JP5825066B2 - カーボンナノチューブインク組成物およびカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法 - Google Patents
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Description
環式脂肪族炭化水素からなる炭化水素構造において、2つの炭素原子に1つずつヒドロキシ基が置換している構造を
持ちさえすればよい。例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコールなどのようなポリエチレングリコール、さらにはより高分子量のポリエチレングリコールをあげることができる。特に、ジエチレングリコールやトリエチレングリコールが好適である。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールなどのようなアルカンジオールをあげることができる。ただし、グリコール基の親溶媒性によって溶媒への分散性が増大するのであれば、ここにあげたものに限らない。
以下、実施例をもとに本実施形態を詳細に説明する。ただし、本実施形態はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1では、まず、ガラス製の容器にHipco法で作成したSWCNTを10mg秤量し、ペンタフルオロプロピオン酸ジエチレングリコールエステルを1mg加えた。ついで、ガラス容器に水を10g添加し、超音波装置を用いて、1時間超音波処理を行った。超音波処理直後の分散液は均一な黒色形態を示し、残留物、沈殿物は見られなかった。また、この分散液を10日後、30日後に観察したところ、処理直後と同様に、残留物、沈殿物は見られなかった。
実施例2では、まず、ガラス製の容器にHipco法で作成したSWCNTを10mg秤量し、ペンタフルオロプロピオン酸トリエチレングリコールエステルを1mg加えた。ついで、ガラス容器に水を10g添加し、超音波装置を用いて、1時間超音波処理を行った。超音波処理直後の分散液は均一な黒色形態を示し、残留物、沈殿物は見られなかった。また、この分散液を10日後、30日後に観察したところ、処理直後と同様に、残留物、沈殿物は見られなかった。
実施例3では、まず、ガラス製の容器にHipco法で作成したSWCNTを100mg秤量し、ペンタフルオロプロピオン酸ジエチレングリコールエステルを10mg加えた。さらに、末端にC18H37O(1−オクタデコキシ基)を導入したポリエチレングリコール(分子量1000)を加えた。ついで、ガラス容器に水を10g添加し、超音波装置を用いて、1時間超音波処理を行った。超音波処理直後の分散液は均一な黒色形態を示し、残留物、沈殿物は見られなかった。また、この分散液を10日後、30日後に観察したところ、処理直後と同様に、残留物、沈殿物は見られなかった。実施例1、2と比較し、高濃度のカーボンナノチューブインク組成物を得ることができた。
実施例4では、まず、ガラス製の容器にHipco法で作成したSWCNTを10mg秤量し、ペンタフルオロプロピオン酸ジエチレングリコールエステルを1mg加えた。ついで、ガラス容器にジクロロエタン(DCE)を10g添加し、超音波装置を用いて、1時間超音波処理を行った。超音波処理直後の分散液は均一な黒色形態を示し、残留物、沈殿物は見られなかった。また、この分散液を10日後、30日後に観察したところ、処理直後と同様に、残留物、沈殿物は見られなかった。溶媒を有機溶媒に変更しても安定なインク組成物を得ることができた。
実施例5では、SWCNTの代わりにDWCNTを用いた以外は、実施例1と全く同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物を得た。超音波処理直後の分散液は均一な黒色形態を示し、残留物、沈殿物は見られなかった。また、この分散液を10日後、30日後に観察したところ、処理直後と同様に、残留物、沈殿物は見られなかった。
実施例6では、SWCNTの代わりにMWCNTを用いた以外は、実施例1と全く同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物を得た。超音波処理直後の分散液は均一な黒色形態を示し、残留物、沈殿物は見られなかった。また、この分散液を10日後、30日後に観察したところ、処理直後と同様に、残留物、沈殿物は見られなかった。
比較例1では、ペンタフルオロプロピオン酸ジエチレングリコールエステルを用いない以外は、実施例1と全く同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物を得た。作製したカーボンナノチューブインク組成物において、超音波処理直後は溶媒中にCNTが浮遊していたが、しばらく静置すると、全てのCNTが沈殿した。
比較例2では、末端にC18H37O(1−オクタデコキシ基)を導入したポリエチレングリコールを加えていない以外は、実施例3と全く同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物を得た。作製したカーボンナノチューブインク組成物において、CNTが飽和した黒色形態の上澄み液が得られたものの、分散しきれなかったCNTの沈殿がみられた。この分散液を10日後、30日後に観察したところ、時間の経過に伴って沈殿物が増大し、インク中に凝集した浮遊物が目立つようになった。
比較例3では、ペンタフルオロプロピオン酸ジエチレングリコールエステルを用いない以外は、実施例4と全く同様にカーボンナノチューブインク組成物を作製し、カーボンナノチューブインク組成物を得た。作製したカーボンナノチューブインク組成物において、残留物、沈殿物は見られなかった。しかし、この分散液を10日後に観察したところ、CNTの沈殿が確認できた。さらに30日後に観察したところ、分散液の色は黒いものの、10日目よりも多くのCNTが沈殿していることを確認できた。
(付記1)
カーボンナノチューブと、
溶媒と、
ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物を含有することを特徴とするカーボンナノチューブインク組成物。
(付記2)
前記カーボンナノチューブの含有量が、重量比で1%以下であることを特徴とする付記1に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
(付記3)
前記カーボンナノチューブに対する前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物の含有量が、重量比で1〜10%の範囲内にあることを特徴とする付記1又は2に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
(付記4)
前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物のグリコール基が、ポリエチレングリコール構造をもつことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
(付記5)
前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物のグリコール基が、アルカンジオール構造をもつことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
(付記6)
前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物のグリコール基が、ジエチレングリコール基であることを特徴とする付記5に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
(付記7)
前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物のグリコール基が、トリエチレングリコール基であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
(付記8)
前記溶媒が水であることを特徴とする付記1乃至7のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
(付記9)
前記溶媒が有機溶媒であることを特徴とする付記1乃至7のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
(付記10)
付記1乃至9のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブをインクジェットヘッド装置から噴霧させることを特徴とするカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法。
(付記11)
炭素数が10以上のアルコキシ基を置換基とするポリエチレングリコール化合物を含有することを特徴とする付記1乃至9のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
Claims (10)
- カーボンナノチューブと、
溶媒と、
ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物を含有することを特徴とするカーボンナノチューブインク組成物。 - 前記カーボンナノチューブの含有量が、重量比で1%以下であることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
- 前記カーボンナノチューブに対する前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物の含有量が、重量比で1〜10%の範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
- 前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物のグリコール基が、ポリエチレングリコール構造をもつことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
- 前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物のグリコール基が、アルカンジオール構造をもつことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
- 前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物のグリコール基が、ジエチレングリコール基であることを特徴とする請求項5に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
- 前記ペンタフルオロプロピオン酸グリコールエステル化合物のグリコール基が、トリエチレングリコール基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
- 前記溶媒が水であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
- 前記溶媒が有機溶媒であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物。
- 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブインク組成物をインクジェットヘッド装置から噴霧させることを特徴とするカーボンナノチューブインク組成物の噴霧方法。
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