JP5848933B2 - Gastropod repellent - Google Patents
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Description
本発明は、腹足類に対して忌避効果を発揮する腹足類忌避剤に関するものである。 The present invention relates to a gastropod repellent that exhibits repellent effects on gastropods.
ナメクジ等の腹足類は例えば農作物に害を与えることがあるため、忌避剤を用いて農作物に近づかないようにすることが行われている。忌避剤としては、例えば、特許文献1に開示されているように、忌避成分をゼオライトに担持させたものが知られている。 Since gastropods such as slugs can harm, for example, crops, repellents are used to keep them away from crops. As a repellent, for example, as disclosed in Patent Document 1, a repellent component supported on zeolite is known.
しかしながら、腹足類忌避剤は屋外で使用されることが殆どであるため、忌避剤には雨がかかることがある。特許文献1の忌避剤は忌避成分がゼオライトに担持されているだけなので、雨が忌避剤にかかると忌避成分が雨と一緒に流れてしまい、忌避効果が低減することが考えられる。 However, since gastropod repellents are mostly used outdoors, the repellents can be rainy. In the repellent of Patent Document 1, since the repellent component is only supported on the zeolite, it is considered that the repellent component flows together with the rain when rain hits the repellent, and the repellent effect is reduced.
また、忌避効果を得るためには、ゼオライトからの忌避成分の放出量を所定以上確保したいという要求がある。一方、忌避効果の持続性を考慮すると忌避成分は使用開始直後に全て放出するのではなく、徐々に放出させたいという要求がある。これら相反する要求を満たそうとすると、忌避成分をゼオライトに単純に担持させているだけでは難しい。 In addition, in order to obtain a repellent effect, there is a demand for securing a release amount of repellent components from zeolite. On the other hand, considering the persistence of the repellent effect, there is a demand to release the repellent component gradually rather than immediately after the start of use. In order to satisfy these conflicting requirements, it is difficult to simply carry the repellent component on the zeolite.
また、腹足類の忌避のために人体に危険な薬剤や環境を汚染する薬剤を使用することはできないという制約もある。 In addition, there is a restriction that drugs that are dangerous to the human body or drugs that pollute the environment cannot be used to avoid gastropods.
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高い忌避効果を長期間に亘り、かつ、安全に得られるようにすることにある。 This invention is made | formed in view of this point, The place made into the objective is to make it possible to obtain a high repellent effect safely over a long period of time.
上記目的を達成するために、本発明では、多孔質体に有機酸を含浸させ、さらに乾性油で被覆するようにした。 In order to achieve the above object, in the present invention, the porous body is impregnated with an organic acid and further coated with a dry oil.
第1の発明は、多孔質体と、上記多孔質体の内部に含浸させた水溶性の有機酸と、上記有機酸を含浸した多孔質体の外面を被覆する乾性油とを含むことを特徴とするものである。 1st invention contains the porous body, the water-soluble organic acid impregnated inside the said porous body , and the dry oil which coat | covers the outer surface of the porous body impregnated with the said organic acid. It is what.
この構成によれば、多孔質体から有機酸が放出され、この有機酸は腹足類の表面に触れると刺激を与えることになり、このことで腹足類に対する忌避効果が得られる。 According to this configuration, an organic acid is released from the porous body, and this organic acid gives a stimulus when it touches the surface of the gastropod, which provides a repellent effect on the gastropod.
多孔質体を被覆する乾性油は二重結合を多く含むので空気中で固まり易く、乾性油が多孔質体の被膜となる。このため、例えば本腹足類忌避剤に雨がかかった場合を想定すると、雨が多孔質体の内部にまで達しにくくなり、有機酸が多孔質体から過剰に出てしまうのが抑制される。また、多孔質体が乾性油で被覆されていることにより、多量の有機酸が短期間に放出されてしまうのを抑制することが可能になり、従って、有機酸が徐々に放出されていくことになる。 Since the drying oil that coats the porous body contains many double bonds, it tends to harden in the air, and the drying oil becomes a coating of the porous body. For this reason, for example, assuming that the gastropod repellent is rained, it becomes difficult for the rain to reach the inside of the porous body, and the organic acid is prevented from being excessively discharged from the porous body. In addition, since the porous body is coated with the dry oil, it is possible to prevent a large amount of organic acid from being released in a short period of time, and thus the organic acid is gradually released. become.
