JP5860004B2 - 平角状導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平角状導体の製造方法に関する。
従来から、ビデオテープレコーダやポータブルテープレコーダなどの小型・軽量の各種電気機器に内蔵されている偏平型ブラシレスモータなどの低電圧用小型モータの巻線として、絶縁被覆された銅製の平角状導体が使用されている。一般的に平角状導体は、通常は丸状導体を圧延ロールで圧延することで形成される。
上記圧延処理では、対向配置された圧延ロールの離間距離に応じて圧延厚みが設定されるため、圧延精度を高めるには、圧延ロールの離間距離を精度高く制御する必要がある。圧延ロールの離間距離は、圧延ロールやその支持機構の温度の影響を受け、圧延精度を維持するためには、圧延ロールやその支持機構の温度が安定した状態で圧延処理を行う必要がある。そのため、圧延処理には、処理開始時において圧延ロールやその支持機構の温度が一定に安定するまでに要する所定の立ち上げ時間(以下、起動時間という)を確保しなければならない。しかしながら、起動時間を確保しなければならない分、圧延機による圧延処理可能時間が短くならざるを得ず、このことが圧延処理量を増加させてコストダウンを図るうえで隘路となっていた。
そこで、特許文献1、2に示すように、圧延ロールを予熱することが行われている。特許文献1では、圧延ロール内に発熱抵抗体を内蔵させて、圧延ロールを予熱しており、特許文献2では、圧延ロールの外側に配置された圧延用リングに予熱用のパイプヒータを設けて予熱しており、これにより、起動時間の短縮化を図っている。
特開平02−280909号公報 特開平08−300018号公報
しかしながら、特許文献1では、消耗品である圧延ロールに発熱抵抗体を一体に設けている(内蔵している)が、この構造では、圧延ロールの耐久期間に比して発熱抵抗体の耐久期間が十分に長いにも拘わらず、圧延ロールを交換する際には、発熱抵抗体を一緒に交換せざるを得ず、このことが生産コストを無用に高める要因になる。また、特許文献1は、板幅270mmなどの金属板、箔を対象としており、圧延ロールに対して被圧延物が大きく、平角状導体のような圧延ロールに対して比較的小さい対象物での圧延後の厚み、幅の変動について検討されていない。また、特許文献2では、消耗品である圧延ロールに別途温度制御用の構造物を内蔵させていないものの、予熱用のパイプヒータという比較的複雑な構造物を設ける分、やはり平角状導体の生産コストを上昇させる。また、圧延用リング表面を予熱しているため、軸受部等で発生する摩擦熱による被圧延物の厚み、幅変動が生じてしまうおそれがあった。
したがって本発明の目的は、被圧延物が平角状導体のような比較的小さな対象物であっても、生産コストの上昇を抑制しながら、起動時間の短縮化を図るとともに、平角状導体の厚み及び幅の高精度化、平角状導体の全長での高精度化、均一化を主たる目的としている。
本発明は、
対向配置された少なくとも一対の圧延ロールと、前記圧延ロールを回転自在に支持する軸受部と、前記軸受部を支持する支持部とを備える圧延機を用いた平角状導体の製造方法であって、
前記軸受部と前記支持部とを予熱する予熱ステップと、
前記予熱ステップ後、前記圧延機の前記圧延ロールの間に丸状導体を通過させて、前記丸状導体を平角状導体に加工する加工ステップと、
を含んで平角状導体の製造方法を構成することで、上記課題を解決できる。
なお、本発明の平角状導体の製造方法を実施する圧延機としては、被圧延材を圧延する圧延ロールと、前記圧延ロールを回転自在に支持する軸受部と、前記軸受部を支持する支持部とを備える圧延機であって、前記軸受部と前記支持部とを保温する保温体と、前記軸受部と前記支持部とを加熱する加熱体とを備える。これにより、加熱体によって軸受部と支持部とを予熱したうえで、当該圧延機で被圧延材を圧延処理することができる。
以下、さらに本発明について説明する。従来では、圧延ロールに発熱抵抗体を設ける、または圧延用リング(圧延ロールに外嵌されている)の外側に予熱ヒータを設ける、といった構成で圧延ロールの予熱を行っていたが、このような従来の構成では、圧延機の構造を無用に複雑化させて生産コストを高める要因になる。
本願の発明者は、鋭意観察を行った結果、以下のことを見出した。すなわち、特に、1mm以下といった微少な圧延厚みに被圧延材を加工する際には、圧延ロールと被圧延材との接触部位で生じる摩擦熱や加工熱に起因して圧延ロールの温度が上昇し、これに伴い圧延ロールが熱膨張して生じるロール間隔の減少よりも、軸受部で発生する摩擦熱によって生じるロール間隔の変動が圧延後の平角状導体の厚み・幅変動により大きく影響していることを見出した。具体的には、軸受部でベアリングとロールシャフトとの回転接触部で発生する摩擦熱により軸受部およびロール間隔を調整する圧下螺子部材が熱膨張し、この圧下螺子部材の熱膨張によってロール間隔が減少する初期現象と、軸受部から該軸受部を支持する支持部への熱伝導により支持部が熱膨張し、この支持部の熱膨張によってロール間隔が増大する後期現象があることを突き止めた。
