JP5843329B2 - 焼却灰を主原料とした発泡水熱固化体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼却灰を主原料とした発泡水熱固化体の製造方法及び発泡水熱固化体であって、一定の強度・骨材性能と共に透水性を備え、土木・建築用の資材として使用し得る発泡水熱固化体の製造方法に関する。
現在、紙や電気製品、加工食品などの工業製品が大量に生産されまた大量に消費される時代にあって、工場、商店、一般家庭などからは、日々、多種多様な大量の産業廃棄物や都市ごみなど(以下、これらを総称して「廃棄物」という)が排出されている。
これらの廃棄物としては、例えば工場からの製紙スラッジ、プラスチックなどが含まれ、都市ごみとしては、商店からの紙くず、ダンボール、木くずなど及び一般家庭からの野菜くずなどの生ごみ、廃棄された新聞や雑誌等が含まれている。そして、これらの廃棄物が処理されて生じた各種の汚泥及び焼却灰なども多種多様なものとなっている。
これらの廃棄物のうち、有害化学物質が溶出しないものは、そのままの状態或いは焼却して灰にした後に埋立て処分されている。また、例えば製紙スラッジをプラスチック固形化燃料、タイヤチップ、木材チップ、石炭などと共に焼却した焼却灰には、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、水銀、セレンなどの重金属の有害化学物質が含まれており、これらをそのまま地中に埋めると溶出する恐れがあるので、直接埋立て処分することができない。
そのために、これらの重金属の有害化学物質を含む焼却灰は、セメントの原料、或いは溶融固化、薬剤(キレート剤)処理や溶媒抽出等の処理を行った後に埋め立て処分されている。しかしながら、これらの処理方法のうち、薬剤処理方法は処理する焼却灰に対して高価なキレート剤が数%程度必要となり、また、溶融固化処理方法は設備費用が高額になると共に大量のエネルギーが必要となる。そのために、これらの処理方法では、廃棄物の処理費用が増大し、経済的に採算性が悪くなり、採用に当たっての課題となっている。
一方でまた、埋立て処分或いはセメント原料への使用にあっても、近年では困難な状況・環境にある。すなわち、埋立て処分には、その埋立て場所の確保が必須となるが、この埋立て場所の選定・確保が年々極めて難しくなって来ており、都市部にあっては既に限界状態にあり、地方にあっても見つけるのが厳しい状況になっている。
また、セメント原料への使用にあっても、近年の財政難などから公共事業が減少し、これに伴ってセメント需要も頭打ち状態になっており、今後も使用拡大が期待できない状況にある。しかしながら、このような状況・環境にあっても、毎日、多種多様の大量の廃棄物が排出されている。
そのために、これらの廃棄物を埋立て以外で処分できる処理技術の開発、それも、これらの廃棄物には再資源化(リサイクル)して再利用可能なものも含まれていることから、これらの廃棄物の有効利用を図ることができる循環型社会の構築のために、再生技術の開発が進められている。この再生技術として、従来、水和固化反応(水熱固化反応)により、焼却灰からの有害化学物資の溶出を防止するとともに、例えば、路盤材、土地改良材などの資材に再生できる水熱固化技術が開発されている。
例えば、下記特許文献1には、焼却飛灰から固化体を製造する際に膨張抑制を行うことにより、長期的に安定で強度低下や崩壊等のない高品質の固化体を得ることができる、廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法を提供することを目的として、廃棄物を焼却処理した際に発生する焼却飛灰に、水及び温水の少なくともいずれかを加え、常温〜98℃で5〜120分間混練して、焼却飛灰中に含まれるアルミニウム等の両性金属の酸化及び膨張性の化合物の反応を行った後、アルカリ剤及びシリカやアルミナを含む物質の少なくともいずれかを添加剤として加えて混練し、水熱固化反応を利用して固化体を製造する方法の発明が記載されている。
また、下記特許文献2には、ペーパースラッジ焼却灰の本来の性状である細孔性・多孔性を損なうことなく、高強度で重金属類の有害成分の溶出を抑制した、吸湿性や保水性を有する土壌改良材・凍上抑制材に適した粒状の固化体の製造方法を提供することを目的として、ペーパースラッジを焼却処理した際に発生する焼却灰に、水及び/又は温水、生石灰並びに石炭灰を加え、常温から98℃までの温度で混合して粒状に造粒した成形体を養生した後、水熱固化反応を利用して固化体を製造することを特徴とする、細孔性・多孔性構造を有するペーパースラッジ焼却灰水熱固化体の製造方法の発明が記載されている。
一方、道路整備や宅地造成等の際には、土砂を盛り上げて高くし平坦な地表となす「盛土」が一般的に行われる。しかし、施工場所の地盤が含水量の高いいわゆる軟弱地盤である場合、盛土された盛土材や建造物の重みによって、徐々に地盤中に含まれていた間隙水が排水されて土の体積が減少する「圧密(現象)」が生じ、結果的に地盤が沈下していく。(以下、圧密によって排水される間隙水を「圧密水」といい、圧密によって生じる地盤沈下を「圧密沈下」という。)
