本発明の一実施形態によるイントラ予測方法は、映像のブロックから、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックを検索する段階と、前記検索された隣接ブロックがイントラモードで復元されたブロックであり、前記現在ブロックのイントラモードが、以前にイントラモードで復元されたブロックだけ参照するCIP(combined intra prediction)モードであるか否かを確認する段階と、前記確認結果に基づいて、前記検索された隣接ブロックが、前記現在ブロックのイントラ予測のために参照可能な参照ブロックであるか否かを決定する段階と、前記参照可能なブロックとして決定された参照ブロックのサンプル値を利用して、前記現在ブロックに対するイントラ予測を行う段階と、を含む。
一実施形態によって、前記隣接ブロックを検索する段階は、前記現在ブロックの予測モードが、前記CIPモードのイントラモードであるか否かを判断する前に、前記現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックを検索する段階を含み、前記CIPモードであるか否かを確認する段階は、前記検索された隣接ブロックごとに、それぞれのブロックがイントラモードで復元され、前記現在ブロックのイントラモードが、前記CIPモードであるか否かを確認する段階を含む。
一実施形態によって、前記イントラ予測を行う段階は、前記参照ブロックが前記映像の境界を外れる場合、前記参照ブロックのピクセルのうち、前記境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、前記映像の境界を外れる領域をパッディングする段階を含む。
一実施形態によって、前記イントラ予測を行う段階は、前記現在ブロックのイントラモードが、前記CIPモードであるか否かということと係わりなく、前記参照ブロックが前記映像の境界を外れる場合、前記参照ブロックのピクセルのうち、前記境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、前記映像の境界を外れる領域をパッディングする段階を含む。
本発明の一実施形態によるイントラ予測装置は、映像のブロックから、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックを検索し、前記検索された隣接ブロックがイントラモードで復元されたブロックでありながら、前記現在ブロックのイントラモードが、イントラモードで前もって復元されたブロックだけ参照するCIPモードであるか否かを確認した結果に基づいて、前記検索された隣接ブロックが、前記現在ブロックのイントラ予測のために参照可能な参照ブロックであるか否かを決定するイントラ参照ブロック決定部と、前記参照ブロックのサンプル値を利用して、前記現在ブロックに対するイントラ予測を行うイントラ予測部と、を含む。
本発明の一実施形態によるビデオ復号化装置は、受信されたビットストリームからパージングされたビット列に対して、エントロピ復号化を行ってサンプルを復元するパージング部と、前記復元されたサンプルのうち量子化された変換係数に対して逆量子化及び逆変換を行ってサンプルを復元する逆変換部と、前記サンプルから、イントラモードである現在ブロックをイントラ予測のために、前記現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックを検索し、前記検索された隣接ブロックがイントラモードで復元されたブロックありながら、現在ブロックのイントラモードが、イントラモードで以前に復元された隣接ブロックだけ参照するCIPモードであるか否かを確認した結果に基づいて、前記検索された隣接ブロックが、現在ブロックのイントラ予測のために参照可能な参照ブロックであるか否かを決定し、前記参照ブロックのサンプル値を利用して、前記現在ブロックに対するイントラ予測を行うイントラ予測部と、前記サンプルのうち、インター予測モードのブロックに対して動き補償を行う動き補償部と、前記インター予測または前記イントラ予測を介して復元されたブロックを利用して、映像を復元する復元部と、を含む。
本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置は、ビデオのブロックから、イントラモードである現在ブロックをイントラ予測のために、前記現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックを検索し、前記検索された隣接ブロックがイントラモードで復元されたブロックでありながら、現在ブロックのイントラモードがイントラモードで復元された隣接ブロックだけ参照するCIPモードであるか否かを確認した結果に基づいて、前記検索された隣接ブロックが、現在ブロックのイントラ予測のために参照可能な参照ブロックであるか否かを決定し、前記参照ブロックのサンプル値を利用して、前記現在ブロックに対するイントラ予測を行うイントラ予測部と、前記ブロックのうち、インター予測モードであるブロックに対してインター予測を行うインター予測部と、前記イントラ予測または前記インター予測の遂行結果に対して、変換及び量子化を行う変換量子化部と、前記変換及び量子化の結果として生成された量子化された変換係数を含むサンプルに対してエントロピ符号化を行い、生成されたビットストリームを出力する出力部と、を含む。
本発明は、一実施形態によるイントラ予測方法を電算的に具現するプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含む。
以下、図1ないし図5を参照し、一実施形態による、イントラモードによって参照可能性を統合的に確認するイントラ予測方法及びイントラ予測装置を開示する。また、図6A及び図6Bを参照し、一実施形態によるイントラ予測を伴うビデオ符号化技法及びビデオ復号化技法を開示する。また、図7ないし図19を参照し、一実施形態によるツリー構造の符号化単位に基づいて、一実施形態による、イントラ予測を伴うビデオ符号化技法及びビデオ復号化技法を開示する。以下、「映像」は、ビデオの静止映像や動画、すなわち、ビデオそのものを示す。
まず、図1ないし図5を参照し、一実施形態による、イントラモードによって単一化された方式によって、参照可能性を確認するイントラ予測方法及びイントラ予測装置を開示する。また、一実施形態による、イントラ予測を伴うビデオ符号化技法及びビデオ復号化技法を開示する。
図1は、一実施形態によるイントラ予測装置10のブロック図を図示している。一実施形態によるイントラ予測装置10は、イントラ参照ブロック決定部12及びイントラ予測部14を含む。
一実施形態によるイントラ予測装置10は、ビデオのそれぞれの映像のブロック別に符号化する。ブロックのタイプは、正方形または長方形でもあり、任意の幾何学的形態でもある。一定サイズのデータ単位に制限されるものではない。一実施形態によるブロックは、ツリー構造による符号化単位のうち、最大符号化単位、符号化単位、予測単位、変換単位などでもある。ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ符号化/復号化方式については、図7ないし図19を参照して後述する。
一実施形態によるイントラ参照ブロック決定部12は、現在ブロックに隣接する隣接ブロックから、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックを検索する。現在ブロックに対するイントラ予測のためには、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックが参照されもする。
CIP(combined intra prediction)モードによるイントラ予測は、イントラモードで以前に復元されたブロックだけ参照することができる。イントラ参照ブロック決定部12は、以前に復元された隣接ブロックがイントラモードで復元されたブロックであり、それと同時に、現在ブロックのイントラモードがCIPモードであるか否かを確認する。すなわち、一実施形態によるイントラ参照ブロック決定部12は、現在ブロックのイントラモードがCIPモードであるか否かを判断する前に、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックを検索することができる。イントラ参照ブロック決定部12は、現在ブロックより先に復元された隣接ブロックを検索した後、隣接ブロックごとに、イントラモードで復元されたブロックありながら、現在ブロックがCIPモードのブロックであるか否かを確認することができる。
イントラ参照ブロック決定部12は、検索された隣接ブロックがイントラモードで復元されたブロックであり、現在ブロックがCIPモードであるか否かを確認した結果に基づいて、当該隣接ブロックが、現在ブロックのイントラ予測のために参照可能な参照ブロックであるか否かを決定することができる。
例えば、検索された隣接ブロックが、イントラモードで復元されたブロックであり、同時に現在ブロックがCIPモードであるならば、イントラ参照ブロック決定部12は、当該隣接ブロックが、現在ブロックのイントラ予測のために参照可能な参照ブロックであると決定することができる。
また、検索された隣接ブロックが、イントラモードで復元されたブロックではないか、あるいは現在ブロックがCIPモードではないならば、イントラ参照ブロック決定部12は、当該隣接ブロックが、現在ブロックのイントラ予測のために参照可能な参照ブロックではないと決定することができる。
イントラ予測部14は、参照ブロックのサンプル値を利用して、現在ブロックに対するイントラ予測を行うことができる。イントラ予測部14は、参照ブロックが映像の境界を外れる場合、参照ブロックのピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、映像の境界を外れる領域をパッディングすることができる。すなわち、映像の境界を外れる領域を、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で充填することができる。
イントラ予測部14は、現在ブロックのイントラモードがCIPモードであるか否かということと係わりなく、参照ブロックが映像の境界を外れるならば、参照ブロックのピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、映像の境界を外れる領域をパッディングすることができる。
イントラ予測部14は、パッディングされた領域を参照し、現在ブロックのためのイントラ予測を行うことができる。
一実施形態によるイントラ予測装置10は、イントラ参照ブロック決定部12及びイントラ予測部14を総括的に制御する中央プロセッサ(図示せず)を含んでもよい。または、イントラ参照ブロック決定部12及びイントラ予測部14が、それぞれの自体プロセッサ(図示せず)によって作動し、プロセッサ(図示せず)が相互有機的に作動することにより、イントラ予測装置10が全体的に作動するようにもなる。または、一実施形態によるイントラ予測装置10の外部プロセッサ(図示せず)の制御によって、イントラ参照ブロック決定部12及びイントラ予測部14が制御されもする。
一実施形態によるイントラ予測装置10は、イントラ参照ブロック決定部12及びイントラ予測部14の入出力データが保存される一つ以上のデータ保存部(図示せず)を含んでもよい。イントラ予測装置10は、データ保存部(図示せず)のデータ入出力を管轄するメモリ制御部(図示せず)を含んでもよい。
一実施形態によるイントラ予測装置10によれば、現在ブロックがCIPモードであるか否かということと係わりなく、隣接ブロックが、現在ブロックより先に復元されたブロックであるか否かを確認することができるので、(i)現在ブロックがCIPモードである場合、イントラ参照ブロックを検索するプロセスと、(ii)現在ブロックがCIPモードに、イントラ参照ブロックを検索するプロセスを分離する必要がないので、現在ブロックのイントラ参照ブロックを検索するプロセスを単一化することができるので、プロセスの複雑度が低くなる。
また、イントラ参照ブロックの一部領域が映像境界を外れても、現在ブロックがCIPモードであるか否かということと係わりなく、映像境界を外れる参照領域を、境界面に隣接している参照可能なピクセルのサンプル値でパッディングするので、現在ブロックがCIPモードである場合のイントラ予測結果と、CIPモードではない場合のイントラ予測結果とが同一に維持される。
図2A及び図2Bは、CIPモードによるイントラ予測動作を図示している。
