JP5838661B2 - データ処理システム、データ中継装置およびデータ中継方法 - Google Patents
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Description
図6は、監視テーブル30の一例を示す図である。図6に示すように、監視テーブル30には、マイグレーション用データか否かの判定およびライブマイグレーション収束判定のための情報が格納されている。例えば、ライブマイグレーション中の仮想マシン宛のデータを特定するための情報や、データの受信物理インターフェースを特定する入力物理インターフェース番号が格納されている。他に、データを送るVirtual Local Area Network(VLAN、仮想ローカルエリアネットワーク)を特定するVLAN IDも格納される。VLAN IDは、受信データのMedia Access Control(MAC)ヘッダに記載されている。また、送信先Internet Protocol(IP)アドレス、送信元IPアドレス、プロトコル番号も監視テーブル30に格納される。これらの情報は受信データのIPヘッダに記載されている。また、送信先ポート番号、送信元ポート番号も監視テーブル30に格納される。これらの情報は、受信データのTCPヘッダに記載されている。さらに、同一のライブマイグレーション処理にかかるマイグレーション用データについての統計情報を格納する。図6の例では、例えば、パケット受信サイズ、現在の転送レート、過去の転送レート、前回パケットを受信した時刻などの情報が統計情報として格納される。
図8および図9に、ライブマイグレーションの開始および終了の際に、物理サーバ10−1、物理サーバ10−2、データ中継装置2の間で実行されるデータ送受信シーケンスの一例を示す。ここではTCPスリーウェイハンドシェイクを例に示す。まず、図8を参照し、ライブマイグレーションの開始時のデータ送受信シーケンスを説明する。図8に示すように、物理サーバ10−1がデータ中継装置2にパケット「TCP SYN」を送信する(ステップS40)。このパケット「TCP SYN」の宛先ポート番号が、物理サーバ10−2のポート番号「8002」であるとする。この場合、データ中継装置2の開始・終了判定部28は、受け取ったデータがライブマイグレーションの開始を示すもの(すなわち、マイグレーション開始データ)であると判定する。そして、該当する情報を監視テーブル30に格納した後(図7のS24参照)、このパケットを宛先である物理サーバ10−2に転送する(図7のS25参照;ステップS41)。物理サーバ10−2は、返答パケット「TCP SYN/ACK」を物理サーバ10−1宛に送信する(ステップS42)。返答パケットを受信したデータ中継装置2は、これを物理サーバ10−1に転送する(ステップS43)。物理サーバ10−1はセッション確立を承認するパケット「TCP ACK」を送信する(ステップS44)。データ中継装置2がパケット「TCP ACK」を物理サーバ10−2に転送する(ステップS45)。これによって、物理サーバ10−1と10−2の間にTCPコネクションが確立する。TCPコネクションが確立すると、次に実際のデータ授受のための通信が開始する。ステップS46で、物理サーバ10−1が受信要求「receive」を出すと、データ中継装置2がこれを物理サーバ10−2に転送する(ステップS47)。物理サーバ10−2は受信可能であれば「receive ready」を返す(ステップS48)。データ中継装置2は、「receive ready」を物理サーバ10−1に転送する(ステップS49)。
図7のステップS30における監視テーブル30の統計情報更新処理につきさらに詳しく説明する。図6に示すように監視テーブル30内には、送信元および送信先の情報のほか、受信データの統計情報が格納されている。この統計情報は、データ中継装置2が受信したマイグレーション用データ(パケット)の統計値を示すものである。開始・終了判定部28がマイグレーション終了データではないと判定したデータについては、監視テーブル管理部27が、監視テーブル30内の統計情報を更新する。図6に示す例の場合、まず「過去の転送レート[1]」から「過去の転送レート[n]」までを一つずつシフトし、n+1回目となるデータを廃棄する。そして「現在の転送レート」を「過去の転送レート[1]」に移動する。次に、「パケット受信サイズ」に受信したパケットのサイズを加算する。次に現在時刻を取得し、「前回パケット受信時刻」との差分を計算する。