以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1〜図4を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、一対の左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが左右に離間した状態となったパチンコ遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、一対の左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが隣接した状態となったパチンコ遊技機1の一例を示す概略正面図である。図3は、パチンコ遊技機1の一部の一例を示す概略平面図である。図4は、図1における表示器4の拡大図である。図1および図2に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球および賞球を溜めるものである。上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。
遊技者がハンドル20を相対的に小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を相対的に大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、普通入賞口14、第1ゲート15、および電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第2始動口12、大入賞口13、第2ゲート16、および電動チューリップ17が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、および普通入賞口14のいずれかに入球した場合に入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28または下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、または遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。大入賞口13の開口部には、大入賞口13を開閉するプレートが設けられ、当該プレートによって通常閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、電動チューリップ17によって通常閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15または第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、第1ゲート15または第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても特別図柄判定や普通図柄判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2または枠部材3には、各種の演出を行うものとして、メイン液晶表示装置5、可動役物7、左サブ液晶表示装置8a、右サブ液晶表示装置8b、スピーカ24、および盤ランプ25が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37が内蔵されている。
メイン液晶表示装置5(以下「メイン液晶5」と略称することがある)は、演出画像を表示する画像表示装置であり、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。メイン液晶表示装置5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留表示画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、メイン液晶表示装置5は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
可動役物7は、遊技盤2に対して可動に構成されており、内蔵された発光素子(例えばLED)を発光させながら移動したり回転したりすることによって各種の演出を行う。盤ランプ25および枠ランプ37は、点灯または点滅のパターンの変更や発光色の変更等の光による各種の演出を行う。スピーカ24は、メイン液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8b(以下「サブ液晶8a,8b」と略称することがある)は、演出画像を表示する画像表示装置であり、メイン液晶5の前面側に配置されている。サブ液晶8a,8bとしては、メイン液晶5に比べて表示画面が小さいものが用いられ、メイン液晶5で行われる表示演出に関連する演出や、メイン液晶5に表示されない情報を表示するために使用される。例えば、左サブ液晶8aには第1特別図柄判定の保留数を示す数値や予告演出を行うキャラクタ等が表示され、右サブ液晶8bには第2特別図柄判定の保留数を示す数値や予告演出を行うキャラクタ等が表示される。左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、遊技者から視認されにくい退避位置から遊技者から視認されやすい出現位置まで進退自在に移動可能に構成されている。具体的には、図1に示すように、左サブ液晶表示装置8aが退避位置に配置される場合、メイン液晶表示装置5の視認性を妨げないようにメイン液晶表示装置5の左端に設けられた隙間スペース内に格納される。そして、左サブ液晶表示装置8aは、メイン液晶表示装置5の液晶画面と所定の間隔を隔てた状態で当該液晶画面に沿って左右方向に移動可能であり、上記退避位置から右方向(図示白抜き矢印方向)へ移動することによって遊技者から視認されやすい出現位置へ移動する。また、右サブ液晶表示装置8bが退避位置に配置される場合、メイン液晶表示装置5の視認性を妨げないようにメイン液晶表示装置5の右端に設けられた隙間スペース内に格納される。そして、右サブ液晶表示装置8bも、メイン液晶表示装置5の液晶画面と所定の間隔を隔てた状態で当該液晶画面に沿って左右方向に移動可能であり、上記退避位置から左方向(図示白抜き矢印方向)へ移動することによって遊技者から視認されやすい出現位置へ移動する。
図2に示すように、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、互いに隣接された状態となってメイン液晶表示装置5の液晶画面と所定の間隔を隔てた前面側に配置された隣接位置まで移動することができる。上記隣接位置では、左サブ液晶表示装置8aの液晶画面と右サブ液晶表示装置8bの液晶画面とが隣接した状態となるため、これらの液晶画面を1つの液晶画面として機能させることができ、3つの液晶画面(メイン液晶表示装置5の液晶画面、左サブ液晶表示装置8aの液晶画面、右サブ液晶表示装置8bの液晶画面)単独または組み合わせることによって、様々な演出を行うことが可能となる。また、上記隣接位置は、メイン液晶表示装置5の液晶画面の左右中央となり、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bが退避位置から隣接位置まで移動することによって、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bと重なるメイン液晶表示装置5の視認性が妨げられることにもなる。
なお、以下の説明においては、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの配置位置の説明を簡単にするために、メイン液晶表示装置5の左右端にそれぞれ設けられた隙間スペース内に格納されて左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが退避する位置を「退避位置」と記載する。また、メイン液晶表示装置5の液晶画面の左右中央位置において左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが隣接して配置される位置を「隣接位置(あるいは合体位置)」と記載する。また、上記「退避位置」から上記「隣接位置」方向へ移動して左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの表示画面全面が視認可能となる位置を「両端出現位置」と記載する。さらに、左サブ液晶表示装置8aと右サブ液晶表示装置8bとの間隔が相対的に狭い状態であって、上記「隣接位置」へ移動する際に直前に配置されることになる位置を「隣接直前位置」と記載する。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図3に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26および十字キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。十字キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26または十字キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図4に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、および遊技状態表示器47を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41および第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、または特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41に表示される図柄を「第1特別図柄」、第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「第2特別図柄」と呼ぶとともに、これらを総称して「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
以下、図5を参照して、パチンコ遊技機1の内部構成の一例について説明する。
遊技盤2の裏面側には、上皿28または下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図5に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば上述した制御基板の少なくとも2つを組み合わせることによって1つの基板を構成してもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、CPU101、ROM102、およびRAM103を備えている。CPU101は、ROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ開閉部113、第1ゲートスイッチ114、第2ゲートスイッチ115、大入賞口スイッチ116、大入賞口制御部117、普通入賞口スイッチ118、および表示器4を構成する各表示器41〜47が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ開閉部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。第1ゲートスイッチ114は、遊技球が第1ゲート15を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2ゲートスイッチ115は、遊技球が第2ゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
大入賞口スイッチ116は、大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。大入賞口制御部117は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、大入賞口13を開閉する。普通入賞口スイッチ118は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
遊技制御基板100のCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、大入賞口スイッチ116、または普通入賞口スイッチ118からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを不図示の払出制御基板に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。
CPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、大入賞口制御部117を介して大入賞口13を開閉する。
また、CPU101は、第1ゲートスイッチ114または第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を作動させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、CPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜47に図4に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、CPU131、ROM132、RAM133、およびRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。CPU131は、ROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付および時刻)を計測する。
CPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26または十字キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。CPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140およびランプ制御基板150に送信する。
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、図には示されていないが、統括CPU、制御用ROM、制御用RAM、VDP(Video Display Processor)、音響DSP(Digital Signal Processor)等を有して構成されている。統括CPUは、制御用ROMに記憶されたプログラムに基づいて、演出制御基板130において演出内容が設定された演出を表現する画像や音を制御する際の演算処理を行う。制御用RAMは、統括CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
統括CPUは、演出制御基板130からのコマンドおよび制御用ROMに記憶されているプログラムに基づいて制御信号を生成してVDPおよび音響DSPに出力することにより、VDPおよび音響DSPの動作を制御する。
図には示されていないが、VDPは、演出画像の生成に必要な素材データを記憶する画像用ROM、演出画像の描画処理を実行する描画エンジン、および描画エンジンによって描画された演出画像をメイン液晶表示装置5、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bにそれぞれ出力する出力回路を有している。描画エンジンは、統括CPUからの制御信号に基づいて、画像用ROMに記憶されている素材データを用いて、フレームバッファに演出画像を描画する。出力回路は、このフレームバッファに描画された演出画像を所定のタイミングでメイン液晶表示装置5、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bに出力する。なお、これらの液晶表示装置に演出画像を表示するためのシステムを構成する各要素(例えば、統括CPU、制御用ROM、制御用RAM、VDP、画像用ROM、描画エンジン、出力回路、フレームバッファ等)は、これらの液晶表示装置に対して1つ設けられてもいいし、液晶表示装置毎にそれぞれ設けられてもいいし、メイン液晶表示装置5に1つと左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの組に1つとがそれぞれ設けられてもよい。
図には示されていないが、音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、統括CPUからの制御信号に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24へ出力する。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、図には示されていないが、CPU、ROM、およびRAMを備えている。ランプ制御基板150のCPUは、ROMに記憶されたプログラムに基づいて、可動役物7、盤ランプ25、枠ランプ37、第1ステッピングモータ38a、および第2ステッピングモータ38bの動作を制御する際の演算処理を行う。ここで、第1ステッピングモータ38aは、所定の駆動機構を介して左サブ液晶表示装置8aを上記退避位置と隣接位置との間で進退移動させるモータである。また、第2ステッピングモータ38bは、所定の駆動機構を介して右サブ液晶表示装置8bを上記退避位置と隣接位置との間で進退移動させるモータである。RAMは、CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域またはデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプ制御基板150のROMには、発光パターンデータおよび動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、可動役物7、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bが備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37等が備える発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、可動役物7、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8b等の可動体それぞれの動作パターンを示すデータである。
ランプ制御基板150のCPUは、ROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをRAMに読み出して、可動役物7、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bが備える発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37が備える発光素子の発光を制御する。また、ランプ制御基板150のCPUは、ROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをRAMに読み出して、可動役物7、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8b等の可動体を動作させるモータの駆動を制御する。
また、ランプ制御基板150のCPUは、演出制御基板130から受信したコマンドに左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bを移動させるコマンドが含まれている場合、当該コマンドに基づいて、第1ステッピングモータ38aおよび/または第2ステッピングモータ38bの回転を制御する。そして、第1ステッピングモータ38aの駆動力が所定の駆動機構を介して左サブ液晶表示装置8aへ伝達されることによって、左サブ液晶表示装置8aが上記退避位置から隣接位置への方向に移動したり上記隣接位置から退避位置への方向に移動したりする。また、第2ステッピングモータ38bの駆動力が所定の駆動機構を介して右サブ液晶表示装置8bへ伝達されることによって、右サブ液晶表示装置8bが上記退避位置から隣接位置への方向に移動したり上記隣接位置から退避位置への方向に移動したりする。このように本実施形態においては、第1ステッピングモータ38aおよび/または第2ステッピングモータ38bを駆動制御することによって、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bを動作させるCPUが、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bを移動させる駆動制御手段(可動画面動作制御手段)として機能している。
[遊技制御基板100によるメイン処理]
次に、図6を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行されるメイン処理について説明する。ここで、図6は、遊技制御基板100によって実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図6に示されている一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図6以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、ROM102に記憶されているプログラムをCPU101が実行することによって行われる。
まず、遊技制御基板100のCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。ここで、大当たり乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりか、ハズレかを決定するための乱数である。図柄乱数は、特別図柄判定の結果が大当たりであった場合に、大当たりの種類(16R確変大当たり、10R通常大当たり等)を決定するための乱数である。リーチ乱数は、特別図柄判定の結果がハズレの場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターン(変動時間)を決定するための乱数である。普通図柄乱数は、普通図柄抽選の当選または落選を決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、および普通図柄乱数は、予め定めれた範囲で変動し、このステップS1の処理が行われる毎に「1」ずつ加算される。なお、ステップS1において、上記各乱数が予め設定されている最大値に達した場合は、各乱数はリセットされる。
ステップS1に続いて、CPU101は、始動口スイッチ(SW)処理を実行する(ステップS2)。始動口スイッチ処理では、CPU101は、第1始動口スイッチ111又は第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、検知信号が入力された時点の値を取得して、RAM103に記憶する。この始動口スイッチ処理については、図7を参照して、後に詳述する。
ステップS2に続いて、CPU101は、ゲートスイッチ(SW)処理を実行する(ステップS3)。ゲートスイッチ処理では、CPU101は、ゲートスイッチ114、115からの検知信号の入力の有無を監視し、検知信号の入力があった場合、ステップS1の処理で更新された普通図柄乱数の値を取得して、RAM103に記憶する。このゲートスイッチ処理については、図8を参照して、後に詳述する。
ステップS3に続いて、CPU101は、特別図柄処理を実行する(ステップS4)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、特別図柄判定の結果が大当たりであったか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類(大当たり図柄)が判定される。また、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理で取得された乱数を用いて特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す特別図柄を停止表示させる。特別図柄処理については、図9を参照して、後に詳述する。
ステップS4に続いて、CPU101は、普通図柄処理を実行する(ステップS5)。普通図柄処理では、CPU101は、ステップS3のゲートスイッチ処理で取得された普通図柄乱数を用いて普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる。普通図柄処理については、図13を参照して、後に詳述する。
ステップS5に続いて、CPU101は、ステップS4の特別図柄処理における特別図柄判定で大当たりとなった場合に、大入賞口制御部117を介して大入賞口13を開閉する大入賞口処理を実行する(ステップS6)。大入賞口処理については、図14を参照して、後に詳述する。
ステップS6に続いて、CPU101は、電動チューリップ処理を実行する(ステップS7)。電動チューリップ処理では、CPU101は、ステップS5の普通図柄処理における普通図柄抽選に当選した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17の一対の羽根部材を作動させる。電動チューリップ処理については、図16を参照して、後に詳述する。
ステップS7に続いて、CPU101は、遊技球の入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS8)。具体的には、CPU101は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口13、および普通入賞口14の何れかに遊技球が入賞した場合、入賞した場所に応じた個数の賞球を払い出しする。例えば、CPU101は、第1始動口11または第2始動口12に遊技球が入賞した場合は、3個の賞球を払い出し、大入賞口13に遊技球が入賞した場合は10個の賞球を払い出す。
ステップS8に続いて、CPU101は、出力処理を実行する(ステップS9)。ステップS9の出力処理では、CPU101は、ステップS2の始動口スイッチ処理やステップS4の特別図柄処理、ステップS6の大入賞口処理等でRAM103にセットされた各種コマンドを演出制御基板130に送信する。
[遊技制御基板100による始動口スイッチ処理]
次に、図7を参照して、遊技制御基板100において実行される始動口スイッチ処理の詳細について説明する。ここで、図7は、図6のステップS2における始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。
図7に示すように、ステップS201において、遊技制御基板100のCPU101は、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否か(第1始動口11に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS201:YES)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
CPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS202:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する(ステップS203)。そして、CPU101は、ステップS1の処理によって更新した各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)の値を取得して、RAM103に格納する(ステップS204)。
ここでは、第1始動口11に遊技球が入賞したことに応じて取得された各種乱数がRAM103に格納されることにより、ステップS203で保留数U1を増加させた保留玉に係る特別図柄判定の権利が、保留されることになる。詳細は後述するが、保留された特別図柄判定の権利は、ステップS4の特別図柄処理において消化されて、特別図柄が変動表示されて所定時間経過後に停止表示されることにより、当該特別図柄判定の結果が報知される。
続いて、CPU101は、ステップS204でRAM103に格納された各種乱数に基づいて事前判定処理を実行する(ステップS205)。事前判定処理は、保留された特別図柄判定の権利についての判定処理であり、大当たりか否かや大当たりの種類、変動パターン等を判定して当該判定結果を示す事前判定情報を生成する処理である。その後、CPU101は、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS206)。保留コマンドは、特別図柄判定が保留されたことを通知するためのコマンドであって、図6のステップS9における出力処理において演出制御基板130へと送信される。なお、ステップS205の事前判定処理では、ステップS204で取得された各種乱数がそのまま事前判定情報として生成されて、当該事前判定情報が保留コマンドに含められてもよい。
ステップS201で「NO」と判定した場合、ステップS202で「NO」と判定した場合、又はステップS206の処理を実行した場合、CPU101は、ステップS207の処理を実行する。ステップS207では、CPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否か(第2始動口12に遊技球が入賞したか否か)を判定する。ここで、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS207:YES)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、予めROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS208)。
CPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS208:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する(ステップS209)。そして、CPU101は、ステップS1の処理で更新した各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得して、RAM103に格納する(ステップS210)。
そして、CPU101は、ステップS210の処理によってRAM103に格納された各種乱数を用いて、上記ステップS205の処理と同様に事前判定処理を実行し(ステップS211)、事前判定情報を含む保留コマンドをRAM103にセットする(ステップS212)。
ステップS207で「NO」と判定された場合、ステップS208で「NO」と判定された場合、又はステップS212の処理が行われた場合、CPU101は、始動口スイッチ処理を終了して、ゲートスイッチ処理に処理を進める。
[遊技制御基板100によるゲートスイッチ処理]
図8は、図6のステップS3におけるゲートスイッチ処理の詳細フローチャートである。図8に示されるように、CPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号(ゲートスイッチ114又は115が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲートスイッチ114又は115が「ON」になったか否かを判定する(ステップS301)。
CPU101は、ゲートスイッチ114又は115が「ON」になったと判定した場合(ステップS301:YES)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが、普通図柄判定の最大保留数Gmax(例えば、4)未満であるか否かを判定する(ステップS302)。
CPU101は、保留数Gが最大保留数Gmax未満であると判定した場合(ステップS302:YES)、保留数Gを「1」加算した値に更新し(ステップS303)、この処理によって保留された普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、RAM103に格納する(ステップS304)。なお、ステップS204において格納された普通図柄乱数に対して上記ステップS205と同様に事前判定処理が行われ、当該事前判定処理の結果が普通図柄の保留コマンドとして演出制御基板130に送信されてもよい。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図9〜図12を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図9は、図6におけるステップS4の特別図柄処理を示す詳細フローチャートである。図10は、図9のステップS407の大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。図11は、図9のステップS408の変動パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
図9に示されるように、遊技制御基板100のCPU101は、例えばRAM103に記憶されている情報に基づいて、特別遊技中(大当たり遊技中)であるか否かを判定する(ステップS401)。ここで、特別遊技中であると判定された場合(ステップS401:YES)、CPU101は、特別図柄処理を終了する。
CPU101は、特別遊技中ではないと判定した場合(ステップS401:NO)、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、特別図柄が変動表示中ではないと判定した場合(ステップS402:NO)、RAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS403)、「1」以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、保留数U2を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS404)。
CPU101は、保留数U2が「1」以上ではない(第2特別図柄判定が保留されていない)と判定した場合(ステップS403:NO)、RAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定し(ステップS405)、「1」以上であると判定した場合(ステップS405:YES)、保留数U1を「1」減算して保留玉を1だけ消化する(ステップS406)。一方、CPU101は、ステップS405で保留数U1が「1」以上でないと判定した場合(ステップS405:NO)、客待ちコマンドをRAM103に設定して、図9に示す特別図柄処理を終了する。
CPU101は、ステップS404またはステップS406の処理に続いて、大当たり判定処理を実行する(ステップS407)。以下、図10を参照して、大当たり判定処理について説明する。
図10に示すように、CPU101は、まず、大当たりか否かの判定を行う(ステップS431)。具体的には、CPU101は、図9のステップS404の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、ステップS404の処理で保留数U2を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第2特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。なお、遊技状態が高確率遊技状態である場合は、通常よりも大当たりと判定される確率が高い。一方、図9のステップS406の処理に続いて大当たりか否かの判定を行う場合、CPU101は、ステップS406の処理で保留数U1を減算させた保留玉に係る大当たり乱数(ステップS2の処理でRAM103に格納された大当たり乱数)が、ROM102に予め記憶されている大当たり乱数の当選値と一致するか否かを判定する。これにより、CPU101は、第1特別図柄判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。
ここで、特別図柄判定の結果が大当たりである場合(ステップS431:YES)、CPU101は、上述した大当たり乱数と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数に基づいて、図柄乱数判定処理を行う(ステップS432)。具体的には、CPU101は、ステップS2の処理でRAM103に格納された図柄乱数がROM102に予め記憶されている複数種の大当たりのそれぞれに割り当てられた乱数値のいずれと一致するかを判定することにより、大当たりの種類を判定する。そして、CPU101は、判定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS433)。
一方、ステップS431において大当たりでないと判定された場合(ステップS431:NO)、CPU101は、特別図柄判定の結果がハズレであることを表すハズレ図柄を、設定情報としてRAM103に設定する(ステップS434)。
ステップS433の処理、またはステップS434の処理の後、CPU101は、大当たり判定処理を終了して、図9の特別図柄処理に処理を戻す。
図9に戻り、ステップS407の大当たり判定処理に続いて、CPU101は、変動パターン設定処理を実行する(ステップS408)。以下、図11を参照して、変動パターン設定処理について説明する。
図11に示すように、CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理の結果が大当たりであったか否かを判定する(ステップS450)。CPU101は、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりと判定した場合(ステップS450:YES)には、大当たり用の変動パターンテーブルをRAM103にセットする(ステップS451)。大当たり用の変動パターンテーブルには、変動時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の変動パターンが記憶されている。
一方、ステップS407の大当たり判定処理において大当たりでないと判定した場合(ステップS450:NO)、すなわち、ステップS407の大当たり判定処理においてハズレと判定した場合、CPU101は、リーチ乱数判定処理を行う(ステップS452)。リーチ乱数判定処理では、CPU101は、大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒にRAM103に格納されたリーチ乱数が、ROM102に予め記憶されている値と一致するか否かを判定する。当該判定結果に基づいて、CPU101は、リーチ演出を行うか否かを決定する(ステップS453)。そして、CPU101は、リーチ演出を行うと決定した場合(ステップS453:YES)にはリーチ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS454)。リーチ用の変動パターンテーブルには、変動時間が30秒、60秒、90秒、120秒等の変動パターンが記憶されている。CPU101は、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS453:NO)にはハズレ用の変動パターンテーブルをセットする(ステップS455)。ハズレ用の変動パターンテーブルには、2秒、8秒等の変動パターンが記憶されている。
ステップS451、ステップS454、またはステップS455の処理の後、CPU101は、変動パターン乱数判定処理を行う(ステップS456)。具体的には、ステップS456において、CPU101は、セットした変動パターンテーブルを用いて、上述した大当たり乱数(ステップS407の判定処理で用いられた大当たり乱数)と一緒にステップS2の処理でRAM103に格納された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを選択する。
このようにして、CPU101は、ステップS2で取得された変動パターン乱数と大当たりか否かによってセットした変動パターンテーブルとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定する。決定された変動パターンは、設定情報としてRAM103に設定される(ステップS457)。ステップS457の処理の後、CPU101は、図11に示す変動パターン設定処理を終了して、図9の特別図柄処理に処理を戻す。
図9に戻り、ステップS408の処理に続いて、CPU101は、ステップS407の処理で設定した図柄の設定情報、ステップS408の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含む変動開始コマンドを生成してRAM103にセットする(ステップS409)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の実行を指示するコマンドであって、図6のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御基板130へ送信される。
ステップS409の処理に続いて、CPU101は、ステップS409の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始し(ステップS410)、変動時間の計測を開始する(ステップS411)。なお、特別図柄の変動表示は、ステップS407〜S409の処理がステップS404の処理に続いて行われた場合には第2特別図柄表示器42を用いて行われ、ステップS406の処理に続いて行われた場合には第1特別図柄表示器41を用いて行われる。
CPU101は、ステップS402の処理で「YES」と判定した場合、またはステップS411の処理を実行した場合、ステップS411における変動時間の計測開始から、ステップS408の処理で設定された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS412)。
CPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS412:YES)、特別図柄の変動表示が停止されることを通知する変動停止コマンドをRAM103にセットし(ステップS413)、ステップS410の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了し(ステップS414)、計測した変動時間をリセットする(ステップS415)。これにより、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42において、ステップS407の大当たり判定処理の判定結果に応じた図柄(大当たりの種類に応じた大当たり図柄やハズレ図柄)が停止表示され、特別図柄判定の結果が報知される。なお、ステップS413の処理でセットされた変動停止コマンドは、図6のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御基板130へ送信される。
