JP5841876B2 - セメント硬化体の構成比率測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント水和物と非セメント水和物とが含まれるセメント硬化体の構成比率を測定するセメント硬化体の構成比率測定方法に関する。
従来より、コンクリートやモルタルなどのセメント硬化体において、劣化状態や強度などを把握するために、セメント硬化体中のセメント水和物、骨材等の非セメント水和物、あるいは、セメント水和物に存在する空隙等、セメント硬化体の各構成部分の体積の比率(以下、構成比率という。)を測定することが行われている。
短時間で且つ測定用の試料の調整に手間をかけずに前記構成比率を測定する方法として、例えば、電子線などを用いて試料表面の分析を行う表面分析装置を用いることが検討されている。
例えば、電子線マイクロアナライザー(EPMA)は試料表面の特定元素濃度を非破壊で測定できる装置であり、具体的には、試料表面をマイクロメートルの細かい小区画に分画し、各小区画に電子線を照射して、かかる小区画領域中における構成元素の種類の判定とその濃度を検出できる装置である。
かかる表面分析装置でセメント硬化体に含まれる特定の元素濃度を基にしてセメント硬化体の構成比率を測定することが検討されている。
前記EPMAを用いてセメント硬化体の構成比率を測定する方法としては、例えば、特許文献1に記載の方法が挙げられる。
特許文献1には、EPMAを用いてセメント硬化体試料のCa濃度とSiO2濃度とを測定しCa濃度が一定以上の小区画(ピクセル)をセメント水和物であると判定し、SiO2濃度が一定以上のピクセルを骨材であると判定した上で、骨材部分を除くセメント水和物部分のピクセルについてCa濃度を元に空隙率を測定する方法である。
しかしながら、前記方法によれば、例えば、Si、Caなどの元素濃度が、セメントと近い骨材が含まれている試料を測定した場合には、セメント硬化物中のセメント水和物と骨材との識別が難しいため、精度よくセメント水和物と骨材との判別が困難である。
また、EPMAは表面から数μm程度の厚みに亘って特定元素の濃度を測定するため、例えば、試料の表面から測定可能な厚みの範囲にセメント水和物部分と骨材部分とが、深さ方向に重なって存在している場合には、セメント水和物と骨材の両方の元素濃度を測定してしまい、精度よく、セメント水和物と骨材とを識別することは困難である。
特開2008−275637号公報
本発明は、上記問題点等に鑑み、セメント硬化体中の、セメント水和物、非セメント水和物および空隙の構成比率を精度良く測定することができるセメント硬化体の構成比率測定方法測を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係るセメント硬化体の構成比率測定方法は、
セメント水和物と非セメント水和物とが含まれるセメント硬化体の表面を、複数の小区画に区分し、前記各小区画に放射線を照射して前記セメント硬化体より発生する信号によって、各小区画における前記セメント水和物中に含まれる特定元素の濃度を測定する第一測定工程と、
前記セメント硬化体の表面を、セメント水和物が変質する条件で処理する変質処理工程と、
前記変質処理工程後の前記セメント硬化体の前記各小区画に放射線を照射して、前記セメント硬化体の表面より発生する信号によって、前記各小区画における前記特定元素の濃度を測定する第二測定工程と、
前記各小区画について前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度と、前記第二測定工程で測定した特定元素の濃度とを比較して、特定元素の濃度の変化率が所定の率である小区画を前記セメント水和物であると判定し、それ以外の小区画を非セメント水和物であると判定し、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の濃度の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素の濃度が低い小区画を空隙であると判定する判定工程と、
前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程とを実施する。
本発明によれば、セメント水和物と非セメント水和物とが含まれるセメント硬化体の表面を、複数の小区画に区分し、前記各小区画に放射線を照射して前記セメント硬化体より発生する信号によって、各小区画におけるセメント水和物中に含まれる特定元素の濃度を測定する第一測定工程と、前記セメント硬化体の表面を、セメント水和物が変質する条件で処理する変質処理工程と、前記変質処理後の前記各小区画に放射線を照射して、前記セメント硬化体の表面より発生する信号によって、前記各小区画における特定元素の濃度を測定する第二測定工程とを実施して、さらに、前記各小区画について前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度と、前記第二測定工程で測定した特定元素の濃度とを比較して、特定元素の濃度の変化率が所定の率以上である小区画を前記セメント水和物であると判定し、それ以外の小区画を非セメント水和物であると判定することによって、セメント水和物と非セメント水和物とを精度よく判別することができる。
