JP5843704B2 - スケジューリング装置 - Google Patents
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Description
このように、共有リソースに対して複数の使用リクエストが存在する状況では、各使用リクエストに共有リソースの使用開始時刻を割当て、共有リソースの使用スケジュールを生成することが必要となる。この際、以下制約を満たすスケジュールを生成することが求められる。
・制約2:あるリクエストが共有リソースの使用を開始してから、予め決められた時間が経過するまで次のリクエストは共有リソースを使用できない。この共有リソースが使用不可となる時間は、リクエストの相互の依存関係や個別の性質で決まる。例えば、図2に示すように、共有リソースを先行して使用するリクエストとその次に使用するリクエストの内容に応じて使用不可時間が設定されることがある。なお、図2は、本発明で用いる使用不可時間データベースの内容を示すものであり、T1が最も使用不可時間が短く、T5が最も使用不可時間が長いことを示している。
・最適化技術として、厳密なアルゴリズム(分枝限定法、動的計画法等)を用いる場合:対象とする航空機数が多い場合、処理に長時間を要する。
・最適化技術として、ヒューリスティックアルゴリズム(局所探索法、GA等)を用いる場合:確率的に様々な順序付けを評価するため、人間が見ると明らかに無駄な組合せも評価してしまう。
図1は、この発明の実施の形態1によるスケジューリング装置を示す構成図である。
図1に示すスケジューリング装置は、使用リクエストデータベース1、使用不可時間データベース2、スケジュール評価値算出部3、スケジューリング処理部4、初期スケジュール生成部5、グルーピングルールデータベース6、グルーピング処理部7、最適化実行部8を備えている。
・ID:共有リソースを使用するリクエストの識別子
・目的:AまたはB
・種別:αまたはβ
・使用開始時刻下限:リクエストが最も早く共有リソースを使用可能な時刻。
・使用開始時刻上限:使用開始時刻下限に対し、リクエストが共有リソースの使用を遅らせることができる最大時間を加算した時刻
・使用開始時刻下限を基準に、スケジュールにおける各リクエストの使用開始時刻の遅延を算出し、その遅延の総和
・共有リソースにおけるリクエストのスループット
・使用開始時刻下限順がリクエストの先着順であると考えた場合の使用順序の追い越しの発生状況
[A](直前にスケジューリングした)リクエストの使用開始時刻に使用不可時間を加算した時刻以降の時間範囲
[B]スケジューリング対象とするリクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の時間範囲
・ルール2:目的が共に「B」で種別が同じであるリクエストの並びをグルーピングすることにより、最適化を実施する(グループ単位で順序を入れ替える)際に、「先行リクエスト:Bかつα、後続リクエスト:Bかつβ」であるリクエストの並び(T4となる並び)が発生する可能性を減らすため
・ルール3:「先行リクエスト:Bかつα」で後続リクエストの目的が「A」であるリクエストの並びをグルーピングすることにより、最適化を実施する(グループ単位で順序を入れ替える)際に、「先行リクエスト:Bかつα、後続リクエスト:Bかつβ」であるリクエストの並び(T4となる並び)が発生する可能性を減らすため
・ルール4:「先行リクエスト:Aかつα」で後続リクエストの目的が「B」であるリクエストの並びをグルーピングすることにより、最適化を実施する(グループ単位で順序を入れ替える)際に、「先行リクエスト:Aかつα、後続リクエスト:Aかつβ」であるリクエストの並び(T5となる並び)が発生する可能性を減らすため
ここで、最適化手法は、局所探索法を利用する場合を想定して説明する。局所探索法は、候補解を一つ保持し、その候補解を少し変化させた近傍解集合を生成し、現在の評価値よりも良い解で候補解を更新することを繰り返すことにより、評価値の良い解を探索するという手法である。本実施の形態の局所探索法において、解の表現はリクエストの順列であり、解の評価値は順列に従って、1つずつリクエストの使用開始時刻を決定していくことで生成されたスケジュールの評価値とする。
・ステップST2:グルーピング処理部7は、初期スケジュール生成部5で生成された初期スケジュールを入力としてグルーピング処理を実行する。そして、グルーピングされたリクエストの情報、初期スケジュールを入力として、最適化実行部8における最適化処理を行う。ここで、最適化実行部8は、入力された初期スケジュールにおけるリクエストの共有リソース使用順で候補解(リクエストの順列)を初期化する。
・ステップST3:最適化実行部8は、図7に示すように、候補解であるリクエストの順列の順序を、設定されているリクエストのグループ単位で1組交換することで、新たな順列(近傍解)を複数生成する。図7に示す例では、701に示すように、グルーピングされた目的が「B」で種別が「β」のリクエストの並びと、単体の目的が「B」で種別が「α」のリクエストとを、702に示すように、その順序が入れ替えられている。
