなかった64Cuの分離を示す。カルボスチリル(A)又はオキシン(B)を使用して64CuをDSPC/コレステロール/DSPE−PEG−2000から構成されるDOTA封入リポソームに封入した。高い封入効率(それぞれ93%及び94%)が得られた。いずれの場合もリポソームの内部pHは4.0だった。図7及び図10に示すデータは、分析に使用したソフトウェアが異なる以外は同一である。 図11は、マウスにおける64Cu−リポソーム(DSPC/CHOL/DSPE−PEG−2000、モル比:55:40:5)及び64Cu−DOTAの血中濃度と時間のプロファイルを示す時間放射能曲線(time−activity curve:TAC)である。放射能濃度は、PET/CT画像上で左心室の周囲に注目領域(ROI)を描くことによって推定した。左心室は、マウスにおいて血中濃度を調べるための最も代表的な領域である。活性は、時間の関数としての%ID mL-1(percent injected dose per ml、すなわち1mlあたりの、注入用量に対するパーセンテージ)で表した。全ての値は平均±s.e.m(n=10)である。 図12は、肝臓、心臓、脾臓、筋肉組織及び腫瘍における64Cu−リポソーム(DSPC/CHOL/DSPE−PEG−2000、モル比:55:40:5から構成される)のインビボ生体内分布(時間の関数としての%ID臓器-1(percent injected dose per organ、すなわち臓器あたりの、注入用量に対するパーセンテージ)として表し、注目領域(ROI)画像分析から算出した)の時間放射能曲線(TAC)である。全ての値は平均±s.e.m(n=10)である。 図13は、正常なマウス及び腫瘍を有するマウスにおける64Cu−リポソーム(DSPC/CHOL/DSPE−PEG−2000、モル比:55:40:5から構成される)の分布を示す陽電子断層撮影(PET)/コンピュータ断層撮影(CT)画像を示す。A:正常なマウスへの64Cu−リポソームの静脈内注入から1、4、12及び24時間後の冠状(coronal)PET画像。B:正常なマウスへの64Cu−リポソームの静脈内注入から4時間後の冠状PET/CT画像。C:結腸腺癌(HT29(矢印を参照))を有するマウスの左及び右脇腹への64Cu−リポソームの静脈内注入から24時間後の冠状PET画像。D:結腸腺癌(HT29(矢印を参照))を有するマウスの左及び右脇腹への64Cu−リポソームの静脈内注入から24時間後の軸位PET画像(上)及び軸位PET/CT画像(下)。 図14は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)による、177Lu−リポソームと封入されなかった177Luの分離を示す。2−ヒドロキシキノリン(2HQ)を使用して177LuをDSPC/CHOL/DSPE−PEG−2000から構成されるDOTA封入リポソームに封入した。96%にも及ぶ高い封入効率が得られた(A)。(B)は貯蔵安定性試験(37℃で24時間)の結果を示しており、2HQを使用して177Luを封入した場合には、10mM DOTAを含む177Lu−リポソーム(pH4.0)は全放射能の95%を超える放射能を維持していた。 図15は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)による、64Cu/177Lu−リポソームと封入されなかった64Cu及び177Luの分離を示す。2−ヒドロキシキノリン(2HQ)を使用して64Cu及び177LuをDSPC/CHOL/DSPE−PEG−2000から構成されるDOTA封入リポソームに封入した。高い封入効率(64Cuは95%、177Luは98%)が得られた。この結果は、2HQによってDOTA封入リポソーム内に177Lu及び64Cuを同時に効率的に封入することができることを示している。
用語の定義
本願明細書において使用する「ベシクル」という用語は、内部空間が存在することによって特徴付けられる実体を意味する。好ましいベシクルは、本願明細書に開示する各種両親媒性成分等の脂質から構成される。
本願明細書において使用する「ナノ粒子」という用語は、含水コアを取り囲む最も広義の膜を構成するリポソーム、ポリマーソーム又は脂質もしくはポリマーシェル構造体を意味する。
本願明細書において使用する「キレート剤」(chelator又はchelating−agent)いう用語は、遷移金属又は他の物質と共に2以上の配位結合を含む錯体を形成することができる極性基の存在によって特徴付けられる化学的部分、物質、化合物又は分子を意味する。
本願明細書において使用する「金属体(metal entity)」という用語は、金属イオン又は放射性核種を意味し、「放射性核種」という用語は「放射性同位体」という用語と同じ意味で使用する。
本願明細書において使用する「ホスファチド」という用語は、グリセリン構成要素を含むリン脂質を意味する。
本願明細書において使用する「両親媒性」という用語は、極性領域及び非極性領域の両方を含む分子を意味する。
本願明細書において同じ意味で使用する「結合親和性」及び「親和性」という用語は、分子間の引力の度合いを意味する。親和性は、解離定数又は会合定数として定量的に表すことができる。本発明においては、a)Cu(II)もしくはCu(I)等の遷移金属イオン又は他の金属体に対するカルボスチリル又はオキシン等のイオノフォアの親和性、及び、b)Cu(II)もしくはCu(I)等の遷移金属イオン又は他の金属体に対するDOTAもしくはその誘導体等のキレート剤又は他の物質封入成分の親和性、という2種類の親和性が考えられる。
本願明細書において使用する「イオノフォア」という用語は、リポソームの内部に又は他の二重層へと拡散することができるあらゆる化合物を意味する。また、「イオノフォア」という用語は、放射性核種又は金属体と錯体を形成し、前記錯体を二重層を通して輸送することができる化合物を意味する。
本願明細書において使用する「封入物質」という用語は、本願明細書に開示するリポソーム組成物又はナノ粒子組成物内に封入された金属同位体(放射性核種又は非放射性同位体)を意味する。
本願明細書において使用する「物質封入成分」という用語は、金属イオン又は放射性核種をリポソーム組成物内に封入することができるあらゆる化合物を意味する。好適な物質封入成分は、キレート剤、他の物質を還元することができる物質(還元剤)又は放射性核種もしくは金属体と低溶解性塩を形成する物質である。
本願明細書において使用する「封入」という用語は、ナノ粒子組成物の内部への放射性核種又は金属体の取り込みを意味する。
本願明細書において使用する「封入効率」という用語は、調製に使用される放射性核種又は金属体の全量に対するナノ粒子組成物の内部に取り込まれた放射性核種又は金属体の割合(%)を意味する。
本願明細書において使用する「封入安定性」、「貯蔵安定性」又は「血清中安定性」という用語は、ナノ粒子組成物内部の封入物質のリーク及び/又は放出の度合いを測定するための、ナノ粒子組成物の安定性試験に基づくところを意味する。
本願明細書において使用する「放射性標識錯体」という用語は、錯体を形成するキレート剤と放射性核種を意味する。
本願明細書において使用する「ターゲティング化部分」という用語は、糖、オリゴ糖、ビタミン、ぺプチド、タンパク質、抗体、アフィボディ(Affibody)及び他の受容体結合リガンドであって、ナノ粒子を標的部位又は標的細胞内により良好に送達するために脂質又はポリマー成分を介してナノ粒子表面に結合されたものを意味する。
本願明細書において使用する「医薬」又は「薬剤」という用語は、ヒト又は動物の体内において局所的又は全身的(非局所的)に作用する生物学的、生理学的又は薬理学的に活性な物質を含む。
本願明細書において使用する「治療」という用語は、治癒的治療、予防もしくは防止的治療又は改善的治療を意味する。「治療」という用語は、臨床的に確立され得る有益な又は所望の生理学的結果を得るための方法(手段)を含む。本発明においては、有益な又は所望の臨床結果は、検出可能であるか否かを問わず、症状の軽減、疾患の程度の低減、症状の安定化(悪化の不在)、症状の進行又は悪化の遅延又は減速、症状の改善又は緩和、(部分的又は完全な)寛解等を含む。本願明細書において使用する「緩和」という用語は、本発明の組成物を投与しない場合と比較した場合の、生理学的症状の程度及び/もしくは望ましくない発現の減少、並びに/又は時間的な進行の減速もしくは遅延を意味する。
当業者には、上述した実施形態の広義の発明思想から逸脱することなく、上述した実施形態に変更を加えることができることは明らかであろう。従って、本発明は本願明細書に開示する特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱しない変形を含むものである。
本発明は、リポソーム組成物内に封入された放射性核種の新規な製造方法に関する。リポソーム組成物は、好ましくはナノ粒子である。
本発明は、放射性同位体を癌組織(および、一般的には、炎症部位等の血管の出血を伴う病理学的症状を示す組織)に送達するためのリポソーム組成物の製造方法を提供することによって診断応用技術分野におけるニーズを満たすものである。リポソーム組成物は、好ましくはナノ粒子である。
本発明の実施形態によれば、リポソーム組成物は、ベシクル形成成分及び物質封入成分を含むマイクロメートル又はナノメートルサイズの粒子である。ベシクル形成成分は、粒子の閉鎖障壁を形成する。物質封入成分は、負の電荷を有する1以上の基を含むか又はイオンをトラップすることができる、少なくとも1種の化学的部分を有する。物質封入成分は、放射線診断薬又は放射線治療薬等の封入対象薬剤と静電相互作用して安定な錯体又は低溶解性塩を形成し、封入対象薬剤との関係においてイオノフォアと置き換わる。イオノフォアは、カルボスチリル等の化合物であり、あるいは、二重層を通して放射性核種を輸送しベシクル内で封入対象薬剤を安定化及び/又はトラップすることができるその他のイオノフォア又は化合物である。放射線診断薬又は放射線治療薬等の封入対象薬剤を安定化させることにより、血液循環におけるベシクルからの薬剤の放出を防止又は最小限化することができる。
一実施形態において、本発明のナノ粒子組成物は120nm未満の直径を有する。
別の実施形態において、本発明のナノ粒子組成物は80nm超の直径を有する。
好適な実施形態において、本発明のナノ粒子組成物は、30〜300nm、例えば30〜60nm、60〜80nm、80〜100nm、100〜120nm、120〜150nm、150〜180nm、180〜210nm、210〜240nm、240〜270nm又は270〜300nmの直径を有する。
一実施形態において、本発明は放射性標識リポソームの製造方法を提供する。放射性標識リポソームは、例えば、ベシクル形成成分と、膜を通してイオンを輸送するための成分と、ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含む。61Cu、64Cu及び67Cu等の銅同位体等の1種以上の放射性核種を含む放射性標識物質がリポソーム組成物内に封入される。本発明において使用する銅同位体は、Cu(II)カチオン又はCu(I)カチオンであってもよい。
別の実施形態において、本発明は、患者における固形腫瘍等の癌性疾患又は他の疾患を診断、治療及び/又は監視するための方法を提供する。前記方法は、ベシクル形成成分と、物質封入成分と、膜を通してイオンを輸送するための成分と、61Cu、64Cu及び67Cu等の銅同位体等の1種以上の放射性核種を含む放射性標識物質と、を含むリポソーム組成物を用意することを含む。銅同位体は、Cu(II)カチオン又はCu(I)カチオンであってもよい。次に、例えば静脈内投与によってリポソーム組成物を患者に投与し、所与の時間が経過した後に、リポソーム組成物内の放射性核種から放射される放射線の量を測定する。
本願発明者らは、式Aで示されるイオノフォアは、ベシクル膜を通して様々な金属放射性核種を輸送することができることを見出した。従って、本発明の別の態様又は本発明に係る方法において、ベシクル膜を通して前記放射性核種を輸送するために使用するイオノフォアは式A(式Aのあらゆる好適な実施形態を含む)で示され、封入物質は1種以上の金属放射性核種の1種以上の同位体である。
金属放射性核種の封入同位体は、好ましくは、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択され、金属放射性核種の同位体は金属の任意の酸化状態にあってよい。このような酸化状態としては、一価カチオン、二価カチオン、三価カチオン、四価カチオン、五価カチオン、六価カチオン及び七価カチオンが挙げられる。本態様において、ベシクル形成成分、物質封入成分、ターゲティング化部分、サイズ、及びpH特性を含むナノ粒子の諸特性並びにナノ粒子の使用は以下に記載するものと同様であり得る。
別の好適な実施形態において、封入同位体は、レニウム(186Re)、ストロンチウム(89Sr)、サマリウム(153Sm)、イッテルビウム(169Yb)、タリウム(201Tl)又はアスタチン(211At)であり、金属放射性核種の同位体は金属の任意の酸化状態にあってよい。このような酸化状態としては、一価カチオン、二価カチオン、三価カチオン、四価カチオン、五価カチオン、六価カチオン及び七価カチオンが挙げられる。本態様において、ベシクル形成成分、物質封入成分、ターゲティング化部分、サイズ、及びpH特性を含むナノ粒子の諸特性並びにナノ粒子の使用は以下に記載するものと同様であり得る。
本発明の本態様の別の好適な実施形態又は本発明に係る方法において、ベシクル膜を通して前記放射性核種を輸送するために使用するイオノフォアはカルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン)である。
別の実施形態において、封入される金属放射性核種の同位体は、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)及びルテチウム(177Lu)からなる群から選択され、金属放射性核種の同位体は金属の任意の酸化状態にあってよい。このような酸化状態としては、一価カチオン、二価カチオン、三価カチオン、四価カチオン、五価カチオン、六価カチオン及び七価カチオンが挙げられる。
放射性核種を組み合わせることは、癌等の様々な疾患の監視/撮影と治療の同時実施、及び/又は、複数の異なる撮影方法を使用した監視に有用である。放射性核種及び放射性核種の組合せは、アルファ粒子、ベータ+粒子、ベータ−粒子、オージェ電子又はガンマ線等の1種以上の放射線を放射し得る。また、放射性核種を組み合わせることにより、1種以上の撮影及び/又は放射線治療を行うことができる。従って、別の実施形態において、本発明は、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(186Re、188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ストロンチウム(89Sr)、サマリウム(153Sm)、イッテルビウム(169Yb)、タリウム(201Tl)、アスタチン(211At)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択される2種以上の放射性核種を含み、金属放射性核種の同位体は金属の任意の酸化状態にあってよい、ベシクル及びその製造方法を提供する。このような酸化状態としては、一価カチオン、二価カチオン、三価カチオン、四価カチオン、五価カチオン、六価カチオン及び七価カチオンが挙げられる。本態様において、ベシクル形成成分、物質封入成分、ターゲティング化部分、サイズ、及びpH特性を含むナノ粒子の諸特性並びにナノ粒子の使用は以下に記載するものと同様であり得る。
本発明に係るベシクルは、撮影のための1種以上の放射性核種及び治療のための1種以上の放射性核種の組合せを含むことができる。撮影のための放射性核種は、64Cu、61Cu、99mTc、68Ga、89Zr及び111In等の放射性核種を含む。
治療のための放射性核種は、64Cu、67Cu、111In、67Ga、186Re、188Re、89Sr、153Sm、169Yb、201Tl、211At、177Lu、225Ac、90Y、119Sb、117Sn、113Sn、159Dy、56Co、59Fe、97Ru、103Ru、103Pd、115Cd、118Te、123Te、131Ba、140Ba、149Gd、151Gd、160Tb、198Au、199Au、140La、223Ra及び224Ra等の放射性核種を含む。
本発明の好適な実施形態は、61Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、225Ac、90Y、177Lu、186Re、188Re及び119Sbからなる群から選択される2種以上の放射性核種を含むベシクル及びその製造方法に関する。
本発明のさらに好適な実施形態は、64Cu及び177Lu、又は64Cu及び67Cu、又は61Cu及び67Cu、又は64Cu及び90Y、又は64Cu及び119Sb、又は64Cu及び225Ac、又は64Cu及び188Re、又は64Cu及び186Re、又は64Cu及び211At、又は64Cu及び67Ga、又は61Cu及び177Lu、又は61Cu及び90Y、又は61Cu及び119Sb、又は61Cu及び225Ac、又は61Cu及び188Re、又は61Cu及び186Re、又は61Cu及び211At、又は61Cu及び67Ga、又は67Cu及び177Lu、又は67Cu及び90Y、又は67Cu及び119Sb、又は67Cu及び225Ac、又は67Cu及び188Re、又は67Cu及び186Re、又は67Cu及び211At、又は68Ga及び177Lu、又は68Ga及び90Y、又は68Ga及び119Sb、又は68Ga及び225Ac、又は68Ga及び188Re、又は68Ga及び186Re、又は68Ga及び211At、又は68Ga及び67Cuを含むベシクル及びその製造方法に関する。
1種以上の放射性核種を含む本発明に係るベシクルは、臨床撮影及び/又は放射線治療に使用することができる。臨床撮影は、診断、治療効果の監視又は放射線治療に使用されるベシクルの位置の監視のための撮影を含む。
本発明に係るベシクルは、1種以上の撮影に使用することができる。撮影の例としては、X線撮影、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像法(MRI)、ポジトロン断層法(PET)、単一光子放射断層撮影(SPECT)及び核シンチグラフィ挙げられる。
好適な実施形態において、本発明に係るベシクルは、64Cu及び177Lu、又は64Cu及び67Cu、又は61Cu及び67Cu、又は64Cu及び90Y、又は64Cu及び119Sb、又は64Cu及び225Ac、又は64Cu及び188Re、又は64Cu及び186Re、又は64Cu及び211At等の、ポジトロン断層法(PET)及び放射線治療の組合せの実施に有用な放射性核種の組合せを含む。
さらに好適な実施形態において、本発明に係るベシクルは、64Cu及び177等の、ポジトロン断層法(PET)と放射線治療の組合せの実施に有用な放射性核種の組合せを含む。
本発明によれば、ナノ粒子は、キレート剤等のリンカー分子を介してナノ粒子組成物の内表面又は外表面に結合していてもよい銅とは異なる1種以上の同位体を含むことができる。そのような同位体は、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(186Re、188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ストロンチウム(89Sr)、サマリウム(153Sm)、イッテルビウム(169Yb)、タリウム(201Tl)、アスタチン(211At)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)、ラジウム(223Ra、224Ra)、レニウム(186Re)、ストロンチウム(89Sr)、サマリウム(153Sm)、イッテルビウム(169Yb)、タリウム(201Tl)及びアスタチン(211At)からなる群から選択されてもよく、金属放射性核種の前記同位体は金属の任意の酸化状態にあってよい。このような酸化状態としては、一価カチオン、二価カチオン、三価カチオン、四価カチオン、五価カチオン、六価カチオン及び七価カチオンが挙げられる。本態様において、ベシクル形成成分、物質封入成分、ターゲティング化部分、サイズ、及びpH特性を含むナノ粒子の諸特性並びにナノ粒子の使用は以下に記載するものと同様であり得る。
本発明の別の実施形態において、放射性核種は、患者の癌性疾患(及び、一般的には血管の出血を伴う病理学的症状)又は他の疾患を診断及び/又は治療するために有用なナノ粒子等のもう一つ別の担体に封入されていてもよい。
本発明に係るリポソーム組成物を製造するための代表的なベシクル形成成分、物質封入成分及びイオノフォアについて以下に詳細に説明する。
ベシクル形成成分:
ベシクル形成成分は、親水性部分及び疎水性部分を含む合成又は天然両親媒性化合物である。ベシクル形成成分の例としては、脂肪酸、中性脂肪、ホスファチド、糖脂質、脂肪族アルコール及びステロイドが挙げられる。
本発明に係るベシクル形成成分又は本発明に係る方法におけるベシクル形成成分は、ポリエチレングリコール(PEG)成分もしくはその誘導体等の親水性ポリマー又は多糖を含むことができる。この場合、ベシクル形成成分は親水性ポリマー(PEG等)又は多糖と共に誘導体化すると言う。一実施形態において、ポリマーは、それと共に誘導体化されるベシクル形成成分にタンパク質又は他の受容体親和性分子を結合させることを可能にする。別の実施形態において、リポソーム組成物へのポリマー(PEG等)の結合によって血流中における循環時間が長くなる。PEG鎖を表面に含むベシクルは、出血している血管から侵出すること(extravasating)ができる。
本発明において又は本発明に係る方法において使用される適当なベシクル形成脂質の例としては、1,2−ジオレオイルホスファチジルコリン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン、1,2−ジミリストイルホスファチジルコリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン;1,2−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルエタノールアミン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルエタノールアミン、1−ステアロイル2−オレオイルホスファチジルエタノールアミン、及びN−スクシニルジオレオイルホスファチジルエタノールアミン等のホスファチジルエタノールアミン;1,2−ジオレオイルホスファチジルセリン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルセリン、1,2−ジミリストイルホスファチジルセリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルセリン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルセリン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルセリン、1−パルミトイル2−オレオイルホスファチジルセリン、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルセリン等のホスファチジルセリン;1,2−ジオレオイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジミリストイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジステアロイルホスファチジルグリセロール、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルグリセロール、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルグリセロール、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロール、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロール等のホスファチジルグリセロール;PEG化脂質;ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−1000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−3000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−5000]等のPEG化リン脂質;N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)1000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)2000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)3000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)5000]}等のPEG化セラミド;リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルセリン、セラミド;スフィンゴ脂質;ガングリオシドGMl等の糖脂質;グルコリピド;スルファチド;ジパルミトイルグリセロホスファチジン酸等のホスファチジン酸;パルミチン脂肪酸;ステアリン脂肪酸;アラキドン脂肪酸;ラウリン脂肪酸;ミリスチン脂肪酸;ラウロレイン脂肪酸;フィセテリン脂肪酸;ミリストレイン脂肪酸;パルミトレイン脂肪酸;ペトロセリン脂肪酸;オレイン脂肪酸;イソラウリン脂肪酸;イソミリスチン脂肪酸;イソステアリン脂肪酸;コレステロール、コレステロールヘミスクシネート、コレステロール硫酸、コレステリル−(4−トリメチルアンモニオ)ブタノエート、エルゴステロール、ラノステロール等のステロール及びステロール誘導体;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレン脂肪酸アルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル;ポリオキシエチレン付加ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート;グリセロールポリエチレングリコールリシノレート;エトキシル化大豆ステロール;エトキシル化ヒマシ油;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸ポリマー;ポリオキシエチレン脂肪酸ステアレート;ジオレオイル−sn−グリセロール;ジパルミトイル−スクシニルグリセロール;1、3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルコリン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルコリン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルエタノールアミン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルエタノールアミン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルセリン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルセリン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルグリセロール等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルコリン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルコリン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルエタノールアミン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルエタノールアミン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルセリン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルセリン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルグリセロール等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルグリセロール;N−スクシニルジオクタデシルアミン;パルミトイルホモシステイン;臭化ラウリルトリメチルアンモニウム;臭化セチルトリメチルアンモニウム;ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド;N−[(1,2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,Nトリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP);1,2−ジオレオイル−c−(4’−トリメチルアンモニウム)−ブタノイル−sn−グリセロール(DOTB)が挙げられる。
