JP5823766B2 - 医薬組成物 - Google Patents
医薬組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5823766B2 JP5823766B2 JP2011167941A JP2011167941A JP5823766B2 JP 5823766 B2 JP5823766 B2 JP 5823766B2 JP 2011167941 A JP2011167941 A JP 2011167941A JP 2011167941 A JP2011167941 A JP 2011167941A JP 5823766 B2 JP5823766 B2 JP 5823766B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- pharmaceutical composition
- compound
- added
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
一般式(1):
(1)N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド、
(2)N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−(4−((1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド、
(3)N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−(4−((1−(3−ヒドロキシプロピル)ピペリジン−4−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド、
(4)N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−(4−((1−(2−フルオロエチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミドおよび
(5)N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−(4−((1−(2−メトキシカルボニルエチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミドからなる群から選ばれた項1に記載のシアノピリミジン化合物又はその塩からなる医薬組成物。
項1又は2に記載の化合物又はその塩と医薬上許容され得る担体とを含む医薬組成物。
眼疾患を治療あるいは予防するための項3に記載の医薬組成物。
緑内障を治療あるいは予防するための項4に記載の医薬組成物。
アデノシンA2a受容体作動薬としての項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物を含む水性製剤。
さらに製薬上許容される緩衝剤、等張化剤、防腐剤、溶解補助剤、pH調整剤から選択される1又はそれ以上の添加剤を含有する項7に記載の水性製剤。
緩衝剤が、コハク酸、ホウ酸、リン酸及びアミン酸、並びに塩から選択される項8記載の水性製剤。
緩衝剤がコハク酸である項9記載の水性製剤。
等張化剤が、ブドウ糖、ソルビトール、マンニトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、プロピレングリコール及びグリセリンから選択される1又は2の等張化剤である項8〜10のいずれかに記載の水性製剤。
防腐剤が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化ベンゾドデシニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール及びベンジルアルコールから選択される項8〜11のいずれかに記載の水性製剤。
pHが約5.0〜9.0の範囲である項7〜12のいずれかに記載の水性製剤。
反応温度は特に限定されず、通常、冷却下、室温下及び加熱下のいずれでも反応が行われる。好ましくは、室温〜100℃の温度条件下に30分〜30時間、好ましくは30分〜5時間反応させるのがよい。
上記反応において、出発原料として用いられる化合物(3)は、公知の化合物であり、その製造方法については後述する(反応式4)。
ここで、N−保護基Wとしては、例えば、低級アルコキシカルボニル基、低級アルカノイル基、アリール置換低級アルキル基等を例示できる。
低級アルコキシカルボニル基は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシカルボニル基を含み、その具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
低級アルカノイル基は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルカノイル基を含み、その具体例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、tert−ブチルカルボニル、ヘキサノイル基等が挙げられる。
本反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、トリフルオロエタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;又は他の有機溶媒が挙げられる。さらに、本反応は、これらの混合溶媒中で行われてもよい。
加水分解は、塩基もしくは酸(ルイス酸を含む)の存在下で実施するのが好ましい。
塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を広く使用できる。好適な無機塩基としては、例えばアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム、カルシウム等)、これらの水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩等が挙げられる。好適な有機塩基としては、例えば、トリアルキルアミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン等)、ピコリン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン等が挙げられる。
酸としてトリハロ酢酸又はルイス酸を用いる場合には、カチオン捕捉剤(例えばアニソール、フェノール等)の存在下で実施するのが好ましい。
