JP5826700B2 - 内視鏡 - Google Patents
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Description
この発明では、牽引機構に牽引部材が巻回されて固定されている。このため、移動部が牽引機構の溝部の端部を押圧している場合には操作入力部から牽引部材に能動的に駆動力が伝達されるが、移動部が牽引機構の溝部の端部を押圧していない場合、操作入力部から牽引部材に能動的に駆動力が伝達されることがない。このため、移動部が牽引機構の溝部の端部を押圧していない場合、その牽引機構に牽引されて固定された牽引部材の移動を抑制することができる。したがって、牽引部材のコシの強さに影響を受けることがなく、湾曲部を湾曲させるために操作入力部に操作を入力する際に牽引部材が撓むことを抑制することができる。
このため、2つの湾曲部を有する場合の基端側の湾曲部に連結された牽引部材が撓むのを抑制することができる。
前記第1及び第2の牽引部材は、それぞれ弾性部材を有することが好適である。
このため、第1の湾曲部を湾曲させたときに第2の湾曲部が第1の湾曲部の湾曲方向に対する逆方向には曲がり難くなる力量を発生させるように容易に調整できる。
前記弾性部材は、前記湾曲部のうち前記第2の湾曲部の中心軸に対して前記第1の湾曲部の湾曲方向側に圧縮力を発生させるようにしたことが好適である。
第1の湾曲部が例えばU方向に最大湾曲角度の状態で第2の湾曲部に外力が加えられたとき、D方向側から押圧力が負荷されたときには先端側牽引部材の圧縮力により予めU方向に湾曲し易くなっている。このため、第2の湾曲部はU方向に湾曲することができる。一方、U方向側から押圧力を負荷されたときには、第2の湾曲部に負荷されている圧縮力により第2の湾曲部がD方向に曲げられるのに対する耐性を発揮し、真っ直ぐの状態を維持しようとすることができる。
このため、例えば湾曲部の湾曲角度と牽引機構の回動角度とが一対一に対応している場合に、例えば体腔内等に湾曲部が存在する湾曲角度の把握を容易に行うことができる。
このため、例えば湾曲部の湾曲角度と牽引機構の回動角度とが一対一に対応している場合に、例えば体腔内等に湾曲部が存在する湾曲角度の把握を容易に行うことができる。
このため、移動部が溝部の内側アーチ、外側アーチ及び2つの端部に囲まれた領域に沿って移動することにより、駆動力を牽引機構や牽引部材に伝達させる状態や、伝達させない状態にする切り替えを自動的に行うことができる。
第1の実施形態について図1から図5を用いて説明する。
挿入部12は、先端硬質部21と、湾曲部23と、可撓管部(管状部)25とを先端側から基端側に向かって順に有する。湾曲部23は、第1の湾曲部27と、第2の湾曲部29とを有する。可撓管部25の基端は操作部14に連結されている。
後述するが、第1の湾曲部27は操作部14を操作することにより湾曲させることができる、いわゆる能動湾曲部として機能する。また、第2の湾曲部29は、第1の湾曲部27の湾曲角度が小さい(湾曲量が少ない)ときには、いわゆる受動湾曲部として機能する。第1の湾曲部27の湾曲角度(湾曲量)が大きくなるにつれて第2の湾曲部29が第1の湾曲部27と同じ方向に曲がり易く反対側に曲がり難くなる。
第2の湾曲部29は第1の湾曲部27の湾曲管34と同様に形成され、複数の湾曲駒(図示せず)が軸方向に沿って並設された第2の湾曲管36を有する。第2の湾曲管36は、図示しないワイヤガイドにより、後述する先端側牽引部材80U,80Dをその軸方向に移動可能に支持している。なお、先端側牽引部材80U,80Dの先端は第2の湾曲管36の最も先端の湾曲駒に固定されている。
第1の湾曲部27の第1の湾曲管34、及び、第2の湾曲部29の第2の湾曲管36は共通の中心軸Cに対して湾曲可能であり、ここでは、それぞれ真っ直ぐ(湾曲角度が0度)の状態に対して2方向(上方向(U方向)及び下方向(D方向))に湾曲可能である。すなわち、湾曲部23には中心軸Cが規定されている。なお、第1及び第2の湾曲管34,36の長さはそれぞれ適宜に設定できる。
