JP5832389B2 - 潤滑油循環機構 - Google Patents

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Description

本発明はプレス装置のスライドの直線運動の潤滑に関するものである。さらに詳しくは、スライドの昇降をガイドするガイド機構に潤滑油を循環させる機構に関する。
特許文献1には、プレス加工における自動浸油装置が開示されている。このものは上ラムの昇降運動によりポンプを作動させ、油タンク内の油を加工製品に噴射するものである。
また特許文献2には、シリンダガイド及びパッキンへの給油方法が開示されている。このものは空圧式のダイクッションの空気圧を利用し、油室の油をシリンダガイド及びパッキンへ給油するものである。
また特許文献3には、筒状のポストメタルと、それに挿通されてガイドされる棒状のガイドポストとを備えたガイド装置が開示されている。そのポストメタルの内周面には、半径方向の外向きに凹状に形成されたポケット室が設けられている。このポケット室には外部のポンプにより油が流入している。その油は絞り弁を介して圧力がかけられている。このため前記ポケット室はいわば圧力溜りとされ、ポケット室からガイドポストの外周面に圧油を供給するのに用いられている。
さらに特許文献4には、回転軸の回転運動を利用して油を給油する、すべり軸受けが開示されている。このものは、回転軸に螺旋状の連続油溝を形成し、回転運動により粘性のある油を前記連続油溝に沿って回転軸の先端から後端に導くものである。
実開昭54−39782号公報 特開平10−332078号公報 特開平10−85997号公報 実開平5−54822号公報
特許文献1では、別個のポンプで油タンクに油を給油しなければならない。
特許文献2、3でも同様に別個のポンプによりそれぞれ油室およびポケット室に油を給油しなければならない。
また特許文献4では回転運動を潤滑油の循環に利用しているが、ガイド機構のような直線運動を潤滑油の循環に利用することを教えてない。
そこで本発明は、別個のポンプなどの駆動源を必要としないガイド機構のための潤滑油循環機構を提供することを課題とする。
本発明の潤滑油循環機構(請求項1)は、シリンダとそのシリンダに摺動自在なガイドロッドとからなり、プレス装置のスライドの昇降をガイドするガイド機構と、前記シリンダとガイドロッドの隙間に潤滑油を給油し、給油方向の流れを許す給油用の弁を備えた給油回路と、その給油された潤滑油を回収し、回収方向の流れを許す回収用の弁を備えた回
収回路とからなり、前記シリンダあるいはガイドロッドのうち一方がスライドと共に移動する可動部材であり、他方が静止部材であり、前記可動部材に、前記静止部材との隙間の断面積が小さくなる小隙間部と、その小隙間部と一方の縁で連続すると共に内向きあるいは外向きに延びている段部と、その段部の他方の縁で連続すると共に前記小隙間部より隙間の断面積が大きくなる大隙間部とが形成され、前記小隙間部及び前記大隙間部と前記静止部材との両方の隙間は、前記給油用の弁と前記回収用の弁との間に形成されたものであり、前記両方の隙間、前記静止部材がその両端付近で油密にされることにより形成される油溜りを構成しており、その油溜りに前記大隙間部と前記小隙間部とが、前記スライドの昇降に伴い交互に出入りし、油溜りの容積を増減させることによりポンプ機能が発揮され、その容積の増大により前記給油回路から前記回収された潤滑油を吸引し、減少により再び給油するために前記回収回路へ潤滑油を吐出していることを特徴とする。
このような潤滑油循環機構において、前記油溜りに、ガイドロッドのストローク量と同じ間隔か、それより大きい間隔を空けて2つの連通孔が連通し、それら連通孔にそれぞれ前記給油回路および回収回路が連通しているのが好ましい(請求項2)。