一実施形態において、ベシクル形成成分は、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、CHOL(コレステロール)、DSPE−PEG−2000(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])、POPC(1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、DPPC(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、DSPE−PEG2000−TATE、(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]−TATE)からなる群から選択される化合物を含む。
ナノ粒子組成物の一実施形態において、ベシクル形成成分は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、コレステロール、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)からなる群から選択される両親媒性化合物から構成される(モル比:55:40:5)。
ナノ粒子組成物の別の実施形態において、ベシクル形成成分は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)(A)、コレステロール(B)、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)(C)からなる群から選択される両親媒性化合物から構成され、それらのモル比はA:B:Cであり、ここで、Aの範囲は45〜65、Bの範囲は35〜45、Cの範囲は2〜8であり、A+B+C=100である。
本願明細書に開示する方法の一実施形態において、ベシクル形成成分は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、コレステロール、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)からなる群から選択される両親媒性化合物から構成される(モル比:55:40:5)。
本願明細書に開示する方法の別の実施形態において、ベシクル形成成分は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)(A)、コレステロール(B)、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)(C)からなる群から選択される両親媒性化合物から構成され、それらのモル比はA:B:Cであり、ここで、Aの範囲は45〜65であり、Bの範囲は35〜45であり、Cの範囲は2〜8であり、A+B+C=100である。
好適な実施形態において、ベシクル形成成分は、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、CHOL(コレステロール)、DSPE−PEG−2000(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])を50:40:10のモル比で含む。
別の好適な実施形態において、ベシクル形成成分は、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、CHOL(コレステロール)、DSPE−PEG−2000(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])を55:40:5のモル比で含む。
本願明細書に開示する方法の別の実施形態において、ベシクル形成成分は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)(A)、コレステロール(B)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)(C)、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]−TATE(DSPE−PEG−2000−TATE)(D)からなる群から選択される両親媒性化合物から構成され、それらのモル比はA:B:C:Dであり、ここで、Aの範囲は45〜65であり、Bの範囲は35〜45であり、Cの範囲は5〜13であり、Dの範囲は0〜3であり、A+B+C+D=100である。
好適な実施形態において、ベシクル形成成分は、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、CHOL(コレステロール)、DSPE−PEG−2000(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]−TATE(DSPE−PEG−2000−TATE)を50:40:9:1のモル比で含む。
ベシクル形成成分は、ナノ粒子が標的分子を有する細胞に特異的に結合することを可能とするターゲティング化部分として作用する抗体、アフィボディ又はペプチドの脂質複合体をさらに含むことができる。
ベシクル形成成分はまた、ナノ粒子が疾患標的(diseased target)に特異的に結合することを可能とするターゲティング化部分として作用する抗体、アフィボディ又はペプチドの脂質複合体を含み得る。
本発明において有用な抗体は、単一特異性抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体又はより高次の多重特異性抗体であってもよい。例えば、多重特異性抗体は、正常な組織と比較して標的部位により多く存在する可能性のあるサイトカイン、細胞又は酵素の複数のエピトープに対して特異的であり得る。
本願明細書において使用する「抗体」という用語は、エピトープに特異的に結合するタンパク質と定義される。抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体であってもよい。本発明において有用なモノクローナル抗体は、例えば、リツキシマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、リンフォサイド(LymphoCide)、ビタキシン、Lym−1及びベバシズマブからなる群から選択される。好適な実施形態において、モノクローナル抗体は、リツキシマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、リンフォサイド、ビタキシン、Lym−1及びベバシズマブからなる群から選択される。
本願明細書において使用する「アフィボディ」という用語は、多くの標的タンパク質に特異的に結合するように設計することができる安定な抗原結合小分子と定義される。アフィボディ分子は、多くの点でモノクローナル抗体を模倣すると共に、いくつかのユニークな特性も提供するので、多くの用途においてより優れた選択肢となる。用途の例としては、血管新生又は炎症部位における組織もしくは細胞を標的とするリポソーム組成物にアフィボディを脂質複合体として導入すること(該リポソーム組成物は、診断及び/又は治療用途のために61Cu、64Cu及び67Cu等の銅同位体等の放射性核種を含む)が挙げられる。本発明において有用なアフィボディ分子は、例えば、抗ErbB2アフィボディ分子及び抗フィブリノゲンアフィボディ分子からなる群から選択される。
本発明において有用なぺプチドは、ナノ粒子が疾患標的に特異的に結合することを可能とするターゲティング化部分として作用し、RGD、ソマトスタチン及びその類似体、並びに細胞透過性ペプチドからなる群から選択される。一実施形態において、ぺプチドは、RGD、ソマトスタチン及びその類似体、並びに細胞透過性ペプチドからなる群から選択される。一実施形態において、ソマトスタチン類似体はオクトレオテート(TATE)である。
ベシクル形成成分は、所定の流動性又は剛性を達成し、生体内におけるリポソーム組成物の安定性を制御し、リポソーム組成物内の封入物質の放出速度を制御するように選択される。ベシクル形成成分によって決定されるリポソーム組成物の剛性は、標的細胞へのリポソームの融合又はエンドサイトーシスにおいても何らかの役割を果たす場合がある。
物質封入成分:
本発明に係る物質封入成分又は本発明に係る方法における物質封入成分は、放射性核種等の遷移金属又は放射性標識物質と共にキレート錯体を形成するキレート剤であり得る。キレート剤の例としては、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(シクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(シクレン)及びその誘導体;1,4−エタノ−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(et−シクラム)及びその誘導体;1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン(isoシクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン([13]aneN4)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸(DO2A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(DO3A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジ(メタンホスホン酸)(DO2P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ(メタンホスホン酸)(DO3P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)及びその誘導体;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその誘導体;ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)及びその誘導体、並びにその他のアダマンザン及びその誘導体が挙げられる。
本発明に係る物質封入成分又は本発明に係る方法における物質封入成分は、他の物質を還元することができる物質(還元剤)であってもよい。還元剤の例としては、アスコルビン酸、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド、ラクトース、アラビノース、麦芽糖、アセトールが挙げられる。本発明の一実施形態において、Cu(II)又はCu(I)カチオンであってもよい封入銅同位体は、ベシクル膜中を拡散する際により低い酸化状態に還元され、銅同位体がベシクル内にトラップされる。別の実施形態において、銅とは異なる放射性核種が、ベシクル膜中を拡散する際により低い酸化状態に還元され、銅とは異なる該放射性核種がベシクル内にトラップされる。
本発明の又は本発明に係る方法の範囲に含まれる物質封入成分は、銅同位体等の放射性核種又は金属体と共に低溶解性塩を形成する物質であってもよい。そのような塩の例としては、リン酸銅、シュウ酸銅、塩化銅が挙げられる。一実施形態において、銅(Cu(II)かCu(I))と共に形成される低溶解性塩は、リン酸銅、シュウ酸銅、塩化銅からなる群から選択される。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、物質封入成分は、アダマンザンを含む大環状化合物;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン([12]aneN4)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン([13]aneN4)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン([14]aneN4)及びその誘導体;1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン([15]aneN4)及びその誘導体;1,5,9,13−テトラアザシクロヘキサデカン([16]aneN4)及びその誘導体;並びにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその誘導体、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びその誘導体等の金属イオンと結合することができるその他のキレート剤からなる群から選択されるキレート剤である。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において,物質封入成分は、1,4−エタノ−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(et−シクラム)及びその誘導体;1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン(iso−シクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)及びその誘導体;2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)酢酸(DO1A)及びその誘導体;2,2’−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジイル)二酢酸(DO2A)及びその誘導体;2,2’,2’’−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリイル)三酢酸(DO3A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジ(メタンホスホン酸)(DO2P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ(メタンホスホン酸)(DO3P)及びその誘導体;1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)及びその誘導体;2−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1−イル)酢酸(TE1A)及びその誘導体;2,2’−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,8−ジイル)二酢酸(TE2A)及びその誘導体;並びにその他のアダマンザン及びその誘導体からなる群から選択されるキレート剤である。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、物質封入成分は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)及びその誘導体、1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)及びその誘導体、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)、シクラム並びにシクレンからなる群から選択される。
本発明の又は本発明に係る方法の好適な実施形態において、物質封入成分は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)、シクラム並びにシクレンからなる群から選択される。本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、物質封入成分は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)及びその誘導体からなる群から選択される。
本発明の又は本発明に係る方法の特に重要な実施形態において、物質封入成分は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)である。
本発明の又は本発明に係る方法の特に重要な実施形態において、リポソーム組成物の内部pHを制御して物質封入成分及び/又はイオノフォアを所望のプロトン化状態とし、放射性核種の効率的な封入を行う。本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子の内部pHは1〜10の範囲内、例えば1〜2、2〜3、3〜4、4〜5、5〜6、6〜7、7〜8、8〜9又は9〜10である。本発明の又は本発明に係る方法の好適な実施形態において、ナノ粒子の内部pHは3〜8の範囲内、例えば3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、5.0〜5.5又は5.5〜6.0である。
別の好適な実施形態において、ナノ粒子の内部pHは3〜8の範囲内、例えば3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、5.0〜5.5、5.5〜6.0、6.0〜6.5、6.5〜7.0、7.0〜7.5又は7.5〜8である。
イオノフォア:
本発明に係るイオノフォア又は本発明に係る方法におけるイオノフォアは、放射性核種又は金属体と共に錯体を形成し、その錯体を二重層を通して輸送することができる脂質可溶性分子である。本発明において、イオノフォアは放射性核種と共に錯体を形成し、放射性標識錯体をリポソーム脂質二重層を通して輸送する。本発明に係るイオノフォア又は本発明に係る方法におけるイオノフォアの例としては、2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル)(図1A)及びキノリン(C97N)全般(図1B)、例えば2−ヒドロキシキノリン−4−カルボン酸;6−クロロ−2−ヒドロキシキノリン;8−クロロ−2−ヒドロキシキノリン;カルボスチリル124;カルボスチリル165;4,6−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン;4,8−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン;その他の2−キノリノール化合物;図1に示すその他の化合物、好ましくは図2に示す化合物が挙げられる。イオノフォアの例としては、R、又はR1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6が、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい図1及び図2に示す化合物も挙げられる。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xはヒドロキシ(OH)であり、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1は水素(H)であり、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1及びR2は水素(H)であり、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2及びR3は水素(H)であり、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2、R3及びR4は水素(H)であり、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4及びR5は水素(H)であり、R6は、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表す。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表し、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表し、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びカルボキシ(COOH)からなる群から選択される置換基を表し、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)及びスルフヒドリル(SH)からなる群から選択される置換基を表し、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図2に示す化合物であり、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)及びエチル(C25)からなる群から選択される置換基を表し、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の好適な実施形態において、イオノフォアは、2−ヒドロキシキノリン、2−ヒドロキシキノリン−4−カルボン酸;6−クロロ−2−ヒドロキシキノリン;8−クロロ−2−ヒドロキシキノリン;カルボスチリル124;カルボスチリル165;4,6−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン;4,8−ジメチル−2−ヒドロキシキノリンからなる群から選択される。
図3(好ましくは図4)は本発明において又は本発明に係る方法において使用される他のイオノフォアを示しており、図3(好ましくは図4)に示す化合物の例としては、8−ヒドロキシキノリン(オキシン);8−ヒドロキシキノリン−β−D−ガラクトピラノシド;8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルコピラノシド;8−ヒドロキシキノリングルクロニド;8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸;8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルクロニドナトリウム塩;8−キノリノールヘミ硫酸塩;8−キノリノールN−オキシド;2−アミノ−8−キノリノール;5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジメチル−8−キノリノール;5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン二塩酸塩;5−クロロ−8−キノリノール;5−ニトロ−8−ヒドロキシキノリン;7−ブロモ−5−クロロ−8−キノリノール;N−ブチル−2,2’−イミノ−ジ(8−キノリノール);8−ヒドロキシキノリン安息香酸;2−ベンジル−8−ヒドロキシキノリン;5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン塩酸;2−メチル−8−キノリノール;5−クロロ−7−ヨード−8−キノリノール;8−ヒドロキシ−5−ニトロキノリン;8−ヒドロキシ−7−ヨード−5−キノリンスルホン酸;5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン、その他のキノリン系化合物及びその誘導体、並びにその他のイオノフォアが挙げられる。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択され、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yはヒドロキシ(OH)であり、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択され、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7は水素(H)を表し、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択され、R8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7及びR8は水素(H)を表し、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択され、R9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8及びR9は水素(H)を表し、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択され、R10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8、R9及びR10は水素(H)を表し、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択され、R11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10及びR11は水素(H)を表し、R12は、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択され、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、スルフヒドリル(SH)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表し、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びカルボキシ(COOH)からなる群から選択される置換基を表し、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、ヒドロキシ(OH)、カルボキシ(COOH)及びスルフヒドリル(SH)からなる群から選択される置換基を表し、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは図4に示す化合物であり、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びアミノ(NH2)からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、エチル(C25)、アミノ(NH2)及びヒドロキシ(OH)からなる群から選択される置換基を表し、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。
本発明の又は本発明に係る方法の好適な実施形態において、イオノフォアは、8−ヒドロキシキノリン(オキシン);8−ヒドロキシキノリン−β−D−ガラクトピラノシド;8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルコピラノシド;8−ヒドロキシキノリングルクロニド;8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸;8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルクロニドナトリウム塩;8−キノリノールヘミ硫酸塩;8−キノリノールN−オキシド;2−アミノ−8−キノリノール;5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジメチル−8−キノリノール;5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン二塩酸塩;5−クロロ−8−キノリノール;5−ニトロ−8−ヒドロキシキノリン;7−ブロモ−5−クロロ−8−キノリノール;N−ブチル−2,2’−イミノ−ジ(8−キノリノール);8−ヒドロキシキノリン安息香酸;2−ベンジル−8−ヒドロキシキノリン;5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン塩酸;2−メチル−8−キノリノール;5−クロロ−7−ヨード−8−キノリノール;8−ヒドロキシ−5−ニトロキノリン;8−ヒドロキシ−7−ヨード−5−キノリンスルホン酸;5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシ−2−メチルキノリンからなる群から選択される。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、イオノフォアは、A23187、ヘキサメチルプロピレンアミンオキシム(HMPAO)及びその誘導体、ジイソプロピルイミノ二酢酸(DISIDA)及びその誘導体、フタルジアルデヒド及びその誘導体、2,4−ジニトロフェノール及びその誘導体、ボーベリシン及びその誘導体、ジベンゾ−18−クラウン−6及びその誘導体、o−キシリレンビス(N,N−ジイソブチルジチオカーバメイト)及びその誘導体、N,N,N’,N’−テトラシクロヘキシル−2,2’−チオジアセトアミド及びその誘導体、2−(1,4,8,11−テトラチアシクロテトラデカ−6−イルオキシ)ヘキサン酸、2−(3,6,10,13−テトラチアシクロテトラデカ−1−オキシ)ヘキサン酸及びその誘導体、N,N−ビス(2−メルカプトエチル)−N’,N’−ジエチルエチレンジアミン及びその誘導体からなる群から選択される。
本発明の好適な実施形態において、イオノフォアはカルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン、2HQ)である。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子に銅同位体を封入し、銅同位体を封入したナノ粒子を精製した後に、該ナノ粒子組成物は測定可能な量のイオノフォアを含む。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子に銅同位体を封入し、銅同位体を封入したナノ粒子を精製した後に、該ナノ粒子組成物はわずかな量のイオノフォアしか含まない。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子に銅同位体を封入し、銅同位体を封入したナノ粒子を精製した後に、該ナノ粒子組成物は測定可能な量のイオノフォアを含まない。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子に放射性核種を封入し、放射性核種を封入したナノ粒子を精製した後に、該ナノ粒子組成物は測定可能な量のイオノフォアを含む。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子に放射性核種を封入し、放射性核種を封入したナノ粒子を精製した後に、該ナノ粒子組成物はわずかな量のイオノフォアしか含まない。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子に放射性核種を封入し、放射性核種を封入したナノ粒子を精製した後に、該ナノ粒子組成物は測定可能な量のイオノフォアを含まない。
