JP5861178B1 - 生体情報の検知装置及びその利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の人体が近接して位置している場合にも、その位置及び生体信号を高精度で検出することができる生体情報の検知装置を提供する。【解決手段】複数の人体から複数の反射波を受信し、距離スペクトルを演算し、距離スペクトルのピーク値を検出し、このピーク値を中心周波数とする第1及び第2帯域通過フィルタを通過させて、複数の測定対象についての個別の距離スペクトルを求める。そして、この個別の距離スペクトルから測定対象の位置及び呼吸等の微小変位を求めるので、近接した人体の位置及び個別の呼吸数等を求めることができる。【選択図】図3
Description
本発明は、周波数掃引した電波を送信し、複数の人体(測定対象者)からの反射波を受信して、反射波と受信波との乗算により位相検波信号を得た後、前記測定対象者の位置及び微小変位を求め、その生体信号を個別に検知する生体情報の検知装置及びその検知装置の利用方法に関する。
従来、人体(測定対象者)からの反射波を基に、この人体までの距離スペクトルを求め、この距離スペクトルから測定対象者との間の距離成分を抽出するとともに、位相の変化分を演算し、前記位相の変化分から測定対象者の身体状態並びに呼吸数及び脈拍を含む生理状態を判定する定在波レーダーによる人体異常検知装置が提案されている(特許文献1)。この場合、変動する測定対象者を除いた静止物体のみ存在する場合を初期状態として、変動する測定対象者が加わった状態から前記初期状態を差し引きする差分検出により、前記特定対象者の距離スペクトルの振幅成分から被測定物の距離を計測し、また、前記距離スペクトルの位相成分から測定対象者の微小変位(呼吸数及び脈拍等)を検出していた。
この従来の定在波レーダーによる人体異常検知装置では、1つの変動する人体と静止している複数の物体が共存する場合に、変動する人体を除いた全ての静止物体の距離スペクトルを求め、それを初期状態の距離スペクトルとして、変動する人体を加えた状態の距離スペクトルから初期状態の距離スペクトルを差し引く差分検出方式によって、変動する人体のみの距離スペクトルを計測することにより、この装置から人体までの距離並びに呼吸数及び脈拍等の微小変動の生体情報とを正確に検知することができる。
しかしながら、上述の従来技術においては、複数の人体が近接して存在する場合に、それを分離して、各人までの距離と、各人の生体信号とを個別に測定することが困難であるという問題点がある。例えば、各家庭における住居の居室、寝室、トイレ及び浴室等において、人体に異常が生じて倒れた場合に、その人体の容体の急変を検知して、その異常を医療機関等の外部に通報する際に、従来の人体異常検知装置においては、生体信号を発する複数の人体が比較的離れている場合は、それを個別に検出することができる。しかし、この複数の人体が同じ部屋の中で近接して位置しているときには、それを分離して、個別に生体信号を検出することが難しいという難点がある。また、自動車内に人体異常検知装置を設置し、自動車の乗員に身体状態の異常が生じたことを検出する際には、自動車内に乗り込んだ2人の生体信号を個別に検知することが必要となる。この場合も、人体が自動車内に近接して位置しているために、それらの位置並びに呼吸数及び脈拍等の微小変動を個別に検出することが難しい。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、複数の人体が近接して位置している場合にも、その位置及び生体信号を高精度で検出することができる生体情報の検知装置を提供することを目的とする。
また、この生体情報の検知装置において、
前記複数個の帯域通過フィルタは、
前記距離スペクトルから周波数スペクトルを演算する演算部と、
前記周波数スペクトルの振幅成分の極大値となる周波数に相当する中心周波数を得るFIRデジタルフィルタと、
を有することとすることができる。
前記複数個の帯域通過フィルタは、
前記距離スペクトルから周波数スペクトルを演算する演算部と、
前記周波数スペクトルの振幅成分の極大値となる周波数に相当する中心周波数を得るFIRデジタルフィルタと、
を有することとすることができる。
本願発明に係る生体情報の検知装置は、
周波数掃引された電波を外部に送信し、外部の被反射体から受信した反射波を検出する送受信部と、
受信信号と送信信号とを乗算する乗算部と、
この乗算部の出力信号の高調波成分をカットする低域通過フィルタと、
この低域通過フィルタから出力された受信信号が入力される受信信号処理部と、
を有し、
前記受信信号処理部は、
前記受信信号をフーリエ変換して距離スペクトルを得るFFT演算部と、
前記距離スペクトルの振幅成分を検出する振幅成分検出部と、
前記距離スペクトルの振幅成分のピーク位置を検出するピーク位置検出部と、
前記距離スペクトルから、2つのピーク位置に対応する中心周波数の中間の周波数にて最小ゲインとなる信号を出力するノッチ型の帯域通過フィルタと、
前記帯域通過フィルタの出力信号に対して、夫々振幅成分を検出する複数個のフィルタリング後振幅成分検出部と、
前記帯域通過フィルタの出力信号に対して、夫々位相成分を検出する複数個のフィルタリング後位相成分検出部と、
を有することを特徴とする
周波数掃引された電波を外部に送信し、外部の被反射体から受信した反射波を検出する送受信部と、
受信信号と送信信号とを乗算する乗算部と、
この乗算部の出力信号の高調波成分をカットする低域通過フィルタと、
この低域通過フィルタから出力された受信信号が入力される受信信号処理部と、
を有し、
前記受信信号処理部は、
前記受信信号をフーリエ変換して距離スペクトルを得るFFT演算部と、
前記距離スペクトルの振幅成分を検出する振幅成分検出部と、
前記距離スペクトルの振幅成分のピーク位置を検出するピーク位置検出部と、
前記距離スペクトルから、2つのピーク位置に対応する中心周波数の中間の周波数にて最小ゲインとなる信号を出力するノッチ型の帯域通過フィルタと、
