JP5834166B1 - 側方照明を有する内視鏡 - Google Patents

Abstract

本発明は、側方照明を有する内視鏡に関し、該内視鏡は外管（４）を有する長尺状の内視鏡シャフト（２）を備え、該内視鏡シャフト（２）の遠位領域には、少なくとも１つの旋回面（１２）において旋回可能な視野方向を有する入射光学素子が配置され、該内視鏡シャフト（２）は、内視鏡シャフト（２）の遠位端（３）において出射面にて終端する、１つ又は複数の照明光ファイバー束（２０，２２）を収容しており、少なくとも第１の照明光ファイバー束（２０）は０?の視野角で内視鏡シャフト（２）の遠位端（３）の前方領域を照射し、少なくとも第２の照明光ファイバー束（２２）は、０?〜９０?の側方視野角又は側方視野角範囲で別の領域を照射する。本発明は更に、内視鏡の使用及び内視鏡の操作方法に関する。本発明の内視鏡は、１つ又は複数の発光ダイオード（２４，２６）が、内視鏡シャフト（２）の遠位端（３）の領域における周縁部内又は周縁部上に配置され、該１つの発光ダイオード（２４）又は複数の発光ダイオード（２４，２６）は、約９０?の視野角又は視野角範囲で照射するために、旋回面（１２）内及び／又は旋回面（１２）の周囲に配置されていることを特徴とする。

Description

発明の詳細な説明

本発明は側方照明を有する内視鏡に関し、該内視鏡は外管を有する長尺状の内視鏡シャフトを備え、該内視鏡シャフトの遠位領域には、少なくとも１つの旋回面において旋回可能な視野方向を有する入射光学素子（Ｅｉｎｔｒｉｔｔｓｏｐｔｉｋ）が配置され、該内視鏡シャフトは、内視鏡シャフトの遠位端において出射面にて終端する１つ又は複数の照明光ファイバー束を収容しており、少なくとも第１の照明光ファイバー束は０°の視野角で内視鏡シャフトの遠位端の前方の領域を照らし、少なくとも第２の照明光ファイバー束は、０°〜９０°の側方視野角又は側方視野角範囲で別の領域を照らす。本発明は更に、内視鏡の使用及び操作方法に関する。

本発明は、側方視が設定される、又は設定され得る光学内視鏡に関する。このような内視鏡は、内視鏡シャフト又は内視鏡シャフトの遠位端に配置される、イメージセンサを有する光学系か、あるいは、遠位端で捉えた光を内視鏡の近位端、接眼レンズ、及び該当する場合はビデオヘッドへと中継するロッドレンズリレーセットのいずれかを有する。

視野方向の変化は通常、内視鏡シャフトの遠位端を封止する湾曲したカバーガラスの後方のプリズムを旋回させることによって生じる。
内視鏡シャフトを介した照明が必要とされる場合、内視鏡シャフトは、光学系に加えて、照明手段、すなわち内視鏡シャフトの遠位端の前方の領域を照らすための手段も有する。該手段は、場合によっては、近位側から、例えば発光ダイオード（ＬＥＤ）又はその他の光源などの光源から受光し、受光した光を内視鏡の先端まで遠位側へと向かわせ、術野を照らすために光を該先端にて出射する光ファイバーの束に関連する。

内視鏡光学素子の光ファイバーは非常に大きな放射角を有するが、これらの光線の方向は、可能な限り全て、視野の中心へと向けられるべきである。光線の方向から逸れているファイバーは、視野の明るさに問題となるような差異をもたらしてしまう。組立中にファイバーを封止し確実に位置合わせをするために、ファイバーは通常、遠位端領域において接着される。

上方及び側方光ファイバーの束を有する、対応する内視鏡光学素子が、独国特許出願公開第１０ ２００４ ０２３ ０２４号明細書から公知となっている。この明細書は側方視を有する光学素子に関し、受容される光学素子を収容するために中央窓部が内視鏡シャフトに非対称配置され、非対称的な縁領域はいくつかの光ファイバー束で占められており、そのうちの２つの側方光ファイバー束が約４５°の視野角で側方の照射を生じさせ、中央上部の光ファイバー束が０°の角度での照射を生じさせる。

しかしながら、旋回可能な光学系を有し、また、例えば９０°までの側方視野方向も有する内視鏡のための満足のいく解決方法は未だ見つかっていない。したがって、本発明の目的は、調節可能な視野方向を有する内視鏡においてさえも、術野における十分な照射を実現することにある。