現在ブロック20の一例は、ツリー構造による符号化単位の予測のためのデータ単位である予測単位(PU:prediction unit)である。ツリー構造による符号化単位及び予測単位は、図7及び図19を参照して後述する。以下、予測単位のイントラ予測を開示するとしても、他形態のブロックを利用したイントラ予測も可能である。現在ブロック20のイントラ予測のためには、現在ブロック20に隣接した左側、上端、左側下端及び右側上端のサンプル28,23を参照することができる。従って、現在ブロック20のイントラ予測のための参照サンプルを決定するために、現在ブロック20に隣接したサンプルのうち、すでに復元されて参照可能なサンプル28,23が検索される。
現在ブロック20がCIPモードでイントラ予測される場合には、最小ブロックである最小予測単位サイズ単位22のサンプルごとに、イントラ予測のために参照可能であるか否かが確認される。現在ブロック20がCIPモードではない状態で、イントラ予測される場合には、現在ブロックである予測単位サイズ単位21のサンプルごとに、イントラ予測のために参照可能であるか否かが確認される。
従って、現在ブロック20が、CIPモードまたはCIPモードではない状態で、イントラ予測されるかということにより、現在ブロック20の右側上端に位置した右側上端サンプル23に対する参照可能性は、異なりもする。
現在ブロック20がCIPモードではない場合には、右側上端サンプル23が、イントラモードで復元されたサンプルであるとしても、映像境界25を外れる外部領域26を参照したイントラ予測は、不可能である。
CIPモードではない場合、現在ブロックサイズ21に該当する右側上端サンプル23の全体に対して参照可能性が判断されるので、映像境界25の内部に位置する内部領域24は、すでに復元されたサンプルであるとしても、映像境界25を外れる外部領域26は、参照されない領域であるので、右側上端サンプル23は、いずれも参照されないサンプルであると判断される。そのような場合には、参照可能なサンプル28のうち、右側上端サンプル23に最も隣接したサンプル27で、右側上端サンプル23がいずれも置換される。
CIPモードである場合には、右側上端サンプル23において、最小ブロックサイズ22に該当する領域別、すなわち、内部領域24及び外部領域26の別に参照可能性が判断される。映像境界25を外れる外部領域26が参照されない領域であるとしても、内部領域24は、参照可能なサンプルであると判断される。そのような場合には、内部領域24のうち、外部領域26に最も隣接したサンプル29で、外部領域26が置換される。
従って、現在ブロック20がCIPモードであるか否かにより、現在ブロック20のイントラ予測のための参照可能性を判断する隣接サンプル22,24,26,28のサイズ単位21,22も異なり、映像境界25を外れる外部領域26に対するパッディング方式も変わる。従って、現在ブロック20がCIPモードであるか否かということによって、イントラ予測方式が変わり、イントラ予測結果が変わりもする。
図3は、従来のCIPモードによって、参照可能性を確認する動作30のフローチャートを図示している。
段階31で、現在ブロックのイントラモードがCIPモードであるか否かが決定される。ビデオ復号化過程では、「Constrained_intra_pred」情報を、映像ヘッダからパージングし、「Constrained_intra_pred」情報に基づいて、現在映像に含まれたブロックのイントラモードが、CIPモードであるか否かを決定することができる。例えば、現在ピクチャに係わる「Constrained_intra_pred」情報は、PPS(picture parameter set)からパージングされる。ビデオ符号化過程では、「Constrained_intra_pred」情報をPPSに記録して伝送することができる。「Constrained_intra_pred」情報に基づいて、当該ピクチャのイントラブロックがCIPモードで予測されるか否かが決定される。
従来のCIPモードによって参照可能性を確認する動作30は、段階31で、現在ブロックがCIPモードであると決定されれば、CIPモードのための参照可能性確認動作「Available_check_for_cip()」(段階35)に進み、現在ブロックがCIPモードではないと決定されれば、CIPモードではない場合のための参照可能性確認動作「Available_check_intra()」(段階37)に進む。
以下、図3及び図4のフローチャートで、インデックスiは、隣接ブロックのインデックスを示し、「Is_intra(i)」は、インデックスiである隣接ブロックがイントラモードであるか否かを判断する動作を示し、「available(i)」は、インデックスiである隣接ブロックが、現在ブロックより先に復元されたブロックであるか否かを判断する動作を示す。「avail_intra_pred[i]」は、インデックスiである隣接ブロックが、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックであるか否かを示す変数である。「max_cand_block_cip」及び「max_cand_block」は、それぞれCIPモードによるイントラ予測、及びCIPモードではない場合のイントラ予測のための候補参照ブロックの最大個数を示す。
再び、図3のフローチャート30による参照可能性動作について説明する。CIPモードのための参照可能性確認動作(Available_check_for_cip()(段階35))で、インデックスiの順序によって、隣接ブロックがイントラ参照ブロックであるか否かを判断する。段階351で、隣接ブロックインデックスが初期化され(i=0)、段階352で、隣接ブロックiが、現在ブロックより先に復元されたイントラブロックであるか否かを判断する(Is_intra(i)&&available(i))。
段階352で、隣接ブロックiが、現在ブロックより先に復元されたイントラブロックであると決定されれば、段階353で、隣接ブロックiは、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックと決定される(avail_intra_pred[i]=TRUE)。段階352で、隣接ブロックiが、現在ブロックより先に復元されたイントラブロックではないと決定されれば、段階354で、隣接ブロックiは、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックではないと決定される(avail_intra_pred[i]=FALSE)。
段階355で、次の順序の隣接ブロックの参照可能性を確認するために、ブロックインデックスiが増える。段階356で、ブロックインデックスiが、CIPモードによるイントラ予測のための候補参照ブロックの最大個数(max_cand_block_cip)に達しなければ、次の順序の隣接ブロックの参照可能性を確認するために、段階352に戻り、ブロックインデックスiが、候補参照ブロックの最大個数(max_cand_block_cip)に達すれば、参照可能性確認動作(段階35)を完了する。
CIPモードではないイントラ予測のための参照可能性確認動作(Available_check_intra()(段階37))でも、CIPモードによる参照可能性確認動作(段階35)と類似した過程が進められる。段階371で、隣接ブロックインデックスが初期化され(i=0)、段階372で、隣接ブロックiが、現在ブロックより先に復元されたブロックであるか否かを判断する(available(i))。ただし、段階352とは異なり、段階372では、隣接ブロックiがイントラモードで復元されたか否かは確認しない。段階372の結果に基づいて、段階373及び段階374で、隣接ブロックiは、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックであるか否かが決定される。
段階375で、ブロックインデックスiが増え、段階376で、ブロックインデックスiが、イントラ予測のための候補参照ブロックの最大個数(max_cand_block)に達するか否かにより、次の隣接ブロックに対して、さらに参照可能性を確認するか、あるいは参照可能性確認動作(段階37)を完了する。
従って、CIPモードによる参照可能性確認動作(段階35)と、CIPモードではない場合の参照可能性確認動作(段階37)は、実際にほぼ類似の動作にもかかわらず、現在ブロックがCIPモードであるか否かを判断した後、類似の動作を個別的に遂行するので、イントラ予測動作の効率性が低下する。
また、それぞれの隣接ブロックの参照可能性確認動作(段階35、段階37)が完了した後、参照不可領域に対するパッディング処理(段階38、段階39)が遂行される。
前述のように、参照ブロックの一部領域が映像境界を外れる場合、CIPモードである場合と、CIPモードではない場合とにより、参照ブロックにおいて、映像境界の外部領域に対するパッディング方式が異なる。すなわち、段階38で、CIPモードによるイントラ予測のためには、参照ブロックの境界内部領域において、境界に最も隣接したサンプルで、境界外部領域がパッディングされる。一方、段階39では、一部領域でも映像境界を外れる第1参照ブロックのサンプルは、第1参照ブロックに最も隣接しており、全てのサンプルが参照可能な第2参照ブロックのサンプルでパッディングされる。
従って、現在ブロックが、CIPモードブロックであるか否かということにより、映像境界近辺の参照ブロックに対するパッディング方式が異なるので、イントラ予測結果も異なりもする。
一方、一実施形態によるイントラ予測装置10は、CIPモードと係わりなく、隣接ブロックの参照可能性、及びイントラ参照ブロックを決定することができる。図4は、一実施形態による、CIPモードと係わりなく、参照可能性を確認する動作40のフローチャートを図示している。
一実施形態による参照可能性確認動作(Available_check_intra()(段階40))によれば、CIPモードと係わりなく、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックが始まる。
段階41で、隣接ブロックインデックスが初期化され(i=0)、段階42で、隣接ブロックiが、先に復元されたブロックであるか否かを判断することができる(available(i))。
段階42で、隣接ブロックiが、まだ復元されていないブロックであると決定されれば、段階45で、隣接ブロックiは、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックではないと決定される(avail_intra_pred[i]=FALSE)。
段階42で、隣接ブロックiが、現在ブロックより先に復元されたブロックであると決定されれば、段階43で、隣接ブロックiは、イントラモードで復元されたブロックではなく、同時に現在ブロックのイントラモードは、CIPモードであるか否かを判断する(!(Is_intra(i))&&Constrained_intra_pred)。
段階43で、隣接ブロックiが、イントラブロックではなく、現在ブロックがCIPモードであると決定されれば、段階45で、隣接ブロックiは、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックではないと決定される(avail_intra_pred[i]=FALSE)。残りの場合、段階43で、隣接ブロックiがイントラブロックであるか、あるいは現在ブロックがCIPモードではないと決定される場合には、段階44で、隣接ブロックiは、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックであると決定される(avail_intra_pred[i]=TRUE)。すなわち、隣接ブロックiが、イントラブロックであるか否かということとは係わりなく、現在ブロックがCIPモードではない場合には、隣接ブロックiが、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックになる。また、現在ブロックがCIPモードではないが、隣接ブロックiがイントラブロックである場合にも、隣接ブロックiは、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックであると決定される。
段階46で、次の順序の隣接ブロックの参照可能性を確認するために、ブロックインデックスiが増える。段階47で、ブロックインデックスiがCIPモードによるイントラ予測のための候補参照ブロックの最大個数(max_cand_block_cip)に達しなければ、次の順序の隣接ブロックの参照可能性を確認するために、段階42に戻り、ブロックインデックスiが、候補参照ブロックの最大個数(max_cand_block_cip)に達すれば、参照可能性確認動作40を完了する。
