JP5826685B2 - レーザ用光学デバイス - Google Patents

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本発明は、複数のレーザ光を出射する光学デバイスに関する。
従来、光源装置から出射した光を空間光変調装置によって変調し、変調した画像光を投射レンズなどの投射光学系によりスクリーンに拡大投射するプロジェクタが知られている。このプロジェクタの光源装置として、従来はメタルハライドランプやハロゲンランプなどが利用されていたが、近年では光源装置およびプロジェクタの小型化、長寿命、高画質等を図るため、LD(Laser Diode:レーザダイオード)によるレーザ光の利用が提案されている。
しかし、レーザ光はコヒーレント光であるため、拡大投射された映像光には、明点および暗点がランダムに分布したスペックルパターン(スペックルノイズ)が生じる。スペックルパターンは、投射光学系の各点からの出射光が不規則な位相関係で干渉することによって生じるものであり、投影される映像や画像の品質を劣化させる。これに対して、各原色の光源から出射されたレーザ光の偏光状態を液晶素子によって制御することで、スペックルノイズを低減させる画像表示装置が知られている(たとえば、下記特許文献1、2参照)。また、光の偏光状態を制御し、3D表示機能をもつ画像表示装置などもよく知られている。
特開2007−121842号公報(第9−10頁、第9図) 特開2010−156841号公報(第5−6頁、第1図)
しかしながら、特許文献1の表示装置では、一つの液晶素子を三つの領域に分割し、領域ごとに駆動電圧を変えて、レーザ光のRGB各波長に適合する偏光回転を得ることが提案されているが、駆動電圧の値によって偏光回転を調整するにはTN液晶(TwiSted Nematic)を用いる必要がある。しかし、TN液晶は応答性が悪いために、十分なスペックルノイズ防止効果が期待できない。すなわち、スペックルノイズを減少させるには、人間が感知可能なフリッカの周波数よりも高い周波数でレーザ光の偏光状態を切り換える必要があるが、TN液晶は応答性が悪いために、高い周波数での偏光状態の切り換えが不十分になり、その結果、スペックルノイズの防止効果が低下する。また、同一液晶素子に対して、駆動電圧を複数種類印加する必要が生じるため、駆動回路が複雑になるという問題点があった。
また、特許文献2の表示装置では、一つの液晶素子をRGB光源に共通使用しているので、各光源の波長(RGB)に対して偏光状態の最適化がとれず、十分なスペックルノイズ防止効果が期待できない。
本発明の目的は上記課題を解決し、複数の波長のレーザ光を有する光源のコヒーレント光によるスペックルノイズを低減する、あるいは偏光状態を制御し3D表示機能を実現するレーザ用光学デバイスを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のレーザ用光学デバイスは、下記記載の構成を採用する。
本発明のレーザ用光学デバイスは、複数のレーザ光を所定の偏光方向で出射する光源部と、複数のレーザ光の偏光方向を経時的に切り換える液晶素子と、を備えるレーザ用光学デバイスにおいて、液晶素子は、複数のレーザ光の各波長に合わせて、液晶素子の(Δn・d)がそれぞれ設定されている複数の強誘電性液晶素子であり、複数のレーザ光を同一光軸に出射するごとく配置し、且つ、複数のレーザ光を時分割で出射させ、複数の強誘電性液晶素子は、光軸方向に重ねて配置したことを特徴とする。
また、複数のレーザ光は、赤色、緑色、青色であることを特徴とする。
また、緑色と青色のレーザ光を入射する強誘電性液晶素子を一つの強誘電性液晶素子で構成したことを特徴とする。
また、赤色と緑色のレーザ光を入射する強誘電性液晶素子を一つの強誘電性液晶素子で構成したことを特徴とする。
また、複数のレーザ光のうち、一つのレーザ光が出射されている期間は、そのレーザ光に対応する強誘電性液晶素子の駆動波形は、正負の交流電圧で構成され、その他の強誘電性液晶素子は、正または負の直流電圧で構成されることを特徴とする。
また、駆動波形は、正または負の直流電圧を補償する補償パルスを有することを特徴とする。
上記の如く本発明によれば、複数のレーザ光の各波長に合わせて作成された複数の強誘電性液晶素子によって、各レーザ光の偏光方向を最適に切り換えることが出来るので、レーザ光源のコヒーレント光によるスペックルノイズを低減し、映像のギラギラ感が解消して高画質の映像光を出射するレーザ用光学デバイスを提供することができる。また、応答性に優れた強誘電性液晶素子を用いることによって、レーザ光の偏光方向の切り換えを高速に行うことが出来るので、フリッカが生じることなく、スペックルノイズを確実に低減することが可能となる。
また、複数の強誘電性液晶素子を光軸方向に重ねて配置することによって、スペース効率に優れた小型のレーザ用光学デバイスを実現できる。また、駆動波形に正または負の直流電圧を補償する補償パルスを付加することによって、強誘電性液晶素子の交流化駆動を実現し、強誘電性液晶素子に焼き付き現象などの不具合が生じない信頼性に優れたレーザ用光学デバイスを提供できる。
本発明の第1の実施形態の構成例を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態のレーザ光の偏光方向の切り換えを説明する説明図である。 本発明の第1の実施形態の駆動波形を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態の構成例を示す構成図である。 本発明の第2の実施形態の駆動波形を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態の変形例を示す構成図である。 本発明の第3の実施形態の構成例を示す構成図である。 本発明の第3の実施形態の駆動波形の基本形を示すタイミングチャートである。 本発明の第3の実施形態の補償パルスを含んだ駆動波形を示すタイミングチャートである。 本発明の第3の実施形態の変形例を示す構成図である。 本発明の第3の実施形態の変形例の駆動波形を示すタイミングチャートである。 本発明の第3の実施形態を用いた映像エンジンの構成例を示す構成図である。 本発明の第3の実施形態を用いた映像エンジンによるプロジェクタの構成例を示すブロック図である。 強誘電性液晶素子の構造を示す断面図である。 強誘電性液晶素子の電気光学効果を説明する説明図である。
[強誘電性液晶素子の構造と動作の説明:図14、図15]
まず、公知ではあるが本発明を理解する助けとなるので、本発明で用いられる強誘電性液晶素子の構成と動作の概略を以下説明する。図14は強誘電性液晶素子の具体例を示す断面図である。図14に示すように、強誘電性液晶素子100は、たとえば、約2μmの厚さdの液晶層101を挟持した一対のガラス基板110、120と、これら2枚のガラス基板110、120を接着するシール材102とで構成されている。ガラス基板110、120のそれぞれの対向面には電極111、121が形成されており、その上に配向膜112、122が配置され、配向処理がなされている。電極111、121は、たとえばITOなどのベタ電極である。
光源からのレーザ光130は、第一のガラス基板110の側から照射される。照射されたレーザ光130は、第一のガラス基板110、電極111、配向膜112、液晶層101、配向膜122、電極121、第二のガラス基板120を透過して強誘電性液晶素子100の外部に出射される。