また前記ガイドロッドが可動部材で、前記シリンダが静止部材であり、前記給油用の弁および回収用の弁が、前記シリンダに設けられているのが好ましい(請求項3)。
本発明の潤滑油循環機構(請求項1)は、可動部材と静止部材との間の隙間を静止部材の両端付近で油密にし、油溜りを形成している。そして可動部材に、前記油溜りに進入することにより油溜りの容積を減少させる、静止部材との隙間の小さい小隙間部と、前記油溜りに進入することにより油溜りの容積を増加させる、小隙間部より隙間の大きい大隙間部とを設けている。それら小隙間部と大隙間部とが、スライドの昇降と共に前記油溜りに交互に出入りすることにより、油溜りの容積の増減が繰り返される。この繰り返しにより、潤滑油の吸引および吐出が、弁を備えた循環回路(給油回路および回収回路)を介して行われる。このためポンプやモータなどの別個の駆動機構を必要としない。さらに油密な油溜りに給油回路および回収回路が連結され、閉回路とされているので、潤滑油を循環させることができる。また循環しているので、シリンダとガイドロッドの摺動で発生した熱を効率的にガイド機構内から除去することができる。さらに給油回路や回収回路にフィルタを設ければ、万一摺動による磨耗紛が潤滑油に混入しても容易に除去できる。また摺動部が油密になっている油溜り内にあるので、潤滑油の飛散を防止できる。
その上で、静止部材となる、ガイドロッドまたはシリンダのうち一方の油溜りを挟んで離れた2箇所で、可動部材となる他方の、ガイドロッドまたはシリンダを摺動自在にガイドする。このため本発明の潤滑油循環機構は、スライドの昇降をガイドする機能と、潤滑油を吸引・吐出するポンプ機構とを、簡易な機構でかつ、省スペースで兼ねている。
またスライドの1ストローク当たりの潤滑油の循環量は、例えばガイドロッドを可動部材とした場合には、スライドの上死点と下死点における油溜りの容積の変化量、すなわち静止部材と可動部材の間に形成された小隙間部の断面積と、大隙間部の断面積との面積差にスライドのストローク量(長さ)を乗じた値になる。ここで言う断面積とは、可動部材のストローク方向と直角をなす面の断面積である。
スライドストローク量(長さ)や、ガイド機構として要求される強度や剛性を得る為のガイドロッドの最小外径は、要求されるプレス機械の基本仕様や動的精度により決められるものである。ガイド機構に必要な潤滑油の循環量を得るためには、スライドストローク量(長さ)に対応して、必要な潤滑油の循環量を得られるような小隙間部と大隙間部との断面積の差を求め、その後この断面積の差を実現できるように、ガイドロッドの径を前記最小外径以上にするという条件の下に、可動部材の大径部と小径部の径を決めればよい。
より具体的には、ガイド機構の大隙間部に十分なガイドのための強度を備えた設計を行い、その後に必要な潤滑油の循環量から決まる小隙間部と大隙間部との断面積差を考慮して小隙間部を設計することができるので、必要なスライドのストローク量(長さ)とガイド機構としての強度・剛性を確保しつつ、必要な潤滑油の循環量が得られる。
このような潤滑油循環機構において、前記油溜りに、ガイドロッドのストローク量と同じ間隔か、それより大きい間隔を空けて2つの連通孔が連通し、それら連通孔にそれぞれ前記給油回路および回収回路が連通している場合は(請求項2)、スライドの1ストローク毎に、給油用の連通孔から油溜り内を経て回収用の連通孔へ向かう潤滑油の流れが生じる。それにより油溜り内における、潤滑油の滞留するデッドスポットの形成を防止できる。
また前記ガイドロッドが可動部材で、前記シリンダが静止部材であり、前記給油用の弁および回収用の弁が、前記シリンダに設けられている場合は(請求項3)、循環回路が固定され、動かない。そして外側に配置されたシリンダに配管するので、簡単な機構である。
