以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態の情報管理システムの構成を示すブロック図である。
本実施形態の情報管理システムは、パーソナルコンピュータ(PC)101、カメラ102A、カメラ102B、プロジェクタ103及びストレージ104からなる。
カメラ102Aは、PC101に接続され、付箋紙111A〜111D等が貼付された模造紙110を含む領域を撮影し、撮影した画像データをPC101に送信する。
プロジェクタ103は、PC101に接続され、PC101から出力された電子ファイルの画像121A〜121E等をスクリーン120に投影する。
カメラ102Bは、スクリーン120の少なくとも一部を含む領域を撮影し、撮影した画像データをPC101に送信する。
ストレージ104は、PC101に接続され、PC101によって書き込まれたデータを保持し、PC101からの参照要求に応じてデータをPC101に参照させる。具体的には、例えばスクリーン120に投影される画像の情報を含む電子ファイルは、ストレージ104に格納され、PC101によって参照される。
PC101の構成については後述する(図2、図3参照)。
図1に示す情報管理システムには種々の用途があり得るが、その一例は、システム開発の上流工程におけるワークショップの支援である。例えば、現状の業務マニュアル等に基づいて現状の業務フローの全体俯瞰図を作成し、そこに、業務担当者からの聞き取り等の調査によって検討された課題をプロットする作業を支援することが想定される。この場合、調査によって得られた文書、静止画像又は動画像等がプロジェクタ103によってスクリーン120に表示され、模造紙110に業務フローの全体俯瞰図が描画され、その全体俯瞰図上に、調査によって検討された課題を記入した付箋紙111A等が貼付される。
例えば、調査の結果として得られた文書等がスクリーン120に表示され、そこから、「ユーザが困惑している」という課題が抽出された場合、その課題を示す「ユーザが困惑」という文字列が記載された付箋紙111Aが模造紙110に貼付される。なお、ここでの「ユーザ」とは、本実施形態の情報管理システムのユーザ(例えばワークショップの参加者)ではなく、開発しようとするシステムのユーザであり、例えば聞き取り調査等の対象者である。このとき、その課題に対応する文書等の画像(例えば画像121E)は、例えば、ユーザが困惑している状況を説明する文書、その状況を表現する静止画像または動画像等である。
図1には付箋紙111A等が貼付された模造紙110を示したが、それ以外のものを用いることもできる。例えば、模造紙110の代わりに、黒板又はホワイトボードのようなパネルを用いてもよい。また、付箋紙111A等として、市販されている一般的な付箋紙、すなわち、裏面の少なくとも一部に弱い粘着剤が塗布された、容易に貼り替え可能な紙片を用いてもよいが、表面に文字等を筆記可能であり、かつ、容易に貼り替え可能な付箋であれば、どのようなものを用いてもよい。例えば、粘着テープ又は押しピン等によって貼り付けられた紙の付箋を用いてもよいし、紙以外の素材、例えば表面に筆記可能なマグネットシート等の付箋を用いてもよい。
プロジェクタ103及びスクリーン120は、画像表示装置の一例であり、任意の種類の画像表示装置によって置き換えることができる。例えば液晶ディスプレイ装置が用いられる場合、スクリーン120は、PC101に接続された液晶ディスプレイ装置の画面によって置き換えられる。
また、図1には二つのカメラ102A及び102Bを示したが、それらの一方を省略することもできる。後述するように、カメラ102Bは、付箋紙と電子ファイルとを関連付ける情報を登録するときに使用され、カメラ102Aは、付箋紙に関連付けられた電子ファイルを読み出して表示するときに使用される。すなわち、例えば全ての付箋紙と電子ファイルとを関連付ける情報の登録が終了した後、カメラ102Bは不要となる。このため、登録が終了した後で、カメラ102Bをカメラ102Aとして設置して使用することができる。
図2は、本発明の実施形態の情報管理システムの機能ブロック図である。
カメラ102Aは、模造紙110に貼付された少なくとも一つの付箋紙111A等の画像を撮影する撮像部206Aと、撮影された画像データをPC101に送信する通信部207Aと、を有する。カメラ102Bは、スクリーン120を撮影する撮像部206Bと、撮影された画像データをPC101に送信する通信部207Bと、を有する。
PC101は、カメラ102A及び102Bと通信する通信部201と、画像認識部202と、処理部203と、表示部204と、ファイル検索部205と、を有する。通信部201は、カメラ102A及び102Bと通信し、画像データを受信する。画像認識部202は、カメラ102A等から受信した画像の認識を行う。ファイル検索部205は、ストレージ104に格納されたファイルを検索する。表示部204は、プロジェクタによって表示される画面のデータを出力する。処理部203は、画像認識の結果に従って、画像データと電子ファイルとを関連付ける情報を登録する処理、及び、出力されるべき電子ファイルを特定する処理等を行う。これらの処理の具体的な内容については後述する。
図3は、本発明の実施形態のPC101のハードウェア構成のブロック図である。
PC101は、プロセッサ、記憶装置302、通信インターフェース(I/F)303、入出力装置304及びこれらを接続する通信線305を有する計算機である。
