JP5847919B1 - 凍結乾燥装置の凍結乾燥方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被乾燥材料を短時間でかつ均一に核形成でき、また、核形成の際に被乾燥材料が収容された容器を転倒させることがない凍結乾燥装置の凍結乾燥方法を提供することにある。【解決手段】 予備凍結工程の前に行われる核形成工程において、コールドトラップ内で氷粒子が形成されるとともに、核形成温度に制御して実施されるため、核形成が容器内の上部から下部に急速に進行し、大きい氷晶が形成され、この結果、既乾燥層水蒸気移動抵抗が低減し、一次乾燥時間が短くなる。また、氷粒子がコールドトラップから乾燥庫内に流れるときはさほど大きな送風力とはなっていないため、乾燥庫内の容器が転倒することがない。【選択図】 図1

Description

本発明は、食品・医薬品等の液状の被乾燥材料を凍結乾燥する凍結乾燥装置において、被乾燥材料の核形成及び結晶成長を改善する凍結乾燥方法に関するものである。
この種の凍結乾燥装置の凍結乾燥方法として、乾燥庫内に収納された液状の被乾燥材料(例えばバイアル内に充填された液状の薬剤)を凍結固化する予備凍結工程と、この予備凍結工程で凍結された被乾燥材料の水分を除去する一次乾燥工程と、一次乾燥工程を経て乾燥固体となった被乾燥材料中に含まれる微量の不凍水を除去して、被乾燥材料を所定の含水率になるまで乾燥する二次乾燥工程を有している。
このような、被乾燥材料の凍結乾燥工程の中で、予備凍結工程は重要な工程である。即ち、予備凍結工程時に各バイアル内の被乾燥材料において、より浅い過冷却の状態で均一な氷晶を形成し、これにより、加熱工程時に被乾燥材料の既乾燥層水蒸気移動抵抗(被乾燥材料のうち既に乾燥している層内を通る水蒸気の移動抵抗をいう)を低減するようにすることは、凍結乾燥装置の予備凍結系における技術課題である。
予備凍結の諸目的は、内部水分を固定する被乾燥材料の完全固化、主に氷結晶構造である被乾燥材料のミクロ構造の調節、溶質の物理化学態様の調節、及び被乾燥材料のマイクロ形状の調節である。そして、凍結乾燥装置の凍結乾燥工程を要約して説明するならば、予備凍結時に形成された被乾燥材料のマイクロ形状とミクロ構造を変更せず、予備凍結時に固定された諸成分の状態と位置をそのままにして、その水分のみを気化により除去することにある。
したがって、凍結乾燥製品の品質の相当部分は、予備凍結の適否により決定される。凍結乾燥装置の乾燥庫内にバイアルを介して被乾燥材料を装入して、被乾燥材料を所定の含水率に乾燥させるためには、予備凍結時に全てのバイアルの被乾燥材料を均一でかつ既乾燥層水蒸気移動抵抗を小さくする必要があり、これを実現するためには氷晶核形成を制御する必要がある。
通常の予備凍結工程は、乾燥庫内の凍結用の棚板(乾燥加熱用を兼ねる)上で行われるが、棚温(棚板の温度)だけでなく、図12に示すようにバイアル5が棚板4の何れの場所に配置されているか、具体的には棚板4の中央寄りに配置されているか、或いは、乾燥庫1の壁1aに近い場所に配置されているかにより、また、乾燥庫内空気の対流によっても凍結工程に影響する。
また、予備凍結プログラムは、棚板の到達温度だけでなく、棚板の冷却速度、ときには昇温過程と一定の中間温度による熱処理を含む。この棚温の制御の正確な再現性は、一様な品質のための必要条件である。しかし、凍結は確率過程を含むため、凍結温度プログラムの正確さと一様性だけによって、凍結体のミクロ混合構造とその物理化学的態様の均等性や再現性が保証されるとは限らない。予備凍結工程において、全てのバイアルの被乾燥材料は、均等に凍結することは無く、ランダム性が存在する。したがって、確率過程で不可避である凍結状態のバラツキの幅が十分に狭く抑えられていることを確かめる必要がある。
氷結晶の析出は過冷却に伴い、また、溶質結晶の析出は、過冷却・過飽和を伴う。過冷却がいつどこで破られるか、溶質結晶がいつ析出するか、あるいは非晶のまま固化するか、この現象には核晶生成確率が関与する。この確率過程を製品に必要な許容範囲のバラツキ内に収めるには、最適の温度条件を探し出す必要があり、また、それだけでは制御しきれないことがある。この事から、凍結過程における氷晶核形成温度の制御が要求されている。
