JP5870976B2 - 積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末、誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末、誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサの製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、たとえば、積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末およびそれを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
近年、携帯電話機や携帯音楽プレイヤーなどの電子機器において、小型化及び薄型化が進んできている。それに伴って、たとえば、電子機器に内蔵される積層セラミック電子部品の小型化が求められている。
そのような、積層セラミック電子部品の一つである積層セラミックコンデンサは、一般的に、直方体状のセラミック素体と外部電極とで構成される。セラミック素体は、誘電体セラミック層と、誘電体セラミック層間で互いに対向するように配置され、セラミック素体の両端部に引き出される内部電極とを有している。外部電極は、セラミック素体の両端部において、引き出された内部電極に接続されている。
このような背景にあって、たとえば、積層セラミックコンデンサを小型化、大容量化するためには、誘電体セラミック層を薄層化したり、積層数を増やしたりする必要が生じている。積層セラミックコンデンサを構成する誘電体セラミック層を薄層化し、積層数を増加させれば、小型化や大容量化が可能になる。また、このような電子機器を使用する環境は多様化しており、たとえば、絶縁性や高温負荷時の耐久性に優れた信頼性の高い積層セラミックコンデンサが望まれている。
そこで、特許文献1おいては、信頼性の高い、たとえば積層セラミックコンデンサを得るために、誘電体セラミック層と内部電極層とが交互に積層された積層セラミックコンデンサにおいて、内部電極層に共材として添加されるセラミック粉末であって、ペロブスカイト型結晶構造を有し、テトラゴナル相の含有量Wtとキュービック相の含有量Wcの重量比率Wt/WcをXとしたときに、X<2であることを特徴とするセラミック粉末が提案されている。このとき、このセラミック粉末の比表面積を10m2/g以上とすることで、信頼性を向上させた積層セラミックコンデンサが提案されている。
特開2007−242525号公報
しかしながら、特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサの作製に用いられるセラミック粉末では、積層セラミックコンデンサに生ずるクラックやデラミネーション等の構造欠陥に対する影響について、そのセラミック粉末の凝結度合に関しては検討されていない。また、積層セラミックコンデンサの信頼性の向上について、上述のクラックやデラミネーション等の構造欠陥について評価されているものの、信頼性に対する定量的な評価がされていない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、積層セラミックコンデンサの信頼性を向上しうる積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末およびそれを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法を提供することである。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法は、複数の誘電体セラミック層と複数の内部電極とが交互に積層されてなるセラミック素体と、セラミック素体の外表面に形成され、内部電極と電気的に接続されている外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサの製造方法であって、誘電体セラミック層は、圧壊強度が1854kPa以下である、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物を含有するセラミック粉末と、Mg,Mn,Dyのうち少なくとも1種を含む添加物とを用いて作製されることを特徴とする、積層セラミックコンデンサの製造方法である。
また、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法は、セラミック粉末と添加物とを用いて作製したセラミックグリーンシートを熱処理した際に得られる粉末の比表面積の値と、セラミック粉末と添加物とを混合したのみの粉末の比表面積の値との差が、3m2/g以下であることが好ましい。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末は、複数の誘電体セラミック層と複数の内部電極とが交互に積層されてなるセラミック素体と、セラミック素体の外表面に形成され、内部電極と電気的に接続されている外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサの誘電体セラミック層を作製するために用いられる積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末であって、圧壊強度が1854kPa以下である、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物を含有することを特徴とする、積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末である。
