JP5858700B2 - 固形燃料ストーブ - Google Patents
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Description
実施形態1〜7は、固形燃料燃焼装置としての固形燃料ストーブを説明するために示す実施形態である。
実施形態1に係る固形燃料ストーブ100は、図1及び図2に示すように、空気を取り入れる空気取り入れ口2と、空気取り入れ口2から取り入れた空気を用いて固形燃料bを燃焼させる燃焼室5と、燃焼室5で固形燃料bを燃焼させる際に生成する火炎a3及び未燃成分a4並びに空気取り入れ口2から取り入れた空気a2を、燃焼室5上方にある所定領域に向けて案内する案内板6と、所定領域に配設され、凹面状の内面を下方側に有する反射ドーム7とを備える。
固形燃料ストーブ100の燃焼室5内で薪bが燃焼し火炎a3が生じる。これにより、火格子4が加熱され空気取り入れ口2から取り入れた空気a1が予熱室3内で加熱される火格子4の孔を通過して予熱された空気a2となって燃焼室5内を上昇して薪bを燃焼させて火炎a3を発生させる。また、予熱された空気a2は、案内板6に沿って燃焼室5の中央部に火炎a3及び未燃成分(未燃ガス及び煤)a4とともに集められて未燃成分a4を燃焼させながら、網状触媒金属板8を通過する。
実施形態1に係る固形燃料ストーブ100によれば、上記したような案内板6及び反射ドーム7を備えるため、後述する実施例からも明らかなように、従来よりも煤の発生量及び臭いの発生量が少なくなる。
図6は、実施形態2に係る固形燃料ストーブ102の断面図である。
実施形態2に係る固形燃料ストーブ102は、基本的には実施形態1に係る固形燃料ストーブ100と同様の構成を有するが、網状触媒金属板8を有しない点で実施形態1に係る固形燃料ストーブ100とは異なる。
図7は、実施形態3に係る固形燃料ストーブ104の断面図である。
実施形態3に係る固形燃料ストーブ104は、基本的には実施形態1に係る固形燃料ストーブ100と同様の構成を有するが、反射ドーム7の内部空間にも網状触媒金属板8を有する点で実施形態1に係る固形燃料ストーブ100とは異なる。
図8は、実施形態4に係る固形燃料ストーブ106の断面図である。
実施形態4に係る固形燃料ストーブ106は、基本的には実施形態1に係る固形燃料ストーブ100と同様の構成を有するが、網状触媒金属板8に代えて、実施形態1における網状触媒金属板から白金族触媒を除いた網状金属板8aを有する点で実施形態1に係る固形燃料ストーブ100とは異なる。
図9は、実施形態5に係る固形燃料ストーブ108の断面図である。図10は、実施形態6に係る固形燃料ストーブ110の断面図である。
実施形態5に係る固形燃料ストーブ108及び実施形態6に係る固形燃料ストーブ110は、基本的には実施形態1に係る固形燃料ストーブ100と同様の構成を有するが、反射ドーム7a,7bが箱状形状を有する点で実施形態1に係る固形燃料ストーブ100とは異なる。
図11は、実施形態7に係る固形燃料ストーブ112の断面図である。
実施形態7に係る固形燃料ストーブ112は、基本的には実施形態1に係る固形燃料ストーブ100と同様の構成を有するが、縦型案内板12及び第2の網状触媒金属板11をさらに備える点で実施形態1に係る固形燃料ストーブ100とは異なる。
以下の固形燃料ストーブを用いて、本発明の固形燃料ストーブの性能を評価した。
実施形態1に係る固形燃料ストーブ100を実施例1に係る固形燃料ストーブとして用いた。実施形態2に係る固形燃料ストーブ102を実施例2に係る固形燃料ストーブとして用いた。従来の固形燃料ストーブ900(本件出願人(株式会社丸山鐵工所)が製造販売している固形燃料ストーブMB−600)を比較例に係る固形燃料ストーブとして用いた。実施例1に係る固形燃料ストーブは、反射ドーム及び網状触媒金属板の両方を備える。実施例2に係る固形燃料ストーブは、反射ドーム及び網状触媒金属板のうち反射ドームのみを備える。比較例に係る固形燃料ストーブは、反射ドーム及び網状触媒金属板のいずれも備えない。従って、実施例1に係る固形燃料ストーブ及び実施例2に係る固形燃料ストーブは本発明の固形燃料ストーブであり、比較例に係る固形燃料ストーブは従来の固形燃料ストーブである。
(1)熱効率
熱効率は、JIS S3031「石油燃焼機器の試験方法通則」に準拠して測定した。燃料は木質ペレットとし、所定燃焼量が得られるように、燃料の投入は1分間隔で前扉から42g投入した。空気比は3を基準として燃料の投入直前のデータを採用した。燃料は、上伊那森林組合のペレットを使用し、燃料の高位発熱量は上伊那森林組合のデータを用いた。
ガス(CO2、CO及びO2)の濃度は、燃焼排ガス分析計(株式会社テストー製testo327−2)の排ガスプローブを実施例1、実施例2及び比較例に係る固形燃料ストーブの排気筒に導入して測定した。
スモークナンバーは、バカラックスモークテスター(ホダカ株式会社製)を用いて煙道ガスを付着させたフィルターペーパーを付録のスモークスケールと比較することにより測定した。
臭気指数は、平成7年環境庁告示第63号「臭気指数及び臭気排出強度の算定の方法」(以下「嗅覚測定法」という。)に準拠して測定した。燃料は、ナラ薪を100gの細片とし、燃料投入は10分間隔で600gを前扉から投入した。測定は、燃料の投入直前のデータを採用した。
図12は、実施例の結果を示す図表である。
図12からも分かるように、反射ドームを有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ及び実施例2に係る固形燃料ストーブ)が、反射ドームを有しない固形燃料ストーブ(比較例に係る固形燃料ストーブ)よりも高い熱効率を有することが分かった。そして、反射ドームを有する固形燃料ストーブのなかでも、網状触媒金属板を有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ)が、網状触媒金属板を有しない固形燃料ストーブ(実施例2に係る固形燃料ストーブ)よりも高い熱効率を有することが分かった。
