JP5841876B2 - セメント硬化体の構成比率測定方法 - Google Patents
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Description
短時間で且つ測定用の試料の調整に手間をかけずに前記構成比率を測定する方法として、例えば、電子線などを用いて試料表面の分析を行う表面分析装置を用いることが検討されている。
かかる表面分析装置でセメント硬化体に含まれる特定の元素濃度を基にしてセメント硬化体の構成比率を測定することが検討されている。
特許文献1には、EPMAを用いてセメント硬化体試料のCa濃度とSiO2濃度とを測定しCa濃度が一定以上の小区画(ピクセル)をセメント水和物であると判定し、SiO2濃度が一定以上のピクセルを骨材であると判定した上で、骨材部分を除くセメント水和物部分のピクセルについてCa濃度を元に空隙率を測定する方法である。
しかしながら、前記方法によれば、例えば、Si、Caなどの元素濃度が、セメントと近い骨材が含まれている試料を測定した場合には、セメント硬化物中のセメント水和物と骨材との識別が難しいため、精度よくセメント水和物と骨材との判別が困難である。
セメント水和物と非セメント水和物とが含まれるセメント硬化体の表面を、複数の小区画に区分し、前記各小区画に放射線を照射して前記セメント硬化体より発生する信号によって、各小区画における前記セメント水和物中に含まれる特定元素の濃度を測定する第一測定工程と、
前記セメント硬化体の表面を、セメント水和物が変質する条件で処理する変質処理工程と、
前記変質処理工程後の前記セメント硬化体の前記各小区画に放射線を照射して、前記セメント硬化体の表面より発生する信号によって、前記各小区画における前記特定元素の濃度を測定する第二測定工程と、
前記各小区画について前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度と、前記第二測定工程で測定した特定元素の濃度とを比較して、特定元素の濃度の変化率が所定の率である小区画を前記セメント水和物であると判定し、それ以外の小区画を非セメント水和物であると判定し、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の濃度の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素の濃度が低い小区画を空隙であると判定する判定工程と、
前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程とを実施する。
さらに、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の濃度の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素の濃度が低い小区画を空隙であると判定することにより、セメント硬化体における空隙の比率を精度良く判別することができる。
そして、前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程を実施することで、セメント硬化体における、セメント水和物、非セメント水和物、及び空隙の比率を精度良く求めることができる。
さらに、本発明でいうセメント硬化体より発生する信号とは、前記放射線を照射したセメント硬化体から発生する信号であって、特性X線、二次電子線、光電子線など表面分析が可能な信号を意味する。
かかる変化率は、例えば、予め、セメント水和物中の特定元素について、前記変質する条件での処理の前後で、どの程度濃度の測定値が変化するかを測定しておくことで求められる。
また、本発明において、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素濃度が低い小区画を空隙であると判定する方法は、具体的には以下のような方法による。
すなわち、セメント水和物に空隙が存在する場合には、かかる空隙部分は、前記変質処理前であっても、空隙の存在しないセメント水和物よりも空隙によって表面の高さが低くなっている。
変質処理前のセメント水和物の小区画であれば、本来はすべて同じ特定元素濃度になるはずであるが、空隙が存在する場合は高さが低いため、通常のセメント水和物の小区分よりも特定元素濃度は低く測定される。従って、セメント水和物であると判定された小区画中で最も高い特定元素濃度、あるいは、この最高濃度に測定誤差等を考慮にいれた特定元素濃度を基準濃度として定め、前記基準濃度より特定元素濃度が低い小区画を前記空隙であると判定する。
