JP5866501B1 - 水処理支援システム、プログラム - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、採取される水の成分に応じて水処理装置を適正に構成するように支援することである。本発明の水処理支援システム(10)において、第1の記憶部(11)は、水に含まれる成分を複数の段階に区分した水質レベルに対応させて記憶する。第2の記憶部(12)は、水に含まれる成分ごとに処理技術を対応させて記憶する。第1のインターフェイス部(13)は、水質改善が必要な水に含まれている成分の情報を入力情報として取得する。第2のインターフェイス部(14)は、成分を取り除く処理技術を出力情報として提示装置(20)に出力する。判定部(15)は、水質レベルの区分を抽出し、かつ成分を取り除く処理技術を区分ごとに組み合わせて出力情報を生成する。

Description

本発明は、一般に水処理支援システムおよびプログラムに関し、より詳細には、水質改善を行う水処理装置の構築を支援する水処理支援システム、およびコンピュータを水処理支援システムとして機能させるためのプログラムに関する。
今日、人が生活する上で必要な水を確保することが重要な課題になってきている。とくに、著しく人口が増加し始めているアジアおよびアフリカなどの一部の地域では、利用に適さない不純物が陸水に混入していることが多い。したがって、これらの地域では、他の地域以上に水質の改善が喫緊の課題になっている。
水質改善には、物理的処理、化学的処理、生物的処理を単独または複合して用いる様々な技術が提案されている。たとえば、カルシウムあるいはマグネシウムのような成分の濃度を低減させる水処理の技術として電気脱イオン化装置あるいはイオン交換樹脂を用いる技術が記載されている(たとえば、日本国特許出願公表番号2007−513749(以下「文献1」という)参照)。文献1には、水質改善のための処理装置の例として、逆浸透装置、電気化学装置、限外濾過装置、精密濾過装置、蒸留装置が列記されている。
また、雨水貯留槽で浄化した雨水を中水とし、中水を洗車、散水、トイレ、風呂、洗濯機などの用途に利用し、水道からの上水を調理場で利用する構成が知られている(たとえば、日本国特許出願公開番号10−337557(以下「文献2」という)参照)。
さらに、日本国特許出願公開番号06−269766(以下「文献3」という)には、地域内における廃水を水質グレード別に集水し、集水した水を浄化処理した後に用途別に貯水する構成が記載されている。文献3では、いずれかの用途のために貯水している水が不足すると、この用途のための水よりも水質グレードがより上位である水を補給している。
文献2、文献3では、水の用途に応じて水質を分類しており、また、文献2では、目的の水質に応じて水を処理している。さらに、文献1には、水質改善のために種々の処理装置を併用することが記載されている。
しかしながら、文献1、文献2、文献3に記載された技術は、処理装置の構成が固定的である。そのため、これらの技術は、水質改善が必要な場所での水質および用途に応じて技術を適正化することが難しいという課題がある。
本発明は、採取される水の成分に応じて水処理装置の構成を適正化することを可能にした水処理支援システムを提供することを目的とする。さらに、本発明は、コンピュータを、この水処理支援システムとして機能させるためのプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る水処理支援システムは、水に含まれる成分を複数の段階に区分した水質レベルに対応させて記憶している第1の記憶部と、水に含まれる成分ごとに処理技術を対応させて記憶している第2の記憶部と、水質改善が必要な水に含まれている成分の情報を入力情報として取得する第1のインターフェイス部と、前記成分を取り除く処理技術を出力情報として提示装置に出力する第2のインターフェイス部と、前記入力情報を前記第1の記憶部および前記第2の記憶部に照合することにより、前記水質レベルの区分を抽出し、かつ前記成分を取り除く前記処理技術を前記区分ごとに組み合わせて前記出力情報を生成する判定部とを備えることを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上述したいずれかの水処理支援システムとして機能させるためのものである。本発明は、プログラムに限らず、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
本発明の好ましい実施形態をより詳細に記述する。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記述および添付図面に関連して一層よく理解される。
実施形態の水処理支援システムを示すブロック図である。 実施形態に用いる測定装置を示す概略構成図である。 実施形態に用いるセンサ装置の利用例を示す概略構成図である。 実施形態を用いて設計される水処理装置の例を示す概略構成図である。
図1に示すように、以下に説明する水処理支援システム10は、第1の記憶部11と第2の記憶部12と第1のインターフェイス部13と第2のインターフェイス部14と判定部15とを備える。第1の記憶部11は、水に含まれる成分を複数の段階に区分した水質レベルに対応させて記憶している。第2の記憶部12は、水に含まれる成分ごとに処理技術を対応させて記憶している。第1のインターフェイス部13は、水質改善が必要な水に含まれている成分の情報を入力情報として取得する。第2のインターフェイス部14は、成分を取り除く処理技術を出力情報として提示装置20に出力する。判定部15は、入力情報を第1の記憶部11および第2の記憶部12に照合することにより、水質レベルの区分を抽出し、かつ成分を取り除く処理技術を区分ごとに組み合わせて出力情報を生成する。