濃度及び温度において初期状態の被乾燥材料を冷却すると、凍結点−融点曲線と交わっても、溶液が氷結晶に接していなければ、過冷却のままである。バイアルの冷却面(底面)に接する溶液温度が、氷核形成曲線との交点(氷核形成温度)に達すると、その部分に氷核が形成され、凍結点以下に冷却した溶液部全域に、微細な樹枝状結晶が瞬時に形成され、氷結晶析出の潜熱で蓄冷が消費され、凍結点曲線に昇温する。異物を懸濁しない均質溶液の過冷却度は、容器内面の接触角(親水性)に影響されるが、20℃〜30℃程度に及ぶ。
予備凍結工程の第一段階で形成される氷結晶の寸法と配列は、続く凍結過程での溶質側の挙動や、そのミクロ構造に強い影響をもち、また、乾燥過程の挙動、復水溶解過程にも影響する。図13(a)に示すような針状氷結晶であれば毛細管状の細孔が深部の昇華と脱湿(及び復水浸透)の通路を形成するが、図13(b)に示すような孤立氷晶層の場合は、昇華、脱湿、復水浸透が困難になっている。
一次乾燥工程時において既乾燥層水蒸気移動抵抗の増減は、予備凍結過程における過冷却の程度、即ち核形成温度が氷結晶の寸法と配列に影響を与え、これにより、一次乾燥工程時の乾燥時間に大きな影響を与える。即ち、棚板に接するバイアル底面が被乾燥材料の核形成温度に達した時、被乾燥材料の全ての部分が氷点以下に十分冷却され、過冷却の程度が高い(深い)場合は、図13(b)に示すように、被乾燥材料が独立細孔型(孤立氷晶)配列となる。これにより、既乾燥層水蒸気移動抵抗が大きくなり、一次乾燥時間が長くなる。他方、被乾燥材料の大部分が未だ氷点以上で、過冷却の程度が低い(浅い)状態で、バイアル底面が被乾燥材料の核形成温度に達すれば、バイアル底面のごく近傍を除き、毛細管型(針状氷晶)配列となる。これにより、既乾燥層水蒸気移動抵抗が低減し、一次乾燥時間が短くなる。なお、核形成温度が1℃上昇する毎に、乾燥時間が約3%短縮するという実験研究結果が報告されている。
氷晶性の被乾燥材料に関する予備凍結プログラムは、乾燥と使用時の溶解に有利な氷結晶配列と寸法、完全固化温度以下の最終凍結温度維持、全バイアルの凍結状態の一様性という、3つの観点から選択される。また、棚温度の制御プログラムは、深く予冷した棚板上にバイアルを配置するか、バイアル配置後に棚板を冷却するかという、被乾燥材料の初期冷却速度の選択によって、過冷却後に所定の氷核形成を実現し、かつ、最初の氷結晶配列のバラツキを許容範囲に収めるようプログラミングする。しかし、この制御プログラムによっても実現困難な場合は、既存技術ではあるが、一度凍結したバイアルを昇温し、不揃いな氷結晶の相当部分を融解させた後、再度の冷却過程で一様な氷結晶構造を得るプログラム(アニーリング処理)が採用されることがある。
近年、予備凍結工程における被乾燥材料の不均一な氷核形成および結晶成長を克服するために、さまざまな核形成制御技術が開発されてきた。核形成温度の制御という概念が1990年にT.W.Roweによって最初に導入され、結晶と非晶材料の両方に関して、Rambhatlaらによって発展した。これらの実験では、品温を0℃以下に冷却制御した後、常圧の乾燥庫内に冷却した窒素ガスを導入し、溶液の核形成を促進する氷霧(ice fog)を形成させた。このice fog法について、核形成段階で乾燥庫内の圧力を下げる改良策をPetalらが報告している。庫内圧力を50Torr程度まで減圧すると高密度で均一な氷霧が形成され、全てのバイアルで迅速な氷核が形成される。
このような、公知のice fog法(従来法)では、高湿の乾燥庫内に低温気体(窒素)を導入して氷霧を形成する方法と、乾燥庫内に内部対流装置を設けて分散させる方法を前記方法に組み合わせる方法も提案されている。しかし、従来のice fog法では低温気体を製造する冷却装置が必要となり、コストの増大と装置の複雑化が懸念される。また、全ての被乾燥材料の核形成の時間と温度を完璧に制御できないという問題点がある。具体的に説明するならば、乾燥庫内に低温の気体を導入する際に、氷霧が各バイアル中に侵入するための時間は乾燥庫内のバイアル配置位置により異なるため、全てのバイアル内において同時に、或いは、瞬間的に核形成を発生させることができないという問題点である。
以上のように従来のice fog法では、核形成時間が増大し、また、各バイアルの被乾燥材料において、核形成にバラツキがあり、均一な品質を実現できないという問題点を有していた。
このような、ice fog法を採用した凍結乾燥装置の凍結乾燥方法として、特表2014−5125510号公報に記載した発明が提案されている。