また、それぞれの隣接ブロックの参照可能性確認動作40が完了した後、参照不可領域に対するパッディング処理(段階49)が遂行される。前述のように、参照ブロックの一部領域が映像境界を外れる場合、参照ブロックの境界内部領域のうち、境界に最も隣接したサンプルで境界外部領域がパッディングされる。
従って、図3及び図4を参照し、従来の参照可能性確認動作と、一実施形態による参照可能性確認動作とを比較すれば、一実施形態によるイントラ予測装置10は、現在ブロックがCIPモードであるか否かということと係わりなく、隣接ブロックが、現在ブロックより先に復元されたブロックであるか否かを確認することにより、隣接ブロックのうちイントラ参照ブロックを検索するプロセスを、現在ブロックがCIPモードであるか否かということによって分離する必要がない。従って、イントラ予測装置10は、CIPモードによるイントラ予測を選択的に行うとしても、CIPモードである場合と、CIPモードではない場合との隣接ブロックの参照可能性確認、及びイントラ参照ブロックの検索動作を単一化することができる。
また、イントラ参照ブロックの一部領域が映像境界を外れても、現在ブロックが、CIPモードであるか否かということと係わりなく、映像境界を外れる参照領域を、境界面に隣接している参照可能なピクセルのサンプル値でパッディングするので、現在ブロックがCIPモードである場合と、CIPモードではない場合とのイントラ予測結果が同一に維持される。
図5は、一実施形態によるイントラ予測方法のフローチャートを図示している。段階51で、現在ブロックのイントラ予測のために、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックが検索される。段階53で、検索された隣接ブロックが、イントラモードで復元されたブロックありながら、現在ブロックがCIPモードであるか否かが確認される。
段階51で、現在ブロックのイントラモードが、CIPモードであるか否かを判断する前に、まず現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックが検索される。段階53では、段階51で検索された隣接ブロックごとに、それぞれの隣接ブロックがイントラブロックありながら、現在ブロックがCIPモードのイントラブロックであるか否かが確認される。
段階55で、段階52の確認結果に基づいて、段階51で検索された隣接ブロックが、現在ブロックのイントラ予測のための参照ブロックであるか否かが決定される。
段階57で、段階55で参照可能なブロックとして決定された参照ブロックのサンプル値を利用して、現在ブロックに対するイントラ予測が行われる。
参照ブロックが映像の境界を外れる場合には、参照ブロックのピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、映像の境界を外れる領域がパッディングされる。特に、現在ブロックがCIPモードであるか否かということと係わりなく、参照ブロックのピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、映像の境界を外れる領域がパッディングされる。
図6Aは、一実施形態によるイントラ予測を伴うビデオ符号化方法を示すフローチャートを図示する。
段階61では、一実施形態によるイントラ予測方式により、ビデオのブロックから、イントラモードである現在ブロックをイントラ予測のために、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックが検索される。
検索された隣接ブロックが、イントラモードで復元されたイントラブロックでありながら、現在ブロックがCIPモードであるか否かが確認される。隣接ブロックが、現在ブロックより先に復元されたイントラブロックありながら、現在ブロックがCIPモードであるか否かに基づいて、隣接ブロックが、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックであるか否かが決定される。イントラ参照ブロックのサンプル値を利用して、現在ブロックに対するイントラ予測が行われる。
段階62で、ブロックのうち、インター予測モードであるブロックに対して、インター予測が行われ、残差情報が生成される。段階63で、イントラ予測またはインター予測の遂行結果に対して、変換及び量子化が行われ、量子化された変換係数が生成される。段階65で、段階63の量子化された変換係数を含むサンプルに対して、エントロピ符号化を行い、生成されたビットストリームが出力される。
特に、段階61のイントラ予測時、現在ブロックの予測モードが、CIPモードのイントラモードであるか否かを判断する前に、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックが検索される。現在ブロックより先に復元された隣接ブロックごとに、イントラブロックでありながら、現在ブロックが、CIPモードであるか否かを確認する。
また、段階61のイントラ予測時、現在ブロックのイントラモードが、CIPモードであるか否かということと係わりなく、参照ブロックが、映像の境界を外れる場合には、参照ブロックのピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、映像の境界の外部領域がパッディングされ、参照サンプルとして利用される。
図6Aによるビデオ符号化方法を遂行するビデオ符号化装置は、一実施形態によるイントラ予測装置10を含んでもよい。一実施形態によるイントラ予測装置10を含むビデオ符号化装置は、映像ブロック別に、イントラ予測、インター予測、変換、量子化を行ってサンプルを生成し、サンプルに対して、エントロピ符号化を行ってビットストリーム状に出力することができる。一実施形態によるイントラ予測装置10を含むビデオ符号化装置は、ビデオ符号化結果を出力するために、イントラ予測装置10は、ビデオ符号化装置内部に搭載されたビデオエンコーディング・プロセッサまたは外部ビデオエンコーディング・プロセッサと連繋して作動することにより、変換を含んだビデオ符号化動作を遂行することができる。一実施形態による前記ビデオ符号化装置の内部ビデオエンコーディング・プロセッサは、別個のプロセッサだけではなく、ビデオ符号化装置、中央演算装置またはグラフィック演算装置が、ビデオエンコーディング・プロセッシング・モジュールを含むことにより、基本的なビデオ符号化動作を具現する場合も含む。
図6Bは、一実施形態によるイントラ予測を伴うビデオ復号化方法を示すフローチャートを図示している。
段階65で、受信されたビットストリームからパージングされたビット列に対して、エントロピ復号化が行われ、サンプルが復元される。段階66で、サンプルのうち量子化された変換係数に対して、逆量子化及び逆変換が行われ、サンプルが復元される。段階67で、イントラモードのサンプルに対してイントラ予測を行い、段階68で、インターモードのサンプルに対して、動き補償が行われる。段階69で、段階68のインター予測、または段階69のイントラ予測を介して復元されたブロックを利用して、映像が復元される。
段階67で、サンプルから、イントラモードである現在ブロックをイントラ予測のために、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックが検索される。
検索された隣接ブロックが、イントラモードで復元されたイントラブロックでありながら、現在ブロックがCIPモードであるか否かが確認される。隣接ブロックが、現在ブロックより先に復元されたイントラブロックありながら、現在ブロックがCIPモードであるか否かに基づいて、隣接ブロックが、現在ブロックのためのイントラ参照ブロックであるか否かが決定される。イントラ参照ブロックのサンプル値を利用して、現在ブロックに対するイントラ予測が行われる。
段階67では、段階65で、ビットストリームからパージングされた現在映像のCIPモード情報に基づいて、現在ブロックの予測モードがCIPモードのイントラモードであるか否かが判断される。現在ブロックの予測モードが、CIPモードのイントラモードであるか否かを判断する前に、現在ブロックより以前に復元された隣接ブロックが検索される。現在ブロックより先に復元された隣接ブロックごとに、イントラブロックありながら、現在ブロックがCIPモードであるか否かを確認する。
また、段階67のイントラ予測時、現在ブロックのイントラモードが、CIPモードであるか否かということと係わりなく、参照ブロックが映像の境界を外れる場合には、参照ブロックのピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、映像の境界の外部領域がパッディングされる。
図6Bによるビデオ復号化方法を遂行するビデオ復号化装置は、一実施形態によるイントラ予測装置10を含んでもよい。一実施形態によるイントラ予測装置10を含むビデオ復号化装置は、ビットストリームから符号化されたサンプルをパージングし、映像ブロック別に、逆量子化、逆変換、イントラ予測、動き補償を行い、サンプルを復元することができる。一実施形態によるビデオ復号化装置は、ビデオ復号化結果を出力するために、イントラ予測装置10は、ビデオ復号化装置内部に搭載されたビデオデコーディング・プロセッサまたは外部ビデオデコーディング・プロセッサと連繋して作動することにより、逆変換、予測/補償を含んだビデオ復号化動作を遂行することができる。一実施形態によるビデオ復号化装置の内部ビデオデコーディング・プロセッサは、別個のプロセッサだけでなく、ビデオ復号化装置、中央演算装置またはグラフィック演算装置が、ビデオデコーディング・プロセッシング・モジュールを含むことにより、基本的なビデオ復号化動作を具現する場合も含む。
一実施形態によるイントラ予測装置10で、ビデオデータが分割されるブロックがツリー構造の符号化単位に分割され、符号化単位に対するイントラ予測のための予測単位が利用される場合があるということは、すでに説明した通りである。以下、図7ないし図19を参照し、一実施形態によるツリー構造の符号化単位及び変換単位に基づいたビデオ符号化方法及びその装置、ビデオ復号化方法及びその装置を開示する。
図7は、本発明の一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ符号化装置100のブロック図を図示している。
一実施形態によって、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ符号化装置100は、最大符号化単位分割部110、符号化単位決定部120及び出力部130を含む。以下、説明の便宜のために、一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ符号化装置100は、「ビデオ符号化装置100」と縮約する。
最大符号化単位分割部110は、映像の現在ピクチャのための最大サイズの符号化単位である最大符号化単位に基づいて、現在ピクチャを区画することができる。現在ピクチャが最大符号化単位より大きければ、現在ピクチャの映像データは、少なくとも1つの最大符号化単位に分割される。一実施形態による最大符号化単位は、サイズ32x32,64x64,128x128,256x256のようなデータ単位であり、縦横に大きさが2の自乗である正方形のデータ単位でもある。映像データは、少なくとも1つの最大符号化単位別に、符号化単位決定部120に出力される。
一実施形態による符号化単位は、最大サイズ及び深度で特徴づけられる。深度とは、最大符号化単位から、符号化単位が空間的に分割された回数を示し、深度が深くなるほど、深度別符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで分割される。最大符号化単位の深度が最上位深度であり、最小符号化単位が最下位符号化単位であると定義される。最大符号化単位は、深度が深くなるにつれ、深度別符号化単位の大きさは小さくなるので、上位深度の符号化単位は、複数個の下位深度の符号化単位を含んでもよい。
前述のように、符号化単位の最大サイズによって、現在ピクチャの映像データを最大符号化単位に分割し、それぞれの最大符号化単位は、深度別に分割される符号化単位を含んでもよい。一実施形態による最大符号化単位は、深度別に分割されるので、最大符号化単位に含まれた空間領域(spatial domain)の映像データが、深度によって階層的に分類される。
最大符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割することができる全回数を制限する最大深度及び符号化単位の最大サイズが事前に設定されている。
