まず、実施形態の弾球遊技機の概要について説明する。
本実施形態の弾球遊技機は、遊技球の始動入賞を契機に、遊技者に有利な特別遊技状態に移行するか否かの判定を行う判定手段と、遊技球が入球可能な開状態と入球が不可能又は困難な閉状態とに切替わる開閉手段と、遊技球が通過可能な特定領域及び非特定領域と、遊技球を該特定領域又は該非特定領域に振分ける振分手段と、該特定領域を通過する遊技球を検出する特定領域通過検出手段及び該非特定領域を通過する遊技球を検出する非特定領域通過検出手段とを有する可変入賞手段と、前記判定手段によって前記特別遊技状態に移行すると判定されたことに基づいて、該特別遊技状態を実行する特別遊技状態実行手段と、前記特定領域通過検出手段によって遊技球が検出された場合に、前記特別遊技状態の終了後、遊技者に有利な特定遊技状態に移行させる遊技状態制御手段とを備え、前記特別遊技状態は、前記振分手段が動作しない複数回の通常ラウンドと、前記振分手段が遊技球を前記特定領域に振分ける位置に動作する複数回の特別ラウンドとで構成され、前記特別ラウンドは、前記開閉手段及び/又は前記振分手段の所定の動作により遊技球が前記特定領域に入賞容易な第1動作パターンと、該第1動作パターンと比較して入賞困難な第2動作パターンとを有し、前記特別遊技状態は、前記複数回の特別ラウンドのうち、少なくとも1回の特別ラウンドが前記第1動作パターンで実行され、その他の特別ラウンドが前記第2動作パターンで実行される第1特別遊技状態と、前記複数回の特別ラウンドが何れも前記第1動作パターンで実行される第2特別遊技状態とで構成されることを特徴とする。
本実施形態において、判定手段は、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技)に移行するか否かの判定を行う。特別遊技状態の特別ラウンドでは、振分手段が遊技球を特定領域に振分ける位置に動作するので、遊技球が特定領域を通過するようになる。そして、遊技球が特定領域に振分けられ、特定領域通過検出手段によって遊技球が検出されたとき、特別遊技状態の終了後に遊技者に有利な特定遊技状態に移行する。「遊技者に有利な特定遊技状態」には、例えば、通常遊技状態より有益な確率変動遊技や時短遊技がある。
開閉手段と振分手段の動作の組合せによる動作パターンには、遊技球が特定領域に入賞容易な第1動作パターンと、比較的入賞が困難な第2動作パターンの2種類がある。例えば、振分手段の動作を共通にして、開閉手段の作動時間(開放時間)の長短により入賞し易さを制御してもよいし、開閉手段の作動時間を共通にして、振分手段の動作を変化させて入賞し易さを制御してもよい。
第1特別遊技は、複数回ある特別ラウンドのうち、少なくとも1回の特別ラウンドが第1動作パターンで実行され、その他の特別ラウンドが第2動作パターンで実行される第1特別遊技状態の他、特別ラウンドが何れも第1動作パターンで実行される第2特別遊技状態がある。これにより、特別遊技状態の種類に応じて開閉手段等の動作パターンを変化させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態において、前記第1特別遊技状態では、前記第2動作パターンによる特別ラウンドが実行された後、前記第1動作パターンによる特別ラウンドが実行されることが好ましい。
本実施形態の第1特別遊技状態では、初めの特別ラウンドが第2動作パターンで実行されるので、遊技球が特定領域を通過することはほとんどなく、特定遊技状態への移行が確定しない。しかし、その後の特別ラウンドが第1動作パターンで実行されるので、特定遊技状態への移行がほぼ確定する。
第1特別遊技状態が実行されるとき、遊技者は、特定遊技状態への移行に危惧を感じつつも、後に該移行の機会が与えられることに期待を寄せるようになる。そして、その後、実際に該移行の機会が与えられるので、斬新なゲーム性となって、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態において、始動入賞を契機に変動を開始する第1特別図柄と、前記特定遊技状態で始動入賞し易く、該始動入賞を契機に変動を開始する該第1特別図柄とは異なる第2特別図柄とを備え、前記特別遊技状態実行手段は、前記第2特別図柄が変動する場合には、前記第1特別遊技状態より前記第2特別遊技状態を高い割合で実行することが好ましい。
本実施形態では、確率変動遊技等の特定遊技状態において、第2特別図柄が変動するための始動入賞が発生し易い。このとき、特別ラウンドが何れも第1動作パターンで実行される第2特別遊技状態の実行割合を高くしているので、特定遊技状態は、遊技者にとってより大きな利益を獲得できる遊技状態となる。
また、本実施形態において、前記特別遊技状態は、前記複数回の特別ラウンドが何れも前記第2動作パターンで実行される第3特別遊技状態を有することが好ましい。
例えば、第2動作パターンによる特別ラウンドが実行された後、第1動作パターンによる特別ラウンドが実行されることが明白であると、遊技者が受ける焦りや不安は、非常に小さなものとなる。従って、本実施形態では、特別ラウンドが第2動作パターンでのみ実行される第3特別遊技状態を有するようにしたことで、遊技者の焦りや不安を煽る展開も用意し、ゲーム性を豊かにすることができる。
次に、図1を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機の構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、矩形状の外枠2と、この外枠2に開閉可能に枢着された前面枠3および前扉5を備えている。前面枠3は、額縁状であり開口部に遊技盤4(図3参照)が取付け可能となっている。また、前扉5の中央部にはガラス板6が嵌め込まれており、外部より遊技盤4が視認可能となっている。
前扉5の上部左右両側にはスピーカ7が設けられている。スピーカ7は、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部である。また、前扉5の左右両側および上部には枠装飾LED8が設けられている。枠装飾LED8は、遊技の演出に連動してLEDが発光、点滅する装飾部である。
前扉5の下側には前面板9があり、その左端部は前面枠3に開放可能に枢着されている。前面板9には、発射機構を作動させるための発射ハンドル10、遊技球を貯留する上貯留皿11、下貯留皿12等が設けられている。
また、上貯留皿11の表面部分には、内蔵ランプが点灯したとき操作が可能となる左演出ボタン13と、中央演出ボタン14が設けられている。演出ボタン13、14は、遊技中に操作の機会が与えられ、ボタンを押下することにより演出を実行させることができる。
図2は、本実施形態のパチンコ遊技機の背面側の斜視図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、遊技盤4(図3参照)を裏側から押さえる枠体状の裏機構盤16が取り付けられている。この裏機構盤16の上部には、パチンコホール側島設備の遊技球補給装置(図示省略)から供給される遊技球を貯留する遊技球貯留タンク17が設けられている。
また、遊技球貯留タンク17から球を導出するタンクレール18の傾斜下端には、遊技球を払い出すための遊技球払出装置19が設けられている。さらに、裏機構盤16の隅部には、パチンコホール(遊技場)にある全遊技機を統括的に管理するホールコンピュータ(図4参照)に電気的に接続するための外部端子基板21が、端子基板ケース22に収納され、設けられている。
また、裏機構盤16の略中央には、遊技盤4の裏側に装着された透明の裏カバー23が備えられている。この裏カバー23内に、演出制御基板25を収納した透明の演出制御基板ケース25aと、液晶制御基板26を収納した透明の液晶制御基板ケース26aとが設けられている。
演出制御基板25と液晶制御基板26の間には、ボリュームスイッチ31が設けられている。つまみ部分を回転させることで10段階の音量設定が可能である。
液晶制御基板ケース26aの下方には、主制御基板24を収納した透明な主制御基板ケース24aが設けられている。主制御基板24は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御するものである。主制御基板24は、各種スイッチやセンサと接続されているため、これらの検知信号を受信して各種処理を行う。
また、主制御基板24には、RAMクリアスイッチ27が設けられている。RAMクリアスイッチ27を押下しながら、電源を投入することによりRAM領域の記憶内容は消去され、パチンコ遊技機1は初期状態となる。
演出制御基板25は、主制御基板24から送信される各種制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいて、例えば、盤面装飾LED35或いは液晶表示装置36(図3参照)による演出を制御する。また、パチンコ遊技機1の背面には、演出制御基板25からの信号を受けて点灯・点滅する異常報知LED32(図4参照)があり、特定の異常を確認するのに用いられる。
主制御基板ケース24aの下方には、電源基板28を収めた透明な電源基板ケース28aと、払出制御基板29を収めた透明な払出制御基板ケース29aが配設されている。
さらに、発射ハンドル10に対応する位置には、遊技球を打撃する打撃槌やこれを駆動する発射モータを備えた遊技球発射装置(図示省略)の後側に発射制御基板30が設けられている。
次に、図3を参照して、実施例1のパチンコ遊技機の遊技盤について説明する。
図3に示すように遊技盤4は、略正方形のパネルで形成され、その盤面上の遊技領域4aは、化粧板4bの前面にビス等で固定されるセンター飾り体34a、左部コーナー飾り体34b、右部コーナー飾り体34c等の部材によって区画形成されている。飾り体34a〜34cは、ポリカーボネート等の硬質樹脂材料を用いた射出成形によってそれぞれ一体成型で形成されている。
センター飾り体34aには、複数の盤面装飾LED35が配置されている。盤面装飾LED35は、各遊技における図柄の変動表示や予告表示に伴って発光色や発光態様を変化させ、演出を盛り上げる装飾部である。
遊技盤4の中央部には開口が形成され、この開口内に液晶表示装置36の表示画面が配置される。液晶表示装置36は、種々の数字、キャラクタ等が描かれた図柄や背景画像、リーチ等の各種演出を遊技に応じて表示する表示器である。
センター飾り体34aの上部略中央には、演出用ゲート40aが配置されている。演出用ゲート40aは、遊技中の特定演出で用いられるゲートである。この特定演出の際、遊技者が演出用ゲート40aを狙って遊技球を入賞させると、さらに演出が発展し、遊技者に有利な状態となる。
また、後述する第2大入賞装置39bの右上方には、普通図柄用始動ゲート40bが配置されている。この普通図柄用始動ゲート40bは、普通図柄の始動契機となる入賞装置である。遊技球が普通図柄用始動ゲート40bを通過することにより抽選が行われ、後述する普通図柄表示装置43bにて、普通図柄が変動する。
液晶表示装置36の右側には竜の頭部の形状をした可動役物37が配置されている。可動役物37は、遊技における演出や大当り期待度に応じて動作する。パチンコ遊技機1には、可動役物37以外にも複数の可動役物が設けられているが、図面上省略している。
センター飾り体34aの下方は、ステージ部材33が配置されている。ここに誘導された遊技球は、ステージ中央部分を揺動した後に落下するが、中心にある溝を通過した遊技球は、後述する第1特別図柄始動口38aに入賞し易い構造となっている。
ステージ部材33の下方には、第1特別図柄始動口38aおよび第2特別図柄始動口38bからなる始動入賞装置38が配置されている。遊技領域4aを流下する遊技球が第1特別図柄始動口38a、又は第2特別図柄始動口38bに入賞することにより抽選が行われ、後述する特別図柄表示装置43aにて特別図柄の変動表示がなされる。さらに、液晶表示装置36でも、特別図柄に対応した装飾図柄の変動表示が行われる。
なお、以下では、第1特別図柄始動口38aへの入賞により変動表示を開始する特別図柄を特別図柄1(又は、特図1)、第2特別図柄始動口38bへの入賞により変動表示を開始する特別図柄を特別図柄2(又は、特図2)という。
第2特別図柄始動口38bは開閉部材を備えており、開閉部材が開放した場合に遊技球が入賞し易い状態となる。上記の開閉部材は、普通図柄の抽選に当選した場合に、所定回数、所定時間開放する。以下では、第2特別図柄始動口38bと開閉部材を合わせた装置を普通電動役物(電動チューリップ、又は略称の「電チュー」)と称することがある。
始動入賞装置38の下方には、第1大入賞装置39aが配置されている。第1大入賞装置39aには、前側に倒れたとき遊技球が入球可能な開閉扉がある。また、始動入賞装置38の右側には、第2大入賞装置39bが配置されている。大入賞装置39a、39bは、共に特別図柄の抽選に当選したとき、すなわち、大当りしたとき移行する特別遊技において、所定時間開放される入賞装置である。遊技球が大入賞装置39a、39bの内部にある大入賞口(図示省略)に入賞することにより、多くの賞球を獲得することができる。
第2大入賞装置39bを含む入賞装置49は、確変移行判定部を含む。確変移行判定部は、遊技球が通過することにより特別遊技の終了後に確率変動(以下、確変ともいう)状態に移行させる特定領域(Vゾーン)と、遊技球が通過しても確率変動状態に移行させない非特定領域を有する。
本実施形態では、確変移行判定部の形状は視認できないようにシートで覆われているため、破線で示した。第2大入賞装置39bは、本発明の「可変入賞手段」に相当する。また、以下では、第1大入賞装置39aをアタッカ1、第2大入賞装置39bをアタッカ2と呼ぶことがある。
遊技領域4aの右側上方には、特別図柄表示装置43aおよび普通図柄表示装置43bが配置されている。特別図柄表示装置43aは、2個の7セグメントLED(左及び中)から構成され、特別図柄始動口38a、38bへの入賞を契機として特別図柄を変動させ、抽選結果を表示する。なお、残り1個は(右)、特別図柄及び普通図柄の保留球数や、時短状態であることを表示する。
普通図柄表示装置43bは、複数のLEDからなる表示器であり、普通図柄用始動ゲート40bへの入賞を契機として普通図柄を始動させ、LEDの点灯により抽選結果を表示する。
遊技領域4aの左側には、遊技球の流下方向を変化させる風車41、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。また、遊技領域4aの下方には、複数の一般入賞口42が配置されている。遊技球が一般入賞口42に入賞すると、所定数の賞球の払出しが行われる。
遊技領域4aの最も左側には、発射機構(図示省略)により発射された遊技球を遊技領域4aに案内するため略上下方向に延びたガイドレール44が配置されている。ガイドレール44は、金属製の帯状の外内2本のガイドレール44a、44bで構成されている。
これら外内2本のガイドレール44a、44bの間で上下方向に延びた空間が、前記発射機構から発射された遊技球が通過する発射通路45を形成している。内側ガイドレール44bの上端には、発射球の発射方向(遊技領域4a側)への通過を許可すると共に戻り方向(発射通路45側)への通過を阻止する戻り球防止片46が配設されている。また、内側ガイドレール44bの最下部にはアウト球回収口47と、アウト球回収口47にアウト球を導入する球寄せ部48が形成されている。
図4は、パチンコ遊技機の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では信号を中継する中継基板や、本発明に関係のない一部の部材の構成を省略した。
この制御装置は、パチンコ遊技機1の動作を統括的に制御する主制御基板24と、主制御基板24からコマンドを受けて演出の制御をする演出制御基板25とを中心に構成される。主制御基板24を初めとした各基板には、電源基板28が接続され、外部電源から交流電圧24Vを受けて直流電圧に変換し、各基板に供給する。
主制御基板24は、その内部に、主制御基板用CPU241と、ROM242と、RAM243を備えている。主制御基板用CPU241は、いわゆるプロセッサ部であり、大当りを発生させるか否かの抽選処理、決定された変動パターンや停止図柄の情報から制御コマンドを作成し、演出制御基板25に送信する等の処理を行う。なお、CPU241は、本発明の「判定手段」、「特別遊技実行手段」及び「遊技状態制御手段」に相当する。
ROM242は、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部である。また、RAM243は、主制御基板用CPU241の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
主制御基板24には、始動入賞口センサ38c、大入賞口センサ39c、始動ゲート通過センサ40c、一般入賞口センサ42c、特定領域センサ56c、非特定領域センサ57c、磁気センサ50、電波センサ51、振動センサ52が接続され、各センサの検知信号を受信可能となっている。
磁気センサ50は、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気を検知するセンサである。また、電波センサ51は、パチンコ遊技機1に対し発せられた強い電波を検知するセンサであり、振動センサ52は、パチンコ遊技機1に対し与えられた強い振動を検知するセンサである。
また、主制御基板24には、特別図柄表示装置43a、普通図柄表示装置43bが接続され、主制御基板用CPU241が抽選処理により取得した乱数情報は、各図柄表示装置43a、43bに送信される。
さらに、主制御基板24には、パチンコ遊技機1の外部へ接続する端子を備えた外部端子基板21が接続されている。遊技における大当り、入賞数、ゲーム数、発生したエラー等の各種情報は、主制御基板24から外部端子基板21を介してホールコンピュータに送信される。なお、ホールコンピュータは、送信された各種情報を保存管理することができる。
さらに、主制御基板24には、払出制御基板29が接続されている。払出制御基板29には、下貯留皿満杯センサ12cおよび前扉開放センサ20が接続されている。このため、これらのセンサが異常を検知すると、検知信号は払出制御基板29を介して主制御基板24に送信される。なお、払出制御基板29には、遊技球払出装置19と、発射制御基板30(さらに発射装置10aと接続)が接続している。
次に、演出制御基板25は、その内部に、演出制御基板用CPU251と、ROM252と、RAM253とを備えている。演出制御基板用CPU251はいわゆるプロセッサ部であり、主制御基板24から送信された制御コマンドを受信し、その制御コマンドに基づいた各種演出を制御する処理を行う。
ROM252は、一連の演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した記憶部である。また、RAM253は、演出制御基板用CPU251の処理で設定されたデータを一時記憶するワークエリアを備えた記憶部である。
演出制御基板25には、スピーカ7、枠装飾LED8、異常報知LED32、盤面装飾LED35、ボリュームスイッチ31、位置検出センサ55c、左演出ボタン13、中央演出ボタン14が接続されている。これにより、演出制御基板25は、例えば、スピーカ7の効果音や各LED等の動作を制御し、演出効果を高めている。なお、異常報知LED32は、パチンコ遊技機1の背面(演出制御基板25)に設けられたLEDであり、特定の異常が発生したことを報知する。
