JP5837271B2 - 電池モジュール - Google Patents
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Description
(1)電池単体を包材で覆う際に包材周縁部をシールするが、このシール工程における熱や圧によって、包材中の熱シール層が薄肉化することがある。その際、熱シール層の内側にアルミ等の金属層が存在すると、当該金属層と電極タブとが接触して短絡が発生する。包材中に金属層が存在しない本発明では、そのような短絡は生じない。
(2)電池包材をプレス成形する場合、金属層にクラックやピンホールが生じて水蒸気バリア性が低下することがある。本発明では、包材中には金属層が存在せず、外装ケースによって水蒸気バリア性を達成しているので、そのような不都合はない。
(3)電池包材の周縁をシールした後、当該シール部に対して折曲げ加工を行う場合、折曲げ工程で熱シール層にクラックが発生することがある。あるいは、電池自体が異常に昇温した場合に、電極から包材中に熱が伝わり、これによって熱シール層にクラックが発生することもある。熱シール層にクラックが発生した場合、包材中に金属層が存在すると、電解液を介して当該金属層と電極タブ(または、電極あるいは集電体)との間で短絡が発生する。包材中に金属層が存在しない本発明では、そのような短絡は生じない。
図1に示したように、電池モジュール10は、金属缶等の水蒸気バリア性を有する材料で構成される外装ケース40に複数の電池単体30を収容して構成される。外装ケース40は、その側面に立設して設けられる複数の冷却フィン41を有している。
外装ケース40内において、各電池単体30は直列接続されて大電圧を発生する。外装ケース40の側面には内部の電池と導通する正極および負極の取出し端子42、43が露出している。取出し端子42、43の配置は、適宜変更することが可能である。
また、各電池単体30の充放電を繰り返すうちに発生するガスを外部に逃がすための安全弁機構44が外装ケース40の側面に設けられる。
なお、外装ケース40の内面には、耐電解液性をもたせるために腐食防止層がコーティングされる。
図2は、電池単体30の構造を示す分解斜視図であり、図3は、その組立図である。
電池単体30は、発電要素31を外装フィルム32で封止して構成される。発電要素31は、それ自体は従来から知られたものである。簡単に説明すると、ポリマー電解質を保持したセパレータの両側に、正極および負極を配置したものであって、正極につながる正極タブ35および負極につながる負極タブ36が外部に突出している。
図2中に部分的に拡大して示したように、外装フィルム32は2層構造を有していて、非金属の基材層としてのPEN(ポリエチレンナフタレート)層32aの上に、熱シール層としてのPPa(酸変性ポリプロピレン)層32bを有している。
なお、後述するように、外装フィルム32内に金属層が存在しないことから短絡が生じることもない。
すなわち、アルミ層はガスバリア性を有するので、これが存在すると、充放電に伴って電池内部で発生したガスが外部に逃げることができず、内圧が上昇する。そのため、何らかの手段でガスを外部に逃がさないと、クリープや破断等の問題が生じる。
しかし、外装フィルム32自体がガス透過性を有すると、電池内部で発生したガスが外部に逃げるため、そのような問題は生じない。
外装ケース40は水蒸気バリア性を有するものであれば足りるので、この条件を満たす適宜の材料(例えば、金属缶、金属層を含む積層体、プラスチック等)で構成することができる。
次に、外装ケース40内への各電池単体30の装着方法について説明する。しかし、外装ケース40内において、各電池単体をどのように固定するかについては、本発明において特に限定されるものではない。
(1)電池単体を包材で覆う際に包材周縁部をシールするが、このシール工程における熱や圧によって、包材中の熱シール層が薄肉化することがある。その際、熱シール層の内側にアルミ等の金属層が存在すると、当該金属層と電極タブとが接触して短絡が発生する。包材中に金属層が存在しない本発明では、そのような短絡は生じない。
(2)電池包材をプレス成形する場合、金属層にクラックやピンホールが生じて水蒸気バリア性が低下することがある。本発明では、包材中には金属層が存在せず、外装ケースによって水蒸気バリア性を達成しているので、そのような不都合はない。
(3)電池包材の周縁をシールした後、当該シール部に対して折曲げ加工を行う場合、折曲げ工程で熱シール層にクラックが発生することがある。あるいは、電池自体が異常に昇温した場合に、電極から包材中に熱が伝わり、これによって熱シール層にクラックが発生することもある。熱シール層にクラックが発生した場合、包材中に金属層が存在すると、電解液を介して当該金属層と電極タブ(または、電極あるいは集電体)との間で短絡が発生する。包材中に金属層が存在しない本発明では、そのような短絡は生じない。
複数のガイド溝51aを内面に有する有底の枠体51内に、複数の仕切板53を装着して、枠体51内を複数の領域に区画する。あるいは、一体成形された仕切用成形品55を枠体51内に装着して、枠体51内を複数の領域に区画する。
以上のようにして区画された枠体51内の各領域内に、粘着テープや適宜の固定具を用いて、電池単体を固定し、その後、不図示の蓋体で密閉する。
なお、仕切板53または仕切用成形品55は、いずれも枠体51よりもやや低く形成されていて、蓋体で密閉した場合にも、区画された各領域は上部において互いに連通する。この連通した空間を利用して、各電池単体30を電気的に接続する。
有底の枠体61内に、それに内接する寸法に成形された成形品62を挿通する。仕切用成形品62は複数の区画領域62aを有していて、各区画領域内に、粘着テープや適宜の固定具を用いて、電池単体を固定し、その後、不図示の蓋体で密閉する。
なお、仕切用成形品62は、枠体61よりもやや低く形成されていて、蓋体で密閉した場合にも、区画された各領域は上部において互いに連通する。この連通した空間を利用して、各電池単体30を電気的に接続する。
30 電池単体
31 発電要素
32 外装フィルム
32a ポリエチレンナフタレート層(基材層)
32b 酸変性ポリプロピレン層(熱シール層)
33 中央線(折畳線)
35 正極タブ
36 負極タブ
40 外装ケース
41 冷却フィン
42 正極取出し端子
43 負極取出し端子
44 安全弁機構
51 枠体
51a ガイド溝
53 仕切板
55 仕切用成形品
61 枠体
62 仕切用成形品
62a 区画領域
Claims (4)
- 複数の電池単体(30)と、該複数の電池単体(30)を収容する外装ケース(40)とを含む電池モジュールにおいて、
上記各電池単体(30)は、発電要素(31)と、該発電要素(31)を密封する、積層体からなる包材(32)と、上記包材(32)から突出する正極タブ(35)および負極タブ(36)とを備え、
上記積層体は、振動に起因する短絡を防止するため、金属層を含まず、非金属の基材層(32a)と熱シール層(32b)とで構成されており、
上記外装ケース(40)は、水蒸気バリア性のある材質で構成されていて、収容した上記複数の電池単体(30)を外部の水蒸気から密封遮断していることを特徴とする、電池モジュール。
- 上記包材(32)は、基材層としてのポリエチレンナフタレート層(32a)と、熱シール層としての酸変成ポリオレフィン層(32b)の積層体で構成されていることを特徴とする、請求項1記載の電池モジュール。
- 上記包材(32)がガス透過性を有することを特徴とする、請求項1記載の電池モジュール。
- 上記外装ケースが金属缶(40)であることを特徴とする、請求項1記載の電池モジュール。
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