JP5861477B2 - 通信システム、基地局装置、及びブランク区間の設定方法 - Google Patents
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Description
LTE(Long Term Evolution)などの通信規格では、マクロ基地局装置のほか、マクロセルよりも狭い範囲のフェムトセルを形成するフェムト基地局装置を設置することも想定されている(非特許文献1参照)。フェムト基地局装置は、マクロ基地局装置よりも小型の基地局装置である。
一方、フェムト基地局装置は、Home eNB(HeNB)ともよばれ、フェムト基地局装置の設置者などが優先して利用できるように、フェムト基地局装置にアクセス可能な端末を制限することが可能である。つまり、フェムト基地局装置は、プライベートな利用が可能な基地局装置である。
上述したように、ピコセルはシステム全体のスループット向上のために設置されており、端末がマクロセルよりも優先して接続するように設定される。また、フェムトセルは、主としてプライベートな利用を目的としている場合、公衆用基地局装置であるピコセルやマクロセルの方に端末接続が優先されるように設定される。よって、端末接続における優先度は、一般にフェムトセル、マクロセル、及びピコセルの順に高くなる。
端末は、優先度が高い方に接続されるべきであるので、相互に干渉を生じさせている2つのセルがある場合、優先度の低いセルの方が与干渉側のセルとなる。
そこで、上記干渉を抑制するための方策として、与干渉セルが、自己の使用可能なリソースに、被干渉セルとの間の干渉を回避しうる区間であるブランク区間を設定することが提案されている。
与干渉セルは、被干渉セルへの与干渉を回避したい区間をブランク区間にしておくことで、当該ブランク区間については、被干渉セルへの干渉を低減できる。
このブランク区間は、他の近傍基地局装置から送信される制御信号などの信号を保護するのに有用である。また、ブランク区間は、制御信号の保護に限らず、一部の無線リソースにおいてセル間干渉を回避したい様々な状況において有用である。
このため、下記非特許文献3には、ブランク区間を設定しようとしている与干渉基地局装置から被干渉基地局装置に向けて送信される、当該与干渉基地局装置が設定しようとしているブランク区間の設定位置に関する情報を含んだ情報(ABS Information)について規定されている。また、被干渉基地局装置から与干渉基地局装置に向けて送信される、前記ブランク区間の設定位置についての適否を示す情報を含んだ情報(ABS Status)についても規定されている。
与干渉基地局装置は、ブランク区間の設定位置の関する情報を取得することにより、ブランク区間の設定位置を認識することができる。
このように、従来の技術では、どの位置にブランク区間の設定位置を設定すればよいかまではわからないために、適切な位置にブランク区間を設定することが困難となる場合があった。
また、本発明では、複数の基地局装置の内、被干渉基地局装置における当該被干渉基地局装置への端末装置による接続の優先度が互いに同一である基地局装置は、その被干渉基地局装置に対する前記設定位置を設定するための設定順序について、互いに同一の設定順序を使用するので、被干渉基地局装置の優先度が互いに同一であることから互いに共通する干渉関係を有する基地局装置の間で、ブランク区間の設定位置を互いに一致させることができる。この結果、複数の基地局装置それぞれによるブランク区間の位置を好適に設定することができる。
このため、前記設定部は、端末装置による接続の優先度が互いに異なる複数の基地局装置をそれぞれ被干渉基地局装置としている場合、これら被干渉基地局装置それぞれに対する前記設定位置を設定するための設定順序について、互いに異なる設定順序を使用することが好ましい。
この場合、設定部は、優先度が互いに異なる複数の被干渉基地局装置ごとに、互いに異なる設定順序を使用するので、優先度が互いに異なる複数の被干渉基地局装置に対してそれぞれ設定されるブランク区間の設定位置を互いに異なるように設定することができる。この結果、有効に利用できないブランク区間を設定してしまうのを防止することができる。
[1.通信システムの全体構成]
図1は、本実施形態の無線通信システムの構成を示す概略図である。この通信システムは、複数の基地局装置(BS;Base Station)1を備えたセル方式のシステムである。本実施形態の無線通信システムは、例えば、LTEが適用される携帯電話用のシステムであり、各基地局装置1と、端末装置(UE;User Equipment)2との間において、LTEに準拠した通信が行われる。ただし、通信方式は、LTEに限られるものではない。