符号化単位決定部120は、深度ごとに最大符号化単位の領域が分割された少なくとも1つの分割領域を符号化し、少なくとも1つの分割領域別に最終符号化結果が出力される深度を決定する。すなわち、符号化単位決定部120は、現在ピクチャの最大符号化単位ごとに、深度別符号化単位で映像データを符号化し、最小の符号化誤差が生じる深度を選択し、符号化深度として決定する。決定された符号化深度及び最大符号化単位別映像データは、出力部130に出力される。
最大符号化単位内の映像データは、最大深度以下の少なくとも1つの深度によって、深度別符号化単位に基づいて符号化され、それぞれの深度別符号化単位に基づいた符号化結果が比較される。深度別符号化単位の符号化誤差の比較結果、符号化誤差が最小である深度が選択される。それぞれの最大化符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化深度が決定される。
最大符号化単位の大きさは、深度が深くなるにつれ、符号化単位が階層的に分割されて分割され、符号化単位の個数は増加する。また、1つの最大符号化単位に含まれる同一の深度の符号化単位としても、それぞれのデータに係わる符号化誤差を測定して下位深度への分割いかんが決定される。従って、1つの最大符号化単位に含まれるデータであるとしても、位置によって深度別符号化誤差が異なるので、位置によって、符号化深度が異なって決定される。従って、1つの最大符号化単位について、符号化深度が一つ以上設定されることがあり、最大符号化単位のデータは、一つ以上の符号化深度の符号化単位によって区画される。
従って、一実施形態による符号化単位決定部120は、現在最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位が決定される。一実施形態による「ツリー構造による符号化単位」は、現在最大符号化単位に含まれる全ての深度別符号化単位のうち、符号化深度として決定された深度の符号化単位を含む。符号化深度の符号化単位は、最大符号化単位内で同一領域では、深度によって階層的に決定され、他の領域については、独立して決定される。同様に、現在領域に係わる符号化深度は、他の領域に係わる符号化深度と独立して決定される。
一実施形態による最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの分割回数と係わる指標である。一実施形態による第1最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの全分割回数を示すことができる。一実施形態による第2最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの深度レベルの全個数を示すことができる。例えば、最大符号化単位の深度が0であるとするとき、最大符号化単位が1回分割された符号化単位の深度は、1に設定され、2回分割された符号化単位の深度は、2に設定される。その場合、最大符号化単位から4回分割された符号化単位が最小符号化単位であるならば、深度0,1,2,3及び4の深度レベルが存在するので、第1最大深度は、4に、第2最大深度は、5に設定される。
最大符号化単位の予測符号化及び変換が行われる。予測符号化及び変換も同様に、最大符号化単位ごとに、最大深度以下の深度ごとに、深度別符号化単位を基に行われる。
最大符号化単位が深度別に分割されるたびに、深度別符号化単位の個数が増加するので、深度が深くなることによって生成される全ての深度別符号化単位について、予測符号化、及び変換を含んだ符号化が行われなければならない。以下、説明の便宜のために、少なくとも1つの最大符号化単位のうち、現在深度の符号化単位を基に、予測符号化及び変換について説明する。
一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のためのデータ単位の大きさまたは形態を多様に選択することができる。映像データの符号化のためには、予測符号化、変換、エントロピ符号化などの段階を経るが、全ての段階にわたり、同一のデータ単位が使用され、段階別にデータ単位が変更されもする。
例えば、ビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけではなく、符号化単位の映像データの予測符号化を行うために、符号化単位と異なるデータ単位を選択することができる。
最大符号化単位の予測符号化のためには、一実施形態による符号化深度の符号化単位、すなわち、それ以上分割されない符号化単位を基に、予測符号化が行われる。以下、予測符号化の基になるそれ以上分割されない符号化単位を「予測単位」とする。予測単位が分割されたパーティションは、予測単位及び予測単位の高さ及び幅のうち、少なくとも一つが分割されたデータ単位を含んでもよい。パーティションは、符号化単位の予測単位が分割された形態のデータ単位であり、予測単位は、符号化単位と同一サイズのパーティションでもある。
例えば、サイズ2Nx2N(ただし、Nは、正の整数)の符号化単位がそれ以上分割されない場合、サイズ2Nx2Nの予測単位になり、パーティションの大きさは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNなどでもある。一実施形態によるパーティションタイプは、予測単位の高さまたは幅が、対称的比率に分割された対称的パーティションだけではなく、1:nまたはn:1のように、非対称的な比率に分割されたパーティション、幾何学的な形態に分割されたパーティション、任意的形態のパーティションなどを選択的に含んでもよい。
予測単位の予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち少なくとも一つでもある。例えば、イントラモード及びインターモードは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNサイズのパーティションに対して行われる。また、スキップモードは、2Nx2Nサイズのパーティションに対してのみ行われる。符号化単位以内の1つの予測単位ごとに、独立して符号化が行われ、符号化誤差が最小である予測モードが選択される。
また、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけではなく、符号化単位と異なるデータ単位を基に、符号化単位の映像データの変換を行うことができる。符号化単位の変換のためには、符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じ大きさの変換単位を基に変換が行われる。例えば、変換単位は、イントラモードのためのデータ単位、及びインターモードのための変換単位を含んでもよい。
一実施形態によるツリー構造による符号化単位と類似した方式で、符号化単位内の変換単位も再帰的に、さらに小サイズの変換単位に分割されながら、符号化単位の残差データが、変換深度によって、ツリー構造による変換単位によって区画される。
一実施形態による変換単位についても、符号化単位の高さ及び幅が分割され、変換単位に至るまでの分割回数を示す変換深度が設定される。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位の変換単位の大きさが、2Nx2Nであるならば、変換深度0、変換単位の大きさがNxNであるならば、変換深度1、変換単位の大きさが、N/2xN/2であるならば、変換深度2に設定される。すなわち、変換単位についても、変換深度によってツリー構造による変換単位が設定される。
符号化深度別符号化情報は、符号化深度だけではなく、予測関連情報及び変換関連情報が必要である。従って、符号化単位決定部120は、最小符号化誤差を発生させた符号化深度だけではなく、予測単位をパーティションに分割したパーティションタイプ、予測単位別予測モード、変換のための変換単位の大きさなどを決定することができる。
一実施形態による最大符号化単位のツリー構造による符号化単位及び予測単位/パーティション、並びに変換単位の決定方式については、図7ないし図19を参照し、詳細に後述する。
符号化単位決定部120は、深度別符号化単位の符号化誤差を、ラグランジュ乗数(Lagrangian multiplier)基盤の率・歪曲最適化技法(rate-distortion optimization)を利用して測定することができる。
出力部130は、符号化単位決定部120で決定された少なくとも1つの符号化深度に基づいて符号化された最大符号化単位の映像データ及び深度別符号化モードに係わる情報をビットストリーム状に出力する。
符号化された映像データは、映像の残差データの符号化結果でもある。
深度別符号化モードに係わる情報は、符号化深度情報、予測単位のパーティションタイプ情報、予測モード情報、変換単位の大きさ情報などを含んでもよい。
符号化深度情報は、現在深度で符号化せず、下位深度の符号化単位で符号化するか否かを示す深度別分割情報を利用して定義される。現在符号化単位の現在深度が、符号化深度であるならば、現在符号化単位は、現在深度の符号化単位で符号化されるので、現在深度の分割情報は、それ以上、下位深度に分割されないように定義される。一方、現在符号化単位の現在深度が、符号化深度ではないならば、下位深度の符号化単位を利用した符号化を試みなければならないので、現在深度の分割情報は、下位深度の符号化単位に分割されるように定義される。
現在深度が符号化深度ではないならば、下位深度の符号化単位に分割された符号化単位に対して符号化が行われる。現在深度の符号化単位内に、下位深度の符号化単位が一つ以上存在するので、それぞれの下位深度の符号化単位ごとに反復的に符号化が行われ、同一の深度の符号化単位ごとに、再帰的(recursive)符号化が行われる。
1つの最大符号化単位内で、ツリー構造の符号化単位が決定され、符号化深度の符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化モードに係わる情報が決定されなければならないので、1つの最大符号化単位については、少なくとも1つの符号化モードに係わる情報が決定される。また、最大符号化単位のデータは、深度によって階層的に区画され、位置別に符号化深度が異なるので、データに対して、符号化深度及び符号化モードに係わる情報が設定される。
従って、一実施形態による出力部130は、最大符号化単位に含まれている符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つに対して、当該符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を割り当てられる。
一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度である最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位である。一実施形態による最小単位は、最大符号化単位に含まれる全ての符号化単位、予測単位、パーティション単位及び変換単位のうちに含まれる最大サイズの正方形データ単位でもある。
例えば、出力部130を介して出力される符号化情報は、深度別符号化単位別符号化情報と、予測単位別符号化情報とに分類される。深度別符号化単位別符号化情報は、予測モード情報、パーティションサイズ情報を含んでもよい。予測単位別に伝送される符号化情報は、インターモードの推定方向に係わる情報、インターモードの参照映像インデックスに係わる情報、動きベクトルに係わる情報、イントラモードのchroma成分に係わる情報、イントラモードの補間方式に係わる情報などを含んでもよい。
ピクチャ、スライスまたはGOP(group of pictures)の別に定義される符号化単位の最大サイズに係わる情報、及び最大深度に係わる情報は、ビットストリームのヘッダ、シーケンス・パラメータ・セットまたはピクチャ・パラメータ・セットなどに挿入される。
また、現在ビデオについて許容される変換単位の最大サイズに係わる情報、及び変換単位の最小サイズに係わる情報も、ビットストリームのヘッダ、シーケンス・パラメータ・セットまたはピクチャ・パラメータ・セットなどを介して出力される。出力部130は、図1ないし図6を参照して説明した予測と係わる参照情報、予測情報、単一方向予測情報、第4スライスタイプを含むスライスタイプ情報などを符号化して出力することができる。
ビデオ符号化装置100の最も簡単な形態の実施形態によれば、深度別符号化単位は、1階層上位深度の符号化単位の高さ及び幅を半分にした大きさの符号化単位である。すなわち、現在深度の符号化単位の大きさが2Nx2Nであるならば、下位深度の符号化単位の大きさは、NxNである。また、2Nx2Nサイズの現在符号化単位は、NxNサイズの下位深度符号化単位を最大4個含む。