また、有機酸を徐々に放出するようにしたので、人体や環境に悪影響を与えることもない。 In addition, since the organic acid is gradually released, it does not adversely affect the human body and the environment.
第2の発明は、第1の発明において、上記有機酸の水溶液を含浸させた後の上記多孔質体が上記乾性油で被覆されていることを特徴とするものである。 A second invention is characterized in that, in the first invention, the porous body after impregnating the aqueous solution of the organic acid is coated with the drying oil .
第1の発明によれば、有機酸を含浸させた多孔質体を乾性油で被覆したので、高い忌避効果を長期間に亘り、かつ、安全に得ることができる。 According to the first invention, since the porous body impregnated with the organic acid is coated with the dry oil, a high repellent effect can be obtained for a long time and safely .
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. It should be noted that the following description of the preferred embodiment is merely illustrative in nature, and is not intended to limit the present invention, its application, or its use.
図1は、本発明の実施形態にかかる腹足類忌避剤1の拡大断面図である。この忌避剤1は、例えば、コウラナメクジ、チャコウラナメクジ、ヤマナメクジ等のナメクジの他、マイマイ、カタツムリに対して忌避効果を発揮するものである。 FIG. 1 is an enlarged cross-sectional view of a gastropod repellent 1 according to an embodiment of the present invention. This repellent 1 exerts a repellent effect on, for example, mussels and snails in addition to slugs such as Japanese black slugs, Chinese black slugs, and Japanese slugs.
忌避剤1は、多孔質体としてのゼオライト10と、ゼオライト10に含浸させた有機酸としてのリンゴ酸と、ゼオライト10を被覆する乾性油としてのアマニ油20と、ゼオライト10の外面に付着した多数のリンゴ酸粉末30とを有している。
The repellent 1 includes a
ゼオライト10は、平均粒径が0.8mm以上2.0mm以下のものである。ゼオライト10の平均粒径が0.8mmよりも小さいと、例えば雨が降った際に流れやすくなり、また、強風で吹き飛ばされたりするので、0.8mm以上が好ましい。ゼオライト10は、平均粒径が2.0mmよりも大きいと、一般的な大きさのナメクジに対して大きすぎて忌避剤1が付着しにくくなる。
The
上記ゼオライト10には、詳細は後述するが、食塩水によるカチオン吸着処理を施しているとともに、リンゴ酸の水溶液を含浸させている。すなわち、ゼオライト10が持つ多数の微細な孔内にはリンゴ酸の水溶液が存在している。
The
全てのゼオライト10において、その外面全体がアマニ油の被膜によって覆われているのではなく、図1に示すようにゼオライト10の外面の一部がアマニ油の被膜に覆われてないゼオライト10もある。これは、ゼオライト10の形状が通常、いびつな形状であることによってアマニ油が付着しにくい所が存在するためである。また、同様な理由からアマニ油の被膜の厚さは均一ではない。
In all
リンゴ酸粉末30は、アマニ油の持つ接着力によってゼオライト10に付着している。このアマニ油の接着力は弱いため、リンゴ酸粉末30に軽く触れただけでも該リンゴ酸粉末30がゼオライト10から離れる。
The
次に、上記のように構成された忌避剤1の製造要領について説明する。 Next, the manufacturing point of the repellent 1 configured as described above will be described.
