JP5845484B2 - 新規酵母およびそれを用いたエタノールの製造方法 - Google Patents
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Description
また、本発明は、当該酵母を用いたエタノールの製造方法に関する。
エタノールは、自動車用のガソリン燃料に添加できる理想的な燃料である。特に、バイオマスから製造されるバイオエタノールは、二酸化炭素の排出削減に直結するガソリン添加剤である。
現状では、バイオエタノール製造に用いられる原料としては、サトウキビ, ビート等の作物に含まれる糖分や、トウモロコシ等の食用作物の澱粉が主に用いられている。
しかし、これらは農業資源作物であるため、非常に高価であり、エタノールの大規模製造用の原料として使用することは困難である。
しかし、これらバイオマスの主成分は、セルロース, ヘミセルロース, ペクチンであり、その構成糖への分解技術が進められている(例えば、特許文献1 参照)。
また、これらを構成する糖としては、6炭糖類であるグルコース, フルクトースの他に、5炭糖類であるアラビノース, ラムノース, キシロース等も多く含まれる。
そこで、バイオエタノールの安価安定供給のためには、これらの糖類から効率良くエタノールを生産する技術開発が求められている。
糖類からエタノールを効率良く生産できる手段としては、酵母による発酵が有効である。しかし、酵母の種類には、これらのうち6炭糖類の単糖類を基質として効率よくエタノール発酵するものが多く知られているが、同時に5炭糖類からのエタノール発酵を効率良く行える種類(菌株)は、現在知られていない。
例えば、6炭糖類であるグルコースを効率よくエタノール発酵できる酵母としては、Saccharomyces属が良く知られているが、5炭糖類からはエタノール発酵することが出来ない。
一方、Pichia stipitisやCandida shihataeは、5炭糖類であるキシロースからエタノール発酵できる酵母であるが、6炭糖類であるグルコースからの発酵効率は極めて低い。
また、遺伝子組み換えや変異体の作出技術により、6炭糖類と5炭糖類の両方に対する発酵性を有するSaccharomyces cerevisiae、Zymomonus属の細菌、大腸菌などが作出されているが(例えば、特許文献2,3等 参照)、発酵能やエタノール耐性が不十分であり、実用に耐える微生物は存在しない。
当該方法では、一段階目の発酵(一次発酵)で6炭糖類発酵性酵母を用いて6炭糖類をエタノールに変換し、得られた発酵液をガスストリッピング法でエタノールを回収する。そして、その後さらに5炭糖類発酵性酵母を用いて二段階目の発酵(二次発酵)を行い、5炭糖類をエタノールに変換する方法である。
しかしながら、当該二段階発酵法では、一次発酵を通常のSaccharomyces属酵母の至適発酵温度である28℃で行う必要があるため、発酵に伴う温度上昇から発酵中に冷却を行う必要がある。
また、当該方法では、一次発酵が終了した後、二次発酵の発酵を開始する前に、ガスストリッピングによるエタノール除去工程が必要であり、操作が煩雑となっていた。
また、当該方法では、一次発酵が終了した後に、一次発酵の酵母を分離する必要があり、凝集性酵母を用いる必要性がある。しかし、凝集性酵母のエタノール生産性は低い傾向があり、生産効率の点で課題があった。
従って、当該二段階発酵法を実用化するためには、さらなる改良が望まれているのが現状である。
具体的には、バイオマス原料からのエタノール製造に適した二段階発酵法において、一次発酵(6炭糖類からのエタノール発酵)に適した酵母を提供することを目的とする。
なお、当該SS4-5株は、雑菌の繁殖を抑制できる低pH条件においても、優れたエタノール発酵性を有する菌株であった。
〔請求項1〕に係る本発明は、以下(1)〜(6)に記載の菌学的性質を有することを特徴とする、Schizosaccharomyces japonicusに属する酵母、に関するものである。
(1) グルコースからのエタノール発酵において、以下に記載の性質を有する性質。
(1-1) 37〜44℃にて至適にエタノール発酵できる性質。
(1-2) pH3〜7にて至適にエタノール発酵できる性質。
(1-2) エタノール発酵時に凝集する性質。
(2) 26SrDNA-D1/D2領域の塩基配列として、配列番号1に記載の塩基配列, 又は, 配列番号1に記載の塩基配列と97%以上の相同性を示す塩基配列, をゲノムDNA中に有する性質。
(3) 以下に記載の資化性及び非資化性を有する性質。
