JP5870343B1 - メタン発酵方法およびメタン発酵システム - Google Patents

メタン発酵方法およびメタン発酵システム Download PDF

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Abstract

【課題】メタン発酵槽における加温のためのエネルギーを抑えて効率的にメタン発酵を進行できるメタン発酵システムを提供する。【解決手段】有機性廃棄物2を嫌気性微生物にて分解しメタン発酵させてメタンガス3を生成するメタン発酵システム1である。このメタン発酵システム1は、有機性廃棄物2を微細粉砕する湿式ビーズミル4を備える。また、湿式ビーズミル4で微細粉砕された粉砕有機物5がメタン菌が作用しやすい温度であるメタン発酵温度となるように、微細粉砕中の有機性廃棄物2を冷却する冷却手段を備える。さらに、メタン発酵温度に冷却された粉砕有機物5をメタン菌にて分解し、メタン発酵させてメタンガス3を生成するメタン発酵槽6を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、有機物を嫌気性微生物で分解しメタン発酵させてメタンガスを生成するためのメタン発酵方法およびメタン発酵システムに関する。
従来、この種のメタン発酵に関する技術としては、湿式ビーズミルで微細粉砕した有機物をメタン発酵槽に供給して効率的にメタンガスを発酵させるメタン発酵方法およびメタン発酵システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第5705359号公報
しかしながら、上述の特許文献1のようなメタン発酵では、メタン発酵が進行しやすいように、メタン発酵槽内でメタン菌が作用しやすい適切な温度に保つことが一般的であるため、加温手段を設置して、常時、加温エネルギーを確保する必要がある。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、メタン発酵槽における加温のためのエネルギーを抑えて効率的にメタン発酵を進行できるメタン発酵方法およびメタン発酵システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載されたメタン発酵方法は、有機物を湿式ビーズミルにて微細粉砕する粉砕工程と、この粉砕工程で微細粉砕された有機物をメタン発酵槽に供給し嫌気性微生物で分解しメタン発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵工程と、メタン発酵工程でメタン発酵した後の消化液をUF膜で濃縮液と透過液とに分離する分離工程と、この分離工程で分離された前記濃縮液を前記メタン発酵槽へ返送する返送工程と、返送工程での濃縮液の返送により生じる水流によって、前記メタン発酵槽の内容物を撹拌する撹拌工程とを備え、前記粉砕工程では、微細粉砕した前記有機物が前記メタン発酵工程で前記嫌気性微生物が作用しやすい温度であるメタン発酵温度となるように、前記嫌気性微生物に応じて前記有機物を冷却しながら微細粉砕し、前記メタン発酵工程では、前記メタン発酵温度の有機物をメタン発酵槽に供給するものである。
請求項2に記載されたメタン発酵方法は、請求項1記載のメタン発酵方法において、メタン発酵工程と、分離工程と、返送工程と、撹拌工程とを繰り返すものである。
請求項3に記載されたメタン発酵方法は、請求項1または2記載のメタン発酵方法において、メタン発酵工程からの消化液または分離工程からの濃縮液を、熱交換器による熱交換作用で加温するものである。
請求項4に記載されたメタン発酵システムは、有機物を嫌気性微生物にて分解しメタン発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵システムであって、有機物を微細粉砕する湿式ビーズミルと、この湿式ビーズミルで微細粉砕された有機物が前記嫌気性微生物が作用しやすい温度であるメタン発酵温度となるように、前記有機物を前記嫌気性微生物に応じて冷却する冷却手段と、前記湿式ビーズミルで微細粉砕されかつ前記冷却手段で前記メタン発酵温度に冷却された有機物を嫌気性微生物にて分解しメタン発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵槽と、このメタン発酵槽にてメタン発酵した後の消化液を濃縮液と透過液とに濃縮分離するUF膜分離装置と、前記濃縮液をメタン発酵槽へ返送する返送手段とを備え、この返送手段による濃縮液の返送によって前記メタン発酵槽の内容物が撹拌されるものである。
