JP5837654B1 - 脱水機用ホッパ - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理物中に絡みつき因子が存在しても、撹拌部材や軸に絡まることを防止できる脱水機用ホッパを提供すること。【解決手段】脱水機本体に供される有機性廃棄物を含む被処理物を貯留する脱水機用ホッパ2において、内部に貯留する被処理物を撹拌する撹拌装置5を備え、撹拌装置5は、撹拌部材51と、撹拌部材51を支持固定する支持軸52と、支持軸52を駆動し、被処理物中の撹拌部材51を揺動及び/又は平行移動させる駆動部材53とを備えることを特徴とする脱水機用ホッパ。【選択図】図2

Description

本発明は、脱水機用ホッパに関し、より詳しくは、当該ホッパ内に貯留される被処理物を撹拌する機構を備えた脱水機用ホッパに関する。
特許文献1には、セルロース性繊維を多く含有する有機性廃棄物をメタン発酵処理する方法において、該有機性廃棄物又は該有機性廃棄物をメタン発酵処理して得られた処理液に、他の固形物の少ない水を混合して固液分離及び/又は脱水し、得られた固形物を粉砕工程で粉砕した後、該粉砕された固形物をメタン発酵工程に投入することが開示されている。
特許文献1は、かかる他の固形物の少ない水について、浮遊性物質が少ない水であればどれでもよいが、メタン発酵処理の後段の水処理工程の処理水、例えば活性汚泥処理水等が好ましいとしている。
特開2002−248448号公報
ところで、敷料と糞を含む有機性廃棄物は、これまで、堆肥化に供されることがほとんどであった。
これに対して、本出願人は、既に特願2013−145846及び特願2014−29773において、このような有機性廃棄物をメタン発酵に供するための技術を出願している。
図11は、参考例として、かかる技術を実施するためのメタン発酵システムの基本構成を説明する図である。
図11において、Aは脱水機、Bは破砕機、Cは混合調整槽、Dはメタン発酵槽、Eは更なる脱水機である。
敷料と糞を含む有機性廃棄物は、消化液が添加された状態で、脱水機Aに導入され、糞が液相に、敷料が固相に、それぞれ分離される。
糞が分離された敷料は、破砕機Bに導入され、100mm以下の長さの断片に破砕される。
脱水機Aにおいて液相に分離された糞と、破砕機Bで破砕された敷料は、混合調整槽Cにおいて混合された後、メタン発酵槽Dに導入され、バイオガスを生成するメタン発酵に供される。
メタン発酵槽Dでのメタン発酵に伴って生成された消化液は、脱水機Eに導入される。ここでは、消化液中から、メタン発酵後の敷料が分離される。
敷料が分離された後の消化液の一部は、脱水機Aに返送され、上述した有機性廃棄物に添加される。
かかる技術によれば、有機性廃棄物に添加された消化液の作用により、脱水機Aにおいて敷料から糞が好適に剥離され、その後の破砕機Bにおける敷料の破砕効率を向上できる。そして、破砕機Bにより断片化された敷料をメタン発酵させることで効率的にバイオガスを回収できる。
本出願人は、更に鋭意検討し、敷料から糞を剥離する効率を更に高める観点で、脱水機Aが備えるホッパにおいて、有機性廃棄物と消化液とを撹拌することを試みた。
しかし、有機性廃棄物中の敷料は、比較的高い強度を有しており、撹拌部材や回転軸などに絡まり易いことがわかった。
この様子を、図12に参考例として示す。図示の参考例では、撹拌部材111を備えた回転軸112を有機性廃棄物中で回転させて撹拌しており、その結果、撹拌部材111や回転軸112などに敷料Sが絡まっている様子を示している。
有機性廃棄物と消化液とを混合する撹拌効率を安定に維持するために、巻き付いた敷料を除去する対応も考えられる。しかし、厚く巻き付いた敷料は、ナイフ等で切断することが困難であり、バーナーで焼き切るなど大変な労力が必要となる。即ち、有機性廃棄物と消化液とを混合する撹拌効率を安定に維持する観点では、更なる課題があることがわかった。
更に、敷料と糞を含む有機性廃棄物に限らず、脱水処理に供される被処理物には、撹拌手段に絡みつきやすい夾雑物(絡みつき因子という場合がある)が含まれている場合がある。そのため、脱水に供される被処理物を、絡みつき因子の絡みつきを防止した状態で撹拌できる脱水機用ホッパが望まれる。
そこで、本発明の課題は、被処理物中に絡みつき因子が存在しても、撹拌部材や軸に絡まることを防止できる脱水機用ホッパを提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
脱水機本体に供される敷料と糞を少なくとも含む有機性廃棄物を含む被処理物を貯留する脱水機用ホッパにおいて、
前記脱水機用ホッパは、内部に貯留する前記被処理物と、メタン発酵後の消化液とを撹拌する撹拌装置を備え、
前記撹拌装置は、撹拌部材と、該撹拌部材を支持固定する支持軸と、該支持軸を駆動し、前記被処理物中の該撹拌部材を揺動及び/又は平行移動させる駆動部材とを備えることを特徴とする脱水機用ホッパ。
2.
