JP5858787B2 - 設計を計算し、あるいは設計を選択することによって眼鏡レンズを提供するための方法 - Google Patents

設計を計算し、あるいは設計を選択することによって眼鏡レンズを提供するための方法 Download PDF

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Description

本発明は一般に視力改善の分野に関し、より詳細には設計を計算し、あるいは設計を選択することによって眼鏡レンズを提供するための方法に関する。眼鏡レンズは、例えば二重焦点レンズ、単一焦点レンズであってもよい。また、本発明は、眼鏡レンズを製造するための方法に関する。さらに、本発明は、本発明の眼鏡レンズを設計するための計算方法を実施するためにセットアップされた一片のソフトウェアに関する。
眼鏡レンズは、多くの異なるタイプの視力欠陥を矯正するために着用されており、また、広く使用されている。これらの視力欠陥には、近視(近眼)および遠視(遠眼)などの欠陥、非点収差、および一般的には老化による近範囲視力欠陥(老眼)が含まれる。
眼科医または眼鏡検査士は、球、円筒および軸の形の屈折誤差を矯正することによって視力を常習的に改善している。
眼における非点収差は、屈折誤差が経線依存性である場合に生じる。これは、通常、1つまたは複数の屈折表面によるものであり、環状の形を有する前方角膜で最も一般的に生じる。
L. Lundstrom and P. Unsbo (Biomedical and X-ray Physics、Royal Institute of Technology、Sweden) -「Transformation of Zernike coefficients : scaled, translated, and rotated wavefronts with circular and elliptical pupils」- Vol. 24、n0 3 /2007年3月/ J. Optical Society of America 「Finite schematic eye models and their accuracy to in-vivo data」- Ravi C. Bakaraju; Klaus Ehrmann; Eric Papas; Arthur Ho - Vision Research 48 (2008) 1681〜1694頁 「Accommodation-dependent model of the human eye with aspherics" - Navarro R.; Santamaria J. & Bescos J. (1985) - Journal of the Optical Society of America A、2(8) 1273〜1281頁 Handbook of lens design、Malacara D. & Malacara Z.295〜303頁、1994年Marcel Dekker Inc. 「Accuracy and precision of objective refraction from wavefront aberrations」、Larry N. Thibos、Xin Hong、Arthur Bradley、Raymond A. Applegate、Journal of Vision (2004) 4、329〜351頁
本発明がその解決を目指している問題は、レンズ使用者の視覚ニーズにより良好に合致し、かつ、レンズ使用者、とりわけ二重焦点レンズの使用者の快適性を改善することであり、また、使用者によるレンズに対する適合を容易にすることである。
したがって本発明の主題は、眼鏡レンズの構造を最適化するための方法であって、
a) 少なくとも1つの凝視方向のための眼鏡レンズ構造の残留非点収差値および残留非点収差方向のデータを提供するステップと、
b) 着用者の眼の非点収差およびコマ収差の値ならびに方向のデータを提供するステップと、
c) 眼鏡レンズの構造を最適化することにより、最適化された眼鏡レンズ構造を提供するステップであって、該最適化が、レンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の組合せに基づいてレンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の管理を適応させるステップを含み、それにより着用者の眼の鋭敏性対歪曲収差が改善され、また、レンズ−眼システムが、眼鏡レンズ構造および着用者の眼からなるステップと、
を含む方法である。
一実施形態によれば、本発明の主題は、眼鏡レンズの構造を最適化するためにコンピュータ手段によって実施される方法であって、
a) 少なくとも1つの凝視方向のための眼鏡レンズ構造の残留非点収差値および残留非点収差方向のデータを提供するステップと、
b) 着用者の眼の非点収差およびコマ収差の値ならびに方向のデータを提供するステップと、
c) 眼鏡レンズの構造を最適化することにより、最適化された眼鏡レンズ構造を提供するステップであって、該最適化が、レンズ−眼システムの非点収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件とし、また、レンズ−眼システムのコマ収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件として、レンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の組合せに基づいてレンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の管理を適応させるステップを含み、それにより着用者の眼の鋭敏性対歪曲収差が改善され、また、レンズ−眼システムが、眼鏡レンズ構造および着用者の眼からなるステップと