上記水処理支援システム10の構成によれば、水に含まれる成分に応じて水質レベルを複数段階に区分し、水質改善を行う水に含まれた成分に応じて、この成分を取り除く処理技術を組み合わせて出力情報を生成している。この構成により、採取される水の成分に応じて水処理装置を適正に構成するように支援することが可能になるという利点を有する。とくに、水質レベルを水に含まれる成分に応じて区分しているから、水質改善は、水の用途に応じた水質レベルが得られるように、段階ごとに定めた成分を取り除けばよい。その結果、段階ごとに水質改善を行えばよく、処理技術を段階ごとの単位として扱うことが可能になり、設計および保守が容易になる。
また、第1のインターフェイス部13は、水質改善が必要な水に含まれている成分を計測するセンサ装置30から入力情報を取得することが望ましい。第2のインターフェイス部14は、入力情報および判定部15が抽出した水質レベルの区分を出力情報に含めて提示装置20に出力することが望ましい。
さらに、入力情報は水質改善が必要な水が存在する地理的位置に関する情報を含んでおり、水処理支援システム10は、水質改善が必要な水に含まれる成分の情報と地理的位置に関する情報とを対応させて記憶する第3の記憶部16を備えることが望ましい。
以下、本実施形態についてさらに詳しく説明する。本実施形態において、水質改善が必要な水の水質レベルは、「中」、「低」、「使用不可」の3段階に分類され、水質改善を行った後の用途は、「飲用」、「洗濯用」、「雑用」の3段階に分類されている。用途は水質レベルに対応している。たとえば、「中」レベルは「洗濯用」に対応し、「低」レベルは「雑用」に対応する。「使用不可」レベルは、利用に適さない水質レベルを意味する。なお、「飲用」の水は「高」レベルの水質になる。すなわち、水質レベルは、水質改善が必要な水質レベル(「中」レベル、「低」レベル、「使用不可レベル」)と、水質改善が不要な水質レベル(「高」レベル)との4段階である。
用途の名称は、代表的な用途を示しているが、名称が示す用途にのみ用いることを意味していない。たとえば、「飲用」は、飲用に使用して差し支えがない水質であることを表し、食用あるいは入浴用のように、摂取したり人体に触れる時間が比較的長くても健康被害あるいは感染被害が生じない程度の水質であることを意味する。また、「洗濯用」は、洗濯に用いるだけではなく、水浴あるいはシャワーのように人体に一時的に触れても健康被害あるいは感染被害が生じない程度の水質であることを意味する。さらに、「雑用」は、人に接触する用途には不向きであるが、乗り物の洗浄あるいは便器の洗浄のように、人に接触しない用途であれば利用してもよい程度の水質を表す。
それぞれの用途に用いるために取り除くべき成分と、該当する成分を含む場合の水質レベルの区分とを対応させた例を表1に示す。表1は一例であって、水質改善の対象である水から取り除く成分と水質レベルの区分との関係は他に定めることが可能である。また、表1では水質レベルの区分ごとに処理技術を対応させているが、後に表2で示すように、処理技術は取り除く成分ごとに対応させてあり、表1の関係は一例にすぎない。取り除く成分と処理後の用途とは、表1の対応関係でなくてもよい。たとえば、硬度、pH、硫化物などは適正範囲に調整されていれば、飲用に適する場合もある。表1では、取り除くべき成分ごとに水質レベルが対応している。さらに、表1では、水質レベルごとに処理技術が対応している。
Figure 0005866501
表1において、蒸発残留物は、TDS(Total Dissolved Solids)のことであり、NF膜はナノフィルタ(Nanofiltration Membrane)のことである。深濾過は、草木、礫、砂、セラミック、ポリマー繊維、炭などから選択される濾材を用いて、不純物を除去する処理技術である。また、pHに対する処理技術は、飲用に適したpH値(たとえば、5.8〜8.6)に調節することを意味する。硬度についても、利用目的に応じて適正範囲に調整される。
なお、表1では水質改善の対象である水質レベルが3段階に分類され、処理後の用途が3種類に分類されているが、水質レベルの段階および用途の種類は、適宜に定めることが可能である。したがって、成分についても、水質レベルあるいは用途の設定に応じて適宜に選択される。たとえば、「飲用」と「雑用」との間に、「洗濯用」と「農業用」との2用途を設定してもよい。この場合、「洗濯用」は、表1に示した成分を取り除き、「農業用」では、ヒ素、水銀、鉛などを取り除いて、鉄、銅、窒化物などは適宜の濃度で残留させるようにしてもよい。
本実施形態の特徴は、表1のように、水質レベルが用途に応じて段階的に定められ、かつ水に含まれる特定の成分が取り除かれると、水質レベルが1段階上がって、1段階上の水質レベルに対応した用途に用いることができるようになることである。つまり、水処理装置40(図4参照)には、水質レベルを1段階高めるように構成された処理部(たとえば、図4に示す第1の処理部41、第2の処理部42、第3の処理部43)が用いられる。処理部の個数は、後述するように、原水の水質レベルと、要求される水質レベルの中で一番高い水質レベルとの間の段数によって定められる。ここで、特定の成分が取り除かれることとは、特定の成分が完全に取り除かれることに限定されず、特定の成分が低減されることであってもよい。
取り除くべき成分に対して適用可能な処理技術の例を表2に示す。表2において、アニオン交換は強酸を用いてイオン交換を行うことを示し、カチオン交換は強塩基を用いてイオン交換を行うことを示している。また同様に、軟水化は塩を用いてイオン交換を行うことを示している。
表2から明らかなように、多くの処理技術は、複数の成分に対して有効である。すなわち、水に含まれる成分がわかれば、1種類の成分に対して複数種類の処理技術が選択可能になる場合がある。逆に、1種類の処理技術を複数種類の成分に対して適用可能である場合もある。