前記支持軸は、前記被処理物と、前記メタン発酵後の消化液の上方に配置され、下部が前記被処理物と、前記メタン発酵後の消化液中に配された前記撹拌部材の上部を支持固定していることを特徴とする前記1記載の脱水機用ホッパ。
3.
前記撹拌部材の形状は、棒状体、板状体、又はこれらに先端部に向かって細くなる形状を付与したものであることを特徴とする前記1又は2記載の脱水機用ホッパ。
4.
前記ホッパ本体に前記支持軸が複数設けられたことを特徴とする前記1〜3の何れかに記載の脱水機用ホッパ。
5.
並設された複数の前記支持軸に、複数の前記撹拌部材が、前記支持軸の軸方向に千鳥状に配置されていることを特徴とする前記4記載の脱水機用ホッパ。
6.
前記撹拌部材は、前記ホッパ本体に対して上下移動可能に構成されていることを特徴とする前記1〜5の何れかに記載の脱水機用ホッパ。
本発明によれば、被処理物中に絡みつき因子が存在しても、撹拌部材や軸に絡まることを防止できる脱水機用ホッパを提供することができる。
本発明の脱水機用ホッパを備えた脱水機の基本構成を示す説明図 本発明の脱水機用ホッパの一例を示す説明図 撹拌部材の構成例を示す説明図 撹拌部材の更なる構成例を示す説明図 ホッパ本体に複数の支持軸を設けた一例を説明する斜視図 ホッパ本体に複数の支持軸を設けた一例を説明する平面図 撹拌部材の駆動状態の一例を説明する断面説明図 揺動機構の一例を示す説明図 撹拌部材の上下移動を説明する説明図 撹拌部材を平行移動させる態様の一例を示す説明図 参考例に係るメタン発酵システムの構成例を説明する概略図 敷料の絡みつきを説明する図
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の脱水機用ホッパ(以下、単にホッパという場合がある。)を備えた脱水機の基本構成を説明する図である。
図1において、脱水機1は、被処理物が投入される脱水機用ホッパ2と、該脱水機用ホッパ2からの被処理物を脱水し、液相と固相に分離する脱水機本体3とにより構成されている。
図示の例では、脱水機1が、スクリュープレス脱水機である場合を概念的に示している。
脱水機用ホッパ2は、脱水機本体3に供される前の被処理物を貯留し、撹拌するように構成されている。
ここで、被処理物は、敷料と糞とを少なくとも含む有機性廃棄物と、メタン発酵後の消化液とを含んでいる。
図2は、本発明の脱水機用ホッパの一例を説明するための断面説明図であり、図2(a)は、脱水機用ホッパを正面側から見た様子を示し、図2(b)は、側面側から見た様子を示している。
ここで、脱水機用ホッパ2は、投入された被処理物を貯留するホッパ本体4と、該ホッパ本体4内の被処理物を撹拌する撹拌装置5とを有する。
以下、ホッパ本体4、撹拌装置5の構成例について詳述する。
ホッパ本体4は、被処理物を貯留する機能を有している。
例えば連続運転する場合などには、図2の点線矢印方向からホッパ本体4内に被処理物を投入して貯留した後、ホッパ本体4の反対側に有する端部から、実線矢印に示すごとくオーバーフロー方式で排出し、下方に配された脱水機本体3の導入口に供給するように構成することができる。
撹拌装置5は、ホッパ本体4内に貯留されている被処理物を撹拌するために設けられている。
撹拌装置5は、ホッパ本体4内の被処理物に上方から挿入される撹拌部材51と、撹拌部材51の上部を固定支持する支持軸52と、支持軸52を駆動して撹拌部材51の下部を移動させる駆動部材53とにより構成されている。即ち、撹拌部材51は、ホッパ本体4内に上方から下部を挿入して撹拌作業を行うように構成されている。
ここで、撹拌部材51は、例えば鉄等の金属、プラスチック等の合成樹脂等適宜材料で成形されている。また、この撹拌部材51の形状は、円柱体、角柱体等の棒状体、板状体、又はこれらに先端に向かって細くなる形状を付与したもの等を好ましく挙げることができる。
具体例として、図3(a)に示す撹拌部材51は、方形状の板状体であり、図3(b)に示す撹拌部材51は、六角柱状体であり、図3(c)に示す撹拌部材51は、円柱状体である。
図3(a)に示したように、撹拌部材51を板状体とする場合は、該撹拌部材51の長手方向の軸を中心に、該撹拌部材51の一部に捻りを加えることも好ましいことである。即ち、捻り部の上下で板面の配向方向を所定の角度で異ならせることも好ましいことである。このようにして、撹拌部材51の移動方向に対して、撹拌を行う板面を所定の角度で傾斜させることは、効率的な撹拌を行う上で好ましい。
