JP5854464B2 - メチル化dna結合ペプチド - Google Patents
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Description
(1)金属フィンガーモチーフを含み、該モチーフのヘリックス形成部にチロシン誘導体を含有する、二本鎖DNAのメチル化領域を認識して結合するペプチド。
(2)前記金属が、亜鉛、コバルト、鉄、カドミウム、マグネシウム、マンガン及びカルシウムからなる群より選択される、(1)に記載のペプチド。
(3)金属フィンガーモチーフが、下記の一般式(I)で表される構造を含む、(1)又は(2)に記載のペプチド。
(4)前記一般式(I)中の(Yaa)mが、下記の一般式(II)で表される構造である、(3)に記載のペプチド。
(5)前記一般式(I)中の(Yaa)nが、下記の一般式(III)で表される構造である、(3)又は(4)に記載のペプチド。
(6)前記一般式(II)中の(Yaa)m1が、下記の一般式(IV)で表される構造である、(4)又は(5)に記載のペプチド。
(7)前記一般式(III)中の(Yaa)n1が、下記の一般式(V)で表される構造である、(5)又は(6)に記載のペプチド。
(8)前記一般式(II)中の(Yaa)m2が、下記の一般式(VI)で表される構造である、(4)〜(7)のいずれかに記載のペプチド。
(9)チロシンの誘導体が、下記の一般式(VII)で表される化合物である、(1)〜(8)のいずれかに記載のペプチド。
R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基若しくはリン含有基を示し、
又はR1とR2並びにR3とR4は、リン含有基でない場合、それぞれ一緒になって芳香環若しくは芳香性複素環を形成してもよく、
ただし、R1、R2、R3、R4及びR5の少なくとも一つがリン含有基であり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基若しくはリン含有基を示す。)
(10)金属イオンを配位結合した状態で含有する、(1)〜(9)のいずれかに記載のペプチド。
(11)金属イオンが、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カドミウムイオン、マンガンイオン、カルシウムイオン、コバルトイオン及び鉄イオンからなる群より選択される、(10)に記載のペプチド。
(12)(1)〜(9)のいずれかに記載のペプチド及び金属イオン供給化合物を含んでなる、二本鎖DNAのメチル化領域を検出するキット。
(13)金属イオン供給化合物が、亜鉛、マグネシウム、カドミウム、マンガン、カルシウム、コバルト及び鉄からなる群より選択される1以上の金属原子を含有する化合物である、(12)に記載のキット。
(14)以下の工程(a)又は(b)のいずれかと(c)とを含む、二本鎖DNAのメチル化領域を検出する方法:
(a)(1)〜(9)のいずれかに記載のペプチド、金属イオン供給化合物及び二本鎖DNAを接触させる工程、
(b)(10)又は(11)に記載のペプチド及び二本鎖DNAを接触させる工程、
(c)前記二本鎖DNA中のメチル化領域に結合したペプチドを検出する工程。
(15)金属イオン供給化合物が、亜鉛、マグネシウム、カドミウム、マンガン、カルシウム、コバルト及び鉄からなる群より選択される1以上の金属原子を含有する化合物である、(14)に記載の検出方法。
(16)以下の工程(i)〜(iii)を含む、採取された試料におけるDNAメチル化異常の検査方法:
(i)被検動物より採取した試料と、(1)〜(9)のいずれかに記載のペプチド及び金属イオン供給化合物、又は(10)若しくは(11)に記載のペプチドとを接触させる工程、
(ii)前記試料に含まれる二本鎖DNAのメチル化領域に結合したペプチドを測定する工程、並びに
(iii)工程(ii)の被検動物について得られる測定結果を正常対照について得られる測定結果と対比して、DNAメチル化異常の有無を調べる工程。
(17)金属イオン供給化合物が、亜鉛、マグネシウム、カドミウム、マンガン、カルシウム、コバルト及び鉄からなる群より選択される1以上の金属原子を含有する化合物である、(16)に記載の検査方法。
(18)DNAメチル化異常がDNAメチル化異常に関連する疾患に起因するものである、(16)又は(17)に記載の検査方法。
(19)DNAメチル化異常に関連する疾患が、癌、精神疾患、生活習慣病、神経疾患、自己免疫疾患又は循環器疾患である、(18)に記載の検査方法。
R1、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基若しくはリン含有基を示し、