CPU101は、ステップS415の処理の後、停止中処理を実行する(ステップS416)。停止中処理の詳細については後述する。
ステップS401で「YES」と判定された場合、ステップS405で「NO」と判定された場合、ステップS412で「NO」と判定された場合、またはステップS416の処理が行われた場合、CPU101は、特別図柄処理を終了して、図6のステップS5の普通図柄処理を実行する。
[遊技制御基板100による停止中処理]
次に、図9のステップS416の停止中処理について説明する。図12は、図9のステップS416の停止中処理を示す詳細フローチャートである。
図12に示されるように、CPU101は、上記ステップS407の大当たり判定処理の結果に基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否かを判定する(ステップS480)。そして、CPU101は、大当たりと判定した場合(ステップS480:YES)、RAM103に記憶されている大当たり遊技フラグを「ON」に設定する(ステップS481)。
CPU101は、ステップS481の処理に続いて、RAM103に記憶されている補助遊技フラグ及び確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS482)。CPU101は、ステップS482の処理に続いて、オープニングを開始し(ステップS483)、オープニングコマンドをRAM103にセットする(ステップS484)。このオープニングコマンドは、大当たり判定処理の結果に応じて開始されるオープニング演出を演出制御基板130に行わせるためのコマンドであり、当該コマンドは、図6のステップS9の出力処理が実行されることによって演出制御基板130へ送信される。これにより、大入賞口13が開放されることを遊技者に報知するためのオープニング演出が行われる。
一方、CPU101は、大当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合(ステップS480:NO)、補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS485)。ここで、補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS485:YES)、RAM103に記憶されている補助遊技残余回数Jを「1」減算し、当該Jを更新する(ステップS486)。補助遊技残余回数Jは、補助遊技状態(時短付き遊技状態ともいう)が維持される残りの特別図柄の変動回数(特別図柄判定の実行回数)を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理において設定される。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
ステップS486の処理に続いて、CPU101は、補助遊技残余回数Jが「0」であるか否かを判定する(ステップS487)。ここで、補助遊技残余回数Jが「0」であると判定した場合(ステップS487:YES)、CPU101は、補助遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS488)。
ステップS488の処理を実行した場合、補助遊技フラグが「ON」ではないと判定した場合(ステップS485:NO)、又は補助遊技残余回数Jが「0」ではないと判定した場合(ステップS487:NO)、CPU101は、確変遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS489)。
確変遊技フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS489:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている高確率遊技残余回数Xを「1」減算し、当該Xを更新する(ステップS490)。ここで、高確率遊技残余回数Xは、高確率遊技状態で特別図柄判定が行われる残りの回数を示し、大当たり遊技が行われた後に実行される遊技状態設定処理(後述する)において設定される。
ステップS490の処理に続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数Xが「0」であるか否かを判定する(ステップS491)。ここで、高確率遊技残余回数Xが「0」であると判定した場合(ステップS491:YES)、RAM103に記憶されている確変遊技フラグを「OFF」に設定する(ステップS492)。
ステップS492の処理が実行された場合、ステップS484の処理が実行された場合、確変遊技フラグが「ON」ではないと判定された場合(ステップS489:NO)、又は高確率遊技残余回数Xが「0」ではないと判定された場合(ステップS491:NO)、CPU101は、図12の停止中処理を終了する。
[遊技制御基板100による普通図柄処理]
次に、図13を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される普通図柄処理の詳細について説明する。図13は、図6のステップS5の普通図柄処理を示す詳細フローチャートである。
まず、遊技制御基板100のCPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS501)。補助フラグは、普通図柄判定の結果が当りである場合に「ON」に設定されるフラグであり、電動チューリップ17を作動させる当たり遊技中であるか否かを示すフラグである。電動チューリップ17は、普通図柄判定の結果が当りである場合、所定のパターンで動作する。電動チューリップ17の動作パターンは、遊技機1の状態が補助遊技状態か否か(補助遊技フラグがONか否か)によって異なる。また、当たりの種類が長開放当たりか短開放当たりかで、電動チューリップ17の動作パターンは異なる。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS501:YES)、CPU101は、図13の普通図柄処理を終了する。
補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS501:NO)、CPU101は、普通図柄表示器45における普通図柄の変動表示中であるか否かを判定し(ステップS502)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS502:NO)、RAM103に記憶されている普通図柄判定の保留数Gが「1」以上であるか否かを判定する(ステップS503)。ここで、保留数Gが「1」以上ではないと判定した場合(ステップS503:NO)、CPU101は、図13の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、保留数Gが「1」以上であると判定した場合(ステップS503:YES)、保留数Gを「1」減算した値に更新し(ステップS504)、普通図柄乱数判定処理を実行する(ステップS505)。具体的には、遊技球がゲート15又はゲート16を通過したことに応じて上記ステップS3の処理で取得された普通図柄乱数が、ROM102に記憶されている普通図柄乱数の当選値(補助遊技状態か否かにより異なる)と一致するか否かに基づいて、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定する(ステップS506)。なお、遊技状態が補助遊技状態である場合、普通図柄判定の結果が当たりとなる確率は通常よりも高い。
CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりではないと判定した場合(ステップS506:NO)、RAM103にハズレ図柄をセットする(ステップS507)。
一方、CPU101は、普通図柄判定の結果が当たりであると判定した場合(ステップS506:YES)、CPU101は、普通図柄判定の当たりの種類が長開放当たりか否かを判定する(ステップS508)。ROM102には、普通図柄乱数の当選値として、当選後に第2始動口12を長開放することとなる長開放当たりの当選値と、第2始動口12を短開放することとなる短開放当たりの当選値とが設定されている。CPU101は、取得された普通図柄乱数に基づいて、長開放当たりか否かを判定する。なお、普通図柄判定の当落を決定するための普通図柄乱数(第1普通図柄乱数)とは別に、普通図柄の当たりの種類を決定するための乱数(第2普通図柄乱数)が設けられてもよい。この場合、第1普通図柄乱数に基づいて当たりか否かが判定され、当たりである場合に、第2普通図柄乱数に基づいて当たりの種類(長開放当たり、又は短開放当たり)が決定されてもよい。
長開放当たりであると判定した場合(ステップS508:YES)、CPU101は、長開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS509)。一方、長開放当たりでないと判定した場合(ステップS508:NO)、CPU101は、短開放当たり図柄をRAM103にセットする(ステップS510)。
ステップS507の処理、ステップS509の処理、又はステップS510の処理に続いて、CPU101は、RAM103に記憶されている補助遊技フラグがONか否かに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技状態が、補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS511)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS511:NO)、普通図柄表示器45において普通図柄を変動表示させる時間である普通図柄変動時間を例えば25秒にセットする(ステップS512)。逆に、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS511:YES)、普通図柄変動時間を比較的短い値、例えば2秒にセットする(ステップS513)。このステップS512又はステップS513の処理によってセットされた普通図柄変動時間は、RAM103に一時的に記憶される。
ステップS512又はステップS513の処理に続いて、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示を開始させ(ステップS514)、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する(ステップS515)。
一方、CPU101は、普通図柄表示器45において普通図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS502:YES)、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判定する(ステップS516)。具体的には、ステップS513の処理によって計測を開始した経過時間が、上記ステップS512又はステップS513の処理で設定された普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったか否かを判定する。ここで、終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS516:NO)、CPU101は、図13の普通図柄処理を終了する。
CPU101は、普通図柄の変動表示の終了タイミングになったと判定した場合(ステップS516:YES)、普通図柄表示器45による普通図柄の変動表示を終了させる(ステップS517)。具体的には、CPU101は、上記ステップS507、ステップS509、又はステップS510の処理でセットした図柄を普通図柄表示器45に停止表示させる。これにより、普通図柄判定の結果が遊技者に対して報知される。
ステップS517の処理に続いて、CPU101は、上記ステップS515の処理によって計測が開始された経過時間をリセットする(ステップS518)。そして、上記ステップS506と同様に、普通図柄判定の結果が当たりであるか否かを判定し(ステップS519)、当たりであると判定した場合(ステップS519:YES)、補助フラグを「ON」に設定する(ステップS520)。この補助フラグが「ON」に設定されることにより、電動チューリップ17が作動する。
ステップS520の処理の後、ステップS516の処理でNOと判定した場合、またはステップS519の処理でNOと判定した場合、CPU101は、図13の普通図柄処理を終了する。
[遊技制御基板100による大入賞口処理]
次に、図14を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される大入賞口処理の詳細について説明する。図14は、図6のステップS6の大入賞口処理を示す詳細フローチャートである。
図14に示されるように、遊技制御基板100のCPU101は、大当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS601)。ここで、大当たり遊技フラグは、上記ステップS481でONに設定されるフラグである。大当たり遊技フラグがONの場合(ステップS601:YES)、CPU101は、オープニング中か否かを判定する(ステップS602)。
オープニング中であれば(ステップS602:YES)、CPU101は、オープニング時間が経過したか否かを判定する(ステップS603)。オープニング時間が経過していれば(ステップS603:YES)、CPU101は、大当たり判定処理の結果に応じて、大入賞口13の開放パターンを設定し(ステップS604)、設定した開放パターンで大入賞口13の開放制御を開始する(ステップS605)。具体的には、ステップS604では、CPU101は、大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技のラウンド数、各ラウンドにおける大入賞口13の開放パターン(開放時間、開放回数、ラウンドの終了条件等)、ラウンド間のインターバル時間等を設定する。例えば、1のラウンドの終了条件は、例えば、大入賞口13の開放から30秒経過したこと、又は、そのラウンドにおいて遊技球が所定数大入賞口13に入賞したことの何れかである。ステップS605の処理の後、CPU101は、次にステップS607の処理を実行する。
一方、オープニング中でなければ(ステップS602:NO)、CPU101は、エンディング中か否かを判定する(ステップS606)。エンディング中でなければ(ステップS606:NO)、CPU101は、次にステップS607の処理を実行し、エンディング中であれば(ステップS606:YES)、次にステップS611の処理を実行する。
ステップS607において、CPU101は、ステップS604で設定した開放パターンでの大入賞口13の開放制御が終了したか否かを判定する。判定結果が肯定の場合(ステップS607:YES)、CPU101は、大入賞口13の開放制御を終了する(ステップS608)。続いて、CPU101は、エンディングコマンドをRAM103にセットする(ステップS609)。ここでセットされたエンディングコマンドは、図6のステップ9の出力処理において演出制御基板130に送信される。演出制御基板130は、当該エンディングコマンドを受信したことに応じて、大当たり遊技が終了することを示すエンディング演出を実行する。次に、CPU101は、エンディング時間の計測を開始する(S610)。
CPU101は、ステップS610の処理を行った場合、またはステップS606の処理でYESと判定した場合、予め設定されたエンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS611)。エンディング時間が経過していれば(ステップS611:YES)、CPU101は、遊技状態設定処理を実行する(ステップS612)。遊技状態設定処理の詳細については、後述する。ステップS612の遊技状態設定処理の後、CPU101は、大当たり遊技フラグをOFFに設定する(ステップS613)。
ステップS601の処理でNOと判定した場合、ステップS603の処理でNOと判定した場合、ステップS607の処理でNOと判定した場合、ステップS611の処理でNOと判定した場合、または、ステップS613の処理を実行した場合、CPU101は、図14に示す大入賞口処理を終了する。
[遊技制御基板100による遊技状態設定処理]
次に、図14のステップS612の遊技状態設定処理について説明する。図15は、図14のステップS612の遊技状態設定処理を示す詳細フローチャートである。
図15に示されるように、CPU101は、大当たりの種類が高確率遊技状態への移行を伴う確変大当たりか否かを判定する(ステップS630)。確変大当たりであった場合(ステップS630:YES)、CPU101は、確変遊技フラグをONに設定する(ステップS631)。続いて、CPU101は、高確率遊技残余回数XにXmaxを設定する(ステップS632)。ここで、Xmaxは予め定められた値であり、Xmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。Xに非常に大きな値Xmaxが設定されるため、事実上、高確率遊技残余回数Xが0になるまでに、遊技機1は、次の大当たりとなる。
ステップS632の処理の後、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定する(ステップS633)。その後、CPU101は、補助遊技残余回数JにJmaxを設定する(ステップS634)。Jmaxは予め定められた値であり、Jmaxとして非常に大きな値、例えば、10000が設定される。
一方、確変大当たりでない場合(ステップS630:NO)、CPU101は、補助遊技フラグをONに設定し(ステップS635)、補助遊技残余回数Jに100を設定する(ステップS636)。
ステップS634の処理またはステップS636の処理を実行した場合、CPU101は、図15に示す遊技状態設定処理を終了する。
[遊技制御基板100による電動チューリップ処理]
次に、図6のステップS7の電動チューリップ処理の詳細について説明する。図16は、図6の電動チューリップ処理の詳細フローチャートである。
まず、遊技制御基板100のCPU101は、補助フラグが「ON」に設定されているか否かを判定する(ステップS701)。ここで、補助フラグが「ON」に設定されていないと判定した場合(ステップS701:NO)、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
CPU101は、補助フラグが「ON」に設定されていると判定した場合(ステップS701:YES)、電動チューリップ17が動作中であるか否かを判定する(ステップS702)。ここで、電動チューリップ17が動作中ではないと判定した場合(ステップS702:NO)、CPU101は、補助遊技フラグがONか否かを判定することにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が補助遊技状態であるか否かを判定する(ステップS703)。
CPU101は、補助遊技状態ではないと判定した場合(ステップS703:NO)、上記ステップS509又はステップS510でセットした図柄に基づいて、長開放当たりか否かを判定する(ステップS704)。長開放当たりでないと判定した場合(ステップS704:NO)、CPU101は、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を0.1秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS705)。
長開放当たりであると判定した場合(ステップS704:YES)、CPU101は、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を5.6秒間開放する動作を1回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS706)。
一方、CPU101は、補助遊技状態であると判定した場合(ステップS703:YES)、電動チューリップ17の動作パターンとして、例えば第2始動口12を1.8秒間開放する動作を3回行う動作パターンをRAM103にセットする(ステップS707)。
CPU101は、ステップS705、ステップS706、又はステップS707の処理によって電動チューリップ17の動作パターンを設定した後、設定した動作パターンでの電動チューリップ17の動作を電動チューリップ開閉部113に開始させる(ステップS708)。
CPU101は、ステップS708の処理を実行した場合、または電動チューリップ17の動作中であると判定した場合(ステップS702:YES)、ステップS708の処理で開始された電動チューリップ17の動作が完了したか否かを判定する(ステップS709)。ここで、電動チューリップ17の動作が完了したと判定した場合(ステップS709:YES)、CPU101は、RAM103に記憶されている補助フラグを「OFF」に設定する(ステップS710)。
ステップS701の処理でNOと判定した場合、ステップS709の処理でNOと判定した場合、またはステップS710の処理を実行した場合、CPU101は、電動チューリップ処理を終了する。
[第1実施形態の遊技機の演出概要]
次に、図17〜図29を参照して、第1実施形態のパチンコ遊技機1における装飾図柄を用いた演出について説明する。図17は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1のメイン液晶5において表示される画像の一例を示す図である。
図17に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示されている間に、メイン液晶5において装飾図柄を用いた変動演出が行われる。後述するように、本実施形態のパチンコ遊技機1には、予め複数の装飾図柄が記憶されており、各装飾図柄には、キャラクタの画像と数字とが含まれる。図17に示すように、左領域51aに表示される装飾図柄を左図柄、中領域51bに表示される装飾図柄を中図柄、右領域51cに表示される装飾図柄を右図柄51cということがあり、3つの装飾図柄を総称して装飾図柄51ということがある。装飾図柄51は、演出のための図柄であり、特別図柄の変動に応じて変動し、特別図柄の停止に応じて停止する。
また、メイン液晶5には、特別図柄判定の保留を示す保留画像521〜保留画像524が表示される。特別図柄の変動中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞すると、特別図柄判定が保留されてメイン液晶5に保留画像が表示される。図17では、特別図柄が変動中であり、4つの保留が存在していることが示されている。特別図柄が停止すると、図17に示す装飾図柄51も停止し、次の保留が消化されて保留画像521が消滅する。
図18は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1における装飾図柄51を用いた演出の流れを示す図である。図18は、1回の特別図柄の変動中に行われる装飾図柄51の変動演出の流れを示す。
図18に示すように、特別図柄の変動に応じて、装飾図柄51がメイン液晶5において変動開始する(ステップAS10)。装飾図柄51の変動開始から所定時間経過すると、左図柄が停止する(ステップAS11)。すると、停止した左図柄を用いた所定の演出が行われる(ステップAS12)。具体的には、ステップAS12において、左図柄に含まれるキャラクタ画像を用いて、左領域51a以外の領域(具体的には、右領域51c)に対する所定の演出が行われる。
左図柄を用いた所定の演出が行われると、当該所定の演出に応じた右図柄が停止する(ステップAS13)。次に、停止している左図柄が再変動し(ステップAS14)、停止している右図柄を用いた所定の演出が行われる(ステップAS15)。具体的には、ステップAS15において、右図柄に含まれるキャラクタ画像を用いて、右領域51c以外の領域(具体的には、左領域51a)に対する所定の演出が行われる。
次に、ステップAS15の所定の演出に応じて、左領域51aに当該所定の演出に応じた左図柄が再停止する(ステップAS16)。続いて、再停止した左図柄を用いた所定の演出が行われる(ステップAS17)。具体的には、ステップAS17において、左図柄に含まれるキャラクタ画像を用いて、左領域51a以外の領域(具体的には、中領域51b)に対する所定の演出が行われる。
そして、ステップAS17の所定の演出に応じた中図柄が停止する(ステップAS18)。その後、他の演出(例えばリーチ演出)に発展し(ステップAS19)、特別図柄判定の結果に応じて(大当たりか否かに応じて)、装飾図柄51が停止して、特別図柄判定の結果が報知される(ステップAS20)。
図19は、第1実施形態のパチンコ遊技機1に予め用意されている装飾図柄の種類の一例を示す図である。図19に示すように、本実施形態では、キャラクタAに対応する「4」図柄と、キャラクタBに対応する「7」図柄と、キャラクタCに対応する「8」図柄等が用意される。各装飾図柄には、それぞれに対応するキャラクタの画像と、数字とが含まれる。なお、ある数字に対応するキャラクタの画像は複数用意されており、装飾図柄が停止する位置に応じて複数のキャラクタ画像の中から1つの画像が用いられて、メイン液晶5に停止表示される。例えば、キャラクタAのキャラクタ画像は、左領域51aに停止される場合に用いられる画像と、中領域51bに停止される場合に用いられる画像と、右領域51cに停止される場合に用いられる画像とが用意される。
図20および図21は、図18に示す装飾図柄を用いた変動演出の一例を示す図である。図20は、図18のステップAS10〜ステップAS18の処理に対応する演出の一例を示す図である。また、図21は、図18のステップAS19〜ステップAS20の処理に対応する演出の一例を示す図である。
図20では、特別図柄が変動開始した直後からのメイン液晶5において行われる演出が示されている。図20(A)に示すように、特別図柄の変動開始に応じて、3つの装飾図柄が変動開始する。装飾図柄51が変動開始してから所定時間経過すると、左領域51aに「8」図柄が停止する(図20(B))。「8」図柄には、キャラクタCの画像が表示されている。
次に、左領域51aに停止した「8」図柄のキャラクタCが、右領域51cに対して声を掛ける(図20(C))。例えば、キャラクタCがキャラクタAを呼ぶように、「Aさーん!」と声を掛ける。すると、右領域51cにキャラクタAを含む「4」図柄が停止する(図20(D))。ここで、図20(D)に示すように右領域51cに停止したキャラクタAが、キャラクタCに対して応答する演出が行われてもよい。
右領域51cに「4」図柄が停止した後、左領域51aに停止している「8」図柄が再変動する(図20(E))。その後、右領域51cに停止している「4」図柄に含まれるキャラクタAが、左領域51aに対して声を掛ける演出が行われる(図20(F))。例えば、キャラクタBを呼ぶように、キャラクタAが「あ、Bさん!」と声を掛ける。
次に、左領域51aにキャラクタBを含む「7」図柄が停止する(図20(G))。そして、停止した「7」図柄に含まれるキャラクタBが、中領域51bに対して声を掛ける演出が行われる(図20(G))。例えば、キャラクタBが「Cさん、何の話?」のように声を掛ける。次に、キャラクタCを含む「8」図柄が中領域51bに停止する(図20(H))。
ここで、図20(H)では、3つの領域51a〜51cに装飾図柄が停止しているが、これらの図柄は完全には停止しておらず、仮停止状態である。例えば、3つの装飾図柄は上下方向に微変動しており、特別図柄も第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において変動中である。図20(H)の画像が表示された後、図21に示す演出が引き続き行われる。
図21に示すように、図20(H)において3つの装飾図柄が仮停止した後、3つのキャラクタA〜Cを含む画像がメイン液晶5に表示されてリーチが成立したことを示す画像が表示される。そして、左右に「7」図柄が停止して、中図柄が変動中の状態となり、リーチ演出に発展する。リーチ演出では、画面が切り替わって、中領域51bに「7」図柄が停止することを遊技者に期待させる演出が行われる。そして、所定時間が経過すると、特別図柄判定の結果に応じて、中領域51bに装飾図柄が停止する。「7」図柄が中領域51bに停止して、3つの「7」図柄が揃うと大当たりとなり、「7」図柄以外の図柄が中領域51bに停止すると、ハズレとなる。
以上のように、本実施形態では、ある領域に装飾図柄が停止した後、当該停止した装飾図柄を用いて他の領域に対する所定の演出が行われ、当該所定の演出に応じた図柄が他の領域に停止する演出が行われる。本実施形態では、このような演出が繰り返し行われて、大当たりに対する期待感を高める演出が行われる。
上述した一連の演出は、特別図柄判定の結果(大当たりか否か、変動パターン、リーチ演出の有無等)に基づいて行われ、当該特別図柄判定の結果によっては、他の演出に分岐する場合がある。図18(図20及び図21)に示す一連の演出が行われる場合は、特別図柄判定の結果が大当たりとなる期待度が高く、途中で分岐して別の演出が行われる場合は、期待度が比較的低くなる。
図22は、図18に示す一連の演出が分岐しながら行われる場合の演出の流れを示す図である。図22において図18と同じの処理については、同じ符号を付して説明を省略する。
図22に示すように、図18のステップAS10〜ステップAS13と同様に、装飾図柄が変動開始して左図柄が停止し、左図柄を用いた所定の演出が行われた後、右図柄が停止する。次に、ステップAS14に分岐する場合と、ステップAS21に分岐する場合がある。例えば、ステップAS21では、左図柄が再変動せずに中図柄が停止してハズレを示す装飾図柄51が停止する場合がある。あるいは、中図柄が停止する前に、大当たりとなる期待度の低い演出が行われ、その後、ハズレとなるか、低い確率で大当たりとなる場合がある。
ステップAS14に処理が分岐して、左図柄が再変動し、続くステップAS15において、右図柄を用いた所定の演出(右図柄のキャラクタが左領域51aに対して声を掛ける演出)が行われる。ステップAS15の後、ステップAS16に分岐する場合と、ステップAS22に分岐する場合がある。
例えば、ステップAS16では、ステップAS15の所定の演出に応じた図柄(声を掛けられたキャラクタに対応する装飾図柄)が左領域51aに停止するのに対して、ステップAS22では、別の図柄が左領域51aに停止してもよい。あるいは、ステップAS22では、ステップAS15の所定の演出に応じた図柄が左領域51aに停止しても、当該停止した左図柄のキャラクタを用いた所定の演出(ステップAS17における左図柄のキャラクタが中領域51bに声を掛ける演出)が行われない。そして、ステップAS22の後に、大当たりとなる期待度の低い演出が行われる(ステップAS23)。ステップAS23で期待度の低い演出が行われると、特別図柄判定の結果がハズレとなる可能性が高い。
一方、ステップAS16では、ステップAS15の所定の演出に応じた左図柄が停止して、当該左図柄を用いた所定の演出(左図柄のキャラクタが中領域51bに声を掛ける演出)が行われる(ステップAS17)。ステップAS17の後、ステップAS18に分岐する場合と、ステップAS24に分岐する場合がある。
例えば、ステップAS18では、ステップAS17の所定の演出に応じた図柄(声を掛けられたキャラクタに対応する装飾図柄)が中領域51bに停止するのに対して、ステップAS24では、別の図柄が中領域51bに停止してもよい。あるいは、ステップAS24では、ステップAS17の所定の演出に応じた図柄が中領域51bに停止しても、当該停止した中図柄のキャラクタを用いた演出(例えば、図21に示すようなキャラクタCが「リーチだよ」という演出)は行われない。そして、ステップAS24の後に、期待度中の演出が行われる(ステップAS25)。ステップAS25で期待度中の演出が行われると、特別図柄判定の結果が大当たりとなる可能性は低い。しかしながら、ステップAS25の演出は、ステップAS23及びステップAS21の演出よりも期待度が高い。
一方、ステップAS18に処理が分岐すると、ステップAS19の処理が行われて、期待度の高い演出が行われる。
このように、図18(図20及び図21)に示す一連の演出は各段階で別の演出に分岐する場合があり、図18に示す一連の演出が行われると、大当たりとなる期待度が高くなる。
すなわち、本実施形態では、ある領域(領域51a)に図柄が停止して、当該停止した図柄を用いて他の領域(領域51c)に対する所定の演出が行われ、当該所定の演出に対応する図柄が停止する。このような演出が繰り返し行われるにつれて、大当たりに対する期待度が高くなる。
本実施形態では、3つの図柄が変動している状態から左領域51aにある装飾図柄が停止して所定の演出を行い、右領域51cに所定の演出に対応する装飾図柄が停止して、第1段階のチャンス状態(左領域51aに「8」図柄が停止して、当該図柄を用いた所定の演出に応じた「4」図柄が右領域51cに停止した状態)となる。その後、左領域51aの装飾図柄が再変動する。そして、右領域51cに停止した装飾図柄が所定の演出を行い、当該所定の演出に対応する装飾図柄が左領域51aに停止して、第1段階よりも期待度の高い第2段階のチャンス状態(右領域51cに「4」図柄が停止して、当該図柄を用いた所定の演出に応じた「7」図柄が左領域51aに停止した状態)となる。
このように、本実施形態では、上述した一連の演出の各段階の演出が行われるにしたがって、大当たりとなる期待度が高くなり、興趣性を向上させることができる。
次に、上述のような装飾図柄を用いた演出の他の例について説明する。図23は、装飾図柄を用いた変動演出の他の例を示す図である。
図20と同様に、特別図柄の変動開始に応じて、3つの装飾図柄が変動開始する(図23(A))。装飾図柄51が変動開始してから所定時間経過すると、左領域51aに例えば「8」図柄が停止する(図23(B))。「8」図柄には、キャラクタCの画像が含まれている。
次に、左領域51aに停止した「8」図柄のキャラクタCが、例えば、右領域51cに所定の図柄が停止することを示唆する示唆演出を行う。例えば、左領域51aに停止した「8」図柄のキャラクタCは、右領域51cにキャラクタAが停止することを示唆するように、「Aさーん!」と声を掛ける(図23(C))。すると、右領域51cにキャラクタAを含む「4」図柄が停止する(図23(D))。
続いて、図23(E)に示すように右領域51cに停止したキャラクタAが、例えば「継続します」と言う。この右領域51cに停止したキャラクタAのセリフは、擬似連続予告演出(擬似連)が行われることを示す。ここで、「擬似連」とは、1回の特別図柄の変動において、装飾図柄51が擬似的に変動することを複数回繰り返す演出である。
続いて、図23(F)に示すように、左領域51aおよび右領域51cに停止した図柄が再変動し、装飾図柄が擬似的に変動開始する(2回目の擬似変動開始)。
図23(F)の擬似変動開始後、所定の演出が行われる。当該所定の演出を経て、図23(G)に示すように、特別図柄の変動停止に応じて、最終的に特別図柄判定の結果を示す装飾図柄51が停止する。ここでは、特別図柄判定の結果がハズレであったことを示す装飾図柄が停止されている。
なお、図23(F)と図23(G)との間の所定の演出として、図23(B)〜(E)に示す演出(擬似連)が複数回行われてもよい。また、図23(F)と図23(G)との間の所定の演出として、左右に同種の装飾図柄が停止した状態で、中領域において装飾図柄が変動するリーチ演出が行われてもよい。擬似連の回数が多いほど(擬似連が継続するほど)大当たりに対する期待度は高い。また、リーチ演出が行われることは期待度が高いことを示し、リーチ演出の種類によって期待度が異なる。
ここで、図23(C)において、左領域51aに停止した「8」図柄のキャラクタCが発するセリフの内容(示唆演出の内容)によって、特別図柄判定の結果が大当たりとなる期待度(大当たりとなる確率;信頼度)が異なる。
図25は、示唆演出の内容に応じた期待度の違いを示す図である。図25に示すように、例えば、図23(C)において左領域51aに停止した「8」図柄のキャラクタCが図23(C)のように「Aさーん」と言った場合において右領域51cにキャラクタAを含む「4」図柄が停止した場合は、期待度は、例えば「20%」である。また、図23(C)において左領域51aに停止した「8」図柄のキャラクタCが「Bさーん」と言った場合において右領域51cにキャラクタBを含む「7」図柄が停止した場合は、期待度は、例えば「30%」である。
なお、示唆する装飾図柄の種類が同じで、表示態様によって期待度が異なっていてもよい。例えば、右領域51cにキャラクタAを含む「4」図柄が停止することが示唆される場合において、例えば、その文字の色(「Aさーん」の文字の色)が赤の場合は、青の場合よりも期待度が高くてもよい。
このように、所定の領域(左領域)に停止した装飾図柄を用いて、当該所定の領域とは異なる領域(右領域又は中領域)に所定の装飾図柄が停止することを示唆する示唆演出(「Aさーん」等のセリフ)が行われる。そして、示唆された装飾図柄が停止した後、特定の演出(例えば、擬似連)に発展する。特定の演出が行われると期待度が高くなる。また、本実施形態では、示唆演出の内容(左領域に対した装飾図柄のキャラクタが発するセリフの内容(停止する装飾図柄の種類等)、文字の色や形状、大きさ等であってもよい)によって、大当たりに対する期待度が異なる。
図23(C)において示唆された装飾図柄が停止しない場合もある。図24は、装飾図柄を用いた変動演出の一例を示す図であり、示唆された装飾図柄が停止しない場合の演出の一例を示す図である。
図24に示すように、特別図柄の変動開始に応じて、3つの装飾図柄が変動開始する(図24(A))。装飾図柄51が変動開始してから所定時間経過すると、左領域51aに例えば「8」図柄が停止する(図24(B))。「8」図柄には、キャラクタCの画像が表示されている。
次に、左領域51aに停止した「8」図柄のキャラクタCが、例えば、右領域51cに所定の図柄が停止することを示唆する示唆演出を行う。例えば、左領域51aに停止した「8」図柄のキャラクタCは、右領域51cにキャラクタAが停止することを示唆するように、「Aさーん!」と声を掛ける(図24(C))。次に、右領域51cにキャラクタAとは異なるキャラクタ(例えば、キャラクタB)を含む「7」図柄が停止する(図24(D))。そして、中領域51bに装飾図柄が停止して、3つの同種の装飾図柄が揃わずにハズレが報知される(図24(E))。
このように、所定の領域(左領域)に停止した装飾図柄を用いて、当該所定の領域とは異なる領域(右領域又は中領域)に所定の装飾図柄が停止することを示唆する示唆演出(「Aさーん」等のセリフ)が行われる。そして、示唆された装飾図柄が停止せずに、示唆された装飾図柄とは異なる装飾図柄が停止した後、特定の演出(例えば、擬似連)に発展しない。特定の演出に発展しない場合は、多くの場合、その後にハズレを報知する演出が行われる。
以上のように、図23に示す演出では、示唆演出によって示唆された装飾図柄が停止して特定の演出に発展し、大当たりに対する期待度が高くなる。この場合において、示唆演出の内容によって大当たりに対する期待度が異なる。一方で、図24に示すように、示唆演出によって示唆された装飾図柄が停止しない場合は特定の演出に発展しない。この場合の期待度は、示唆された装飾図柄が停止する場合よりも低く、大抵の場合はその後にハズレが報知される。このように、示唆演出の結果によって特定の演出に発展する場合と発展しない場合とがあることで、示唆演出によって示唆された装飾図柄が停止することを遊技者に期待させることができ、興趣性を向上させることができる。
なお、示唆演出によって示唆された装飾図柄が停止した後に特定の演出として擬似連が行われたが、他の演出が行われてもよい。例えば、擬似連に代えて又は加えて、リーチ演出が行われてもよい。すなわち、リーチ演出が行われる場合は、示唆演出によって示唆された装飾図柄が停止し、リーチ演出が行われない場合(例えばハズレを報知する演出が行われる場合)は、示唆された装飾図柄は停止せず、他の装飾図柄が停止する。また、示唆された装飾図柄が停止した後に、事前判定の結果に基づく演出が行われてもよい。事前判定の結果に基づく演出としては、通常の背景画像から特別な背景画像に切り替えられ、複数の特別図柄の変動にわたる連続演出が行われてもよい。また、事前判定の結果に基づく演出として、次以降の特別図柄の変動において大当たりとなることを期待させる特定の態様で装飾図柄51が停止されてもよい。
また、上記では例えば、最初に左領域51aに装飾図柄を停止させる場合について説明したが、他の実施形態では、最初に停止する位置は右領域51cでも中領域51bでもよい。最初に装飾図柄が停止する位置、及び/又は、最初に停止する装飾図柄の種類によって、大当たりに対する期待度が異なっていてもよい。例えば、装飾図柄が停止する順番(「左」「右」「中」の順、「右」「左」「中」の順等)によって期待度が異なるとともに、停止する装飾図柄の種類によって期待度が異なってもよい。例えば、「4」、「7」、「8」図柄が、「左」「右」「中」の順にそれぞれ停止した場合の方が、「7」、「8」、「4」図柄が、「右」「左」「中」の順にそれぞれ停止した場合よりも期待度が高くてもよい。
また、示唆演出では、装飾図柄が停止する領域及び装飾図柄の種類を示唆したが、他の実施形態では、停止する領域及び装飾図柄の種類のうちの何れか一方が示唆演出によって示唆されてもよい。
また、上記実施形態では、示唆演出において停止する装飾図柄の種類が示唆された後、示唆された種類の装飾図柄(示唆図柄)が停止すると、特定の演出が行われた。他の実施形態では、示唆演出において装飾図柄が停止する領域及び停止する装飾図柄の種類が示唆された後、示唆された領域(示唆領域)とは異なる領域に示唆図柄が停止した場合も、特定の演出に発展してもよい。示唆図柄が示唆領域とは異なる領域に停止する場合は、示唆図柄が示唆領域に停止する場合よりも期待度は低く(あるいは、高く)てもよい。
また、上記実施形態では、示唆演出の内容(「8」図柄のキャラクタCのセリフの内容、文字の色や形状等の表示態様、示唆する装飾図柄の種類等)によって期待度が異なることとしたが、示唆演出の内容によって特定の演出の内容を示してもよい。例えば、「8」図柄のキャラクタCのセリフが青で表示された場合は、第1の特定の演出に発展し、セリフが赤で表示された場合は、第2の特定の演出に発展することを示唆してもよい。
