JP5843655B2 - 研磨装置 - Google Patents
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Description
例えば、引用文献1に記載の研磨装置では、ピン体31の上部にカラー32の抜け止め部材であるキャップ33aを取り付け、カラー32を回転自在に保持するという抜け止め構造を採用する。また、ピン保持ではピン体31の下側にナット31aを用いて固定するというピン保持構造を採用する。多数の歯部30を取り付けることを考慮すると、これら抜け止め構造およびピン保持構造を採用する歯部30の取り付けは、手間を要するものであった。
ギア基体部に複数のピン状の歯部を設けたサンギアと、ギア基体部に複数のピン状の歯部を設けたインターナルギアと、の間に、複数の歯によるキャリア歯部が外周に形成されるワークキャリアを噛み合わせておき、このワークキャリアのワーク保持孔に挿入されたワークの表裏両面を下定盤と上定盤との間に挟み込んだ状態で、サンギアとインターナルギアとを回転させてワークキャリアを自転または公転させるとともに、上定盤または下定盤の少なくとも一方をワークキャリアに対して相対的に回転させてワークをラッピングまたはポリッシングする研磨装置であって、
歯部は、ギア基体部の嵌入孔に入れられるピン嵌入部、円柱体であるピン軸支部およびこのピン軸支部の先端から突出する細径部を有するピン体と、ピン軸支部の先端および細径部を突出させた状態でピン軸支部に遊挿される筒状のカラーと、ピン体の先端の細径部を軸支してカラーの抜け止めを行いつつピン体を嵌入孔側へ押さえる押さえ部と、押さえ部をギア基体部に固定する固定部と、を備えることを特徴とする研磨装置とした。
前記ピン体は、前記ピン軸支部と前記ピン嵌入部との間で外周側へ突出するツバ部をさらに備え、ツバ部の下面を前記ギア基体部に当接させるとともにツバ部の上面に前記カラーの下面を当接させることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置とした。
前記押さえ部は、複数の前記ピン体を一括して押さえる部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研磨装置とした。
ここに下定盤1および上定盤は、共通回転軸を回転中心として回転するように支持される。
各部構成はこのようなものである。
このような研磨装置では、下定盤1、上定盤(図示せず)、サンギア2、および、インターナルギア3という四軸はそれぞれが独立して回転する。下定盤回転駆動部、上定盤回転駆動部、サンギア回転駆動部、および、インターナルギア回転駆動部は、いずれも回転制御管理装置に接続されて回転が制御されており、最適な回転方向・回転速度で回転する。この際に、ワークキャリア4は、公転のみ、自転のみ、または、公転および自転をともにしながら回転し、ワーク100は、上下定盤間に挟まれて両面が接しており、最適なラッピング・ポリッシングが行われる。
歯部10は、図1で示すように、サンギア2、および、インターナルギア3に多数設けられている共通部材である。そこで、歯部10であるとして一括して説明する。
歯部10は、図2で示すように、ギア基体部20上に形成されるものであり、ピン体11、カラー12、押さえ部13、スペーサ14、ねじ(本発明の固定部の具体例である)15を備えている。
ピン嵌入部112は、円柱体であり、ギア基体部20の嵌入孔21に隙間なくかつ抵抗なく嵌め込まれるような径を有している。また、ピン嵌入部112は、その下面周囲の角部が面取りされている。
ピン体11は、このようなものである。
まず、ギア基体部20にスペーサ14を固着する。ギア基体部20の座ぐり孔付き通し孔22とスペーサ14のめねじ部141とが対向して通貫する状態で、六角穴付ボルトであるねじ15をギア基体部20の座ぐり孔付き通し孔22に挿通させてからスペーサ14のめねじ部141に螺挿して締結し、ギア基体部20に対してスペーサ14を固定する。この作業ではギア基体部20に対して全てのスペーサ14を固定する。