この公報に記載された発明は、乾燥庫の外にあるコールドトラップ(乾燥庫から流入した水蒸気を着霜する装置)で氷粒子(氷霧)を形成し、この氷粒子を乾燥庫内に急速に導入することにより、乾燥庫内の全てのバイアルの被乾燥材料に均一に核形成を生じさせるものである。具体的に説明すると、コールドトラップ内に気体を導入し、氷粒子を大気圧下のコールドトラップ内で形成する。次いで、大気圧より低い圧力(約50Torr)に乾燥庫内を減圧する。しかる後、コールドトラップ内の氷粒子は主弁を備えた主管を通じて乾燥庫内に急速に放出される。これにより、氷粒子が乾燥庫に入り、全てのバイアル内に均一に分散し、瞬時に核形成が行われる。
特表2014−512510号公報
しかし、前記公報に記載された凍結乾燥装置の凍結乾燥方法では、コールドトラップから乾燥庫内に氷粒子を急送するためには、コールドトラップと乾燥庫との圧力差を短時間で変化させる必要があるため、主弁の瞬時な開閉が必要となるが、凍結乾燥装置の試験機においては対応可能性があるものの、大型となる実際の生産機では対応は困難である。また、乾燥庫の圧力が50Torr、コールドトラップ内の圧力が大気圧の状態で主弁を開けると、気流の速度が大きいため、バイアルを倒し、また、バイアルの上面開口に半打栓されたゴム栓を吹き飛ばす危険性があるし、更には乾燥庫内の異物を巻き上げる可能性もあった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、乾燥庫内の核形成温度を制御することにより、被乾燥材料を短時間でかつ均一に核形成でき、また、乾燥庫内へ氷粒子を搬送する際に容器を転倒させることがない凍結乾燥装置の凍結乾燥方法を提供することにある。
本発明は、上述の課題を解決するため、液体状の被乾燥材料が充填された容器を多数収納する乾燥庫と、該乾燥庫に連通し被乾燥材料から発生した水蒸気を通す主管と、該主管に連通し主管から流出した水蒸気を凝結捕集するコールドトラップとを備え、該乾燥庫内の被乾燥材料を予め凍結する予備凍結工程と該予備凍結工程の後に加熱して被乾燥材料を乾燥させる乾燥工程と有する凍結乾燥装置の凍結乾燥方法において、前記予備凍結工程の前に被乾燥材料に核形成する核形成工程を有するもので、該核形成工程は、前記乾燥庫内及び前記コールドトラップを冷却するとともに、該乾燥庫内を被乾燥材料の核形成用の温度に維持する被乾燥材料冷却維持工程と、前記被乾燥材料冷却維持工程と同時に又はその後に前記コールドトラップ内に窒素、空気等で湿気を含む気体を導入し、該コールドトラップ内のコールドトラッププレートに氷粒子を付着させる着霜工程と、前記着霜工程の後に、前記コールドトラップ及び前記乾燥庫を減圧する減圧工程と、前記減圧工程の後、コールドトラップ内に気体を急速に導入してコールドトラッププレートに付着した氷粒子を巻き上げ、この巻き上げた氷粒子を前記主管を介して前記乾燥庫内に搬送する氷粒子生産・搬送工程とを含むことを特徴とする凍結乾燥装置の凍結乾燥方法である。
請求項1の発明によれば、予備凍結工程の前に行われる核形成工程において、コールドトラップ内で氷粒子が形成され、この氷粒子が主管を通じて乾燥庫内に搬送される。
ここで、乾燥庫内は被乾燥材料の核形成温度に維持するよう冷却されるため、核形成が容器の上部から底部に急速に進行し、大きい氷晶が形成されるため、既乾燥層水蒸気移動抵抗が低減し、一次乾燥時間が短くなる。
また、氷粒子をコールドトラップから乾燥庫内に輸送する際、コールドトラップと乾燥庫内の圧力差が小さくため、コールドトラップ内に導入された気体はその送風力により、コールドトラップ内で氷粒子を巻き上げるものの、コールドトラップから乾燥庫内に流れるときはさほど大きな送風力とはなっていない。この結果、氷粒子が乾燥庫内に満遍なく輸送され、かつ、乾燥庫内の容器を転倒させることがない。なお、前記主管はこれを開閉する主弁を有しており(請求項2)、また、コールドトラップには真空ポンプが接続し、この真空ポンプの駆動により減圧工程を実施する(請求項3)。更に、この減圧工程では乾燥庫内の圧力は50〜10Torrとしてもよい(請求項4)。
請求項5の発明のように、氷粒子生産・搬送工程において、コールドトラップの温度を約−45℃以下に設定してもよく、また、請求項6の発明の如く、着霜工程でコールドトラップ内に導入される気体は窒素、空気等で湿気を含む気体であり、また、氷粒子を製造する上で湿度が高い方がよく、よって、コールドトラップ内に導入される気体は湿度50%以上であることが望ましい。
請求項7の発明は、コールドトラップに気体を導入する手段は、凍結乾燥装置の外部に連通する気体導入通路を有するとともに、気体導入通路を開閉する気体導入弁を有している。請求項7の発明によれば、凍結乾燥装置の外部の空気が気体導入通路を通じてコールドトラップ内に流入し氷粒子を製造している。