また、撹拌部材51は、敷料が撹拌部材51に絡みつくことをより好適に防止するために、図4に示したように、先端に向かって細くなる形状を有することが好ましい。図4(a)〜(c)に示した撹拌部材51は、それぞれ図3(a)〜(c)に示した撹拌部材51に、先端に向かって細くなる形状を付与した場合の例を示している。
即ち、図4(a)に示す撹拌部材51は、台形状の板状体(ここでは、図3(a)と同様に捻りを加えている)であり、図4(b)に示す撹拌部材51は、逆截頭角錐体であり、図4(c)に示す撹拌部材51は、逆截頭円錐体である。
また、撹拌部材51には、支持軸52に取付けるための取付穴51aを設けることができる。図示の例では、撹拌部材51の上部に取付穴51aを設けている。
撹拌部材51は、撹拌時あるいは撹拌終了時に、被処理物に含まれる敷料が撹拌部材51に絡みつくことを好適に防止できる形状を有することが好ましく、図4(a)、(b)及び(c)で説明した形状を有することが、より好ましい。また、撹拌部材51は、各端辺が丸みをもった仕上げとすることも好ましい。
撹拌部材51の上部は、ホッパ本体4の被処理物の上方に配置された支持軸52に支持固定されている。図3及び図4の例では、撹拌部材51の上端に設けた取付穴51aによって、支持軸52に対してボルト止めで固定し、支持軸52と撹拌部材51を一体化するようにしている。固定方法は、この例に格別限定されず、撹拌部材51の上部の構成も、図示されたものに限定されるものではない。
そして、図2に示したように、該支持軸52は、軸受52aで回動可能に支持されると共に、支持軸52を所定の角度内で正逆に回動する駆動部材53に接続されている。この駆動部材53の正逆の回動により、支持軸52に上端を固定している撹拌部材51は、例えば図2(b)に示すように、支持軸52を中心として所定の角度内で揺動する。かかる所定の角度θは、360°未満であれば格別限定されないが、180°以下であることが好ましく、90°以下であることがより好ましい。
そして、撹拌部材51は、ホッパ本体4内の被処理物を、揺動により撹拌する。これにより、被処理物中の敷料Sが、撹拌部材51や支持軸52に絡みつくことを好適に防止することができる。
例えば、撹拌部材111を備えた回転軸112を回転させて撹拌する図12に示した参考例との対比からも、絡みつきが好適に防止されることがわかる。
また、支持軸52が、ホッパ本体4の被処理物の外側(ここでは上方)に配置していることより、ホッパ本体4内に装入している敷料等の被処理物が支持軸52に絡みつくことを好適に防止できる。
複数設けられた撹拌部材51の各々の長さは、一定であってもよいが、図2に示したように、被処理物の投入側から排出側に向けて長くなるように設定されていることが好ましい。また、ホッパ本体4の底面は水平であってもよいが、図2に示したように、被処理物の投入側から排出側に向けて深くなるように傾斜を有していることが好ましい。特に、図2に示したように、撹拌部材51の長さに対応するように、ホッパ本体4の底面が、被処理物の投入側から排出側に向けて深くなるように設定されることが好ましい。このような構成とすることで、特に排出側において強い撹拌作用が得られ、よく撹拌された被処理物を後段の脱水機本体3に供給できる。
ホッパ本体4には、支持軸52を1又は複数本設けることができる。
図5及び図6は、ホッパ本体に複数の支持軸を設けた一例を説明する図であり、図5は、脱水機用ホッパの斜視図であり、図6は、ホッパを平面視した概略図である。
図示するように、1つのホッパ本体4に対して、撹拌部材51を備えた支持軸52を複数(図示の例では2つ)並設することも好ましいことである。この場合、各々の支持軸52に設けられた撹拌部材51の移動範囲が互いに干渉しないように、即ち、各々の支持軸52に設けられた撹拌部材51同士が接触しないように構成されることが好ましい。
図示の例では、複数の支持軸52には、複数の撹拌部材51が、該支持軸52の軸方向に千鳥状に配置されている。これにより、各々の軸に取り付けられた撹拌部材51の揺動範囲(図中、両矢印で示した。)をより広く確保することが可能となり、撹拌効率を更に向上できる効果が得られる。