請求項5に記載されたメタン発酵システムは、請求項4記載のメタン発酵システムにおいて、メタン発酵槽からの消化液またはUF膜分離装置からの濃縮液を熱交換作用によって加温する熱交換器を備えるものである。
本発明によれば、微細粉砕された有機物がメタン発酵温度となるように、有機物を冷却しながら粉砕するため、メタン発酵槽における加温のためのエネルギーを抑えて効率的にメタン発酵を進行できる。
本発明の一実施の形態に係るメタン発酵システムの構成を示す説明図である。
以下、本発明の一実施の形態の構成について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、1はメタン発酵システムであり、このメタン発酵システム1は、例えば、食物残渣、家畜糞尿および木質原料等の有機物を含有する有機性廃棄物2を嫌気性微生物であるメタン菌にて分解しメタン発酵させて、メタンガス3を生成するものである。
メタン発酵システム1は、有機性廃棄物2が微細粉砕される湿式ビーズミル4と、メタン菌が充填され湿式ビーズミル4で微細粉砕された有機物である粉砕有機物5がメタン菌にて分解されメタン発酵させてメタンガス3が生成されるメタン発酵槽6とを備えている。また、メタン発酵槽6には、メタン発酵した後の消化液7が加温される熱交換器10を介して消化液7が濃縮分離されるUF膜分離装置8およびRO膜分離装置9が接続されている。
湿式ビーズミル4は、従来、例えばレアメタル等の金属や塗料等を微細粉砕する際に用いられていたもので、被粉砕物を液体に混合したスラリー状の原料が所定量ずつ供給され、内部に充填されたビーズによって微細粉砕する。
そして、メタン発酵システム1では、液体と混合されたスラリー状の有機性廃棄物2が湿式ビーズミル4のタンク内に所定量ずつ供給され、有機性廃棄物2が微細粉砕されて、粉砕有機物5となる。なお、有機性廃棄物2の種類や状態によっては、湿式ビーズミル4で微細粉砕しやすいように、湿式ビーズミル4の前段に別途、前処理破砕手段を設けてよい。すなわち、前処理破砕手段で予め有機性廃棄物2を破砕してから液体と混合しスラリー状にして、このスラリー状の有機性廃棄物2が湿式ビーズミル4で微細粉砕される構成にしてもよい。
ここで、メタン菌は、その種類によってメタンの合成に適した温度(メタン発酵温度)が異なる。例えば、いわゆる中温発酵のメタン菌の場合には、38℃程度の温度がメタンの合成に適しており、いわゆる高温発酵のメタン菌の場合には、55℃程度の温度がメタンの合成に適している。
すなわち、メタン発酵槽6においてメタン発酵を適切に進行させるには、メタン菌が作用しやすい温度であるメタン発酵温度にメタン発酵槽6内を保つことが重要である。
そこで、湿式ビーズミル4では、微細粉砕した粉砕有機物5がメタン発酵槽6内でメタン菌が作用しやすい温度であるメタン発酵温度となるように、メタン発酵槽6内のメタン菌に応じて冷却しながら微細粉砕が進行される。
具体的には、有機性廃棄物2が供給される湿式ビーズミル4のタンクを冷却して、タンク内の微細粉砕物の温度がメタン発酵温度となるように温度を管理する。例えば、中温発酵のメタン菌の場合には、湿式ビーズミル4のタンク内の微細粉砕物の温度が38℃程度になるようにタンクの冷却を制御し、高温発酵のメタン菌の場合には、湿式ビーズミル4のタンク内の微細粉砕物の温度が55℃程度になるようにタンクの冷却を制御する。
湿式ビーズミル4には、配管部材11を介して有機物貯留槽12が接続されており、湿式ビーズミル4で微細粉砕された粉砕有機物5は、配管部材11を通って有機物貯留槽12へ供給される。
有機物貯留槽12は、内容物を保温可能な保温構造となっており、湿式ビーズミル4でメタン発酵温度に冷却されながら微細粉砕された粉砕有機物5は、有機物貯留槽12にて保温された状態で貯留される。
有機物貯留槽12は、配管部材13を介してメタン発酵槽6に接続されており、有機物貯留槽12にて保温状態で貯留された粉砕有機物5が所定量ずつメタン発酵槽6へ供給される。