(3-1) グルコース, シュークロース, マルトース, 又はラフィノースを資化できる性質。
(3-2) ガラクトース, L-ソルボース, D-グルコサミン, D-リボース, D-キシロース, L-アラビノース, D-アラビノース, L-ラムノース, トレハロース, αメチル-D-グルコシド, セロビオース, サリシン, メリビオース, ラクトース, メレチトース, 可溶性デンプン, グリセロール, エリスリトール, リビトール, D-グルコン酸, エタノール, 硝酸, 又はL-リジンを資化できない性質。
(4) 以下に記載のエタノール発酵性及び非発酵性を有する性質。
(4-1) グルコース, シュークロース, 又はマルトースを基質としてエタノール発酵できる性質。
(4-2) ガラクトース又はラクトースを基質としてエタノール発酵できない性質。
(5) YM平板培地において25℃で3日間培養後に形成されたコロニーが、以下に記載の形態を示す性質。
(5-1) 周縁が全縁であり、周縁部が扁平で中央部がクッション形である性質
(5-2) 表面が平滑であり、バター様で湿性のある性質。
(5-3) コロニーの色調が白色からクリーム色である性質。
(6) 以下に記載の細胞的性質を有する性質。
(6-1) 栄養細胞が亜球形から円筒形である性質。
(6-2) 分裂によって増殖する性質。
(6-3) 子嚢胞子の形状が球形である性質。
〔請求項2〕に係る本発明は、Schizosaccharomyces japonicus SS4-5株(受託番号NITE P-1197)である酵母、に関するものである。
〔請求項3〕に係る本発明は、グルコースからのエタノール発酵において、以下(A)〜(C)に記載の菌学的性質を有することを特徴とする、Schizosaccharomyces japonicus SS4-5株(受託番号NITE P-1197)に由来する変異体である酵母、に関するものである。
(A) 37〜44℃にて至適にエタノール発酵できる性質。
(B) pH3〜7にて至適にエタノール発酵できる性質。
(C) エタノール発酵時に凝集する性質。
〔請求項4〕に係る本発明は、請求項1〜3に記載のいずれかの酵母を用いてエタノール発酵を行うことを特徴とする、エタノールの製造方法、に関するものである。
〔請求項5〕に係る本発明は、前記エタノール発酵における発酵基質の原料として、バイオマス原料の糖化液を用いることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法、に関するものである。
〔請求項6〕に係る本発明は、前記エタノール発酵をpH2〜6の条件で行うことを特徴とする、請求項4又は5に記載のエタノールの製造方法、に関するものである。
〔請求項7〕に係る本発明は、前記エタノール発酵を35〜45℃の温度条件で行い, 且つ, 前記発酵によって生成したエタノールを発酵と同時に蒸留回収することを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載のエタノールの製造方法、に関するものである。
〔請求項8〕に係る本発明は、前記エタノール発酵を行った後、さらに5炭糖類の糖類に対するエタノール発酵性を有する微生物を用いて二次発酵を行うことを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載のエタノールの製造方法、に関するものである。
また、本発明では、発酵を行いながら同時に生成されたエタノールを蒸留で回収することを可能とする。
また、本発明では、発酵後の酵母と発酵液の分離を容易に行うことが可能となる。これにより、回収した酵母菌体を用いて連続発酵を行うことも可能となる。
また、本発明では、雑菌の繁殖が抑制される低pH条件でのエタノール生産が可能となる。
具体的には、一次発酵(6炭糖類からのエタノール発酵)と同時に生成したエタノールを蒸留することが可能とし、ガスストリッピングによるエタノール除去工程を行うことなく、二次発酵(別途酵母による5炭糖類からのエタノール発酵)が可能とする。
また、一次発酵終了後の発酵液からの分離を非常に簡便に行うことが可能となる。
本発明は、グルコースからのエタノール発酵、特にバイオマス原料からのエタノール製造に適した二段階発酵法に適した新規酵母に関する発明である。
・分類
本発明の酵母は、Schizosaccharomyces japonicusに属する酵母である。ここで、Schizosaccharomyces属とは、子嚢菌類に属する分裂酵母の一種である。