本発明の又は本発明に係る銅同位体を封入したナノ粒子組成物の製造方法の一実施形態において、物質封入成分はキレート剤(DOTA等)であり、イオノフォアからキレート剤への銅の移動反応は、ΔG°<0(ΔG°は交換の標準ギブズ自由エネルギーである)である場合は生得的に(inherently)自発的なものとなるし、又はナノ粒子組成物内におけるキレート剤が高濃度の場合にも自発的に起こる。
本発明の又は本発明に係る放射性核種を封入したナノ粒子組成物の製造方法の一実施形態において、物質封入成分はキレート剤(DOTA等)であり、イオノフォアからキレート剤への放射性核種の移動反応は、ΔG°<0(ΔG°は交換の標準ギブズ自由エネルギーである)である場合は生得的に自発的なものとなるし、又はナノ粒子組成物内におけるキレート剤が高濃度の場合にも自発的に起こる。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、本願明細書に開示する方法によって生成した放射性標識ナノ粒子は、37℃の緩衝液又はヒト血清中で24時間インキュベートした後に漏出した放射性核種と放射性標識ナノ粒子とを分離するための精製を行って見出される放射能の漏出率が、20%未満、例えば15%未満、12%未満、10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、3%未満、2%未満又は1%未満であるという安定性を有する。前記精製は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を含む。
本発明に係る銅同位体を封入したナノ粒子組成物の製造方法の一実施形態において、物質封入化合物はキレート剤(DOTA等)であり、イオノフォアのキレート剤に対するモル比は、1:1〜1:10,000,000の範囲内、例えば、1:5、1:10、1:50、1:100、1:250、1:500、1:1000、1:5000、1:10,000、1:50,000、1:100,000、1:500,000、1:1,000,000、1:5,000,000又は1:10,000,000である。
式Aで示されるイオノフォアを使用する本発明に係る放射性核種を封入したナノ粒子組成物の製造方法の一実施形態において、物質封入化合物はキレート剤(DOTA等)であり、イオノフォアのキレート剤に対するモル比は、1:1〜1:10,000,000の範囲内、例えば、1:5、1:10、1:50、1:100、1:250、1:500、1:1000、1:5000、1:10,000、1:50,000、1:100,000、1:500,000、1:1,000,000、1:5,000,000又は1:10,000,000である。
本発明の一実施形態又は本発明に係る銅同位体を封入したナノ粒子組成物の製造方法の一実施形態では、ナノ粒子の合成時に、ナノ粒子の内部pHが4〜5となるように内部pHを制御する。本発明に係る銅同位体を封入したナノ粒子組成物の製造方法の別の実施形態では、ナノ粒子の合成時に、ナノ粒子の内部pHが1〜10の範囲内、例えば1〜2、2〜3、3〜4、4〜5、5〜6、6〜7、7〜8、8〜9又は9〜10となるように内部pHを制御する。
式Aで示されるイオノフォアを使用する本発明の又は本発明に係る放射性核種を封入したナノ粒子組成物の製造方法の一実施形態では、ナノ粒子の合成時に、ナノ粒子の内部pHが4〜5となるように内部pHを制御する。本発明に係る放射性核種を封入したナノ粒子組成物の製造方法の別の実施形態では、ナノ粒子の合成時に、ナノ粒子の内部pHが1〜10の範囲内、例えば1〜2、2〜3、3〜4、4〜5、5〜6、6〜7、7〜8、8〜9又は9〜10となるように内部pHを制御する。
本発明の好適な実施形態において、ナノ粒子の内部pHは3〜8の範囲内、例えば3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、5.0〜5.5、5.5〜6.0、6.0〜6.5、6.5〜7.0、7.0〜7.5又は7.5〜8である。
一実施形態において、本願明細書に開示する銅を封入したナノ粒子の製造方法により、120nm未満の直径を有するナノ粒子が得られる。
一実施形態において、本願明細書に開示する放射性核種を封入したナノ粒子の製造方法により、120nm未満の直径を有するナノ粒子が得られる。
別の実施形態において、本願明細書に開示する銅を封入したナノ粒子の製造方法により、80nmを超える直径を有するナノ粒子が得られる。
別の実施形態において、本願明細書に開示する放射性核種を封入したナノ粒子の製造方法により、80nmを超える直径を有するナノ粒子が得られる。
好適な実施形態において、本願明細書に開示する銅を封入したナノ粒子の製造方法により、30〜300nmの範囲内、例えば30〜60nm、60〜80nm、80〜100nm、100〜120nm、120〜150nm、150〜180nm、180〜210nm、210〜240nm、240〜270nm又は270〜300nmの直径を有するナノ粒子が得られる。
好適な実施形態において、本願明細書に開示する放射性核種を封入したナノ粒子の製造方法により、30〜300nmの範囲内、例えば30〜60nm、60〜80nm、80〜100nm、100〜120nm、120〜150nm、150〜180nm、180〜210nm、210〜240nm、240〜270nm又は270〜300nmの直径を有するナノ粒子が得られる。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC(実施例を参照))、イオン交換クロマトグラフィー又は透析によって測定した封入効率は90%を超える。本発明に係る方法の別の実施形態において、封入効率は、35%を超え、例えば40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%を超える。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、銅を封入したナノ粒子をSEC、イオン交換クロマトグラフィー又は透析によって精製する。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態において、放射性核種を封入したナノ粒子をSEC、イオン交換クロマトグラフィー又は透析によって精製する。
本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子への銅の封入によってナノ粒子組成物のサイズは実質的に変化しない。本発明に係る方法の別の実施形態において、ナノ粒子への銅同位体の封入によるナノ粒子組成物のサイズの変化は、20%未満、例えば17%未満、14%未満、11%未満、8%未満、5%未満、2%未満又は1%未満である。
本発明に係る方法の一実施形態において、ナノ粒子への放射性核種の封入によってナノ粒子組成物のサイズは実質的に変化しない。本発明に係る方法の別の実施形態において、ナノ粒子への放射性核種の封入によるナノ粒子組成物のサイズの変化は、20%未満、例えば17%未満、14%未満、11%未満、8%未満、5%未満、2%未満又は1%未満である。
本発明に係る方法の別の実施形態において、ナノ粒子への銅同位体の封入によるゼータ電位の変化は20%未満である。本発明に係る方法の別の実施形態において、ナノ粒子への銅同位体の封入によるゼータ電位の変化は、18%未満、例えば16%未満、14%未満、12%未満又は10%未満である。
本発明に係る方法の別の実施形態において、ナノ粒子への放射性核種の封入によるゼータ電位の変化は20%未満である。本発明に係る方法の別の実施形態において、ナノ粒子への放射性核種の封入によるゼータ電位の変化は、18%未満、例えば16%未満、14%未満、12%未満又は10%未満である。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態は、本願明細書に開示する方法によって生成したナノ粒子を診断又は治療に使用することをさらに含む。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態は、本願明細書に開示する方法によって生成したナノ粒子を静脈内投与することをさらに含む。
本発明の又は本発明に係る方法の一実施形態は、本願明細書に開示する方法によって生成したナノ粒子を経口投与することをさらに含む。
キット(Kit of parts)
別の態様において、本発明は、
a.i)ベシクル形成成分と、ii)ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含むナノ粒子組成物と、
b.イオノフォアを含む組成物と、
c.放射性核種であってもなくてもよい銅同位体を含む組成物と、を含み、
各成分は、「発明の概要」又は「発明を実施するための形態」の部分に記載された成分であるキットに関する。
キットの一実施形態において、放射性核種であってもなくてもよい銅同位体はパーツbに含まれ、すなわちこの場合キットは、
a.i)ベシクル形成成分と、ii)ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含むナノ粒子組成物と、
b.iii)イオノフォアと、iv)銅同位体と、を含む組成物と、を含み、
各成分は、「発明の概要」又は「発明を実施するための形態」の部分に記載された成分である。
キットの別の実施形態において、放射性核種であってもなくてもよい銅同位体はパーツaに含まれ、すなわちこの場合キットは、
a.i)ベシクル形成成分と、ii)ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、iii)銅同位体と、を含むナノ粒子組成物と、
b.イオノフォアを含む組成物と、を含み、
各成分は、「発明の概要」又は「発明を実施するための形態」の部分に記載された成分である。
キットの別の実施形態において、パーツaはベシクル形成成分と物質封入成分に加えてイオノフォアを含み、すなわちこの場合キットは、
a.i)ベシクル形成成分と、ii)ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、iii)イオノフォアと、を含むナノ粒子組成物と、
b.銅同位体を含む組成物と、を含み、
各成分は、「発明の概要」又は「発明を実施するための形態」の部分に記載された成分である。
キットの別の実施形態において、キットは同位体を含むナノ粒子を製造するためのものであり、前記同位体はキットとは別個に提供される。従って、この場合キットは、
a.i)ベシクル形成成分と、ii)ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含むナノ粒子組成物と、
b.イオノフォア組成物と、を含み、
各成分は、「発明の概要」又は「発明を実施するための形態」の部分に記載された成分である。
一実施形態において、放射性核種を含む組成物は、放射性核種の特性に応じて、貯蔵される場合もあるし、そのつど製造者から供給される場合もある。放射性核種が例えば陽電子放射の64Cuである場合には、放射性核種は(凍結乾燥された)塩又は水溶液の形で、使用直前にサイクロトロン施設から治療又は診断場所に直接供給される。放射性核種を含むナノ粒子の投与前に、キットのパーツa、b及びcを混合し、好ましくはキットと共に供給された簡単な試験手順を使用して封入効率の試験を行う。投与後に、患者に対してPET又はSPECTスキャンを行うことができる。最適な可視化は、投与から4〜24時間後に達成され得る。
本発明のキットに含まれ得る銅同位体は、61Cu、64Cu及び67Cuを含む。
本願明細書に開示するキットの一実施形態では、イオノフォアは式Aで示され、該キットは、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(186Re、188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ストロンチウム(89Sr)、サマリウム(153Sm)、イッテルビウム(169Yb)、タリウム(201Tl)、アスタチン(211At)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択される放射性核種の組合せを含む。
本願明細書に開示するキットの別の実施形態では、イオノフォアは式A(式Aの好適な実施形態を含む)で示され、銅とは異なる放射性核種が使用され、該放射性核種は、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択される。放射性核種は、(凍結乾燥された)塩又は水溶液として供給を受けるか、又は、既存の生産設備及び出発材料を使用して合成することができる。放射性核種を含むナノ粒子の投与前に、キットのパーツa、b及びcを混合し、好ましくはキットと共に供給された簡単な試験手順を使用して封入効率の試験を行う。封入試験後、該医薬を患者に投与する。
本願明細書に開示するキットの別の実施形態では、イオノフォアは式Aで示され、銅とは異なる放射性核種が使用され、該放射性核種は、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)及びルテチウム(177Lu)からなる群から選択される。放射性核種は、(凍結乾燥された)塩又は水溶液として供給を受けるか、又は、既存の生産設備及び出発材料を使用して合成することができる。放射性核種を含むナノ粒子の投与前に、キットのパーツa、b及びcを混合し、好ましくはキットと共に供給された簡単な試験手順を使用して封入効率の試験を行う。封入試験後、該医薬を患者に投与する。
本願明細書に開示するキットの好適な実施形態では、イオノフォアは式Aで示され、該キットは、64Cu及び177Lu、又は64Cu及び67Cu、又は61Cu及び67Cu、又は64Cu及び90Y、又は64Cu及び119Sb、又は64Cu及び225Ac、又は64Cu及び188Re、又は64Cu及び186Re、又は64Cu及び211At等の、ポジトロン断層法(PET)及び放射線治療の組合せの実施に有用な放射性核種の組合せを含む。
本願明細書に開示するキットのさらに好適な実施形態では、イオノフォアは式Aで示され、該キットは、64Cu及び177等の、ポジトロン断層法(PET)及び放射線治療の組合せの実施に有用な放射性核種の組合せを含む。
本願明細書に開示するキットの一実施形態では、イオノフォアはカルボスチリル(2HQ)であり、該キットは、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(186Re、188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ストロンチウム(89Sr)、サマリウム(153Sm)、イッテルビウム(169Yb)、タリウム(201Tl)、アスタチン(211At)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択される同位体を含むナノ粒子を製造するためのものであり、前記同位体は、キットの一部であってもなくてもよい。
本願明細書に開示するキットの一実施形態では、イオノフォアは本発明に係るイオノフォアのいずれかであり、該キットは銅同位体(61Cu、64Cu、67Cu)を含むナノ粒子を製造するためのものであり、前記同位体は、キットの一部であってもなくてもよい。
好適な実施形態において、キットは、封入効率を評価するための試験手順をさらに含む。
ナノ粒子組成物
一態様において、本発明は、ベシクル形成成分と、ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、ナノ粒子組成物内に封入された放射性標識物質と、を含む放射性標識ナノ粒子組成物に関し、ここで、放射性標識物質は銅同位体を含む。
放射性標識ナノ粒子組成物は、標的分子を有する標的細胞に特異的に結合することを可能とするターゲティング化部分、又は疾患標的に特異的に結合する部分をさらに含むことができる。ターゲティング化部分は、脂質アンカー分子又はPEG複合脂質成分を介してナノ粒子組成物の表面に結合させ得る。
本発明の実施形態において、放射性標識ナノ粒子組成物の表面に結合したターゲティング化部分は、例えば、リツキシマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、リンフォサイド、ビタキシン、Lym−1及びベバシズマブ等の抗体、抗ErbB2アフィボディ分子及び抗フィブリノゲンアフィボディ分子等のアフィボディ、RGD、ソマトスタチン又はその類似体及び細胞透過性ペプチド等のペプチド、からなる群から選択される抗体、アフィボディ又はペプチド成分であってもよい。好適な実施形態において、ターゲティング化部分は、リツキシマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、リンフォサイド、ビタキシン、Lym−1、ベバシズマブ、抗ErbB2アフィボディ分子、抗フィブリノゲンアフィボディ分子、RGD、ソマトスタチン又はその類似体及び細胞透過性ペプチドからなる群から選択される。本発明の一実施形態において、ソマトスタチンはオクトレオテート(TATE)である。
放射性標識ナノ粒子組成物のベシクル形成成分は、両親媒性成分もしくはその誘導体、ポリエチレングリコール(PEG)もしくはその誘導体、又は多糖を含む。放射性標識ナノ粒子組成物はさらに、例えば、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(シクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(シクレン)及びその誘導体;1,4−エタノ−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(et−シクラム)及びその誘導体;1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン(isoシクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン([13]aneN4)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸(DO2A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(DO3A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジ(メタンホスホン酸)(DO2P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ(メタンホスホン酸)(DO3P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)及びその誘導体;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその誘導体;ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)及びその誘導体、並びにその他のアダマンザン及びその誘導体、からなる群から選択されるキレート剤を含む物質封入成分を含む。別の実施形態において、放射性標識ナノ粒子組成物は、アスコルビン酸、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド、ラクトース、アラビノース、麦芽糖、アセトール、又は銅イオンと共に低溶解性塩を形成する物質(リン酸、シュウ酸、塩化物)等の物質封入成分を含むことができる。
放射性標識ナノ粒子組成物は、61Cu、64Cu及び67Cu等からなる群から選択される銅同位体を含む放射性標識物質を含むことができる。
好適な実施形態において、物質封入成分は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(シクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(シクレン)及びその誘導体;1,4−エタノ−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(et−シクラム)及びその誘導体;1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン(isoシクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン([13]aneN4)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸(DO2A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(DO3A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジ(メタンホスホン酸)(DO2P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ(メタンホスホン酸)(DO3P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)及びその誘導体;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその誘導体;ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)及びその誘導体、並びにその他のアダマンザン及びその誘導体からなる群から選択される。
放射性標識ナノ粒子組成物は、61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される銅同位体を含む放射性標識物質を含むことができる。
本発明の好適な実施形態において、物質封入成分は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)、シクラム及びシクレンからなる群から選択されるキレート剤である。
本発明の放射性標識ナノ粒子組成物に含まれるベシクル形成成分は、親水性構成要素及び疎水性構成要素を含む合成又は天然の両親媒性化合物である。ベシクル形成成分の例としては、脂肪酸、中性脂肪、ホスファチド、糖脂質、脂肪族アルコール及びステロイドが挙げられる。本発明において又は本発明に係る方法において使用される適当なベシクル形成脂質の例としては、1,2−ジオレオイルホスファチジルコリン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン、1,2−ジミリストイルホスファチジルコリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン;1,2−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルエタノールアミン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルエタノールアミン、1−ステアロイル2−オレオイルホスファチジルエタノールアミン、及びN−スクシニルジオレオイルホスファチジルエタノールアミン等のホスファチジルエタノールアミン;1,2−ジオレオイルホスファチジルセリン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルセリン、1,2−ジミリストイルホスファチジルセリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルセリン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルセリン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルセリン、1−パルミトイル2−オレオイルホスファチジルセリン、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルセリン等のホスファチジルセリン;1,2−ジオレオイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジミリストイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジステアロイルホスファチジルグリセロール、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルグリセロール、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルグリセロール、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロール、1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロール等のホスファチジルグリセロール;PEG化脂質;ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−1000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−3000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−5000]等のPEG化リン脂質;N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)1000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)2000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)3000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)5000]}等のPEG化セラミド;リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルセリン、セラミド;スフィンゴ脂質;ガングリオシドGMl等の糖脂質;グルコリピド;スルファチド;ジパルミトイルグリセロホスファチジン酸等のホスファチジン酸;パルミチン脂肪酸;ステアリン脂肪酸;アラキドン脂肪酸;ラウリン脂肪酸;ミリスチン脂肪酸;ラウロレイン脂肪酸;フィセテリン脂肪酸;ミリストレイン脂肪酸;パルミトレイン脂肪酸;ペトロセリン脂肪酸;オレイン脂肪酸;イソラウリン脂肪酸;イソミリスチン脂肪酸;イソステアリン脂肪酸;コレステロール、コレステロールヘミスクシネート、コレステロール硫酸、コレステリル−(4−トリメチルアンモニオ)ブタノエート、エルゴステロール、ラノステロール等のステロール及びステロール誘導体;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル;ポリオキシエチレン付加ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート;グリセロールポリエチレングリコールリシノレート;エトキシル化大豆ステロール;エトキシル化ヒマシ油;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸ポリマー;ポリオキシエチレン脂肪酸ステアレート;ジオレオイル−sn−グリセロール;ジパルミトイル−スクシニルグリセロール;1、3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルコリン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルコリン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルエタノールアミン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルエタノールアミン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルセリン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルセリン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルグリセロール等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルコリン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルコリン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルエタノールアミン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルエタノールアミン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルセリン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルセリン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルグリセロール等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルグリセロール;N−スクシニルジオクタデシルアミン;パルミトイルホモシステイン;臭化ラウリルトリメチルアンモニウム;臭化セチルトリメチルアンモニウム;ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド;N−[(1,2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,Nトリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP);1,2−ジオレオイル−c−(4’−トリメチルアンモニウム)−ブタノイル−sn−グリセロール(DOTB)が挙げられる。