プロセッサ301は、記憶装置302に格納されたプログラムを実行することによって、PC101の種々の機能を実現する。
記憶装置302は、例えば半導体メモリ、磁気ディスク装置又はその他の種類の記憶装置であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。プロセッサ301によって実行される種々のプログラム及びプロセッサ301によって参照される種々のデータが記憶装置302に格納される。
通信I/F303は、PC101と、その外部の機器との間の通信を制御するインターフェースである。図3には一つの通信I/F303のみを示すが、実際にはPC101が複数の通信I/F303、例えば、いわゆるネットワークインターフェースカード、USB(Universal Serial Bus)コントローラ、DVI(Digital Visual Interface)コントローラ又はHDMI(High-Definition Multimedia Interface)コントローラ等を有してもよい。
入出力装置304は、ユーザからの入力を受け付ける例えばキーボード及びマウス等の入力装置、並びに、ユーザに情報を出力する例えば液晶ディスプレイ装置のような出力装置を含む。
なお、図1及び図2に示したストレージ104は、PC101の内部の記憶装置302であってもよいし、通信I/Fを介してPC101に接続されたファイルサーバであってもよい。PC101の外部の(すなわち通信I/Fを介して接続された)ファイルサーバは、例えばNAS(Network Attached Storage)等によって実現することができる。ストレージ104がPC101の外部にあっても、そこに格納される電子ファイル等のデータは、PC101によって処理されるときに、少なくとも一時的には記憶装置302に格納される。
なお、図2に示すPC101の各部は、プロセッサ301が記憶装置302に格納されたプログラムを実行し、必要に応じて通信I/F303等を制御することによって実現される機能である。例えば、通信部201は、プロセッサ301が通信プログラムを実行し、通信I/F303(例えばUSBコントローラ等)を制御することによって実現される。表示部204は、プロセッサ301が表示プログラムを実行し、通信I/F303(例えばDVIコントローラ等)を制御することによって実現される。すなわち、以下の説明においてPC101の各部が実行する処理は、実際には、プロセッサ301が、記憶装置302に格納されたプログラムに従い、必要に応じて通信I/F303等を制御することによって実行される。
次に、本実施形態の情報管理システムによって実行される処理について説明する。本実施形態の情報管理システムは、スクリーン120に表示された電子ファイルと、付箋紙111A等との関連を特定し、それらを関連付ける情報を登録する処理(関連登録処理)と、その関連付けの情報に従って、模造紙110に貼付された付箋紙111A等に関連付けられた電子ファイルをスクリーン120に表示する処理(関連電子ファイル表示処理)と、を実行する。最初に、関連登録処理について説明する。
図4は、本発明の実施形態の情報管理システムによって実行される関連登録処理の概要の説明図である。
図4の例では、図1と同様に、画像121A〜121Eがスクリーン120上に表示されている。さらに、画像121Eに関連する課題を示す文字列「ユーザが困惑」が記載された付箋紙111Aが作成されている。この場合において、画像121Eを含む電子ファイル(以下、電子ファイル121Eとも記載する)と、付箋紙111Aとを関連付ける情報を登録する処理を説明する。
本実施形態の情報管理システムのユーザ(付箋紙111Aに記載された「ユーザ」とは異なる)は、電子ファイル121Eを付箋紙111Aに関連する電子ファイルとして登録しようとするときに、付箋紙111Aを、その少なくとも一部が画像121Eと重なるようにスクリーン120上に貼付する。そして、カメラ102Bがスクリーン120を撮影する。PC101は、撮影された画像データをカメラ102Bから取得し、画像認識を行うことによって、付箋紙111Aを識別し、その貼付位置(すなわちスクリーン120上の座標)を識別する。
さらに、カメラ102Bは、PC101に、スクリーン120を撮影した時刻tを送信する。PC101は、プロジェクタ103に出力し、時刻tにスクリーン120に投影された画像データ(スクリーン120上のレイアウト情報を含む)を保存する。
そして、PC101は、付箋紙111Aの貼付位置と、スクリーン120上のレイアウト情報から特定される各画像の表示位置と、の関係に基づいて、付箋紙111Aと関連する画像121Eを特定し、付箋紙111Aと電子ファイル121Eとを関連付ける情報をストレージ104に登録する。時刻tに表示されていた画像121Eが、それを含むファイルのnページ目であることが特定された場合、そのことを示す情報が併せて登録されてもよい。
次に、関連登録処理の詳細について、図5等を参照して説明する。ここでは、図4に示すように画像121Eに関連する付箋紙111Aが貼付された場合を例示しながら説明する。
図5は、本発明の実施形態の情報管理システムによって実行される関連登録処理のフローチャートである。
最初に、PC101は、プロジェクタ103の表示エリアを撮影し、画像補正式を算出する(ステップ501)。これは、PC101が出力し、プロジェクタ103によって表示された画面上の座標と、カメラ102Bによって撮影された画像の座標と、の対応関係を特定する処理である。