本発明の酵母としては、具体的には、26SrRNA遺伝子の一部である26SrDNA-D1/D2領域として、Schizosaccharomyces japonicusに属する菌株と同一の26SrDNA-D1/D2領域を、ゲノムDNA中に有するものである。
具体的には、配列番号1に記載の塩基配列と97%以上, 好ましくは98%以上, さらには99%以上の相同性を示す26SrDNA-D1/D2領域を、ゲノムDNA中に有する酵母である。
最も好ましくは、配列番号1に記載の塩基配列と完全一致する26SrDNA-D1/D2領域を、ゲノムDNA中に有する酵母である。
本発明の酵母の栄養細胞は、亜球形から円筒形の形状を有し、分裂によって増殖する性質を有するものである。また、子嚢胞子の形成能を有し、当該子嚢胞子の形状は球形である。
また、当該コロニーの表面は平滑であり、バター様で湿性のある性質を有するものである。
また、当該コロニーの色調は、白色からクリーム色を呈するものである。
本発明の酵母は、6炭糖類であるグルコースを基質として優れたエタノール発酵能を有する酵母である。具体的には、通常のエタノール生産に用いられるSaccharomyces属やSchizosaccharomyces属の酵母と同程度の高い発酵効率とエタノール耐性を有する。
なお、本発明の新規酵母は、発酵が進行しエタノール濃度が高くなった場合でも、優れたエタノール耐性と発酵性を有する。
なお、本発明の酵母は、バイオマス原料の糖化液に含まれるグルコース等についても、好適に発酵基質とすることができる。
また、5炭糖類に属する単糖類全般(D-リボース, D-キシロース, L-アラビノース, D-アラビノース, L-ラムノース等)についての資化性が全くないことから、これらに対する発酵性も有さない。
本発明の酵母は、炭素源としてグルコース, シュークロース, マルトース, ラフィノースに対する資化性を有する。
一方、炭素源として、ガラクトース, L-ソルボース, D-グルコサミン, D-リボース, D-キシロース, L-アラビノース, D-アラビノース, L-ラムノース, トレハロース, αメチル-D-グルコシド, セロビオース, サリシン, メリビオース, ラクトース, メレチトース, 可溶性デンプン, グリセロール, エリスリトール, リビトール, D-グルコン酸, エタノールについては、全く資化性を有さない。
また、窒素源として、硝酸(無機態窒素化合物), L-リジン(有機態窒素化合物であるアミノ酸)に対する資化性を有さない。
本発明の酵母は、通常のSaccharomyces属やSchizosaccharomyces属の酵母(至適発酵温度:28℃)では生育及びエタノール発酵しえない高温条件において、至適に生育し且つエタノール発酵をする性質を有する。
具体的には、35〜44℃、好ましくは37℃〜44℃、さらには40〜43℃、特には42℃付近で
至適生育性及び至適エタノール発酵性を有する酵母である。
なお、当該酵母は、前記至適範囲より低温や高温であっても、菌の活性自体は落ちるが生育や発酵自体は可能である。
例えば、至適範囲より低温である35℃未満(例えば20℃以上〜35℃未満)においても、生育及びエタノール発酵自体は可能である。また、前記至適範囲より高温である44℃より高い温度(例えば44℃より高い温度〜46℃以下)においても、生育及びエタノール発酵自体は可能である。
本発明の酵母は、酸性〜中性付近であるpH3〜7、好ましくはpH4〜7、さらに好ましくはpH5〜7において、至適に生育及びエタノール発酵する性質を有する酵母である。
即ち、本発明の新規酵母の当該至適pH域は、通常の酵母では生育・発酵に適さない低pH域(具体的にはpH3〜4)であっても、高い生育性や発酵性を示す酵母である。
本発明の酵母は、上記のような優れたエタノール発酵性を有するにも関わらず、優れた凝集性を有する酵母である。
ここで凝集性とは、静置状態の培養(発酵)中において、細胞が相互作用により凝集塊を形成し、沈降する性質を指すものである。
具体的には、本発明の酵母は、発酵中は発生した二酸化炭素の気泡により浮遊する傾向があるものの、発酵終了後は、発酵タンクの下に凝集して完全に沈殿する性質を有する。
なお、自然界に存在する凝集性酵母には、エタノール発酵性が不十分なものがほとんどであり、高いエタノール発酵性と凝集性の両方の形質を有する酵母は極めて稀である。
本発明の酵母として具体的な菌株としては、「Schizosaccharomyces japonicus SS4-5株」を挙げることができる。当該SS4-5菌株は、秋田県内の土壌から分離された菌株である。