また、この発明にかかる誘電体セラミックは、複数の誘電体セラミック層と複数の内部電極とが交互に積層されてなるセラミック素体と、セラミック素体の外表面に形成され、内部電極と電気的に接続されている外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサの誘電体セラミック層を作製するために用いられる誘電体セラミックであって、圧壊強度が1854kPa以下である、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物を含有するセラミック粉末と、Mg,Mn,Dyのうち少なくとも1種を含む添加物とを含有することを特徴とする、誘電体セラミックである。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法によれば、積層セラミックコンデンサの誘電体セラミック層を作製するために用いられるセラミック粉末について、圧壊強度が1854kPa以下である、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物を含有するので、このセラミック粉末により作製された誘電体セラミック層を備える積層セラミックコンデンサの平均故障時間(MTTF)が30時間以上の高い信頼性を備えた積層セラミックコンデンサを得ることができる。
また、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法は、セラミック粉末と添加物とを用いて作製したセラミックグリーンシートを熱処理した際に得られる粉末の比表面積の値と、セラミック粉末と添加物とを混合したのみの粉末の比表面積の値との差が、3m2/g以下であると、この製造方法により得られる積層セラミックコンデンサの平均故障時間(MTTF)が50時間以上のより高い信頼性を備えた積層セラミックコンデンサを得ることができる。
この発明によれば、積層セラミックコンデンサの信頼性を向上しうる積層セラミックコンデンサの製造方法を提供する。
この発明によれば、積層セラミックコンデンサの信頼性を向上しうる積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末を提供する。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す断面図解図である。
(積層セラミックコンデンサ)
図1は、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの一例を示す断面図解図である。図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、直方体状のセラミック素体12を含む。セラミック素体12は、誘電体として、多数の誘電体セラミック層14、14、・・を含む。この誘電体セラミック層14、14、・・は、誘電体主成分粉末(セラミック粉末)が用いられる。この発明にかかる誘電体主成分粉末は、圧壊強度が1854kPa以下である、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物を含有する。
これらの誘電体セラミック層14、14、・・は積層され、誘電体セラミック層14、14、・・間には、たとえばNiからなる内部電極16aおよび16bが交互に形成される。この場合、内部電極16aは一端部がセラミック素体12の一端部に延びて形成され、内部電極16bは一端部がセラミック素体12の他端部に延びて形成される。また、内部電極16aおよび16bは、中間部および他端部が誘電体セラミック層14を介して重なり合うように形成される。したがって、このセラミック素体12は、内部に誘電体セラミック層14を介して複数の内部電極16aおよび16bが設けられた積層構造を有する。
セラミック素体12の一端面には、たとえばCuからなる外部電極18aが内部電極16aに接続されるように形成される。同様に、セラミック素体12の他端面には、たとえばCuからなる外部電極18bが内部電極16bに接続されるように形成される。
(積層セラミックコンデンサの製造方法)
次に、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。まず、誘電体セラミック層14に用いられる誘電体主成分粉末の製造方法について説明する。
(誘電体主成分粉末の作製)
まず、誘電体主成分粉末(セラミック粉末)であるBaTiO3の出発原料として、高純度のBaCO3およびTiO2の各粉末が準備され、調合される。次に、この調合された粉末は、ボールミルで水を用いて湿式混合され、スラリーが作製される。その後、作製されたスラリーは、オーブンに入れられ、水が蒸発によりなくなるまで所定の温度で乾燥処理され、調整粉末が得られる。
次いで、得られた調整粉末は、たとえば、所定の温度、たとえば、1050℃の温度で仮焼され、乾式粉砕されることで、平均粒子径が150nmである誘電体主成分粉末が得られる。なお、この仮焼後に得られる誘電体主成分粉末の凝結強さは、調整粉末を得る際のオーブンの温度を変化させることで、変化させることができる。