反応温度は、通常0〜120℃、好ましくは室温〜100℃、より好ましくは室温〜80℃である。反応時間は、通常30分〜24時間、好ましくは30分〜12時間、より好ましくは1〜8時間である。
水素化分解には、公知の水素化分解方法を広く適用できる。このような水素化分解方法としては、例えば、化学還元、接触還元等が挙げられる。
接触還元に使用される好適な触媒は、白金触媒(例えば白金板、海綿状白金、白金黒、コロイド状白金、酸化白金、白金線等)、パラジウム触媒(例えば海綿状パラジウム、パラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウム炭素、パラジウム/硫酸バリウム、パラジウム/炭酸バリウム等)、ニッケル触媒(例えば還元ニッケル、酸化ニッケル、ラネーニッケル等)、コバルト触媒(例えば還元コバルト、ラネーコバルト等)、鉄触媒(例えば還元鉄等)等である。
なお、化学還元に使用される上記の酸が液状である場合には、それらを溶媒として兼用することもできる。
反応温度は、通常0〜120℃、好ましくは室温〜100℃、より好ましくは室温〜80℃である。反応時間は、通常30分〜24時間、好ましくは30分〜10時間、より好ましくは30分〜4時間である。
本反応は、文献(El-Sharabsy, S.A.; Abdel Gawad, S. M.; Hussain, S. M.; J.Prakt. Chem., 1989, 331 (2), 207)記載の方法または該方法に準じて行われる。
無機塩基としては、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、炭酸水素アルカリ金属(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等)、炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)、アルカリ金属低級アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、水素化物(例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム等)等が挙げられる。
これら塩基性化合物は、1種単独でまたは2種以上混合して使用される。
塩基性化合物の使用量は、化合物(5)に対して、通常触媒量〜10倍モル、好ましくは、等モル〜3.5倍モルである。これらの塩基が液状の場合、溶媒として兼用できる。
反応温度は特に限定されず、通常、冷却下、室温下及び加熱下のいずれでも反応が行われる。上記反応は、好ましくは、加熱還流下に1〜30時間に行うのがよい。
化合物(7)の酸化は、この技術分野で慣用されている酸化方法に従って行われる。好適な酸化剤としては、例えば、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)等が挙げられる。
反応温度は特に限定されず、通常、冷却下、室温下及び加熱下のいずれでも反応が行われる。上記反応は、好ましくは、加熱還流温度条件下に0.5〜75時間行うのがよい。
上記反応式4において化合物(7)は、環内二重結合の位置が異なる異性体を含む。
上記反応において、出発原料として用いられる化合物(4)は、入手が容易な公知の化合物である。
上記各反応式において用いられる原料化合物は、適当な塩であってもよく、また各反応で得られた目的化合物も適当な塩を形成していてもよい。
また、各反応式において示された原料及び目的化合物に溶媒和物(例えば、水和物、エタノレート等)が付加された形態の化合物も、各々の一般式に含まれる。好ましい溶媒和物としては水和物が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される化合物には、幾何異性体、立体異性体、光学異性体等の異性体も当然に包含される。
即ち、本発明化合物(その塩を含む、以下同じ)に、必要に応じて、製薬上許容される緩衝剤、等張化剤、防腐剤、溶解補助剤およびpH調整剤から選択される1又はそれ以上の添加剤を適宜配合して、常法に従い目的の水性製剤を調製する。
また、緩衝剤として、コハク酸又はその医薬的に許容される塩を用いた場合、有効成分との反応で生成する塩の溶解性が高く、長期間の保存の過程でその有効成分の析出を防ぐことが可能である。
水性液剤中の緩衝剤の濃度は、pHの変動を抑えることができる最小限の濃度が好ましく、例えば、2%(W/V)以下、好ましくは0.6%(W/V)以下、より好ましくは、0.2%(W/V)以下が望ましい。
また、等張化剤として、グリセリンを用いた場合、有効成分の溶解性に影響を与えることがなく、長期間の保存で有効成分やその類縁物質が析出しない製剤を調製することが可能である。等張化剤を添加したときの水性液剤の浸透圧は、例えば、170〜460mOsm/kg、好ましくは229〜372mOsm/kg、より好ましくは、256〜316mOsm/kgの範囲である。
また、本発明の医薬組成物及び化合物は、心筋梗塞診断補助剤としても使用可能である。
装置:JNM−AL300 (JEOL社製)
内部標準物質:TMS
s:singlet、d:doublet、t:triplet、q:quartet、quint:quintet、sext:sextet
(E)−3−(6−ヒドロキシメチルピリジン−2−イル)アクリル酸メチルエステル
2−ブロモピリジン−6−メタノール 50.0gを乾燥N,N−ジメチルホルムアミド250mlに溶解し、溶解液中にアクリル酸メチル 47.9ml、塩化テトラ(n−ブチル)アンモニウム 73.9g、炭酸水素ナトリウム 47.7g及びモレキュラーシーブス(Molecular Sieves 3A (1/16)) 50.0gを加え、アルゴン雰囲気下に、さらに酢酸パラジウム(II) 2.98gを加え、混合物を80℃で5時間撹拌した。冷却後、不溶物を濾却し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して(E)−3−(6−ヒドロキシメチルピリジン−2−イル)アクリル酸メチルエステルを50.2g得た。
褐色粉末
1H-NMR (CDCl3) 7.72 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 15.6 Hz), 7.32 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.21 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.97 (1H, d, J = 15.6 Hz), 4.78 (2H, d, J = 4.2 Hz), 3.85 (1H, t, J = 4.2 Hz), 3.83 (3H, s).