この実施形態では第1の湾曲部27及び第2の湾曲部29がそれぞれ2方向に湾曲するものとして説明するが、第1の湾曲部27が4方向に湾曲可能、かつ、第2の湾曲部29が2方向に湾曲可能であったり、第1の湾曲部27が4方向に湾曲可能、かつ、第2の湾曲部29が4方向に湾曲可能な構造とすることも好適である。
図2(D)に示すように、挿入部12の内部では、後述する第1のアングルワイヤ60Uが挿通されたコイルパイプ62Uと、先端側牽引部材80Uが挿通されたコイルパイプ82Uとが隣接し、第1のアングルワイヤ60Dが挿通されたコイルパイプ62Dと、先端側牽引部材80Dが挿通されたコイルパイプ82Dとが隣接している。また、コイルパイプ62U,82Uに対して、コイルパイプ62D,82Dが対向している。特に、コイルパイプ62Uに対して、コイルパイプ62Dが可撓管部25の中心軸Cに対して対向していることが好ましく、コイルパイプ82Uに対して、コイルパイプ82Dが可撓管部25の中心軸Cに対して対向していることが好ましい。
第1のスプロケット52は地板64に支持され、第1のスプロケット52の中心軸C1回りに回動可能である。第1の湾曲部用操作ノブ54は、操作部14の外部に配置され第1のスプロケット52をその中心軸C1回りに回動させることができる。すなわち、第1のスプロケット52及び第1の湾曲部用操作ノブ54は操作部14に対して一体的に動く。このため、第1の湾曲部用操作ノブ54の操作量が第1のスプロケット52の移動量、すなわち回動量に反映する。なお、地板64には、第1のスプロケット52をその中心軸C1回りに回動させたときに、チェーン56を所定の方向に移動させるように、例えばチェーンガイド64aが形成されている。そして、チェーン56は、地板64により、第1のスプロケット52及び後述する第2のスプロケット72に噛み合わせられた状態を維持することができる。
第2の湾曲駆動機構46は、第1の湾曲駆動機構44に連動して動き、第1の湾曲部27が真っ直ぐの状態であっても前記第2の湾曲部に外力が加われば、第2の湾曲部29を複数の方向に受動的に湾曲させることが可能で、第1の湾曲部27の湾曲角度を真っ直ぐの状態に対して増大させた際に、第2の湾曲部29のうち第2の湾曲管36の中心軸Cに対して第1の湾曲部27の湾曲方向側に圧縮力を発生させる構造を有する。
そして、図2(A)に示すように、第2のスプロケット72には第1のスプロケット52に噛み合わせられたチェーン56が噛み合わせられている。このため、第1の湾曲部用操作ノブ54がその中心軸C1周りに回動させられると、第1のスプロケット52に加えて、第2のスプロケット72がその中心軸C2周りに第1のスプロケット52と同じ方向に回動する。すなわち、第1の湾曲駆動機構44に連動して第2の湾曲駆動機構46が駆動される。
図3に示すように、第2のスプロケット72は、回動軸(中心軸)C2と、回動軸C2から外れた位置に形成された回動力伝達軸(アーム)72aとを、地板64に向かい合う面に対して反対側の一側に有する。これら回動軸C2及び回動力伝達軸72aは互いに平行に形成されている。そして、回動力伝達軸(移動部)72aは、回動軸C2がその軸回りに回動することにより、円弧状の軌跡を描きながら移動する。
そして、第2のスプロケット72が図3に示す状態で、ドラム74Uが図2(B)に示す状態であり、かつ、ドラム74Dが図2(C)に示す状態のとき、第2の湾曲部29に力(圧縮力)は加えられておらず、第2の湾曲部29は中心軸Cに対して種々の方向に受動的に湾曲可能である。
溝部92,94の範囲は略180度に限ることはなく、例えば略30度の範囲、略60度の範囲、略120度の範囲、略210度の範囲等、適宜に設定可能である。また、ドラム74U,74Dの溝部92,94は同じ角度の範囲に形成される必要はなく、例えばドラム74Uの溝部92が例えば210度の範囲に、ドラム74Dの溝部94が例えば150度の範囲に形成されている等であっても良い。
