JP5832534B2 - 虚血性脳卒中を検出する方法 - Google Patents

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Description

本発明は虚血性脳卒中、特にラクナ亜型虚血性脳卒中の診断マーカーの同定及び使用に関する。本発明は、これらの方法を実施するデバイス及びキットに関する。
虚血性脳卒中は、一般にアテローム性動脈硬化又は高血圧に続発する脳に対する血管損傷の症状である。
虚血性脳卒中は、アテローム血栓型、心原(cardioembolic)型及びラクナ型の脳卒中を包含する。血栓は脳内のin situで生じる動脈の閉塞であり、塞栓は、多くの場合心筋梗塞又は心房細動に起因して遊離される(dislodged)、遠位源、例えば心臓及び大血管からの物質により引き起こされる閉塞である。それほど多くはないが、血栓は髄膜炎等の障害による血管炎症によっても生じることがある。血栓又は塞栓は、アテローム性動脈硬化又は他の障害、例えば動脈炎によって生じる場合があり、脳への動脈血供給の物理的閉塞をもたらす。ラクナ脳卒中は脳の非皮質領域内の梗塞を指す。
虚血性脳卒中の発現は多くの場合、突発的であり、24時間〜48時間にわたって悪化する神経学的欠損が現れる「進行脳卒中」となる場合がある。進行脳卒中では、「脳卒中関連症状(複数の場合もあり)」には一般的に、頭痛又は発熱を生じずに徐々に広がる一側性の神経学的機能不全が含まれる。進行脳卒中は症状が急激に発生し、数分以内に最大となる「完全脳卒中」となる場合もある。
虚血性脳卒中は、脳組織への永久的な損傷を引き起こすと考えられてきた。それにもかかわらず、虚血性脳卒中の急性の臨床症候群と他の疾患との類似性が、それらを区別することを困難なものにしてきた。これらの他の疾患は「脳卒中類似症(stroke mimics)」とも呼ばれる。かかる類似症の例は、癲癇発作、脳腫瘍又は偏頭痛である。そのため、虚血性脳卒中は検出されないままであることがある。他方で、誤って検出された虚血性脳卒中が、誤った治療の原因となることがある。
脳卒中を患う患者の迅速な診断及びケアは重要であり得る。例えば、組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)を虚血性脳卒中での症状発現の3時間以内に与えることは、選択された急性脳卒中患者で有益である。代替的に患者によっては、TPA療法の候補でない場合に抗凝血剤(例えばヘパリン)が有益である場合がある。脳卒中診断の確認及び脳卒中タイプの同定の遅れが、初期の介入療法が有益であり得る患者の数を限定している。
したがって現在、当該技術分野では脳卒中に対する迅速で感度が高く特異的な診断アッセイに対する必要性が存在する。かかる診断アッセイにより、有益な脳卒中の治療及び治療法を受けることができる患者の数が大幅に増大し、誤った脳卒中診断に関連するコストが低減する。治療及び/又は投薬を調整するためには、虚血性脳卒中の亜型を同定することができれば特に有益である。
一部の診断方法には、コンピュータ断層撮影装置(CT)のような高価な機械及び機器が必要である。脳卒中後最初の数時間の虚血性脳卒中に関するこれらの方法の感度は限定されており、そのため感度がより良好な血液バイオマーカーの更なる検査が診断的価値を高めることになる。
そのため、本発明の目的は、虚血性脳卒中、好ましくはラクナ亜型虚血性脳卒中を、特にこれらの虚血性脳卒中を脳卒中類似症と区別するために診断する方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、該方法を実施するデバイス及びキットを提供することである。
この目的は、独立クレームにおいて特許請求されるような本発明によって達成される。有益な実施の形態は従属クレームに記載される。
多項従属クレームが記載されていなくても、特許請求の範囲において特徴の合理的な組合せが全て開示されているものとする。
本発明の目的は方法によっても達成される。以下では、方法の個々の工程がより詳細に記載されている。これらの工程は、必ずしも本明細書で与えられる順番で行う必要はない。また、明記されていない更なる工程も該方法の一部であり得る。
この課題は、被験体において虚血性脳卒中を診断する方法であって、該被験体由来のサンプルにおいて、Pellinoホモログ1(ショウジョウバエ)(PELI1)、TNF受容体関連タンパク質1(TRAP1)、保存オリゴマーゴルジ複合体サブユニット3(COG3)、ホモ・サピエンス溶質キャリアファミリー38成員3(SLC38A3)、ホモ・サピエンス成長停止特異的2様3(growth arrest-specific 2 like 3)(GAS2L3)からなる群から選択される少なくとも1つのマーカー又は少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体の存在及び/又は量を検出する工程と、該結果を前記被験体における虚血性脳卒中の発生又は非発生に関連付ける工程とを含む、被験体において虚血性脳卒中を診断する方法により解決される。
