JP5872319B2 - 片側スポット溶接装置及び片側スポット溶接方法 - Google Patents
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本発明は、ワークの片側からのみ電極を当てて溶接する片側スポット溶接装置及び片側スポット溶接方法に関する。
複数の金属製の被溶接部材が重ねられてなるワークを接合する方法として、ワークに所定の加圧力で電極を当接させながら通電し、通電による抵抗熱で金属を溶融させて接合するスポット溶接が知られている。スポット溶接は、ワークを溶接電極及びアース電極で挟む両側スポット溶接と、ワークの片側のみに溶接電極及びアース電極を当接させる片側スポット溶接と、に大別される(特許文献1参照)。
このようなスポット溶接における溶接品質(溶接強度等)は、複数の被溶接部材の境界部分に形成されるナゲット(接合部)の形状・位置等に関係する。例えば、片側スポット溶接では、溶接電極の略真下に、側断視において楕円状で平面視において円形のナゲットが形成されることが好ましい。
ところで、片側スポット溶接による溶接部位として、例えば、車両のボディを構成するパネル(アウタパネル、インナパネル等)同士を溶接するための溶接部位や、パネルとピラー(センタピラー、フロントピラー等)とを溶接するための溶接部位がある。具体的には、パネルの外周縁に形成されたフランジ部と、相手部材(他のパネルのフランジ部等)とが重ねられることで溶接部位が構成される。
一方、車両の軽量化や低コスト化を進める一手段として、前記したフランジ部が短くなる傾向、つまり、フランジ部の幅が小さくなる傾向にある。これにより、短いフランジ部を含んでなる溶接部位に溶接電極等を当接させるケースが増加している。
そうすると、図5に示すように、溶接電極11を当接する溶接部位Pの近傍に、フランジ部111から立ち上がるパネル本体112が存在することになるから、溶接部位Pの面方向(溶接電極11と垂直な方向)において、その反力(撓み性)が異なることになる。これにより、溶接電極11と溶接部位Pとの接触圧は、フランジ部111の内側(図5の後側)では高く、フランジ部111の外側(図5の前側)では低くなる分布となる。すなわち、フランジ部111の内側はパネル本体112が存在するため剛性が高く撓み難いので接触圧が高くなることに対し、フランジ部111の外側は撓み易いので接触圧が低くなる。
そして、このように溶接電極11を中心とした接触圧に偏りが生じた状態で、溶接電極11の両側にフランジ部111の端面と平行でアース電極12、12を配置し、通常に通電すると、接触圧の高い側の溶融が進み、平面視(溶接電極11の軸方向視)において、ナゲットQが円形とならず、接触圧の高い側に寄った形状となってしまい、溶接品質(溶接強度等)が低下する虞がある(図5(b)参照)。
そこで、本発明は、ワークと溶接電極との接触圧に偏りが生じていても、ワークを良好に溶接可能な片側スポット溶接装置及び片側スポット溶接方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、複数の被溶接部材が重ねられてなるワークの溶接部位に、前記ワークの片側からのみ電極を当接させて溶接する片側スポット溶接装置であって、前記ワークに片側から当接する溶接電極と、前記ワークに片側から当接するアース電極と、前記溶接電極と前記アース電極との間に形成される通電経路が、前記溶接電極を中心として、前記溶接部位と前記溶接電極との接触圧が低い側に偏心するように、前記アース電極の位置を調整するアース電極位置調整手段と、を備えることを特徴とする片側スポット溶接装置である。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、複数の被溶接部材が重ねられてなるワークの溶接部位に、前記ワークの片側からのみ溶接電極及びアース電極を当接させて溶接する片側スポット溶接方法であって、前記溶接電極と前記アース電極との間に形成される通電経路が前記溶接部位と前記溶接電極との接触圧が低い側に偏心するように、前記アース電極の位置を調整することを特徴とする片側スポット溶接方法である。
このような構成によれば、アース電極位置調整手段によって、溶接電極とアース電極との間に形成される通電経路が、溶接電極を中心として、溶接部位と溶接電極との接触圧が低い側に偏心するように、アース電極の位置を調整する。そして、このように調整した状態で、通電すると、溶接電極とアース電極との間に形成される通電経路が、溶接電極を中心として、溶接部位と溶接電極との接触圧が低い側に偏心し、接触圧が低い側に通電し易くなる。