前記帯域通過フィルタの出力信号に対して、夫々振幅成分を検出する複数個のフィルタリング後振幅成分検出部と、
前記帯域通過フィルタの出力信号に対して、夫々位相成分を検出する複数個のフィルタリング後位相成分検出部と、
を有することを特徴とする
更に、前記第1発明において、
前記送受信部は、
前記反射波を受信する複数個の受信アンテナと、
各受信アンテナの出力信号の振幅及び位相を可変とすることができる複数の重み回路と、
各重み回路の出力信号を加算する加算器と、
を有し、
前記乗算部は、前記送信信号と前記加算器の出力信号とを乗算するものであり、
前記受信信号処理部は、
更に、前記受信アンテナの制御部を有し、
この受信アンテナの制御部は、
複数の被測定物のうち対象とする1つの被測定物のみをある一定の時間を区切って切り替える信号を出力するタイマーと、
このタイマー信号を基に被測定物を1つ選択する被測定物選択部と、
この被測定物選択部により選択された1つの被測定物に対して所望波と不要波の到来角を推定する到来角推定部と、
この到来角推定部の出力信号を基に前記重み回路の重み量を制御する重み量制御部と、
を有するように構成することもできる。
前記送受信部は、
前記反射波を受信する複数個の受信アンテナと、
各受信アンテナの出力信号の振幅及び位相を可変とすることができる複数の重み回路と、
各重み回路の出力信号を加算する加算器と、
を有し、
前記乗算部は、前記送信信号と前記加算器の出力信号とを乗算するものであり、
前記受信信号処理部は、
更に、前記受信アンテナの制御部を有し、
この受信アンテナの制御部は、
複数の被測定物のうち対象とする1つの被測定物のみをある一定の時間を区切って切り替える信号を出力するタイマーと、
このタイマー信号を基に被測定物を1つ選択する被測定物選択部と、
この被測定物選択部により選択された1つの被測定物に対して所望波と不要波の到来角を推定する到来角推定部と、
この到来角推定部の出力信号を基に前記重み回路の重み量を制御する重み量制御部と、
を有するように構成することもできる。
又は、前記送受信部は、
前記反射波を受信する複数個の受信アンテナと、
各受信アンテナの出力信号の振幅及び位相を可変とすることができる複数の重み回路と、
各重み回路の出力信号を加算する加算器と、
を有し、
前記乗算部は、前記送信信号と前記加算器の出力信号とを乗算するものであり、
前記受信信号処理部は、
更に、前記受信アンテナの制御部を有し、
この受信アンテナの制御部は、
複数の被測定物のうち対象とする1つの被測定物のみをある一定の時間を区切って切り替える信号を出力するタイマーと、
このタイマー信号を基に被測定物を1つ選択する被測定物選択部と、
不要波成分を最大限減衰するように前記複数の重み回路の重み量を制御する重み量制御部と、
を有するように構成することもできる。
前記反射波を受信する複数個の受信アンテナと、
各受信アンテナの出力信号の振幅及び位相を可変とすることができる複数の重み回路と、
各重み回路の出力信号を加算する加算器と、
を有し、
前記乗算部は、前記送信信号と前記加算器の出力信号とを乗算するものであり、
前記受信信号処理部は、
更に、前記受信アンテナの制御部を有し、
この受信アンテナの制御部は、
複数の被測定物のうち対象とする1つの被測定物のみをある一定の時間を区切って切り替える信号を出力するタイマーと、
このタイマー信号を基に被測定物を1つ選択する被測定物選択部と、
不要波成分を最大限減衰するように前記複数の重み回路の重み量を制御する重み量制御部と、
を有するように構成することもできる。
これらの場合に、
前記被測定物選択部の代わりに、複数の被測定物のうち個々の1つの被測定物に対応した所望波と不要波を同時に指定して、同時に複数の被測定物を計測することもできる。
前記被測定物選択部の代わりに、複数の被測定物のうち個々の1つの被測定物に対応した所望波と不要波を同時に指定して、同時に複数の被測定物を計測することもできる。
本発明によれば、受信波から、複数の人体に対応する個別の距離スペクトルを取り出し、各距離スペクトルの振幅成分から距離情報を得、各距離スペクトルの位相成分から微小変位を得ることにより、各人の距離及び生体信号を検出して、各人の位置及び生体情報をえることができる。これにより、2個のシングルベッド上に横たわる二人については勿論のこと、ダブルベッド上に横たわって近接した位置で睡眠をとる二人についても、個別に位置情報及び呼吸情報等を得ることができる。更に、車に搭乗して近接した位置にいる複数の人に対して、夫々、位置情報及び呼吸情報等を検出することもできる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して、具体的に説明する。
本発明の実施形態の説明に先立ち、受信信号の距離スペクトルから、人体からなるターゲットの位置並びに脈拍及び呼吸数等の生体信号を検知できるとする方法について説明する。図15は、静止又は準静止物体の距離を計測するためのFM−CWレーダーの構成を示すブロック図、図16は、レーダーの時間軸、周波数軸の動作を示す。図16において、fwは掃引周波数幅を示し、twは掃引時間を示している。信号処理部11内の信号発生制御部12からの信号をD/A変換(D/A変換部14)した後、VCO15により、周波数変調波が得られ、送信信号VTとして送信アンテナ(Tx)17から送信される。その信号はターゲット1,・・k,・・・Kにて反射した後、受信アンテナ(Rx)18により受信し、この受信波VRを送信波VRと乗算器19でミキシングした後、低域通過フィルタ(LPF20)を通すことで、位相検波信号としてビート信号を得ることができる。得られたビート信号は、A/D変換(A/D変換部21)してデジタル信号に変換された後、このビード信号は受信信号処理部13において、フーリエ変換される。これにより、距離スペクトルが得られ、その振幅成分からターゲットまでの距離を計測することができる.