以上の観察結果に基づき、本願の発明者は、圧延開始時間の短縮化を図るためには、圧延ロールの温度制御ではなく、圧延ロールの支持機構、すなわち、軸受部及び当該軸受部を支持する支持部の温度制御が重要であることを見出した。そこで、本発明では、軸受部と支持部とを予熱している。また、そのために、軸受部および支持部を保温する保温体と、軸受部および支持部を加熱する加熱体とを設けている。これにより、被圧延材を1mm以下といった微少な圧延厚みに圧延処理する際に要する起動時間の短縮化を図ることが可能になった。
さらには、圧延ロールでは、それ自体が回転駆動されるために、温度制御を実施する部材を圧延ロールに設ける構成では、内蔵するのが最も容易かつ自然な形態となる。前述した特許文献1ではそのような構成となっている。しかしながら、それでは、消耗品である圧延ロールを廃棄する際には温度制御実施部材も同時に廃棄せざるを得ず、このことが圧延処理に要するコストを上昇させる要因になる。これに対して、本発明では、圧延ロールといった消耗品ではなく、比較的長期にわたって使用することが可能な軸受部および支持部に保温体や加熱体を設けている。そのため、消耗品である圧延ロールの交換毎に温度制御実施部材も廃棄するといった不都合が生じず、その分、圧延処理に要するコストを低減することができる。
さらには、圧延ロールといった回転駆動される部材ではなく、それ自体は静止した状態(非回転状態)で配置される軸受部および支持部に温度制御実施部材、すなわち保温体や加熱体を設ければよいので、軸受部および支持部に対して保温体や加熱体を着脱自在に設けることが可能となり、保温体や加熱体の再利用も可能となって、その分、圧延処理に要するコストをさらに抑制することが可能となる。
これにより、起動時において圧延ロールやその支持機構の温度が一定に安定して加工厚みを所望値に落ち着かせるのに要する時間(起動時間)を可及的に短くすることができる。そのため、処理量を増加させることが可能になって圧延処理のコストダウンを図ることができる。さらには、起動時間の短縮化に必要となる保温体と加熱体との構成を比較的簡単な構成にすることが可能になるうえ、継続的に使用することが可能になるので、その分、さらに圧延処理のコストダウンを図ることができる。
なお、それ自体は静止した状態(非回転状態)で配置される軸受部および支持部に設ける保温体としては、例えば、前記軸受部と前記支持部とを一体に覆うシート材を最適なものとして挙げることができる。また、前記加熱体としては、前記保温体内に敷設される電熱線を最適なものとして挙げることができる。
前記軸受部と前記支持部の温度制御を確実にするうえでは、前記加熱体による前記軸受部と前記支持部との加熱状態を制御する制御器をさらに備えるのが好ましい。
さらには、前記制御器は、前記軸受部と前記支持部との温度を測定する測定部と、前記測定部の測定結果に基づいて、電熱線からなる前記加熱体に供給する電力量を制御する制御部とを備えるのが好ましく、温度制御精度がさらに高まる。
また、簡易に温度制御する場合には、前記制御器は、任意に設定した電力を前記加熱体に供給する時間を制御するものであるのが好ましく、そうすれば、制御器の構成が簡略になって、圧延機の製造コストの低減を図ることができる。
なお、前記被圧延材は、銅、アルミ、銅クラッドアルミからなり直径50〜1500μmの丸状導体であり、当該圧延機は、前記被圧延材を厚さ10〜500μm、幅100〜4000μmの平角状導体を形成するものであるのが好ましい。
本発明によれば、軸受部と支持部とを予熱した上で圧延処理するので、寸法精度が安定した平角状導体を得るまでの時間を短縮することができる。
本発明で使用する圧延機の一実施形態を示す図であって、(a)は、右から左に向かって導体が圧延されることを示す圧延機の斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図であり、(c)は、(a)のB−B線断面図である。 外部加熱手段による予熱手段の要部を示す図である。 図2の予熱手段を使った実施形態を示す図であって、(a)は、全体斜視図、(b)は、(a)のA−A線断面図であり、(c)は、(a)のB−B線断面図である。 本発明で使用する内部摩擦熱手段の予熱手段の一実施形態を示す図である。 本発明で使用する内部摩擦熱手段の別の予熱手段の一実施形態を示す図である。 従来技術による圧延処理厚み変動の経時変化を示す図である。 本発明によって作成された平角状導体の一断面図を示す図である。