引用文献2に記載のようにカラー回転時にピン体も同時に回転させることが好ましいが、コスト的に採用できない。よって、カラーは固定されたピン体を軸として回転するが、カラー内周面とピンとの間には回転方向の接触摩擦が生じ、摩耗が進行する。なお、ピンには回転方向の摩擦力が作用するとともに、主にピン配列の方向(実際にはやや外向き)へ負荷(ピン固定部からみて曲げモーメント)が作用する。従って、ピンの固定構造が不十分であればピンの緩みや抜けが生じる懸念がある。
ピン体11は、下側でピン嵌入部112が嵌入孔21にはめ込まれて嵌入構造で固定され、また、上側で細径部114が押さえ部13の支持孔132にはめ込まれて嵌入構造で固定されるため、上下両側で支持される。このようなピン体11は強固な構造を有しており、ワークキャリア4の横方向からの負荷に対して剛性を著しく大きくし、横方向の負荷に対して強い構造としている。
ピン体11もカラー12ほどではないが消耗品に順ずる部品であり、カラー12と同様に、取り外しの簡易化などに対する要望がある。ピン体の固定構造としてねじ込み式及び嵌入式がある。
嵌入式では、ピン体を嵌入孔へ押し込みあるいは打ち込んで嵌合する。しかしながら、嵌入式では、ピン体に作用する外力(回転力・曲げモーメントなど)に抗するために嵌合長を長くしたり、または、嵌合の度合いをきつくする(ガタの生じにくい嵌合精度とする)などの措置が必要となる。ピン体の交換時に容易に抜けなくなるといった弊害もあるため適用には注意が必要となっている。
押さえ部13は、ピン体配列の円周方向へ円弧状に繋がった櫛形形状をしており、ピン体11の数個毎にねじ15により固定する。押さえ部13は、カラー12の上側を覆う構造であり、多数のカラー12の抜け留めを行う。
カラー12が回転してカラー12の下端でツバ部113の接触部を摩耗させるが、ギア基体部20の摩耗は回避される。また、ツバ部113の下面がギア基体部20に接触して摩擦力を付与することにより、ピン体11の上部から下方向への押し付け力を確保し、ピン体11の連れ周りを防止している。保守時にギア基体部20を交換する必要がなくなり、維持コスト低減に寄与する。
カラー12は消耗品であり、任意の稼働期間毎に交換が必要となる。ピン体の固定構造として、従来は引用文献1のねじ締結方式が採用されている。この時、一本のカラーを一本のキャップ(ねじ)で取り付ける構造では交換時に多くの手間と時間を要する。本願発明では、円弧状の押さえ部13を外すことにより、複数個のカラー12およびピン体11の拘束を一斉に開放することができるというものであり、カラーおよびピン体の取り付けや交換が容易であり、短時間で作業を行える。
本形態の研磨装置は、先の形態と比較すると、サンギア2、および、インターナルギア3のギア基体部20上に形成される歯部30の構造のみが相違している。そこで、歯部30のみ説明し、他の図1で示す下定盤1、上定盤(図示せず)については同じ構造・機能を有するものとし、重複する説明を省略する。また、サンギア2、および、インターナルギア3も歯部30以外の駆動系等やギア基体部20については同じ構造・機能を有するものとして重複する説明を省略する。
歯部30は、図5で示すように、先に説明したギア基体部20上に形成されるものであり、ピン体16、カラー12、押さえ部13、スぺーサ14、ねじ15を備えている。この歯部30の構成は、先に図2を用いて説明した歯部10の構成と比較すると、ピン体16の構造のみが相違し、他は同じ構成である。そこで、カラー12、押さえ部13、スぺーサ14、ねじ15については同じ符号を付すとともに、先の説明と同じであるものとして重複する説明を省略する。
ピン体16は、このようなものである。この場合、組み立てや作用については先の第1の形態と同様である。
本形態の研磨装置は、先の第1の形態と比較すると、サンギア2のギア基体部50、インターナルギア3のギア基体部50、および、これらのギア基体部50の円上に形成される複数の歯部40の構造が相違している。そこで、歯部40およびギア基体部50のみ説明し、他の図1で示す下定盤1、上定盤(図示せず)については同じ構造・機能を有するものとし、重複する説明を省略する。また、サンギア2およびインターナルギア3においても、歯部40およびギア基体部50以外の駆動系等は同じ構造・機能を有するものとして重複する説明を省略する。
