JP5832206B2 - 風力発電用の増速機 - Google Patents

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    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Description

本発明は、風力発電用の増速機に関する。
例えば特許文献1に、図7〜図9に示されるような風力発電用の増速機が開示されている。
図7及び図8において、風力発電装置1は、基礎6上に立設される支柱2と、支柱2の上端に設置されるナセル3と、該ナセル3に対して回転自在に組付けられたロータヘッド4とを有している。ロータヘッド4は、複数枚(図示の例では3枚)の風車ブレード(風車翼)5が取り付けられている。ナセル3の内部において、ロータヘッド4には、増速機20及び発電機11が接続されている。
風車ブレード5に風が当たると、ロータヘッド4が回転し、該ロータヘッド4の回転が増速機20にて増速した状態で発電機11に伝達される。これにより、ロータヘッド4の(トルクはあるが)速度が遅い回転を、100倍程度の速さに増幅することができ、発電機11から効率的に発電出力を得ることができる。なお、図8に示す符号12はトランス、13はコントローラ、14はインバータ、15はインバータクーラ、16は潤滑油クーラである。
前記増速機20は、図9に示すように、初段に遊星歯車機構22を備えると共に、中段及び後段に平行軸歯車機構24、26を備える。入力軸28から入力されるロータヘッド4の主軸(図示略)の回転は、計3段の歯車機構22、24、26によって増速され、出力軸30から出力される。出力軸30には、前述した発電機11が連結される。
前記遊星歯車機構22は、入力軸28と一体化されたキャリヤ32、該キャリヤ32に固定された遊星ピン34、該遊星ピン34に回転自在に支持された遊星歯車36、該遊星歯車36が同時に噛合する内歯歯車38及び太陽歯車40から主に構成されている。この例では、太陽歯車40が遊星歯車機構22の出力軸42と一体化されると共に、内歯歯車38がケーシング44と一体化されている。
なお、前記遊星ピン34と遊星歯車36との間には、ころ軸受46が介在され、風車ブレード5側から入力されてくる大トルクに対応できるように配慮されている。
特開2009−144533号公報(図6〜図8)
風力発電設備は、その耐用期間が20年前後となるように設計される。このため、増速機についても基本的に20年前後の寿命が確保されることが要求される。
しかしながら、風力発電設備は自然環境下に設置されるので(たとえガイドラインに沿った設計がなされている場合であっても)強風や突風などに起因する増速機に関するトラブルが多いというのが実状である。増速機のトラブルは、一度発生するとその被害は深刻なものとなるため、信頼性の確保が重要視されている。
一般に、増速機の信頼性を確保するにあたって有効な対策は、要するならば、設計時に各要素の安全率(セーフティファクタ)を大きくとることである。しかし、各要素の安全率を大きくとると、当然に増速機全体が大型化して重量も大きくなり、製造コスト、建設コストの増大を招くという問題が生じる。
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであって、新たに見つけた中間課題(後述)を克服することによって、小型、軽量、低コストでありながら、信頼性が高く、寿命の長い風力発電用の増速機を提供することをその本来の課題としている。
本発明のある態様は、遊星歯車機構を備えた風力発電用の増速機に関する。この増速機は、遊星歯車機構の一要素を構成する歯車と、歯車を、軸受を介して回転可能に支持する支持部材と、を備える。歯車と軸受との間または軸受と支持部材との間もしくはその両方に、複数のリング状の部材が介在される。複数のリング状の部材の内周側及び外周側の少なくとも一方に、潤滑剤が進入する隙間が形成されている。
本発明の別の態様もまた、遊星歯車機構を備えた風力発電用の増速機に関する。この増速機は、遊星歯車機構の遊星歯車と、遊星歯車を、遊星歯車と一体的に回転する遊星ピンごと軸受を介して回転可能に支持するキャリヤと、を備える。キャリヤと軸受の外輪との間または遊星ピンと軸受の内輪との間もしくはその両方に、複数のリング状の部材が介在される。複数のリング状の部材の内周側及び外周側の少なくとも一方に、潤滑剤が進入する隙間が形成されている。
本発明の前記中間課題及びその解決原理は、公知のものではないため、ここで、本発明が着目した当該中間課題とその解決原理について、詳細に説明する。