Figure 0005866501
1種類の成分に対して複数種類の処理技術が選択可能である場合、種々の条件を考慮して処理技術が選択される。この種の条件は、処理後の水質、処理性能(単位時間当たりの処理量)、処理技術に対する導入コスト(つまり、初期投資)と運用コスト(つまり、ランニングコスト)、可用性(Availability)、保守性(Serviceability)などを含む。ここでの可用性は、故障率の低さの程度(故障率をρとすると、1−ρに相当)を意味しており、保守性は、消耗品の入手容易性、故障時の修理容易性などを表している。
たとえば、高機能な消耗品は経済的に豊かな地域でなければ入手困難と考えられる。また、高度な処理技術を採用している水処理装置は、専門家でなければ修理することができない場合がある。すなわち、地域性の条件によって保守性にばらつきが生じる。さらに、消耗品の入手に時間が要する場合、あるいは修理に時間を要する場合には、可用性が低下することになる。
ところで、人が利用可能な水源には、雨水、河川水(湖沼水を含む)、地下水、生活廃水などがあり、水源から取り入れた水(以下、「原水」という)の水質レベルは、場所によって異なる。たとえば、農業および工業では、生産が拡大すれば、水が多く必要になるばかりでなく、表面水(雨水、河川水など)および地下水が汚染される可能性がある。したがって、農地あるいは工場の近辺では、水源から取り入れた水は、水質改善を行わずに飲用などに供すると健康に影響を及ぼすことがある。
また、人工的な汚染だけではなく、バングラデシュを含む東南アジア地域では原水(raw water)に無機ヒ素が含まれることがあり、中国およびインドを含む多くの国で原水にフッ素が含まれていることがある。このような自然に発生している汚染物質も水を供給する際の安全性に影響を及ぼしている。
安全な水を確保することは喫緊の課題であり、安全な水を得るには原水の水質レベルに応じた適正な処理技術を用いて水質を改善する必要がある。そのため、地球規模で地域ごとの水質の情報を収集する努力がなされているが、経済力が十分ではない地域では、試験的な調査が行われているにすぎず、原水の水質に関して十分な情報が得られていないのが現状である。
以下では、原水に含まれる成分に応じた水処理装置の構築を支援する水処理支援システムについて説明する。さらに、本実施形態では、水処理支援システムを運用することにより、地域ごとに得られる原水の水質に関する情報を収集可能にする技術についても説明する。
水処理支援システムは、原水に適合した処理技術を提案することにより、水処理装置の構築を容易にするために用いられる。また、以下に説明する水処理支援システムは、水処理装置を導入する地域の経済力および要求される水の処理量なども条件に含めることを可能にしている。その結果、この水処理支援システムは、現地に適合するように構成および規模を適正化した水処理装置を提案することが可能になっている。
水処理支援システムは、プログラムに従って動作するプロセッサを備える。このプロセッサは、メモリ、インターフェイス用のデバイスなどとともに用いてコンピュータを構成する。すなわち、水処理支援システムは、コンピュータを主なハードウェア要素とする。また、プログラムは、ROM(Read Only Memory)にあらかじめ記録された状態で提供されるか、インターネットのような電気通信回線を通して提供される。あるいはまた、プログラムは、コンピュータで読取可能な記録媒体を用いて提供される。
水処理支援システムを構成するコンピュータは、水処理装置を構築する場所で利用するように、パーソナルコンピュータのような汎用のコンピュータが用いられる。この種のコンピュータは、可搬型であることが望ましい。ただし、後述するように、水処理支援システムは、離れた場所で取得された入力情報が与えられる構成であってもよい。すなわち、水処理支援システムは、通信により入力情報を取得する構成、あるいは、手作業で入力情報が入力される構成であってもよい。
図1に示すように、水処理支援システム10は、入力情報を受け付ける第1のインターフェイス部(以下、インターフェイス部を「I/F部」という)13と、出力情報が取り出される第2のI/F部14とを備える。第1のI/F部13が受け付ける入力情報は、水処理装置40(図4参照)の構築に必要な条件を含む。
入力情報は、水処理装置40の処理対象である原水における成分および成分の濃度を条件に含むことが望ましいが、成分のみであってもよい。また、成分の抽出が困難である場合は、経験に基づいて判断した水質レベルを入力情報に用いることも可能である。
経験に基づく水質レベルの判断は、たとえば、表1に示した「使用不可」レベルであれば人の視覚と嗅覚とによって判断することが可能である。また、「低」レベルあるいは「中」レベルは、過去に生じた健康被害あるいは感染被害の状況などから推定することが可能である。これらの情報は、チェックリストを用いたインタビューにより取得することが可能である。また、試薬あるいは試験紙を用いることにより成分を検査することも可能である。
以下では、原水の成分および濃度がセンサ装置30により計測され、センサ装置30に計測された原水の成分に関する情報が入力情報として第1のI/F部13に入力される場合を例として説明する。この種のセンサ装置30は、1台で目的とする多数の成分を分析する水質分析装置と、少数の成分を分析する複数のセンサを組み合わせた構成とのいずれかが用いられる。センサは、電気化学センサ、バイオセンサ、光学式センサなどから選択される。