この目的は、側方照明を有する内視鏡によって解決され、該内視鏡は外管を有する長尺状の内視鏡シャフトを備え、該内視鏡シャフトの遠位領域には、少なくとも１つの旋回面において旋回可能な視野方向を有する入射光学素子が配置され、該内視鏡シャフトは、内視鏡シャフトの遠位端において出射面にて終端する、１つ又は複数の照明光ファイバー束を収容しており、少なくとも第１の照明光ファイバー束は０°の視野角で内視鏡シャフトの遠位端の前方の領域を照らし、少なくとも第２の照明光ファイバー束は、０°〜９０°の側方視野角又は側方視野角範囲で別の領域を照らし、前記内視鏡は、１つ又は複数の発光ダイオードが、内視鏡シャフトの遠位端の領域における周縁部内又は周縁部上に配置されることにより更に発展され、該１つ又は複数の発光ダイオードは、約９０°の視野角又は視野角範囲での照射を生じさせるために、旋回面内及び／又は旋回面の周囲に配置される。

ＬＥＤを用いることによって、照明光ファイバー束が限定的な角度にしか曲げることができないという制限的な要因が回避される。内視鏡シャフト内の限られた利用可能な体積の中で、束の中の光ファイバーの少なくとも一部も破損させることなく、照明光ファイバー束を９０°の角度で曲げることはほとんど不可能である。ＬＥＤを内視鏡シャフトの遠位端の領域における周縁部上に配置することによって、既存の照明光ファイバー束では照明されることのない、又は十分に照明されない側方領域について、従来とは対照的に、費用対効果が高く、丈夫で十分に明るい照射を確実にする。

前記第２の照明光ファイバー束によって照射される領域と、１つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードによって照射される領域とは重複することが好ましい。これにより、術野の連続的な照射が達成される。

１つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードの配置に関し、好適には、該１つの発光ダイオード又は複数の発光ダイオードは、前記外管に、又は前記内視鏡シャフト上において遠位側に配置されたハウジングに、埋設される。外管又は遠位端に設けられた対応するハウジングのいずれか一方の周縁部に埋設する場合、１つのＬＥＤ又は複数のＬＥＤは、内視鏡シャフトの周縁部を越えて突出することはなく、したがって、障害物とならない。ＬＥＤは、例えば塗料の透明な膜によって、又は透明フィルムもしくは透明な管によって保護されていてもよい。

数個の発光ダイオードは、前記旋回面を中心に有利に対称配置される。それによって、外側の数個の発光ダイオードは、中央の発光ダイオード又は中央の数個の発光ダイオードから独立して有利に切り替え可能である。このようにすると、照射される領域が横方向にどれだけ大きければよいかを選択することが可能である。したがって、例えば、複数のＬＥＤによって周縁方向が照射される領域しか入らないような、比較的小さな旋回角又は視野角の場合、中央の発光ダイオード又は中央の複数の発光ダイオードのみを点灯させることが可能であり、また、発光ダイオードによって照明される領域に入ると、外側の複数の発光ダイオードも点灯させて、その領域を完全に照らすことが可能である。このため、内視鏡の先端における熱の生成を低く抑えることが可能である。

１つの又は複数の発光ダイオードは、平面状の、１つの発光ダイオードもしくは複数の発光ダイオードとして構成されているか、あるいは、数個の発光ダイオードが、表面に広がるパターンをなして配置されていることが好ましい。この目的は、手術領域を均一に照射することである。平面状の発光ダイオードはこの点で、非常に均一な光源を形成しており、このことは、小型の発光ダイオードの場合、個々の発光ダイオードを対応して分布させることによって達成可能である。平面状の発光ダイオードとして作製可能な有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ）が、特に適している。

１つあるいは複数の発光ダイオードが、異なる色又は調整可能な色で光を発するように構成されている場合、例えば異なる組織型又は臨床像の検査を有利に行うことが可能である。それにより、複数の色は光学スペクトルの可視域内の色、又は赤外線もしくは紫外線であってもよい。この場合、それに対応して高感度イメージセンサが用いられるか、又はこれらのセンサは、例えば発光マーカーに関連して、患者の組織中で用いられる。

制御装置を備えていることが好ましく、該制御装置によって照明光ファイバー束と１つ又は複数の発光ダイオードとによる照射は、内視鏡シャフトの遠位端の前方にある、設定された視野角の方向の領域を照らすために、設定された視野角に応じて制御可能である。このようにすると、照射源を選択すること、すなわち第１の照明光ファイバー束、第２の照明光ファイバー束、及び１つ又は複数の発光ダイオードを選択することは、もはや操作者の仕事ではなくなり、むしろ設定された視野角に基づいて自動的に選択される。