風力発電設備の風車ブレードには、「風速や風向が変化する風」が瞬間的に強く掛かることがある。例えば、強い突風が風車ブレードに掛かると、増速機の各要素には瞬間的に強い加速トルクが掛かる。しかしながら、増速機の先には高速で回転する発電機が負荷として連結されているため、増速機の各要素は、慣性によりこの加速トルクに瞬時に追随して回転速度を増大させることができない。結果として、加速トルクの立ち上りが急峻の場合は、各要素にこの急峻に立ち上がる加速トルクが、(恰も静止している各要素に対して掛かるように)瞬間的にそっくり掛かってしまうことになる。
また、例えば風向きが激しく変化するような悪天候の場合、「突然の逆風」等によって風車ブレードの逆側から風が掛かったりすることがある。すると、該風車ブレードの回転速度が瞬間的に大きく落ち込むという現象が発生する。この場合、増速機の各要素には、入力軸側から強い減速トルクが掛かる。しかし、(加速トルクが掛かるときと異なり)強い減速トルクが突然掛かるときは、たとえ風車ブレードの回転方向は逆にはならなくても、それまで各歯車の歯面間に形成されていたバックラッシの形成方向が反転してしまう現象が発生する。これは、入力軸が「駆動力を付与する状態」から、「制動力を付与する状態」に変化するためである。バックラッシが反転するときは、各歯車の歯面同士が直接ぶつかるため、歯面(この場合通常駆動時と逆側の面)に強い衝撃が加わると考えられる。この状態から、当該「突然の逆風」が止んで再加速するときに歯面のバックラッシは再び反転する。このため、結局、天候が荒れていて風が巻いていると、このような状況が発生するごとに、歯面同士の衝突が繰り返され、各歯面には両側から頻繁に衝撃が掛かってしまうことになる。
本発明は、風力発電用の増速機のトラブルには、強風時に連続的に掛かる大きなトルクだけでなく、むしろ、このような「風速や風向の急変」に起因して、増速機の各要素に瞬間的に(ピーク的に)発生する強い負荷あるいは衝撃が大きく影響していると推察し、こうした強い瞬間的な負荷あるいは衝撃を緩和することを「中間課題」として捉え、この中間課題を克服することによって、上記本来の課題を解決するという発想で創案された。
本発明のある態様では、歯車と軸受との間または軸受と支持部材との間もしくはその両方に、複数のリング状の部材を介在させる。この複数のリング状の部材の内周側及び外周側の少なくとも一方に、潤滑剤が進入する隙間が形成されている。本発明の別の態様では、キャリヤと軸受の外輪との間または遊星ピンと軸受の内輪との間もしくはその両方に、複数のリング状の部材を介在させる。この複数のリング状の部材の内周側及び外周側の少なくとも一方に、潤滑剤が進入する隙間が形成されている。
今、「風速や風向の急変」等に起因して、入力軸回転速度が急変すると、増速機は、本来的に瞬時にその時点で最も安定的な噛合状態を自動的に形成しようとする。このとき本発明によれば、上記隙間の存在により、結果として歯車、軸受、リング状の部材及び支持部材のうちの少なくとも2者同士、もしくはキャリヤ、軸受、リング状の部材及び遊星ピンのうちの少なくとも2者同士が、相対的に半径方向に微小変位することができる。この結果、上記隙間の形成態様が変化して隙間内の潤滑剤の移動(出入り)が発生するため、同時に、該潤滑剤の移動(特に隙間から出て行こうとする移動)を妨げようとする抵抗が発生する。この抵抗により、(もし抵抗がなかったならばそのまま急峻に立ち上がってしまう)負荷や衝撃を鈍らせることができる。
本発明に係る風力発電用の増速機は、強風が吹きやすい地域や、風向きの安定しない地域、すなわち風の乱れが大きい地域に設置される風力発電設備に組み込まれる場合に、特に有効に機能するが、その設置場所は特に限定されない。
また、隙間の形成に寄与するリング状の部材を複数に分割して設けることにより、潤滑剤が分割した隙間から入り込むことができるため、衝撃吸収効果を高めることができる。
本発明によれば、小型、軽量、低コストでありながら、信頼性の高く、寿命の長い風力発電用の増速機を得ることが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る風力発電用の増速機の主要部を示す断面図である。 図1の増速機の全体構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る風力発電用の増速機の主要部を示す断面図である。 遊星ピン、ころ軸受、リング状の部材、潤滑剤、遊星歯車、を図3の右側から見た模式的な平面図である。 本発明の第3実施形態に係る風力発電用の増速機の主要部を示す断面図である。 本発明の更に他の実施形態に係る風力発電用の増速機の遊星歯車機構の概略構成を示すスケルトン図である。 従来(及び本発明)の風力発電設備の全体構成の一例を示す正面図である。 図6の風力発電設備のナセルの内部構成を示す斜視図である。 図6の風力発電設備のナセル内に設置された従来の風力発電用の増速機の一例を示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