図1は本発明の潤滑油循環機構の作動状態を示す概略断面図である。 図2はプレス装置の正面図である。 図3は図1の潤滑油循環機構の作動する様子を示す概略工程図である。 図4は本発明の潤滑油循環機構の他の実施形態の作動状態を示す概略断面図である。 図5は本発明の潤滑油循環機構のさらに他の実施形態の作動状態を示す概略断面図である。 図6は本発明の潤滑油循環機構のさらに他の実施形態の作動状態を示す概略断面図である。
まず図2を用いて本発明の潤滑油循環機構の用いられるプレス装置16を説明する。なお図2の正面図においてスライドの昇降する方向を上下方向とする。また前後方向とは図2の正面図に記載されている側を前としている。さらに左右方向とは図2の紙面の左右で、すなわち正面から背面を向いたときを基準とする。
前記プレス装置16は、潤滑油循環機構1以外は従来公知のプレス装置であり、例えばベッド17と、そのベッド17の前後左右の4箇所から立ち上がる4本のコラム18と、それらのコラム18の上端に設けられるクラウン19とから構成される枠状のフレームを備えたものである。ベッド17の上方にはボルスタ20が設けられている。またクラウン19には、クランク軸21の端部が回転自在に支持されている。そのクランク軸の偏心部には、コネクティングロッド22の大端部が回転自在に取り付けられている。そのコネクティングロッド22の下端にはスライド23が連結されている。そのスライド23の下面には図示しない上型が、前記ボルスタ20の上面には図示しない下型が、それぞれ取り付けられる。
前記スライド23の昇降はガイド機構2でガイドされている。そのガイド機構2には、潤滑油が供給されている。前記ガイド機構2は、図ではスライド23の左右の2か所に設けられているが、前後左右の4か所に設けてもよい。
図1に潤滑油循環機構1の概略図を示す。左右の潤滑油循環機構1、1は同じであるので、左方の潤滑油循環機構1について説明し、右方の潤滑油循環機構1の説明は省略する。その潤滑油循環機構1は、前記ガイド機構2と、前記シリンダ4とガイドロッド5の隙間6に潤滑油7を給油し、給油した潤滑油7を回収する循環回路3とからなる。
前記ガイド機構2は、シリンダ4と、そのシリンダ4に摺動自在なガイドロッド5とを備えている。図1ではシリンダ4が静止部材で、ガイドロッド5が可動部材である。前記
ガイド機構2のシリンダ4は、図ではベッド17に設けられているが、静止している部材や床面に取り付けてもよい。一方、ガイドロッド5はスライド23に設けられている。前記ガイドロッド5は、シリンダ4に対し往復移動することによりプレス装置16のスライド23の昇降をガイドしている。
またシリンダ4を可動部材とし、ガイドロッド5を静止部材とすることについては、後述する(図5参照)。
前記シリンダ4は筒状であり、その内部に柱状のガイドロッド5が摺動自在に通されている。この実施形態では、シリンダ4を円筒形状とし、ガイドロッド5をシリンダ4の円筒内に挿通される円柱形状としている。
また図示していないが、断面を矩形状としたガイドロッド5をそれと同形の開口部を有するシリンダ4に摺動自在に通してもよい。
前記シリンダ4は、シリンダチューブ4aと、その上下に設けられる上部ガイドロッドカバー4bと、下部ガイドロッドカバー4cとを備えている。それら上部ガイドロッドカバー4bおよび下部ガイドロッドカバー4cの内面には、シール8、8が設けられている。そのシール8は、前記ガイドロッド5の外周面に当接しており、シリンダ4の内周面とガイドロッド5の外周面との間を油密にしている。これにより、シリンダ4の内周面とガイドロッド5の外周面との間の隙間6の一部に閉じられた空間が形成される。その空間が、潤滑油7が溜められる油溜り9である。
前記シリンダ4は、シリンダチューブ4aと、上下のガイドロッドカバー4b、4cとに3分割できる。このためシール8の交換などのメンテナンス作業が容易である。
前記シール8としては、オイルシールを用いるのが好ましく、リップパッキン、Oリングなどの従来公知の接触形のものが用いられる。