位置検出センサ55cは、後述する確変移行判定部にある振分部の位置を検出するセンサである。また、演出ボタン13、14は、遊技者が有効期間にこれらを押下げることで、検知信号が演出制御基板25に送信され、液晶表示装置36に表示される演出が変化する。
演出制御基板25には、液晶制御基板26が接続されている。液晶制御基板26は、演出制御基板25からコマンドを受けて液晶表示装置36の表示制御を行うものである。
液晶制御基板26は、その内部に、液晶制御CPU261と、液晶制御ROM262と、液晶制御RAM263と、映像表示プロセッサVDP264と、画像データROM265と、VRAM266を備えている。
液晶制御CPU261は、いわゆるプロセッサ部であり、演出制御基板25から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な液晶制御データを生成する。また、そのデータを映像表示プロセッサVDP264に出力する。
液晶制御ROM262は、液晶制御CPU261の動作手順を記述したプログラムを格納した記憶部であり、液晶制御RAM263は、ワークエリアやバッファメモリとして機能する記憶部である。
映像表示プロセッサVDP264は、液晶表示装置36に表示する画像データの画像処理を行うプロセッサである。また、画像データROM265は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理を行うために必要な画像データを格納した記憶部であり、VRAM266は、映像表示プロセッサVDP264が画像処理した画像データを一時記憶する記憶部である。
上記の構成により液晶制御基板26は、演出制御基板25から送信された液晶制御コマンドに基づき画像処理を行い、液晶表示装置36に演出画像や動画を表示している。
次に、図5A、5Bを参照して、パチンコ遊技機の確変移行判定部を含む入賞装置について説明する。確変移行判定部は、第2大入賞装置39bや普通図柄用始動ゲート40bを含む入賞装置49内にあり、確変移行の権利取得に関する判定を行う。
本実施形態では、特別遊技において、遊技者が右打ちを行う仕様となっている。従って、遊技球は入賞装置49の右上部分から流下してくる。そして、遊技球は普通図柄用始動ゲート40b付近を通って、第2大入賞装置39bに到達する。また、普通図柄用始動ゲート40bを通過した遊技球は、球誘導部53によって第2大入賞装置39bの方向に誘導される(図5B参照)。
第2大入賞装置39bには開閉扉(本発明の「開閉手段」に相当する)があり、開閉扉が後方に退避しているとき、遊技球が内部に入球可能となる。入球した遊技球は、大入賞口センサ39cで検出され、第2大入賞装置39bの入賞数としてカウントされる。遊技球は、その後、確変移行判定部54の方向に進む。
一方、開閉扉が前方に突出しているとき、遊技球は、第2大入賞装置39bの内部に入球することができない。この場合、開閉扉の上部を遊技球が通過できるようになっており、遊技球は、第2特別図柄始動口38bの方向に誘導される。
確変移行判定部54は、初め1本の通路であるが、最終的に左側の特定領域56、又は右側の非特定領域57に振分けられる。通路途中に設けられた振分部55(本発明の「振分手段」に相当する)は、左右方向に移動可能であり、位置検出センサ55cによって位置情報が演出制御基板25に送信される。なお、図5Bでは、振分部55を省略している。
ここで、「振分手段」には、遊技球を振分け可能な様々な態様のものが含まれる。例えば、特定領域に対して出退動作をする蓋部材や、特定領域の穴と非特定領域の穴が並設された入賞装置において、一方の穴を塞ぐシャッタ部材も「振分手段」に含まれる。その他、1つの球検出スイッチを時間で切替えて、特定入賞か否かを判定するものであってもよい。
確変移行判定部54が確変移行の権利取得について判定するのは、特別遊技中の特別ラウンド(後述する実施例1では、第4ラウンド等)である。詳細は後述するが、確変図柄当りに当選した場合には、その特別遊技の終了後に大当り確率が高く設定された確率変動モードに移行する。このため、特別ラウンドでは、遊技球が通過可能な程度の時間、特定領域56が開放状態となる。
特定領域56を開放状態とするときには、振分部55を右側に移動させ、閉鎖状態とするときには、左側に移動させる。実施例1では、第4ラウンド等で特定領域56を開放状態とし、確変移行の権利を取得できるようにしている。
一方、非確変図柄当りに当選した場合には、基本的に、その特別遊技の終了後に確率変動モードに移行することが許可されていない。この場合には、開閉扉の作動時間を短く設定することで、遊技球が特定領域56を通過し難くしている。
また、図5Bに示すように特定領域56、非特定領域57には球検出センサが配設され、遊技球が通過したとき、主制御基板24に入球検知信号が送信されるようになっている。これらの球検出センサは、第2大入賞装置39bから排出された排出球の数をカウントする。特定領域56の特定領域センサ56cは、本発明の「特定領域通過検出手段」に相当し、非特定領域57の非特定領域センサ57cは、本発明の「非特定領域通過検出手段」に相当する。
[実施例1]
次に、図6Aを参照して、実施例1の特別遊技の構成(「大当りパターンA」、「大当りパターンB」)について説明する。
パチンコ遊技機1には、確変図柄と非確変図柄があり、それぞれ当選により特別遊技が付与される。後述する「大当りパターンA」〜「大当りパターンC」は、確変図柄当りにより付与される特別遊技であって、後述する特別ラウンドで少なくとも1回、開閉扉が長期開放する。以下では、その詳細を説明する。
まず、「大当りパターンA」は、全部で14のラウンドから構成され、特別遊技の終了後は、遊技状態が確率変動モードとなる(図6A(a)参照)。なお、確率変動モードは、本発明の「特定遊技状態」の一例である。
確率変動モードは、次回の大当り発生まで継続するものが良く知られているが、実施例1では回数が限定され、所定回数(100回)の遊技が行われると終了する。このとき、当選確率が高確率となるだけでなく、普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放するようになるので(電チューサポート有り状態)、遊技球が始動入賞し易くなる。
「大当りパターンA」において、最初に開始インターバル(オープニング)が行われる。開始インターバルでは、10000ms(10.0秒)の期間に、液晶表示装置36で「大当り表示」と「右打ち表示」が行われる。「大当り表示」とは、第1ラウンド開始前に行われる「大当り」等の文字表示であり、大当り種別によって複数の表示が用意されている。
すなわち、上記の文字表示、このとき出現する図形(絵やキャラクタ)、背景又はこれらの組合せを大当り種別によって、異ならせてもよい。例えば、特別ラウンドで少なくとも1回、開閉扉が長期開放する特別遊技の場合には、白色や青色の文字表示とする。
また、全ての特別ラウンドで開閉扉が長期開放する特別遊技の場合には、金色や7色のレインボー柄、黄色と黒色を組合せたデンジャー柄として、文字表示を目立たせることができる。これは、飽くまで報知演出であるので、目立たない態様の報知をするが、実際には、価値の高い特別遊技が実行される場合もある。逆に、目立つ態様の報知をするが、価値の低い特別遊技が実行されるような嘘報知を行ってもよい。これにより、遊技者は、特別遊技の開始時にこれから実行される大当り種別を予想することができ、遊技の興趣が向上する。
また、「右打ち表示」とは、特別遊技で使用するアタッカを指示するものである。特に、盤面右側に配置されたアタッカ2(第2大入賞装置39b)を使用するラウンドがある等の理由から、遊技者に右打ちをすることを指示する。
その後、第1ラウンドが開始する。第1ラウンドは、開閉扉の作動時間が29000ms(29.0秒)であって、アタッカ1(第1大入賞装置39a)を使用する。なお、後述する第4、8、12ラウンドを除くラウンドは、「通常ラウンド」と呼ばれ、本発明の「通常ラウンド」に相当する。
第1ラウンドでは、「Round01」のラウンド表示が行われると共に、「チャレンジ演出」が開始する。「チャレンジ演出」では、例えば、主人公と相手キャラクタとが対戦する演出が行われる。この段階では勝敗が分からないが、強さの異なる複数のキャラクタから1つの相手キャラクタが選択される。なお、演出ボタン13、14を用いて先攻後攻を決定する等の演出も用意されている。
開閉扉の作動時間(開放時間)が終了すると、2000ms(2.0秒)のインターバル時間となる。これは、アタッカ1に入賞した遊技球の排出確認のための時間であり、この時間の経過時までの入賞数及び排出数が有効とみなされる。なお、アタッカ1は、大入賞口センサ39cが1つあるだけなので、入賞数と排出数は必ず一致する。
特別遊技は、その後、第2ラウンド、さらに第3ラウンドへと進行する。第2、第3ラウンドは、ラウンド表示がラウンドの進行に応じて進んでいく以外、第1ラウンドとほぼ同じであるので、図面を一部省略した。
実行中の「チャレンジ演出」は、ラウンドの進行に応じて発展しながら第3ラウンドのインターバル時間に進む。なお、「チャレンジ演出(優)」では、主人公が優勢で、最終的に相手キャラクタを倒し、勝利するストーリーとなる。その後、7300ms(7.3秒)のインターバル時間の開始時から「報知演出α」が実行される。
「報知演出α」では、まず、左演出ボタン13(中央演出ボタン14でもよい)の画像が表示され、遊技者に対しその操作や連打を指示する。そして、遊技者が左演出ボタン13を操作すると、「チャレンジ演出(優)」での勝利確定の演出が開始する。さらに、次回の第4ラウンドで狙うアタッカの報知が行われる(図7(a)参照)。その後、第4ラウンドに進む。
第4ラウンドは、第1〜第3ラウンドと開閉扉の動作が異なっている。第4ラウンドは、開閉扉が閉鎖したまま待機する待機期間(2700ms)と、開閉扉が長期開放する開放期間(26300ms)とから構成される。また、ここでは、アタッカ2(第2大入賞装置39b)を使用し、上述の振分部55が動作して特定領域56を所定時間、開放状態とする。なお、第4ラウンドは、「特別ラウンド」と呼ばれ、本発明の「特別ラウンド」に相当する。
ここで、上記の「報知演出α」は、第4ラウンド開始時までに終了しているが、第4ラウンドの待機期間の終了時まで継続して実行してもよい。これにより、開閉扉が長期開放する直前まで狙うアタッカの報知を行うことができ、遊技者が特別ラウンドでの遊技に戸惑うことがなくなる。
また、第4ラウンドでは、映像として、「特別ラウンド演出(特別R演出)」が行われる。これは、アタッカ2の開閉扉が長期開放する特別ラウンドでのみ行われる表示である。すなわち、上述の「報知演出α」で主人公が勝利したことにより、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行するという演出の流れになる。
遊技球が特定領域56を通過(以下、V入賞という)すると、遊技者は、確率変動モードに移行する権利を取得することができる。この第4ラウンドは、開閉扉が開放状態となる時間が長いので、遊技者がアタッカ2を狙って遊技球を打ち出していれば、ほとんどの場合、当該権利の取得が可能である。また、当該権利が取得された際に「Vマーク」を表示する「V入賞表示」が行われる(図7(b)参照)。
ここで、「V入賞表示」は、V入賞のタイミングが遅れた場合にも、所定時間、継続して表示するようにする。すなわち、次回の第5ラウンドが開始しても、「V入賞表示」が継続する場合がある。これにより、V入賞したことを遊技者に強く印象付けることができる。
「V入賞表示」を継続する所定時間が経過した後も、例えば、大当り図柄の上に小さなVマークを表示したままにしてもよい。最終ラウンドまで小さなVマークの表示を継続してもよいが、遅くとも確率変動モードの遊技開始前には終了する必要がある。
第4ラウンドのインターバル時間は3000ms(3.0秒)あり、この時間の経過時までの入賞数と排出数が確認される。アタッカ1とは異なり、排出数が特定領域56と非特定領域57を通過した遊技球の合計となるので、インターバル時間が長めに設定されている。
ここで、アタッカ2に入球した全ての遊技球の排出が確認されるまで、次回の第5ラウンドが開始しない。すなわち、特別ラウンドである第4ラウンドでは、インターバル時間が経過することと、入賞数と排出数が一致することの両条件が成立した場合に第5ラウンドに進む。
第5ラウンドでは、再びアタッカ1を使用する。開閉扉の作動時間は、29000msであるので、第1〜第3ラウンドと同じである。また、ラウンド表示が進行する点も同じであるが、映像として、「大当り演出1+オープニングテーマ」が開始する。これは、特定の楽曲が演奏される演出であり、第10ラウンドの終了時まで継続する。
その後、2000msの第5ラウンドのインターバル時間を経て、第6ラウンドに進む。第6、第7ラウンドは、ラウンド表示が進行する以外、第5ラウンドと同じであるので、図面を一部省略した。
その後、第8ラウンドに進む。第8ラウンドは、2回目の特別ラウンドであり、再度アタッカ2を使用する。アタッカ2の開閉扉の動作は、第4ラウンドと同じである。遊技者が、第4ラウンドで確変移行の権利を取得できなかった場合もあるので、再度、振分部55を開放状態とする。
そして、3000msの第8ラウンドのインターバル時間を経て、第9ラウンドに進む。第9、第10ラウンドではアタッカ1を使用する。開閉扉の作動時間、インターバル時間は第1〜第3ラウンドと同じであり、ラウンド表示はラウンドの進行に応じて進行する。
その後の第11〜第14ラウンドでは、開閉扉が80msだけ作動する。そして、2000msのインターバル時間を経て、次回ラウンドに進む。第11〜第14ラウンドは、開閉扉の作動時間が極めて短いので、遊技球がほとんどアタッカに入賞せず、遊技者は、賞球を獲得することができない。また、このとき、ラウンド表示は行われず、「エンディング演出」が行われる。
なお、第12ラウンドでは、アタッカ2の開閉扉が80ms開放し、インターバル時間は3000msとなる。このとき、振分部55は短期間の動作となるが(後述する、特定領域短開放)、その期間は変更可能である。
その後、2000msの第14ラウンドのインターバル時間を経て、8000ms(8.0秒)の「終了インターバル(エンディング)」に進む。ここでは、何れのアタッカも閉鎖した状態であるが、液晶表示装置36で「エンディング表示」が行われる。
「エンディング表示」とは、特別遊技が終了したことを示す「Fin」や「確率変動モード突入」等の文字表示である。また、この演出の最後に攻略法の注意喚起や企業ロゴ表示等が表示される。そして、終了インターバル時間の経過により、「大当りパターンA」が終了し、確率変動モードの遊技が開始する。
次に、「大当りパターンB」について、上記「大当りパターンA」と異なる部分を中心に説明する。「大当りパターンB」も、全部で14のラウンドから構成され、特別遊技の終了後は、遊技状態が確率変動モードとなる(図6A(b)参照)。なお、「大当りパターンB」は、複数回ある特別ラウンドが長開放パターンと短開放パターンとで実行されるので、本発明の「第1特別遊技状態」に相当する。
第1〜第3ラウンドにおける使用アタッカ、開閉扉の作動時間は、「大当りパターンA」と同じであるが、映像の内容が異なっている。また、「チャレンジ演出(劣)」が実行されるが、今回、主人公が劣勢で、最終的に相手キャラクタに敗北するストーリーとなるので、例えば、手強いキャラクタが選択される。
今回は、7000ms(7.0秒)の第3ラウンドのインターバル時間の開始時から「報知演出β」が実行される。「報知演出β」は、「報知演出α」と内容が異なり、遊技者が演出ボタン13を操作すると、「チャレンジ演出(劣)」での敗北確定の演出が開始する。また、次回の第4ラウンドで狙うアタッカについて報知しない。
その後、第4ラウンドに進む。第4ラウンドは、特別ラウンドであり、アタッカ2を使用する。開閉扉の作動時間が100msであって、上記「大当りパターンA」の第4ラウンドと比較して極めて短く設定されている。ここでは、遊技者がアタッカ2を狙って遊技球を打ち出しても、ほとんどV入賞することはなく、確変移行の権利を取得することができない。すなわち、上述の「報知演出β」で主人公が敗北したために、確率変動モードが付与されないという演出の流れになる。
その後、3000msの第4ラウンドのインターバル時間を経て、第5ラウンドに進む。第5ラウンドでは、再びアタッカ1を使用する。また、「チャレンジ演出(優)」が開始するが、今回は、主人公が「チャレンジ演出(劣)」とは異なる相手キャラクタと対戦する。
その後、「チャレンジ演出(優)」がラウンドの進行に応じて発展しながら、第7ラウンドのインターバル時間に進む。その後、7300msの第7ラウンドのインターバル時間の開始時から「報知演出α」が実行されるが、今回は、遊技者が左演出ボタン13を操作すると、「チャレンジ演出(優)」での勝利確定の演出が開始し、次回の第8ラウンドで狙うアタッカの報知が行われる。
その後、第8ラウンドに進む。第8ラウンドは、2回目の特別ラウンドであって、再度アタッカ2を使用する。また、第8ラウンドは、開閉扉が閉鎖したまま待機する待機期間(2700ms)と、開閉扉が長期開放する開放期間(26300ms)とから構成される。
第8ラウンドでは、映像として、「特別ラウンド演出(特別R演出)」が行われる。すなわち、上述の「報知演出α」で主人公が勝利したことによって、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行するという演出の流れになる。
また、遊技球がV入賞すると、遊技者は、確率変動モードに移行する権利を取得することができる。今回の特別ラウンドは、開閉扉が開放状態となる時間が長く、ほとんどの場合、当該権利の取得が可能である。そして、当該権利が取得された際に「V入賞表示」が行われる。
その後、3000msの第8ラウンドのインターバル時間を経て、第9ラウンドに進む。第9〜第11ラウンドでは、再びアタッカ1を使用する。開閉扉の作動時間は、29000msであるので、第1〜第3ラウンドと同じである。ラウンド表示が進行する点も同じであるが、映像として、「大当り演出1+オープニングテーマ」が開始する。
その後、2000msの第11ラウンドのインターバル時間を経て、第12ラウンドに進む。第12〜第14ラウンドでは、開閉扉が80msだけ作動する。そして、2000msのインターバル時間を経て、次回ラウンドに進む。なお、第12ラウンドでは、アタッカ2の開閉扉が80ms開放し、インターバル時間は3000msとなる。
さらに、2000msの第14ラウンドのインターバル時間を経て、10000msの「終了インターバル(エンディング)」に進む。そして、終了インターバル時間の経過により、「大当りパターンB」が終了し、確率変動モードの遊技が開始する。
「大当りパターンB」は、初め確変移行の権利を取得できないと思わせる演出を行うが、最終的には遊技者に当該権利を獲得させる。このとき、遊技者としては、確変移行の権利取得に危惧を感じつつも、その後、当該権利の取得機会が与えられることに期待を寄せるようになる。そして、実際にその機会が与えられるので、斬新なゲーム性となり、遊技の興趣が向上する。
上述の「チャレンジ演出(2回目)」は、主人公が「チャレンジ演出(1回目)」と同じ相手キャラクタと対戦する「リベンジマッチ演出」であってもよい。また、「チャレンジ演出(1回目)」のストーリーを継続し、例えば、演出ボタン13を連打することで、敗北した主人公が復活する「復活演出」であってもよい。