具体的には、カメラ102Bは必ずしもスクリーン120に対して正対していないため、長方形の画像が出力されてもそれが歪んだ四角形として撮影される場合がある。この場合、撮影された画像の中で、本来長方形として出力されたはずの図形の四隅の位置がわかれば、どのように画像が歪んでいるかがわかり、歪んでいる画像を本来の歪んでいない画像に変換するための式を特定することができる。ステップ501において実行される処理の詳細について、図6を参照して説明する。
図6は、本発明の実施形態の情報管理システムによって実行される、画像補正式の算出処理のフローチャートである。
まず、PC101の表示部204が、画面の四隅に輝点を表示する画像のデータを出力し、プロジェクタ103がそれをスクリーン120上に表示する(ステップ601)。
次に、カメラ102Bが、その画像が表示されたスクリーン120を撮影する(ステップ602)。
次に、PC101が撮影された四輝点によって特定される四角形を本来の比率の長方形に変換する式(画像補正式)を特定する(ステップ603)。具体的には、PC101の通信部201がカメラ102Bから撮影された画像データを取得し、画像認識部202が取得した画像における四輝点の位置を特定し、処理部203が、出力した画像における四輝点の位置と、撮影された画像における四輝点の位置とを比較することによって、画像補正式を特定する。
なお、上記のように長方形の四隅に相当する四輝点を表示する方法は、所定のパターンの画像を表示して、それに基づいて特定画像補正式を特定する方法の一例であり、所定のパターンとして上記の四輝点以外のパターンを用いてもよい。
続いて、図5のステップ502以降の処理を説明する。
ステップ501が実行された後、プロジェクタ103は、複数の電子ファイルの画像(例えば画像121A〜121E)をスクリーン120に投影する(ステップ502)。
次に、カメラ102Bは、付箋紙が貼付されたスクリーン120(例えば、図4に示す付箋紙111Aが貼付されたスクリーン120)を撮影する(ステップ503)。具体的には、カメラ102Bの撮像部206Bがスクリーン120を撮影し、通信部207Aが撮影した画像データをPC101に送信する。PC101の通信部201がその画像データを受信し、後述するように、画像認識部202及び処理部203等がその画像データに対する処理を行う。
次に、PC101は、カメラ102Bがスクリーン120を撮影した時刻におけるスクリーンデータ(具体的には、カメラ102Bがスクリーン120を撮影した時刻における、スクリーン120に投影された画像のレイアウトを特定できる情報)を取得し、それをストレージ104に保持する(ステップ504)。
具体的には、PC101の処理部203が、スクリーン120に表示される電子ファイルの画像の表示位置を示すデータをPC101のオペレーティングシステム(図示省略)から取得する。このデータに基づいて、スクリーン120上の任意の点がどの電子ファイルの画像に含まれるかを特定できる。
カメラ102Bは、ステップ503の撮影と同時に、PC101に対して所定の信号を送り、PC101の処理部203はその信号を受信するとスクリーンデータを保存する。あるいは、処理部203がスクリーンデータをリアルタイムで記録し、カメラ102Bが撮影を行った時刻とスクリーンデータの記録時刻とを照合して、撮影時刻と一致する(又は最も近い)記録時刻を有するスクリーンデータを保存してもよい。
次に、PC101の処理部203は、ステップ503において撮影された画像を、ステップ501において特定された画像補正式によって補正する(ステップ505)。
次に、PC101の画像認識部202は、補正された画像を認識し、付箋紙(図4の例では付箋紙111A)の画像を切り出す(ステップ506)。このような、撮影された画像から特定の画像の部分を抽出する処理は、公知の画像認識技術を用いて実現することができる。
次に、PC101の処理部203は、スクリーン120上の付箋紙111Aの位置を特定する(ステップ507)。例えば、処理部203は、左上の角の位置を付箋紙111Aの位置として特定してもよい。
次に、PC101の処理部203は、ステップ504で取得したスクリーンデータを用いて、付箋紙111Aの位置に表示されていた電子ファイル(図4の例では電子ファイル121E)を特定する(ステップ508)。具体的には、処理部203は、ステップ507で特定された付箋紙111Aの位置が、ステップ504で取得したスクリーンデータによって特定される画像121Eの表示領域内である場合、電子ファイル121Eを付箋紙111Aに関連する電子ファイルとして特定する。
実際のスクリーン120には、多数の画像が隙間なく表示されている場合があり、そこに付箋紙を貼付すると、一つの付箋紙が複数の画像に跨ることとなり、画像との関連付けが難しくなる。上記のように付箋紙の所定の一点(例えば左上の角)の位置を付箋紙の位置として扱うことによって、一つの付箋紙が複数の画像に跨る場合であってもそれを所望の電子ファイルと正しく対応付けることができる。
なお、上記のステップ507及び508は、付箋紙と電子ファイルの画像との位置関係に基づいて付箋紙に関連する電子ファイルを特定する処理の一例であり、上記以外の方法によって付箋紙に関連する電子ファイルが特定されてもよい。例えば、処理部203は、付箋紙111Aの左上の角ではなく、右上の角、左下の角、右下の角、のいずれかの位置を付箋紙111Aの位置として特定してもよいし、付箋紙の少なくとも一部が電子ファイルの画像の領域に含まれていれば、その電子ファイルを付箋紙に関連するものとして特定してもよい。