なお、基端側牽引部材76U,76D及び先端側牽引部材80U,80Dに加えられる引っ張り力は第1のアングルワイヤ60U,60Dに加えられる引っ張り力に比べて小さいので、基端側牽引部材76U,76D及び先端側牽引部材80U,80Dは第1のアングルワイヤ60U,60Dよりも細くても良い。また、コイルパイプ82U,82Dはコイルパイプ62U,62Dよりも細くても良い。
例えば図2(A)に示すように第1の湾曲部27及び第2の湾曲部29が真っ直ぐの状態で、第1の湾曲部用操作ノブ54を第1の湾曲部27がU方向に湾曲するように回動させる。第1の湾曲部用操作ノブ54の回動に伴って第1のスプロケット52が回動すると、チェーン56及び第1の接続部材58U,58Dを介して、第1のアングルワイヤ60U,60Dのうち、一方のワイヤ60Uが引っ張られる。ワイヤ60Uの先端は湾曲駒34a又は先端硬質部21に固定されているので、ワイヤ60Uが引っ張られると、湾曲駒34aのU方向側が基端側に引っ張られて湾曲駒34a,34b,…が順次回動して第1の湾曲管34がU方向側に湾曲する。このため、第1の湾曲部27及び第2の湾曲部29が真っ直ぐの状態で、第1の湾曲部用操作ノブ54を第1の湾曲部27がU方向に湾曲するように回動させると、図4(A)及び図5(A)に示すように第1の湾曲部27がU方向に湾曲していく。
このとき、ドラム74Dの溝部94の端部94c,94dの間に回動力伝達軸72aが配置されているので、他方の基端側牽引部材76D、緩衝部78Dの弾性部材96b及び先端側牽引部材80Dには力は伝達されない。このため、緩衝部78Dの弾性部材96bは伸縮せずに一定の長さを維持しようとする。
ここで、基端側牽引部材76Uと先端側牽引部材80Uとの間に緩衝部78Uの弾性部材96aが配設されているので、先端側牽引部材80Uが直接ドラム74Uに巻回されて先端側牽引部材80Uが牽引されるよりも引っ張り力を小さくすることができる。
すなわち、第1の湾曲部27の湾曲角度が図4(A)に示すように略90度の場合や、図5(A)に示すように略180度の場合には第2の湾曲部29の湾曲管36の中心軸Cに対して第1の湾曲部27の湾曲方向側に圧縮力が加えられている。
また、第2の湾曲部29の湾曲管36の例えばゴム材製の外皮29aの弾性力や先端側牽引部材80Uの伸びにより、第2の湾曲部29が真っ直ぐの状態を維持するように補助することができる。
したがって、この実施形態に係る内視鏡10の挿入部12の第2の湾曲部29は、第1の湾曲部27が真っ直ぐの状態又は湾曲角度が小さいときには受動湾曲部として機能する。そして、第1の湾曲部27の湾曲角度が大きくなるにつれて、第2の湾曲部29は、第1の湾曲部27の湾曲方向と同じ方向には外力を受けたときに湾曲する受動湾曲部として機能し、第1の湾曲部27の湾曲方向と逆方向等の異なる方向には外力を受けたときに湾曲しないような耐性又は湾曲し難くする耐性を発揮する。すなわち、第2の湾曲部29は、第1の湾曲部27の湾曲角度(湾曲量)及び湾曲方向に応じて、受動湾曲部としての状態と、第1の湾曲部27と同じ方向に曲がり易く反対方向に曲がり難い状態とが自動的に切り替えられる。