本発明によれば、乾燥庫内の温度を核形成温度に維持するよう制御することにより、被乾燥材料が針状氷晶となり、これに起因して、既乾燥層水蒸気移動抵抗が低減し、一次乾燥時間が短くなるという利点を有する。また、乾燥庫内に氷粒子を輸送する際、コールドトラップと乾燥庫内の圧力差が小さくなっているため、氷粒子が乾燥庫内に満遍なく輸送されるものの、さほど強い気体の流れとなっていないため、乾燥庫内の容器を転倒させることはないという利点を有する。
凍結乾燥装置の全体図である。 凍結乾燥装置の駆動制御回路図である。 凍結乾燥装置の運転制御全体フローチャートである。 凍結乾燥装置の核形成工程の全体フローチャートである。 薬液冷却・温度維持工程を示すフローチャートである。 着霜工程を示すフローチャートである。 減圧工程を示すフローチャートである。 水粒子生産・搬送工程を示すフローチャートである。 核形成温度の制御をしない場合における、昇華速度、各品温、TMbySR、棚温度、CT温度、DC及びCTの真空度の経時的変化を示すグラフである。 核形成温度を−6℃として制御した場合における、昇華速度、各品温、TMbySR、棚温度、CT温度、DC及びCTの真空度の経時的変化を示すグラフである。 核形成温度を−3℃として制御した場合における、昇華速度、各品温、TMbySR、棚温度、CT温度、DC及びCTの真空度の経時的変化を示すグラフである。 乾燥庫内のバイアルの配置状態を示す断面図である。 被乾燥材料の氷結晶状態を示す模式図である。
本発明に係る凍結乾燥装置の凍結乾燥方法について図面を参照して説明する。まず、凍結乾燥装置の概略構成について図1を参照して説明する。
凍結乾燥装置Wは、図1に示すように、被乾燥材料(例えば薬液M)を凍結乾燥する乾燥庫1と、乾燥庫1に連通し薬液Mから発生した水蒸気を通す主管2と、主管2に連通し主管2から流入した水蒸気を凝結捕集するコールドトラップ3とを有している。
ここで、乾燥庫1に装入された薬液Mは上下複数段に配置された棚板4上に載置されたもので、容器(バイアル)5内に充填された状態となっている。また、乾燥庫1には真空計6が設置され、乾燥庫1内の圧力を検出している。
主管2は気体の流れを開閉制御する主弁2aを有している。主弁2aの開閉により乾燥庫1とコールドトラップ3との間の連通状態が制御されるようになっている。
コールドトラップ3は引口弁7を介して真空ポンプ8に接続しており、引口弁7を開き真空ポンプ8を駆動するとき、乾燥庫1内の気体が主管2及びコールドトラップ3を通じて吸引され、主管2及びコールドトラップ3を含め乾燥庫1内を真空にすることができる。また、コールドトラップ3内にはコールドトラッププレート(以下、CTプレート)3aが配置され、CTプレート3aでコールドトラップ3内に流入した水蒸気を凝結捕集する構造となっている。
CTプレート3a及び棚板4には冷却装置9が連結している。具体的には、CTプレート3a及び棚板4を冷却するときは低温の熱媒体をこれらのCTプレート3a及び棚板4に循環し、CTプレート3a及び棚板4を低温にする。他方、棚板4を加熱するときは高温の熱媒体を棚板4に循環し、棚板4を加熱する。
以上のように構成されている凍結乾燥装置Wにおいて、コールドトラップ3には気体導入通路10が接続され、凍結乾燥装置Wの外部の空気(周囲空気)をコールドトラップ3内に導入できるようになっている。また、気体導入通路10の途中には気体導入弁10aを設けて、気体導入通路10を開閉でき、また、気体導入通路10の先端に無菌フィルタ10bを取り付けて、異物がコールドトラップ3内に入らないようにしている。
続いて、凍結乾燥装置Wの駆動制御回路を図2のブロック図を参照して説明する。
図2に示すように、凍結乾燥装置Wは制御手段として制御盤20を有し、制御盤20にはシーケンサ21が搭載されている。
シーケンサ21は真空計6、運転スイッチ11及び温度センサ12からの出力信号に基づき、主弁2a、引口弁7、真空ポンプ8、冷却装置9及び気体導入弁10aを駆動制御するようプログラムされている。ここで、温度センサ12は各種の温度センサ、具体的には、棚板4の温度を検出するセンサ、コールドトラップの温度を検出するセンサからなっている。
このように構成された凍結乾燥装置は、図3のフローチャートに示すように、凍結乾燥運転制御を行う。即ち、運転スイッチ11がONしたときは(S1)、薬液Mに対して核形成する核形成工程(S2)、薬液Mを凍結する予備凍結工程(S3)、この予備凍結工程で凍結された薬液Mの水分を除去する一次乾燥工程(S4)、一次乾燥工程を経て乾燥固体となった薬液M中に含まれる微量の不凍水を除去して、薬液Mを所定の含水率になるまで乾燥する二次乾燥工程(S5)と順次進行して凍結乾燥運転を終了する。