本発明に係る増速機が組み込まれる風力発電設備の概略構成については、既に図7、図8を用いて説明したものと同様であるため、重複説明は省略し、以降、増速機自体の構成について詳細にする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る風力発電用の増速機50の主要部を示す断面図、図2は、その全体断面図である。
先ず、図2を参照して、この風力発電用の増速機50は、初段に遊星歯車機構52を備えると共に、中段及び後段に第1、第2平行軸歯車機構54、56を備える。入力軸58から入力される主軸(図示略)の回転は、計3段の歯車機構52、54、56によって増速され、出力軸60から出力される。出力軸60には、発電機(従来の発電機11と同様:図8参照)が連結され、所定の発電がなされる。
前記遊星歯車機構52は、入力軸58と一体化されたキャリヤ62、該キャリヤ62に両持ち支持された遊星ピン64、該遊星ピン64に回転自在に支持された3個(図2では1個のみ図示)の遊星歯車68、該遊星歯車68が同時に内接噛合する内歯歯車70、遊星歯車68が同時に外接噛合する太陽歯車72、及び後述の(複数の)リング状の部材88から主に構成されている。この実施形態では、太陽歯車72は遊星歯車機構52の出力軸80に直接形成されており、内歯歯車70はケーシング74と一体化(固定)されている。図2では、(複数の)リング状の部材88の部材間の境界の図示は省略する。
前記キャリヤ62は、円盤状の一対のキャリヤフランジ62A、62Bが連結部62Cを介して連結・対峙している構成とされ、この一対のキャリヤフランジ62A、62Bの間に前記遊星歯車68、内歯歯車70、太陽歯車72が組み込まれている。キャリヤフランジ62A、62Bは、軸受75、78によって増速機50のケーシング74に(入力軸58ごと)回転自在に支持されている。
前記遊星ピン64は、この一対のキャリヤフランジ62A、62Bに圧入され、両持ち支持されている。前記遊星歯車68は、該遊星ピン64によってころ軸受76およびリング状の部材88を介して回転可能に支持されている。即ち、この実施形態では、遊星歯車68が請求項1の「歯車」に相当しており、ころ軸受76が「軸受」に、遊星ピン64が「支持部材」にそれぞれ相当している。
ここで、図1を合わせて参照して、本実施形態における増速機の遊星歯車の付近の構成をより詳細に説明する。
前述したように、遊星歯車68は、ころ軸受76およびリング状の部材88を介して回転可能に(支持部材である)遊星ピン64に支持されている。この実施形態では2個のころ軸受76が軸方向に並べて配置されている。それぞれのころ軸受76は内輪76A、外輪76B、ころ(転動体)76C、及びリテーナ76Dを備えている。ころ軸受76の内輪76Aは、スペーサ82(82A〜82C)を介してキャリヤフランジ62A、62Bの間で軸方向に位置決めされている。また、ころ軸受76の外輪76Bは、ころ76C、中央のスペーサ82B、及びリテーナ76Dを介して内輪76Aに対して軸方向に位置決めされている。
本実施形態に係る風力発電用の増速機50では、遊星歯車68ところ軸受76(の外輪76B)との間に、複数の、例えば5つのリング状の部材88A〜88Eを介在させている。本明細書では、5つのリング状の部材88A〜88Eをまとめてリング状の部材88と称すことがある。5つのリング状の部材88A〜88Eは軸方向に配列されている。
遊星歯車68は、中心孔68Aを備えている。中心孔68Aには溝68Bが形成されており、この溝68Bに止め輪84が係合している。また、5つのリング状の部材88A〜88Eのうち軸方向で外側すなわち両端部に位置する部材88A、88Eにはそれぞれ、5つのリング状の部材88A〜88Eの軸方向の移動を規制するための段部88AA、88EAが設けられている。リング状の部材88Eの段部88EAは止め輪84に係止され、リング状の部材88Aの段部88AAは遊星歯車68の対応する段部68Cに係止されている。これにより、遊星歯車68に対してリング状の部材88が軸方向に位置決めされる。
リング状の部材88Aの内周面88ABおよびリング状の部材88Eの内周面88EBにはそれぞれ溝88AC、88ECが形成されており、これらの溝88AC、88ECのそれぞれに止め輪85A、85Eが係合している。これにより、2つのころ軸受76の外輪76Bの端部76A1、76B1に対してリング状の部材88が軸方向に位置決めされる。このように、遊星歯車68はリング状の部材88を介して軸方向に位置決めされ、該遊星歯車68の軸方向の動きが拘束されている。