又はR1とR2並びにR3とR4は、リン含有基でない場合、それぞれ一緒になって芳香環若しくは芳香性複素環を形成してもよく、
ただし、R1、R2、R3、R4及びR5の少なくとも一つがリン含有基であり、
R6及びR7は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基若しくはリン含有基を示す。)
該ポリヌクレオチドは、DNAであってもRNAであってもよく、あるいはDNA/RNAキメラであってもよいが、好ましくはDNAが挙げられる。また、該ポリヌクレオチドは二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNA、又はDNA:RNAのハイブリッドでもよい。該ポリヌクレオチドは、それぞれの公知の配列情報等を利用することにより適当なプライマーを設計し、DNAクローン等を鋳型として用い、PCRによって直接増幅することができる。例えば、本発明の金属フィンガーが亜鉛フィンガーである場合、ヒトを始めとする多生物種の転写調節因子(例えば、Sp1等)に含まれる塩基配列をその配列情報として利用することができ、さらに部位特異的変異導入等を利用してチロシンを所定の位置に導入することができる。その他、該配列情報に基づいて、市販のポリヌクレオチド合成装置を用い、該ポリヌクレオチドを合成してもよい。
ベクターとしては発現ベクター、クローニングベクター等を挙げることができ、目的に応じて選択することが可能である。該発現ベクターは、該ポリヌクレオチドを適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に機能的に連結することにより製造することができる。ベクターの種類としては、プラスミドベクター、ウイルスベクター等を挙げることができ、用いる宿主に応じて適宜選択することができる。
該ベクターを、自体公知の遺伝子導入法(例えば、リポフェクション法、リン酸カルシウム法、マイクロインジェクション法、プロプラスト融合法、エレクトロポレーション法、DEAEデキストラン法、Gene Gunによる遺伝子導入法等)に従って宿主へ導入することにより、該ベクターが導入された形質転換体を製造することができる。導入されるベクターとして発現ベクターを使用することにより、該形質転換体は本発明のペプチドを発現し得る。該形質転換体を、宿主の種類に応じて自体公知の方法で培養し、培養物から本発明のペプチドを単離することにより、本発明のペプチドを製造することができる。
アンバーコドンを用いる場合について具体的に説明すると、本発明のペプチドをコードする遺伝子について、非天然アミノ酸を導入しようとする部位にUAGコドンを挿入又は置換したmRNAを構築し、該mRNAを、非天然アミノ酸を結合させたアンバーサプレッサーtRNAとともに無細胞翻訳系に加えると、該tRNAがUAGコドンを読み取り、その指定の位置に非天然アミノ酸が導入されることになる。ここで、アンバーサプレッサーtRNAとは、変異等により生じたアンバーコドン(UAG)をあるアミノ酸に対応するコドン(センスコドン)として読み取り、本来は中断又は終了するはずのタンパク質合成を回復及び継続させる因子をいう。もし、このUAGコドンを終結因子が読み取った場合には、その時点でペプチド合成が停止することになるので、完全に反応が終了した後に完全長のペプチドのみを単離すれば、高い効率で非天然アミノ酸が導入された目的のペプチドを得ることができる。
CGGGコドンを用いる場合は、本発明のペプチドをコードする遺伝子について、非天然アミノ酸を導入しようとする部位にCGGGコドンを挿入又は置換したmRNAを構築し、該mRNAを、非天然アミノ酸を結合させた4塩基アンチコドンCCCG含有tRNAとともに無細胞翻訳系に加えると、該tRNAがCGGGコドンを読み取り、その指定の位置に非天然アミノ酸が導入されることになる。この際、CGGコドンを認識するArg-tRNAが読み取った場合には、コドンの読み取り枠がずれて下流の終止コドンによりペプチド合成が停止するが、CGGコドンは一般に使用頻度が低いコドン(マイナーコドン)であるため、その読み取りが行われる可能性は低い。これにより、所定の位置に非天然アミノ酸が導入された目的のペプチドを得ることができる。
蛍光偏光法とは、蛍光性の物質に励起光として偏光を照射すると、生じる蛍光の偏光度が分子の状態によって異なること(蛍光異方性)を利用し、分子の状態を計測する方法である。そのため、該ペプチドは、二本鎖DNA含有試料との接触を行う前に、あらかじめフルオレセイン、フルオレスカミン、フルオレセインイソチオシアネート等の蛍光物質を標識として付与しておく必要がある。蛍光物質の標識は自体公知の方法により付与することができ、例えば、市販の蛍光物質を用いた場合は、その製品に含まれる説明書プロトコールに従って行うことができる。蛍光偏光の測定は、市販のプレートリーダーを用い、蛍光物質に応じた特定の波長で励起させて特定の波長を検出することにより行うことができる。