加熱による変質によって、前記セメント水和物の表面高さは変化して凹みが生じた状態になるが、このような加熱による変質で生じる表面高さの変化は、材料によって異なるため、前記セメント水和物が変質する温度でセメント硬化体を加熱した場合には、セメント水和物以外の構成材料である非セメント水和物部分の表面の高さは変化しないか、あるいは変化した場合でもセメント水和物の表面高さの変化とは異なる変化量になる。
かかる状態で、再度、セメント硬化体に放射線を照射すると、表面高さが変化している小区画ではセメント硬化体から発生する信号が変化するため、実際の特定元素の濃度は変化していなくても、特定元素の濃度として測定される値は、加熱前とは変化した値として測定される。
特定元素の濃度の加熱前後の変化率がセメント水和物の変化率である小区画は、セメント水和物が変質していることを示しているため、すなわち、かかる小区画はセメント水和物であると判定できる。
よって、セメント硬化体を加熱して変質させることで、セメント水和物と非セメント水和物とを精度よく区別することが可能となる。
かかる損傷する温度は、予めかかるセメント水和物を加熱して測定しておく等して、既知であることが必要である。
また、電子線マイクロアナライザー使用して加熱処理工程を実施することにより、セメント硬化体表面の極めて表面に近い部分のみを加熱することができ、より精度よくセメント水和物のみを判定することができる。
本実施形態のセメント硬化体の構成比率測定方法は、
セメント水和物と非セメント水和物とが含まれるセメント硬化体の表面を、複数の小区画に区分し、前記各小区画に放射線を照射して前記セメント硬化体より発生する信号によって、各小区画における前記セメント水和物中に含まれる特定元素の濃度を測定する第一測定工程と、
前記セメント硬化体の表面を、セメント水和物が変質する条件で処理する変質処理工程と、
前記変質処理工程後の前記セメント硬化体の前記各小区画に放射線を照射して、前記セメント硬化体の表面より発生する信号によって、前記各小区画における特定元素の濃度を測定する第二測定工程と、
前記各小区画について前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度と、前記第二測定工程で測定した特定元素の濃度とを比較して、特定元素の濃度の変化率が所定の率である小区画を前記セメント水和物であると判定し、それ以外の小区画を非セメント水和物であると判定し、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の濃度の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素の濃度が低い小区画を空隙であると判定する判定工程と、
前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程とを実施する方法である。
前記セメント硬化物中の非セメント水和物としては、細骨材、粗骨材等の骨材、ガラス繊維、結晶性シリカや非結晶性シリカなどのシリカ材料、アスベスト、高炉スラグおよびフライアッシュ(石炭灰)等が挙げられる。
(研磨工程)
まず、前記セメント硬化体の状態に応じて、必要があれば、前記セメント硬化体の表面を研磨する前記研磨工程を実施する。
前記研磨工程では、放射線を照射する前に前記セメント硬化体の表面を研磨する。かかる研磨を行うことにより、セメント硬化体の表面の凹凸をなくすことができ、後で実施される第二測定工程において精度よく、特定元素の濃度の変化を測定できる。
前記研磨工程で前記セメント硬化体を研磨する方法としては物理的、化学的な研磨方法のうちいずれの研磨方法も採用しうる。
物理的な研磨方法としては、例えば、バフ研磨方法などが挙げられ、化学的な研磨方法としてはエッチングなどが挙げられる。
尚、前記研磨工程は、従来公知の方法により、一般的な装置を用いて実施することができる。また、算術平均粗さ(Ra)は、市販の表面粗さ計を用いて測定することができる。
次に、前記セメント硬化体の表面を、複数の小区画に区分し、前記各小区画に放射線を照射して前記セメント硬化体より発生する信号によって、各小区画における特定元素の濃度を測定する第一測定工程を実施する。