水質分析装置は、多種類の成分の分析を高精度に行うことができるが、比較的高価である上に、多種類の成分を分析する水質分析装置は比較的大型である。そのため、この種の水質分析装置は、原水の採取場所で利用することが困難である。したがって、水質分析装置の管理主体を公的機関あるいは水質検査を行う事業者とし、検査対象である水の試料を公的機関あるいは事業者が受け取って水質分析装置での分析結果を水処理支援システム10に与えることが望ましい。
一方、電気化学センサ、バイオセンサ、光学式センサのようなセンサは、比較的小型であり、この種のセンサを用いて構成した小型のセンサ装置30は、原水の採取場所で利用することが可能である。つまり、この種のセンサ装置30は、原水の採取場所で水処理支援システム10が用いられる場合、水処理支援システム10に付属させて設けることが可能である。水処理支援システム10にセンサ装置30を付属させて設けるとは、水処理支援システム10にセンサ装置30を有線で接続するか、あるいは水処理支援システム10とセンサ装置30との間で無線信号による情報の伝送を行うことを意味している。また、この場合、水処理支援システム10とセンサ装置30との距離は比較的短くなる(たとえば、10m以下)。センサ装置30は、原水の採取場所で水処理支援システム10が用いられない場合、水処理支援システム10とは独立して設けることも可能である。
センサ装置30が水質分析装置である場合の分析結果は、水処理支援システム10が利用可能な形式のデータとしてインターネットのような電気通信回線あるいは記録媒体を用いて水処理支援システム10に引き渡される。また、水質分析装置による分析結果は水処理支援システム10の利用者に書面として提供されるようにしてもよい。この場合、水処理支援システム10への入力情報は、第1のI/F部13に接続された入力装置21を用いて利用者が手入力で入力する。すなわち、第1のI/F部13は、水質分析装置(センサ装置30)と電気通信回線を通して通信する機能を有する構成と、入力装置21から入力情報を受け取る機能を有する構成との少なくとも一方が採用される。
センサ装置30が電気化学センサ、バイオセンサ、光学式センサのようなセンサを用いて比較的小型に構成される場合、第1のI/F部13にセンサ装置30を直接接続することが可能である。また、センサ装置30は、電気通信回線を通して計測結果を水処理支援システム10に引き渡す構成、あるいは、計測結果を表示または印刷する構成であってもよい。
言い換えると、センサ装置30は、電気通信回線を通して計測結果を水処理支援システム10に引き渡す場合、センサと通信I/F部とを組み合わせた構成が採用される。また、センサ装置30は、計測結果を表示または印刷する場合、センサとI/F部とを組み合わせた構成が採用される。I/F部は、センサ装置30が計測した情報を、表示器(ディスプレイ)または印刷装置(プリンタ)に出力するように構成される。
センサ装置30を用いる場合、第1のI/F部13は、センサ装置30が直接接続される構成と、電気通信回線を通してセンサ装置30と通信する構成と、入力装置21から入力情報を受け取る構成とのいずれかが採用される。
図2にセンサ装置30の構成例を示す。図2に示すセンサ装置30は、センサ31と処理部32とI/F部33と表示器34とを組み合わせて構成されている。図示例において、センサ31は電気化学センサを想定しており、計測対象である水WTに浸漬される電極311を備える。処理部32は、センサ31の電気出力を用いて水WTに含まれる成分の種類と濃度とを求める処理を行う。この処理部32は、プログラムに従って動作するデバイスを主なハードウェア要素として備える。すなわち、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などから選択されたデバイスが用いられる。I/F部33は処理部32の出力を表示器34に表示するために設けられており、表示器34は、文字を表示することが可能な液晶表示器のようなフラットパネルディスプレイであって、処理部32が求めた成分の種類および濃度を表示するように構成されている。
図2に示すようなセンサ装置30を用いて原水の成分を計測すると、利用者は、表示器34の表示内容によって原水の水質のレベルを知ることができる。したがって、センサ装置30の表示器34に表示された成分を、水処理支援システム10のオペレータに通知すれば、オペレータを通して原水に含まれる成分を水処理支援システム10の第1のI/F部13に入力情報として与えることが可能になる。また、センサ装置30の表示器34に表示された水質のレベルを利用者が読み取り、電気通信回線を通して水処理支援システム10の第1のI/F部13に入力情報として与えることも可能である。後者のように処理する場合、第1のI/F部13は、利用者が操作する端末装置と通信可能であることが要求される。
図1に示す構成例は、水処理支援システム10の第1のI/F部13にセンサ装置30が直接接続された構成を想定しているが入力装置21を併記している。ここに、水処理支援システム10は、水処理装置40(図4参照)を構築する際の制約条件を入力装置21から入力することができるように第3のI/F部17を備えている。第3のI/F部17に入力される制約条件は、処理後の水に対する要求仕様であって、この要求仕様には、供給する水質、単位時間当たりの供給量、導入コストおよび運用コスト、可用性、保守性などが含まれる。
入力装置21は、第2のI/F部14から取り出される出力情報を提示する提示装置20と兼用されていてもよい。入力装置21および提示装置20は、水処理支援システム10に専用の装置として設けることが可能である。ただし、第1のI/F部13と第2のI/F部14と第3のI/F部17とは、汎用の装置を入力装置21および提示装置20として用いることが可能になるように構成されていてもよい。この種の汎用の装置は、スマートフォン、タブレット端末などから選択される。