軟弱地盤に対して安易に盛土を実施すると、盛土された地盤の周囲の地盤を介して圧密水が徐々に排水されることになるため、整備中や整備後の道路の沈下、不等沈下による建造物の傾斜や、施工場所の周囲の土地の隆起等の悪影響に繋がる恐れがある。また、施工用の重機の重みによっても圧密が促進されてしまうため、軟弱地盤上では施工用の重機や輸送用トラックのトラフィカビリティに問題が生じる恐れもある。
そのため、軟弱地盤に対して盛土を実施する際には、上記悪影響の抑制やトラフィカビリティ確保のために各種地盤改良工事が実施される。
地盤改良工事の例としては、導水・排水機能を有するドレーン材を、盛土する土壌の上に敷き詰める「水平ドレーン工法」が知られており、中でも水平ドレーン材として砂を用いて基礎地盤の上に砂の層(サンドマット)を形成する工法は、「サンドマット(敷砂層)工法」と称される。
水平ドレーン工法では、ドレーン材の導水・排水機能によって、圧密水がドレーン材下の基礎地盤からドレーン材に吸い上げられるため、圧密水を効率的に安定して排出することが可能となる。
また、サンドマット工法では、基礎地盤の上に1メートル程度の厚みの砂の層(サンドマット)を形成する。砂は透水性が高いため、軟弱地盤上に形成されるサンドマットは圧密水を吸い上げることができ、水平ドレーンとして機能する。さらに、砂は支持力が高いため、作業を行う重機が転倒したり沈み込んだりすることを抑制することもできる。
従って、軟弱地盤の上にサンドマットを形成してから盛土することで、圧密水が効率よく安定した状態で排出されるため、上記悪影響を抑制することが可能となるとともに、砂自身が持つ高い支持力によって重機の転倒・沈下による事故を防ぐことが可能となる。
また、砂以外のドレーン材としては、下記特許文献3や下記特許文献4に記載されるような、植物の繊維を主体とするファイバードレーンが知られている。
このように、軟弱地盤上に盛土をする際には、圧密水を効率よく安定して排水するために、盛土の前に予め砂等の各種ドレーン材を基礎地盤上に積層しておく水平ドレーン工法が行われることが一般的であり、中でもサンドマット工法が多く採用されている。
特開2000−308867号公報 特開2010−173912号公報 実公平 6− 34413号公報 特開平11−172666号公報
しかしながら、サンドマットとして使用し得るドレーン砂は、自然由来の砂であるため汎用されるほどに自然破壊につながるものであり、また、砂資源そのものが限られているため、高品位なドレーン砂のコスト上昇が問題となっている。
また、ドレーン材として砂を利用しなくとも、ドレーン材そのものにコストがかかることには変わりが無い。加えて、水平ドレーン工法を採用する以上、ドレーン材を施工するという工程が必ず必要であり(引き抜きタイプのドレーン材の場合は、さらに、引き抜く工程を要する)、用いるドレーン材の排水能力に圧密の進行速度が依存することから、ドレーン材の排水性能によっては軟弱地盤の密度上昇に時間を要するため、工期が長くなってしまう虞がある。
本発明者等は、上記課題が地盤改良に際しドレーン材を使用するために生じていることから、盛土そのものに圧密水の排水機能を備えさせること、すなわち、ドレーン材としても機能し得る盛土材を開発することに思い至り、盛土材としての基本性能(一軸圧縮強度や、CBR値等の骨材性能)を備えると共に圧密水の排水機能をも備えた盛土材の要求性能について種々検討を重ねていた。
一方、本発明者等は盛土に関する検討と並行して、廃棄物の再利用を促進するため、水熱固化反応を利用した焼却灰の再利用方法について調査している中で、上記特許文献1に記載の廃棄物焼却飛灰固化体の製造方法の発明や、上記特許文献2に記載のペーパースラッジ焼却灰水熱固化体の製造方法の発明は、95℃前後の温度を維持しながら焼却灰を含む原料を混練しなければ目的とする水熱固化体を得られないため、実際に発明を実施するにはオートクレーブ等の高温を維持するための設備が必須であり、設備コストやエネルギー消費量が大きいという課題があること、加えて、上記特許文献2に記載のペーパースラッジ焼却灰水熱固化体の製造方法の発明においては、原料混練物を成形体にする造粒工程が必要であり、造粒工程用の設備が必要となるため、さらに設備コストを要するという課題があること、を知見した。
そこで、本発明者等は、焼却灰の水熱固化体を得るための低コストな方法についても検討を重ねていたところ、焼却灰をオートクレーブ等の高価な設備を要しない特定の条件で水熱固化させることによって、表面気泡率及び比表面積が特定の範囲に収まる発泡水熱固化体が得られることを知見した。
さらに本発明者等は、得られた発泡水熱固化体が透水性を備えており、発泡水熱固化体の表面気泡率及び比表面積を制御することで、一定の強度と共に透水性を要求される資材として好適に使用し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、焼却灰の新しい再利用手段を提供するものであり、適用例として盛土材や雑草抑制用の資材として好適に使用することのできる、強度・骨材性能と共に透水性をも備え、尚且つ低コストな、焼却灰を主原料とした発泡水熱固化体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の発泡水熱固化体の製造方法は、以下の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする。