以下では、マクロ基地局装置をマクロBS、ピコ基地局装置をピコBS、フェムト基地局装置をフェムトBSというものとする。
アクセスモードとは、基地局装置1が、端末装置2による無線接続の制限を規定するためのモードである。アクセスモードには、オープンアクセスモード、クローズドアクセスモード、及び、ハイブリッドモードの3種類がある。基地局装置は、これら3種類の異なるアクセスモードのいずれかのモードで運用される。
以下、単に「フェムトBS1c」といった場合には、クローズドアクセスモードに設定されたフェムトBS1cを指すものとする。
また、フェムトBS1cが、クローズドアクセスモードに設定されたフェムトBS1cであることを特に示したい場合には、クローズドアクセスモードに設定されたフェムトBS1cを、「CSG(Closed Subscriber Group)フェムトBS1c」ということがある。
オープンアクセスモードに設定されたフェムトBS1cは、公衆用基地局装置として機能する。以下、オープンアクセスモードに設定されたフェムトBS1cを、「OpenフェムトBS」という。
なお、ハイブリッドモードに設定されたフェムトBS1cは、CSGフェムトBSとみなしてもよいし、OpenフェムトBSとみなしてもよい。
通常、接続可能な基地局装置が複数ある場合、端末装置2は、信号の受信電力が最も高くなる基地局に接続する。例えば、端末装置2が、複数のマクロBS1aに接続可能である場合、信号の受信電力が最も高くなる基地局装置への接続(ハンドオーバ)を行うことになる。
さらに、eNB間はX2インターフェースと呼ばれる通信インターフェースによる回線7によって相互に接続されており、eNB間で直接的に情報交換のための通信が可能である。ただし、現行の標準では、フェムトBS1cはX2インターフェースを持つことができない。
なお、X2インターフェースによる接続は、図2に示す接続に限られず、任意のeNB間に設けることができる。
なお、フェムトBS1c(CSGフェムトBS又はOpenフェムトBS)は、HeNBゲートウェイ(GW)5を介さずに、S1インターフェースによって、MME3と接続されていてもよい。
なお、各基地局装置1a,1b,1c間は、基地局間ネットワーク等を利用して基地局間同期が確保される。
本実施形態の通信システムが準拠するLTEにおいて採用可能なFDD方式においては、上り信号(端末装置から基地局装置への送信信号)と、下り信号(基地局装置から端末装置への送信信号)との間で、互いに異なる使用周波数を割り当てることで、上り通信と下り通信とを同時に行う。
DLフレームを構成するサブフレームは、それぞれ2つのスロットにより構成されている。また、1つのスロットは、7個(♯0〜♯6)のOFDMシンボルにより構成されている(Normal Cyclic Prefixの場合)。
また、図中、データ伝送の上での基本単位領域であるリソースブロック(RB:Resource Block)は、周波数軸方向に12サブキャリア、時間軸方向に7OFDMシンボル(1スロット)で定められる。
また、DLフレームの周波数方向の帯域幅は、最大20MHzで複数の設定値が規定されている。
PBCHには、通信帯域幅や、無線フレーム番号等を含んだマスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)が格納されている。
PDSCHに格納されるユーザデータの割り当てについては、各サブフレームの先頭に割り当てられているPDCCHに格納される、下りの無線リソース割当に関するリソース割当情報により端末装置に通知される。このリソース割当情報は、各PDSCHの無線リソース割当を示す情報であり、端末装置は、このリソース割当情報によって、そのサブフレーム内に自己に対するデータが格納されていることを認識できる。
P−SCH,S−SCH,PBCH、PDCCHその他の制御チャネルには、端末装置2がPDSCHにて送信されるデータ信号を受信するために必要な各種の制御信号を含んでいるため、これらの制御チャネルが、電波干渉を受けると、PDSCHによって送信されたデータ信号の受信に支障を来たす。
各基地局装置1は、自装置以外の他の基地局装置1に対して干渉を与えるときに、その与干渉を抑制するためのブランクサブフレームを、自装置の無線フレームに設定することができる。