メタン発酵槽6は、密閉型の反応槽であり、内部には図示しないメタン菌が充填されているとともに、嫌気条件下に保たれている。
メタン発酵槽6内には、粉砕有機物5に対してメタン菌が均一に作用するように混合する撹拌機が設置されている。また、撹拌機で攪拌することにより、メタン発酵槽6内の温度が均一化される。
そして、メタン発酵槽6内では、粉砕有機物5がメタン菌で分解されメタン発酵させて、メタン発酵の進行に伴って、メタンガス3と、メタンが分解され窒素やリン等の肥料成分が残存した消化液7とが生成される。
具体的には、メタン発酵槽6内では、メタン発酵によって生成されたメタンガスが最上部の空洞部分に滞留し、その下部に消化液7が貯留される割合が高い。
また、メタン発酵の進行に伴って、消化液7の下層ほど、高濃度のメタン菌が生成されるとともに、メタン菌が粉砕有機物5に付着するためTS(蒸発残留物)濃度が高くなる。一方、消化液7の上層では、メタン発酵の進行に伴って、有機物濃度が低下するとともにTS濃度が低下し、例えばTS濃度が約2〜5%となる。
すなわち、メタン発酵槽6内では、メタン発酵の進行に伴って、最上部の空洞部分にはメタンガスが滞留し、肥料成分が残存した消化液7内では、TS濃度が低い上層と、TS濃度が高い下層とが存在する。なお、TS濃度が低い上層にも、メタン菌にて分解されていない未消化の粉砕有機物5等のTSが含まれている。
UF膜分離装置8は、例えば孔径0.03μm程度の細孔を有するUF膜(限外ろ過膜)によって、消化液7を、細孔を通過しない微粒子状の粉砕有機物5等のTSが含まれる濃縮液15と、細孔を通過した透過液16とに分離するものである。
UF膜分離装置8には、配管部材17を介してRO膜分離装置9が接続されており、透過液16がUF膜分離装置8からRO膜分離装置9へ供給される。
また、UF膜分離装置8には、返送経路となる返送手段としての配管部材18を介してメタン発酵槽6に接続されており、濃縮液15がUF膜分離装置8からメタン発酵槽6へ返送される。
そして、UF膜分離装置8からメタン発酵槽6へ濃縮液15が返送されることにより、メタン発酵槽6内で水流が発生し、この水流によってメタン発酵槽6の内容物が撹拌される。
なお、メタン発酵槽6内の消化液7は、TS濃度が低い上層とTS濃度が高い下層とに明確に分離していない場合もあるが、メタン発酵槽6とUF膜分離装置8との循環ラインとなる配管部材14および配管部材18を常に嫌気状態に保つことにより、仮に消化液7の上層と下層とが一部混合された状態であっても、UF膜は閉塞されず、濃縮液15が返送されることによるメタン発酵槽6内の全体的なTS濃度を向上または維持する作用は低下しない。
また、濃縮液15がメタン発酵槽6へ返送されるため、メタン発酵槽15でのメタン発酵と、UF膜分離装置8での消化液7の濃縮分離と、UF膜分離装置8からメタン発酵槽6への濃縮液15の返送と、返送によるメタン発酵槽6内の内容物の撹拌とが実質的に繰り返される。
ここで、上述のようにメタン発酵槽6内では、メタン発酵が進行しやすいようにメタン発酵に管理することが重要である。
そこで、メタン発酵槽6とUF膜分離装置8との間に循環の動力源であるポンプ20を介して設けられた熱交換器10の熱交換作用により、消化液7が所定の温度に加温される。すなわち、熱交換器10は、メタン発酵槽6からUF膜分離装置8を介した循環経路中に設けられ、メタン発酵槽6から熱交換器10への消化液7の供給と、熱交換器10からUF膜分離装置8への消化液7の供給と、UF膜分離装置8からメタン発酵槽6への濃縮液15の返送とが、1台のポンプ20の駆動によって行われる。
そして、メタン発酵槽6からの消化液7が熱交換器10で加温されてUF膜分離装置8に供給されるとともに、UF膜分離装置8からの濃縮液15がメタン発酵槽6に返送されて、循環される。
また、このように消化液7を加温して循環させることにより、実質的にメタン発酵槽6の内容物の全量が加温されて、メタン発酵槽6内がメタン発酵温度に加温される。すなわち、UF膜分離装置8で濃縮分離後の濃縮液15の返送によりメタン発酵槽6内がメタン発酵温度となるように、熱交換器10を制御して消化液7を加温する。