3−(6−ヒドロキシメチルピリジン−2−イル)プロピオン酸メチルエステル
(E)−3−(6−ヒドロキシメチルピリジン−2−イル)アクリル酸メチルエステル50.2gをイソプロピルアルコール 502mlに殆ど溶解し、溶解液中に5%パラジウム−活性炭素 2.51gを加え、常圧の水素雰囲気下に50℃で2.5時間撹拌した。冷却後、触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮して3−(6−ヒドロキシメチルピリジン−2−イル)プロピオン酸メチルエステルを50.0g得た。
褐色油状物
1H-NMR (CDCl3) 7.58 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.09 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.03 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.71 (2H, s), 4.01 (1H, br s), 3.69 (3H, s), 3.15 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.81 (2H, t, J = 7.2 Hz).
3−(6−メタンスルホニルオキシメチルピリジン−2−イル)プロピオン酸メチルエステル
3−(6−ヒドロキシメチルピリジン−2−イル)プロピオン酸メチルエステル50.0gを酢酸エチル 1000mlに溶解し、溶解液中にトリエチルアミン 53.5mlを加え、混合物を氷冷下に10分間撹拌した。これにメタンスルホン酸クロリド 23.8mlを10分かけて滴下し、氷冷下に30分間撹拌した。反応混合物に水を加えて分液し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し3−(6−メタンスルホニルオキシメチルピリジン−2−イル)プロピオン酸メチルエステルを63.0g得た。
褐色油状物
1H-NMR (CDCl3) 7.63 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.26 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.19 (1H, d, J = 7.5 Hz), 5.28 (2H, s), 3.67 (3H, s), 3.12 (2H, t, J = 7.2 Hz), 3.07 (3H, S), 2.79 (2H, t, J = 7.2 Hz).
3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル]ピリジン−2−イル}プロピオン酸メチルエステル
4−アセトアミドベンズアルデヒド 1000gをエタノール 16000mlに溶解し、マロノニトリル 607g、ピペリジン40gを加え、加熱還流下2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却して30分間撹拌した。析出晶を濾取し、エタノール 2000mlで洗浄した。これを乾燥させN−[4−(2,2−ジシアノビニル)フェニル]アセトアミドを黄色粉末として、1049g得た。
3−(6−メタンスルホニルオキシメチルピリジン−2−イル)プロピオン酸メチルエステル7.0gをメタノール75mlに溶解し、溶解液にチオ尿素1.85gを加えて1.5時間加熱還流した。反応液を氷冷後、これにトリエチルアミン10.7mlを加えてしばらく撹拌した。続いてメタノール75ml、前述の方法で得られたN−[4−(2,2−ジシアノビニル)フェニル]アセトアミド 4.33gを加え、最後にN−ブロモスクシンイミド 3.67gを加えて1時間撹拌した。析出晶を濾取し、メタノール 40mlで洗浄した。これを乾燥させ3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル]ピリジン−2−イル}プロピオン酸メチルエステル 5.5gを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.23 (1H, s), 8.20-7.60 (2H, br s), 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.63 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.15 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.45 (2H, s), 3.57 (3H, s), 2.96 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.74 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.09 (3H, s).
3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル]ピリジン−2−イル}プロピオン酸
3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル]ピリジン−2−イル}プロピオン酸メチルエステル 5gを50%含水アセトニトリル 150mlに懸濁し、水酸化リチウム一水和物1.35gを加えて室温にて1時間撹拌した。次にクエン酸 4.11gを水 20mlに溶解して徐々に反応液に加え、室温にて2時間撹拌した。析出晶を濾取して水75mlで洗浄後、得られた結晶を乾燥させ3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル]ピリジン−2−イル}プロピオン酸 5gを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.25 (1H, s), 7.84 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.64 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.36 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.16 (1H, d, J = 7.8 Hz), 4.47 (2H, s), 2.95 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.65 (2H, t, J = 7.2 Hz), 2.09 (3H, s).
