JP5829590B2 - 疲労感評価装置、疲労感評価方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
一方で、生体計測手法を用いて、日々のユーザの健康を経時的に管理する取り組みが進んでいる(非特許文献4)。生体計測手法を用いることで、3D映像視聴中のユーザが感じる疲労感を、リアルタイムに評価することが可能となっている。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、映像を視聴するユーザの疲労感を高い精度で評価することを可能とする疲労感評価技術を提供することを目的とする。
疲労感評価の対象となる対象映像を前記ユーザが視聴する前に、所定の映像を視聴した前記ユーザから取得した生体データに基づき得られた値を、疲労感評価のための基準値として記憶する基準値記憶手段と、
前記ユーザが視聴する前記対象映像の映像信号を解析する映像信号処理手段と、
前記対象映像を視聴する前記ユーザから取得した生体データに基づき得られた計測値と、前記映像信号処理手段により得られた解析結果とを比較することにより、前記対象映像を視聴する前記ユーザの疲労感を評価して第1の評価結果を取得し、前記計測値と前記基準値記憶手段に記憶された基準値とを比較することにより、前記対象映像を視聴する前記ユーザの疲労感を評価して第2の評価結果を取得し、前記第1の評価結果と前記第2の評価結果とを用いて疲労感レベルを算出し、出力する疲労感評価手段と
を備えたことを特徴とする疲労感評価装置として構成される。
また、本発明は、疲労感評価装置が実行する疲労感評価方法、及びコンピュータを疲労感評価装置として機能させるためのプログラムとして構成することもできる。
図1は、本発明の実施の形態の係る疲労感評価装置の構成図である。図1に示すように、本実施の形態に係る疲労感評価装置は、入力映像制御部1と計算部2を有する。また、図1には記載されていないが、疲労感評価装置には映像を再生する再生装置と、ユーザの生体データを取得するための生体センサが接続されている。
以下、本実施の形態に係る疲労感評価装置における各部の動作を詳細に説明する。
図2に示す入力映像制御部1では、入力された要求に応じて、スイッチ10で映像信号の切り替えを行う。入力された要求が基準値導出の要求の場合には、スイッチ10はテスト映像記憶部20と接続し、再生装置及び計算部2に対し、テスト映像信号を出力する。この場合、再生装置からテスト映像が出力され、ユーザはテスト映像を視聴する。一方、入力された要求が疲労感評価実施の要求の場合には、スイッチ10は、疲労感評価の対象となる映像を再生する再生装置と接続し、計算部2に対し、再生装置の映像信号を出力する。この場合、ユーザは疲労感評価の対象となる映像を視聴する。
評価部400の動作フローを図4に示す。図4に示すように、評価部400では、入力された要求に応じて、基準値導出処理、疲労感評価処理の処理を行う。すなわち、入力された要求が基準値導出の要求の場合(ステップ1のYes)には、基準値導出処理を実行する(ステップ2)。ステップ2の基準値導出処理ではユーザの瞬目や瞳孔反応などの基準値を導出し、導出結果を基準値記憶部500に保存する。
生体データ取得部100は、疲労により変化する生体情報を取得するために、映像視聴中のユーザの生体情報を各種生体センサを用いて計測する。つまり、生体データ取得部100には各種生成センサが接続されており、生体データ取得部100は各種生成センサにより得られた生体データを取得する。
生体データ処理部200は、生体データ取得部100の計測結果を受けてデータ処理を行う。生体データには大きなノイズがのることが知られている。例えば、瞳孔径変動に関して、図5上段に示したように、大きなノイズがのってしまうことがある。精度のよいデータとするためにはノイズ除去が必要である。具体的には、映像視聴中のユーザの視線位置は、左右眼で大きくずれることはないことから、左右眼の視線位置データのうち、片眼の視線がモニタよりも外側を向いている場合には、その時刻のデータを除去するといった方法がある。
映像信号処理部300は、入力された映像信号の映像フレーム間の動きベクトル量や、平均輝度変化、3D映像の左右映像の縦方向の画素ずれなどの映像劣化の有無やフリッカの有無を解析する(非特許文献8、9、10)。図8には、映像解析結果の例として、輝度、及び動き量の変化の様子が示されている。
評価部400の基準値導出処理時は、ユーザの瞬目や瞳孔反応などの基準値を導出する。具体的には、生体データ処理部200における解析結果(図7に例示)と映像信号処理部300における解析結果(図8に例示)とを比較、対応付けし、図9に示すように基準値を導出し、基準値記憶部500に保存する。基準値の種類(項目)は、予め決定しておく。図9に示す例では、基準値として、動き変化のないときの瞬目率、平均瞳孔径サイズ、最大瞳孔径収縮スピード、提示映像の輝度と瞳孔径との関係、提示映像の動き量と瞳孔径変動との関係が示されているが、これらは例であり、基準値はこれらに限られるわけではない。
評価部400の疲労感評価処理時は、映像視聴中のユーザの疲労感評価を実施する。疲労感評価としては、例えば、ユーザが疲労感を感じているか否かを0と1の二値でレベル分けすることや、「疲労感レベル5」のように複数段階で出力することなどが考えられる。本実施の形態では、疲労感を複数段階でレベル分けする。具体的には、最初のレベルを0とし、レベル値が大きくなるほど疲労感が強い状況とする。疲労感レベル導出のための具体的な動作を以下に示す。