また、蛍光相関分光法とは、蛍光物質の分子運動を調べるために用いられる方法であり、蛍光の自己相関を利用し、試料の微小範囲に特定波長の光を当てて蛍光強度のゆらぎを測定する方法である。従って、上記と同様に該ペプチドをあらかじめ蛍光標識しておく必要があり、二本鎖DNAとの接触を行った後、例えば、光学顕微鏡、好ましくは共焦点顕微鏡又は二光子顕微鏡等、及び市販の検出装置を用いて蛍光強度のゆらぎを観測し、その強度スペクトルを逆フーリエ変換して時間スペクトルを得ながら、蛍光物質の運動状態をその数を測定することができる。
等温滴定熱量測定は、一定の温度下で滴定に伴う熱量変化を検出するものであり、該ペプチドと二本鎖DNAとが結合するときに発生する微小な熱量変化を計測し、得られる滴定曲線から、結合比、結合定数及び結合のエンタルピー変化を求めることにより両分子の結合状態を観測することができる。等温滴定熱量を測定する装置としては、市販の等温滴定型熱量計等があり、例えば、MicroCal社やTA INSTRUMENTS社等の装置が挙げられる。
ゲルシフトアッセイを利用する場合は、本発明のペプチドを二本鎖DNAに接触する前にあらかじめ標識を付与しておく必要がある。ここでの標識は、特に限定されず、32P等の放射性同位元素、フルオレセイン等の蛍光物質、ジゴキシゲニンやビオチン等のハプテン等を用いることができ、自体公知の方法によって標識付与することができる。標識付与した該ペプチドと二本鎖DNAとを接触させた後で、例えば、ポリアクリルアミドゲル等を用い、従来の公知技術に基づいて電気泳動を行う。電気泳動を行った後、使用したゲルからナイロンメンブレン等に泳動物質の転写を行い、得られたバンドの観察を行う。その観察方法は、放射性同位元素で該ペプチドを標識した場合には、例えばオートラジオグラフィー等を用いてバンドを検出し、また蛍光物質を用いた場合には特定波長の光を当てることにより検出を行い、ハプテンを用いた場合は、該ハプテンに結合する物質(抗体、ストレプトアビジン等)とかかる結合物質を認識する蛍光標識抗体とを用いた免疫反応の蛍光検出により行うことができる。
次に、固定化した試料をタンパク質分解酵素等で処理することが好ましく、この処理によって、その後に固定化試料に作用させる本発明のペプチド等の固定化試料内部への浸透性を高めることができる。また、該処理によって内因性ヌクレアーゼが不活性化されるため、標的物質である二本鎖DNAの保存にも効果的である。該処理に用いられるタンパク質分解酵素は特に制限されないが、例えば、トリプシン、プロナーゼ、プロテイナーゼK等が挙げられ、特にプロテイナーゼKが好ましい。また、該処理の条件は、用いるタンパク質分解酵素に応じて適宜設定することができるが、例えば、プロテイナーゼKを用いる場合、酵素濃度を1〜100μg/mLとし、リン酸緩衝液中において20〜40℃の条件で1〜60分間とすることができる。固定化試料がパラフィン包埋切片又は樹脂包埋切片の場合は、定法により脱パラフィン又は脱樹脂を行った後にタンパク質分解酵素処理に供することができる。
そして、固定化試料の上に、あらかじめ標識が付与された本発明のペプチド等を含有する溶液を乗せることにより、該ペプチド等と二本鎖DNAとを接触させることができる。接触時間としては、例えば、20〜40℃の条件において10〜120分間とすることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、接触の前に、該ペプチド等を含有しない溶液(緩衝液等)のみを乗せて、1〜数十分間のプレインキュベーションを行うことも可能である。
上記の通り、該ペプチド等と二本鎖DNAとの接触を行った後は、該ペプチドに付された標識を検出することにより、メチル化DNAの検出を行うことができる。該標識としては、例えば、蛍光物質、発光物質、放射性同位元素又はハプテン等を用いることができる。蛍光物質又は発光物質を用いた場合は、蛍光顕微鏡、光学顕微鏡又は多光子レーザー顕微鏡等を用いてその蛍光又は発光を検出することができる。また、検出したシグナルをデジタル画像処理して三次元的に検出することも可能である。放射性同位元素を用いた場合であれば、オートラジオグラフィーやシンチレーション計測器等を用いて、その放射線測定を行うことにより検出することができる。ハプテンの場合は、ハプテンに結合する物質(抗体等)とかかる結合物質を認識する蛍光標識抗体とを用いた免疫反応の蛍光検出により行うことができる。なお、ハプテンを認識するための蛍光標識抗体に使用する蛍光物質は、上記と同様に、蛍光顕微鏡等を用いて検出することができる。