「報知演出α」、「報知演出β」は、特別ラウンド直前のインターバル時間の開始時から実行されるが、インターバル時間を一部でも含んでいれば、どのタイミングから実行してもよい。本実施形態のインターバル時間は、開閉扉が閉鎖しており、遊技者は遊技球を打ち出す必要がないので、演出を十分に堪能することができる。
最終的に主人公が勝利することとなる「チャレンジ演出(優)」が一度実行されると、実行中の特別遊技では、その後、「チャレンジ演出」は実行されなくなる。また、開閉扉が長期開放する特別ラウンド(「大当りパターンA」の第4ラウンド、「大当りパターンB」の第8ラウンド)の直前で「報知演出α」が実行されたが、一度「報知演出α」が実行されると、その後、特別ラウンド用の報知演出が実行されなくなる。すなわち、アタッカの動作パターンに応じて演出を変化させ、無駄な演出を行わないので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、開閉扉が長期開放する特別ラウンドであっても、遊技者が球技球を打ち出さなければV入賞することはない。このような理由等によりV入賞しなかった場合には、それ以降に「チャレンジ演出」を再実行してもよい。また、次回の特別ラウンドの直前で「報知演出α」を再実行してもよい。
次に、図6Bを参照して、実施例1の特別遊技の構成(「大当りパターンC」、「大当りパターンD」)について説明する。
まず、「大当りパターンC」について、上記「大当りパターンB」と異なる部分を中心に説明する。「大当りパターンC」は、全部で14のラウンドから構成され、特別遊技の終了後は、遊技状態が確率変動モードとなる(図6B(c)参照)。なお、「大当りパターンC」も、複数回ある特別ラウンドが長開放パターンと短開放パターンとで実行されるので、本発明の「第1特別遊技状態」に相当する。
開始インターバルから第4ラウンドの終了時までは、上記「大当りパターンB」と同じ制御となるので、詳細は省略する。なお、第5ラウンドの開始時から「チャレンジ演出(劣)」が実行されるが、上記「大当りパターンB」と同様に、最初の「チャレンジ演出」とは異なる相手キャラクタと対戦する。その後、第7ラウンドに進む。
「チャレンジ演出(劣)」は、ラウンドの進行に応じて発展しながら第7ラウンドのインターバル時間に進む。「大当りパターンC」の「チャレンジ演出(劣)」は、最終的に主人公が敗北するストーリーとなる。従って、7000msのインターバル時間の開始時から「報知演出β」が実行される。
第8ラウンドは、2回目の特別ラウンドであって、再度アタッカ2を使用する。開閉扉の作動時間が100msであって、上記「大当りパターンB」の第8ラウンドと比較して極めて短く設定されている。従って、ここでも、遊技球がほとんどV入賞することはなく、確変移行の権利を取得することができない。
その後、3000msの第8ラウンドのインターバル時間を経て、第9ラウンドに進む。第9ラウンドでは、再びアタッカ1を使用する。今回、「チャレンジ演出(優)」が開始するが、今回は、主人公が1回目、2回目の「チャレンジ演出」とは異なる相手キャラクタと対戦する。
その後、「チャレンジ演出(優)」がラウンドの進行に応じて発展しながら、第11ラウンドのインターバル時間に進む。この「チャレンジ演出(優)」は、最終的に主人公が相手キャラクタを倒し、勝利するストーリーとなる。従って、7300msのインターバル時間の開始時から「報知演出α」が実行される。
その後、第12ラウンドに進む。第12ラウンドは、3回目の特別ラウンドであり、再度アタッカ2を使用する。また、第12ラウンドは、開閉扉が閉鎖したまま待機する待機期間(2700ms)と、開閉扉が長期開放する開放期間(26300ms)とから構成される。
第12ラウンドでは、映像として、「特別ラウンド演出(特別R演出)」が行われる。すなわち、上述の「報知演出α」で主人公が勝利したことによって、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行するという演出の流れになる。
また、遊技球がV入賞すると、遊技者は、確率変動モードに移行する権利を取得することができる。今回の特別ラウンドは、開閉扉が開放状態となる時間が長く、ほとんどの場合、当該権利の取得が可能である。そして、当該権利が取得された際に「V入賞表示」が行われる。
その後、3000msの第12ラウンドのインターバル時間を経て、第13ラウンドに進む。第13ラウンドでは、開閉扉が80msだけ開放し、2000msのインターバル時間を経て、第14ラウンドに進む。このとき、特別遊技の「エンディング演出」が開始するが、ラウンド表示は行われない。なお、第12ラウンドのインターバル時間の開始時から、特別遊技の「エンディング演出」が開始する。
その後、2000msの第14ラウンドのインターバル時間を経て、11000msの「終了インターバル(エンディング)」に進む。ここでは、液晶表示装置36で「エンディング表示」が行われる。そして、終了インターバル時間の経過により、「大当りパターンC」が終了し、確率変動モードの遊技が開始する。
上記「大当りパターンA」〜「大当りパターンC」で説明したように、実施例1では、特別遊技中の複数回ある特別ラウンドのうち、何れかで開閉扉が長期開放する。また、通常ラウンド中に行われる「チャレンジ演出」が、その後の特別ラウンドにおける開閉扉の動作パターンと関係するようになっており、特別遊技中の遊技の興趣を高めている。
次に、「大当りパターンD」について、上記「大当りパターンC」と異なる部分を中心に説明する。「大当りパターンD」は、全部で14のラウンドから構成されるが、その終了後は、遊技状態が時短モードとなる(図6B(d)参照)。「大当りパターンD」は、複数回ある特別ラウンドが何れも短開放パターンで実行されるので、本発明の「第3特別遊技状態」に相当する。なお、時短モードは、本発明の「特定遊技状態」の一例である。
時短モードとは、大当り確率が低確率であるが、図柄の変動表示時間を短縮した遊技状態である。通常遊技モードより普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放されるので(電チューサポート有り状態)、遊技球が始動入賞し易い。また、実施例1の時短モードは、所定回数(例えば、100回)の遊技が行われると終了する。
開始インターバルから第8ラウンドの終了時までは、上記「大当りパターンC」と同じ制御となるので、詳細は省略する。なお、第9ラウンドの開始時から「チャレンジ演出(劣)」が実行されるが、上記「大当りパターンC」と同様に、これまでとは異なる相手キャラクタと対戦する。その後、第11ラウンドに進む。
その後、「チャレンジ演出(劣)」がラウンドの進行に応じて発展しながら、第11ラウンドのインターバル時間に進む。この「チャレンジ演出(劣)」は、最終的に主人公が敗北するストーリーとなる。従って、7000msのインターバル時間の開始時から「報知演出β」が実行される。
第12ラウンドは、3回目の特別ラウンドであり、再度アタッカ2を使用する。開閉扉の作動時間が80msであって、上記「大当りパターンC」の第12ラウンドと比較して極めて短く設定されている。従って、ここでも、遊技球がほとんどV入賞することはなく、結果的に遊技者は、確変移行の権利を取得することができない。
その後、3000msの第12ラウンドのインターバル時間を経て、第13ラウンドに進む。第13ラウンドでは、開閉扉が80msだけ開放し、2000msのインターバル時間を経て、第14ラウンドに進む。このとき、特別遊技の「エンディング演出」が開始するが、ラウンド表示は行われない。
その後、2000msの第14ラウンドのインターバル時間を経て、3000msの「終了インターバル(エンディング)」に進む。ここでは、液晶表示装置36で「エンディング表示」が行われる。そして、終了インターバル時間の経過により、「大当りパターンD」が終了し、時短モードの遊技が開始する。
「大当りパターンD」は、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行しないので、利益の小さい大当りパターンである。しかしながら、「大当りパターンB」、「大当りパターンC」のように、最終的に長開放パターンの特別ラウンドが実行され、確率変動モードに移行する当りパターンのみとすると、遊技者が受ける焦りや不安は、非常に小さなものとなる。従って、「大当りパターンD」を含むようにして遊技者の焦りや不安を煽る展開も用意し、ゲーム性を豊かにしている。
第1特別遊技でのV入賞か第2特別遊技でのV入賞かによって、「V入賞表示」を異ならせてもよい。このようにした場合、遊技者は、稀に通常とは異なる「V入賞表示」を見ることができ、長く遊技を行っても「V入賞表示」に飽きることがなくなる。
なお、第2特別遊技でV入賞した場合には、不正にV入賞させた可能性があるので、「V入賞表示」と同時にエラー報知又は警告表示を行ってもよい。この場合、第1特別遊技でV入賞した場合と比較して、「V入賞表示」の表示時間を長く設定してもよい。
次に、図6Cを参照して、実施例1の特別遊技の構成(「大当りパターンE」、「大当りパターンF」)について説明する。
まず、「大当りパターンE」は、「7」図柄の確変当りである。「大当りパターンE」は、全部で16のラウンドから構成され、特別遊技の終了後は、遊技状態が確率変動モードとなる(図6C(e)参照)。
「大当りパターンE」は、16のラウンドから構成されること、及び後半のラウンドでも開閉扉の作動時間が長いことから、実施例1の大当りパターンのうちで最も出玉が多い。なお、「大当りパターンE」は、複数回ある特別ラウンドが何れも長開放パターンで実行されるので、本発明の「第2特別遊技状態」に相当する。
第1ラウンドは、開閉扉の作動時間が29000msで、アタッカ1を使用する。このとき、上記「大当りパターンA」〜「大当りパターンD」とは異なり、早くも「大当り演出1+オープニングテーマ」が実行される。「7」図柄の確変当りの場合には、確実に特別ラウンドでV入賞するように構成されているので、この時点で上記の演出を開始する。なお、「大当り演出1+オープニングテーマ」は、第15ラウンドの終了時まで継続する。
第4、8、12ラウンドは、それぞれ特別ラウンドであり、アタッカ2を使用する。また、第4、8、12ラウンドは、開閉扉が閉鎖したまま待機する待機期間(2700ms)と、開閉扉が長期開放する開放期間(26300ms)とから構成される。
開閉扉が長期開放する特別ラウンドが3回用意されているので、特別ラウンドの映像として、「特別ラウンド演出(特別R演出)」が行われる。そして、何れかの特別ラウンドで遊技球がV入賞したとき、すなわち、確変移行の権利が取得された際に「V入賞表示」が行われる(図6C(e)は、第4ラウンドでV入賞した場合を示している)。
「大当りパターンE」では、第13〜第16ラウンドでも、開閉扉の作動時間が29000msとなっているので、遊技球が入球し易く、遊技者が賞球を多く獲得することができる。
その後、2000msの第16ラウンドのインターバル時間を経て、18000ms(18.0秒)の「終了インターバル(エンディング)」に進む。ここでは、液晶表示装置36で「エンディング表示」が行われる。そして、終了インターバル時間の経過により、「大当りパターンE」が終了し、確率変動モードの遊技が開始する。
次に、「大当りパターンF」について説明する。「大当りパターンF」は、特図2に特有の大当りの1つである。「大当りパターンF」は、全部で12のラウンドから構成され、特別遊技の終了後は、遊技状態が確率変動モードとなる(図6C(f)参照)。
第1ラウンドは、開閉扉の作動時間が29000msであって、アタッカ1を使用する。このとき、上記「大当りパターンE」と同様に、早くも「大当り演出1+オープニングテーマ」が実行される。
第1ラウンドのインターバル時間の経過後、第2ラウンド、さらに第3ラウンドへと特別遊技が進行する。第2、第3ラウンドは、ラウンド表示がラウンドの進行に応じて進んでいく以外、第1ラウンドとほぼ同じであるので、図面を一部省略した。
第4ラウンドは、特別ラウンドであり、アタッカ2を使用する。また、第4ラウンドは、開閉扉が閉鎖したまま待機する待機期間(2700ms)と、開閉扉が長期開放する開放期間(26300ms)とから構成される。
第4ラウンドでは、映像として、「特別ラウンド演出(特別R演出)」が行われる。また、開閉扉が開放状態となる時間が長いので、遊技者がアタッカ2を狙って遊技球を打ち出していれば、ほとんどの場合、確変移行の権利取得が可能である。そして、当該権利が取得された際に「V入賞表示」が行われる。
その後、3000msの第4ラウンドのインターバル時間を経て、第5ラウンドに進む。第5ラウンドでは、開閉扉が100msだけ開放し、2000msのインターバル時間を経て、次回ラウンドに進む。この開閉扉の動作は、最終の第12ラウンドまで継続する。なお、第8、12ラウンドは、特別ラウンドであるので、アタッカ2の開閉扉が100ms開放し、インターバル時間は3000msである。
また、第4ラウンドのインターバル時間の開始時から「バトルパートナー選択演出」が行われる。「バトルパートナー選択演出」では、後述する「即撃チャレンジ演出」で主人公のパートナーとなる仲間キャラクタを選択する演出が行われる。「バトルパートナー選択演出」は、第12ラウンドの途中まで継続する。
その後、3000msの第12ラウンドのインターバル時間の開始時から「即撃チャレンジ演出」が行われる。「即撃チャレンジ演出」は、「チャレンジ演出」と類似するキャラクタの対戦演出であり、5000msの終了インターバル(エンディング)の終了時まで継続する。そして、終了インターバル時間の経過により、「大当りパターンF」が終了し、確率変動モードの遊技が開始する。
特図1と特図2で、大当り種別の当選率(内訳)を変更してもよい。例えば、上述の「大当りパターンE」は、特図1よりも特図2の抽選、すなわち、遊技球が第2特別図柄始動口38bに入賞したときの抽選で当選し易く設定することができる。第2特別図柄始動口38bには、確率変動モードや時短モードで遊技球が入賞し易くなるので、利益の大きい「大当りパターンE」を当選し易くすることで、遊技者にとっては非常に有利な遊技状態となる。
最後に、特別遊技中の特殊な状況について説明する。例えば、「大当りパターンA」(第1特別遊技)では、第4ラウンドにおける開閉扉の作動時間が比較的長いが、遊技者が遊技球を打ち出さなければV入賞することはなく、確率変動モード移行の権利が取得できない。このような場合、確率変動モード以外の遊技状態に移行させる必要があるが、実施例1では、電チューサポート有りの低確率状態となる。
このとき、演出に関しては制約がないため、液晶表示装置36に表示される背景等を確率変動モードと同じものとする。従って、遊技者は、外観では低確率状態となったことに気が付かない。
一方、「大当りパターンD」(第2特別遊技)では、第4、8、12ラウンドにおける開閉扉の作動時間が極めて短いが、遊技球がアタッカ2に入球し、さらにV入賞する可能性が僅かにある。この場合、電チューサポート有りの高確率状態となる。この場合も演出に関しては制約がないため、液晶表示装置36に表示される背景等は時短モードと同じものとする。従って、遊技者は、外観では高確率状態となったことに気が付かない。
これにより、特別遊技の終了後の演出は、常に大当り種別に応じたものとなる。また、遊技球がV入賞したか否かに関わらず、これ以降、予め定められたラウンド中の演出(「大当り演出1」等)及びエンディング演出(エンディング表示、エンディング演出)が行われるので、例えば、「報知演出α」で主人公の勝利が確定したにも関わらず、特別遊技の終了後に確率変動モードの演出とならない等、演出の不一致、矛盾が起こらない。
次に、図6Dを参照して、アタッカと振分部の動作(長開放パターンであって、本発明の「第1動作パターン」)について説明する。
まず、通常ラウンドにおけるアタッカの動作を説明する。具体的には、アタッカ1(第1大入賞装置39a)の開閉扉の動作であり、信号が「ON」であるとき開放状態、「OFF」であるとき閉鎖状態を意味する。
上述の通り、通常ラウンドの開閉扉の作動時間は29.0秒であり、開閉扉の閉鎖後、2.0秒、又は7.0秒、又は7.3秒のインターバル時間を経て、次回ラウンドに進む。なお、通常ラウンドでは、振分部(図5Aの振分部55)は動作しない。
次に、特別ラウンドのアタッカ動作を説明する。具体的には、アタッカ2(第2大入賞装置39b)の開閉扉の動作である。図示するように、特別ラウンドにおける開閉扉の作動時間(開放期間)は、26.3秒(最長時間)である。
開閉扉の作動時間が経過すると、3.0秒のインターバル時間を経て、次回ラウンドに進む。なお、振分部の長開放前には、アタッカ2の開閉扉が閉鎖している待機期間(2.7秒)がある。
次に、特別ラウンドにおける振分部の動作について説明する。まず、振分部は、0.02秒間、特定領域56を開放する位置(以下、開放位置という)に動く(特定領域短開放)。その後、2.68秒間、閉鎖位置に戻り、再度、開放位置に動く。振分部は、その後、29.3秒間、開放位置に保持され(特定領域長開放)、再度、閉鎖位置に戻る。振分部が閉鎖位置に戻るタイミングは、インターバル時間の終了時となるが、振分部が2回目に開放位置に動くタイミングは、アタッカ2の開閉扉の作動時に限られない。
また、振分部の動作は、短開放と長開放とに分離する必要はない。例えば、上記の「大当りパターンE」のように、特別ラウンドで開閉扉が全て長期開放する特別遊技の場合には、アタッカ2の待機期間の開始時から振分部の長開放のみを行ってもよい。これにより、長開放が開始するまで打ち出しを待たされるという遊技者の不満を解消することができる。なお、アタッカ2の開閉扉の閉鎖に同期して振分部を閉鎖位置に戻す等、閉鎖のタイミングも任意に決定することができる。
なお、開閉扉の作動時間を、例えば、10秒(最長時間)と比較的短く設定しても、V入賞し易いように振分部を動作させる場合は、本発明の「第1動作パターン」に含まれる。すなわち、「第1動作パターン」に該当するか否かは、開閉扉の作動時間と振分部の動作の組合せに依存する。
また、特別ラウンドの直前のインターバル時間は、通常のインターバル時間(2000ms)より短い時間に設定してもよい。例えば、第7ラウンドのインターバル時間を500ms(0.5秒)とし、さらに振分部の長開放までの時間を1500ms(1.5秒)とすると、通常ラウンドと特別ラウンドの間も通常のインターバル時間と同じ間隔に設定することができる。もちろん、特別ラウンドの直後のインターバル時間(3000ms)を短い時間(例えば、2000ms)に設定してもよい。これにより、遊技者にとって違和感なく特別遊技を進行させることができる。
次に、図6Eを参照して、アタッカと振分部の動作(短開放パターンであって、本発明の「第2動作パターン」)について説明する。
まず、通常ラウンドにおけるアタッカ動作を説明する。例えば、上述の「大当りパターンA」では、第11、13、14ラウンドにおいて、アタッカ1の開閉扉が短時間、作動する。開閉扉の作動時間は0.08秒であり、開閉扉の閉鎖後、2.0秒のインターバル時間を経て、次回ラウンドに進む。
次に、特別ラウンドのアタッカ動作を説明する。例えば、上述の「大当りパターンB」では、第4ラウンドにおいて、アタッカ2の開閉扉が短時間、作動する。開閉扉の作動時間は0.10秒であり、開閉扉の閉鎖後、3.0秒のインターバル時間を経て、次回ラウンドに進む。
振分部は、アタッカの作動時間に関係なく、常に一定の動作をする。図示するように、アタッカ2の開閉扉が作動する0.10秒の期間に、振分部が開放位置となる時間が0.02秒しかないので、通常、遊技球がV入賞することはない。