次に、強誘電性液晶素子の電気光学効果について図15を用いて説明する。図15は強誘電性液晶素子の分子長軸方向と電界との関係を示す説明図である。図15では、前述の強誘電性液晶素子100(図14参照)を、レーザ光130が入射する第一のガラス基板110の側から見た場合の液晶分子を模式的に示しており、液晶素子の平均的な分子長軸方向について説明する。
図15(a)において、電界Eが図面表(強誘電性液晶素子100の第一のガラス基板110)から裏(強誘電性液晶素子100の第二のガラス基板120)に向かって印加されると、液晶分子LCMの第一の強誘電状態である平均的な分子長軸方向Mは、配向膜の配向軸OAを中心に角度「θ1」傾いて安定している。一方、図15(b)に示すように、電界Eが図面裏から表に向かって印加されると、液晶分子LCMの第二の強誘電状態である平均的な分子長軸方向Mは、配向膜の配向軸OAに対して時計回りに角度「θ2」傾いて安定している。
すなわち、液晶分子LCMは、分子長軸方向Mを動直線として描くコーン形状の側面上を転移している。また角度「θ1」と角度「θ2」の和(θ1+θ2)が第一の強誘電状態である液晶の平均的な分子長軸方向と、第二の強誘電状態である液晶の平均的な分子長軸方向との間の角度、つまり円錐(コーン)の中心角θ(すなわちコーン角度)となる。
これにより、強誘電性液晶素子100の電極111と121に、所定の正電圧と負電圧を切り換えて印加すると、液晶層101に印加される電界Eの向きが切り換えられるので、液晶素子のダイレクタ方向(液晶分子の長軸方向)が図15のように回転し、透過するレーザ光130の偏光方向を切り換えることができる。本発明は、このような強誘電性液晶素子の電気光学効果を利用して、透過するレーザ光の偏光方向を経時的に高速に切り換えることで、スペックルノイズを低減するものである。
以下図面により本発明の実施の形態を詳述する。
[各実施形態の特徴]
第1の実施形態の特徴は、波長が異なる三つの光源から出射されたレーザ光のそれぞれの波長に合わせた三つの強誘電性液晶素子を光源に対して並列に配置したことである。第2の実施形態の特徴は、一つの強誘電性液晶素子が波長の近い二つのレーザ光に対応し、この強誘電性液晶素子と他の波長に対応した強誘電性液晶素子とを並列に配置したことである。第3の実施形態の特徴は、複数のレーザ光をフィールドシーケンシャル方式によって時分割で出射し、出射されたレーザ光を同一光軸に出射するごとく配置して、複数の強誘電性液晶素子はレーザ光の光軸方向に重ねて配置し小型化したことである。
[第1の実施形態の構成説明:図1]
第1の実施形態のレーザ用光学デバイスの構成について図1を用いて説明する。図1において、符号1は第1の実施形態のレーザ用光学デバイスである。レーザ用光学デバイス1は、複数のレーザ光を所定の偏光方向で出射する光源部10と、複数の強誘電性液晶素子で成る液晶素子20と、光源部10と液晶素子20を駆動制御する制御部30とを有している。
光源部10は、赤色レーザ光源11(以下R光源11と略す)、緑色レーザ光源12(以下G光源12と略す)、青色レーザ光源13(以下B光源13と略する)によって構成される。R光源11は、赤色レーザ光11a(以下Rレーザ光11aと略す)を出射し、G光源12は、緑色レーザ光12a(以下Gレーザ光12aと略す)を出射し、B光源13は、青色レーザ光13a(以下Bレーザ光13aと略す)を出射する。
各光源が出射するレーザ光の波長は、一例として、Rレーザ光11aは640nm、Gレーザ光12aは520nm、Bレーザ光13aは450nmである。なお、光源部10は、各色のレーザ光を直接発光するレーザ装置でもよいし、SHG(Second Harmonic Generation:第二高調波発生)方式のレーザ装置などでもよい。
液晶素子20は、三つの液晶素子を有し、Rレーザ光11aに対応する赤波長用強誘電性液晶素子21(以下R液晶素子21と略す)、Gレーザ光12aに対応する緑波長用強誘電性液晶素子22(以下G液晶素子22と略す)、Bレーザ光13aに対応する青波長用強誘電性液晶素子23(以下B液晶素子23と略す)によって構成される。
ここで、液晶素子20のそれぞれの強誘電性液晶素子は、前述の図14、図15で説明した強誘電性液晶素子100と同様な構成と電気光学効果を有している。そして、R液晶素子21は、R光源11が出射するRレーザ光11aを入射するように配置され、G液晶素子22は、G光源12が出射するGレーザ光12aを入射するように配置され、B液晶素子23は、B光源13が出射するBレーザ光13aを入射するように配置される。
すなわち、本実施形態は、三つの光源からのレーザ光を並列に配置された三つの液晶素子にそれぞれ入射し、各液晶素子によって各レーザ光の偏光方向を個別に切り換える構成である。そして、各液晶素子は入射するレーザ光の波長に合わせて、切り換える偏光方向が最適になるようにΔn・dが設定されている。
これは、液晶素子がレーザ光の偏光方向を回転する回転角θは、θ=2πΔnd/λ(式1)が成り立ち、回転角θは波長λに反比例するので、回転角θを所定の角度にするには、波長λの違いに合わせてΔn・dを設定する必要があるからである。なお、Δnは液晶の屈折率差であり、dは液晶層の厚さ(図14参照)である。具体的には、一例として各レーザ光の波長に合わせて各液晶素子の液晶層の厚さdを変えることで、入射するレーザ光の波長に合わせた偏光方向の回転角θを設定することが出来る。
また、制御部30は、R光源11をON、OFF制御する光源制御信号CRと、G光源12をON、OFF制御する光源制御信号CGと、B光源13をON、OFF制御する光源制御信号CBとを出力する。また、制御部30は、R液晶素子21を駆動する液晶駆動電圧VRと、G液晶素子22を駆動する液晶駆動電圧VGと、B液晶素子23を駆動する液晶駆動電圧VBとを出力する。
[第1の実施形態の動作説明:図1]
次に、第1の実施形態の動作の概要について図1を用いて説明する。制御部30は、光源制御信号CR、CG、CBを出力することによって、R光源11、G光源12、B光源13がレーザ光を出射するONとOFFを制御することが出来る。ここで、R光源11、G光源12、B光源13が同時にONすると、それぞれの波長のレーザ光は同時に出射され、R液晶素子21にはRレーザ光11aが入射し、G液晶素子22にはGレーザ光12aが入射し、B液晶素子23にはBレーザ光13aが入射する。
R液晶素子21、G液晶素子22、B液晶素子23は、それぞれの液晶駆動電圧VR、VG、VBによって正と負の交流電圧が印加される。これにより、前述した強誘電性液晶素子のダイレクタ方向の切り換え動作(図15参照)が行われて、各液晶素子は、入射されたレーザ光の偏光方向を高速に切り換えて出射する。すなわち、R液晶素子21は、Rレーザ光11aの偏光方向を切り換えてRレーザ光11bとして出射し、G液晶素子22は、Gレーザ光12aの偏光方向を切り切り換えてGレーザ光12bとして出射し、B液晶素子23は、Bレーザ光13aの偏光方向を切り換えてBレーザ光13bとして出射する。
[第1の実施形態の偏光方向の切り換え動作の説明:図2]
次に、第1の実施形態のレーザ用光学デバイス1による偏光方向の切り換え動作の概要を図2を用いて説明する。なお、図1で示したR液晶素子21がRレーザ光11aの偏光
方向を切り換える動作を例として説明する。図2において、R光源11は、前述したようにRレーザ光11aを出射する。Rレーザ光11aは所定の偏光方向を有する直線偏光であり、その偏光方向2は、たとえば0度であるとする。