本発明の実施形態の説明に先立ち、受信信号の距離スペクトルから、人体からなるターゲットの位置並びに脈拍及び呼吸数等の生体信号を検知できるとする方法について説明する。図15は、静止又は準静止物体の距離を計測するためのFM−CWレーダーの構成を示すブロック図、図16は、レーダーの時間軸、周波数軸の動作を示す。図16において、fwは掃引周波数幅を示し、twは掃引時間を示している。信号処理部11内の信号発生制御部12からの信号をD/A変換(D/A変換部14)した後、VCO15により、周波数変調波が得られ、送信信号VTとして送信アンテナ(Tx)17から送信される。その信号はターゲット1,・・k,・・・Kにて反射した後、受信アンテナ(Rx)18により受信し、この受信波VRを送信波VRと乗算器19でミキシングした後、低域通過フィルタ(LPF20)を通すことで、位相検波信号としてビート信号を得ることができる。得られたビート信号は、A/D変換(A/D変換部21)してデジタル信号に変換された後、このビード信号は受信信号処理部13において、フーリエ変換される。これにより、距離スペクトルが得られ、その振幅成分からターゲットまでの距離を計測することができる.
送信信号周波数をf、振幅をA、送信アンテナからの距離をxとすると、送信信号VT(f,x)は下記数式1で表される。
K個の被測定物によるx点における反射波の信号VR(f,x)は、下記数式2で表される。
但し、γk,φkは夫々k番目のターゲットの反射による振幅及び位相係数を示し、αkはk番目のターゲットに反射した信号の伝搬損による振幅係数である。dkを、送信点からk番目の物体までの距離とすると、受信アンテナ位置x=0の点における反射波の信号は数式2において、x=0とおき、下記数式3が得られる。
送信信号と反射波の信号を乗算すると、Vout(f,0)=VT(f,0)×VR(f,0)であり、LPF20を通すと、下記数式4が得られる。
ここでフーリエ変換による距離スペクトルを求めると、下記数式5が得られる。
ここで、f=f0+fΔとおくと、下記数式6が得られる。
次に、距離スペクトルの振幅成分|P(x)|は、下記数式7で表される。
ここで、数式7の等号が成り立つのは、全てのkについて、下記数式8が0に等しい場合である。
K=1、即ち、測定対象の数が1であるとすると、数式7は下記数式9となる。
この数式9の振幅成分は、下記数式10で表される。
また、数式9の位相成分を求めると、下記数式11が得られる。
そして、θ1(x)を、下記数式12の範囲とすると、数式11は下記数式13で表される。
数式13において、φ1=0とすれば、f0=24.15GHzにて、d1(mm)は−3.11〜3.11の範囲にあることが得られる。即ち、距離スペクトルの位相特性から、±3.11mmの範囲で微小変位が測定可能となる。
次に、本発明の第1実施形態に係る生体情報の検知装置について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る生体情報の検知装置の適用例を示す模式図、図2は、本実施形態の生体情報の検知装置の構成を示すブロック図、図3は、同じくその受信信号処理部の構成を示すブロック図である。本実施形態の検知装置1は、家庭の天井2にレーダー波の送信方向を下方に向けて設置されており、床4上の人体3a、3bの位置及び生体情報を検知する。例えば、検知装置1から人体3a、3bまでの距離は、夫々2m、1mであり、人体3a、3bは近接する位置に存在している。
本実施形態の生体情報の検知装置1は、図2に示すように、信号処理部11の信号発生制御部12がFM変調された周波数制御電圧を生成する。この周波数制御電圧は、D/A変換部14にてアナログ信号に変換され、24GHz帯VCO(電圧制御発信器)15の制御入力に入力される。この周波数制御信号により、VCO15は、発信電波の周波数をスイープさせる(掃引させる)。VCO15の発信信号VTは、BPF(帯域フィルタ)16によりフィルタリングされた後、送信(Tx)アンテナ17からレーダー波が送信される。この送信波は、被反射体T1、T2にて反射した後、受信(Rx)アンテナ18にて受信される。この受信信号VRは、乗算器19にて送信信号VTと乗算(ミキシング)され、乗算器19の出力信号Voutは、LPF(ローパスフィルタ)20にて高調波成分が除去される。このLPF20の信号は、A/D変換器21にてデジタル信号に変換され、信号処理部11の受信信号処理部13に入力される。
受信信号処理部13は、図3に示すように、A/D変換器21の出力信号がFET演算部31に入力され、このFET演算部31は、受信信号をフーリエ変換して、距離スペクトルp(x)を得る。この距離スペクトルは、振幅成分検出部32に入力されて、その振幅成分が検出される。そして、この距離スペクトルp(x)の振幅成分は、ピーク位置検出部33に入力され、距離スペクトルp(x)の振幅成分のピーク位置が検出される。このピーク位置は、第1の帯域通過フィルタ34及び第2の帯域通過フィルタ35に入力される。