また、図23に示す示唆演出は、図20に示す演出と同様に、複数回おこなわれてもよい。すなわち、例えば、左領域に停止した装飾図柄を用いて所定の装飾図柄が停止することを示唆する第1の示唆演出が行われ、第1の示唆演出の結果として当該所定の装飾図柄が停止する。次に、停止した装飾図柄を用いて所定の装飾図柄が停止することを示唆する第2の示唆演出が行われ、第2の示唆演出の結果として当該所定の装飾図柄が停止する。これにより、特定の演出に発展してもよい。
また、例えば、左領域に停止した装飾図柄を用いて所定の装飾図柄が停止することを示唆する示唆演出が行われ、示唆された装飾図柄が停止しなかった場合、期待度の高い特定の演出とは異なる演出(期待度の低い演出)が行われてもよい。この場合において、特定の装飾図柄が停止することが示唆された場合は、当該特定の装飾図柄とは異なる他の装飾図柄が停止した場合であっても期待度の高い演出が行われてもよい。すなわち、複数の装飾図柄のうちの特定の装飾図柄の停止が示唆された場合は、その特定の装飾図柄が停止しなくても期待度の高い演出が行われてもよい。
また、示唆された装飾図柄が停止しなかった場合でも、当該示唆された装飾図柄と所定の関係にある装飾図柄が停止した場合は、その後に期待度の高い特定の演出が行われてもよい。例えば、キャラクタAとキャラクタBとが所定の関係にある場合、キャラクタAの図柄が停止することが示唆され、その後にキャラクタBが停止した場合は、特定の演出が行われてもよい。この場合において、キャラクタAの図柄が停止することが示唆された後に、キャラクタAの図柄が停止した場合は、キャラクタBの図柄が停止した場合よりも期待度が高く(又は、低く)てもよい。また、キャラクタAとキャラクタBとが所定の関係にある場合において、キャラクタAの図柄が停止することが示唆され、その後にキャラクタBが停止し、さらにその後キャラクタAが停止した場合は、期待度の高い特定の演出が行われてもよい。
[第1実施形態における演出制御基板130による演出制御処理]
次に、上述した遊技制御基板100からの各種コマンドに基づいた演出制御の詳細について図26〜図27を参照して説明する。
図26は、第1実施形態における演出制御基板130において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、図26〜図27に示す処理を演出制御基板130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のCPU131は、図26に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
演出制御基板130は、コマンド制御処理を実行する(ステップAS1001)。コマンド制御処理は、遊技制御基板100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、演出制御基板130は、遊技制御基板100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に実行させるためのコマンドを生成する。そして生成したコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。また、演出制御基板130は、演出ボタン26や演出キー27に対する操作に応じたコマンド(次のステップAS1002)を送信する。このコマンドに応じて画像音響制御基板140及びランプ制御基板150は、所定の演出を実行する。このコマンド制御処理の詳細については、図27に基づいて後に詳述する。
ステップAS1001の処理に続いて、演出制御基板130は、操作受付処理を実行する(ステップAS1002)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。以上で、図26に示す処理は終了する。
[演出制御基板130によるコマンド制御処理]
以下、図27を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるコマンド制御処理について説明する。ここで、図27は、図26のステップAS1001におけるコマンド制御処理の詳細フローチャートである。
まず、演出制御基板130は、遊技制御基板100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップAS1301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップAS1301:YES)、演出制御基板130は、事前判定処理を実行する(ステップAS1302)。
ステップAS1302の処理では、演出制御基板130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて演出の内容を決定して実行する。例えば、演出制御基板130は、受信した保留コマンドに係る特別図柄判定において大当たりとなるか否かを判定し、判定結果に応じて、受信した保留コマンドに対応する保留画像の表示態様を決定して保留画像をメイン液晶5に表示させる。
ステップAS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップAS1301:NO)、演出制御基板130は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップAS1303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップAS1303:YES)、演出制御基板130は、変動演出実行処理を実行する(ステップAS1304)。ここでは、演出制御基板130は、受信した変動開始コマンドに基づいて、特別図柄判定の結果が大当たりか否か、大当たりであった場合の大当たりの種類、変動パターン等を解析する。そして、演出制御基板130は、解析結果に基づいて、受信した変動開始コマンドに係る特別図柄の変動に伴って行われる変動演出の内容を決定して変動演出を開始する。
演出制御基板130には、複数の演出パターンが記憶されており、変動開始コマンドに含まれる変動パターンと、演出パターンを決定するための演出乱数とに基づいて、1の演出パターンを選択する。
図28は、特別図柄判定の結果が大当たりである場合の演出パターンの一例を示す図である。図28に示す演出パターンは、最終的に大当たりを報知する演出が行われる。
例えば、演出パターンP1は、図22に示す一連の演出の最終段階までを行った後、リーチAの演出を行う演出パターンであり、最終的に大当たりが報知される演出パターンである。また、演出パターンP2は、一連の演出の最終段階までを行った後、リーチBの演出を行う演出パターンであり、最終的に大当たりが報知される演出パターンである。また、演出パターンP3は、一連の演出の最終段階までを行った後、リーチCの演出を行う演出パターンであり、最終的に大当たりが報知される演出パターンである。また、演出パターンP4は、一連の演出の第2段階までを行った後、リーチCの演出を行う演出パターンであり、最終的に大当たりが報知される演出パターンである。演出時間は、リーチA、リーチB、リーチCの順で長い。図28に示す演出パターンの他にも、変動パターンに応じた多数の演出パターンが演出制御基板130に記憶されている。特別図柄判定の結果が大当たりである場合、図28の各演出パターンが選択される確率は、例えば、演出パターンP1が最も高く、以降、2番目に演出パターンP2、3番目に演出パターンP3が高い。
また、演出パターンP5は、図23に示す演出を行う演出パターンである。具体的には、左領域に装飾図柄が停止して当該装飾図柄が右領域に所定の装飾図柄(例えば「4」図柄)が停止することを示唆する示唆演出を行い、示唆演出の結果として所定の装飾図柄(「4」図柄)が停止する。その後に擬似連が行われる。演出パターンP5による演出では、同様の演出が行われて、擬似連が3回行われる。そして、3回目の擬似変動においてリーチに発展し、リーチ演出の結果として大当たりが報知される。図示はしていないが、遊技機1には、演出パターンP5の他にも、図23に示すような演出を行う演出パターンが複数用意されている。例えば、1回目の擬似変動では所定の装飾図柄が停止することを示唆する示唆演出が行われ、2回目の擬似変動では1回目とは異なる装飾図柄が停止することを示唆する示唆演出が行われるというように、擬似連の進行に応じて示唆演出の内容が異なるような演出パターンが用意されてもよい。
一方、演出制御基板130には、特別図柄判定の結果がハズレである場合の複数の演出パターンが記憶されている。図29は、特別図柄判定の結果がハズレである場合の演出パターンの一例を示す図である。図29に示す複数の演出パターンは、最終的にハズレを報知する演出が行われる。
例えば、演出パターンP51は、図22に示す一連の演出の最終段階までを行った後、リーチAの演出を行う演出パターンであり、最終的にハズレが報知される演出パターンである。また、演出パターンP52は、一連の演出の最終段階までを行った後、リーチBの演出を行う演出パターンであり、最終的にハズレが報知される演出パターンである。また、演出パターンP53は、一連の演出の最終段階までを行った後、リーチCの演出を行う演出パターンであり、最終的にハズレが報知される演出パターンである。また、演出パターンP54は、一連の演出の第2段階までを行った後、リーチCの演出を行う演出パターンであり、最終的にハズレが報知される演出パターンである。図29に示す演出パターンの他にも、変動パターンに応じた多数の演出パターンが演出制御基板130に記憶されている。特別図柄判定の結果がハズレである場合、図28の各演出パターンが選択される確率は、例えば、演出パターンP51が最も低く、以降、2番目に演出パターンP52、3番目に演出パターンP53が低い。
また、演出パターンP55は、図24に示す演出を行う演出パターンである。具体的には、左領域に装飾図柄が停止して当該装飾図柄が右領域に所定の装飾図柄(例えば「4」図柄)が停止することを示唆する示唆演出を行い、示唆演出の結果として所定の装飾図柄(「4」図柄)が停止せず、擬似連に発展しない。そして、その後にハズレが報知される。図示はしていないが、遊技機1には、演出パターンP55の他にも、図24に示すような演出を行う演出パターンが複数用意されている。例えば、示唆演出の結果として示唆された装飾図柄が停止せず、その後にリーチ演出が行われる演出パターンが用意されてもよいし、示唆された装飾図柄が停止せずに、その後の所定のタイミングで擬似連に発展する演出パターンが用意されてもよい。なお、図29に示す演出パターンの演出と図28に示す演出パターンの演出とは、途中までは類似した演出を含むが、図29に示す演出パターンの演出では最終的にハズレが報知され、図28に示す演出パターンの演出では最終的に大当たりが報知される。これにより、図29に示す演出パターンの演出が行われても、最終的に結果が報知されるまでは大当たりの可能性があり、遊技者の期待感を高めている。
このように各演出パターンに選択される確率が定められることにより、一連の演出の最終段階までが行われた場合には、最終的に大当たりとなる確率が比較的高くなり、一連の演出の第1段階までしか演出が行われない場合には、最終的に大当たりとなる確率は比較的低くなる。
演出制御基板130は、変動パターンに基づいて、これらの演出パターンのうちから1の演出パターンを選択し、選択した演出パターンの演出を実行させるために、画像音響制御基板140に対してコマンドを送信する。画像音響制御基板140には、上述した一連の演出のための画像データが記憶されており、画像音響制御基板140は、演出制御基板130からのコマンドに応じて、メイン液晶5に画像を表示させる。これにより、上述した一連の演出が行われる。
図27に戻り、ステップAS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップAS1303:NO)、演出制御基板130は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップAS1305)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップAS1305:YES)、演出制御基板130は、変動演出終了処理を実行する(ステップAS1306)。変動演出終了処理では、演出制御基板130は、例えばメイン液晶5に変動表示されている装飾図柄51を停止表示させて、変動演出を終了させる。
ステップAS1306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップAS1305:NO)、演出制御基板130は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップAS1307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップAS1307:YES)、演出制御基板130は、オープニング処理を実行する(ステップAS1308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出、および大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。演出制御基板130は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出や大当たり演出の内容を決定し、これらの演出を画像音響制御基板140やランプ制御基板150に実行させる。
ステップAS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップAS1307:NO)、演出制御基板130は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップAS1309)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップAS1309:YES)、演出制御基板130は、エンディング処理を実行する(ステップAS1310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定する処理である。演出制御基板130は、エンディング処理の結果を示すコマンドを画像音響制御基板140やランプ制御基板150に送信してエンディング演出を実行させる。
ステップAS1310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップAS1309:NO)、演出制御基板130は、図27に示す処理を終了する。
以上のように、遊技制御基板100からのコマンドに基づいて、演出制御基板130による演出制御が行われる。本実施形態では、遊技制御基板100からの変動開始コマンドに基づいて、上述のような装飾図柄を用いた演出が行われる。
具体的には、3つの領域において装飾図柄が変動している状態において、まず、第1領域(左)において装飾図柄が停止する。次に、停止した装飾図柄を用いて、第1領域とは異なる第2領域(右)に対する所定の演出が行われ、当該所定の演出に応じた装飾図柄が、第2領域に停止する。次に、第1領域に停止していた装飾図柄が再変動し、第2領域に停止している装飾図柄を用いて、当該第2領域とは別の領域(第1領域。第3領域でもよい)に対する所定の演出が行われる。そして、所定の演出に応じた装飾図柄が、第1領域に停止する。さらに、第1領域に停止した装飾図柄を用いて、第3領域(中)に対する所定の演出が行われ、所定の演出に応じた装飾図柄が、第3領域に停止する。
このような演出を行うことにより、装飾図柄を用いた演出を多様化させることができる。また、上記一連の演出は、大当たりとなる期待度(信頼度)によって途中で終了するため、一連の各段階の演出が行われることによって大当たりに対する遊技者の期待感を高めることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、装飾図柄を用いた所定の演出として、装飾図柄に含まれるキャラクタが別のキャラクタに声を掛ける演出を行った。他の実施形態では、所定の演出はどのようなものでもよい。また、各段階における所定の演出は同様の演出であってもよいし、異なる種類の演出であってもよい。
また、他の実施形態では、装飾図柄の停止順序、停止位置、再変動する図柄の位置等は上記実施形態に限らず、どのようなものであってもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄判定の結果が大当たりである場合に、大当たり図柄に応じて確変遊技状態に変化する遊技機を想定した。他の実施形態の遊技機では、大当たりとなった場合において、大当たり図柄に応じて所定の入賞口(V入賞口)が大当たり遊技中に開放し、遊技球が当該V入賞口に入賞した場合に、確変遊技状態に移行するように構成されてもよい。このような遊技機では、大当たり図柄の種類に応じて、大当たり遊技中にV入賞口が長開放か短開放し、長開放した場合には遊技球はV入賞口に入賞し、短開放した場合にはほぼ入賞しないように構成されている。そして、このような遊技機において、V入賞口が長開放する大当たりを予告する演出として、上記演出が行われてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[第2実施形態の説明]
次に、図30〜図42を参照して、第2実施形態の演出について説明する。
[各種予告演出について]
パチンコ遊技機1では、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞すると、大当たり遊技を実行するか否かを判定する特別図柄判定が行われ、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において、特別図柄が変動表示された後に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示される。これに対して、メイン液晶5では、特別図柄が変動表示されるのに伴って装飾図柄が変動表示され、判定図柄が停止表示されるのに伴って、装飾図柄が特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示される。
このような図柄の変動表示中は、大当たりに対する信頼度を報知したり、或いは大当たりに対する期待感を遊技者に抱かせたりすることを目的として、各種の予告演出が行われる。第2実施形態におけるパチンコ遊技機1では、予告演出として、擬似連続予告演出、ステップアップ予告演出、群予告などが行われる。
[擬似連続予告演出の一例]
図30は、第2実施形態の擬似連続予告演出について説明するための説明図である。擬似連続予告演出は、特別図柄の1回の変動表表示中に、装飾図柄が複数回変動表示されたように見せる演出であり、いわゆる「擬似連」と呼ばれるものである。
擬似連続予告演出が開始される前は、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8b(以下、サブ液晶8a,8b)が初期位置(両端出現位置)に配置されている。すなわち、パチンコ遊技機1を正面視した場合に、左サブ液晶8aがメイン液晶5の左側に位置すると共に、右サブ液晶8bがメイン液晶5の右側に位置している(図30(A)参照)。これに対して、擬似連続予告演出の開始に際して、左サブ液晶8aが右サブ液晶8bに近づく方向(図30における右方向)に移動すると共に、右サブ液晶8bが左サブ液晶8aに近づく方向(図30における左方向)に移動する(図30(B)参照)。その際、左サブ液晶8a及び右サブ液晶8bのそれぞれに例えば男性と女性のキャラクタが表示される。
そして、両サブ液晶8a,8bが合体位置(隣接位置)まで移動することによって、左サブ液晶8a及び右サブ液晶8bがメイン液晶5の幅方向の中央部において当接する(図30(C)参照)。その際、図30(C)に例示されるように、メイン液晶5には、左サブ液晶8a及び右サブ液晶8bの合体を効果的に演出するエフェクト画像が表示される。そして、合体位置に配置された左サブ液晶8a及び右サブ液晶8bがそれぞれの初期位置に戻された後に、擬似連続予告演出が開始されることになる(図30(D)参照)。
図31は、擬似連続予告演出の流れについて説明するための説明図である。特別図柄の変動表示中に擬似連続予告演出が行われる場合、基本的な流れとしては、まず、図30に基づいて上述したような左サブ液晶8a及び右サブ液晶8bの合体演出を契機として、擬似1連目の装飾図柄の変動演出が開始される(図31(A)及び(B)参照)。そして、擬似連続予告演出が2連目に発展しない場合にはリーチとなり、リーチ演出が行われることになる(図31(C)参照)。
図には示されていないが、メイン液晶5には、特別図柄が変動表示されていないときには、装飾図柄が横方向に3列表示されている。これに対して、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、装飾図柄の変動表示が開始される。具体的には、左列の装飾図柄、中列の装飾図柄、及び右列の装飾図柄のそれぞれが、例えば1〜9の数字などが上から下へ移動して見えるようにスクロールを開始する。そして、スクロールの開始後、全ての装飾図柄が停止するのに先立って、左列と右列の装飾図柄が有効ライン上に仮停止する。その際、有効ライン上に同一の装飾図柄が停止表示された場合にはリーチが成立し、その後、有効ライン上に同一の装飾図柄が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が行われる。
なお、第2実施形態においては、リーチ演出として、ロングリーチ演出及びSPリーチ演出の2種類が用意されている。
ロングリーチ演出は、本実施形態では、リーチ成立後、中列の装飾図柄のスクロール速度を徐々に低下させていくのに伴って、アニメのキャラクタが活躍する演出がメイン液晶5又はサブ液晶8a,8bにおいて展開されるリーチ演出である。このロングリーチ演出は、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定された場合に行われ易い。このため、ロングリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に低いリーチ演出である。
SPリーチ演出は、本実施形態では、リーチ成立後、有効ライン上に中列の装飾図柄が停止するまでの間に、実写のキャラクタが活躍する演出がメイン液晶5又はサブ液晶8a,8bにおいて展開されるリーチ演出である。このSPリーチ演出は、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定された場合に行われ易い。このため、SPリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出である。
図31(B)に例示するように擬似1連目で擬似連続予告演出が終了した場合、ロングリーチ演出及びSPリーチ演出の少なくとも一方が行われることが確定することになる(図31(C)参照)。なお、擬似連続予告演出が擬似1連目で終了する場合には大当たりに対する信頼度が相対的に低いため、SPリーチ演出が行われる割合は低く、ロングリーチ演出が行われ易い。
一方、擬似1連目の変動演出の終盤で図30に基づいて上述したのと同様の合体演出が行われると、擬似連続予告演出が擬似2連目に発展する(図31(D)及び(E)参照)。なお、図には示されていないが、メイン液晶5では何らかのストーリーの動画が再生されており、擬似連続予告演出が発展する毎にこのストーリーが展開していくことになる。擬似連続予告演出が3連目に発展しない場合、擬似3連目に発展しない場合と同様にリーチとなり、リーチ演出が行われることになる(図31(F)参照)。なお、擬似連続予告演出が擬似2連目で終了する場合には、擬似1連目で終了する場合よりも大当たりに対する信頼度が若干高いため、擬似1連目で終了する場合よりも、SPリーチが行われる割合が若干高い。
擬似2連目の変動演出の終盤で合体演出が行われると、擬似連続予告演出が擬似3連目に発展する(図31(G)及び(H)参照)。そして、擬似連続予告演出が4連目に発展しない場合にはリーチとなり、リーチ演出が行われることになる(図31(I)参照)。特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であったとしても特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定された場合に、擬似3連目に発展する。なお、擬似連続予告演出が擬似3連目に発展した場合、擬似4連目に発展しなとしても大当たりに対する信頼度が相対的に高いため、SPリーチ演出が行われ易く、ロングリーチ演出が行われたとしても、必ずSPリーチ演出に発展することになる。
そして、擬似3連目の変動演出の終盤で合体演出が行われると、擬似連続予告演出が擬似4連目に発展する(図31(J)及び(K)参照)。この擬似4連目に発展する擬似連続予告演出は、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合にしか行われないため、擬似4連目に発展すると必ずSPリーチ演出が行われて大当たりとなる(図31(L)参照)。
なお、ここでは擬似連続予告演出がリーチ成立前に行われる場合について説明したが、リーチ成立後に擬似連続予告演出を行うようにしたり、或いは、リーチ成立前とリーチ成立後との両方で擬似連続予告演出を行うようにしたりしてもよい。
ところで、擬似連続予告演出は、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に相対的に高い割合で行われる。このため、装飾図柄の変動表示が開始されてから図30に基づいて上述した合体演出が行われなかった場合、遊技者は、擬似連続予告演出が行われないので「ハズレ」の可能性が高いと判断して、大当たりに対する期待感を失ってしまうおそれがある。また、擬似連続予告演出が合体演出からしか発展しないこととした場合、擬似連続予告演出がワンパターンになり、遊技が単調になるおそれがある。
そこで、第2実施形態におけるパチンコ遊技機1では、サブ液晶8a,8bを用いた合体演出が行われた場合のみならず、後述するステップアップ予告演出によって擬似連続予告演出の実行が示唆された場合にも、図31(B)以降に基づいて上述した擬似連続予告演出を行うこととしている。
[ステップアップ予告演出の一例]
次に、図32及び図33を参照しつつ、メイン液晶5を用いて行われるステップアップ予告演出の一例について説明する。ここで、図32は、ステップアップ予告演出について説明するためのメイン液晶5の画面図である。図33は、ステップアップ予告演出の流れについて説明するための説明図である。
ステップアップ予告演出は、擬似連続予告演出と同様に、特別図柄の変動表示中に行われる予告演出である。このステップアップ予告演出は、予め設定された所定ステップ数(本実施形態では「5」)を上限として所定ステップ数以下のいずれかのステップ数まで段階的に発展可能な演出である。
ステップアップ予告演出が開始される前は、メイン液晶5にキャラクタなどが表示されておらず、背景画像が表示されている(図30(A)参照)。これに対して、ステップアップ予告演出の開始タイミングになると、まず、第1ステップの演出として、メイン液晶5において、バスが到着する様子を表す演出表示が行われる(図33(A)及び図32<SU1>の左図参照)。これに対して、第2ステップに発展しない場合には、第1ステップの演出表示の終盤において、到着したバスから誰も降車することなくバスが走り去る様子を表す演出表示が行われてステップアップ予告演出が終了する(図32<SU1>の右図参照)。このような場合、大当たりに対する信頼度が極めて低いため、リーチ演出すら行われずに変動演出が終了することになる(図33(B)参照)。
続いて、第2ステップに発展した場合、メイン液晶5において、到着したバスから女性のキャラクタが降車してバスが走り去る様子を表す演出表示が行われる(図33(C)及び図32<SU2>の左図参照)。これに対して、第3ステップに発展しない場合には、第2ステップの演出表示の終盤において、バスから降車したキャラクタ(以下「降車キャラ」と呼ぶ。)が誰も見つけられずに歩き去る様子を表す演出表示が行われてステップアップ予告演出が終了する(図32<SU2>の右図参照)。この場合も、ステップアップ予告演出が第1ステップで終了する場合と同様に大当たりに対する信頼度が極めて低いため、リーチ演出すら行われずに変動演出が終了することになる(図33(D)参照)。
続いて、第3ステップに発展した場合、メイン液晶5において、右側から男性のキャラクタが登場し、降車キャラが男性のキャラクタに歩み寄る様子を表す演出表示が行われる(図33(E)及び図32<SU3>の左図参照)。これに対して、第4ステップに発展しない場合には、第3ステップの演出表示の終盤において、男性のキャラクタが歩き去る様子を表す演出表示が行われてステップアップ予告演出が終了する(図32<SU3>の右図参照)。この場合、ステップアップ予告演出が第1ステップや第2ステップで終了するよりも大当たりに対する信頼度が若干高いため、リーチ演出が行われる(図33(F)参照)。ただし、ステップアップ予告演出が第3ステップで終了する場合には大当たりに対する信頼度が相対的に低いため、SPリーチ演出が行われる割合は極めて低く、大抵の場合、ロングリーチ演出が行われた後に「ハズレ」が報知されることになる。
続いて、第4ステップに発展した場合、メイン液晶5において、降車キャラと男性のキャラクタとが互いに歩み寄る様子を表す演出表示が行われる(図33(G)及び図32<SU4>の左図参照)。そして、上限ステップである第5ステップに発展した場合、2人のキャラクタが笑顔で話し合っている様子を表す演出画像が拡大表示される(図33(H)及び図32<SU5>参照)。この場合、ステップアップ予告演出が第4ステップで終了するよりも大当たりに対する信頼度が若干高いため、SPリーチ演出が行われる(図33(I)参照)。ただし、このように第5ステップに発展したとしても大当たりに対する信頼度がそれほど高い訳ではないため、大抵の場合はSPリーチ演出が行われた後に「ハズレ」が報知されることになる。
一方、第5ステップに発展しない場合には、通常パターンとしては、図には示されていないが、2人のキャラクタが互いに歩み寄った後にそのままステップアップ予告演出が終了する。すなわち、第3ステップまでしか発展しない場合に比べて大当たりに対する信頼度が高いことのみが報知されて、ステップアップ予告演出が終了する(図33(J)参照)。なお、この場合、少なくとも第3ステップまでしか発展しない場合に比べて大当たりに対する信頼度は若干高いため、必ずリーチ演出が行われる。
また、今回のステップアップ予告演出が終了してから装飾図柄の変動表示が終了するまでに擬似連続予告演出が行われる場合には、第4ステップの演出表示の終盤において、擬似連続予告演出が行われることを示唆する示唆演出が行われることがある(図33(K)、図32<SU4>の右図、及び図31(M)参照)。具体的には、本実施形態では、2人のキャラクタが「NEXT」と書かれたプレートを取り出す様子を表す演出画像が表示される。
このようにしてステップアップ予告演出の第4ステップにおいて示唆演出が行われると、図31(A)に示されているサブ液晶8a,8bの合体演出が行われることなく擬似連続予告演出が行われることになる。
すなわち、通常は、サブ液晶8a,8bを用いた合体演出を契機とする擬似連続予告演出が行われるのに対して、示唆演出を含むステップアップ予告演出の後に擬似連続予告演出が行われる場合には、合体演出が行われることなく、ステップアップ予告演出における示唆演出を契機として擬似連続予告演出が行われることになる。
一方、今回のステップアップ予告演出が終了してから装飾図柄の変動表示が終了するまでに群予告の演出表示(図34参照)が行われる場合、第4ステップの演出表示の終盤において、群予告が行われることを示唆する示唆演出が行われることがある(図33(L)及び図32<SU4>の右下図参照)。具体的には、本実施形態では、2人のキャラクタが3体の雪だるまが表記されたプレートを取り出す様子を表す演出画像が表示される。
群予告は、多数のキャラクタ(本実施形態では雪だるま)が画面上を横切って行くように見せる演出表示である。詳細な説明は省略するが、通常は、演出ボタン26の操作を促す演出表示に応じて遊技者がボタン操作の有効期間内に演出ボタン26を操作した場合に、この群予告の表示演出が行われることがある。これに対して、示唆演出を含むステップアップ予告演出の後に群予告の演出が行われる場合には、演出ボタン26の操作を促す演出表示が行われることなく、遊技者による演出ボタン26の操作とは無関係に、ステップアップ予告演出における示唆演出を契機として群予告の演出が行われることになる。
このように、第2実施形態におけるパチンコ遊技機1において行われるステップアップ予告演出は、大当たりに対する信頼度を報知する機能と、他の演出(本実施形態では擬似連続予告演出や群予告)の実行を示唆する機能とを併せ持っている。
パチンコ遊技機1では、示唆演出を含まないステップアップ予告演出を行うと決定された場合、特別図柄判定の判定結果に基づいて、最終ステップ数が設定される。本実施形態では、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合や判定結果が「ハズレ」であっても特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定された場合には、最終ステップ数が相対的に大きい値に設定される。一方、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって特別図柄の変動時間が短い時間に設定されるような場合には、最終ステップ数が相対的に小さい値に設定される。
このため、遊技者は、ステップアップ予告演出が何ステップ目まで発展するかに基づいて、大当たりに対する信頼度をある程度は認識することが可能である。
また、示唆演出を含むステップアップ予告演出が行われる場合には、遊技者は、ステップアップ予告演出が終了した後に行われる他の演出を事前に把握することが可能である。このため、遊技者は、実際に他の演出が行われるよりも前に、大当たりに対する信頼度をより明確に認識することができる。すなわち、示唆演出が行われない場合には、ステップアップ予告演出が何ステップ目まで発展するかを確認した後、実際に他の演出が行われるまでは、大当たりに対する信頼度を明確には認識することができないが、示唆演出が行われることにより、他の演出が行われていない段階で、ステップアップ予告演出が終了した後に行われる演出を認識できるため、早いタイミングで、大当たりに対する信頼度をより明確に認識することができる。
また、本実施形態のように、他の演出が大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを表す演出である場合、この他の演出が行われるまでは、遊技者が大当たりに対する期待感を抱き難いが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、ステップアップ予告演出における示唆演出が行われた段階で、遊技者が他の演出としてどのような演出が行われるかを事前に把握することが可能であるため、遊技者に対してより早い段階で大当たりに対する期待感を抱かせることができる。
また、上述したように、本実施形態におけるステップアップ予告演出は、大当たりに対する信頼度を報知する機能と他の演出を示唆する機能とを併せ持っているため、従来に比べて、より演出効果の高いステップアップ予告演出を行うことができる。また、示唆演出を含むステップアップ予告演出が行われた場合には、示唆演出によって実行が示唆された擬似連続予告演出や群予告が通常とは一部異なる態様で行われるため、示唆演出によって示唆された演出のバリエーションを増加させて、全体として極めて効果的な演出を行うことが可能である。
なお、本実施形態では、示唆演出が行われるステップが第4ステップに固定されているため、示唆演出を含むステップアップ予告演出を行う場合には、第4ステップが最終ステップとなるように最終ステップ数が「4」に設定されるが、最終ステップ数は、示唆演出が行われるステップのステップ数とは異なるステップ数に設定されてもよい。すなわち、例えば第5ステップまで発展するステップアップ予告演出を行う場合に、途中の第4ステップにおいて示唆演出を行ってから第5ステップに発展させるようにしてもよい。
また、示唆演出を行うステップは第4ステップに限定されるものではなく、例えば第5ステップなどの他のステップで示唆演出を行うようにしてもよい。
また、示唆演出が行われるステップは固定されず、任意のステップにおいて示唆演出が行われるように構成されてもよい。具体的には、特別図柄判定の結果に基づいてステップアップ予告演出の最終ステップ数が決定され、当該最終ステップ数に基づいて示唆演出をどのステップで行うかが決定されてもよい。
図35は、変形例としてのステップアップ予告演出の流れについて説明するための説明図である。図35において、図33と同様の部分については同じアルファベットを付し、説明を省略する。なお、図35において、上述した擬似連や群予告をまとめて「示唆演出」として表記する。
まず、変動開始時にステップアップ予告演出の最終ステップ数が決定され、当該決定された最終ステップ数に基づいて、示唆演出を行うステップが決定される。図35では、ステップアップ予告演出における全ての演出パターンが示されている。
図35に示すように、第1ステップにおいて示唆演出(擬似連を示唆する演出、又は、群予告を示唆する演出)が行われる場合がある(図35(Z1))。第1ステップにおいて示唆演出が行われると、第2ステップに発展する場合もあれば(図35(C))、第1ステップでステップアップ予告演出が終了する場合もある(図35(B))。
また、第2ステップにおいて示唆演出が行われる場合があり(図35(Z2))、当該示唆演出の後に、第3ステップに発展する場合もあれば(図35(E))、第2ステップでステップアップ予告演出が終了する場合もある(図35(D))。
また、第3ステップにおいて示唆演出が行われる場合があり(図35(Z3))、当該示唆演出の後に、第4ステップに発展する場合もあれば(図35(G))、第3ステップでステップアップ予告演出が終了する場合もある(図35(F))。
また、第4ステップにおいて示唆演出が行われる場合があり(図35(Z4))、当該示唆演出の後に、第5ステップに発展する場合もあれば(図35(H))、第4ステップでステップアップ予告演出が終了する場合もある(図35(J))。
また、第5ステップにおいて示唆演出が行われる場合もあれば(図35(Z5))、第5ステップにおいて示唆演出が行われずに、ステップアップ予告演出が終了する場合もある。ステップアップ演出の最大ステップ数は「5」であるため、第5ステップでは、示唆演出が行われるか否かにかかわらず、ステップアップ予告演出は終了し、その後はSPリーチ演出が行われる(図35(I))。
このように、ステップアップ予告演出の各ステップにおいて示唆演出が行われる場合があり、どのステップにおいて示唆演出を行うかは最終ステップ数に基づいて決定される。なお、示唆演出は、複数のステップにおいて行われてもよいし、単一のステップにおいてのみ行われてもよい。示唆演出が行われるステップの数が多いほど信頼度が高くてもよい。また、示唆演出として、擬似連を示唆する演出及び群予告を示唆する演出が、同じ又は異なるステップにおいて、行われてもよい。
また、示唆演出が行われるステップによって信頼度が異なってもよい。例えば、第Nステップで示唆演出が行われるよりも、第M(MはNより大きい正の整数)ステップで示唆演出が行われた方が信頼度が高く(又は低く)てもよい。また、示唆演出の内容には複数の種類があり、示唆演出の内容によって信頼度が異なってもよい。ここで、示唆演出の内容としては、例えば、示唆演出において表示される画像の種類や色、大きさ等であってもよい。
また、示唆演出によって、上記擬似連や群予告の他、他の予告演出(信頼度の高い特定の画像を表示する予告演出等)、リーチ演出の種類等が示唆されてもよい。
[第2実施形態の演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、CPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、CPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図36を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図36は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。CPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図36に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図36以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいてCPU131が発行する命令に従って行われる。
CPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップBS10)。このコマンド受信処理については、図37に基づいて後に詳述する。
ステップBS10の処理に続いて、CPU131は、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたか否かを判定する(ステップBS11)。ここで、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたと判定した場合(ステップBS11:YES)、その旨を通知するための操作コマンドをRAM133にセットする(ステップBS12)。この操作コマンドが画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
CPU131は、演出ボタン26及び十字キー27がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップBS11:NO)、又はステップBS12の処理を実行した場合、送信処理を実行する(ステップBS13)。具体的には、ステップBS10やステップBS12の処理によってRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの発光やサブ液晶8a,8bの動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップBS13の処理に続いて、CPU131は、データ転送処理を実行する(ステップBS14)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、メイン液晶5、サブ液晶8a,8b、及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、盤ランプ25や枠ランプ37等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図37は、図36のステップBS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図37に例示されるように、CPU131は、まず、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する(ステップBS101)。具体的には、例えば、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、その変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。