ここで、R液晶素子21のダイレクタ方向3は、R液晶素子21に所定の正電圧を印加することで、Rレーザ光11aの偏光方向2に対して45°傾いているとする。この場合は、R液晶素子21は1/2波長板として動作する。具体的には、R液晶素子21は、Rレーザ光11aの偏光方向2に対してダイレクタ方向3が+45°傾いているため、Rレーザ光11aの偏光方向を45×2=90°回転させて、Rレーザ光11bを出射する。
また、R液晶素子21に所定の負電圧を印加することで、R液晶素子21のダイレクタ方向3は、Rレーザ光11aの偏光方向2に対して0°になるとする。この場合、R液晶素子21はRレーザ光11aの偏光方向2を変化させることなく、Rレーザ光11bを出射する。
この動作によって、R液晶素子21から出射されるRレーザ光11bは、偏光状態4と偏光状態5の二つの偏光状態を有することが出来る。偏光状態4は、R液晶素子21のダイレクタ方向3がRレーザ光11aの偏光方向2に対して45°傾いている場合に出射されるRレーザ光11bの偏光方向を示している。また、偏光状態5は、R液晶素子21のダイレクタ方向3がRレーザ光11aの偏光方向2に対して0°である場合に出射されるRレーザ光11bの偏光方向を示している。
偏光状態4および5に示すように、R液晶素子21のダイレクタ方向3が、偏光方向2に対して0°と45°とに切り換わることで、R液晶素子21から出射されるRレーザ光11bの偏光状態を、偏光方向2に対して0°および90°の直線偏光へと切り換えることができる。なお、偏光方向の切り換え説明は、Rレーザ光11aとR液晶素子21について述べたが、Gレーザ光12aとG液晶素子22、及び、Bレーザ光13aとB液晶素子23についても同様である。
[第1の実施形態の駆動波形の説明:図3]
次に、第1の実施形態の液晶素子20を駆動する駆動波形について図3を用いて説明する。なお、第1の実施形態の構成は図1を参照とする。図3において、光源部10は、光源制御信号CR、CG、CBによって、Rレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aを同時に出射する。
また、R液晶素子21、G液晶素子22、B液晶素子23をそれぞれ駆動する液晶駆動電圧VR、VG、VBは、同一の駆動波形であり、所定の周期T0で0Vを中心に正負が切り替わる交流電圧である。たとえば、周期T0の前半T1は正電圧+Vであり、後半T2は負電圧−Vである。
そして、液晶素子20に正電圧+Vが印加された時に、一例としてダイレクタ方向が入射光の偏光方向に対して45°となり、負電圧−Vが印加された時に、ダイレクタ方向が入射光の偏光方向に対して0°となるように設定することによって、液晶素子20を透過して出射されるRレーザ光11b、Gレーザ光12b、Bレーザ光13bは、周期T0のタイミングで偏光方向が90°と0°に経時的に切り替わることになる。
この動作によって、Rレーザ光11b、Gレーザ光12b、Bレーザ光13bが、空間光変調手段(図示せず)によって変調されて映像として表示されると、観察者の目の残像効果により時間積分されてスペックルノイズが打ち消される。この結果、スペックルノイズが低減し、映像のギラギラ感が解消して高画質の映像光を出射するレーザ用光学デバイ
スを提供することができる。
また、本実施形態では、RGBの各光源に対して並列に三つの液晶素子を配置しているので、各液晶素子は、入射するそれぞれのレーザ光の波長に合わせて偏光方向の切り換えが最適になるように、Δn・dを設定することが出来る。これにより、各レーザ光の偏光方向を最適に切り換えることができるので、レーザ光のスペックルノイズを大幅に低減することが可能である。
また、液晶素子20は、強誘電性液晶素子で構成されるので、優れた応答性(たとえば100μS位)を備えており、液晶駆動電圧VR、VG、VBの周期T0が短くても、高速に応答することが出来る。このため、レーザ光の偏光方向の切り換えを高速に行うことが出来るので、フリッカが生じることなく、スペックルノイズを確実に低減することが出来る。
また、液晶素子20は正負の交流電圧によってそれぞれ交流化駆動されるので、液晶素子に焼き付き現象が生じることが無く、液晶素子20が長期間駆動されても性能の低下がほとんど生じない信頼性に優れたレーザ用光学デバイスを提供できる。
以上のように、第1の実施形態のレーザ用光学デバイスは、偏光制御のために各波長に合わせた三つの液晶素子が光源に対して並列に配置されるので、各光源は並列同時出射が可能である。すなわち、R光源11、G光源12、B光源13は同時にレーザ光を出射し、各波長に対応するR液晶素子21、G液晶素子22、B液晶素子23も同時に駆動されるので、各レーザ光の偏光方向の切り換えを同時に行うことが出来る。これにより、スペックルノイズが少ない高輝度のレーザ用光学デバイスを提供できると共に、光源部10と液晶素子20の制御が簡単なので、制御部30を簡素化できるメリットがある。
[第2の実施形態の構成説明:図4]
次に、第2の実施形態のレーザ用光学デバイスの構成について図4を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同一要素には同一番号を付し重複する説明は省略する。図4において、符号40は第2の実施形態のレーザ用光学デバイスである。レーザ用光学デバイス40は、複数のレーザ光を所定の偏光方向で出射する光源部10と、複数の強誘電性液晶素子で成る液晶素子20と、レーザ光を選択的に反射または透過するダイクロイックミラー41と、レーザ光を反射するミラー43、及び、光源部10と液晶素子20を駆動制御する制御部30とを有している。
光源部10は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
液晶素子20は、二つの液晶素子を有し、Rレーザ光11aに対応するR液晶素子21と、Gレーザ光12aとBレーザ光13aの二つのレーザ光に対応する緑波長及び青波長用強誘電性液晶素子24(以下GB液晶素子24と略す)によって構成される。そして、R液晶素子21は、R光源11が出射するRレーザ光11aを入射するように配置され、GB液晶素子24は、G光源12が出射するGレーザ光12aとB光源13が出射するBレーザ光13aの両方を入射するように配置されている。
ダイクロイックミラー41は、G光源12からのGレーザ光12aとB光源13からのBレーザ光13aの各レーザ光を合波する合波部である。具体的には、ダイクロイックミラー41は、Gレーザ光12aを選択的に透過させ、Bレーザ光13aを選択的に反射させて、Gレーザ光12aとBレーザ光13aの合波であるGBレーザ光14aをGB液晶素子24に向けて出射する。また、ミラー43は、B光源13からのBレーザ光13aを
反射させて、ダイクロイックミラー41に向けて出射する。
すなわち、本実施形態は、三つの光源からのレーザ光を並列に配置された二つの液晶素子に入射し、二つの液晶素子によって三つのレーザ光の偏光方向を切り換える構成である。このように、用いる液晶素子の個数を減らすことで、装置全体の小型化を図ることができる。そして、R液晶素子21は、入射されるRレーザ光11aの波長に合わせて偏光方向の切り換えが最適になるように、Δn・dが設定される。また、GB液晶素子24は、入射される合波であるGBレーザ光14aの波長に合わせて偏光方向の切り換えが最適になるように、Δn・dが設定される。具体的には、GB液晶素子24のΔn・dは、Gレーザ光12aの波長とBレーザ光13aの波長との中間波長で最適になるように、設定されることが好ましい。