あるいは、処理部203は、付箋紙111Aの左上の角、右上の角、左下の角、右下の角、の全部を付箋紙111Aの位置として特定してもよい。その場合、処理部203は、電子ファイルの画像と重なる付箋紙111Aの角の位置に応じて、電子ファイルと付箋紙111Aとの関連の種類を判定してもよい。
例えば、処理部203は、付箋紙111Aの左上の角が画像121Eの領域に含まれる場合、電子ファイル121Eを付箋紙111Aに関連する電子ファイルとして特定し、さらに、その関連の種類が第1の関連の種類であると特定し、付箋紙111Aの右上の角が画像121Eの領域に含まれる場合、電子ファイル121Eを付箋紙111Aに関連する電子ファイルとして特定し、さらに、その関連の種類が第2の関連の種類であると特定してもよい。この場合、特定された関連の種類を示す情報が、付箋紙111Aと電子ファイル121Eとを関連付ける情報に含めて登録される。情報管理システムのユーザは、画像121Eの領域に重なるように貼付する付箋紙111Aの角を選択することによって、登録される関連の種類を選択することができる。
さらに、付箋紙に関連する電子ファイルが特定されるだけでなく、付箋紙に関連するその電子ファイルのデータ範囲が特定されてもよい。このようなデータ範囲の特定については後述する。
次に、処理部203(又は画像認識部202)は、付箋紙111Aの画像から、そこに記載された文字列(図4の例では「ユーザが困惑」)を認識する(ステップ509)。これは、公知の光学文字認識技術によって実現することができる。
次に、処理部203(又は画像認識部202)は、付箋紙(図4の例では付箋紙111A)の画像から、付箋紙の識別情報(ID)を特定する(ステップ510)。例えば、処理部203は、画像認識部202が行った付箋紙の画像認識の結果に応じてIDを特定してもよい。具体的には、例えば、処理部203は、二つの付箋紙の画像が類似する(すなわちそれらの特徴量の類似度が所定の値を超える)場合、それらの二つの画像が同一の付箋紙の画像であると判定して、それらに同一のIDを与えてもよい。
あるいは、処理部203は、付箋紙の画像から抽出されたテキストに応じてIDを特定してもよい。具体的には、例えば、処理部203は、二つの付箋紙の画像から抽出された文字列が同一である場合に、それらの二つの画像が同一の付箋紙の画像であると判定して、それらに同一のIDを与えてもよい。
同一の付箋紙が複数回にわたって撮影されたために複数の画像が得られる場合があるが、上記のような画像の類似又は抽出されたテキストの一致に基づく方法によれば、それらの画像が同一の付箋紙の画像として識別される。
なお、上記のように、画像の類似又は抽出されたテキストの一致に基づく識別方法が採用された場合、画像の特徴量の情報又は抽出されたテキストそのものが画像の識別情報として使用されてもよい。
あるいは、処理部203は、付箋紙の一部の領域に表示された識別情報(例えば図7参照)を読み取ることによって、付箋紙を識別してもよい。
図7は、本発明の実施形態の情報管理システムにおいて使用される付箋紙に表示された識別情報の具体例の説明図である。
例えば、図7に示すように、付箋紙111Aの周囲の領域に付箋紙111Aを識別するためのパターンが表示されてもよい。この例では付箋紙111Aの周囲に領域701〜708が設けられ、それぞれの領域が塗りつぶされているか否かによって付箋紙111Aが識別される。この方法によれば、256枚の付箋紙を一意に識別することができる。
このような識別情報の表示は一例であり、例えば、バーコード、2次元バーコード、又は、識別番号を示す数字等が付箋紙の所定の領域に表示され、それによる識別が行われてもよい。このように、誤認識が起こりにくい識別情報を付箋紙の一部の領域に表示し、その識別情報を用いて付箋紙を識別し、それ以外の領域の画像情報及びテキスト情報を付箋紙の識別に用いないことによって、付箋紙の記載内容が例えば誤記の訂正等のために変更された場合であっても、変更前と変更後の付箋紙の画像を同一の付箋紙の画像として識別することができる。
次に、PC101の処理部203は、付箋紙と、それに関連すると特定された電子ファイルと、を関連付ける情報を関連管理データベース(DB)800(図8参照)に登録する(ステップ511)。例えば、図4に示すように、付箋紙111Aと電子ファイル121Eとが関連すると特定された場合、付箋紙111AのIDと、付箋紙111Aの画像データと、電子ファイル121Eの識別情報と、を関連付ける情報が関連管理DB800に登録される。関連管理DB800は、電子ファイル121E等と同様にストレージ104に格納されてもよいし、それとは別にPC101の記憶装置302に格納されてもよい。
上記のように、付箋紙が貼付されたスクリーン120を撮影した時刻のスクリーンデータを取得し(ステップ504)、撮影された画像からスクリーン120上の付箋紙の位置を特定し(ステップ507)、それらを照合することによって、スクリーン120上に複数の電子ファイルの画像が表示されていた場合であっても、貼付された付箋紙に関連付けられるべき電子ファイルを正しく特定することができる(ステップ508)。この特定を行うために、撮影された画像に含まれる電子ファイルの表示画像(例えばカメラ102Bが撮影した画像121E等)を認識する必要がないため、仮に複数の電子ファイルが同一の画像を含んでいたとしても、誤った電子ファイルを特定することはない。