しかし、遊星歯車68は、半径方向の微小な動きは特に拘束されていない。円周方向の動きについては、少なくともころ軸受76(の外輪76B)に対しては、全く拘束されていない。即ち、リング状の部材88の内周側には、小さな間隔の隙間S1が形成されており、外周側にはより大きな隙間S2が形成されている。より具体的には、隙間S1はリング状の部材88の内周面ところ軸受76の外輪76Bの外周面との間に形成され、隙間S2はリング状の部材88の外周面と遊星歯車68の中心孔68Aの周面との間に形成されている。従って、この2つの隙間S1及びS2の存在により、遊星歯車68は支持部材である遊星ピン64に対して半径方向に微小変位可能である。なお、上記隙間S1、S2のうちの一方はなくてもよい。
本実施形態では、隙間S1は、ころ軸受76の外径d1に対して0.3%(3/1000)程度の大きさとなるように設定してある。隙間S1および隙間S2が、遊星歯車68ところ軸受76の外輪76Bが、相対的に半径方向に微小変位することを可能としている。本実施形態では、ころ軸受76は、支持部材である遊星ピン64と一体化された状態で組み込まれているため、遊星歯車68の方が、ころ軸受76に対して微小変位する構成とされている。
遊星歯車68がころ軸受76に対して微小変位可能というのは、結果として、遊星歯車68が、内歯歯車70及び太陽歯車72に対して、通常のバックラッシによる円周方向の微小変位のほかに、隙間S1および隙間S2の分、更に半径方向に微小変位できることを意味する。
隙間S1および隙間S2内には、増速機50内の潤滑剤(潤滑油)が進入可能である。隙間S1および隙間S2内の潤滑剤の機能については、後に詳細に説明する。
次に、本実施形態に係る風力発電用の増速機50の作用を説明する。
風車ブレード5の回転は、ロータヘッド4の主軸を介して増速機50の入力軸58に伝達される。入力軸58の回転はキャリヤ62(キャリヤフランジ62A、62B)を介して遊星歯車68の公転として遊星歯車機構52に入力され、遊星歯車68、内歯歯車70、太陽歯車72の3者の相対回転により、増速された回転が太陽歯車72から遊星歯車機構52の出力軸80へと出力される。
遊星歯車機構52の出力軸80の回転は、カップリング79を介して第1平行軸歯車機構54によって増幅され、第2平行軸歯車機構56によってさらに増幅された後、最終的に当該増速機50の出力軸60から取り出される。増速機50の出力軸60は、発電機11に連結されているため、結局、風車ブレード5の回転を増速した上で発電機11を回転させることができ、効率的な風力発電を行うことができる。
以下、隙間S1および隙間S2の機能に着目しながら遊星歯車機構52の作用をより詳細に説明する。
入力軸58と一体化されたキャリヤ62(キャリヤフランジ62A、62B)が回転すると、このキャリヤフランジ62A、62Bの回転に伴って遊星ピン64が遊星歯車機構52の軸心周りで公転するため、遊星歯車68が太陽歯車72に外接、内歯歯車70に内接した状態で回転する。
遊星ピン64と遊星歯車68との円周方向の相対回転は、専らころ軸受76のころ76Cを介して該ころ軸受76の内輪76Aと外輪76Bとが相対回転することによって実現される。これは、隙間S1、隙間S2はいずれもその間隔が極めて狭いことから、仮に、ころ軸受76の外輪76Bとリング状の部材88との間またはリング状の部材88と遊星歯車68との間もしくはその両方に円周方向の相対回転が発生しようとすると、隙間S1、隙間S2内に存在する潤滑剤に剪断応力が発生するためである。即ち、この剪断応力の発生と相俟って、遊星ピン64と遊星歯車68の円周方向の相対回転に対する抵抗は、ころ軸受76よりも隙間S1、隙間S2の方が遙かに大きくなるため、結果として、(隙間S1、隙間S2の存在に拘わらず)、ころ軸受76の外輪76Bとリング状の部材88と遊星歯車68とは、(少なくとも通常運転時は)相対回転はほとんどしない。
一方、荒れた天候のとき、とりわけ、風向きが頻繁に変わるような強い風が吹いているとき等にあっては、風車ブレード5の回転トルクが変動(あるいは急変)するため、遊星歯車68に掛かるキャリヤ62からの公転推進力も同様に変動する。それによって内歯歯車70や太陽歯車72から受ける噛合反力も変動するため、隙間S1や隙間S2の部分にかかるラジアル荷重が変動する。その結果、遊星歯車68が遊星ピン64(具体的にはこれと一体化されているころ軸受76の外輪76B)に対して半径方向に微小変位する状態が繰り返されることになる。