前記ガイドロッド5には、軸方向の中間付近に形成された段部5aを介して上方の小隙間部(以下、大径部)5bと、下方の大隙間部(以下、小径部)5cとが設けられている。前記大径部5bはシリンダチューブ4aの内周面との隙間(図1の上図の符号6a参照)が小さく、小径部5cはその隙間(図1の下図の符号6b参照)が大きい。
前記段部5aは、図では軸線に直角であるが、図3に示すように傾斜させたり、図示していないが湾曲させて、小径部5cから大径部5bへ滑らかに連続させるようにしてもよい。
前記ガイドロッド5の大径部5bと小径部5cとは、同軸にされ、相似形である。また大径部5bと小径部5cとを偏心させて配置したり、非相似形にしてもよい。偏心して配置したり、非相似形の場合には、大径部5b、小径部5cの大小は、それらの平均径が基準にされる。またそれらの平均断面積を基準にしてもよい。
なお図示していないが、前記ガイドロッド5の大径部5bあるいは小径部5cのシール8と当接しない部分を、円錐状にしたり、それらの周面に局所的に凹凸を設けたりしてもよい。
図1の実施形態において、前記ガイドロッド5は、スライド23が下降した際に、すなわちプレス加工の際に、大径部5b(小さい隙間6a側)がシリンダチューブ4aの内周面に対向するように大径部5bが小径部5cの上側に配置されている。
すなわちガイドロッド5の大径部5bは上部ガイドロッドカバー4bにガイドされ、小径部5cは下部ガイドロッドカバー4cによってガイドされる。このようにガイドロッド5は、上下に離れた上部ガイドロッドカバー4bと下部ガイドロッドカバー4cとでガイドされるので、ガイド機構2はスライドの昇降を精度良くガイドする。
前記ガイドロッド5の段部5aは、油溜り9内を上下に移動する。その段部5aの移動
する量は、スライド23のストローク量と同じである。このため前記油溜り9の軸方向の長さ、すなわち上下のシール8、8の間隔は、スライド23のストローク量と同じか、それより長くされる。
前記油溜り9には、ガイドロッド5の大径部5bと小径部5cとが、前記スライド23の昇降に伴い交互に出入りする。すなわち図1の上図に示すように、前記スライド23が下降すると、大径部5bが下降して、油溜り9内に入り込み、油溜り9の容積は小さくなっている。一方、図1の下図に示すように、前記スライド23が上昇すると、前記大径部5bが上方に抜け、小径部5cが上昇し、今度は小径部5cが油溜り9内に入り込み、油溜り9の容積は大きくなっている。このように油溜り9の容積は、大径部5bと小径部5cの断面積の差にスライドストロークを乗じた分だけ増減する。その容積の増大により循環回路3から潤滑油7が吸引され、減少により循環回路3へ潤滑油7が吐出される。
前記循環回路3は、潤滑油7のタンク10と、そのタンク10と油溜り9とを連結する給油/回収用の配管11a、11bとを備えている。その給油用の配管11aには、前記油溜り9に潤滑油7を給油する方向の流れを許す給油用の逆止弁12aが設けられている。一方、回収用の配管11bには、前記給油された潤滑油7を回収する方向の流れを許す回収用の逆止弁12bが設けられている。
前記給油用の配管11aと、給油用の逆止弁12aとは、給油回路14を構成している。一方、前記回収用の配管11bと、回収用の逆止弁12bとは回収回路15を構成している。
前記タンク10は、大気圧下に開放されている。前記回収用の配管11bはタンク10の潤滑油7の油面より上方に連通している。前記給油用の配管11aはタンク10の底面に連通されている。前記タンク10の潤滑油7の油面は、油溜り9の上端より上方に配置されていると、潤滑油7が油溜り9に給油されやすい。
前記給油用および回収用の逆止弁12a、12bは、チェック弁とも呼ばれる従来公知のものである。それら逆止弁12a、12bには、バネなどの付勢部材の付勢力によりクラッキング圧がかかっており、前記油溜り9内の油圧と大気圧(タンク内圧力)の差が、そのクラッキング圧を超えると、前記逆止弁12a、12bに潤滑油7が流れる。