なお、当該菌株は、2012年1月27日付けで独立行政法人製品評価技術基盤機構(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に、受託番号 NITE P-1197としてSS4-5の名称で寄託が認められた菌株である。
例えば、上記記載した菌学的性質の一部が異なるものや、上記菌学的性質以外の性質を有するSS4-5菌株由来の変異体菌株も、本発明の酵母に含まれる。
本発明では、上記酵母を用いてエタノール発酵を行うことにより、効率的にエタノール製造を行うことが可能となる。
本発明のエタノール製造方法では、上記酵母を用いることにより、発酵温度を35〜45℃,好ましくは37〜44℃, 特には40〜44℃の高温条件で発酵を行うことが可能となる。
これにより、当該エタノール製造においては、発酵熱の冷却を行うことなく、エタノール発酵を行うことが可能となる。
また、当該エタノール製造において、当該高温条件にて発酵を行うことにより、生成したエタノールを発酵と同時に蒸留回収することが可能となる。即ち、発酵と蒸留の同時操作が可能となる。
また、ここでの蒸留操作は、減圧条件にて行うことが効率の点で好適であるが、40℃以上で発酵を行う場合、常圧条件でも好適にエタノール蒸留が可能である。
なお、当該エタノール発酵は、嫌気でおこなわれるため、酸素の供給は必要としない。
具体的には、pH2〜6, 好ましくはpH2.5〜5, 最も好ましくはpH3〜4の低pH条件にて発酵を行うことで、雑菌の繁殖を抑えつつ、効率的なエタノール生産を行うことが可能となる。
本発明のエタノール製造に用いる原料としては、グルコース, シュークロース, マルトースを含む液体であれば如何なるものも用いることができるが、本発明の酵母の発酵基質に適したグルコース(6炭糖類)を多く含む液体を用いることが望ましい。
これらのうち、エリアンサス、スイートソルガム、稲わらは、高い乾物生産性を有し、バイオエタノール原料として好適である。
本発明のエタノール製造方法では、上記酵母の凝集性により、発酵後の発酵液と菌体の分離が極めて容易に行うことができる。
そのため、実際の製造ラインにおいて、発酵後のタンク下から酵母のみを取り出し、発酵液と分離することが容易でなる。
また、発酵スケールが小さい場合は、デカンテーション等によって、簡便に行うことも可能となる。
なお、当然であるが、遠心操作やフィルター等での回収操作で行うことも可能である。
また、回収した発酵液に含まれる別の糖類(例えば、キシロース等)ついて、別の発酵微生物を用いた二次発酵を行うことも容易となる。
なお、通常の凝集性のない酵母を用いた場合では、発酵終了後も発酵液に浮遊しているため遠心分離等の煩雑な操作が必要となり、簡便には分離操作を行うことができない。
本発明のエタノール製造において、原料として上記バイオマス原料の糖化液を用いる場合、二段階発酵法で行うことが望ましい。
本発明における二段階発酵法では、一次発酵で本発明の酵母を用いてグルコース等(6炭糖類)をエタノールに変換し、得られた発酵液に対して、さらに別の微生物(5炭糖類発酵性微生物)を用いて二次発酵を行い、5炭糖類をエタノールに変換する方法である。
また、当該態様では、発酵液中のエタノール濃度を減少させることができるため、ガスストリッピングによるエタノール除去工程を行うことなく、二次発酵を行うことが可能となる。
(1)「エタノール濃度の測定」
以下の試験例及び実施例において、エタノール濃度の測定は、アルコール分析器(アルコメイト:理研計器(株))を用いて測定した。
なお、測定値は、液量%(v/v), 又は, 液量あたりの重量含量(g/L)で示した。
以下の試験例及び実施例において、「培地中のグルコースの全てをエタノールに変換した場合の理論値(初発グルコースに0.51を乗じた値)」に対する「実際に発酵後に実測されたエタノール量」の割合を、式(1)を用いて算出し、グルコースからのエタノール収率(%)とした。
また、キシロースからのエタノール収率(%)についても、式(2)を用いて同様に算出した。
以下の試験例及び実施例において、グルコース濃度の測定は、JKインターナショナルFキットグルコースを用いた酵素法により測定した。また、キシロース濃度の測定は、メガザイム社キシロースキットを用いた酵素法により測定した。
また、これらの測定値は、重量%(w/v)で示した。
様々な微生物源から、高温でのエタノール生産性に優れた酵母の分離を行った。
秋田県内の土壌, 腐葉土, 花等を微生物源として採集し、それぞれ1gを試験管に取り、滅菌した水道水10mLを加えて懸濁した。
この懸濁液1mLを、YPD液体培地(酵母エキス1%, ポリペプトン2%, グルコース2%)10mLの入った試験管に加えて、37℃で2日間静置培養した。