第2の湾曲駆動機構46は、第1の湾曲駆動機構44に連動して動き、第1の湾曲部27が真っ直ぐの状態で第2の湾曲部29を複数の方向に受動的に湾曲させることが可能で、第1の湾曲部27の湾曲角度を真っ直ぐの状態に対して増大させた際に、第2の湾曲部29の第2の湾曲管36の中心軸Cに対して第1の湾曲部27の湾曲方向側に圧縮力を発生させる構造である。このため、第2の湾曲駆動機構46は、第1の湾曲部27が真っ直ぐの状態のとき又は真っ直ぐの状態に近いときには第2の湾曲部29は自在に受動湾曲させることができる。そして、第1の湾曲駆動機構44により第1の湾曲部27の湾曲角度を増大させたときに第2の湾曲駆動機構44が連動して動き、第2の湾曲駆動機構46は、第2の湾曲部29のうち第1の湾曲部27を湾曲させた方向と同じ方向側に圧縮力を発生させることができる。このため、第1の湾曲部27を湾曲させた方向と反対の方向に第2の湾曲部29が湾曲するのを規制し、かつ、第2の湾曲部29が真っ直ぐの状態を維持し又は第2の湾曲部29が第1の湾曲部27を湾曲させた方向と同じ方向に湾曲するのを補助することができる。すなわち、第1の湾曲部27をU方向に湾曲させた状態で第2の湾曲部29の例えばU方向側から外力を受けても、その外力に抗することができ、第2の湾曲部29がD方向に湾曲させられることが防止でき、第2の湾曲部29が真っ直ぐの状態又は略真っ直ぐの状態を維持できる。また、第2の湾曲部29の先端と基端との間にU方向側に圧縮力が付加されていることによって、第2の湾曲部29の例えばD方向側から外力を受けると、第2の湾曲部29がU方向側に容易に湾曲する。したがって、この実施形態によれば、例えば第1の湾曲部27をU方向に湾曲させた場合、第2の湾曲部29をU方向に容易に湾曲させることができるが、D方向に曲がるのを防止できる。
図6に示すように、緩衝部78U,78Dの位置は挿入部12の基端部と操作部14との間の境界付近に限られない。例えば、緩衝部78U,78Dの弾性部材96a,96bを第2の湾曲部29の内部に配置して良い。この場合、弾性部材96a,96bには、コイルバネよりも伸縮性を有する弾性ゴム材等が用いられることが好ましい。このような構造であっても、上述した第1の実施形態と同じ作用効果を得ることができる。
この実施形態においても、第1の実施形態で説明したように、第2のスプロケット72に対して、溝部92を有するドラム74U及び溝部94を有するドラム74Dが回動可能に隣接して配置されている。
図7(A)に示すように、第1のアングルワイヤ60Uの基端には、それぞれ係合凸部(係合部)112Uが形成されている。チェーン56の各端部に配置された第1の接続部材58Uには、第1のアングルワイヤ60Uの係合凸部112Uが係合される複数の係合凹部(係合部)114Uが軸方向に沿って形成されている。このため、係合凹部114Uに対する係合凸部112Uの位置を適宜に設定すれば、第1のアングルワイヤ60Uの初期張力を適宜に設定できる。
このため、スライダ142Uをスライダ受部144Uに対して相対的に移動させることができる。なお、スライダ142Uはスライダ受部144Uに対して軸方向に移動することは可能であるが、軸方向から外れる方向には移動が規制され、通常の動作においてスライダ142Uがスライダ受部144Uから外れることがないように支持されている。
次に、この実施形態に係る内視鏡10の作用について説明する。
第1の湾曲部27を湾曲させる際、第2のスプロケット72の回動力伝達軸72aでドラム74Uの溝部92の端部92cを押圧して、ドラム74Uを回動させる。このため、基端側牽引部材76Uが基端側に引っ張られる。このとき、弾性部材96aは例えば自然長やその重力により伸びた状態等のニュートラル状態又はそれに近い状態で、基端側に移動する。
図7(B)に示すように、第1の湾曲部27をU方向に湾曲させるようにして、基端側牽引部材76Uが基端側に引っ張られ、弾性部材96aが延びると、先端側連結部材124Uが基端側に引っ張られていく。このため、スライダ受部144Uの先端にスライダ142Uが当接する。このときまで、先端側牽引部材80Uには引っ張り力は加えられていない。すなわち、緩衝部78Uのスライダ機構140Uは、第1の湾曲部27が真っ直ぐの状態で遊びが最大となり、第1の湾曲部27が真っ直ぐの状態から湾曲角度が増大するにつれて徐々に遊びを小さくするように構成されている。
