JP5843329B2 - 焼却灰を主原料とした発泡水熱固化体の製造方法 - Google Patents
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Description
(a)両性金属を含有する焼却灰100質量%にセメントを5〜25質量%加えて混合する混合工程、
(b)前記混合工程の後、前記焼却灰及びセメントの混合物に混練水を投入して混練することで、前記混合物に含まれる生石灰を水和させてファニキュラー状態の混練物を得る混練工程、
(c)前記混練工程の後、前記ファニキュラー状態の混練物を、地面に掘った竪穴又は地表面から所定の高さに積み上げた土又は石壁で囲まれた型枠からなる成形型枠に移すと共に所定の圧縮力を加えながら水熱固化させ、前記焼却灰に含まれる両性金属とアルカリ水を反応させてガスを発生させて発泡させることにより表面気泡率が0〜22%の発泡水熱固化体を得る養生工程。
表面気泡率(%) = (表面気泡面積(mm2)/100(mm2))×100
吸水率(%) = ((飽水質量−絶乾質量)/絶乾質量)×100
また、成形型枠としては、混練物の固化の際の膨張方向の力に抗する程度の強度を有するものであれば制限はない。例えば、地面に掘った竪穴や、地表面から所定の高さに積み上げた土又は石壁等を型枠として利用することができる。
[焼却灰及びセメント]
焼却灰としては、ここではプラスチック固形化燃料及びタイヤチップの混合物を50質量%、木材チップを20質量%、石炭を20質量%、製紙スラッジ10質量%を混合し、燃焼した焼却灰を使用し、セメントとしては高炉セメントを使用した。焼却灰には約8質量%の金属アルミニウムが含まれていた。
[混合工程]
上記焼却灰100質量部に対して、セメントを20質量部加え5分間混合した後、固形成分(焼却灰とセメントの総量)に対して20質量部の水を混合用水として加えて、焼却灰とセメントとが均一に分散するよう5分間混合した。
上記のようにして得られた混合物の固形成分100質量部に対して、25質量部の水を混練水として加え、混練機に入れて混練することで混練物を得た。この混練は混練物のスランプ値が5となるまで、30分程度行った。なお、混練機としては1度に混練できる混練能力量が4m3程度の混練機を用い、4m3×10回分の混練物を得た。
養生工程においては、予め地面を掘って造っておいた40m3の容積の竪穴を成形型枠として、上記のようにして得られた混練物を成形型枠に順次移送・集積した後、重機を用いて50kg/cm2程度の加圧力となるように加圧した状態で3時間水熱固化させ、その後重機による加圧を除いて5時間養生することで、実施例1にかかる発泡水熱固化体を得た。
上記実施例1の混練工程においてスランプ値が7となるまで混練したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2にかかる発泡水熱固化体を得た。
上記実施例1の混練工程において得られた混練物を、予め地面を掘って造っておいた4m3の容積の竪穴(以下、「解し型枠」という)10個にそれぞれ移送して、解し工程として50分間放置し、スランプ値が0になるまで水分を蒸発させてから、重機を用いて混練物を解し型枠から成形型枠に移送・集積したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3にかかる発泡水熱固化体を得た。
上記実施例1の混練工程で得られた混練物を、成形型枠に入れず平板上に放置させて水熱固化させることで、比較例1にかかる発泡水熱固化体を得た。
表面気泡率(%) = (表面気泡面積(mm2)/100(mm2))×100
なお、実施例3においては、目視可能な程度よりも気泡が小さいため、表面気泡率を0とした。
吸水率(%) = ((飽水質量−絶乾質量)/絶乾質量)×100
放湿性(%) = (24時間放湿量/吸水量)×100
いた。
上記のようにして得られた実施例1の発泡水熱固化体を用いて、軟弱地盤への盛土を行い、盛土材としての骨材性能について評価した。
現場CBR:2.1%
コーン指数:192.7kN/m2
含水比 :11.6%
深さ :30cm
表2に、2回の盛土処理後(すなわち、盛土層は20cm)のコーン指数の測定結果を示す。
比較例2では4回の盛土を行っても、現場CBR値は12.2%であり、盛土基準値(CBR値20.0%)を上回ることができなかったが、実施例1では3回の盛土によって、現場CBR値が21.9%と盛土基準値を上回った。
このように、本発明にかかる発泡水熱固化体は、特に軟弱地盤に対する地盤改良(地盤補強)効果に優れておりドレーン材が不要となる。従って、少ない工程数で路床盛土の強度が確保できることから、本発明にかかる発泡水熱固化体を盛土として利用することで、コスト削減・工期短縮を図ることが可能となる。
まず、本発明にかかる発泡水熱固化体を粒子径が20mm程度以下になるように粒度調整する。次いで、粒度調製された発泡水熱固化体を雑草抑制対象地面に敷均し、その後所定の硬度となるよう締め固めることで、所望の形・広さの土地に雑草抑制基盤層を構築することができる。
すなわち、発泡水熱固化体を粒子径が5mm以下になるように粒度調整した後、セメント系固化剤と両性金属成分(金属アルミ等)を含んだ材料を添加して水を加えて混合・混練することで得られる混練物を、隙間雑草抑制材として雑草抑制基盤層と外枠との間の隙間に充填することで、隙間雑草の生育も効果的に抑制することができる。