その後、微生物の増殖が確認された試験管の培養液をサンプリングし、培養液中に含まれるエタノール濃度を測定した。そして、エタノール含有量が特に高かった培養液を選定した。
なお、ここで培養液中から検出されたエタノールは、YPD培地中のグルコースから微生物によって生産されたものと考えられる。
これらの培養液中には、エタノール発酵としては高温条件である37℃において、エタノール生産可能な微生物が含まれていると推測された。
上記で選定した培養液を滅菌水で希釈し、YPD寒天培地に塗布し、37℃のインキュベーター中でプレート培養した。
培養開始から2日後に培地上にコロニーの形成が認められた。これらのうち、カビ以外でかつ形状が大きな酵母のコロニーを各微生物源について6個ずつ選定し(7種類の微生物源からなので計42個)、表1に記載の菌株として分離した。
試験例1で分離した酵母42菌株について、高温でのエタノール生産性と凝集性に優れた菌株の選定を行った。
50mL試験管に、無菌濾過したYPD液体培地(酵母エキス1%, ポリペプトン2%, グルコース5%)20mLを入れ、上記1次スクリーニングで選定した酵母菌株を1白金耳接種した。これを、恒温振盪培養装置にて37℃, 回転数80rpmの条件で24時間振盪培養した。
次いで、上記(1)で調製した前培養液1mLを、YPD液体培地(酵母エキス1%, ポリペプトン2%, グルコース10%, pH6.4)10mLの入った試験管に加えて、37℃, 40℃, 45℃の各温度で2日間静置培養を行った。
培養後の増殖度合いについて、目視にて4段階で評価した。結果を表1に示した。なお、表中において、「+++」は顕著に増殖した、;「++」は通常に増殖した、;「+」は若干増殖、;「-」は全く増殖しない、;をそれぞれ示した。
上記(2)における37℃での静置培養液(発酵液)について、エタノール濃度を測定した。
また、測定値から、培地中グルコースからのエタノール収率(%)を算出した。これらの結果を表1に示した。
また、上記(2)における37℃での静置培養液(発酵液)について、試験管内における酵母の凝集性の有無を観察し、目視にて3段階で評価した。結果を表1に示した。なお、表中において、「++」は凝集した、;「+」は若干凝集した、;「-」は全く凝集しなかった、;をそれぞれ示した。
上記評価結果を総合的に判断して、SS4-3株, SS4-4株, SS4-5株, SS4-6株の4菌株には、高温でのエタノール生産性が高いことに加えて、発酵時に凝集性を有する優れた性質がある酵母であることが示された。
試験例2で選抜されたSS4-3株, SS4-4株, SS4-5株, SS4-6株の菌株について、エリアンサス(バイオマス原料)を糖化した液に対するエタノール生産性を評価した。
乾燥したエリアンサスを、カッターミル及びハンマーミルを用い、平均粒径約200μmとなるように粉砕した。次に、粉砕したエリアンサスを液体アンモニアに導入し、100℃, 6.3MPaのアンモニア中で処理を行った。
アンモニア処理後、pHを4.5に調整し、スラリー濃度5%のバイオマス懸濁液を得た。当該バイオマス懸濁液に糖化用酵素としてCelluclast 1.5 L及びNovozyme 188(共に登録商標, ノボザイムズ社製)を添加し、37℃で酵素糖化を行った。
酵素糖化後の懸濁液は、遠心分離及び濾過により固液分離し、得られた溶液をロータリーエバポレーターによりキシロース濃度が3%以上になるように濃縮し、‘エリアンサス糖化液’とした。
なお、得られた糖化液中のグルコース濃度は6.6%、キシロース濃度は3.2%であった
試験例2(1)で調製したSS4-3株, SS4-4株, SS4-5株, SS4-6株の前培養液1mLを、それぞれエリアンサス糖化液10mLの入った試験管に加えて、37℃で2日間静置培養を行った。
そして、得られた静置培養液(発酵液)について、エタノール濃度を測定した。
このことから、SS4-5株を用いることによって、バイオマス処理物であるエリアンサス糖化液から、バイオエタノール生産を極めて効率的にできることが示された。
なお、SS4-4株とSS4-5株とのエタノール生産量の経時変化を比較した結果を、図1に示した。
上記選抜したSS4-5株酵母について、以下の試験により菌学的性質を調べた。
YM平板培地において、25℃で3日間培養後のコロニーの形態を観察した。コロニーの詳細な形態は表2に示す性質であった。
顕微鏡下において微視的観察を行うため、SS4-5株をYM平板培地上で25℃下において培養を行った。