ここで、この誘電体主成分粉末の平均粒子径は、FE−SEM写真から算出される。また、この誘電体主成分粉末の凝結強さの評価は、圧壊強度を指標として用いる。本発明にかかる誘電体主成分粉末の圧壊強度は、1854kPa以下である。この圧壊強度は、微小粒子圧壊試験装置(NS−A100型((株)ナノシーズ社製))を用いて、誘電体主成分粉末の圧壊試験により得られる。また、この圧壊試験は、JISZ8841−1993に準拠する方法が用いられる。
(積層セラミックコンデンサの製造方法)
続いて、上述した製造方法により得られた誘電体主成分粉末と添加物であるSiO2、MgCO3、MnCO3およびDy2CO3の粉末とを均一となるように添加し、粉末(以下、粉体Aという)を得る。その得られた粉末(粉体A)に対し、さらにポリビニルブチラール系バインダ、可塑剤および有機溶剤としてのエタノールを加え、これらをボールミルにより所定の時間、湿式混合が行われ、セラミックスラリーが作製される。各添加物の添加量は、Ti100mol部に対して、たとえば、Siを2.0mol部、Mgを1.0mol部、Mnを0.25mol部、Dyを1.0mol部である。また、各粉末の比表面積は、たとえば、SiO2が100m2/g、MgCO3が50m2/g、MnCO3が50m2/g、Dy2CO3が30m2/gの粉末が用いられる。なお、この湿式混合を行う時間は、たとえば、5時間ないし15時間である。
次に、作製されたセラミックスラリーは、リップ方式によりシート成形され、たとえば、厚み1.1μmの矩形のセラミックグリーンシートが得られる。
なお、本発明において、上述の方法により作製されたセラミックグリーンシートからバインダ、可塑剤および有機溶剤を除去し、粉末を取り出すために、たとえば、大気中にて、400℃で2時間熱処理することにより得られる粉末(以下、粉体Bという)の比表面積の値から粉体Aの比表面積の値を引くことにより得られる差の値は、3m2/g以下である。また、粉体Aおよび粉体Bのそれぞれの比表面積の値は、N2吸着比表面積測定装置により、測定される。なお、前記熱処理においては、粉末の焼結や粒成長は進行しない。
そして、熱処理されたセラミックグリーンシート上に、Niを含有する導電性ペーストが、たとえば、スクリーン印刷され、その結果、内部電極となる導電性ペースト膜が形成される。
次に、導電性ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートは、導電性ペースト膜の引き出されている側が互い違いになるように積層されて、積層セラミックコンデンサのセラミック素体となるべき生の積層体が得られる。
そして、得られた生の積層体は、N2雰囲気中にて、所定の温度および所定の時間、たとえば、350℃で3時間加熱され、バインダが燃焼された後、たとえば、酸素分圧10-9MPa〜10-12MPaのH2−N2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中において、所定の温度および所定の時間、たとえば、1200℃で30分焼成され、焼結したセラミック素体が得られる。
次に、得られたセラミック素体の両端面に、たとえば、ガラスフリットを含有するCuペーストが塗布され、N2雰囲気中にて、所定の温度、たとえば、800℃の温度で焼き付けられ、内部電極と電気的に接続された外部電極が形成され、所望の積層セラミックコンデンサが得られる。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法により得られる積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層14に、圧壊強度が1854kPa以下の低い誘電体主成分粉末を使用しているので、平均故障時間が30時間以上である信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
また、この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法により得られる積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層14に、粉体Aの比表面積の値と粉体Bの比表面積の値との差を3m2/g以下とすることで、平均故障時間が50時間以上であるより信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる。
(実験例)
次に、上述した方法により得られた誘電体主成分粉末および積層セラミックコンデンサに対して行った評価実験について説明する。評価実験を行うに際して、以下のようにして、評価実験において用いられる試料となる誘電体主成分粉末および積層セラミックコンデンサを作製した。
まず、以下に記載の方法により誘電体主成分粉末を準備した。すなわち、主成分であるBaTiO3の出発原料として、高純度のBaCO3およびTiO2の各粉末が準備され、調合された。次に、この調合粉末がボールミルで水を用いて湿式混合され、スラリーが作製された。その後、作製されたスラリーがオーブンに入れられ、水によりなくなるまで、乾燥処理され、調整粉末が得られた。なお、オーブンの温度は、100℃、75℃、50℃、25℃に設定され、それぞれの温度により各試料を得た。