即ち、本発明の特徴的構成は、予備凍結工程から始まっていた従来の運転に対して、この予備凍結工程の前段階に核形成工程を実行することにある。以下、この特徴的構成について詳述する。
核形成工程は、図4に示すように、薬液冷却・温度維持工程(S21)と着霜工程(S22)と減圧工程(S23)と水粒子生産・搬送工程(S24)とを有し、以下、各工程を順に説明する。
まず、薬液冷却・温度維持工程(S21)では、図5に示すように、バイアル5内の薬液Mを核形成温度(例えば、−3℃〜−9℃の範囲内の何れかの温度)に維持するよう冷却装置9を駆動制御し(S21a)、これを例えば60分間に亘って実行する(S21b)。これにより、棚板4の上面に配置された各バイアル5の薬液Mが均一に冷却される。
この薬液冷却・温度維持工程(S21)と同時に又はこれに続いて着霜工程(S22)を開始する。この着霜工程では冷却装置9を駆動してCTプレート3aに低温の熱媒体を循環し、コールドトラップ3内を−45℃以下に冷却維持する(S22a)。これにより、コールドトラップ3内の圧力が微陰圧となる。この状態で気体導入弁10aを開くとき、コールドトラップ3内が外部の圧力より低くなっているため、外部の気体が無菌フィルタ10bを通過し、更に気体導入通路10を通じてコールドトラップ3内に流入する(図1の破線矢印に示す)。外部の気体として、例えば凍結乾燥装置Wの外部空気が掲げられるが、この外部空気はその湿度が高いこと、例えば50%以上であることが望ましい。他方、外部空気の湿度が高くない状態を考慮し、例えば、ピュア・スチーム発生装置等を設置し、この装置で発生した水蒸気を気体導入通路10に導くようにしても良い。また、外部の気体は空気に限るものではなく、例えば、湿気を含んだ窒素等であっても良い。このように、気体導入通路10に導入された気体はコールドトラップ3内に流入し、CTプレート3aに霜Fとなって付着する。
前記薬液冷却・温度維持工程(S21)及び着霜工程(S22)の後に、図7に示す減圧工程(S23)を開始する。この減圧工程では主管2の主弁2aを開く(S23a)。これにより、乾燥庫1とコールドトラップ3が主管2を通じて連通状態となり、内部の気圧が相互に等しくなる。主弁2aを開いた後、真空ポンプ8を起動し(S23b)、引口弁7を開く(S23c)。これにより、乾燥庫1及びコールドトラップ3の気体が真空ポンプ8に吸引され(図1の実線矢印で示す)、乾燥庫1及びコールドトラップ3の圧力が低下する。この真空引き動作を乾燥庫1及びコールドトラップ3の圧力が例えば50〜10Torrの何れかの圧力になるまで継続する(S23d)。乾燥庫1及びコールドトラップ3の圧力がその設定圧力となったときは、引口弁7を閉じ(S23e)、真空ポンプ8を停止する(S23f)。これにより、減圧工程を終了する。なお、減圧工程では気体導入弁10aは閉じた状態となっている。
前記減圧工程が終了したときは、図8に示す水粒子生産・搬送工程に移行する。この水粒子生産・搬送工程では、まず、主弁2aを開き(S24a)、乾燥庫1とコールドトラップ3を連通状態にする。次いで、気体導入弁10aを開く(S24b)。ここで、コールドトラップ3の圧力が外部よりも低くなっているため、外部の気体が無菌フィルタ10bを通過して気体導入通路10内に流入する。この空気は無菌フィルタ10bにより異物を含まない空気となり、更に気体導入通路10を通じてコールドトラップ3内に流入する(図1の破線矢印で示す)。ここで、コールドトラップ3内に流入する気体の流速はコールドトラップ3の圧力が50〜10Torrとなっているため、コールドトラップ3内に流入する気体は急速で入り込み、CTプレート3aに付着した霜が巻き上げられるようにしてCTプレート3aから離れる。この離れた霜(氷粒子R)は主管2を通じて乾燥庫1内に搬送され、乾燥庫1内の各バイアル5に向かって流れる(図1の破線矢印で示す)。このような状況がコールドトラップ3が大気圧に戻るまで継続される(S24c)。
このような、水粒子生産・搬送工程を継続することにより、水粒子Rが乾燥庫1内に配置された各バイアル5に確実に供給され、全てのバイアル5の薬液Mが瞬時に核形成される。具体的には、バイアル5の上部から底部に順次核形成が進行し、数秒以内で完了する。また、乾燥庫1及びコールドトラップ3内の圧力差が小さくなっているため、コールドトラップ3から乾燥庫1に向かって流れる気体の流速もさほど強いものではなく、棚板4に配置されたバイアル5が倒れることがない。