1−tert−ブトキシカルボニル−4−(ピペラジン−1−イル)メチルピペリジン
1−tert−ブトキシカルボニル−4−ピペリジルメタノール 10gを酢酸エチル150mlに溶解し、トリエチルアミン 12.8mlを加えて、氷冷下しばらく撹拌した。これにメタンスルホニルクロリド 5.4mlをゆっくり滴下し、氷冷下30分間攪拌した。反応液に水 50mlを加え分液した。水層を酢酸エチル50mlで2回抽出し、有機層をまとめ無水硫酸マグネシウム乾燥後、減圧留去した。この残渣をアセト二トリル 200mlに溶解し、ピペラジン 18gを加え加熱還流下3時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、生じたピペラジンを濾去した。この濾液に飽和食塩水 50ml、酢酸エチル 50mlを加え、終夜攪拌した後、分液した。有機層を更に飽和食塩水 50mlで2回洗浄し減圧濃縮した。この残渣に水 50mlを加え、氷冷下1N塩酸を用いて中和した。これに酢酸エチル100mlを加えしばらく攪拌後、分液した。水層に氷冷下5N水酸化ナトリウム水溶液を用いて強塩基性とし、酢酸エチル抽出し無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。これにより1−tert−ブトキシカルボニル−4−(ピペラジン−1−イル)メチルピペリジンを9.96g得た。
無色油状物
1H-NMR (CDCl3) 4.11-4.05 (2H, m), 2.87 (4H, t, J = 4.8 Hz), 2.72-2.64 (2H, m), 2.36 (4H, br s), 2.14 (2H, d, J = 6.9 Hz), 1.74-1.65 (3H, m), 1.45 (9H, m), 1.13-0.99 (2H, m).
4−((4−(3−(6−((4−(4−アセトアミドフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン二塩酸塩
3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル]ピリジン−2−イル}プロピオン酸 2.16gをアセトン 44mlに懸濁し、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール 781mg、1−エチル-3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩1.1g、1−tert−ブトキシカルボニル−4−(ピペラジン−1−イル)メチルピペリジン 1.5gを順次加え1時間加熱還流した。アセトンを減圧留去後、酢酸エチル 30ml、水 30mlを加え30分間攪拌し、分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。この残渣をメタノール25mlに完全溶解した後、氷冷下濃塩酸 0.85mlをゆっくり滴下し、室温下1時間攪拌した。次にエタノール50mlを加え50℃下1時間攪拌した。放冷後、析出晶を濾取し乾燥させ4−((4−(3−(6−((4−(4−アセトアミドフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン二塩酸塩を2.95g得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.30 (1H, s) 10.15 (1H, br-s) 8.00-7.81 (4H, m) 7.72 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.65 (1H, br-s) 7.40 (1H, br-s) 4.57 (2H, s) 4.36-4.31 (1H, m) 4.02-3.89 (3H, m ) 3.70-3.30 (8H, m) 3.17-2.73 (8H, m) 2.09 (3H, s) 1.99 (1H, m) 1.78-1.73 (2H, m) 1.39 (9H, s).
N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド三塩酸塩
4−((4−(3−(6−((4−(4−アセトアミドフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)−1−tert−ブトキシカルボニルピペリジン二塩酸塩 40gに塩化水素[1mol/L酢酸エチル溶液]400mlを加え、室温下24時間撹拌した。不溶物を濾取し酢酸エチル 80mlで洗浄した。これを乾燥させ白色の粗結晶を得た。次に得られた粗結晶を室温下、水 245mlに溶解し濾過した。濾液にアセトン 875mlをゆっくり加え、種晶を混ぜて6時間撹拌した。析出晶を濾取しアセトン 140mlで洗浄後、乾燥させN−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド三塩酸塩を29.8g得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 11.23 (1H, br-s) 10.43 (1H, s) 9.05 (1H, br-s) 8.93 (1H, br-s) 8.30 (1H, t, J = 7.8 Hz) 7.96 (1H, d, J = 7.8 Hz) 7.81 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.78-7.73 (3H, m) 4.77 (2H, s) 4.36-4.31 (1H, m) 4.02-3.74 (3H, m ) 3.53-3.45 (2H, m) 3.26-3.23 (5H, m) 3.02-2.81 (8H, m) 2.10-1.91 (6H, m) 1.50-1.39 (2H, m).
N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−(4−((1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド マレイン酸塩
N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド三塩酸塩 1.01gを乾燥N,N−ジメチルホルムアミド 15mlに溶解し、2−クロロエタノール 186μl、トリエチルアミン 0.6ml、炭酸カリウム 386mg、ヨウ化ナトリウム 300mgを加え50℃下3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール:28%アンモニア水=100:10:1)で精製し、N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−(4−((1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミドを220mg得た。これをメタノール 5mlに溶解しマレイン酸 38.8mgを加え暫く撹拌した。溶解液を減圧濃縮することによりN−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−(4−((1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド マレイン酸塩を250mg得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.25 (1H, s) 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.71 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.63 (1H, t, J = 7.5 Hz) 7.35 (1H, d, J = 7.5 Hz) 7.15 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.04 (2H, s) 5.76 (1H, br-s) 4.47-4.35 (4H, m) 3.71 (2H, br-s) 3.45-3.32 (9H, m ) 3.11 (2H, br-s) 2.97-2.87 (4H, m) 2.73-2.69 (2H, m) 2.36-2.19 (3H, m) 2.09 (3H, s) 1.88-1.83 (3H, m) 1.35-1.31 (2H, m).