FET演算部31の出力である距離スペクトルp(x)は、第1の帯域通過フィルタ34及び第2の帯域通過フィルタ35に入力され、第1の帯域通過フィルタ34においては、ピーク位置検出部33から入力されている第1のピーク位置に対応する第1の距離スペクトルp(x)を出力し、第2の帯域通過フィルタ35においては、ピーク位置検出部33から入力されている第2のピーク位置に対応する第2の距離スペクトルp(x)を出力する。これにより、第1帯域通過フィルタ34から第1の距離スペクトルが検出部36に入力されて検出部36が第1測定対象(人体3a)の距離スペクトルp(x)から位相成分を検出すると共に、検出部37に入力されて検出部37が第1測定対象(人体3a)の距離スペクトルp(x)から振幅成分を検出する。そして、検出部37は振幅成分を基に、検知装置1から第1検出対象までの距離を演算し、検出部36は第1検出対象の微小変位である呼吸数及び脈拍を演算する。同様に、第2帯域通過フィルタ35から第2の距離スペクトルが検出部38に入力されて検出部38が第2測定対象(人体3b)の距離スペクトルp(x)から位相成分を検出すると共に、検出部39に入力されて検出部39が第2測定対象(人体3b)の距離スペクトルp(x)から振幅成分を検出する。そして、検出部39は振幅成分を基に、検知装置1から第2検出対象までの距離を演算し、検出部38は第2検出対象の微小変位である呼吸数及び脈拍を演算する。
図4(a)乃至(c)は、第1帯域通過フィルタ34及び第2帯域通過フィルタ35の構成を示す模式図である。図4(a)は、第1ターゲットT1(第1測定対象(人体3a))及び第2ターゲットT2(第2測定対象(人体3b))の距離スペクトルを示す。この第1ターゲットT1の距離スペクトルは周波数f1に中心周波数をもち、ターゲットT2の距離スペクトルは周波数f2に中心周波数をもつ。そして、第1帯域通過フィルタ34には、ローパスフィルタLP1とバンドパスフィルタBPF1とが設けられていて、ローパスフィルタLP1により中心周波数がf2の第2ターゲットT2からの距離スペクトルを削除し、中心周波数がf1のバンドパスフィルタBPF1により、第1ターゲットT1からの距離スペクトルを尖鋭化する。また、第2帯域通過フィルタ35には、ハイパスフィルタHP2とバンドパスフィルタBPF2とが設けられていて、ハイパスフィルタHP2により中心周波数がf1の第1ターゲットT1からの距離スペクトルを削除し、中心周波数がf2のバンドパスフィルタBPF2により、第2ターゲットT2からの距離スペクトルを尖鋭化する。このようにして、第1帯域通過フィルタ34及び第2帯域通過フィルタ35により、夫々第1測定対象の距離スペクトルと、第2測定対象の距離スペクトルとを抽出することができる。
図5は、他の帯域通過フィルタBPF3を示す。この帯域通過フィルタBPF3は、第1ターゲットT1の中心周波数f1と、第2ターゲットT2の中心周波数f2との中間の周波数(f1+f2)/2に利得が0となるノッチフィルタである。このノッチフィルタにより、中心周波数f1の距離スペクトルと、中心周波数がf2の距離スペクトルとを分離することができる。即ち、この変形例においては、第1帯域通過フィルタ34のバンドパスフィルタBPF1及び第2帯域通過フィルタ35のバンドパスフィルタBPF2の代わりに、このノッチフィルタBPF3を共通して設置し、低域通過フィルタLP1及び高域通過フィルタHP2をノッチフィルタBPF3と組み合わせれば、図4(a)と同様に、第1ターゲットT1からの距離スペクトルと、第2ターゲットT2からの距離スペクトルとを分離することができる。
なお、距離スペクトルから得られる距離xと周波数スペクトルから得られる周波数fとの間には、fwを掃引周波数幅、twを掃引時間、cを光速度として、下記数式14にて表される1対1の関係を有する。
図1に示す第1測定対象(人体3a)及び第2測定対象(人体3b)と、検知装置1との間の距離が夫々2m、1mであるとし、人体3aの微小変位が振幅2mm、周波数0.1Hzであり、人体3bの微小変位の振幅1.5mm、周波数0.07Hzであるとして、コンピュータシミュレーションを行った。図6(a)は、第1測定対象の距離スペクトルの振幅成分.図6(b)は、第1測定対象の周波数スペクトルの振幅成分、図6(c)は、第1測定対象の距離スペクトル位相成分を示す。コンピュータシミュレーションで使用したパラメータは、FM信号の掃引周波数幅が200MHz、掃引時間が1024μsである。第1測定対象は距離スペクトルの振幅成分から1mの位置に、また、周波数スペクトルから0.15kHzの位置にあることがわかる。また、距離スペクトルの位相成分から、第1測定対象の微小変位量として振幅が2mm(ピーク・ツー・ピークが4mm)、周波数が0.1Hz(周期は10s)を検出できている。ここで、距離スペクトルの位相成分は変位量が±3.11mm内に表示されるため、図15のように、一見、不連続で表示される場合もある。