さらに、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の濃度の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素の濃度が低い小区画を空隙であると判定することにより、セメント硬化体における空隙の比率を精度良く判別することができる。
そして、前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程を実施することで、セメント硬化体における、セメント水和物、非セメント水和物、及び空隙の比率を精度良く求めることができる。
尚、本発明において、前記セメント水和物が変質する条件とは、加熱、加圧、その他化学的処理等のように、前記セメント水和物の表面の高さが変化するような条件をいう。
また、本発明でいう、放射線とは、すべての電磁波および粒子線を意味し、例えば、X線、γ線、光線、α線、β線、電子線等が含まれる。
さらに、本発明でいうセメント硬化体より発生する信号とは、前記放射線を照射したセメント硬化体から発生する信号であって、特性X線、二次電子線、光電子線など表面分析が可能な信号を意味する。
また、本発明でいう、特定元素の濃度の変化率が所定の率である、とは、セメント水和物が変質されたことを示す特定元素の濃度の変化率であることをいう。
かかる変化率は、例えば、予め、セメント水和物中の特定元素について、前記変質する条件での処理の前後で、どの程度濃度の測定値が変化するかを測定しておくことで求められる。
本発明において、空隙とは、セメント水和物部分に存在する空隙をいう。
また、本発明において、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素濃度が低い小区画を空隙であると判定する方法は、具体的には以下のような方法による。
すなわち、セメント水和物に空隙が存在する場合には、かかる空隙部分は、前記変質処理前であっても、空隙の存在しないセメント水和物よりも空隙によって表面の高さが低くなっている。
変質処理前のセメント水和物の小区画であれば、本来はすべて同じ特定元素濃度になるはずであるが、空隙が存在する場合は高さが低いため、通常のセメント水和物の小区分よりも特定元素濃度は低く測定される。従って、セメント水和物であると判定された小区画中で最も高い特定元素濃度、あるいは、この最高濃度に測定誤差等を考慮にいれた特定元素濃度を基準濃度として定め、前記基準濃度より特定元素濃度が低い小区画を前記空隙であると判定する。
尚、測定した小区画中に、空隙が存在しないセメント水和物の小区画が存在しない場合には、前記最高濃度がセメント水和物であることを示す濃度と一致しないことになるが、小区画の単位面積当たりの数を増やすことで、測定した小区画中に空隙の存在しないセメント水和物の小区画が存在する確率が高くなる。かかる観点から小区画の単位面積当たりの数は30000pix〜1000000pix程度にすることが好ましい。
本発明の一態様としては、前記特定元素がCaであってもよい。
Caはセメント中に多く含まれている成分であるためセメント水和物中にも多く含まれ、セメント水和物を判定する場合には、Ca濃度の変化率によって、セメント水和物であることが容易に判定できる。
本発明の一態様としては、前記判定工程において、前記特定元素の濃度を、前記特定元素の化合物濃度に換算して、前記変化率および前記基準濃度を求めてもよい。
セメント中に含まれる特定元素が化合物としてセメント中に含まれている場合には、化合物濃度として換算することで、より正確にセメント硬化体の構成比率として測定することが可能である。
この場合、前記判定工程において、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度中の最高濃度を100%とした場合、前記最高濃度より0%〜40%低い値を基準濃度としてもよい。
前記判定工程において、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度のうち最高濃度を選択し、前記最高濃度を100%とした場合に、前記最高濃度の0%〜40%低い値を前記基準濃度とするとした場合には、精度よく空隙を有するセメント水和物であるかどうかを判定できる。