ここで、一つの液晶素子でGレーザ光12aとBレーザ光13aに対応して偏光方向の切り替えを行う理由は、Rレーザ光11aとGレーザ光12aのスペックルノイズが強く(すなわち、映像のギラギラ感が強い)、Bレーザ光13aのスペックルノイズは弱い。また、Gレーザ光12aとBレーザ光13aは波長が近い特性を有している。このため、二つの波長の中間波長で最適になるようにΔn・dを設定すれば、二つのレーザ光の偏光方向の切り換えが可能であり、スペックルノイズの低減効果が十分期待できるからである。
また、制御部30は、第1の実施形態と同様にR光源11、G光源12、B光源13をそれぞれON、OFF制御する光源制御信号CR、CG、CBを出力する。また、制御部30は、R液晶素子21を駆動する液晶駆動電圧VRと、GB液晶素子24を駆動する液晶駆動電圧VGBとを出力する。
[第2の実施形態の動作説明:図4]
次に、第2の実施形態の動作の概要について図4を用いて説明する。制御部30は、光源制御信号CR、CG、CBを出力することによって、R光源11、G光源12、B光源13のONとOFFを制御することが出来る。ここで、R光源11、G光源12、B光源13が同時にONすると、各波長のレーザ光が同時に出射され、R液晶素子21には、Rレーザ光11aが入射し、GB液晶素子24には、合波であるGBレーザ光14aが入射する。
R液晶素子21、GB液晶素子24は、それぞれの液晶駆動電圧VR、VGBによって正と負の交流電圧が印加される。これにより、各液晶素子は入射されたレーザ光の偏光方向を高速に切り換えて出射する。すなわち、R液晶素子21は、Rレーザ光11aの偏光方向を切り換えたRレーザ光11bを出射し、GB液晶素子24は、GBレーザ光14aの偏光方向を切り換えたGBレーザ光14bを出射する。
なお、R液晶素子21、GB液晶素子24によるレーザ光の偏光方向の切り換え動作は、第1の実施形態の偏光方向の切り換え動作(図2参照)と同様であるので、ここでの説明は省略する。
[第2の実施形態の駆動波形の説明:図5]
次に、第2の実施形態の液晶素子20を駆動する駆動波形について図5を用いて説明する。なお、第2の実施形態の構成は図4を参照とする。図5において、光源部10は、光源制御信号CR、CG、CBによって、Rレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aを同時に出射する。
また、R液晶素子21、GB液晶素子24をそれぞれ駆動する液晶駆動電圧VR、VG
Bは同一の駆動波形であり、所定の周期T0で正負が切り替わる交流電圧である。たとえば、周期T0の前半T1は正電圧+Vであり、後半T2は負電圧−Vである。
そして、第1の実施形態と同様に、液晶素子20に正電圧+Vが印加された時に、一例としてダイレクタ方向が入射光の偏光方向に対して45°となり、負電圧−Vが印加された時に、ダイレクタ方向が入射光の偏光方向に対して0°となるように設定することによって、液晶素子20を透過して出射されるRレーザ光11b、GBレーザ光14bは、周期T0のタイミングで偏光方向が90°と0°に経時的に切り替わることになる。この動作により、第1の実施形態と同様の作用によって、レーザ光のスペックルノイズが低減されて、高画質の映像光を出射するレーザ用光学デバイスを実現することが出来る。
また、液晶素子20は本実施形態においても強誘電性液晶素子で構成されるので、優れた応答性を備えており、駆動電圧VR、VGBの周期T0が短くても、駆動電圧VR、VGBに応答して短い周期で偏光方向を切り換えることが出来る。このため、レーザ光の偏光方向の切り換えを高速に行うことが出来るので、フリッカが生じることなく、スペックルノイズを確実に低減することができる。
また、液晶素子20は本実施形態においても正負の交流電圧によってそれぞれ交流化駆動されるので、液晶素子に焼き付き現象が生じることが無く、液晶素子20が長期間駆動されても性能の低下がほとんど生じない信頼性に優れたレーザ用光学デバイスを提供できる。
以上のように、第2の実施形態のレーザ用光学デバイスは、一つの液晶素子がGレーザ光12aとBレーザ光13aに対応することで、偏光制御を二つの液晶素子のみで構成できるので、スペース効率に優れ、小型化することが可能である。また、二つの液晶素子は光源に対して並列に配置されるため、第1の実施形態と同様に、R光源11、G光源12、B光源13の並列同時動作が可能である。これにより、第1の実施形態と同様の効果を有し、スペックルノイズが少ない高輝度のレーザ用光学デバイスを提供できると共に、制御部30の動作を簡素化できるメリットがある。
[第2の実施形態の変形例の構成説明:図6]
次に、第2の実施形態の変形例のレーザ用光学デバイスの構成について図6を用いて説明する。ここで、第2の実施形態の変形例は前述の第2の実施形態に対して、一つの強誘電性液晶素子が対応する二つのレーザ光の波長が異なるだけで、基本構成は同一である。なお、第1の実施形態と同一要素には同一番号を付し重複する説明は省略する。図6において、符号50は第2の実施形態の変形例のレーザ用光学デバイスである。レーザ用光学デバイス50は、複数のレーザ光を所定の偏光方向で出射する光源部10と、複数の強誘電性液晶素子で成る液晶素子20と、ダイクロイックミラー42、ミラー43及び、光源部10と液晶素子20を駆動制御する制御部30とを有している。
光源部10は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
液晶素子20は、二つの液晶素子を有し、Bレーザ光13aに対応するB液晶素子23と、Rレーザ光11aとGレーザ光12aに対応する赤波長及び緑波長用強誘電性液晶素子25(以下RG液晶素子25と略す)によって構成される。そして、B液晶素子23は、B光源13が出射するBレーザ光13aを入射するように配置され、RG液晶素子25は、R光源11が出射するRレーザ光11aとG光源12が出射するGレーザ光12aの両方を入射するように配置されている。
ダイクロイックミラー42は、G光源12からのGレーザ光12aとR光源11からの
Rレーザ光11aの各レーザ光を合波する合波部である。具体的には、ダイクロイックミラー42は、Gレーザ光12aを選択的に透過させ、Rレーザ光11aを選択的に反射させて、Gレーザ光12aとRレーザ光11aの合波であるRGレーザ光15aをRG液晶素子25に向けて出射する。また、ミラー43は、R光源11からのRレーザ光11aを反射させて、ダイクロイックミラー42に向けて出射する。
すなわち、本実施形態は、三つの光源からのレーザ光を並列に配置された二つの液晶素子に入射し、二つの液晶素子によって三つのレーザ光の偏光方向を切り換える構成である。そして、B液晶素子23は、入射されるBレーザ光13aの波長に合わせて偏光方向の切り換えが最適になるように、Δn・dが設定される。また、RG液晶素子25は、入射される合波であるRGレーザ光15aの波長に合わせて偏光方向の切り換えが最適になるように、Δn・dが設定される。具体的には、RG液晶素子25のΔn・dは、Rレーザ光11aの波長とGレーザ光12aの波長との中間波長で最適になるように、設定されることが好ましい。
ここで、一つの液晶素子でRレーザ光11aとGレーザ光12aの両方に対応して偏光方向の切り替えを行う理由は、三つのRGBの波長のうち、Rレーザ光11aとGレーザ光12aの波長が隣同士で比較的近いので、二つの波長の中間波長で最適になるようにΔn・dを設定すれば、二つのレーザ光の偏光方向の切り換えが可能であり、スペックルノイズの低減効果が十分期待できるからである。