振分部は、2.68秒間、閉鎖位置に戻った後、再度、開放位置に保持されるが、実施例1では、特別ラウンドの後、必ず通常ラウンドを行うようになっているので、次回ラウンドで遊技球がV入賞してしまうことはない。
ここで、インターバル時間が経過したとき、振分部を閉鎖位置に移動させるようにすることができる。特に、特別ラウンドでアタッカ2の開閉扉が26.3秒開放することは稀であり、振分部が開放位置にある時間が経過する前に、充分余裕をもって1回のラウンドの最大の入賞数に到達し、開閉扉が閉鎖する。すなわち、次回ラウンドが開始してもなお振分部が開放位置に保持されている時間が発生する。
実施例1では、特別ラウンドの次のラウンドで必ずアタッカ1を使用し、アタッカ2の開閉扉は閉鎖するので、通常、次のラウンドでV入賞することはない。しかし、必要以上に振分部が開放位置にある時間が長いのは、不正等、意図しないV入賞の原因となる。従って、アタッカ2の開閉扉が閉鎖した場合には、インターバル時間が経過したとき、以下のようにして振分部を閉鎖位置に移動させる。
図6Fに示すように、「大当りパターンA」の第4ラウンドでは、2.7秒の待機期間の後、開閉扉の開放期間に移行する。開放期間は、最長で26.3秒であるが(図6D参照)、実質的には、約5.4秒で最大入賞数に到達して、開閉扉が閉鎖する。
このとき、振分部は、アタッカ2の開閉扉の作動に同期して、0.02秒間、特定領域56を開放する位置に動く。その後、2.68秒間、閉鎖位置に戻り、再度、開放位置に動く。
従って、第4ラウンドのインターバル時間(3.0秒)が経過したとき、振分部が閉鎖位置に戻るようにする。このようにすれば、特別ラウンドにおける振分部の動作をそのラウンド中に終了させることができ、振分部の閉動作が次回ラウンドに持ち越されることがない。
開閉扉が短期開放する場合も同様である。例えば、「大当りパターンD」の第4ラウンドでは、開閉扉が0.10秒だけ作動した後、インターバル時間(3.0秒)を経て次回の第5ラウンドに進む。ここでも、振分部が再度、開放位置に動く場合には、第5ラウンドで遊技球がV入賞可能となる。従って、振分部を再度、開放位置に動かないようにする。
このように、特別ラウンドの次にアタッカ1を使用する通常ラウンドとすること、アタッカ2の開閉扉が閉鎖して、インターバル時間が経過したとき、振分部を閉鎖位置とすることにより、確実に意図しないV入賞を防止することができる。なお、振分部を閉鎖位置とするタイミングは、インターバル時間が経過したときに限られず、残存球の排出確認が終了したとき等の任意の時点に変更することができる。
次に、図7を参照して、報知演出と特別ラウンド演出の具体例を説明する。
まず、「報知演出α」は、アタッカ2の開閉扉が長期開放する特別ラウンドの開始直前に、液晶表示装置36に表示される演出である。上述したように、初めに左演出ボタン13の画像が表示され、遊技者がこれを操作すると、相手キャラクタが倒れる等の「チャレンジ演出」における勝敗の確定演出が行われる(図示省略)。
その後、図7(a)に示すような演出に移行する。液晶表示装置36の表示領域上部にある表示領域60では、複数の「右打ち→」の文字が右方向にスクロールしている。特別遊技中は、遊技者が右打ちを行う必要があるので、これを指示する表示となっている。
表示領域61には、アタッカ2の画像と「ここを狙え!」という文字が表示され、特別ラウンド中に遊技者が確実にアタッカ2を狙って遊技球を打ち出すように促す。また、表示領域右下の表示領域62では、大当り図柄(装飾図柄)を示す数字が表示され、表示領域上側の表示領域63では、上記「チャレンジ演出」で主人公が勝利したことを意味する「完全勝利!」等の文字が表示される。
「報知演出α」は、アタッカ2の開閉扉の作動する直前の時間(インターバル時間)を利用して行われる。これにより、遊技者がアタッカ2を狙って遊技球を打ち出すようになり、V入賞し易くなる。
次に、図7(b)の「特別ラウンド演出」は、アタッカ2の開閉扉が長期開放する特別ラウンド中に、液晶表示装置36に表示される演出である。表示領域61には、大きな「Vマーク」と、「確変モードGet!!」という文字が表示されている。これは、確変移行の権利が取得されたとき、すなわち、特別ラウンドでV入賞したとき行われる「V入賞表示」の例である。ここでは、「Vマーク」と共に竜が炎を吐き出した表示を行って演出を盛り上げている。
表示領域62に大当り図柄が示されているが、小さい「Vマーク」が数字の上に重ねられ、V入賞したことを強調する表示となっている。また、表示領域63にラウンド数、表示領域64に獲得玉数、表示領域65に連荘回数が表示される。獲得玉数は、リアルタイムでカウントするため、ラウンド中に数字が増加していく。
なお、特別ラウンドのうちアタッカ2の開閉扉が短期開放する場合には、通常、遊技球がV入賞しないが、偶然にV入賞する場合もある。この場合には、上記「Vマーク」の演出を行ってもよい。
次に、図8を参照して、特別遊技の終了時に設定される各種フラグについて説明する。
まず、確変図柄当りによる特別遊技(第1特別遊技)の終了後に設定される各種フラグについて説明する。図8(a)に示すように、遊技球がV入賞したか否かに関わらず、普電開放延長状態フラグ、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグ、特図時短状態移行状態フラグに「5AH」がセットされる。「5AH」とは、フラグがオンの意味である。
「V入賞あり」の場合、特図確率変動移行状態フラグに「5AH」がセットされる。一方、「V入賞なし」の場合、特別遊技の終了後に確率変動モードに移行しないので、特図確率変動移行状態フラグに「00H」がセットされる。「00H」とは、フラグがオフの意味である。
なお、「V入賞なし」の場合でも、普通電動役物の開閉部材が頻繁に開放する状態(電チューサポート有り)となる。従って、上述の普図確率変動移行状態フラグは、V入賞したか否かに関わらず、「5AH」がセットされる。
また、V入賞したか否かに関わらず、特図時短回数カウンタに「100」がセットされる。ここで、「100」とは、100回の遊技を意味する。特図確率変動回数カウンタは、「V入賞あり」の場合のみ「100」がセットされる。
さらに、変動パターン振分け指定番号と特図変動回数カウンタがセットされる。まず、変動パターン振分け指定番号に「1」、特図変動回数カウンタ1に「30」がセットされる。これは、100回の確率変動モードのうち30回(1〜30回転)は、演出モードが「確変1」となることを意味する。「確変1」では、図柄が高速変動し、リーチ演出は、無し又はあっても短いものとなる(図8(b)参照)。
その後、変動パターン振分け指定番号に「2」、特図変動回数カウンタ2に「60」がセットされる。これは、100回の確率変動モードのうち60回(31〜90回転)は、演出モードが「確変2」となることを意味する。「確変2」では、確率変動時の通常図柄変動となり、リーチ演出も様々なパターンが実行される。
その後、変動パターン振分け指定番号に「3」、特図変動回数カウンタ3に「9」がセットされる。これは、100回の確率変動モードのうち9回(91〜99回転)は、演出モードが「確変3」となることを意味する。「確変3」では、確率変動モードの残り回数をカウントダウンする演出が行われる。
最後に、変動パターン振分け指定番号に「4」がセットされる。これは、100回の確率変動モードのうち最後の1回(100回転目)は、演出モードが「確変4」となることを意味する。「確変4」では、最終変動用の演出が行われる。なお、図示しないが、確率変動モードが終了して通常モードに戻る場合には、変動パターン振分け指定番号に「0」がセットされる。
特図時短回数カウンタ、特図確率変動回数カウンタの値は、変更することができる。例えば、「V入賞あり」の場合、特図時短回数カウンタ及び特図確率変動回数カウンタに「150」をセットすると、特別遊技の終了後、150回の確率変動モードに移行する。このとき、演出モード「確変2」の回数を増やして、上記と同様に「確変1」、「確変2」、「確変3」、「確変4」の順に演出モードを移行させることができる。
次に、非確変図柄当りによる特別遊技(第2特別遊技)の終了後に設定される各種フラグについて説明する。確変図柄当りの場合と同様に、遊技球がV入賞したか否かに関わらず、普電開放延長状態フラグ、普図時短移行状態フラグ、普図確率変動移行状態フラグ、特図時短状態移行状態フラグに「5AH」がセットされる。
また、特図確率変動移行状態フラグは、「V入賞なし」のとき「00H」、「V入賞あり」のとき「5AH」がセットされ、V入賞したか否かに関わらず、特図時短回数カウンタに「100」がセットされる。さらに、特図確率変動回数カウンタは、「V入賞あり」の場合のみ「100」がセットされる。
次に、変動パターン振分け指定番号がセットされる。非確変図柄当りの特別遊技の終了後は時短モードとなるので、変動パターン振分け指定番号に「5」がセットされる。これは、演出モードが「時短」となることを意味し、時短用演出が行われる(図8(b)参照)。時短モードの遊技は100回であるが、特別遊技の終了時に特図変動回数カウンタの値をセットしない。
図示しないが、時短モードが終了して通常モードに戻る場合には、変動パターン振分け指定番号に「0」がセットされる。また、「V入賞あり」の場合には、特別遊技の終了後の100回転が時短モード(高確率状態)となり、その後、演出モードが「通常」に戻る。
ここでも、特図時短回数カウンタ、特図確率変動回数カウンタの値を変更することができる。例えば、「V入賞あり」の場合には、特図時短回数カウンタに「100」、特図確率変動回数カウンタに「150」をセットする。これにより、特別遊技の終了後の100回転まで演出モードが「時短」となり、101〜150回転までは、演出モードが「通常」(何れも、高確率状態)となる。
次に、図9を参照して、本実施形態のパチンコ遊技機のエラー種類について説明する。パチンコ遊技機1には、以下で説明するもの以外にも多数のエラーが発生し得るが、ここでは説明を省略する。また、以下には、正確にはエラーとはいえないが、警告や報知を行う対象となるものが含まれる。
(1)RAMクリア
最も優先して報知されるエラーとして、「RAMクリア」がある。RAMクリアとは、電源投入時にRAMクリアスイッチ27を操作しながら起動することにより、RAM領域の記憶内容の一部又は全てを消去する処理である。
パチンコ遊技機1では、主制御側のCPU241が始動入賞時に抽選用乱数を取得して当否判定を行っている。しかし、RAMクリアにより乱数カウンタを初期状態に戻し、大当り乱数を狙い撃ちする不正行為が行われることがある。このため、このような不正行為を防止すべく、電源投入時にRAMクリアスイッチ27が操作された場合にエラーとして報知することとしている。
RAMクリアの報知としては、スピーカ7による警告の他に枠装飾LED8、盤面装飾LED35の点灯がある。また、パチンコ遊技機1の背面に設けられた異常報知LED32を点灯させる。異常報知LED32の点灯は、遊技店の店員がパチンコ遊技機1の背面を見て確認する必要がある。液晶表示装置36には、RAMクリアが行われたことが表示されないが、この情報は、「セキュリティ信号」の名称で外部端子基板21(以下、外部端子という)を経由してホールコンピュータに送信される。
RAMクリアの報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信されるRAMクリアコマンドを受信したときに開始し(図示省略)、30秒の報知時間が経過するまで継続して行われる。これにより、周囲の顧客や店員は、RAMクリアスイッチ27が操作されたことを認識する。
次に説明する(2)〜(7)のエラーは、確変移行判定部54に関するものであるが、優先順位の高いエラーとして定義されている。ここで、優先順位とは、パチンコ遊技機1に複数のエラーが同時に発生した場合に、報知が優先される順位である。
(2)大入賞口排出過多異常(エラー8)
「RAMクリア」の次に優先順位が高いエラーとして、「大入賞口排出過多異常」がある。大入賞口排出過多異常とは、アタッカの排出数が入賞数より多い場合(排出数>入賞数)に発生するエラーである。これは、不正に特定領域センサ56cをオンした可能性があるため、エラーとして報知することとしている。
大入賞口排出過多異常の報知としては、枠装飾LED8の点灯がある。さらに、液晶表示装置36には「エラー8。大入賞口排出過多異常。係員をお呼び下さい。」等の表示がなされ、スピーカ7からは固有の不正入賞音が発せられる。盤面装飾LED35が点灯している場合には消灯し、異常情報は外部端子を経由してホールコンピュータに送信される(セキュリティ信号)。
大入賞口排出過多異常の報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信された「排出過多異常検知コマンド」を受信したときに開始し、電源断するまで継続して行われる。例えば、特別遊技中に電源断すると、「排出過多異常フラグ」がクリアされると共に、大入賞口排出過多検出用の入賞数確認カウンタと排出数確認カウンタの値がクリアされる。これにより、電源復帰後に再度、同じ異常が報知されることがなくなり、遊技者は、特別遊技の続きを行うことができる。
(3)大入賞口排出異常(エラー9)
次に優先順位が高いエラーとして、「大入賞口排出異常」がある。大入賞口排出異常とは、残存球の排出時間経過時にアタッカの入賞数が排出数より多い場合(入賞数>排出数)に発生するエラーである。入賞数が排出数より多い場合、入賞装置49の内部で遊技球が詰まっている可能性があるため、エラーとして報知することとしている。
大入賞口排出異常の報知としては、液晶表示装置36に「エラー9。大入賞口排出異常。係員をお呼び下さい。」等の表示がなされる。ここでも、異常情報は外部端子を経由してホールコンピュータに送信される(セキュリティ信号)。なお、スピーカ7等による報知は、基本的に大入賞口排出過多異常の場合と同じであるが、大入賞口排出過多異常の報知と区別するため、警告音やLEDの発光態様を異ならせてもよい。
大入賞口排出異常の報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信される「排出異常検知コマンド」を受信したときに開始し、入賞数(入球数)と排出数が一致するか電源断するまで継続して行われる。例えば、電源断によって、「排出異常フラグ」がクリアされると共に、大入賞口排出異常検出用の入賞数確認カウンタと排出数確認カウンタの値がクリアされる。これにより、入賞数と排出数が一致するようになり(排出異常フラグもオフ状態)、遊技者は、電源復帰後に特別遊技の続きを行うことができる。
(4)V通過異常(エラー20)
次に優先順位が高いものとして、「V通過異常」がある。V通過異常とは、特定領域56が開放状態とならない通常ラウンドにおいて、遊技球が特定領域56を通過した場合に発生するエラーである。
通常ラウンドでは、不正に特定領域センサ56cをオンしたり、振分部55が故障して誤動作が起きない限り、遊技球が特定領域56を通過することはない。従って、この状態でV入賞が発生した場合には、液晶表示装置36に「エラー20。V通過異常エラー。係員をお呼び下さい。」等の表示がなされる。また、スピーカ7による報知に加え、枠装飾LED8及び異常報知LED32を点灯させて報知する。また、この情報は、外部端子を経由してホールコンピュータに送信される。
V通過異常の報知は、演出制御基板25が、「V通過異常コマンド」を受信したとき開始する。また、この報知は、30秒の報知時間が経過するまで継続して行われる。
(5)磁気異常(強)(エラー16)
次に優先順位が高いエラーとして、「磁気異常(強)」がある。磁気異常とは、パチンコ遊技機1に磁石等を近づけた場合に、磁気センサ50により検知されるエラーであるが、特に、特別ラウンド中(第4ラウンド等のアタッカ開放中及び排出時間中)に検知されたエラーが該当する。磁石等を近づけることによりパチンコ遊技機1の電子機器を誤動作させる、または盤面上を流下する遊技球を何れかの入賞口に誘導する等の不正が行われることがある。このため、磁気を検知した場合にエラーとして報知することとしている。
磁気異常の報知としては、液晶表示装置36に「エラー16。磁気センサエラー。係員をお呼び下さい。」等の表示がなされ、スピーカ7からは固有の磁気検知警告音が発せられる。その他の報知については、大入賞口排出過多異常の場合と同じであるので、詳細は省略する。
磁気異常の報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信される「磁気検知コマンド」を受信したときに開始し、電源断するまで継続して行われる。
(6)電波異常(強)(エラー17)
次に優先順位が高いエラーとして、「電波異常(強)」がある。電波異常とは、パチンコ遊技機1に対し電波が発せられた場合に、電波センサ51により検知されるエラーであるが、特に、特別ラウンド中に検知されたエラーが該当する。パチンコ遊技機1の外部から強い電波を発してパチンコ遊技機1内部のセンサを誤動作させる等の不正が行われることがある。このため、電波を検知した場合にエラーとして報知することとしている。
電波異常の報知としては、液晶表示装置36に「エラー17。電波センサエラー。係員をお呼び下さい。」等の表示がなされ、スピーカ7からは固有の電波検知警告音が発せられる。その他の報知については、大入賞口排出過多異常の場合と同じであるので、詳細は省略する。
電波異常の報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信される「電波検知コマンド」を受信したときに開始し、電源断するまで継続して行われる。
(7)振分装置異常(エラー19)
次に優先順位が高いエラーとして、「振分装置異常」がある。振分装置異常とは、確変移行判定部54内にある振分部55の異常であって、この部分に配設された位置検出センサ55cにより検知される。振分部55が故障等により動作しなかった場合にエラーとして報知することとしている。
振分装置異常の報知としては、液晶表示装置36に「エラー19。振分装置エラー。係員をお呼び下さい。」等の表示がなされ、スピーカ7からは固有の警告音が発せられる。なお、この異常情報は、外部端子には送信されない。
振分装置異常の報知は、演出制御基板25が位置検出センサ55cから送信される「位置信号」を受信したときに開始し、電源断するまで継続して行われる。
(8)磁気異常(エラー6)
次に優先順位が高いエラーとして、「磁気異常」がある。磁気異常の内容は、(4)「磁気異常(強)」で説明した通りであるが、特に、特別ラウンド以外の磁気異常がここに属する。
磁気異常の報知としては、枠装飾LED8の点灯がある。さらに、液晶表示装置36に「エラー6。磁気センサエラー。」等の表示がなされ、スピーカ7からは固有の磁気検知警告音が発せられる。盤面装飾LED35が点灯している場合には消灯し、異常情報は、外部端子を経由してホールコンピュータに送信される。
磁気異常の報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信される「磁気検知コマンド」を受信したときに開始する。この報知は、報知開始から30秒が経過して、演出制御基板25が「解除コマンド」を受信するまで継続するので、通常、(5)「磁気異常(強)」の場合より短い時間の報知となる。なお、本異常と(5)「磁気異常(強)」とを区別するため、ランプの発光態様や音量を異ならせてもよい。
(9)電波異常(エラー7)