本発明において、前記変質処理工程が、前記セメント硬化体の表面を、前記セメント水和物が変質する温度条件で加熱処理する加熱処理工程である。
前記変質処理工程が、前記セメント硬化体の表面を、前記セメント水和物が変質する温度条件で加熱処理する加熱処理工程である場合には、特に、精度良くセメント水和物と、非セメント水和物とを選択しうる。
尚、加熱による変質でセメント水和物を精度良く選択しうるのは、以下のような理由によるものである。
加熱による変質によって、前記セメント水和物の表面高さは変化して凹みが生じた状態になるが、このような加熱による変質で生じる表面高さの変化は、材料によって異なるため、前記セメント水和物が変質する温度でセメント硬化体を加熱した場合には、セメント水和物以外の構成材料である非セメント水和物部分の表面の高さは変化しないか、あるいは変化した場合でもセメント水和物の表面高さの変化とは異なる変化量になる。
かかる状態で、再度、セメント硬化体に放射線を照射すると、表面高さが変化している小区画ではセメント硬化体から発生する信号が変化するため、実際の特定元素の濃度は変化していなくても、特定元素の濃度として測定される値は、加熱前とは変化した値として測定される。
特定元素の濃度の加熱前後の変化率がセメント水和物の変化率である小区画は、セメント水和物が変質していることを示しているため、すなわち、かかる小区画はセメント水和物であると判定できる。
よって、セメント硬化体を加熱して変質させることで、セメント水和物と非セメント水和物とを精度よく区別することが可能となる。
尚、本発明でいう、セメント水和物が変質する温度、とは、セメント水和物が熱によって損傷を受け、その表面の高さが変化して該損傷部分が凹みを生じるような温度を言う。
かかる損傷する温度は、予めかかるセメント水和物を加熱して測定しておく等して、既知であることが必要である。
この場合、前記第一測定工程と、前記加熱処理工程と、前記第二測定工程とを電子線マイクロアナライザーを用いて実施してもよい。
電子線マイクロアナライザーを用いることで、前記第一測定工程と、加熱処理工程と、第二測定工程とを、同一装置で実施することが可能となる。
また、電子線マイクロアナライザー使用して加熱処理工程を実施することにより、セメント硬化体表面の極めて表面に近い部分のみを加熱することができ、より精度よくセメント水和物のみを判定することができる。
本発明において、前記セメント硬化体の表面を研磨する研磨工程を、前記第一測定工程の前に実施することが好ましい。
前記第一測定工程に先立ち、前記セメント硬化体の表面を研磨する研磨工程を実施することにより、より精度よくセメント水和物と、空隙とを判別することができる。
本発明によれば、セメント硬化体中の、セメント水和物、非セメント水和物、空隙の構成比率を精度良く測定することができる。
以下、本発明に係るセメント硬化体の構成比率測定方法について説明する。
本実施形態のセメント硬化体の構成比率測定方法は、
セメント水和物と非セメント水和物とが含まれるセメント硬化体の表面を、複数の小区画に区分し、前記各小区画に放射線を照射して前記セメント硬化体より発生する信号によって、各小区画における前記セメント水和物中に含まれる特定元素の濃度を測定する第一測定工程と、
前記セメント硬化体の表面を、セメント水和物が変質する条件で処理する変質処理工程と、
前記変質処理工程後の前記セメント硬化体の前記各小区画に放射線を照射して、前記セメント硬化体の表面より発生する信号によって、前記各小区画における特定元素の濃度を測定する第二測定工程と、
前記各小区画について前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度と、前記第二測定工程で測定した特定元素の濃度とを比較して、特定元素の濃度の変化率が所定の率である小区画を前記セメント水和物であると判定し、それ以外の小区画を非セメント水和物であると判定し、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の濃度の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素の濃度が低い小区画を空隙であると判定する判定工程と、
前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程とを実施する方法である。
本実施形態で測定するセメント硬化体は、セメント水和物と非セメント水和物とが構成部分として混在しているものである。
前記セメント硬化物中の非セメント水和物としては、細骨材、粗骨材等の骨材、ガラス繊維、結晶性シリカや非結晶性シリカなどのシリカ材料、アスベスト、高炉スラグおよびフライアッシュ(石炭灰)等が挙げられる。