・ステップST5:最適化実行部8は、近傍解集合の最良解が候補解の評価値よりも良い場合、候補解を近傍解集合の最良解で更新し、ステップST6へ進む。一方、近傍解集合の最良解が候補解の評価値よりも悪い場合、現在の候補解に対応するスケジュールとその評価値を最適化の結果として、外部に出力し、処理を終了する。
・ステップST6:最適化実行部8は、候補解の更新回数(最適化の繰り返し回数)が所定の回数に達していない場合は、ステップST3へ進む。一方、候補解の更新回数が所定の回数に達している場合、現在の候補解に対応するスケジュールとその評価値を最適化の結果として、外部に出力し、処理を終了する。
実施の形態2における図面上の構成は実施の形態1における図1と同様であるため、図1を用いて説明する。実施の形態2の初期スケジュール生成部5は、使用リクエストデータベース1を参照して、使用開始時刻上限順にリクエストをソートすることによりリクエストの順列を生成するようにしたものである。他の構成は実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
実施の形態3における図面上の構成は実施の形態1における図1と同様であるため、図1を用いて説明する。実施の形態3の最適化実行部8は、スケジュールを変更する際に、所属するリクエスト数が所定の数以下であるグループを変更対象とするよう構成されている。他の構成は実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
実施の形態4における図面上の構成は実施の形態1における図1と同様であるため、図1を用いて説明する。実施の形態4の最適化実行部8は、スケジュールを変更してスケジュールの評価値が改善した場合、そのスケジュールをグルーピング処理部7に入力し、グルーピング処理を行ってから再度最適化処理を行うよう構成されている。他の構成は実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
最適化実行部8は、図6のフローチャートのステップST5において、近傍解集合の最良解が候補解の評価値よりも良い場合、ステップST3において候補解を近傍解集合の最良解で更新する。この場合、評価値が改善されたスケジュールを入力としてグルーピング処理部7においてグルーピング処理を実行してからステップST3へ進む。すなわち、ステップST5において評価値が改善された場合、ステップST6において最適化の繰り返し回数が所定の回数に達していない場合はステップST3に戻り、グルーピング処理を行う。一方、ステップST5において、近傍解集合の最良解が候補解の評価値よりも悪い場合は、実施の形態1と同様に、現在の候補解に対応するスケジュールとその評価値を最適化の結果として、外部に出力し、処理を終了する。
図9は、本発明の実施の形態5におけるスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。実施の形態5は、共有リソースの使用に影響を及ぼす環境情報を格納する環境情報データベース9を新たに備える。また、グルーピングルールデータベース6aに登録されるグルーピングルールが環境情報の内容毎に設定されている、さらに、グルーピング処理部7aは、環境情報データベース9を参照して、環境情報の内容に応じてグルーピングルールデータベース6aのルールを選択するよう構成されている。これ以外の構成は、図1に示した実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
・生成したスケジュールを利用してリクエストの実施を管理する管理者
・共有リソースが所属するシステムの構成(目的Aのリクエストのみを処理可能な他の共有リソースが存在する等)
・共有リソースの使用条件に影響を与える事項(天候、気温等)
図10は、本発明の実施の形態6におけるスケジューリング装置の構成を示すブロック図である。実施の形態6は、環境情報データベース9に加えて、スケジュール事例データベース10とグルーピングルール生成部11を新たに備える。また、グルーピングルールデータベース6bは、グルーピングルール生成部11によって生成されたデータベースである。これ以外の構成は、図1に示した実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
[ステップST2]:ステップST1で抽出したスケジュール事例のうち、使用リクエストデータベース1の内容と類似したスケジュール事例をさらに抽出する。
[ステップST3]:ステップST2で抽出したスケジュール事例において、(連続して共有リソースを使用している)2つのリクエストの内容の並び方の発生数をそれぞれカウントする。そして、発生数が多いリクエストの内容の並び方をグルーピングルールとしてグルーピングルールデータベース6bに登録する。この際、発生数が多いほど、ルールの優先度を高く設定する。また、登録するルール数は所定の数までとする。