例えば、本発明のペプチドを支持体に固定し、ここに被検試料を加えて該ペプチドと二本鎖DNAとを接触させ、インキュベートを行って該ペプチドと二本鎖DNAのメチル化領域とを結合させた後に洗浄して、洗浄後に、二本鎖DNAを特異的に認識する標識抗体又は標識された二本鎖DNA結合ペプチドを加え、支持体に残存している二本鎖DNAに結合させて該標識を検出することにより、被検試料中のメチル化DNAの検出を行うことができる。該被検試料としては特に限定されないが、好ましくは組織又は細胞からのDNA単離抽出物である。該支持体としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂や、ガラス等の支持体を挙げることができる。これらの支持体は、プレート等の形状で用いることが可能であり、例えば、マルチウェルプレート(96穴マルチウェルプレート等)等を用いることができる。本発明のペプチドと支持体との結合は、化学結合や物理的な吸着等の通常用いられる方法により結合することができる。これらの支持体は全て市販されたものを用いることができる。なお、被検試料を加える前には、支持体を洗浄後、タンパク質等の非特異的な支持体への結合を防ぐため、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、ゼラチン、アルブミン等でブロッキング処理を行うこともできる。ブロッキング処理を行った場合は、その後、再度洗浄を行ってから、被検試料を加えればよい。
該ペプチドと二本鎖DNAとの結合は、通常、緩衝液中で行われる。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液等が使用される。また、インキュベーションの条件としては、通常用いられる条件であれば特に限定されず、例えば、4℃〜室温にて10分間〜15時間のインキュベーションが行われる。インキュベーション後の洗浄においては、該ペプチドと二本鎖DNAとの結合を妨げないものであれば特に制限されず、例えば、Tween 20、Tween 80、Triton X-100等の界面活性剤を含む緩衝液などが使用される。
洗浄を行った後は、二本鎖DNAを認識可能な抗体であらかじめ標識がされているもの又は標識された二本鎖DNA結合ペプチドを加える。ここで、該抗体はメチル化された二本鎖DNAを認識するものに限らず、一般に二本鎖DNAを認識するものを用いることができる。また、該標識された二本鎖DNA結合ペプチドは、二本鎖メチル化DNAに結合する本発明のペプチドばかりでなく、メチル化されていない二本鎖DNAに結合するペプチド(例、公知の亜鉛フィンガーペプチド)を用いることもできる。また、該標識としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質、ハプテン等を用いることができ、自体公知の方法により該抗体又は該ペプチドに付与することができる。
そして適度な条件でインキュベーションを行った後、再度洗浄を行い、支持体に残存した標識を検出する。当該検出方法は、当業者に公知の方法により行うことができ、例えば、放射性同位元素による標識の場合には液体シンチレーションやRIA法等により検出することができる。また、酵素による標識の場合には基質を加え、基質の酵素的変化、例えば発色を吸光度計により検出することができる。該基質としては、例えば、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)、2,2’-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)、1,2-フェニレンジアミン(オルソ-フェニレンジアミン)等が挙げられる。蛍光物質の場合には蛍光光度計により検出することができる。
工程(i)に係る試料は、被検動物の二本鎖DNAを含有する試料であり、上述した検出方法の二本鎖DNA含有試料と同様にして入手することができる。また、同工程における接触、及び工程(ii)におけるペプチドの測定も上記の検出方法と同様にして行うことができる。
工程(iii)において、工程(ii)で得られた測定結果を、正常対照について得られる結果と対比して、DNAメチル化異常の有無を調べることができる。DNAメチル化異常の結果として、例えば、正常対照ではメチル化されていない領域に検出が見られたり、若しくはその逆であったり、又は検出されるペプチドの程度が異なっていたり(増減が見られる)、或いは複数個所において調べた場合にそれぞれの検出パターンが異なっていたりする等の相違が見られた場合は、かかる被検動物はDNAメチル化異常に関連する疾患を発症している、又はその発症可能性を有している蓋然性が高いと判定することができる。さらに、本発明の二本鎖DNAのメチル化領域を検出する方法を用いて様々なDNAメチル化異常に関連する疾患の患者におけるDNAのメチル化異常の程度を調べて得られた知見と本測定方法により得られた結果とを総合的に検証して、当該疾患の診断(悪性度、予後を含む)、治療方針などに役立てることができる。