CPU131は、変動演出の実行中ではないと判定した場合(ステップBS101:NO)、ステップS409(図9参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップBS102)。ここで、変動開始コマンドを受信していないと判定された場合(ステップBS102:NO)、ステップBS11に処理が進められる。
CPU131は、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップBS102:YES)、上記乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数について、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してRAM133に格納する(ステップBS103)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップBS104)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、CPU131は、その解析結果に基づいて、装飾図柄の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップBS105)。この変動演出パターン設定処理については、図38に基づいて後に詳述する。
次に、CPU131は、装飾図柄の変動表示中に実行する各種予告演出の内容を設定する予告演出パターン設定処理を実行する(ステップBS106)。この予告演出パターン設定処理については、図39に基づいて後に詳述する。
ステップBS106の処理を実行すると、CPU131は、ステップBS105の処理で設定した変動演出パターンの変動演出の開始と、ステップBS106の処理で設定した予告演出パターンの予告演出の実行とを指示する変動演出開始コマンドをRAM133にセットする(ステップBS107)。この変動演出開始コマンドは、ステップBS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された装飾図柄の変動演出や各種予告演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
このステップBS107の処理に応じた変動演出は、第2特別図柄表示器42(又は第1特別図柄表示器41)において特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されるまで行われる。
一方、CPU131は、変動演出の実行中であると判定した場合(ステップBS101:YES)、ステップS413(図9参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップBS108)。ここで、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(ステップBS108:YES)、例えば特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをRAM133にセットする(ステップBS109)。この変動演出終了コマンドは、ステップBS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、ステップBS107の処理に応じて開始された変動演出や予告演出が終了することになる。
[演出制御基板130による変動演出パターン設定処理]
図38は、図37のステップBS105における変動演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。ステップBS104の処理に続いて、CPU131は、図38に例示されるように、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれているリーチ演出に係る設定情報に基づいて、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行う必要があるか否かを判定する(ステップBS1051)。
CPU131は、リーチ有り演出を行う必要がないと判定した場合(ステップBS1051:NO)、装飾図柄の変動表示を開始してから終了するまでの変動演出パターンを設定する(ステップBS1052)。
ROM132には、リーチ演出を伴わない変動演出に関して、ハズレリーチ無し演出テーブルが記憶されている。このハズレリーチ無し演出テーブルには、例えば、3秒用、8秒用、18秒用、36秒用というように、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応する演出テーブルが複数設けられている。ステップBS1052において、CPU131は、これら複数の演出テーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1の演出テーブルを選択する。例えば設定情報に特別図柄の変動時間が3秒であることを示す変動パターンの設定情報が含まれている場合、3秒用の演出テーブルを選択する。
各演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。CPU131は、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、上述したステップBS103の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。これにより、リーチ演出を含まない変動演出の変動演出パターンが設定される。
CPU131は、このようにしてステップBS1052の処理を行った場合、変動開始コマンドに含まれている判定図柄の設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において判定図柄が停止表示されるのに伴ってメイン液晶5に停止表示させる装飾図柄を設定する(ステップBS1053)。
一方、CPU131は、リーチ有り演出を行う必要があると判定した場合(ステップBS1051:YES)、上記ステップBS1052の処理と同様にリーチ有り演出用或いは大当たり用の演出テーブルを用いて、リーチ成立までの変動演出パターンを設定する(ステップBS1055)。
ステップBS1055の処理に続いて、CPU131は、例えば遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて、リーチ成立時に有効ライン上において左列及び右列に停止表示させるリーチ図柄を設定する(ステップBS1056)。なお、このリーチ図柄は、上記設定情報とは無関係に、演出乱数を用いた抽選処理を行ってランダムに決定するようにしてもよい。
ステップBS1056の処理に続いて、CPU131は、リーチ成立後の変動演出パターンを設定する(ステップBS1057)。具体的には、変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて、ロングリーチ演出及びSPリーチ演出のどちらのリーチ演出を行うか、ロングリーチ演出を行う場合にはロングリーチを終盤でSPリーチ演出に発展させるか否か等を設定する。
このステップBS1057の処理が行われた場合、ステップBS1052の処理が行われた場合と同様に、上述したステップBS1053に処理が進められる。
[演出制御基板130による予告演出パターン設定処理]
図39は、図37のステップBS106における予告演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。ステップBS105の処理に続いて、CPU131は、図39に例示されるように、ステップアップ予告演出を除く擬似連続予告演出や群予告などの各種予告演出に関する設定処理を行う(ステップBS1061)。具体的には、例えば、演出乱数と予告演出の演出パターンとが対応付けられたテーブルの中から、ステップBS103の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、予告演出の演出パターンを決定する。詳細な説明は省略するが、このテーブルとしては、例えば、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間(例えば60秒)以上の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間未満である場合に使用する演出テーブルとが個別に設けられており、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて選択したいずれかのテーブルを参照して、予告演出の演出パターンが決定される。
このステップBS1061の処理では、予告演出に関して、具体的には以下のような内容を決定する処理が行われる。すなわち、擬似連続予告演出に関しては、まず、擬似連続予告演出を行うか否かが決定される。次に、擬似連続予告演出を行うと決定された場合、最終的に何連目まで発展させるかが決定される。そして、擬似連続予告演出の開始時にサブ液晶8a,8bを用いた合体演出を行うのか、或いはステップアップ予告演出から発展させるのかが決定される。すなわち、サブ液晶8a,8bの合体演出を契機として開始される通常パターンの擬似連続予告演出を行うのか、或いはステップアップ予告演出の第4ステップにおける示唆演出を契機として開始される変則パターンの擬似連続予告演出を行うのかが決定される。
また、群予告の演出については、まず、群予告の演出を行うか否かを決定される。そして、群予告の演出を行うと決定された場合、遊技者による演出ボタン26の操作に応じて発生する通常パターンの群予告を行うのか、或いはステップアップ予告演出の第4ステップにおける示唆演出に応じて自動的に発生する変則パターンの群予告を行うのかが決定される。
ステップBS1061の処理に続いて、CPU131は、RAM133に記憶されているステップBS1061の処理による予告演出の設定情報に基づいて、今回の変動演出中に擬似連続予告演出を行う予告演出の演出パターンが設定されているか否かを判断する(ステップBS1062)。
CPU131は、擬似連続予告演出を行う予告演出の演出パターンが設定されていないと判断した場合(ステップBS1062:NO)、予告演出の設定情報に基づいて、今回の変動演出中に群予告を行う予告演出の演出パターンが設定されているか否かを判断する(ステップBS1063)。
CPU131は、群予告を行う予告演出の演出パターンが設定されていると判断した場合(ステップBS1063:YES)、又は擬似連続予告演出を行う予告演出の演出パターンが設定されていると判断した場合(ステップBS1062:YES)、予告演出の設定情報に基づいて、今回の変動演出中に行う擬似連続予告演出又は群予告の少なくとも一方が、変則パターンであるか否かを判断する(ステップBS1064)。
CPU131は、擬似連続予告演出又は群予告の少なくとも一方が変則パターンであると判断した場合(ステップBS1064:YES)、示唆演出を含むステップアップ予告演出の演出パターンを設定する(ステップBS1065)。
具体的には、擬似連続予告演出が変則パターンである場合、ステップアップ予告演出の第4ステップの終盤で図32<SU4>の右図に例示される擬似連続予告演出に係る示唆演出の演出画像がメイン液晶5に表示されるように、ステップアップ予告演出の演出パターンを設定してその設定情報をRAM133にセットする。
また、群予告が変則パターンである場合、ステップアップ予告演出の第4ステップの終盤で図32<SU4>の右下図に例示される群予告に係る示唆演出の演出画像がメイン液晶5に表示されるように、ステップアップ予告演出の演出パターンを設定してその設定情報をRAM133にセットする。
また、擬似連続予告演出と群予告との両方が変則パターンである場合、ステップアップ予告演出の第4ステップの終盤において、「NEXT」と書かれたプレート、及び3体の雪だるまが表記されたプレートの2つのプレートを取り出す様子を表す示唆演出の演出画像がメイン液晶5に表示されるように、ステップアップ予告演出の演出パターンを設定してその設定情報をRAM133にセットする。
なお、擬似連続予告演出と群予告との両方が変則パターンである場合、例えば、第3ステップにおいて擬似連続予告演出に関する示唆演出を行うと共に第4ステップにおいて群予告に関する示唆演出を行うステップアップ予告演出の演出パターンを設定してその設定情報をRAM133にセットするようにしてもよい。
一方、CPU131は、群予告を行う予告演出の演出パターンが設定されていないと判断した場合(ステップBS1063:NO)、又は擬似連続予告演出と群予告との少なくとも一方が変則パターンではないと判断した場合(ステップBS1064:NO)、擬似連続予告演出や群予告が行われるとしてもそれらが通常パターンで行われるため、示唆演出を含まないステップアップ予告演出の演出パターンを設定する必要がある。このような場合、示唆演出を含まないステップアップ予告演出に関して、以下のような処理が行われる。
すなわち、CPU131は、今回の変動演出中にステップアップ予告演出を行うか否かを決定する(ステップBS1066)。具体的には、例えば、ステップアップ予告演出を行うか否かを決定するための実行決定テーブルと、ステップBS103の処理で取得した演出乱数とに基づいて、ステップアップ予告演出を行うか否かを決定する。
次に、CPU131は、ステップBS1066の決定結果に基づいて、今回の変動演出中にステップアップ予告演出を行うか否かを判断する(ステップBS1067)。ここで、ステップアップ予告演出を行わないと判断された場合(ステップBS1067:NO)、ステップBS107に処理が進められる。
CPU131は、ステップアップ予告演出を行うと判断した場合(ステップBS1067:YES)、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている判定図柄の設定情報に基づいて、今回の変動演出に係る特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判断する(ステップBS1068)。
CPU131は、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であると判断した場合(ステップBS1068:YES)、当たり時最終ステップ数決定テーブルをROM132から読み出してRAM133にセットする(ステップBS1069)。一方、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」ではないと判断した場合(ステップBS1068:NO)、ハズレ時最終ステップ数決定テーブルをROM132から読み出してRAM133にセットする(ステップBS1070)。
CPU131は、ステップBS1069の処理を実行した場合、又はステップBS1070の処理を実行した場合、最終ステップ数選択処理を実行する(ステップBS1071)。具体的には、RAM133にセットされている最終ステップ数決定テーブルにおいては、演出乱数と最終ステップ数とが対応付けられており、CPU131は、ステップBS103の処理で取得した演出乱数に対応する最終ステップ数を最終ステップ数決定テーブルから読み出すことによって、ステップアップ予告演出の最終ステップ数を決定する。
なお、本実施形態では、当たり時最終ステップ数決定テーブルを参照した場合には最終ステップ数が「4」や「5」に決定され易く、ハズレ時最終ステップ数決定テーブルを参照した場合には最終ステップ数が「1」〜「3」のいずれかに決定され易くなるように、それぞれの決定テーブルが予め規定されている。このため、大当たりに対する信頼度が相対的に高いほど、ステップアップ予告演出が上位のステップ(例えば第4ステップや第5ステップ)まで発展し、逆に大当たりに対する信頼度が相対的に低いほどステップアップ予告演出が上位のステップまで発展し難い。
ただし、最終ステップ数の決定方法は上記の方法に限らず、以下のような決定方法を採用してもよい。すなわち、例えば、大当たりに対する信頼度が相対的に高いほど最終ステップ数が小さくなり、逆に大当たりに対する信頼度が相対的に低いほど最終ステップ数が大きくなるように、最終ステップ数を決定するようにしてもよい。また、大当たりに対する信頼度が相対的に高い場合には最終ステップ数が「2」又は「3」に決定され易く、逆に大当たりに対する信頼度が相対的に低い場合には最終ステップ数が「1」、「4」、又は「5」に決定され易いように、最終ステップ数を決定するようにしてもよい。
[画像音響制御基板140による画像音響制御処理]
図40は、画像音響制御処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図40に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
図40に例示されるように、画像音響制御基板140の統括CPUは、まず、演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップBS501)。ここで、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップBS501:YES)、受信した変動演出開始コマンドに含まれる情報、及びディスプレイリスト作成テーブルに基づいて変動演出の表示内容を設定し(ステップBS502)、その設定内容に基づいてディスプレイリストを作成する(ステップBS503)。
画像音響制御基板140のVDPは、統括CPUによって作成されたディスプレイリストに基づいてCGROMから演出データを読み出し、読み出した演出データを用いて、メイン液晶5において行われる変動演出や各種予告演出、及びサブ液晶8a,8bにおいて行われる各種演出を実行するための描画処理を実行する。
統括CPUは、ステップBS503の処理を実行した場合、又は変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップBS501:NO)、演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップBS504)。ここで、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップBS504:YES)、VDPに実行中の変動演出を終了させる変動演出終了処理を実行する(ステップBS505)。
統括CPUは、ステップBS505の処理を実行した場合、又は変動演出終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップBS504:NO)、データ送信制御処理を実行する(ステップBS506)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。
これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、メイン液晶5、サブ液晶8a,8b、及びスピーカ24によって行われる演出と同期するように、ランプ制御基板150によって各種演出動作などが制御されることになる。
なお、ここでは演出制御基板130から受信したコマンドに基づいてメイン液晶5及びサブ液晶8a,8bで行われる変動演出と予告演出の制御について説明したが、スピーカ24からの演出音の出力制御は、メイン液晶5又はサブ液晶8a,8bにおける変動演出と対応したものとなるため、ここでの詳細な説明は省略する。
[ランプ制御基板150によるランプ制御処理]
次に、図41を参照しつつ、ランプ制御基板150において実行されるランプ制御処理について説明する。ここで、図41は、ランプ制御基板150において実行されるランプ制御処理の一例を示すフローチャートである。ランプ制御基板150は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、演出制御基板130からのコマンド、及び演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信される画像音響制御に関するデータに基づいて、図41に例示されている一連の処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
ランプ制御基板150のCPU(以下、ランプCPU)は、まず、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信された画像音響制御に関するデータを受信するデータ受信処理を実行する(ステップBS601)。ランプCPUは、このステップBS601の処理によって受信した画像音響制御に関するデータに基づいて、メイン液晶5やサブ液晶8a,8b、スピーカ24による演出と同期するように、盤ランプ25や枠ランプ37の発光やサブ液晶用モータ38a,38b(左サブ液晶8aの駆動源である第1ステッピングモータおよび右サブ液晶8bの駆動源である第2ステッピングモータ)の駆動を制御する。
ステップBS601の処理に続いて、ランプCPUは、演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップBS602)。ここで、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップBS602:YES)、受信した変動演出開始コマンドに対応する発光パターンデータをROMから読み出してランプ制御基板150のRAM(以下、ランプRAM)にセットすることにより、盤ランプ25及び枠ランプ37の発光パターンを設定する(ステップBS603)。そして、セットした発光パターンデータに基づいて、盤ランプ25及び枠ランプ37の発光制御を開始する(ステップBS604)。
ステップBS604の処理に続いて、ランプCPUは、変動演出開始コマンドに基づいて、サブ液晶8a,8bの動作が指示されたか否かを判定する(ステップBS605)。すなわち、擬似連続予行演出に伴うサブ液晶8a,8bの初期位置から合体位置への移動制御を今回の変動演出中に行う必要があるか否かを判定する。
ランプCPUは、サブ液晶8a,8bの動作が指示されたと判定した場合(ステップBS605:YES)、受信した変動演出開始コマンドに対応する動作パターンデータをROMから読み出してランプRAMにセットすることにより、サブ液晶8a,8bの動作パターンを設定する(ステップBS606)。例えば擬似2連目まで発展する通常パターンの擬似連続予告演出が行われる場合には、サブ液晶8a,8bの合体演出が2回行われるので(図31(A)及び(D)参照)、サブ液晶8a,8bが初期位置から合体位置に移動してから初期位置に戻る動作を2回繰り返す動作パターンを設定する。また、例えば擬似2連目まで発展する変則パターンの擬似連続予行演出が行われる場合には、サブ液晶8a,8bの合体演出が擬似1連目から擬似2連目に発展する際に1回だけ行われるので(図31(M)、(B)、(D)、及び(E)参照)、サブ液晶8a,8bが初期位置から合体位置に移動してから初期位置に戻る動作を1回行う動作パターンを設定する。
ランプCPUは、ステップBS606の処理を実行した場合、変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップBS602:NO)、又はサブ液晶8a,8bの動作が指示されていないと判定した場合(ステップBS605:NO)、ステップBS606の処理によってサブ液晶8a,8bの動作パターンがランプRAMに設定されているか否かを判定する(ステップBS608)。
ランプCPUは、サブ液晶8a,8bの動作パターンが設定されていると判定した場合(ステップBS608:YES)、ステップBS601の処理によって画像音響制御基板140から受信した画像音響制御に関するデータに基づいて、サブ液晶8a,8bの動作タイミングであるか否かを判定する(ステップBS609)。具体的には、例えば図31(A)に示される合体演出と図31(D)に示される合体演出とを行う動作パターンデータがランプRAMにセットされている場合、画像音響制御に関するデータに基づいて、これら2つの合体演出のいずれかの開始タイミングになったか否かを判定する。
ランプCPUは、サブ液晶8a,8bの動作開始タイミングであると判定した場合(ステップBS609:YES)、サブ液晶8a,8bの動作制御を開始する(ステップBS610)。具体的には、サブ液晶8a,8bを初期位置から合体位置へと移動させ、所定時間(例えば2秒)が経過した後に初期値に戻す動作を実現するための第1ステッピングモータ38a及び第2ステッピングモータ38bの駆動制御を開始する。
ランプCPUは、ステップBS610の処理を実行した場合、サブ液晶8a,8bの動作パターンが設定されていないと判定した場合(ステップBS608:NO)、又はサブ液晶8a,8bの動作開始タイミングではないと判定した場合(ステップBS609:NO)、演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップBS611)。
ランプCPUは、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップBS611:YES)、ステップBS604の処理で開始した盤ランプ25及び枠ランプ37の発光制御を終了する(ステップBS612)。
[変形例における演出制御基板130による予告演出パターン設定処理]
次に、図35に示したステップアップ予告演出の演出パターンを設定する処理について説明する。図42は、変形例におけるステップBS106の予告演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。
まず、CPU131は、上記ステップBS1061と同様に、ステップアップ予告演出を除く擬似連続予告演出や群予告などの各種予告演出に関する設定処理を行う(ステップBS1161)。具体的には、CPU131は、擬似連続予告演出、又は、群予告演出を行うか否かを決定する。そして、擬似連続予告演出、又は、群予告演出を行うと決定した場合、CPU131は、決定した演出の詳細を設定する。
ステップBS1161に続いて、CPU131は、ステップアップ予告演出を行うか否かを決定する(ステップBS1162)。具体的には、CPU131は、変動開始コマンドに含まれている設定情報(大当たりか否かの情報、特別図柄の変動パターンの情報等)に基づいて、ステップアップ予告演出を行うか否かを決定する。
ステップアップ予告演出を行わないと決定した場合(ステップBS1163:NO)、CPU131は、図42に示す処理を終了する。
一方、ステップアップ予告演出を行うと決定した場合(ステップBS1163:YES)、CPU131は、変動開始コマンドに含まれている設定情報(大当たりか否かの情報、変動パターンの情報等)に基づいて、ステップアップ予告演出の最終ステップ数を決定する(ステップBS1164)。例えば、特別図柄判定の結果が大当たりである場合は、最大ステップ数が決定されやすく、より高いステップ数が決定されやすい。ステップアップ予告演出は、この処理で決定された最終ステップ数まで行われる。
続いて、CPU131は、示唆演出を行うか否かを判定する(ステップBS1165)。具体的には、CPU131は、次に示す処理を行う。すなわち、上記ステップBS1161において擬似連続予告演出又は群予告を行うと決定されていた場合、所定の抽選を行って当該抽選結果に基づいて、示唆演出を行うか否かを判定する。擬似連続予告演出又は群予告を行うと決定されていた場合、CPU131は、比較的高い確率(例えば、70%)で示唆演出を行うと判定する。一方、擬似連続予告演出又は群予告を行うと決定されていなかった場合、CPU131は、示唆演出を行わないと判定する。このようにして示唆演出を行うか否かが決定されることで、示唆演出は、その後に擬似連続予告演出又は群予告が確実に行われることを示す。
なお、示唆演出は、その後に擬似連続予告演出又は群予告が行われる可能性を示してもよい。この場合、ステップBS1165において、CPU131は、擬似連続予告演出又は群予告を行うと決定されていなかった場合でも、所定の抽選結果に基づいて、示唆演出を行うと判定する。例えば、示唆演出が、擬似連続予告演出が確実に行われることを示す場合は、示唆演出として、図32の<SU4>の右側に示すような「NEXT」と書かれたプレートが表示される。一方、示唆演出が、その後に擬似連続予告演出が行われる可能性を示す場合は、示唆演出として、「NEXT?」と書かれたプレートが表示されてもよい。この「NEXT?」と書かれたプレートがステップアップ予告演出において表示された場合は、その後に所定の確率(例えば、50%)で擬似連続予告演出が行われる。
示唆演出を行わないと判定した場合(ステップBS1165:NO)、CPU131は、図42に示す処理を終了する。
一方、示唆演出を行うと判定した場合(ステップBS1165:YES)、CPU131は、ステップBS1164で決定した最終ステップ数に基づいて、示唆演出を行うステップを決定する(ステップBS1166)。ここでは、ステップBS1164で決定した最終ステップ数以下のステップが決定される。なお、示唆演出を行うステップが複数決定されてもよい。
ステップBS1166に続いて、CPU131は、示唆演出の内容を設定する(ステップBS1167)。具体的には、ステップBS1161で設定された演出の種類(擬似連続予告演出か群予告か)に応じて、示唆演出の内容(表示する画像の種類や表示態様、表示タイミング等)が決定される。以上で、図42に示す処理は終了する。
このように、図42に示す予告演出パターン設定処理では、大当たりか否かの判定結果に基づいてステップアップ予告演出の最終ステップ数が決定される。そして、決定された最終ステップ数に基づいて、ステップアップ予告演出におけるどのステップで示唆演出を行うかが決定される。最終ステップ数に基づいて示唆演出が行われるステップが決定されるため、様々なステップで示唆演出を行うことができ、演出にバリエーションを持たせることができる。
[第2実施形態の作用効果]
以上説明したように、第2実施形態によれば、擬似連続予告演出や群予告などの予告演出が実行される場合にはその旨がステップアップ予告演出によって事前に示唆されることがあるため、遊技者は、実際に予告演出が行われるよりも前に、ステップアップ予告演出が行われた時点で大当たりに対する期待感を抱くことができる。このため、遊技者は、図柄変動終了時までの遊技をより長く楽しむことができる。
また、第2実施形態では、示唆演出を含むステップアップ予告演出が行われた場合には擬似連続予告演出や群予告などの予告演出の演出態様が通常とは異なる態様となる。このため、仮に示唆演出が行われた段階でどの予告演出の実行が指示さされたかが分からなかったとしても、予告演出が実行された際には、その予告演出の態様が通常とは異なっていることに基づいて、示唆演出によって示唆された予告演出がどの演出であるかを容易に把握することができる。また、予告演出のバリエーションが増えることになるため、予告演出の演出効果を高めることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、示唆演出が行われる場合と行われない場合とで予告演出の態様が相異なる場合について説明したが、これら2つの場合において予告演出の態様が共通であってもよい。
また、上記実施形態では、ステップアップ予告演出によって、擬似連続予告演出の開始を示唆する場合について説明したが、例えば擬似1連目の変動演出の実行中に示唆演出を含むステップアップ予告演出を行うことにより、擬似1連目から擬似2連目に発展することを示唆するようにしてもよい。この場合、図31(D)に示されるサブ液晶8a,8bを用いた合体演出に代えて、上記の示唆演出を含むステップアップ予告演出を行うようにすればよい。
また、上記実施形態では、メイン液晶5を用いてステップアップ予告演出を行う場合について説明したが、サブ液晶8a,8bを用いてステップアップ予告演出を行ってもよいし、メイン液晶5及びサブ液晶8a,8bの両方を用いてステップアップ予告演出を行ってもよい。また、スピーカ24を用いてステップアップ予告演出を行ってもよい。
また、上記実施形態では、説明を容易に行うために、ステップアップ予告演出、擬似連続予告演出、及び群予告がそれぞれ1種類である場合について説明したが、これらの各予告演出は、それぞれ複数種類のパターンが設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、本発明における所定演出が擬似連続予行演出や群予告である場合について説明したが、所定演出がこれら以外の演出(例えばカットイン予告)であってもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の表示態様の画面であってもよい。
[第3実施形態の遊技機の演出概要]
次に、図43〜図57を参照して、第3実施形態(以下「本実施形態」ということがある)のパチンコ遊技機1における演出について説明する。図43は、第3実施形態に係るパチンコ遊技機1において行われる演出の流れを示す図である。本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄判定の保留を示す保留画像の表示態様を変化させる保留先読み予告演出が行われる。保留先読み予告演出は、保留された特別図柄判定の権利に対して事前に大当たりか否か等の判定を行い、当該権利に係る特別図柄の変動が行われる前にその特別図柄判定の結果を予告する演出である。
図43に示すように、特別図柄が変動している間に保留入賞する場合がある(ステップCS10)。具体的には、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動中に、遊技球が第1始動口11に入賞すると第1特別図柄判定の権利が保留される。なお、遊技球が第2始動口12に入賞した場合においても、当該入賞に係る特別図柄判定(第2特別図柄判定)の権利は保留されて、後述する演出が行われてもよい。ここでは、第1始動口11への入賞に基づく保留についての演出について説明する。
保留入賞すると、この保留に対する事前判定が行われる(ステップCS11)。具体的には、遊技球が第1始動口11に入賞したときに取得された各種乱数(後述する大当たり乱数、図柄乱数、変動パターン乱数等)に基づいて、保留された特別図柄判定の権利が大当たりか否か、大当たりである場合の大当たりの種類(大当たり図柄)、保留された特別図柄判定の権利が消化されて当該権利に係る特別図柄の変動が行われるときの演出の内容、等が判定される。
ステップCS11に続いて、現在の特別図柄判定の保留数が、例えば2以上であるか否かが判定される(ステップCS12)。保留数が2以上である場合(ステップCS12:YES)、上記事前判定の結果に基づいて、保留先読み予告演出を行うか否かが判定される(ステップCS13)。具体的には、事前判定の結果に基づいて、乱数を用いた抽選を行うことにより、保留先読み予告演出を行うか否かが判定される。例えば、事前判定の結果、保留された特別図柄判定の権利が大当たりである場合、保留先読み予告演出を行うと判定される確率が高い。
保留先読み予告演出を行うと判定された場合(ステップCS13:YES)、保留先読み予告演出が実行される(ステップCS14)。ここでは、複数の特別図柄の変動にわたる一連の演出が行われる。具体的には、保留先読み予告演出として、ステップCS10で保留された特別図柄判定の権利に対応する保留画像の表示態様を段階的に変化させる演出が行われる。より具体的には、保留先読み予告演出では、当該演出の開始からの特別図柄の変動回数に応じて、保留画像の表示態様が段階的に変化する。
一方、ステップCS12でNOと判定された場合、又はステップCS13でNOと判定された場合、保留先読み予告演出は実行されない。
なお、ステップCS12の処理とステップCS13の処理は順序が逆であってもよい。
このように、本実施形態では、保留先読み予告演出は保留数が所定以上である場合に実行され、所定未満である場合は実行されない。本実施形態の保留先読み予告演出では、複数の特別図柄の変動にわたる一連の演出が行われる(詳細は後述する)。一連の演出では、保留画像の表示態様が段階的に変化される。保留数が所定以上無い場合は、一連の演出を行うための時間を確保することができないため、本実施形態では、保留数が所定以上である場合に一連の演出を行う。
次に、図44から図48を参照して、本実施形態の保留先読み予告演出の一例について説明する。図44は、特別図柄の変動中に遊技球が第1始動口11に入賞して特別図柄判定の権利が保留される様子を示す図である。
図44に示すように、特別図柄が変動している間、メイン液晶5には装飾図柄51が変動表示される。装飾図柄51は、特別図柄の変動に応じて変動し、特別図柄の停止に応じて停止する。装飾図柄51は、3つの領域51a、51b、51cに表示される装飾図柄によって構成され、例えば、同じ種類の装飾図柄が3つ揃った場合には、大当たりとなる。
メイン液晶5には、第1特別図柄判定の権利の保留を示す保留画像(521〜523)が表示される。図44(A)では、特別図柄が変動中であって、第1特別図柄判定の権利が3つ保留されている。なお、第2特別図柄判定の権利の保留を示す保留画像もメイン液晶5に表示される。また、メイン液晶5には、特別図柄の変動開始時に保留が消化される保留消化領域55が設けられる。
図44(B)に示すように、特別図柄の変動中に遊技球が第1始動口11に入賞してさらに1つの特別図柄判定の権利が保留されると、保留画像524が追加される。この保留入賞の際に事前判定が行われる。そして、変動中の特別図柄が停止してハズレが報知される(図44(C))。
次に、図44に示す演出の後に行われる演出について、図45〜図48を参照して説明する。なお、図45〜図48の演出が行われている間、新たな保留入賞は無いものとする。図45は、図44に示す演出に続いて行われる演出の一例を示す図であり、保留先読み予告演出が行われる場合の1変動目の演出を示す図である。図46は、図45に示す演出に続いて行われる演出の一例を示す図であり、保留先読み予告演出が行われる場合の2変動目の演出を示す図である。図47は、図46に示す演出に続いて行われる演出の一例を示す図であり、保留先読み予告演出が行われる場合の3変動目の演出を示す図である。
図45(A)に示すように、1回目の特別図柄の変動が開始すると、装飾図柄51が変動開始し、保留画像521が保留消化領域55に移動するとともに、他の保留画像522〜524も画面の右方向に移動する。すると、保留画像524の表示態様が変化する(図44(B))。例えば、保留画像524は、バス停を示す画像に変化する。なお、保留消化領域55に移動した保留画像521は、変動開始後の所定期間が経過すると消滅する。さらに所定時間が経過すると、1回目の特別図柄の変動が終了して、ハズレが報知される(図45(C))。
次に、図46(A)に示すように、2回目の特別図柄の変動が開始すると、装飾図柄51が変動開始し、保留画像522が保留消化領域55に移動するとともに、他の保留画像523〜524も画面の右方向に移動する。その後、メイン液晶5の画面には、バス53の画像が表示される(図46(B))。バス53は、画面上を移動しながら、バス停の画像である保留画像524まで到達し、保留画像524として、バス停の画像がバス53に変化する場合がある(図46(C))。すなわち、保留画像524の表示態様が、バス停の画像からバス53の画像に変化する。その後、2回目の特別図柄の変動が終了する。
なお、図46(C)において、バス53が停止せずにバス停を通過する場合もある。この場合は、保留画像524はバス53の画像に変化せずに、バス停の画像のままとなる。すなわち、バス53が登場してバス停に向かって移動する演出は、保留画像524がバス53に変化するか否かを遊技者に期待させる演出である。
次に、図47(A)に示すように、3回目の特別図柄の変動が開始すると、装飾図柄51が変動開始し、保留画像523が保留消化領域55に移動するとともに、保留画像524(バス53)が右方向に移動する。その後、3変動目の特別図柄の変動中に、バス53からキャラクタ54が降りる様子が表示される場合がある(図47(B))。
バス53からキャラクタ54が降りると、バス53は消滅してキャラクタ54に変化する(図47(C))。すなわち、保留画像524としてのバス53が、キャラクタ54に変化する。そして、3変動目が終了して4変動目が開始すると、保留画像524としてのキャラクタ54が、保留消化領域55に移動する。
なお、図47において、キャラクタ54が登場しない場合もある。例えば、図47(B)のように、バス53からキャラクタ54が降りる様子が表示されなかったり、バス53からキャラクタ54が降りようとする様子が表示されるが、途中でキャラクタ54がバス53に戻り、結果的にバス53がキャラクタ54に変化しない場合がある。このように、バス53からキャラクタ54に変化しない場合は、大当たりとなる信頼度は比較的低い。
なお、保留画像524がバス53の画像からキャラクタ54の画像に変化するタイミングは、図47に示すように、当該保留画像524に対応する変動が開始する前に限らない。
図48は、図46に示す演出に続いて行われる演出の他の例を示す図であり、保留先読み予告演出が行われる場合の3変動目及び4変動目における演出を示す図である。
図48(A)に示すように、3回目の特別図柄の変動が開始すると、装飾図柄51が変動開始し、保留画像523が保留消化領域55に移動するとともに、保留画像524(バス53)が右方向に移動する。その後、3変動目の特別図柄の変動中には、保留画像524には変化が無く、3変動目が終了する場合がある(図48(B))。
次に、図48(C)に示すように、4変動目の開始時に、保留画像524としてのバス53が保留消化領域55に移動し、その後、当該バス53からキャラクタ54が降りる様子が表示される場合がある。すると、保留画像524はキャラクタ54に変化する。所定時間経過すると、保留消化領域55のキャラクタ54は消滅する。
以上、図44〜図47(又は図48)に示したように、本実施形態では、事前判定の結果に基づいて、保留画像の表示態様が特別図柄の変動に応じて段階的に変化する一連の演出が行われる。具体的には、一連の演出は複数の特別図柄の変動にわたって行われ、保留数が所定以上の場合に行われる。
なお、保留画像は、事前判定の結果に基づいて、上述のように表示態様が段階的に変化する場合と、変化しない場合とがある。図49は、一連の演出における各段階の演出パターンを示す図である。
図49に示すように、第1段階(図45に示す1変動目)の演出では、保留画像がバス停の画像に変化する。例えば、特別図柄の変動中に保留入賞した場合に、次の変動が開始されたことに応じて保留画像がバス停の画像に変化する。また、保留入賞した時点で当該入賞に係る保留画像がバス停の画像に変化してもよい。