本発明の根底にある目的も、側方を照らすための本発明による前述の内視鏡に備えられた１つの又は数個の発光ダイオードの使用によって解決される。これによって、費用対効果が高く、かつ効率的な方法で光学素子の旋回方向において側方を照らすことが可能である。ＬＥＤを側方に用いることのみを必要とし、光は、照明光ファイバー束によって前方と、それほど強くなく横方向とに連続して発生するため、発光ダイオードによる熱の生成は大幅に制限され、検査又は手術を受ける人の組織又は器官を損傷するようなことにはならない。

最後に、本発明の根底にある目的は、前述した本発明による内視鏡の操作方法によっても解決される。該方法において、設定された視野角に応じて視野角を旋回させる場合、０°の視野方向を有する第１の照明光ファイバー束を少なくとも介して、かつ／又は、０°〜９０°の側方視野角又は側方視野角範囲を有する第２の照明光ファイバー束を少なくとも介して、かつ／又は、内視鏡シャフトの遠位端の領域における周縁部内又は周縁部上に配置された１つ又は複数の発光ダイオードを介して、照射が行われ、１つ又は複数の発光ダイオードは、約９０°の視野角又は視野角範囲での照射を生じさせるために、前記旋回面内及び／又は前記旋回面の周囲に配置される。

本発明の各主題、すなわち内視鏡、その使用及び方法の利点、特性、及び特徴は、本発明のその他の主題にも当てはまり、これらは互いに関連する。
本発明の更なる特徴は、本発明の実施形態の説明、請求項及び添付の図面から明らかになるであろう。本発明の実施形態は、各特徴又はいくつかの特徴の組み合せを実現することが可能である。

本発明は、本発明の概念を限定することなく、図を参照した例示的な実施形態を用いて、以下で説明されている。該説明において、我々は、文中ではあまり詳細には説明されていない本発明の全ての詳細に関しては、特に図面を参照している。

本発明による内視鏡の内視鏡シャフトの概略断面図である。 本発明による内視鏡の内視鏡シャフトの遠位端の領域の概略側面図である。

図面において、同一又は類似する種類の要素及び／又は部品には、これらの要素及び／又はパーツについて再度説明するのを省くために、同一の符号が付されている。
図１は、本発明による内視鏡の内視鏡シャフト２の遠位端３における領域の断面図を概略的に示している。一方の側に光学アセンブリのための窓穴８と、他方の側に照明光ファイバー束のための上部出口開口１６及び側部出口開口１８とを有するファイバー管６が、外管４内に設けられている。窓穴８の中に固定される光学アセンブリの直径は、内視鏡シャフト２の直径よりも小さく、内視鏡の遠位端の前方にある術野を照射するための出口開口１６，１８のための空間が窓穴８の周囲にできるように、縁部に対してずらして固定されている。

窓穴８に挿入される光学アセンブリは、強固に横向きで固定されているように見えるアセンブリであってもよく、又は、例えば旋回プリズム構成によって、視野方向が旋回可能なアセンブリであってもよい。旋回面、すなわち視野方向の旋回又はプリズムの旋回が起こる平面には、符号１２が付されている。対応する旋回プリズム構成の旋回軸に対しても平行に延びる水平軸１４が、旋回プリズムに対して垂直に、かつ内視鏡シャフト２の長手延在方向に対して横断するように示されている。

窓穴８の下方には、内視鏡シャフト２の遠位端の前方の一部分に配置され、下部領域を照射するように整列された、複数の発光ダイオード２４，２６が外管４の領域に示されている。これらは、旋回面１２を中心に対称配置された幅広の発光ダイオード２４、及び第１の発光ダイオード２４の旋回面１２を中心に対称配置された２つの側方発光ダイオード２６である。これらは平面状の発光ダイオードであってもよく、あるいは個々の発光ダイオードが対応する表面に広がっている発光ダイオードの区域であってもよい。

図２は、図１による内視鏡シャフト２の遠位端３の領域を側方から示しており、この場合、観察面において互いに連なるように配置された照明光ファイバー束２０，２２が追加して示されている。０°の視野方向に整列されて放射を行う第１の照明光ファイバー束２０は、その上部が、図１の上部出口開口１６に合わせて配置されている。側方照明光ファイバー束２２は遠位端３の領域に、ある角度、本例においては約３０°の角度で、０°の視野方向から逸れて配置されており、旋回方向においてより側方に位置する領域を照らす。遠位端３において、内視鏡シャフト２は湾曲したカバーガラス１０によって閉鎖されている。