前記のような放射線を照射して発生する信号によって元素濃度を測定する手段としては、電子線マイクロアナライザー(EPMA)、走査型電子顕微鏡(SEM)、AES(オージェ電子分光装置)、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いることが挙げられる。
また、X線を照射するものではX線光電子分光装置(XPS)、IR光を照射するものとしてはFT−IR顕微鏡等を用いることが挙げられる。
中でも、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いることが好ましい。
以下、前記EPMAを用いて第一測定工程および第二測定工程を実施する場合について説明する。
尚、本実施形態においては、Ca濃度は、酸化物濃度(CaO濃度)として換算した濃度として示す。以下、Caを特定元素とする場合について説明する。
また、EPMAによって測定されるCa濃度については単に%とした場合は、質量%を意味する。
次に、前記第一測定工程で測定を行った前記セメント硬化体の表面を、セメント水和物が変質する条件で処理を行う変質処理工程を実施する。
前記セメント水和物が変質する条件とは、セメント水和物が変質して表面高さが変化する温度、湿度、圧力等をいい、事前に測定するなどして、変質処理工程を実施するまでに既知である条件であればよい。
前記条件で行う変質処理とは、例えば、前記セメント水和物を加熱する加熱処理、酸エッチング剤などを接触させて化学的に表面を侵食させるような化学的処理、マイクロ波や赤外線等の放射線を照射してする放射線照射処理、逆スパッタリングやECRプラズマCVD等によるプラズマエッチング処理、サンドブラスト、ウォーターブラスト、エアーブラス、バフ研磨などの物理的研磨処理等が挙げられる。
以下、前記変質処理工程として、加熱処理工程を実施する場合について説明する。
前記加熱処理工程では、前記セメント硬化体の表面を、前記セメント水和物が変質する温度で加熱する。
前記セメント水和物が変質する温度とは、セメント水和物が熱により、水和物中の結晶水が脱水することで体積が減少したり変形したりすることにより、当該部分の表面が凹むような温度をいう。
また、加熱時間は1〜10000msec/pix、好ましくは40msec/pix〜100msec/pixの時間範囲で加熱することが好ましい。
かかる加熱温度、加熱時間は、前もって同一試料の一部よりサンプリングし、TG−DTA(示差熱熱重量同時測定装置)等で熱履歴測定を行い設定することで、より最適な加熱条件で試料を加熱することが可能となる。
一方、セメント硬化物中の骨材、ガラス繊維、シリカ材料、ガラス材料、アスベスト、高炉スラグ、フライアッシュ等の非セメント水和物は、前記温度ではほとんど表面高さは変化しない。
本実施形態では前記第一測定工程および前記第二測定工程において、EPMAを用いて測定を行うため、加熱処理工程でもEPMAを用いてセメント硬化体に電子線を照射する加熱方法を採用することが好ましい。
さらに、EPMAを用いて加熱する場合には、セメント硬化体の表面の極めて薄い深さを加熱することが可能となるため、精度よく、セメント水和物と非セメント水和物を識別して判定することができる。
また、前記EPMAを用いて前記電子線を照射する場合には、ピクセル数100pix×100pix〜800pix×800pix、照射時間1〜100msec/pix程度の条件で電子線を照射することが好ましい。
次に、前記加熱処理工程を実施したセメント硬化体の前記各小区画に、再度、放射線を照射して、前記セメント硬化体から発生する信号によって各小区画に含まれる前記Ca濃度を測定する前記第二測定工程を実施する。
この時、測定条件は前記第一測定工程の測定条件と同一条件で測定する。
前記加熱処理工程によって、セメント硬化体中に含まれるセメント水和物は変質を受け、表面の高さが変化しているため、前記第一測定工程と同一条件で放射線を照射した場合、前記セメント硬化体より発生する信号が変化している。
従って、実際は、Ca濃度に変化がなくても、電子線を照射されるセメント水和物から発生する特性X線は変化し、かかる信号量を基に測定されるCa濃度の数値は、前記第一測定工程で測定された現実のCa濃度とは相違する値が検出される。
前記第二測定工程の後、前記第一測定工程と前記第二測定工程とで測定されたCa濃度の値から、前記セメント硬化物中のセメント水和物と、前記非セメント水和物とを判別する。