同様に、図7(a)、(b)、(c)は、夫々第2測定対象のみ存在する場合の距離スペクトルの振幅成分、周波数スペクトルの振幅成分及び距離スペクトルの位相成分の計算結果を示す。第2測定対象は距離スペクトルの振幅成分から2mの位置に、また、周波数スペクトルから0.29KHzの位置にあることがわかる。更に、距離スペクトルの位相成分から第2測定対象の微小変位量として振幅1.5mm(ピーク・ツー・ピークが3mm)、周波数が0.07Hz(周期は14s)を検出できている。
一方、2つの被測定物が存在する場合、図8のように、距離スペクトル及び周波数スペクトルの双方の振幅成分には2つの被測定物が検出され、夫々識別可能であるが、一方、位相成分は2つの測定対象の微小変位が混在するため、各測定対象ごとに分離することはできない。そこで、図9に示すように、例えば、第2測定対象のみを抽出するため、第2帯域通過フィルタ25を使用することにより、距離スペクトルの振幅成分及び周波数スペクトルの振幅成分は、夫々第2測定対象のみになっていることがわかる。また、距離スペクトルの位相成分からは、第2測定対象の微小変位のみを検出することが可能となっている。
第1測定対象についても、第1測定対象のみ抽出する第1帯域通過フィルタ24を使用することにより、同様に距離スペクトルの振幅成分から被測定物1のみを検出できる。また、距離スペクトルの位相成分からは、第1測定対象の微小変位のみを検出することが可能となる。
図10は、第2測定対象のみを取り出すための第2帯域通過フィルタ25の例を示す。帯域通過部分の位相特性に擾乱を与えないことが重要であり、位相特性の直線性を確保するため、FIR(Finite Impulse Response)デジタルフィルタで帯域通過フィルタを構成している。このFIRフィルタは、位相情報をこわさないで、フィルタをかけることができるものである。そのフィルタの中心周波数は周波数スペクトルの振幅成分の最大値となる周波数に等しくなる2.9kHzに設定している。また、帯域幅は200Hzに設定している例である。
この例では、近接する被測定物が2つの場合を示したが、3つ以上の場合にもそれぞれの被測定物に対応した中心周波数を有する帯域通過フィルタを用意することで容易に対応可能である。
上記実施形態においては、図3に示すように、A/D変換器出力信号はFFT演算部31で距離スペクトル、周波数スペクトルを計算した後、振幅成分検出部32でそれらの距離スペクトルP(x)の振幅成分を検出し、この振幅成分のピーク位置を検出するピーク位置検出部33に入力される。その結果を基にFFT演算信号に対して、第1測定対象のみを抽出する第1帯域通過フィルタ34を通過することで、第1測定対象の距離スペクトルの振幅成分と位相成分を得ることができる。また、FFT演算信号に対して第2測定対象のみを抽出する第2帯域通過フィルタ35を通過することで、第2測定対象の距離スペクトルの振幅成分と位相成分を得ることができる。その結果、それぞれの第1及び第2の測定対象の距離スペクトルの振幅成分から位置を計測でき、また、距離スペクトルの位相成分から微小変位量を計測することが可能となる。
図11は本実施形態の第1変形例を示す図である。この第1変形例においては、図3に示す実施形態に対して、第1帯域通過フィルタ34の替わりに、第1帯域通過トラッキングフィルタ34aを設け、第2帯域通過フィルタ35の替わりに、第2帯域通過トラッキングフィルタ35aを設けたものである。そして、第1測定対象の距離スペクトルの振幅成分検出器37から、従前の制御タイミングにおける第1帯域通過トラッキングフィルタ34aによりフィルタをかけられた距離スペクトルのピーク位置が、距離スペクトルの振幅成分のピーク位置検出部32に入力される。また、第2測定対象の距離スペクトルの振幅成分検出器39から、従前の制御タイミングにおける第2帯域通過トラッキングフィルタ35aによりフィルタをかけられた距離スペクトルのピーク位置が、距離スペクトルの振幅成分のピーク位置検出部32に入力される。そして、第1帯域通過トラッキングフィルタ34a及び第2帯域通過トラッキングフィルタ35aに対し、ピーク位置検出部32から、上述の従前の制御タイミングにおける第1測定対象及び第2測定対象からの各反射波の距離スペクトルのピーク位置がフィルタの中心周波数として入力される。これにより、図4(a)から、図4(b)、図4(c)というように、第1測定対象及び第2測定対象が、相互に接近移動しているような場合に、その距離スペクトルのピーク位置がf1から、f1´、f1´´と、またf2から、f2´、f2´´と変動するが、そのピーク位置が常時追跡(トラッキング)されて、フィルタ34a、35aのフィルタリング中心周波数を常時ピーク位置に合わせることができる。これにより、第1測定対象と第2測定対象とが極めて接近した場合にも、帯域フィルタリングをかける中心周波数は時々刻々と変化してトラッキングされ、現実の測定対象の位置に合わせることができるので、常に適切なフィルタリングをかけて、第1測定対象と第2測定対象とを分離してその距離スペクトルを求めることができる。