第1のI/F部13および第3のI/F部17からの入力情報は判定部15に与えられる。判定部15は、入力情報が与えられると、第1のI/F部13から与えられた入力情報を第1の記憶部11および第2の記憶部12と照合する。第1の記憶部11および第2の記憶部12は、それぞれデータテーブルを構成している。第1の記憶部11は表1に示したように、水に含まれる成分を複数の段階(表1では3段階)に区分した水質レベル(「使用不可」「低」「中」)に対応させて記憶している。すなわち、第1の記憶部11は、水に含まれる複数の成分の各々を複数段階の水質レベルのいずれかに対応させて記憶している。第2の記憶部12は表2に示したように、水に含まれる成分ごとに処理技術を対応させて記憶している。すなわち、第2の記憶部12は、水に含まれる複数の成分について、水に含まれる成分ごとに、複数の処理技術のうち、上記水に含まれる成分を取り除く少なくとも1つの処理技術を対応させて記憶している。
したがって、判定部15は、第1のI/F部13から入力された入力情報を第1の記憶部11に照合して成分に対応する水質レベルの区分を求め、また、第1のI/F部13から入力された入力情報を第2の記憶部12に照合して成分に対応する処理技術を求める。さらに、判定部15は、求めた水質レベルの中で最低の水質レベルを抽出し、原水の水質レベルを定める。言い換えると、判定部15は、入力情報を第1の記憶部11および第2の記憶部12に照合することにより、複数段階の水質レベルから、水質改善が必要な水に含まれている成分に対応する水質レベルを抽出する。そして、判定部15は、水質改善が必要な水に含まれている成分を取り除く処理技術を上記抽出した水質レベルと組み合わせて出力情報を生成する。
ここで、第3のI/F部17から制約条件が入力されている場合、判定部15は、指定された用途において必要なもっとも高い水質レベルと、原水の水質レベルとの間の段数を求める。いま、原水が「使用不可」レベルであって、必要な最高の水質レベルが「中」レベルである仮定する。つまり、「使用不可」レベルの原水から、少なくとも用途が「洗濯用」である「中」レベルの水まで水質改善を行うことが要求されていると仮定する。この場合、「使用不可」レベルから「低」レベル(「雑用」)に水質改善を行う段階と、「低」レベルから「中」レベル(「選択用」)に水質改善を行う段階とが必要であるから、水質改善を行う水質レベルの段数は2段になる。上述のように、水処理装置40(図4参照)を構成する処理部(たとえば、図4に示す第1の処理部41、第2の処理部42、第3の処理部43)は、水質レベルを1段階だけ向上させるから、この例に対応する水処理装置40には2個の処理部が必要である。
判定部15は、原水に含まれる成分を第2の記憶部12と照合することによって、水処理装置40の段階ごとに処理部で取り除く成分を定め、段階ごとの処理部の構成を最適化する。処理部の構成の最適化は、通常、適用する処理技術の種類を減らすことによって構成を簡易化するという条件で行われる。ただし、第3のI/F部17から制約条件が入力されている場合、処理部の構成の最適化は、制約条件に適合するように処理部を構成することになる。たとえば、制約条件が導入コストの最小化であるとすれば、処理部に適用する処理技術を少なくすることよりも、低コストの処理技術を採用することを優先することが最適化に該当する。
なお、処理部の構成について複数の提案が可能である場合、最適化した後の処理部の構成だけではなく、他の構成も候補として提案するようにしてもよい。たとえば、処理技術として、逆浸透膜と紫外線消毒の組み合わせ、軟水化と活性炭フィルタとの組み合わせ、軟水化のように、処理技術の候補を複数提案してもよい。この場合、各候補には導入コストと運用コストとを出力情報に含めることが望ましい。
制約条件は、導入コストおよび運用コスト、可用性、保守性を含むから、第2の記憶部12は、処理対象と処理技術との対応関係を記憶するだけではなく、処理技術ごとに導入コスト、運用コスト、可用性、保守性などの情報を記憶していることが望ましい。また、これらの情報は、第2の記憶部12とは別に設けられたデータベースシステムに登録されていてもよい。
この種のデータベースシステムは、水処理支援システム10に付属させる構成のほか、インターネットあるいは移動体通信網のような電気通信回線を通して水処理支援システム10と通信するように構成されていてもよい。データベースシステムが水処理支援システム10とは別に設けられていれば、複数の水処理支援システム10でデータベースシステムが記憶している情報を共用することが可能になる。また、データベースシステムが記憶している情報の管理が一元化され、情報の更新あるいは保守が容易になる。
以上説明したように、判定部15は、第1のI/F部13を通して入力される原水の成分に関する入力情報を用いることにより、第2のI/F部14から取り出す出力情報を生成する。第2のI/F部14は、水質改善が必要な水に含まれている成分を取り除く処理技術を出力情報として提示装置20に出力する。また、判定部15は、出力情報の生成に際して、必要に応じて、第3のI/F部17を通して入力される制約条件に関する入力情報を用いる。出力情報は、原水から目的の水質レベルの水を得る水処理装置40(図4参照)を構成するための適切な処理部の構成に関する情報を提供する。したがって、水処理支援システム10からの出力情報は、水処理装置40の設計を支援することになる。
上述した例において、水処理支援システム10は、用途に応じた水質レベルの水を原水から生成するのに必要な処理技術(処理部に適用する処理技術)を提案するように構成されている。これに対して、処理技術の組み合わせ方を含む水処理装置40の設計情報を提案するように水処理支援システム10が構成されていてもよい。この場合、判定部15が抽出した処理技術の候補を組み合わせるためのルールの情報を格納した記憶部が設けられ、判定部15は記憶部に格納されたルールの情報を用いて処理技術を適正に組み合わせることが望ましい。