原料となるゼオライト10、食塩水、リンゴ酸の水溶液、アマニ油、リンゴ酸粉末30を用意した後、まず、ゼオライト10に食塩水によってカチオン吸着処理を施す。すなわち、ゼオライト10は、結晶格子の中心部にあるケイ素がアルミニウムに置き換えられて陽イオンの欠損が生じることがある。陽イオンの欠損が生じている場合、リンゴ酸をゼオライト10に含浸させると、リンゴ酸の陽イオン(水素イオン)がゼオライト10のアルミニウムイオンと結合してリンゴ酸が放出されにくくなる場合が考えられるため、カチオン吸着処理によってアルミニウムイオンを非イオン化する。
After preparing the
食塩水は、忌避剤1の1重量部にあたる食塩を十分な量の水に溶かして得たものである。ゼオライト10を容器中で攪拌しながら、該容器中に食塩水を投入し、ゼオライト10に付着させる。ゼオライト10に付着した食塩水はゼオライト10の持つ吸着性によって内部に取り込まれ、ナトリウムイオンがアルミニウムイオンと結合し、これにより、アルミニウムイオンが非イオン化する。以上がカチオン吸着処理工程である。食塩を増やし過ぎるとリンゴ酸の放出性が良くなり過ぎて耐水性が悪化する。
The salt solution is obtained by dissolving salt corresponding to 1 part by weight of the repellent 1 in a sufficient amount of water. While stirring the
その後、リンゴ酸の水溶液を容器に投入して攪拌しながらゼオライト10に付着させる。リンゴ酸の量は、忌避剤1の10重量部にあたる量である。すると、上記カチオン吸着処理の場合と同様にリンゴ酸の水溶液がゼオライト10の内部に取り込まれ、リンゴ酸の水溶液を含浸したゼオライト10が得られる。以上がリンゴ酸含浸工程である。
Thereafter, an aqueous solution of malic acid is charged into the container and allowed to adhere to the
次いで、リンゴ酸を含浸させたゼオライト10を容器中で攪拌しながら、該容器中にアマニ油を投入する。アマニ油の投入量は、忌避剤1の5重量部にあたる量である。アマニ油は乾性油であるため、二重結合を多く含んでおり、従って空気中で固まりやすい。このため、アマニ油がゼオライト10に付着すると直ちに乾燥を始め、ゼオライト10の外面にはアマニ油による被膜が形成される。空気中で乾燥しやすいアマニ油を用いているので、被膜が早期に形成される。また、ゼオライト10はいびつな形状であるため、アマニ油が均一に付着せず、また、ゼオライト10の一部にアマニ油が付着しない箇所もできる。
Next, linseed oil is put into the container while stirring the
乾燥したアマニ油は、元の不飽和脂肪酸とは構造の異なるものになっていて安定しているので、溶媒や加熱によって溶かすことはできない。特に、アマニ油の場合、形成された被膜は強靱で耐水性が高いので、長期間に亘って被膜が維持されることになる。以上が被膜形成工程である。 The dried linseed oil has a different structure from the original unsaturated fatty acid and is stable and cannot be dissolved by a solvent or heating. In particular, in the case of linseed oil, the formed film is tough and has high water resistance, so that the film is maintained over a long period of time. The above is the film forming step.
アマニ油が完全に固化しないうちに、ゼオライト10の容器にリンゴ酸粉末30を投入する。リンゴ酸粉末30の投入量は、忌避剤1の3重量部にあたる量である。また、リンゴ酸粉末30の平均粒径はゼオライト10の平均粒径よりも小さい方がよい。例えば、0.8mmよりも小さくするのが好ましい。この範囲にしたことで、リンゴ酸粉末30がナメクジに付着しやすくなる。
Before the linseed oil is completely solidified,
容器に投入されたリンゴ酸粉末30はゼオライト10と共に攪拌されながらアマニ油による接着力によってゼオライト10の外面に付着する。つまり、アマニ油はゼオライト10の被膜を形成する被膜形成剤の役割と、リンゴ酸粉末30をゼオライト10に付着させる接着剤の役割との両方の役割を持っているので、リンゴ酸粉末30を付着させるための接着剤を別途添加する必要はない。以上がリンゴ酸粉末付着工程である。
The
アマニ油による接着力は小さく、例えばナメクジが、ゼオライト10に付着したリンゴ酸粉末30に接触すると、リンゴ酸粉末30はナメクジの表面に存在する粘液に触れることになるが、この粘液に触れたリンゴ酸粉末30が粘液の粘着力によってナメクジに付着し、ゼオライト10からは容易に離れる。
For example, when slugs come into contact with
上記食塩水によるカチオン吸着処理は行わなくてもよく、その場合も、詳細は後述するが、下記のようにナメクジの忌避効果は得られる。 The cation adsorption treatment with the saline solution may not be performed, and in this case as well, a slug repellent effect can be obtained as will be described in detail later.