ブランクサブフレームとは、サブフレーム中に実質的にデータ信号がなく、ヌル(null)信号が送信されるサブフレームであり、与干渉側の基地局装置1が、被干渉側の基地局装置1に対する与干渉を抑制するために、当該与干渉側の基地局装置1の無線フレームに設定する。
また、ブランクサブフレームは、データ信号が存在しており通信に使用されているサブフレームであっても、そのサブフレームの信号の電力が小さく抑えられており、基地局装置から十分に離れると実質的に使用されていないブランクサブフレームであるとみなせるものであってもよい。
MBMSは、ブロードキャストサービスであるため、MBMSに用いられるMBSFNサブフレームでは、MBMSに係る情報の他、当該サブフレームがMBSFNサブフレームである旨等の必要最小限の制御情報が制御チャネル(サブフレーム先頭側の2シンボル)を用いて送信され、特定の端末装置に向けた制御情報は送信されない。
このように、ブランクサブフレーム(ブランク区間)は、信号が全く存在しないものである必要はなく、実質的に信号のブランクが存在するものであれば足りる。
マクロBS1a、及びピコBS1bは、共に公衆用基地局装置であるが、マクロBS1aの方が、ピコBS1bよりも、端末装置2の接続の優先度が低いので、互いに干渉が生じるおそれのある場合には、マクロBS1aが与干渉側の基地局装置となり、ピコBS1bが被干渉側の基地局装置となる。
従って、図に示すように、マクロBS1aが、ピコBS1bに対する干渉を抑制するためのABSを、自装置1aの無線フレームに含まれるサブフレームに設定している。
また、マクロBS1aは、ピコBS1bが制御信号を送信するサブフレーム(区間)に対応するサブフレームをABSに設定している。
上述のようにABSには実質的にデータ信号がないので、ピコBS1bに接続する端末装置2は、ピコBS1bが送信した制御信号(P−SCH、S−SCH、及びPBCHなど)を受信する際に、マクロBS1aからの電波干渉を受けることが抑制される。
被干渉側の基地局装置が、与干渉側の基地局装置の無線フレームに設定されたABS(に対応するタイミングのサブフレーム)を利用するために、被干渉側の基地局装置は、与干渉側の基地局装置が設定するABSのスケジュールについて予め認識しておく必要がある。このため、与干渉側の基地局装置は、ABSを設定する前に、自装置の無線フレームに設定するABSの設定位置(スケジュール)を決定し、決定したABSの設定位置に関する情報を含んだABS情報を、被干渉側の基地局装置に送信する。
ABS情報には、マクロBS1aが自装置の無線フレームに設定しようとしているABSの設定位置をパターン化して示したABSパターン情報(ABS pattern Info)が含まれている。マクロBS1aは、ABSパターン情報を含んだABS情報をピコBS1bに送信することで、ピコBS1bにABSの設定位置を認識させることができる。
使用可能ABSパターン情報は、マクロBS1aが設定しようとしているABSがセル間の干渉保護のために使用可能か否かを示す情報である。従って、これを受け取ったマクロBS1aは、設定したABSの設定位置が使用不可と判定されると、再度ABSの設定位置を設定し直し、再設定したABSパターンを示すABSパターン情報を再送信する(ステップS4)。
与干渉側の基地局装置であるマクロBS1aと、被干渉側の基地局装置であるピコBS1bとは、ABS情報とABS現状情報の送受信を繰り返すことで、最終的に使用可能なABSパターンを確定する。
図8は、本実施形態のマクロBS1aの構成を示すブロック図である。マクロBS1aは、信号波の送受信に用いられるアンテナ11と、アンテナ11が接続された通信処理部10と、通信処理部10にて送受信される信号の処理などを行う信号処理部20とを備えている。
信号処理部20は、自装置の無線フレームにABSを設定する処理を行うABS設定部21と、ABSを設定する前にABSの設定位置(ABSパターン)を設定するABSパターン設定部22とを機能的に有している。
ABS設定部21は、ABSパターン設定部22が設定したABSパターンに基づいて、自装置の無線フレームにABSを設定する。
ABSパターン設定部22は、図7で示したように、他の基地局装置にABS情報を送信するともに当該他の基地局装置から送信されるABS現状情報に含まれる使用可能ABSパターン情報を取得することで、ABSパターンの設定を行い、最終的に使用可能なABSパターンを確定するために必要な処理を行う機能を有している。