を含む方法である。
したがって同じく本発明の他の主題は、眼鏡レンズの構造を選択するための方法であって、
a) 少なくとも1つの凝視方向のための眼鏡レンズ構造の残留非点収差値および残留非点収差方向のデータを提供するステップと、
b) 着用者の眼の非点収差値およびコマ収差値、ならびに非点収差方向およびコマ収差方向のデータを提供するステップと、
c) 複数の眼鏡レンズ構造を提供するステップと、
d) 複数の構造の中から1つの構造を選択することにより、選択された眼鏡レンズ構造を提供するステップであって、該選択が、レンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の組合せに基づいてレンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の管理を適応させるステップを含み、それにより着用者の眼の鋭敏性対歪曲収差が改善され、また、レンズ−眼システムが、眼鏡レンズ構造および着用者の眼からなるステップと
を含む方法である。
一実施形態によれば、本発明の他の主題は、眼鏡レンズの構造を選択するためにコンピュータ手段によって実施される方法であって、
a) 少なくとも1つの凝視方向のための眼鏡レンズ構造の残留非点収差値および残留非点収差方向のデータを提供するステップと、
b) 着用者の眼の非点収差およびコマ収差の値ならびに方向のデータを提供するステップと、
c) 複数の眼鏡レンズ構造を提供するステップと、
d) 複数の構造の中から1つの構造を選択することにより、選択された眼鏡レンズ構造を提供するステップであって、該選択が、レンズ−眼システムの非点収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件とし、また、レンズ−眼システムのコマ収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件として、レンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の組合せに基づいてレンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の管理を適応させるステップを含み、それにより着用者の眼の鋭敏性対歪曲収差が改善され、また、レンズ−眼システムが、眼鏡レンズ構造および着用者の眼からなるステップと
を含む方法である。
本発明の枠内では、眼鏡レンズの「構造」は、前記着用者のために決定される球面度数、円柱度数、軸、および加入度によっては決定されない前記レンズの光学システムの一部をなすものとして理解すべきである。
本発明は、レンズ-眼システムの非点収差のRMS値が閾値に等しいか、あるいは閾値より大きく、また、レンズ-眼システムのコマ収差のRMS値が閾値に等しいか、あるいは閾値より大きい場合に有利に実施される。一実施形態によれば、前記閾値は0.025μmとして選択される。
一実施形態によれば、閾値は0.05μmである。他の実施形態によれば、閾値は0.1μmである。
RMSは、パラメータの平方自乗平均値として定義されており、平方平均としても知られている。
一例によれば、眼の瞳孔サイズは6mmである。
異なる瞳孔サイズ毎に、それに対応する値を容易に決定することができる。一実施形態によれば、この変換は、L. Lundstrom and P. Unsbo (Biomedical and X-ray Physics、Royal Institute of Technology、Sweden) -「Transformation of Zernike coefficients : scaled, translated, and rotated wavefronts with circular and elliptical pupils」- Vol. 24、n0 3 /2007年3月/ J. Optical Society of Americaの教示に従って実施される。
一実施形態によれば、レンズ-眼システムの非点収差およびコマ収差の組合せは、前記非点収差およびコマ収差の機能的な組合せまたは結合からなっている。
本発明の実施形態によれば、最適化または選択される眼鏡レンズの構造の最適化または選択は、着用者の一方の眼または両方の眼に関係している。
眼鏡レンズ、とりわけ二重焦点レンズには、残留収差、主として非点収差が伴う。したがって本発明は、着用者の眼の非点収差およびコマ収差ならびに配向データに基づく眼鏡レンズの残留非点収差の改善および管理を提供し、延いては鋭敏性/歪曲収差の妥協を最適化する。実際、本発明者は、視力に対する残留非点収差の影響は、着用者のコマ収差の方向に依存することを検証することができた。非点収差およびコマ収差の配向ならびに値データを組み合わせることにより、それらの個々の配向に基づいて視覚性能を改善し、あるいは弱めることができる。