水粒子生産・搬送工程が継続し、コールドトラップ3が大気圧に戻ったときは、気体導入弁10aを閉じ(S24d)、主弁2aを閉じる(S24e)。これにより、水粒子生産・搬送工程が終了する。
以上のような核形成工程(S2)が終了したときは、従来の凍結乾燥装置と同様に、予備凍結工程→一次乾燥工程→二次乾燥工程と順次移行する。
以下、凍結乾燥装置Wの試験機により核形成工程(S2)の核形成が良好に行われるか否かを実験した。
<試験機の実施態様>
本発明に係る凍結乾燥装置の試験機として試験機型式Triomaster-A04を用いた。なお、図1及び図2に記載した部位で試験機において対応する部位は同一符号を用いて説明している。
乾燥庫1の棚板4の面積は0.4m2で、棚板4は300W×450L×12t、有効段数は3段である。トレイに1枚にφ24.5のバイアル5を220本を設置し、各バイアル5に3mLずつスクロース(Sucrose;分子式C122211)10%水溶液を分注して乾燥庫1の1段目の棚板4に装入し、もう1枚のトレイにφ24.5のバイアル5を220本設置し、各バイアル5に3mLずつマンニトール(Mannitol;分子式C6146)とスクロースを5:5に混合した混合物の10%水溶液を分注して乾燥庫1内の2段目の棚板4に装入して実験を実施した。
なお、薬液Mが無菌注射製剤であり、これを生産機においては、乾燥庫1内及びコールドトラップ3内には無菌フィルタ10bを経由した気体が導入されるため、系内の水分が少なく、CTプレート3aに着霜しにくい状況が想定される。そこで、試験機での実験では、乾燥庫1及びコールドトラップ3内を窒素置換し、生産機と同等な乾燥状態において、全てのバイアル5内で核形成が同時に或いは瞬間的に起こるか否かを確認した。
<試験機による実施例1>
実施例1では、棚板4を核形成温度の−6℃まで冷却・維持し、その冷却・温度維持工程の時間を約60分と設定した。このとき、異なる場所に配置された3箇所のバイアル5内の薬液Mの温度はそれぞれ−4.9℃、−5.7℃、−4.9℃であった。またCTプレート3aを−45℃以下に冷却したため、コールドトラップ3内の圧力が微陰圧となった。その後、気体導入弁10aを開き、50%以上の湿度の空気をコールドトラップ3内に導入し、コールドトラップ3内を大気圧まで復圧し、この状態でCTプレート3に霜が付着した。気体導入弁10aを閉じた後、主弁2aを開け、真空ポンプ8を起動させ、引口弁7を開き、乾燥庫1内の圧力及びコールドトラップ3内の圧力を10Torrまで減圧した。次いで、主弁2aの開状態で引口弁7を閉じ、真空ポンプ8を停止させた。その後、気体導入弁10aを開き、コールドトラップ3内に気体を急速に導入した。導入された気体はCTプレート3aに付着した霜を巻き上げ、この巻き上げた霜(氷粒子R)を乾燥庫1内に迅速に搬送し、乾燥庫1内の全てのバイアル5に同時に移送して均等に分散した。この結果、全てのバイアル5内において核形成が同時に数秒間に亘って起こった。
<試験機による実施例2>
実施例2では、実施例1と同様に棚板4を−6℃まで冷却かつ温度維持し、その冷却・温度維持工程の時間を約60分に設定した。着霜工程では、気体導入弁10aを開き、加湿した窒素(湿気を含んだ空気)をコールドトラップ3内に導入して大気圧まで復圧し、この状態でCTプレート3aに霜が付着した。その他の操作は実験例1と同様であり、全てのバイアル5内において同時に核形成が数秒間に亘って起こった。
また、棚板4を−3℃、−9℃に設定して、バイアル5内の薬液Mを冷却かつ温度維持する実験を行った。この結果、棚板4の2段目に装入した全440本バイアルに対し、核形成が同時に容器内薬液の上部から底部に進行し、数秒以内に完了したことを確認した。これにより、−3℃、−9℃に設定するときも実行性があることが検証された。
<準生産機の実施態様>
次に、準生産機を用いた実施例を説明する。本発明の実施に用いる凍結真空乾燥装置は、準生産機型式RL−402BSであり、棚板4の面積は2.3m2で、棚板4は620W×930L×19t、有効段数は4段である。トレイ1枚にφ24.5のバイアル5を220本設置し、各バイアル5に3mLずつスクロース(Sucrose;分子式C122211)10%水溶液を分注し、乾燥庫1内の棚板4上に、220本/トレイ×8枚=1760本を装入して本発明に係る核形成工程の実験を実施した。