次に、本発明の実施形態について、図1〜図7を参照して順に詳説するが、これに限定されるものではない。
平角状導体101の製造に用いる圧延機20の構成を図1(a)、(b)及び(c)を参照して説明する。図1(a)は、右から左に向かって導体が圧延されることを示している。図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図であり、(a)と同様、右から左に向かって導体が圧延されている。図1(c)は、図1(a)のB−B線断面図であり、圧延加工される前の導体(丸状導体)側から見たときの図である。
圧延機20は、一対の上下段圧延ロール21、21と、上下段圧延ロール21、21の両端をそれぞれ回転自在に支持する軸受部22と、軸受部22を支持する支持部23とを備えている。上下段圧延ロール21、21は、ロールシャフト21aとロールリング21bとで構成されている。圧延ロール21、21は、上下に若干の隙間(圧延隙間)sを開けて水平配置されている。上段圧延ロール21は、軸受部22を介して上下移動できるように構成されており、軸受部22の上面は圧下螺子部材30と接している。圧延隙間sは、圧下螺子部材30をねじ込むことによって、軸受部22を移動させて調整することができる。軸受部22は、例えば平軸受からなり、水平配置された圧延ロール21のロールシャフト21aを回転自在に支持している。圧延機20は柱体からなる支持部23を備えており、四隅に起立させた支持部23に床板23aと天井板23bとを連結させることで、圧延機20は矩形枠体状に組み立てられている。軸受部22の四隅は支持部23により支持されることで、支持部23の内部に水平配置状態で収納されている。
予熱手段は、外部加熱手段や内部摩擦熱手段が挙げられる。外部加熱手段とは、外から(別の構成を使って)、圧延機20の軸受部22と支持部23とを予熱することを指す。内部摩擦熱手段とは、ロールシャフト21aの外表面と軸受部22の内周面との間のロール回転に伴う摩擦熱で圧延機20の軸受部22と支持部23とを予熱することを指す。
まず、外部加熱手段の一実施形態を図2で説明する。保温体24は、柔軟シート26Aと断熱シート26Bとを積層してなる。柔軟シート26Aは、さらに、織布や不織布からなる一対のシート材26a、26bを積層してなり、シート材26a、26b間に加熱体25を蛇行配線した電熱部を有している。
図3に図2の保温体24を使用した一実施形態を示す。図3(a)は、全体斜視図、図3(b)は、図3(a)のA−A線断面図、図3(c)は、図3(a)のB−B線断面図である。圧延機20は、上述した構成と同じであるので説明は省略する。保温体24は、図3に示すように、支持部23の外周面全面を覆いさらには軸受部22に当接した状態で配置されている。保温体24は、断熱シート26Bを外周にして支持部23を覆っている。ただし、圧延処理する被圧延材(例:丸状導体)を圧延ロール21に対して搬入/搬出することが可能となるように、保温体24には開口24a、24bが形成されている。開口24aは圧延ロール21の搬入部位に対向する保温体24の部位に形成されている。開口24bは、圧延ロール21の搬出部位に対向する保温体24の部位に形成されている。シート状の保温体24は、図示しないが、面ファスナ等の装着部材によって立体的に成形されており、装着部材を組付/解除することで支持部23に対して着脱自在に装着でき、また、圧延機20の大きさに適宜対応できる。
加熱体25は、制御器27を介して電源28に接続されている。支持部23の内部には熱電対等の温度センサからなる測定部29A、29Bが設けられている。測定部29Aは支持部23に当接した状態で配置されており、支持部23の表面温度を測定し、測定結果を制御器27に通知している。測定部29Bは軸受部22に当接した状態で配置されており、軸受部22の表面温度を測定し、測定結果を制御器27に通知している。
制御器27は測定部29A、29Bから通知された支持部23と軸受部22との表面温度情報に基づいて、電源28から加熱体25に供給する電力量を制御して、所望の温度になるようにする。
次に内部摩擦熱手段の一実施形態を図4、図5で説明する。圧延時には、圧延ロールのロールシャフト外表面と軸受部の内周面との間でロール回転に伴う摩擦熱が発生するが、内部摩擦熱手段では、その摩擦熱を効率よく発生させる構成を有する。その一例として、図4に示すとおり、圧延ロール21間(ロール間の距離:t)に、そのロール間距離:tより厚さの大きい帯状のゴム部材X(厚さ:T、t<T)を通過させ、回転する圧延ロール21の軸受部22に挿入されているロールシャフトに負荷をかけて、軸受部22の内周面とロールシャフト外周面との摩擦で発生する摩擦熱による温度上昇を、従来において圧延ロール21の空転や被圧延材(丸状導体)の通過によって生じていた温度上昇より短時間でかつ無駄な材料ロスを出さないで所望の温度に短時間で安定させることができる。さらに帯状のゴム部材Xであると繰り返して使用できる。