また前記逆止弁12a、12bは、流れの方向を制御する弁(バルブ)、すなわち方向制御弁であればよい。例えば逆止弁12a、12bの代わりに、機械式切換弁や電磁切換弁を用いる場合、給油時には、給油用の弁を開とし、回収用の弁を閉とし、回収時には給油用の弁を閉とし、回収用の弁を開とすればよい。これら弁をスライド23の昇降に連動して開閉させるためには、所定のタイミング、例えばプレスのスライド23を駆動するクランク軸21(図2参照)の角度に応じて、弁を切り換えるための切換駆動装置や制御装置が別途必要になる。
このような機械式切換弁や電磁切換弁を用いる利点は、例えば逆止弁では、油溜り9にエアが混入した場合とそうでない場合とで、大気圧(タンク圧)と油溜り9との圧力差により、逆止弁のクラッキング圧に達するタイミングが異なる、すなわちエアが混入することにより、逆止弁が開閉動作するスライド23の昇降位置が変わるが、前記機械式切換弁や電磁切換弁では、クランク角度に対応してその開閉を行うことができる、という点が挙げられる。従って、より正確な潤滑油7の循環量を得られる。
一方、逆止弁12a、12bを用いる利点は、スライド23の昇降に伴う油溜り9の圧力変動により、給油回路14と回収回路15の弁の開閉が自動的に行われるので、所定のタイミングで弁を切り換えるための前述の切換駆動装置や制御装置を必要としない、という点である。
前記シリンダ4には、ガイドロッド5のストローク量と同じ間隔を空けて2つの連通孔13a、13bが形成され、油溜り9に連通している。それら連通孔13a、13bには、それぞれ前記給油用の逆止弁12aおよび回収用の逆止弁12bに連通している。このためスライドの1ストローク毎に、給油用の連通孔13aから油溜り9内を経て回収用の連通孔13bへ向かう潤滑油の流れが生じる。それにより、油溜り9内の、潤滑油7の滞留するデッドスポットの形成を防止できる。
ここから図3を用いて潤滑油循環機構1の作動する様子を説明する。工程S1では、スライド23(図2参照)が下降端にあり、大径部5bの大部分が油溜り9内(図の斜線部参照)に配置され、その油溜り9に潤滑油7が給油されている(S1)。次いで、スライド23の上昇と共に大径部5bが上方に抜け、小径部5cが油溜り9内へ進入し、油溜り9の容積が増大し、その内部の油圧が減少する。油圧の減少により、給油用の逆止弁12aから油溜り9に向けて潤滑油7が流れる(S2)。そして、スライド23が上昇端に到達する(S3)。次いでスライド23が下降すると、大径部5bが油溜り9内へ進入し、油溜り9の容積が減少し、内部の油圧が増大する。その油圧の増大により回収用の逆止弁12bからタンク10に向けて潤滑油7が流れる(S4)。そして、スライド23が下降端に到達する(S1)。
前記潤滑油循環機構1によれば、ポンプやモータなどの別個の機構を備えなくても、潤滑油7の吸引と吐出を行うことができる。すなわちスライド23の昇降をガイドする機能と、潤滑油7を吸引・吐出するポンプとしての機構とを、簡易な機構でかつ、省スペースで兼ねている。
また油密にされた油溜り9に給油回路14および回収回路15が連結され、閉回路とされているので、潤滑油7を循環させることができる。潤滑油7が循環しているので、シリンダ4とガイドロッド5の摺動で発生した熱を効率的にガイド機構2内から除去できる。さらにタンクまたは給油回路14にフィルタを設ければ、万一摺動による磨耗紛が潤滑油7内に混入した場合でも、それを容易にガイド機構2内から除去することができる。さらに給油回路14、回収回路15、及びその内部に上下のガイドロッドカバー4b,4cとガイドロッドとの摺動部を有する油溜り9の何れにおいても、潤滑油は外部に開放されていないので、潤滑油7の飛散を防止できる。