すなわち、まず、各小区画におけるCa濃度に着目し、前記第一測定工程と前記第二測定工程とで測定されたCa濃度の変化率が所定の率である小区画をセメント水和物であると判定し、前記変化率がそれ以外の小区画を非セメント水和物であると判定する。
尚、本実施形態では、Ca濃度としてはCaO濃度として換算した濃度を基に、前記変化率を求める。
従って、骨材成分の小区画においては、前記第一測定工程と前記第二測定工程とで得られたCa濃度に差はほとんどなく、前記のようにCa濃度(CaO濃度換算)が1%〜34%(Ca濃度差が0.7%〜24%)以上減少して変化している小区画を空隙を含むセメント水和物と判定することで、骨材等の非セメント水和物成分とは十分に区別して判定することができる。
まず、前記セメント水和物であると判定されたすべての小区画のCa濃度のうち、最高濃度を選び出す。
かかる最高濃度を、例えば、検出率100%と定義すると、各小区画で測定したCa濃度を検出率に換算する場合には、以下のような式で表される。
検出率(%)=[第一測定工程で測定したCa濃度(CaO濃度換算)÷最高濃度)]×100
しかし、通常、EPMAでCa濃度を測定する場合には、酸化物濃度換算で10%以下程度の濃度の繰り返し誤差が生じる。また、EPMAのXYステージの誤差、試料表面の面仕上げによる誤差も生じる。
従って、かかる種々の測定誤差を考慮にいれて、最高濃度から検出率として0%〜40%程度低い値、すなわち、検出率60〜100%を基準濃度とすることで、より精度よく、空隙を判定することができる。
さらに、前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程を実施する。
前記判定工程において、測定した全小区画数に対する、セメント水和物、非セメント水和物、空隙としてそれぞれ判定された小区画の数の割合を、それぞれのセメント硬化体中に示す各構成部分の体積の比率であるとして、セメント硬化体の構成比率を算出することができる。
水セメント比を算出することで、よりセメント硬化体の強度や劣化状態などを正確に把握することが可能である。
この場合、例えば、セメント硬化体を所定の温度で加熱乾燥した前後の質量の差から水分量を求めることができる。この場合、水和結合に寄与しない付着水の質量を除去する必要があれば、例えば、105℃で加熱して乾燥させて付着水を除去してから、さらに600℃の加熱乾燥を行い、この時減った質量を結合水の質量として求めることができる。
セメント水和物量(kg/m3)=(セメント水和物小区画数÷全小区画)×1000(kg/m3)×セメント水和物比重
骨材量(kg/m3)=(骨材水和物小区画数÷全小区画)×1000(kg/m3)×骨材比重
水分量(kg/m3)=水分量(質量%)÷100×1000(kg/m3)
例えば、Si、Al、Fe、Mg、S、Na、K、Ti、Mnなどの元素濃度を測定することができる。
この場合、第一測定工程と第二測定工程とで測定した濃度の変化率は、それぞれの元素ごとに適切な変化率を採用することが好ましい。
例えば、前記変質処理として加熱処理を採用した場合であって、加熱温度として100℃〜800℃を採用した場合には、各元素の変化量が以下のような範囲以上である場合には、その小区画がセメント水和物であると判定できる。
Si:0.1%〜5.1%(酸化物換算SiO2:0.32%〜11%)、
Al:0.02%〜0.8%(酸化物換算Al2O3:0.08%〜3%)、
Fe:0.01%〜0.6%(酸化物換算Fe2O3:0.05%〜2%)、
Mg:0.01%〜0.5%(酸化物換算MgO:0.02%〜1%)、
S:0.01%〜0.5%(酸化物換算SO3:0.03%〜2%)、
Na:0.001%〜0.1%(酸化物換算Na2O:0.004%〜1%)、
K:0.004%〜0.1%(酸化物換算K2O:0.01%〜1%)、
Ti:0.002%〜0.1%(酸化物換算TiO2:0.004%〜1%)、
Mn:0.0001%〜0.1%(酸化物換算MnO:0.001%〜1%)。
あるいは、前記第一測定工程で測定される特定元素の濃度の値をそのまま用いて前記変化率および前記基準濃度を求めてもよい。
セメント硬化物材料として、JIS R5201に規定するセメント(住友大阪セメント株式会社製、普通ポルトランドセメント)450g、骨材(セメント協会製、セメント強さ試験用標準砂)1350g、水225gを混練して、40mm×40mm×160mmの標準配合試験片を作製し、該試験片を7日後に40mm×40mm×10mmに切断した。かかる切断試験片を、空気中で1日、水中養生を6日行ったものを、試料として得た。