一実施形態において、ベシクル形成成分は、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、CHOL(コレステロール)、DSPE−PEG−2000(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])、POPC(1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、DPPC(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、DSPE−PEG2000−TATE、(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]−TATE)からなる群から選択される化合物を含む。
好適な実施形態において、ベシクル形成成分は、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、CHOL(コレステロール)、DSPE−PEG−2000(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])を50:40:10のモル比で含む。
別の好適な実施形態において、ベシクル形成成分は、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、CHOL(コレステロール)、DSPE−PEG−2000(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])を55:40:5のモル比で含む。
本願明細書に開示する方法の別の実施形態において、ベシクル形成成分は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)(A)、コレステロール(B)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)(C)、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]−TATE(DSPE−PEG−2000−TATE)(D)からなる群から選択される両親媒性化合物から構成され、それらのモル比はA:B:C:Dであり、ここで、Aの範囲は45〜65であり、Bの範囲は35〜45であり、Cの範囲は5〜13であり、Dの範囲は0〜3であり、A+B+C+D=100である。
好適な実施形態において、ベシクル形成成分は、DSPC(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)、CHOL(コレステロール)、DSPE−PEG−2000(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000])、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]−TATE(DSPE−PEG−2000−TATE)を50:40:9:1のモル比で含む。
本発明に係るキットの別の実施形態において、イオノフォアは、放射性核種又は金属体と錯体を形成し、前記錯体を二重層を通して輸送することができる化合物として定義される任意のイオノフォアであり、1種以上の放射性核種は、61Cu、64Cu及び67Cuからなる銅同位体群から選択され、同位体は、キットの一部であってもいいしキットとは別であってもよい。
本発明の一実施形態において、キットは、8−ヒドロキシキノリン、2−ヒドロキシキノリン、2−ヒドロキシキノリン−4−カルボン酸;6−クロロ−2−ヒドロキシキノリン;8−クロロ−2−ヒドロキシキノリン;カルボスチリル124;カルボスチリル165;4,6−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン;4,8−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン、A23187、ヘキサメチルプロピレンアミンオキシム(HMPAO)、ジイソプロピルイミノ二酢酸(DISIDA)、フタルジアルデヒド及びその誘導体、2,4−ジニトロフェノール及びその誘導体、ボーベリシン及びその誘導体、ジベンゾ−18−クラウン−6及びその誘導体、o−キシリレンビス(N、N−ジイソブチルジチオカーバメイト)及びその誘導体、N,N,N’,N’−テトラシクロヘキシル−2,2’−チオジアセトアミド及びその誘導体、2−(1,4,8,11−テトラチアシクロテトラデカ−6−イルオキシ)ヘキサン酸、2−(3,6,10,13−テトラチアシクロテトラデカ−1−オキシ)ヘキサン酸及びその誘導体、N,N−ビス(2−メルカプトエチル)−N’,N’−ジエチルエチレンジアミン及びその誘導体からなる群から選択されるイオノフォアを含む。
本発明の好適な実施形態において、キットはカルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン、2HQ)をイオノフォアとして含む。
本願明細書に開示するキットの一実施形態において、イオノフォアはカルボスチリル(2HQ)であり、該キットは、銅(61Cu、64Cu及び67Cu)からなる群から選択される放射性核種の組合せを含む。
一実施形態において、本発明に係る放射性標識ナノ粒子組成物は30〜300nmの平均粒径を有する。
一実施形態において、物質封入成分のプロトン化又は脱プロトン化によって放射性標識ナノ粒子組成物の内部pHを制御して放射性核種の効率的な封入を行うことができる。
本発明の一実施形態では、放射性標識ナノ粒子組成物は、物質封入成分に結合しナノ粒子組成物内に封入された核局在配列ペプチド(NLSペプチド)等の、細胞内ターゲティング特性を有する化合物をさらに含む。
製造方法
本発明の第2の態様は、放射性核種及び/又は金属体が封入されたナノ粒子組成物の製造方法を提供する。本発明に係る方法は、ベシクル形成成分と、ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、膜を通して放射性核種及び/又は金属体を輸送し、ナノ粒子組成物内に放射性標識物質を封入するための成分と、を含むナノ粒子組成物を製造する。
本発明の第2の態様の一実施形態において、両親媒性成分もしくはその誘導体、ポリエチレングリコール(PEG)もしくはその誘導体、又は多糖を含むナノ粒子組成物の製造方法を開示する。前記方法によって得られるナノ粒子組成物は、例えば、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(シクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(シクレン)及びその誘導体;1,4−エタノ−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(et−シクラム)及びその誘導体;1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン(isoシクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン([13]aneN4)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸(DO2A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(DO3A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジ(メタンホスホン酸)(DO2P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ(メタンホスホン酸)(DO3P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)及びその誘導体;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその誘導体;ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)及びその誘導体並びにその他のアダマンザン及びその誘導体からなる群から選択されるキレート剤である物質封入成分を含むことができる。本発明の別の実施形態において、ナノ粒子組成物は、アスコルビン酸、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド、ラクトース、アラビノース、麦芽糖、もしくはアセトール等の還元成分、又は銅イオンと共に低溶解性塩(リン酸塩、シュウ酸塩、塩化物等)を形成する物質を含むことができる。ナノ粒子組成物は、錯体を二重層を通して輸送することができるイオノフォア化合物と錯体を形成する放射性核種である放射性標識物質を含む。一実施形態において、物質封入成分は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(シクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(シクレン)及びその誘導体;1,4−エタノ−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(et−シクラム)及びその誘導体;1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン(isoシクラム)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン([13]aneN4)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−二酢酸(DO2A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸(DO3A)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジ(メタンホスホン酸)(DO2P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ(メタンホスホン酸)(DO3P)及びその誘導体;1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)及びその誘導体;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその誘導体;ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びその誘導体;1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)及びその誘導体、並びにその他のアダマンザン及びその誘導体からなる群から選択される。
本発明の好適な実施形態において、物質封入成分は、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)、シクラム及びシクレンからなる群から選択されるキレート剤である。
ナノ粒子組成物の製造方法の別の実施形態において、ナノ粒子組成物には、二重層を通して金属イオンを輸送することができるできるイオノフォア化合物を含む放射性核種及び/又は金属イオンが封入される。イオノフォア化合物は、2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル)、2−ヒドロキシキノリン−4−カルボン酸;6−クロロ−2−ヒドロキシキノリン;8−クロロ−2−ヒドロキシキノリン;カルボスチリル124;カルボスチリル165;4,6−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン;4,8−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン;1−シアノ−1,2−ジヒドロ−2−ヒドロキシキノリン及びその他の2−キノリノール化合物からなる群から選択されてもよい。下記化1のA及びBは、放射性核種(特に銅同位体)をナノ粒子に封入するために使用することができる本発明に係るイオノフォアである。Rは、例えば、H、F、Cl、Br、I、炭素鎖(H以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C24炭素鎖)、OH、O−Z(式中、ZはH以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C24炭素鎖である)、S−H、S−Z、Se−H、Se−Z、NH2、NH−Z又はN−Z2を表す。Xは、例えば、SH、SeH、O−Y(式中、YはH以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C8炭素鎖である)、S−Y、SeY、NH2、NH−Y、N−Y2を表す。
本願明細書に開示するナノ粒子組成物の製造方法を使用することにより、例えば、8−ヒドロキシキノリン(オキシン);8−ヒドロキシキノリン−β−D−ガラクトピラノシド;8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルコピラノシド;8−ヒドロキシキノリングルクロニド;8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸;8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルクロニドナトリウム塩;8−キノリノールヘミ硫酸塩;8−キノリノールN−オキシド;2−アミノ−8−キノリノール;5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジメチル−8−キノリノール;5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン二塩酸塩;5−クロロ−8−キノリノール;5−ニトロ−8−ヒドロキシキノリン;7−ブロモ−5−クロロ−8−キノリノール;N−ブチル−2,2’−イミノ−ジ(8−キノリノール);8−ヒドロキシキノリン安息香酸;2−ベンジル−8−ヒドロキシキノリン;5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン塩酸;2−メチル−8−キノリノール;5−クロロ−7−ヨード−8−キノリノール;8−ヒドロキシ−5−ニトロキノリン;8−ヒドロキシ−7−ヨード−5−キノリンスルホン酸;5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン、並びにその他のキノリン系化合物(1−アザナフタレン、1−ベンゾアジン)及びその誘導体からなる群から選択される、二重層を通して銅イオン等の金属体を輸送することができるイオノフォア化合物を利用して銅同位体がナノ粒子組成物に封入される。好適な実施形態において、イオノフォア化合物は、8−ヒドロキシキノリン(オキシン);8−ヒドロキシキノリン−β−D−ガラクトピラノシド;8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルコピラノシド;8−ヒドロキシキノリングルクロニド;8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸;8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルクロニドナトリウム塩;8−キノリノールヘミ硫酸塩;8−キノリノールN−オキシド;2−アミノ−8−キノリノール;5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン;5,7−ジメチル−8−キノリノール;5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン二塩酸塩;5−クロロ−8−キノリノール;5−ニトロ−8−ヒドロキシキノリン;7−ブロモ−5−クロロ−8−キノリノール;N−ブチル−2,2’−イミノ−ジ(8−キノリノール);8−ヒドロキシキノリン安息香酸;2−ベンジル−8−ヒドロキシキノリン;5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン塩酸;2−メチル−8−キノリノール;5−クロロ−7−ヨード−8−キノリノール;8−ヒドロキシ−5−ニトロキノリン;8−ヒドロキシ−7−ヨード−5−キノリンスルホン酸;5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシ−2−メチルキノリン、並びにその他のキノリン系化合物(1−アザナフタレン、1−ベンゾアジン)及びその誘導体からなる群から選択される。
下記化2の構造A及びBは、銅放射性核種をナノ粒子に封入するために使用することができる本発明に係るイオノフォアである。Rは、例えば、H、F、Cl、Br、I、炭素鎖(H以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C24炭素鎖)、OH、O−Z(式中、ZはH以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C24炭素鎖である)、S−H、S−Z、Se−H、Se−Z、NH2、NH−Z又はN−Z2を表す。Xは、例えば、SH、SeH、O−Y(式中、YはH以外の置換基を有していてもよい飽和又は不飽和C1〜C8炭素鎖である)、S−Y、SeY、NH2、NH−Y、N−Y2を表す。
本発明の好適な実施形態において、二重層を通して金属イオンを輸送することができるイオノフォア化合物はカルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン、2HQ)である。本発明の好適な実施形態において、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(186Re、188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ストロンチウム(89Sr)、サマリウム(153Sm)、イッテルビウム(169Yb)、タリウム(201Tl)、アスタチン(211At)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択される放射性核種を輸送するためのイオノフォアとしてカルボスチリルを使用する。
本発明の別の好適な実施形態において、二重層を通して金属イオンを輸送することができるイオノフォア化合物はオキシン(8−ヒドロキシキノリン、8HQ)である。本発明の好適な実施形態において、銅同位体を輸送するためイオノフォアとしてオキシンを使用する。
本願明細書に開示するナノ粒子組成物の製造方法を使用することにより、放射性標識物質がナノ粒子組成物内に封入され、放射性標識物質は、61Cu、64Cu及び67Cu等からなる群から選択される放射性核種を含む。一実施形態において、封入される放射性核種は、61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される。
本発明に係る方法の別の実施形態において、放射性核種は、61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される銅同位体であり、イオノフォアは、放射性核種又は金属体と錯体を形成し前記錯体を二重層を通して輸送することができる化合物と定義される任意のイオノフォアである。
本発明の一実施形態において、二重層を通して金属イオンを輸送することができるイオノフォア化合物は、A23187、ヘキサメチルプロピレンアミンオキシム(HMPAO)もしくはその誘導体、ジイソプロピルイミノ二酢酸(DISIDA)もしくはその誘導体、又はその他のイオノフォア化合物である。本発明の好適な実施形態において、A23187、ヘキサメチルプロピレンアミンオキシム(HMPAO)、ジイソプロピルイミノ二酢酸(DISIDA)等のいずれかのイオノフォア化合物を銅同位体を輸送するために使用する。
本願明細書に開示する放射性核種及び/又は金属体が封入されたナノ粒子組成物の製造方法は、患者における癌又はその他の生体内異常(例えば、血管の出血を伴う病理学的症状)を診断及び/又は治療するために有用であり、a)ベシクル形成成分と、物質封入成分と、放射性標識物質と、を含み、物質封入成分と放射性標識物質はベシクル形成成分によって取り囲まれ、放射性標識物質は放射性核種を含むナノ粒子組成物を用意することと、b)該ナノ粒子組成物を患者に投与することと、を含む。
放射性核種を含むナノ粒子組成物の製造方法の一実施形態においては、静脈内投与することができるナノ粒子を製造する。
ナノ粒子組成物の製造方法の別の実施形態は、物質封入成分又はイオノフォアのプロトン化又は脱プロトン化によってリポソームの内部pHを制御して放射性核種の効率的な封入を行うことを含む。
本願明細書に開示するナノ粒子組成物の製造方法において、ナノ粒子組成物は、癌性疾患(及び、一般的には、血管の出血を伴う病理学的症状)を標的とする、ナノ粒子の外層に結合した部位をさらに含むことができる。
本願明細書に開示するナノ粒子組成物の製造方法において、ナノ粒子組成物は、物質封入成分に結合しナノ粒子組成物内に封入された、核局在配列ペプチド(NLSペプチド)等の細胞内ターゲティング特性を有する化合物をさらに含む。
本願明細書に開示するナノ粒子組成物の製造方法は、ナノ粒子組成物内に封入された放射性核種から放射される放射線量を測定及び検出することをさらに含むことができる。
以下、番号を付した項目に分けて本発明を記載する。
1.a)ベシクル形成成分と、b)前記ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、c)ナノ粒子組成物内に封入された銅同位体と、を含むナノ粒子組成物。
2.放射性標識されている、1に記載のナノ粒子組成物。
3.前記銅同位体が放射性核種である、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
4.前記放射性核種が、61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される、3に記載のナノ粒子組成物。
5.前記銅同位体がイオンである、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
6.前記イオンが、Cu(I)及びCu(II)からなる群から選択される、5に記載のナノ粒子組成物。
7.銅とは異なる1種以上の同位体をさらに含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
8.銅とは異なる1種以上の放射性核種をさらに含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
9.前記ベシクル形成成分が、両親媒性化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
10.前記両親媒性化合物が、非誘導体化両親媒性化合物、ポリエチレングリコール(PEG)と共に誘導体化された両親媒性化合物、及び1種以上の多糖と共に誘導体化された両親媒性化合物からなる群から選択される、9に記載のナノ粒子組成物。
11.前記ベシクル形成成分が、同一化合物の非PEG化体とPEG化体の両方を含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
12.前記両親媒性化合物が、親水性部分及び疎水性部分を含む合成又は天然両親媒性化合物からなる群から選択される、9又は10に記載のナノ粒子組成物。
13.前記合成又は天然両親媒性化合物が、脂肪酸、中性脂肪、ホスファチド、糖脂質、脂肪族アルコール及びステロイドからなる群から選択される、12に記載のナノ粒子組成物。
14.前記合成又は天然両親媒性化合物が、1,2−ジオレオイルホスファチジルコリン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン、1,2−ジミリストイルホスファチジルコリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン;1,2−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルエタノールアミン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルエタノールアミン、1−ステアロイル2−オレオイルホスファチジルエタノールアミン、及びN−スクシニルジオレオイルホスファチジルエタノールアミン等のホスファチジルエタノールアミン;1,2−ジオレオイルホスファチジルセリン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルセリン、1,2−ジミリストイルホスファチジルセリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルセリン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルセリン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルセリン、1−パルミトイル2−オレオイルホスファチジルセリン、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルセリン等のホスファチジルセリン;1,2−ジオレオイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジミリストイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジステアロイルホスファチジルグリセロール、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルグリセロール、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルグリセロール、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロール、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロール等のホスファチジルグリセロール;PEG化脂質;ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−1000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−3000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−5000]等のPEG化リン脂質;N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)1000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)2000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)3000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)5000]}等のPEG化セラミド;リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルセリン、セラミド;スフィンゴ脂質;ガングリオシドGMl等の糖脂質;グルコリピド;スルファチド;ジパルミトイルグリセロホスファチジン酸等のホスファチジン酸;パルミチン脂肪酸;ステアリン脂肪酸;アラキドン脂肪酸;ラウリン脂肪酸;ミリスチン脂肪酸;ラウロレイン脂肪酸;フィセテリン脂肪酸;ミリストレイン脂肪酸;パルミトレイン脂肪酸;ペトロセリン脂肪酸;オレイン脂肪酸;イソラウリン脂肪酸;イソミリスチン脂肪酸;イソステアリン脂肪酸;コレステロール、コレステロールヘミスクシネート、コレステロール硫酸、コレステリル−(4−トリメチルアンモニオ)ブタノエート、エルゴステロール、ラノステロール等のステロール及びステロール誘導体;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル;ポリオキシエチレン付加ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート;グリセロールポリエチレングリコールリシノレート;エトキシル化大豆ステロール;エトキシル化ヒマシ油;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸ポリマー;ポリオキシエチレン脂肪酸ステアレート;ジオレオイル−sn−グリセロール;ジパルミトイル−スクシニルグリセロール;1、3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルコリン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルコリン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルエタノールアミン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルエタノールアミン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルセリン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルセリン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルグリセロール等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルコリン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルコリン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルエタノールアミン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルエタノールアミン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルセリン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルセリン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルグリセロール等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルグリセロール;N−スクシニルジオクタデシルアミン;パルミトイルホモシステイン;臭化ラウリルトリメチルアンモニウム;臭化セチルトリメチルアンモニウム;ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド;N−[(1,2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,Nトリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP);及び1,2−ジオレオイル−c−(4’−トリメチルアンモニウム)−ブタノイル−sn−グリセロール(DOTB)からなる群から選択される、12に記載のナノ粒子組成物。