本発明の一実施形態によれば、着用者は仮想着用者であり、また、着用者の眼はモデル眼である。刊行物「Finite schematic eye models and their accuracy to in-vivo data」- Ravi C. Bakaraju; Klaus Ehrmann; Eric Papas; Arthur Ho - Vision Research 48 (2008) 1681〜1694頁に「モデル眼」の例が開示されている。
本発明の一実施形態によれば、選択される「モデル眼」は、「Accommodation-dependent model of the human eye with aspherics" - Navarro R.; Santamaria J. & Bescos J. (1985) - Journal of the Optical Society of America A、2(8) 1273〜1281頁に開示されている「Navarro等」のモデル眼である。
本発明の他の実施形態によれば、着用者の眼は着用者の実際の眼であり、改善される眼鏡レンズは前記着用者用に個別化される。この実施形態によれば、着用者の眼の非点収差値およびコマ収差値ならびに方向データが測定される。前記測定されるデータは、アベロメータを使用して得ることができる。
非点収差およびコマ収差の両方のフィーチャに関連するデータには、「値」および「方向」データが含まれている。「値」データは、フィーチャの最大の大きさに関連しており、また、方向は前記フィーチャの角度に関連している。
本発明の枠内では、値の符号および変分は、規格「American National Standard for Ophthalmics- Methods for reporting optical aberrations of the eye」;2004:ANSI Z80.28-2004に記載されているOSA勧告に従って表される。
図1および2は、レンズ-眼システムの瞳孔内の波面表面を示したもので、瞳孔のサイズは6mm(-3から+3mm)である。前記波面表面は、瞳孔の表面に沿ったZ-iso-曲線として表されている。一例によれば、横座標軸(X軸)は、人が立っている場合の瞳孔の水平方向の線であり、縦座標軸(Y軸)は瞳孔の垂直方向の線であり、また、点(0、0)は瞳孔の中心である。Z-iso-曲線はμmで表されており、収差のないレンズ-眼システムの波面表面と基準表面の差を表している。
図1aおよびbは、1ジオプターの非点収差に対応する波面表面を示したものである。図1aによれば、非点収差配向はゼロであり、Z-iso-曲線は、横座標軸および縦座標軸の両方に対して対称である。
Zの最大および最小は、横座標軸および縦座標軸の上に置かれている。
図1bによれば、非点収差は、図1aと比較すると角度AAだけ傾斜している。Zの最大および最小は、横座標軸および縦座標軸からAAの角度だけ傾斜している。前記角度AAは、本発明の枠内では非点収差方向の角度と呼ばれている。
図2aおよびbは、コマ収差に対応する波面表面を示したもので、コマ収差平方自乗平均(RMS)値は1μmである。
図2aによれば、コマ収差配向はゼロであり、Z-iso-曲線は、縦座標軸に対して対称であるが、前記Z-iso-曲線の符号は逆である。
最大および最小Z値は、Y=0およびX=-3μm、X=+3μm、X=-1.4μm、X=+1.4μmに対して見出すことができる。
図2bによれば、コマ収差は、図2aと比較すると角度CAだけ傾斜している。前記角度CAは、本発明の枠内ではコマ収差方向の角度と呼ばれている。
本発明の異なる実施形態によれば、以下を組み合わせることができる。
− レンズ−眼システム(LES)の非点収差およびコマ収差の管理が、レンズ−眼システムの残留非点収差方向の角度(AA)とコマ収差方向の角度(CA)の差である角パラメータφを使用することによって実施され、したがって上で言及した定義によれば、
φ=AA(RA_LES)−CA(RC_LES)であり、
上式でRA_LESはレンズ−眼システムの残留非点収差であり、また、
RC_LESはレンズ−眼システムの残留コマ収差である。
− レンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の管理が、レンズ−眼システムのための所望の角度φ の選択からなり、角度φ がパラメータSPH/RMS_CAの関数として決定され、
SPHがレンズ−眼システムの球値であり、本発明の一実施形態によれば、SPHはツェルニク多項式展開のZ_4項に対応し、
RMS_CAがレンズ−眼システムのコマ収差および非点収差の平方自乗平均値である。
− パラメータSPH/RMS_CAが約−1から約1まで大きくなると、角度φ が約90°から約0°まで連続的に小さくなり、レンズ−眼システムのSPHパラメータ、非点収差値およびコマ収差値がμm単位などの長さの単位で表される。
− SPH/RMS_CAが約0のとき、φ値は約45°である。一実施形態によれば、φ は約arccos(SPH/RMS_CA)/2に等しい。
− レンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の管理が、レンズ−眼システムのための所望の比率RACの選択からなり、比率RACは、レンズ−眼システムの非点収差値とコマ収差値の間の比率として定義され、所望の比率RACは、1≦RAC≦3であるように選択される。
− 最初の眼鏡レンズおよび改善された眼鏡レンズは、遠視力ゾーン、中間視力ゾーンおよび近視力ゾーンを備えた眼鏡プログレッシブアディションレンズである。
− コマ収差の値および方向のデータは、中間視力ゾーンの複数の凝視方向で決定される。