好ましい実施の形態では、ラクナ亜型虚血性脳卒中が診断される。それからその結果を上記被験体においてラクナ脳卒中(ラクナ亜型虚血性脳卒中)の発生又は非発生に関連付ける。
上記方法は、1つ若しくは複数のマーカー、又はマーカーに対する1つ若しくは複数の抗体の存在又は量に関して被験体から得られたサンプルを分析することを含む。これらの方法は、1つ又は複数のマーカー又は抗体を同定することであって、その存在又は量が虚血性脳卒中の診断、予後診断又は鑑別診断に関連する、1つ又は複数のマーカー又は抗体を同定することを含み得る。かかるマーカー(複数の場合もあり)が同定されれば、対象となる被験体から得られるサンプルにおけるかかるマーカー(複数の場合もあり)のレベルを測定することができる。或る特定の実施の形態では、これらのマーカーを虚血性脳卒中の診断、予後診断又は鑑別診断に関連するレベルと比較することができる。被験体のマーカーレベル(複数の場合もあり)を診断マーカーレベル(複数の場合もあり)と関連付けること、又は分類方法による関連付けにより、患者又は見掛けは健康な個体における虚血性脳卒中及びTIAの有無、将来の有害転帰の可能性(初期のリスク評価、スクリーニング)等を迅速かつ正確に決定することができる。
本発明の方法は、観察される症状(複数の場合もあり)の根底にある複数の考えられる病因(その1つが虚血性脳卒中である)の指標である1つ又は複数の身体的特性(すなわち、1つ又は複数の「症状」)の目に見える変化を示す被験体において疾患の有無を決定するのに特に適している。これらの方法は、観察される症状(複数の場合もあり)の考えられる病因として脳卒中又は脳卒中の1つ若しくは複数のタイプを確定する(rule in:ルールインする)又は除外する(rule out:ルールアウトする)ために選択される、1つ若しくは複数のマーカー、又はマーカーに対する1つ若しくは複数の抗体の存在又は量に関して被験体から得られたサンプルを分析することを含む。観察される症状(複数の場合もあり)の鑑別診断内にある脳卒中以外の病因は本明細書では「脳卒中類似症」と称される。被験体から得られるサンプルにおけるかかるマーカー(複数の場合もあり)の存在又は量を用いて、脳卒中、好ましくはラクナ脳卒中を確定する又は除外することができ、それにより診断を与える(確定)、及び/又は診断を排除する(除外)。
「マーカー」という用語は、本明細書で使用される場合、被験体から得られるサンプルをスクリーニングするための標的として使用されるタンパク質又はポリペプチドを指す。本発明のマーカーとして使用される「タンパク質又はポリペプチド」は、それらの任意の断片、特に免疫学的に検出可能な断片を含むことが企図される。当業者であれば、配列の僅かな変異が必ずしもそのタンパク質に対する抗体の親和性に影響を与えるものではないことを認識するであろう。そのため、本願で提示されるタンパク質配列に対する80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%又は99.9%の配列類似性を示すマーカーも、同じ抗体と結合する限りはマーカーとみなされる。これには、リン酸化又はミリスチル化等の翻訳後修飾のために異なる変異体も含まれる。同じことは、マーカーをコードする核酸配列にも当てはまる。
マーカーに対する抗体が検出される場合、抗体の検出に使用されるマーカーには、上記タンパク質の修飾が含まれ、その修飾は抗体の存在及び/又は量、例えば融合タンパク質、例えばN末端グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質としての発現の検出を行うのに必要となる。抗体とマーカーとの結合は必ずしも、抗体がその正常機能内で同じタンパク質又は抗原と結合することを意味するものではない。本方法は、測定においてマーカーに対するサンプルに存在する抗体の親和性を単に同定するものである。
第1に、抗体の量は、例えば核磁気共鳴(NMR)又は表面プラズモン共鳴により、マーカーに対する抗体の結合によって直接測定することができる。
第2に、結合抗体は、結合抗体に特異的な別のリガンドの結合により検出することができる。これは二次抗体であり得る。このリガンドはリガンドの検出及び測定を可能にする標識と共有結合的に又は非共有結合的に連結することができる。標識化は直接的な又は間接的な方法により行うことができる。直接的な標識化は、標識とリガンドとの直接的な(共有結合的な又は非共有結合的な)連結を含む。間接的な標識化は二次リガンドと一次リガンドとの(共有結合的な又は非共有結合的な)結合を含む。二次リガンドは一次リガンドと特異的に結合するものとされる。上記二次リガンドは好適な標識と連結することができ、及び/又は二次リガンドとの三次リガンドの結合の標的(受容体)であり得る。シグナルを増大させるのに、二次、三次又は更に高次のリガンドが用いられることが多い。