そうすると、(1)接触圧の高いことに主に起因する接触圧の高い側の発熱量と、(2)通電経路が偏心したことに主に起因する接触圧の低い側の発熱量と、が等しくなり易くなり、溶接部位に平面視で円形のナゲットが形成され易くなる。これにより、ワークを良好に溶接できる。
本発明によれば、ワークと溶接電極との接触圧に偏りが生じていても、ワークを良好に溶接可能な片側スポット溶接装置及び片側スポット溶接方法を提供できる。
本発明の一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、片側スポット溶接装置1は、車両のボディを構成するインナパネル等のパネル110(被溶接部材)のフランジ部111(図3参照)と、板状のパネル120(被溶接部材)とが重ねられてなるワークWの溶接部位Pに、ワークWの上面側(片側)のみから溶接電極11を当接させてスポット溶接する装置である。
≪片側スポット溶接装置の構成≫
片側スポット溶接装置1は、溶接ガン10と、サーボモータ21(加圧機構)と、電源回路31と、入力装置41と、制御装置50と、を備えている。このような片側スポット溶接装置1は、例えば、溶接ロボットのアームの先端に組み込まれる。
片側スポット溶接装置1は、溶接ガン10と、サーボモータ21(加圧機構)と、電源回路31と、入力装置41と、制御装置50と、を備えている。このような片側スポット溶接装置1は、例えば、溶接ロボットのアームの先端に組み込まれる。
<溶接ガン>
溶接ガン10は、+(プラス)極側の溶接電極11と、−(マイナス)極側の2本のアース電極12と、溶接電極11を保持する溶接電極保持部13と、を備えている。
溶接ガン10は、+(プラス)極側の溶接電極11と、−(マイナス)極側の2本のアース電極12と、溶接電極11を保持する溶接電極保持部13と、を備えている。
<溶接ガン−溶接電極>
溶接電極11は、丸棒状を呈し、その先端(図1の下端)が、ワークWの溶接部位Pの上面に当接されるものである。溶接電極11の基端部(図1の上端部)は、溶接電極保持部13に挿通され固定されている。すなわち、溶接電極保持部13は溶接電極11を保持すると共に、溶接電極11と溶接電極保持部13とは一体である。
溶接電極11は、丸棒状を呈し、その先端(図1の下端)が、ワークWの溶接部位Pの上面に当接されるものである。溶接電極11の基端部(図1の上端部)は、溶接電極保持部13に挿通され固定されている。すなわち、溶接電極保持部13は溶接電極11を保持すると共に、溶接電極11と溶接電極保持部13とは一体である。
<溶接ガン−アース電極>
アース電極12は、初期状態では、溶接電極11と平行であって、溶接電極11の左右両側に距離Lを隔て、溶接電極11を対称中心として配置されている。
アース電極12は、初期状態では、溶接電極11と平行であって、溶接電極11の左右両側に距離Lを隔て、溶接電極11を対称中心として配置されている。
アース電極12の基端部12aは、図2に示すように、ボルト17a及びナット17bによって、アダプタ14に着脱自在に取り付けられている。具体的には、基端部12aには、ボルト17aが挿通されると共に、前後方向に延びる長孔12bが形成されている。これにより、アース電極12は、前後方向において、アダプタ14に対してスライド可能であり、アダプタ14に対するアース電極12の相対位置が調整可能となっている。
すなわち、溶接電極11とアース電極12との間に形成される通電経路A1(図4(a)参照)が、平面視において、溶接電極11を中心として、溶接部位Pと溶接電極11との接触圧が低い側(前側)に偏心するように(偏るように)、アース電極12の位置を調整するアース電極位置調整手段は、長孔12bと、ボルト17a及びナット17bとを備えて構成されている。
アダプタ14はその上部にシャフト14aを有しており、シャフト14aは溶接電極保持部13の挿通孔13aに挿通され、シャフト14a(アース電極12)は溶接電極保持部13に対して上下自在となっている。また、シャフト14aの上端には、シャフト14aが溶接電極保持部13からの脱落を防止するためのフランジ14bが形成されている。
溶接電極保持部13とアダプタ14との間には、圧縮コイルばね15が介装されている。圧縮コイルばね15は、アース電極12をワークWに向けて付勢し、溶接中(通電中)、アース電極12をワークWに良好に接触させるものである。ただし、圧縮コイルばね15のばね力は、溶接電極11のワークWへの当接後、溶接が進み溶接電極11がワークWに対して沈んだ、つまり、溶接電極11がワークWに対して下方に変位したとしても、圧縮コイルばね15が縮退し、アース電極12がワークWに対して変位しない弱いばね力に設定されている。