また、第1の湾曲部27をU方向に湾曲させる際、第1の実施形態で説明したように、ドラム74Dの溝部94でD方向への力の伝達を抑制できるとともに、スライダ機構140DによってもD方向への力の伝達を抑制できる。
このように、緩衝部78Uの基端側において、スライダ受部122aに対して相対的にスライダ132Uが移動可能であり、かつ、緩衝部78Uの先端側において、スライダ受け部144Uに対して相対的にスライダ142Uが移動可能であるので、第2のスプロケット72がその中心軸C2回りに回動して、第2の湾曲部29に力を伝達するまでに遊びが形成されている。
図9に示すように、この実施形態に係る内視鏡10は、細長い挿入部12と、挿入部12の基端部に設けられた操作部14とを有する。挿入部12は、先端硬質部21と、湾曲部27と、可撓管部(管状部)25とを先端側から基端側に向かって順に有する。すなわち、この実施形態では、1つの湾曲部(能動湾曲部)27を有する場合について説明する。
この実施形態では湾曲部27が2方向に湾曲するものとして説明するが4方向に湾曲可能な構造とすることも好適である。その場合も、この実施形態で説明するドラム52U,52Dと、シャフト162及び回動力伝達軸164を有する回転部材86とを同様に用いることができる。
湾曲駆動機構44は、操作部14の外側に配置された湾曲部用操作ノブ(湾曲操作入力部)54と、操作部14の内部に配置され湾曲部用操作ノブ54に連動して少なくとも一方が動くドラム52U,52Dと、一方の第1のドラム52Uに巻回されたアングルワイヤ60Uと、他方の第2のドラム52Dに巻回されたアングルワイヤ60Dと、アングルワイヤ60U,60Dを挿通するコイルパイプ62U,62Dとを有する。ドラム52Uにはアングルワイヤ60Uの基端が、ドラム52Dにはアングルワイヤ60Dの基端がそれぞれ巻回されている。
なお、回転部材86と湾曲部用操作ノブ54とは別体で形成され互いに連結される構造でも良く、例えば図11に示すように一体的に形成されていることも好適である。このため、湾曲部用操作ノブ54を回動させると、回転部材86が地板64に対して回動する。なお、回転部材86のシャフト162の端部と地板64との間には例えばボールベアリング等の軸受166が配設されている。このため、地板64に対して例えば直交する方向に立設されたシャフト162が回動することにより、湾曲部用操作ノブ54及び回転部材86を容易に回動させることができる。そして、地板64と回転部材86との間に第1のドラム52U及び第2のドラム52Dを収容している。
例えば図10(A)に示すように湾曲部27が真っ直ぐの状態で、湾曲部用操作ノブ54を湾曲部27がU方向に湾曲するように回動させる。
湾曲部用操作ノブ54の回動に伴って回転部材86が回動すると、回動力伝達軸164がシャフト162の中心軸C1回りに回動する。このとき、図10(B)に示すようにドラム52Uの溝部172の端部172cに回動力伝達軸164が当接し、図12(B)に示すように端部172cを押圧するように力を働かせる。このため、ドラム52Uが回動軸C1回りに回動する。
一方、図10(C)に示すようにドラム52Dの溝部174の端部174cに回動力伝達軸164が当接した状態から、図12(C)に示すように回動力伝達軸164が離れていく。このため、ドラム52Dは回動力伝達軸164により駆動力(回動力)を受けない。
ここで、U方向側のワイヤ60Uが引っ張られて湾曲部27がU方向に湾曲し始めると、湾曲駒34a又は先端硬質部21に先端が固定されたD方向側のワイヤ60Dが先端側に引っ張られる。このため、他方のワイヤ60Dが巻回されたドラム52Dが回動力伝達軸164により駆動力(回動力)を受けずに、ドラム52Uと同じ方向に回動し始める。
なお、アングルワイヤ60U,60Dはワイヤガイド64aが存在していなくても撓むことが防止されていることが容易に理解できるはずである。すなわち、ワイヤガイド64aはアングルワイヤ60U,60Dが撓むのを防止する補助的な役割を果たす。