上述のようにして、原水を用途に応じた水質の水に水質改善するための処理技術を含む出力情報が生成されると、判定部15は、第2のI/F部14を通して出力情報を提示装置20に提示させる。判定部15は、提示装置20に提示する出力情報として、処理技術の組み合わせだけではなく、処理技術の導入コストおよび運用コストを併せて提示することが望ましい。提示装置20に導入コストおよび運用コストを処理技術と併せて提示する場合、処理技術の組み合わせが複数種類あれば、それぞれの組み合わせについて導入コストおよび運用コストを並べて提示することが望ましい。このように複数の選択肢を提示すれば、利用者が望ましいと考える選択肢を選択することが可能になる。
ところで、水処理支援システム10の入力情報には、原水の成分が必要であり、原水の成分はセンサ装置30が計測する。センサ装置30は、据置型の水質分析装置のように原水の採取場所での利用が困難な構成と、原水の採取場所で水処理支援システム10に付属させて利用できる構成とがある。
たとえば、図2に示したセンサ装置30は、水処理支援システム10から分離して、原水の採取場所で成分の計測が可能である。このようなセンサ装置30は、様々な場所で水の成分を単独で計測することが可能である。したがって、水処理支援システム10の入力情報を得る目的ではなくとも、利用者が水の成分を計測することによって、原水の成分に関心を持つようになる。すなわち、この種のセンサ装置30を用いて水に含まれる成分を計測することは、水質レベルの維持に対する意識向上の動機付けになる。
上述したように、水処理支援システム10に与える原水に関する入力情報は、種々の形態で収集できる。そこで、水処理支援システム10は、図3のように、センサ装置30で計測した原水の成分を採取情報に対応させて記憶させる第3の記憶部16を備えることが望ましい。図示例では、第3の記憶部16は第4のI/F部18を通して判定部15と通信するデータベースサーバ160に設けられている。なお、図3では水処理支援システム10の一部の構成のみを記載しているが、他の構成は図1に示した構成と同様である。
図3に示す構成例では、第4のI/F部18とデータベースサーバ160とは、インターネットのような電気通信回線19を通して通信を行うように構成されている。ただし、電気通信回線19を通して通信する構成は必須ではなく、図1に示した水処理支援システム10の構成において、判定部15が通信することなく第3の記憶部16に情報を直接記憶させる構成であってもよい。
上述した採取情報は、原水を採取した場所の地理的位置(緯度および軽度が望ましい)と原水を採取した日時(年月日と時刻)とを少なくとも含む。データベースサーバ160は、単独のサーバで構成されていてもよいが、望ましくは、クラウドコンピューティングシステムで構築されていることが望ましい。データベースサーバ160がクラウドコンピューティングシステムで構築されていると、地球上の様々な地域での水の成分を収集することが容易になる。
また、図2に示したセンサ装置30は、水処理支援システム10から独立して単独で用いることができるから、上述したように、計測した成分を水処理支援システム10の入力情報に用いずに、水の成分を測定するためにのみ用いることが可能である。上述したセンサ装置30は表示器34を備えているから、センサ装置30の利用者が、センサ装置30で計測された水質を表示器34から読み取り、計測された水質をモバイル端末22に入力してデータベースサーバ160に伝送する。モバイル端末22は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ノート型のパーソナルコンピュータなどから選択される。
モバイル端末22が測位システム(たとえば、全地球測位システム)の端末を内蔵する場合、センサ装置30から読み取った水質を、測位システムで計測した地理的位置および内蔵時計で計時している日時と併せてデータベースサーバ160に伝送すればよい。センサ装置30が通信I/F部を備える場合、適宜のタイミングで計測した水の成分をデータベースサーバ160に自動的に伝送するようしてもよい。なお、データベースサーバ160には、センサ装置30が計測した水の成分だけではなく、センサ装置30が取得した地理的位置も併せて送信される。
第3の記憶部16を備えたデータベースサーバ160に地理的位置とともに水の成分が登録されると、新たに水処理装置を設置する場合に、水処理装置を設置する場所の近隣における水質を参照して水処理装置に適用する処理技術を絞り込むことが可能になる。たとえば、新たな水処理装置を設置する場合、水質の計測を実施しなくとも現地に適合する処理技術の候補を提案することが可能になる。また、水処理装置を導入するか否かを検討する場合に、データベースサーバ160に登録された近隣の水質の情報によって、水処理装置として必要な処理技術を推定することが可能になり、結果的に、導入コストおよび運用コストを見積もることが可能になる。すなわち、データベースサーバ160に登録された情報は、水処理装置を導入する際の意思決定に利用することができる。
以下では、上述した水処理支援システム10により抽出された処理技術を組み合わせて構築された水処理装置40(図4参照)の例について説明する。図4に示す水処理装置40は、原水の水質レベルが「使用不可」であり、「飲用」、「洗濯用」、「雑用」の3種類の用途に用いる水を取り出すことが可能になるように構成されている。つまり、本実施形態で説明している4段階の水質レベルにおいて、原水はもっとも低い水質レベル(「使用不可」レベル)であり、用途にはもっとも高い水質レベル(「高」レベル)が含まれている。「使用不可」レベルから「高」レベルまで水質レベルまでは3段階の水質改善が必要である。したがって、以下に説明する水処理装置40は、3個の処理部(つまり、第1の処理部41、第2の処理部42、第3の処理部43)を備える。