この微小変位により、円周方向のある部分での隙間S1の間隔が狭くなると、その部分に存在していた潤滑剤が押し潰されながら隙間S1外に押し出される。逆に、直径方向反対側では隙間S1の間隔が拡がり、隙間S1内に潤滑剤が入り込む。このとき、とりわけ隙間S1の間隔がより狭くなって隙間S1内の潤滑剤が押し潰されながら押し出されるとき、潤滑剤に強い圧縮応力と、狭い空間で強制的に移動させられることによる剪断応力が発生する。
この圧縮応力や剪断応力の発生により、隙間S1を挟んだ2つの部材の間でピーク的な負荷が、一方側から他方側に直に(そのまま)伝達されてしまうのが防止される。即ち、リング状の部材88ところ軸受76の外輪76Bとの間で、もし隙間S1がなかったならば、そのまま急峻に大きく立ち上がって急峻に低下するような衝撃的なトルクの伝達が抑制される。
隙間S2についても同様であり、遊星歯車68とリング状の部材88との間で、もし隙間S2がなかったならば、そのまま急峻に大きく立ち上がって急峻に低下するような衝撃的なトルクの伝達が抑制される。
また、仮に、それまで隙間S1内の潤滑剤の円周方向の剪断応力の範囲内で一体的に回転していたリング状の部材88ところ軸受76の外輪76Bの間に、該剪断応力を超える円周方向の負荷がかかると、当該リング状の部材88ところ軸受76の外輪76Bとの間に「滑り」が発生するため、この新たに発生した滑りによっても、衝撃の吸収効果が発揮されると考えられる。
隙間S2についても同様であり、遊星歯車68とリング状の部材88との間の滑りによっても衝撃の吸収効果が発揮されると考えられる。
更には、急峻なトルク変動の伝達が抑制されることによって、バックラッシが反転する頻度を低減することができ、仮に反転したとしても、反転時の歯面の衝撃をより低減することもできる。この効果は、風向きの安定しない地域に設置された風力発電設備の場合、現実的には小さくないと考えられる。
加えて、本実施形態に係る風力発電用の増速機50の場合、遊星歯車68が3個あり、動力伝達がなされる噛合点が計6個所存在するが、各遊星歯車68のピッチ円や公転軌道(キャリヤ62に対する遊星ピン64の位置)は、製造誤差によって必ずばらついている。また、内歯歯車70及び太陽歯車72の同軸性も必ずしも正確に確保されているわけではない。
このため、従来の(遊星歯車機構を備えた)風力発電用の増速機の場合は、ある「特定の噛合点」にのみ、伝達トルクの負荷が強く掛かり易いという傾向があった。言うまでもなく、伝達トルクの負荷を特定の噛合点でのみ強く受けると、当該特定の噛合点でのダメージはより増強されてしまうが、この影響は、急峻に立ち上がって急峻に低下するような衝撃的なトルクが掛かった場合に一層顕著となる。
本実施形態に係る増速機50によれば、隙間S1や隙間S2の存在により、3個の遊星歯車68が、それぞれ内歯歯車70及び太陽歯車72に対して半径方向に微小変位できるため、リアルタイムで(瞬時に)その時点で最も安定的な噛合状態を自動的に且つより容易に形成できるようになるという効果も得られる。この安定的な噛合状態を自動的に形成できる機能は、衝撃的なトルクが掛かったときだけでなく、風向きがそれほど急に変化しないときにも常に維持されるため、より低周波数領域の変動成分の吸収にも寄与すると考えられる。
結果として、隙間S1、隙間S2と該隙間S1、隙間S2内の潤滑剤の存在により、風車ブレード5から発電機11に至るエネルギの総量はほぼ同一でありながら、特に、各要素に加わる負荷のピーク値を低減し、瞬間的な過大負荷や衝撃の発生を低減することができるようになる。この結果、風車ブレード5から入力されてくるトルクを、より安定的に伝達することが可能となり、増速機の寿命を大きく伸ばすことができる。
さらに、本実施形態では、リング状の部材88自体が、遊星ピン64(及びこれと一体化されたころ軸受76の外輪76B)に対して半径方向に微小変位可能であり、且つ、このリング状の部材88に対して遊星歯車68が半径方向に微小変位可能な構成とされているため、変動成分を良好に吸収可能な周波数領域をより拡大することができる。
また、本実施形態では、リング状の部材88が、軸方向に分割されているので、潤滑剤は隣り合うリング状の部材間の隙間から隙間S1や隙間S2に入り込むことができる。このように潤滑剤の通路をより多く設けることで、潤滑剤を隙間S1や隙間S2により容易に進入させることができ、衝撃吸収効果を高めることができる。このような作用効果は、隙間S1や隙間S2が比較的狭い場合やそれらの隙間が軸方向に比較的長い場合により顕著である。
なお、変動吸収を意図する周波数領域によっては、支持部材である遊星ピン64ところ軸受76(の内輪76A)との間に、隙間S3(図1にて想像線にて図示)を追加的に形成するのは有効である。
さらには、このようなリング状の部材88を、遊星歯車68ところ軸受76の外輪76Bとの間に代えて、あるいは遊星歯車68ところ軸受76の外輪76Bとの間に加えて、ころ軸受76の内輪76Aと遊星ピン64の間に配置するようにしてもよい。
