JP5828802B2 - 早産児用の抱っこ型次世代人工保育器。 - Google Patents
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早産児を収容するための収容槽を備えた早産児用の抱っこ型人工保育器であって、
前記収容槽が、
内部が肉眼で確認できるように少なくとも一部が透明になっているものであり、
外部から人工血液カクテルを循環させるための人工血液カクテルの循環手段と、
外部から人工羊水を循環させるための人工羊水循環手段を備えている、早産児用の抱っこ型人工保育器を提供する。
上記の早産児用の抱っこ型人工保育器と、前記早産児用の抱っこ型人工保育器を置いた状態で保持するための保温装置を備えた保持台との組み合わせからなる、早産児用の抱っこ型人工保育器セットを提供する。
図1〜図3により早産児用の抱っこ型人工保育器を説明する。
抱っこ型人工保育器1は、早産児を収容するための収容槽2を備えている。
収容槽2は、早産児を収容することができ、人が抱っこできる大きさ及び形状のものであり、図1に示すような卵形のほか、球形であることが好ましい。
透明の程度は、即ち収容槽2内部にいる早産児の状態が目視(医師や看護士等の目視)で確認できる程度の透明度である。
収容槽2の一部が透明である場合には、図1において表側だけが透明であるものにすることができる。
複数層にする場合、同じプラスチックからなる層でもよいし、異なるプラスチックからなる層でもよい。
プラスチックシートは、1枚の厚さが0.5〜5mm程度のものが好ましく、厚さが余り薄いフィルム状のものは強度の点から好ましくないが、フィルムであっても多数層からなるものにすれば使用することもできる。
収容槽2をプラスチックシートの1層又は複数層からなるものにしたときには、人工羊水が入っていないときは、人工羊水が入っているときと同じ外形を保持することができないものである。これは、例えば空気の入っているビーチボールと空気の入っていないビーチボールのような関係と同じである。
閉塞手段は、締め付け具を使用する方法、熱又は超音波を使用したシール手段を使用する方法等を適用することができる。
ここでいうプラスチック成形体は、プラスチックシートのように自らの形状を保持できないもの(自立させることができないもの)ではなく、プラスチック板のように自らの形状を保持できるもの(自立させることができるもの)を意味する。
収容槽2が前記のプラスチック成形体からなるものにしたときには、人工羊水が入っていないときであっても、前記人工羊水が入っているときと同じ外形を保持することができるものである。
このとき、例えば図2に示すように、下部収容槽3としてその開口部に櫛の歯状の凸部3aを有するものを使用し、上部収容槽4としてその開口部に櫛の歯状の凸部4aを有するものを使用して、それぞれの凸部3aと凸部4aが互いに噛み合うようには嵌め込んで一体にする方法を適用できる。さらに凸部3aと凸部4aとの接触部分にシール部材を配置することもできる。
前記の着脱自在のカバー部材は、着色された透明なもので、波長650nm以上の光を通過でき、波長650nm未満の光を遮断できるものが好ましい。色は赤色が好ましい。
着脱自在のカバー部材は、プラスチックシート、プラスチックフィルム、液晶フィルタ、有機EL膜からなるものであり、収容槽2の全部又は一部と同形状のものが好ましい。
例えば、図1において、卵形収容槽2の表面側の全部又は上半分(図1において早産児の顔が位置する部分)を覆うことができるものにすることができる。
着脱自在のカバー部材は、収容槽2とは別部材であってもよいし、収容槽2に対してボタン、フック、ジッパー、マジックテープ(登録商標)、再剥離性の粘着テープ等の手段を使用することで着脱自在にされたものでもよい。
循環手段10は、人工血液カクテルを供給しかつ制御するための供給及び制御装置11と、供給管12a及び排出管12bを1本にまとめた循環管12とを備えている。
そして、循環管12(供給管12a及び排出管12b)は、例えば、図3に示すようにして収容槽2に接続されている。
収容槽2と循環管12の接続方法は特に制限されるものではなく、例えば次のようにして接続することができる。
図3に示すとおり、収容槽2の外殻を形成するプラスチックシート(又はプラスチック成形体)5は、円形の接続具13を介して接続されている。
円形の接続具13は、第1接続具13aと第2接続具13bの2つからなるものであり、2つが一体にされたとき、厚さ方向の中間位置において半径方向中心側に環状溝14が形成されるようになっている。
プラスチックシート(又はプラスチック成形体)5には穴が形成されており、その穴の周縁部5aを含む部分が環状溝14内に挿入され、厚さ方向両側から押し付けられた状態で挟み込まれている。