次の第2段階(2変動目)の演出では、バス53が出現した後にバス53がバス停に停止せずに通過する(又はバス53が出現しない)場合と、バス53が出現した後にバス53がバス停の画像である保留画像まで移動して停止する場合とがある。第2段階においてバス53が停止せずに通過すると、保留画像はバス停のままとなる。この場合、バス53からキャラクタ54が降りるか否かの演出である第3段階の演出へは進まない。一方、バス53がバス停に停止すると、保留画像はバス停からバス53に変化する。そして、第3段階の演出が行われる。
第3段階(3変動目)では、保留画像がキャラクタ54の画像に変化しない場合と、保留画像がキャラクタ54に変化する場合とがある。保留画像がキャラクタ54の画像に変化した場合、その保留に係る特別図柄の変動において大当たりとなる信頼度(確率)が高いことを示す。本実施形態の遊技機1には、キャラクタ54が複数用意されており、登場するキャラクタの種類によって、信頼度が異なる。一方、保留画像がキャラクタの画像に変化しない場合は、保留画像はバス53のままであり、キャラクタ54に変化する場合よりも信頼度は低い。また、保留画像がバス停にしか変化しない場合は、信頼度は低い。なお、各段階における画像の色や模様によっても信頼度は異なる。
このような一連の演出の各段階において保留画像が変化するか否かは、事前判定の結果に基づいて予め定められる。すなわち、事前判定の結果に基づいて最終的な保留画像の表示態様、及び、それに至るまでの過程を決定し、特別図柄の変動に応じて、保留画像を段階的に変化させる。なお、各段階において保留画像を変化させるか否かを抽選によって決定してもよい。例えば、1変動目において保留画像を通常の画像からバス停の画像に変化させるか否かを抽選により決定し、バス停の画像に変化させた場合、2変動目においてバス停の画像をバス53の画像に変化させるか否かの抽選を行ってもよい。
また、上記一連の演出では特別図柄が1回変動することに応じて、1段階の演出が行われる例について説明したが、1回の変動において複数段階の演出が行われてもよいし、複数の特別図柄の変動のうちのどの変動で保留画像を変化させるかは任意に定められてもよい。例えば、1変動目では、保留画像がバス停に変化し、2変動目ではバス停からバスに変化せずに、3変動目においてバス停からバスに変化して、さらにバスからキャラクタに変化してもよい。また、1変動目では、保留画像がバス停に変化し、2変動目では変化せずに、3変動目においてバス停からバスに変化してもよい。
以上のような演出が行われることにより、保留画像の表示態様が段階的に変化することで、その保留画像に係る特別図柄の変動が行われる際の大当たりに対する遊技者の期待感を高めることができる。本実施形態では、保留数が所定以上の場合に上記一連の演出が行われるため、一連の演出を行うための時間を確保することができる。
なお、保留入賞して事前判定を行う場合において、現時点の保留数が所定未満である場合、上記一連の演出によって保留画像が段階的に変化して最終段階の表示態様に変化(キャラクタ画像に変化)する代わりに、先読み対象の保留消化時に、保留画像が最終段階の表示態様に変化してもよい。
図50は、一連の演出が行われない場合において先読み対象の保留画像が変動開始時に最終段階の表示態様に変化する様子を示す図である。図50に示すように、保留が無い場合の特別図柄の変動中に遊技球が第1始動口11に入賞して1つの特別図柄判定の権利が保留された場合、当該保留に対して事前判定(先読み)が行われる。
この場合、保留数は2以上ではないため上述したような保留画像が段階的に変化する一連の演出は行われない。しかしながら、この事前判定の結果が特定の結果である場合、次の特別図柄の変動開始に応じて保留画像が保留消化領域55に移動した後に、保留画像が通常の表示態様から最終的な表示態様(キャラクタの画像)に変化することがある。例えば、特定の結果とは、仮に保留数が2以上であったなら上記一連の演出が行われる(例えば、当該保留が大当たりであることや大当たりとなる信頼度の高い演出が行われる)と判定された場合である。
このように、保留数が所定以上でない場合であっても、保留消化時に保留画像が最終段階の表示態様に突然変化する場合がある。これにより、保留数が所定以上でない場合であっても遊技者に大当たりとなることを期待させることができる。
以下、上述した画像を用いて保留画像を変化させる他の演出について説明する。
図51は、第3実施形態における他の演出を示す図であり、事前判定の結果に基づいて保留画像が変化する演出の一例を示す図である。
図51(A)に示すように、保留画像521に係る特別図柄の変動に応じて、保留画像521が保留消化領域55に移動するとともに、装飾図柄51の変動表示が開始される。特別図柄の変動中に、例えば第1始動口11に遊技球が入賞すると、入賞に係る特別図柄判定が保留され、保留画像523としてメイン液晶5に表示される(図51(B))。このとき、図51(B)に示すように保留画像523は、事前判定の結果に基づいて通常とは異なる画像(バス停を示す画像)に変化する(通常の保留画像が表示されてからバス停の画像に変化してもよいし、入賞時にバス停の画像が保留画像523として追加表示されてもよい)。
続いて、特別図柄の変動中に、例えば画面の左端からバス53の画像が出現し、画面の右方向に向かって移動する(図51(C))。すなわち、バス53がバス停(保留画像523)に向かって移動する。そして、バス53が、バス停(保留画像523)に到着し、当該バス53が停止する(図51(D))。ここで、バス53は、特別図柄判定の保留を示す保留画像ではなく、単なる演出の一部としての画像であり、保留を示す保留画像523はバス停である。
次に、バス53からキャラクタ54が降りる様子が表示される(図51(E))。この時点では、キャラクタ54は、特別図柄判定の保留を示す保留画像ではなく、単なる演出の一部としての画像であり、保留を示す保留画像523はバス停である。バス53からキャラクタ54が出現すると、バス53は、図51(F)に示すように画面の右方向に移動に移動して画面から消える。なお、図51(E)において、バス53がキャラクタ54に変化してもよい。すなわち、バス53からキャラクタ54が出現すると、バス53は画面の右方向に移動せずに、画面から消えてもよい。
キャラクタ54がバス53から出現すると、キャラクタ54は、バス停(保留画像523)から遠ざかったり、バス停に近づいたりする(図51(F)及び図51(G))。このキャラクタ54がバス停に近づく演出は、バス停(保留画像523)がキャラクタ54に変化するか否かの演出であり、バス停(保留画像523)がキャラクタ54に変化することを遊技者に期待させる演出である。このような演出をここでは「変化煽り演出」という。
そして、図51(F)及び図51(G)の変化煽り演出の結果、キャラクタ54がバス停(保留画像523)に近づき、バス停がキャラクタ54に変化する(図51(H))。この時点で、キャラクタ54は、特別図柄判定の保留を示す保留画像であり、バス停がキャラクタ54に変化した時点でバス停の画像は画面から消える。
保留画像としてのバス停がキャラクタ54に変化することは、その保留に係る特別図柄判定が大当たりである可能性が高いことを示す。すなわち、図49と同様に、保留画像としてのバス停よりもキャラクタ54の方が、大当たりに対する信頼度(期待度)が高い。なお、キャラクタ54には複数の種類があり、出現する(変化する)キャラクタ54の種類に応じて、大当たりに対する期待度が異なる。例えば、キャラクタ54aとキャラクタ54bの2種類があり、バス停がキャラクタ54bに変化した方が、キャラクタ54aに変化した場合よりも期待度は高い。
このように、事前判定の結果に基づいて保留画像が変化する演出が行われる。具体的には、保留画像がオブジェクトA(バス停)に変化し、当該オブジェクトAに関連する他のオブジェクトB(バス)がオブジェクトA(バス停)に向かって移動する。そして、オブジェクトAとオブジェクトBとが所定の位置関係になった後、オブジェクトAからオブジェクトC(キャラクタ54)が出現する。そして、保留画像としてのオブジェクトAがオブジェクトCに変化する。
図52は、第3実施形態における他の演出を示す図であり、保留画像が変化しない演出の一例を示す図である。
図52(A)〜図52(F)については、図51(A)〜図51(F)と同様の演出である。すなわち、バス53からキャラクタ54が出現して、バス停(保留画像523)がキャラクタ54に変化するか否かの変化煽り演出が行われる(図52(F))。
ここで、図52(G)に示すように、キャラクタ54は、バス停(保留画像523)からより遠ざかり、画面から消える。その結果、バス停(保留画像523)はキャラクタ54に変化しない(図52(H))。すなわち、図52では、保留画像がキャラクタ54に変化するか否かの変化煽り演出の後、保留画像はキャラクタ54に変化しない。この場合、保留画像523に係る保留の大当たりに対する期待度は、保留画像523がキャラクタ54に変化する場合よりも低い。
以上のように、変化煽り演出によってバス停(保留画像523)がより期待度の高いキャラクタ54に変化することを遊技者に期待させることができる。
なお、図51および図52で示した演出は、特別図柄判定の保留の数にかかわらず事前判定の結果に基づいて行われてもよいし、上記のように特別図柄判定の保留の数によってその実行が制限されてもよい。
また、図51および図52で示した演出では、バス53がバス停(保留画像)の位置に到達した場合に、バス53からキャラクタ54を出現させたが、バス53がバス停の位置に到達した場合に、バス53がキャラクタ54に変化してもよい。そして、当該キャラクタ54が、保留画像に変化するか否かの演出を行ってもよい。
また、上述した演出において用いられる画像は他の任意の画像であってもよい。
また、図44〜図48、図51又は図52に示す事前判定の結果に基づく演出は、特定の条件が満たされているときだけ行われるようにしてもよい。ここで、特定の条件としては、例えば、RTC134が計時する日時に基づいてもよいし、電源投入からの経過時間に基づいてもよい。また、特定の条件は、現在変動中の特別図柄に係る特別図柄判定の結果に基づいてもよい。また、特定の条件が満たされている場合は、図52に示す演出(変化煽り演出の後に変化しない演出)の実行確率を特定の条件が満たされていない場合よりも高く(又は低く)してもよい。図51に示す保留画像がキャラクタ54に変化する演出は、保留に対する事前判定の結果が大当たりであったり、その保留に係る特別図柄の変動において期待度の高い演出が行われる場合に、所定の抽選の結果に応じて行われる。一方、図52に示す保留画像がキャラクタ54に変化しない演出は、保留に対する事前判定の結果がハズレであったり、その保留に係る特別図柄の変動において期待度の高い演出が行われない場合でも、所定の抽選結果に応じて行われる。特定の条件が満たされている場合は、上記所定の抽選において、図52(図51も)に示す演出を行うと判定する確率を高く(又は低く)することで、例えば、特定の期間においては、図52に示す演出の実行頻度を高く(又は低く)することができ、特定の期間において保留画像が変化するか否かを遊技者に期待させることができる。
[第3実施形態の演出制御基板130による演出制御処理]
次に、上述した遊技制御基板100からの各種コマンドに基づいた演出制御の詳細について図53〜図57を参照して説明する。
図53は、第3実施形態の演出制御基板130において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、図53〜図57に示す処理を演出制御基板130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のCPU131は、図53に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
演出制御基板130は、コマンド制御処理を実行する(ステップCS1001)。コマンド制御処理は、遊技制御基板100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、演出制御基板130は、遊技制御基板100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に実行させるためのコマンドを生成する。そして生成したコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。また、演出制御基板130は、演出ボタン26や演出キー27に対する操作に応じたコマンド(次のステップCS1002)を送信する。このコマンドに応じて画像音響制御基板140及びランプ制御基板150は、所定の演出を実行する。このコマンド制御処理の詳細については、図54に基づいて後に詳述する。
ステップCS1001の処理に続いて、演出制御基板130は、操作受付処理を実行する(ステップCS1002)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。以上で、図53に示す処理は終了する。
[演出制御基板130によるコマンド制御処理]
以下、図54を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるコマンド制御処理について説明する。ここで、図54は、図53のステップCS1001におけるコマンド制御処理の詳細フローチャートである。
まず、演出制御基板130は、遊技制御基板100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップCS1301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップCS1301:YES)、演出制御基板130は、事前判定処理を実行する(ステップCS1302)。
ステップCS1302の処理では、演出制御基板130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて演出の内容を決定して実行する。事前判定処理については後に詳述する。
ステップCS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップCS1301:NO)、演出制御基板130は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップCS1303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップCS1303:YES)、演出制御基板130は、変動開始処理を実行する(ステップCS1304)。ここでは、演出制御基板130は、受信した変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動に伴って行われる演出を決定し、決定した演出を開始する。変動開始処理については後に詳述する。
ステップCS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップCS1303:NO)、演出制御基板130は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップCS1305)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップCS1305:YES)、演出制御基板130は、変動終了処理を実行する(ステップCS1306)。変動終了処理では、演出制御基板130は、例えばメイン液晶5に変動表示されている装飾図柄51を停止表示させて、変動演出を終了させる。
ステップCS1306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップCS1305:NO)、演出制御基板130は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップCS1307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップCS1307:YES)、演出制御基板130は、オープニング処理を実行する(ステップCS1308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出、および大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。演出制御基板130は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出や大当たり演出の内容を決定し、これらの演出を画像音響制御基板140やランプ制御基板150に実行させる。
ステップCS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップCS1307:NO)、演出制御基板130は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップCS1309)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップCS1309:YES)、演出制御基板130は、エンディング処理を実行する(ステップCS1310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定する処理である。演出制御基板130は、エンディング処理の結果を示すコマンドを画像音響制御基板140やランプ制御基板150に送信してエンディング演出を実行させる。
ステップCS1310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップCS1309:NO)、演出制御基板130は、図54に示す処理を終了する。
以上のように、遊技制御基板100からのコマンドに基づいて、演出制御基板130による演出制御が行われる。
[演出制御基板130による事前判定処理]
以下、図54のステップCS1302の事前判定処理の詳細について説明する。図55は、図54のステップCS1302の事前判定処理の詳細を示すフローチャートである。
演出制御基板130は、まず、現在の保留数に1を加算する(ステップCS1321)。演出制御基板130は、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定のそれぞれの保留数をRAM133に記憶しており、保留コマンドの受信に応じて保留数を1だけ増加させ、変動開始コマンドの受信に応じて当該保留数を1だけ減算させる。次に、演出制御基板130は、受信した保留コマンドを解析し(ステップCS1322)、解析結果に基づいて、事前判定を行う(ステップCS1323)。具体的には、演出制御基板130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、この保留コマンドに係る特別図柄の変動において大当たりとなるか否か、大当たりの種類、変動パターン、特別図柄が変動する際の変動演出の内容等を判定する。
ステップCS1323に続いて、演出制御基板130は、保留数が2以上か否かを判定する(ステップCS1324)。保留数が2以上の場合(ステップCS1324:YES)、演出制御基板130は、一連の演出を実行するか否かを判定する(ステップCS1325)。具体的には、演出制御基板130は、ステップCS1323の事前判定の結果に基づいて、図45〜図47(又は、図51あるいは図52)に示した一連の演出を行うか否かを、乱数を用いた抽選によって判定する。
例えば、演出制御基板130は、受信した保留コマンドに係る保留が大当たりである場合、ハズレである場合よりも高い確率で一連の演出を実行すると判定する。なお、演出制御基板130は、受信した保留コマンドに係る保留よりも前に消化される保留に大当たりがある場合、一連の演出を行わないと判定してもよい。すなわち、今回の保留コマンドの受信よりも前に、既に大当たりとなる特別図柄判定の権利が保留されている場合は、今回の保留コマンドに係る保留画像を段階的に変化させる一連の演出を行わないようにしてもよい。
一連の演出を実行すると判定した場合(ステップCS1325:YES)、演出制御基板130は、一連の演出における演出の内容を決定する(ステップCS1326)。具体的には、演出制御基板130は、事前判定の結果に基づいて、一連の演出のうちのどの段階までの演出を行うか、各段階における演出の詳細な態様等を決定する。本実施形態では、一連の演出の段階が進むほど大当たりに対する信頼度が高くなる。また、各段階における演出の態様によっても信頼度は異なる。ステップCS1326において、演出制御基板130は、事前判定の結果に基づいて、これら一連の演出の詳細な内容を決定してRAM133に記憶する。
例えば、ステップCS1323の事前判定の結果、大当たりである場合には、ハズレである場合よりも最終段階まで演出を行うと判定される確率が高い。また、例えば、第1段階におけるバス停の画像の色や、第2段階において出現するバス53の色、最終段階のキャラクタ54の種類等が複数用意されている。演出制御基板130は、事前判定の結果に基づいて、これらの中から何れの画像を用いて各段階の演出を行うかを決定する。例えば、バス53の色が赤である場合は青である場合よりも信頼度は高い。
ステップCS1326に続いて、演出制御基板130は、一連の演出の段階を示す変数N(Nは正の整数)に0を設定するとともに、変数Mに保留数を設定する(ステップCS1327)。変数Mは、一連の演出が行われる期間(特別図柄の変動回数)を定める変数である。そして、演出制御基板130は、一連の演出が実行中で有ることを示す演出フラグFをONに設定する(ステップCS1328)。
一方、ステップCS1324において、保留数が2以上であると判定しなかった場合(ステップCS1324:NO)、演出制御基板130は、今回受信した保留コマンドに係る特別図柄の変動が開始される際の保留画像の表示態様を決定する(ステップCS1330)。具体的には、演出制御基板130は、ステップCS1323の事前判定の結果に基づいて、保留画像をキャラクタ54の画像に変化させるか否かを判定し、判定結果に応じて変動開始時の保留画像の表示態様を決定し、決定した表示態様を示す情報をRAM133に記憶する。
ステップCS1328の処理を行った場合、ステップCS1325でNOと判定した場合、又は、ステップCS1330の処理を行った場合、演出制御基板130は、今回受信した保留コマンドに係る保留画像をメイン液晶5に表示させる(ステップCS1329)。以上で、図55の処理は終了する。
[演出制御基板130による変動開始処理]
以下、図54のステップCS1304の変動開始処理の詳細について説明する。図56は、図54のステップCS1304の変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図56に示すように、演出制御基板130は、変動開始コマンドを解析し(ステップCS1341)、変動開始コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、大当たりの種類、変動パターン等に基づいて、特別図柄の変動に伴って行われる装飾図柄51等を用いた変動演出の内容を決定する(ステップCS1342)。
そして、演出制御基板130は、決定した変動演出の実行を開始する(ステップCS1343)。具体的には、演出制御基板130は、決定した変動演出を実行させるためのコマンドを画像音響制御基板140やランプ制御基板150に対して送信することにより、変動演出を開始させる。
次に、演出制御基板130は、保留表示制御処理を実行する(ステップCS1344)。保留表示制御処理は、上述した一連の演出を行うための処理であり、保留画像の表示態様を変化させる処理である。この表示制御処理の後、演出制御基板130は、図56に示す処理を終了する。
[演出制御基板130による保留表示制御処理]
以下、図56のステップCS1344の保留表示制御処理の詳細について説明する。図57は、図56のステップCS1344の保留表示制御処理の詳細を示すフローチャートである。
図57に示すように、演出制御基板130は、RAM133に記憶している保留数を1減算するとともに、表示中の保留画像を移動させる(ステップCS1351)。具体的には、今回の変動に係る保留画像を保留消化領域55に移動に移動させるとともに、その他の保留画像を右方向にシフトさせる。
次に、演出制御基板130は、演出フラグFがONか否かを判定する(ステップCS1352)。演出フラグFがONである場合(ステップCS1352:YES)、演出制御基板130は、変数Nに1を加算するとともに、変数Mを1だけ減算する(ステップCS1353)。
ステップCS1353に続いて、演出制御基板130は、第N段階の演出を行うか否かを判定する(ステップCS1354)。具体的には、演出制御基板130は、図55のステップCS1326において決定した演出の内容に基づいて、第N段階の演出を行うか否かを判定する。上述のように、どの段階までの演出を行うかについてはステップCS1326において既に決定されて記憶されている。
第N段階の演出を行うと判定した場合(ステップCS1354:YES)、演出制御基板130は、第N段階に応じた演出を実行する(ステップCS1355)。具体的には、演出制御基板130は、ステップCS1326において決定した演出の内容に基づいて、第N段階の演出を実行する。例えば、第1段階の演出では、演出制御基板130は、保留画像をバス停の画像に変更させるためのコマンドを画像音響制御基板140に対して送信することにより、保留画像を通常の画像からバス停の画像に変化させる。この場合において、ステップCS1326において決定した演出の内容に応じた画像を表示させる。また、例えば、第2段階の演出では、演出制御基板130は、バス53をメイン液晶5に表示させて、バス停の画像に停止させる演出を行う。
ステップCS1355の処理を行った場合、又は、ステップCS1354でNOと判定した場合、演出制御基板130は、変数Mが0か否かを判定する(ステップCS1356)。変数Mが0と判定した場合(ステップCS1356:YES)、演出制御基板130は、演出フラグFをOFFに設定する(ステップCS1357)。これにより、保留画像を段階的に変化させる一連の演出は終了される。一方、変数Mが0でないと判定した場合(ステップCS1356:NO)、演出制御基板130は、図57に示す処理を終了する。
一方、ステップCS1352でNOと判定した場合、演出制御基板130は、保留消化領域55に表示された保留画像の表示態様を変化させるか否かを判定する(ステップCS1358)。例えば、図55のステップCS1330において変動開始時の保留画像の表示態様としてキャラクタの画像が決定されている場合、演出制御基板130は、保留消化領域55の保留画像を変化させると判定する。
保留消化領域55の保留画像を変化させると判定した場合(ステップCS1358:YES)、演出制御基板130は、保留消化領域55の保留画像の表示態様を変化させる(ステップCS1359)。具体的には、演出制御基板130は、ステップCS1330において決定された表示態様に保留画像を変化させる。
ステップCS1357の処理を行った場合、ステップCS1356でNOと判定した場合、ステップCS1358でNOと判定した場合、又は、ステップCS1359の処理を行った場合、演出制御基板130は、図57に示す処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、保留入賞に応じて事前判定を行い、保留数が所定以上の場合には、保留画像を段階的に変化させる一連の演出が行われる。保留数が所定未満の場合には、一連の演出を行う代わりに、保留消化の際に保留画像を最終段階の表示態様に変化させる。このような演出を行うことにより、一連の演出を行うための時間を確保しつつ、段階的に遊技者の期待感を高める演出を行うことができる。
また、保留数が所定未満である場合においても変動開始時に保留画像が最終段階の表示態様に変化するため、保留画像が途中で変化しない場合でも変動開始時に変化するかも知れないという期待感を遊技者に抱かせることができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、上記一連の演出は、第1特別図柄判定の権利を示す保留画像を用いて行われたが、第2特別図柄判定の権利を示す保留画像を用いて行われてもよい。
また、上記実施形態では、上記一連の演出は、複数の第1特別図柄の変動(第1始動口11への入賞に係る変動)にわたって行われたが、複数の第2特別図柄の変動にわたって行われてもよいし、第1特別図柄及び第2特別図柄を合わせた複数の特別図柄の変動において行われてもよい。
例えば、第1始動口11および第2始動口12の手前に遊技球を振り分ける部材を配置してもよい。1個目の遊技球が当該部材を通過した場合は第1始動口11に入賞し、次に2個目の遊技球が当該部材を通過した場合は第2始動口12に入賞するように、当該部材は構成されている。このような部材によって、遊技球が交互に第1始動口11および第2始動口12に入賞する。このような構成の遊技機において、例えば、保留数が5以上の場合に一連の演出を行ってもよく、5回の特別図柄の変動にわたって段階的に保留画像の表示態様を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄が変動開始することに応じて段階的に保留画像の表示態様を変化させた。他の実施形態では、特別図柄が変動する間の時間経過に応じて保留画像の表示態様を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、保留数が所定以上の場合に一連の演出を行うこととした。他の実施形態では、特別図柄の変動時間が所定以上の場合に一連の演出を行うようにしてもよい。具体的には、複数の特別図柄の変動にわたって一連の演出を行う場合に、当該複数の特別図柄の総変動時間が所定以上であるか否かを判定し、所定以上である場合は一連の演出を行う。一方、総変動時間が所定未満である場合は一連の演出を行わないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄判定の権利を示す保留画像をメイン液晶5に表示させた。他の実施形態では、保留画像の代わりに、他の表示(例えば、LED等)によって特別図柄判定の権利の保留を示してもよい。この場合において、上述のように、保留を示す保留表示を段階的に変化させてもよい。例えば、保留を示すLEDを点灯させ、LEDの色を変化させることで、保留表示の表示態様を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄判定の結果が大当たりである場合に、大当たり図柄に応じて確変遊技状態に変化する遊技機を想定した。他の実施形態の遊技機では、大当たりとなった場合において、大当たり図柄に応じて所定の入賞口(V入賞口)が大当たり遊技中に開放し、遊技球が当該V入賞口に入賞した場合に、確変遊技状態に移行するように構成されてもよい。このような遊技機では、大当たり図柄の種類に応じて、大当たり遊技中にV入賞口が長開放か短開放し、長開放した場合には遊技球はV入賞口に入賞し、短開放した場合にはほぼ入賞しないように構成されている。そして、このような遊技機において、V入賞口が長開放する大当たりを予告する演出として、上記演出が行われてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[第4実施形態の遊技機の演出概要]
次に、図58〜図76を参照して、第4実施形態のパチンコ遊技機1における演出について説明する。図58は、第4実施形態に係るパチンコ遊技機1において行われる演出の流れを示す図である。本実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾図柄の動きによって以降に行われる演出の内容が異なる。
図58に示すように、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において特別図柄が変動開始すると、メイン液晶5において装飾図柄が変動開始する(ステップDS10)。装飾図柄の変動開始から所定時間経過すると、装飾図柄が仮停止する(ステップDS11)。ここで、仮停止は、装飾図柄が完全には停止していない状態(例えば、上下方向に微変動している状態)であり、特別図柄も変動している状態である。
ステップDS11において装飾図柄が仮停止した後、当該仮停止した装飾図柄が所定方向に回転する。例えば、装飾図柄が仮停止した後、当該仮停止した装飾図柄が停止位置において縦方向を軸として反時計回りに回転する場合がある(ステップDS12)。
装飾図柄が反時計回りに回転すると、回転前とは異なる装飾図柄に変化して仮停止状態となる。その後、第1特定演出が行われる(ステップDS13)。具体的には、第1特定演出として、擬似連続予告演出(擬似連)が行われる。擬似連は、特別図柄の変動中に、装飾図柄を擬似的に変動させてから擬似的に停止(仮停止)させる擬似変動演出が複数回行われる演出である。
一方、ステップDS11において装飾図柄が仮停止した後、当該仮停止した装飾図柄が停止位置において前転する場合がある(ステップDS14)。
装飾図柄が前転すると、回転前とは異なる装飾図柄に変化して仮停止状態となる。その後、第2特定演出が行われる(ステップDS15)。具体的には、第2特定演出として、リーチ演出が行われる。リーチ演出は、3つの装飾図柄のうち、同種の2つ装飾図柄が停止して1つが変動した状態で3つ目の同種の装飾図柄が停止することを遊技者に期待させる演出である。リーチ演出には、複数の種類が存在し、ステップDS15では、これら複数のリーチ演出のうちの何れかが実行される。
また、ステップDS11において装飾図柄が仮停止した後、当該仮停止した装飾図柄が停止位置において縦方向を軸として時計回りに回転する場合がある(ステップDS16)。
装飾図柄が時計回りに回転すると、第3特定演出が行われる。具体的には、装飾図柄が時計回りに回転すると、回転前と同じ装飾図柄にて仮停止状態となり、その後に本停止状態となる(ステップDS17)。より具体的には、ステップDS17において、所定の態様(後述するように、異なる種類であるが同色の図柄がそろったチャンス目)で装飾図柄が本停止する。ここでは、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42において変動中の特別図柄も停止する。そして、次の特別図柄の変動が開始し、当該次の変動、又は、それ以降の変動において所定の演出に発展する(ステップDS18)。第3特定演出では、装飾図柄が所定の態様で停止することが複数回行われてもよい。
次に、図58に示す各演出について説明する。図59は、メイン液晶5において装飾図柄が仮停止してから反時計回りに回転し、その後に第1特定演出(擬似連)が行われる様子を示す図である。
図59に示すように、メイン液晶5には、装飾図柄51と、保留画像521〜522とが表示される。装飾図柄51は、特別図柄の変動に応じて変動し、特別図柄の停止に応じて停止する。装飾図柄51は、3つの領域51a、51b、51cに表示される装飾図柄によって構成され、例えば、同じ種類の装飾図柄が3つ揃った場合には、大当たりとなる。以下では、左領域51aに表示される装飾図柄を左装飾図柄、中領域51bに表示される装飾図柄を中装飾図柄、右領域51cに表示される装飾図柄を右装飾図柄という場合がある。
保留画像521および522は、特別図柄判定の権利の保留を示す画像である。保留画像521は、現在変動中の特別図柄が停止した後に消化される保留を示し、保留画像522は、保留画像521に係る変動が終了した後に消化される保留を示す。図59(A)では、特別図柄が変動開始した直後であって、第1特別図柄判定の権利が2つ保留されている。
装飾図柄51が変動開始してから所定時間経過すると、左領域51aに例えば「8」図柄が仮停止し、当該仮停止した左装飾図柄が縦軸周りに反時計回りに回転する(図59(B))。左装飾図柄が反時計回りに回転すると、回転後の左装飾図柄は、例えば、半円形の画像に変化する(図59(C))。
次に、右領域51cにおいて例えば「5」図柄が仮停止し、当該仮停止した右装飾図柄が縦軸周りに反時計回りに回転する(図59(D))。右装飾図柄が反時計回りに回転すると、回転後の右装飾図柄は、例えば、半円形の画像に変化する(図59(E))。
その後、左右に仮停止した半円形の画像は、画面の中央に向かって移動し(図59(F))、2つの半円形の画像が接して円形の画像となる(図59(G))。ここで、円形の画像は、次の擬似変動が行われることを示す画像であり、2回目の擬似変動が行われることを示す画像である。
そして、次に、3つの領域51a、51b、51cにおいて装飾図柄が再び変動を開始して、2回目の擬似変動が行われる(図59(H))。図59(H)に示すように、2回目の擬似変動が開始されても、保留画像521は消化されておらず(保留画像の数は2つのまま)、現在の特別図柄の変動は終了していない。
図59(H)に示すように2回目の擬似変動が行われた後は、2回目の擬似変動において装飾図柄51が停止して特別図柄判定の結果が報知されてもよいし、2回目の擬似変動の後に装飾図柄51が擬似停止して、さらに3回目の擬似変動が行われてもよい。
このように、装飾図柄が仮停止した後で反時計回りに回転して別の装飾図柄に変化した場合、その後に擬似連続予告演出が行われる。
図60は、メイン液晶5において装飾図柄が仮停止してから前転し、その後に第2特定演出(リーチ演出)が行われる様子を示す図である。
図60(A)に示すように装飾図柄51が変動開始してから所定時間経過すると、左領域51aに例えば「8」図柄が仮停止し、当該仮停止した左装飾図柄が前方向に回転する(図60(B))。左装飾図柄が前方向に回転すると、回転後の左装飾図柄は、例えば、「ソ」図柄に変化する(図60(C))。
次に、右領域51cにおいて例えば「5」図柄が仮停止し、当該仮停止した右装飾図柄が前方向に回転する(図60(D))。右装飾図柄が前方向に回転すると、回転後の右装飾図柄は、例えば、「タ」図柄に変化する(図60(E))。
その後、中領域51bにおいて例えば「3」図柄が仮停止し、当該仮停止した中装飾図柄が前方向に回転する(図60(F))。中装飾図柄が前方向に回転すると、回転後の中装飾図柄は、例えば、「ナ」図柄に変化する(図60(G))。これにより、3つの領域51a、51b、51cにおいて「ソ」、「ナ」、「タ」と書かれた装飾図柄がそれぞれ仮停止する。
「ソ」、「ナ」、「タ」の3つの装飾図柄が仮停止した後、2つの同種の装飾図柄(例えば、「7」図柄)が左右に仮停止してリーチが成立する。以降、リーチ演出として、中領域51bに「7」図柄が停止することを遊技者に期待させる演出が行われる。すなわち、「ソ」、「ナ」、「タ」の3つの装飾図柄が仮停止したことはリーチ演出への発展を示唆する。
このように、装飾図柄が仮停止した後で前転して別の装飾図柄に変化し、「ソ」、「ナ」、「タ」の3つの装飾図柄が仮停止した場合、その後にリーチ演出が行われる。
図61は、メイン液晶5において装飾図柄が仮停止してから時計回りに回転し、その後に第3特定演出が行われる様子を示す図である。
図61(A)に示すように、装飾図柄51が変動開始してから所定時間経過すると、左領域51aに例えば「8」図柄が仮停止し、当該仮停止した左装飾図柄が縦軸周りに時計回りに回転する(図61(B))。左装飾図柄が時計回りに回転すると、回転後の左装飾図柄も回転前と同じ「8」図柄となって仮停止する(図61(C))。ここで、仮停止する「8」図柄は、エフェクトが加えられた図柄となる。
次に、右領域51cにおいて例えば「6」図柄が仮停止し、当該仮停止した右装飾図柄が縦軸周りに時計回りに回転する(図61(D))。右装飾図柄が時計回りに回転すると、回転後の右装飾図柄も回転前と同じ「6」図柄となって仮停止する(図61(E))。ここで、仮停止する「6」図柄は、エフェクトが加えられた図柄となる。
その後、中領域51bにおいて例えば「4」図柄が仮停止し、当該仮停止した中装飾図柄が縦軸周りに時計回りに回転する(図61(F))。中装飾図柄が時計回りに回転すると、回転後の中装飾図柄も回転前と同じ「4」図柄となって仮停止する(図61(G))。ここで、仮停止する「4」図柄は、エフェクトが加えられた図柄となる。
このようにして3つの装飾図柄が仮停止した後、3つの装飾図柄は本停止する(図61(G))。ここでは、装飾図柄51は、完全に停止した状態であり、特別図柄も停止する。
ここで、停止した「8」図柄、「4」図柄、「6」図柄の3つの装飾図柄は、すべて同色(具体的には、青色)の図柄であり、3つの図柄にはエフェクトが加えられる。また、3つの図柄の停止時において所定の音声が出力されてもよい。この3つの同色の図柄が揃ったことは、この特別図柄の変動においてはハズレであったことを示すが、次以降の特別図柄の変動において大当たりとなる期待度が比較的高いことを示す。
図62は、装飾図柄の種類および色と、それぞれの期待度を示す図である。図62に示すように、本実施形態では、全体や数字が青色の装飾図柄として、「2」図柄、「4」図柄、「6」図柄、及び、「8」図柄が用意されている。また、緑色の装飾図柄として、「1」図柄、及び、「5」図柄が用意されている。また、赤色の装飾図柄として、「3」図柄、及び、「7」図柄が用意されている。3つの同種(同じ数字)の図柄がそろって停止しなかった場合でも、これら同色の図柄が停止した場合は、その図柄の色に応じて次以降の特別図柄の変動において大当たりとなる期待度が高くなる。例えば、青図柄は期待度が低く、赤図柄は期待度が高い。
図61に戻り、3つの同色の図柄が停止した後、保留画像521が消化されて当該保留画像521に対応する特別図柄の変動開始に応じて、装飾図柄51が変動開始する(図61(H))。この場合において、メイン液晶5には、所定の色(例えば、青色)の枠画像53が表示される。これにより、同色図柄がそろってチャンス状態になっていることが報知される。
図61(H)に示す次の変動が終了すると、ハズレとなって枠画像53が消えてもよいし、この変動においてさらに同色図柄(例えば、赤色)がそろって停止してもよい。そして、さらに次の変動(保留画像522に対応する特別図柄の変動)では、所定の色(例えば、赤色)の枠画像53が表示されて装飾図柄51が変動して、所定時間経過後に、3つの同種の図柄(例えば、「7」図柄)がそろって大当たりとなる場合がある。
このように、装飾図柄が仮停止した後で時計回りに回転し、第3特定演出が行われる。第3特定演出では、種類は異なるが3つの同色の図柄が本停止する(チャンス状態を示すチャンス目で停止する)。さらにその後の特別図柄の変動では、チャンス状態を示す枠画像53が表示され、所定の演出が行われる。
第3特定演出は、複数の特別図柄の変動にわたって行われる演出である。図63は、複数の特別図柄の変動にわたって行われる第3特定演出を示す図である。
図63に示すように、第3特定演出は、保留画像521に対応する特別図柄の変動、保留画像522に対応する特別図柄の変動、及び、保留画像523に対応する特別図柄の変動において行われる場合がある。具体的には、保留画像521に対応する特別図柄の変動において同色の図柄が本停止し、保留画像522に対応する特別図柄の変動において同色の図柄が本停止する。そして、保留画像523に対応する特別図柄の変動において所定の演出が行われて大当たりとなる場合がある。また、第3特定演出は、2回の特別図柄の変動において行われる場合もあり、1回目の特別図柄の変動において同色の図柄が本停止し、2回目の変動において枠画像53が表示されて所定の演出に発展する場合もある。