以上説明したように、本実施の形態では、映像視聴中のユーザの生体情報をカメラや各種センサにより計測し、生体データのノイズ除去等の解析を行う。そして、映像視聴前にテスト映像を流し、映像視聴前の生体データを取得しておき、この値を基準として評価することで、映像視聴日の体調の影響や視聴環境の影響を除外する。さらに、視聴映像に原因がある疲労感を評価するために、視聴中の映像信号の解析を行い、映像劣化が検出されればアラームを出力する。このアラームの有無と疲労感評価結果とを比較することで、視聴している映像が疲労感の原因になっていないかどうかを判断できる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
2…計算部
10…スイッチ
20…テスト映像記憶部
100…生体データ取得部
200…生体データ処理部
300…映像信号処理部
400…評価部
500…基準値記憶部
t …計測時刻
a1t …瞬目変動から疲労感を検出した結果
a2t …瞳孔径変動から疲労感を検出した結果
a3t …基準値との比較により疲労感を検出した結果
bt …映像信号処理部の解析結果から異常を検出した結果
Lt …疲労感レベル
Claims (7)
- 映像を視聴するユーザの疲労感評価を行う疲労感評価装置であって、
疲労感評価の対象となる対象映像を前記ユーザが視聴する前に、所定の映像を視聴した前記ユーザから取得した生体データに基づき得られた値を、疲労感評価のための基準値として記憶する基準値記憶手段と、
前記ユーザが視聴する前記対象映像の映像信号を解析する映像信号処理手段と、
前記対象映像を視聴する前記ユーザから取得した生体データに基づき得られた計測値と、前記映像信号処理手段により得られた解析結果とを比較することにより、前記対象映像を視聴する前記ユーザの疲労感を評価して第1の評価結果を取得し、前記計測値と前記基準値記憶手段に記憶された基準値とを比較することにより、前記対象映像を視聴する前記ユーザの疲労感を評価して第2の評価結果を取得し、前記第1の評価結果と前記第2の評価結果とを用いて疲労感レベルを算出し、出力する疲労感評価手段と
を備えたことを特徴とする疲労感評価装置。 - 前記疲労感評価手段は、
前記ユーザから生体データを取得する生体データ取得手段と、
前記生体データを比較することにより、前記計測値として、ノイズを除去した計測値を算出する生体データ処理手段と、
前記ノイズを除去した計測値に基づいて、前記ユーザの疲労感を評価する評価手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の疲労感評価装置。 - 前記映像信号処理手段により解析された映像信号に基づいて、前記対象映像が劣化しているか否かを判定する劣化判定手段と、
前記劣化判定手段により前記対象映像が劣化していると判定された場合に、アラームを出力するアラーム出力手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の疲労感評価装置。 - 映像を視聴するユーザの疲労感評価を行う疲労感評価装置が実行する疲労感評価方法であって、
疲労感評価の対象となる対象映像を前記ユーザが視聴する前に、所定の映像を視聴する前記ユーザから生体データを取得し、当該生体データに基づき得られた値を、疲労感評価のための基準値として基準値記憶手段に記憶する基準値取得ステップと、
前記ユーザが視聴する前記対象映像の映像信号を解析する映像信号処理ステップと、
前記対象映像を視聴する前記ユーザから取得した生体データに基づき得られた計測値と、前記映像信号処理ステップにより得られた解析結果とを比較することにより、前記対象映像を視聴する前記ユーザの疲労感を評価して第1の評価結果を取得し、前記計測値と前記基準値記憶手段に記憶された基準値とを比較することにより、前記対象映像を視聴する前記ユーザの疲労感を評価して第2の評価結果を取得し、前記第1の評価結果と前記第2の評価結果とを用いて疲労感レベルを算出し、出力する疲労感評価ステップと
を備えたことを特徴とする疲労感評価方法。 - 前記疲労感評価ステップは、
前記ユーザから生体データを取得する生体データ取得ステップと、
前記生体データを比較することにより、前記計測値として、ノイズを除去した計測値を算出する生体データ処理ステップと、
前記ノイズを除去した計測値に基づいて、前記ユーザの疲労感を評価する評価ステップと
を備えたことを特徴とする請求項4に記載の疲労感評価方法。 - 前記映像信号処理ステップにより解析された映像信号に基づいて、前記対象映像が劣化しているか否かを判定する劣化判定ステップと、
前記劣化判定ステップにより前記対象映像が劣化していると判定された場合に、アラームを出力するアラーム出力ステップと
を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の疲労感評価方法。 - コンピュータを、請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の疲労感評価装置における各手段として機能させるためのプログラム。
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