好適な二次リガンド及びより高次のリガンドには、抗体、二次抗体、及び既知のストレプトアビジン−ビオチン系(Vector Laboratories, Inc.)が含まれ得る。リガンドは、当該技術分野で既知のように1つ又は複数のタグで「タグ付け」することもできる。そのためかかるタグはより高次のリガンドに対する標的であり得る。好適なタグとしては、ビオチン、ジゴキシゲニン、His−Tag、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、FLAG、GFP、myc−tag、A型インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)、マルトース結合タンパク質等が挙げられる。ペプチド又はポリペプチドの場合、タグはN末端及び/又はC末端にあるのが好ましい。好適な標識は、適切な検出方法によって検出可能な任意の標識である。典型的な標識としては、金粒子、ラテックスビーズ、アクリダンエステル、アクリジニウムエステル、ルミノール、ルテニウム、酵素的に活性な標識、放射性標識、磁性標識(例えば「磁性ビーズ」、常磁性標識及び超常磁性標識を含む)、及び蛍光標識が挙げられる。酵素的に活性な標識としては、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、及びそれらの誘導体が挙げられる。検出に好適な基質としては、ジ−アミノ−ベンジジン(DAB)、3,3’−5,5’−テトラメチルベンジジン、NBT−BCIP(Roche Diagnosticsから既製のストック溶液として入手可能な4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリド及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ホスフェート)、CDP−Star(商標)(Amersham Biosciences)、ECF(商標)(Amersham Biosciences)が挙げられる。好適な酵素と基質との組合せにより、当該技術分野で既知の方法に従って(例えば感光膜又は好適なカメラシステムを用いて)測定することができる、着色反応生成物、蛍光又は化学発光を得ることができる。酵素反応の測定に関しては、上記で与えられる基準を同じように適用する。典型的な蛍光標識としては、蛍光タンパク質(例えばGFP及びその誘導体)、Cy3、Cy5、Texas Red、フルオレセイン及びAlexa色素(例えばAlexa 568、Alexa 647)が挙げられる。更なる蛍光標識が、例えばMolecular Probes(Oregon)から入手可能である。蛍光標識としての量子ドットの使用も企図される。典型的な放射性標識としては、35S、125I、32P、33P等が挙げられる。放射性標識は、既知の適切な任意の方法、例えば感光膜又はホスフォイメージャーにより検出することができる。本発明による好適な測定方法としては、沈降法(特に免疫沈降法)、電気化学発光法(電気発生化学発光法)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、サンドイッチ酵素免疫試験、電気化学発光サンドイッチ免疫アッセイ(ECLIA)、解離促進ランタニド蛍光免疫アッセイ(DELFIA)、シンチレーション近接アッセイ(SPA)、比濁法、ネフェロメトリー、ラテックス凝集(latex-enhanced)比濁法若しくはネフェロメトリー、又は固相免疫試験も挙げられる。当該技術分野で既知の更なる方法(例えばゲル電気泳動法、2Dゲル電気泳動法、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE)、ウェスタンブロット法、及び質量分析法)を単独で又は上記の標識化若しくは他の検出法と組み合わせて使用することができる。
本明細書に記載のマーカーを個々で又は他のマーカーと組み合わせて使用することができる。
本明細書に記載の少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体はモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体であり得る。好ましい実施の形態では、抗体はサンプルに存在する自己抗体である。サンプルにおける少なくとも1つの抗体の存在及び/又は量の検出は、マーカー(複数の場合もあり)に対するサンプルの抗体プロファイルの測定に相当する。自己抗体の測定が好ましく、自己抗体の量の測定がより好ましいが、これはこれらの自己抗体が、免疫系により産生され、上記タンパク質よりも良好に虚血性脳卒中及び虚血性脳卒中のリスクと相関し得るためである。さらに自己抗体は、該タンパク質が細胞表面に付着し得るため、体液中により良好に分散し得る。