更に、複数の支持軸52を、個別の駆動周期で、あるいは同一の駆動周期で且つ位相をずらして駆動することも好ましいことである。
例えば、図示するように、互いに隣接する支持軸52のそれぞれに歯車を設け、これを噛み合わせることによって各支持軸52を連動することができる。その結果、図7に示すように、各支持軸52を同一の駆動周期で且つ位相を逆にして駆動させることができる。即ち、各々の支持軸52が有する撹拌部材51は、ある時点において互いに近接し(図7(a))、そこから駆動周期の半分の時間が経過した時点で互いに離間する(図7(b))。離間のタイミングで、撹拌部材51間に跨って引っかかった敷料が引っ張られて切断されたり脱離したりすることで、絡まりをより好適に防止できる。
このように、複数の支持軸52間で駆動周期や位相を制御して、撹拌効率を更に向上することが可能になる。
図7の例では、互いに隣接する支持軸52を、位相を逆にして駆動させる例について示したが、少なくとも互いに位相が異なっていれば、撹拌効率を更に向上できる。
互いに隣接する支持軸52に異なる駆動部材を設ける等により、個別の駆動周期を設定することも好ましいことである。これにより、例えば、複数の支持軸52のうち、一部の支持軸52を停止してメンテナンスを行い、その間、他の一部の支持軸52は揺動を継続する等の運転がより簡単になる。
ここで、駆動部材53が備える揺動機構の一例について説明する。
図8は、駆動部材53において、一定の角度内で正逆に回動する揺動機構54の構成例を示す図である。ここでは、2つの支持軸52を連動する場合について説明する。
この揺動機構54では、図8(a)〜(c)に示したサイクルにおいて、電動機等の動力源に接続され回動運動する駆動軸54aに固定した駆動クランク54bを、連結杆54cを介して出力クランク54dにリンク機構で接続し、出力クランク54dに伝達された揺動運動は出力軸である一方の支持軸52に出力され、伝達される。即ち、駆動軸54aにおける回動運動を、一方の支持軸52における一定の角度内での正逆の回動運動に変換する。
即ち、図8(a)の状態において、駆動軸54aがα1方向に回動運動すると、連結杆54cは駆動クランク54bにより押し出され、出力クランク54dを介して、支持軸52をβ1方向に回動する。次いで、図8(b)の状態において、駆動軸54aが更にα2方向に回動運動すると、連結杆54cは駆動クランク54bにより引き戻され、出力クランク54dを介して、支持軸52はβ1方向とは逆のβ2方向に回動する。次いで、図8(c)の状態において、駆動軸54aが更にα3方向に回動運動すると、連結杆54cは再び駆動クランク54bにより押し出され、出力クランク54dを介して、支持軸52をβ2方向とは逆のβ3方向(即ちβ1方向と同じ方向)に回動する。
このようなサイクルを継続することによって、支持軸52は一定の角度内で正逆に回動することができ、支持軸52に固定された撹拌部材51において、揺動角θの揺動運動を継続することができる。
更に、一方の支持軸52に設けられた歯車52bを、他方の支持軸52に設けられた歯車52bと噛み合わせることで、各支持軸52を連動することができる。
なお、上述した揺動機構54は、クランク、リンク機構を用いた例を示しているが、これに限るものではなく、ラックとピニオンを用いる等、公知の揺動を得る手段を利用することができる。
ところで、図5に示したように、支持軸52の軸受52a及び駆動部材53は、台56に固定することができる。台56には、アイボルト57が複数設けられており、これにより、クレーン等を用いた吊り上げ部材(図5中、不図示)によって、台56をホッパ本体4に対して上下移動可能にしている。このようにして、撹拌部材51を、ホッパ本体4に対して上下移動可能に構成することが好ましい。
このとき、メンテナンス等を考慮すると、図9に示すように、吊り上げ部材58は、支持軸52を上方に移動させる際に、撹拌部材51の先端の下端部を、ホッパ本体4内の被処理物よりも上方まで引き上げ可能に構成されることが好ましい。
以上の説明では、撹拌部材51が、ホッパ本体4内の被処理物を、揺動により撹拌するように構成されている場合について示したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図10は、本発明の脱水機用ホッパの他の例を説明するための図であり、ホッパを正面から見た様子を示している。