また、制御部30は、第1の実施形態と同様にR光源11、G光源12、B光源13をそれぞれON、OFF制御する光源制御信号CR、CG、CBを出力する。また、制御部30は、B液晶素子23を駆動する液晶駆動電圧VBと、RG液晶素子25を駆動する液晶駆動電圧VRGとを出力する。
[第2の実施形態の変形例の動作説明:図6]
次に、第2の実施形態の変形例の動作の概要を図6を用いて説明する。制御部30は、光源制御信号CR、CG、CBを出力することによって、R光源11、G光源12、B光源13のONとOFFを制御することが出来る。ここで、R光源11、G光源12、B光源13がONすると、各波長のレーザ光が同時に出射され、B液晶素子23には、Bレーザ光13aが入射し、RG液晶素子25には、合波であるRGレーザ光15aが入射する。
B液晶素子23、RG液晶素子25は、それぞれの液晶駆動電圧VB、VRGによって正と負の交流電圧が印加される。これにより、各液晶素子は入射されたレーザ光の偏光方向を高速に切り換えて出射する。すなわち、B液晶素子23は、Bレーザ光13aの偏光方向を切り換えたBレーザ光13bを出射し、RG液晶素子25は、RGレーザ光15aの偏光方向を切り換えたRGレーザ光15bを出射する。
なお、B液晶素子23、RG液晶素子25によるレーザ光の偏光方向の切り換え動作については、第1の実施形態の動作(図2参照)と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、駆動波形VBとVRGについては、第2の実施形態の駆動波形VRとVGB(図5参照)と同様であるので説明は省略する。
以上のように、第2の実施形態の変形例のレーザ用光学デバイス50は、一つの液晶素子がRレーザ光11aとGレーザ光12aの二つのレーザ光に対応することで、偏光制御を二つの液晶素子のみで構成できるので、スペース効率に優れ、小型化することが可能であると共に、前述の第2の実施形態と同様に多くの優れた効果を有している。
[第3の実施形態の構成説明:図7]
次に、第3の実施形態のレーザ用光学デバイスの構成について図7を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同一要素には同一番号を付し重複する説明は省略する。図7において、符号60は第3の実施形態のレーザ用光学デバイスである。レーザ用光学デバイス60は、複数のレーザ光を所定の偏光方向で出射する光源部10と、複数の強誘電性液晶素子で成る液晶素子20と、ダイクロイックミラー61、62、ミラー63、及び、光源部10と液晶素子20を駆動制御する制御部30とを有している。
光源部10の構成は、第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。光源部10からは、Rレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aが時分割されて出射されるが、詳細は後述する。
ミラー63はBレーザ光13aを入射して反射し、Bレーザ光13aをダイクロイックミラー62に向かって出射する。ダイクロイックミラー62は、Gレーザ光12aを入射して選択的に反射し、また、Bレーザ光13aを選択的に透過して、Gレーザ光12aとBレーザ光13aの合波であるGBレーザ光14aをダイクロイックミラー61に向けて出射する。ダイクロイックミラー61は、Rレーザ光11aを選択的に透過し、また、GBレーザ光14aを選択的に反射して、Rレーザ光11aとGBレーザ光14aの合波であるRGBレーザ光16aを液晶素子20に向けて出射する。
ダイクロイックミラー61、62、及びミラー63のこのような構成によって、光源部10からのRレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aは、同一光軸にまとめられ、一つのRGBレーザ光16aとして液晶素子20に向けて出射される。
液晶素子20は、三つの液晶素子を有し、Rレーザ光11aに対応するR液晶素子21と、Gレーザ光12aに対応するG液晶素子22と、Bレーザ光13aに対応するB液晶素子23によって構成される。そして、R液晶素子21、G液晶素子22、B液晶素子23の三つの液晶素子は、前述のRGBレーザ光16aの光軸方向に重ねて配置される。
すなわち、本実施形態は、三つの光源からのレーザ光が同一光軸にまとめられ、この光軸方向に重ねて配置された三つの液晶素子によって、レーザ光の偏光方向を切り換える構成である。そして、各液晶素子は入射するレーザ光の波長に合わせて偏光方向が最適になるように、それぞれのΔn・dが設定されている。
具体的には、R液晶素子21は、入射されるRGBレーザ光16aがR波長であるときに偏光方向の切り換えが最適になるように、Δn・dが設定される。また、G液晶素子22は、入射されるRGBレーザ光16aがG波長であるときに偏光方向の切り換えが最適になるように、Δn・dが設定される。また、B液晶素子23は、入射されるRGBレーザ光16aがB波長であるときに偏光方向の切り換えが最適になるように、Δn・dが設定される。そして、Δn・dの設定は、一例として各液晶素子の液晶層の厚さdを変えることで実現できる。
また、制御部30は、第1の実施形態と同様にR光源11、G光源12、B光源13をそれぞれON、OFF制御する光源制御信号CR、CG、CBを出力する。また、制御部30は、R液晶素子21、G液晶素子22、B液晶素子23をそれぞれ駆動する液晶駆動電圧VR、VG、VBを出力する。
[第3の実施形態の動作説明:図7]
次に、第3の実施形態の動作の概要を図7を用いて説明する。制御部30は、光源制御
信号CR、CG、CBを出力することによって、R光源11、G光源12、B光源13のONとOFFを制御し、Rレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aを時分割で出射させる。これにより、合波としてのRGBレーザ光16aは、所定のタイミングでRレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aが切り換えられて出射される。
また、液晶素子20のR液晶素子21、G液晶素子22、B液晶素子23は、R光源11、G光源12、B光源13の動作に同期して、液晶駆動電圧VR、VG、VBによって駆動され、入射されたRGBレーザ光16aの偏光方向を高速に切り換えて出射する。すなわち、RGBレーザ光16aがRレーザ光11aであるタイミングでは、R液晶素子21が駆動されて偏光方向が切り換えられる。また、RGBレーザ光16aがGレーザ光12aであるタイミングでは、G液晶素子22が駆動されて偏光方向が切り換えられる。また、RGBレーザ光16aがBレーザ光13aであるタイミングでは、B液晶素子23が駆動されて偏光方向が切り換えられる。そして、液晶素子20からは、偏光方向が切り換えられたRGBレーザ光16bが出射される。
[第3の実施形態の駆動波形の基本形の説明:図8]
次に、第3の実施形態の液晶素子20を駆動する駆動波形の基本形について図8を用いて説明する。図8において、光源部10からのレーザ光は、前述したように、所定の周期によって時分割でRレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aが順次出射される。
液晶駆動電圧VRは、Rレーザ光11aが出射されるタイミングに同期して、周期T0で0Vを中心に正電圧+Vと負電圧−Vの交流電圧を出力し、Gレーザ光12a、または、Bレーザ光13aが出射されるタイミングでは、負電圧−Vの直流電圧が出力される。