(a)両性金属を含有する焼却灰100質量%にセメントを5〜25質量%加えて混合する混合工程、
(b)前記混合工程の後、前記焼却灰及びセメントの混合物に混練水を投入して混練することで、前記混合物に含まれる生石灰を水和させてファニキュラー状態の混練物を得る混練工程、
(c)前記混練工程の後、前記ファニキュラー状態の混練物を、地面に掘った竪穴又は地表面から所定の高さに積み上げた土又は石壁で囲まれた型枠からなる成形型枠に移すと共に所定の圧縮力を加えながら水熱固化させ、前記焼却灰に含まれる両性金属とアルカリ水を反応させてガスを発生させて発泡させることにより表面気泡率が0〜22%の発泡水熱固化体を得る養生工程。
本発明の発泡水熱固化体の製造方法によれば、表面気泡率が0〜22%、BET比表面積が75〜110m/g、吸水率が40〜63%、かつ、1軸圧縮率が5〜18N/mmである発泡水熱固化体を、特殊な機械装置を使用せず、低コストで容易に得ることが可能となる。このようにして製造された発泡水熱固化体は、放湿性、透水性及び強度が要求される各種資材として用いることが可能となる。
例えば、CBR値3%以下の軟弱地盤に本発明の製造方法により製造された発泡水熱固化体(以下、単に「本発明の発泡水熱固化体」ということがある。)を盛土材として利用すると、本発明の発泡水熱固化体は設計CBR値が70%以上であるため、盛土材に求められる品質基準、設計CBR値20%以上を充分満たしており、盛土材として使用することが充分可能である。
加えて、本発明の発泡水熱固化体を盛土材として利用すると、発泡水熱固化体が備える透水性によって基礎地盤からの圧密水を効率的に吸収し排水することが可能となるため、軟弱地盤に盛土する場合において従来使用されていた水平ドレーン材が不要になるとともに、ドレーン材施工工程が不要となり、ドレーン材コストの削減だけでなく工期を短縮することも可能となる。
すなわち、本発明の発泡水熱固化体を盛土材として利用することで、軟弱地盤に盛土する際においても水平ドレーン材が不要になるという画期的な工法を実現することが可能となる。なお、本発明の発泡水熱固化体は、上述のとおり排水能を備えるため、ドレーン材として利用することも当然可能である。
また、本発明の発泡水熱固化体は雑草抑制用の資材としても利用することができる。すなわち、本発明の発泡水熱固化体は、放湿性が高いため吸水した水分を速やかに放出するため、乾燥した状態が保たれやすい。そのため、本発明の発泡水熱固化体を地面に敷均すことで、植物の植生に適さない環境を構築することが可能となる。
なお、本発明の水熱固化体における表面気泡率とは、固化体の任意の断面における目視可能な気泡(空隙)の面積が占め割合を意味し、対象となる固化体の任意の断面(10mm×10mmの正方形)において、目視可能な大きさの気泡の面積をプラニメータで計測して表面気泡面積(mm)とし、下記の計算式によって算定されたものとする。
表面気泡率(%) = (表面気泡面積(mm)/100(mm))×100
また、本発明の発泡水熱固化体における吸水率とは、表面乾燥飽水状態の固化体に含まれている全水量の、絶対乾燥状態の固化体に対する百分率を意味し、絶対乾燥状態の質量(絶乾質量)と、表面乾燥飽水状態の質量(飽水質量)とを測定して、下記の計算式によって算定されたものとする。
吸水率(%) = ((飽水質量−絶乾質量)/絶乾質量)×100
本発明の発泡水熱固化体においては、強度と透水性のバランスが重要である。すなわち、透水性を向上させるためには表面気泡率を上げることになるが、表面気泡率を高くすると強度が低下するため、表面気泡率は22%以下にすることが好ましい。本発明においては表面気泡率22%以下であれば1軸圧縮強度5N/mm以上を達成することが可能である。
また、本発明の発泡水熱固化体においては、表面気泡率が0%であっても、気泡が目視できない程度の大きさで、実際には多孔質構造を有しているため、気泡同士が連結することにより透水性を備えたものとなる。しかしながら、気泡の大きさが小さ過ぎると、気泡同士の連結が減少するなどにより、吸水性及び透水性が低下するため、比表面積は75〜110m/g以下とすることが好ましい。比表面積が110m/g以下であれば、表面気泡率が0%であっても、吸水率40%以上を達成することが可能である。
本発明の発泡水熱固化体の製造方法によれば、上述の効果を備えた表面気泡率が0〜22%であり、BET比表面積が75〜110m/gであり、かつ、1軸圧縮率が5〜18N/mmである発泡水熱固化体を、特殊な機械装置を使用せず、低コストで容易に得ることが可能となる。
本発明の発泡水熱固化体の製造方法においては、前記焼却灰として、都市ごみ、木材チップ・タイヤチップ、製紙スラッジ、下水汚泥、バイオマスから選択される廃棄物焼却灰、或いは、石炭、ゴミ固形化燃料、紙・プラスチック固形化燃料から選択される焼却灰のいずれか又はこれらの混合物を用いることが可能である。
また、本発明の発泡水熱固化体の製造方法においては、前記(a)の混合工程において、前記混合物に対して生石灰を添加混合すると、焼却灰中の生石灰(CaO)成分の含有量が極端に少ない場合においても、生石灰を追加混入することによって、消化反応の熱の発生をより活発化することができる。