<サーボモータ>
サーボモータ21は、制御装置50からの指令に従って、溶接ガン10(溶接電極保持部13)を図1の上下方向に移動させると共に、溶接電極11でワークWの溶接部位Pを加圧する加圧機構である。そして、電圧センサ22が、サーボモータ21の印加電圧を検出し、制御装置50に出力するようになっている。したがって、溶接電極11がワークWに当接すると、電圧センサ22の検出する電圧が上昇するので、制御装置50が溶接電極11の当接時を検知するようになっている。また、サーボモータ21の回転量により、溶接電極11の沈み込み量(ワークWに当接後の変位量)が検出されるようになっている。ただし、変位センサを取り付けて、溶接電極11の変位量(沈み込み量)を検出する構成としてもよい。
サーボモータ21は、制御装置50からの指令に従って、溶接ガン10(溶接電極保持部13)を図1の上下方向に移動させると共に、溶接電極11でワークWの溶接部位Pを加圧する加圧機構である。そして、電圧センサ22が、サーボモータ21の印加電圧を検出し、制御装置50に出力するようになっている。したがって、溶接電極11がワークWに当接すると、電圧センサ22の検出する電圧が上昇するので、制御装置50が溶接電極11の当接時を検知するようになっている。また、サーボモータ21の回転量により、溶接電極11の沈み込み量(ワークWに当接後の変位量)が検出されるようになっている。ただし、変位センサを取り付けて、溶接電極11の変位量(沈み込み量)を検出する構成としてもよい。
<電源回路>
電源回路31は、制御装置50からの指令に従って、溶接電極11及びアース電極12を経由するように、スポット溶接用の電流を通電させる回路である。電源回路31の+端子は溶接電極11に接続されており、電源回路31の−端子はアース電極12に接続されている。このような電源回路31は、交流電源、インバータ、スイッチング回路等を備えて構成されている。
電源回路31は、制御装置50からの指令に従って、溶接電極11及びアース電極12を経由するように、スポット溶接用の電流を通電させる回路である。電源回路31の+端子は溶接電極11に接続されており、電源回路31の−端子はアース電極12に接続されている。このような電源回路31は、交流電源、インバータ、スイッチング回路等を備えて構成されている。
<入力装置>
入力装置41は、オペレータが、溶接電極11の当接圧力、溶接電流値、溶接時間(通電時間)、等を入力する装置であり、キーボード等を備えている。そして、入力装置41は、入力された情報を制御装置50に出力するようになっている。
入力装置41は、オペレータが、溶接電極11の当接圧力、溶接電流値、溶接時間(通電時間)、等を入力する装置であり、キーボード等を備えている。そして、入力装置41は、入力された情報を制御装置50に出力するようになっている。
<制御装置>
制御装置50は、片側スポット溶接装置1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を制御し、各種処理を実行するようになっている。
制御装置50は、片側スポット溶接装置1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を制御し、各種処理を実行するようになっている。
≪片側スポット溶接装置の動作、片側スポット溶接方法≫
次に、図2〜図4を参照して、片側スポット溶接装置1の動作と、片側スポット溶接方法について説明する。
次に、図2〜図4を参照して、片側スポット溶接装置1の動作と、片側スポット溶接方法について説明する。
<溶接部位>
ここで、溶接部位Pについて説明する。
溶接部位Pは、フランジ部111とパネル120とを接合するナゲットQを形成させるべき部位であって、平面視で円形を呈している。そして、溶接部位Pの上面に、溶接電極11が当接され、溶接後、平面視において円形で側面視において楕円形のナゲットQが形成される。
ここで、溶接部位Pについて説明する。
溶接部位Pは、フランジ部111とパネル120とを接合するナゲットQを形成させるべき部位であって、平面視で円形を呈している。そして、溶接部位Pの上面に、溶接電極11が当接され、溶接後、平面視において円形で側面視において楕円形のナゲットQが形成される。