「サンプル」という用語は、本明細書で使用される場合、対象となる被験体、例えば患者の診断、予後診断又は評価の目的で得られる体液のサンプルを指す。或る特定の実施の形態では、かかるサンプルを進行中の病態の転帰又は或る病態に対する治療計画の効果を決定する目的で得ることができる。好ましい試験サンプルには、血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿及び唾液が含まれる。加えて、当業者であれば、一部の試験サンプルが分画化手順又は精製手順、例えば全血の血清成分又は血漿成分への分離後により容易に分析されることを理解するであろう。
本発明の好ましい実施の形態では、サンプルは上記被験体由来の血液、血清、又は血漿のサンプルである。
「被験体」という用語は、本明細書で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに関する。
「量」という用語は、本明細書で使用される場合、絶対量(例えばマーカー又はマーカーに対する抗体の絶対量)、相対的な量又は濃度(例えばマーカー又はマーカーに対する抗体の相対的な量又は濃度)、及びそれに相関する任意の値又はパラメータを包含する。かかる値又はパラメータは、直接的な測定による上記マーカー又はマーカーに対する抗体から得られた全ての特異的な物理特性又は化学特性由来の強度シグナル値、例えば質量スペクトル又はNMRスペクトルにおける強度値を含む。その上、本明細書の他の箇所に明記されている間接的な測定により得られる全ての値又はパラメータ、例えばペプチドに応答する生物学的な読出システムから決定される発現レベル、又は特異的に結合したリガンドから得られた強度シグナルが包含される。上述の量又はパラメータに相関する値をあらゆる標準的な数学操作によっても得ることができることが理解される。
本発明の別の実施の形態では、サンプルにおいて、Pellinoホモログ1(ショウジョウバエ)(PELI1)、TNF受容体関連タンパク質1(TRAP1)、保存オリゴマーゴルジ複合体サブユニット3(COG3)、ホモ・サピエンス溶質キャリアファミリー38メンバー3(SLC38A3)、ホモ・サピエンス成長停止特異的2様3(GAS2L3)からなる群から選択され、既に測定されたマーカーとは異なる少なくとも1つの更なるマーカー又は少なくとも1つの更なるマーカーに対する少なくとも1つの抗体の存在及び/又は量を検出する。
これらの更なるマーカーは、他のマーカーと一緒に検出することができる。マーカーの群を統計的方法及び最適化方法、例えば多変量予測モデリングを用いて同定することができ、ここでは統計的学習アルゴリズムが使用される。
本方法は急性脳卒中被験体にも適している。本発明では、「急性脳卒中」という用語は、前12時間以内に、より好ましくは前6時間位内に、最も好ましくは前3時間以内に起こった脳卒中を指す。
本発明の別の目的は、ラクナ脳卒中を他の脳卒中亜型(心原性亜型又はアテローム血栓性亜型)又は脳卒中類似症と区別することである。これには同じマーカーを使用することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、少なくとも1つのマーカーに対する抗体の存在及び/又は量、より好ましくは量を検出する。同じサンプルからマーカー及び同じ又は異なるマーカーに対する抗体の存在及び/又は量を決定することも可能である。
本発明の好ましい実施の形態では、マーカーは、Pellinoホモログ1(ショウジョウバエ)(PELI1)、TNF受容体関連タンパク質1(TRAP1)、保存オリゴマーゴルジ複合体サブユニット3(COG3)、ホモ・サピエンス溶質キャリアファミリー38メンバー3(SLC38A3)、ホモ・サピエンス成長停止特異的2様3(GAS2L3)からなる群から選択される。少なくとも1つのマーカー又は少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体の存在を検出し、それを好ましくはラクナ亜型虚血性脳卒中を心原性亜型虚血性脳卒中及びアテローム血栓性亜型虚血性脳卒中又は虚血性脳卒中類似症と区別するためにラクナ亜型虚血性脳卒中の発生又は非発生に関連付ける。
本発明の別の好ましい実施の形態では、マーカーは、Pellinoホモログ1(ショウジョウバエ)(PELI1)、TNF受容体関連タンパク質1(TRAP1)、保存オリゴマーゴルジ複合体サブユニット3(COG3)、ホモ・サピエンス溶質キャリアファミリー38メンバー3(SLC38A3)、ホモ・サピエンス成長停止特異的2様3(GAS2L3)からなる群から選択される。少なくとも1つのマーカー又は少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体の存在を検出し、それをラクナ亜型虚血性脳卒中の発生又は非発生に関連付ける、好ましくは脳卒中類似症に対するラクナ亜型虚血性脳卒中の発生又は非発生に関連付ける。
マーカーをそのまま又は2種類、3種類、4種類若しくは5種類のマーカーと組み合わせて又は他のマーカーと組み合わせて使用することができる。マーカーの特定の組み合わせのシグネチャーを誘導し、本方法の感度及び特異性を増大することも可能である。