また、液晶駆動電圧VGは、Gレーザ光12aが出射されるタイミングに同期して、周期T0で正電圧+Vと負電圧−Vの交流電圧を出力し、Rレーザ光11a、または、Bレーザ光13aが出射されるタイミングでは、負電圧−Vの直流電圧が出力される。
また、液晶駆動電圧VBは、Bレーザ光13aが出射されるタイミングに同期して、周期T0で正電圧+Vと負電圧−Vの交流電圧を出力し、Rレーザ光11a、または、Gレーザ光12aが出射されるタイミングでは、負電圧−Vの直流電圧が出力される。
そして一例として、正電圧+Vが印加された時に、各液晶素子のダイレクタ方向が入射光の偏光方向に対して45°となり、負電圧−Vが印加された時に、ダイレクタ方向が入射光の偏光方向に対して0°となるように設定することによって、液晶素子20を透過して出射されるRGBレーザ光16bは、周期T0のタイミングで偏光方向が90°と0°に経時的に切り替わることになる。この動作によって、レーザ光のスペックルノイズを低減することが出来る。
また、各液晶素子は、対応していない他の波長のレーザ光が出射されているときは、負電圧−Vの直流電圧が印加されるので、ダイレクタ方向が入射光の偏光方向に対して0°となる。これにより、液晶素子に対応していないレーザ光は偏光方向の切り換えが行われず、そのレーザ光は影響を受けずに液晶素子を透過する。すなわち、各液晶素子は、対応する波長のレーザ光が出射されたときにのみ、その波長のレーザ光の偏光方向を切り換え、他の波長のレーザ光には偏光制御しないように動作するのである。
このように、液晶素子20を光軸方向に重ねて、光源部10と液晶素子20を同期させて時分割駆動することで、各波長のレーザ光のスペックルノイズを低減することが第3の
実施形態の特徴である。なお、液晶駆動電圧VR、VG、VBの駆動波形は図8に限定されない。たとえば、各液晶素子に正電圧+Vが印加された時に、ダイレクタ方向が入射光の偏光方向に対して0°となり、負電圧−Vが印加された時に、ダイレクタ方向が入射光の偏光方向に対して45°となるように設定するならば、対応していない他の波長のレーザ光が出射されているときの直流電圧は、正電圧+Vを印加すればよい。
[第3の実施形態の補償パルスを含んだ駆動波形の説明:図9]
次に、第3の実施形態の液晶素子20を駆動する他の駆動波形について図9を用いて説明する。この駆動波形は、正または負の直流電圧を補償する補償パルスを含んだ駆動波形である。すなわち、前述した第3の実施形態の駆動波形の基本形(図8参照)では、対応していない他の波長のレーザ光が出射されているとき、負電圧−Vまたは正電圧+Vの直流電圧が印加されるが、この駆動波形が液晶素子20に長期間印加されると、負または正の直流電圧によって強誘電性液晶素子に焼き付き現象が発生し、偏光方向の切り換えが正常に行われない不具合が生じる。この不具合を無くすための駆動波形が、図9で示す補償パルスを含んだ駆動波形である。
図9において、光源部10からのレーザ光は、前述したように、所定の周期によって時分割でRレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aが順次出射される。また、各レーザ光の切り替わり目には、どのレーザ光も出射されない所定の長さの補償期間Thが設けられている。
液晶駆動電圧VRは、Rレーザ光11aの出射期間Trでは、周期T0で0Vを中心に正電圧+Vと負電圧−Vの交流電圧を出力し、Rレーザ光11aの出射期間Tr直後の補償期間Thでは、補償パルスとして所定の大きさの正電圧+V1を出力する。また、Gレーザ光12aの出射期間Tgとその直後の補償期間Th、及び、Bレーザ光13aの出射期間Tbとその直後の補償期間Thを合わせた期間Twでは、負電圧−V1’の直流電圧が出力される。
ここで、Rレーザ光11aの出射期間Tr直後の補償期間Thと補償パルスの正電圧+V1の積と、負電圧−V1’が印加されている期間Twと負電圧−V1’の積と、の絶対値が等しくなるように、補償期間Thの長さと正電圧+V1及び負電圧−V1’の値を調整することで、期間Twに印加される負電圧−V1’が、正電圧+V1の補償パルスによって相殺されるので、液晶素子20に対して交流化駆動を行うことが可能となる。
すなわち、図9の液晶駆動電圧VRにおいて、図面上右上がりのハッチング面積(補償パルスの領域)と右下がりのハッチング面積(期間Twの領域)が等しくなるように、補償期間Thの長さと正電圧+V1及び負電圧−V1’の大きさを調整するのである。なお、負電圧−V1’は、液晶素子20のダイレクタ方向が0°となり、透過するレーザ光の偏光方向を変化させない電圧値を選択する。なお、負電圧−V1’は、交流電圧の負電圧−Vと等しくても良い。
また同様に、液晶駆動電圧VGは、Gレーザ光12aの出射期間Tgでは、周期T0で正電圧+Vと負電圧−Vの交流電圧を出力し、Gレーザ光12aの出射期間Tg直後の補償期間Thでは、補償パルスとして所定の大きさの正電圧+V1を出力する。また、Rレーザ光11aの出射期間Trとその直後の補償期間Th、及び、Bレーザ光13aの出射期間Tbとその直後の補償期間Thでは、負電圧−V1’の直流電圧が出力される。
また同様に、液晶駆動電圧VBは、Bレーザ光13aの出射期間Tbでは、周期T0で正電圧+Vと負電圧−Vの交流電圧を出力し、Bレーザ光13aの出射期間Tb直後の補償期間Thでは、補償パルスとして所定の大きさの正電圧+V1を出力する。また、Rレ
ーザ光11aの出射期間Trとその直後の補償期間Th、及び、Gレーザ光12aの出射期間Tgとその直後の補償期間Thでは、負電圧−V1’の直流電圧が出力される。
このように、液晶素子20を駆動する駆動波形に補償パルスを付加することによって、直流電圧を補償して液晶素子20に対して交流化駆動を行い、焼き付き現象の発生を防いで信頼性に優れたレーザ用光学デバイスを実現することが出来る。
以上のように、第3の実施形態のレーザ用光学デバイスは、複数のレーザ光をフィールドシーケンシャル方式によって時分割で出射し、出射されたレーザ光を同一光軸に出射するごとく配置して、それぞれの波長に合わせて偏光方向を切り換える三つの液晶素子を光軸方向に重ねて配置している。これにより、複数のレーザ光は時分割出射されるために、第1及び第2の実施形態のレーザ光の同時出射と比較して、個々のレーザ光の輝度を上げる必要があるが、三つの液晶素子を厚み方向に重ねて配置するので、液晶素子20を配置するスペースを小さくできる。この結果、スペース効率に優れた小型のレーザ用光学デバイスを提供することができる。
[第3の実施形態の変形例の構成説明:図10]
次に、第3の実施形態の変形例のレーザ用光学デバイスの構成について図10を用いて説明する。なお、第3の実施形態と同一要素には同一番号を付し重複する説明は省略する。図10において、符号70は第3の実施形態の変形例のレーザ用光学デバイスである。レーザ用光学デバイス70は、複数のレーザ光を所定の偏光方向で出射する光源部10と、複数の強誘電性液晶素子で成る液晶素子20と、ダイクロイックミラー61、62、ミラー63、及び、光源部10と液晶素子20を駆動制御する制御部30とを有している。
光源部10の構成と動作は、第3の実施形態と同様であるので説明は省略する。また、ダイクロイックミラー61、62、ミラー63の構成は、第3の実施形態と同様であるので、説明は省略する。これらのダイクロイックミラー61、62、ミラー63によって、光源部10からのRレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aは同一光軸にまとめられ、RGBレーザ光16aとして液晶素子20に向けて出射される。