一実施形態によれば、ツェルニク多項式を使用して波面を解析することができる。このような解析は、例えば、眼球波面収差を記述するためにOptical Society of America(OSA)によって推奨されているが、例えばテイラー級数またはスプラインなどの他の多項式を使用して波面を数学的に記述することも可能である。
ツェルニク展開によって直交セットの多項式で収差が示される。これは、ピラミッドの形で表示することができる。垂直の方向に個々の行は典型的な形の収差を表しており、これらは(半径方向の)次数と呼ばれている。一番上はゼロ次数と呼ばれており、実際には収差は存在しないが、例えばスケーリングのために加えることができる定数である。第2の行(第1次数)はプリズム効果を表している。収差の個々の表現は項と呼ばれている。プリズム効果は、垂直方向の項(Z_2項、上または下)および水平方向の項(Z_3項、中または外)に基づいている。ゼロ次数および第1次数(Z_l〜3項)は、特定の視覚欠陥または特定の測定条件にリンクされているため、通常はこれらは画像化されない。興味深くなるのは第2次数からである。ピラミッドの中ほどに焦点外れ(Z_4項)を見出すことができる。この焦点外れはピラミッドの軸線に置かれている。これは、焦点外れ(屈折の球面部分)が回転対称(ゼロ角周波数)であることによるものである。焦点外れの両側に非点(屈折中の円筒)項Z_3およびZ_5を見出すことができる。これらの項は1つの経線においてのみ作用するため、これらは焦点外れの特殊な状態である。したがってこれらは、方向(円筒の軸)を使用して、傾斜した非点収差に対してはZ_3を使用して、また、水平方向の非点収差に対してはZ_5を使用して示さなければならない。第3次数の収差には、コマ収差およびトレフォイルが含まれており、それぞれ方向を有しているため、中ほどのこの行にはZ項は存在していない。コマ収差の値および方向のデータは、Z_7およびZ_8項に関連している。Z_7はコマ収差の水平方向の成分であり、また、Z_8はコマ収差の垂直方向の成分であり、したがってコマ収差値は(Z_72+Z_82)1/2であり、コマ収差方向の角度CAはarctan(Z_8/Z_7)である。次は、第4次数の5つの項である。球面収差(Z_12)は回転対称であり、他の項(方向を有する)は、二次非点収差およびテトラフォイルである。光学における収差を記述するために、もっと多くの次数および項を有するピラミッドが続いている。これらは、通常、眼には存在していないか、あるいは極めて低い。説明した14個のZ項のうちであっても、すべての項が眼に対して等しく重要な項であるわけではない。眼の場合、第2次数収差は「低次数収差」と呼ばれており、屈折の球および円筒値が含まれている。第3次数以上は「より高い次数の収差」と呼ばれている。
ツェルニク多項式展開によれば、コマ収差および非点収差の平方自乗平均値、RMS_CAは、
RMS_CA=(Z_32+Z_52+Z_72+Z_82)1/2
である。
眼の特殊な測定のための波面センサであるアベロメータは、球、円筒およびより高い次数の収差を含む眼の波面を測定するように設計された器具である。
このような器具を使用することにより、眼の収差レベルを測定および/または計算し、かつ、低次数収差およびより高い次数の収差の寄与、すなわちコマ収差データを分離することができる。アベロメータは、球、円筒およびより高い次数の収差を含む眼の波面を測定するように設計されている。シャック-ハートマン収差測定法は、現在使用されている、ヒトの眼の収差を測定するための最も一般的な方法として知られている。商用眼科シャック-ハートマンアベロメータは、例えばWave Front Sciences Inc, VISX, ALCON, Imagine Eyesが販売している(例えばirx3アベロメータを参照されたい)。
前記アベロメータは、眼の光学系によって屈折した波面表面と、眼の入口瞳孔の中に位置している基準平面との間の距離を測定することによって波面の形を測定する。この距離は波面誤差として知られている。シャック-ハートマンデータセットは、瞳面上の異なる位置毎の多数の(波面誤差)からなっている。全体としてデータセット全体が波面と呼ばれている。
平方自乗平均値は長さの単位で表すことができ、例えばマイクロメートル(μm)として表すことができる。
収差がない場合、強度はガウス画像点で最大である。
以下「SR」と呼ぶ、より高い次数の収差が存在しているガウス画像点における強度(基準球の原点が観察平面における最大強度の点である)を、収差が存在していない場合に得られるであろう強度で割った比である「ストレール比」を使用して収差が特性化される。したがってSR値が大きいほど鋭敏性が高くなる。
収差RMS値は、波面解析を使用して測定することができる。
本発明は、また、着用者のための改良型眼鏡レンズを製造するための方法に関しており、この方法には、
aa) それぞれ上で説明した設計最適化方法または設計選択方法に従って眼鏡レンズの構造を最適化または選択するステップ、および前記構造および着用者の処方箋に従って光学システム(OS)を決定するステップと、
bb) レンズ基板を提供するステップと、
cc) ステップaa)で計算または選択された構造に対応する光学システム(OS)に従って眼鏡レンズを製造するステップ
が含まれている。
異なる実施形態によれば、前記製造方法には、上で説明した特徴、および改良型眼鏡レンズを着用者に提供するための上記方法の異なる実施形態が組み込まれている。