従って、ビデオ符号化装置100は、現在ピクチャの特性を考慮して決定された最大符号化単位の大きさ及び最大深度を基に、それぞれの最大符号化単位ごとに、最適の形態及び大きさの符号化単位を決定し、ツリー構造による符号化単位を構成することができる。また、それぞれの最大符号化単位ごとに、多様な予測モード、変換方式などで符号化することができるので、多様な映像サイズの符号化単位の映像特性を考慮し、最適の符号化モードが決定される。
従って、映像の解像度が非常に高いか、あるいはデータ量が非常に多い映像を既存マクロブロック単位で符号化するならば、ピクチャ当たりマクロブロックの数が過度に多くなる。それにより、マクロブロックごとに生成される圧縮情報も多くなるので、圧縮情報の伝送負担が大きくなり、データ圧縮効率が低下するという傾向がある。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置は、映像の大きさを考慮し、符号化単位の最大サイズを増大させながら、映像特性を考慮し、符号化単位を調節することができるので、映像圧縮効率が上昇する。
図7のビデオ符号化装置100は、図1を参照し、前述のイントラ予測装置10の動作を遂行することができる。
符号化単位決定部120は、イントラ予測装置10の動作を遂行することができる。最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位別に、イントラ予測のための予測単位を決定し、予測単位ごとにイントラ予測を行うことができる。
特に、イントラ予測時、現在予測単位の予測モードが、CIPモードのイントラモードであるか否かを判断する前に、現在予測単位より以前に復元された隣接データ単位(最小単位、予測単位、符号化単位など)が検索される。現在予測単位より先に復元された隣接データ単位ごとに、イントラモードの隣接データ単位でありながら、現在ブロックはCIPモードであるか否かを確認する。
また、イントラ予測時、現在予測単位がCIPモードであるか否かということと係わりなく、参照データ単位が映像の境界を外れる場合には、参照データ単位のピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、ピクチャの境界の外部領域がパッディングされる。このようにパッディングされた領域を参照し、現在予測単位に対するイントラ予測が行われる。
出力部130は、イントラ予測の結果として生成された差分データに対する符号化を行い、生成されたサンプルをビットストリーム状にに出力することができる。例えば、差分データの量子化された変換係数、イントラモード情報などのサンプルが出力される。
また、出力部130は、ピクチャ別に、CIPモードであるか否かを示すCIP情報をPPS(picture parameter set)に挿入して出力することができる。
図8は、本発明の一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ復号化装置200のブロック図を図示している。
一実施形態によって、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ復号化装置200は、受信部210、映像データ及び符号化情報抽出部220及び映像データ復号化部230を含む。以下、説明の便宜のために、一実施形態による、ツリー構造による符号化単位に基づいたビデオ予測を伴うビデオ復号化装置200は、「ビデオ復号化装置200」と縮約する。
一実施形態によるビデオ復号化装置200の復号化動作のための符号化単位、深度、予測単位、変換単位、各種符号化モードに係わる情報など各種用語の定義は、図7及びビデオ符号化装置100を参照して説明した通りである。
受信部210は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする。映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位によって、符号化単位ごとに符号化された映像データを抽出し、映像データ復号化部230に出力する。映像データ及び符号化情報抽出部220は、現在ピクチャに係わるヘッダ、シーケンス・パラメータ・セットまたはピクチャ・パラメータ・セットから、現在ピクチャの符号化単位の最大サイズに係わる情報を抽出することができる。
また、映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別に、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化深度、及び符号化モードに係わる情報を抽出する。抽出された符号化深度及び符号化モードに係わる情報は、映像データ復号化部230に出力される。すなわち、ビット列の映像データを最大符号化単位に分割し、映像データ復号化部230をして、最大符号化単位ごとに、映像データを復号化させる。
最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる情報は、一つ以上の符号化深度情報に対して設定され、符号化深度別符号化モードに係わる情報は、当該符号化単位のパーティションタイプ情報、予測モード情報及び変換単位の大きさ情報などを含んでもよい。また、符号化深度情報として、深度別分割情報が抽出されもする。
映像データ及び符号化情報抽出部220が抽出した最大符号化単位別符号化深度、及び符号化モードに係わる情報は、一実施形態によるビデオ符号化装置100のように、符号化端で、最大符号化単位別深度別符号化単位ごとに反復的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させることによって決定された符号化深度及び符号化モードに係わる情報である。従って、ビデオ復号化装置200は、最小符号化誤差を発生させる符号化方式によってデータを復号化し、映像を復元することができる。
一実施形態による符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、当該符号化単位、予測単位及び最小単位のうち、所定データ単位に対して割り当てられているので、映像データ及び符号化情報抽出部220は、所定データ単位別に、符号化深度及び符号化モードに係わる情報を抽出することができる。所定データ単位別に、当該最大符号化単位の符号化深度、及び符号化モードに係わる情報が記録されているならば、同一の符号化深度及び符号化モードに係わる情報を有している所定データ単位は、同一の最大符号化単位に含まれるデータ単位と類推される。
映像データ復号化部230は、最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データを復号化し、現在ピクチャを復元する。すなわち、映像データ復号化部230は、最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位ごとに、読み取られたパーティションタイプ、予測モード、変換単位に基づいて、符号化された映像データを復号化することができる。復号化過程は、イントラ予測及び動き補償を含む予測過程、及び逆変換過程を含んでもよい。
映像データ復号化部230は、符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティションタイプ情報及び予測モード情報に基づいて、符号化単位ごとに、それぞれのパーティション及び予測モードによって、イントラ予測または動き補償を行うことができる。
また、映像データ復号化部230は、最大符号化単位別逆変換のために、符号化単位別に、ツリー構造による変換単位情報を読み取り、符号化単位ごとに変換単位に基づいた逆変換を行うことができる。逆変換を介して、符号化単位の空間領域の画素値が復元することができる。
映像データ復号化部230は、深度別分割情報を利用して、現在最大符号化単位の符号化深度を決定することができる。もし、分割情報が現在深度であり、それ以上分割されないということを示しているならば、現在深度が符号化深度である。従って、映像データ復号化部230は、現在最大符号化単位の映像データに対して、現在深度の符号化単位を、予測単位のパーティションタイプ、予測モード及び変換単位サイズ情報を利用して、復号化することができる。
すなわち、符号化単位、予測単位及び最小単位のうち、所定データ単位に対して設定されている符号化情報を観察し、同一の分割情報を含んだ符号化情報を保有しているデータ単位が集まり、映像データ復号化部230によって同一の符号化モードで復号化する1つのデータ単位と見なされる。このように決定された符号化単位ごとに、符号化モードに係わる情報を獲得し、現在符号化単位の復号化が行われる。
また、図8のビデオ復号化装置200は、図1を説明したイントラ予測装置10の動作を遂行することができる。
抽出部220は、ビットストリームから、符号化の結果として生成されたサンプルを復元することができる。例えば、予測によって生成された差分データの量子化された変換係数、イントラモード情報などのサンプルが復元される。また、抽出部220は、PPSからパージングしたCIP情報に基づいて、ピクチャ別にCIPモードを復元することができる。
映像データ復号化部230は、イントラ予測装置10の動作を遂行することができる。最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位別に、イントラ予測のための予測単位を決定し、予測単位ごとにイントラ予測を行うことができる。
特に、イントラ予測時、現在予測単位の予測モードがCIPモードのイントラモードであるか否かを判断する前に、現在予測単位より以前に復元された隣接データ単位(最小単位、予測単位、符号化単位など)が検索される。現在予測単位より先に復元された隣接データ単位ごとに、イントラモードの隣接データ単位でありながら、現在ブロックは、CIPモードであるか否かを確認する。
また、イントラ予測時、現在予測単位がCIPモードであるか否かということと係わりなく、参照データ単位が映像の境界を外れる場合には、参照データ単位のピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、ピクチャの境界の外部領域がパッディングされる。このようにパッディングされた領域を参照し、現在予測単位に対するイントラ予測が行われる。
結局、ビデオ復号化装置200は、符号化過程で、最大符号化単位ごとに再帰的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させた符号化単位に対する情報を獲得し、現在ピクチャに係わる復号化に利用することができる。すなわち、最大符号化単位ごとに最適符号化単位として決定されたツリー構造による符号化単位の符号化された映像データの復号化が可能になる。
従って、高い解像度の映像またはデータ量が過度に多い映像でも、符号化端から伝送された最適符号化モードについての情報を利用して、映像の特性に適応的に決定された符号化単位の大きさ及び符号化モードによって、効率的に映像データを復号化して復元することができる。
図9は、本発明の一実施形態による符号化単位の概念を図示している。
符号化単位の例は、符号化単位の大きさは、幅x高さで表現され、サイズ64x64である符号化単位から、サイズ32x32,16x16,8x8を含んでもよい。サイズ64x64の符号化単位は、サイズ64x64,64x32,32x64,32x32のパーティションに分割され、サイズ32x32の符号化単位は、サイズ32x32,32x16,16x32,16x16のパーティションに、サイズ16x16の符号化単位は、サイズ16x16,16x8,8x16,8x8のパーティションに、サイズ8x8の符号化単位は、サイズ8x8,8x4,4x8,4x4のパーティションに分割される。
ビデオデータ310については、解像度が1920x1080、符号化単位の最大サイズが64、最大深度が2に設定されている。ビデオデータ320については、解像度が1920x1080、符号化単位の最大サイズが64、最大深度が3に設定されている。ビデオデータ330については、解像度が352x288、符号化単位の最大サイズが16、最大深度が1に設定されている。図9に図示された最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの全分割回数を示す。
解像度が高いか、あるいはデータ量が多い場合、符号化効率の向上だけではなく、映像特性を正確に反映するために、符号化サイズの最大サイズが相対的に大きいことが望ましい。従って、ビデオデータ330に比べて、解像度が高いビデオデータ310,320は、符号化サイズの最大サイズが64に選択される。