RO膜分離装置9は、RO膜(逆浸透膜)によって、透過液16をイオンレベルで分離するものである。すなわち、UF膜分離装置8で濃縮液15と分離された透過液16であっても、イオン化した成分が含まれていて排水基準等を考慮するとそのままでは排水できないため、排水できるように、RO膜分離装置9にて、透過液16を、肥料成分が含まれる濃縮水21と、排水可能な透過水22とに分離する。
そして、RO膜分離装置9にて得られた濃縮水21は、排出量を有機性廃棄物2の投入量の30%以下に抑えることができ、かつ、通常よりも高い濃度の液肥として再利用できる。
また、RO膜分離装置9で得られた透過水22は、有機物等の希釈用途等で再利用したり、排水したりする等、適宜処理できる。
次に、上記メタン発酵システム1におけるメタン発酵方法を説明する。
有機物としての有機性廃棄物2をメタン菌で分解しメタン発酵させてメタンガス3を発生させる際には、まず、有機性廃棄物2を湿式ビーズミル4にて微細粉砕する。
有機性廃棄物2を微細粉砕する際には、有機性廃棄物2と水とを混合してスラリー状にする。なお、前段に前処理破砕手段を設置した場合は、前処理破砕手段にて破砕するとともに水と混合してスラリー状にしてもよい。
ここで、湿式ビーズミル4で粉砕を行うには、スラリーの含水率が非常に重要である。具体的には、例えば、従来レアメタル等の金属を湿式ビーズミル4にて粉砕する際には、スラリーに15〜30%の割合で固形分が含まれるように含水率を調整していた。しかしながら、有機性廃棄物2は、比重が2未満で、金属より小さく、水より小さいか、水より若干小さいか、または、水と同等であるため、湿式ビーズミル4における粉砕の進行状態が金属とは異なる。すなわち、有機性廃棄物2には、アミノ酸、リグニンおよびタンパク質等が含まれているため、粉砕の進行に伴って粘度が上昇する。粘度が上昇しすぎると、湿式ビーズミル4内での有機性廃棄物2の循環が阻害されて粉砕が進行しにくく、所定の大きさに粉砕できなくなってしまう。
そこで、湿式ビーズミル4にて有機性廃棄物2を粉砕する際には、スラリーにおける固形分の含有率が10%以下(TS)となるように水分調整することが好ましい。
このように水分調整したスラリー状の有機性廃棄物2を所定量ずつ湿式ビーズミル4に供給して微細粉砕する。
スラリー状の有機性廃棄物2における固形分の含有率が10%以下であるため、粉砕の初期では、粉砕中のスラリー状の有機性廃棄物2に粘度が発現しておらず、このような状態で湿式ビーズミル4を高速回転させると、適切に粉砕できないとともに、中心の渦が大きくなって溢れてしまう可能性がある。
したがって、粉砕開始から30分は、中速でビーズミルを回転させて粉砕を行い、粉砕開始から30分経過し、ある程度粘度が発現してから、それ以降2時間まで最大速度でビーズミルを回転させて粉砕する。
このように粉砕初期には中速でビーズミルを回転させ、その後ビーズミルを高速で回転させることにより、有機性廃棄物2を適切に、例えば、体積を基準にした累積分布(積算分布)における50%の粒径(メジアン径)が20μm以下となるように微細粉砕できる。なお、有機性廃棄物2のメジアン系が0.8μm以上10μm以下となるように粉砕するとより好ましい。
また、湿式ビーズミル4では、微細粉砕した粉砕有機物5がメタン発酵温度になるように、タンクを冷却しながら有機性廃棄物2を微細粉砕する。
微細粉砕したメタン発酵温度の粉砕有機物5は、一旦、有機物貯留槽12に保温状態で貯留し、所定量ずつメタン発酵槽6へ供給する。
このようにメタン発酵温度の粉砕有機物5を有機物貯留槽12からメタン発酵槽6へ供給するため、粉砕有機物5を供給することによるメタン発酵槽6内での温度変化を抑制できる。すなわち、メタン発酵槽6内は、メタン菌によるメタン発酵が進行しやすいように、メタン発酵温度に管理されているため、メタン発酵温度の粉砕有機物5が供給されても、温度変化が生じにくい。
そして、粉砕有機物5をメタン発酵槽6内のメタン菌で分解しメタン発酵させることにより、メタンガス3が生成されるとともに、メタンが分解され例えば窒素やリン等の他の肥料成分が残存した消化液7が生成される。
メタン発酵で生成されたメタンガス3は、適宜回収され、例えばエンジン発電機のエネルギー源等として利用される。
メタン発酵で生成された消化液7は、比較的に、上層のTS濃度が低く、下層のTS濃度が高くなり、下層ではメタン発酵が進行している。