次に、忌避剤1の効果について説明する。図2に示すような実験環境を構築し、本発明品1、本発明品2、本発明品3の忌避効果をそれぞれ確認した。 Next, the effect of the repellent 1 will be described. An experimental environment as shown in FIG. 2 was constructed, and the repellent effects of the product 1, the product 2 and the product 3 of the present invention were confirmed.
本発明品1は、リンゴ酸が10重量部、食塩が1重量部、アマニ油が1重量部、リンゴ酸粉末30が3重量部である。
Invention product 1 is 10 parts by weight of malic acid, 1 part by weight of sodium chloride, 1 part by weight of linseed oil, and 3 parts by weight of
本発明品2は、リンゴ酸が10重量部、食塩無し、アマニ油が5重量部、リンゴ酸粉末30が3重量部である。
Invention product 2 is 10 parts by weight of malic acid, no salt, 5 parts by weight of linseed oil, and 3 parts by weight of
本発明品3は、リンゴ酸が10重量部、食塩無し、アマニ油が1重量部、リンゴ酸粉末30が3重量部である。本発明品2、3は食塩を用いていないのでカチオン吸着処理が施されていないものである。
Invention product 3 is 10 parts by weight of malic acid, no salt, 1 part by weight of linseed oil, and 3 parts by weight of
本発明品1〜3には、雨がかかった場合を想定した人工降雨処理を施している。これは、本発明品1〜3の各々を、60gずつ、直径150mmのふるいに入れ、その上から8.1Lの水をまんべんなく噴霧する処理である。実際の降水量に換算すると450mmに相当する。人工降雨処理によってリンゴ酸粉末30の多くが流れてしまうことが考えられるが、人工降雨処理後の本発明品1〜3のpHを測定すると、本発明品1は2.98であり、本発明品2は3.37であり、本発明品3は3.47であり、本発明品1〜3の全てでリンゴ酸が残留している。
The products 1 to 3 of the present invention are subjected to artificial rain treatment assuming that it is rained. This is a process in which 60 g of each of the products 1 to 3 of the present invention is put in a sieve having a diameter of 150 mm and 8.1 L of water is sprayed evenly from above. It corresponds to 450mm when converted into actual precipitation. Although it is considered that most of the
上述のように、アマニ油の量は忌避剤1の1重量部以上であれば耐雨性を付与することのできる被膜が得られる。アマニ油の上限量は忌避剤1の10重量部が好ましく、10重量部あれば耐雨性が十分に得られる。一方、アマニ油が10重量部よりも多いと、被膜が厚くなりすぎてリンゴ酸の放出量が極端に少なくなり、忌避効果が低減してしまうので、好ましくない。 As described above, if the amount of linseed oil is 1 part by weight or more of the repellent 1, a film capable of imparting rain resistance can be obtained. The upper limit amount of linseed oil is preferably 10 parts by weight of repellent 1, and if it is 10 parts by weight, sufficient rain resistance can be obtained. On the other hand, if the amount of linseed oil is more than 10 parts by weight, the coating becomes too thick, the amount of malic acid released becomes extremely small, and the repelling effect is reduced, which is not preferable.
図2に示すように、忌避効果の実験環境は地面をブロック等で略矩形に区画して構築している。区画された地面に、本発明品1〜3の忌避剤10g(人工降雨処理後で乾燥させたもの)ずつ、各々、円を描くように撒く。忌避剤1で形成された円の中心部近傍には、ナメクジを誘引する誘引物としてニンジンを置く。また、区画された地面には、忌避剤1で形成された円の外側にキャベツの葉を適当に置いておく。数十匹のナメクジを区画された地面に放す。 As shown in FIG. 2, the experimental environment for the repelling effect is constructed by dividing the ground into blocks by blocks or the like. Each 10 g of the repellents 1 to 3 of the present invention products 1 (dried after artificial rain treatment) is spread on the sectioned ground in a circle. In the vicinity of the center of the circle formed with the repellent 1, carrots are placed as an attractant for attracting slugs. Moreover, on the sectioned ground, cabbage leaves are appropriately placed outside the circle formed of the repellent 1. Release dozens of slugs onto the sectioned ground.