隙間S1の大きさも隙間S1の内径(上記実施形態ではころ軸受76の外輪76Bの外径)の3/1000に限定されない。隙間の形成位置、形成個数、あるいは大きさ(間隔)を変更すると、微小変位できる部材の慣性質量や変位の態様が異なってくるため、変動(負荷変動)を良好に吸収できる領域の周波数成分を調整することができる。このため、風力発電設備を設置する地域において実際に吹く風の性質を考慮して適宜に設定するとよい。
図3は、本発明の第2実施形態に係る風力発電用の増速機91の主要部を示す断面図である。
風力発電用の増速機91では、遊星歯車68ところ軸受76(の外輪76B)との間に、複数の、例えば5つのリング状の部材100A〜100Eを介在させている。第1実施形態と同様に、5つのリング状の部材100A〜100Eの内周側には、小さな間隔の隙間S1が形成されており、外周側にはより大きな隙間S2が形成されている。より具体的には、隙間S1はリング状の部材100Bの内周面ところ軸受76の外輪76Bの外周面との間に形成され、隙間S2はリング状の部材100Dの外周面と遊星歯車68の中心孔の周面との間に形成されている。
5つのリング状の部材100A〜100Eのうち軸方向で中間に位置する3つのリング状の部材100B、100C、100Dはこの順に半径方向に配列されており、それらの部材100B、100C、100Dの軸方向外側すなわち両端部にはそれぞれリング状の部材100A、100Eが位置する。3つのリング状の部材100B、100C、100Dのうちの半径方向に隣接する2つの間には隙間が設けられる。すなわち、リング状の部材100Bとリング状の部材100Cとの間に隙間S4が設けられ、リング状の部材100Cとリング状の部材100Dとの間に隙間S5が設けられる。隙間S4、隙間S5には、例えばリング状の部材100Aと3つのリング状の部材100B、100C、100Dとの間の隙間から潤滑剤が進入可能である。隙間S4および隙間S5は、隙間S1や隙間S2と同様に機能する。
リング状の部材100A、100Eはそれぞれ、遊星歯車68の軸方向の動きの拘束について、第1実施形態のリング状の部材88A、88Eと同様の構成を有する。
図4は、遊星ピン64、ころ軸受76、リング状の部材100E、潤滑剤104、遊星歯車68、を図3の右側から見た模式的な平面図である。図4では、隙間S1の表示は省略する。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、図3、図4の中で第1実施形態と同一または機能的に類似する部分に同一の符号を付すにとどめ、重複説明を省略する。
本実施形態に係る風力発電用の増速機91によると、第1実施形態に係る風力発電用の増速機50と同様の作用効果が奏される。さらに、本実施形態に係る風力発電用の増速機91では、3つのリング状の部材100B、100C、100Dが半径方向に配置され、それぞれの間に隙間S4、S5が設けられている。これにより、衝撃を吸収する役割が直列的に存在することから、衝撃吸収効果を高めることができる。
図5は、本発明の第3実施形態に係る風力発電用の増速機120の主要部を示す断面図である。
風力発電用の増速機120の遊星歯車83は、遊星歯車部83Aと、該遊星歯車部83Aを支持する遊星ピン部83Cとで構成されている。この構成例から明らかなように、「歯車」を、軸受を介して支持部材に回転可能に支持される部材または部材群であって歯部を有する部材または部材群、と定義してもよい。そして、この(遊星ピン部83Cを含む)遊星歯車83が、両サイドに配置された支持部材たるキャリヤ84(一対のキャリヤフランジ84A、84B)によって該キャリヤ84に対してころ軸受86および複数のリング状の部材122A〜122Fを介して回転可能に両持ち支持されている。遊星歯車83は、ころ軸受86を介してキャリヤフランジ84A、84Bと相対回転可能である。ころ軸受86は内輪86A及び外輪86B及びころ86Cを備えている。
風力発電用の増速機120では、キャリヤフランジ84Aところ軸受86の外輪86Bとの間に、複数の、例えば3つのリング状の部材122A〜122Cを介在させている。3つのリング状の部材122A〜122Cは軸方向に配列されている。キャリヤフランジ84Bところ軸受86の外輪86Bとの間に、複数の、例えば3つのリング状の部材122D〜122Fを介在させている。3つのリング状の部材122D〜122Fは軸方向に配列されている。