図8は、本発明の実施形態の情報管理システムによって保持される関連管理DB800の説明図である。
本実施形態の関連管理DB800は、ID801、時刻802、画像803、特徴量804、テキスト805、関連ファイル806、元画像807及び切り出し位置808の各項目のデータを含む。
ID801は、図5のステップ510において特定された付箋紙の識別情報である。ただし、既に説明したように、画像の類似又は抽出されたテキストの一致に基づく識別方法が採用された場合、関連管理DB800はID801を含まなくてもよい。
時刻802は、図5のステップ503において付箋紙が貼付されたスクリーン120の画像が撮影された時刻である。
画像803は、図5のステップ506において切り出された付箋紙の画像の識別情報である。図8の画像803は付箋紙の画像のファイル名を示すが、その画像のファイルの所在を示すパス名を含んでもよい。
特徴量804は、画像認識部202によって抽出される付箋紙の画像の特徴量である。この特徴量は、ID801の値を決定するために使用されてもよい(図5のステップ510)。特徴量としては、SURF(Speeded-Up Robust Features)特徴量又はSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)特徴量といった公知のものを使用することができる。
テキスト805は、図5のステップ509において認識されたものであり、特徴量804と同様、ID801の値を決定するために使用することができる。
関連ファイル806は、図5のステップ508において特定された、付箋紙に関連する電子ファイルの識別情報、具体的には例えばその電子ファイルのファイル名であり、その電子ファイルの所在を示すパス名を含んでもよい。図5を参照して説明したように、関連の種類が特定された場合には、その関連の種類ごとに(図8の例では、「種別1」「種別2」等に分類して)電子ファイルの識別情報を登録することができる。さらに、付箋紙に関連する電子ファイルのデータ範囲が特定された場合には、そのデータ範囲(例えばページ番号、又は動画のフレーム番号等)を示す情報が登録されてもよい。
図8の例では一つの付箋紙の画像803に関連する一つの電子ファイルの識別情報が登録されているが、一つの付箋紙の画像803に関連する複数の電子ファイルの識別情報が登録されてもよい。
元画像807は、付箋紙の画像が切り出される前の、付箋紙を含むスクリーン120の画像の識別情報、すなわち、図5のステップ503において撮影された画像(又はステップ505において補正された画像)の識別情報である。
切り出し位置808は、ステップ506において切り出された付箋紙の画像の元画像における位置であり、例えば、切り出された長方形の付箋紙の画像の左上と右下の角の座標値である。
図8の例では、レコード811及びレコード812に、それぞれ、ID801の値「1」及び「2」によって識別される、異なる付箋紙に関する情報が登録されている。ここでは、ID「1」によって識別される付箋紙が、文字列「ユーザが困惑」が記載された付箋紙111Aであり、ID「2」によって識別される付箋紙が、文字列「店員が無知」が記載された付箋紙111Bである場合について説明する。
レコード811に登録されたID「1」によって識別される付箋紙111Aの画像のファイル名は「x.jpg」であり、その付箋紙に、電子ファイル「E」の「s−e」が関連付けられている。この例において、電子ファイル「E」(例えば電子ファイル121E)は動画ファイルであり、「s−e」はs番目のフレームからe番目のフレームまでの範囲を示す。一方、レコード812に登録されたID「2」によって識別される付箋紙111Bの画像のファイル名は「y.jpg」であり、その付箋紙に、電子ファイル「C」の「p.3」が関連付けられている。この例において、電子ファイル「C」(例えば電子ファイル121C)は複数のページを含む静止画のファイルであり、「p.3」は3番目のページを示す。
レコード813には、レコード811に登録されたものと同じ付箋紙(すなわちID「1」によって識別される付箋紙111A)に関する情報が登録されている。レコード813に登録されたID「1」によって識別される付箋紙の画像のファイル名は「z.jpg」であり、その付箋紙に、電子ファイル「C」の「p.3」が関連付けられている。
これは、例えば、電子ファイル「E」のフレームsからフレームeまでの画像と重なるようにスクリーン120に貼付された付箋紙111Aをカメラ102Bが撮影し、その後、情報管理システムのユーザが付箋紙111Bを電子ファイル「C」の第3ページの画像と重なるように貼付して、その付箋紙111Bをカメラ102Bが撮影し、さらにその後、情報管理システムのユーザが付箋紙111Aを電子ファイル「C」の第3ページの画像と重なるように貼り替えて、その付箋紙111Aをカメラ102Bが撮影したことを意味する。それらの撮影の間に付箋紙111Aが書き換えられていなければ、レコード811の特徴量804「xxxx」とレコード813の特徴量804「zzzz」とは類似するはずである。