実施の形態7における図面上の構成は実施の形態1における図1と同様であるため、図1を用いて説明する。実施の形態7のスケジューリング処理部4は、リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲内にリクエストの使用開始時刻を割当てられなかった場合、リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲外にリクエストの使用開始時刻を設定するよう構成されている。また、スケジュール評価値算出部3は、入力されたスケジュールにおいて、リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲外に、リクエストの使用開始時刻が割当てられている場合に、スケジュールの評価値として評価を低下させる値として出力するよう構成されている。他の構成は実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
スケジューリング処理部4は、リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲内にリクエストの使用開始時刻を割当てられなかった場合に、リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲外にリクエストの使用開始時刻を設定する。例えば、「使用不可時間でない時間帯における最も早い時刻」をリクエストの使用開始時刻として設定する。
・スケジュールの評価値の値が小さいほど良い場合:リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲外に、リクエストの使用開始時刻が割当てられている数に応じて、スケジュールの評価値を増加させる。
・スケジュールの評価値の値が大きいほど良い場合:リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲外に、リクエストの使用開始時刻が割当てられている数に応じて、スケジュールの評価値を減少させる。
Claims (16)
- 共有リソースを使用するリクエストの内容を格納する使用リクエストデータベースと、
任意のリクエストが前記共有リソースの使用を開始してから、次のリクエストが当該共有リソースを使用することが不可となる時間である使用不可時間の情報を格納する使用不可時間データベースと、
入力される前記共有リソースの使用スケジュールに対して、当該使用スケジュールの評価の度合いを示す評価値を算出するスケジュール評価値算出部と、
複数のリクエストの順列に対して、前記使用リクエストデータベースにおけるリクエストの内容と、前記使用不可時間データベースにおける使用不可時間とに基づいて、前記複数のリクエストの前記共有リソースの使用開始時刻が、前記使用不可時間以外の時刻となるよう、当該共有リソースの使用スケジュールを生成すると共に、前記スケジュール評価値算出部による評価値を付加して出力するスケジューリング処理部と、
前記使用リクエストデータベースを参照して、リクエストの順列を生成し、当該リクエストの順列に対して前記スケジューリング処理部が生成した使用スケジュールを初期スケジュールとして出力する初期スケジュール生成部と、
前記リクエストをグルーピングするルールを格納するグルーピングルールデータベースと、
前記グルーピングルールデータベースのルールを参照し、前記初期スケジュール生成部から入力されたスケジュールを元に、各リクエストをグルーピングするグルーピング処理部と、
前記グルーピング処理部でグルーピングされたスケジュールに対して、評価が向上するように、前記リクエストのグループ単位で当該スケジュールを変更する最適化実行部とを備えたことを特徴とするスケジューリング装置。 - スケジューリング処理部は、入力されるリクエストの順列に従って、先頭から1つずつリクエストの共有リソースの使用開始時刻を、使用不可時間以外の時刻となるよう決定していくことを特徴とする請求項1記載のスケジューリング装置。
- グルーピングルールデータベースの各ルールには優先度が設定され、グルーピング処理部は、当該優先度に従って各ルールを適用してグルーピングを行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載のスケジューリング装置。
- グルーピング処理部は、リクエストの内容の並びに対して、グルーピングルールデータベースのルールを適用し、グルーピングを行うことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。
- グルーピング処理部は、グルーピングルールデータベースのルールに適合したリクエストの内容の並びであっても、当該リクエストの使用開始時刻の時間差が所定の時間より長い場合は、グループ化を行わないことを特徴とする請求項4記載のスケジューリング装置。