図中、図2と同一符号は、同一構成とすることができ、図2でした説明を援用することができる。
図示の例において、駆動部材53は、支持軸52を軸方向(図中、両矢印方向)に平行移動させる平行移動機構55を備えている。平行移動機構55は、例えばピストン等、公知の平行移動を得る手段を利用することができる。
これにより、撹拌部材51は、ホッパ本体4内の被処理物を、平行移動により撹拌するように構成されている。
ここで、「平行移動」とは、撹拌部材51が、支持軸52の往復運動等の平行移動に伴って平行移動することを指し、図2で説明したような支持軸52の正逆回転によるものとは区別することができる。支持軸52の平行移動の方向は、図示するように軸方向に沿う方向であってもよいし、軸方向に対して所定の角度で傾いた方向(例えば、支持軸52方向に対して直交する方向など)であってもよい。平行移動は、一直線上を往復する動作に限定されず、一直線上からそれるように方向を変えながら移動する動作であってもよい。
本態様では、撹拌部材51の動作が平行移動であることにより、被処理物中に絡みつき因子が存在しても、撹拌部材51や支持軸52に絡まることを防止できる。特に被処理物中に敷料が含まれる場合においても、撹拌部材51や支持軸52に絡みつくことを好適に防止することができる。
ところで、図10において、6は昇降装置である。昇降装置6は、支持軸52の両端近傍を該支持軸52が駆動可能な状態で支持する軸受61と、該軸受61が接続された昇降シリンダー62と、昇降シリンダー62を駆動する油圧ユニット63とを備えている。
ここでは、昇降装置6は、支持軸52を駆動可能な状態で支持すると共に、昇降シリンダー62の伸縮により、支持軸52及びこれに設けられた撹拌部材51を、ホッパ本体4に対して上下移動可能に構成されている。
この昇降装置6は、ホッパ本体4や撹拌装置5のメンテナンスを行う際に、支持軸52を上方に移動するために使用できるだけでなく、通常の被処理物の撹拌を行う際にも使用できる。即ち、撹拌部材51の下端の先端は、揺動の振幅が一番大きいため、被処理物を大きく撹拌できる。従って、撹拌部材51の深さを変更しながら撹拌作業を行うことは、非常に作業効率を向上することができる。
図5に示したような脱水機用ホッパ(揺動撹拌型)においても、上記のような昇降装置6を好ましく組み合わせることができる。また、図10に示したような脱水機用ホッパ(平行移動撹拌型)において、図5及び図9に示したような吊り上げ部材による上下移動機構を好ましく組み合わせることもできる。何れの機構にしても、支持軸52及びこれに設けられた撹拌部材51を、ホッパ本体4に対して上下移動可能に構成されていることが好ましい。
以上の説明では、1つのホッパ本体4に対して、支持軸52を2つ並設する場合について示したが、これに限定されず、1又は3以上の軸を適宜設けることができる。
また、以上の説明では、複数の支持軸52が互いに略平行に並設される場合について示したが、これに限定されず、支持軸52同士を、任意の角度で設置することもできる。
また、例えば、図10に示した例において、支持軸52を平行移動させる駆動部材53が、更に支持軸52を正逆回転させる機構を併せ持つことによって、撹拌部材51に、揺動と平行移動を同時に生起させることも可能であり、好ましいことである。
更にまた、撹拌部材51の揺動及び/又は平行移動は、撹拌部材51とホッパ本体4との相対移動の結果として生起されればよく、以上に説明したように撹拌部材51を移動させる場合に限定されず、ホッパ本体4を移動させることによっても、生起させることが可能である。エネルギーコスト等の観点では、撹拌部材51を移動させることが好ましい。
また、撹拌部材51を揺動及び/又は平行移動させるための駆動部材は、必ずしも自動化されている必要はなく、手動により撹拌部材51を揺動及び/又は平行移動できるように構成されてもよい。
以上の説明では、本発明の脱水機用ホッパが適用される脱水機が、スクリュープレス脱水機である場合について示したが、これに限定されるものではなく、フィルタープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、多重円板脱水機、ローラープレス脱水機、ウェービープレス脱水機等の種々の脱水機に適用することができる。特に、スクリュープレス脱水機が好適である。