また、溶接部位Pを構成するフランジ部111の幅(図3の前後方向長さ)は、小さく、溶接部位Pの後方には、フランジ部111の後端部から上方に立ち上がるパネル本体112が形成されている。これにより、フランジ部111の幅方向(前後方向)において、溶接部位Pの反力(剛性)は、後側のパネル本体112に向かうにつれて大きくなり、前側のフランジ部111の前端面)に向かうにつれて小さくなる。つまり、溶接部位Pは、パネル本体112に向かうにつれて撓み難くなり、フランジ部111の前端面に向かうにつれて撓み易くなる。
したがって、溶接電極11の軸線方向を溶接部位P(フランジ部111)と垂直とした場合において、溶接電極11を溶接部位Pに所定圧力にて当接したときにおける溶接電極11と溶接部位Pとの接触圧は、平面視において、溶接電極11の中心からパネル本体112(後方)に向かうにつれて高くなり、フランジ部111の前端面(前方)に向かうにつれて低くなる。
片側スポット溶接方法は、溶接電極11とアース電極12との間に形成される通電経路A1が、溶接電極11を回転中心として、溶接部位Pと溶接電極11との接触圧が低い前側に偏心するように(図4(a)参照)、アース電極12の位置を調整、つまり、アース電極12を溶接電極11に対して前側(フランジ部111の端面側)にスライドさせる。
なお、接触圧に偏りがない場合、つまり、例えば2枚の平板を溶接する場合、1本の溶接電極11と2本のアース電極12とは直線上の一列で配列される。
なお、接触圧に偏りがない場合、つまり、例えば2枚の平板を溶接する場合、1本の溶接電極11と2本のアース電極12とは直線上の一列で配列される。
ここで、通電経路A1を偏心させる程度、つまり、アース電極12をスライドさせる程度は、例えば、溶接電極11と溶接部位P(フランジ部111)とによって通電時(溶接時)の加圧力で感圧紙を挟み、前後方向における接触圧の差(接触圧の分布)が大きくなるにつれて、偏心量(アース電極12のスライド量)が大きくなる構成とすればよい。そして、このようにして算出したスライド量に従って、アース電極12を前側(接触圧の低い側)にスライドさせる(図2参照)。
その他、(1)ワークW(特に溶接電極11側のフランジ部111)が厚くなるにつれて、(2)ワークW(特に溶接電極11側のフランジ部111)の融点が高くなるにつれて、偏心量が大きくなるように補正する構成としてもよい。
また、溶接条件(溶接電極11の外径、溶接電流値、加圧力等)と、溶接部位Pの仕様(ワークWの材質・厚さ、溶接部位Pの位置(パネル本体112からの距離等))と、偏心量とが関連付けられたデータベースを予め制御装置50に記憶しておき、制御装置50が、オペレータが入力装置41で入力した今回の溶接条件・溶接部位Pの仕様と、記憶されているデータベースとに基づいて、偏心量を算出する構成としてもよい。そして、アース電極12を前後方向にスライドさせるアクチュエータを備え、制御装置50が算出した偏心量に基づいてアクチュエータを駆動させる構成としてもよい。
次いで、制御装置50は、サーボモータ21を駆動して溶接電極11及びアース電極12を下降させる。
そして、制御装置50は、電圧センサ22を介して検出される電圧の上昇により、溶接電極11がフランジ部111に当接したことを検知した後、所定の加圧力となるように、サーボモータ21への印加電圧を制御しながら、電源回路31を制御し、溶接電流を通電させる。
そうすると、図4(a)に示すように、アース電極12を前側にスライドさせたことにより、溶接電極11とアース電極12との間に形成される通電経路A1が、溶接電極11を中心として、前側に偏心した状態となる。
これにより、前後方向において、(1)接触圧の高いことに主に起因する接触圧の高い側(後側)の発熱量と、(2)通電経路A1が偏心したことに主に起因する接触圧の低い側(前側)の発熱量と、が等しくなり易くなり、溶接部位P中に平面視で円形のナゲットQが形成され易くなる(図4(b)参照)。つまり、溶接電極11の直下における加圧力の偏りに起因する発熱量の偏りが、通電経路A1の偏りに起因する発熱量の偏りで緩和されることになる。
そして、例えば、所定時間の経過後、制御装置50は、電源回路31を制御して、溶接電流をOFF(0A)とした後、サーボモータ21を制御して、溶接ガン10(溶接電極11、アース電極12)を上昇させ、片側スポット溶接を終了させる。
≪片側スポット溶接装置(溶接方法)の効果≫
このような片側スポット溶接装置1によれば、次の効果を得る。