この実施形態の内視鏡10によれば、アングルワイヤ60U,60Dの軸方向への移動及び張力をコントロールすることによって、湾曲部27を湾曲させたり、ニュートラル状態に戻したりする際にアングルワイヤ60U,60Dの撓みを抑制することができる。また、ワイヤガイド64aに沿ってアングルワイヤ60U,60Dを配置するため、アングルワイヤ60U,60Dを撓ませるための領域を考慮する必要がない。したがって、操作部14の内部に配置される湾曲駆動機構44の幅Wをアングルワイヤ60U,60Dを撓ませる領域分、狭く形成することができる。このため、操作部14の外殻を小さく形成することが可能である。
Claims (7)
- 中心軸が規定された湾曲部を有する挿入部と、
前記湾曲部を湾曲操作可能な操作入力部と、
前記操作入力部への操作の入力により回動する回動軸と、
前記回動軸の回動に連動して前記回動軸の軸回りを移動する移動部と、
前記移動部を移動可能に収容する第1の溝部を有するとともに前記回動軸に相対的に回動可能に支持され、前記移動部で前記第1の溝部の領域を規定する1対の端部の一方が押圧されると前記回動軸の軸回りに回動する第1の牽引機構と、
前記第1の牽引機構に巻回されて固定され前記第1の牽引機構の回動により移動し、前記湾曲部に駆動力を付与可能な第1の牽引部材と、
前記移動部を移動可能に収容する第2の溝部を有するとともに前記回動軸に相対的に回動可能に支持され、前記移動部で前記第2の溝部の領域を規定する1対の端部の一方が押圧されると前記回動軸の軸回りに回動する第2の牽引機構と、
前記第2の牽引機構に巻回されて固定され前記第2の牽引機構の回動により移動し、前記湾曲部に駆動力を付与可能な第2の牽引部材と
を具備し、
前記第1及び第2の溝部は、前記湾曲部が真っ直ぐの状態にある際に、前記回動軸に対して対称に配置されていることを特徴とする内視鏡。 - 前記湾曲部は、第1の湾曲部と、前記第1の湾曲部の基端側に設けられた第2の湾曲部とを有し、
前記第2の湾曲部が真っ直ぐの状態を維持し又は前記第1の湾曲部の湾曲方向と同じ方向に前記第2の湾曲部を湾曲させる駆動機構を具備し、
前記駆動機構は、前記回動軸、前記移動部、前記第1及び第2の牽引機構、前記第1及び第2の牽引部材を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。 - 前記第1及び第2の牽引部材は、それぞれ弾性部材を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
- 前記弾性部材は、前記湾曲部のうち前記第2の湾曲部の中心軸に対して前記第1の湾曲部の湾曲方向側に圧縮力を発生させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
- 前記第1及び第2の溝部の少なくとも一方は、前記移動部を前記回動軸の軸回りに略180度の範囲に回動可能であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記第1及び第2の牽引機構の少なくとも一方は、前記移動部が前記第1及び第2の溝部を移動することにより、前記回動軸の軸回りに略180度の範囲に回動可能であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
- 前記移動部は、前記回動軸がその軸回りに回動することにより、前記回動軸の軸回りを円弧状の軌跡を描きながら移動可能であり、
前記第1及び第2の溝部は、前記1対の端部とともに前記領域を規定する、前記回動軸を中心とする円弧の一部として形成された内側及び外側のアーチを有し、前記領域に沿って前記移動部を移動可能としたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
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