次に、図12を参照して、本実施形態の第2変形例について説明する。受信信号処理部13bは、図3では複数の測定対象に対応するため、中心周波数が異なる複数の帯域通過フィルタ34,35を備えていたが、図3の構成に替えて、図12に示すように、複数の帯域通過フィルタ34,35の替わりに、測定対象選定部41aと中心周波数可変帯域通過フィルタ34cと、タイマー44aを備えることにより、図3と同様な機能を実現できる。つまり、図12において、距離スペクトルの振幅成分のピーク位置検出部32で得られる複数の測定対象のピーク位置に対して、タイマー44aからの測定対象切り替えタイミングにより、測定対象を1個づつ時間的に切り替えて、そのピーク位置に中心周波数可変帯域通過フィルタ34cの中心周波数を一致させることができる。このため、フィルタ34cからは、各測定対象に合わせたピーク位置で帯域フィルタリングをかけた距離スペクトル(FFT演算結果)を、測定対象の距離スペクトルP(x)の振幅成分検出部37a、位相成分検出部36aに入力することができる。これにより、検出部37a、36aでは、1つの被測定物のみを、経時的に順次抽出でき、全ての測定対象につき、その振幅成分から位置を計測し、位相成分から心拍等を計測することができる。
次に,図13及び図14を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においては、図13に示すように、ノッチ型の帯域通過フィルタBPF3のみを、使用する。即ち、図14に示すように、FFT演算部31から出力された距離スペクトルは、ノッチ型の帯域通過フィルタ34を通過する。そうすると、図13に示すように、このフィルタ34の出力信号は、(f1+f2)/2の周波数にて、通過信号が最小になるように、フィルタリングをかけられて、破線にて示すような周波数特性を有しているが、このフィルタ34の出力である距離スペクトルは、その中心周波数f1,f2が明瞭に現れている。そこで、この中心周波数f1,f2の距離スペクトルから、第1測定対象(f1)及び第2測定対象(f)の夫々振幅成分及び位相成分を検出することができる。これにより、第1実施形態と同様に、近接した測定対象の距離及び心拍等を検知することができる。なお、本実施形態においても、図11と同様に、中心周波数f1,f2をトラッキングしてもよい。これにより、経時的な中心周波数の変化(測定対象の接近等)によらず、測定対象の正確な距離及び心拍等を検知することができる。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。上記第1実施形態は、周波数軸(または距離軸)で2つの被測定物を分離する方法の例である。しかし、この第3実施形態は、2つの測定対象からの信号を、空間的に分離するものである。図17(a)は、人体5a、5bが床4上に位置し、検知装置1が、人体5a、5bの中間位置の上方に設置されている。即ち、本実施形態は、装置1と、測定対象の人体5a,5bまでの距離とが、ほぼ同一である場合のものである。例えば、人体5aは、検知装置1から床4へ向かう垂線を中心として、−14°振れた方向に位置し、人体5bは、前記垂線から+14°振れた方向に位置する。そして、検知装置1から床4に引いた垂線の長さを2mとし、この垂線からの人体5a,5bの水平距離を0.5mとする。人体5aの微小変位量は振幅が2mm、周波数が0.1Hzであり、人体5bの微小変位量は振幅が1.5mm、周波数が0.07Hzであるとする。このように、装置1から測定対象の2個の人体5a、5bまでの距離がほぼ等しいような場合は、図17(b)に示すように、第1実施形態のように、距離スペクトルを求めると、各人体5a、5bについての距離スペクトルが重なってしまい、識別できない。
本実施形態において、人体5aのみを抽出する場合には、検知装置1からみて-14°°方向からの反射波は希望波とし、人体5bからの反射波である14°方向からの電波は不要波と定義する。同様に、第2測定対象の人体5bのみを抽出する場合には、検知装置1からみて14°方向からの反射波は希望波とし、人体5bからの反射波である−14°方向からの電波は不要波と定義することとする。