前記セメント硬化体のセメント水和物の一部には、通常、空隙が存在しており、かかる空隙が存在する比率で、セメント硬化体の強度等に影響がでる。
本実施形態の構成比率測定方法においては、以下に説明する各工程を順次実施する。
(研磨工程)
まず、前記セメント硬化体の状態に応じて、必要があれば、前記セメント硬化体の表面を研磨する前記研磨工程を実施する。
前記研磨工程では、放射線を照射する前に前記セメント硬化体の表面を研磨する。かかる研磨を行うことにより、セメント硬化体の表面の凹凸をなくすことができ、後で実施される第二測定工程において精度よく、特定元素の濃度の変化を測定できる。
前記研磨工程で前記セメント硬化体を研磨する方法としては物理的、化学的な研磨方法のうちいずれの研磨方法も採用しうる。
物理的な研磨方法としては、例えば、バフ研磨方法などが挙げられ、化学的な研磨方法としてはエッチングなどが挙げられる。
前記研磨工程では、JIS B0601(1994)に規定される算術平均粗さ(Ra)が5μm未満となるようにセメント硬化体の観察対象表面を研磨することが好ましく、1μm以下となるように表面を鏡面研磨することがより好ましい。
尚、前記研磨工程は、従来公知の方法により、一般的な装置を用いて実施することができる。また、算術平均粗さ(Ra)は、市販の表面粗さ計を用いて測定することができる。
(第一測定工程)
次に、前記セメント硬化体の表面を、複数の小区画に区分し、前記各小区画に放射線を照射して前記セメント硬化体より発生する信号によって、各小区画における特定元素の濃度を測定する第一測定工程を実施する。
前記のような放射線を照射して発生する信号によって元素濃度を測定する手段としては、電子線マイクロアナライザー(EPMA)、走査型電子顕微鏡(SEM)、AES(オージェ電子分光装置)、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いることが挙げられる。
また、X線を照射するものではX線光電子分光装置(XPS)、IR光を照射するものとしてはFT−IR顕微鏡等を用いることが挙げられる。
中でも、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いることが好ましい。
EPMAを用いる場合には、前記セメント硬化体の表面の特定元素の濃度の測定の他に、電子線の照射条件を変更することで前記セメント硬化体の表面を加熱することもでき、前記第一測定工程と、後続の変質処理工程としての加熱処理工程と、第二測定工程とを同一装置で行うことができる。
以下、前記EPMAを用いて第一測定工程および第二測定工程を実施する場合について説明する。
前記第一測定工程において、前記セメント水和物に含まれる特定元素、例えば、Si、Al、Fe、Ca、Mg、S、Na、K、Ti、Mnなどの元素濃度を測定することが好ましい。中でも、Caはセメント中に多く含まれているため、Ca濃度を特定元素濃度として測定することが好ましい。
尚、本実施形態においては、Ca濃度は、酸化物濃度(CaO濃度)として換算した濃度として示す。以下、Caを特定元素とする場合について説明する。
また、EPMAによって測定されるCa濃度については単に%とした場合は、質量%を意味する。
セメント硬化物表面をEPMAで測定する場合には、EPMA測定条件として、ピクセルサイズ0.5μm×0.5μm〜1000μm×1000μm、ピクセル数5pix×5pix〜1024pix×1024pix、加速電圧5〜30kV、照射電流1×10-9〜1×10-5A、ビーム径0〜300μm、照射時間1〜10000msec/pix程度であることが好ましい。
尚、前記第一測定工程においては、研磨後のセメント硬化体の表面に、EPMAで測定を行うために必要な処理、例えば金などの金属蒸着など、を必要に応じて行なってもよい。
(変質処理工程)
次に、前記第一測定工程で測定を行った前記セメント硬化体の表面を、セメント水和物が変質する条件で処理を行う変質処理工程を実施する。
前記セメント水和物が変質する条件とは、セメント水和物が変質して表面高さが変化する温度、湿度、圧力等をいい、事前に測定するなどして、変質処理工程を実施するまでに既知である条件であればよい。
前記条件で行う変質処理とは、例えば、前記セメント水和物を加熱する加熱処理、酸エッチング剤などを接触させて化学的に表面を侵食させるような化学的処理、マイクロ波や赤外線等の放射線を照射してする放射線照射処理、逆スパッタリングやECRプラズマCVD等によるプラズマエッチング処理、サンドブラスト、ウォーターブラスト、エアーブラス、バフ研磨などの物理的研磨処理等が挙げられる。
中でも、前記セメント水和物が変質する条件が、前記セメント水和物が変質する温度条件であることが好ましい。この場合、前記変質処理工程は、前記セメント水和物が変質する温度でセメント硬化体の表面を加熱する加熱処理工程である。