次に優先順位が高いエラーとして、「電波異常」がある。電波異常の内容は、(6)「電波異常(強)」で説明した通りであるが、特に、特別ラウンド以外の電波異常がここに属する。
電波異常の報知としては、液晶表示装置36に「エラー7。電波センサエラー。」等の表示がなされ、スピーカ7からは固有の電波検知警告音が発せられる。その他の報知については、磁気異常の場合と同じであるので、詳細は省略する。また、電波異常の報知開始、終了の契機も磁気異常の場合と同じである。なお、本異常と(6)「電波異常(強)」とを区別するため、ランプの発光態様や音量を異ならせてもよい。
(10)振動異常(エラー18)
次に優先順位が高いエラーとして、「振動異常」がある。振動異常とは、パチンコ遊技機1に対し強い振動が与えられた場合に、振動センサ52により検知されるエラーである。パチンコ遊技機1に強い振動を与えてパチンコ遊技機1内部の電子機器、部品を故障させる、または盤面上を流下する遊技球を強引に入賞させる等の不正が行われることがある。このため、振動を検知した場合にエラーとして報知することとしている。
振動異常の報知としては、液晶表示装置36に「エラー18。振動センサエラー。」等の表示がなされ、スピーカ7からは固有の振動検知警告音が発せられる。その他の報知については、磁気異常の場合と同じであるので詳細は省略する。異常情報は外部端子に送信されない。振動異常の報知開始、終了の契機は磁気異常の場合と同じである。なお、振動異常についても、特別ラウンド中か否かで報知時間やランプの発光態様等を異ならせてもよい。
(11)扉開放
次に優先順位が高いエラーとして、「扉開放」がある。扉開放は、パチンコ遊技機1の前扉5を開放したとき、前扉開放センサ20により検知されるエラーである。前扉5を開放して、遊技球を入賞口に遊技球を入賞させる等の不正が行われることがあるため、エラーとして報知することとしている。
また、上貯留皿11及び下貯留皿12を備えた前面板9が開放する場合もある。しかし、前面板9は、前扉5を開放した後でなければ開放できない構造となっているため、前扉5の開放が検知すれば足りる。以下、前扉5の開放が検知された場合について説明する。
扉開放の報知としては、枠装飾LED8、盤面装飾LED35が点滅する。さらに、スピーカ7からは固有の扉開放エラー音か、「扉が開いています」等の音声が発せられ、液晶表示装置36に「扉開放中」等の表示が行われる。
扉開放の報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信される「扉開放コマンド」を受信したときに開始し、演出制御基板25が「扉閉鎖コマンド」を受信するまで継続して行われる。この報知は、上記の音声が所定回数発せられたとき終了するようにしてもよい。また、その報知中に前扉開放センサ20(図4参照)が前扉5の閉鎖を感知したとしても、所定回数の音声警告が終了するまで、報知を継続するようにしてもよい。
(12)扉閉鎖
次に優先順位が高いものとして、「扉閉鎖」がある。これは、開放中の前扉5が閉鎖したとき、前扉開放センサ20により検知される(正確には、エラーではない)。
扉閉鎖の報知としては、枠装飾LED8、盤面装飾LED35が点滅する。また、液晶表示装置36に表示された「扉開放中」等の表示が消える。また、この報知は、演出制御基板25が「扉開放コマンド」を受信するか、30秒の報知時間が経過するまで継続して行われる。
(13)可動役物異常(エラー11)
次に優先順位が高いエラーとして、「可動役物異常」がある。可動役物異常とは、電源投入時の可動役物動作チェックの際、可動役物37が何らかの不具合で動作しなかった場合に、可動役物異常センサにより検知されるエラーである。このエラーがあった場合には遊技を開始できないため、報知することとしている。
可動役物異常の報知としては、液晶表示装置36に、例えば、「右側役物エラー」のようにエラーが検知された役物を特定する表示がなされ、スピーカ7からは固有の警告音(可動役物異常エラー音)が発せられる。
可動役物異常の報知は、可動役物異常センサが検知した「可動役物異常信号」を演出制御基板25が受信した後に開始し、30秒の報知時間が経過するまで継続して行われる。
(14)右・左打ち指示
次に優先順位が高いものとして、「右・左打ち指示」がある。以下では、「右打ち指示」を例により説明する。
遊技モードが変化すると、遊技球の発射を「右打ち」に切替えて遊技を行う状態となる場合がある。右打ち状態中に盤面の左側にあるスイッチが遊技球を検出すると、指示をしなければ遊技者の持ち球が著しく消費する場合があるので、報知することとしている(正確には、エラーではない)。
右打ち指示としては、液晶表示装置36に「右打ち→」等の表示がなされ、スピーカ7からは固有の音声(右打ち指示音)として「右打ちしてください」等の音声が発せられる。
右打ち指示は、右打ちをする遊技状態に移行したときに開始し、普通図柄用始動ゲート40bの始動ゲート通過センサ40cが遊技球の通過を検知し、演出制御基板25が解除コマンドを受信するまで継続して行われる。
(15)当り時玉抜き警告(エラー1)
次に優先順位が高いエラーとして、「当り時玉抜き警告」がある。当り時玉抜き警告とは、特別遊技中に下貯留皿12の遊技球が満タンとなると、下貯留皿満杯センサ12c(図4参照)により検知されるエラーである(いわゆる、球詰まり)。このエラーの発生中には賞球を払出せないことがあるので、報知することとしている。
当り時玉抜き警告としては、液晶表示装置36に「球を抜いて下さい。」等の表示がなされ、スピーカ7からは固有の音声(球詰まりエラー音)として「下皿レバーを引いて下さい」等の音声が発せられる。
当り時玉抜き警告は、演出制御基板25が主制御基板24から送信される「球詰まり異常検知コマンド」を受信したときに開始する。また、この報知は、下貯留皿12の遊技球をドル箱に移す等して下貯留皿満杯センサ12cから異常が検知されなくなるまで(要因の解除)、すなわち、演出制御基板25が解除コマンドを受信するまで継続して行われる。
(16)入賞異常(エラー10)
次に優先順位が高いエラーとして、「入賞異常」がある。入賞異常とは、例えば、大入賞装置39の大入賞口センサ39cにより検知される異常である。大入賞口センサ39cに通常より大きな遊技球が挟まった状態となると、その期間、大入賞口センサ39cが遊技球の通過信号を出力し続けることがある。このため、異常として報知することとしている。
入賞異常の報知としては、液晶表示装置36に「入賞口スイッチエラー」等の表示がなされるのみである。また、その報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信される「入賞異常検知コマンド」を受信したときに開始する。また、この報知は、報知開始から30秒が経過して、演出制御基板25が解除コマンドを受信するまで継続して行われる。
(17)補給切れ(エラー2)
次に優先順位が高いエラーとして、「補給切れ」がある。補給切れとは、遊技球貯留タンク17又はタンクレール18に貯留された遊技球が不足したときに検知される異常である。遊技球が不足すると賞球を払い出せなくなるため、エラーとして報知することとしている。
補給切れの報知としては、液晶表示装置36に「遊技球が不足しています。」等の表示がなされるのみである。補給切れ異常の報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信される「補給切れ検知コマンド」を受信した後に開始する。また、この報知は、遊技球貯留タンク17等にある球検出センサが遊技球を検知するまで(要因の解除)、すなわち、演出制御基板25が解除コマンドを受信するまで継続して行われる。
(18)断線(エラー4)
次に優先順位が高いエラーとして、「断線」がある。断線とは、基板同士又は基板と各種センサを接続する配線(ハーネス)が断線したときに検知されるエラーである。例えば、始動入賞口センサ38cの配線が断線している場合、始動入賞信号の送信ができなくなるため、エラーとして報知することとしている。
断線の報知としては、液晶表示装置36に「断線しています。」等の表示がなされるのみである。断線の報知は、演出制御基板25が主制御基板24から送信される「断線検知コマンド」を受信した後に開始する。また、この報知は、ハーネスを交換する等して要因が解除されるまで、すなわち、演出制御基板25が解除コマンドを受信するまで継続して行われる。
(19)振分け常時オン
次に報知の優先順位が高いエラーとして、「振分け常時オン」がある。振分け常時オンとは、振分部55の位置検出センサ55cにより検出されるエラーである。例えば、振分部55が右位置から動かなくなった場合には、非確変図柄当りであっても、遊技球が特定領域56を通過してしまうため、エラーとして報知することとしている。
振分け常時オンは、スピーカ7や液晶表示装置36による報知が行われないが、パチンコ遊技機1の背面に設けられた異常報知LED32を点灯させる。振分け常時オンの報知は、位置検出センサ55cから送信された信号を演出制御基板25が受信したときに開始し、電源断するまで継続して行われる。
(20)累積2球
次に報知の優先順位が高いエラーとして、「累積2球」がある。累積2球とは、非確変図柄当りのとき、特定領域センサ56cが累積して2球以上の遊技球を検出した場合にエラーとして報知するものである。なお、非確変図柄当りであっても短時間、特定領域56が開放状態となるので、1球の検出は異常と判定しない。また、1日のうちの複数回の特別遊技で累積2球が発生した場合に報知する。
累積2球は、スピーカ7や液晶表示装置36による報知が行われないが、パチンコ遊技機1の背面に設けられた異常報知LED32を点滅させる。累積2球の報知は、特定領域センサ56cから送信された「特定領域入球検知信号」を主制御基板24が受信したときに開始し、電源断するまで継続して行われる。
(21)非特定V入賞
次に報知の優先順位が高いものとして、「非特定V入賞」がある。非特定V入賞とは、非確変図柄当りで遊技球がV入賞した場合に、それが不正入賞である否かに関わらず行われる報知であり、異常報知に準ずる位置付けである。
非確変図柄当りの特別ラウンドでは、特定領域56が開放状態となる時間が短いが、V入賞する可能性は僅かにある。従って、この状態でV入賞した場合には、スピーカ7や液晶表示装置36による目立つ報知は行わないが、枠装飾LED8を点灯、異常報知LED32を点滅させて報知する。また、この情報は、外部端子を経由してホールコンピュータに送信される(セキュリティ信号)。
非特定V入賞の報知は、演出制御基板25が、後述する「特定領域通過コマンド」を受信し、且つ「非特定V入賞フラグ」がオンしたとき開始する。また、この報知は、電源断、又は次回大当りの発生、又は時短モードの終了まで継続して行われる。
例えば、「非特定V入賞フラグ」がオンである限り、毎変動の開始時に演出制御基板25に報知コマンドが送信されるようにすれば、次回の大当りの発生まで報知を継続することができる。このとき、さらに外部端子に該セキュリティ信号を送信してもよい。なお、上記(19)〜(21)は、確変移行判定部54に関するものであるが、優先順位の低いエラーとして定義されている。
次に、図10を参照して、主制御側で行われる遊技管理処理について説明する。以下で説明する遊技管理処理は、電源投入処理が正常に終了した場合に、主制御側のメインループに対して実行されるタイマ割込処理である。
まず、主制御手段(主制御基板24)は、タイマ管理処理を行う(ステップS10)。パチンコ遊技機1には、後述する特別図柄役物動作タイマ等の複数のタイマが用意されており、それぞれ遊技に関する時間を計時している。
主制御手段は、処理状態に応じて各種タイマを更新(タイマを減算)していくことで、多数のタイマを管理する。その後、ステップS20に進む。
ステップS20では、主制御手段は、入力管理処理を行う。入力管理処理の詳細は後述するが、パチンコ遊技機1の各種センサに入力された情報を入賞カウンタに格納する処理である。その後、ステップS30に進む。
ステップS30では、主制御手段は、賞球管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38aや一般入賞口42に入賞した場合に行われる処理である。例えば、一般入賞口42の内部にある一般入賞口センサ42cが遊技球を検知し、球検知信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、払出制御基板29(さらには、遊技球払出装置19)に向けて所定個数の賞球の払出しを行うための制御信号を送信する。このとき、後述する大入賞口入賞無効フラグがオンしていれば、大入賞口への入賞による賞球払出しのための制御信号が送信されず、払出しは行われない。その後、所定のタイミングで大入賞口入賞無効フラグをオフにセットする。なお、上記所定のタイミングとして、入賞数と排出数の一致が確認されたとき(電源断を含む)や特別遊技が終了したとき等を設定するのが好適である。
遊技球払出装置19は、上記制御信号を受信した場合に、上貯留皿11(上貯留皿11が満杯である場合には、下貯留皿12)に所定個数の賞球を払出す。その後、ステップS40に進む。
ステップS40では、主制御手段は、普通図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、普通図柄用始動ゲート40bを通過した場合に行われる処理である。具体的には、普通図柄用始動ゲート40bの内部にある始動ゲート通過センサ40cがゲートを通過した遊技球を検知して、球検知信号を主制御手段に送信する。
主制御手段は、上記信号を受信すると、普通図柄の抽選乱数を取得する。この抽選乱数は最大4個まで記憶可能であり、記憶した順に上記抽選乱数の当否を抽選する。
また、主制御手段は、普通図柄表示装置43bに制御信号を送信する。普通図柄表示装置43bでは、LEDの点滅による普通図柄の変動が行われ、普通図柄は、所定時間の経過後、抽選結果に応じて当り又は外れの態様を表示して停止する。その後、ステップS50に進む。
ステップS50では、主制御手段は、普通電動役物管理処理を行う。これは、普通図柄の抽選結果により普通電動役物の動作を制御する処理である。普通図柄管理処理(ステップS40)にて、普通図柄が当り態様で停止した場合には、主制御手段は、普通電動役物用ソレノイドに制御信号を送信し、所定時間、第2特別図柄始動口38bの開閉部材を開放する。
主制御手段は、上記所定時間が経過した場合、または所定時間経過前に第2特別図柄始動口38bに予め定められた上限数の遊技球が入賞した場合に、上記開閉部材を閉鎖するための制御信号を普通電動役物用ソレノイドに送信する。これにより、上記開閉部材は閉鎖する。その後、ステップS60に進む。
なお、普通図柄管理処理(ステップS40)にて、普通図柄が外れ態様で停止した場合には、上記開閉部材を開放することはなく、主制御手段は、何もせず普通電動役物遊技処理を終了する。
ステップS60では、主制御手段は、特別図柄管理処理を行う。これは、遊技盤4の遊技領域を流下する遊技球が、第1特別図柄始動口38a、または第2特別図柄始動口38bに入賞した場合に行われる処理である。
詳細は後述するが、始動入賞口センサ38cが遊技球を検出すると、始動入賞口センサ38cは、球検出信号を主制御手段に送信し、主制御手段で特別図柄の抽選が行われる。
主制御手段は、特別図柄表示装置43aに制御信号を送信する。特別図柄表示装置43aでは、7セグメントLEDによる特別図柄の変動が行われ、特別図柄が所定時間の経過後に抽選結果に応じて当り又は外れの態様で停止する。また、特別図柄の変動は、液晶表示装置36においても遊技者に確実に認識可能な装飾図柄で表示される。その後、ステップS70に進む。
最後に、ステップS70では、主制御手段は、特別電動役物管理処理を行う。これは、特別図柄の抽選結果により特別電動役物(大入賞装置39)の動作を制御する処理である。
詳細は後述するが、特別図柄が当り態様で停止した場合には、いわゆる大当りとなり、複数のラウンドからなる特別遊技が遊技者に付与される。後述するが、特別図柄管理処理(ステップS60)にて、特別図柄が外れ態様で停止した場合には、直ちに特別電動役物管理処理が終了となる。特別電動役物管理処理が終了すると、遊技管理処理も終了となる。
次に、図11を参照して、遊技管理処理の中で行われる入力管理処理について説明する。
まず、主制御手段は、各入力ポートのレベルデータを取得し、それを基にエッジデータを作成してワーク領域に保存する(ステップS21)。具体的には、大入賞口センサ39c、一般入賞口センサ42c等のオン、オフ信号を取得し、エッジデータをRAM243の所定領域に保存する処理となる。その後、ステップS22に進む。
次に、主制御手段は、大入賞口センサを通過したか否かを判定する(ステップS22)。遊技球が大入賞口センサ39cを通過した場合には、「YES」の判定となり、ステップS23に進む。一方、通過しなかった場合には、「NO」の判定となり、入力管理処理を終了する。
ステップS22の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別電動役物の作動中か否かを判定する(ステップS23)。具体的には、後述する「特別電動役物作動フラグ」がオンしているか否かの判定であり、アタッカの開閉扉が開放中か否かは関係がない。現在、特別電動役物の作動中である場合には、「YES」の判定となり、ステップS24に進む。一方、特別電動役物の作動中でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS25に進む。
ステップS23の判定が「YES」である場合、主制御手段は、エラー8又はエラー9の発生中か否かを判定する(ステップS24)。現在、エラー8又はエラー9(入賞数と排出数の不一致)の発生中である場合には、「YES」の判定となり、ステップS25に進む。一方、何れのエラーも発生していない場合には、「NO」の判定となり、入力管理処理を終了する。
ステップS24の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大入賞口入賞無効フラグを5AHにセットする(ステップS25)。すなわち、「大入賞口入賞無効フラグ」は、特別電動役物の非作動中に大入賞口センサ39cが遊技球を検出した場合、又はエラー8又はエラー9の発生中にオンとなる。その後、ステップS26に進む。
ここで、「大入賞口入賞無効フラグ」がオンの期間は賞球の払出しが行われなくなる。入賞数より排出数が多い場合には、過剰排出数分に対応する賞球のみ無効にしてもよい。なお、「大入賞口入賞無効フラグ」は、入賞数と排出数の不一致が解除されたとき(図22:ステップS206)、又は後述する大当り終了処理(図23:ステップS212)でリセットされるので、例えば、特別遊技中であっても不一致が解除された後には、賞球の払出しが行われるようになる。
最後に、主制御手段は、外部端子へ出力信号を送信する(ステップS26)。具体的には、異常に関する信号を外部端子へ出力し、外部端子を経由してホールコンピュータに送信する。その後、入力管理処理を終了する。
次に、図12を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別図柄管理処理について説明する。特別図柄管理処理(図10:ステップS60)では、主制御手段は、後述する特別図柄動作ステータス(変動待機中、変動中、確認時間中)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、始動口チェック処理1を行う(ステップS61)。これは、第1特別図柄始動口38aへの遊技球の入賞を判断し、大当り判定用乱数等を保留記憶エリアに格納し、必要に応じて保留先読みコマンドの作成等を行うものである。その後、ステップS62に進む。