図18は第3実施形態のブロック図を示す。受信側アンテナにアンテナ(Rx1)18aと、アンテナ(Rx2)18bからなる2素子のアレーアンテナが使用されている。また、信号処理部11には、受信信号処理部13aからの信号をもとにアレイアンテナ18a、18bを制御するアレーアンテナ制御部23が設けられている。受信信号処理部13aには、フーリエ変換部が設けられており、受信信号は、このフーリエ変換部においてフーリエ変換されて、距離スペクトルp(x)が得られる。この距離スペクトルp(x)は、アレーアンテナ制御部23に入力され、図19に示すように、測定対象選択部41に入力される。測定対象選択部41においては、タイマー44からの切換信号を基に、ある期間は、複数の測定対象のうちの1つの測定対象、例えば人体5bを選択して、推定部42に出力する。測定対象選択部41は、タイマー44からの信号により、推定部42に入力させる距離スペクトルp(x)を切り替える。推定部42は、選択部41により選択された距離スペクトルを基に、一方の測定対象(人体5a,又は人体5b)の所望波と、不要波の到来角を推定する。この所望波と不要波の到来角は、重み量制御部43に入力される。重み量制御部43は、下記数式15〜数式19により演算することにより、重み量を演算する。この重み量制御部43は、重み量に基づく制御信号をアレーアンテナ制御部23a,23bに出力し、アレーアンテナ18a、18bの重み量を制御する。その結果、測定対象の距離スペクトルの振幅成分から位置を、また、位相成分から微小変位を計測することができる。即ち、指向性アンテナ18aは、図18に示すA方向から入射してくる反射波を主として検出し、指向性アンテナ18bは、B方向から入射してくる反射波を主として検出する。そして、アレーアンテナ制御部23の重み量制御部43は、指向性アンテナ18aの検出信号に対し、位相器係数がw1の重み付けを行い、指向性アンテナ18bの検出信号に対し、位相器係数がw2の重み付けを行う。従って、重み量制御部43が、指向性アンテナ18a、18bの検出信号に対して、夫々w1、w2(w1>w2)の重み付けを行ったときは、A方向から指向性アンテナ18aに入射した検出信号が重みw1の優勢な強度を持って加算器22を介して、混合器19に入力される。このようにして、この指向性アンテナ18aに入射した反射信号が主として、受信信号処理部13aに入力される。一方、重み量制御部43が、指向性アンテナ18a、18bの検出信号に対して、夫々w1、w2(w1<w2)の重み付けを行ったときは、B方向から指向性アンテナ18bに入射した検出信号が重みw2の優勢な強度を持って加算器22を介して、混合器19に入力される。このようにして、この指向性アンテナ18bに入射した反射信号が主として、受信信号処理部13aに入力される。このように、w1,w2の位相器係数(重み付け)を操作することにより、A方向の反射波を優勢的に受信したり、B方向の反射波を優勢的に受信することができ、このとき、ターゲットT1を受信しているときは、ターゲットT2の信号は減衰し、ターゲットT2を受信しているときは、ターゲットT1の信号は減衰しているため、ターゲットT1又はターゲットT2のいずれかの信号を優勢的に受信信号処理部13aに入力させることができる。即ち、受信信号処理部13aには、A方向に位置するターゲットT1とB方向に位置するターゲットT2の反射波を分離して、個別に検出することができる。
そして、アレーアンテナ制御部23においては、図18及び図19に示すように、受信信号処理部13aから、フーリエ変換(FFT)の演算信号が、測定対象選択部41に入力され、測定対象選択部41は、タイマー44からの測定対象の切り替えタイミングを示す信号を入力して、アンテナ18a、18bの一方を選択する信号を出力する。この測定対象選択部41からの信号は、選択されたアンテナにおける所望波及び不要波の到来角推定部42に入力され、この到来角に応じて、重み量制御部43が重み量w1,w2を出力する。
このようにして、ターゲットT1、T2(人体5a、5b)からの反射波を、個別に検出することにより、第1測定対象の人体5aの距離スペクトルの振幅成分から位置を、また、位相成分から微小変位を計測することができ、第2測定対象の人体5bの距離スペクトルの振幅成分から位置を、また、位相成分から微小変位を計測することができるので、全ての測定対象の位置及び生体信号を個別に測定することができる。
図20のように、アレーアンテナ部分に対して、所望波の到来角をθs、不要波の到来角をθuとすると、入力信号ベクトルをx(t)、相関行列をRxx、相関ベクトルをrXr、最適な重みをWopt(W1,W2)とすると、入力ベクトルX(t)は下記数式15により求められる。但し、n1(t)、n2(t)は、夫々、指向性アンテナ素子18a、18bにおける内部雑音である。
相関行列は、下記数式16により得られる。また、Ps、Pu、Pnは下記数式17により表される。相関ベクトルrxrは下記数式18により表される。また、最適重み量は、下記数式19により表される。
本実施形態においては、アレーアンテナには所望波と不要波の到来角を推定する到来角推定部を設けて、その情報を基に重み量を制御する例を示したが、到来角推定部を設けない場合は、以下のように、重み量制御部を構成することで同様に重み量を制御することができる。即ち、アレーアンテナ制御部では各重み量は不要波成分の信号強度をモニタする機能を用意して、その量が最小になるよう摂動法により重み量を制御する。更に、アレーアンテナの素子数が多くなれば、不要波成分の信号強度を最小にしつつ、同時に所望波成分の信号強度を最大にするよう摂動法により制御することが可能となる。