本発明の別の目的は、虚血性脳卒中の検出のための、好ましくはラクナ亜型虚血性脳卒中を虚血性脳卒中類似症と区別するための、より好ましくはラクナ亜型虚血性脳卒中を虚血性脳卒中類似症及び心原性亜型虚血性脳卒中又はアテローム血栓性亜型虚血性脳卒中と区別するための被験体由来のサンプルにおける、Pellinoホモログ1(ショウジョウバエ)(PELI1)、TNF受容体関連タンパク質1(TRAP1)、保存オリゴマーゴルジ複合体サブユニット3(COG3)、ホモ・サピエンス溶質キャリアファミリー38メンバー3(SLC38A3)、ホモ・サピエンス成長停止特異的2様3(GAS2L3)からなる群から選択される少なくとも1つのマーカー又は少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体の使用である。
好ましい実施の形態では、該使用は虚血性脳卒中の検出のための更なるマーカーの使用も包含する。特に好ましい実施の形態では、該使用はラクナ亜型虚血性脳卒中の検出のための先に記載のマーカー又はこれらのマーカーに対する抗体の内の少なくとも1つの使用を含む。
別の好ましい実施の形態では、該使用は、ラクナ亜型虚血性脳卒中の検出のための、好ましくはラクナ亜型虚血性脳卒中を脳卒中類似症と区別するためのラクナ亜型虚血性脳卒中の虚血性脳卒中の発生又は非発生に関して本方法で先に記載されたマーカー又はマーカーに対する抗体の使用を包含する。
本発明の別の目的は、虚血性脳卒中の検出のためのデバイスであって、
a)被験体由来のサンプルにおいて、Pellinoホモログ1(ショウジョウバエ)(PELI1)、TNF受容体関連タンパク質1(TRAP1)、保存オリゴマーゴルジ複合体サブユニット3(COG3)、ホモ・サピエンス溶質キャリアファミリー38メンバー3(SLC38A3)、ホモ・サピエンス成長停止特異的2様3(GAS2L3)からなる群から選択される少なくとも1つのマーカー又は少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体の量及び/又は存在を決定する手段と、
b)参照値に対して及び/又は分類方法により、前記マーカー(複数の場合もあり)又は前記マーカー(複数の場合もあり)に対する抗体の量及び/又は存在を分析する手段と、
を備える、虚血性脳卒中の検出のためのデバイスである。
好ましい実施の形態では、該デバイスは、ラクナ亜型虚血性脳卒中の検出のための、より好ましくはラクナ亜型虚血性脳卒中を脳卒中類似症及び心原性亜型虚血性脳卒中又はアテローム血栓性亜型虚血性脳卒中と区別するためのデバイスである。
好ましい実施の形態では、該デバイスは、更なるマーカー又は更なるマーカーに対する抗体の量及び/又は存在を決定する手段を更に備える。特に好ましい実施の形態では、該デバイスは、先に記載のマーカー及び/又はこれらのマーカーに対する抗体の内の少なくとも1つの量及び/又は存在を決定する手段を備える。
好ましい実施の形態では、該デバイスは、ラクナ亜型虚血性脳卒中の虚血性脳卒中の発生又は非発生に関して本方法で先に記載されたマーカー又はマーカーに対する抗体の量及び/又は存在を決定する手段を更に備える。
好ましい実施の形態では、量及び/又は存在を決定する手段は、マーカーが固体表面上に固定化される、単一検出方法又は多重検出方法である。それから、該デバイスは先に記載された固定化マーカーに対する少なくとも1つの抗体の量を決定する手段を備える。好ましくはこれらの手段は標識化二次抗体である。
かかるデバイスは測定データを分析し、処理するためのコンピュータユニットを更に備え得る。好ましくは、コンピュータは分類方法を行う又は測定結果を評価するようにプログラミングされている。
別の実施の形態では、かかるデバイスは、参照値及び/又は分類方法、若しくはそれらのパラメータが様々な分析方法のために保存されているデータベースを備え得る。
別の実施の形態では、かかるデバイスがデータを表示する表示手段を備え得る。
別の実施の形態では、測定データを分析する手段は、様々な形(aspects)、例えば虚血性脳卒中及び虚血性脳卒中の亜型におけるデータを分析することができる。
量及び/又は存在を決定する好ましい手段は、上記の本発明の方法に関する実施の形態に関連して開示される。このような場合では、該手段は、システムのユーザーが、マニュアルで与えられた指示及び解釈によって量及びその診断価値又は予後診断価値の決定の結果をまとめるという点において動作可能に接続されている。該手段はかかる実施の形態では別個のデバイスとして存在していてもよく、キットとして一緒にパッケージングされているのが好ましい。当業者であれば、該手段を接続する方法を無理なく理解するであろう。好ましいデバイスは、専門臨床医の特別な知識がなくても適用することができるもの、例えば単にサンプルを充填するだけでよい試験ストライプ又はプレート又は電子デバイスである。結果は、臨床医による解釈を必要とする生データのアウトプットとして与えられていてもよい。しかしながら、デバイスのアウトプットは、解釈に臨床医を必要としない、処理済の、すなわち評価済みの生データであるのが好ましい。更に好ましいデバイスは、本発明の方法に従って上記で言及される、分析ユニット/デバイス(例えばバイオセンサー、アレイ、リガンドと連結した固体支持体、表面プラズモン共鳴デバイス、NMR分光計、質量分光計、蛍光リーダー等)、又は評価ユニット/デバイスを備える。