その後、24時間放置して各円内に何匹のナメクジが侵入するか測定した。結果は、図3に示すように、本発明品1では、忌避率は100%であり、円内には1匹も侵入しなかった。本発明品2では忌避率が87.5%であり、また、本発明品3では50%であり、共に屋外で忌避剤1として使用するに際しては十分な忌避率が得られた。この結果より、忌避率は、pHに依存することが分かり、pHが低いほどリンゴ酸による忌避効果が高い。つまり、ナメクジは、リンゴ酸に触れたときの刺激を嫌い、忌避行動をとっている。 Then, it was allowed to stand for 24 hours and it was measured how many slugs entered each circle. As a result, as shown in FIG. 3, in the product 1 of the present invention, the repelling rate was 100%, and none of them entered the circle. The product 2 of the present invention has a repellent rate of 87.5%, and the product 3 of the present invention has a repellent rate of 50%, both of which were sufficient when used as the repellent 1 outdoors. From this result, it can be seen that the repelling rate depends on pH, and the lower the pH, the higher the repelling effect by malic acid. In other words, slugs dislike the stimulus when they touch malic acid and take repellent behavior.
本発明品1〜3で忌避率が異なったのは次の理由による。すなわち、本発明品1では、ゼオライト10に対して食塩水によってカチオン吸着処理を施しているので、ゼオライト10から放出するリンゴ酸の量が、カチオン吸着処理を施していない本発明品2、3と比べて多くなったためである。また、本発明品2と3で忌避率が異なったのは、本発明品2ではアマニ油の量が本発明品3の5倍であり、アマニ油による被膜が強固で、人工降雨処理によって流れ出たリンゴ酸の量が少なかったことによる。
The reason why the repelling rate is different between the products 1 to 3 of the present invention is as follows. That is, in the product 1 of the present invention, the cation adsorption treatment is performed on the
次に、忌避効果の持続性能について説明する。実験環境は図2と同様であり、本発明品1についてのみ実験を行った。その結果は図4に示すように、実験開始から28日後まで忌避率100%を維持しており、人工降雨処理を施していても、長期間に亘って強力な忌避効果が得られている。 Next, the sustained performance of the repellent effect will be described. The experimental environment was the same as in FIG. 2, and only the product 1 of the present invention was tested. As a result, as shown in FIG. 4, a repelling rate of 100% is maintained until 28 days after the start of the experiment, and a strong repelling effect is obtained over a long period of time even when artificial rain treatment is performed.
その理由は、ゼオライト10にカチオン吸着処理を施すことによってリンゴ酸の放出量を十分に確保するようにしていること、及び、ゼオライト10にアマニ油の被膜を形成したことで多量のリンゴ酸がゼオライト10の外面から短期間に放出されてしまうのを抑制して徐々に放出させるようにしているからである。
The reason is that a sufficient amount of malic acid is released by subjecting the
次に、ナメクジを殺虫する駆除効果について説明する。駆除効果に関する実験は、図5に示すようにして行った。すなわち、水で締められたキムタオルを平坦な机等に置き、そのキムタオルの上にナメクジを置き、さらに、直径60mmの両端開放の円筒を、その円筒の中にナメクジが入るようにキムタオルの上に置く。その後、円筒の上から5gの忌避剤1を撒いた後、円筒を取り除いてナメクジを観察する。これを表1の本発明品4〜7の各忌避剤1について繰り返し行った。 Next, the extermination effect of killing slugs will be described. The experiment on the extermination effect was performed as shown in FIG. That is, place a water-tight Kim towel on a flat desk, place a slug on the Kim towel, and place a 60mm diameter open cylinder on the Kim towel so that the slug enters the cylinder. Put. Thereafter, 5 g of repellent 1 is applied from the top of the cylinder, and then the cylinder is removed and the slugs are observed. This was repeated for each of the repellents 1 of the present invention products 4 to 7 in Table 1.