その場合、生石灰の添加割合が高過ぎると、発泡水熱固化体のアルカリ性が強くなるため、生石灰の添加割合は40質量部を上限とすることが好ましい。
また、本発明においては、前記混合物の10質量%程度であれば、前記混合物に対してさらに無機汚泥を含有していても良い。
また、本発明の発泡水熱固化体の製造方法においては、(a)の混合工程において一定量の水を混合用水として混合物に対して添加すると、混合時の粉塵発生低減と、早めに生石灰の消化反応を開始し、多少湿らせることにより次の混練工程における混練がスムーズになるため好ましい。
その場合の添加量としては、粉塵の発生を充分抑制するためには、前記混合物100質量部に対して15質量部以上とすることが好ましい。また、混合用水が多過ぎると粒状化する可能性があり、セメントとの混合に悪影響が生じる虞があるため、加える混合用水の量は25質量部程度を上限とすることが好ましい。
また、(a)の混合工程における混合用水及び(b)の混練工程における混練水として加水される水分の総量については、少な過ぎると混練物の粘度が大きくなりすぎて混練し難くなる、加水量が増えるほど混練物の粘度が小さくなるので混練し易くなるが、多過ぎると、過剰な水分を蒸発させるために時間を要することになる。
従って、混合用水及び混練水として添加される水分の総量は、固形成分100質量部に対して35質量部〜55質量部の範囲にすることが好ましい。なお、加水する水の温度には特に制限はなく、98℃程度の温水であっても問題ない。
また、本発明の発泡水熱固化体の製造方法においては、混練物が水熱固化する際に、焼却灰に含まれる金属アルミ二ウム等の両性金属にアルカリ水が反応してガスが発生して発泡・膨張する。仮に、成形型枠が存在しない状態で前記混練物を固化させると大きく膨張してしまい、得られる発泡水熱固化体は、表面気泡率が22%を超え、1軸圧縮強度が5N/mmを下回るものとなる。そのため、表面気泡率を22%以下に抑えて固化体の強度を確保するため、前記混練物は圧縮力を加えて膨張を一定の範囲に収められるように成形型枠の中において固化させる必要がある。
なお、膨張を一定の範囲に収めるために加える圧縮力としては、50kg/cm程度が目安となるが、表面気泡率が22%以下となるように適宜調整すれば良い。
また、成形型枠としては、混練物の固化の際の膨張方向の力に抗する程度の強度を有するものであれば制限はない。例えば、地面に掘った竪穴や、地表面から所定の高さに積み上げた土又は石壁等を型枠として利用することができる。
地面に掘った竪穴を成形型枠として利用した場合、地面を掘るだけの作業で型枠が得られるため、コストが掛らず、その結果、製品のコスト低減に貢献でき、また、任意の大きさ及び形状の型枠が容易に得られる。
また、焼却灰中の金属アルミ二ウム等の両性金属の含有量が少なすぎると、発泡に充分なだけの水素ガスが生じない虞がある、一方、両性金属自体は水熱固化反応とは無関係であるため、焼却灰中の両性金属の含有量は、0.5〜10質量%とすることが好ましい。
また、本発明の発泡水熱固化体の製造方法によれば、養生工程において、生石灰成分の水和熱によって成形型枠中の混練物の温度が上昇して水熱固化反応が進み、約3時間〜8時間で固化が完了する。なお、この水和熱は混練物の量に依存する一方、混練物からの排熱は表面積に比例するため、成形型枠中の混練物の温度を一定以上に保つ観点からは大きな型枠を利用することにメリットが生じる。小さい型枠の場合、排熱を押さえるため型枠の保温性などについて考慮する必要が出てくる虞がある。
なお、本発明の発泡水熱固化体の製造方法において、より強度の高い発泡水熱固化体を得たい場合は、(b)の混練工程で得られる混練物の水分をある程度蒸発させる解し工程を設け、その後(c)の養生工程へ移行しても良い。解し工程においては、混練物がファニキュラー状態(スランプ値で5〜7程度)から、ペンジュラー状態(スランプ値で0)程度になるまで水分を蒸発させても良い。解し工程に要する時間は概ね10〜50分程度である。
スランプ値が0になるまで水分を蒸発させた混練物を用いた場合、得られる発泡水熱固化体は気泡が目視可能な大きさよりも小さくなり、表面気泡率が0%となるが、吸水率40%、1軸圧縮強度12〜18N/mm程度となる。一方、解し工程を経ずに、スランプ値5〜7の混練物を用いて養生させた場合は、得られる発泡水熱固化体の表面気泡率は5〜30%となり、吸水率が50%以上、かつ、1軸圧縮強度が5N/mm以上を満たすものとなる。
実施例1の表面気泡率の測定方法を示す発泡水熱固化体の断面図である。 実施例2の表面気泡率の測定方法を示す発泡水熱固化体の断面図である。
以下、本発明にかかる発泡水熱固化体の製造方法の実施例について説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための焼却灰を原料とした発泡水熱固化体の製造方法を例示するものであって、本発明をこの実施例に限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
例えば、以下に示す実施例においては、一部工程が重機等を用いて混練物などを移送したものとなっているが、これらの工程を移送装置などの機械・装置を設置して自動化した場合に対しても適用可能である。
[実施例1]
[焼却灰及びセメント]