N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−(6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド−2,2,2−D3 三塩酸塩(6−3)
4−(4−(3−(6−(4−(4−アセトアミド−2,2,2−D3−フェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル 二塩酸塩(6−2)
4−(4−(3−(6−((4−アミノ−6−(4−アミドフェニル)−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル(6−1) 3.4gを塩化メチレン 68mLに溶解し、氷冷下トリエチルアミン 1.4mLを加えしばらく撹拌した。これにアセチルクロリド−D3 532μLをゆっくり滴下し、室温下終夜撹拌した。水を加えて分液した後、水層を塩化メチレンで2回抽出し、有機層をまとめて無水硫酸マグネシウム乾燥し減圧濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=25:1)で精製し、4−(4−(3−(6−(4−(4−(アセトアミド−2,2,2−D3)−フェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステルを3.1g得た。これをメタノール20mLに完全溶解した後、氷冷下濃塩酸1.7mLをゆっくり滴下し、室温下3時間攪拌した。次にエタノール40mLを加え50℃下1時間攪拌した。放冷後、析出晶を濾取し乾燥させ4−((4−(3−(6−((4−(4−(アセトアミド−2,2,2−D3)−フェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル 二塩酸塩(6−2)を2.06g得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.29 (1H, s) 10.15 (1H, br-s) 8.00-7.90 (1H, m) 7.82 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.73 (2H, d, J= 8.7 Hz) 7.59 (1H, m) 7.40 (1H, m) 4.57 (2H, s) 4.36-4.31 (1H, m) 4.02-3.89 (3H, m) 3.70-3.30 (8H, m) 3.17-2.73 (8H, m) 1.99 (1H, m) 1.78-1.73 (2H, m) 1.39 (9H, s).
4−(4−(3−(6−(4−(4−(アセトアミド−2,2,2−D3)−フェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル 二塩酸塩(6−2)2.0gに塩化水素[1mol/L酢酸エチル溶液]20mLを加え、室温下41時間撹拌した。不溶物を濾取し酢酸エチル4.0mLで洗浄した。この粗結晶を室温下、水10mLに溶解し濾過した。濾液にアセトン 40mLをゆっくり加え、種晶を混ぜて2時間撹拌した。析出晶を濾取しアセトン 4mLで洗浄後、乾燥させN−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−(6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド−2,2,2−D3 三塩酸塩(6−3)を1.75g得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 11.06 (1H, br-s) 10.38 (1H, s) 8.94-8.81 (2H, m) 8.16 (1H, t, J= 7.8 Hz) 7.83-7.80 (3H, m) 7.75 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.64 (1H, d, J = 7.8 Hz) 4.70 (2H, s) 4.36-4.31 (1H, m) 4.02-3.74 (3H, m) 3.53-3.45 (2H, m) 3.26-3.23 (5H, m) 3.02-2.81 (8H, m) 2.10-1.91 (3H, m) 1.50-1.39 (2H, m).
4−ニトロ安息香酸−D4(7−1) 5gをメタノール100mlに溶解し、濃塩酸1.0mlを加え、15時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮した後、この残渣に水を加え塩化メチレンで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し4−ニトロ安息香酸−2,3,5,6−D4 メチルエステル(7−2)を5.3g得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCL3) 3.99 (3H, s).
4−ニトロ安息香酸−2,3,5,6−D4 メチルエステル(7−2)5.3gをジオキサン53mlと水53mlの混合溶媒に懸濁させ、水素化ホウ素酸ナトリウム9.4gを加え室温下6時間撹拌した。反応終了後、5N塩酸で反応液を弱酸性にし分液した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層をまとめて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し4−ニトロベンジル−2,3,5,6−D4 アルコール(7−3)を3.75g得た。
黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 5.53(1H, t, J = 5.7 Hz) 4.64 (2H, d, J= 5.7 Hz).
4−ニトロベンジル−2,3,5,6−D4 アルコール(7−3)3.75gを酢酸エチル37mlとジメチルホルムアミド10mlの混合溶媒に溶解させ、5%パラジウム−活性炭素400mgを加え、常圧の水素雰囲気下6時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮して、4−アミノベンジル−2,3,5,6−D4 アルコール(7−4)を2.65g得た。
黄色油状物
1H-NMR (CDCL3) 4.56 (2H, s).