ビデオデータ310の最大深度が2であるので、ビデオデータ310の符号化単位315は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、2回分割されて深度が2階層深くなり、長軸サイズが32,16である符号化単位まで含んでもよい。一方、ビデオデータ330の最大深度が1であるので、ビデオデータ330の符号化単位335は、長軸サイズが16である符号化単位から、1回分割されて深度が1階層深くなり、長軸サイズが8である符号化単位まで含んでもよい。
ビデオデータ320の最大深度が3であるので、ビデオデータ320の符号化単位325は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、3回分割されて深度が3階層深くなり、長軸サイズが32,16,8である符号化単位まで含んでもよい。深度が深くなるほど、詳細情報の表現能力が向上する。
図10は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像符号化部400のブロック図を図示している。
一実施形態による映像符号化部400は、ビデオ符号化装置100の符号化単位決定部120で、映像データを符号化するのに経る作業を含む。すなわち、イントラ予測部410は、現在フレーム405のうち、イントラモードの符号化単位に対してイントラ予測を行い、動き推定部420及び動き補償部425は、インターモードの現在フレーム405及び参照フレーム495を利用して、インター推定及び動き補償を行う。
イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425から出力されたデータは、変換部430及び量子化部440を経て、量子化された変換係数として出力される。量子化された変換係数は、逆量子化部460、逆変換部470を介して、空間領域のデータに復元され、復元された空間領域のデータは、デブロッキング部480及びループ・フィルタリング部490を経て後処理され、参照フレーム495として出力される。量子化された変換係数は、エントロピ符号化部450を経て、ビットストリーム455として出力される。
一実施形態によるビデオ符号化装置100に適用されるためには、映像符号化部400の構成要素であるイントラ予測部410、動き推定部420、動き補償部425、変換部430、量子化部440、エントロピ符号化部450、逆量子化部460、逆変換部470、デブロッキング部480及びループ・フィルタリング部490が、いずれも最大符号化単位ごとに最大深度を考慮して、ツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位に基づいた作業を遂行しなければならない。
特に、イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425は、現在最大符号化単位の最大サイズ及び最大深度を考慮して、ツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位のパーティション及び予測モードを決定し、変換部430は、ツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位内の変換単位の大きさを決定しなければならない。
特に、イントラ予測部410は、現在予測単位の予測モードがCIPモードのイントラモードであるか否かを判断する前に、現在予測単位より以前に復元された隣接データ単位を検索することができる。現在予測単位より先に復元された隣接データ単位ごとに、イントラモードの隣接データ単位でありながら、現在ブロックがCIPモードであるか否かを確認する。また、参照データ単位が映像の境界を外れる場合には、現在予測単位がCIPモードであるか否かということと係わりなく、参照データ単位のピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、ピクチャの境界の外部領域がパッディングされ、パッディングされたサンプルが、現在予測単位に対するイントラ予測のために参照される。
図11は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像復号化部500のブロック図を図示している。
ビットストリーム505がパージング部510を経て、復号化対象である符号化された映像データ、及び復号化のために必要な符号化についての情報がパージングされる。符号化された映像データは、エントロピ復号化部520及び逆量子化部530を経て、逆量子化されたデータとして出力され、逆変換部540を経て、空間領域の映像データが復元される。
空間領域の映像データに対して、イントラ予測部550は、イントラモードの符号化単位に対してイントラ予測を行い、動き補償部560は、参照フレーム585を共に利用して、インターモードの符号化単位に対して動き補償を行う。
イントラ予測部550及び動き補償部560を経た空間領域のデータは、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580を経て後処理され、復元フレーム595として出力される。また、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580を経て後処理されたデータは、参照フレーム585として出力される。
ビデオ復号化装置200の映像データ復号化部230で、映像データを復号化するために、一実施形態による映像復号化部500のパージング部510以後の段階別作業が遂行される。
一実施形態によるビデオ復号化装置200に適用されるためには、映像復号化部500の構成要素であるパージング部510、エントロピ復号化部520、逆量子化部530、逆変換部540、イントラ予測部550、動き補償部560、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580が、いずれも最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位に基づいて作業を遂行しなければならない。
特に、イントラ予測部550、動き補償部560は、ツリー構造による符号化単位ことに、それぞれパーティション及び予測モードを決定して、逆変換部540は、符号化単位ごとに、変換単位の大きさを決定しなければならない。
特に、イントラ予測部550は、現在予測単位の予測モードが、CIPモードのイントラモードであるか否かを判断する前に、現在予測単位より以前に復元された隣接データ単位を検索することができる。現在予測単位より先に復元された隣接データ単位ごとに、イントラモードの隣接データ単位でありながら、現在ブロックがCIPモードであるか否かを確認する。また、参照データ単位が映像の境界を外れる場合には、現在予測単位がCIPモードであるか否かということと係わりなく、参照データ単位のピクセルのうち、境界面内部に隣接したピクセルのサンプル値で、ピクチャの境界の外部領域がパッディングされ、パッディングされたサンプルが、現在予測単位に対するイントラ予測のために参照される。
図12は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位及びパーティションを図示している。
一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態によるビデオ復号化装置200は、映像特性を考慮するために、階層的な符号化単位を使用する。符号化単位の最大高及び最大幅、最大深度は、映像の特性によって適応的に決定され、ユーザの要求によって多様に設定されもする。事前に設定された符号化単位の最大サイズによって、深度別符号化単位の大きさが決定される。
一実施形態による符号化単位の階層構造600は、符号化単位の最大高及び最大幅が64であり、最大深度が4である場合を図示している。このとき、最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの全分割回数を示す。一実施形態による符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って、深度が深くなるので、深度別符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ分割される。また、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、それぞれの深度別符号化単位の予測符号化の基になる予測単位及びパーティションが図示されている。
すなわち、符号化単位610は、符号化単位の階層構造600において、最大符号化単位として深度が0であり、符号化単位の大きさ、すなわち、高さ及び幅が64x64である。縦軸に沿って深度が深くなり、サイズ32x32である深度1の符号化単位620、サイズ16x16である深度2の符号化単位630、サイズ8x8である深度3の符号化単位640、サイズ4x4である深度4の符号化単位650が存在する。サイズ4x4である深度4の符号化単位650は、最小符号化単位である。
それぞれの深度別で横軸に沿って、符号化単位の予測単位及びパーティションが配列される。すなわち、深度0のサイズ64x64の符号化単位610が、予測単位であるならば、予測単位は、サイズ64x64の符号化単位610に含まれるサイズ64x64のパーティション610、サイズ64x32のパーティション612、サイズ32x64のパーティション614、サイズ32x32のパーティション616に分割される。
同様に、深度1のサイズ32x32の符号化単位620の予測単位は、サイズ32x32の符号化単位620に含まれるサイズ32x32のパーティション620、サイズ32x16のパーティション622、サイズ16x32のパーティション624、サイズ16x16のパーティション626に分割される。
同様に、深度2のサイズ16x16の符号化単位630の予測単位は、サイズ16x16の符号化単位630に含まれるサイズ16x16のパーティション630、サイズ16x8のパーティション632、サイズ8x16のパーティション634、サイズ8x8のパーティション636に分割される。
同様に、深度3のサイズ8x8の符号化単位640の予測単位は、サイズ8x8の符号化単位640に含まれるサイズ8x8のパーティション640、サイズ8x4のパーティション642、サイズ4x8のパーティション644、サイズ4x4のパーティション646に分割される。
最後に、深度4のサイズ4x4の符号化単位650は、最小符号化単位であり、最下位深度の符号化単位であり、当該予測単位も、サイズ4x4のパーティション650だけに設定される。
一実施形態によるビデオ符号化装置100の符号化単位決定部120は、最大符号化単位610の符号化深度を決定するために、最大符号化単位610に含まれるそれぞれの深度の符号化単位ごとに符号化を行わなければならない。
同一の範囲及び大きさのデータを含むための深度別符号化単位の個数は、深度が深くなるほど、深度別符号化単位の個数も増加する。例えば、深度1の符号化単位一つが含まれるデータに対して、深度2の符号化単位は、四つが必要である。従って、同一のデータの符号化結果を深度別で比較するために、1つの深度1の符号化単位、及び4つの深度2の符号化単位を利用して、それぞれ符号化されなければならない。
それぞれの深度別符号化のためには、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、深度別符号化単位の予測単位ごとに符号化を行い、当該深度で最小の符号化誤差である代表符号化誤差が選択される。また、符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って、深度が深くなり、それぞれの深度ごとに符号化を行い、深度別代表符号化誤差を比較し、最小符号化誤差が検索される。最大符号化単位610において、最小符号化誤差が生じる深度及びパーティションが、最大符号化単位610の符号化深度及びパーティションタイプとして選択される。
図13は、本発明の一実施形態による、符号化単位及び変換単位の関係を図示している。
一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大符号化単位ごとに、最大符号化単位より小さいか、あるいはそれと同じ大きさの符号化単位で、映像を符号化したり復号化する。符号化過程のうち、変換のための変換単位の大きさは、それぞれの符号化単位ほど大きくないデータ単位を基に選択される。