15.前記合成又は天然両親媒性化合物が、リン脂質、PEG化リン脂質及びコレステロールからなる群から選択される、12に記載のナノ粒子組成物。
16.前記合成又は天然両親媒性化合物が、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、コレステロール、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)からなる群から選択される、12に記載のナノ粒子組成物。
17.1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、コレステロール、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)のモル比が55:40:5である、16に記載のナノ粒子組成物。
18.前記物質封入成分が、キレート剤、還元剤、及び銅イオンと共に低溶解性塩を形成する物質からなる群から選択される化合物を含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
19.前記物質封入成分が、キレート剤、還元剤、及び銅イオンと共に低溶解性塩を形成する物質からなる群から選択される2種類の異なる化合物を含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
20.前記物質封入成分が、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン([12]aneN4)、1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン([13]aneN4)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン([14]aneN4)、1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン([15]aneN4)、1,5,9,13−テトラアザシクロヘキサデカン([16]aneN4)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)からなる群から選択されるキレート剤である、18又は19に記載のナノ粒子組成物。
21.前記物質封入成分が、1,4−エタノ−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(et−シクラム)、1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン(iso−シクラム)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)酢酸(DO1A)、2,2’−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジイル)二酢酸(DO2A)、2,2’,2’’−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリイル)三酢酸(DO3A)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジ(メタンホスホン酸)(DO2P)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ(メタンホスホン酸)(DO3P)、1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、2−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1−イル)酢酸(TE1A)及び2,2’−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,8−ジイル)二酢酸(TE2A)からなる群から選択されるキレート剤である、18又は19に記載のナノ粒子組成物。
22.前記物質封入成分が、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)、シクラム及びシクレンからなる群から選択される、21に記載のナノ粒子組成物。
23.前記物質封入成分が、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)である、22に記載のナノ粒子組成物。
24.前記物質封入成分が還元剤である、18に記載のナノ粒子組成物。
25.前記還元剤が、アスコルビン酸、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド、ラクトース、アラビノース、麦芽糖及びアセトールからなる群から選択される、24に記載のナノ粒子組成物。
26.前記物質封入成分が、銅と共に低溶解性塩を形成する化合物である、18に記載のナノ粒子組成物。
27.前記銅と共に形成される低溶解性塩が、リン酸塩、シュウ酸塩及び塩化物からなる群から選択される、26に記載のナノ粒子組成物。
28.ターゲティング化部分をさらに含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
29.前記ターゲティング化部分が、脂質固定分子又はPEG複合脂質成分を介して前記ナノ粒子組成物の表面に結合している、28に記載のナノ粒子組成物。
30.前記ナノ粒子組成物の表面に結合している前記ターゲティング化部分が、抗体、アフィボディ及びペプチド成分からなる群から選択される、28又は29に記載のナノ粒子組成物。
31.前記ターゲティング化部分が、リツキシマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、リンフォサイド、ビタキシン、Lym−1及びベバシズマブからなる群から選択される抗体である、30に記載のナノ粒子組成物。
32.前記ターゲティング化部分が、抗ErbB2アフィボディ及び抗フィブリノゲンアフィボディ分子からなる群から選択されるアフィボディである、30に記載のナノ粒子組成物。
33.前記ターゲティング化部分が、RGD、ソマトスタチン及びその類似体、並びに細胞透過性ペプチドからなる群から選択されるペプチド成分である、30に記載のナノ粒子組成物。
34.前記ソマトスタチン類似体がオクトレオテート(TATE)である、33に記載のナノ粒子組成物。
35.前記物質の効率的な封入を生じさせる制御された内部pHを有する、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
36.前記ナノ粒子の内部pHが、1〜10の範囲内、例えば1〜2、2〜3、3〜4、4〜5、5〜6、6〜7、7〜8、8〜9又は9〜10である、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
37.前記ナノ粒子の内部pHが、3〜6の範囲内、例えば3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、5.0〜5.5又は5.5〜6.0である、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
38.前記ナノ粒子組成物内に封入された細胞内ターゲティング特性を有する化合物をさらに含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
39.前記細胞内ターゲティング特性を有する化合物が、前記物質封入成分に結合した核局在配列ペプチド(NLSペプチド)である、38に記載のナノ粒子組成物。
40.前記ナノ粒子の直径が30〜300nmの範囲内、例えば30〜60nm、60〜80nm、80〜100nm、100〜120nm、120〜150nm、150〜180nm、180〜210nm、210〜240nm、240〜270nm又は270〜300nmである、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
41.前記ナノ粒子の直径が120nm未満である、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
42.前記ナノ粒子の直径が80nmよりも大きい、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
43.前記封入物質が、イオノフォアを使用して前記ナノ粒子組成物に封入されている、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
44.イオノフォアをさらに含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
45.微量のイオノフォアをさらに含む、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
46.前記物質封入成分がキレート剤(DOTA等)であり、前記イオノフォアから前記キレート剤への銅の移動反応が、生得的に又は前記ナノ粒子組成物内における高濃度のキレート剤のために自発的である、43〜45のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
47.前記物質封入成分がキレート剤(DOTA等)であり、前記イオノフォアから前記キレート剤への銅の移動反応が、前記ナノ粒子組成物内における高濃度のキレート剤のために自発的である、43〜46のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
48.前記放射性標識ナノ粒子が、37℃のヒト血清中で24時間インキュベートしてから漏出した放射性核種と放射性標識ナノ粒子とを分離するためのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析等の精製工程を行って見出される放射能の漏出率が、20%未満、例えば15%未満、12%未満、10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、3%未満、2%未満又は1%未満である安定性を有する、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
49.血管の出血を伴う病理学的症状の診断に使用するための、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
50.癌の診断に使用するための、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
51.ポジトロン断層法(PET)スキャン又は単一光子放射断層撮影(SPECT)スキャンに使用するための、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
52.医薬として使用するための、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
53.癌の治療に使用するための、前項のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
54.銅同位体が封入されたナノ粒子組成物の製造方法であって、a)ベシクル形成成分と、前記ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含むナノ粒子組成物を用意することと、b)ベシクル膜を通して前記銅同位体を輸送する成分を用意することと、c)前記ナノ粒子組成物の内部に前記銅同位体を封入することと、を含む方法。
55.前記ナノ粒子組成物が放射性標識されている、54に記載の方法。
56.前記銅同位体が放射性核種である、54又は55に記載の方法。
57.前記放射性核種が、61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される、56に記載の方法。
58.前記銅同位体がイオンである、54〜57のいずれか1項に記載の方法。
59.前記イオンが、Cu(I)及びCu(II)からなる群から選択される、58に記載の方法。
60.前記ベシクル膜を通して前記銅同位体を輸送する成分がイオノフォアである、54〜59のいずれか1項に記載の方法。
61.前記イオノフォアが、下記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物、及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択される、60に記載の方法。
(式中、Xは、ヒドロキシ(OH)、アミノ(NH2)又はスルフヒドリル(SH)を表し、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。)
62.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物、及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、Xがヒドロキシ(OH)である、61に記載の方法。
63.R1が水素(H)である、61又は62に記載の方法。
64.R1及びR3が水素(H)である、61又は62に記載の方法。
65.R1、R3及びR5が水素(H)である、61又は62に記載の方法。
66.R1、R3、R4及びR5が水素(H)である、61又は62に記載の方法。
67.R1、R3、R4、R5及びR6が水素(H)である、61又は62に記載の方法。
68.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物、及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−グルコピラノシド(C6611)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表す、61又は62に記載の方法。
69.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物、及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表す、61又は62に記載の方法。
70.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物、及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びカルボキシ(COOH)からなる群から選択される置換基を表す、61又は62に記載の方法。
71.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物、及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)及びスルフヒドリル(SH)からなる群から選択される置換基を表す、61又は62に記載の方法。
72.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物、及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、エチル(C25)、アミノ(NH2)及びヒドロキシ(OH)からなる群から選択される置換基を表す、61又は62に記載の方法。
73.前記イオノフォアが、2−ヒドロキシキノリン−4−カルボン酸、6−クロロ−2−ヒドロキシキノリン、8−クロロ−2−ヒドロキシキノリン、7−アミノ−4−メチル−2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル124)、7−ジメチルアミノ−4−メチル−2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル165)、4,6−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン、4,8−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン、その他の2−キノリノール化合物、並びにそれらの立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択される、61又は62に記載の方法。
74.前記イオノフォアが2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル)である、61又は62に記載の方法。
75.前記イオノフォアが、下記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択される、60に記載の方法。
(式中、Yは、ヒドロキシ(OH)、アミノ(NH2)又はスルフヒドリル(SH)を表し、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。)
76.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、Yがヒドロキシ(OH)である、75に記載の方法。
77.R8が水素(H)である、75又は76に記載の方法。
78.R8及びR9が水素(H)である、75又は76に記載の方法。
79.R8、R9及びR11が水素(H)である、75又は76に記載の方法。
80.R7、R8、R9及びR11が水素(H)である、75又は76に記載の方法。
81.R7、R8、R9、R11及びR12が水素(H)である、75又は76に記載の方法。
82.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表す、75又は76に記載の方法。
83.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、スルフヒドリル(SH)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表す、75又は76に記載の方法。
84.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びカルボキシ(COOH)からなる群から選択される置換基を表す、75又は76に記載の方法。
85.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、ヒドロキシ(OH)、カルボキシ(COOH)及びスルフヒドリル(SH)からなる群から選択される置換基を表す、75又は76に記載の方法。
86.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、エチル(C25)、アミノ(NH2)及びヒドロキシ(OH)からなる群から選択される置換基を表す、75又は76に記載の方法。
87.前記イオノフォアが、8−ヒドロキシキノリン(オキシン)、8−ヒドロキシキノリン−β−D−ガラクトピラノシド、8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルコピラノシド、8−ヒドロキシキノリングルクロニド、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、2−アミノ−8−キノリノール、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジメチル−8−キノリノール、5−クロロ−8−キノリノール、5−ニトロ−8−ヒドロキシキノリン、7−ブロモ−5−クロロ−8−キノリノール、8−ヒドロキシキノリンベンゾエート、2−ベンジル−8−ヒドロキシキノリン、2−メチル−8−キノリノール、5−クロロ−7−ヨード−8−キノリノール、8−ヒドロキシ−5−ニトロキノリン、8−ヒドロキシ−7−ヨード−5−キノリンスルホン酸及び5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシ−2−メチルキノリンからなる群から選択される、75又は76に記載の方法。
88.前記イオノフォアが8−ヒドロキシキノリン(オキシン)である、75又は76に記載の方法。
89.前記ナノ粒子組成物が、1〜48のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物である、54〜88のいずれか1項に記載の方法。
90.前記物質封入成分がキレート剤であり、前記イオノフォアの前記キレート剤に対するモル比が、1:1〜1:10,000,000の範囲内、例えば、1:5、1:10、1:50、1:100、1:250、1:500、1:1000、1:5000、1:10,000、1:50,000、1:100,000、1:500,000、1:1,000,000、1:5,000,000又は1:10,000,000である、54〜89のいずれか1項に記載の方法。
91.前記ナノ粒子の内部pHが、1〜10の範囲内、例えば1〜2、2〜3、3〜4、4〜5、5〜6、6〜7、7〜8、8〜9又は9〜10である、54〜90のいずれか1項に記載の方法。
92.前記ナノ粒子の内部pHが、3〜6の範囲内、例えば3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、5.0〜5.5又は5.5〜6.0である、54〜91のいずれか1項に記載の方法。
93.生成した放射性標識ナノ粒子の純度を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を使用して確認する、54〜90のいずれか1項に記載の方法。
94.生成した放射性標識ナノ粒子を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を使用して精製する、54〜93のいずれか1項に記載の方法。
95.サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を使用して測定した銅の封入効率が30〜95%である、54〜94のいずれか1項に記載の方法。
96.サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を使用して測定した銅の封入効率が、35%よりも高く、例えば40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%よりも高い、54〜94のいずれか1項に記載の方法。
97.前記放射性標識ナノ粒子が、37℃のヒト血清中で24時間インキュベートしてから漏出した放射性核種と放射性標識ナノ粒子を分離するためのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析等の精製工程を行って見出される放射能の漏出率が、20%未満、例えば15%未満、12%未満、10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、3%未満、2%未満又は1%未満である安定性を有する、54〜96のいずれか1項に記載の方法。
98.前記ナノ粒子への銅の封入によって前記ナノ粒子のサイズが実質的に変化しない、54〜97のいずれか1項に記載の方法。
99.前記ナノ粒子への銅同位体の封入による前記ナノ粒子組成物のサイズの変化が、20%未満、例えば17%未満、14%未満、11%未満、8%未満、5%未満又は2%未満である、54〜97のいずれか1項に記載の方法。
100.前記ナノ粒子への銅の封入によるゼータ電位の変化が、20%未満、例えば18%未満、16%未満、14%未満、12%未満又は10%未満である、54〜98のいずれか1項に記載の方法。
101.前記ナノ粒子組成物内に封入された前記放射性核種から放射される放射線量を測定及び検出することをさらに含む、54〜100のいずれか1項に記載の方法。
102.前記ナノ粒子組成物を診断又は治療のために使用することをさらに含む、54〜101のいずれか1項に記載の方法。
103.前記ナノ粒子組成物を経口投与する、102に記載の方法。
104.前記ナノ粒子組成物を静脈内投与する、102に記載の方法。
105.血管の出血を伴う病理学的症状の診断に使用される、102〜104のいずれか1項に記載の方法。
106.癌の診断に使用される、102〜104のいずれか1項に記載の方法。
107.1〜48のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物を製造するためのキットであって、
a.i.ベシクル形成成分と、ii.前記ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含むナノ粒子組成物と、
b.イオノフォアを含む組成物と、
を含み、前記パーツa又はbは銅同位体をさらに含むキット。
108.1〜48のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物を製造するためのキットであって、
a.i.ベシクル形成成分と、ii.前記ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含むナノ粒子組成物と、
b.イオノフォアを含む組成物と、
c.銅同位体を含む組成物と、
を含むキット。
109.1〜48のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物を製造するためのキットであって、
a.i.ベシクル形成成分と、ii.前記ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、iii.イオノフォアと、を含むナノ粒子組成物と、
b.銅同位体を含む組成物と、
を含むキット。
110.前記銅同位体が放射性核種である、107〜109のいずれか1項に記載のキット。
111.前記イオノフォアが、下記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択される、107〜110のいずれか1項に記載のキット。
(式中、Xは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)又はアミノ(NH2)を表し、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−ガラクトピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R1及びR2、又はR2及びR3、又はR3及びR4、又はR4及びR5、又はR5及びR6は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。)
112.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、Xがヒドロキシ(OH)である、111に記載のキット。
113.R1が水素(H)である、111又は112に記載のキット。
114.R1及びR3が水素(H)である、111又は112に記載のキット。
115.R1、R3及びR5が水素(H)である、111又は112に記載のキット。
116.R1、R3、R4及びR5が水素(H)である、111又は112に記載のキット。
117.R1、R3、R4、R5及びR6が水素(H)である、111又は112に記載のキット。
118.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)、β−D−グルコピラノシド(C6611)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表す、111又は112に記載のキット。
119.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、スルフヒドリル(SH)、カルボキシ(COOH)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表す、111又は112に記載のキット。
120.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びカルボキシ(COOH)からなる群から選択される置換基を表す、111又は112に記載のキット。