観察の結果、培養開始3日目の栄養細胞は、亜球形から円筒形であり、増殖は分裂によって行われること(分裂酵母であること)が確認された。
また、培養開始1ヶ月経過した後では、YM平板培地上に球形の子嚢胞子の形成が認められた。
SS4-5株の各種炭素源の資化性を調べ、結果を表3に示した。なお、表中において、「++」は資化性あり、;「+」は弱い資化性、;「-」は資化性なし、;を示す。
なお、SS4-5株は、ヘミセルロースやペクチンの構成糖であるリボース、キシロース、アラビノースに対する資化性を示さなかった。
SS4-5株の各種糖類からのエタノール発酵性を調べ、結果を表4に示した。なお、表中において、「++」は発酵性あり、;「+」は弱い発酵性、;「-」は発酵性なし、;を示す。
この結果から、SS4-5株には、グルコースからエタノール生産が可能であることが確認された。
また、各種糖類からのいずれの発酵中においても、SS4-5株は凝集性を示すことが確認された。
SS4-5株の各種窒素源の資化性を調べ、結果を表5に示した。なお、表中において、「++」は資化性あり、;「+」は弱い資化性、;「-」は資化性なし、;を示す。
SS4-5株について、37℃, 40℃, 42℃, 45℃での増殖能を調べることにより、温度耐性を調べた。試験は、試験例2(2)と同様の方法に準じて行い、培養後の増殖度合いを目視にて3段階で評価した。
なお、対照として、通常のエタノール生産に用いるSaccharomyces cerevisiae(至適発酵温度28℃)でも同様にして試験を行った。結果を表6に示した。
なお、表中において、「++」は増殖した、;「+」は若干増殖した、;「-」は全く増殖しなかった、;をそれぞれ示す。
一方、通常のエタノール生産に用いる酵母であるS. cerevisiaeでは、37℃以上では全く増殖しないことが確認された。
上記選抜したSS4-5株の種の同定を行った。
簡易形態観察の結果、SS4-5株は、Schizosaccharomyces japonicusの形態学的特徴(Kutzman, 2011)と一致する形態的特徴を有することが示された。
SS4-5株を試験例2(1)と同様にしてYPD液体培地にて振盪培養した後、回収した菌体からのDNA抽出を行った。
そして、26SrDNA-D1/D2領域のユニバーサルプライマーセット(配列番号2,3で示すプライマーセット)を用いてPCRを行い、PCR産物をダイレクトシーケンスして、SS4-5株の26SrDNA-D1/D2領域の塩基配列(配列番号1)を決定した。
アポロンDB-FUに対するBLASTサーチ(Altshul, 1997)の結果、SS4-5株の26SrDNA-D1/D2領域の塩基配列は、子嚢菌系の分裂酵母の一種であるSchizosaccharomyces japonicusの基準株であるNRRL Y1361T株の26SrDNA-D1/D2領域塩基配列(Accession number:U94943)と、完全一致する(100%の相同性を有する)ことが示された。
これらの結果から総合的に判断し、SS4-5株はSchizosaccharomyces japonicusに帰属する新規の酵母菌株であると判断された。そこで、当該菌株をSchizosaccharomyces japonicus SS4-5株と命名した。
なお、当該菌株は、2012年1月27日付けで独立行政法人製品評価技術基盤機構(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に、受託番号 NITE P-1197としてSS4-5の名称で寄託が認められた菌株である。
SS4-5株を用いて、発酵との同時蒸留が可能な高温条件(44℃)でのエタノール生産が可能かを検証した。
500mL三角フラスコに、YPD液体培地(酵母エキス1%, ポリペプトン2%, グルコース2%)100mLを入れ、オートクレーブで121℃, 15分間滅菌した。当該液体培地にSS4-5株を1白金耳植菌し、これを、恒温振盪培養装置にて37℃, 回転数120rpmの条件で24時間振盪培養した。
上記方法で得られた前培養液について、無菌的に3,000rpmで遠心分離を行って、沈殿した菌体を回収し、YPD液体培地(酵母エキス1%, ポリペプトン2%, グルコース7%, pH6.4)100mLの入った500mL三角フラスコに入れた。
これを44℃、80rpmにて振盪培養することでエタノール発酵を行い、経時的にエタノール濃度を測定した。結果を図2に示した。
このことから、SS4-5株を用いることによって、通常の酵母ではエタノール発酵が不可能である44℃という高温条件(発酵との同時蒸留が可能な温度条件)においても、効率的なエタノール生産が可能であることが示された。