キャリヤフランジ84Aと3つのリング状の部材122A〜122Cとの間、およびキャリヤフランジ84Bと3つのリング状の部材122D〜122Fとの間に、潤滑剤が進入する隙間S6が形成されている。3つのリング状の部材122A〜122Cところ軸受86(の外輪86B)との間、および3つのリング状の部材122D〜122Fところ軸受86(の外輪86B)との間に、潤滑剤が進入する隙間S7が形成されている。すなわち、3つのリング状の部材122A〜122Cの内周側及び外周側の両方に隙間S6、S7が形成されている。3つのリング状の部材122D〜122Fについても同様である。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、図5の中で第1実施形態と同一または機能的に類似する部分に同一の符号を付すにとどめ、重複説明を省略する。
本実施形態に係る構成によっても、第1実施形態と同様に、遊星歯車83が支持部材たるキャリヤ84に対して半径方向に微小変位できる。ただし、この実施形態に係る遊星歯車83は、遊星ピン部83Cを一体に含んでいるため、第1実施形態よりも微小変位する部材の慣性質量が大きい。このため、設計次第で、より低周波数の領域での変動吸収を良好に行うことができる可能性がある。
また、本実施形態に係る構成では、第1実施形態と同様に、潤滑剤は隣り合うリング状の部材間の隙間から隙間S6や隙間S7に入り込むことができるので、衝撃吸収効果を高めることができる。
本実施形態に対しても、隙間S6、S7に加えて、ころ軸受86の内輪86Aと遊星歯車83との間に隙間S8(図5において想像線にて図示)を形成するようにしてもよい。また、追加的に、遊星歯車83の遊星歯車部83Aと遊星ピン部83Cとの間に隙間S9(図5において想像線にて図示)を設けてもよい。これにより、キャリヤ84での隙間S6、S7(およびS8)による変動吸収効果のほか、遊星歯車部83Aと遊星ピン部83Cの間においても、(吸収しようとする周波数成分次第では)有効な変動吸収効果が得られるようになる。なお、遊星歯車部83Aと遊星ピン部83Cは、別体ではなく、一体に形成されていてもよい。
キャリヤ84ところ軸受86の外輪86Bとの間に代えて、またはそれに加えて、複数のリング状の部材を遊星ピン部83Cところ軸受86の内輪86Aとの間に介在させてもよい。
第1、第2および第3実施形態について、隙間の形成される位置や大きさ、あるいは位相が異なると、変動吸収可能な周波数領域が異なってくるため、風力発電設備の設置される地域の方の性質を考慮してより効果的な変動吸収を行うことができるようになる。
なお、上記実施形態においては、遊星歯車機構として、単純遊星歯車構造の遊星歯車機構が採用されていたが、本発明における遊星歯車機構は、単純遊星歯車構造の遊星歯車機構に限定されるものではない。例えば、図6にスケルトン図示するような遊星歯車機構が特開2003−278849号公報に開示されている。
この遊星歯車機構93は、太陽歯車がなく、遊星ピン部94Cと一体化された同一歯数の遊星歯車部94A、94Bを2個有し、それぞれの遊星歯車部94A、94Bと噛合すると共に異なる歯数を有する2個の内歯歯車95A、95Bを備えている。この遊星歯車機構93を風力発電用の増速機(全体は図示略)に適用する場合、2種類ある内歯歯車95A、95Bのうちの一方の内歯歯車95Aが入力軸92と連結され、キャリヤ97(必要ならば遊星歯車94を挟んで一対としてもよい)が出力軸96と連結される態様で使用することになる。
この遊星歯車機構93は、構造は若干複雑であるが、その分、様々な態様で増速機を設計できるというメリットがある。このため、設置空間の制約が大きい風力発電用の増速機として、主に寸法的・形状的な面で有効に利用可能である。
例えば、この遊星歯車機構93は、前述したように太陽歯車を有していないことから、中央部に大きな中空部(図示略)を形成するのが容易である。このため、入力軸92の周り(或いは内側)に何らかの制御機器やセンサ、配管等を配設する必要が生じたとき等において該中空部を有効に利用できる。また、この遊星歯車機構93は、約5倍から30倍の増速を容易に設計できるため、必要ならば、後段の平行軸歯車機構(図示略)を、1段で済ますことも可能であり、この場合、重量や軸方向寸法の縮小が可能である。
このような構造の遊星歯車機構93を有する風力発電用の増速機の場合、具体的には、2つの遊星歯車部94A、94Bと遊星ピン部94Cが一体化された「遊星歯車94」がその両側に存在する支持部材たるキャリヤ97に図示せぬ軸受を介して両持ち支持される構造となる。このため、本発明を図5に示された構成と類似した構成により適用することができる。
また、この遊星歯車機構93においては、2つの内歯歯車95A、95Bのうちの一方の内歯歯車95Aが軸受98を介してケーシング99に回転自在に支持される構造であるため、設計によっては、この内歯歯車95Aと軸受98と該内歯歯車95Aを支持しているケーシング99の3者間で、本発明に係る複数のリング状の部材および隙間を形成することも可能である。