なお、付箋紙111Aと電子ファイル「E」のフレームsからフレームeまでの画像とを関連付ける処理は、例えば次のように行われる。まず、プロジェクタ103が電子ファイル「E」の動画をフレームsで静止した状態でスクリーン120に表示し、ユーザが付箋紙111Aをその画像と重なるように貼付して、カメラ102Bが撮影する。次に、付箋紙111Aはそのままで、プロジェクタ103が電子ファイル「E」のフレームeをスクリーン120に表示し、それをカメラ102Bが撮影する。これによって、付箋紙111Aと関連付けられる動画ファイルの範囲の始点と終点が登録される。
電子ファイル「E」が複数ページのテキスト情報又は静止画像情報を含む場合にも、上記と同様の方法で開始ページ及び終了ページを指定することによって、付箋紙111Aに関連付けられる電子ファイル「E」の範囲を登録することができる。
また、レコード811の関連ファイル806の電子ファイル「E」は「種別1」に分類され、レコード813の関連ファイル806の電子ファイル「C」は「種別2」に分類されている。これは、例えば、情報管理システムのユーザが電子ファイル「E」の画像と付箋紙111Aの左上の角とが重なるように付箋紙111Aを貼付し、電子ファイル「C」の画像と付箋紙111Aの右上の角とが重なるように付箋紙111Aを貼付したことを意味する。
次に、関連電子ファイル表示処理について説明する。
図9は、本発明の実施形態の情報管理システムによって実現される関連電子ファイル表示処理の概要の説明図である。
図9に示す付箋紙111A等が貼付された模造紙110は、図1に示したものと同様である。カメラ102Aは、関連ファイルの表示対象の付箋紙を含む少なくとも一つの付箋紙を撮影する。この撮影は、関連ファイルの表示対象の付箋紙が特定可能となるように行われる。例えば、カメラ102Aが関連ファイルの表示対象である一つの付箋紙のみを撮影してもよい。カメラ102Aが複数の付箋紙を撮影する場合、例えば、情報管理システムのユーザが関連ファイルの表示対象の付箋紙を指示する。具体的には、例えば、ユーザが関連ファイルの表示対象の付箋紙(例えば付箋紙111A)を指差した(又は、指し棒若しくはレーザポインタ等によって指示した)状態をカメラ102Aが撮影してもよい。
PC101は、撮影された画像を認識することによって、指示された付箋紙を特定し、その付箋紙に関連付けられた電子ファイル(例えば電子ファイル121E)を特定し、プロジェクタ103がその電子ファイルの画像(例えば画像121E)をスクリーン120に表示する。
なお、図9には画像121Eが図4と同様のスクリーン120に表示される例を示したが、スクリーン120以外の出力装置によっては画像121Eが表示されてもよい。例えば、PC101の入出力装置304に含まれる表示装置によって画像121Eが表示されてもよい。
次に、関連電子ファイル表示処理の詳細について、図10等を参照して説明する。ここでは、図9に示すように、画像121Eに関連付けられた付箋紙111Aが指示された場合を例示しながら説明する。
図10は、本発明の実施形態の情報管理システムによって実行される関連電子ファイル表示処理のフローチャートである。
最初に、カメラ102Aが、複数の付箋紙111A等が貼付された模造紙を撮影する(ステップ1001)。このとき、関連ファイルの表示対象の付箋紙はまだ指示されていない。次に、ステップ1001で撮影された画像をPC101がカメラ102Aから取得し、その画像を補正して保存する(ステップ1002)。ステップ1002の補正は、図5のステップ501及び505と同様の目的で行われるものである。このため、ステップ1002は、ステップ501における四輝点の代わりに所定の長方形(例えば模造紙110自体の輪郭)を利用することによって、ステップ501と同様の方法で実行されてもよい。
次に、カメラ102Aが、ユーザによって指示された関連ファイルの表示対象の付箋紙を含む画像(すなわち、ユーザの指、指し棒又はレーザポインタ等によって模造紙110上の点を指示する情報を含む画像)を撮影し、PC101がその画像から指示された位置を特定する(ステップ1003)。そして、PC101は、特定された位置に基づいて、指示された位置に貼付されている付箋紙を特定する(ステップ1004)。指示された位置は、画像認識部202が画像に含まれるユーザの指等を認識することによって特定される。
例えば、ユーザが対象の付箋紙111Aを指差した場合、付箋紙111Aの表面の一部がユーザの指901によって隠れるため、ステップ1004で撮影された付箋紙111Aの画像を用いて、付箋紙を識別するための画像のマッチングを実行することができない。このため、ステップ1004では指示された位置のみを特定し、その位置に貼付されていた付箋紙111Aはステップ1001において撮影された画像に基づいて特定される。
次に、PC101は、ステップ1004において特定された付箋紙(例えば付箋紙111A)の画像を、ステップ1001において撮影された画像から切り出す(ステップ1005)。この切り出しの具体的な方法は図5のステップ506と同様であってよい。
次に、PC101は、ステップ1005において切り出された付箋の画像に関連付けられた電子ファイルの識別情報を関連管理DB800から取り出す(ステップ1006)。例えば、図7に示したような識別情報に基づいて付箋紙が識別される場合、PC101の画像認識部202がステップ1005において切り出された画像を認識して識別情報を抽出し、処理部203がその識別情報と一致するID801を有するレコードの関連ファイル806に登録された電子ファイルの識別情報を取り出してもよい。あるいは、画像の類似又は抽出されたテキストの一致に基づいて付箋紙が識別される場合、PC101の画像認識部202がステップ1005において切り出された画像を認識してその画像の特徴量又はテキストを抽出し、それと一致又は類似する特徴量804又はテキスト805を有するレコードを処理部203が特定し、そのレコードの関連ファイル806に登録された電子ファイルの識別情報を取り出してもよい。