SS4-5株を用いて、雑菌の増殖抑制に有効な低pH条件でのエタノール生産が可能かを検証した。
500mL三角フラスコに、YPD液体培地(酵母エキス1%, ポリペプトン2%, グルコース2%)100mLを入れ、オートクレーブで121℃, 15分間滅菌した。当該液体培地にSS4-5株を1白金耳植菌し、これを、恒温振盪培養装置にて37℃, 回転数120rpmの条件で24時間振盪培養した。
YPD液体培地として、pHを3, 4, 5, 6, 7にそれぞれ調製したYPD液体培地を用いたことを除いては、実施例1(2)に記載の方法と同様にして44℃でのエタノール発酵を行い、経時的にエタノール濃度を測定した。結果を図3に示した。
また、pH3の条件では、約23時間の発酵により、約28g/L(w/v)のエタノールが生成されることが示された。当該培地中グルコースからのエタノール収率は約78.4%であった。
SS4-5株を用いて、エリアンサス(バイオマス原料)を糖化した液からの高温条件でのエタノール生産が可能かを検証した。
実施例1(1)に記載の方法と同様にして振盪培養を行い、SS4-5株の培養液100mLを調製した。
YPD液体培地の代わりに、試験例3(1)で調製したエリアンサス糖化液(グルコース濃度6.6%、キシロース濃度3.2%)を用いたことを除いては、実施例1(2)に記載の方法と同様にして、44℃でのエタノール発酵を行い、経時的にエタノール濃度を測定した。結果を図4に示した。
このことから、SS4-5株を用いることによって、44℃という高温条件においても、エリアンサス糖化液中のグルコースからエタノール生産が可能であることが示された。
SS4-5株を用いて、高温条件でのエタノール連続生産が可能かを検証した。
実施例1(1)に記載の方法と同様にして振盪培養を行い、SS4-5株の培養液100mLを調製した。
上記方法で得られた前培養液について、無菌的に3,000rpmで遠心分離を行って、沈殿した菌体を回収し、YPD液体培地(酵母エキス1%, ポリペプトン2%, グルコース7%, pH6.4)100mLの入った500mL三角フラスコに入れた。
これを42℃, 80rpmにて振盪培養することで約22時間のエタノール発酵を行った。その後、約22時間ごとに培地交換を行い(5回目の発酵の時のみ約5時間で交換を行い)、合計9回連続して、繰り返しエタノール生産を行った。
また、発酵中においては、経時的にエタノール濃度を測定した。結果を図5に示した。
これは、SS4-5株の優れた凝集性により奏される効果であり、培地交換の際の菌体ロスが顕著に防止できることが実証された。
SS4-5株と、Pichia stipitis SS39-1株(キシロースからのエタノール生産能を有する酵母)を用いて、2段階発酵法によるエタノール生産が可能かを検証した。
実施例1(1)に記載の方法と同様にして振盪培養を行い、SS4-5株の培養液100mLを調製した。
上記方法で得られた前培養液について、無菌的に3,000rpmで遠心分離を行って、沈殿した菌体を回収し、YPD液体培地(酵母エキス1%, ポリペプトン2%, グルコース7%, キシロース5%)100mLの入った500mLナス型フラスコに入れた。
これを、44℃でマグネチックスターラーを用いて撹拌しながら培養することで、グルコース(6炭糖類)からのエタノール発酵(一次発酵)を行った。なお、発酵はエバポレーターで減圧蒸留しながら行った。
一次発酵終了後、培養液を無菌的に回収し、得られた培養液を滅菌済みの500mL三角フラスコに入れた。
そこへ、Pichia stipitis SS39-1株を植菌して、28℃, 80rpmにて振盪培養することで、キシロース(5炭糖類)からのエタノール発酵(二次発酵)を行った。
なお、発酵中においては、培地中のエタノール濃度, グルコース濃度, キシロース濃度を経時的に測定した。これらの結果を図6に示した。
これにより、一次発酵終了後に、培地中からのエタノール除去工程(従来法では必須の工程)を行うことなく、直接二次発酵(キシロースからの発酵)が可能となることが示された。
また、一次発酵完了に要した時間は約6時間であり、二次発酵まで完全に完了した時間は合計約23時間であった。
エリアンサス(バイオマス原料)を糖化した液から、二段階発酵法によるエタノール生産が可能かを検証した。
実施例1(1)に記載の方法と同様にして振盪培養を行い、SS4-5株の培養液100mLを調製した。