時刻差分が一定以上であれば、「パケット受信サイズ」と時刻差分から「現在の転送レート」を計算し格納する。計算が終了すると、「前回パケット受信時刻」を現在時刻に更新し、「パケット受信サイズ」をゼロクリアする。時刻差分が一定未満の場合、現在の転送レートの計算は行わず、「前回パケット受信時刻」および「パケット受信サイズ」はそのままにして、処理を終了する。次にマイグレーション用データを受信した際に、再び時刻差分を計算し、一定以上であれば、上記の処理を行う。なお、ライブマイグレーションの開始を示すパケットと判定した場合に、監視テーブルを更新する際(図7のステップS24)は、統計情報はゼロで初期化される。
図7のステップS31におけるライブマイグレーション収束判定につきさらに詳しく説明する。図7のステップS30において監視テーブル30内の情報が更新されると、当該更新を契機に、収束判定部29は、ライブマイグレーションの収束の有無を判定する。監視テーブル30に格納された更新後の統計情報をもとに、収束判定部29は、「現在の転送レート」および「過去の転送レート[1]」から「過去の転送レート[n]」までを参照する。収束判定部29は、現在の転送レートの値が、過去n世代の転送レートの値よりも大きい場合、ライブマイグレーションが収束していないと判定する。現在の転送レートの値が過去n世代分の転送レートの値未満である場合、収束判定部29は、ライブマイグレーションが収束していると判定する。ここで、nの値は、データ中継装置2の管理者が適宜定義することができる。
次に、保留部25について説明する。保留部25は、ライブマイグレーションが収束していないと判定された仮想マシン宛のデータを保留する。保留部25は、保留対象リスト31および保留キュー32を管理する。
次に、インターフェース検出部26につき説明する。インターフェース検出部26は、予めデータ中継装置2が備える物理インターフェースのうち、所定の物理インターフェースの情報を保持している。インターフェース検出部26は、保持する情報に合致する受信データを検出する。つまり、所定の物理インターフェースによって入力されたデータを検出する。インターフェース検出部26は、検出したデータを管理部24または保留部25に送る。このようにして、管理部24および保留部25によるライブマイグレーション収束判定および保留判定を行う対象が絞り込まれる。データを入力する物理インターフェースによって判定対象データを絞りこむことにより、物理サーバから送信されたデータについて、またはクライアントから送信されたデータについてのみ判定を行うことができる。なお、物理インターフェースの情報は、データ中継装置2の管理者が入力してもよく、接続される物理サーバおよびクライアントの数、機能等に応じて設定されるものとしてもよい。
図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の付加や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図5に示した管理部24と保留部25とを一つの装置に構成し、インターフェース検出部26は分離可能な構成としてもよい。また、記憶部23についても、監視テーブル30、保留対象リスト31、保留キュー32等を、複数のメモリ装置上に分散して格納することもできる。
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図18を用いて、上記の実施例と同様の機能を有するデータ中継プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
前記サーバ装置にデータを転送するデータ中継装置と、
を有し、
前記データ中継装置は、
前記サーバ装置に転送されるデータのうち、ライブマイグレーション用のデータに基づいて、前記仮想マシンにおけるライブマイグレーションの収束の有無を検出する検出部と、
前記サーバ装置に転送されるデータのうち、前記ライブマイグレーションの非収束が検出された仮想マシン宛のデータ転送を保留する保留部と、
を有することを特徴とするデータ処理システム。
前記検出部は、前記予め定められた物理インターフェースにおいて受信され前記インターフェース検出部により検出されたライブマイグレーション用のデータに基づいて、前記仮想マシンにおけるライブマイグレーションの収束の有無を検出することを特徴とする付記1に記載のデータ処理システム。