焼却灰としては、ここではプラスチック固形化燃料及びタイヤチップの混合物を50質量%、木材チップを20質量%、石炭を20質量%、製紙スラッジ10質量%を混合し、燃焼した焼却灰を使用し、セメントとしては高炉セメントを使用した。焼却灰には約8質量%の金属アルミニウムが含まれていた。
なお、製紙スラッジは、一般に古紙を再生するときに生じるものであるが、ここではパルプ製造工程、製紙製造工程や古紙処理工程から発生するものも含んでいる。
[混合工程]
上記焼却灰100質量部に対して、セメントを20質量部加え5分間混合した後、固形成分(焼却灰とセメントの総量)に対して20質量部の水を混合用水として加えて、焼却灰とセメントとが均一に分散するよう5分間混合した。
[混練工程]
上記のようにして得られた混合物の固形成分100質量部に対して、25質量部の水を混練水として加え、混練機に入れて混練することで混練物を得た。この混練は混練物のスランプ値が5となるまで、30分程度行った。なお、混練機としては1度に混練できる混練能力量が4m程度の混練機を用い、4m×10回分の混練物を得た。
[養生工程]
養生工程においては、予め地面を掘って造っておいた40mの容積の竪穴を成形型枠として、上記のようにして得られた混練物を成形型枠に順次移送・集積した後、重機を用いて50kg/cm程度の加圧力となるように加圧した状態で3時間水熱固化させ、その後重機による加圧を除いて5時間養生することで、実施例1にかかる発泡水熱固化体を得た。
[実施例2]
上記実施例1の混練工程においてスランプ値が7となるまで混練したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2にかかる発泡水熱固化体を得た。
[実施例3]
上記実施例1の混練工程において得られた混練物を、予め地面を掘って造っておいた4mの容積の竪穴(以下、「解し型枠」という)10個にそれぞれ移送して、解し工程として50分間放置し、スランプ値が0になるまで水分を蒸発させてから、重機を用いて混練物を解し型枠から成形型枠に移送・集積したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3にかかる発泡水熱固化体を得た。
[比較例1]
上記実施例1の混練工程で得られた混練物を、成形型枠に入れず平板上に放置させて水熱固化させることで、比較例1にかかる発泡水熱固化体を得た。
[特性評価]
上記のようにして得られた、実施例1〜3及び比較例にかかる発泡水熱固化体の特性について、表1に纏めて示した。なお、比較例1については、容易く微粉化してしまうこと、及び、気泡が大き過ぎることから、1軸圧縮強度以外については有効に測定できなかった。
表面気泡率は、カッターで平らな切断面を形成し、10mm×10mmの正方形の領域において、目視可能な大きさの気泡の面積をプラニメータで計測して表面気泡面積(mm)とし、下記の計算式によって算定した。(図1及び2参照)
表面気泡率(%) = (表面気泡面積(mm)/100(mm))×100
なお、実施例3においては、目視可能な程度よりも気泡が小さいため、表面気泡率を0とした。
また、吸水率は、それぞれ1辺が5cm程度の礫となるように破砕したそれぞれの発泡水熱固化体について、表面乾燥飽水状態の固化体に含まれている全水量の、絶対乾燥状態の固化体に対する百分率として、絶対乾燥状態の質量(絶乾質量)と、表面乾燥飽水状態の質量(飽水質量)とを測定して、下記の計算式によって算定した。
吸水率(%) = ((飽水質量−絶乾質量)/絶乾質量)×100
また、放湿性については、表面乾燥飽水状態から、25℃湿度65%の環境下において24時間放置した後の、発泡水熱固化体の含水状態での質量である24時間後含水質量と、飽水質量との差から、24時間放置によって放湿された水分の質量(24時間放湿量)を求め、吸水量(=飽水質量−絶乾質量)に対する百分率として以下の算定式によって求めた。
放湿性(%) = (24時間放湿量/吸水量)×100
また、比表面積は独立行政法人「鳥取県産業技術センター」において、株式会社島津製作所製 自動比表面積測定装置「ジェミニ2375」を用いて測定したBET比表面積を用
いた。
表1より、実施例1〜3の発泡水熱固化体は、いずれも1軸圧縮強度5N/mm以上18N/mm以下であり、一定の強度が確保されていることがわかる。
また、実施例1〜3ではいずれも、吸水率40%以上と1軸圧縮強度5N/mm以上とを兼ね備えているが、実施例1〜3の比較により、表面気泡率が大きくなり比表面積が小さくなるほど、吸水率が向上する一方、1軸圧縮強度が低下することが示されており、比較例1のように表面気泡率が大き過ぎると、強度と透水性の両立ができないことがわかる。
この表面気泡率の上限については、実施例2の結果から、22%以下であれば盛土等に用いるのに必要な程度の強度を備えて、強度と透水性が両立された発泡水熱固化体が得られるものと考えられる。
また、表面気泡率が小さくなり比表面積が大きくなるほど、吸水率が低下する一方、1軸圧縮強度が向上することが示されているが、表面気泡率が0%の場合であっても、実施例3の結果に示されるように、比表面積が一定の値以下であれば、吸水性が確保されることがわかる。