溶接電極11の接触圧の低い前側に、溶接電極11とアース電極12との間に形成される通電経路A1を偏心させることで、(1)接触圧の高いことに主に起因する接触圧の高い側(後側)の発熱量と、(2)通電経路A1が偏心したことに主に起因する接触圧の低い側(前側)の発熱量と、が等しくなり易くなり、溶接部位P中に平面視で円形のナゲットQが形成され易くなる(図4(b)参照)。これにより、フランジ部111とパネル120とを良好に溶接できる。
このような片側スポット溶接装置1によれば、次の効果を得る。
溶接電極11の接触圧の低い前側に、溶接電極11とアース電極12との間に形成される通電経路A1を偏心させることで、(1)接触圧の高いことに主に起因する接触圧の高い側(後側)の発熱量と、(2)通電経路A1が偏心したことに主に起因する接触圧の低い側(前側)の発熱量と、が等しくなり易くなり、溶接部位P中に平面視で円形のナゲットQが形成され易くなる(図4(b)参照)。これにより、フランジ部111とパネル120とを良好に溶接できる。
≪変形例≫
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更できる。
前記した実施形態では、アース電極12が前後方向にスライドする構成を例示したが、その他に例えば、アース電極12が溶接電極11との距離Lを変えずに円弧状で回動する構成としてもよい。
その他に例えば、図6に示すように、アース電極12を前側に移動させつつ、溶接電極11から遠ざける構成、つまり、アース電極12と溶接電極11との距離Lを可変する構成としてもよい。このように遠ざける構成とすれば、基準線と溶接電極11及びアース電極12を通る仮想線とのなす角度θは、アース電極12を前側のみにスライドさせる構成(図4参照)に対して、小さくなる。なお、基準線は、直線上の一列で配列した溶接電極11及びアース電極12、12を通る仮想線である(図5(a)参照)。
その他に例えば、図6に示すように、アース電極12を前側に移動させつつ、溶接電極11から遠ざける構成、つまり、アース電極12と溶接電極11との距離Lを可変する構成としてもよい。このように遠ざける構成とすれば、基準線と溶接電極11及びアース電極12を通る仮想線とのなす角度θは、アース電極12を前側のみにスライドさせる構成(図4参照)に対して、小さくなる。なお、基準線は、直線上の一列で配列した溶接電極11及びアース電極12、12を通る仮想線である(図5(a)参照)。
前記した実施形態では、図3に示すように、溶接電極11等が、反力の異なるフランジ部111の上面に直接当接する構成を例示したが、その他に例えば、溶接電極11等が板状のパネル120の下面に当接する構成でもよい。
前記した実施形態では、フランジ部111の近傍から立ち上がったパネル本体112によって、フランジ部111(溶接部位P)の反力が異なる形態を例示したが、その他の形態でもよい。例えば、大・中・小と厚さが段階的に異なる平板の中厚部の溶接部位を溶接する形態でもよい。
1 片側スポット溶接装置
11 溶接電極
12 アース電極
12b 長孔(アース電極位置調整手段)
13 溶接電極保持部
13a 挿通孔
50 制御装置
110、120 パネル
111 フランジ部
A1 通電経路
P 溶接部位
Q ナゲット
11 溶接電極
12 アース電極
12b 長孔(アース電極位置調整手段)
13 溶接電極保持部
13a 挿通孔
50 制御装置
110、120 パネル
111 フランジ部
A1 通電経路
P 溶接部位
Q ナゲット
Claims (2)
- 複数の被溶接部材が重ねられてなるワークの溶接部位に、前記ワークの片側からのみ電極を当接させて溶接する片側スポット溶接装置であって、
前記ワークに片側から当接する溶接電極と、
前記ワークに片側から当接するアース電極と、
前記溶接電極と前記アース電極との間に形成される通電経路が、前記溶接電極を中心として、前記溶接部位と前記溶接電極との接触圧が低い側に偏心するように、前記アース電極の位置を調整するアース電極位置調整手段と、
を備える
ことを特徴とする片側スポット溶接装置。 - 複数の被溶接部材が重ねられてなるワークの溶接部位に、前記ワークの片側からのみ溶接電極及びアース電極を当接させて溶接する片側スポット溶接方法であって、
前記溶接電極と前記アース電極との間に形成される通電経路が、前記溶接電極を中心として、前記溶接部位と前記溶接電極との接触圧が低い側に偏心するように、前記アース電極の位置を調整する
ことを特徴とする片側スポット溶接方法。
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