乾燥庫1内の棚板4にφ24.5のバイアル5を1760本装入した後、乾燥庫1及びコールドトラップ3内を窒素置換し、系内に水分が少ない乾燥状態を保持した。
棚板を−6℃まで冷却かつ温度維持し、この冷却・温度維持工程の時間を約60分としたとき、各バイアル薬液Mの温度は−6.6℃、−6.9℃、−6.8℃、−7.0℃であった。CTプレート3aは−45℃以下に冷却され、コールドトラップ3内の圧力は微陰圧となった。その後、気体導入弁10aを開き、装置周囲の空気をコールドトラップ3内に導入して大気圧まで復圧したところ、CTプレート3aに少量の霜が付着した。気体導入弁10aを閉じた後、主弁2aを開け、真空ポンプ8を起動させ、引口弁7を開き、乾燥庫1内の圧力とコールドトラップ3内の圧力を約10Torrまで減圧した。次いで、主弁2aを開放状態で引口弁7を閉じ、真空ポンプ8を停止させた。その後、気体導入弁10aを開き、コールドトラップ3内に窒素を急速に導入してCTプレート3aに付着した霜(氷粒子R)を巻き上げ、この巻き上げた氷粒子Rを乾燥庫3内に迅速に搬送した。
しかし、CTプレート3aに付着した霜が微量であったため、核形成はバイアル数十本程度でしか行えなかった。2回目の実験では、CTプレート3aへやや多量に着霜させ、コールドトラップ3内に窒素を急速に導入してCTプレート3aに付着した霜を巻き上げると、核形成は1760本のバイアル全てにおいて同時に、数秒間で起こった。
以上のように、準生産機RL−402BSの実験結果からも、CTプレート3aの表面にやや多量の霜を付着させることで、本発明に係る方法により、乾燥庫1内に装入した全てのバイアル5において、核形成は瞬時に起こり、核形成温度の制御が可能となることが検証された。
<発明の効果の実証>
次に、核形成温度制御の効果を、以下に3種類の実験例を掲げて説明する。
バイアル5はφ24.5のものを用い、220本/トレイ×3枚、計660本を用意し、各バイアル5にはSucrose10%水溶液を分注した被乾燥材料を収容している。これら各バイアル5を乾燥庫1内に装入し、凍結乾燥工程を実施した。棚板4の端部のバイアル1本に、棚板4の中央部のバイアル5の2本にそれぞれ品温センサを挿入して、被乾燥材料の品温(品温1、品温2及び品温3)を測定・記録した。
<核形成温度を制御しない実験例>
図9は核形成工程を有しない通常の凍結乾燥工程をしめすグラフである。通常の予備凍結で、溶液の過冷却温度は品温1:−9.2℃、品温2:−8.2℃、品温3:−12.6℃となった。一次乾燥工程時に、バイアル5の品温が棚温度に追い付いた時間を計測すると、品温2が一乾燥開始後34.5hr、品温3が一次乾燥開始後36hrであった。昇華速度の記録曲線から、一次乾燥開始から18hrまでの間において、昇華速度は最大値0.087kg/hr〜0.063kg/hrまでほぼ直線的に減少した。
<核形成温度を制御した実験例>
図10は核形成工程を有する本発明に係る凍結乾燥装置Wにおいて、核形成温度を−6℃に制御した例を示している。まず、660本のバイアル溶液を乾燥庫1に装入し、予備凍結工程の前に本発明に係る核形成工程の核形成温度を−6℃に制御した。一次乾燥工程時に、棚中央部バイアルの品温2と品温3は一致し、昇華がほぼ同時に終了している。また、品温2,3が棚温度に追い付いた時間は共に32.5hrであり、通常凍結での乾燥時間36hrより3.5hr短縮された。昇華速度の記録曲線から、一乾燥開始から18hrまでの間に、昇華速度が最大0.085kg/hrから0.077kg/hrまでしか減少せず、一次乾燥工程初期の昇華速度がほぼ一定であることから、本発明によって既乾燥層水蒸気移動抵抗が通常凍結より低減したことが明らかとなった。
図11は核形成工程を有する本発明に係る凍結乾燥装置Wにおいて、核形成温度を−3℃に制御した例を示している。まず、660本のバイアル溶液を乾燥庫1に装入し、予備凍結工程の前に本発明に係る核形成工程の核形成温度を−3℃に制御した。一次乾燥工程時に、棚中央部バイアルの品温2と品温3は一致し、昇華がほぼ同時に終了している。また、品温が棚温度に追い付いた時間は共に31.5hrであり、通常凍結での乾燥時間36hrより4.5hr短縮された。昇華速度の記録曲線から、一乾燥開始から18hrまでの間に、昇華速度が最大0.087kg/hrから0.078kg/hrまでしか減少せず、一次乾燥工程初期の昇華速度がほぼ一定であることから、既乾燥層水蒸気移動抵抗が、通常凍結と比較してより低減したことが明らかとなった。