4−アミノベンジル−2,3,5,6−D4 アルコール(7−4)2.65gを酢酸エチル53mLに溶解させ、氷冷下トリエチルアミン12.9mlを加え、しばらく撹拌した。次にアセチルクロリド5.5mlをゆっくり滴下し、1時間撹拌した。反応終了後、水を加え分液した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層をまとめて無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去することにより4−アセトアミドベンジル−2,3,5,6−D4 アセテート(7−5)を4.28g得た。
黄色油状物
1H-NMR (DMSO-d6) 4.99 (2H, s) 2.09 (6H, s).
4−アセトアミドベンジル−2,3,5,6−D4 アセテート(7−5)4.28gをメタノール80mLに溶解させ、炭酸カリウム2.9gを加え、1.5時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮することによりN−(4−(ハイドロキシメチル)フェニル−2,3,5,6−D4)アセトアミド(7−6)を3.4g得た。
黄色油状物
1H-NMR (DMSO-d6) 10.07 (1H, s) 4.42 (2H, s) 2.02 (3H, s).
N−(4−(ハイドロキシメチル)フェニル−2,3,5,6−D4)アセトアミド(7−6)3.4gをジメチルホルムアミド68mLに溶解させ、二酸化マンガン17gを加え60℃下6時間撹拌した。反応終了後、反応液を濾過し、得られた濾液に水を加え、酢酸エチル抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、N−(4−ホルミルフェニル−2,3,5,6−D4)アセトアミド(7−7)を2.5g得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCL3) 9.93 (1H, s) 7.50 (1H, br-s) 2.23 (3H, m).
N−(4−ホルミルフェニル−2,3,5,6−D4)アセトアミド(7−7)2.5gをエタノール50mLに溶解し、マロノニトリル 1.1g,ピペリジン2滴を加え室温下8時間撹拌した。析出晶を濾取し、エタノールで洗浄した。これを乾燥させ、N−(4−(2,2−ジシアノビニル)フェニル−2,3,5,6−D4)アセトアミド(7−8)を2.1g得た。
黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.52 (1H, s) 8.37 (1H, s) 2.12 (3H, s).
金属ナトリウム276mgを溶解させたエタノール溶液20mlに、チオウレア 760mgを加え、室温下1時間撹拌した。次にN−(4−(2,2−ジシアノビニル)フェニル−2,3,5,6−D4)アセトアミド(7−8)2.1gを加え、加熱還流下3時間撹拌した。反応終了後、エタノールを減圧留去した。この残渣を温水に溶解し、酢酸で弱酸性にした。生じた不溶物を濾取、乾燥させることにより、N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−メルカプト−3,4−ジヒドロピリミジン−4−イル)フェニル−2,3,5,6−D4)アセトアミド(7−9)を2.91g得た。
黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 9.99 (1H, s) 9.69 (1H, s) 6.13 (2H, m) 4.93 (1H, s) 2.07 (3H, s).
N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−メルカプト−3,4−ジヒドロピリミジン−4−イル)フェニル−2,3,5,6−D4)アセトアミド(7−9)2.91gをジメチルホルムアミド 60mlに溶解し、3−(6−メタンスルホニルオキシメチルピリジン−2−イル)プロピオン酸 メチルエステル2.73gおよび炭酸カリウム2.76gを加え、室温下終夜撹拌した。次にN−ブロモスクシンイミド 1.77gを加え、更に1時間撹拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=20:1)で精製し、3−(6−(4−(4−アセチルアミノフェニル−2,3,5,6−D4)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル)ピリジン−2−イル)プロピオン酸 メチルエステルを3.52g得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.26 (1H, s) 7.63 (1H, t, J= 7.8 Hz) 7.36 (1H, d, J= 7.8 Hz) 7.16 (1H, d, J = 7.8 Hz) 4.46 (2H, s) 3.57 (3H, s) 2.99 (2H, t, J= 7.2 Hz) 2.73 (2H, t, J= 7.2 Hz) 2.09 (3H, s).
3−(6−(4−(4−アセチルアミノフェニル−2,3,5,6−D4)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル)ピリジン−2−イル)プロピオン酸 メチルエステル(7−10)3.52gを50%含水アセトニトリル100mLに懸濁し、水酸化リチウム1水和物 331mgを加えて、加熱還流下2時間撹拌した。次にクエン酸1.59gを水10mlに溶解して徐々に反応液に加え、50℃下1時間撹拌した。放冷後、析出晶を濾取して水で洗浄した。この結晶を乾燥させ3−(6−(4−(4−アセチルアミノフェニル−2,3,5,6−D4)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル)ピリジン−2−イル)プロピオン酸(7−11)を2.29g得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.25 (1H, s), 7.64 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.36 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.16 (1H, d, J = 7.8 Hz) 4.46 (2H, s) 2.92 (2H, t, J = 7.2 Hz) 2.65 (2H, t, J = 7.2 Hz) 2.09 (3H, s).