ステップS62では、主制御手段は、始動口チェック処理2を行う。第2特別図柄始動口38bへの遊技球の入賞について、始動口チェック処理1と同様の処理を行う。その後、ステップS63に進む。
次に、主制御手段は、条件装置作動フラグが5AHか否かを判定する(ステップS63)。条件装置とは、大当り発生時に大当りを継続する条件が成立した場合に作動する装置であり、本ステップは、条件装置作動フラグがオンしたか否かの判定となる。条件装置作動フラグが「5AH」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS68に進む。一方、条件装置作動フラグが「5AH」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS64に進む。すなわち、ステップS64以降は、大当りが発生していない通常遊技モードの場合の処理となる。
ステップS63の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定を行う(ステップS64)。特別図柄動作ステータス(以下、特図動作ステータスともいう)が「00H」、「01H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動待機中」であることを意味するので、ステップS65に進む。
また、特図動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、特別図柄が「変動中」であることを意味するので、ステップS66に進む。さらに、特図動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、特別図柄の「確認時間中」であることを意味するので、ステップS67に進む。以下、各特図動作ステータスにおける処理ついて説明する。
まず、図13A、13Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動開始処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS64)にて、特図動作ステータスが「00H」、「01H」(共に変動待機中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、図13Aにおいて、主制御手段は、特図2保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS81)。特図2の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS82に進む。一方、特図2の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS86に進む(図13B参照)。
ステップS81の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図1保留球数が0であるか否かを判定する(ステップS82)。特図1の保留球数が0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS83に進む。一方、特図1の保留球数が0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS86に進む(図13B参照)。
ステップS82の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図動作ステータスが00Hであるか否かを判定する(ステップS83)。後述するが、特別図柄確認時間中処理(図12:ステップS67)が実行された直後は、特図動作ステータスとして「01H」がセットされている。特図動作ステータスが「00H」である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、特図動作ステータスが「00H」でない場合(「01H」である場合)には、「NO」の判定となり、ステップS84に進む。
ステップS83の判定が「NO」である場合、主制御手段は、客待ちデモコマンドを送信する(ステップS84)。「客待ちデモコマンド」は、特図1、特図2の保留球数が共に0、かつ特図動作ステータスが「01H」の場合に、主制御手段(主制御基板24)から副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信される。その後、ステップS85に進む。
ステップS85では、主制御手段は、特図動作ステータスに00Hをセットする。このセットにより特別図柄変動開始処理は終了となるが、これ以後、特別図柄変動開始処理では、保留情報が発生しない限り、ステップS83の判定で「YES」となる処理を繰り返す。
ステップS81、ステップS82の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図1又は特図2の保留球数を1減算する(図13B:ステップS86)。その後、ステップS87に進む。
ステップS87では、主制御手段は、保留減算コマンドを送信する。主制御手段は、副制御手段に向けて「保留減算コマンド」を送信するので、特別図柄表示装置43a(右側の7セグメントLED)の保留表示及び液晶表示装置36に表示された保留表示が1減算される。その後、ステップS88に進む。
ステップS88では、主制御手段は、特別図柄作動確認データをセットする。具体的には、特図1が変動を開始する場合は特別図柄作動確認データとして「00H」を、特図2が変動を開始する場合は「01H」をセットする。その後、ステップS89に進む。
ステップS89では、主制御手段は、保留記憶エリアをシフトする。最大保留数と同数ある保留記憶エリア1〜4は、保留球数の減算に伴い1だけシフトする。このとき、最新の保留情報が記憶される保留記憶エリア4については0をセットする。その後、ステップS90に進む。
ステップS90では、主制御手段は、特別電動役物作動判定用乱数判定処理を行う。これは、特図に対応した当り乱数判定用テーブルを決定して乱数判定処理を行う、いわゆる、特図の抽選処理である。また、大当り判定フラグをワークエリアへ格納する処理も行う。その後、ステップS91に進む。
ステップS91では、主制御手段は、特別停止図柄作成処理を行う。ここでは、特図に対応した図柄テーブル選択テーブルを選択し、図柄判定用乱数値、大当り判定フラグを取得して特図の停止図柄を作成する。その後、ステップS92に進む。
ステップS92では、主制御手段は、遊技状態移行準備処理を行う。ここでは、大当り判定フラグがオンの場合に、大当り種別に応じた遊技状態移行テーブルを選択し、これを参照して各種バッファに値を格納する。その後、ステップS93に進む。
ステップS93では、主制御手段は、特図変動パターン作成処理を行う。これは、変動パターン振分けテーブルを選択し、変動パターン用乱数に基づいて特図の変動パターンを作成する処理である。また、変動時間テーブルを参照し、特図の変動時間を特別図柄役物動作タイマに格納すると共に、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「変動パターン指定コマンド」を送信する。その後、ステップS94に進む。
ステップS94では、主制御手段は、特図1又は特図2の変動中フラグを5AHにセットする。具体的には、これから変動することになる一方の特図の変動中フラグをオンとする。その後、ステップS95に進む。
ステップS95では、主制御手段は、装飾図柄指定コマンドを送信する。装飾図柄とは、液晶表示装置36で変動表示する図柄のことである。主制御手段(主制御基板24)は、「装飾図柄指定コマンド」を作成し、副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信する。
なお、副制御手段は、上述の「変動パターン指定コマンド」及び「装飾図柄指定コマンド」を受信すると、今回の図柄変動で発生する大当り種別等の情報を取得することができる。その後、ステップS96に進む。
最後に、主制御手段は、変動開始時の各種設定を行う(ステップS96)。具体的には、乱数記憶エリア0に「00H」(消去)をセットする。また、特図動作ステータスを「02H」(変動中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS64)にて、後述する特別図柄変動中処理(図12:ステップS66)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動開始処理を終了する。図12に戻り、その後、ステップS68に進む(後述する)。
次に、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄変動中処理について簡単に説明する。主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS64)にて、特図動作ステータスが「02H」(変動中)と判断された場合、この処理を行う。
主制御手段は、特図の変動時間に関するタイマである特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定し、このタイマが0となった場合に、「変動停止コマンド」を送信する。また、変動停止時の各種設定を行うが、特図動作ステータスを「03H」(確認時間中)にセットするので、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS64)にて、後述する特別図柄確認時間中処理(図12:ステップS67)に分岐するようになる。その後、特別図柄変動中処理を終了する。その後、ステップS68に進む(後述する)。
次に、図14A、14Bを参照して、特別図柄管理処理の中で行われる特別図柄確認時間中処理について説明する。主制御手段は、特別図柄動作ステータス判定(図12:ステップS64)にて、特図動作ステータスが「03H」(確認時間中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、図14Aにおいて、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS101)。ここでは、特図の確定表示の時間が経過したか否かの判定となる。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS102に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する(図14B参照)。
ステップS101の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特図動作ステータスを「01H」にセットする(ステップS102)。特図動作ステータスを「01H」(変動待機中)にセットすると、次回の特別図柄管理処理では、特別図柄動作ステータス判定にて、特別図柄変動開始処理(図12:ステップS65)に分岐するようになる。その後、ステップS103に進む。
次に、主制御手段は、大当り判定フラグが5AHであるか否かを判定する(ステップS103)。これは、大当り判定フラグがオンであるか否かの判定である。大当り判定フラグが「5AH」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS104に進む。一方、大当り判定フラグが「5AH」でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS105に進む。
ステップS103の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大当り図柄停止時の各種設定を行う(ステップS104)。例えば、大当り判定フラグを「00H」に戻し、条件装置作動フラグを「5AH」に設定する。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。
また、ステップS103の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS105)。特図時短回数カウンタは、時短モードの回数をカウントするカウンタであり、例えば、通常遊技モード中は、0が設定されている。特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS109に進む(図14B参照)。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS106に進む。
ステップS105の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図時短回数カウンタを1減算する(ステップS106)。ステップS106〜S108は、時短回数の減算に関する処理となる。その後、ステップS107に進む。
次に、主制御手段は、特図時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS107)。特図時短回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS108に進む。一方、特図時短回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS109に進む(図14B参照)。
ステップS107の判定が「YES」である場合、主制御手段は、時短終了時の各種設定を行う(ステップS108)。例えば、普図時短状態フラグ、特図時短状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、ステップS109に進む(図14B参照)。
次に、主制御手段は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(図14B:ステップS109)。本実施形態の確率変動モードは、回数限定であり、特図確変回数カウンタにより、確率変動モードの残り回数がカウントされる。特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS113に進む。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS110に進む。
ステップS109の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図確変回数カウンタを1減算する(ステップS110)。ステップS110〜S112は、確変回数の減算に関する処理となる。その後、ステップS111に進む。
次に、主制御手段は、特図確変回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS111)。特図確変回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS112に進む。一方、特図確変回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS113に進む。
ステップS111の判定が「YES」である場合、主制御手段は、確変終了時の各種設定を行う(ステップS112)。例えば、普図確変状態フラグ、特図確変状態フラグをそれぞれ「00H」に設定する。その後、ステップS113に進む。
次に、主制御手段は、特図変動回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS113)。特図変動回数カウンタは、特図の変動回数に応じて変動パターンや演出を変更する際に用いられるカウンタである。特図変動回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。一方、特図変動回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS114に進む。
ステップS113の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特図変動回数カウンタを1減算する(ステップS114)。ステップS114〜S116は、変動パターン振分け回数の減算に関する処理となる。その後、ステップS115に進む。
次に、主制御手段は、特図変動回数カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS115)。特図変動回数カウンタが0である場合には、「YES」の判定となり、ステップS116に進む。一方、特図変動回数カウンタが0でない場合には、「NO」の判定となり、特別図柄確認時間中処理を終了する。
最後に、ステップS115の判定が「YES」である場合、主制御手段は、変動パターン振分指定番号に次の番号を設定し、特図変動回数カウンタに対応する回数を設定する(ステップS116)。
例えば、確変図柄当り(V入賞あり)による特別遊技の後には、変動パターン振分指定番号が「1」、特図変動回数カウンタ1が「30」に設定される(図8(a)参照)。このとき、特図変動回数カウンタにより30回がカウントされ、特図変動回数カウンタが0となった場合に、本ステップにより変動パターン振分指定番号が「2」、特図変動回数カウンタ2が「60」に設定される。その後、特別図柄確認時間中処理を終了する。図12に戻り、その後、ステップS68に進む。
最後に、主制御手段は、特別図柄表示データを更新する(ステップS68)。具体的には、特別図柄表示装置43aの特別図柄を更新する。その後、特別図柄管理処理を終了する。
次に、図15を参照して、遊技管理処理の中で行われる特別電動役物管理処理について説明する。特別電動役物管理処理(図10:ステップS70)において、主制御手段は、後述する特別電動役物動作ステータス(大当り開始処理、特別電動役物作動開始処理、特別電動役物作動中処理、特別電動役物作動継続判定処理、大当り終了処理)を判定し、それぞれの処理を管理する。
まず、主制御手段は、条件装置作動フラグが5AHか否かを判定する(ステップS71)。条件装置作動フラグが「5AH(オン)」の場合には、「YES」の判定となり、ステップS72に進む。一方、条件装置作動フラグが「5AH」でない場合には、「NO」の判定となり、この処理を終了する。すなわち、ステップS72以降は、大当りが発生した場合の処理となる。
ステップS71の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定を行う(ステップS72)。特別電動役物動作ステータス(以下、特電動作ステータスともいう)が「00H」に設定されている場合は、「大当り開始」時であることを意味するので、ステップS73に進む。
また、特電動作ステータスが「01H」に設定されている場合は、「特電作動開始中」であることを意味するので、ステップS74に進む。同様に、特電動作ステータスが「02H」に設定されている場合は、「特電作動中」であることを意味するので、ステップS75に進む。
さらに、特電動作ステータスが「03H」に設定されている場合は、「特電作動継続判定中」であることを意味するので、ステップS76に進み、特電動作ステータスが「04H」に設定されている場合は、「大当り終了中」であることを意味するので、ステップS77に進む。ステップS73〜S77の処理の内容については、以下で詳細を説明する。また、これらの処理が終了した後、主制御手段は、特別電動役物管理処理を終了する。