- 使用不可時間データベースに登録される使用不可時間は、共有リソースを先行して使用するリクエストとその次に使用するリクエストの内容に応じて設定されることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。
- グルーピングルールデータベースのルールは、使用不可時間が長くなりにくいリクエストの内容の並びを示すことを特徴とする請求項6記載のスケジューリング装置。
- 使用リクエストデータベースに登録されるリクエストの内容として、当該リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の情報を有し、
スケジューリング処理部は、任意のリクエストの使用開始時刻を決定する際に、前記リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲内に、当該リクエストの使用開始時刻を割当て、一方、当該使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲内に、当該リクエストの使用開始時刻が割当てられなかった場合は、前記リクエストの使用開始時刻の割当てが不可であったことを出力することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。 - 初期スケジュール生成部は、使用リクエストデータベースを参照して、使用開始時刻下限順にソートすることによりリクエストの順列を生成することを特徴とすることを特徴とする請求項8記載のスケジューリング装置。
- 初期スケジュール生成部は、使用リクエストデータベースを参照して、使用開始時刻上限順にソートすることによりリクエストの順列を生成することを特徴とする請求項8記載のスケジューリング装置。
- 最適化実行部は、スケジュールを変更する際、所属するリクエスト数が所定の数以下であるグループを変更対象とすることを特徴とする請求項8から請求項10のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。
- 最適化実行部は、所属するリクエスト数が所定の数以下であるグループの共有リソースの使用順序を変更する際、所属するリクエスト数が前記所定の数より多いグループを超える順序変更を行わないことを特徴とする請求項11に記載のスケジューリング装置。
- 最適化実行部は、スケジュールを変更して当該スケジュールの評価値が改善した場合、前記スケジュールを入力としてグルーピング処理を行ってから再度スケジュールの変更処理を行うことを特徴とする請求項4から請求項12のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。
- 共有リソースの使用に影響を及ぼす環境情報を格納する環境情報データベースを備え、
グルーピングルールデータベースのルールは、前記環境情報の内容に基づいて設定され、グルーピング処理部は、前記環境情報データベースを参照して、環境情報の内容に応じて前記グルーピングルールデータベースのルールを選択することを特徴とする請求項1から請求項13のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。 - 共有リソースの使用に影響を及ぼす環境情報を格納する環境情報データベースと、
スケジュール事例を格納するスケジュール事例データベースと、
使用リクエストデータベースにおけるリクエストの内容と、前記環境情報データベースにおける環境情報と類似したスケジュール事例を前記スケジュール事例データベースから抽出し、当該抽出したスケジュール事例に基づいてグルーピングルールを作成し、当該作成したグルーピングルールをグルーピングルールデータベースのルールとするグルーピングルール生成部とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項13のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。 - スケジューリング処理部は、リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲内に当該リクエストの使用開始時刻を割当てられなかった場合、前記リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲外に前記リクエストの使用開始時刻を設定し、
かつ、
スケジュール評価値算出部は、入力されたスケジュールにおいて、リクエストの使用開始時刻下限と使用開始時刻上限の範囲外に、当該リクエストの使用開始時刻が割当てられていた場合に当該スケジュールの評価値を評価が低下する値として出力することを特徴とする請求項8から請求項15のうちのいずれか1項記載のスケジューリング装置。
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