121.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)及びスルフヒドリル(SH)からなる群から選択される置換基を表す、111又は112に記載のキット。
122.前記イオノフォアが、前記式Aで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5及びR6が、それぞれ独立して、水素(H)、エチル(C25)、アミノ(NH2)及びヒドロキシ(OH)からなる群から選択される置換基を表す、111又は112に記載のキット。
123.前記イオノフォアが、2−ヒドロキシキノリン−4−カルボン酸、6−クロロ−2−ヒドロキシキノリン、8−クロロ−2−ヒドロキシキノリン、7−アミノ−4−メチル−2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル124)、7−ジメチルアミノ−4−メチル−2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル165)、4,6−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン、4,8−ジメチル−2−ヒドロキシキノリン、その他の2−キノリノール化合物、並びにそれらの立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択される、111又は112に記載のキット。
124.前記イオノフォアが2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル)である、111又は112に記載のキット。
125.前記イオノフォアが、下記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択される、111に記載のキット。
(式中、Yは、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)又はアミノ(NH2)を表し、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ニトロ(NO2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、グルクロニド(C697)、スルホニル(SO3H)、ベンゾイル(C64COOH)及びベンジル(C65(CH2))からなる群から選択される置換基を表し、R7及びR8、又はR8及びR9、又はR9及びR10、又はR10及びR11、又はR11及びR12は、それらが結合している芳香族環と共にベンゾ縮合炭素環式芳香族環又は脂肪族環を形成していてもよい。)
126.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、Yがヒドロキシ(OH)である、125に記載のキット。
127.R8が水素(H)である、125又は126に記載のキット。
128.R8及びR9が水素(H)である、125又は126に記載のキット。
129.R8、R9及びR11が水素(H)である、125又は126に記載のキット。
130.R7、R8、R9及びR11が水素(H)である、125又は126に記載のキット。
131.R7、R8、R9、R11及びR12が水素(H)である、125又は126に記載のキット。
132.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、ブチル(C411)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、β−D−グルコピラノシド(C6611)、スルフヒドリル(SH)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表す、125又は126に記載のキット。
133.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ジメチルアミノ(N(CH32)、ヒドロキシ(OH)、シアノ(CN)、カルボキシ(COOH)、スルフヒドリル(SH)及びスルホニル(SO3H)からなる群から選択される置換基を表す、125又は126に記載のキット。
134.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、プロピル(C38)、アミノ(NH2)、ヒドロキシ(OH)、スルフヒドリル(SH)及びカルボキシ(COOH)からなる群から選択される置換基を表す、125又は126に記載のキット。
135.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、ハロ(Cl、Br又はI)、メチル(CH3)、エチル(C25)、ヒドロキシ(OH)、カルボキシ(COOH)及びスルフヒドリル(SH)からなる群から選択される置換基を表す、125又は126に記載のキット。
136.前記イオノフォアが、前記式Bで示されるキノリン誘導体、並びにその立体異性体、立体異性体の混合物及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択され、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ独立して、水素(H)、エチル(C25)、アミノ(NH2)及びヒドロキシ(OH)からなる群から選択される置換基を表す、125又は126に記載のキット。
137.前記イオノフォアが、8−ヒドロキシキノリン(オキシン)、8−ヒドロキシキノリン−β−D−ガラクトピラノシド、8−ヒドロキシキノリン−β−D−グルコピラノシド、8−ヒドロキシキノリングルクロニド、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、2−アミノ−8−キノリノール、5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジヨード−8−ヒドロキシキノリン、5,7−ジメチル−8−キノリノール、5−クロロ−8−キノリノール、5−ニトロ−8−ヒドロキシキノリン、7−ブロモ−5−クロロ−8−キノリノール、8−ヒドロキシキノリンベンゾエート、2−ベンジル−8−ヒドロキシキノリン、2−メチル−8−キノリノール、5−クロロ−7−ヨード−8−キノリノール、8−ヒドロキシ−5−ニトロキノリン、8−ヒドロキシ−7−ヨード−5−キノリンスルホン酸及び5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシ−2−メチルキノリンからなる群から選択される、125又は126に記載のキット。
138.前記イオノフォアが8−ヒドロキシキノリン(オキシン)である、125又は126に記載のキット。
139.前記物質封入成分がキレート剤(DOTA等)であり、前記イオノフォアから前記キレート剤への銅の移動反応が、生得的に又は前記ナノ粒子組成物内における高濃度のキレート剤のために自発的である、107〜138のいずれか1項に記載のキット。
140.前記物質封入成分がキレート剤(DOTA等)であり、前記イオノフォアから前記キレート剤への銅の移動反応が、前記ナノ粒子組成物内における高濃度のキレート剤のために自発的である、107〜138のいずれか1項に記載のキット。
141.前記物質封入成分がキレート剤であり、前記イオノフォアの前記キレート剤に対するモル比が、1:1〜1:10,000,000の範囲内、例えば、1:5、1:10、1:50、1:100、1:250、1:500、1:1000、1:5000、1:10,000、1:50,000、1:100,000、1:500,000、1:1,000,000、1:5,000,000又は1:10,000,000である、107〜140のいずれか1項に記載のキット。
142.前記銅同位体が塩として送達される、107〜141のいずれか1項に記載のキット。
143.前記銅同位体が凍結乾燥塩として送達される、107〜142のいずれか1項に記載のキット。
144.前記銅同位体がイオン水溶液として送達される、107〜141のいずれか1項に記載のキット。
145.封入効率を判定するための試験手段をさらに含む、107〜144のいずれか1項に記載のキット。
146.前記パーツを、使用の0〜5時間前、例えば使用の0〜4時間前、使用の0〜3時間前、使用の0〜2時間前、使用の0〜1時間前又は使用の直前に混合することができる、107〜145のいずれか1項に記載のキット。
147.1〜53のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物を製造するためのものである、107〜146のいずれか1項に記載のキット。
148.血管の出血を伴う病理学的症状の診断に使用するための、107〜147のいずれか1項に記載のキット。
149.医薬として使用するための、107〜147のいずれか1項に記載のキット。
150.癌を診断するために使用するための、107〜147のいずれか1項に記載のキット。
151.ポジトロン断層法(PET)スキャン又は単一光子放射断層撮影(SPECT)スキャンに使用するための、107〜147のいずれか1項に記載のキット。
152.放射性核種が封入されたナノ粒子組成物の製造方法であって、a)ベシクル形成成分と、前記ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含むナノ粒子組成物を用意することと、b)61〜74のいずれか1項に記載のイオノフォア(式A)である、ベシクル膜を通して前記放射性核種を輸送する成分を用意することと、c)前記ナノ粒子組成物の内部に前記放射性核種を封入することと、を含む方法。
153.前記放射性核種が、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択される、152に記載の方法。
154.前記放射性核種が、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)及びルテチウム(177Lu)からなる群から選択される、152に記載の方法。
155.前記放射性核種が、一価カチオン、二価カチオン、三価カチオン、四価カチオン、五価カチオン、六価カチオン又は七価カチオン等のイオンである、152〜154のいずれか1項に記載の方法。
156.前記ベシクル形成成分が、両親媒性化合物からなる群から選択される1種以上の化合物を含む、152〜155のいずれか1項に記載の方法。
157.前記両親媒性化合物が、非誘導体化両親媒性化合物、ポリエチレングリコール(PEG)と共に誘導体化された両親媒性化合物及び1種以上の多糖から誘導体化された両親媒性化合物からなる群から選択される、156に記載の方法。
158.前記ベシクル形成成分が、同一のベシクル形成化合物の非PEG化体及びPEG化体の両方を含む、156又は157に記載の方法。
159.前記両親媒性化合物が、親水性部分及び疎水性部分を含む合成又は天然両親媒性化合物からなる群から選択される、156又は157に記載の方法。
160.前記合成又は天然両親媒性化合物が、脂肪酸、中性脂肪、ホスファチド、糖脂質、脂肪族アルコール及びステロイドからなる群から選択される、159に記載の方法。
161.前記合成又は天然両親媒性化合物が、1,2−ジオレオイルホスファチジルコリン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン、1,2−ジミリストイルホスファチジルコリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン;1,2−ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、1,2−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルエタノールアミン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルエタノールアミン、1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルエタノールアミン、及びN−スクシニルジオレオイルホスファチジルエタノールアミン等のホスファチジルエタノールアミン;1,2−ジオレオイルホスファチジルセリン、1,2−ジパルミトイルホスファチジルセリン、1,2−ジミリストイルホスファチジルセリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルセリン、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルセリン、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルセリン、1−パルミトイル2−オレオイルホスファチジルセリン、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルセリン等のホスファチジルセリン;1,2−ジオレオイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジミリストイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジステアロイルホスファチジルグリセロール、1−オレオイル−2−パルミトイルホスファチジルグリセロール、1−オレオイル−2−ステアロイルホスファチジルグリセロール、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロール、及び1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロール等のホスファチジルグリセロール;PEG化脂質;ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−1000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−3000]、ホスファチジルエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−5000]等のPEG化リン脂質;N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)1000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)2000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)3000]}、N−オクタノイルスフィンゴシン−1−{スクシニル[メトキシ(ポリエチレングリコール)5000]}等のPEG化セラミド;リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルセリン、セラミド;スフィンゴ脂質;ガングリオシドGMl等の糖脂質;グルコリピド;スルファチド;ジパルミトイルグリセロホスファチジン酸等のホスファチジン酸;パルミチン脂肪酸;ステアリン脂肪酸;アラキドン脂肪酸;ラウリン脂肪酸;ミリスチン脂肪酸;ラウロレイン脂肪酸;フィセテリン脂肪酸;ミリストレイン脂肪酸;パルミトレイン脂肪酸;ペトロセリン脂肪酸;オレイン脂肪酸;イソラウリン脂肪酸;イソミリスチン脂肪酸;イソステアリン脂肪酸;コレステロール、コレステロールヘミスクシネート、コレステロール硫酸、コレステリル−(4−トリメチルアンモニオ)ブタノエート、エルゴステロール、ラノステロール等のステロール及びステロール誘導体;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸アルコールエーテル;ポリオキシエチレン付加ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールポリエチレングリコールオキシステアレート;グリセロールポリエチレングリコールリシノレート;エトキシル化大豆ステロール;エトキシル化ヒマシ油;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸ポリマー;ポリオキシエチレン脂肪酸ステアレート;ジオレオイル−sn−グリセロール;ジパルミトイル−スクシニルグリセロール;1、3−ジパルミトイル−2−スクシニルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルコリン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルコリン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルエタノールアミン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルエタノールアミン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルセリン等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルセリン;1−ヘキサデシル−2−パルミトイルホスファチジルグリセロール等の1−アルキル−2−アシルホスファチジルグリセロール;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルコリン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルコリン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルエタノールアミン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルエタノールアミン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルセリン等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルセリン;1−ヘキサデシル−2−ヘキサデシルホスファチジルグリセロール等の1−アルキル−2−アルキルホスファチジルグリセロール;N−スクシニルジオクタデシルアミン;パルミトイルホモシステイン;臭化ラウリルトリメチルアンモニウム;臭化セチルトリメチルアンモニウム;ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド;N−[(1,2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,Nトリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA);1,2−ジオレオイルオキシ−3−(トリメチルアンモニウム)プロパン(DOTAP);及び1,2−ジオレオイル−c−(4’−トリメチルアンモニウム)−ブタノイル−sn−グリセロール(DOTB)からなる群から選択される、159に記載の方法。
162.前記合成又は天然両親媒性化合物が、リン脂質、PEG化リン脂質及びコレステロールからなる群から選択される、159に記載の方法。
163.前記合成又は天然両親媒性化合物が、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、コレステロール、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)からなる群から選択される、162に記載の方法。
164.1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、コレステロール、及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)のモル比が55:40:5である、163に記載の方法。
165.前記物質封入成分が、キレート剤、還元剤、及び前記放射性核種と共に低溶解性塩を形成する物質からなる群から選択される、152〜164のいずれか1項に記載の方法。
166.前記物質封入成分が、キレート剤、還元剤、及び前記放射性核種と共に低溶解性塩を形成する物質からなる群から選択される2種類の異なる化合物を含む、152〜165のいずれか1項に記載の方法。
167.前記物質封入成分が、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン([12]aneN4)、1,4,7,10−テトラアザシクロトリデカン([13]aneN4)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン([14]aneN4)、1,4,8,12−テトラアザシクロペンタデカン([15]aneN4)、1,5,9,13−テトラアザシクロヘキサデカン([16]aneN4)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)からなる群から選択されるキレート剤である、152〜166のいずれか1項に記載の方法。
168.前記物質封入成分が、1,4−エタノ−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(et−シクラム)、1,4,7,11−テトラアザシクロテトラデカン(iso−シクラム)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−イル)酢酸(DO1A)、2,2’−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジイル)二酢酸(DO2A)、2,2’,2’’−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリイル)三酢酸(DO3A)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,7−ジ(メタンホスホン酸)(DO2P)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−トリ(メタンホスホン酸)(DO3P)、1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、2−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1−イル)酢酸(TE1A)、2,2’−(1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,8−ジイル)二酢酸(TE2A)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)からなる群から選択されるキレート剤である、152〜166のいずれか1項に記載の方法。
169.前記物質封入成分が、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)、シクラム及びシクレンからなる群から選択される、168に記載の方法。
170.前記物質封入成分が、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)、シクラム及びシクレンからなる群から選択される、169に記載の方法。
171.前記物質封入成分が、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)である、170に記載の方法。
172.前記物質封入成分が還元剤である、152〜166のいずれか1項に記載の方法。
173.前記還元剤が、アスコルビン酸、グルコース、フルクトース、グリセルアルデヒド、ラクトース、アラビノース、麦芽糖又はアセトールである、172に記載の方法。
174.前記物質封入成分が、前記放射性核種と共に低溶解性塩を形成する化合物である、152〜166のいずれか1項に記載の方法。
175.前記放射性核種と共に形成される低溶解性塩が、リン酸塩、シュウ酸塩及び塩化物からなる群から選択される、174に記載の方法。
176.前記物質封入成分がキレート剤(DOTA等)であり、カルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン)から前記キレート剤への放射性核種の移動反応が、生得的に又は前記ナノ粒子組成物内における高濃度のキレート剤のために自発的である、152〜175のいずれか1項に記載の方法。
177.前記物質封入成分がキレート剤(DOTA等)であり、前記イオノフォアから前記キレート剤への放射性核種の移動反応が、前記ナノ粒子組成物内における高濃度のキレート剤のために自発的である、152〜175のいずれか1項に記載の方法。
178.前記物質封入成分がキレート剤であり、前記イオノフォアの前記キレート剤に対するモル比が、1:1〜1:10,000,000の範囲内、例えば、1:5、1:10、1:50、1:100、1:250、1:500、1:1000、1:5000、1:10,000、1:50,000、1:100,000、1:500,000、1:1,000,000、1:5,000,000又は1:10,000,000である、152〜177のいずれか1項に記載の方法。
179.前記ナノ粒子組成物がターゲティング化部分をさらに含む、152〜178のいずれか1項に記載の方法。
180.前記ターゲティング化部分が、脂質固定分子又はPEG複合脂質成分を介して前記ナノ粒子組成物の表面に結合している、179に記載の方法。
181.前記ナノ粒子組成物の表面に結合している前記ターゲティング化部分が、抗体、アフィボディ及びペプチド成分からなる群から選択される、179又は180に記載の方法。
182.前記ターゲティング化部分が、リツキシマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、リンフォサイド、ビタキシン、Lym−1及びベバシズマブからなる群から選択される抗体である、181に記載の方法。
183.前記ターゲティング化部分が、抗ErbB2アフィボディ及び抗フィブリノゲンアフィボディ分子からなる群から選択されるアフィボディである、181に記載の方法。
184.前記ターゲティング化部分が、RGD、ソマトスタチン及びその類似体、並びに細胞透過性ペプチドからなる群から選択されるペプチド成分である、181に記載の方法。
185.前記ソマトスタチン類似体がオクトレオテート(TATE)である、184に記載の方法。
186.内部pHを制御して前記物質の効率的な封入を生じさせることをさらに含む、152〜185のいずれか1項に記載の方法。
187.前記ナノ粒子組成物の内部pHが、1〜10の範囲内、例えば1〜2、2〜3、3〜4、4〜5、5〜6、6〜7、7〜8、8〜9又は9〜10である、152〜186のいずれか1項に記載の方法。
188.前記ナノ粒子の内部pHが、3〜6の範囲内、例えば3.0〜3.5、3.5〜4.0、4.0〜4.5、4.5〜5.0、5.0〜5.5又は5.5〜6.0である、152〜187のいずれか1項に記載の方法。
189.前記ナノ粒子組成物が、前記ナノ粒子組成物内に封入された細胞内ターゲティング特性を有する化合物をさらに含む、152〜187のいずれか1項に記載の方法。
190.前記細胞内ターゲティング特性を有する化合物が、前記物質封入成分に結合した核局在配列ペプチド(NLSペプチド)である、189に記載の方法。
191.前記ナノ粒子組成物の直径が、30〜300nm、例えば30〜60nm、60〜80nm、80〜100nm、100〜120nm、120〜150nm、150〜180nm、180〜210nm、210〜240nm、240〜270nm又は270〜300nmである、152〜190のいずれか1項に記載の方法。
192.前記ナノ粒子の直径が120nm未満である、152〜191のいずれか1項に記載の方法。
193.前記ナノ粒子の直径が80nmよりも大きい、152〜191のいずれか1項に記載の方法。
194.生成した放射性標識ナノ粒子の純度を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を使用して確認する、152〜193のいずれか1項に記載の方法。
195.生成した放射性標識ナノ粒子を、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を使用して精製する、54〜194のいずれか1項に記載の方法。
196.サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を使用して測定した放射性核種の封入効率が30〜95%である、152〜195のいずれか1項に記載の方法。
197.サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を使用して測定した放射性核種の封入効率が、35%より高く、例えば40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%又は95%よりも高い、152〜196のいずれか1項に記載の方法。
198.前記放射性標識ナノ粒子が、37℃のヒト血清中で24時間インキュベートしてから漏出した放射性核種と放射性標識ナノ粒子とを分離するためのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析等の精製工程を行って見出される放射能の漏出率が、20%未満、例えば15%未満、12%未満、10%未満、8%未満、6%未満、4%未満、3%未満、2%未満又は1%未満である安定性を有する、152〜197のいずれか1項に記載の方法。
199.前記ナノ粒子への放射性核種の封入によって前記ナノ粒子のサイズが実質的に変化しない、152〜198のいずれか1項に記載の方法。
200.前記ナノ粒子への放射性核種の封入による前記ナノ粒子組成物のサイズの変化が、20%未満、例えば17%未満、14%未満、11%未満、8%未満、5%未満又は2%未満である、152〜198のいずれか1項に記載の方法。
201.前記ナノ粒子への放射性核種の封入によるゼータ電位の変化が、20%未満、例えば18%未満、16%未満、14%未満、12%未満又は10%未満である、152〜200のいずれか1項に記載の方法。