歯部40は、図6で示すように、ギア基体部50上に形成されるものであり、ピン体11、カラー12、押さえ部17、スぺーサ18、ねじ15を備えている。この歯部40の構成は、先に説明した歯部10の構成と比較すると、押さえ部17、スぺーサ18の構造のみが相違し、他は同じ構成である。そこで、ピン体11、カラー12、ねじ15については同じ符号を付すとともに、先の説明と同じであるものとして重複する説明を省略する。
歯部40およびギア基体部50は、このようなものである。続いて組み立てについて変更点を説明する。
本形態の研磨装置は、先の第3の形態と比較すると、サンギア2、および、インターナルギア3のギア基体部50の円上に形成される複数の歯部60の構造のみが相違している。そこで、歯部60のみ説明し、他の図5で示す下定盤1、上定盤については同じ構造・機能を有するものとし、重複する説明を省略する。また、サンギア2、および、インターナルギア3も歯部60以外のギア基体部50や駆動系等は同じ構造・機能を有するものとして重複する説明を省略する。
歯部60は、図7で示すように、ギア基体部50上に形成されるものであり、ピン体11、カラー12、押さえ部19、ねじ15を備えている。この歯部60の構成は、先に説明した歯部40の構成と比較すると、スペーサをなくし、押さえ部19の構造のみが相違し、他は同じ構成である。そこで、ピン体11、カラー12、ねじ15については同じ符号を付すとともに、先の説明と同じであるものとして重複する説明を省略する。
歯部60は、このようなものである。続いて組み立てについて変更点を説明する。
2:サンギア
3:インターナルギア
4:ワークキャリア
41:キャリア歯部
42:ワーク保持孔
100:ワーク
10,30,40,60:歯部
11:ピン体
111:ピン軸支部
112:ピン嵌入部
113:ツバ部
114:細径部
12:カラー
13:押さえ部
131:突出部
132:支持孔
133:座ぐり孔付き通し孔
14:スペーサ
141:めねじ部
15:ねじ
16:ピン体
161:ピン軸支部
162:ピン嵌入部
163:細径部
17:押さえ部
171:突出部
172:支持孔
173:孔
18:スペーサ
181:ねじ通し孔
19:押さえ部
191:突出部
192:支持孔
193:立設体
194:ベース部
195:孔
20,50:ギア基体部
21:嵌入孔
22:座ぐり孔付き通し孔
51:嵌入孔
52:めねじ部
Claims (3)
- ギア基体部に複数のピン状の歯部を設けたサンギアと、ギア基体部に複数のピン状の歯部を設けたインターナルギアと、の間に、複数の歯によるキャリア歯部が外周に形成されるワークキャリアを噛み合わせておき、このワークキャリアのワーク保持孔に挿入されたワークの表裏両面を下定盤と上定盤との間に挟み込んだ状態で、サンギアとインターナルギアとを回転させてワークキャリアを自転または公転させるとともに、上定盤または下定盤の少なくとも一方をワークキャリアに対して相対的に回転させてワークをラッピングまたはポリッシングする研磨装置であって、
歯部は、ギア基体部の嵌入孔に入れられるピン嵌入部、円柱体であるピン軸支部およびこのピン軸支部の先端から突出する細径部を有するピン体と、ピン軸支部の先端および細径部を突出させた状態でピン軸支部に遊挿される筒状のカラーと、ピン体の先端の細径部を軸支してカラーの抜け止めを行いつつピン体を嵌入孔側へ押さえる押さえ部と、押さえ部をギア基体部に固定する固定部と、を備えることを特徴とする研磨装置。 - 前記ピン体は、前記ピン軸支部と前記ピン嵌入部との間で外周側へ突出するツバ部をさらに備え、ツバ部の下面を前記ギア基体部に当接させるとともにツバ部の上面に前記カラーの下面を当接させることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
- 前記押さえ部は、複数の前記ピン体を一括して押さえる部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研磨装置。
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