本発明は、また、記憶された1つまたは複数の命令シーケンスを備えたコンピュータプログラム製品に関しており、この1つまたは複数の命令シーケンスは、プロセッサへのアクセスが可能であり、そのプロセッサによって実行されると、プロセッサは上記方法の異なる実施形態のステップのうちの少なくとも1つを実行することになる。
本発明は、また、上記コンピュータプログラム製品の1つまたは複数の命令シーケンスを担っているコンピュータ可読媒体に関している。
特に明確に示されていない限り、以下の説明から明らかなように、本明細書全体を通して、「演算計算する」、「計算する」、「生成する」等々などの用語を利用した説明は、電子量などの物理量として表された、演算システムのレジスタおよび/またはメモリ内のデータを、同様に物理量として表された、演算システムのメモリ、レジスタまたは他のこのような情報記憶、転送あるいは表示デバイス内の他のデータに操作および/または変換する、コンピュータまたは演算システムあるいは同様の電子演算デバイスのアクションおよび/またはプロセスを意味していることを理解されたい。
本発明の実施形態は、本明細書における操作を実施するための装置を含むことができる。この装置は、所望の目的のために専用に構築することができ、あるいはこの装置は、汎用コンピュータ、または該コンピュータに記憶されているコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成されるディジタル信号プロセッサ(「DSP」)を備えることができる。このようなコンピュータプログラムは、それらに限定されないが、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスクを始めとする任意のタイプのディスク、CD-ROM、磁気-光ディスク、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的プログラム可能リードオンリメモリ(EPROM)、電気的消去およびプログラム可能リードオンリメモリ(EEPROM)、磁気または光カード、あるいは電子命令の記憶に適した、コンピュータシステムバスに結合することができる他の任意のタイプの媒体などのコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。
本明細書において提供されるプロセスおよびディスプレイは、何らかの特定のコンピュータまたは他の装置に固有に関連していない。様々な汎用システムを本明細書における開示によるプログラムと共に使用することができ、あるいは所望の方法を実施するためのより特化された装置を構築することが便利であることを証明することも可能である。以下の説明から、様々なこれらのシステムのための所望の構造が可能である。さらに、本発明の実施形態は、何らかの特定のプログラミング言語を参照して記述されていない。様々なプログラミング言語を使用して、本明細書において記述されている本発明の教示を実施することができることは理解されよう。
本発明の特徴ならびに本発明自体は、その構造およびその動作の両方に関して、以下の説明に関連して取り上げられる添付の非制限の図面および例から最も良好に理解されよう。
瞳孔内の波面表面を示すグラフである。 瞳孔内の波面表面を示すグラフである。 瞳孔内の波面表面を示すグラフである。 瞳孔内の波面表面を示すグラフである。 異なるSPH値に対するφの関数としてのストレール比の変化を示すグラフである。 SPH/RMS_CAによるφの変化を示すグラフである。 φ=0の場合の異なるコマ収差値に対するストレール比の変化を示すグラフである。 非点収差値の関数としての最適コマ収差値の変化を示すグラフである。
図1および2については既に説明した。
図3は、角パラメータφ(-90°から90°まで変化する)の関数としてのストレール比SRの変化を示したものである。以下の例によれば、ストレール比SRは、考慮すべきシステムの収差がある場合のMTFの大きさの比、および収差なくして計算されるMTFの大きさの比として計算される。
MTFは、空間周波数毎に光学システムによって対象から得られる画像中の変調の大きさ(または正弦波周期構造のコントラスト)を表す関数である(例えばHandbook of lens design、Malacara D. & Malacara Z. 295〜303頁、1994年Marcel Dekker Inc.を参照されたい)。この関数を典型的には0と無限大の間である空間周波数範囲にわたって積分することによってMTFの大きさを計算することができる。「Accuracy and precision of objective refraction from wavefront aberrations」、Larry N. Thibos、Xin Hong、Arthur Bradley、Raymond A. Applegate、Journal of Vision (2004) 4、329〜351頁に、他の多くの典型的なパラメータが記載されている。
図3には5つのSR(φ)曲線が示されており、レンズ-眼システムの非点収差値は0.25μmに等しく、また、レンズ-眼システムのコマ収差値は0.14μmに等しく、したがってRMS_CAは0.287μmに等しく、レンズ-眼システムの球値SPHは、以下の表に従って+RMS_CAに等しい値から-RMS_CAに等しい値まで変化する。
Figure 0005858787