本発明の別の目的は、先に記載された、被験体において虚血性脳卒中を診断する方法を実施するのに適したキットであって、
a)被験体由来のサンプルにおいて、先に記載された、被験体において虚血性脳卒中を診断する方法で使用されるマーカーである少なくとも1つのマーカー又は少なくとも1つのマーカーに対する抗体の量及び/又は存在を決定する手段と、
b)参照値に対して及び/又は分類方法により、前記少なくとも1つのマーカー又は該少なくとも1つのマーカーに対する抗体の量及び/又は存在を分析する手段と、
を備える、先に記載された、被験体において虚血性脳卒中を診断する方法を実施するのに適したキットに関する。
好ましい実施の形態では、診断される虚血性脳卒中はラクナ亜型虚血性脳卒中である。
好ましい実施の形態では、該キットは先に記載された更なるマーカー又は更なるマーカーに対する抗体の量及び/又は存在を決定する手段を更に備える。
好ましい実施の形態では、該キットは、ラクナ亜型虚血性脳卒中の虚血性脳卒中の発生又は非発生に関して本方法で先に記載された先に記載されたマーカー又はマーカーに対する抗体の量及び/又は存在を決定する手段を更に備える。
マーカーに対する抗体の量及び/又は存在を決定する手段は、マーカーが、例えばプレート又は粒子上に固定化される(マーカーはその表面に配置される)、例えば異なるスポット、例えば溶媒の液滴に固定化される若しくは存在する、単一検出方法又は多重検出方法であり得る。これらのプレートは密着焼付けにより作製することができる。
「キット」という用語は、本明細書で使用される場合、好ましくは別々に又は単一の容器内に与えられる上述の手段の集合体を指す。加えて、該キットは少なくとも1つのマーカー又は少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体、好ましくは少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体の量及び/又は存在を決定する手段を備え得る。任意で、該キットは本発明で規定されるように、被験体における虚血性脳卒中又はその亜型の診断に関する任意の測定(複数の場合もあり)の結果を解釈するためのユーザーマニュアルを更に備え得る。特に、かかるマニュアルには、どれくらいの所定の量及び/又は存在がどの種類の診断に対応するかについての情報が含まれ得る。これは本明細書の他の箇所に詳細に概説されている。加えて、かかるユーザーマニュアルでは、各マーカー又は各マーカーに対する抗体の量を決定するためのキットの部品を正確に使用することについての指示が与えられ得る。
該キットは、必要とされるバッファーの一部又は全てのレシピを更に含有していても、又は予混合成分を含有していてもよい。
該キットは測定データの分析のためのソフトウェアとともにデータキャリアを更に備え得る。
本発明の別の目的は、画像化法(例えばCT、NMR)を用いて虚血性脳卒中を確定する又は除外するための記載の方法のいずれかの組合せである。
本発明の別の目的は、ラクナ脳卒中の予測のための記載の方法の使用である。本明細書に記載のマーカー又はマーカーの組合せもラクナ脳卒中の予測に使用することができる。
本発明の他の目的及び利点は、本明細書及び添付の特許請求の範囲を図面及び本明細書中の表と併せて解釈することで確認することができる。
本発明のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の説明に対する言及を行う。
2つのprotoarrayに関するマーカーBC018950.2によるラクナ亜型ではない虚血性脳卒中(心原性亜型及びアテローム血栓性亜型、左のカラム)、ラクナ脳卒中及び脳卒中類似症の測定データを示す図である。 2つのprotoarrayに関するマーカーNM_006841.3によるラクナ亜型ではない虚血性脳卒中(心原性亜型及びアテローム血栓性亜型、左のカラム)、ラクナ脳卒中及び脳卒中類似症の測定データを示す図である。 2つのprotoarrayに関するマーカーNM_020651.2によるラクナ亜型ではない虚血性脳卒中(心原性亜型及びアテローム血栓性亜型、左のカラム)、ラクナ脳卒中及び脳卒中類似症の測定データを示す図である。 2つのprotoarrayに関するマーカーNM_031431.2によるラクナ亜型ではない虚血性脳卒中(心原性亜型及びアテローム血栓性亜型、左のカラム)、ラクナ脳卒中及び脳卒中類似症の測定データを示す図である。 2つのprotoarrayに関するマーカーNM_174942.1によるラクナ亜型ではない虚血性脳卒中(心原性亜型及びアテローム血栓性亜型、左のカラム)、ラクナ脳卒中及び脳卒中類似症の測定データを示す図である。