次に、オーブンの各設定温度により得られた調整粉末は、1050℃で仮焼され、乾式粉砕することで、平均粒子径が150nmである各誘電体主成分粉末が得られた。オーブンの設定温度が100℃として得られた試料を主成分粉体1とし、75℃として得られた試料を主成分粉体2とし、50℃として得られた試料を主成分粉体3とし、25℃として得られた試料を主成分粉体4とした。なお、各誘電体主成分粉末の平均粒子径は、FE−SEM写真から算出した。
また、主成分粉体1〜主成分粉体4の各試料に対する誘電体主成分粉末に添加物を均一になるように添加した粉末(以下、粉体Aという)を準備した。添加物は、SiO2、MgCO3、MnCO3およびDy2CO3の粉末とした。添加物の添加量は、Ti100mol部に対して、Siを2.0mol部、Mgを1.0mol部、Mnを0.25mol部、Dyを1.0mol部とした。また、各粉末の比表面積は、SiO2が100m2/g、MgCO3が50m2/g、MnCO3が50m2/g、Dy2CO3が30m2/gであった。そして、各試料に対する粉体Aに、ポリビニルブチラール系バインダ、可塑剤および有機溶剤としてエタノールを加え、これらをボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。なお、主成分粉体1〜主成分粉体4の各試料に対して、混合時間は、5時間、10時間、15時間のそれぞれ3パターン行った。
そして、上述した方法により得られた各試料のセラミックスラリーを用いて、リップ方式によりシート成形し、厚み1.1μmの矩形のセラミックグリーンシートが得られた。
次に、粉末の比表面積を評価するために、上述した方法により得られた各試料のセラミックグリーンシートを大気中にて400℃で2時間熱処理して粉末(以下、粉体Bという)を準備した。
一方、後述するように、高温負荷試験を行うための積層セラミックコンデンサを作製するために、上述した方法により得られた各試料に対するセラミックグリーンシート上に、Niを含有する導電性ペーストをスクリーン印刷し、内部電極となる導電性ペースト膜を形成した。
そして、導電性ペースト膜が形成された各試料に対するセラミックグリーンシートは、導電性ペースト膜の引き出されている側が互い違いになるように積層され、セラミック素体となる生の積層体が得られた。
次に、各試料に対する生の積層体は、N2雰囲気にて、350℃の温度で3時間加熱され、バインダを焼成させた後、酸素分圧を1×10-9MPaのH2−N2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中において、1200℃で30分焼成され、各試料に対する焼結したセラミック素体が得られた。
そして、得られた各試料に対するセラミック素体の両端面に、ガラスフリットを含有するCuペーストが塗布され、N2雰囲気中にて、800℃の温度で焼き付けられ、内部電極と電気的に接続された外部電極が形成され、各試料に対する積層セラミックコンデンサが得られた。
このようにして得られた各試料に対する積層セラミックコンデンサの外形寸法は、長さ1.0mm、幅0.5mm、厚さ0.5mmであり、内部電極間に介在する誘電体セラミック層の厚みは1μmであった。また、有効誘電体セラミック層の数は250であり、1つの誘電体セラミック層当たりの対向電極面積は、0.27mm2であった。
(特性評価)
上述した方法により得られた各試料に対する誘電体主成分粉末および積層セラミックコンデンサは、以下に示す特性評価の方法により評価された。
1.誘電体主成分粉末の凝結強さの評価
誘電体主成分粉末の凝結強さを圧壊強度により評価した。圧壊強度を測定するために、微小粒子圧壊試験装置(NS−A100((株)ナノシーズ社製))を用いて、誘電体主成分粉末の圧壊試験を行った。この圧壊試験は、JISZ8841−1993に準拠している。
2.粉末の比表面積の測定
準備された粉体Aおよび粉体BをVita−Mix社製のアブソルートミル(ABS−W)を用いて、各粉体50gにつき回転数を24000rpmとして1分間で処理したのち、N2吸着比表面積測定装置により比表面積を測定した。粉体Bの比表面積の値から粉体Aの比表面積の値を引き、その差を算出し、その値を評価として用いた。
3.高温負荷試験による寿命特性の測定
20個の積層セラミックコンデンサに対し、125℃において10Vの直流電流を印加し、絶縁抵抗の経時変化を観察した。各積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗値が0.1MΩ以下になった時点を故障とした、20個の故障時間をワイプルプロットにより解析し、平均故障時間(MTTF)を求めた。
表1は、誘電体主成分粉末である主成分粉体1〜主成分粉体4の各試料を作製するために設定されたオーブン温度、および主成分粉体1〜主成分粉体4の各試料に対する各圧壊強度の測定結果を示す。
また、表2は、主成分粉体1〜主成分粉体4の各試料を用いてセラミックスラリーを作製するための混合時間、各試料の粉体Aの比表面積の値と粉体Bの比表面積の値との差、および各試料により作製された積層セラミックコンデンサの平均故障時間(MTTF)の評価結果を示す。表2において、※印の付された試料番号7ないし試料番号12は、本発明の範囲外である。
Figure 0005870976