個々の曲線31ないし35は、所与のφ角度に対する少なくとも最大ストレール比SRmaxを提供している。前記角度は、上の表ではφ(SRmax)として報告されている。したがってレンズ-眼システムの非点収差の管理とコマ収差の管理の間には、レンズ-眼システムの組合せに基づく明らかな関係が存在しており、着用者の鋭敏性対歪曲収差を改善する可能性を提供している。
図4は、鋭敏性対歪曲収差を改善するための他の指標を示したものである。図4には、SPH/RMS_CAによるφ(SRmax)の変化が示されている。この実施形態によれば、SPHパラメータの値、非点収差値およびコマ収差値はμmで表されている。パラメータSPH/RMS_CAが-1から1まで大きくなると、φ(SRmax)は90°から0°まで連続的に小さくなることが分かる。
図4のデータのおかげで、φ が着用者の鋭敏性対歪曲収差を改善するためのφ(SRmax)の値に近づくよう、最適化すべき、あるいは選択すべきレンズ−眼システムのレンズの所望のφ値、φ 、の選択を示唆することができるようである。したがって非制限実施形態によれば、パラメータSPH/RMS_CAが約−1から約1まで大きくなると、所望のφ 角度は約90°から約0°まで連続的に小さくなる。
SPH/RMS_CA=0ではφ(SRmax)=45°であるため、本発明の一実施形態によれば、SPH/RMS_CAが約0の場合、φ は約45°である。
次の式、φ(SRmax)=arccos(SPH/RMS_CA)/2に、φ(SRmax)関数対SPH/RMS_CAを当てはめることができる。
したがって本発明の一実施形態によれば、φ は約arccos(SPH/RMS_CA)/2に等しい。
一実施形態によれば、φ に対して使用されている「約」という語は、言及されている値から+/−20°を意味しており、一例として+/−10°を意味している。
一実施形態によれば、SPH/RMS_CAパラメータに対して使用されている「約」という語は、言及されている値から+/-0.2を意味しており、一例として+/-0.1を意味している。
図5は、ゼロに等しい所与のφ 値(φ =0°、したがってAA=AC)および0.25ジオプターの所与の非点収差値に対するSPH(単位μm)パラメータによるストレール比SRの変化を示したものである。以下の表に従って、異なるコマ収差値に対する4つの曲線50ないし53が示されている。
Figure 0005858787
明らかに、コマ収差値を選択することにより、所与の非点収差値および所与のSPHパラメータ値に対してストレール比を改善することができるように思われる。
これに基づいて図6の曲線61が描かれ、レンズ-眼システムのための最適ストレール比を提供する最適コマ収差値、COMA-Oを所与の非点収差毎に決定することができる。一方、レンズ-眼システムのための最適ストレール比を提供する最適非点収差を所与のコマ収差値毎に決定することも可能である。
本発明の一実施形態によれば、レンズ-眼システムの所望の比率RACは、1と3の間で選択される。
したがって、本発明の教示のおかげで、レンズ−眼システムのストレール比を改善し、延いては鋭敏性を改善するために、眼のための眼鏡レンズの構造を最適化し、あるいは眼のための眼鏡レンズの構造を選択することができる。
本発明による方法を使用して、着用者のための既存のレンズ設計の選択を最適化することができる。詳細には、非点収差値およびコマ収差値ならびに配向データに応じて、処方に書かれた視野全体の矯正とのより良好な適合を許容する機能、あるいはアセンブリパラメータおよび着用モードを考慮する機能を使用することも、あるいはこれらの機能を使用しないことも可能である。
本発明の一実施形態によれば、本発明による複数の眼鏡レンズ構造の中から着用者のための眼鏡レンズの構造が選択され、また、選択された構造と着用者の処方データを組み合わせることにより、着用者のためのレンズの光学システムが得られる。
本発明の他の実施形態によれば、眼鏡レンズおよび着用者の眼の非点収差およびコマ収差の方向および/または値の測定に基づいて、レンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の管理を適応させることによって着用者のための構造が計算される。
前記設計計算は、当業者に知られている、少なくとも1つの最適化パラメータが、レンズ-眼システムの少なくとも凝視方向に画定される所望のφ角度および/または所望のRAC比に関連付けられる設計計算方法に従って実施することができる。
以上、本発明について、一般発明原理を制限しない実施形態を使用して説明し、詳細には、当業者に知られている多数の計算および/または製造方法を使用して、本発明による残留非点収差の管理を適応させることができる。
31、32、33、34、35 最大ストレール比SRmaxを提供する曲線
50、51、52、53 所与のφd値および所与の非点収差値に対するSPHパラメータによるストレール比SRの変化を示す曲線(異なるコマ収差値に対する曲線)
61 図5の曲線に基づいて描かれた曲線

Claims (12)

  1. 眼鏡レンズの構造を最適化するためにコンピュータ手段によって実施される方法であって、前記眼鏡レンズの構造が、着用者のために決定される球面度数、円柱度数、軸、および加入度からなる着用者標準処方パラメータによっては決定されないレンズの光学システムの一部をなし、前記方法が、
    a) 少なくとも1つの凝視方向のための眼鏡レンズの構造の残留非点収差値および残留非点収差方向のデータを提供するステップと、
    b) 着用者の眼の非点収差値およびコマ収差値、ならびに非点収差方向およびコマ収差方向のデータを提供するステップと、