図21は、2素子のアレーアンテナを用いて、図17に示す人体5aを対象にする場合の所望波到来角−14°、不要波到来角14°の場合のアレーアンテナの放射パターン特性の計算結果を示す。一方、図22は、2素子のアレーアンテナを用いて、図17に示す人体5bを対象にする場合の所望波到来角14°、不要波到来角−14°の場合のアレーアンテナの放射パターン特性の計算結果を示す。両者とも不要波成分は30dB以上減衰していることがわかる。また、図21及び図22に、2素子の重み量を示している。
図23は、第2測定対象の人体5bのみを抽出する場合の距離スペクトルの振幅成分、周波数スペクトルの振幅成分及び距離スペクトルの位相成分を示す。希望波到来角14°、不要波到来角−14°として、アレーアンテナを用いることで、距離スペクトル及び周波数スペクトルの振幅成分は所望波成分である人体5b(位置は2.06mに相当)のみとなっている。また、距離スペクトルの位相成分から微小変位量として人体5bの微小変位である振幅1.5mm、周波数0.07Hz(周期14s)が正確に検出できていることがわかる。
この実施例のように1組のアレーアンテナを時間的に区切って人体5aと人体5bを交互に計測するように、重み量を時間とともに切り替える方法を用いることで、2つの束帯対象の距離スペクトルの振幅成分と位相成分を個々に検出することができる。
また、人体5aと人体5bを同時に抽出するためには、それぞれの測定対象のみを抽出できるように、2組のアレーアンテナを用意し、夫々重み量を制御することで実現できる。
本実施形態は、アレーアンテナに所望波と不要波の到来角が既知の例であるが、到来角が既知でない場合もあり、その場合には、アレーアンテナの各重み量は不要波成分を最小にするよう制御される。更に、アレーアンテナの素子数が多くなれば、不要波成分を最小にしつつ、同時に所望波成分を最大にするよう制御することが可能となる。
本発明によれば、近接して複数の人体が存在する場合においても、各人の個々の呼吸状態を正確に監視することができるため、急病により人体に異常が発生した場合に、これを迅速にかつ正確に検知することができ、医療及び介護の分野は勿論のこと、高齢化社会における各家庭の安全を図る上で、有用である。
1:生体情報の検知装置
3a、3b、5a、5b:人体
11:信号処理部
12:信号発生制御部
13,13a:受信信号処理部
14:D/A
15:VCO
16:BPF
17:送信アンテナ
18:受信アンテナ
19:乗算器
20:LPF
21:A/D
23:アレーアンテナ制御部
31:FET演算部
32:振幅成分検出部
33:ピーク位置検出部
34:第1帯域通過フィルタ
35:第2帯域通過フィルタ
36:位相成分検出部
37:振幅成分検出部
38:位相成分検出部
39:振幅成分検出部
41:測定対象選択部
42:到来角推定部
43:重み量制御部
44:タイマー
3a、3b、5a、5b:人体
11:信号処理部
12:信号発生制御部
13,13a:受信信号処理部
14:D/A
15:VCO
16:BPF
17:送信アンテナ
18:受信アンテナ
19:乗算器
20:LPF
21:A/D
23:アレーアンテナ制御部
31:FET演算部
32:振幅成分検出部
33:ピーク位置検出部
34:第1帯域通過フィルタ
35:第2帯域通過フィルタ
36:位相成分検出部
37:振幅成分検出部
38:位相成分検出部
39:振幅成分検出部
41:測定対象選択部
42:到来角推定部
43:重み量制御部
44:タイマー
Claims (1)
- 周波数掃引された電波を外部に送信し、外部の被反射体から受信した反射波を検出する送受信部と、
受信信号と送信信号とを乗算する乗算部と、
この乗算部の出力信号の高調波成分をカットする低域通過フィルタと、
この低域通過フィルタから出力された受信信号が入力される受信信号処理部と、
を有し、
前記受信信号処理部は、
前記受信信号をフーリエ変換して距離スペクトルを得るFFT演算部と、
前記距離スペクトルの振幅成分を検出する振幅成分検出部と、
前記距離スペクトルの振幅成分のピーク位置を検出するピーク位置検出部と、
前記距離スペクトルから、2つのピーク位置に対応する中心周波数の中間の周波数にて最小ゲインとなる信号を出力するノッチ型の帯域通過フィルタと、
前記帯域通過フィルタの出力信号に対して、夫々振幅成分を検出する複数個のフィルタリング後振幅成分検出部と、
前記帯域通過フィルタの出力信号に対して、夫々位相成分を検出する複数個のフィルタリング後位相成分検出部と、
を有することを特徴とする生体情報の検知装置。
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