前記保留部は、前記予め定められた物理インターフェースにおいて受信され前記インターフェース検出部により検出されたデータの転送を保留することを特徴とする付記1に記載のデータ処理システム。
前記サーバ装置に転送されるデータのうち、前記ライブマイグレーションの非収束が検出された仮想マシン宛のデータ転送を保留する保留部と、
を有することを特徴とするデータ中継装置。
仮想マシンが動作するサーバ装置に転送されるデータのうち、ライブマイグレーション用のデータに基づいて、前記仮想マシンにおけるライブマイグレーションの非収束を検出し、
前記サーバ装置に転送されるデータのうち、前記ライブマイグレーションの非収束が検出された仮想マシン宛のデータ転送を保留する
各処理を実行することを特徴とするライブマイグレーション方法。
5 クライアント
6 仮想マシン
10−1、10−2 物理サーバ
11、21 転送部
12、24 管理部
13、25 保留部
22 処理部
23 記憶部
26 インターフェース検出部
27 監視テーブル管理部
28 開始・終了判定部
29 収束判定部
30、40、50 監視テーブル
31 保留対象リスト
32 保留キュー
33 マイグレーション検知対象リスト
34 保留検知対象リスト
Claims (5)
- 仮想マシンが動作する複数の情報処理装置と、
前記複数の情報処理装置の間で転送されるデータを中継するデータ中継装置と、
を有し、
前記データ中継装置は、
前記複数の情報処理装置のうち1の情報処理装置に転送されるデータのうち、前記複数の情報処理装置のうち他の情報処理装置から前記1の情報処理装置への仮想マシンの移動処理において前記1の情報処理装置へ送信される、前記他の情報処理装置上で前記仮想マシンに対して割り当てられたメモリ領域のデータの送信状況に基づいて、前記移動処理の収束の有無を検出する検出部と、
前記情報処理装置に転送されるデータのうち、前記移動処理の非収束が検出された仮想マシン宛に送信される前記移動処理に係るデータ以外のデータ転送を保留する保留部と、
を有することを特徴とするデータ処理システム。 - 前記検出部は、前記仮想マシンに対して割り当てられたメモリ領域のデータの現在の転送レートが過去所定世代の転送レートの値未満である場合に前記移動処理の収束を検出し、前記メモリ領域のデータの現在の転送レートが過去所定世代の転送レートの値以上である場合に前記移動処理の非収束を検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
- 前記検出部は、前記仮想マシンに対して割り当てられたメモリ領域のデータの転送開始からの当該メモリ領域からの転送データ量が所定のデータ量以上である場合に前記移動処理の収束を検出し、前記転送データ量が前記所定のデータ量未満である場合に前記移動処理の非収束を検出することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。
- 仮想マシンが動作する複数の情報処理装置の間で転送されるデータを中継するデータ中継装置であって、
前記複数の情報処理装置のうち1の情報処理装置に転送されるデータのうち、前記複数の情報処理装置のうち他の情報処理装置から前記1の情報処理装置への仮想マシンの移動処理において前記1の情報処理装置へ送信される、前記他の情報処理装置上で前記仮想マシンに対して割り当てられたメモリ領域のデータの送信状況に基づいて、前記移動処理の収束の有無を検出する検出部と、
前記情報処理装置に転送されるデータのうち、前記移動処理の非収束が検出された仮想マシン宛に送信される前記移動処理に係るデータ以外のデータ転送を保留する保留部と、
を有することを特徴とするデータ中継装置。 - コンピュータが、
仮想マシンが動作する複数の情報処理装置の間で転送されるデータを中継する処理を実行するデータ中継方法であって、
前記複数の情報処理装置のうち1の情報処理装置に転送されるデータのうち、前記複数の情報処理装置のうち他の情報処理装置から前記1の情報処理装置への仮想マシンの移動処理において前記1の情報処理装置へ送信される、前記他の情報処理装置上で前記仮想マシンに対して割り当てられたメモリ領域のデータの送信状況に基づいて、前記移動処理の収束の有無を検出し、
前記情報処理装置に転送されるデータのうち、前記移動処理の非収束が検出された仮想マシン宛に送信される前記移動処理に係るデータ以外のデータ転送を保留する、
各処理を実行することを特徴とするデータ中継方法。
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