ここで、圧延ロール21間の距離は、圧延後の平角状導体の厚さ(幅)となるように、予めデータを取って決定した距離に設定する。帯状のゴム部材Xの断面形状としては、円形、矩形(平角状)多角形のいずれであっても良い。
さらに、図5に示すとおり、帯状のゴム部材Xを圧延ロール21に適当な長さ(圧延ロール21の外周よりも大きい長さ)を通過させた後、ゴム部材Xの端部同士を接合させることで、長尺の帯状のゴム部材Xにて内部摩擦熱手段とするよりも、より短いゴム部材Xの長さで所望の効果が得られる。端部同士の接合としては、公知手法(例、接着剤)で行えばよい。また、所望の温度が得られたら、輪状になったゴム部材Xの一部を切断して圧延機20から取り外し、再び使用する際には、再度ゴム部材Xの端部同士を接合すれば、ゴム部材Xを複数回使用することが可能である。所望の温度になったことを確認後、被圧延材(丸状導体)を圧延ロール21間に挿通すれば(通過させれば)よい。所望の温度とは、上述したように軸受部22、支持部23の表面温度であって予め熱電対等からなる測定部29A、29Bによって測定した結果から導いたものであり、その詳細は後述する。
内部摩擦熱手段は、外部加熱手段に比べ、新たな電源を要しない点でコスト的に有利である。また外部加熱手段は、内部摩擦熱手段に比べ、緻密な温度制御ができる点で有益である。その他の態様としては、上述した外部加熱手段と内部摩擦熱手段を併用することが挙げられる。
次に、被圧延材(丸状導体)について説明する。丸状導体とは、長手方向に対して垂直な断面(横断面)の形状が円形を示す導体(導線)を指す。材質は銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銀合金、金、白金などの導電性のよい金属材料、アルミニウムの外周に銅を被覆したクラッド材、またはその逆に銅の外周にアルミニウムを被覆したクラッド材等が挙げられる。
丸状導体の線径(直径)は、特に限定する必要がないが、圧延後の寸法(厚さ、幅)が小さいものにおいて、本発明は有益である。具体的には、直径:50μm〜1500μmの丸状導体が好適である。この丸状導体を圧延することで、厚さ10μm〜500μm、幅100μm〜4000μm、厚さ/幅の比率が、1:3〜1:50の平角状導体101(図7参照)を形成する。
図6は、直径0.84mmの丸状導体100を11.8m/分の処理速度で厚み0.27mmの平角状導体101に従来技術によって圧延処理する際における軸受部22/支持部23の温度変動と圧延処理厚みの変動を示しており、横軸が圧延処理開始からの経過時間を、縦軸が軸受部22/支持部23の表面温度と外気との間の温度差および圧延処理厚みの変動をそれぞれ示している。
これらの図から明らかなように、圧延厚みには、圧延処理開始から20分経過するまで急激な減少変動(急激に圧延厚みが小さくなる現象)が生じたのち、緩やかな増加変動(緩やかに圧延厚みが大きくなる状態)に転じ暫くして圧延厚みが安定する。これは次のような理由に因ると思われる。すなわち、圧延処理を開始すると、まず軸受部22において摩擦熱が生じてその温度が上昇し、軸受部22と支持部23との間の温度差が大きくなる。すると、軸受部22の熱膨張が他の部位で発生する熱膨張よりも大きく影響し、その結果、圧延ロール21、21の間の隙間sが小さくなって圧延厚みに急激な減少変動が発生する。圧延処理開始から20分経過すると、軸受部22で生じた熱が支持部23にも十分に伝播して支持部23でも温度が上昇し始める。このような状態になると、圧延ロール21の隙間sが緩やかに増加し始め、その結果、圧延厚みが緩やかに上昇し始める。そして、圧延処理を開始して約200〜250min程経過すると軸受部22と支持部23との温度差が一定の値(約5度)で安定し、その結果、圧延ロール21の隙間sの変動が収まり、圧延厚みが安定する。
以上のことから分かるように、圧延処理初動時に生じる急激な圧延厚みの減少変動が加工熱/摩擦熱の支持部23への伝播によって収まるまでの期間を、起動時間hと見なすことができ、この起動時間hを短縮すれば、圧延処理量を増加させることが可能になって圧延処理のコストダウンを図れる。しかしながら、図6に示すように、従来の技術では、起動時間hが長くなるために、圧延処理厚み変動が安定するまでに要する時間は、200〜250minと長時間になっていた。