以下、前記変質処理工程として、加熱処理工程を実施する場合について説明する。
(加熱処理工程)
前記加熱処理工程では、前記セメント硬化体の表面を、前記セメント水和物が変質する温度で加熱する。
前記セメント水和物が変質する温度とは、セメント水和物が熱により、水和物中の結晶水が脱水することで体積が減少したり変形したりすることにより、当該部分の表面が凹むような温度をいう。
熱によって変質を受けて表面高さが変化する程度は、変質させる対象物の種類によって相違するため、セメント水和物が変質するような温度で加熱した場合であっても、骨材等の非セメント水和物部分の表面高さが変化する程度はセメント水和物の表面高さの変化する程度とは異なる。
前記セメント水和物を非セメント水和物と識別する場合には100℃〜800℃の温度範囲で加熱することが好ましい。
また、加熱時間は1〜10000msec/pix、好ましくは40msec/pix〜100msec/pixの時間範囲で加熱することが好ましい。
かかる加熱温度、加熱時間は、前もって同一試料の一部よりサンプリングし、TG−DTA(示差熱熱重量同時測定装置)等で熱履歴測定を行い設定することで、より最適な加熱条件で試料を加熱することが可能となる。
前記のような温度範囲および時間範囲で加熱することによって、前記セメント水和物が十分に変質し、すなわち、セメント水和物から結晶水が十分に脱水して表面高さが低下する。
一方、セメント硬化物中の骨材、ガラス繊維、シリカ材料、ガラス材料、アスベスト、高炉スラグ、フライアッシュ等の非セメント水和物は、前記温度ではほとんど表面高さは変化しない。
前記加熱処理工程で、加熱する方法は特に限定されるものでなく、加熱方法としては、例えば、前記セメント硬化体を所定の温度に保った加熱槽内に静置する加熱方法、所定の温度に加熱できるようにセメント硬化体に熱風を所定時間あてる加熱方法、セメント硬化体に赤外光線、可視光線、紫外光線などの光線又は電子線、放射線等、を照射する加熱方法や化学処理(エッチング)などを採用することができる。
本実施形態では前記第一測定工程および前記第二測定工程において、EPMAを用いて測定を行うため、加熱処理工程でもEPMAを用いてセメント硬化体に電子線を照射する加熱方法を採用することが好ましい。
さらに、EPMAを用いて加熱する場合には、セメント硬化体の表面の極めて薄い深さを加熱することが可能となるため、精度よく、セメント水和物と非セメント水和物を識別して判定することができる。
前記加熱処理工程において照射する電子線は、通常、束となった電子ビームの態様で照射される。電子線の照射条件は、特に限定されるものではなく、例えば、その照射条件としては、加速電圧5〜30kV、照射電流1×10-9〜1×10-5A、ビーム径0〜300μm、照射時間1〜10000msec/pix程度であることが好ましい。
また、前記EPMAを用いて前記電子線を照射する場合には、ピクセル数100pix×100pix〜800pix×800pix、照射時間1〜100msec/pix程度の条件で電子線を照射することが好ましい。
(第二測定工程)
次に、前記加熱処理工程を実施したセメント硬化体の前記各小区画に、再度、放射線を照射して、前記セメント硬化体から発生する信号によって各小区画に含まれる前記Ca濃度を測定する前記第二測定工程を実施する。
この時、測定条件は前記第一測定工程の測定条件と同一条件で測定する。
前記加熱処理工程によって、セメント硬化体中に含まれるセメント水和物は変質を受け、表面の高さが変化しているため、前記第一測定工程と同一条件で放射線を照射した場合、前記セメント硬化体より発生する信号が変化している。
従って、実際は、Ca濃度に変化がなくても、電子線を照射されるセメント水和物から発生する特性X線は変化し、かかる信号量を基に測定されるCa濃度の数値は、前記第一測定工程で測定された現実のCa濃度とは相違する値が検出される。
(判定工程)
前記第二測定工程の後、前記第一測定工程と前記第二測定工程とで測定されたCa濃度の値から、前記セメント硬化物中のセメント水和物と、前記非セメント水和物とを判別する。
すなわち、まず、各小区画におけるCa濃度に着目し、前記第一測定工程と前記第二測定工程とで測定されたCa濃度の変化率が所定の率である小区画をセメント水和物であると判定し、前記変化率がそれ以外の小区画を非セメント水和物であると判定する。
尚、本実施形態では、Ca濃度としてはCaO濃度として換算した濃度を基に、前記変化率を求める。
セメント硬化物中の空隙を含むセメント水和物を判定する場合、例えば、前記変質処理として加熱処理を採用した場合であって、加熱温度として100℃〜800℃を採用した場合には、Ca濃度が、前記第一測定工程と前記第二測定工程とのCa濃度(CaO濃度換算)が1%〜34%(Ca濃度では0.7%〜24%)、好ましくは、5%〜15%(Ca濃度では3%〜11%)の範囲以上変化している小区画は空隙を含むセメント水和物であると判定できる。