次に、図16を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り開始処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)にて、特電動作ステータスが「00H」(大当り開始)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、大当り開始時の各種設定を行う(ステップS121)。具体的には、役物連続作動装置作動フラグに「5AH」、連続回数カウンタに「01H」をセットする。連続回数カウンタは、後述する特別電動役物作動継続判定処理の中でラウンド数をカウントするために用いられ(図21B参照)、「01H」は第1ラウンドを意味する。
また、特電動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)では、特別電動役物作動開始処理(図15:ステップS74)に進むようになる。大当り開始時の各種設定が終了した後、ステップS122に進む。
ステップS122では、主制御手段は、大当り種別に応じて各種データをセットする。具体的には、最大ラウンド数、ラウンド表示LED番号、大当り開始インターバル(図6Aの開始インターバル)時間をRAM243に格納する。大当り開始インターバル時間は、後述する特別電動役物作動開始処理の中で利用する(図17:ステップS131)。その後、ステップS123に進む。
最後に、主制御手段は、大当り開始インターバルコマンドを送信する(ステップS123)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大当り開始インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、大当り開始処理を終了する。
次に、図17を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動開始処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)にて、特電動作ステータスが「01H」(特電作動開始中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS131)。具体的には、大当り開始インターバル時間が経過したか否か又は後述するラウンド間インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS132に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動開始処理を終了する。
ステップS131の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大入賞口開放コマンドを送信する(ステップS132)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大入賞口開放コマンド」を送信する。その後、ステップS133に進む。
ステップS133では、主制御手段は、大当り種別とラウンド数に応じた特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。例えば、今回、確変図柄当り(大当りパターンA)に当選した場合には、14の各ラウンドの特別電動役物作動時間を特別図柄役物動作タイマにセットする。その後、ステップS134に進む。
次に、主制御手段は、特別ラウンドであるか否かを判定する(ステップS134)。特別ラウンドとは、例えば、「大当りパターンA」の第4ラウンドである(図6A(a)参照)。現在、特別ラウンドである場合には、「YES」の判定となり、ステップS135に進む。一方、特別ラウンドでない場合には、「NO」の判定となり、ステップS136に進む。
ステップS134の判定が「YES」である場合、主制御手段は、振分部のソレノイド作動タイマを設定する(ステップS135)。特別ラウンドでは、振分部55の位置が時間により切替わるが、この振分部55を駆動するソレノイドの作動タイマを設定する。その後、ステップS136に進む。
ステップS136では、主制御手段は、開放動作開始時の各種設定を行う。具体的には、大入賞口入賞数カウンタを「00H」にセットする。「00H」は、入賞数が「0個」であることを意味する。
また、特電動作ステータスを「02H」(特電作動中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)では、特別電動役物作動中処理(図15:ステップS75)に進むようになる。その後、ステップS137に進む。
最後に、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定処理を行う(ステップS137)。以下、図18を参照して、大入賞口開閉動作設定処理の詳細について説明する。
まず、主制御手段は、大当り種別、ラウンド数、特別図柄役物動作タイマ、ソレノイド動作パターンに基づいて、ソレノイドのON/OFFを設定する(ステップS141)。ここでいうソレノイドは、アタッカの開閉扉を駆動するソレノイドである。その後、ステップS142に進む。
次に、主制御手段は、特別ラウンドであるか否かを判定する(ステップS142)。現在、特別ラウンドである場合には、「YES」の判定となり、ステップS143に進む。一方、特別ラウンドでない場合には、「NO」の判定となり、大入賞口開閉動作設定処理を終了する。
ステップS142の判定が「YES」である場合、主制御手段は、振分部のソレノイド作動タイマが0となったか否かを判定する(ステップS143)。ソレノイド作動タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、大入賞口開閉動作設定処理を終了する。一方、まだソレノイド作動タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS144に進む。
ステップS143の判定が「NO」である場合、主制御手段は、ソレノイド作動タイマとソレノイド作動パターンに基づいて、ソレノイドのON/OFFを設定する(ステップS144)。これは、振分部55を駆動するソレノイドの設定となる。その後、大入賞口開閉動作設定処理を終了する。これにより、特別電動役物作動開始処理を終了する。
次に、図19を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動中処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)にて、特電動作ステータスが「02H」(特電作動中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、大入賞口入賞数チェック処理を行う(ステップS151)。以下、図20A、20Bを参照して、大入賞口入賞数チェック処理の詳細について説明する。
まず、図20Aにおいて、主制御手段は、大入賞口センサを通過したか否かを判定する(ステップS161)。ここで、大入賞口センサ39cは、アタッカ1、アタッカ2の両方にあり、使用するアタッカへの入賞を検出可能である。遊技球が大入賞口センサ39cを通過した場合には、「YES」の判定となり、ステップS162に進む。一方、通過しなかった場合には、「NO」の判定となり、ステップS165に進む。
ステップS161の判定が「YES」である場合、主制御手段は、規定入賞数を1加算する(ステップS162)。すなわち、大入賞口センサ39cが大入賞口に入賞する規定の入賞数をカウントする処理となる。その後、ステップS163に進む。
次に、主制御手段は、最大入賞数に達したか否かを判定する(ステップS163)。最大入賞数に達した場合には、「YES」の判定となり、ステップS164に進む。一方、まだ最大入賞数に達していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS165に進む。なお、最大入賞数を大当り種別やラウンドの種類により異ならせてもよい。
ステップS163の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマを0クリアする(ステップS164)。特別図柄役物動作タイマをクリアすることにより、1回のラウンド遊技が終了した場合の処理に進むようになる(図19:ステップS153/YES)。その後、ステップS165に進む。
次に、主制御手段は、特別ラウンドであるか否かを判定する(ステップS165)。特別ラウンドである場合には、「YES」の判定となり、ステップS166に進む。一方、特別ラウンドでない場合には、「NO」の判定となり、大入賞口入賞数チェック処理を終了する(図20B参照)。
ステップS165の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大入賞口センサを通過したか否かを判定する(ステップS166)。特別ラウンドの場合であるので、大入賞口センサは、アタッカ2の大入賞口センサ39cのことである。遊技球が大入賞口センサを通過した場合には、「YES」の判定となり、ステップS167に進む。一方、通過していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS168に進む(図20B参照)。
ステップS166の判定が「YES」である場合、主制御手段は、入賞数を1加算する(ステップS167)。すなわち、大入賞口センサ39cがアタッカ2の入賞数をカウントする処理となる。その後、ステップS168に進む(図20B参照)。
次に、図20Bにおいて、主制御手段は、特定領域センサを通過したか否かを判定する(ステップS168)。遊技球が特定領域センサ56cを通過した場合には、「YES」の判定となり、ステップS169に進む。一方、通過していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS170に進む。
ステップS168の判定が「YES」である場合、主制御手段は、排出数を1加算する(ステップS169)。すなわち、特定領域センサ56cがアタッカ2の排出数をカウントする処理となる。その後、ステップS170に進む。
次に、主制御手段は、非特定領域センサを通過したか否かを判定する(ステップS170)。遊技球が非特定領域の球検出センサを通過した場合には、「YES」の判定となり、ステップS171に進む。一方、通過していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS172に進む。
ステップS170の判定が「YES」である場合、主制御手段は、排出数を1加算する(ステップS171)。すなわち、非特定領域の球検出センサがアタッカ2の排出数をカウントする処理となる。その後、ステップS172に進む。
次に、主制御手段は、エラー9の発生中か否かを判定する(ステップS172)。エラー9は、大入賞口2排出異常であり(図9参照)、入賞数が排出数より多い場合に報知される。
現在、エラー9の発生中である場合には、「YES」の判定となり、大入賞口入賞数チェック処理を終了する。一方、エラー9の発生中でない場合、すなわち、排出が正常に完了した場合には、「NO」の判定となり、ステップS173に進む。
ステップS172の判定が「NO」である場合、主制御手段は、特定領域センサを通過したか否かを判定する(ステップS173)。遊技球が特定領域センサ56cを通過した場合には、「YES」の判定となり、ステップS174に進む。一方、通過していない場合には、「NO」の判定となり、大入賞口入賞数チェック処理を終了する。
ステップS173の判定が「YES」である場合、主制御手段は、特定領域通過フラグを5AHにセットする(ステップS174)。この「特定領域通過フラグ」は、後述する大当り終了処理(図23:ステップS213)で確認される。その後、ステップS175に進む。
ステップS175では、主制御手段は、特定領域通過コマンドを送信する。「特定領域通過コマンド」は、主制御手段(主制御基板24)から副制御手段(演出制御基板25)に向けて送信され、副制御手段は、このコマンドを受信すると、液晶表示装置36の表示領域に「V入賞表示」(図7(b)参照)を表示する。その後、ステップS176に進む。
次に、主制御手段は、非確変図柄当りか否かを判定する(ステップS176)。実行中の特別遊技が非確変図柄当りによるものである場合には、「YES」の判定となり、ステップS177に進む。一方、非確変図柄当りによるものでない場合には、「NO」の判定となり、大入賞口入賞数チェック処理を終了する。
最後に、ステップS176の判定が「YES」である場合、主制御手段は、非特定V入賞フラグを5AHにセットする(ステップS177)。「非特定V入賞フラグ」は、非確変図柄当りで遊技球がV入賞した場合にオンするフラグであり、このフラグ及び上述の特定領域通過コマンドに基づいて「非特定V入賞」(図9参照)の報知が行われる。その後、大入賞口入賞数チェック処理を終了する。その後、図19に戻り、ステップS152に進む。
ステップS152では、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理の詳細は、図18で説明したので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS153に進む。
次に、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS153)。ここでは、特別電動役物作動時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS154に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動中処理を終了する。
ステップS153の判定が「YES」である場合、主制御手段は、ラウンド間インターバルコマンドを送信する(ステップS154)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「ラウンド間インターバルコマンド」を送信する。「ラウンド間インターバルコマンド」とは、例えば、第1ラウンドと第2ラウンドのインターバルに移行することを知らせるコマンドである。その後、ステップS155に進む。
ステップS155では、主制御手段は、開放動作終了時の各種設定1を行う。具体的には、特別電動役物動作ステータスを「03H」(特電作動継続判定中)にセットする。これにより、次回の特別電動役物動作ステータス判定処理(図15:ステップS72)では、特別電動役物作動継続判定処理(図15:ステップS76)に進むようになる。その後、ステップS156に進む。
次に、主制御手段は、特別ラウンドであるか否かを判定する(ステップS156)。現在、特別ラウンドである場合には、「YES」の判定となり、ステップS157に進む。一方、特別ラウンドでない場合には、「NO」の判定となり、ステップS158に進む。
ステップS156の判定が「YES」である場合、主制御手段は、開放動作終了時の各種設定2を行う(ステップS157)。具体的には、特別図柄役物動作タイマを3000msにセットする。これは、特別ラウンドの残存球の排出時間に相当する(図6A参照)。その後、特別電動役物作動中処理を終了する。
一方、ステップS156の判定が「NO」である場合、主制御手段は、開放動作終了時の各種設定3を行う(ステップS158)。ここでは、特別図柄役物動作タイマを2000ms又は7000ms又は7300msにセットする。これは、通常ラウンドの残存球の排出時間に相当する。その後、特別電動役物作動中処理を終了する。
次に、図21A、21Bを参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる特別電動役物作動継続判定処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)にて、特電動作ステータスが「03H」(特電作動継続判定中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、図21Aにおいて、主制御手段は、大入賞口入賞数チェック処理を行う(ステップS181)。大入賞口入賞数チェックの詳細は、図20A、20Bで説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS182に進む。
ステップS182では、主制御手段は、大入賞口開閉動作設定処理を行う。大入賞口開閉動作設定処理は、図18で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。その後、ステップS183に進む。
次に、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS183)。特別図柄役物動作タイマは、図19のステップS157又はステップS158で設定した残存球の排出時間であるので、この時間が経過したか否かの判定となる。
特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、特別電動役物作動継続判定処理を終了する(図21B参照)。
ステップS183の判定が「YES」である場合、主制御手段は、振分部のソレノイド作動タイマが0となったか否かを判定する(ステップS184)。ソレノイド作動タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS186に進む。一方、まだソレノイド作動タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS185に進む。
ステップS184の判定が「NO」である場合、主制御手段は、振分部のソレノイドに関する設定を行う(ステップS185)。具体的には、排出時間の経過により、振分部のソレノイド作動タイマが0となっていない場合にも、「00H」を設定して該タイマをリセットする。
また、振分部のソレノイドを「OFF」して、閉鎖位置に戻す。これにより、排出時間が経過したとき、特定領域を閉鎖することができ、遊技球が意図しないタイミングで特定領域を通過するのを防止できる。その後、ステップS186に進む。
ステップS186では、主制御手段は、排出確認処理を行う。以下、図22を参照して、排出確認処理の詳細について説明する。
まず、主制御手段は、入賞数と排出数が一致したか否かを判定する(ステップS201)。入賞数と排出数が一致した場合には、「YES」の判定となり、ステップS204に進む。一方、一致しない場合には、「NO」の判定となり、ステップS202に進む。
まず、ステップS201の判定が「NO」である場合を説明する。この場合、主制御手段は、大入賞口入賞排出チェックコマンドを送信する(ステップS202)。「大入賞口入賞排出チェックコマンド」は、アタッカの入賞数及び排出数に関するコマンドであり、入賞数>排出数、入賞数<排出数の場合による2種類がある。