次に、プロジェクタ103が、ステップ1006において特定された電子ファイルの画像(例えば画像121E)をスクリーン120に表示する(ステップ1007)。具体的には、PC101のファイル検索部205が、ステップ1006において取り出された識別情報によって識別される電子ファイル(例えば電子ファイル121E)をストレージ104から読み出し、表示部204がその電子ファイルの表示をプロジェクタ103に指示する。これによって、例えば、ユーザによって指示された付箋紙111Aに関連する電子ファイルの画像121Eがスクリーン120に表示される。
なお、図8の例では、ID「1」によって識別される付箋紙に、ファイル「E」及びファイル「C」の二つが関連付けられている。このような場合において、ユーザがID「1」によって識別される付箋紙を指示した場合、ファイル検索部205は、ファイル「E」及びファイル「C」を検索し、表示部204は、それらの二つのファイルの画像を並べてスクリーン120上に表示するようにプロジェクタ103に指示してもよい。この例において、ファイル「E」及びファイル「C」はそれぞれ種別1及び種別2に分類されているため、ユーザからさらに表示すべき種別が指定された場合には、その指定された種別に該当するファイルの画像をスクリーン120上に表示してもよい。あるいは、それぞれのファイルの画像と、それぞれのファイルの種別を示す情報と、をスクリーン120上に表示してもよい。
以下、関連登録処理及び関連電子ファイル表示処理の変形例について説明する。
既に説明したように、本実施形態の情報管理システムは、例えばシステム開発の上流工程におけるワークショップの支援に用いることができる。実際のワークショップでは、複数の付箋紙111A等が、それらの相互の関係に応じた模造紙110上の位置に配置され、さらに、必要に応じてその関係を示す線、図形又は記号等が模造紙110上に表示されることがある。このような場合に、模造紙110上の複数の付箋紙111A等の配置、及び、模造紙110上に記載された線、図形又は記号等のパターンを認識することによって、複数の付箋紙111A等の相互の関係を特定し、登録することができる。さらに、特定された関係に基づいて、指示された付箋紙に関連する電子ファイルを表示することもできる。このような付箋紙間の関係の登録及びそれに基づく表示について、図11〜図13を参照して説明する。
図11は、本発明の実施形態の情報管理システムが付箋間の関係を認識して登録する処理の説明図である。
図11には、複数の付箋紙111A等を含む木構造が模造紙110上に表示される例を示す。この例において、模造紙110には付箋紙111A〜111Eが貼付され、さらに、各付箋紙の木構造における親子関係を示す線1101が模造紙110上に表示される。この例において、付箋紙111Aの子は付箋紙111B及び111Cであり、付箋紙111Bの子は付箋紙111D及び111Eである。これらの付箋紙111A〜111E及び線1101がカメラ102Aによって撮影される。例えば、PC101の画像認識部202が付箋紙111A〜111E及び線1101の画像を認識し、処理部203がその認識結果に基づいて上記の親子関係を特定し、その親子関係を示す情報を例えばストレージ104に登録する。
具体的には、例えば、処理部203は、認識された付箋紙111A〜111Eの画像にそれぞれコード「C1」〜「C5」を与え、さらに模造紙110全体の認識結果から特定された上記の親子関係をコード「C1」〜「C5」によって表現するテーブル1102を登録してもよい。
なお、上記のコードの付与は、図5のステップ510と同様の方法によって行うことができる。このため、上記のコードの代わりに関連管理DB800のID801を用い、テーブル1102を作成する代わりに、関連管理DB800に各付箋紙の親付箋紙及び子付箋紙のIDを登録するフィールドを追加してもよい。
図12は、本発明の実施形態の情報管理システムが付箋間の関係を認識して登録する処理の別の例の説明図である。
図11には木構造が模造紙110上に表示される例を示したが、他の構造が表示される場合もある。図12には、複数の付箋紙111A等を含むマトリクスが表示される例(図12(A))、プロセスが表示される例(図12(B))及び包含関係を示す図が表示される例(図12(C))を示す。
図12(A)の例では、付箋紙111Aが「い」行の「A」列に、付箋紙111Bが「ろ」行の「B」列に、付箋紙111Cが「い」行の「C」列に、付箋紙111Dが「は」行の「B」列に、付箋紙111Eが「は」行の「C」列に、それぞれ配置される。この場合、図11の例と同様に各付箋紙にコードが与えられ、それぞれの付箋紙が属する行及び列を示すテーブル1201が作成及び登録される。図11の場合と同様、テーブル1201の代わりに、各付箋紙が属する行及び列を登録するフィールドが関連管理DB800に追加されてもよい。