本発明の脱水機用ホッパを備えた脱水機の用途は、格別限定されず、種々の用途に用いることが可能である。
脱水機に供される被処理物は、格別限定されるものではないが、有機性廃棄物を含むことが好ましい。
有機性廃棄物は、格別限定されるものではないが、敷料と糞とを少なくとも含むものを好ましく例示できる。
糞としては、例えば、牛、豚、馬等の動物の糞を好ましく例示できる。敷料は、草本系バイオマス(ソフトバイオマス)からなるものであれば格別限定されず、例えば、稲藁、麦稈(麦藁ともいう。)、牧草などを好ましく例示できる。敷料は、使用後のもの、即ち、上記した糞が付着した状態のものを好ましく用いることができる。
更に、ホッパにおける撹拌により、これら有機性廃棄物と、他の成分とが、混合されるように構成されることが好ましい。
かかる有機性廃棄物への他の成分の添加は、有機性廃棄物がホッパに導入される前にあらかじめ行われるようにしてもよいし、ホッパにおいて行われるようにしてもよい。ホッパにおいて添加を行う場合は、例えば、有機性廃棄物の導入経路に対して別途設けられた、他の成分の添加口(図2中、符号41)から他の成分を添加することができる。
他の成分は、格別限定されるものではないが、液状体であることが好ましく、特にメタン発酵後の消化液を好ましく例示できる。かかる消化液のTS(総固形分)は、3%以上であることが好ましい。
特に、ホッパにおける撹拌によって、敷料と糞とを少なくとも含む有機性廃棄物と、メタン発酵後の消化液とが混合されることにより、後段の脱水機本体において、敷料に付着した糞が剥離され易くなる効果が奏される。これにより、脱水後の敷料の含水率を好適に低下させることができるため、該敷料を破砕機により破砕する際の効率を向上することもできる。このような観点では、本発明の脱水機用ホッパを備えた脱水機は、例えば、図11に参考例として示したメタン発酵システムにおける脱水機Aとして、特に好適に用いることができる。
以上の説明において、一つの態様について説明された構成は、他の態様に適宜適用することができる。
1:脱水機
2:脱水機用ホッパ
3:脱水機本体
4:ホッパ本体
41:添加口
5:撹拌装置
51:撹拌部材
51a:取付穴
52:支持軸
52a:軸受
52b:歯車
53:駆動部材
54:揺動機構
55:平行移動機構
56:台
57:アイボルト
6:昇降装置
61:軸受
62:昇降シリンダー
63:油圧ユニット
A:脱水機
B:破砕機
C:混合調整槽
D:メタン発酵槽
E:更なる脱水機
S:敷料

Claims (6)

  1. 脱水機本体に供される敷料と糞を少なくとも含む有機性廃棄物を含む被処理物を貯留する脱水機用ホッパにおいて、
    前記脱水機用ホッパは、内部に貯留する前記被処理物と、メタン発酵後の消化液とを撹拌する撹拌装置を備え、
    前記撹拌装置は、撹拌部材と、該撹拌部材を支持固定する支持軸と、該支持軸を駆動し、前記被処理物中の該撹拌部材を揺動及び/又は平行移動させる駆動部材とを備えることを特徴とする脱水機用ホッパ。
  2. 前記支持軸は、前記被処理物と、前記メタン発酵後の消化液の上方に配置され、下部が前記被処理物と、前記メタン発酵後の消化液中に配された前記撹拌部材の上部を支持固定していることを特徴とする請求項1記載の脱水機用ホッパ。
  3. 前記撹拌部材の形状は、棒状体、板状体、又はこれらに先端部に向かって細くなる形状を付与したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の脱水機用ホッパ。
  4. 前記ホッパ本体に前記支持軸が複数設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の脱水機用ホッパ。
  5. 並設された複数の前記支持軸に、複数の前記撹拌部材が、前記支持軸の軸方向に千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項4記載の脱水機用ホッパ。
  6. 前記撹拌部材は、前記ホッパ本体に対して上下移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の脱水機用ホッパ。
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