例えば、一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200で、現在符号化単位710が64x64サイズであるとき、32x32サイズの変換単位720を利用して変換が行われる。
また、64x64サイズの符号化単位710のデータを、64x64サイズ以下の32x32,16x16,8x8,4x4サイズの変換単位にそれぞれ変換を行って符号化した後、原本との誤差が最小である変換単位が選択される。
図14は、本発明の一実施形態による深度別符号化情報を図示している。
一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、符号化モードに係わる情報であり、それぞれの符号化深度の符号化単位ごとに、パーティションタイプに係わる情報800、予測モードに係わる情報810、変換単位サイズに係わる情報820を符号化して伝送することができる。
パーティションタイプに係わる情報800は、現在符号化単位の予測符号化のためのデータ単位であり、現在符号化単位の予測単位が分割されたパーティションの形態に係わる情報を示す。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位CU_0は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806、サイズNxNのパーティション808のうちいずれか1つのタイプに分割されて利用される。この場合、現在符号化単位のパーティションタイプに係わる情報800は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806及びサイズNxNのパーティション808のうち一つを示すように設定される。
予測モードに係わる情報810は、それぞれのパーティションの予測モードを示す。例えば、予測モードに係わる情報810を介して、パーティションタイプに係わる情報800が示すパーティションがイントラモード812、インターモード814及びスキップモード816のうち一つで予測符号化が行われるが設定される。
また、変換単位サイズに係わる情報820は、現在符号化単位を、いかなる変換単位を基に変換を行うかを示す。例えば、変換単位は、第1イントラ変換単位サイズ822、第2イントラ変換単位サイズ824、第1インター変換単位サイズ826、第2インター変換単位サイズ828のうち一つでもある。
一実施形態によるビデオ復号化装置200の映像データ及び符号化情報抽出部210は、それぞれの深度別符号化単位ごとに、パーティションタイプに係わる情報800、予測モードに係わる情報810、変換単位サイズに係わる情報820を抽出して復号化に利用することができる。
図15は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位を図示している。
深度の変化を示すために分割情報が利用される。分割情報は、現在深度の符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す。
深度0及び2N_0x2N_0サイズの符号化単位900の予測符号化のための予測単位910は、2N_0x2N_0サイズのパーティションタイプ912、2N_0xN_0サイズのパーティションタイプ914、N_0x2N_0サイズのパーティションタイプ916、N_0xN_0サイズのパーティションタイプ918を含んでもよい。予測単位が対称的な比率に分割されたパーティション912,914,916,918のみが例示されているが、前述のように、パーティションタイプは、それらに限定されるものではなく、非対称的パーティション、任意的形態のパーティション、幾何学的形態のパーティションなどを含んでもよい。
パーティションタイプごとに、1つの2N_0x2N_0サイズのパーティション、2つの2N_0xN_0サイズのパーティション、2つのN_0x2N_0サイズのパーティション、4つのN_0xN_0サイズのパーティションごとに、反復的に予測符号化が行われなければならない。サイズ2N_0x2N_0、サイズN_0x2N_0、サイズ2N_0xN_0及びサイズN_0xN_0のパーティションについては、イントラモード及びインターモードで予測符号化が行われる。スキップモードは、サイズ2N_0x2N_0のパーティションについてのみ予測符号化が行われる。
サイズ2N_0x2N_0、2N_0xN_0及びN_0x2N_0のパーティションタイプ912,914,916のうち一つによる符号化誤差が最も小さければ、それ以上下位深度に分割する必要はない。
サイズN_0xN_0のパーティションタイプ918による符号化誤差が最も小さければ、深度0を1に変更しながら分割し(920)、深度2及びサイズN_0xN_0のパーティションタイプの符号化単位930に対して反復的に符号化を行い、最小符号化誤差を検索していくことができる。
深度1及びサイズ2N_1x2N_1(=N_0xN_0)の符号化単位930の予測符号化のための予測単位940は、サイズ2N_1x2N_1のパーティションタイプ942、サイズ2N_1xN_1のパーティションタイプ944、サイズN_1x2N_1のパーティションタイプ946、サイズN_1xN_1のパーティションタイプ948を含んでもよい。
また、サイズN_1xN_1サイズのパーティションタイプ948による符号化誤差が最も小さければ、深度1を深度2に変更しながら分割し(950)、深度2及びサイズN_2xN_2の符号化単位960に対して反復的に符号化を行い、最小符号化誤差を検索していくことができる。
最大深度がdである場合、深度別符号化単位は、深度(d−1)になるまで設定され、分割情報は、深度(d−2)まで設定される。すなわち、深度(d−2)から分割され(970)、深度(d−1)まで符号化が行われる場合、深度(d−1)及びサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)の符号化単位980の予測符号化のための予測単位990は、サイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティションタイプ992、サイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティションタイプ994、サイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティションタイプ996、サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションタイプ998を含んでもよい。
パーティションタイプにおいて、1つのサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、2つのサイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティション、2つのサイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、4つのサイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションごとに、反復的に予測符号化を介した符号化が行われ、最小符号化誤差が生じるパーティションタイプが検索される。
サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションタイプ998による符号化誤差が最も小さいとしても、最大深度がdであるので、深度d−1の符号化単位CU_(d−1)は、それ以上下位深度への分割過程を経ず、現在最大符号化単位900に係わる符号化深度が深度(d−1)と決定され、パーティションタイプは、N_(d−1)xN_(d−1)と決定される。また、最大深度がdであるので、深度(d−1)の符号化単位952に対して、分割情報は設定されない。
データ単位999は、現在最大符号化単位に係わる「最小単位」とされる。一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度である最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位でもある。このような反復的符号化過程を介して、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、符号化単位900の深度別符号化誤差を比較し、最小の符号化誤差が生じる深度を選択し、符号化深度を決定し、当該パーティションタイプ及び予測モードが符号化深度の符号化モードとして設定される。
このように、深度0,1,…,d−1,dの全ての深度別最小符号化誤差を比較し、誤差が最小である深度が選択され、符号化深度として決定される。符号化深度、予測単位のパーティションタイプ及び予測モードは、符号化モードに係わる情報として符号化されて伝送される。また、深度0から符号化深度に至るまで符号化単位が分割されなければならないので、符号化深度の分割情報だけが「0」に設定され、符号化深度を除いた深度別分割情報は、「1」に設定されなければならない。
一実施形態によるビデオ復号化装置200の映像データ、及び符号化情報抽出部220は、符号化単位900に係わる符号化深度及び予測単位に係わる情報を抽出し、符号化単位912を復号化するのに利用することができる。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、深度別分割情報を利用して、分割情報が「0」である深度を符号化深度で把握し、当該深度に係わる符号化モードに係わる情報を利用して、復号化に利用することができる。
図16、図17及び図18は、本発明の一実施形態による、符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。
符号化単位1010は、最大符号化単位について、一実施形態によるビデオ符号化装置100が決定した符号化深度別符号化単位である。予測単位1060は、符号化単位1010において、それぞれの符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティションであり、変換単位1070は、それぞれの符号化深度別符号化単位の変換単位である。
深度別符号化単位1010は、最大符号化単位の深度が0であるならば、符号化単位1012,1054は、深度が1、符号化単位1014,1016,1018,1028,1050,1052は、深度が2、符号化単位1020,1022,1024,1026,1030,1032,1048は、深度が3、符号化単位1040,1042,1044,1046は、深度が4である。
予測単位1060において、パーティション1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、符号化単位が分割された形態である。すなわち、パーティション1014,1022,1050,1054は、2NxNのパーティションタイプであり、パーティション1016,1048,1052は、Nx2Nのパーティションタイプ、パーティション1032は、NxNのパーティションタイプである。深度別符号化単位1010の予測単位及びパーティションは、それぞれの符号化単位より小さいか、あるいは同じである。
変換単位1070において、一部変換単位1052の映像データについては、符号化単位に比べて、小サイズのデータ単位で変換または逆変換が行われる。また、変換単位1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、予測単位1060における当該予測単位及びパーティションと比較すれば、互いに異なる大きさまたは形態のデータ単位である。すなわち、一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態に他のビデオ復号化装置200は、同一の符号化単位に対するイントラ予測/動き推定/動き補償作業、及び変換/逆変換作業であるとしても、それぞれ別個のデータ単位を基に遂行する。
これにより、最大符号化単位ごとに、領域別に階層的な構造の符号化単位ごとに再帰的に符号化が行われ、最適符号化単位が決定されることにより、再帰的ツリー構造による符号化単位が構成される。符号化情報は、符号化単位に係わる分割情報、パーティションタイプ情報、予測モード情報、変換単位サイズ情報を含んでもよい。下記表1は、一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態によるビデオ復号化装置200で設定することができる一例を示している。