YPD液体培地の代わりに、試験例3(1)で調製したエリアンサス糖化液(グルコース濃度6.6%、キシロース濃度3.2%)を用いたことを除いては、実施例5(2)に記載の方法と同様にして、44℃での一次発酵と28℃での二次発酵を行い、エタノール濃度, グルコース濃度, キシロース濃度を経時的に測定した。結果を図7に示した。
また、本試験においては、一次発酵によるグルコースからのエタノール収率は90%であり、二次発酵によるキシロースからのエタノール収率は75%であった。
また、一次発酵完了に要した時間は約7時間であり、二次発酵まで完全に完了した時間は合計約29時間であった。
これにより本発明は、セルロース系バイオマス原料からのバイオエタノール製造に最適な、二段階発酵法の実用化に貢献する技術となることが期待される。
Claims (8)
- 以下(1)〜(6)に記載の菌学的性質を有することを特徴とする、Schizosaccharomyces japonicusに属する酵母。
(1) グルコースからのエタノール発酵において、以下に記載の性質を有する性質。
(1-1) 37〜44℃にて至適にエタノール発酵できる性質。
(1-2) pH3〜7にて至適にエタノール発酵できる性質。
(1-2) エタノール発酵時に凝集する性質。
(2) 26SrDNA-D1/D2領域の塩基配列として、配列番号1に記載の塩基配列, 又は, 配列番号1に記載の塩基配列と97%以上の相同性を示す塩基配列, をゲノムDNA中に有する性質。
(3) 以下に記載の資化性及び非資化性を有する性質。
(3-1) グルコース, シュークロース, マルトース, 又はラフィノースを資化できる性質。
(3-2) ガラクトース, L-ソルボース, D-グルコサミン, D-リボース, D-キシロース, L-アラビノース, D-アラビノース, L-ラムノース, トレハロース, αメチル-D-グルコシド, セロビオース, サリシン, メリビオース, ラクトース, メレチトース, 可溶性デンプン, グリセロール, エリスリトール, リビトール, D-グルコン酸, エタノール, 硝酸, 又はL-リジンを資化できない性質。
(4) 以下に記載のエタノール発酵性及び非発酵性を有する性質。
(4-1) グルコース, シュークロース, 又はマルトースを基質としてエタノール発酵できる性質。
(4-2) ガラクトース又はラクトースを基質としてエタノール発酵できない性質。
(5) YM平板培地において25℃で3日間培養後に形成されたコロニーが、以下に記載の形態を示す性質。
(5-1) 周縁が全縁であり、周縁部が扁平で中央部がクッション形である性質
(5-2) 表面が平滑であり、バター様で湿性のある性質。
(5-3) コロニーの色調が白色からクリーム色である性質。
(6) 以下に記載の細胞的性質を有する性質。
(6-1) 栄養細胞が亜球形から円筒形である性質。
(6-2) 分裂によって増殖する性質。
(6-3) 子嚢胞子の形状が球形である性質。 - Schizosaccharomyces japonicus SS4-5株(受託番号NITE P-1197)である酵母。
- グルコースからのエタノール発酵において、以下(A)〜(C)に記載の菌学的性質を有することを特徴とする、Schizosaccharomyces japonicus SS4-5株(受託番号NITE P-1197)に由来する変異体である酵母。
(A) 37〜44℃にて至適にエタノール発酵できる性質。
(B) pH3〜7にて至適にエタノール発酵できる性質。
(C) エタノール発酵時に凝集する性質。 - 請求項1〜3に記載のいずれかの酵母を用いてエタノール発酵を行うことを特徴とする、エタノールの製造方法。
- 前記エタノール発酵における発酵基質の原料として、バイオマス原料の糖化液を用いることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
- 前記エタノール発酵をpH2〜6の条件で行うことを特徴とする、請求項4又は5に記載のエタノールの製造方法。
- 前記エタノール発酵を35〜45℃の温度条件で行い, 且つ, 前記発酵によって生成したエタノールを発酵と同時に蒸留回収することを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載のエタノールの製造方法。
- 前記エタノール発酵を行った後、さらに5炭糖類の糖類に対するエタノール発酵性を有する微生物を用いて二次発酵を行うことを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載のエタノールの製造方法。
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