また、ABSパターン設定部22は、他の基地局装置から送信されるABS情報に含まれるABSパターン情報を取得し、他の基地局装置がABSを設定しようとしているABSパターンに対して使用の可否を判定する処理を行う機能も有している。
次に、ABS設定部21が行うABSパターンの設定について説明する。
ABSの無線フレームにおける設定位置を示すABSパターンは、上述したように、与干渉側の基地局装置と被干渉側の基地局装置との間で、ABS情報とABS現状情報の送受信を繰り返すことで、最終的に決定される。
以下の説明では、図9に示すように、被干渉側の基地局装置としてのピコBS1bに対して干渉を与える与干渉側の基地局装置としてのマクロBS1aがABSパターンを設定する場合における、マクロBS1a及びピコBS1bそれぞれが行う処理について説明する。
ここで、上記設定順序とは、ABSパターンを設定するための順序であり、無線フレームに含まれるサブフレームそれぞれに割り当てられている。なお、上記設定順序の設定については、後に詳述する。
設定順序1番目のサブフレームにABSを設定することがピコBS1bにおいて使用不可と判定され、その旨のABS現状情報をマクロBS1aが受信したとすると、当該マクロBS1aは、設定順序1番目のサブフレームにABSの設定位置を設ける内容をそのままに、設定順序2番目のサブフレームに対してもABSの設定位置を設ける内容を追加したABSパターンを設定する。
また、すでに設定されているABSの設定位置をそのままに、未だABSの設定位置として設定されていないサブフレームの内、前記設定順序によって定まる次のサブフレームに対してさらにABSの設定位置を設定する。
このようにして、いずれかのサブフレームについて使用が許可されたABSパターンが設定されるまで、マクロBS1aは、ABSパターンの設定を行う。
しかし、このサブフレーム#8は、図10(b)のように、ピコBS1bにおいては使用不可と判定されるので、マクロBS1aは、その旨のABS現状情報を受信する。これを受信したマクロBS1aは、図10(c)中段に示すように、サブフレーム#8に加えて、設定順序2番目である、紙面左から4番目のサブフレーム#4にABSの設定位置を設ける内容のABSパターンを設定する。
このためマクロBS1aは、図10(c)下段に示すように、サブフレーム#4,#8に加え、さらに、紙面左から7番目の設定順序3番目のサブフレーム#6にABSの設定位置を設ける内容としたABSパターンを設定する。
ABSパターン設定部22がABSパターンを決定すると、ABS設定部21は、そのABSパターンに基づいて自装置の無線フレームにABSを設定する。
本実施形態では、図9に示すように、2つのマクロBS1a、及びCSG_フェムトBS1cは、それぞれが同一のピコBS1bに干渉を与えている。
つまり、与干渉基地局装置である各BS1a1,1a2,1cは、被干渉基地局装置が互いに同一である。この場合、各BS1a1,1a2,1cでは、当然、各BSの被干渉基地局装置における当該被干渉基地局装置への端末装置による接続の優先度も、互いに同一となる。
そしてこの場合、与干渉基地局装置である各BS1a1,1a2,1cは、被干渉基地局装置であるピコBS1bに対するABSパターンの設定順序を、互いに同一に設定する。
このように、与干渉基地局装置としての各BSは、被干渉基地局装置の前記優先度が同一であれば、その同一の優先度である被干渉基地局装置に対するABSパターンの設定順序を同一に設定する。
すなわち、本実施形態において、各BSの内、被干渉基地局装置における前記優先度が互いに同一である基地局装置は、その被干渉基地局装置に対するABSパターンの設定順序について、互いに同一の設定順序を使用するように構成されている。
この場合、CSG_フェムトBS1cと、BS1a1(BS1a2)とは、異なる基地局装置に干渉を与えており、被干渉基地局装置としては同一ではないが、各BSの被干渉基地局装置における優先度が互いに同一である。よって、上記と同様の設定がなされる。
この場合、例えば、複数の基地局装置の間で設定順序を同一に設定しようとするごとに、無線フレームに含まれる10個のサブフレームに対して順序を割り付ける場合と比較して、設定及びその変更が容易となる。