なお、図4に示す水処理装置40は、導入コストおよび運用コスト、可用性、保守性などの制約条件は原則として考慮していない。すなわち、この水処理装置40は、水質のレベルが「使用不可」という劣悪な状態の原水しか入手できないという環境下で、「飲用」という用途に利用可能な水を原水から生成することを目的として構成されている。
上述した目的を達成するために、水処理装置40は、3段階の処理部を備える。すなわち、水処理装置40は、「使用不可」レベルから「低」レベルに水質改善を行う第1の処理部41と、「低」レベルから「中」レベルに水質改善を行う第2の処理部42と、「中」レベルから「高」レベルに水質改善を行う第3の処理部43とを備える。第1の処理部41で水質改善がなされた水は「雑用」であり、第2の処理部42で水質改善がなされた水は「洗濯用」であり、第3の処理部43で水質改善がなされた水は「飲用」である。
この水処理装置40は、第1の処理部41と第2の処理部42と第3の処理部43との各々で、水質レベルを1段階ずつ向上させている。そのため、単独の処理部で水質レベルを複数段階向上させる構成を採用する場合に比較して、第2の処理部42および第3の処理部43のそれぞれが汚染される程度が軽減される。また、第1の処理部41と第2の処理部42と第3の処理部43とは、各段階の成分に応じた処理技術を採用すればよく、他の段階の成分を考慮しなくてよいから、目的とする水質レベルの処理を行うための設計が容易になる。
図4に示す構成例では、第1の処理部41と第2の処理部42との間に「低」レベルの水を貯める第1の貯水槽44が設けられ、第2の処理部42と第3の処理部43との間に「中」レベルの水を溜める第2の貯水槽45が設けられる。また、第3の処理部43で水質が改善された「高」レベルの水は第3の貯水槽46に貯められる。図示例では、第1の処理部41で処理された「低」レベルの水は、第1の貯水槽44だけではなく、第4の貯水槽47にも貯められる。
第1の貯水槽44に貯められた水は、第2の処理部42を通して「中」レベルに水質改善がなされ、さらに第3の処理部43を通して「高」レベルに水質改善がなされる。言い換えると、第1の貯水槽44に貯められた「低」レベルの水は、「洗濯用」と「飲用」との水を生成するために分配される。第4の貯水槽47に貯められた「低」レベルの水は、「雑用」として、便器の洗浄(水洗便所用)、乗り物の洗浄、食用ではない植物の育生などの目的で用いられる。
図4に示す水処理装置40は、第1の貯水槽44と第2の処理部42との間に第1のバルブ48を備え、第2の貯水槽45と第3の処理部43との間に第2のバルブ49を備える。第1のバルブ48および第2のバルブ49は、水処理装置40の導入コストを抑制する場合には、手動で操作する構成が採用される。ただし、第1のバルブ48および第2のバルブ49は、電気信号で操作する構成が望ましい。また、第1のバルブ48および第2のバルブ49は、開閉のみを行う構成でよいが、開量の調節が可能である構成がより望ましい。
水処理装置40は、適宜に加圧用のポンプを備えていることが望ましい。たとえば、第1の処理部41、第2の処理部42、第3の処理部43の順に送水するために重力を利用する場合、第1の処理部41に導入する原水をポンプで揚水する構成が採用される。また、第2の貯水槽45と第3の貯水槽46と第4の貯水槽47とにそれぞれ貯めた水を利用に供するために、ポンプで加圧する構成であってもよい。
この水処理装置40は、第2の貯水槽45と第3の貯水槽46と第4の貯水槽47とから用途に応じた水質レベルの水を取り出すことが可能になっている。また、この水処理装置40は、利用後の廃水を処理する機能も有している。廃水は、利用前の水が「高」レベルか「中」レベルか「低」レベルかに応じて扱う方法が異なる。
「高」レベルの水を利用した後の廃水は、再利用するか廃棄するかが選択される。図示例では、再利用する経路に第3のバルブ51が設けられ、廃棄する経路に第4のバルブ52が設けられている。第3のバルブ51および第4のバルブ52は、いずれか一方のみが開いた状態と、両方が閉じた状態との3状態が選択可能になっている。廃水を再利用する経路には浄化設備60が設けられ、第3のバルブ51が開放されている場合には、廃水が浄化設備60に導入される。また、浄化設備60には「中」レベルの水を利用した後の廃水も導入される。
浄化設備60は、導入された水を少なくとも原水と同程度の水質レベルに水質改善する設備であって、腐敗槽61と曝気槽62と消毒装置63とを備える。腐敗槽61は、槽内の廃水を嫌気性微生物により処理するように構成され、曝気槽62は、腐敗槽61を通った廃水を濾過した後に、槽内の廃水を好気性微生物により処理するように構成されている。消毒装置63は、曝気槽62から取り出された廃水を紫外線により消毒するように構成されている。腐敗槽61の廃水のうちで曝気槽62に送られない廃水は、第5のバルブ53を通して廃棄される。
第3のバルブ51および第4のバルブ52の開閉は制御装置が行う。図4に示す構成例では、「高」レベルの水を利用した後の廃水の水質を監視(検出)するためにセンサ装置54が設けられている。センサ装置54は、電気化学センサ、バイオセンサ、光学式センサなどから選択されるセンサを備える。制御装置は、センサ装置54が計測した水質に応じて、第3のバルブ51および第4のバルブ52の開閉を制御する。
すなわち、制御装置は、センサ装置54が計測した水質を良好と判断した場合、第3のバルブ51を開放することによって、廃水を浄化設備60に導入する。また、制御装置は、センサ装置54が計測した水質が不良であると判断した場合、第4のバルブ52を開放することによって廃水を廃棄する。なお、制御装置は、廃水がセンサ装置54を通過していない場合、第3のバルブ51および第4のバルブ52を閉じることが望ましい。なお、第5のバルブ53は、腐敗槽61から汚水を廃棄する場合に手動による操作または電気信号による操作で開放される。