具体的には、主制御手段(主制御基板24)が、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大入賞口入賞排出チェックコマンド」を送信するが、副制御手段は、このコマンドを受信すると、上記それぞれの場合に応じた報知を行う。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、主制御手段は、入賞数と排出数からエラーをセットする。具体的には、入賞数より排出数の方が多い場合、エラー8をセットする。エラー8とは、大入賞口排出過多異常である(図9参照)。また、排出数より入賞数の方が多い場合、エラー9をセットする。エラー9とは、大入賞口排出異常である(図9参照)。その後、排出確認処理を終了する。
次に、ステップS201の判定が「YES」である場合を説明する。この場合、主制御手段は、エラー9の発生中か否かを判定する(ステップS204)。現在、エラー9の発生中である場合には、「YES」の判定となり、ステップS205に進む。一方、エラー9の発生中でない場合には、「NO」の判定となり、排出確認処理を終了する。
ステップS204の判定が「YES」である場合、主制御手段は、エラー9をクリアする。エラー9が発生中であるが、入賞数と排出数が一致したので、エラー9を解除する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、大入賞口入賞無効フラグを00Hにセットする。具体的には、入力管理処理(図11参照)でオンした大入賞口入賞無効フラグをオフとする。その後、排出確認処理を終了する。図21Aに戻り、その後、ステップS187に進む。
次に、主制御手段は、エラー8又はエラー9の発生中か否かを判定する(ステップS187)。現在、エラー8又はエラー9の発生中である場合には、「YES」の判定となり、特別電動役物作動継続判定処理を終了する(図21B参照)。この場合、次回ラウンドには移行させない。一方、何れのエラーも発生していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS188に進む(図21B参照)。
ステップS187の判定が「NO」である場合、主制御手段は、最大ラウンド数に達したか否かを判定する(図21B:ステップS188)。例えば、「大当りパターンA」の最大ラウンドである第14ラウンドに達した場合に「YES」の判定となり、ステップS192に進む。一方、第13ラウンドまでは、「NO」の判定となり、ステップS189に進む。
まず、ステップS188の判定が「NO」である場合を説明する。この場合、主制御手段は、連続回数カウンタを1加算する(ステップS189)。すなわち、特別遊技のラウンド数をカウントする処理となる。その後、ステップS190に進む。
ステップS190では、主制御手段は、大当り種別に応じたラウンド間インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。ラウンド間インターバル時間は、特別電動役物作動開始処理に戻ったとき、その処理の中で利用する(図17参照)。その後、ステップS191に進む。
ステップS191では、主制御手段は、継続時の各種設定を行う。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグが「00H」に設定されるのは、大当りラウンドの「開始」、「ラウンド間」又は「終了」の何れかの場合であるが、ここでは「ラウンド間」である。
また、特別電動役物動作ステータスを「01H」(特電作動開始中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)では、特別電動役物作動開始処理(図15:ステップS74)に進むようになる。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、ステップS188の判定が「YES」である場合を説明する。この場合、主制御手段は、終了時の各種設定を行う(ステップS192)。具体的には、特別電動役物作動フラグが「00H」にセットされる。特別電動役物作動フラグを「00H」とするのは、大当りラウンドが「終了」となるためである。
また、特電動作ステータスを「04H」(大当り終了中)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)では、大当り終了処理(図15:ステップS77)に進むようになる。その後、ステップS193進む。
ステップS193では、主制御手段は、大当り種別に応じた終了インターバル時間を特別図柄役物動作タイマに格納する。終了インターバル時間は、後述する大当り終了処理の中で利用する(図23参照)。その後、ステップS194に進む。
最後に、主制御手段は、大当り終了インターバルコマンドを送信する(ステップS194)。具体的には、主制御手段(主制御基板24)は、副制御手段(演出制御基板25)に向けて「大当り終了インターバル(ファンファーレ)コマンド」を送信する。その後、特別電動役物作動継続判定処理を終了する。
次に、図23を参照して、特別電動役物管理処理の中で行われる大当り終了処理について説明する。上述の通り、主制御手段は、特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)にて、特電動作ステータスが「04H」(大当り終了中)と判断された場合、この処理を行う。
まず、主制御手段は、特別図柄役物動作タイマが0であるか否かを判定する(ステップS211)。ここでは、終了インターバル時間が経過したか否かを判定する。特別図柄役物動作タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS212に進む。一方、まだ特別図柄役物動作タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、大当り終了処理を終了する。
ステップS211の判定が「YES」である場合、主制御手段は、大当り終了時の各種設定1を行う(ステップS212)。具体的には、次ステップでオン・オフを確認する「特定領域通過フラグ」を除き、特別電動役物管理処理中の各ステップで使用した条件装置作動フラグ、連続回数カウンタ、最大連続回数バッファ等を0クリアする。その後、ステップS213進む。
ステップS213では、主制御手段は、大当り終了時の各種設定2を行う。具体的には、大入賞口入賞数チェック処理の中で設定した「特定領域通過フラグ」(図20B参照)のオン・オフに応じて、普電開放延長状態フラグ等をセットする。設定の詳細は、図8で説明した通りである。その後、ステップS214に進む。
ステップS214では、主制御手段は、大当り終了時の各種設定3を行う。具体的には、特定領域通過フラグを「00H」にセットする。また、特電動作ステータスを「00H」(大当り開始)にセットするので、次回の特別電動役物動作ステータス判定(図15:ステップS72)では、大当り開始処理(図15:ステップS73)に進むようになる。その後、ステップS215進む。
最後に、主制御手段は、遊技状態報知情報を更新する(ステップS215)。例えば、この後に時短遊技状態に移行する場合には、時短中報知ランプをオンする。その後、大当り終了処理を終了する。以上、主制御手段で行われる処理について説明した。
以下では、図24を参照して、副制御側で行われるメイン処理について説明する。このメイン処理には、副制御手段(演出制御基板25)の起動時に行われる初期化処理が含まれる。
まず、副制御手段は、初期化処理を行う(ステップS221)。これは、主に、副制御手段の各種初期設定を行うものであり、起動時に一度だけ行われる。その後、ステップS222に進む。
次に、副制御手段は、メインループ更新周期となったか否かを判定する(ステップS222)。メインループとは、後述するステップS224〜S229までの処理であるが、その更新周期は16msである。
ステップS222に進んだとき更新周期の16msが経過すると、「YES」の判定となり、ステップS224に進む。一方、16ms経過する前の状態では、更新周期となっていないので、「NO」の判定となる。この場合には、ステップS223に進む。
ステップS222の判定が「NO」である場合、副制御手段は、各種ソフト乱数の更新処理を行う(ステップS223)。その後、ステップS222の判定が「YES」となるまでステップS222、S223の処理を繰り返す。このループの期間に、1ms周期のタイマ割込処理(図25参照)が実行されるが、副制御手段は、この割込処理回数をカウントして、上記の16msが経過したか否かを判定する。
ステップS222の判定が「YES」である場合、副制御手段は、LEDデータ更新処理を行う(ステップS224)。上述の通り、ステップS224〜S229はメインループの処理となるが、ここでは、枠装飾LED8、盤面装飾LED35のデータを更新することで、装飾LEDの発光態様を変化させる。その後、ステップS225に進む。
ステップS225では、副制御手段は、受信コマンド解析処理を行う。これは、受信した制御コマンドの種別を解析し、それに応じた各種設定を行うものである。例えば、大当り開始処理の中で送信される「大当り開始インターバルコマンド」(図16参照)を受信した場合には、副制御手段は、開始インターバル(図6A参照)を設定する。その後、ステップS226に進む。
ステップS226では、副制御手段は、メインシナリオ更新処理を行う。具体的には、受信した制御コマンドに応じて演出の更新を行うものである。その後、ステップS227に進む。
ステップS227では、副制御手段は、サウンド出力処理を行う。具体的には、シナリオに応じてスピーカ7からサウンドを出力させる。その後、ステップS228に進む。
ステップS228では、副制御手段は、ソレノイド更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドの詳細な動作を設定する。その後、ステップS229に進む。
最後に、副制御手段は、ノイズ対策用処理を行う(ステップS229)。具体的には、周辺LSIがノイズの影響を受けていないかチェックする。この処理が終了すると、ステップS222に戻り、以降の処理を継続して実行する。
次に、図25を参照して、副制御側のタイマ割込処理について説明する。これは、上述の副制御側メイン処理(図24参照)に対して、1ms周期で実行される割込処理である。
まず、副制御手段は、CPUレジスタの初期設定をする(ステップS231)。具体的には、ポートのリフレッシュ初期値の設定を行う。その後、ステップS232に進む。
ステップS232では、副制御手段は、出力処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているソレノイドやモータの出力処理を行う。その後、ステップS233に進む。
ステップS233では、副制御手段は、演出ボタン入力状態更新処理を行う。副制御手段は、演出ボタン13、14の操作がされた場合に、入力状態を更新する。その後、ステップS234に進む。
ステップS234では、副制御手段は、スイッチ入力状態更新処理を行う。具体的には、ボリュームスイッチ31等の入力情報を確認し、その情報に応じた処理を行う。その後、ステップS235に進む。
ステップS235では、副制御手段は、液晶制御コマンド送信処理を行う。演出制御基板25は、例えば、演出用カウンタによって選択された演出用コマンドを液晶制御基板26に向けて送信する。その後、ステップS236に進む。
ステップS236では、副制御手段は、モータ更新処理を行う。具体的には、可動役物に用いられているモータの詳細な動作設定をする。その後、ステップS237に進む。
ステップS237では、副制御手段は、LEDデータ出力処理を行う。具体的には、必要なタイミングで枠装飾LED8、盤面装飾LED35を点灯、点滅させるLEDデータ出力を行う。その後、ステップS238に進む。
最後に、副制御手段は、メインループ更新周期用ワークを1インクリメントする(ステップS238)。これは、メインループ処理(図24:ステップS224〜S229)の更新周期である16msをカウントするため、メインループ更新周期用ワークを1だけインクリメントする処理である。その後、タイマ割込処理を終了する。以上、本実施例のパチンコ遊技機1の一連の動作を説明した。
上記のように実施例1には、複数種類の特別遊技があり、それぞれアタッカの開閉扉、振分部が長期開放する特別ラウンドの順序や数が異なっている。特別遊技状態には、複数回ある特別ラウンドが長開放パターンと短開放パターンで実行される大当り(大当りパターンB,C)の他、何れも長開放パターンで実行される大当り(大当りパターンE)がある。すなわち、大当り種別に応じて開閉扉等の動作パターンを変化させるので、遊技の興趣を向上させることができる。
[実施例2]
次に、大入賞装置が1個しかないパチンコ遊技機の例(実施例2)を説明する。
まず、図26を参照して、実施例2のパチンコ遊技機の遊技盤について説明する。遊技盤4’は、第1大入賞装置39aがない点で実施例1の遊技盤4と異なる。遊技盤4’のパチンコ遊技機では、特別遊技において、常に唯一の大入賞装置であり、内部に確変移行判定部を有するアタッカ2を常に用いることになる。遊技者は、ラウンドの種類に関係なく、同じ操作をすればよいので、遊技自体は簡単になる。
しかし、このパチンコ遊技機の場合、振分部が開放位置にある時間が長いと、意図しないタイミングで遊技球がV入賞する現象が起こり易くなる。従って、実施例1でも述べたように、残存球の排出時間が経過したとき、振分部を閉鎖位置に戻し、振分部の動作が次回ラウンドに持ち越されないようにする必要がある。
次に、図27Aを参照して、実施例2の特別遊技の構成(「大当りパターンA’」、「大当りパターンD’」)を説明する。
まず、「大当りパターンA’」は、全部で14のラウンドから構成され、特別遊技の終了後は、遊技状態が確率変動モードとなる(図27A(a)参照)。「大当りパターンA’」は、実施例1の「大当りパターンA」をアタッカ2のみで実行したものであるので、基本的に開閉扉の作動時間や行われる演出は同じである。
相違点としては、第3ラウンドのインターバル時間で実行される「報知演出γ」が挙げられる。「チャレンジ演出(優)」は、最終的に主人公が相手キャラクタを倒し、勝利するストーリーとなるので、「報知演出γ」では、勝利確定の演出が行われるが、狙うアタッカを指示する表示は行われない。
また、第4ラウンドの開閉扉の待機期間、開放期間は、上記「大当りパターンA」の第4ラウンドと同じでよいが、振分部55の動作は異ならせる必要がある。すなわち、特定領域56が長開放する時間を短くすることで、第5ラウンドで遊技球がV入賞しないようにする。
次に、「大当りパターンD’」について説明する。「大当りパターンD’」は、全部で14のラウンドから構成され、特別遊技の終了後は、遊技状態が時短モードとなる(図27A(b)参照)。「大当りパターンD’」は、実施例1の「大当りパターンD」をアタッカ2のみで実行したものであるので、基本的に開閉扉の作動時間や行われる演出は同じである。
「大当りパターンD’」では、3回の「チャレンジ演出(劣)」で、何れも最終的に主人公が敗北するストーリーとなるので、特別ラウンドである第4、8、12ラウンドの開始直前から敗北確定の演出である「報知演出δ」が実行される。また、ここでも、特別ラウンドにおける振分部55の動作を異ならせる必要がある。
最後に、図27Bを参照して、実施例2のアタッカと振分部の動作について説明する。ここでは、特に、アタッカの開放期間が最長時間となる前に、1回のラウンドの最大入賞数に到達した場合のアタッカ及び振分部の動作について説明する。
例えば、「大当りパターンA’」の第4ラウンドでは、2.7秒の待機期間の後、開閉扉の開放期間に移行する。開放期間は、最長で26.3秒であるが(図27A(a)参照)、実質的には、約5.4秒で最大入賞数に到達して、開閉扉が閉鎖する。
このとき、振分部は、アタッカ2の開閉扉の作動に同期して、0.02秒間、特定領域56を開放する位置に動く。その後、2.68秒間、閉鎖位置に戻り、再度、開放位置に動く。
振分部が開放位置に保持されている時間が実施例1のように長い場合(29.3秒)には、次回の第5ラウンドで遊技球がV入賞可能となるので、第4ラウンドを特別ラウンドとした意味がなくなってしまう。従って、第4ラウンドのインターバル時間(3.0秒)が経過したとき、振分部が閉鎖位置に戻るようにする。このようにすれば、大入賞装置が1個しかない場合にも、意図しないV入賞を防止することができる。
開閉扉が短期開放する場合も同様である。例えば、「大当りパターンD’」の第4ラウンドでは、開閉扉が0.10秒だけ作動した後、インターバル時間(3.0秒)を経て次回の第5ラウンドに進む。ここでも、振分部が再度、開放位置に動く場合には、第5ラウンドで遊技球がV入賞可能となる。従って、今回は、振分部を再度、開放位置に動かないようにすることで、意図しないV入賞を防止することができる。
実施例1と同様に、振分部の動作は、短開放と長開放とに分離する必要はない。例えば、アタッカ2の待機期間の開始時から振分部の長開放を行ってもよい。また、アタッカ2の開閉扉の閉鎖に同期して振分部を閉鎖位置に戻す等、閉鎖のタイミングも任意に決定することができる。
実施例2によれば、アタッカが1つのパチンコ遊技機でも、大当り種別に応じて開閉扉等の動作パターンを変化させ、遊技の興趣を向上させることができる。また、アタッカが閉鎖して、排出時間が経過したとき、特定領域を閉鎖位置とするように振分部を制御するので、意図しないタイミングで遊技球が特定領域を通過するのを防止することができる。
上記の実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも種々の変形例が考えられる。実施例1、2では、特別ラウンドを第4、8ラウンド等、複数設けたが、任意の数とすることができる。また、特別ラウンドを最終ラウンドとする等、何れのラウンドとしてもよい。
アタッカ2の開閉扉の動作パターンは、任意に設定することができ、振分部の位置と連動した動作としてもよい。例えば、振分部が閉鎖位置のときには、アタッカ2の開閉扉を閉鎖したり、開閉を繰り返す動作とすることができる。また、開閉扉の開放タイミングと振分部が開放位置に移動するタイミングを完全に一致させる必要もない。
パチンコ遊技機に発生したエラーに対するエラー報知は、図9の態様に限られない。例えば、磁気異常(強)(エラー16)や電波異常(強)(エラー17)は、報知開始から90秒が経過するまで継続するように変更することもできる。また、特別ラウンド中に発生する複数のエラーについては、それ以外の状態で発生するエラーより、目立つ態様(例えば、最大音量)で報知するようにしてもよい。
特別ラウンドの終了後だけでなく、非確変図柄当りの特別遊技中等の意図しないタイミングで遊技球が特定領域を通過した場合には、エラーや警告を行うようにしてもよい。このとき、偶然か不正かを判定するようにしてもよい。例えば、極めて短い特定領域の開放状態に2球以上の遊技球が検出された(図9の「累積2球」)場合には、「不正」と判定することができる。
「不正」の報知として、パチンコ遊技機の背面にある異常報知LEDを点灯・点滅させるだけでもよいが、LED、スピーカ、表示装置、又はこれらの組合せによる様々な態様で報知するようにしてもよい。
以上、本実施形態としてパチンコ遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、雀球式遊技機、アレンジボール機、封入式遊技機等にも適用可能である。例えば、
本発明を第2種パチンコ機(羽根モノ)に適用することができる。
通常、第2種パチンコ機では、羽根が開閉する入賞装置の内部に特定領域があり、V入賞したとき大当りが発生するが、羽根が閉鎖して残存球の排出時間が経過したとき、特定領域も閉鎖するようにすれば、意図しないタイミングでV入賞するのを防止することができる。