またスライド23の1ストローク当たりの潤滑油7の循環量は、油溜り9の容積の変化量、すなわちガイドロッド5の大隙間部5bの断面積と小隙間部5cの断面積との断面積差にガイドロッド5のストローク量を乗じた値になる。ここでいう断面積とは、ガイドロッド5のストローク方向と直角をなす面の断面積のことである。すなわち、要求されるプレス機械の基本仕様や要求されるプレス機械の動的精度によりスライドストローク量(長さ)やガイドロッドの最小外径が決められていても、可動部材の大径部と小径部の断面積の差を任意に決定することにより、ガイド機構2の潤滑油7のプレススライド1ストロークあたりの循環量を任意に設定できる。
より具体的には、ガイド機構の大隙間部に十分なガイドのための強度を備えるように設計を行い、その後に必要な潤滑油の循環量から決まる小隙間部と大隙間部との断面積差を考慮して小隙間部を設計することができるので、必要なスライドのストローク量(長さ)とガイド機構としての強度・剛性を確保しつつ、必要な潤滑油の循環量が得られる
また図示していないが、前記タンク10を大気圧に開放しないで、タンク10の上方にいくらか空気を入れた状態で密閉してもよい。またタンクの代わりに給油回路14と回収回路15の潤滑油量の変動を吸収するアキュムレータを取り付けても良い。さらにスライド23の1ストロークあたりの循環量が十分少ない場合には、前記給油および回収用の配管11a、11bに、圧力の変動に対応して内容積が変動できるゴムホースを用いると共に、タンク10を介さないで配管11aと11bを直接接続することで、前記タンク10を省略してもよい。
一方、上下のシール8、8の間隔が短い場合、1つの連通孔から1本の配管を延ばし、それを途中で給油用の回路と回収用の回路に分岐してもよい。
図4に潤滑油循環装置の他の実施形態を示す。上図はスライド23(図2参照)が下降端にある状態を示し、下図は上昇端にある状態を示している。下部ガイドロッドカバー4cの内面と、シリンダチューブ4aの内面とは面一にされている。そして下方のシール8に大きな隙間を油密にできるシール8を用いている。作用は図1の潤滑油循環装置1と同じである。
図5に潤滑油循環装置のさらに他の実施形態を示す。このものはシリンダ4を可動部材とし、ガイドロッド5を静止部材としたものである。上図はスライド23(図2参照)が下降端にある状態を示し、下図は上昇端にある状態を示している。なお図1の実施形態と共通する部分の詳細な説明は省略する。
このもののガイドロッド5は、円柱形状であり、その長尺な軸に垂直な断面形状は円形である。その断面形状は矩形状など他の形状にすることもできるが、前記軸方向に同じ断面形状であるのが好ましい。そのガイドロッド5の上下にはシール8、8が設けられている。
また前記ガイドロッド5は、中央の部位と、上下のシール8、8が設けられている部位とに3分割できる機構にすると、シール8、8の交換などのメンテナンスが容易になる。作用は図1の潤滑油循環装置1と同じである。
前記シリンダ4には、その内周面の軸方向の中間付近に段部4dが形成されている。そして、その段部4dを介して上方の小内径部4eと、下方の大内径部4fとが形成されている。
前記小内径部4eは、ガイドロッド5の外周面との隙間(上図の符号6a参照)が小さく、大内径部4fは前記隙間(下図の符号6b参照)が大きい。このため大内径部4fとガイドロッド5の外周面とを油密にする下方のシール8は、大きな隙間を油密にできるものが採用される。前記シリンダ4の大内径部4fと小内径部4eとは、同軸にされ、相似形である。これらを偏心させて配置したり、非相似形にしてもよい。
図では前記シリンダ4が下降した際、すなわちプレス加工の際に、シリンダ4の小内径部4e(小さい隙間6a側)がガイドロッド5の外周面に対向するように配置されている。また図示していないが、シリンダ4の上方を大内径部4fとし、下方を小内径部4eとしてもよい。