次に、研磨面に対して、抵抗加熱方式の真空蒸着装置(日本電子社製 製品名「JEE−4X」)を用いて金を蒸着し、厚み100〜500オングストロームの範囲となるように薄膜を形成し、薄膜形成工程を行った。なお、真空度1×10-6torrの蒸着条件とし、45°傾斜させた被蒸着試料を回転させながら蒸着を行った。
測定条件は、以下の通りである。
フィラメント:W
対物絞り:3
加速電圧:15kV
照射電流:2×10-7A
ビーム径:5μm
ピクセル数:100pix×100pix
ピクセルサイズ:5μm×5μm
照射時間:40msec/pix
加熱条件は以下の通りである。
尚、下記条件で加熱した場合に、試料表面は約100℃〜800℃に加熱される。
フィラメント:W
対物絞り:3
加速電圧:15kV
照射電流:1×10-6A
ビーム径:1μm
ピクセル数:500pix×500pix
ピクセルサイズ:1μm×1μm
照射時間:5msec/pix
さらに、前記最高濃度から、測定誤差として35%を引いた値、すなわち、Ca濃度が65%を基準濃度として、前記セメント水和物であると判定したピクセルのうち、Ca濃度が基準濃度65%未満であったピクセルを空隙であると判定した。
測定条件は、第一測定工程と同条件で、標準試料上の任意の測定位置を指定し、固定した状態で複数回測定し、変動誤差を算出する。
すなわち、骨材は82.3体積%、空隙は2.7体積%、セメント水和物は15.1体積%であった。
Claims (6)
- セメント水和物と非セメント水和物とが含まれるセメント硬化体の表面を、複数の小区画に区分し、前記各小区画に放射線を照射して前記セメント硬化体より発生する信号によって、各小区画における前記セメント水和物中に含まれる特定元素の濃度を測定する第一測定工程と、
前記セメント硬化体の表面を、セメント水和物が変質する条件で処理する変質処理工程と、
前記変質処理工程後の前記セメント硬化体の前記各小区画に放射線を照射して、前記セメント硬化体の表面より発生する信号によって、前記各小区画における特定元素の濃度を測定する第二測定工程と、
前記各小区画について前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度と、前記第二測定工程で測定した特定元素の濃度とを比較して、特定元素の濃度の変化率が所定の率である小区画を前記セメント水和物であると判定し、それ以外の小区画を非セメント水和物であると判定し、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度から、セメント水和物の特定元素の濃度の基準濃度を求め、前記基準濃度よりも第一測定工程の特定元素の濃度が低い小区画を空隙であると判定する判定工程と、
前記判定工程で判定された各小区画の数の割合から、セメント硬化体中のセメント水和物、非セメント水和物および空隙の比率を算出する算出工程とを実施し、
前記変質処理工程が、前記セメント硬化体の表面を、前記セメント水和物が変質する温度条件で加熱処理する加熱処理工程であるセメント硬化体の構成比率測定方法。 - 前記特定元素がCaである請求項1に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
- 前記判定工程において、前記特定元素の濃度を、前記特定元素の化合物濃度に換算に換算して、前記変化率および前記基準濃度を求める請求項1に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
- 前記判定工程において、前記セメント水和物であると判定した小区画の前記第一測定工程で測定した特定元素の濃度中の最高濃度を100%とした場合、前記最高濃度より0%〜40%低い値を基準濃度とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
- 前記第一測定工程と、前記加熱処理工程と、前記第二測定工程とを電子線マイクロアナライザーを用いて実施する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
- 前記セメント硬化体の表面を研磨する研磨工程を、前記第一測定工程の前に実施する請求項1乃至5のいずれか一項に記載のセメント硬化体の構成比率測定方法。
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