なお、図61(G)において、3つの同色の図柄が仮停止して、さらにこれらの3つの図柄が再変動してもよい。すなわち、1回の特別図柄の変動において、上述のような3つの同色の図柄がそろう演出が行われた後に所定の演出が行われてもよい。具体的には、図61(G)において特別図柄は停止せずに装飾図柄51が仮停止し、図61(H)において装飾図柄51が再変動してもよい。
図64は、同色の図柄が仮停止した後に再変動する様子を示す図である。図64(A)に示すように3つの同色の図柄が仮停止した状態では、特別図柄は変動中であり、3つの同色の図柄も、例えば上下方向に微変動している状態である。その後、図64(B)に示すように、装飾図柄51が再変動する(2回目の擬似変動を開始する)。この図64(A)及び図64(B)の演出が行われている間は、特別図柄は変動中であり、保留は消化されない。さらにその後に、3つの同色の図柄が擬似停止して3回目の擬似変動が行われてもよい。
以上のように、本実施形態では、装飾図柄が仮停止した後、当該装飾図柄が所定の方向に回転して別の装飾図柄あるいは同種の装飾図柄に変化する。そして、その後に様々な演出が行われる。このように、本実施形態では、装飾図柄の仮停止後の動作態様(変化態様)によって発展先の演出が異なり、装飾図柄の仮停止後の動作態様によって発展先の演出を示唆することができる。
なお、図59〜図61では、2つあるいは3つの装飾図柄が回転する例について説明したが、3つの装飾図柄のうち、1つあるいは2つだけが回転する場合もある。この場合は、図59〜図61に示すような第1〜第3特定演出へは発展せず、異なる種類の3つの装飾図柄が停止してハズレとなる。例えば、図59において、左装飾図柄のみが回転して半円形の画像に変化し、次に右装飾図柄は回転せずにハズレとなる。また、例えば、図60において、左装飾図柄が前転して「ソ」図柄に変化し、右装飾図柄も前転して「タ」図柄に変化した後、中装飾図柄は前転しない場合がある。この場合は、「ソ」、「ナ」、「タ」の3つの図柄とならないため、そのままハズレとなる。
図65は、第4実施形態の装飾図柄を用いた演出の流れの概要を示す図である。
遊技制御基板100において特別図柄判定が行われると、特別図柄が変動し、所定時間経過後に停止する。特別図柄の変動開始時には、遊技制御基板100から演出制御基板130に対して特別図柄判定の結果を含む変動開始コマンドが送信され、演出制御基板130は、当該変動開始コマンドに基づいて複数の演出の中から何れかの演出を選択して実行する。
図65に示すように、例えば上述の第1〜第3特定演出の何れが行われる場合は、特別図柄の変動が開始されると、装飾図柄が所定の態様で動作する(時計回り、反時計回り、前方向に回転等)か否かの演出(図65では、「動作煽り演出」)が行われ、その後に装飾図柄が所定の態様で動作する。装飾図柄が所定の態様で動作すると、上述のように第1〜第3特定演出の何れかが行われる。例えば、装飾図柄が前方向に回転すると、上記第2特定演出が行われる。そして、第1〜第3特定演出の何れかが行われた後に、大当たり又はハズレが報知される。
一方、上記第1〜第3特定演出の何れもが行われない場合は、図65に示すように、装飾図柄が所定の態様で動作するか否かの演出(動作煽り演出)が行われた後に装飾図柄が所定の態様で動作しない。このような場合は、その後にハズレが報知される。以下では、装飾図柄が所定の態様で動作するか否かの演出が行われた後に装飾図柄が所定の態様で動作しない場合について説明する。
ここで、装飾図柄が所定の態様で動作するか否かの演出を行った後に装飾図柄が所定の態様で動作せずにハズレが報知される演出を「動作無しハズレ演出」と称する。なお、図65に示すように、装飾図柄が所定の態様で動作するか否かの演出が行われずに単純にハズレが報知される場合があり、このような演出を「単純ハズレ演出」と称することがある。
動作無しハズレ演出には、図59〜図61のそれぞれに対応する演出がある。具体的には、図59に対応する「第1動作無しハズレ演出」、図60に対応する「第2動作無しハズレ演出」、図61に対応する「第3動作無しハズレ演出」がある。図59〜図61のそれぞれに対応する動作無しハズレ演出があるため、第1〜第3特定演出に発展することを遊技者に期待させることができ、大当たりを期待させることができる。
図66は、図59に対応する第1動作無しハズレ演出の一例を示す図である。図67は、図60に対応する第2動作無しハズレ演出の一例を示す図である。図68は、図61に対応する第3動作無しハズレ演出の一例を示す図である。
図66に示すように、図59と同様、3つの装飾図柄が変動開始(図66(A))してから所定時間が経過すると、左領域51aに例えば「8」図柄が仮停止し、当該仮停止した左装飾図柄が縦軸周りに反時計回りに回転する(図66(B))。左装飾図柄が反時計回りに回転すると、回転後の左装飾図柄は、例えば、半円形の画像に変化する(図66(C))。
次に、例えば、右領域51cにおいて「5」図柄と半円形の画像とが合成された合成画像が画面の上方から下方にゆっくりと降下する表示が行われる(図66(D))。すると、当該合成画像が右領域の上下中央領域において、反時計回りか時計回りかのどちらかに回転するかのような演出が行われる(図66(E))。ここで、合成画像の右側は「5」図柄を縦軸回りに半回転させた画像であり、合成画像の左側は半円形の画像を縦軸回りに半回転させた画像である。合成画像が反時計回りに回転すると半円形の画像になり、時計回りに回転すると「5」図柄となる。
合成画像が反時計回りか時計回りかのどちらかに回転するかのような演出が行われた後、その演出の結果として、合成画像が反時計回りに回転せずに、時計回りに回転して「5」図柄に変化する(図66(F))。そして、3つの異なる種類の装飾図柄が停止(正確には仮停止後に本停止)してハズレが報知される(図66(G))。すなわち、図66に示す動作無しハズレ演出では、装飾図柄が反時計回りに回転することを期待させる演出(擬似連に発展することを期待させる演出)の後に、装飾図柄が反時計回りに回転せずにハズレが報知される(擬似連に発展せずにハズレとなる)。
なお、擬似連に発展する場合は、図66(E)において合成画像が反時計回りか時計回りかのどちらかに回転するかのような演出が行われた後、合成画像が反時計回りに回転して半円形の画像になり、その後、図59のように擬似連に発展する。
このように、右装飾図柄が反時計回りに回転するか否かの演出の後に反時計回りにして擬似連に発展する演出(図59)と、右装飾図柄が反時計回りに回転して擬似連に発展するか否かを期待させてから右装飾図柄が反時計回りに回転しない演出(図66)と、が行われることで、遊技者の期待感を高めることができる。
また、図67に示すように、図60と同様、3つの装飾図柄が変動開始(図67(A))してから所定時間が経過すると、左領域51aに例えば「8」図柄が仮停止し、当該仮停止した左装飾図柄が前方向に回転する(図67(B))。回転後の左装飾図柄は、例えば、「ソ」図柄に変化する(図67(C))。
次に、右領域51cにおいて例えば「5」図柄が仮停止し、当該仮停止した右装飾図柄が前方向に回転する(図67(D))。右装飾図柄が前方向に回転すると、回転後の右装飾図柄は、例えば、「タ」図柄に変化する(図67(E))。これにより、遊技者は、3つ目の中装飾図柄が前方向に回転してリーチ演出に発展することを期待することになる。
その後、中領域51bにおいて例えば「3」図柄が仮停止し、当該仮停止した中装飾図柄が前方向に回転せず(図67(F))、最終的に3つの異なる種類の装飾図柄が停止(正確には仮停止後に本停止)してハズレが報知される(図67(G))。
このように、中装飾図柄が前方向に回転するか否かの演出の後に前方向に回転してリーチ演出に発展する演出(図60)と、中装飾図柄が前方向に回転するか否かの演出の後に中装飾図柄が前方向に回転しない演出(図67)と、が行われることで、遊技者の期待感を高めることができる。
また、図68に示すように、図61と同様、3つの装飾図柄が変動開始(図68(A))してから所定時間が経過すると、左領域51aに例えば「8」図柄が仮停止し、当該仮停止した左装飾図柄が時計回りに回転する(図68(B))。左装飾図柄が時計回りに回転すると、図61と同様に、エフェクトが加えられた「8」図柄となって仮停止する(図68(C))。
次に、右領域51cにおいて例えば「6」図柄が仮停止し、当該仮停止した右装飾図柄が縦軸周りに時計回りに回転する(図68(D))。右装飾図柄が時計回りに回転すると、エフェクトが加えられた「6」図柄となって仮停止する(図68(E))。
その後、中領域51bにおいて例えば「1」図柄が仮停止し、当該仮停止した中装飾図柄が時計回りに回転せず(図68(F))、最終的に3つの異なる種類の装飾図柄が停止(正確には仮停止後に本停止)してハズレが報知される(図68(G))。ここで停止される装飾図柄は、図61(G)のようにチャンス目ではなく、エフェクトも無い。すなわち、図68(G)の装飾図柄の表示態様は、第3特定演出に発展しないことを示す態様である。
このように、中装飾図柄が時計回りに回転するか否かの演出の後に時計回りに回転して第3特定演出に発展する演出(図61)と、中装飾図柄が時計回りに回転するか否かの演出の後に中装飾図柄が時計回りに回転しない演出(図68)と、が行われることで、遊技者の期待感を高めることができる。
ここで、図69を参照して、上記第1特定演出、第2特定演出、第3特定演出の大当たりに対する期待度(信頼度)の違いについて説明する。
図69は、第1特定演出、第2特定演出、第3特定演出の期待度の一例を示す図である。図69に示すように、各特定演出の種類によって大当たりに対する信頼度(大当たりとなる確率)が定められる。
例えば、第1特定演出(擬似連)が行われる場合、擬似連の回数によって信頼度が異なる。例えば、擬似変動2回の擬似連では、図59(G)のように装飾図柄が反時計回りに回転して擬似連が継続することを示す画像が表示された後、2回目の擬似変動が行われ、その後、3回目の擬似変動が行われずに、大当たりか否かの結果が表示される。この場合、大当たりが報知される確率は、例えば、5%である。また、2回目の擬似変動が行われた後、図59(A)〜図59(G)に示す演出が再び行われて、3回目の擬似変動が行われ、その後に大当たりか否かの結果が表示される場合がある。この場合の信頼度は、例えば15%である。また、3回目の擬似変動が行われた後、4回目の擬似変動が行われ、その後に大当たりか否かの結果が表示される場合がある。この場合の信頼度は、例えば60%である。
また、第2特定演出の信頼度は、例えば65%である。すなわち、第2特定演出が行われると、その後に大当たりとなる確率は65%である。
また、第3特定演出が行われる場合、停止する装飾図柄の色によって信頼度が異なる。例えば、青図柄が停止すると、その後に(次以降の特別図柄の変動において)大当たりとなる確率は1%であり、緑図柄が停止すると、その後に大当たりとなる確率は10%であり、赤図柄が停止すると、その後に大当たりとなる確率は25%である。
なお、上記第1〜第3特定演出が組み合わされて行われてもよい。例えば、第1特定演出として擬似変動3回の擬似連が行われた後、第2特定演出(リーチ演出)が行われてもよい。この場合の信頼度は、最も高い信頼度(すなわち、第2特定演出の信頼度)と同じであってもよいし、これら特定演出が組み合わされた場合は信頼度がより高くてもよい。例えば、第1特定演出として擬似変動4回の擬似連が行われた後に第2特定演出が行われた場合は、その信頼度は75%以上であってもよい。
このような第1〜第3特定演出の信頼度が異なる場合において、第1〜第3特定演出に対応する第1〜第3動作無しハズレ演出の選択確率が予め定められる。
図70は、第1〜第3動作無しハズレ演出の選択率の一例を示す図である。図70に示すように、第1〜第3動作無しハズレ演出のそれぞれの選択率は、第3動作無しハズレ演出が最も高く、第2動作無しハズレ演出が最も低い。すなわち、第3動作無しハズレ演出は第1動作無しハズレ演出よりも高い確率で選択され、第1動作無しハズレ演出は第2動作無しハズレ演出よりも高い確率で選択される。このように、第1〜第3動作無しハズレ演出の選択率が異なるように予め定められることにより、各演出の出現頻度に違いが生じる。
図69に示すように、第1〜第3特定演出のうち、第2特定演出の信頼度は最も高い。このため、第2特定演出に対応する第2動作無しハズレ演出の出現頻度は最も低い。すなわち、第1〜第3特定演出のうち、第2特定演出の信頼度が最も高いということは、第2特定演出はハズレの場合には最も選択され難く、出現頻度は最も低いことになる(大当たりの確率は、ハズレの確率と比べてかなり低く(例えば、1/300等)、殆どがハズレであるため)。このため、第2特定演出に対応する第2動作無しハズレ演出の出現頻度も最も低くなるように、第2動作無しハズレ演出の選択率が設定される。
一方、図69に示すように、第3特定演出の信頼度は最も低く、出現頻度は最も高い。このため、図70に示すように、第3特定演出に対応する第3動作無しハズレ演出の出現頻度が最も高くなるように、第3動作無しハズレ演出の選択率が設定される。
このように、特定演出の信頼度の高さと、動作無しハズレ演出の選択率の高さとは関連づけられる。上述した例では、信頼度が高い特定演出(出現頻度が低い)ほど、その特定演出に対応する動作無しハズレ演出の選択率(出現頻度)は低い。これにより、例えば、第2動作無しハズレ演出の出現を抑制することができ、頻繁には出現しない第2動作無しハズレ演出が行われると、第2特定演出が行われることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、特定演出の信頼度の高さと、その特定演出に対応する動作無しハズレ演出の選択率の高さとの関係は、上述したものとは逆であってもよい。例えば、信頼度の最も高い第2特定演出に対応する第2動作無しハズレ演出の選択率を最も高くしてもよい。すなわち、第2特定演出の出現頻度が最も低い一方で、その第2特定演出に対応する第2動作無しハズレ演出の出現頻度を最も高くしてもよい。また、第3特定演出の出現頻度が最も高い一方で、その第3特定演出に対応する第3動作無しハズレ演出の出現頻度を最も低くしてもよい。これにより、例えば、最も信頼度の高い第2特定演出が行われ難くても、第2動作無しハズレ演出を頻繁に出現させることができ、遊技者が飽きないようにすることができる。
なお、ここでは装飾図柄が所定の態様(反時計回り、時計回り、前周り)で動作するか否かの演出を行った後に、装飾図柄が所定の態様で動作しない場合は、第1〜第3特定演出の何れにも発展せず、ハズレが報知される場合について説明した。装飾図柄が所定の態様で動作しない場合であっても、その後に第1〜第3特定演出の何れかに発展して大当たりとなってもよい。また、装飾図柄が所定の態様で動作しない場合であっても、その後に第1〜第3特定演出とは異なる演出が行われ、大当たりになってもよい。
以上のように、第4実施形態では、大当たりに対する期待度が高いことを示す第1特定演出と第2特定演出とを実行可能である。第1の演出(反時計回りで左装飾図柄が回転)を行った後に第1の態様で装飾図柄が動作(反時計回りで右装飾図柄が回転)し、その後に第1特定演出に発展する。また、第2の演出(左装飾図柄及び右装飾図柄が前転)を行った後に第2の態様で装飾図柄が動作(中装飾図柄が前転)し、その後に第2特定演出に発展する。また、第1の演出又は第2の演出を行った後に、第1の態様又は第2の態様で装飾図柄が動作しない場合もある。この場合において、第1の演出及び第2の演出のうちの一方の実行確率が他方よりも高く設定される。これにより、装飾図柄が第1の態様又は第2の態様で動作することに対する期待感を高めることができ、興趣性を向上させることができる。
[第4実施形態の演出制御基板130による演出制御処理]
次に、上述した遊技制御基板100からの各種コマンドに基づいた演出制御の詳細について図71〜図75を参照して説明する。
図71は、第4実施形態の演出制御基板130において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、図71〜図75に示す処理を演出制御基板130が行うものとして説明するが、これらの処理の一部または全部は、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150の何れにおいて実行されてもよい。また、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のCPU131は、図71に示す一連の処理を割り込みにより一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
演出制御基板130は、コマンド制御処理を実行する(ステップDS1001)。コマンド制御処理は、遊技制御基板100からの各種コマンドを受信したことに応じて、演出を制御する処理である。具体的には、演出制御基板130は、遊技制御基板100から遊技情報としてのコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、演出の内容を決定し、当該決定した演出を画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に実行させるためのコマンドを生成する。そして生成したコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。また、演出制御基板130は、演出ボタン26や演出キー27に対する操作に応じたコマンド(次のステップDS1002)を送信する。このコマンドに応じて画像音響制御基板140及びランプ制御基板150は、所定の演出を実行する。このコマンド制御処理の詳細については、図72に基づいて後に詳述する。
ステップDS1001の処理に続いて、演出制御基板130は、操作受付処理を実行する(ステップDS1002)。具体的には、CPU131は、演出ボタン26や演出キー27が操作された場合にその操作に応じた操作コマンドを生成してRAM133に設定する。以上で、図71に示す処理は終了する。
[演出制御基板130によるコマンド制御処理]
以下、図72を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるコマンド制御処理について説明する。ここで、図72は、図71のステップDS1001におけるコマンド制御処理の詳細フローチャートである。
まず、演出制御基板130は、遊技制御基板100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップDS1301)。保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップDS1301:YES)、演出制御基板130は、事前判定処理を実行する(ステップDS1302)。
ステップDS1302の処理では、演出制御基板130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、事前判定を行い、当該事前判定の結果に基づいて演出の内容を決定して実行する。事前判定処理については後に詳述する。
ステップDS1302の処理を実行した場合、又は、保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップDS1301:NO)、演出制御基板130は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップDS1303)。
変動開始コマンドを受信した場合(ステップDS1303:YES)、演出制御基板130は、変動開始処理を実行する(ステップDS1304)。ここでは、演出制御基板130は、受信した変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動に伴って行われる演出を決定し、決定した演出を開始する。変動開始処理については後に詳述する。
ステップDS1304の処理を実行した場合、又は、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップDS1303:NO)、演出制御基板130は、変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップDS1305)。
変動停止コマンドを受信した場合(ステップDS1305:YES)、演出制御基板130は、変動終了処理を実行する(ステップDS1306)。変動終了処理では、演出制御基板130は、特別図柄の変動に伴って行われる演出を終了する。変動終了処理については後に詳述する。
ステップDS1306の処理を実行した場合、又は、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(ステップDS1305:NO)、演出制御基板130は、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップDS1307)。
オープニングコマンドを受信した場合(ステップDS1307:YES)、演出制御基板130は、オープニング処理を実行する(ステップDS1308)。オープニング処理は、大当たり遊技が開始される際に行われるオープニング演出、および大当たり遊技中に行われる大当たり演出を決定する処理である。演出制御基板130は、大当たりの種類等に応じて、オープニング演出や大当たり演出の内容を決定し、これらの演出を画像音響制御基板140やランプ制御基板150に実行させる。
ステップDS1308の処理を実行した場合、又は、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップDS1307:NO)、演出制御基板130は、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(ステップDS1309)。
エンディングコマンドを受信した場合(ステップDS1309:YES)、演出制御基板130は、エンディング処理を実行する(ステップDS1310)。エンディング処理は、大当たり遊技が終了する際に行われるエンディング演出を決定する処理である。演出制御基板130は、エンディング処理の結果を示すコマンドを画像音響制御基板140やランプ制御基板150に送信してエンディング演出を実行させる。
ステップDS1310の処理を実行した場合、又は、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合(ステップDS1309:NO)、演出制御基板130は、図72に示す処理を終了する。
以上のように、遊技制御基板100からのコマンドに基づいて、演出制御基板130による演出制御が行われる。
[演出制御基板130による事前判定処理]
以下、図72のステップDS1302の事前判定処理の詳細について説明する。図73は、図72のステップDS1302の事前判定処理の詳細を示すフローチャートである。
演出制御基板130は、まず、現在の保留数に1を加算する(ステップDS1321)。演出制御基板130は、第1特別図柄判定および第2特別図柄判定のそれぞれの保留数をRAM133に記憶しており、保留コマンドの受信に応じて保留数を1だけ増加させる。
次に、演出制御基板130は、受信した保留コマンドを解析し(ステップDS1322)、解析結果に基づいて、事前判定を行う(ステップDS1323)。具体的には、演出制御基板130は、保留コマンドに含まれる情報に基づいて、この保留コマンドに係る特別図柄の変動において大当たりとなるか否か、大当たりの種類、変動パターン、特別図柄が変動する際の変動演出の内容等を判定する。
ステップDS1323に続いて、演出制御基板130は、事前判定の結果に基づいて第3特定演出を実行するか否かを判定する(ステップDS1324)。具体的には、演出制御基板130は、今回受信した保留コマンドに含まれる変動パターン及び既に保留されている特別図柄判定の権利に対応する変動パターンに基づいて、今回受信した保留コマンドに係る特別図柄の変動を最終変動とする第3特定演出を行うか否かを判定する。なお、既に保留されている特別図柄判定において大当たりがある場合は、演出制御基板130は、第3特定演出を行うと判定しない。
第3特定演出を実行すると判定した場合(ステップDS1324:YES)、演出制御基板130は、第3特定演出の内容を設定する(ステップDS1325)。ここでは、演出制御基板130は、第3特定演出の実行期間(特別図柄の変動回数)と、当該実行期間における各変動においてどの色で装飾図柄を停止させるかを決定し、決定した演出内容をRAM133に設定する。これにより、例えば、今回受信した保留コマンドに係る特別図柄判定が大当たりである場合、直前の特別図柄の変動において赤色の装飾図柄が他の色の図柄よりも高い確率で本停止される。
ステップDS1325の処理を行った場合、又は、ステップDS1324でNOと判定した場合、演出制御基板130は、今回受信した保留コマンドに対応する保留画像をメイン液晶5に表示させる(ステップDS1326)。以上で、図73の処理は終了する。なお、第3特定演出を実行しないと判定した場合(ステップDS1324:NO)、演出制御基板130は、第3特定演出を実行しないことを示す情報をRAM133に記憶する。
[演出制御基板130による変動開始処理]
以下、図72のステップDS1304の変動開始処理の詳細について説明する。図74は、図72のステップDS1304の変動開始処理の詳細を示すフローチャートである。
図74に示すように、演出制御基板130は、第3特定演出を行うか否かを判定する(ステップDS1331)。ここでは、演出制御基板130は、図73のステップDS1325において設定された第3特定演出の内容に基づいて、今回の特別図柄の変動に伴う変動演出として上記第3特定演出を行うか否かを判定する。
第3特定演出を行うと判定した場合(ステップDS1331:YES)、演出制御基板130は、今回の変動が第3特定演出の最終変動か否かを判定する(ステップDS1332)。今回の変動が第3特定演出の最終変動でない場合(ステップDS1332:NO)、演出制御基板130は、図73のステップDS1325において設定された第3特定演出の内容に基づいて、装飾図柄51を変動させる変動演出を選択する(ステップDS1333)。これにより、図61(A)〜図61(G)に示す装飾図柄51を用いた演出が選択される。
一方、今回の変動が第3特定演出の最終変動である場合(ステップDS1332:YES)、演出制御基板130は、今回受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターンに基づいて、変動演出を選択する(ステップDS1334)。
演出制御基板130には、複数の演出パターンが記憶されており、演出制御基板130は、これら複数の演出パターンのうちの何れかを遊技制御基板100からの変動パターンに基づいて選択する。
図76は、演出制御基板130に記憶される演出パターンの一例を示す図である。図76に示すように、演出制御基板130には、演出パターン1や演出パターン2等が記憶される。演出パターン1は、装飾図柄を反時計回りに回転させてから擬似連に発展し、その後に大当たりを報知する演出であり、図59に示す演出パターンである。演出パターン2は、装飾図柄を前転させてからリーチ演出に発展し、その後に大当たりを報知する演出であり、図60に示す演出パターンである。これら演出パターン1や演出パターン2は、最終的に大当たりを報知する演出であり、演出制御基板130には、これらと同様の演出であって最終的にハズレを報知する演出パターン101や演出パターン102も記憶されている。また、演出制御基板130には、装飾図柄を時計回りに回転させてから同色の図柄を停止させてハズレを報知する演出パターン103も記憶されている。演出パターン103は、図61に示す演出パターンである。これらの他にも演出制御基板130には多数の演出パターンが記憶されている。
また、演出制御基板130は、図76に示すように、図66〜図68に示した動作無しハズレ演出の演出パターンも記憶している。演出制御基板130は、所定の変動パターン(例えば、変動時間18秒)が遊技制御基板100において選択された場合、その変動パターンに応じた動作無しハズレ演出を実行する。例えば、演出制御基板130は、特別図柄判定の結果がハズレであって所定の変動パターンが選択されている場合は、所定の抽選を行い、抽選結果に応じて演出パターン201を選択し、上記第1動作無しハズレ演出を行う。これにより、装飾図柄が反時計回りに回転するか否かの演出が行われた後に、反時計回りに回転せずにハズレが報知される演出が行われる。
また、演出制御基板130は、特別図柄判定の結果がハズレであって所定の変動パターンが選択されている場合は、所定の抽選を行い、抽選結果に応じて演出パターン202を選択し、上記第2動作無しハズレ演出を行う。これにより、装飾図柄が前転するか否かの演出が行われた後に、前転せずにハズレが報知される演出が行われる。
また、演出制御基板130は、第3特定演出を行わないと判定している場合であって所定の変動パターンが選択されている場合は、所定の抽選を行い、抽選結果に応じて演出パターン203を選択し、上記第3動作無しハズレ演出を行う。これにより、装飾図柄が時計回りに回転するか否かの演出が行われた後に、時計回りに回転せずに通常の装飾図柄が停止してハズレが報知される演出が行われる。
なお、演出パターン201〜演出パターン203が選択される確率は、上述したように予め定められている(図70参照)。
このように、第1〜第3特定演出が行われる場合には、装飾図柄が所定の態様(反時計回り、時計回り、前転)で動作した後に第1〜第3特定演出が行われる。一方、第1〜第3特定演出が行われない場合には、装飾図柄が所定の態様で動作するか否かの演出が行われた後、所定の態様で動作せずにハズレが報知される場合がある。また、第1〜第3特定演出が行われない場合は、装飾図柄が単純に変動して停止する単純ハズレ演出が行われる場合がある。
図74に戻り、ステップDS1333の処理を実行した場合、又は、ステップDS1334の処理を実行した場合、演出制御基板130は、選択した変動演出を開始させる(ステップDS1335)。具体的には、演出制御基板130は、選択した変動演出を実行させるためのコマンドを画像音響制御基板140やランプ制御基板150に対して送信する。
そして、演出制御基板130は、保留数を1だけ減算させるとともにメイン液晶5に表示されている1の保留画像を消滅させる(ステップDS1336)。以上で、図74に示す処理を終了する。
[演出制御基板130による変動終了処理]
以下、図72のステップDS1306の変動終了処理の詳細について説明する。図75は、図72のステップDS1306の変動終了処理の詳細を示すフローチャートである。
図75に示すように、演出制御基板130は、第3特定演出を実行中か否かを判定する(ステップDS1341)。第3特定演出を実行中である場合(ステップDS1341:YES)、演出制御基板130は、図73のステップDS1325において設定された第3特定演出の内容に応じて、装飾図柄を停止させる(ステップDS1342)。例えば、演出制御基板130は、今回の変動が第3特定演出の最終変動でない場合、ステップDS1325で設定された同色の装飾図柄を停止させる。
一方、第3特定演出を実行中でない場合(ステップDS1341:NO)、演出制御基板130は、今回受信した変動停止コマンドに基づいて装飾図柄を停止させる(ステップDS1343)。以上で、図75の処理は終了する。
以上のように、第4実施形態のパチンコ遊技機1は、装飾図柄を仮停止させた後に装飾図柄を第1の態様で動作(反時計回りに回転)させて変化させ、その後に第1特定演出(擬似連)を実行する。また、パチンコ遊技機1は、装飾図柄を仮停止させた後に装飾図柄を第2の態様で動作(前転)させて変化させ、その後に第2特定演出(リーチ演出)を実行する。
このように、第4実施形態では、装飾図柄を仮停止させた後の装飾図柄の動作態様によってその後に行われる演出が異なり、仮停止後の装飾図柄の動作態様によりその後に発展する演出を示唆することができる。これにより、装飾図柄の動作に遊技者を注目させることができ、その後に発展する演出に注目させることができる。また、装飾図柄を用いた新規な演出を行うことができ、演出のバリエーションを多様化させてより興趣性を向上することができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、装飾図柄を仮停止させた後に、当該仮停止した装飾図柄を変化させた。他の実施形態では、装飾図柄の仮停止前に装飾図柄を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、仮停止後の装飾図柄を回転させることにより他の図柄又は同じ図柄に変化させた。他の実施形態では、他の任意の方法で仮停止前後の装飾図柄を変化(動作)させてもよい。例えば、仮停止後の装飾図柄をモーフィングにより他の画像に変化させてもよい。
また、上記実施形態では、左装飾図柄、右装飾図柄、中装飾図柄の順で仮停止させたが、これらの図柄の停止順序はどのようなものでもよい。3つの図柄を同時に仮停止させてもよい。また、上記実施形態では、左装飾図柄、右装飾図柄、中装飾図柄の順で図柄を回転させたが、これらの図柄を回転させる順序はどのようなものでもよい。例えば、複数の装飾図柄(例えば3つの図柄)を同時に回転させて、その後に他の演出(第1特定演出や第2特定演出等)に発展させてもよい。例えば、図59において左装飾図柄及び右装飾図柄を同時に回転させて、擬似連に発展させてもよい。また、図61において、左装飾図柄、右装飾図柄、中装飾図柄の3つの図柄を同時に回転させて、同色の図柄を停止させてもよい。
また、他の実施形態では、発展先の演出は他の任意の演出であってもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本発明がパチンコ遊技機に適用された場合を例に説明したが、本発明は、例えばスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。
[第5実施形態の説明]
次に、図77〜図88を参照して、第5実施形態について説明する。
[第5実施形態の特徴的な演出]
ここで、第5実施形態において、特別図柄の変動中に行われる特徴的な演出について説明する。例えば、パチンコ遊技機1では、特別図柄の変動に合わせて、表示画面(例えば、メイン液晶表示装置5や左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの表示画面)に複数(例えば、3つ)の装飾図柄画像を変動表示させた後に、当該抽選結果を示す装飾図柄画像を停止表示させることによって、大当たり抽選の結果が報知される。一例として、同じ装飾図柄画像が並ぶ(例えば、装飾図柄「7」が3つ縦または横に並ぶ)ように停止表示させることによって、抽選結果が大当たりであることが報知される。
装飾図柄画像を変動表示させた後に停止表示する場合、1つの装飾図柄画像(例えば、3つのうちの中央に位置する装飾図柄画像)を変動表示したままにして、他の装飾図柄画像(例えば3つのうちの両端に位置する装飾図柄画像)が先に停止表示される。そして、抽選結果が大当たりであることが報知されるためには、先に停止表示される装飾図柄画像が同じになることが条件となるため、同じ装飾図柄画像が先に停止表示されて最後の1つの装飾図柄画像が変動表示している状態となると、当該最後の1つの装飾図柄画像も他と同じ画像で停止表示されることを遊技者が期待する。このような装飾図柄画像の変動表示状態を用いた演出が、いわゆるリーチ演出であり、当該変動表示状態を長い時間続けて演出を発展させることによって当該時間中に大当たりとなるか否かを煽るような様々な演出が行われる。
また、装飾図柄画像を変動表示させて完全に停止する前に、遊技者に変動が擬似的に停止したように見せかけて(以下、仮停止と記載する)変動表示を繰り返す演出(いわゆる、擬似連演出(擬似連続予告演出))が行われる。例えば、装飾図柄画像が仮停止した際の抽選結果が大当たりを示していない場合、遊技者は抽選結果にはずれたと感じて失望することになるが、実際は完全に停止しておらず再変動が開始されて演出を発展させることによって当該変動中に大当たりを獲得する期待度が高くなる。このような再変動を1変動の中で繰り返された場合にリーチ演出に移行して大当たりに当選する信頼度を高く設定しておくことによって、1変動中に再変動が繰り返されることで大当たりとなるか否かを遊技者がさらに煽られることになる。
[サブ液晶動作演出の説明]
以下、パチンコ遊技機1において、特別図柄の変動中に行われるサブ液晶動作演出について説明する。ここで、サブ液晶動作演出は、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bを動作させる演出であって、特別図柄の変動中に発展先を示す演出(特定演出)が行われる場合、当該特定演出が開始されるタイミングまたはその前に当該演出を上記動作の態様によって示唆する演出である。例えば、サブ液晶動作演出は、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bが移動または停止することによって行われ、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bの動作態様によって演出の発展先を示唆するものとなる。一例として、発展先を示す特定演出としては、上述した擬似連演出やリーチ演出等が考えられ、これらの特定演出の種類によって異なる動作態様で左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bが動作制御される。以下の説明では、特定演出として擬似連演出が行われるサブ液晶動作演出の例と、特定演出としてリーチ演出が行われるサブ液晶動作演出の例とを用いる。
図77は、第5実施形態における擬似連演出が実行される場合に行われるサブ液晶動作演出の一例を示す図である。上記擬似連演出では、特別図柄が変動している途中となる所定のタイミングにおいて、擬似的に装飾図柄画像が仮停止して再変動する。
図77(A)では、装飾図柄の変動表示を開始する演出がメイン液晶表示装置5に表示されている。図77(A)に示した一例では、装飾図柄画像が変動している様子が左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bそれぞれに表示されるとともに、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが「退避位置」から遊技者が視認可能な「両端出現位置」へそれぞれ移動して、装飾図柄を変動表示に伴った演出が行われる。
そして、装飾図柄の変動表示を行う演出が進むに連れて、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、装飾図柄画像が変動している様子を表示している状態で、「両端出現位置」から「隣接位置」への方向へそれぞれ移動する(図77(B))。
さらに、装飾図柄の変動表示を行う演出が進むに連れて、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、同じ装飾図柄画像を仮停止して表示している状態で「隣接直前位置」にそれぞれ配置され、「隣接直前位置」で停止または「隣接位置」への移動速度を遅くする。これによって、パチンコ遊技機1の遊技者は、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが互いに隣接状態となる「隣接位置」まで移動するか、「退避位置」への方向へ戻るか煽られることになる。
特別図柄が変動している途中となる所定のタイミングにおいて、擬似連演出が行われることが確定した場合(変動開始時に擬似連演出が行われると決定されていた場合)、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「隣接直前位置」から「隣接位置」へそれぞれ移動し、左サブ液晶表示装置8aと右サブ液晶表示装置8bとが隣接した状態となる(図77(D))。ここで、「隣接位置」に配置されると、左サブ液晶表示装置8aの液晶画面と右サブ液晶表示装置8bの液晶画面とが隣接した状態となるため、これらの液晶画面を1つの液晶画面として機能させ、当該隣接した液晶画面に1つの演出画像(例えば、キャラクタ画像)が表示されて擬似連が確定したことが示される(擬似連が継続することが示される)。
擬似連確定した後、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「両端出現位置」まで移動して「隣接位置」への方向へそれぞれ移動を開始する(図77(E))。これに伴って、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bには、装飾図柄画像が再変動している様子が表示され、次の擬似的な図柄変動が開始されたことが示される。
図78は、第5実施形態におけるリーチ演出が実行される場合に行われるサブ液晶動作演出の一例を示す図である。以下に説明する例では、特別図柄が変動している途中となる所定のタイミングにおいてリーチが確定したことが示された後、上記リーチ演出が行われる。
図78(A)では、装飾図柄の変動表示を開始する演出がメイン液晶表示装置5に表示されている。図78(A)に示した一例では、上述した擬似連演出の場合と同様にリーチ演出が実行される場合も、装飾図柄画像が変動している様子が左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bそれぞれに表示される。また、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが「退避位置」から遊技者が視認可能な「両端出現位置」へそれぞれ移動して、装飾図柄を変動表示に伴った演出が行われる。
そして、装飾図柄の変動表示を行う演出が進むに連れて、リーチ演出が実行される場合も、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、装飾図柄画像が変動している様子を表示している状態で、「両端出現位置」から「隣接位置」への方向へそれぞれ移動する(図78(B))。
さらに、装飾図柄の変動表示を行う演出が進むに連れて、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、同じ装飾図柄画像を仮停止して表示している状態で「隣接直前位置」にそれぞれ配置され、「隣接直前位置」で停止または「隣接位置」への移動速度を遅くする。これによって、パチンコ遊技機1の遊技者は、上記擬似連演出の場合と同様に、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが互いに隣接状態となる「隣接位置」まで移動するか、「退避位置」への方向へ戻るか煽られることになる。