図12からも分かるように、反射ドームを有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ及び実施例2に係る固形燃料ストーブ)が、反射ドームを有しない固形燃料ストーブ(比較例に係る固形燃料ストーブ)よりも、高いCO2濃度、低いCO濃度及び低いO2濃度を有すること、すなわち、高い燃焼効率を有することが分かった。そして、反射ドームを有する固形燃料ストーブのなかでも、網状触媒金属板を有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ)が、網状触媒金属板を有しない固形燃料ストーブ(実施例2に係る固形燃料ストーブ)よりも高いCO2濃度、低いCO濃度及び低いO2濃度を有すること、すなわち、高い燃焼効率を有することが分かった。
図12からも分かるように、反射ドームを有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ及び実施例2に係る固形燃料ストーブ)が、反射ドームを有しない固形燃料ストーブ(比較例に係る固形燃料ストーブ)よりも、低い空気比で燃焼可能であることが分かった。そして、反射ドームを有する固形燃料ストーブのなかでも、網状触媒金属板を有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ)が、網状触媒金属板を有しない固形燃料ストーブ(実施例2に係る固形燃料ストーブ)よりも低い空気比で燃焼可能であることが分かった。
図12からも分かるように、反射ドームを有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ及び実施例2に係る固形燃料ストーブ)が、反射ドームを有しない固形燃料ストーブ(比較例に係る固形燃料ストーブ)よりも、低いスモークナンバーを有することが分かった。そして、反射ドームを有する固形燃料ストーブのなかでも、網状触媒金属板を有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ)が、網状触媒金属板を有しない固形燃料ストーブ(実施例2に係る固形燃料ストーブ)よりも低いスモークナンバーを有することが分かった。
図12からも分かるように、反射ドームを有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ及び実施例2に係る固形燃料ストーブ)が、反射ドームを有しない固形燃料ストーブ(比較例に係る固形燃料ストーブ)よりも、低い臭気指数を有することが分かった。そして、反射ドームを有する固形燃料ストーブのなかでも、網状触媒金属板を有する固形燃料ストーブ(実施例1に係る固形燃料ストーブ)が、網状触媒金属板を有しない固形燃料ストーブ(実施例2に係る固形燃料ストーブ)よりも低い臭気指数を有することが分かった。
Claims (11)
- 空気を取り入れる空気取り入れ口と、
前記空気取り入れ口から取り入れた空気を用いて固形燃料を燃焼させる燃焼室と、
前記燃焼室で固形燃料を燃焼させる際に生成する火炎及び未燃成分並びに前記空気取り入れ口から取り入れた空気を、前記燃焼室上方にある所定領域に向けて案内する案内板と、
前記所定領域に配設され、前記案内板で案内されて導入された前記火炎及び前記未燃成分並びに前記空気を凹面状の内面に沿って案内して前記導入の方向と異なる方向に導出するように、前記内面が下方側に有する反射ドームと、
前記未燃成分の二次燃焼を促進させる網状触媒金属板とを備え、
前記網状触媒金属板は、前記反射ドームに導入し導出される前記火炎及び前記未燃成分並びに前記空気が通過するように、前記反射ドームの下端開口部を覆う位置に配されていることを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項1に記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記網状触媒金属板は、Al−Fe-Cr基合金製網状金属板と、前記Al−Fe-Cr基合金製網状金属板に熱処理を施すことにより前記Al−Fe-Cr基合金製網状金属板の表面に形成されるAl2O3被膜層と、前記Al2O3被膜層に担持される白金族触媒とを有することを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項1又は請求項2に記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記網状触媒金属板は、表面が針状のAl 2 O 3 で覆われていることを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記網状触媒金属板の厚さが0.1mm〜2mmであることを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記網状触媒金属板は、その平均開口面積が0.5mm 2 〜100mm 2 であり、その開口率が10〜70%であることを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記案内板は、前記固形燃料燃焼装置の筺体に対して内側に傾斜して配設されていることを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記反射ドームは、すり鉢状の内面を有することを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記反射ドームは、箱状の内面を有することを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記反射ドームは、金属板からなることを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記燃焼室の下方には、前記空気取り入れ口から取り入れた空気を予熱する予熱室が配設されていることを特徴とする固形燃料ストーブ。 - 請求項10に記載の固形燃料ストーブにおいて、
前記予熱室と前記燃焼室との間には、前記予熱室と前記燃焼室とを区切る火格子が配設されていることを特徴とする固形燃料ストーブ。
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