人工血液カクテルとしては、ヘモグロビン内包リポソームや、ポルフィリン構造を有する金属錯体とアルブミンの複合体、及びそれらの混合物や複合体等から選ばれるものを挙げることができ、例えば特開2004−307404号公報に記載された人工酸素運搬体又はその組成(成分及び割合)を変化させたものを使用することができる。
人工羊水の循環手段は、早産児の放尿により浸透圧が変化しないように浸透圧を一定に維持するためのものである。
人工羊水の循環手段は、上記した人工血液カクテルの循環手段10と同様にして取り付けることができる。
人工羊水は、母体羊水と等張液の生理食塩水を使用することができるほか、WO2005/082384号(請求項2、請求項10等)に記載の人工生理的塩類溶液等を使用することができる。
本発明の早産児用の抱っこ型人工保育器セットは、上記した早産児用の抱っこ型人工保育器1と、抱っこ型人工保育器1を置いた状態で保持するための保温装置を備えた保持台20との組み合わせからなるものである。
保持台20の抱っこ型人工保育器1を置くための凹部21には、抱っこ型人工保育器1内の人工羊水を母体内と同温度に維持するための保温装置が設けられている。
なお、図4では、人工血液カクテルの循環手段と人工羊水の循環手段の図示は略している。
早産児用の抱っこ型人工保育器の収容槽2内に収容するときは、人工羊水が満たされた人工羊水プール内に早産児を入れ、その状態で収容槽2内に収容する。
収容槽2に早産児を収容後、収容槽2は速やかに閉鎖系にされる。
そして、収容槽2に人工血液カクテル及び人工羊水の循環手段を接続して、直ちに作動させる。
人工血液カクテルの循環手段は、早産児の臍帯動脈と臍帯静脈の両方にカテーテルを挿入した状態で供給管に接続して循環させる。
人工羊水の循環手段は、早産児の放尿により浸透圧が変化しないように浸透圧を一定に維持する。
収容槽2には、その容積の100%(限りなく100%に近い量)に相当する量の人工羊水を満たす。
早産児が特許文献1の新生児収容装置に収容されているときは、親は外から見守ることしかできない。
しかし、本発明の早産児用の抱っこ型人工保育器1であれば、病院の面会時間内に何度でも抱っこすることができるため、早産児であっても出産後の早い時期から親等と接触することができる。
例えば、1回10〜20分程度ずつ、親を含めた家族が交代で抱っこすることができるようになり、抱っこしていないときには、収容槽2は図4に示すような保温装置を備えた保持台20に置いておく。
また着色された透明なカバー部材を使用するときは、昼間はカバー部材で収容槽2は覆わないで、夜間だけカバー部材で収容槽2を覆うようにすれば、昼と夜の区別が明確にできる。
このため、本発明の早産児用の抱っこ型人工保育器1を使用することで、早産児の発育に好影響を与えることができるようになることが期待される。
Claims (7)
- 早産児を収容するための収容槽を備えた早産児用の抱っこ型人工保育器であって、
前記収容槽が、
内部が肉眼で確認できるように少なくとも一部が透明になっているものであり、
外部から人工血液カクテルを循環させるための人工血液カクテルの循環手段と、
外部から人工羊水を循環させるための人工羊水循環手段を備えている、早産児用の抱っこ型人工保育器。 - 前記収容槽が卵形又は球形である、請求項1記載の早産児用の抱っこ型人工保育器。
- 前記収容槽がプラスチックシートの1層又は複数層からなるものであり、
前記人工羊水が入っていないときは、前記人工羊水が入っているときと同じ外形を保持することができないものである、請求項1又は2記載の早産児用の抱っこ型人工保育器。 - 前記収容槽がプラスチック成形体(但し、プラスチックシートを除く)からなるものであり、
前記人工羊水が入っていないときであっても、前記人工羊水が入っているときと同じ外形を保持することができるものである、請求項1又は2記載の早産児用の抱っこ型人工保育器。 - 前記収容槽が、内部が肉眼で確認できるように全体が透明になっているものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の早産児用の抱っこ型人工保育器。
- 前記収容槽が、透明部分に対して着脱自在のカバー部材を備えているものであり、前記カバー部材が着色された透明なもので、波長650nm以上の光を通過でき、波長650nm未満の光を遮断できるものである、請求項1〜5のいずれか1項記載の早産児用の抱っこ型人工保育器。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の早産児用の抱っこ型人工保育器と、前記早産児用の抱っこ型人工保育器を置いた状態で保持するための保温装置を備えた保持台との組み合わせからなる、早産児用の抱っこ型人工保育器セット。
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