特別図柄が変動している途中となる所定のタイミングにおいて、リーチが確定(リーチ演出が行われることが確定)した場合(変動開始時にリーチ演出が行われると決定されていた場合)、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「隣接直前位置」から「退避位置」へそれぞれ移動する(図78(D))。ここで、「退避位置」へ移動する際、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bには、それぞれ同じ装飾図柄画像が変動停止した状態で表示されてリーチが確定(リーチが成立)したことが示される。
そして、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bそれぞれに停止表示されていた装飾図柄画像は、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが「退避位置」へ退避する前にメイン液晶表示装置5に移動して表示される(図78(E))。そして、メイン液晶表示装置5において、所定のリーチ演出の表示が開始される。
図77および図78から明らかなように、特別図柄の変動中に特定演出(擬似連演出、リーチ演出)が行われる場合、第1の特定演出が行われるか第2の特定演出が行われるかによって、異なる動作態様で左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bが動作する。具体的には、図77(A)〜図77(C)および図78(A)〜図78(C)に例示したように、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、何れの場合も「隣接直前位置」に配置されるまでは同様の動作態様で動作する。そして、図77(D)に示したように擬似連確定の場合に左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが「隣接位置」へ移動するのに対して、図78(D)に示したようにリーチ確定の場合に左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが「退避位置」へ戻る。このように、「隣接直前位置」に配置された後の左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作によって、上記所定タイミングから行われる特定演出の種類を示唆(当該変動における演出の発展先を示唆)することができる。
また、特別図柄の変動中に特定演出が行われる場合、第1の特定演出が行われるか第2の特定演出が行われるかによって、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bに異なる表示が行われる。具体的には、上述したように、特別図柄が変動している途中となる所定のタイミングにおいて、擬似連演出が行われることが確定した場合、左サブ液晶表示装置8aの液晶画面と右サブ液晶表示装置8bの液晶画面とを隣接させてこれらの液晶画面を1つの液晶画面として機能させ、当該隣接した液晶画面に1つの演出画像(例えば、キャラクタ画像)が表示されて擬似連が確定したことが示される。一方、特別図柄が変動している途中となる所定のタイミングにおいて、リーチが確定(リーチ演出が行われることが確定)した場合、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「退避位置」へそれぞれ移動するとともに、それぞれ同じ装飾図柄画像が変動停止した状態で表示されてリーチが確定したことが示される。このように、第5実施形態では、可動画面の動作態様だけでなく、当該可動画面に異なる画像を表示することによって、上記所定タイミングから行われる特定演出の種類をさらに明確に示唆(当該変動における演出の発展先を示唆)することができる。
図77に示した可動画面の動作と、その後の擬似連演出とは複数回行われることがある。図79は、擬似変動が3回行われた後にリーチ演出が行われる場合のサブ液晶表示装置の動作を示す図である。
図79に示すように、特別図柄の変動開始に応じて装飾図柄が変動開始し、所定時間が経過すると、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「両端出現位置」から「隣接直前位置」へそれぞれ移動する。左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが隣接直前位置にある状態では、メイン液晶表示装置5では所定の演出(例えば、キャラクタを用いた演出)が行われる。さらにその後、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが、「隣接直前位置」から「隣接位置」に移動して左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bに所定の画像が表示される。これにより、擬似連演出が継続することが報知される(2回目の擬似変動が行われることが遊技者に報知される)。
次に、2回目の擬似変動が開始すると、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「両端出現位置」に戻る。1回目の擬似変動と同様に、2回目の擬似変動開始から所定時間が経過すると、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、再び「両端出現位置」から「隣接直前位置」へそれぞれ移動する。このサブ液晶が隣接直前位置にある状態では、上記と同様にメイン液晶表示装置5では所定の演出が行われる。さらにその後、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが、「隣接直前位置」から「隣接位置」に移動して左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bに所定の画像(図77(D)に示す画像)が表示される。これにより、擬似連演出が継続することが報知される(3回目の擬似変動が行われることが遊技者に報知される)。
3回目の擬似変動が開始すると、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「両端出現位置」に戻り、同様に、3回目の擬似変動開始から所定時間が経過すると、再び「両端出現位置」から「隣接直前位置」へそれぞれ移動する。この場合も同様に、メイン液晶表示装置5では所定の演出が行われる。そして、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「隣接直前位置」から「退避位置」にそれぞれ移動し(すなわち、サブ液晶は隣接位置に移動せず上記所定の画像も表示されない)、リーチが成立する。その後、リーチ演出が行われる。リーチ演出では、メイン液晶表示装置5において所定の動画を用いた演出が行われる。
このように、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが、2回「隣接位置」に移動することで、3回の擬似連演出が行われる。なお、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが、3回「隣接位置」に移動することで、4回の擬似連演出が行われる場合もある。
なお、擬似連演出の回数が多いほど、大当たりに対する信頼度(期待度)が高くなる。逆に、擬似連演出が行われない場合は、信頼度は低く、擬似連演出の回数が少ない場合ほど信頼度は低い。第5実施形態では、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bを動作させることによって、擬似連演出が行われるか否か、あるいは、擬似連演出が継続するか否かを遊技者に期待させる演出が行われる。
図80は、擬似連に発展してリーチ演出が行われる場合と擬似連に発展せずにハズレが報知される場合とを示す図である。
図80(A)に示すように、擬似連に発展する場合(2回目の擬似変動が行われる場合)は、上述のように、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが隣接直前位置に移動して、さらに隣接位置に移動するか否かを煽る演出が行われる。この左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが隣接直前位置にある状態では、メイン液晶表示装置5では所定の演出が行われる。その後、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、隣接位置に移動し、当該左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bには所定の画像が表示される。これにより擬似連演出が継続することが報知され、その後、2回目の擬似変動が行われる。
2回目の擬似変動においては、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが隣接直前位置から隣接位置に移動せず、リーチが成立してリーチ演出が行われる。なお、2回目の擬似変動において、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが隣接直前位置に移動して、さらに隣接位置に移動するか否かを煽る演出が行われた後、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは隣接位置に移動せず、そのまま退避位置に移動し、ハズレが報知される場合もある。
一方、擬似連に発展しない場合は、図80(B)に示すように、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが隣接直前位置に移動して、さらに隣接位置に移動するか否かを煽る演出が行われる。この左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが隣接直前位置にある状態では、メイン液晶表示装置5では所定の演出が行われる。その後、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは隣接位置に移動せず、そのまま退避位置に移動する。この場合、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bには、上記所定の画像は表示されない。そして、メイン液晶表示装置5において装飾図柄がハズレの態様で停止してハズレが報知される。
このように、特別図柄判定の結果がハズレである場合は、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが所定の動作を行うか否かの演出(隣接位置に移動するか否かの演出)が行われた後、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは所定の動作を行わない。
図81は、図80(B)に示す擬似連に発展せずにハズレが報知される場合の演出の一例を示す図である。
図81(A)では、装飾図柄の変動表示を開始する演出がメイン液晶表示装置5に表示されている。図81(A)に示した一例では、上述した擬似連演出やリーチ演出が実行される場合と同様に、装飾図柄が変動している様子が左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bそれぞれに表示される。また、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが「退避位置」から遊技者が視認可能な「両端出現位置」へそれぞれ移動して、装飾図柄を変動表示させる演出が行われる。
そして、装飾図柄の変動表示の開始から所定時間経過すると、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、装飾図柄画像が変動している様子を表示している状態で、「両端出現位置」から「隣接位置」への方向へそれぞれ移動する(図81(B))。
さらに、演出が進むに連れて、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、同じ装飾図柄を仮停止して表示している状態(又は装飾図柄を変動表示している状態)で「隣接直前位置」にそれぞれ配置され、「隣接直前位置」で停止または「隣接位置」への移動速度を遅くする(図81(C))。これによって、パチンコ遊技機1の遊技者は、上記擬似連演出又はリーチ演出の場合と同様に、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが互いに隣接状態となる「隣接位置」まで移動するか、「退避位置」への方向へ戻るか煽られることになる。
続いて、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「隣接直前位置」から「退避位置」へそれぞれ移動する(図81(D))。ここで、「退避位置」へ移動する際、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bには、それぞれ異なる装飾図柄が仮停止した状態で表示される。
そして、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bそれぞれに停止表示されていた装飾図柄は、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが「退避位置」へ退避する前にメイン液晶表示装置5に移動して同種の装飾図柄が揃わずに3つの装飾図柄が停止してハズレが報知される(図81(E))。
このように、第5実施形態では、第1の演出(メイン液晶における所定の演出、1回目の擬似変動等)が行われた後に第2の演出(2回目の擬似変動等)が行われる際に、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bそれぞれ所定の位置に移動して、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bに所定の画像が表示されることがある。また、第1の演出が行われた後に第2の演出が行われる際に、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bそれぞれ所定の位置に移動せずに退避位置に戻る場合がある。左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作態様(表示態様)によって大当たりに対する期待度が異なる。具体的には、サブ液晶が所定の位置に移動して当該サブ液晶に所定の画像が表示された場合の方が、所定の位置に移動しない場合よりも大当たりに対する期待度(信頼度)が高い。
図82は、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bを用いた演出の流れを示す図である。
図82に示すように、装飾図柄の変動が開始し(ステップES10)、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8b(以下、「サブ液晶」)が両端出現位置に移動する(ステップES11)。その後、サブ液晶は隣接直前位置まで移動して(ステップES12)、そこで煽り演出が行われる(ステップES13)。ここで、「煽り演出」は、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが「隣接位置」まで移動するか、「退避位置」への方向へ戻るかを煽る演出である。
ステップES13のサブ液晶を用いた煽り演出の後、サブ液晶が退避位置に戻る場合がある(ステップES14)。サブ液晶が退避位置に戻ると、そのままハズレが報知されるハズレ演出か、又は、大当たりに対する期待度が低い低期待度演出が行われる(ステップES15)。低期待度演出が行われると、その後に大当たり又はハズレが報知されて演出は終了する。例えば、ステップES15で行われる低期待度演出としては、上述したリーチ演出(例えば、その後に発展しないノーマルリーチ演出)が行われる。
一方、ステップES13のサブ液晶を用いた煽り演出の後、サブ液晶が隣接位置に移動する場合がある(ステップES20)。サブ液晶が隣接位置に移動すると、当該隣接位置で所定の画像が表示され、その後、両端出現位置に戻って2回目の擬似変動が開始される(ステップES21)。続いて、サブ液晶は、再び隣接直前位置まで移動して(ステップES22)、そこで煽り演出が行われる(ステップES23)。
ステップES23のサブ液晶を用いた煽り演出の後、サブ液晶が退避位置に戻る場合がある(ステップES24)。サブ液晶が退避位置に戻ると、そのままハズレが報知されるハズレ演出か、又は、大当たりに対する期待度が低い低期待度演出が行われる(ステップES25)。低期待度演出が行われると、その後に大当たり又はハズレが報知されて演出は終了する。例えば、ステップES25で行われる低期待度演出としては、上述したリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ演出)が行われる。なお、ステップES25では、ステップES15の場合よりもリーチ演出が行われる確率は高い。すなわち、ステップES15では、リーチ演出が行われずにハズレが報知される確率が高いが、ステップES25では、リーチ演出が行われる確率は比較的高い。また、ステップES25では大当たりに対する期待度はあまり高くないが、ステップES15よりは高い(例えば、ステップES25では1%、ステップES15では0.1%)。
一方、ステップES23のサブ液晶を用いた煽り演出の後、サブ液晶が再び隣接位置に移動する場合がある(ステップES30)。サブ液晶が隣接位置に移動すると、当該隣接位置で所定の画像が表示され、その後、両端出現位置に戻って3回目の擬似変動が開始される(ステップES31)。続いて、サブ液晶は、再び隣接直前位置まで移動して(ステップES32)、そこで煽り演出が行われる(ステップES33)。
ステップES33のサブ液晶を用いた煽り演出の後、サブ液晶が退避位置に戻る場合がある(ステップES34)。サブ液晶が退避位置に戻ると、大当たりに対する期待度が低期待度演出よりも高い中期待度演出又は高期待度演出が行われる(ステップES35)。ここで、中期待度演出は、低期待度演出よりも大当たりに対する期待度が高い演出であり、高期待度演出は、中期待度演出よりも期待度が高い演出である。中期待度演出又は高期待度演出が行われると、その後に大当たり又はハズレが報知されて演出は終了する。例えば、ステップES35で行われる演出としては、上述したリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ演出の後にさらに発展したSPリーチ演出)が行われる。
ここで、ステップES30においてサブ液晶が隣接位置に移動して、当該隣接位置において表示される画像の種類によって、ステップES35において行われる演出が異なる。
図83は、隣接位置においてサブ液晶に表示される画像とその後に行われる演出および期待度を示す図である。
図83に示すように、ステップES30においてサブ液晶が隣接位置に移動した後、当該隣接位置において画像Aが表示された場合は、その後のステップES35において、例えば、70%の確率で中期待度演出が行われ、30%の確率で高期待度演出が行われる。この場合において、その後に大当たりとなる期待度(信頼度)は、例えば、それぞれ20%、35%である。また、隣接位置において画像Bが表示された場合は、その後のステップES35において、例えば、40%の確率で中期待度演出が行われ、60%の確率で高期待度演出が行われる。この場合において、その後に大当たりとなる期待度(信頼度)は、例えば、それぞれ20%、35%である。
また、隣接位置において画像Cが表示された場合は、その後のステップES35において、例えば、10%の確率で中期待度演出が行われ、90%の確率で高期待度演出が行われる。この場合において、その後に大当たりとなる期待度(信頼度)は、例えば、それぞれ30%、65%である。
このように、隣接位置において表示される画像の種類によって、その後に行われる演出の種類が異なり、また、大当たりに対する期待度も異なる。画像Cが表示された場合は、高期待度演出が行われやすく、また、期待度も高い。なお、1回目のサブ液晶の隣接位置への移動の際(ステップES20)にも、図83に示す画像が表示され、画像の種類に応じて期待度が異なる。
図82に戻り、ステップES33のサブ液晶を用いた煽り演出の後、サブ液晶が再び隣接位置に移動する場合がある(ステップES40)。サブ液晶が隣接位置に移動すると、当該隣接位置で所定の画像が表示され、その後、両端出現位置に戻って4回目の擬似変動が開始される(ステップES41)。そして、その後は高期待度演出が行われる(ステップES42)。ステップES42の高期待度演出の結果として、大当たり又はハズレが報知される。上記と同様に、ステップES40において隣接位置でサブ液晶に表示される画像の種類に応じて、期待度が異なる。例えば、ステップES40においてサブ液晶に画像Aが表示された場合の期待度は例えば60%であり、画像Bが表示された場合の期待度は70%であり、画像Cが表示された場合の期待度は80%であってもよい。
図82に示すように、サブ液晶が隣接位置に移動して擬似連が継続するほど大当たりに対する期待度が高く、高期待度演出が行われる確率が高くなる。また、上記のように隣接位置においてサブ液晶に表示される画像の種類に応じて期待度が異なる。このため、遊技者は、上記ステップES13、ステップES23、ステップES33の各段階の煽り演出において、サブ液晶が隣接位置に移動することについて期待するとともに、移動後(ステップES20、ステップES30、ステップES40)にサブ液晶に表示される画像がどの種類かについて注目しながら遊技を行うことになる。
また、サブ液晶の動作態様によって期待度が異なっていてもよい。例えば、サブ液晶の動作態様としては、隣接位置に移動する回数であってもよいし、移動する位置、移動する速度等であってもよい。例えば、第1の位置まで移動した場合は、第2の位置まで移動した場合よりも期待度が高くてもよいし、第1の速度で移動した場合は、第2の速度で移動した場合よりも期待度が高くてもよい。また、横方向に移動した方が縦方向に移動した場合よりも期待度が高く(又は低く)てもよい。
以上のように、第5実施形態では、複数回にわたって繰り返し行われる擬似連演出を実行可能であり、擬似連演出が継続するほど大当たりに対する期待度が高くなる。擬似連演出が継続する際には、サブ液晶が所定の位置まで移動してサブ液晶に所定の画像が表示される。擬似連演出が終了する際には、サブ液晶は所定の位置まで移動しない。
また、第5実施形態では、メイン液晶表示装置5及び/又はサブ液晶において第1の演出(メイン液晶での所定の演出、サブ液晶の隣接直前位置への移動と画像の表示、上記煽り演出等)が行われた後に第2の演出(ハズレ演出や低期待度演出、中期待度演出、高期待度演出等)が行われる場合において、第2の演出が行われる際に、サブ液晶が所定の位置まで移動して所定の画像が表示されることがある。第2の演出が行われる際に、サブ液晶が所定の位置まで移動して所定の画像が表示された方が、所定の位置まで移動しない場合よりも期待度が高い。
このように、遊技盤2に対して移動可能なサブ液晶を用いた演出(サブ液晶を動作させたり、サブ液晶に画像を表示させたりする演出)を行うことにより、大当たりに対する期待を抱かせることができ、興趣性を向上させることができる。
なお、上述した説明では、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが「隣接位置」へ移動するか「退避位置」移動するかによって、上記所定タイミングから行われる特定演出の種類を示唆する例を用いたが、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作態様はこれらの動作に限定されない。例えば、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが停止する動作態様と、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bがいずれかの方向へ移動する動作態様とによって、上記所定タイミングから行われる特定演出の種類を示唆してもよい。このように、遊技者によって見分けることが可能な異なる動作態様であれば、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作態様はどのようなものであってもかまわない。
また、上記所定タイミングから行われる特定演出の種類を示唆するための動作態様は、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの一方の動作態様であってもよい。例えば、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの一方が何れかの方向へ移動する動作態様と、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの両方がそれぞれ何れかの方向へ移動する動作態様とによって、上記所定タイミングから行われる特定演出の種類を示唆してもよい。
また、上述した説明では、上記特定演出の一例として擬似連演出とリーチ演出とを用いたが、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作態様によって示唆する特定演出は他の演出であってもよい。典型的には、上記特定演出は、特別図柄の変動中において行われる演出の発展先を示すものが考えられる。例えば、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作態様によって、上記所定タイミングから行われるリーチ演出の種類を示唆してもよい。具体的には、大当たりに当選する可能性(信頼度)が異なる複数のリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ、SPリーチ、SPSPリーチ等)に対して、当該リーチ演出が行われることが確定する前の上記動作態様によって、当該リーチ演出の種類が示唆されてもよい。この場合、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作態様によって、大当たりに当選する可能性が一般的なリーチ演出より高いことを示す特別演出が行われるか否かが示唆される。例えば、上記特別演出は、一般的なリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と比較して発生度が低く大当たりに当選する信頼度が高いものであり、遊技者は当該特別演出が行われることを期待する。このような特別演出が行われるか否かが上記動作態様によって煽られることになり、当該動作態様による演出を楽しむことが可能となる。
また、上記特定演出は、後述する事前判定処理に基づいて実行される演出であってもよい。例えば、特別図柄抽選を保留している権利に対して、当該抽選の当落や当該抽選に当選する可能性が高いことを示す関連演出を行うかどうかが事前に判定される。そして、上記事前判定結果に基づいて、現時点から特別図柄抽選を保留して当該事前判定された権利に対して特別図柄抽選の結果が示されるまでの間の複数変動に渡って相互に関連性を有する関連演出(例えば、ゾーン演出)が行われる。このような複数変動に渡って関連演出が行われる場合、当該関連演出が行われる場合と他の演出が行われる場合とによって、当該演出の実行が確定するタイミングまたはその前において異なる動作態様で左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bを動作制御してもかまわない。
[第5実施形態における演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
以下、図84を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図84は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。なお、演出制御基板130で行われる処理は、ROM132に記憶されているプログラムに基づいてCPU131が発行する命令に応じて行われてもよい。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のCPU131は、タイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、CPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数や先読み演出実行乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、CPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返すことになる。例えば、CPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、演出制御基板130のタイマ割込み処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
図84において、CPU131は、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行し(ステップES1000)、次のステップに処理を進める。なお、ステップES1000で実行されるコマンド受信処理の詳細については、後述する。
次に、CPU131は、演出ボタン26または十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26または十字キー27が操作されたか否かを判定する(ステップES1100)。そして、CPU131は、演出ボタン26または十字キー27が操作された場合、ステップES1200に処理を進める。一方、CPU131は、演出ボタン26または十字キー27が操作されていない場合、ステップES1300に処理を進める。
ステップES1200において、CPU131は、演出ボタン26または十字キー27が操作された旨を通知するための操作コマンドをRAM133にセットし、ステップES1300に処理を進める。ここで、上記操作コマンドが画像音響制御基板140および/またはランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26または十字キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
ステップES1300において、CPU131は、送信処理を実行し、次のステップに処理を進める。例えば、CPU131は、上記ステップES1000や上記ステップES1200の処理によってRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140および/またはランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯や可動役物7や左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8b(すなわち、第1ステッピングモータ38aおよび第2ステッピングモータ38b)の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
次に、CPU131は、データ転送処理を実行し(ステップES1400)、当該フローチャートによるタイマ割込み処理を終了する。例えば、CPU131は、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、メイン液晶表示装置5、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bやスピーカ24によって行われている画像音声演出と同期するように、可動役物7、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bや盤ランプ25等の演出媒体による動作やランプを点滅させることによる演出が、ランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図85は、図84の上記ステップES1000におけるコマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。図85において、CPU131は、遊技制御基板100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップES101)。そして、CPU131は、保留コマンドを受信した場合、ステップES102に処理を進める。一方、CPU131は、保留コマンドを受信していない場合、ステップES111に処理を進める。
ステップES102において、CPU131は、RAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数に「1」を加算して更新し、次のステップに処理を進める。例えば、CPU131は、保留コマンド内の事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留コマンドであるか或いは第2特別図柄判定に係る保留コマンドであるかを判別し、その判別結果に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留数または第2特別図柄判定に係る保留数を更新する。
次に、CPU131は、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報をRAM133の所定領域に格納する(ステップES103)。そして、CPU131は、先読み演出実行乱数を取得してRAM133に格納し(ステップES104)、次のステップに処理を進める。例えば、上記先読み演出実行乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」ずつ加算されて更新されており、CPU131は、保留コマンドを受信した時点で更新されている値を先読み演出実行乱数として取得する。
次に、CPU131は、先読み演出を行うか否かを決定するための先読み演出抽選を実行するか否かを判定する(ステップES105)。そして、CPU131は、先読み演出抽選を実行する場合、ステップES106に処理を進める。一方、CPU131は、先読み演出抽選を実行しない場合、ステップES108に処理を進める。例えば、CPU131は、上記ステップES103の処理によってRAM133に格納された事前判定情報に基づいて、当該事前判定情報を含んでいた保留コマンドに対応する特別図柄判定の保留を抽選対象にするか否かを判定する。一例として、CPU131は、事前判定情報が大当たり用の変動パターンまたはリーチ用の変動パターンを示す情報を含んでいる場合には抽選対象にすると判定し、事前判定情報が当該情報を含んでいない場合には抽選対象としないと判定する。
ステップES106において、CPU131は、先読み演出抽選を実行し、次のステップに処理を進める。例えば、CPU131は、上記ステップES104の処理で取得された先読み演出実行乱数が、ROM132に記憶されている先読み演出実行乱数の当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、先読み演出を実行するか否かを抽選する。
次に、CPU131は、上記ステップES106における抽選結果に基づいて、先読み演出を実行するか否かを判定する(ステップES107)。そして、CPU131は、先読み演出を実行する場合、ステップES109に処理を進める。一方、CPU131は、先読み演出を実行しない場合、ステップES108に処理を進める。
ステップES108において、CPU131は、通常保留表示コマンドをRAM133にセットし、ステップES111に処理を進める。なお、RAM133にセットされた通常保留表示コマンドは、上記ステップES1300の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。そして、画像音響制御基板140の統括CPUは、通常保留表示コマンドを受信した場合、通常の表示態様の保留表示画像をメイン液晶表示装置5に新たに表示させる。
一方、ステップES109において、CPU131は、今回受信した保留コマンドに対応する保留表示画像の表示態様(例えば、色、模様、形状)を決定する。そして、CPU131は、当該表示態様による保留表示画像の表示を指示する特別保留表示コマンドをRAM133にセットし(ステップES110)、ステップES111に処理を進める。なお、RAM133にセットされた特別保留表示コマンドは、上記ステップES1300の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。そして、画像音響制御基板140の統括CPUは、特別保留表示コマンドを受信した場合、当該コマンドによって指示された表示態様の保留表示画像(例えば、通常の表示態様に対して、色、模様、形状等を変化させた保留表示画像)をメイン液晶表示装置5に新たに表示させる。
なお、本実施形態では、始動口入賞時に保留先読み演出を行うこととしているが、例えば、始動口入賞時には通常の表示態様の保留表示画像を表示させ、先に保留された特別図柄判定が消化された際に、その保留表示画像の表示態様を通常の表示態様から特別な表示態様に変化させるようにしてもよい。
ステップES111において、CPU131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。例えば、CPU131は、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、当該変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。そして、CPU131は、変動演出の実行中でない場合、ステップES112に処理を進める。一方、CPU131は、変動演出の実行中である場合、ステップES117に処理を進める。
ステップES112において、CPU131は、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、CPU131は、変動開始コマンドを受信した場合、ステップES113に処理を進める。一方、CPU131は、変動開始コマンドを受信していない場合、上記ステップES1000におけるコマンド受信処理を終了し、上記ステップES1100に処理を進める。
ステップES113において、CPU131は、変動開始コマンドを解析し、次のステップに処理を進める。ここで、上記変動開始コマンドには、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類を特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
次に、CPU131は、上記ステップES113における変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出パターン選択処理を実行し(ステップES114)、次のステップに処理を進める。
図には示されていないが、ROM132には、特別図柄の変動表示に伴う変動演出に関して、大当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、およびハズレリーチ無し演出テーブルの少なくとも3つの演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、大当たり演出テーブルには、60秒用、83秒用、120秒用、および160秒用のテーブルが設けられている。
CPU131は、これら複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、設定情報に「大当たり」を示す情報、変動時間が60秒である大当たり用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、CPU131は、60秒用の大当たり演出テーブルを選択する。また、設定情報に「ハズレ」を示す情報、遊技状態が時短遊技状態であることを示す情報、変動時間が10秒であるハズレ用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、CPU131は、10秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
上記演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。CPU131は、上述した乱数更新処理が行われる毎に更新される演出乱数について、変動開始コマンドを受信した時点の値を取得しておき、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、予め取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。
このような変動演出パターン選択処理が実行されることによって、上記ステップES114では、装飾図柄の変動態様、特定演出(例えば、リーチ演出、擬似連演出、関連演出)の有無、特定演出の種類、演出ボタン26を用いた演出の有無、サブ液晶動作演出の有無、背景画像の種類等の変動演出を構成する各演出の態様が決定される。
次に、CPU131は、ステップES114の処理で選択した変動演出パターンの変動演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM133にセットし(ステップES115)、次のステップに処理を進める。ここで、上記変動演出開始コマンドは、上記ステップES114で決定された演出の態様で変動演出の実行を指示するものであり、上記ステップES1300の送信処理によって画像音響制御基板140およびランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出が、画像音響制御基板140およびランプ制御基板150によって実現されることになる。なお、上記ステップES115の処理に応じた変動演出は、第1特別図柄表示器41または第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されるまで行われる。
次に、CPU131は、RAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」減算して特別図柄判定の保留数を更新し(ステップES116)、上記ステップES1000におけるコマンド受信処理を終了し、上記ステップES1100に処理を進める。例えば、CPU131は、ステップES112の処理で受信したと判定した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを判別し、第1特別図柄判定に係るものであると判別した場合には第1特別図柄判定の保留数を「1」減算し、第2特別図柄判定に係るものであると判別した場合には第2特別図柄判定の保留数を「1」減算する。また、図には示されていないが、上記ステップES116の処理に伴い、CPU131は、今回消化される特別図柄判定に対応する保留表示画像を消去するとともに、他の保留表示画像が表示されている場合にはその保留表示画像の表示位置をシフトさせる処理を画像音響制御基板140に実行させる。