浄化設備60により処理された廃水は、比較的清浄であって水質が原水と同等以上に改善されているから、汚水処理植物(STP:Sewage Treatment Plant)が植えられた処理池64に導入された後、第1の処理部41に戻される。汚水処理植物は、たとえばアシが用いられる。
上述した構成において、処理池64は水処理装置40の外部に設けられる。また、廃水の処理に用いる装置(第3のバルブ51、第4のバルブ52、第5のバルブ53、センサ装置54、浄化設備60)は、水処理装置40と一体に設けることが可能であるが、水処理装置40の外部に設けてもよい。
ところで、第1の処理部41と第2の処理部42と第3の処理部43とは、それぞれの処理対象に応じたモジュールとして構成されている。したがって、水処理装置40を設置する現場において入手可能な原水の水質と、用途に応じて取り出す水質レベルとに応じてモジュールの組み合わせを選択すれば、現場に適合した水処理装置40を組み立てることが可能になる。また、水処理装置40を構成するモジュールが独立しているから、導入される水質に応じて必要なモジュールを個別に交換することが可能である。しかも、モジュールが個別に交換可能であるから、保守時のコスト増を抑制できる。
なお、第1の処理部41と第2の処理部42と第3の処理部43とは、水の処理量に応じて、異なる容量のモジュールがあらかじめ用意されていることが望ましい。また、モジュールの典型的な組み合わせ方および水の処理量に応じて、モジュールを用いて水処理装置40を構成するための筐体または建物の典型的な構成についてあらかじめ設計されていることが望ましい。筐体または建物とモジュールとをあらかじめ準備しておくことにより、要求仕様に応じた水処理装置40を迅速に提供することが可能になる。
本実施形態ではとくに記載していないが、水処理装置40は、利用する水質(水の品質)を計測するセンサ装置を備えることが望ましい。ここでの水質は、上述した水質レベルではなく、水に含まれる成分の濃度の程度を意味する。図4に示した構成例では、第1の処理部41と第2の処理部42と第3の処理部43とを備える。したがって、図4に示した構成例では、第1の処理部41から取り出した水、第2の処理部42から取り出した水、第3の処理部43から取り出した水質をそれぞれ計測する3個のセンサ装置が必要である。
センサ装置が計測した水質に関する時間変化を制御装置に設けた履歴記憶部に格納しておけば、第1の処理部41と第2の処理部42と第3の処理部43との経時変化などによる性能の劣化の程度を知ることが可能になる。水質は、たとえば、1日、1週間、1ヶ月などから選択される時間間隔で計測される。履歴記憶部に情報が格納されていれば、制御装置はモジュールの交換時期あるいはモジュールの故障を通知することが可能になる。
上述した水処理装置40は、原水の水質が「使用不可」レベルであり、「高」レベルの水を利用した後の廃水と「中」レベルの水を利用した後の廃水との少なくとも一部を再生して利用するように構成されている。一方、雨水を原水とする場合のように、原水の水質が「低」レベルであり、かつ利用後の廃水を再生しない場合には、第1の処理部41、曝気槽62、消毒装置63、処理池64などは不要になる。つまり、原水の品質によっては第1の処理部41は省略可能であり、また、「飲用」の水を必要としなければ第3の処理部43は省略可能である。このように、原水の水質レベル、用途に応じた水質レベル、利用後の水の扱い方などに応じて水処理装置40の構成は変更される。
なお、上述した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんのことである。

Claims (5)

  1. 水に含まれる成分を複数の段階に区分した水質レベルに対応させて記憶している第1の記憶部と、
    水に含まれる成分ごとに処理技術を対応させて記憶している第2の記憶部と、
    水質改善が必要な水に含まれている成分の情報を入力情報として取得する第1のインターフェイス部と、
    前記成分を取り除く処理技術を出力情報として提示装置に出力する第2のインターフェイス部と、
    前記入力情報を前記第1の記憶部および前記第2の記憶部に照合することにより、前記水質レベルの区分を抽出し、かつ前記成分を取り除く前記処理技術を前記区分ごとに組み合わせて前記出力情報を生成する判定部とを備える
    ことを特徴とする水処理支援システム。
  2. 前記第1のインターフェイス部は、水質改善が必要な前記水に含まれている前記成分を計測するセンサ装置から前記入力情報を取得する
    請求項1記載の水処理支援システム。
  3. 前記第2のインターフェイス部は、前記入力情報および前記判定部が抽出した前記水質レベルの前記区分を前記出力情報に含めて前記提示装置に出力する
    請求項1又は2記載の水処理支援システム。
  4. 前記入力情報は水質改善が必要な前記水が存在する地理的位置に関する情報を含んでおり、
    水質改善が必要な前記水に含まれる前記成分の情報と前記地理的位置に関する情報とを対応させて記憶する第3の記憶部を備える
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理支援システム。
  5. コンピュータを、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水処理支援システムとして機能させるためのプログラム。
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