そこで、TS濃度が低い上層を、ポンプ20の駆動により熱交換器10に供給して所定の温度に加温するとともに、加温した消化液7をポンプ20に駆動により熱交換器10からUF膜分離装置8へ供給する。
UF膜分離装置8では、UF膜により、消化液7を、TSが含まれる濃縮液15とUF膜の細孔を通過した透過液16とに分離する。なお、UF膜の細孔(例えば孔径0.03μm)は、バクテリアや細菌等が通過できないため、消化液7にメタン菌が含まれていても、濃縮液15とともに分離される。
このようにUF膜分離装置8で分離された濃縮液15は、メタン菌を含むTS成分が主成分であるため、メタン発酵槽6へ返送してメタン発酵槽6内のTS濃度の低下を抑制するために利用し、TS成分を殆ど含まずイオン化した肥料成分を含む透過液16は、RO膜分離装置9へ供給する。
また、熱交換器10で加温した後の消化液7をUF膜分離装置8で濃縮分離して、その濃縮液15をメタン発酵槽6に供給することにより、メタン発酵槽6内がメタン発酵温度に加温される。
なお、メタン発酵槽6への濃縮液15の返送により、メタン発酵槽6内で水流が発生し、この水流によって、メタン発酵槽6の内容物が撹拌される。
RO膜分離装置9では、RO膜により、透過液16を、肥料成分が含まれる濃縮水21と、排水可能な透過水22とに分離する。
そして、濃縮水21は液肥等として再利用され、透過水は希釈用水として再利用されるか排水される。
次に、上記一実施の形態の作用および効果を説明する。
上記メタン発酵システム1およびメタン発酵方法によれば、湿式ビーズミル4にて有機性廃棄物2をメタン発酵温度に冷却しながら微細粉砕するため、粉砕有機物5の供給によるメタン発酵槽6内の温度変化を、有機性廃棄物2の微細粉砕により発生する熱エネルギーを利用して抑制できる。したがって、微細粉砕で発生する熱エネルギーをメタン発酵槽6内の温度管理に利用することで、メタン発酵槽6内をメタン発酵温度に加温するためのエネルギーを抑えて効率的にメタン発酵を進行できる。
また、湿式ビーズミル4では、微細粉砕した有機性廃棄物2がメタン発酵温度となるようにメタン発酵槽6のメタン菌に応じて冷却するため、供給される有機性廃棄物2の熱によって、メタン菌が不活性化されることがなく、メタン菌によるメタン発酵を適切に進行できる。
メタン発酵槽6でメタン発酵した後の消化液7を、循環経路中であるメタン発酵槽6とUF膜分離装置8との間に設けられた熱交換器10による熱交換作用によって所定の温度に加温してからUF膜分離装置8に供給するため、消化液7を加温するために熱交換器10に供給する動力源と、消化液7をUF膜分離装置8に供給するための動力源とを1つのポンプ20で兼用できる。すなわち、メタン発酵槽6内の加温のための熱交換器10を循環経路中に設けることで、加温のための動力源を、循環(濃縮分離および返送)のための動力源とは別に設ける必要がなく、動力費を抑えて、効率的にメタン発酵を進行できる。
なお、例えばメタン発酵槽6内をメタン発酵温度に加温するために、メタン発酵槽6自体にヒートパイプ等の加温手段が内蔵された構成にすると、ヒートパイプの外面や内部にスケールが発生する可能性が考えられる。このようなスケールの除去やヒートパイプの交換等のメンテナンス作業は、メタン発酵槽6自体にヒートパイプ等が設けられた構成では非常に困難であり、メタン発酵槽6内の加温の停止によりメタン発酵槽6内を適切に温度管理できなくなる可能性があるため、メタン発酵を効率的に進行できなくなるおそれがある。
そこで、メタン発酵槽6内をメタン発酵温度に加温するための手段である熱交換器10がメタン発酵槽6の外部(メタン発酵槽6とUF膜分離装置8との間)に設けられることにより、メンテナンスや交換等に関するリスクを回避できるとともに、上述のように循環用の動力源を利用して効率的に運用できる。
UF膜で濃縮分離した後の透過液16をRO膜で分離することにより、排水可能レベルまで浄化でき、容易かつ適切に処理できる。すなわち、透過液16に含まれるイオン化した成分をRO膜で濃縮水21として分離できるため、イオン化したアンモニア窒素、リンおよびカリウム等の肥料成分を含む濃縮水21は、濃縮液体肥料等として有効利用でき、透過水22は、再利用するか、そのまま排水できる。