    c) 眼鏡レンズの構造を最適化することにより、最適化された眼鏡レンズの構造を提供するステップであって、前記最適化が、レンズ−眼システムの非点収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件とし、かつ前記レンズ−眼システムのコマ収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件として、前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の組合せに基づいて前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の管理を適応させるステップを含み、それにより着用者の眼の鋭敏性対歪曲収差が改善され、かつ前記レンズ−眼システムが、前記眼鏡レンズの構造および着用者の眼からなるステップと、
    を含み、前記レンズ−眼システムの非点収差およびコマ収差の管理が、前記レンズ−眼システムの残留非点収差方向の角度(AA)とコマ収差方向の角度(CA)の差である角パラメータφを使用することによって実施され、かつ
    前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の前記管理が、さらに、前記レンズ−眼システムのための所望の角度φ の選択からなり、前記角度φ がパラメータSPH/RMS_CAの関数として決定され、
    SPHが前記レンズ−眼システムの球値であり、
    RMS_CAが前記レンズ−眼システムの前記コマ収差および非点収差の平方自乗平均値であり、
    前記パラメータSPH/RMS_CAが−1から1まで大きくなると、前記所望の角度φ が90°から0°まで連続的に小さくなり、かつ前記レンズ−眼システムのSPHパラメータ、前記非点収差値および前記コマ収差値が長さの単位で表される、方法。
  2. 眼鏡レンズの構造を選択するためにコンピュータ手段によって実施される方法であって、前記眼鏡レンズの構造が、着用者のために決定される球面度数、円柱度数、軸、および加入度からなる着用者標準処方パラメータによっては決定されないレンズの光学システムの一部をなし、前記方法が、
    a) 少なくとも1つの凝視方向のための眼鏡レンズの構造の残留非点収差値および残留非点収差方向のデータを提供するステップと、
    b) 着用者の眼の非点収差値およびコマ収差値、ならびに非点収差方向およびコマ収差方向のデータを提供するステップと、
    c) 複数の眼鏡レンズの構造を提供するステップと、
    d) 複数の構造の中から1つの構造を選択することにより、選択された眼鏡レンズの構造を提供するステップであって、前記選択が、レンズ−眼システムの非点収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件とし、かつ前記レンズ−眼システムのコマ収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件として、前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の組合せに基づいて前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の管理を適応させるステップを含み、それにより着用者の眼の鋭敏性対歪曲収差が改善され、かつ前記レンズ−眼システムが、前記眼鏡レンズの構造および着用者の眼からなるステップと、
    を含み、前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の前記管理が、前記レンズ−眼システムの残留非点収差方向の角度(AA)とコマ収差方向の角度(CA)の差である角パラメータφを使用することによって実施され、かつ
    前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の前記管理が、さらに、前記レンズ−眼システムのための所望の角度φ の選択からなり、前記角度φ がパラメータSPH/RMS_CAの関数として決定され、
    SPHが前記レンズ−眼システムの球値であり、
    RMS_CAが前記レンズ−眼システムの前記コマ収差および非点収差の平方自乗平均値であり
    前記パラメータSPH/RMS_CAが−1から1まで大きくなると、前記所望の角度φ が90°から0°まで連続的に小さくなり、かつ前記レンズ−眼システムのSPHパラメータ、前記非点収差値および前記コマ収差値が長さの単位で表される、方法。
  3. 着用者が仮想着用者であり着用者の眼がモデル眼である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記着用者の眼が着用者の実際の眼であり、改良される眼鏡レンズが前記着用者に個別化される、請求項1または2に記載の方法。
  5. SPH/RMS_CAが0のとき、φ 値が45°である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. φ が、arccos(SPH/RMS_CA)/2に等しい、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 眼鏡レンズの構造を最適化するためにコンピュータ手段によって実施される方法であって、前記眼鏡レンズの構造が、着用者のために決定される球面度数、円柱度数、軸、および加入度からなる着用者標準処方パラメータによっては決定されないレンズの光学システムの一部をなし、前記方法が、