一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を出力し、一実施形態によるビデオ復号化装置200の符号化情報抽出部220は、受信されたビットストリームから、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を抽出することができる。
分割情報は、現在符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す。現在深度dの分割情報が0であるならば、現在符号化単位が下位符号化単位に、それ以上分割されない深度が符号化深度であるので、符号化深度に対して、パーティションタイプ情報、予測モード、変換単位サイズ情報が定義される。分割情報によって、1段階さらに分割されなければならない場合には、分割された4個の下位深度の符号化単位ごとに、独立して符号化が行われなければならない。
予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち一つで示すことができる。イントラモード及びインターモードは、全てのパーティションタイプで定義され、スキップモードは、パーティションタイプ2Nx2Nでのみ定義される。
パーティションタイプ情報は、予測単位の高さまたは幅が、対称的な比率に分割された対称的パーティションタイプ2Nx2N,2NxN,Nx2N及びNxNと、非対称的な比率に分割された非対称的パーティションタイプ2NxnU,2NxnD,nLx2N,nRx2Nとを示すことができる。非対称的パーティションタイプ2NxnU及び2NxnDは、それぞれ高さが1:3及び3:1に分割された形態であり、非対称的パーティションタイプnLx2N及びnRx2Nは、それぞれ幅が1:3及び3:1に分割された形態を示す。
変換単位サイズは、イントラモードで2種類の大きさ、インターモードで2種類の大きさに設定される。すなわち、変換単位分割情報が0であるならば、変換単位の大きさは、現在符号化単位のサイズ2Nx2Nに設定される。変換単位分割情報が1であるならば、現在符号化単位が分割された大きさの変換単位が設定される。また、サイズ2Nx2Nである現在符号化単位に係わるパーティションタイプが、対称形パーティションタイプであるならば、変換単位の大きさは、NxN、非対称形パーティションタイプであるならば、N/2xN/2に設定される。
一実施形態によるツリー構造による符号化単位の符号化情報は、符号化深度の符号化単位、予測単位及び最小単位単位のうち少なくとも一つについて割り当てられる。符号化深度の符号化単位は、同一の符号化情報を保有している予測単位及び最小単位を一つ以上含んでもよい。
従って、隣接したデータ単位同士それぞれ保有している符号化情報を確認すれば、同一の符号化深度の符号化単位に含まれるか否かが確認される。また、データ単位が保有している符号化情報を利用すれば、当該符号化深度の符号化単位を確認することができるので、最大符号化単位内の符号化深度の分布が類推される。
従って、その場合、現在符号化単位が周辺データ単位を参照して予測する場合、現在符号化単位に隣接する深度別符号化単位内のデータ単位の符号化情報が直接参照されて利用される。
他の実施形態で、現在符号化単位が周辺符号化単位を参照して予測符号化が行われる場合、隣接する深度別符号化単位の符号化情報を利用して、深度別符号化単位内で現在符号化単位に隣接するデータが検索されることにより、周辺符号化単位が参照されもする。
図19は、表1の符号化モード情報による符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。
最大符号化単位1300は、符号化深度の符号化単位1302,1304,1306,1312,1314,1316,1318を含む。そのうち1つの符号化単位1318は、符号化深度の符号化単位であるので、分割情報が0に設定される。サイズ2Nx2Nの符号化単位1318のパーティションタイプ情報は、パーティションタイプ2Nx2N 1322,2NxN 1324,Nx2N 1326,NxN 1328,2NxnU 1332,2NxnD 1334,nLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定される。
変換単位分割情報TU size flagは、変換インデックスの一種であり、変換インデックスに対応する変換単位の大きさは、符号化単位の予測単位タイプまたはパーティションタイプによって変更される。
例えば、パーティションタイプ情報が、対称形パーティションタイプ2Nx2N 1322,2NxN 1324,Nx2N 1326及びNxN 1328のうち一つに設定されている場合、変換単位分割情報が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1342が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズNxNの変換単位1344)が設定される。
パーティションタイプ情報が非対称形パーティションタイプ2NxnU 1332,2NxnD 1334,nLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定された場合、変換単位分割情報TU size flagが0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1352が設定され、変換単位分割情報が1であるならば、サイズN/2xN/2の変換単位1354が設定される。
図19を参照して説明した変換単位分割情報TU size flagは、0または1の値を有するフラグであるが、一実施形態による変換単位分割情報は、1ビットのフラグに限定されるものではなく、設定によって、0,1,2,3,…などに増大させて変換単位が階層的に分割されもする。変換単位分割情報は、変換インデックスの一実施形態として利用される。
その場合、一実施形態による変換単位分割情報を、変換単位の最大サイズ、変換単位の最小サイズと共に利用すれば、実際に利用された変換単位の大きさが表現される。一実施形態によるビデオ符号化装置100は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を符号化することができる。符号化された最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報は、SPS(sequence parameter set)に挿入される。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を利用して、ビデオ復号化に利用することができる。
例えば、(a)現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位サイズが32x32であるならば、(a−1)変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさは、32x32、(a−2)変換単位分割情報が1であるとき、変換単位の大きさは、16x16、(a−3)変換単位分割情報が2であるとき、変換単位の大きさは、8x8に設定される。
他の例として、(b)現在符号化単位がサイズ32x32であり、最小変換単位サイズが32x32であるならば、(b−1)変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさは、32x32に設定され、変換単位の大きさが32x32より小さいことができないので、それ以上の変換単位分割情報が設定されることがない。
さらに他の例として、(c)現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位分割情報が1であるならば、変換単位分割情報は、0または1であり、他の変換単位分割情報が設定されることがない。
従って、最大変換単位分割情報を「MaxTransformSizeIndex」、最小変換単位サイズを「MinTransformSize」、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズを「RootTuSize」と定義するとき、現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」は、下記数式(1)のように定義される。
CurrMinTuSize
=max(MinTransformSize,RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)) (1)
現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」と比べ、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、システム上採択可能な最大変換単位サイズを示すことができる。すなわち、数式(1)によれば、「RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)」は、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」を最大変換単位分割情報に相応する回数ほど分割した変換単位サイズであり、「MinTransformSize」は、最小変換単位サイズであるので、それらのうち小さい値が、現在現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」である。
一実施形態による最大変換単位サイズ「RootTuSize」は、予測モードによって異なりもする。
例えば、現在予測モードがインターモードであるならば、「RootTuSize」は、下記数式(2)によって決定される。数式(2)で、「MaxTransformSize」は、最大変換単位サイズ、「PUSize」は、現在予測単位サイズを示す。
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PUSize) (2)
すなわち、現在予測モードがインターモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在予測単位サイズのうち小さい値に設定される。
現在パーティション単位の予測モードがイントラモードであるならば、「RootTuSize」は、下記数式(3)によって決定される。「PartitionSize」は、現在パーティション単位の大きさを示す。
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PartitionSize) (3)
すなわち、現在予測モードがイントラモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在パーティション単位サイズのうち小さい値に設定される。
ただし、パーティション単位の予測モードによって変動する一実施形態による現在最大変換単位サイズ「RootTuSize」は、一実施形態であるのみ、現在最大変換単位サイズを決定する要因は、それらに限定されるものではないということに留意しなければならない。
図7ないし図19を参照して説明されたツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ符号化技法によって、ツリー構造の符号化単位ごとに空間領域の映像データが符号化され、ツリー構造の符号化単位に基づいたビデオ復号化技法によって、最大符号化単位ごとに、復号化が行われながら、空間領域の映像データが復元され、ピクチャ及びピクチャシーケンスであるビデオが復元される。復元されたビデオは、再生装置によって再生されたり、あるいは記録媒体に保存されるか、あるいはネットワークを介して伝送される。
一方、前述の本発明の実施形態は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用して、前記プログラムを動作させる汎用デジタル・コンピュータで具現される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read-only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD(compact disc)−ROM、DVD(digital versatile disc)など)のような記録媒体を含む。
以上、本発明に対してその望ましい実施形態を中心に説明した。本発明が属する技術分野で当業者であるならば、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなくして、説明的な観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。