Figure 0005870976
表1によれば、誘電体主成分粉末を作製する際に、オーブン温度を上げていくと、圧壊強度を低下させることができることがわかる。主成分粉体1はオーブン温度を100℃とした場合であり、圧壊強度は543kPaであり、主成分粉体2はオーブン温度が75℃とした場合であり、圧壊強度1854であった。また、主成分粉体3はオーブン温度を50℃とした場合であり、圧壊強度は2307kPaであり、主成分粉体4はオーブン温度25℃とした場合であり、圧壊強度は3028kPaであった。
表2によれば、誘電体主成分粉末の圧壊強度が1854kPa以下である試料1ないし試料6では、いずれの積層セラミックコンデンサも平均故障時間(MTTF)が、30時間以上であり、信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られた。
また、表2によれば、誘電体主成分の圧壊強度が1854kPa以下であり、かつ、誘電体主成分粉末と添加物とを用いて成形したセラミックグリーンシートを熱処理した際に得られる粉末(粉体B)の比表面積の値と、誘電体主成分と添加物とを混合したのみの粉末(粉体A)の比表面積の値との差が3m2/g以下である、試料1、試料4および試料5の積層セラミックコンデンサの平均故障時間(MTTF)は、50時間以上であり、より信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られた。
一方、表2によれば、誘電体主成分粉末の圧壊強度が2307kPaおよび3028kPaである主成分粉体3および主成分粉体4を用いて作製された試料7ないし試料12では、いずれの積層セラミックコンデンサも平均故障時間(MTTF)が、20時間以下であった。
なお、表2によれば、粉体Bを得る際に、粉体Aに対してポリビニルブチラール系バインダ、可塑剤および有機溶剤としてエタノールを加え、これらをボールミルにより湿式混合する時間を短くすれば、それに応じて粉体Bの比表面積の値と粉体Aの比表面積の値との差を小さくすることが可能であることが確認できた。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法は、小型化や大容量化が求められる積層セラミックコンデンサを得るために好適に用いられる。
10 積層セラミックコンデンサ
12 セラミック素体
14 誘電体セラミック層
16a、16b 内部電極
18a、18b 外部電極

Claims (4)

  1. 複数の誘電体セラミック層と複数の内部電極とが交互に積層されてなるセラミック素体と、
    前記セラミック素体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続されている外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサの製造方法であって、
    前記誘電体セラミック層は、圧壊強度が1854kPa以下である、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物を含有するセラミック粉末と、Mg,Mn,Dyのうち少なくとも1種を含む添加物とを用いて作製されることを特徴とする、積層セラミックコンデンサの製造方法。
  2. 前記セラミック粉末と前記添加物とを用いて作製したセラミックグリーンシートを熱処理した際に得られる粉末の比表面積の値と、前記セラミック粉末と前記添加物とを混合したのみの粉末の比表面積の値との差が、3m2/g以下であることを特徴とする、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  3. 複数の誘電体セラミック層と複数の内部電極とが交互に積層されてなるセラミック素体と、前記セラミック素体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続されている外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサの前記誘電体セラミック層を作製するために用いられる積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末であって、
    圧壊強度が1854kPa以下である、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物を含有することを特徴とする、積層セラミックコンデンサ用セラミック粉末。
  4. 複数の誘電体セラミック層と複数の内部電極とが交互に積層されてなるセラミック素体と、前記セラミック素体の外表面に形成され、前記内部電極と電気的に接続されている外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサの前記誘電体セラミック層を作製するために用いられる誘電体セラミックであって、
    圧壊強度が1854kPa以下である、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物を含有するセラミック粉末と、Mg,Mn,Dyのうち少なくとも1種を含む添加物とを含有することを特徴とする、誘電体セラミック。
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