セメント水和物は、複数の鉱物成分から成り、各鉱物成分によって前記加熱による濃度の変化率は異なるため、セメント水和物全体の前記変化率としては、セメント水和物中の前記鉱物成分の各変化率の最小値から最大値の範囲を所定の変化率として判定する必要があり、すなわち、Ca濃度(CaO濃度換算)が1%〜34%(Ca濃度では0.7%〜24%)の範囲以上減少している小区画はすべてセメント水和物であると判定することが適切である。
Caは非セメント水和物である骨材などにも含有される可能性がある元素であるが、前記のように、セメント水和物が変質する温度で加熱しても、骨材等の非セメント水和物は変質しないため、表面高さの低下はセメント水和物よりも小さい。
従って、骨材成分の小区画においては、前記第一測定工程と前記第二測定工程とで得られたCa濃度に差はほとんどなく、前記のようにCa濃度(CaO濃度換算)が1%〜34%(Ca濃度差が0.7%〜24%)以上減少して変化している小区画を空隙を含むセメント水和物と判定することで、骨材等の非セメント水和物成分とは十分に区別して判定することができる。
尚、前記加熱処理工程で熱によりセメント水和物が変質を受けて表面高さが低下した後に、当該小区画のCa濃度を測定した場合、実際のCa濃度より少ない値になるため、前記変化率は通常は低減率として示される。
次に、空隙を含むセメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定したCa濃度から、セメント水和物のCaの基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程のCa濃度が低い小区画を空隙であると判定する。
まず、前記セメント水和物であると判定されたすべての小区画のCa濃度のうち、最高濃度を選び出す。
かかる最高濃度である小区画は、第一測定工程でCa濃度を測定した小区画のうち、最も表面の高さが高い小区画であると考えられる。すなわち、かかる最高濃度の小区画は空隙を有さないセメント水和物の小区画であると判断できる。
かかる最高濃度を、例えば、検出率100%と定義すると、各小区画で測定したCa濃度を検出率に換算する場合には、以下のような式で表される。

検出率(%)=[第一測定工程で測定したCa濃度(CaO濃度換算)÷最高濃度)]×100
EPMAによるCa濃度の測定誤差が生じなければ、検出率100%よりも低濃度の小区画は、すべて表面の高さが前記最高濃度である小区画よりも低くなっている空隙であると判断でき、この場合は、前記最高濃度を基準濃度として、この基準濃度より低濃度の小区画をすべて空隙であると判定する。
しかし、通常、EPMAでCa濃度を測定する場合には、酸化物濃度換算で10%以下程度の濃度の繰り返し誤差が生じる。また、EPMAのXYステージの誤差、試料表面の面仕上げによる誤差も生じる。
従って、かかる種々の測定誤差を考慮にいれて、最高濃度から検出率として0%〜40%程度低い値、すなわち、検出率60〜100%を基準濃度とすることで、より精度よく、空隙を判定することができる。
(算出工程)
さらに、前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程を実施する。
前記判定工程において、測定した全小区画数に対する、セメント水和物、非セメント水和物、空隙としてそれぞれ判定された小区画の数の割合を、それぞれのセメント硬化体中に示す各構成部分の体積の比率であるとして、セメント硬化体の構成比率を算出することができる。
尚、本実施形態では、セメント硬化体中の、セメント水和物、非セメント水和物および空隙の構成比率を測定したが、さらに、前記第一測定工程で測定した各Ca濃度からセメント水和物中の水和に寄与している水分量を算出することで、水セメント比を算出することもできる。
水セメント比を算出することで、よりセメント硬化体の強度や劣化状態などを正確に把握することが可能である。
前記水分量を算出する方法としては、前記第一測定工程で測定したCa濃度からセメント硬化体中のCa水和物の量を算出する方法のほかに、セメント硬化体を乾燥させて、乾燥前後の重量の差から水分量を求めてもよい。
この場合、例えば、セメント硬化体を所定の温度で加熱乾燥した前後の質量の差から水分量を求めることができる。この場合、水和結合に寄与しない付着水の質量を除去する必要があれば、例えば、105℃で加熱して乾燥させて付着水を除去してから、さらに600℃の加熱乾燥を行い、この時減った質量を結合水の質量として求めることができる。