植栽帯の地面の上部を、約5〜30cmの任意の深さを剥ぎ取り、剥ぎ取った地面の残根等を全て除去する。又、周辺部の構造物(ブロック等)の側面や既存の樹木等の根元に付着した土や根を、丁寧にブラシ等で剥ぎ取る。既存地盤は平らに均す。なお、既存の樹木などは残しても良い。
準備が出来た植栽帯の地面に、粒度調整した本発明にかかる発泡水熱固化体を雑草抑制材として、地盤上に約5〜30cm程度敷き均し、コンパクタ等の締固め機で所定の硬度に締固める。土壌硬度は、山中式土壌硬度計による「ち密度」としては20mm以上、より好ましくは25mm以上が良い。
次いで、周辺部は1〜5cm程度隙間を空け、隙間雑草抑制剤を流し込み周辺部のコンクリートの外枠等と敷均した雑草抑制材の間に隙間が開かないようにする。隙間雑草抑制剤は硬化が比較的早いので、ある程度固化したら表面をコテ等で均す。なお、隙間下部は既存地盤まで達するように空けることが好ましい。
施工した雑草抑制基盤層に振動ドリル等を用いて、植栽する芝に見合った根が伸びる穴を開けることで、根伸材投入孔を設ける。穴は雑草抑制材を施設した下部地面に食い込むまで開削する。食い込む深さは、根伸孔の直径程度か、又、それ以上の深さにする。この根伸孔の開削は、他の方法もありこの限りではない。
根伸材は、定植された苗等の根が、既存の地中に向かって、根伸孔を下りやすい材料を用いる。材料は、砂嬢土・植嬢土などの土質材や肥料、その他任意の材料を調合して投入する。型枠を用いて根伸材投入孔を形成する場合、この根伸材は型枠の中にあらかじめ入れておくこともできる。この根伸材充填定植方法を用いれば、雑草抑制基盤層が厚くても根の長さの短い任意の植物でも定植することができる。
根伸材を投入した上部に芝の苗を定植もしくは播種する。苗は市販のポット苗を用いれば良いが、センチピードグラス等の匍匐茎を約10〜20cmに切断し、その切断した匍匐茎を十字状や格子状又、渦巻き状、又は、その他の形に成形し、任意の育苗箱で発根育成した十字形状やレンガ・円盤形状のマットを上部に植え付けてもよい。以降、芝が生育し芝生化すれば、雑草が排除された緑化帯「ノングラス・ガーデン」ができあがる。
すなわち、センチピードグラスについては、他の植物の生育を妨げるアレロパシー効果の存在が指摘されており、このアレロパシー効果による雑草抑制作用が期待される。なお、アレロパシー効果を発揮させるためには、センチピードグラスの匍匐茎を他の雑草よりいかに早く成長させることが大事であり、センチピードグラスがある程度の芝生として地面を覆うようになるまでは、他の雑草を抑制する手段が必要とされる。
根伸材投入孔を通して、既存地盤からの雑草の芽が伸びてくる恐れのある場合には、上記変形例のように施工することで、これを防止できる。
「根伸育成層」の材料は、根伸材と同じか、既存土を用いるか又は、混合しても良いが、当然、雑草の種子や根が混入していないことが好ましい。
Claims (6)
- 以下の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする発泡水熱固化体の製造方法。
(a)両性金属を含有する焼却灰100質量%にセメントを5〜25質量%加えて混合する混合工程、
(b)前記混合工程の後、前記焼却灰及びセメントの混合物に混練水を投入して混練することで、前記混合物に含まれる生石灰を水和させてファニキュラー状態の混練物を得る混練工程、
(c)前記混練工程の後、前記ファニキュラー状態の混練物を、地面に掘った竪穴又は地表面から所定の高さに積み上げた土又は石壁で囲まれた型枠からなる成形型枠に移すと共に所定の圧縮力を加えながら水熱固化させ、前記焼却灰に含まれる両性金属とアルカリ水を反応させてガスを発生させて発泡させることにより表面気泡率が0〜22%の発泡水熱固化体を得る養生工程。 - 前記焼却灰は、都市ごみ、木材チップ・タイヤチップ、製紙スラッジ、下水汚泥、バイオマスから選択される廃棄物焼却灰、或いは、石炭、ゴミ固形化燃料、紙・プラスチック固形化燃料から選択される焼却灰のいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
- 前記焼却灰中の両性金属の含有量が、0.5〜10質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
- 前記(a)の混合工程において、前記混合物に対して生石灰を添加混合し、その割合を全混合物の30〜40質量%にしたことを特徴とする請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
- 前記(b)の混練工程において、前記混合物100質量部に対して35〜55質量部の水を加えて混練することを特徴とする請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
- 前記(a)の混合工程おいて、前記混合物100質量部に対して、水を15〜25質量部混合し、前記(b)の混練工程で前記混練水として20〜30質量部の水を投入して所定量を順次連続して混練することを特徴とする請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
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