以上のように、凍結乾燥装置Wの凍結乾燥方法において、核形成温度を制御する場合は、バイアル間に均一な氷晶が析出し、また、核形成温度をより高温(−6℃、−3℃等)に制御したため、氷晶は既乾燥層水蒸気移動抵抗を低減する構造となり、昇華速度が増大したことで、一次乾燥時間が短縮され、同時にバイアル間の昇華速度が均等になった。
このように、凍結乾燥装置の凍結乾燥方法について試験機及び準生産機により実験し、核形成工程(核形成温度の制御工程)を有することにより、極めて有利な効果を発揮することを実証した。この実証はバイアルを大量に凍結乾燥する生産機においても同様に適用できることは言うまでも無い。
なお、生産機が大型であること、また、無菌を担保するため蒸気減菌SIP工程を有するため乾燥庫1及びコールドトラップ3内が乾燥状態となっているため、多少、コールドトラップ3での氷粒子の形成及び乾燥庫1への氷粒子の搬送工程において、試験機や準生産機より不利とはなる。しかし、これらの問題点を解消するため、着霜工程において図示しないピュア・スチームを用いて湿度を補うようにしても良いし、また、減圧工程においてコールドトラップの圧力が低めに設定するようにしても良い。
W…凍結乾燥装置、1…乾燥庫、2…主管、2a…主弁、3…コールドトラップ、3a…CTプレート、4…棚板、5…バイアル、7…引口弁、8…真空ポンプ、9…冷却装置、10…気体導入通路、M…薬液(被乾燥材料)、F…霜、R…氷粒子。

Claims (7)

  1. 液体状の被乾燥材料が充填された容器を多数収納する乾燥庫と、該乾燥庫に連通し被乾燥材料から発生した水蒸気を通す主管と、該主管に連通し主管から流出した水蒸気を凝結捕集するコールドトラップとを備え、該乾燥庫内の被乾燥材料を凍結する予備凍結工程と該予備凍結工程の後に加熱して被乾燥材料を乾燥させる乾燥工程と有する凍結乾燥装置の凍結乾燥方法において、
    前記予備凍結工程の前に被乾燥材料に核形成する核形成工程を有するもので、該核形成工程は、
    前記乾燥庫内及び前記コールドトラップを冷却するとともに、該乾燥庫内を被乾燥材料の核形成用の温度に維持する被乾燥材料冷却・温度維持工程と、
    前記被乾燥材料冷却・温度維持工程と同時に又はその後に前記コールドトラップ内に窒素、空気等で湿気を含む気体を導入し、該コールドトラップ内のCTプレートに氷粒子を付着させる着霜工程と、
    前記着霜工程の後、前記コールドトラップ及び前記乾燥庫を減圧する減圧工程と、
    前記減圧工程の後、コールドトラップ内に気体を急速に導入してCTプレートに付着した氷粒子を巻き上げ、この巻き上げた氷粒子を前記主管を介して前記乾燥庫内に搬送する氷粒子生産・搬送工程とを含む
    ことを特徴とする凍結乾燥装置の凍結乾燥方法
  2. 前記主管は、前記乾燥庫と前記コールドトラップの間の気体の流路を開閉する主弁を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の凍結乾燥装置の凍結乾燥方法。
  3. 前記コールドトラップには真空ポンプが接続され、前記減圧工程で該真空ポンプの駆動により該コールドトラップを減圧するとともに、前記主弁を開に設定して前記主管を通じて前記乾燥庫を減圧する
    ことを特徴とする請求項2に記載の凍結乾燥装置の凍結乾燥方法。
  4. 前記減圧工程において、前記乾燥庫内の圧力は50〜10Torrである
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の凍結乾燥装置の凍結乾燥方法。
  5. 前記氷粒子生産・搬送工程において、前記コールドトラップの温度は約−45℃以下に設定する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の凍結乾燥装置の凍結乾燥方法。
  6. 前記着霜工程で前記コールドトラップ内に導入される気体は窒素、空気等の湿気を含む気体であり50%以上の湿度となっている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項記載の凍結乾燥装置の凍結乾燥方法。
  7. 前記コールドトラップに気体を導入する手段として凍結乾燥装置の外部に連通する気体導入通路を有するとともに、該気体導入通路を開閉する気体導入弁を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項記載の凍結乾燥装置の凍結乾燥方法。
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