先に記載されたように、被験体において虚血性脳卒中を診断する方法は、上記被験体由来のサンプルにおいて、合計5つのタンパク質及びポリペプチドの群から選択される少なくとも1つのマーカー又は少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体の存在及び/又は量を検出する工程を含む。好ましい実施の形態では、マーカーは表1における「配列」の欄に示されるデータベース番号の配列によりコードされるタンパク質及びポリペプチドから誘導される。より好ましい実施形態では、マーカーは表1の「データベースID」の欄に示されるデータベースIDの配列によりコードされるタンパク質及びポリペプチドから誘導される。
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのマーカーに対する少なくとも1つの抗体の存在及び/又は存在を検出する。これはタンパク質マイクロアレイ、例えばInvitrogenのProtoArrayで行うのが好ましい。かかるアレイでは、抗体が結合するタンパク質又はポリペプチドをプレート、多くの場合ニトロセルロースコーティングガラスプレート上にプリンティングする。融合タンパク質、例えばGST融合タンパク質としてタンパク質又はポリペプチドを発現させる必要があり得る。それからプレートをサンプル液とインキュベートし、そのようにして抗体(一次抗体)を検出する。洗浄工程の後、タンパク質又はポリペプチドに結合した抗体はアレイを一次抗体に結合する二次抗体とインキュベートすることにより検出する。この二次抗体を検出可能なタグで標識する。これは蛍光タグ、ホースラディッシュペルオキシダーゼのような酵素タグ、リガンド結合タグであり得る。蛍光の量は一次抗体の量に比例する。この値をアレイに存在するマーカーの量で補正する必要があり得る。
1つのマーカーとは別に、他のマーカーも同時に測定し、分析することができる。
好ましい実施形態では、本方法はラクナ亜型虚血性脳卒中を他の虚血性脳卒中及び/又は脳卒中類似症、好ましくはアテローム血栓性亜型虚血性脳卒中及び心原性亜型虚血性脳卒中及び/又は脳卒中類似症と区別する方法である。
好ましいマーカーを表1又は表2に示す。表2には、本発明の好ましいマーカーの配列番号(Seq-ID-Nos)も与える。
マーカーの配列は公開データベースから入手可能である。対応するタンパク質配列は配列プロトコルにおいて列挙されている。
サンプル調製
測定はInvitrogenのProtoArrayを用いて行った。
12人の対照(脳卒中類似症)及び13人の虚血性脳卒中患者からサンプルを得た。脳卒中患者は、5人がラクナ亜型、4人が心原性亜型、及び4人がアテローム血栓性亜型であった。脳卒中類似症は癲癇発作(4サンプル)、低血糖(1サンプル)、脳腫瘍(3サンプル)、目眩(1サンプル)、撓骨神経麻痺(1サンプル)、偏頭痛(1サンプル)及び失神(1サンプル)と更に分類することができる。
測定には、InvitrogenのProtoArrayを製造業者の標準的なプロトコルに従って使用した(www.invitrogen.com/protoarray)。9500個の天然のヒトタンパク質をバキュロウイルスにおいて発現させ、密着型の焼付けによりチップ上に固定化した。3つの更なるタンパク質が発現され、それをアレイに含めた(2つのNMDAサブユニット)。これらのタンパク質は、GST抗体を用いてマイクロアレイをプロービングすることにより品質管理を可能にするために、GST融合タンパク質として発現させる。
9501個のタンパク質(これらのタンパク質に対する自己抗体)を測定したところ、その内の9411個のタンパク質が固有のものであった。一部のタンパク質は異なるチップ位置で2回試験した。9501個のタンパク質は全て二重で測定した。
測定のために、アレイを任意でプロービングバッファー中で典型的には4℃で2時間サンプルとインキュベートする。サンプルに存在するいずれの抗体もアレイに存在する様々なタンパク質と結合する。サンプルをデカンテーションし、アレイを数回洗浄する。それからアレイを二次抗体とインキュベートする。二次抗体は典型的に蛍光標識化抗体、例えばInvitrogenの抗マウス又は抗ウサギのAlexa Fluor 647である)。このインキュベーションも通常、4℃で2時間行う。それからアレイを数回洗浄し、乾燥させる。次いでマイクロアレイを蛍光スキャナ(GenePix 4000B Fluorescent Scanner、Molecular Devices)でスキャンし、データをGenePix Proソフトウェア(Molecular Devices)により収集し、データの正規化及び処理を行う、Invitrogenで開発されたProtoArray Proscpectorツールを用いて処理した。
測定データを分析する際には、2つの値の最小値(Min)又は平均(Avg)を考慮した。