202.前記ナノ粒子組成物内に封入された前記放射性核種から放射される放射線量を測定及び検出することをさらに含む、152〜201のいずれか1項に記載の方法。
203.前記ナノ粒子組成物を診断又は治療のために使用することをさらに含む、152〜202のいずれか1項に記載の方法。
204.前記ナノ粒子組成物を経口投与する、203に記載の方法。
205.前記ナノ粒子組成物を静脈内投与する、203に記載の方法。
206.血管の出血を伴う病理学的症状の診断に使用される、203〜205のいずれか1項に記載の方法。
207.癌の診断に使用される、203〜205のいずれか1項に記載の方法。
208.152〜202のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物を製造するためのキットであって、
a.i.ベシクル形成成分と、ii.前記ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含むナノ粒子組成物と、
b.61〜74のいずれか1項に記載のイオノフォア(式A)を含む組成物と、
を含み、前記パーツa又はbは放射性核種をさらに含むキット。
209.152〜202のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物を製造するためのキットであって、
a.i.ベシクル形成成分と、ii.前記ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、を含むナノ粒子組成物と、
b.61〜74のいずれか1項に記載のイオノフォア(式A)を含む組成物と、
c.放射性核種を含む組成物と、
を含むキット。
210.152〜202のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物を製造するためのキットであって、
a.i.ベシクル形成成分と、ii.前記ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、iii.61〜74のいずれか1項に記載のイオノフォア(式A)と、を含むナノ粒子組成物と、
b.放射性核種を含む組成物と、
を含むキット。
211.前記放射性核種が、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択される、208〜210のいずれか1項に記載のキット。
212.前記放射性核種が、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)及びルテチウム(177Lu)からなる群から選択される、208〜210のいずれか1項に記載のキット。
213.前記放射性核種が、一価カチオン、二価カチオン、三価カチオン、四価カチオン、五価カチオン、六価カチオン又は七価カチオン等のイオンである、208〜211のいずれか1項に記載のキット。
214.前記物質封入成分がキレート剤(DOTA等)であり、前記イオノフォアから前記キレート剤への放射性核種の移動反応が、生得的に又は前記ナノ粒子組成物内における高濃度のキレート剤のために自発的である、208〜213のいずれか1項に記載のキット。
215.前記物質封入成分がキレート剤(DOTA等)であり、前記イオノフォアから前記キレート剤への放射性核種の移動反応が、前記ナノ粒子組成物内における高濃度のキレート剤のために自発的である、208〜213のいずれか1項に記載のキット。
216.前記物質封入成分がキレート剤であり、前記イオノフォアの前記キレート剤に対するモル比が、1:1〜1:10,000,000の範囲内、例えば、1:5、1:10、1:50、1:100、1:250、1:500、1:1000、1:5000、1:10,000、1:50,000、1:100,000、1:500,000、1:1,000,000、1:5,000,000又は1:10,000,000である、208〜215のいずれか1項に記載のキット。
217.前記放射性核種が塩として送達される、208〜216のいずれか1項に記載のキット。
218.前記放射性核種が凍結乾燥塩として送達される、208〜217のいずれか1項に記載のキット。
219.前記放射性核種がイオン水溶液として送達される、208〜216のいずれか1項に記載のキット。
220.封入効率を判定するための試験手段をさらに含む、208〜219のいずれか1項に記載のキット。
221.前記パーツを、使用の0〜5時間前、例えば使用の0〜4時間前、使用の0〜3時間前、使用の0〜2時間前、使用の0〜1時間前又は使用の直前に混合することができる、208〜220のいずれか1項に記載のキット。
222.1〜53のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物を製造するための、208〜221のいずれか1項に記載のキット。
223.血管の出血を伴う病理学的症状の診断に使用するための、208〜222のいずれか1項に記載のキット。
224.医薬として使用するための、208〜222のいずれか1項に記載のキット。
225.癌の診断に使用するための、208〜222のいずれか1項に記載のキット。
226.ポジトロン断層法(PET)スキャン又は単一光子放射断層撮影(SPECT)スキャンに使用するための、208〜222のいずれか1項に記載のキット。
実施例I
以下の実施例では、血液循環によって放射線診断剤及び/又は放射線治療剤を癌性組織又は血管の出血を伴う病理学的症状を示す組織等の標的部位に送達するために有用であり、標的部位における放射能シグナルの特異性及び強度を高める放射性核種封入リポソーム組成物の製造方法について記載する。なお、以下の実施例は本発明の範囲を制限するものではない。全ての銅同位体の化学特性を表すモデル核種として放射性核種64Cuを使用した。
等温滴定熱量測定(ITC)は、主として錯体形成のエンタルピー及びストイキオメトリーが得られるように設計した。反応熱は観察されたピークの積分によって決定した。注入の希釈熱の寄与分を差し引いた後、熱を測定成分のモル比に対してプロットした。結合定数(Ka、配位子交換定数Kともいう)、結合エンタルピー(ΔH0)及び錯体形成のストイキオメトリー(n)は、独立した結合モデルを使用して結合方程式に対して結合等温線を当てはめることによって決定した。
ITC試料の調製及び実験:
ITC実験のためのCuCl2、2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル、2HQ)(Sigma−Aldrich社製(デンマーク))及びDOTAの溶液をミリQ水を使用して調製した(pH7.4)。等温滴定熱量計(Nano ITC、TA Instruments社製)を使用して、金属イオン、イオノフォア及びキレート剤の結合親和性のITC測定を25℃で行った。等温滴定熱量計は、製造者の推奨に従って電気パルスによって電気的に較正した。滴定剤の注入には注射器(250μL)を使用し、平衡化時及び実験時に注射器を400rpmで撹拌することによって混合を行った。一回の滴定において、典型的には、滴定剤を10μLずつ20回注入し、注入操作間には600秒の間隔を空けた。水を満たした熱量計の参照セルを試料セルに対する熱参照(thermal reference)として使用した。CuCl2、DOTA及びカルボスチリルの希釈熱について補正するために、緩衝液のみを使用して同様な条件で対照実験を行った。全ての溶液は、ノイズを減少させるために滴定前に脱気した。
DOTAを使用した2−ヒドロキシキノリンからのCu(II)抽出のITC測定結果を図6に示す。2−ヒドロキシキノリンとDOTAの交換を熱スパイクプロット(A)及び積分熱プロット(B)として示している。実験条件:0.5mM Cu(2−ヒドロキシキノリン)2に10μLの5mM DOTAを注入して滴定した。全ての溶液(pH7.4)はミリQ水を使用して調製した。
ITCデータ(図6)に基づき、DOTAのCu(II)に対する結合親和性は2−ヒドロキシキノリンと比較して非常に高いことが分かった。従って、2−ヒドロキシキノリンを使用したDOTAを含むリポソームへのCu(II)の封入は熱力学的に好ましい方法である。
64Cu−カルボスチリルの放射性標識:
本発明に係るリポソーム組成物の製造方法に含まれる64Cu−カルボスチリルの製造例を以下に記載する。5〜100μLの水性緩衝液(例えば、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)中の0.314〜31.4mM 2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル、2HQ)(Sigma−Aldrich社製(デンマーク))を、乾燥した放射性64CuCl2に添加した。
64Cu−オキシンの放射性標識:
本発明に係るリポソーム組成物の製造方法に含まれる64Cu−オキシンの製造例を以下に記載する。5〜100μLの水性緩衝液(例えば、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)中の0.314〜31.4mM 8−ヒドロキシキノリン(オキシン、8HQ)(Sigma−Aldrich社製(デンマーク))を、乾燥した放射性64CuCl2に添加した。
リポソームの調製:
標準的な薄膜水和及び反復押出を使用して小さな単層膜ベシクル(SUV)(100nm)を調製した。1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、コレステロール及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000gl](DSPE−PEG−2000)(モル比:55:40:5)をクロロホルムに溶解・混合し、緩やかなアルゴン流下において脂質薄膜を得た。有機溶媒残渣を減圧下で一晩にわたって除去した。脂質膜を適当な水溶液(例えば、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)に分散させ、65℃で60分間水和した。次に、ミニ押出機を使用してポリカーボネートメンブランフィルターに懸濁液を通過させてSUVを得た。
キレート剤含有リポソームの調製:
標準的な薄膜水和及び反復押出を使用し、キレート剤(DOTA等)をDSPC、コレステロール及びDSPE−PEG−2000(モル比:55:40:5)から構成されるリポソーム内に導入した。簡単に説明すると、脂質をクロロホルム内で混合し、緩やかな窒素流下において乾燥させて脂質膜を得た。有機溶媒残渣を減圧下で一晩にわたって除去した。キレート剤(DOTA)を1〜50mMの濃度で含む水溶液(例えば、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4))に脂質膜を分散させた。次に、溶液を65℃で60分間にわたって水和した。ミニ押出機を使用して100nmポリカーボネートメンブランフィルターに多層膜ベシクル(MLV)を複数回通過させて小さな単層膜ベシクル(SUV)を得た。封入されなかったキレート剤をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50充填 1×25cmカラムを使用、水溶液(例えば、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)で溶出)で除去した。
放射性標識64Cu−カルボスチリルのリポソームへの封入:
5〜100μLの放射性標識64Cu−カルボスチリル(0.1〜1GBq)を0.5〜2mLのキレート剤含有リポソームと共に37〜50℃で60分間インキュベートして放射性標識64Cu−カルボスチリルをリポソーム内に封入した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって、未封入放射性核種64Cuを64Cu−リポソームから分離して64Cu封入リポソームについて分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。64Cu封入効率は90%を超えていた。図7Aは、カルボスチリルを使用してDOTA封入リポソーム内に64Cuを封入することができたことを示している。図7Aは、イオノフォアとしてカルボスチリルを使用した場合の64Cuの封入効率も示している。
放射性標識64Cu−オキシンのリポソームへの封入:
5〜100μLの放射性標識64Cu−オキシン(0.1〜1GBq)を0.5〜2mLのキレート剤含有リポソームと共に37〜50℃で60分間インキュベートして放射性標識64Cu−オキシンをリポソーム内に封入した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって、未封入放射性核種64Cuを64Cu−リポソームから分離して64Cu封入リポソームについて分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。64Cu封入効率は90%を超えていた。図7Bは、オキシンを使用してDOTA封入リポソーム内に64Cuを封入することができたことを示している。図7Bは、イオノフォアとしてオキシンを使用した場合の64Cuの封入効率も示している。
カルボスチリルを使用して64Cuを封入した64Cu−リポソームの貯蔵安定性(37℃、24時間):
精製した500μLの64Cu−リポソーム溶液を37℃で24時間インキュベートし、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって遊離64Cuを64Cu−リポソームから分離することによって64Cu−リポソームの安定性について分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。図8Aは貯蔵安定性試験の結果を示しており、カルボスチリルを使用して64Cuを封入した場合には、10mM DOTAを含む64Cu−リポソームは全放射能の99%を超える放射能を維持していた。放射性核種は、リポソームの内部に封入されたDOTAに対してより強い親和性を有するため、DOTAの方とより好ましく結合し、遊離カルボスチリルは放出され、放射性核種はリポソーム内に封入される。
オキシンを使用して64Cuを封入した64Cu−リポソームの貯蔵安定性(37℃、24時間):
精製した500μLの64Cu−リポソーム溶液を37℃で24時間インキュベートし、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって遊離64Cuを64Cu−リポソームから分離することによって64Cu−リポソームの安定性について分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。図8Bは貯蔵安定性試験の結果を示しており、オキシンを使用して64Cuを封入した場合には、10mM DOTAを含む64Cu−リポソームは全放射能の79%だけを維持していた(封入された64Cuの21%が漏出)。
カルボスチリルを使用して64Cuを封入した64Cu−リポソームの血清中安定性:
精製した500μLの64Cu−リポソーム溶液を250μLのヒト血清中で37℃で24時間インキュベートし、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって遊離64Cuを64Cu−リポソームから分離することによって64Cu−リポソームの安定性について分析した。その結果、カルボスチリルを使用して64Cuを封入した場合には、10mM DOTAを含む64Cu−リポソームは全放射能の99%を超える放射能を維持していた。
また、イオノフォアとしてカルボスチリルを使用した64Cuの封入前後における64Cu−リポソームのサイズ及びゼータ電位を測定した。以下の表1に示すように、64Cu封入の前(97.9nm)及び後(96.07nm)におけるサイズの有意差並びに64Cu封入の前(−4.09mV)及び後(−3.78mV)におけるゼータ電位の有意差は観察されず、本発明によって調製した64Cu−リポソーム組成物は高いインビトロ安定性を有することを示している。
高い保存安定性及び高い血清中安定性を有するため、イオノフォアとしてカルボスチリルを使用して64Cuを封入した64Cu−リポソームのみを生体内実験に使用した。
上記結果は、本発明により、ベシクル形成成分と、ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、リポソーム組成物内に封入され銅同位体を含む放射性標識物質と、を有するリポソーム組成物からなるリポソーム内に封入された放射性核種を提供することができることを示している。
また、上記結果は、本発明により、新規イオノフォアとしてカルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン、2HQ)又はその誘導体(図1、好ましくは図2を参照のこと)を使用して銅同位体又は他の放射性核種をリポソーム組成物に封入する新規な方法が提供されることを示している。
また、上記結果は、本発明の実施形態に係るリポソーム組成物を生体内研究に使用することができることを示している。さらに、上記結果は、リポソーム組成物は、所望の物質、例えば、61Cu、64Cu及び67Cuから選択される銅同位体を、高い封入効率(>90%)で含み、37℃で24時間にわたる保存やヒト血清内インキュベーションを経ても封入物質の放出(漏出)が最小限である安定な形態を有することを示している。従って、本発明によって調製したリポソーム組成物は、PET撮影を含む放射性撮影、生体内癌診断並びに患者の血管の出血を伴うその他の病理学的症状の診断に使用することができる。本発明に係る新規な放射性標識リポソーム組成物は、患者の癌性疾患又はその他の疾患を治療するための放射線治療にも有用である。
実施例II
以下の実施例も本発明の実施形態を示すものである。なお、以下の実施例は本発明の範囲を制限するものではない。全ての銅同位体の化学特性を表すモデル核種として放射性核種64Cuを使用した。
等温滴定熱量測定(ITC)を使用してイオノフォアと物質封入化合物(本実施例ではキレート剤)との間の配位子交換の平衡定数(K、交換定数ともいう)を得た。Cu(II)と錯体を形成する場合のカルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン、2HQ)とDOTAとの配位子交換について、Cu(2HQ)2の緩衝溶液をDOTAで滴定することによって調べた。配位子交換は、ピーク積分によって決定されるITC実験(図9A)における注入による反応熱によって監視した。配位子交換定数(K)は、図9Bに示す反応熱を使用して決定した。結合等温式は以下の平衡によって定義される:
配位子交換定数(K)は以下のように定義される:
式中、CuDOTA、Cu(2HQ)2、2HQ及びDOTAは、それぞれCu−DOTA錯体の濃度、Cu(2HQ)2錯体の濃度、2HQの遊離濃度及びDOTAの遊離濃度であり、cwは純水のモル濃度(55.5M)である。
ITC試料の調製及び実験:
ITC実験のためのCuCl2、2HQ及びDOTAの溶液をMES緩衝液(pH5.9)及び酢酸緩衝液(pH4.0)を使用して調製した。ITC測定は、等温滴定熱量計(iTC200、MicroCal、GE社製)を使用して25℃で行った。等温滴定熱量計は、製造者の推奨に従って電気パルスによって電気的に較正した。滴定には注射器(40μL)を使用し、平衡化時及び実験時に注射器を1000rpmで撹拌することによって混合した。一回の滴定において、典型的には、滴定剤を2μLずつ20回注入し、注入操作間には150秒の間隔を空けた。水を満たした熱量計の参照セルを試料セルに対する熱参照として使用した。CuCl2、2HQ及びDOTAの希釈熱について補正するために、緩衝液のみを使用して同様な条件で対照実験を行った。全ての溶液は、ノイズを減少させるために滴定前に脱気した。
MES緩衝液(pH5.9)内におけるDOTAを使用した2HQからのCu(II)抽出のITC測定結果を図9に示す。pH5.9における2HQとDOTAの交換を熱スパイクプロット(A)及び積分熱プロット(B)として示している。実験条件:0.05mM Cu(2HQ)2に2μLの0.5mM DOTAを注入して滴定した。全ての溶液はMES緩衝液(pH5.9)を使用して調製した。
ITCデータ(図9)に基づき、MES緩衝液(pH5.9)内における交換定数(K)は(5.2±1.6)・10-4、酢酸緩衝液(pH4.0)内における交換定数(K)は(1.0±0.3)・10-2と推定され、Cu(II)の2HQからDOTAへの交換はpH5.9よりもpH4.0が有利であることが分かった。64Cuを封入するためのリポソームは、リポソーム内のDOTA濃度が高くなるように調製した(CuDOTAとCu(2HQ)2の比が約105)。高い封入効率と高い封入安定性を達成するためには、リポソーム内におけるCuDOTA濃度のCu(2HQ)2濃度に対する比が大きいことが有利である。脂質二重膜を通して起こる2HQによる64Cuの輸送は、2HQからDOTAへのCu(II)の急速な交換が関わり、2HQはDOTAを含むリポソームへの64Cuの封入を促進することができる。
64Cu−2HQの放射性標識:
本発明に係るリポソーム組成物の製造方法に含まれる64Cu−2HQの製造例を以下に記載する。10μLのHEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH:7.4)中の0.314mM 2HQを乾燥した放射性64CuCl2に添加した。64Cu−2HQの放射性標識は、2HQ濃度をより高くした場合や、MES緩衝液、酢酸緩衝液等の他の緩衝液を使用した場合でも成功した。
64Cu−オキシンの放射性標識:
本発明に係るリポソーム組成物の製造方法に含まれる64Cu−オキシンの製造例を以下に記載する。10μLのHEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH:7.4)中の0.314mM オキシンを乾燥した放射性64CuCl2に添加した。64Cu−オキシンの放射性標識は、より高いオキシン濃度や、MES緩衝液、酢酸緩衝液等の他の緩衝液を使用した場合でも成功した。
リポソームの調製:
標準的な薄膜水和及び反復押出を使用して小さな単層膜ベシクル(SUV)(100nm)を調製した。1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、コレステロール及び1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](DSPE−PEG−2000)(モル比:55:40:5)をクロロホルムに溶解・混合し、緩やかなアルゴン流下において脂質薄膜を得た。有機溶媒残渣を減圧下で一晩にわたって除去した。脂質膜を適当な水溶液(例えば、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH:7.4))に分散させ、65℃で60分間水和した。次に、ミニ押出機を使用してポリカーボネートメンブランフィルターに懸濁液を通過させてSUVを得た。
キレート剤含有リポソームの調製:
標準的な薄膜水和及び反復押出を使用し、キレート剤(DOTA等)をDSPC、コレステロール及びDSPE−PEG−2000(モル比:55:40:5)から構成されるリポソーム内に導入した。簡単に説明すると、脂質をクロロホルム内で混合し、緩やかな窒素流下において乾燥して脂質膜を得た。有機溶媒残渣を減圧下で一晩にわたって除去した。キレート剤(DOTA)を10mMの濃度で含む水溶液(例えば、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4))に脂質膜を分散させた(pH4.0)。次に、溶液を65℃で60分間にわたって水和した。ミニ押出機を使用して100nmポリカーボネートメンブランフィルターに多層膜ベシクル(MLV)を複数回通過させて、より小さい単層膜ベシクル(SUV)を得た。封入されなかったキレート剤をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50充填 1×25cmカラムを使用、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)で溶出)で除去した。
放射性標識64Cu−2HQのリポソームへの封入:
10μLの放射性標識64Cu−2HQ(100MBq)を0.5mLのキレート剤含有リポソームと共に50℃で60分間インキュベートして上記リポソームの封入を行った。より高い放射能(100〜400MBq)及び異なるリポソーム濃度(1〜50mM)及び異なるリポソーム量(0.5〜2mL)でも封入を行うことができた。温度を20℃まで下げ、インキュベーション時間を30分まで短くしても、封入を行うことができた。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって、未封入放射性核種64Cuを64Cu−リポソームから分離して64Cu封入リポソームについて分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。64Cu封入効率は90%を超えていた。図10Aは、2HQによってDOTA封入リポソーム内に64Cuを効率的に封入することができたことを示している。図10Aは、イオノフォアとしてカルボスチリルを使用した場合の高い封入効率も示している。
放射性標識64Cu−オキシンのリポソームへの封入:
10μLの放射性標識64Cu−オキシン(100MBq)を0.5mLのキレート剤含有リポソームと共に50℃で60分間インキュベートして放射性標識64Cu−オキシンを上記リポソーム内に封入した。より高い放射能(100〜400MBq)及び異なるリポソーム濃度(1〜50mM)及び異なるリポソーム量(0.5〜2mL)でも封入を行うことができた。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって未封入放射性核種を64Cu−リポソームから分離することによって、封入された64Cu−リポソームについて分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。64Cu封入効率は90%を超えていた。図10Bは、オキシンによってDOTA封入リポソーム内に64Cuを効率的に封入することができたことを示している。図10Bは、イオノフォアとしてオキシンを使用した場合の封入効率も示している。
2HQを使用して64Cuを封入した64Cu−リポソームの貯蔵安定性(37℃、24時間):
精製した500μLの64Cu−リポソーム溶液(2HQを使用して封入)を37℃で24時間インキュベートし、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって未封入64Cuを64Cu−リポソームから分離することによって、64Cu−リポソームの安定性について分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。図8Aは貯蔵安定性試験の結果を示しており、カルボスチリルを使用して64Cuを封入した場合には、10mM DOTAを含む64Cu−リポソーム(pH4.0)は全放射能の99%を超える放射能を維持していた。放射性核種は、リポソームの内部に封入されたDOTAの方とより好ましく結合し、そのため遊離カルボスチリルは放出され、放射性核種はリポソーム内に封入される。図8Cは24時間の安定性試験の結果を示し、64Cu−リポソームは10mM DOTAを含ませて2HQを使用して封入を行った(pH7.4)。24時間後、封入された64Cuの51%の漏出が観察された。
オキシンを使用して64Cuを封入した64Cu−リポソームの貯蔵安定性(37℃、24時間):
精製した500μLの64Cu−リポソーム溶液(オキシンを使用して封入)を37℃で24時間インキュベートし、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって未封入64Cuを64Cu−リポソームから分離することによって64Cu−リポソームの安定性について分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。図8Bは貯蔵安定性試験の結果を示しており、オキシンを使用して64Cuを封入した場合には、10mM DOTAを含む64Cu−リポソーム(pH4.0)は全放射能の79%だけを維持していた(封入された64Cuの21%が漏出)。図8Dは24時間の安定度試験の結果を示し、64Cu−リポソームは10mM DOTAを含ませてオキシンを使用して封入を行った(pH7.4)。24時間後、封入された64Cuの51%の漏出が観察された。
2HQを使用して64Cuを封入した64Cu−リポソームの血清中安定性:
精製した500μLの64Cu−リポソーム溶液を250μLのヒト血清中で37℃で24時間インキュベートし、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって遊離64Cuを64Cu−リポソームから分離することによって64Cu−リポソームの安定性について分析した。その結果、2HQを使用して64Cuを封入した場合には、10mM DOTAを含む64Cu−リポソーム(pH4.0)は24時間後に全64Cuの99%を超える64Cuを保持していた。
上記結果は、本発明により、ベシクル形成成分と、ベシクル形成成分によって取り囲まれた物質封入成分と、リポソーム組成物内に封入され銅同位体を含む放射性標識物質と、を有するリポソーム組成物(好ましくはナノ粒子の形態である)からなるリポソーム内に封入された放射性核種を提供することができることを示している。
また、上記結果は、本発明により、新規イオノフォアとしてカルボスチリルもしくはその誘導体又はオキシンもしくはその誘導体(図1又は図3(好ましくは図2又は図4)を参照のこと)を使用して銅同位体又は他の放射性核種をリポソーム組成物に封入するための新規な方法が提供されることを示している。