一方、ステップES117において、CPU131は、遊技制御基板100から送信された変動停止コマンドを受信したか否かを判定する。そして、CPU131は、変動停止コマンドを受信した場合、ステップES118に処理を進める。一方、CPU131は、変動停止コマンドを受信していない場合、上記ステップES1000におけるコマンド受信処理を終了し、上記ステップES1100に処理を進める。
ステップES118において、CPU131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをRAM133にセットし、次のステップに処理を進める。ここで、上記変動演出終了コマンドは、上記ステップES1300の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、上記ステップES115の処理に応じて開始された変動演出が終了することになる。
[画像音響制御基板140による画像音響制御処理]
以下、図86を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行される画像音響制御処理について説明する。ここで、図86は、画像音響制御基板140において実行される画像音響制御処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図86に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、後述する説明においては、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作態様によって示唆される特定演出の一例として、擬似連演出およびリーチ演出を用いる。なお、リーチ演出に発展しない場合の画像音響制御処理については図87を参照して説明する。
図86において、画像音響制御基板140の統括CPUは、演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップES501)。そして、統括CPUは、変動演出開始コマンドを受信した場合、ステップES502に処理を進める。一方、統括CPUは、変動演出開始コマンドを受信していない場合、ステップES504に処理を進める。
ステップES502において、統括CPUは、受信した変動演出開始コマンドに含まれる情報およびディスプレイリスト作成テーブルに基づいて、変動演出の表示内容を設定する。そして、統括CPUは、上記ステップES502で設定した表示内容に基づいて、ディスプレイリストを作成し(ステップES503)、ステップES504に処理を進める。また、上記ステップES503において、統括CPUは、受信した変動演出開始コマンドにおいて、サブ液晶動作演出の実行が指示されている場合、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作が表示内容と同期するように、サブ液晶動作演出の節目(例えば、図柄変動開始時、図柄再変動開始時、擬似連確定時、リーチ確定時)毎のタイミングを設定する。
ここで、ディスプレイリストは、メイン液晶表示装置5、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bに対して、それぞれフレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する表示装置、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、上記ディスプレイリストを作成するために予め準備されたテーブルである。
画像音響制御基板140のVDPは、統括CPUによって作成されたディスプレイリストに基づいて、CGROMから演出データを読み出す。そして、画像音響制御基板140のVDPは、読み出した演出データを用いて、変動演出を行うための描画処理を実行する。
ステップES504において、統括CPUは、サブ液晶動作演出中であるか否かを判定する。そして、統括CPUは、サブ液晶動作演出中である場合、ステップES505に処理を進める。一方、統括CPUは、サブ液晶動作演出中でない場合、ステップES511に処理を進める。例えば、統括CPUは、上記ステップES501で受信した変動演出開始コマンドに基づいて、現時点で行われている変動演出内容を取得し、当該変動演出内容に応じて上記ステップES504の判定を行う。
ステップES505において、統括CPUは、上記ステップES503で設定したタイミングに基づいて、装飾図柄画像の変動を開始するタイミング(図77(A)および図78(A)参照)または装飾図柄画像の再変動を開始するタイミング(図77(E)参照)であるか否かを判定する。そして、統括CPUは、装飾図柄画像の変動を開始するタイミングまたは装飾図柄画像の再変動を開始するタイミングである場合、ステップES506に処理を進める。一方、統括CPUは、装飾図柄画像の変動を開始するタイミングまたは装飾図柄画像の再変動を開始するタイミングでない場合、ステップES507に処理を進める。
ステップES506において、統括CPUは、「退避位置」から「両端出現位置」へ移動させた後、「隣接直前位置」まで左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bをそれぞれ移動させる指示データを設定し、ステップES507に処理を進める。なお、当該指示データは、後述するステップES513におけるデータ送信制御処理において、画像音響制御に関するデータとして演出制御基板130に送信される。そして、当該送信データを受信することに応じて、ランプ制御基板150は、「退避位置」から「両端出現位置」へ左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bを移動させた後、「隣接直前位置」まで左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bをそれぞれ移動させる動作制御を行う(図77(A)〜図77(C)、図78(A)〜図78(C)、および、図81(A)〜図81(C)参照)。
ステップES507において、統括CPUは、上記ステップES503で設定したタイミングに基づいて、擬似的に装飾図柄画像の変動表示を仮停止させて再変動を行う擬似連が確定(図77(D)参照)したか否か(擬似連を継続するタイミングか否か)を判定する。そして、統括CPUは、擬似連が確定した場合、ステップES508に処理を進める。一方、統括CPUは、擬似連が確定していない場合、ステップES509に処理を進める。
ステップES508において、統括CPUは、「隣接直前位置」から「隣接位置」へ移動させた後、「両端出現位置」へ戻るように左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bをそれぞれ移動させる指示データを設定し、ステップES509に処理を進める。なお、当該指示データも、後述するステップES513におけるデータ送信制御処理において、画像音響制御に関するデータとして演出制御基板130に送信される。そして、当該送信データを受信することに応じて、ランプ制御基板150は「隣接直前位置」から「隣接位置」へ左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bを移動させた後(図77(D)参照)、「両端出現位置」まで左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bをそれぞれ戻す(図77(E)参照)動作制御を行う。
ステップES509において、統括CPUは、上記ステップES503で設定したタイミングに基づいて、装飾図柄画像の変動表示においてリーチが確定(図78(D)参照)したか否か(リーチ演出を開始するタイミングか否か)を判定する。そして、統括CPUは、リーチが確定した場合、ステップES510に処理を進める。一方、統括CPUは、リーチが確定していない場合、ステップES511に処理を進める。
ステップES510において、統括CPUは、「隣接直前位置」から「退避位置」へ左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bをそれぞれ戻す指示データを設定し、ステップES511に処理を進める。なお、当該指示データも、後述するステップES513におけるデータ送信制御処理において、画像音響制御に関するデータとして演出制御基板130に送信される。そして、当該送信データを受信することに応じて、ランプ制御基板150は「隣接直前位置」から「退避位置」へ左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bをそれぞれ戻す(図78(E)参照)動作制御を行う。
ステップES511において、統括CPUは、演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する。そして、統括CPUは、変動演出終了コマンドを受信した場合、ステップES512に処理を進める。一方、統括CPUは、変動演出終了コマンドを受信していない場合、ステップES513に処理を進める。
ステップES512において、統括CPUは、VDPに実行中の変動演出を終了させる変動演出終了処理を実行し、ステップES513に処理を進める。
ステップES513において、統括CPUは、データ送信制御処理を実行し、当該フローチャートによる処理を終了する。例えば、統括CPUは、上記ステップES506〜ステップES510の処理によって設定した指示データを含め、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。このデータ送信に応じて、演出制御基板130は、上記ステップES1400の処理において画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150等に転送する。これにより、メイン液晶表示装置5、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bやスピーカ24によって行われる演出と同期するように、ランプ制御基板150によって各種演出動作などが制御されることになる。
なお、上述では、演出制御基板130から受信したコマンドに基づいて液晶表示装置5で行われる変動演出の制御について説明したが、スピーカ24からの演出音の出力制御は、メイン液晶表示装置5、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bにおける画像表示と対応したものとなるため、ここでの詳細な説明は省略する。
図87は、画像音響制御基板140において実行される画像音響制御処理の他の例を示すフローチャートである。なお、図86と同様の処理については、同じステップ番号を付して説明を省略する。図87では、擬似連演出の実行後、又は、擬似連演出が行われずに左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bが動作してハズレが報知される場合の演出における処理が示されている。
図87に示すように、ステップES507でNOと判定された場合、又はステップES508の処理が行われた場合、ステップES520の処理が行われる。
ステップES520において、統括CPUは、上記ステップES503で設定したタイミングに基づいて、装飾図柄の変動表示においてハズレが確定(図81(D)参照)したか否か(ハズレを報知するタイミングか否か)を判定する。なお、図87に示す処理では、リーチ演出は行われずにハズレが報知されるため、ステップES503では、リーチ演出の代わりにハズレを報知するタイミングが設定される。
ステップES520においてハズレを報知するタイミングと判定された場合(ステップES520:YES)、統括CPUは、「隣接直前位置」から「退避位置」へ左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bをそれぞれ戻す指示データを設定する(ステップES510)。これにより左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bは、「隣接直前位置」から「退避位置」へ移動する。そして、その後、変動演出終了コマンドを受信したことに応じて(ステップES511:YES)、統括CPUは、装飾図柄の変動表示を終了する(ステップES512)。
[ランプ制御基板150によるランプ制御処理]
以下、図88を参照しつつ、ランプ制御基板150において実行されるランプ制御処理について説明する。ここで、図88は、ランプ制御基板150において実行されるランプ制御処理の一例を示すフローチャートである。ランプ制御基板150は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、演出制御基板130からのコマンドおよび演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信される画像音響制御に関するデータに基づいて、図88に例示されている一連の処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
図88において、ランプ制御基板150のCPUは、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から画像音響制御に関するデータを受信するデータ受信処理を実行し(ステップES601)、次のステップに処理を進める。ランプ制御基板150のCPUは、上記ステップES601の処理において受信した画像音響制御に関するデータに基づいて、メイン液晶表示装置5、左サブ液晶表示装置8a、および右サブ液晶表示装置8bやスピーカ24による演出と同期するように、各種演出手段(可動役物7、左サブ液晶表示装置8a、右サブ液晶表示装置8b等)を制御する。
次に、ランプ制御基板150のCPUは、演出制御基板130から変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップES602)。そして、ランプ制御基板150のCPUは、変動演出開始コマンドを受信した場合、ステップES603に処理を進める。一方、ランプ制御基板150のCPUは、変動演出開始コマンドを受信していない場合、ステップES607に処理を進める。
ステップES603において、ランプ制御基板150のCPUは、受信した変動演出開始コマンドに対応する発光パターンデータをランプ制御基板150のROMから読み出してRAMにセットすることにより、可動役物7の発光素子、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの発光素子、盤ランプ25の発光素子、および枠ランプ37の発光素子に対する発光パターンを設定する。そして、ランプ制御基板150のCPUは、セットした発光パターンデータに基づいて、これらの各発光素子の発光制御を開始し(ステップES604)、次のステップに処理を進める。
次に、ランプ制御基板150のCPUは、変動演出開始コマンドに基づいて、サブ液晶動作演出の実行が指示されたか否かを判定する(ステップES605)。そして、ランプ制御基板150のCPUは、サブ液晶動作演出の実行が指示された場合、ステップES606に処理を進める。一方、ランプ制御基板150のCPUは、サブ液晶動作演出の実行が指示されていない場合、ステップES607に処理を進める。
ステップES606において、ランプ制御基板150のCPUは、サブ液晶動作演出用の動作パターンを設定し、ステップES607に処理を進める。例えば、ランプ制御基板150のCPUは、受信した変動演出開始コマンドに対応する左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作パターンを示す動作パターンデータをランプ制御基板150のROMから読み出してRAMにセットすることにより、サブ液晶動作演出用の動作パターンを設定する。
ステップES607において、ランプ制御基板150のCPUは、サブ液晶動作演出中であるか否かを判定する。例えば、ランプ制御基板150のCPUは、上記ステップES606でセットされた動作パターンによる左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bの動作が終了していない場合、サブ液晶動作演出中であると判定する。そして、ランプ制御基板150のCPUは、サブ液晶動作演出中である場合、ステップES608に処理を進める。一方、ランプ制御基板150のCPUは、サブ液晶動作演出中でない場合、ステップES614に処理を進める。
ステップES608において、ランプ制御基板150のCPUは、上記ステップES601におけるデータ受信処理において、「退避位置」から「両端出現位置」へ移動させた後、「隣接直前位置」まで移動させる指示データを受信したか否かを判定する。そして、ランプ制御基板150のCPUは、上記指示データを受信した場合、ステップES609に処理を進める。一方、ランプ制御基板150のCPUは、上記指示データを受信していない場合、ステップES610に処理を進める。
ステップES609において、ランプ制御基板150のCPUは、セットされている動作パターンに基づいた移動速度で、「退避位置」から「隣接直前位置」まで左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bをそれぞれ移動させる動作制御を行い、ステップES610に処理を進める。例えば、当該動作制御は、左サブ液晶表示装置8aの駆動源である第1ステッピングモータ38aおよび右サブ液晶表示装置8bの駆動源である第2ステッピングモータ38bそれぞれの回転方向、回転速度、および回転角度を制御することによって実現される(図77(A)〜図77(C)および図78(A)〜図78(C)参照)。
ステップES610において、ランプ制御基板150のCPUは、上記ステップES601におけるデータ受信処理において、「隣接直前位置」から「隣接位置」へ移動させた後、「両端出現位置」へ戻る指示データを受信したか否かを判定する。そして、ランプ制御基板150のCPUは、上記指示データを受信した場合、ステップES611に処理を進める。一方、ランプ制御基板150のCPUは、上記指示データを受信していない場合、ステップES612に処理を進める。
ステップES611において、ランプ制御基板150のCPUは、セットされている動作パターンに基づいた移動速度で、「隣接直前位置」から「隣接位置」へ移動させた後、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bを「両端出現位置」へそれぞれ戻す動作制御を行い、ステップES612に処理を進める。例えば、当該動作制御も、左サブ液晶表示装置8aの駆動源である第1ステッピングモータ38aおよび右サブ液晶表示装置8bの駆動源である第2ステッピングモータ38bそれぞれの回転方向、回転速度、および回転角度を制御することによって実現される(図77(D)および図77(E)参照)。
ステップES612において、ランプ制御基板150のCPUは、上記ステップES601におけるデータ受信処理において、「隣接直前位置」から「退避位置」へ戻す指示データを受信したか否かを判定する。そして、ランプ制御基板150のCPUは、上記指示データを受信した場合、ステップES613に処理を進める。一方、ランプ制御基板150のCPUは、上記指示データを受信していない場合、ステップES614に処理を進める。
ステップES613において、ランプ制御基板150のCPUは、セットされている動作パターンに基づいた移動速度で、左サブ液晶表示装置8aおよび右サブ液晶表示装置8bを「隣接直前位置」から「退避位置」へそれぞれ戻す動作制御を行い、ステップES614に処理を進める。例えば、当該動作制御も、左サブ液晶表示装置8aの駆動源である第1ステッピングモータ38aおよび右サブ液晶表示装置8bの駆動源である第2ステッピングモータ38bそれぞれの回転方向、回転速度、および回転角度を制御することによって実現される(図78(D)および図78(E)参照)。
ステップES614において、ランプ制御基板150のCPUは、演出制御基板130から変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する。そして、ランプ制御基板150のCPUは、変動演出終了コマンドを受信した場合、ステップES614に処理を進める。一方、ランプ制御基板150のCPUは、変動演出終了コマンドを受信していない場合、当該フローチャートによる処理を終了する。
ステップES615において、ランプ制御基板150のCPUは、上記ステップES604の処理で開始した発光制御および上記ステップES606でセットした動作パターンによる動作制御を終了させ、当該フローチャートによる処理を終了する。
[第5実施形態の作用効果]
以上説明したように、第5実施形態によれば、特別遊技判定における一回の判定結果を報知する演出の途中となる所定のタイミングから異なる特定演出を実行する場合、実行する特定演出に応じて当該所定のタイミングまたはその前において異なる動作態様で可動画面の動作が制御される。したがって、可動画面の動作態様によって、特別図柄の変動中に行われる特定演出の示唆(当該変動における発展先の示唆)が可能となる。
一例として、一対の可動画面の動作態様によって、上記特定演出を示唆してもよい。第1の例として、一対の可動画面が隣接するか互いに離間する方向へ移動するかによって異なる特定演出が実行されることを示唆してもよい。
第2の例として、一対の可動画面が停止する動作態様と一対の可動画面の少なくとも一方が移動する動作態様とによって、異なる特定演出が実行されることを示唆してもよい。第3の例として、一対の可動画面の一方が移動する動作態様と一対の可動画面の両方が移動する動作態様とによって、異なる特定演出が実行されることを示唆してもよい。このように、実行する特定演出に応じて、異なる動作態様で一対の可動画面の動作を制御することによって、一対の可動画面に表示する画像や情報に遊技者を注目させることができる。
また、上記特定演出としては、擬似連演出、リーチ演出、関連演出(例えば、ゾーン演出)等が考えられ、これらの特定演出のうち、どの特定演出が実行されるのかを可動画面の動作態様によって示唆することが可能となる。また、複数の擬似連演出がある場合に異なる擬似連演出が実行されることを可動画面の動作態様によって示唆してもいいし、複数のリーチ演出がある場合に異なるリーチ演出が実行されることを可動画面の動作態様によって示唆してもいいし、複数の関連演出がある場合に異なる関連演出が実行されることを可動画面の動作態様によって示唆してもよい。一般的に、これらの特定演出の間には、大当たりに当選する信頼度が異なる度合いに設定されている場合が多い。この場合、遊技者は、上記信頼度が高い特定演出が実行されることを期待するため、当該特定演出が実行されることを示唆する動作態様で可動画面が動作制御されることを期待する。したがって、遊技者は、可動画面の動作態様によって、遊技者自身が実行を希望する特定演出が実行されるか否かが煽られることになり、当該動作態様による演出を遊技者が楽しむことができる。
[変形例]
なお、上記実施形態では、様々な変形例を既に説明しているが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、さらに以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、図77に例示したように、擬似連確定時に一対の可動画面が隣接位置へ移動することによって擬似連演出が実行されることが示唆される。また、図78に例示したように、リーチ確定時に一対の可動画面が退避位置へ移動することによってリーチ演出が実行されることが示唆される。しかしながら、これらの動作態様で一対の可動画面を動作させるタイミングは、当該特定演出を行う特別図柄の変動中であれば、これらの特定演出が実行されることが確定した時点より前であってもかまわない。
また、メイン液晶表示装置5、左サブ液晶表示装置8a、および/または右サブ液晶表示装置8bへの表示と、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bの動作とを同期させるために、画像音声制御基板140からランプ制御基板150へ所定の節目毎に指示データが送信されているが、他の方式によって当該同期が行われてもかまわない。例えば、上記実施形態で例示した指示データを送信する節目を、さらに細かくまたはさらに粗くしてもよい。一例として、「退避位置」、「両端出現位置」、「隣接直前位置」、および「隣接位置」それぞれに対して、当該位置から移動を開始するタイミングや当該位置へ到着するタイミング等を、上記指示データを送信する節目としてもかまわない。また、画像音声制御基板140からランプ制御基板150へ上記指示データを送信することなく、上記同期を確立してもかまわない。例えば、変動演出開始コマンドを受信した際に設定される動作パターンのみに基づいて、左サブ液晶表示装置8aおよび/または右サブ液晶表示装置8bを動作制御してもよい。この場合、上記動作パターンに基づいた動作制御が行われれば上記同期が確立されるように当該動作パターンを準備し、上記変動演出開始コマンドの受信を契機として当該動作パターンに基づいた動作制御を開始する。
また、実行する特定演出に応じて、異なる動作態様で動作制御される可動画面は、一対の表示装置でなくてもよい。例えば、上記可動画面は、単一の可動画面でもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成、タイプ、各部材の動作態様等は単なる一例に過ぎず、他の構成、タイプ、動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の表示態様の画面であってもよい。
また、他の実施形態として、遊技制御基板100、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150においてそれぞれ実行される少なくとも一部を別の制御基板(別の制御部)で実行してもかまわない。例えば、遊技制御基板100において実行される処理の少なくとも一部を、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150において実行してもいいし、上記説明では登場しない他の制御基板(他の制御部)において実行してもよい。また、演出制御基板130において実行される処理の少なくとも一部を、遊技制御基板100、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150において実行してもいいし、上記説明では登場しない他の制御基板(他の制御部)において実行してもよい。また、遊技制御基板100、演出制御基板130、画像音響制御基板140、およびランプ制御基板150の一部または全部を一体に構成して、複数の制御基板(制御部)において実行される処理を1つの制御基板(制御部)に実行させるようにしてもよい。
以上、第5実施形態を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
[変動パターンの一例]
次に、第1実施形態〜第5実施形態において示した演出を実行するための遊技制御部100から送信される変動パターンの一例について説明する。
図89は、変動パターンの一例を示す図である。図89では、一部のみの変動パターンが例示されており、遊技制御部100は、図9のステップS408において、特別図柄判定の結果に基づいて、1の変動パターンを決定する。第1実施形態〜第5実施形態において示した演出は、決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、実行される。
例えば、第1実施形態において説明した演出のうち、1のパターンの演出は、変動パターンPa1が選択された場合に実行される。同様に、第2実施形態、第4実施形態、第5実施形態においてそれぞれ説明した演出を実行させるための変動パターンPb1、変動パターンPd1、変動パターンPe1等が予め用意されている。なお、第3実施形態において説明した演出は、事前判定に基づいて行われる演出であるため、特別図柄判定の実行時に選択された変動パターンに基づく特別図柄の変動に応じて行われない。しかしながら、第3実施形態において説明した演出は、事前判定(図7のステップS205、ステップS211)によって判定された変動パターンに基づいて、行われる。すなわち、大当たりを示す変動パターンや大当たりに対する期待度の高い演出を行わせる変動パターンが事前判定された場合、第3実施形態で説明した保留画像を変化させる演出が行われる。
以上のように、本発明に係る遊技機では様々な演出を実行可能であり、各演出は変動パターンに基づいて行われる。
[本発明に係る遊技機の構成とその作用効果]
以上説明したように、本発明に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
一実施形態に係る遊技機は、始動条件の成立に基づいて特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段と、演出図柄表示手段において複数の演出図柄を変動表示させてから停止表示させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄演出制御手段と、を備え、前記図柄演出制御手段は、前記演出図柄表示手段の複数の領域において前記演出図柄の変動表示を開始させる変動開始手段と、前記変動開始手段によって前記演出図柄の変動表示が開始された後、前記演出図柄表示手段の所定の領域(左領域)に演出図柄を停止させる第1停止手段(図23(B))と、前記第1停止手段によって前記所定の領域に演出図柄が停止された後、当該第1停止手段によって停止された演出図柄を用いて、前記所定の領域とは異なる領域に停止する演出図柄を示唆する示唆演出を行う示唆演出制御手段(図23(C))と、前記示唆演出制御手段によって前記示唆演出が行われた後、前記示唆演出によって示唆された演出図柄を停止させる第2停止手段(図23(D))と、前記第2停止手段によって前記示唆された演出図柄が停止された後、特定演出を実行する特定演出制御手段と、を含み、前記示唆演出制御手段によって行われる示唆演出の内容に応じて、前記特別遊技が行われる期待度が異なる。
上記構成によれば、所定の領域に演出図柄を停止させ、当該停止された演出図柄を用いて所定の領域とは異なる領域に停止する演出図柄を示唆する示唆演出が行われる。そして、示唆された演出図柄が停止した後、特定の演出に発展する。この場合において、示唆演出の内容によって特別遊技が行われる期待度が異なる。これにより、示唆演出の内容(停止する演出図柄の種類や表示態様)によって遊技者の期待感を高めることができ、興趣性を向上させることができる。
また、一実施形態の遊技機は、始動条件の成立に基づいて特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段と、演出図柄表示手段において複数の演出図柄を変動表示させてから停止表示させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄演出制御手段とを備え、前記図柄演出制御手段は、前記演出図柄表示手段の複数の領域において前記演出図柄の変動表示を開始させる変動開始手段と、前記変動開始手段によって前記演出図柄の変動表示が開始された後、前記演出図柄表示手段の所定の領域(左領域)に演出図柄を停止させる停止手段(図23(B))と、前記停止手段によって停止された演出図柄を用いて、前記所定の領域とは異なる領域に停止する演出図柄を示唆する示唆演出を行う示唆演出制御手段(図23(C))と、前記示唆演出が行われた後、当該示唆演出によって示唆された演出図柄を停止させ、その後に特定演出を実行する第1制御手段(図23(E)〜図23(G))と、前記示唆演出が行われた後、当該示唆演出によって示唆された演出図柄とは異なる演出図柄を停止させる第2制御手段(図24(D))と、を含む。
上記構成によれば、示唆演出によって示唆された演出図柄が停止した場合は特定演出が行われるのに対して、示唆された演出図柄が停止せず異なる図柄が停止する場合は特定演出は行われない。このため、示唆された演出図柄が停止するか否かについて遊技者の期待を高めることができる。
また、一実施形態の遊技機は、始動条件が成立すると、遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段と、図柄表示手段に図柄を変動表示させてから前記特別遊技判定手段の判定結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、前記図柄表示手段における図柄の変動表示中に、所定数のステップで構成される演出であって当該所定数のステップまで段階的に発展可能なステップアップ演出を実行可能なステップアップ演出制御手段と、前記ステップアップ演出とは異なる所定演出を実行可能な所定演出実行手段とを備え、前記ステップアップ演出制御手段は、前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、前記ステップアップ演出のステップ数を決定するステップ数決定手段(図42のBS1164)と、前記ステップアップ演出の実行後に前記所定演出実行手段による所定演出が実行される場合に、前記ステップ数決定手段によって決定されたステップ数に基づいて、前記所定演出の実行を示唆する示唆演出を前記ステップアップ演出のいずれのステップにおいて行うかを決定する示唆ステップ決定手段(図42のBS1166)と、前記ステップ数決定手段によって決定されたステップ数まで前記ステップアップ演出を実行するとともに、前記示唆ステップ決定手段によって決定されたステップにおいて前記示唆演出を実行する実行手段(図42のBS1167)と、を含む。
上記構成によれば、ステップアップ演出中のあるステップにおいて所定演出の実行を示唆する示唆演出を行うことができる。どのステップにおいて示唆演出を行うかをステップ数決定手段によって決定されたステップ数に基づいて決定することができる。
また、一実施形態の遊技機は、始動条件が成立すると、取得情報を取得する取得手段と、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段と、図柄表示手段に図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段と、前記取得手段によって取得情報が取得された場合、当該取得情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に対応する保留画像を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段に表示された保留画像を第1オブジェクト(バス停)に変化させる第1変化手段(図51(B))と、前記第1オブジェクトと関連する第2オブジェクト(バス)を前記第1オブジェクトに向かって移動表示させる第2オブジェクト移動手段(図51(C)〜図51(D))と、前記第2オブジェクト移動手段によって移動された第2オブジェクトが前記第1オブジェクトと所定の位置関係(第1オブジェクトと第2オブジェクトが重なる位置)になった後、前記第1オブジェクトを前記特別遊技が行われることに対する期待度に応じた画像(キャラクタ)に変化させる第2変化手段(図51(H))と、を備える。
上記構成によれば、保留画像を第1オブジェクトに変化させ、当該第1オブジェクトと関連する第2オブジェクトが移動して第1オブジェクトと所定の位置関係になった後、保留を示す第1オブジェクトを期待度に応じた画像に変化させることができる。これにより、保留画像を変化させるための演出を行うことができ、興趣性を向上させることができる。
また、一実施形態の遊技機は、始動条件が成立すると、取得情報を取得する取得手段と、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段と、図柄表示手段に図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段と、前記取得手段によって取得情報が取得された場合、当該取得情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された取得情報に対応する保留画像を表示する画像表示手段と、第1オブジェクト(バス)を前記保留画像(バス停)に向かって移動表示させる第1オブジェクト移動手段(図51(C)〜図51(D))と、前記第1オブジェクト移動手段によって移動された第1オブジェクトが前記保留画像と所定の位置関係になった後、前記第1オブジェクトから前記特別遊技が行われることに対する期待度に応じた第2オブジェクト(キャラクタ)を出現させる出現手段(図51(E))と、前記保留画像を前記出現手段によって出現された第2オブジェクトに変化させる変化手段(図51(H))と、を備える。
また、一実施形態の遊技機は、始動条件が成立すると、取得情報を取得する取得手段と、前記取得情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う判定手段と、図柄表示手段に図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する図柄制御手段と、前記取得手段によって取得情報が取得された場合、当該取得情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された取得情報に対応する保留画像を表示する画像表示手段と、第1オブジェクト(バス)を前記保留画像(バス停)に向かって移動表示させる第1オブジェクト移動手段(図51(C)〜図51(D))と、前記第1オブジェクト移動手段によって移動された第1オブジェクトが前記保留画像と所定の位置関係になった後、前記第1オブジェクトを前記特別遊技が行われることに対する期待度に応じた第2オブジェクト(キャラクタ)に変化させる第1変化手段(図51(E))と、前記保留画像を前記第1変化手段によって変化された第2オブジェクトに変化させる第2変化手段(図51(H))と、を備える。
上記構成によれば、第1オブジェクトを保留画像に向かって移動させ、当該第1オブジェクトと保留画像とが所定の位置関係になった後、保留画像を第2オブジェクトに変化させることができる。これにより、保留画像を変化させるための演出を行うことができ、興趣性を向上させることができる。
また、一実施形態の遊技機は、始動条件の成立に基づいて、特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段と、前記判定手段による判定の結果に基づいて、特別遊技が行われることに対する期待度が通常よりも高いことを示す、第1の特定演出(例えば、図58の擬似連)又は当該第1の特定演出とは異なる第2の特定演出(例えば、図58のリーチ演出)を実行可能な演出制御手段とを備え、前記演出制御手段は、演出図柄表示手段において演出図柄を変動開始させてから停止表示させるまでに、第1の演出(例えば、図59(B))を行った後に第1の態様で前記演出図柄を動作させ(反時計回り)、当該第1の態様で演出図柄を動作させた後に前記第1の特定演出を実行する第1制御手段と、前記演出図柄を変動開始させてから停止表示させるまでに、第2の演出(例えば、図60(B)〜(E))を行った後に前記第1の態様とは異なる第2の態様で前記演出図柄を動作させ(図60(F)の前転)、当該第2の態様で演出図柄を動作させた後に前記第2の特定演出を実行する第2制御手段と、前記演出図柄を変動開始させてから停止表示させるまでに、前記第1の演出又は前記第2の演出を行った後、前記第1の態様又は前記第2の態様で演出図柄を動作させない第3制御手段(図66、図67)と、を有し、前記第3制御手段は、前記第1の演出および前記第2の演出のうち、一方の実行確率を他方よりも高くして、前記第1の演出および前記第2の演出のうちの何れかの演出を実行する。
上記構成によれば、第1の演出が行われた後に第1の態様で演出図柄が動作し、その後、第1の特定演出を実行する演出パターンと、第2の演出が行われた後に第2の態様で演出図柄が動作し、その後、第2の特定演出を実行する演出パターンとがある。また、第1の演出又は第2の演出について一方の実行確率を他方よりも高くして行い、その後、第1の態様又は第2の態様で演出図柄を動作させない演出パターンもある。このため、第1の演出又は第2の演出が行われた場合には、第1の特定演出又は第2の特定演出が行われることに対する期待を高めることができ、興趣性を向上させることができる。
また、一実施形態の遊技機は、所定の始動条件の成立に基づいて、特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、複数回にわたって繰り返し行われる特定演出(例えば、擬似連)を実行可能な演出制御手段と、演出画像を表示する少なくとも1つの可動画面と、前記可動画面を用いた演出を制御する可動画面制御手段とを備え、前記可動画面制御手段は、前記演出制御手段によって前記特定演出が継続される際には、前記可動画面を所定の位置(隣接位置)まで移動させるとともに当該可動画面に所定の画像を表示させ(図77、図79の擬似変動2回目、3回目の開始直前)、前記演出制御手段によって前記特定演出が終了される際には、前記可動画面を前記所定の位置まで移動させない(図79のリーチ成立直前)。
上記構成によれば、特定演出が継続される際に可動画面を移動させ、特定演出が終了される際には可動画面を移動させないようにすることができ、可動画面の動作によって特定演出が継続するか否かの期待感を高めることができる。
また、一実施形態の遊技機は、所定の始動条件の成立に基づいて、特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、第1の演出(例えば、第5実施形態のサブ液晶が隣接直前位置にある状態でメイン液晶表示装置5で行われる所定の演出)および当該第1の演出の後に行われる第2の演出(リーチ演出や擬似連等の特定演出、あるいはハズレ演出)を実行可能な演出制御手段と、演出画像を表示する少なくとも1つの可動画面と、前記可動画面を用いた演出を制御する可動画面制御手段とを備え、前記可動画面制御手段は、前記可動画面を所定の位置まで移動させて当該可動画面に所定の画像を表示させる第1画面制御(図80(A)の隣接位置への移動)と、前記可動画面を前記所定の位置まで移動させない第2画面制御(図80(B)の退避位置への移動)と、を行うことが可能であり、前記第1の演出が終了して前記第2の演出が行われる際に、前記第2画面制御よりも前記第1画面制御が行われた方が、特別遊技が行われる期待度が高い。
上記構成によれば、第2の演出が行われる際に可動画面が所定の位置まで移動して当該可動画面に所定の画像が表示された場合には、可動画面が移動しない場合よりも期待度が高くなり、興趣性を向上させることができる。