液晶素子20は、二つの液晶素子を有し、Rレーザ光11aに対応するR液晶素子21と、Gレーザ光12aとBレーザ光13aに対応するGB液晶素子24とによって構成される。そして、R液晶素子21とGB液晶素子24の二つの液晶素子は、前述のRGBレーザ光16aの光軸方向に重ねて配置される。
すなわち、本実施形態は、三つの光源からのレーザ光が同一光軸にまとめられ、この光軸方向に重ねて配置された二つの液晶素子によって、レーザ光の偏光方向を切り換える構成である。そして、R液晶素子21は、入射されるRレーザ光11aの波長に合わせて偏光方向の切り換えが最適になるように、Δn・dが設定される。また、GB液晶素子24のΔn・dは、Gレーザ光12aの波長とBレーザ光13aの波長との中間波長で最適になるように、設定されることが好ましい。
また、制御部30は、第3の実施形態と同様にR光源11、G光源12、B光源13をそれぞれON、OFF制御する光源制御信号CR、CG、CBを出力する。また、制御部30は、R液晶素子21、GB液晶素子24をそれぞれ駆動する液晶駆動電圧VR、VGBを出力する。
[第3の実施形態の変形例の動作説明:図10]
次に、第3の実施形態における変形例の動作の概要について図10を用いて説明する。制御部30は、光源制御信号CR、CG、CBを出力することによって、R光源11、G
光源12、B光源13のONとOFFを制御し、Rレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aを時分割で出射させる。これにより、合波としてのRGBレーザ光16aは、所定のタイミングでRレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aが切り換えられて出射される。
また、液晶素子20のR液晶素子21、GB液晶素子24は、それぞれの液晶駆動電圧VR、VGBによって駆動され、入射されたRGBレーザ光16aの偏光方向を高速に切り換えて出射する。すなわち、RGBレーザ光16aがRレーザ光11aであるタイミングでは、R液晶素子21が駆動されて偏光方向が切り換えられる。また、RGBレーザ光16aがGレーザ光12a又はBレーザ光13aのタイミングでは、GB液晶素子24が駆動されて偏光方向が切り換えられる。そして、液晶素子20からは、偏光方向が切り換えられたRGBレーザ光16bが出射される。
[第3の実施形態の変形例の駆動波形の説明:図11]
次に、第3の実施形態における変形例の駆動波形について図11を用いて説明する。なお、ここでの駆動波形は、駆動する液晶素子を交流化駆動するために補償パルスを含んだ駆動波形として説明する。
図11において、光源部10からのレーザ光は、前述したように、所定の周期によって時分割でRレーザ光11a、Gレーザ光12a、Bレーザ光13aが順次出射される。また、Rレーザ光11aの出射期間Trの直後には、どのレーザ光も出射されない所定の長さの補償期間Thが設けられる。ただし、Gレーザ光12aからBレーザ光13aへの切り換え時と、Bレーザ光13aからRレーザ光11aへの切り換え時には補償期間は存在しない。
液晶駆動電圧VRは、Rレーザ光11aの出射期間Trでは、周期T0で0Vを中心に正電圧+Vと負電圧−Vの交流電圧を出力し、Rレーザ光11aの出射期間Tr直後の補償期間Thでは、補償パルスとして所定の大きさの正電圧+V2を出力する。また、Gレーザ光12aとBレーザ光13aを合わせた出射期間Tgbでは、負電圧−V2‘の直流電圧が出力される。
ここで、Rレーザ光11aの出射期間Tr直後の補償期間Thと補償パルスの正電圧+V2の積と、負電圧−V2‘が印加されている出射期間Tgbと負電圧−V2’の積と、の絶対値が等しくなるように、補償期間Thの長さと正電圧+V2及び負電圧−V2‘を調整することで、出射期間Tgbに印加される負電圧−V2’が、正電圧+V2の補償パルスによって相殺されるので、液晶駆動電圧VRは液晶素子20に対して交流化駆動を行うことが可能となる。
すなわち、図11の液晶駆動電圧VRにおいて、図面上右上がりのハッチング面積(補償パルスの領域)と右下がりのハッチング面積(出射期間Tgbの領域)が等しくなるように、補償期間Thの長さと正電圧+V2及び負電圧−V2‘を調整するのである。なお、負電圧−V2’は、液晶素子20のダイレクタ方向が0°となり、透過するレーザ光の偏光方向を変化させない電圧値を選択する。なお、負電圧−V2‘は、交流電圧の負電圧−Vと等しくても良い。
また、液晶駆動電圧VGBは、Gレーザ光12aとBレーザ光13aを合わせた出射期間Tgbでは、周期T0で0Vを中心に正電圧+Vと負電圧−Vの交流電圧を出力し、Rレーザ光11aの出射期間Trでは負電圧−V3‘を出力し、Rレーザ光11aの出射期間Tr直後の補償期間Thでは、補償パルスとして所定の大きさの正電圧+V3を出力する。
ここで、Rレーザ光11aの出射期間Tr直後の補償期間Thと補償パルスの正電圧+V3の積と、負電圧−V3‘が印加されている出射期間Trと負電圧−V3’の積と、の絶対値が等しくなるように、補償期間Thの長さと正電圧+V3及び負電圧−V3‘を調整することで、出射期間Trに印加される負電圧−V3’が、正電圧+V3の補償パルスによって相殺されるので、液晶駆動電圧VGBは液晶素子20に対して交流化駆動を行うことができる。
すなわち、図11の液晶駆動電圧VGBにおいて、図面上右上がりのハッチング面積(補償パルスの領域)と右下がりのハッチング面積(出射期間Trの領域)が等しくなるように、補償期間Thの長さと正電圧+V3及び負電圧−V3‘を調整するのである。なお、負電圧−V3’は、液晶素子20のダイレクタ方向が0°となり、透過するレーザ光の偏光方向を変化させない電圧値を選択する。なお、負電圧−V3‘は、交流電圧の負電圧−Vと等しくても良い。
このように、第3の実施形態の変形例においても、液晶素子20を駆動する駆動波形に補償パルスを付加することによって、直流電圧を補償して液晶素子20に対して交流化駆動を行い、焼き付き現象の発生を防いで信頼性に優れたレーザ用光学デバイスを実現することが出来る。
以上のように、第3の実施形態の変形例のレーザ用光学デバイスは、複数のレーザ光をフィールドシーケンシャル方式によって時分割で出射し、出射されたレーザ光を同一光軸に出射するごとく配置して、各波長に合わせて偏光方向を切り換える二つの液晶素子を光軸方向に重ねて配置している。これにより、複数のレーザ光は時分割出射されるために、第1及び第2の実施形態のレーザ光の同時出射と比較して、個々のレーザ光の輝度を上げる必要があるが、二つの液晶素子を厚み方向に重ねて配置するので、液晶素子20を配置するスペースを更に小さくできる。この結果、スペース効率に優れた小型のレーザ用光学デバイスを提供することができる。
なお、第3の実施形態の変形例において、一つの液晶素子がGレーザ光12aとBレーザ光13aに対応する理由は、第2の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、本実施形態においては、液晶素子20の組み合わせをR液晶素子21とGB液晶素子24としたが、これに限定されず、たとえば、B液晶素子とRG液晶素子のように組み合わせても良い。
[本発明のレーザ用光学デバイスを用いた映像エンジンの説明:図12]
次に、本発明のレーザ用光学デバイスを用いてスペックルノイズを減少した映像エンジンの一例について図12を用いて説明する。図12において、映像エンジン80は、図7に示した第3の実施形態のレーザ用光学デバイス60を適用し、LCOS(Liquid