    a) 少なくとも1つの凝視方向のための眼鏡レンズの構造の残留非点収差値および残留非点収差方向のデータを提供するステップと、
    b) 着用者の眼の非点収差値およびコマ収差値、ならびに非点収差方向およびコマ収差方向のデータを提供するステップと、
    c) 眼鏡レンズの構造を最適化することにより、最適化された眼鏡レンズの構造を提供するステップであって、前記最適化が、レンズ−眼システムの非点収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件とし、かつ前記レンズ−眼システムのコマ収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件として、前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の組合せに基づいて前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の管理を適応させるステップを含み、それにより着用者の眼の鋭敏性対歪曲収差が改善され、かつ前記レンズ−眼システムが、前記眼鏡レンズの構造および着用者の眼からなるステップと、
    を含み、前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の前記管理が、前記レンズ−眼システムのための所望の比率RACの選択からなり、前記比率RACが、前記レンズ−眼システムの非点収差値と前記コマ収差値の間の比率として定義され、前記所望の比率RACが、
    1≦RAC≦3
    であるように選択される、方法。
  8. 眼鏡レンズの構造を選択するためにコンピュータ手段によって実施される方法であって、前記眼鏡レンズの構造が、着用者のために決定される球面度数、円柱度数、軸、および加入度からなる着用者標準処方パラメータによっては決定されないレンズの光学システムの一部をなし、前記方法が、
    a) 少なくとも1つの凝視方向のための眼鏡レンズの構造の残留非点収差値および残留非点収方向のデータを提供するステップと、
    b) 着用者の眼の非点収差値およびコマ収差値、ならびに非点収差方向およびコマ収差方向のデータを提供するステップと、
    c) 複数の眼鏡レンズの構造を提供するステップと、
    d) 複数の構造の中から1つの構造を選択することにより、選択された眼鏡レンズの構造を提供するステップであって、前記選択が、レンズ−眼システムの非点収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件とし、かつ前記レンズ−眼システムのコマ収差のRMS値が0.025μm以上であることを条件として、前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の組合せに基づいて前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の管理を適応させるステップを含み、それにより着用者の眼の鋭敏性対歪曲収差が改善され、かつ前記レンズ−眼システムが、前記眼鏡レンズの構造および着用者の眼からなるステップと、
    を含み、前記レンズ−眼システムの前記非点収差およびコマ収差の前記管理が、前記レンズ−眼システムのための所望の比率RACの選択からなり、前記比率RACが、前記レンズ−眼システムの非点収差値と前記コマ収差値の間の比率として定義され、前記所望の比率RACが、
    1≦RAC≦3
    であるように選択される、方法。
  9. 最初の眼鏡レンズおよび改善された眼鏡レンズが、遠視力ゾーン、中間視力ゾーンおよび近視力ゾーンを備えた眼鏡プログレッシブアディションレンズである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記コマ収差値およびコマ収差方向のデータが、前記中間視力ゾーンの複数の凝視方向で決定される、請求項9に記載の方法。
  11. 着用者のための改良型眼鏡レンズを製造するための方法であって、
    aa) それぞれ請求項1または2、あるいは、それぞれ請求項7または8に従って眼鏡レンズの構造を最適化または選択するステップ、および前記構造および着用者の処方箋に従って光学システム(OS)を決定するステップと、
    bb) レンズ基板を提供するステップと、
    cc) ステップaa)で計算または選択された構造に対応する光学システム(OS)に従って前記眼鏡レンズを製造するステップと
    を含む方法。
  12. プロセッサに請求項1から11のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムが、記憶された1つまたは複数の命令シーケンスを備え、前記1つまたは複数の命令シーケンスが、前記プロセッサへのアクセスが可能であり、かつ前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに請求項1から11のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させるための、コンピュータプログラム。
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