起動時間hを短くするためには、起動時における軸受部22と支持部23との間の温度差を、安定した圧延処理が実施されている状態における温度差と同等になるように調整すればよく、そのためには、軸受部22と支持部23とを予熱しておけばよい。ここで、図6に示すように、安定した圧延処理を実行している状態における軸受部22と外気との間の温度差は16度であり、支持部23と外気との間の温度差は11度であり、軸受部22と支持部23との間の温度差は5度(=16−11)である。
このことから圧延機20では、起動時における軸受部22と外気との間の温度差と、支持部23と外気との間の温度差が上記値(前者=16度、後者=11度)に近い値になるように、例えば、
(1)保温体24と加熱体25と制御器27とによって、軸受部22と支持部23とを予熱し保温することで、起動時間hの短縮化を図ることができる。この構成によれば、起動時間hを100〜150minに短縮することができた。
(2)また、別の手段としては、圧延ロール21の隙間sにその隙間sより大きい厚みを有する帯状のゴム部材Xを挿通させることで、軸受部22と支持部23とにかかる負荷を空運転(圧延ロール21の隙間sに何も挿通させない状態で起動する)よりも大きくして、装置内で発生する熱(特に摩擦熱)を予熱として利用することで、起動時間hの短縮を図ることができる。この構成によれば、起動時間hを100〜150minに短縮することができた。
なお、上述した実施の形態では、測定部29A、29Bによって、軸受部22と支持部23との温度を実測し、その測定値を制御器27にフィードバックすることで、制御器27が加熱体25に供給する電力量をリアルタイムに制御する構成であった。しかしながら、測定部29A、29Bを設けることなく、過去に計測した電力量供給量データに基づいて制御器27が、任意の一定電力を、予め決めておいた時間量で加熱体25に供給することで、軸受部22と支持部23とを予熱し保温するようにしてもよい。この構成では、制御器27は、任意の一定電力を加熱体25に供給する時間を所定値に制御するタイマーとして機能する。この場合、測定部29A、29Bが不要になるうえに制御器27の構成も簡略化されて圧延機20の製造コストを低減することができる。
上述した実施の形態では、保温体24を、柔軟シート26Aと断熱シート26Bとから構成し、加熱体25を、電熱線から構成した。しかしながら、この構成は、構成を簡略化できる本発明の一例であるものの、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、保温体24を、断熱シート26Bだけから構成してもよく、加熱体25を、パネルヒータ、温水流通パイプ、加熱エア流通パイプ等から構成してもよい。
1 平角状絶縁電線
20 圧延機
21 圧延ロール
21a ロールシャフト
21b ロールリング
22 軸受部
23 支持部
24 保温体
24a、24b 開口
25 加熱体
26A 柔軟シート
26a、26b シート材
27 制御器
28 電源
29A、29B 測定部
30 圧下螺子部材
31 床板
32 天井板
100 丸状導体
101 平角状導体
s 隙間
h 圧延開始時間(起動時間)
X 帯状のゴム部材

Claims (4)

  1. 対向配置された少なくとも一対の圧延ロールと、前記圧延ロールを回転自在に支持する軸受部と、前記軸受部を支持する支持部とを備える圧延機を用いた平角状導体の製造方法であって、
    前記軸受部と前記支持部とを予熱する予熱ステップと、
    前記予熱ステップ後、前記圧延機の前記圧延ロールの間に丸状導体を通過させて、前記丸状導体を平角状導体に加工する加工ステップと、
    を含む、
    ことを特徴とする平角状導体の製造方法。
  2. 前記予熱ステップでは予熱手段を用い、前記予熱手段は、前記軸受部と前記支持部とを、外部加熱手段及び/又は内部摩擦熱手段で予熱する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の平角状導体の製造方法。
  3. 前記外部加熱手段は、前記軸受部と前記支持部とを保温する保温体と、
    前記軸受部と前記支持部とを加熱する加熱体と、
    を備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の平角状導体の製造方法。
  4. 前記内部摩擦熱手段は、前記圧延ロー間に前記圧延ロー間の距離よりも大きい厚さの帯状のゴム材料を通過させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の平角状導体の製造方法。
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