本発明品4は、リンゴ酸が10重量部、食塩が1重量部、アマニ油が1重量部、リンゴ酸粉末無しである。 Invention product 4 has 10 parts by weight of malic acid, 1 part by weight of salt, 1 part by weight of linseed oil, and no malic acid powder.
本発明品5は、リンゴ酸が10重量部、食塩が1重量部、アマニ油が1重量部、リンゴ酸粉末30が1重量部である。
Invention product 5 has 10 parts by weight of malic acid, 1 part by weight of sodium chloride, 1 part by weight of linseed oil, and 1 part by weight of
本発明品6は、リンゴ酸が10重量部、食塩が1重量部、アマニ油が1重量部、リンゴ酸粉末30が2重量部である。
Invention product 6 has 10 parts by weight of malic acid, 1 part by weight of sodium chloride, 1 part by weight of linseed oil, and 2 parts by weight of
本発明品7は、リンゴ酸が10重量部、食塩が1重量部、アマニ油が1重量部、リンゴ酸粉末30が3重量部である。
Invention product 7 has 10 parts by weight of malic acid, 1 part by weight of sodium chloride, 1 part by weight of linseed oil, and 3 parts by weight of
その結果は図6に示すように、本発明品4〜7の全てにおいてナメクジの致死率は100%であり、全数を殺虫することができた。本発明品5〜7では、ゼオライト10の外面に付着しているリンゴ酸粉末30が直接ナメクジに触れてナメクジの粘液に取り込まれ、そのリンゴ酸の刺激によってナメクジが殺虫される。また、本発明品4ではゼオライト10の外面にリンゴ酸粉末30が付着していないが、このものでも、ゼオライト10から放出されるリンゴ酸の刺激によってナメクジが殺虫される。しかし、後述するように致死時間が大幅に長くなるので、リンゴ酸粉末30を有する方が好ましい。
As a result, as shown in FIG. 6, the slug lethality was 100% in all of the products 4 to 7 of the present invention, and all the insects could be killed. In products 5 to 7 of the present invention,
図7は、ナメクジに忌避剤1を振りかけてから死ぬまでに要する時間(致死時間)を示すグラフである。ここで、「死」とはナメクジが刺激に反応しなくなって全く動かなくなった状態である。 FIG. 7 is a graph showing the time (lethal time) required from sprinkling the repellent 1 to a slug until it dies. Here, “death” is a state in which the slug is no longer responding to the stimulus.
致死時間が最も短いのは、本発明品7であり、本発明品6、5が順に続いている。そして、致死時間が最も長いのは、本発明品4である。従って、本発明品5〜7のようにリンゴ酸粉末30がゼオライト10に付着していれば、付着していないもの(本発明品4)に比べて致死時間が大幅に短くなる。また、リンゴ酸粉末30の付着量が多いほど致死時間が短くなる。
It is the product 7 of the present invention that has the shortest lethal time, and the products 6 and 5 of the present invention follow in order. The product with the longest lethal time is the product 4 of the present invention. Therefore, if
リンゴ酸粉末30の量は、上述のように忌避剤1の1重量部以上であれば十分な致死能力を得ることができる。リンゴ酸粉末30の上限量は忌避剤1の5重量部が好ましく、5重量部あれば致死時間が十分に短くなり、駆除剤としての有用性が高くなる。一方、忌避剤1のコストと致死効果とを考慮すると、リンゴ酸粉末30が5重量部よりも多くてもコストが無用に上昇することになり、好ましくない。
If the amount of the
また、環境への影響を調査するために、本発明品7を高麗芝に対して通常の使用量に相当する量を振りかけて30日間放置してみたところ、高麗芝に変色等は起こらず、害が見られなかった。 In addition, in order to investigate the impact on the environment, when the product 7 of the present invention was sprinkled with an amount equivalent to the usual usage amount against the ginseng, it was left for 30 days. No harm was seen.