すなわち、表面気泡率が0%、かつ、比表面積が110m/gである実施例3において吸水率40%が達成されていることから、実施例3の結果から、表面気泡率が0%の場合でも、比表面積が110m/g以下であれば、強度と透水性が両立された発泡水熱固化体が得られるものと考えられる。
一方、比較例1として得られた発泡水熱固化体は、容易く微粉化してしまうものであり、表1において1軸圧縮強度が2N/mm以下であることからも示されるように、土木資材としての強度が低く、一定の強度が必要とされる盛土等に用いるには適さないものであった。
従って、本発明においては、表面気泡率を22%以下に収め、表面気泡率が0%の場合は、さらに比表面積を110m/g以下となるように制御することで、強度と透水性を兼ね備えた発泡水熱固化体が得られることがわかる。
[実験例:軟弱地盤への盛土]
上記のようにして得られた実施例1の発泡水熱固化体を用いて、軟弱地盤への盛土を行い、盛土材としての骨材性能について評価した。
盛土対象地盤
現場CBR:2.1%
コーン指数:192.7kN/m
含水比 :11.6%
深さ :30cm
上記の軟弱地盤に対して、実施例1の発泡水熱固化体、もしくは、比較例2として山土を盛土材として盛土した。盛土はそれぞれの盛土材を、10cmずつ敷均す度に1tローラーで転圧して行った。
トラフィカビリティについて
表2に、2回の盛土処理後(すなわち、盛土層は20cm)のコーン指数の測定結果を示す。
表2に示したとおり、比較例2では2回の盛土を行っても、一般ブルドーザ21t級が走行可能とされるコーン指数700kN/mを下回り、677kN/mであった。なお、比較例2においては4回の盛土を行っても967kN/mと低いコーン指数であった。
一方、実施例1では、2回の盛土で1212kN/mと、ダンプトラックの走行に必要とされる1200kN/mをも上回るものとなり、軟弱地盤への盛土材として、トラフィカビリティの確保にすぐれた盛土材であることが示された。
現場CBR値について
比較例2では4回の盛土を行っても、現場CBR値は12.2%であり、盛土基準値(CBR値20.0%)を上回ることができなかったが、実施例1では3回の盛土によって、現場CBR値が21.9%と盛土基準値を上回った。
このように、本発明にかかる発泡水熱固化体は、特に軟弱地盤に対する地盤改良(地盤補強)効果に優れておりドレーン材が不要となる。従って、少ない工程数で路床盛土の強度が確保できることから、本発明にかかる発泡水熱固化体を盛土として利用することで、コスト削減・工期短縮を図ることが可能となる。
上述のような、本発明にかかる発泡水熱固化体が備える盛土材としての優れた効果は、本発明にかかる発泡水熱固化体が、強度とともに、高い吸水性と放湿性によって実現される高い透水性・排水能を有していることによって、軟弱地盤における圧密水が吸い上げられ、排水されることにより達成されるものと考えられる。
また、本発明にかかる発泡水熱固化体は雑草抑制のための土木資材として利用することができる。これは、本発明にかかる発泡水熱固化体が養分のない無機質であり、かつ、強度とともに透水性及び放湿性も備えていることによる。例えば、地面上に敷均すことで、花壇や中央分離帯等、所望の土地における雑草の生育を抑制することが可能である。以下、本発明にかかる発泡水熱固化体を利用した「防草・緑化工法」について述べる。
[雑草抑制基盤層の形成]
まず、本発明にかかる発泡水熱固化体を粒子径が20mm程度以下になるように粒度調整する。次いで、粒度調製された発泡水熱固化体を雑草抑制対象地面に敷均し、その後所定の硬度となるよう締め固めることで、所望の形・広さの土地に雑草抑制基盤層を構築することができる。
雑草抑制基盤層は、強度が5N/mm以上の発泡水熱固化体を締め固めることで形成された緊密層であるため、雑草抑制基盤層上において仮に種子が発根したとしても根の活着が防止され、雑草抑制基盤層下において仮に種子が発芽したとしても雑草抑制基盤を超えて成長することが防止される。
また、本発明にかかる発泡水熱固化体は養分のない無機質であり、且つ、透水性と放湿性が高いため、雑草抑制基盤層上は水分が貯留しにくく乾燥しやすい。加えて、本発明にかかる発泡水熱固化体は、焼却灰をセメント固化した資材であるのでアルカリ性を示す。従って、雑草抑制基盤層が構築された土地は植物の生育には適さない環境となる。
従来、景観を良好にし、観覧者の心を和ませることを目的として、道路整備の際に花壇や中央分離帯の植栽帯等が一般的に設けられる。これらの花壇や植栽帯は、植樹・整備された時点では景観も良好であるが、経時的に雑草が繁茂し場合によってはゴミ等の投棄場所にもなってしまうため、雑草が極力繁茂しないことが望まれる。しかしながら、雑草防除には手間・費用がかかるため、景観維持のための除草費用が不足する場合には対応することができない。
そこで、花壇や中央分離帯の植栽帯を整備する際に、本発明にかかる発泡水熱固化体を用いて雑草抑制基盤層を形成しておくことで、上記の課題を解決することができる。