3−(6−(4−(4−アセチルアミノフェニル−2,3,5,6−D4)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル)ピリジン−2−イル)プロピオン酸(7−11)2.29gをアセトン46mLに懸濁し、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール 820mg、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド 塩酸塩 1.16g、4−ピペラジン−1−イルメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル 1.43gを順次加え、1時間加熱還流した。アセトンを減圧留去後、酢酸エチル23ml、水23mlを加え、30分間攪拌し、分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。この残渣をメタノール22.5mlに完全溶解した後、氷冷下濃塩酸1.43mlをゆっくり滴下し、室温下1時間攪拌した。次にエタノール45mlを加え50℃下1時間攪拌した。放冷後、析出晶を濾取し乾燥させ、4−((4−(3−(6−((4−(4−アセトアミドフェニル−2,3,5,6−D4)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル 二塩酸塩(7−12)を2.35g得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.30 (1H, s) 7.95 (1H, m) 7.65 (1H, m) 7.45 (1H, m) 4.59 (2H, s) 4.40-4.31 (1H, m) 4.10-3.85 (3H, m) 3.70-3.30 (8H, m) 3.17-2.73 (8H, m) 2.09 (3H, s) 1.99 (1H, m) 1.78-1.74 (2H, m) 1.39 (9H, s).
4−(4−(3−(6−(4−(4−アセトアミドフェニル−2,3,5,6−D4)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル 二塩酸塩(7−12)2.35gに塩化水素[1mol/L酢酸エチル溶液]23mlを加え、室温下24時間撹拌した。不溶物を濾取し酢酸エチル4.7mlで洗浄した。この粗結晶を室温下、水10mlに溶解し濾過した。濾液にアセトン 40mlをゆっくり加え、種晶を混ぜて2時間撹拌した。析出晶を濾取しアセトン 4.7mlで洗浄後、乾燥させ、N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル−2,3,5,6−D4)アセトアミド 三塩酸塩(7−13)を1.93g得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 11.04 (1H, br-s) 10.38 (1H, s) 8.92-8.80 (2H, m) 8.10 (1H, m) 7.79 (1H, m) 7.59 (1H, m) 4.67 (2H, s) 4.37-4.33 (1H, m) 4.07-4.03 (1H, m ) 3.70-2.82 (17H, m) 2.10-1.98 (6H, m) 1.48-1.37 (2H, m).
3−(6−(4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル)ピリジン−2−イル)プロピオン酸(8−1) 230mgをアセトニトリル20mLに懸濁し、5N 塩酸2mLを加えて、60℃下終夜撹拌した。放冷後、クエン酸水溶液を徐々に加え中和した。析出晶を濾取してエタノール洗浄後、得られた結晶を乾燥させ3−(6−(4−アミノ−6−(4−アミノフェニル)−5−シアノピリミジン−2−イルチオメチル)ピリジン−2−イル)プロピオン酸(8−2)150mgを得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.74 (1H, t, J = 7.5 Hz) 7.30 (1H, d, J = 7.5 Hz) 7.12 (1H, d, J = 7.5 Hz) 6.61 (2H, d, J = 8.7 Hz) 5.90 (2H, br-s) 4.44 (2H, s) 2.91 (2H, t, J = 7.5 Hz) 2.48 (2H, t, J = 7.5 Hz).
3−(6−(4−アミノ−6−(4−アミノフェニル)−5−シアノピリミジン−2−イルスルファニルメチル)ピリジン−2−イル)プロピオン酸(8−2)2.58gをアセトン50mLに懸濁し、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール 1.28g、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩1.8g、4−ピペラジン−1−イルメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル 1.8gを順次加え1時間加熱還流した。アセトンを減圧留去後、酢酸エチル30ml、水30mLを加え30分間攪拌し、分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール:28%アンモニア水=100:10:1)で精製し、4−(4−(3−(6−(4−アミノ−6−(4−アミドフェニル)−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル(8−3)を3.9g得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (CDCL3) 7.95 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.50 (1H, t, J = 7.5 Hz) 7.28 (1H, d, J = 7.5 Hz) 7.08 (1H, d, J = 7.5 Hz) 6.71 (2H, d, J = 8.7 Hz) 5.70 (2H,br-s) 4.51 (2H, s) 4.16-4.09 (4H, m ) 3.59 (2H, t, J = 4.8 Hz) 3.45 (2H, t, J = 4.8 Hz) 3.13 (2H, t, J = 7.5 Hz) 2.80 (2H, t, J = 7.5 Hz) 2.75-2.65 (2H, m) 2.34-2.30 (4H, m) 2.13 (2H, d, J = 7.2 Hz) 1.72-1.64 (1H, m) 1.46 (9H, s) 1.07-1.02 (2H, m).