また、通常、メタン発酵にて得られる低濃度の液体肥料の量が膨大であり、運搬方法や運用方法等を考慮すると利活用しにくいという問題が考えられたが、UF膜およびRO膜を用いて濃縮分離することにより、濃縮水21として高濃度な液体肥料が得られるだけでなく、従来の濃縮分離方法と比較して容積を例えば1/15〜1/10に減容でき、運搬面や運用面の問題にも対応できる。
なお、上記一実施の形態では、原料として有機性廃棄物2を用いた構成としたが、このような構成には限定されず、有機物を含有しているものであれば、廃棄物ではないもの原料として適用できる。
また、メタン発酵後に消化液7をUF膜で濃縮分離し、その濃縮分離した透過液16をRO膜で濃縮分離する構成としたが、このような構成には限定されず、UF膜分離装置8での濃縮分離後の透過液16を他の方法で濃縮分離等の処理を行う構成にしてもよい。
循環経路中にメタン発酵槽6内をメタン発酵温度に加温するための熱交換器10が設けられた構成は、加温のための動力源を循環のための動力源と兼用できるので好ましいが、メタン発酵槽6内をメタン発酵温度に加温するための加温手段の構成や設置位置は、適宜決定できる。
また、循環経路中に熱交換器10が設けられた構成にする場合は、メタン発酵工程と分離工程との間でメタン発酵槽6からの消化液7を加温する構成には限定されず、分離工程と返送工程との間で濃縮液16を加温する構成にしてもよい。
1 メタン発酵システム
2 有機物としての有機性廃棄物
3 メタンガス
4 湿式ビーズミル
5 有機物としての粉砕有機物
6 メタン発酵槽
7 消化液
8 UF膜分離装置
10 熱交換器
15 濃縮液
16 透過液
18 返送手段としての配管部材

Claims (5)

  1. 有機物を湿式ビーズミルにて微細粉砕する粉砕工程と、
    この粉砕工程で微細粉砕された有機物をメタン発酵槽に供給し嫌気性微生物で分解しメタン発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵工程と、
    メタン発酵工程でメタン発酵した後の消化液をUF膜で濃縮液と透過液とに分離する分離工程と、
    この分離工程で分離された前記濃縮液を前記メタン発酵槽へ返送する返送工程と、
    返送工程での濃縮液の返送により生じる水流によって、前記メタン発酵槽の内容物を撹拌する撹拌工程とを備え、
    前記粉砕工程では、微細粉砕した前記有機物が前記メタン発酵工程で前記嫌気性微生物が作用しやすい温度であるメタン発酵温度となるように、前記嫌気性微生物に応じて前記有機物を冷却しながら微細粉砕し、
    前記メタン発酵工程では、前記メタン発酵温度の有機物をメタン発酵槽に供給する
    ことを特徴とするメタン発酵方法。
  2. メタン発酵工程と、分離工程と、返送工程と、撹拌工程とを繰り返す
    ことを特徴とする請求項1記載のメタン発酵方法。
  3. メタン発酵工程からの消化液または分離工程からの濃縮液を、熱交換器による熱交換作用で加温する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のメタン発酵方法。
  4. 有機物を嫌気性微生物にて分解しメタン発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵システムであって、
    有機物を微細粉砕する湿式ビーズミルと、
    この湿式ビーズミルで微細粉砕された有機物が前記嫌気性微生物が作用しやすい温度であるメタン発酵温度となるように、前記有機物を前記嫌気性微生物に応じて冷却する冷却手段と、
    前記湿式ビーズミルで微細粉砕されかつ前記冷却手段で前記メタン発酵温度に冷却された有機物を嫌気性微生物にて分解しメタン発酵させてメタンガスを生成するメタン発酵槽と、
    このメタン発酵槽にてメタン発酵した後の消化液を濃縮液と透過液とに濃縮分離するUF膜分離装置と、
    前記濃縮液をメタン発酵槽へ返送する返送手段とを備え、
    この返送手段による濃縮液の返送によって前記メタン発酵槽の内容物が撹拌される
    ことを特徴とするメタン発酵システム。
  5. メタン発酵槽からの消化液またはUF膜分離装置からの濃縮液を熱交換作用によって加温する熱交換器を備える
    ことを特徴とする請求項4記載のメタン発酵システム。
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