従来からある雑草抑制の方法としては、例えば、実用新案登録第3029692号公報には、防草効果を備えると共に省力的に地被植物を植栽することのできる地被植物植栽シートの発明が記載されている。しかしながら、上記の地被植物植栽シートであっても、(1)シート下の土壌に活着した植物は徐々に成長してしまうため、特にシート周辺部の隙間からの雑草が繁茂し易く、また、シート周辺部でなくとも、緑化用に形成された穴等を通してシートを突き抜けて成長する雑草がしばしば見られ、一度突き抜けてしまった雑草にはもはや防草効果は期待できない。また、(2)シートであるためシート押さえが不良となった場合に風等で捲くれてしまう虞があり、(3)シート下に虫や小動物が住み付きやすい、(4)シートの透水性が不足した場合、表土の流出によってシートが浮いてしまう等の課題があり、改善の余地があった。
一方、本発明に発泡水熱固化体を用いた雑草抑制の方法であれば、上記の地被植物植栽シートが抱える課題はクリアされる。
また、特開2011−92098号公報には、施工が容易で、雑草排除作用に優れ、土壌への悪影響もなく、自然景観との調和も図ることができる防草工法、土質材、セメント系固化剤、団粒化剤及び水を混ぜ合わせる混練工程と、前記混練工程で形成された混練物を地盤上に打設して植栽層を形成する造成工程と、前記造成工程で形成された植栽層の表面に植栽穴を形成する造穴工程と、前記造穴工程で形成された植栽穴に地被植物の苗を植え込む定植工程と、を備えた防草工法の発明が開示されている。
しかしながら、上記特開2011−92098号公報に記載の防草工法においては、土質材とセメント系固化剤の粒子とが立体的な団粒構造を形成するために、団粒化剤を用いる必要がある。また、混練工程において団粒化するためには、ミキサーのように大掛かりな設備が必要になり、例えば道路の中央分離帯のように施工場所の作業スペース等に制約がある場合には、さらに施工コストが高くなってしまう。
一方、本発明にかかる発泡水熱固化体は、雑草抑制したい地面に敷均すだけで上記植栽層に相当する雑草抑制基盤層を形成することが可能であり、団粒化剤が不要で混練のための設備も不要である。
また、上記の実用新案登録第3029692号公報に記載の地被植物植栽シートや特開2011−92098号公報に記載の防草工法等を用いて、花壇や植栽帯が雑草抑制処理されていても、雑草抑制処理がされた領域とブロックなどで形成された外枠との境界に僅かな隙間が残り、この隙間に雑草が活着してしまうことがしばしば見られる。
このような隙間雑草を抑制するために、本発明にかかる発泡水熱固化体を以下のように活用することができる。
[隙間雑草抑制処理]
すなわち、発泡水熱固化体を粒子径が5mm以下になるように粒度調整した後、セメント系固化剤と両性金属成分(金属アルミ等)を含んだ材料を添加して水を加えて混合・混練することで得られる混練物を、隙間雑草抑制材として雑草抑制基盤層と外枠との間の隙間に充填することで、隙間雑草の生育も効果的に抑制することができる。
上記隙間抑制材は膨張性を有しているため、隙間抑制材が充填後固化することで、雑草抑制基盤層と外枠との間の隙間は完全に埋められる。なお、上記混練物については、膨張反応の促進と、隙間の状態に応じて充填しやすいようスラリー状にすることが好ましく、所望の流動性となるよう水の量を適宜調整することが可能である。
上述した本発明にかかる発泡水熱固化体を利用した雑草抑制方法を、芝や花類などの植物と組み合わせることにより、雑草が排除されるとともに緑化がなされた景観の良い緑化帯「ノングラス・ガーデン」を省力的に構築することができる。
例えば、センチピードグラスなどの匍匐性の芝は、芝生として定着することで雑草を抑制して除草作業を軽減する芝として知られているが、芝生として定着するまでは、他の植物の繁茂を抑えるための管理が当然のことながら必要となる。
そこで、本発明にかかる発泡水熱固化体を用いることで、センチピードグラスが定着するまでの間の管理負荷の軽減を実現することが可能となる。以下、本発明にかかる発泡水熱固化体と匍匐性の芝とを組み合わせた「防草・緑化工法」の具体例について説明する。
[1.施工準備工程]
植栽帯の地面の上部を、約5〜30cmの任意の深さを剥ぎ取り、剥ぎ取った地面の残根等を全て除去する。又、周辺部の構造物(ブロック等)の側面や既存の樹木等の根元に付着した土や根を、丁寧にブラシ等で剥ぎ取る。既存地盤は平らに均す。なお、既存の樹木などは残しても良い。
[2.雑草抑制基盤層形成工程]
準備が出来た植栽帯の地面に、粒度調整した本発明にかかる発泡水熱固化体を雑草抑制材として、地盤上に約5〜30cm程度敷き均し、コンパクタ等の締固め機で所定の硬度に締固める。土壌硬度は、山中式土壌硬度計による「ち密度」としては20mm以上、より好ましくは25mm以上が良い。
[3.隙間雑草抑制処理工程]
次いで、周辺部は1〜5cm程度隙間を空け、隙間雑草抑制剤を流し込み周辺部のコンクリートの外枠等と敷均した雑草抑制材の間に隙間が開かないようにする。隙間雑草抑制剤は硬化が比較的早いので、ある程度固化したら表面をコテ等で均す。なお、隙間下部は既存地盤まで達するように空けることが好ましい。
[4.根伸材投入孔の開削工程]
施工した雑草抑制基盤層に振動ドリル等を用いて、植栽する芝に見合った根が伸びる穴を開けることで、根伸材投入孔を設ける。穴は雑草抑制材を施設した下部地面に食い込むまで開削する。食い込む深さは、根伸孔の直径程度か、又、それ以上の深さにする。この根伸孔の開削は、他の方法もありこの限りではない。