内視鏡シャフト２の下方領域に、図１の発光ダイオード２４及び側方発光ダイオード２６が、側面から示されている。これらは比較的幅広の照射特性を有しており、内視鏡の先端３の前方及び下方の領域を照らすように機能する。このような照射は、第２の照明光ファイバー束２２の光ファイバーからの光では達成できない。更に、発光ダイオード２４，２６に近位側で電力を供給する、電源ライン２８が示されている。

発光ダイオード２４，２６により更に照射することによって、９０°までの十分な側方視野角を設定し、それにより術野を完全に照らすことが可能となっている。したがって、発光ダイオード２４，２６の配置は、光学素子の９０°の視野角を使用することが可能なように選択される。

図から把握されるものも含め、挙げられた単独の特徴及び他の特徴と組合せて開示されている個々の特徴の全ては、単独で、及び組合せで、本発明の本質的な要素として考慮される。本発明による実施形態は個々の特徴、又はいくつかの特徴の組合せによって実現可能である。

２… 内視鏡シャフト、３…遠位端、４…外管、６…ファイバー管、８…窓穴、１０… カバーガラス、１２…旋回面、１４…水平軸、１６…上部出口開口、１８…側部出口開口、２０…第１の照明光ファイバー束、２２…第２の照明光ファイバー束、２４…発光ダイオード、２６…側方発光ダイオード、２８…電源ライン

Claims (8)

1. 側方照明を有する内視鏡であって、該内視鏡は外管（４）を有する長尺状の内視鏡シャフト（２）を備え、該内視鏡シャフト（２）の遠位領域には、少なくとも１つの旋回面（１２）において旋回可能な視野方向を有する入射光学素子が配置され、該内視鏡シャフト（２）は、内視鏡シャフト（２）の遠位端（３）において出射面にて終端する、１つ又は複数の照明光ファイバー束（２０，２２）を収容しており、少なくとも第１の照明光ファイバー束（２０）は０°の視野角で内視鏡シャフト（２）の遠位端（３）の前方領域を照らし、少なくとも第２の照明光ファイバー束（２２）は、０°〜９０°の側方視野角又は側方視野角範囲で別の領域を照らす内視鏡であって、
   １つ又は複数の発光ダイオード（２４，２６）が、内視鏡シャフト（２）の遠位端（３）の領域における周縁部内又は周縁部上に配置され、前記１つの発光ダイオード（２４）又は前記複数の発光ダイオード（２４，２６）は、約９０°の視野角又は視野角範囲での照射を行うために、旋回面（１２）内及び／又は旋回面（１２）の周囲に配置されていることを特徴とする内視鏡。
2. 前記第２の照明光ファイバー束（２２）によって照射される領域と、前記１つの発光ダイオード（２４）又は前記複数の発光ダイオード（２４，２６）によって照明される領域とが重複することを特徴とする、請求項１に記載の内視鏡。
3. 前記１つの発光ダイオード（２４）又は前記複数の発光ダイオード（２４，２６）は、前記外管（４）に、又は前記内視鏡シャフト（２）上において遠位側に配置されたハウジングに埋設されていることを特徴とする、請求項１又は２に記載の内視鏡。
4. 数個の発光ダイオード（２４，２６）は、前記旋回面（１２）を中心に対称配置されていることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の内視鏡。
5. 外側の発光ダイオードは、中央の１つの発光ダイオード又は中央の数個の発光ダイオードから独立して切り替え可能であることを特徴とする、請求項４に記載の内視鏡。
6. 前記１つの発光ダイオード（２４）又は前記複数の発光ダイオード（２４，２６）が、平面状の発光ダイオード又は複数の平面状の発光ダイオードとして構成されているか、あるいは、数個の発光ダイオードが、表面に広がってパターンをなして配置されていることを特徴とする、請求項１乃至５のいずれか一項に記載の内視鏡。
7. １つ又は複数の発光ダイオード（２４，２６）は、異なる色又は調整可能な色で光を発するように構成されていることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一項に記載の内視鏡。
8. 制御装置を備え、該制御装置によって照明光ファイバー束（２０，２２）と前記１つの発光ダイオード（２４）又は複数の発光ダイオード（２４，２６）とによる照明は、前記内視鏡シャフト（２）の前記遠位端（３）の前方にある設定された視野角の方向の領域を照射するために、前記設定された視野角に応じて制御可能であることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか一項に記載の内視鏡。

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