上記構成によれば、マクロBS1aは、設定したABSパターン(ABSの設定位置)についてのピコBS1bによる判定結果であるABS現状情報が、いずれのサブフレームも使用不可であることを示す場合に、前記設定順序に基づいて定まる次のサブフレームに対してABSの設定位置を設定するので、使用可能である旨(設定位置が適している旨)の判定結果を受けうる設定位置が設定されるまで、ABSパターン(ABSの設定位置)の設定を繰り返すことで、被干渉基地局装置が適していると判定するABSの設定位置を設定することができる。このため、前記設定順序に従ってブランク区間の設定位置を設定すれば、必ず同一のパターンでABSパターンが設定される。
このため、被干渉側の基地局装置の優先度が互いに同一であることから互いに共通する干渉関係にある基地局装置の間で、ABSパターンを互いに一致させることができる。この結果、複数の基地局装置それぞれによるABSパターンを好適に設定することができる。
図12は、与干渉側の基地局装置と、被干渉側の基地局装置との関係の一例を示す図であり、図9とは異なる他の例を示している。図12では、ピコBS1bに対してマクロBS1aが干渉を与える可能性があるとともに、マクロBS1aに対してCSG_フェムトBS1cが干渉を与える可能性がある状態を示している。なお、CSG_フェムトBS1cはピコBS1bに対しては干渉を与える可能性はないものとする。
この場合、CSG_フェムトBS1cは、マクロBS1aを被干渉側の基地局装置とする与干渉側の基地局装置であり、マクロBS1aは、ピコBS1bを被干渉側の基地局装置とする与干渉側の基地局装置である。つまり、図12では、マクロBS1aは、与干渉側の基地局装置であるとともに被干渉側の基地局装置でもある。
つまり、CSG_フェムトBS1cでは、被干渉基地局装置となりうる対象として、マクロBS1aとピコBS1bが存在している。マクロBS1aと、ピコBS1bとは、それぞれ、互いに端末装置2の接続の優先度が異なる。
このため、CSG_フェムトBS1cは、これら被干渉基地局装置としてのマクロBS1a及びピコBS1bそれぞれに対して、ABSパターンを設定する際に、互いに異なる設定順序を使用する。
なお、本実施形態では、CSG_フェムトBS1cは、ピコBS1bに対して干渉を与える可能性はないので、図13(b)上段のABSパターンの設定順序は図12の例では使用されない。
3番目のサブフレーム#2をABSの設定位置としてABSパターンに加えると、ピコBS1bがこのABSの設定位置を使用可能と判定するので、マクロBS1aは、図14(a)に示すABSパターンを、自装置の無線フレームに設定するABSパターンとして決定する。
7番目のサブフレーム#6をABSの設定位置としてABSパターンに加えると、マクロBS1aがこのABSの設定位置を使用可能と判定するので、CSG_フェムトBS1cは、図14(b)に示すABSパターンを、自装置の無線フレームに設定するABSパターンとして決定する。
しかし、CSG_フェムトBS1cは、マクロBS1aに対するABSパターンとして1番目のサブフレーム#0にABSの設定位置を設けたとしても、マクロBS1aは、図14(a)のように、1番目のサブフレーム#0にABSの設定位置を設けているので、積極的にこの1番目のサブフレーム#0を使用することはない。従って、CSG_フェムトBS1cは、この1番目のサブフレーム#0にABSの設定位置を設けたとしても有効に利用できないので、さらに次の設定順序のサブフレームを設定位置として加えたABSパターンを設定する。
次の設定順序のサブフレームもマクロBS1aと同一となるので、設定順序に従ってABSパターンの設定を繰り返すと、結果的に、マクロBS1aがABSの設定位置として設定したサブフレームと同じサブフレームに加え、さらに次の設定順序のサブフレームも設定位置として設定するので、マクロBS1aのABSパターンよりも一つ多く設定位置を設けたABSパターンが設定されることとなる。このようにして、CSG_フェムトBS1cは、マクロBS1aによって有効に利用されないABSを多数設定するおそれがある。
ABSパターンに設定されているABSの位置を解除する場合、設定時の設定順序とは逆の順序で順次解除する。これにより、他に影響を与えることなくABSを解除することができる。
2 端末装置
10 通信処理部
12 送受信部
13 基地局間通信部
22 ABSパターン設定部
Claims (7)
- 複数の単位区間で区画された無線フレームを用いて通信する基地局装置を複数備えた通信システムであって、
前記基地局装置は、
自装置が干渉を与える被干渉基地局装置に対して設定するブランク区間の前記無線フレームにおける設定位置を前記単位区間単位で設定する設定部と、
前記被干渉基地局装置による前記設定位置の適否に関する判定結果を取得する取得部と、を備え、