循環回路3は、静止部材であるガイドロッド5に連結されている。そのガイドロッド5の外周面には、給油用の連通孔13aと回収用の連通孔13bが形成されている。またガイドロッド5には、その下端から長手方行の上方に延び、途中で半径方向の外向きに延びる2本の給油用および回収用の油路5d、5eが形成されている。それら給油用の油路5dおよび回収用の油路5eは、それぞれ給油用の連通孔13aと、回収用の連通孔13bとに連通している。
次に図5のガイドロッド5の他の実施形態を示す。図6に示すように、ガイドロッド5の下方の部分が拡径している。このため下方のシール8、すなわち大内径部4fとガイドロッド5の外周とのシール8に、上方のシール8の場合とほぼ同じ幅の隙間を油密にできるものを採用することができる。
前記給油用の配管11aおよび回収用の配管11bは、可動部材に取り付けることもできる。しかしそれを静止部材に連結するのが好ましい。配管が動かないので、配管や取付けが容易になるからである。
1 潤滑油循環機構
2 ガイド機構
3 循環回路
4 シリンダ
4a シリンダチューブ
4b 上部ガイドロッドカバー
4c 下部ガイドロッドカバー
4d 段部
4e 小内径部
4f 大内径部
5 ガイドロッド
5a 段部
5b 大径部
5c 小径部
5d 給油用の油路
5e 回収用の油路
6 隙間
6a 小さい隙間
6b 大きい隙間
7 潤滑油
8 シール
9 油溜り
10 タンク
11a 給油用の配管
11b 回収用の配管
12a 給油用の逆止弁
12b 回収用の逆止弁
13a 給油用の連通孔
13b 回収用の連通孔
14 給油回路
15 回収回路
16 プレス装置
17 ベッド
18 コラム
19 クラウン
20 ボルスタ
21 クランク軸
22 コネクティングロッド
23 スライド

Claims (3)

  1. シリンダとそのシリンダに摺動自在なガイドロッドとからなり、プレス装置のスライドの昇降をガイドするガイド機構と、
    前記シリンダとガイドロッドの隙間に潤滑油を給油し、給油方向の流れを許す給油用の弁を備えた給油回路と、
    その給油された潤滑油を回収し、回収方向の流れを許す回収用の弁を備えた回収回路とからなり、
    前記シリンダあるいはガイドロッドのうち一方がスライドと共に移動する可動部材であり、他方が静止部材であり、
    前記可動部材に、前記静止部材との隙間の断面積が小さくなる小隙間部と、その小隙間部と一方の縁で連続すると共に内向きあるいは外向きに延びている段部と、その段部の他方の縁で連続すると共に前記小隙間部より隙間の断面積が大きくなる大隙間部とが形成され、
    前記小隙間部及び前記大隙間部と前記静止部材との両方の隙間は、前記給油用の弁と前記回収用の弁との間に形成されたものであり、
    前記両方の隙間、前記静止部材がその両端付近で油密にされることにより形成される油溜りを構成しており
    その油溜りに前記大隙間部と前記小隙間部とが、前記スライドの昇降に伴い交互に出入りし、油溜りの容積を増減させることによりポンプ機能が発揮され
    その容積の増大により前記給油回路から前記回収された潤滑油を吸引し、減少により再び給油するために前記回収回路へ潤滑油を吐出している、潤滑油循環機構。
  2. 前記油溜りに、ガイドロッドのストローク量と同じ間隔か、それより大きい間隔を空けて2つの連通孔が連通し、
    それら連通孔にそれぞれ前記給油回路および回収回路が連通している、請求項1記載の潤滑油循環機構。
  3. 前記ガイドロッドが可動部材で、前記シリンダが静止部材であり、
    前記給油用の弁および回収用の弁が、前記シリンダに設けられている、請求項1または2に記載の潤滑油循環機構。
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