各試験に用いたアミノ酸、ゲノムDNA及びその他の全ての試薬類は、市販品を購入して使用した。また、ゲルシフトアッセイに使用したオリゴDNAは、株式会社ジーンデザインより購入した。
被検試料として、下記アミノ酸配列:
RPFMCTWSYCGKRFTRSDXLQRHKRTHTGEKKFACPECPKRFMRSDHLSKHIKTHQNKK
からなるポリペプチドを合成し、表1に従って4種類のペプチドを作製した。それぞれのペプチドについて、N末端はアミンとし、C末端はアミドとして、ペプチドY(PO3)(実施例2)のリン酸化位置及びペプチドY(SO3)(比較例2)の硫酸化位置は、それぞれp位(上記式(VII)におけるR5の位置)とした。
上記の通り作製した4種類のペプチドについて、金属イオンとの結合によりフォールディング構造を形成するかどうかを調べるため、これらのCDスペクトルを測定した。方法としては、希釈液(10mM Tris-HCl緩衝液(pH7.5)、50mM NaCl、0.1mM TCEP、60μM ZnCl2)を用いて、ペプチドYの濃度を20μM、ペプチドY(PO3)の濃度を18μM、ペプチドFの濃度を18μM、ペプチドY(SO3)の濃度を19μMにそれぞれ調整し、光路長1mmのセルを用いて、窒素下、4℃で測定を行った。測定には円二色性分光計(JASCO、J-720)を用い、装置付属のソフトウェアを用いてベースライン補正、及び下記計算式(1)によるデータ処理を行い、それぞれのCDスペクトルを得た。その結果を図1に示す。
下記のヌクレオチド配列:
5’- GGGGMGGGGCC -3’(G鎖)(配列番号9)
5’- GGCCCMGCCCC -3’(C鎖)(配列番号10)
からなるオリゴヌクレオチドのうち、G鎖の5’末端を[γ-32P]ATP及びT4 polynucleotide kinaseを用いて32P標識し、これに非標識のC鎖を添加してアニーリングさせ、32P標識標的メチル化DNAを得た。なお、配列中のMは、5位炭素をメチル化したメチルシトシンを表している。
また、下記のヌクレオチド配列:
5’- GGGGCGGGGCC -3’(配列番号11)
からなるオリゴヌクレオチドについて、同様に5’末端を32P標識し、これに相補する同塩基数のオリゴヌクレオチド(非標識)を添加して、32P標識標的非メチル化DNAを得た。
Fmoc-6-aminohexanoic acid 12.4mg(35mmol)、benzotriazole-1-yl-oxy-tris-pyrrolidino-phosphonium hexafluorophosphate(PyBOP)18.2mg(35mmol)、1-hydroxybenzotriazole(HOBt)4.7mg(35mmol)をN,N-dimethylformamide(DMF)0.5mLに溶解し、次いでこれにN,N-diisopropylethylamine(DIEA)12.2mL(70mmol)を添加し、ペプチド自動合成機で作製した担体上のペプチド(ペプチドY(PO3))100mg(7mmol)に加えた。室温で1時間攪拌後、反応溶液を廃棄し、担体をDMF、メタノール、及びエーテルで洗浄し、減圧乾燥した。得られた担体に20% piperidine/DMF 1mLを添加し、2分間攪拌後、溶液を廃棄した。この操作を5回繰り返した後、担体をDMF、メタノール、及びエーテルで洗浄し、減圧乾燥した。5-(and-6)-carboxyfluorescein succinimidyl ester 6.6mg(FAM SE, 14mmol)及びHOBt 1.9mg(14mmol)をDMF 0.5mLに溶解し、これにDIEA 4.9mL(28mmol)を添加して担体に加えた。室温及び暗所で12時間攪拌後、反応溶液を廃棄し、担体をDMF、メタノール、及びエーテルで洗浄し、減圧乾燥した。得られた担体上のペプチドは、上記に記載した方法に従って担体から切り出し、脱保護及び精製を行い、所定のペプチドを得た。ペプチドの同定は上記と同様にMALDI-TOF MS(Reflex、Bruker Daltonics)で行った。なお、実測値は7805.64([M+H]+、計算値:7806.93)であった。