尚、前記のようにして小区分の数の割合から求めた各構成比率や、前記のようにして求めた水分量を、セメント硬化体単位体積あたりの各構成の質量(kg/m3)およびセメント硬化体単位体積あたりの空隙率に換算するには、下記のような式で換算することができる。
セメント水和物量(kg/m3)=(セメント水和物小区画数÷全小区画)×1000(kg/m3)×セメント水和物比重
骨材量(kg/m3)=(骨材水和物小区画数÷全小区画)×1000(kg/m3)×骨材比重
水分量(kg/m3)=水分量(質量%)÷100×1000(kg/m3
尚、本実施形態では、セメント水和物に含まれる特定元素としてCaに着目して、Ca濃度を前記第一測定工程および第二測定工程で測定したが、特定元素として濃度を測定する元素はCaに限定されるものではなく、セメント水和物中に含まれる元素であって、放射線を照射することで濃度が測定可能な元素であれば、特定元素として濃度測定することができる。
例えば、Si、Al、Fe、Mg、S、Na、K、Ti、Mnなどの元素濃度を測定することができる。
この場合、第一測定工程と第二測定工程とで測定した濃度の変化率は、それぞれの元素ごとに適切な変化率を採用することが好ましい。
例えば、前記変質処理として加熱処理を採用した場合であって、加熱温度として100℃〜800℃を採用した場合には、各元素の変化量が以下のような範囲以上である場合には、その小区画がセメント水和物であると判定できる。
Si:0.1%〜5.1%(酸化物換算SiO2:0.32%〜11%)、
Al:0.02%〜0.8%(酸化物換算Al23:0.08%〜3%)、
Fe:0.01%〜0.6%(酸化物換算Fe23:0.05%〜2%)、
Mg:0.01%〜0.5%(酸化物換算MgO:0.02%〜1%)、
S:0.01%〜0.5%(酸化物換算SO3:0.03%〜2%)、
Na:0.001%〜0.1%(酸化物換算Na2O:0.004%〜1%)、
K:0.004%〜0.1%(酸化物換算K2O:0.01%〜1%)、
Ti:0.002%〜0.1%(酸化物換算TiO2:0.004%〜1%)、
Mn:0.0001%〜0.1%(酸化物換算MnO:0.001%〜1%)。
尚、本実施形態実では、前記特定元素の濃度を、酸化物濃度に換算して、前記変化率および前記基準濃度を求めたが、前記特定元素の濃度は、酸化物以外の化合物濃度に換算してもとよい。この場合、セメント硬化体中において存在している特定元素が含まれている化合物の濃度に換算することが好ましい。
あるいは、前記第一測定工程で測定される特定元素の濃度の値をそのまま用いて前記変化率および前記基準濃度を求めてもよい。
本実施形態のセメント硬化体の構成比率測定方法は以上に説明したとおりであるが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、以下に示すようにして、セメント硬化物の試料を作製した。
セメント硬化物材料として、JIS R5201に規定するセメント(住友大阪セメント株式会社製、普通ポルトランドセメント)450g、骨材(セメント協会製、セメント強さ試験用標準砂)1350g、水225gを混練して、40mm×40mm×160mmの標準配合試験片を作製し、該試験片を7日後に40mm×40mm×10mmに切断した。かかる切断試験片を、空気中で1日、水中養生を6日行ったものを、試料として得た。
前記試料(40mm×40mm×10mmの直方体状)の1面を、平面研磨装置(マルトー社製、機器名:「MG−403」のコア抜き刃を、ダイヤモンドカップ刃に取替えて使用。)及び回転式乾式鏡面研磨装置(ムサシノ電子社製、機器名:「MA−300D」)を用いて、算術平均粗さ(Ra)が5μm未満となるように平滑に研磨することにより、研磨工程を行った。
次に、研磨面に対して、抵抗加熱方式の真空蒸着装置(日本電子社製 製品名「JEE−4X」)を用いて金を蒸着し、厚み100〜500オングストロームの範囲となるように薄膜を形成し、薄膜形成工程を行った。なお、真空度1×10-6torrの蒸着条件とし、45°傾斜させた被蒸着試料を回転させながら蒸着を行った。
続いて、EPMA装置(日本電子社製 製品名「JXA−8200」)を用いて、第一測定工程を実施してCa濃度を測定した。
測定条件は、以下の通りである。
(測定条件)
フィラメント:W
対物絞り:3
加速電圧:15kV
照射電流:2×10-7
ビーム径:5μm
ピクセル数:100pix×100pix
ピクセルサイズ:5μm×5μm
照射時間:40msec/pix
次に、前記EPMA装置を用いて加熱処理工程を実施する。
加熱条件は以下の通りである。
尚、下記条件で加熱した場合に、試料表面は約100℃〜800℃に加熱される。
(熱処理条件)
フィラメント:W
対物絞り:3
加速電圧:15kV
照射電流:1×10-6
ビーム径:1μm
ピクセル数:500pix×500pix