なお、上記2.雑草抑制基盤層形成工程において発泡水熱固化体を敷均す際に、既存地盤上に筒状や箱状等所定形状の型枠をあらかじめ置いてから、発泡水熱固化体を敷均し、転圧後に型枠を引き抜くようにして根伸材投入孔としても良い。その際、型枠として自然分解する素材のものを用いれば、型枠の引き抜きは不要となる。
[5.根伸材の投入工程]
根伸材は、定植された苗等の根が、既存の地中に向かって、根伸孔を下りやすい材料を用いる。材料は、砂嬢土・植嬢土などの土質材や肥料、その他任意の材料を調合して投入する。型枠を用いて根伸材投入孔を形成する場合、この根伸材は型枠の中にあらかじめ入れておくこともできる。この根伸材充填定植方法を用いれば、雑草抑制基盤層が厚くても根の長さの短い任意の植物でも定植することができる。
[6.植栽・播種工程]
根伸材を投入した上部に芝の苗を定植もしくは播種する。苗は市販のポット苗を用いれば良いが、センチピードグラス等の匍匐茎を約10〜20cmに切断し、その切断した匍匐茎を十字状や格子状又、渦巻き状、又は、その他の形に成形し、任意の育苗箱で発根育成した十字形状やレンガ・円盤形状のマットを上部に植え付けてもよい。以降、芝が生育し芝生化すれば、雑草が排除された緑化帯「ノングラス・ガーデン」ができあがる。
尚、この匍匐茎の育成マットの育苗箱を加湿状態で約30℃に保てば、匍匐茎(ランナー)の側芽から直ぐに発根し始める。伸びる長さは17.8mm/日であった。この方法を用いれば季節に関係なく施工現場に即した育苗管理を行える。そして発根したこのマット苗を植付けることで、単純に播種したりポット苗を植えつけたりした場合と比べて、短期間で匍匐茎(ランナー)が伸長し緑化が早くできるメリットがある。
上記のようにして整備された緑化帯「ノングラス・ガーデン」は、以下のような利点を有したものとなる。
すなわち、センチピードグラスについては、他の植物の生育を妨げるアレロパシー効果の存在が指摘されており、このアレロパシー効果による雑草抑制作用が期待される。なお、アレロパシー効果を発揮させるためには、センチピードグラスの匍匐茎を他の雑草よりいかに早く成長させることが大事であり、センチピードグラスがある程度の芝生として地面を覆うようになるまでは、他の雑草を抑制する手段が必要とされる。
一方、緑化帯「ノングラス・ガーデン」は、根伸材投入孔以外は、本発明にかかる発泡水熱固化体を用いて形成されている雑草抑制基盤層であり、また隙間雑草抑制処理も施されているため、他の雑草を抑制するための管理の手間が不要である。また、上記の匍匐茎を任意の形状で発根育苗したマット苗は生長が早いことが知られており、芝生化がより早く達成できるため好ましい。
なお、上記「防草・緑化工法」の変形例として、雑草抑制基盤層を上下二層に分けて、その間に根伸育成層を設けても良い。
根伸材投入孔を通して、既存地盤からの雑草の芽が伸びてくる恐れのある場合には、上記変形例のように施工することで、これを防止できる。
「根伸育成層」の材料は、根伸材と同じか、既存土を用いるか又は、混合しても良いが、当然、雑草の種子や根が混入していないことが好ましい。

Claims (6)

  1. 以下の工程(a)〜(c)を含むことを特徴とする発泡水熱固化体の製造方法。
    (a)両性金属を含有する焼却灰100質量%にセメントを5〜25質量%加えて混合する混合工程、
    (b)前記混合工程の後、前記焼却灰及びセメントの混合物に混練水を投入して混練することで、前記混合物に含まれる生石灰を水和させてファニキュラー状態の混練物を得る混練工程、
    (c)前記混練工程の後、前記ファニキュラー状態の混練物を、地面に掘った竪穴又は地表面から所定の高さに積み上げた土又は石壁で囲まれた型枠からなる成形型枠に移すと共に所定の圧縮力を加えながら水熱固化させ、前記焼却灰に含まれる両性金属とアルカリ水を反応させてガスを発生させて発泡させることにより表面気泡率が0〜22%の発泡水熱固化体を得る養生工程。
  2. 前記焼却灰は、都市ごみ、木材チップ・タイヤチップ、製紙スラッジ、下水汚泥、バイオマスから選択される廃棄物焼却灰、或いは、石炭、ゴミ固形化燃料、紙・プラスチック固形化燃料から選択される焼却灰のいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
  3. 前記焼却灰中の両性金属の含有量が、0.5〜10質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
  4. 前記(a)の混合工程において、前記混合物に対して生石灰を添加混合し、その割合を全混合物の30〜40質量%にしたことを特徴とする請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
  5. 前記(b)の混練工程において、前記混合物100質量部に対して35〜55質量部の水を加えて混練することを特徴とする請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
  6. 前記(a)の混合工程おいて、前記混合物100質量部に対して、水を15〜25質量部混合し、前記(b)の混練工程で前記混練水として20〜30質量部の水を投入して所定量を順次連続して混練することを特徴とする請求項1に記載の発泡水熱固化体の製造方法。
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