前記設定部は、前記判定結果が否定的である場合、前記無線フレームに含まれる前記複数の単位区間それぞれに割り当てられた前記設定位置を設定するための設定順序に基づいて定まる次の単位区間に対して前記設定位置を設定するものであり、
前記基地局装置の内、端末装置が各基地局装置に接続する際の優先度に関して前記被干渉基地局装置よりも優先度が低い複数の基地局装置は、その被干渉基地局装置に対する前記設定位置を設定するための設定順序について、互いに同一の設定順序を使用することを特徴とする通信システム。 - 前記設定部は、前記判定結果が否定的である場合、すでに設定されている前記ブランク区間の設定位置をそのままに、未だ設定位置として設定されていない単位区間の内、前記設定順序によって定まる次の単位区間に対してさらに前記ブランク区間の設定位置を設定する請求項1に記載の通信システム。
- 前記設定部は、
端末装置による接続の優先度が互いに異なる複数の基地局装置をそれぞれ被干渉基地局装置としている場合、これら被干渉基地局装置それぞれに対する前記設定位置を設定するための設定順序について、互いに異なる設定順序を使用する請求項1又は2に記載の通信システム。 - 前記設定部は、前記設定位置を解除する場合、設定したときの設定順序とは逆の順序で前記設定位置を順次解除する請求項1〜3のいずれか一項に記載の通信システム。
- 複数の単位区間で区画された無線フレームを用いて通信する基地局装置であって、
自装置が干渉を与える被干渉基地局装置に対して設定するブランク区間の前記無線フレームにおける設定位置を前記単位区間単位で設定する設定部と、
前記被干渉基地局装置による前記設定位置の適否に関する判定結果を取得する取得部と、を備え、
前記設定部は、前記判定結果が否定的である場合、前記無線フレームに含まれる前記複数の単位区間それぞれに割り当てられた前記設定位置を設定するための設定順序に基づいて定まる次の単位区間に対して前記設定位置を設定するとともに、
自装置以外の複数の他の基地局装置の内、端末装置が各基地局装置に接続する際の優先度に関して、自装置と同様に前記被干渉基地局装置よりも優先度が低い他の基地局装置との間で、その被干渉基地局装置に対する前記設定位置を設定するための設定順序について、互いに同一の設定順序を使用することを特徴とする基地局装置。 - 複数の単位区間で区画された無線フレームを用いて通信する基地局装置であって、
自装置が干渉を与える被干渉基地局装置に対して設定するブランク区間の前記無線フレームにおける設定位置を前記単位区間単位で設定する設定部と、
前記被干渉基地局装置による前記設定位置の適否に関する判定結果を取得する取得部と、を備え、
前記設定部は、前記判定結果が否定的である場合、前記無線フレームに含まれる前記複数の単位区間それぞれに割り当てられた前記設定位置を設定するための設定順序に基づいて定まる次の単位区間に対して前記設定位置を設定するとともに、
端末装置の接続の優先度が互いに異なる複数の基地局装置をそれぞれ被干渉基地局装置としている場合、
これら被干渉基地局装置それぞれに対する前記設定位置を設定するための設定順序について、互いに異なる設定順序を使用することを特徴とする基地局装置。 - 複数の単位区間で区画された無線フレームを用いて通信する基地局装置が、干渉を与える被干渉基地局装置に対して設定するブランク区間の前記無線フレームにおける設定位置を設定する方法であって、
前記無線フレームに含まれる前記複数の単位区間それぞれに割り当てられた前記設定位置を設定するための設定順序を設定する設定順序設定ステップと、
前記単位区間ごとにブランク区間の位置を設定する設定ステップと、
前記被干渉基地局装置による前記設定位置の適否に関する判定結果を取得する取得ステップと、
前記設定ステップと前記取得ステップとを繰り返し実行するステップと、を備え、
前記設定ステップは、前記判定結果が否定的である場合、前記設定順序に基づいて定まる次の単位区間に対して前記設定位置を設定するものであり、
前記設定順序設定ステップは、自装置以外の複数の他の基地局装置の内、端末装置が各基地局装置に接続する際の優先度に関して前記被干渉基地局装置よりも優先度が低い他の基地局装置との間で、その被干渉基地局装置に対する前記設定位置を設定するための設定順序について、互いに同一の順序設定に設定することを特徴とするブランク区間の設定方法。
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