図12(B)の例では、付箋紙111A〜111Dが左から右方向に一列に並べられ、さらに、付箋紙111Dの下に付箋紙111Eが配置され、付箋紙111Cから付箋紙111Eに向かう矢印1202が記載されている。この左右方向の配置及び矢印は、前後関係(例えば各付箋紙に記載された課題が発生する順序)を示しており、付箋紙111Aの後に付箋紙111Bが、付箋紙111Bの後に付箋紙111が、付箋紙111Cの後に付箋紙111D及び111Eが、それぞれ対応付けられる。この場合も、図11の例と同様に各付箋紙にコードが与えられ、このプロセス図によって特定される付箋紙の前後関係を示すテーブル1203が作成及び登録される。また、図11の場合と同様、テーブル1203の代わりに、各付箋紙の前後の付箋紙のIDを登録するフィールドが関連管理DB800に追加されてもよい。
図12(C)の例では、付箋紙111B及び111Cが付箋紙111Aに包含され、付箋紙111Dが付箋紙111Aに包含されることを示す図形1204が表示されている。これは、例えば付箋紙111B及び111Cに記載された課題が付箋紙111Aに記載された課題に包含され、付箋紙111Dに記載された課題が付箋紙111Aに記載された課題に包含されることを意味する。この場合も、図11の例と同様に各付箋紙にコードが与えられ、付箋紙の包含関係(親子関係)を示すテーブル1205が作成及び登録される。また、図11の場合と同様、テーブル1205の代わりに、各付箋紙を包含する付箋紙及び各付箋紙に包含される付箋紙のIDを登録するフィールドが関連管理DB800に追加されてもよい。
図13は、本発明の実施形態の情報管理システムが付箋間の関係に基づいて電子ファイルの画像を表示する処理の説明図である。
図13には、例として、図11に示す木構造に基づいてテーブル1102に示す付箋紙間の関係が登録された場合の電子ファイルの表示を示す。この例において、さらに、付箋紙111D及び111Eにそれぞれ電子ファイル1301及び1302が関連付けられているが、付箋紙111Bには電子ファイルが関連付けられていない。この場合において、付箋紙111Bがユーザによって指示された場合(図10のステップ1003)、図10で説明した関連電子ファイル表示処理によれば、付箋紙111Bに関連付けられている電子ファイルがないため、スクリーン120には画像が表示されない。しかし、図13の例では、付箋紙111Bの子に相当する付箋紙111D及び111Eに関連付けられた電子ファイル1301及び1302の画像がスクリーン120に表示される。
このように表示される範囲をユーザが指定してもよい。例えば、ユーザは、1世代下の子の付箋紙に関連付けられた電子ファイルを表示する、2世代下までの子の付箋紙に関連付けられた電子ファイルを表示する、1世代上の親の付箋紙に関連付けられた電子ファイルと1世代下の子の付箋紙に関連付けられた電子ファイルの両方を表示する、等の条件を指定してもよい。
次に、電子ファイルが関連付けられた付箋紙を、さらに任意のオブジェクトに関連付けて、その関連付けに基づいて電子ファイルを表示する例について図14及び図15を参照して説明する。
図14は、本発明の実施形態の情報管理システムがオブジェクトと付箋紙とを関連付ける処理の説明図である。
図14に示す図表1401は、例えば、ワークショップにおいて作成された業務フローの全体俯瞰図等であり、模造紙110に貼付された付箋紙の記載内容及び模造紙110に書き込まれた図等を清書したものであってもよいし、紙に印刷されたものであってもスクリーン120等に表示されたものであってもよい。この図表1401に、例えば、「困惑」という文字列を含む星型の図形のオブジェクト1402が表示されている。
例えば、このオブジェクト1402が、ワークショップで使用された付箋紙111Aに関連するものである場合、ユーザは、付箋紙111Aをオブジェクト1402に重なるように(具体的には例えば付箋紙111Aの左上の角がオブジェクト1402の範囲に含まれるように)貼付し、それをカメラ102A(又はカメラ102B)が撮影する。
PC101は、図5に示したものと同様の方法によって、付箋紙111Aとオブジェクト1402とを関連付ける。具体的には、例えば、関連管理DB800に、付箋紙111Aとオブジェクト1402とを関連付ける情報を追加してもよい。付箋紙111Aには既に電子ファイル121Eが関連付けられているため、結局、付箋紙111Aを介してオブジェクト1402と電子ファイル121Eとが関連付けられる。
図15は、本発明の実施形態の情報管理システムがオブジェクトに関連付けられた電子ファイルの画像を表示する処理の説明図である。
図14に示すようにオブジェクト1402と電子ファイル121Eとが関連付けられた後、ユーザがオブジェクト1402を指示し、それをカメラ102A(又はカメラ102B)が撮影する。PC101は、撮影された画像を取得し、図10に示したものと同様の方法によって、指示されたオブジェクト1402を特定し、関連管理DB800に基づいて、オブジェクト1402に関連付けられた電子ファイル121Eを特定し、特定された電子ファイル121Eの画像の表示をプロジェクタ103に指示する。プロジェクタ103は、電子ファイル121Eの画像をスクリーン120に表示する。なお、図9の場合と同様、プロジェクタ103及びスクリーン120の代わりに別の表示装置が使用されてもよい。
以上の通り、本発明の実施形態の情報管理システムは、スクリーン上に複数の電子ファイルが表示されている場合であっても、付箋と電子ファイルとの関連を適切に特定し、記録することができる。さらに、付箋が指示されたことを検出して、それに関連する電子ファイルを出力することができる。