データを、線形正規化(LN)又はクオンタイル正規化(QN)のいずれかを用いて対照タンパク質及びバックグラウンドに対して更に正規化した。
これにより、データセットの合計4つの組合せ:MinLN、MinQN、AvgLN及びAvgQNが得られた。
負の値はゼロに変換した。データを更に対数変換した(ゼロがある場合には1を加えた後に対数変換した)。
全ての分析をデータセットの4つの組合せ全てで行った。以下の結果は最小値クオンタイル正規化データ(MinQN)を用いて得た。
単変量分析
この分析では、それ自体が重要であるタンパク質を、小さなサンプルサイズの問題を補正する並べ替え検定統計量及びクラスカルワリス検定を用いて同定した。
統計的有意性が偽陽性率(p値)及びファミリー単位の過誤率(FWER)に関して報告される。
脳卒中亜型の分析
この分析では、クオンタイル正規化方法で処理し、正規化したデータを使用した。
重要なタンパク質を得るために、データを並べ替え検定統計量及びクラスカルワリス検定を用いて分析した。2つのサンプルのデータを除外したが、これはこれらのサンプルが2人の患者の入院の1週間後に採取した患者の再採血(redraw)サンプルであったためであった。症状の発現後3時間以内に採血したサンプルのみを分析に含めた。
統計分析により同定された候補マーカーに関するグラフを作成し、それから視覚的に評価した。5つの最も有望な候補マーカーを視覚的に選択した。
ラクナ亜型脳卒中患者対脳卒中類似症の患者に関するデータの分析により、特に重要なマーカーとしてタンパク質に対する5つの抗体が明らかになった。これらのタンパク質を表1に示す。これらのタンパク質のデータのグラフを図1〜図5に示す。
更なる分析において、虚血性脳卒中の異なる亜型に関するデータを分析した。
アテローム血栓性亜型虚血性脳卒中及び心原性亜型虚血性脳卒中及び脳卒中類似症をラクナ虚血性脳卒中と区別するために同定された最も重要なタンパク質を表1に示す。対応するグラフを図1〜図5に示す。
本発明は多くの特定の実施形態に併せて記載及び説明されているが、当業者であれば、本明細書で説明、記載及び特許請求されている本発明の原理を逸脱することなく、変更及び修正を行うことができることを理解するであろう。本発明は精神又は本質的な特性から逸脱していなければ他の特定の形態で具体的に示されていてもよい。記載の実施形態はあらゆる点において例示的なものであり、限定されるものではないとみなされる。そのため本発明の範囲は、上記の記載ではなく添付の特許請求の範囲により示されている。特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内で為される変更は全てそれらの範囲内に包含されるものとする。
Figure 0005832534
Figure 0005832534

Claims (8)

  1. 被験体において虚血性脳卒中を検出する方法であって、
    該被験体由来のサンプルにおいて、Pellinoホモログ1(ショウジョウバエ)(PELI1)に対する少なくとも1つの抗体の存在及び/又は量を検出する工程と、
    該結果を前記被験体における虚血性脳卒中の発生又は非発生に関連付ける工程と、
    を含み、前記虚血性脳卒中がラクナ亜型虚血性脳卒中である、被験体において虚血性脳卒中を検出する方法。
  2. 前記サンプルが前記被験体由来の血液、血清及び/又は血漿のサンプルである、請求項1に記載の方法。
  3. 虚血性脳卒中の検出のための被験体由来のサンプルにおける、Pellinoホモログ1(ショウジョウバエ)(PELI1)に対する少なくとも1つの抗体の使用であって、前記虚血性脳卒中がラクナ亜型虚血性脳卒中である、使用
  4. 虚血性脳卒中の検出のためのデバイスであって、
    a)被験体由来のサンプルにおいて、Pellinoホモログ1(ショウジョウバエ)(PELI1)に対する少なくとも1つの抗体の量及び/又は存在を決定する手段と、
    b)参照値に対して前記少なくとも1つの抗体の量及び/又は存在を分析する手段と、
    を備え、検出される前記虚血性脳卒中がラクナ亜型虚血性脳卒中である、虚血性脳卒中の検出のためのデバイス。
  5. 請求項1又は2に記載の方法を実施するのに適したキットであって、
    a)被験体由来のサンプルにおいて、PELI1に対する少なくとも1つの抗体の量及び/又は存在を決定する手段と、
    b)参照値に対して前記少なくとも1つの抗体の量及び/又は存在を分析する手段と、
    を備える、請求項1又は2に記載の方法を実施するのに適したキット。
  6. 画像化法と組み合わせて使用される、請求項1又は2に記載の方法。
  7. ラクナ脳卒中の予測のための請求項1、2又は6に記載の方法の使用。
  8. 前記画像化法がコンピューター断層撮影(CT)又は核磁気共鳴(NMR)である、請求項6に記載の方法。
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