ピクセルサイズ:1μm×1μm
照射時間:5msec/pix
さらに、前記加熱後の試料表面を前記第一測定工程と同様にして、前記Ca濃度を測定する第二測定工程を実施する。
次に、前記第一測定工程と第二測定工程とで測定された各ピクセルのCa濃度の酸化物換算値が、10%以上差があったピクセルをセメント水和物、10%未満の差であったピクセルを骨材と判定する。
さらに、前記セメント水和物と判定したピクセルにおいて、Ca濃度の酸化物換算値が最高濃度を選択する。本実施例の場合は68.88%が最高濃度であり、これを100%と定義する。
さらに、前記最高濃度から、測定誤差として35%を引いた値、すなわち、Ca濃度が65%を基準濃度として、前記セメント水和物であると判定したピクセルのうち、Ca濃度が基準濃度65%未満であったピクセルを空隙であると判定した。
尚、前記測定誤差のうち、前記繰り返し誤差は、予め前記EPMA装置において、標準試料(商品名:M8 Wollastonite(CaSiO3)、日本電子データム株式会社製)を用いてCa濃度の測定誤差を測定した繰り返し変動誤差を測定しておくことができる。
測定条件は、第一測定工程と同条件で、標準試料上の任意の測定位置を指定し、固定した状態で複数回測定し、変動誤差を算出する。
前記測定結果から、総ピクセル10000pix、骨材と判定されたピクセル8226pix、空隙を有するセメント水和物と判定されたピクセル1774pix、空隙を有するセメント水和物中で空隙と判定されたピクセルが268pixであった。
すなわち、骨材は82.3体積%、空隙は2.7体積%、セメント水和物は15.1体積%であった。

Claims (6)

  1. セメント水和物と非セメント水和物とが含まれるセメント硬化体の表面を、複数の小区画に区分し、前記各小区画に放射線を照射して前記セメント硬化体より発生する信号によって、各小区画における前記セメント水和物中に含まれる特定元素の濃度を測定する第一測定工程と、
    前記セメント硬化体の表面を、セメント水和物が変質する条件で処理する変質処理工程と、
    前記変質処理工程後の前記セメント硬化体の前記各小区画に放射線を照射して、前記セメント硬化体の表面より発生する信号によって、前記各小区画における特定元素の濃度を測定する第二測定工程と、
    前記各小区画について前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度と、前記第二測定工程で測定した特定元素の濃度とを比較して、特定元素の濃度の変化率が所定の率である小区画を前記セメント水和物であると判定し、それ以外の小区画を非セメント水和物であると判定し、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の濃度の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素の濃度が低い小区画を空隙であると判定する判定工程と、
    前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程とを実施し、
    前記変質処理工程が、前記セメント硬化体の表面を、前記セメント水和物が変質する温度条件で加熱処理する加熱処理工程であるセメント硬化体の構成比率測定方法。
  2. 前記特定元素がCaである請求項1に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
  3. 前記判定工程において、前記特定元素の濃度を、前記特定元素の化合物濃度に換算に換算して、前記変化率および前記基準濃度を求める請求項1に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
  4. 前記判定工程において、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度中の最高濃度を100%とした場合、前記最高濃度より0%〜40%低い値を基準濃度とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
  5. 前記第一測定工程と、前記加熱処理工程と、前記第二測定工程とを電子線マイクロアナライザーを用いて実施する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
  6. 前記セメント硬化体の表面を研磨する研磨工程を、前記第一測定工程の前に実施する請求項1乃至のいずれか一項に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
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