32P標識標的(メチル化又は非メチル化)DNA(500cpm、〜50pM)、上記合成ペプチド(0〜7.5μM)、20mM Tris-HCl(pH8.0)、100mM NaCl、100μM ZnCl2、1mM Tris(2-carboxyethyl)-phosphine(TCEP)、0.05% Nonidet P-40、5% glycerol、40ng/μL bovine serum albumin(BSA)、100ng/μL poly(dI-dC)を4℃で30分間静置して反応させた後、反応溶液を12%ポリアクリルアミドゲル(1×Tris-borate(TB)buffer)で電気泳動した。その結果を図2に示す。
メチル化ゲノムDNA(Jurkat Genomic DNA)及び非メチル化ゲノムDNA(5-Azadc treated Jurkat Genomic DNA)について、各々エタノール沈澱を行い、10mM Tris-HCl(pH8)に溶解した。蛍光ラベルペプチド(0.05μM)、20mM Tris-HCl(pH8)、100mM NaCl、20mM ZnCl2、1mM TCEP、0.05% Nonidet P-40に各ゲノムDNAを添加し、攪拌した。これを25℃で10分間静置して反応させた後、プレートリーダー(Mithras LB 940, Berthold)を用いて蛍光偏光測定を行った。各ゲノムDNAの濃度(ng/μL)は、0.4、0.8、1.2、1.6、2.0、2.4、2.8、3.2、3.6、4.0とし、偏光度はプレートリーダーによって算出された値を使用した。その結果を図3に示す。
Claims (12)
- 金属フィンガーモチーフを含み、かつ、配列番号1、2、5および6からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含む、二本鎖DNAのメチル化領域を認識して結合するペプチド。
- 前記金属が、亜鉛、コバルト、鉄、カドミウム、マグネシウム、マンガン及びカルシウムからなる群より選択される、請求項1に記載のペプチド。
- 金属イオンを配位結合した状態で含有する、請求項1または2に記載のペプチド。
- 金属イオンが、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カドミウムイオン、マンガンイオン、カルシウムイオン、コバルトイオン及び鉄イオンからなる群より選択される、請求項3に記載のペプチド。
- 請求項1又は2に記載のペプチド及び金属イオン供給化合物を含んでなる、二本鎖DNAのメチル化領域を検出するキット。
- 金属イオン供給化合物が、亜鉛、マグネシウム、カドミウム、マンガン、カルシウム、コバルト及び鉄からなる群より選択される1以上の金属原子を含有する化合物である、請求項5に記載のキット。
- 以下の工程(a)又は(b)のいずれかと(c)とを含む、二本鎖DNAのメチル化領域を検出する方法:
(a)配列番号1、2、5および6からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含むペプチド、金属イオン供給化合物及び二本鎖DNAを接触させる工程、
(b)配列番号1、2、5および6からなる群より選ばれるアミノ酸配列を金属イオンを配位結合した状態で含むペプチド及び二本鎖DNAを接触させる工程、
(c)前記二本鎖DNA中のメチル化領域に結合したペプチドを検出する工程。 - 金属イオン供給化合物が、亜鉛、マグネシウム、カドミウム、マンガン、カルシウム、コバルト及び鉄からなる群より選択される1以上の金属原子を含有する化合物である、請求項7に記載の検出方法。
- 以下の工程(i)〜(iii)を含む、採取された試料におけるDNAメチル化異常の検査方法:
(i)被検動物より採取した試料と、配列番号1、2、5および6からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含むペプチド及び金属イオン供給化合物、又は配列番号1、2、5および6からなる群より選ばれるアミノ酸配列を金属イオンを配位結合した状態で含むペプチドとを接触させる工程、
(ii)前記試料に含まれる二本鎖DNAのメチル化領域に結合したペプチドを測定する工程、並びに
(iii)工程(ii)の被検動物について得られる測定結果を正常対照について得られる測定結果と対比して、DNAメチル化異常の有無を調べる工程。 - 金属イオン供給化合物が、亜鉛、マグネシウム、カドミウム、マンガン、カルシウム、コバルト及び鉄からなる群より選択される1以上の金属原子を含有する化合物である、請求項9に記載の検査方法。
- DNAメチル化異常がDNAメチル化異常に関連する疾患に起因するものである、請求項9又は10に記載の検査方法。
- DNAメチル化異常に関連する疾患が、癌、精神疾患、生活習慣病、神経疾患、自己免疫疾患又は循環器疾患である、請求項11に記載の検査方法。
Priority Applications (1)
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