換言するならば、本発明に係る「歯車」は、遊星歯車に限定されるものではなく、遊星歯車機構の構成によっては内歯歯車、あるいは太陽歯車に対しても適用可能である。
このように、遊星歯車機構には、さまざまな構成が知られており、いずれの構成の遊星歯車機構にも本発明を適用できる。但し、好ましくは、「単純遊星歯車機構」の「遊星歯車」の支持部分に本発明を適用するのがよい。それは、構造が簡単で安価である上に、遊星歯車が公転成分と自転成分を有して内歯歯車と太陽歯車に挟まれた状態で回転する構造であるため、該遊星歯車が隙間の存在によって半径方向に微小変位できることによる効果が、非常に顕著に顕れやすいからである。なお、遊星歯車の歯車の個数は、上記実施形態では3個であったが、2個でもよく、また、4個以上でもよく、特に限定されない。
第1、第2および第3実施形態では、複数のリング状の部材のうちの隣り合う2部材の対向面は回転軸に直交するかまたは回転軸と平行となる場合について説明したが、これに限られず、例えば複数のリング状の部材のうちの隣り合う2部材の対向面は回転軸に対して斜めになっていてもよい。すなわち、1つのリング状の部材を回転軸に対して斜めに分割する形で複数のリング状の部材を設けてもよい。
また、第2実施形態ではリング状の部材を軸方向および径方向の両方に分割しているが、径方向のみに分割してもよい。
なお、上記実施形態においては、軸受として、いずれもころ軸受が採用されていたが、本発明においては、軸受の種類は必ずしもころ軸受に限定されない。発電容量、あるいは遊星歯車機構の構成によっては、例えば、玉軸受や滑り軸受が採用されてもよい。更には、上記実施形態においては、軸受はすべて内輪及び外輪の双方を有していたが、本発明においては、隙間を形成しない側においては、内輪あるいは外輪が省略された軸受であってもよい。
1…風力発電設備
3…ナセル
4…ロータヘッド
5…風車ブレード
11…発電機
50…増速機
52…遊星歯車機構
58…入力軸
60…出力軸
62…キャリヤ
64…遊星ピン
68…遊星歯車
70…内歯歯車
72…太陽歯車
74…ケーシング
76…ころ軸受
88A〜88E…リング状の部材
S1〜S9…隙間

Claims (6)

  1. 遊星歯車機構を備えた風力発電用の増速機において、
    前記遊星歯車機構の一要素を構成する歯車と、
    前記歯車を、軸受を介して回転可能に支持する支持部材と、を備え、
    前記歯車と軸受との間に、複数のリング状の部材が介在され、
    前記複数のリング状の部材の内周側及び外周側の少なくとも一方に、潤滑剤が進入する隙間が形成され
    前記隙間は、前記歯車、前記軸受、前記複数のリング状の部材及び前記支持部材のうちの少なくとも2者同士を相対的に半径方向に微小変位可能とすることを特徴とする風力発電用の増速機。
  2. 遊星歯車機構を備えた風力発電用の増速機において、
    前記遊星歯車機構の遊星歯車と、
    前記遊星歯車を、前記遊星歯車と一体的に回転する遊星ピンごと軸受を介して回転可能に支持するキャリヤと、を備え、
    前記キャリヤと前記軸受の外輪との間または前記遊星ピンと前記軸受の内輪との間もしくはその両方に、複数のリング状の部材が介在され、
    前記複数のリング状の部材の内周側及び外周側の少なくとも一方に、潤滑剤が進入する隙間が形成され
    前記隙間は、前記キャリヤ、前記軸受、前記複数のリング状の部材及び前記遊星ピンのうちの少なくとも2者同士を相対的に半径方向に微小変位可能とすることを特徴とする風力発電用の増速機。
  3. 前記複数のリング状の部材は軸方向に配列されていることを特徴とする請求項1または2に記載の風力発電用の増速機。
  4. 前記複数のリング状の部材は半径方向に配列されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の風力発電用の増速機。
  5. 前記複数のリング状の部材のうち軸方向で外側に位置する部材には、前記複数のリング状の部材の軸方向の移動を規制するための段部が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の風力発電用の増速機。
  6. 前記複数のリング状の部材の内周側及び外周側の両方に、潤滑剤が進入する隙間が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の風力発電用の増速機。
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