Crystal On Silicon)を用いた映像エンジンである。映像エンジン80は、光源部10と、レンズ81と、偏波ビームスプリッタ82と、LCOS83と、レンズ84と、液晶素子20と、を備えている。なお、レーザ光を同一光軸に出射するダイクロイックミラー等は図示を省略している。
レンズ81は、光源部10から出射されたRGBレーザ光16aを偏波ビームスプリッタ82へ出射する。偏波ビームスプリッタ82は、レンズ81から出射されたRGBレーザ光16aを反射させてLCOS83へ出射する。また、偏波ビームスプリッタ82は、LCOS83から出射されたレーザ光を、偏光状態に応じてレンズ84へ出射する。
LCOS83は、レーザ光を空間的に変調して映像を形成する空間光変調手段としての
変調器である。LCOS83は、偏波ビームスプリッタ82から出射されたレーザ光を偏波ビームスプリッタ82へ反射させる。また、LCOS83は、レーザ光が反射する面の各画素に印加される電圧に応じて、各画素における反射光の偏光状態を制御する。これにより、偏波ビームスプリッタ82からレンズ84の側へ透過するレーザ光の強度を画素ごとに制御して映像を形成することができる。
レンズ84は、偏波ビームスプリッタ82から出射されたレーザ光を液晶素子20へ出射する。液晶素子20は、R液晶素子21、G液晶素子22、B液晶素子23が光軸方向に重ねて配置され(図7参照)、レンズ84から出射された各波長のレーザ光の偏光方向を経時的に切り換えて後段へ出射する。液晶素子20から出射されたレーザ光は、たとえばスクリーン(図示せず)に投影される。このようにして、LCOS83によってレーザ光を変調した画像光の偏光方向を、本発明のレーザ用光学デバイスによって経時的に切り換えることで、スペックルノイズが低減した高画質の映像エンジンを実現できる。
[本発明のレーザ用光学デバイスを用いたプロジェクタの説明:図13]
次に、本発明のレーザ用光学デバイスを用いてスペックルノイズを減少したプロジェクタの構成の一例について図13を用いて説明する。図13において、プロジェクタ90は、映像エンジン80と、制御部30、及び、電源91を備えている。
映像エンジン80は、前述の図12で示した映像エンジン80をそのまま適用することが出来る。映像エンジン80は、R光源11、G光源12,B光源13を有する光源部10と、液晶素子20、及び、LCOS83を有している。
制御部30は、第3の実施形態の制御部30を適用することができ、光源コントローラ31と、LCOSコントローラ32と、液晶素子コントローラ33と、コントロールユニット34とを有している。光源コントローラ31は、コントロールユニット34からの制御に従って、R光源11、G光源12、B光源13へ供給する光源制御信号CR、CG、CBを出力することで、R光源11、G光源12、B光源13が出射する各レーザ光を制御する。
LCOSコントローラ32は、コントロールユニット34からの制御に従って、LCOS83の電極へ印加する電圧を制御することでレーザ光を変調し、プロジェクタ90が出射するレーザ光の画像や映像を制御する。
液晶素子コントローラ33は、コントロールユニット34からの制御に従って、液晶素子20の電極へ印加する液晶駆動電圧VR、VG、VBを出力することで、プロジェクタ90が出射するレーザ光の偏光状態を制御する。具体的には、液晶素子コントローラ33は、光源部10からのレーザ光に対応する液晶素子20のダイレクタ方向の角度を0°と45°とに経時的に高速に切り換える。
コントロールユニット34は、プロジェクタ90へ入力される映像信号(図示せず)に基づいて映像処理を行い、所定のタイミングで光源コントローラ31、液晶素子コントローラ33およびLCOSコントローラ32を制御する。また、電源91はプロジェクタ90の全体の電源であり、バッテリであってもよい。
この構成によってプロジェクタ90は、LCOS83で変調された画像光を本発明のレーザ用光学デバイスによって偏光方向を高速に切り換え、スクリーン(図示せず)に投影することで、スペックルノイズが減少した高画質の映像を表示することができる。このように、本発明のレーザ用光学デバイスは、プロジェクタが生成し表示する映像のスペックルノイズを減少させるための主要な構成要素として適用することが出来る。
また、本発明のレーザ用光学デバイスは、映像光の偏光状態を切り換えて制御出来るので、左目と右目の映像を偏光方向を切り換えて表示することで、3D表示機能を有する画像表示装置などにも適用することができる。
なお、本発明の実施形態で示した構成図や駆動波形等は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を満たすものであれば、任意に変更してよい。
本発明のレーザ用光学デバイスは、スペックルノイズを確実に減少でき、且つ、小型であるので、ピコプロジェクタなどの小型の光学装置や3D表示装置などに幅広く利用することが出来る。
1、40、50、60、70 レーザ用光学デバイス
10 光源部
11 R光源
11a、11b Rレーザ光
12 G光源
12a、12b Gレーザ光
13 B光源
13a、13b Bレーザ光
14a、14b GBレーザ光
15a、15b RGレーザ光
16a、16b RGBレーザ光
20 液晶素子
21 R液晶素子
22 G液晶素子
23 B液晶素子
24 GB液晶素子
25 RG液晶素子
30 制御部
31 光源コントローラ
32 LCOSコントローラ
33 液晶素子コントローラ
34 コントロールユニット
41、42、61、62 ダイクロイックミラー
43、63 ミラー
80 映像エンジン
83 LCOS
90 プロジェクタ
CR、CG、CB 光源制御信号
VR、VG、VB、VGB、VRG 液晶駆動電圧

Claims (5)

  1. 複数のレーザ光を所定の偏光方向で出射する光源部と、
    前記複数のレーザ光の偏光方向を経時的に切り換える液晶素子と、を備えるレーザ用光学デバイスにおいて、
    前記液晶素子は、前記複数のレーザ光の各波長に合わせて、前記液晶素子の(Δn・d)がそれぞれ設定されている複数の強誘電性液晶素子であり、前記複数のレーザ光を同一光軸に出射するごとく配置し、且つ、前記複数のレーザ光を時分割で出射させ、前記複数の強誘電性液晶素子は、光軸方向に重ねて配置したことを特徴とするレーザ用光学デバイス。
  2. 前記複数のレーザ光は、赤色、緑色、青色であり、前記緑色と青色のレーザ光を入射する前記強誘電性液晶素子を一つの前記液晶素子で構成したことを特徴とする請求項に記載のレーザ用光学デバイス。
  3. 前記複数のレーザ光は、赤色、緑色、青色であり、前記赤色と緑色のレーザ光を入射する前記強誘電性液晶素子を一つの前記液晶素子で構成したことを特徴とする請求項1に記載のレーザ用光学デバイス。
  4. 前記複数のレーザ光のうち、一つのレーザ光が出射されている期間は、その前記レーザ光に対応する前記強誘電性液晶素子の駆動波形は、正負の交流電圧で構成され、その他の前記強誘電性液晶素子の駆動波形は、正または負の直流電圧で構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のレーザ用光学デバイス。
  5. 前記駆動波形は、前記正または負の直流電圧を補償する補償パルスを有することを特徴とする請求項に記載のレーザ用光学デバイス。
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