また、上記結果は、本発明の実施形態に係るリポソーム組成物を生体内研究に使用することができることを示している。さらに、上記結果は、リポソーム組成物は、所望の物質、例えば、61Cu、64Cu及び67Cuから選択される銅同位体を高い封入効率(>90%)で含み、37℃で24時間にわたる保存やヒト血清中インキュベーションを経ても封入物質の放出(漏出)が最小限である安定な形態を有することを示している。好適な実施形態において、銅同位体は61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される。一実施形態において、イオノフォアがカルボスチリル又はその誘導体である場合には、放射性核種は銅とは異なる放射性核種を含むことができる。従って、本発明によって調製したリポソーム組成物は、PET撮影を含む放射性撮影、生体内癌診断並びに患者の血管の出血を伴うその他の病理学的症状の診断に使用することができる。本発明に係る新規な放射性標識リポソーム組成物は、患者の癌性疾患又はその他の疾患を治療するための放射線治療にも有用である。
実施例III
以下の実施例も本発明の実施形態を示すものである。以下の実施例は本発明の範囲を制限するものではない。61Cu及び67Cuを含む全ての銅同位体の化学特性を表す診断及び治療用途のためのモデル核種として放射性核種64Cuを使用した。
等温滴定熱量測定(ITC)を使用してイオノフォアと物質封入化合物(本実施例ではキレート剤)との間の配位子交換の平衡定数(K、交換定数ともいう)を得た。Cu(II)と錯体を形成する場合のカルボスチリル(2−ヒドロキシキノリン、2HQ)とキレート剤(chelate)との配位子交換について、Cu(2HQ)2の緩衝溶液をDOTA、TETA、シクラム、シクレン及びDOTPから選択されるキレート剤で滴定することによって調べた。配位子交換は、ピーク積分によって決定されるITC実験における注入による反応熱によって監視した。配位子交換定数(K)は反応熱を使用して決定した。結合等温式は以下の平衡によって定義される:
配位子交換定数(K)は以下のように定義される。
式中、Cu(chelate)、Cu(2HQ)2、2HQ及びchelateは、それぞれCu(キレート剤)錯体の濃度、Cu(2HQ)2錯体の濃度、2HQの濃度及びキレート剤の濃度であり、cwは純水のモル濃度(55.5M)である。
ITC試料の調製及び実験:
ITC実験のためのCuCl2、2HQ及びキレート剤(DOTA、TETA、シクラム、シクレン又はDOTP)の溶液をMES緩衝液(pH5.9)及び酢酸緩衝液(pH4.0)を使用して調製した。ITC測定は、等温滴定熱量計(iTC200、MicroCal、GE社製)を使用して25℃及び50℃で行った。等温滴定熱量計は、製造者の推奨に従って電気パルスによって電気的に較正した。滴定には注射器(250μL)を使用し、平衡化時及び実験時に注射器を1000rpmで撹拌することによって混合した。典型的には、一回の滴定において滴定剤を2μLずつ20回注入し、注入操作間には150秒の間隔を空けた。水を満たした熱量計の参照セルを試料セルに対する熱参照として使用した。CuCl2、2HQ及びキレート剤の希釈熱について補正するために、緩衝液のみを使用して同様な条件で対照実験を行った。全ての溶液は、ノイズを減少させるために滴定前に脱気した。
MES緩衝液(pH5.9)及び酢酸緩衝液(pH4.0)内におけるDOTA、TETA、シクラム、シクレン又はDOTPを使用した2−ヒドロキシキノリン(2HQ)からのCu(II)抽出のITC測定(25℃及び50℃)結果を表2に示す。配位子交換定数(K)及び配位子交換エンタルピー(ΔH)は、反応スキーム(1)に基づく結合等温線を利用したパラメータを適用して決定した。実験条件:0.5mM Cu(2HQ)2に2μLの5mM DOTA、TETA、シクラム、シクレン又はDOTPを注入して滴定した。
ITCデータ(表2)に基づき、Cu(II)と錯体を形成する物質封入成分として各キレート剤を使用することができることが分かった。また、測定された交換定数(K)に基づき、表2に示す異なるpH及び温度条件下において、各キレート剤(DOTA、TETA、シクラム、シクレン又はDOTP)によって2−ヒドロキシキノリンからCu(II)を抽出することができることが分かった。
表2に示すように、Cu(II)の2HQからDOTAへの交換にはpH5.9よりもpH4.0が有利であり、25℃よりも50℃が有利であることが分かった。また、Cu(II)の2HQからTETAへの交換にはpH4.0よりもpH5.9が有利であり、25℃よりも50℃が有利であることが分かった。
キレート剤含有リポソームの調製:
標準的な薄膜水和及び反復押出を使用し、キレート剤(DOTA)をDSPC、コレステロール及びDSPE−PEG−2000(モル比:55:40:5)から構成されるリポソーム内に導入した。簡単に説明すると、脂質をクロロホルム内で混合し、緩やかなアルゴン流下において乾燥して脂質膜を得た。有機溶媒残渣を減圧下で一晩にわたって除去した。キレート剤(DOTA)を10mMの濃度で含む水溶液(例えば、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4))に脂質膜を分散させた(pH4.0)。次に、溶液を65℃で60分間にわたって水和した。ミニ押出機を使用して100nmポリカーボネートメンブランフィルターに多層膜ベシクル(MLV)を複数回通過させて単層膜ベシクル(SUV)を得た。導入されなかったキレート剤をサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50充填1×25cmカラムを使用、HEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)で溶出)で除去した。
また、異なるベシクル形成成分を使用して上記のようにリポソームを調製した。表3に、2−ヒドロキシキノリンを使用した場合の、異なるリポソーム組成物への64Cuの封入効率を示す。
また、イオノフォアとしてカルボスチリルを使用した64Cuの封入の前後における64Cu−リポソームのサイズ及びゼータ電位を測定した。以下の表4に示すように、64Cu封入の前(97.9nm)及び後(96.07nm)におけるサイズの有意差並びに64Cu封入の前(−4.09mV)及び後(−3.78mV)におけるゼータ電位の有意差は観察されず、本発明によって調製した64Cu−リポソーム組成物は高いインビトロ安定性を有することを示している。
生体内研究における動物腫瘍モデル:
ヒト結腸腺癌(HT29)腫瘍細胞(2×106細胞)を雌NMRI(Naval Medical Research Institute)ヌードマウスの左及び右脇腹に接種し、4週間にわたって悪性固形腫瘍に成長させた。
生体内研究のための64Cu−リポソームを上述したように調製した。64Cu−リポソームは、DSPC/CHOL/DSPE−PEG−2000(モル比:55:40:5)から構成され、リポソーム内にキレート剤(DOTA)を10mMの濃度で含んでいた(pH4.0)。
2HQを使用して64Cuを封入した64Cu−リポソームの血清中安定性:
精製した500μLの64Cu−リポソーム溶液を250μLのヒト血清内で37℃で24時間インキュベートし、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって遊離64Cuを64Cu−リポソームから分離することによって64Cu−リポソームの安定性について分析した。その結果、2HQを使用して64Cuを封入した場合には、10mM DOTAを含む64Cu−リポソームは全放射能の99%を超える放射能を維持していた。
生体内分布イメージング及び定量化のための64Cu−リポソーム及び64Cu−DOTAの投与:
64Cu−リポソームの懸濁液及び64Cu−DOTAの懸濁液を、腫瘍を有しないNMRIヌードマウス(64Cu−リポソーム、n=7;64Cu−DOTA、n=5)及び腫瘍を有するマウス(64Cu−リポソーム、n=5;64Cu−DOTA、n=3)に静脈内(i.v.)投与した。64Cu−DOTAは、リポソームの内部を表す対照トレーサーの役割を果たす。マウス1匹当たりの注入量は100μLとした。各マウスに対してセボフルラン麻酔を行い、尾静脈に適切に注入するためにカテーテルを挿入した。ヌードマウスはTaconic社(Borup、デンマーク)から購入した。動物実験は、デンマーク法務省のガイドラインに従って行った。
陽電子断層撮影(PET)/コンピュータ断層撮影(CT)及び定量化:
64Cu−リポソーム又は64Cu−DOTAを静脈内投与した後、1、4、12及び24時間が経過した時点で各マウスに対してマイクロPET/CTを行った。PETにおいては、画像中の対象領域(region of interest(ROI))に特異的に存在する放射能の量を算出することができ、シグナル強度の差に基づく直接的な定量を行うことができる。PET及びCT画像を再構築した後、画像をソフトウェア(Siemens社製Inveon)で融合し、選択した臓器上にROIを設定することによってPETデータを分析した。PET値は平均ベクレルml-1(Bq ml-1)で表され、ROIは対象臓器上に手動で描いた。注入後の80分間にわたって動的PETデータを収集した後(22フレーム収集し、20分間の最後のフレームが1時間のスキャンを表す)、20分間(4時間及び12時間)及び40分間(24時間)の静的スキャンを行った。
図11は、64Cu−リポソーム及び64Cu−DOTAの血中濃度と時間のプロファイルを示す時間放射能曲線(TAC)である。64Cu−リポソーム及び64Cu−DOTAの血中濃度は、ROIを描くことによって各マウスの左心室内の放射能濃度から測定した。推定左心室ROI(%ID mL-1)を、血液量(全体重の7%と推定)に対して正規化することによって%ID organ-1に変換した。血中濃度のTACは、各左心室ROI(%ID organ-1)を時間の関数としてプロットすることによって得た。全注入活性用量は、注入から4分後に動物全体を囲むROIを描くことによって測定した。左心室ROIから導かれる血液TACの定量化を評価するために、注入から24時間後に動脈血試料を採取した。血液試料は、左心室ROIから得られた結果と同程度の64Cu−リポソームレべルを示した。従って、左心室は、心臓において血中リポソーム濃度を正確に定量化するための領域として用いられる。予想通り、遊離64Cu−DOTAは投与後に腎臓濾過によって急速に除去された。
図12は、マウスの組織における64Cu−リポソームの生体内分布の時間放射能曲線(TAC)である。肝臓、心臓、脾臓、筋肉及び腫瘍における64Cu−リポソームの生体内分布を、時間の関数としての%ID organ-1(臓器(organ)あたりのパーセント注入用量)として示した。64Cu−リポソームレベルは肝臓及び脾臓において4時間後に最高レベルに達した後、一定のレべルで推移した。これは、肝臓クッパー細胞及び脾臓マクロファージによってリポソームが循環血液から初期段階で迅速に除去されたことを反映している。また、腫瘍内皮は血管透過性が高まっていることは確立された知見であり、長時間循環PEG化64Cu−リポソームはこの透過性の上昇によって腫瘍組織に蓄積する。腫瘍部位における活性の上昇が観察され、リポソームが血流内を循環している限り腫瘍内におけるリポソームの蓄積は連続的に増加した。
64Cu−リポソームの静脈注射後の異なる時点で陽電子断層撮影(PET)/コンピュータ断層撮影(CT)スキャンを行ったところ、生体内分布画像及び血中濃度時間プロファイルから定量的な測定を行うことができた。図13は、異なる時点における正常なマウス及び腫瘍を有するマウスにおける64Cu−リポソームの分布を示すPET及びPET/CT画像である。
上記結果は、本発明の実施形態に係るリポソーム組成物を生体内研究に使用することができることを示している。また、上記結果は、リポソーム組成物は、所望の物質、例えば、61Cu、64Cu及び67Cuから選択される銅同位体を高い封入効率(>90%)で含み、37℃で24時間にわたる保存やヒト血清内インキュベーションを経ても封入物質の放出(漏出)が最小限である安定な形態を有することを示している。好適な実施形態において、銅同位体は61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される。一実施形態において、イオノフォアがカルボスチリル又はその誘導体である場合には、放射性核種は銅とは異なる放射性核種を含むことができる。従って、本発明によって調製したリポソーム組成物は、PET撮影を含む放射性撮影、生体内癌診断並びに患者の血管の出血を伴うその他の病理学的症状の診断に使用することができる。本発明に係る新規な放射性標識リポソーム組成物は、患者の癌性疾患又はその他の疾患を治療するための放射線治療にも有用である。
177Lu−2HQの放射性標識:
10μLのHEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH7.4)中の0.314mM 2HQを10μLの放射性177LuCl3(蒸留水中)に添加した。
放射性標識177Lu−2HQのリポソームへの封入:
「キレート剤含有リポソームの調製」に記載したように調製した0.5mLのキレート剤含有リポソームを、20μLの放射性標識177Lu−2HQ(150MBq)と共に50℃で60分間インキュベートして封入を行った。放射性核種は、リポソームの内部に封入されたDOTAとより好ましく結合し、そのため遊離イオノフォア(2HQ)は放出され、放射性核種177Luがリポソーム内に封入される。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって未封入放射性核種177Luを177Lu−リポソームから分離することによって177Lu封入リポソームについて分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。177Lu封入効率は96%だった。図14Aは、2HQによってDOTA封入リポソーム内に177Luを効率的に封入することができたことを示している。
2HQを使用して177Luを封入した177Lu−リポソームの貯蔵安定性(37℃、24時間):
精製した500μLの177Lu−リポソーム溶液(オキシンを使用して封入)を37℃で24時間インキュベートし、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって未封入177Luを177Lu−リポソームから分離することによって177Lu−リポソームの安定性について分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。図14Bは貯蔵安定性試験(37℃で24時間)の結果を示しており、カルボスチリルを使用して177Luを封入した場合には、10mM DOTAを含む177Lu−リポソーム(pH4.0)は全放射能の95%を超える放射能を維持していた。
本発明に係るリポソーム組成物の製造方法に含まれる2HQの二重放射性標識(177Lu及び64Cu)並びに放射線治療及び放射線診断のための放射性標識177Lu−2HQ及び64Cu−2HQを使用したリポソーム内への177Lu及び64Cuの封入の例を以下に記載する。64Cuは、全ての銅同位体の化学特性を代表する。
177Lu/64Cu−2HQの放射性標識:
10μLのHEPES緩衝液(10mM HEPES、150mM NaCl、pH:7.4)中の0.314mM 2HQを乾燥した放射性64CuCl2及び10μLの放射性177LuCl3(蒸留水中)に添加した。
放射性標識64Cu/177Lu−2HQを使用した64Cu及び177Luのリポソームへの封入:
「キレート剤含有リポソームの調製」に記載したように調製した0.5mLのキレート剤含有リポソームを、177Lu(100MBq)、64Cu(100MBq)及び10μLの0.314mM 2HQと共に50℃で60分間インキュベートすることによって封入を行った。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(Sephadex G−50カラムを使用)によって未封入放射性核種64Cu及び177Luを64Cu/177Lu−リポソームから分離することによって64Cu/177Lu封入リポソームについて分析した。溶出プロファイルは、インライン放射能検出器を使用して監視した。図15は、2HQによってDOTA封入リポソーム内に64Cu及び177Luを効率的に封入することができたことを示している。177Luの封入効率は98%であり、64Cuの封入効率は95%だった。ゲルマニウム検知器を使用して2種類のガンマ線源(64Cu及び177Lu)を識別し、リポソーム内への各放射性核種の封入を定量的に測定した。
上記結果は、本発明の実施形態に係るリポソーム組成物を生体内研究に使用することができることを示している。また、上記結果は、リポソーム組成物は、所望の物質、例えば、177Lu及び/又は銅同位体(例えば61Cu、64Cu及び67Cuから選択される)を高い封入効率(>90%)で含み、37℃で24時間にわたる保存やヒト血清内でのインキュベーションを経ても封入物質の放出(漏出)が最小限である安定な形態を有することを示している。好適な実施形態において、銅同位体は61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される。一実施形態において、イオノフォアがカルボスチリル又はその誘導体である場合には、放射性核種は銅とは異なる放射性核種(例えば177Lu)を含むことができる。従って、本発明によって調製したリポソーム組成物は、PET撮影を含む放射性撮影、生体内癌診断及び患者の血管の出血を伴うその他の病理学的症状の診断に使用することができる。本発明に係る新規な放射性標識リポソーム組成物は、患者の癌性疾患又はその他の疾患を治療するための放射線治療にも有用である。

Claims (32)

  1. 放射性核種が封入されたナノ粒子組成物の製造方法であって、
    a.ベシクル形成成分と、前記ベシクル形成成分によって取り囲まれたキレート剤と、を含むナノ粒子組成物を用意することと、
    b.ベシクル膜を通して前記放射性核種を輸送する成分を用意することと、
    c.前記ナノ粒子組成物の内部に前記放射性核種を封入することと、
    を含み、
    前記キレート剤が、シクラム、シクレン、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)及び1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)からなる群から選択されるキレート剤であり、
    前記放射性核種を輸送する成分が、2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル)及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択されるイオノフォアである、方法
  2. 前記放射性核種が、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(186Re、188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ストロンチウム(89Sr)、サマリウム(153Sm)、イッテルビウム(169Yb)、タリウム(201Tl)、アスタチン(211At)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択される1種以上の放射性核種を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記放射性核種が、61Cu、64Cu及び67Cuからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記放射性核種が、61Cu、64Cu、67Cu、177Lu、67Ga、68Ga、225Ac、90Y、186Re、188Re及び119Sbからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記放射性核種が、請求項2に記載の群から選択される2種以上の放射性核種である、請求項2に記載の方法。
  6. 前記放射性核種が、64Cuと67Cu、61Cuと67Cu、64Cuと90Y、64Cuと119Sb、64Cuと225Ac、64Cuと188Re、64Cuと186Re、64Cuと211At、64Cuと67Ga、61Cuと177Lu、61Cuと90Y、61Cuと119Sb、61Cuと225Ac、61Cuと188Re、61Cuと186Re、61Cuと211At、61Cuと67Ga、67Cuと177Lu、67Cuと90Y、67Cuと119Sb、67Cuと225Ac、67Cuと188Re、67Cuと186Re、67Cuと211At、68Gaと177Lu、68Gaと90Y、68Gaと119Sb、68Gaと225Ac、68Gaと188Re、68Gaと186Re、68Gaと211At、68Gaと67Cuからなる群から選択される2種類の放射性核種を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記放射性核種が、銅(61Cu、64Cu及び67Cu)からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ベシクル形成成分が、リン脂質、PEG化リン脂質及びコレステロールからなる群から選択される1種以上の化合物を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記ベシクル形成成分が、DSPC、DPPC、POPC、CHOL、DSPE−PEG−2000及びDSPE−PEG−2000−TATEからなる群から選択される1種以上の両親媒性化合物を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記ナノ粒子の内部pHが3〜8の範囲内である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析を使用して測定した放射性核種の封入効率が、35%よりも高い、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記放射性標識ナノ粒子が、37℃のヒト血清中で24時間インキュベートした後に、漏出した放射性核種と放射性標識ナノ粒子とを分離するためのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析等の精製工程を行って見出される放射性核種の漏出率が20%未満である安定性を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法によってナノ粒子組成物を製造するためのキットであって、
    a.i.ベシクル形成成分と、ii.前記ベシクル形成成分によって取り囲まれたキレート剤と、を含むナノ粒子組成物と、
    b.2−ヒドロキシキノリン(カルボスチリル)及び薬学的に許容され得る塩からなる群から選択されるイオノフォアを含む組成物とを含み、
    前記キレート剤が、シクラム、シクレン、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)及び1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)からなる群から選択されるキレート剤である、キット
  14. 請求項2に記載の放射性核種の1種以上をさらに含む、請求項13に記載のキット。
  15. 前記放射性核種が銅同位体(61Cu、64Cu及び67Cu)からなる群から選択される、請求項13又は14に記載のキット。
  16. 放射性核種が封入されたナノ粒子組成物であって、
    d.ベシクル形成成分と、
    e.前記ベシクル形成成分によって取り囲まれたキレート剤と、
    f.前記ナノ粒子組成物の内部に封入された放射性核種と、
    を含み、
    前記キレート剤が、シクラム、シクレン、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ(メタンホスホン酸)(DOTP)及び1,4,8,11−15テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)からなる群から選択されるキレート剤であり、
    前記放射性標識ナノ粒子が、37℃のヒト血清中で24時間インキュベートした後に、漏出した放射性核種と放射性標識ナノ粒子とを分離するためのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、イオン交換クロマトグラフィー又は透析等の精製工程を行って見出される放射性核種の漏出率が20%未満である安定性を有する、ナノ粒子組成物。
  17. PEGと共に誘導体化された両親媒性化合物をさらに含む、請求項16に記載のナノ粒子組成物。
  18. 前記ベシクル形成成分が1種以上の両親媒性化合物を含む、請求項16又は17に記載のナノ粒子組成物。
  19. 前記ベシクル形成成分が、DSPC、POPC、DPPC、CHOL、DSPE−PEG−2000及びDSPE−PEG−2000−TATEからなる群から選択される1種以上の両親媒性化合物を含む、請求項1618のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  20. 前記放射性核種が、銅(61Cu、64Cu、67Cu)、インジウム(111In)、テクネチウム(99mTc)、レニウム(186Re、188Re)、ガリウム(67Ga、68Ga)、ストロンチウム(89Sr)、サマリウム(153Sm)、イッテルビウム(169Yb)、タリウム(201Tl)、アスタチン(211At)、ルテチウム(177Lu)、アクチニウム(225Ac)、イットリウム(90Y)、アンチモン(119Sb)、スズ(117Sn、113Sn)、ジスプロシウム(159Dy)、コバルト(56Co)、鉄(59Fe)、ルテニウム(97Ru、103Ru)、パラジウム(103Pd)、カドミウム(115Cd)、テルル(118Te、123Te)、バリウム(131Ba、140Ba)、ガドリニウム(149Gd、151Gd)、テルビウム(160Tb)、金(198Au、199Au)、ランタン(140La)及びラジウム(223Ra、224Ra)からなる群から選択される1種以上の放射性核種を含む、請求項1619のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  21. 前記放射性核種が、銅(61Cu、64Cu、67Cu)及び/又は177Lu、67Ga、68Ga、225Ac、90Y、186Re、188Re及び119Sbからなる群から選択される、請求項1620のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  22. 前記放射性核種が、請求項20又は21に記載の群から選択される2種以上の放射性核種である、請求項20又は21に記載のナノ粒子組成物。
  23. 前記放射性核種が、64Cuと67Cu、61Cuと67Cu、64Cuと90Y、64Cuと119Sb、64Cuと225Ac、64Cuと188Re、64Cuと186Re、64Cuと211At、64Cuと67Ga、61Cuと177Lu、61Cuと90Y、61Cuと119Sb、61Cuと225Ac、61Cuと188Re、61Cuと186Re、61Cuと211At、61Cuと67Ga、67Cuと177Lu、67Cuと90Y、67Cuと119Sb、67Cuと225Ac、67Cuと188Re、67Cuと186Re、67Cuと211At、68Gaと177Lu、68Gaと90Y、68Gaと119Sb、68Gaと225Ac、68Gaと188Re、68Gaと186Re、68Gaと211At、68Gaと67Cuからなる群から選択される2種類の放射性核種を含む、請求項1622のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  24. 抗体、アフィボディ及びペプチド成分からなる群から選択されるターゲティング化部分をさらに含む、請求項1623のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  25. 前記キレート剤に結合した細胞内ターゲティング特性を有する化合物を含む、請求項1624のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  26. 前記細胞内ターゲティング特性を有する化合物が核局在配列ペプチド(NLSペプチド)である、請求項25に記載のナノ粒子組成物。
  27. 前記ナノ粒子の内部pHが3〜8の範囲内である、請求項1626のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  28. 前記ナノ粒子の直径が30〜300nmの範囲内である、請求項1627のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  29. 撮影に使用するための、請求項1628のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  30. ポジトロン断層法(PET)スキャン又は単一光子放射断層撮影(SPECT)スキャンに使用するための、請求項1628のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  31. 医薬として使用するための、請求項1628のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
  32. 癌治療に使用するための、請求項1628のいずれか1項に記載のナノ粒子組成物。
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