また、実施形態にかかる忌避剤1は、リンゴ酸を徐々に放出するようにしているとともに、食塩やアマニ油等の調味料としても使用できるものを原料としてので、人間や、犬、猫等のペットが触れても殆ど害がなく、さらに上記したように植物に対する害も殆どない。 In addition, the repellent 1 according to the embodiment gradually releases malic acid and can be used as a seasoning such as salt and linseed oil as a raw material, so humans, dogs, cats, etc. There is almost no harm when touched by pets, and there is little harm to plants as mentioned above.
以上説明したように、この実施形態にかかる忌避剤1によれば、リンゴ酸を含浸させたゼオライト10をアマニ油で被覆したので、高い忌避効果を長期間に亘り、かつ、安全に得ることができる。
As described above, according to the repellent 1 according to this embodiment, since the
また、アマニ油でゼオライト10を被覆するようにしたので、耐水性を高めることができるとともに、その被膜を確実に形成することができ、忌避効果を長期間に亘って確実に得ることができる。
In addition, since the
また、リンゴ酸を含浸させる前のゼオライト10にカチオン吸着処理を施すことで、リンゴ酸の放出量を所定量確保することができ、高い忌避効果を得ることができる。
Further, by applying a cation adsorption treatment to the
また、食塩水でカチオン吸着処理を施すようにしたので、低コストで、確実にカチオン吸着処理を行うことができる。 Further, since the cation adsorption treatment is performed with the saline solution, the cation adsorption treatment can be reliably performed at low cost.
また、リンゴ酸粉末30をゼオライト10の外面に付着させることで、ナメクジの駆除効果を得ることができる。
Moreover, the slug extermination effect can be acquired by making the
また、アマニ油を利用してリンゴ酸粉末30をゼオライト10に付着させるようにしたので、駆除効果を持つ忌避剤1を低コストで得ることができる。
Moreover, since the
尚、上記実施形態では、リンゴ酸をゼオライト10に含浸させるようにしているが、これに限らず、リンゴ酸の代わりに、例えば、プロピオン酸、酪酸、酢酸、クエン酸等の有機酸であってもよい。プロピン酸及び酪酸はきつい臭いを持っているので、使用感の観点からは、酢酸、クエン酸、リンゴ酸が好ましい。
In the above embodiment, malic acid is impregnated in
また、多孔質体としてはゼオライト10以外にも上記有機酸の水溶液を吸収できるものを用いることができ、例えば、活性炭、軽石等を挙げることができる。
In addition to
また、アマニ油以外の乾性油(例えば、桐油、紅花油、えの油等)でゼオライト10を被覆することも可能である。
It is also possible to coat the
また、ゼオライト10に施すカチオン吸着処理は、食塩以外にも、カリウムイオンやカルシウムイオンで施すことができる。
Further, the cation adsorption treatment applied to the
また、リンゴ酸粉末30の代わりに、他の有機酸を粉末状にしたものであってもよい。
Further, instead of
また、ゼオライト10に含浸させる有機酸は、1種類だけなく、複数種類を混合して含浸させてもよい。
Moreover, the organic acid impregnated in the
以上説明したように、本発明にかかる腹足類忌避剤は、例えばナメクジ、マイマイ、カタツムリ等に適用できる。 As described above, the gastropod repellent according to the present invention can be applied to slugs, maimai, snails, and the like.
1 忌避剤
10 ゼオライト(多孔質体)
20 アマニ油(乾性油)
30 リンゴ酸粉末
1
20 Linseed oil (drying oil)
30 Malic acid powder
Claims (2)
上記多孔質体の内部に含浸させた水溶性の有機酸と、
上記有機酸を含浸した多孔質体の外面を被覆する乾性油とを含むことを特徴とする腹足類忌避剤。 A porous body;
A water-soluble organic acid impregnated inside the porous body;
A gastropod repellent comprising: a dry oil covering an outer surface of the porous body impregnated with the organic acid.
上記有機酸の水溶液を含浸させた後の上記多孔質体が上記乾性油で被覆されていることを特徴とする腹足類忌避剤。 In the gastropod repellent according to claim 1,
A gastropod repellent, wherein the porous body after impregnated with the organic acid aqueous solution is coated with the drying oil .
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