4−アミノ−6−(4−アミノフェニル)−2−(6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−5−カルボ二トリル 四塩酸塩 (8−4)
4−(4−(3−(6−(4−アミノ−6−(4−アミドフェニル)−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル(8−3)3.6gに塩化水素[1mol/L酢酸エチル溶液]54mlを加え、室温下24時間撹拌した。不溶の結晶を濾取し酢酸エチルで洗浄した。これを乾燥させ4−アミノ−6−(4−アミノフェニル)−2−(6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−5−カルボ二トリル 四塩酸塩(8−4)を4.3g得た。
淡黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 11.23 (1H, br-s) 9.05 (1H, br-s) 8.93 (1H, br-s) 8.30 (1H, t, J = 7.5 Hz) 7.79-7.68 (4H, m) 6.92 (2H, d, J = 8.7 Hz) 4.77 (2H, s) 4.40-4.31 (8H, m) 3.36-3.18 (4H, m) 3.02-2.75 (6H, m) 2.21-1.98 (3H, m) 1.52-1.34 (2H, m).
3−(6−ヒドロキシメチルピリジン−2−イル)プロピオン酸メチルエステル(9−2) 1.37gを塩化メチレン15mLに溶解し、m−クロロ過安息香酸 1.46gの塩化メチレン溶液をゆっくり加え2時間撹拌した。反応液を10%亜硫酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄した。最後に無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒留去することにより、3−(6−ヒドロキシメチル−1−オキシ−ピリジン−2−イル)プロピオン酸メチルエステル(9−2)を880mg得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCL3) 7.48-7.29 (1H, m) 7.25-7.22 (2H, m) 5.01 (1H, m) 4.80 (2H, S) 3.67 (3H, s) 3.23 (2H, t, J= 7.2 Hz) 2.87 (2H, t, J= 7.2 Hz).
N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−メルカプトピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド (9−4)
チオウレア1.52gをエタノール15mLに懸濁させた後、炭酸ナトリウム2.12gを加え60℃下30分撹拌した。次にN−(4−(2,2−ジシアノビニル)フェニル)アセトアミド(9−3)4.22gを加え加熱還流下5時間撹拌した。反応終了後、エタノールを減圧留去した。この残渣を温水に溶解し、酢酸で弱酸性にした。生じた不溶物を濾取、乾燥させることにより、N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−メルカプトピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド(9−4)を1.87g得た。
黄色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.29 (1H, s) 7.73 (2H, d, J= 8.7 Hz) 7.64 (2H, d, J= 8.7 Hz) 2.09 (3H, s).
3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルスルファニルメチル]−1−オキシ−ピリジン−2−イル}プロピオン酸メチルエステル (9−5)
3−(6−ヒドロキシメチル−1−オキシ−ピリジン−2−イル)プロピオン酸メチルエステル(9−4)880mgを塩化メチレン 18mLに溶解し、溶解液中にトリエチルアミン 1.15mLを加え、混合物を氷冷下に10分間撹拌した。これにメタンスルホン酸クロリド 0.48mLをゆっくり滴下し、氷冷下に30分間撹拌した。反応混合物に水を加えて分液し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し3−(6−メタンスルホニルオキシメチル−1−オキシ−ピリジン−2−イル)プロピオン酸 メチルエステルを得た。次に、これをジメチルホルムアミド10mLに溶解し、N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−メルカプトピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド1.14gおよび炭酸カリウム1.1gを加え室温下終夜撹拌した。反応終了後、水を加え不溶物を濾取し乾燥させることにより、3−(6−(4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルスルファニルメチル)−1−オキシ−ピリジン−2−イル)プロピオン酸 メチルエステルを580mg得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.26 (1H, s) 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.74-7.69 (3H, m) 7.37 (1H, d, J= 7.8 Hz) 7.23 (1H, t, J= 7.8 Hz) 4.50 (2H, s) 3.59 (3H, s) 3.05 (2H, t, J= 7.2 Hz) 2.76 (2H, t, J= 7.2 Hz) 2.09 (3H, s).
3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルスルファニルメチル]−1−オキシ−ピリジン−2−イル}プロピオン酸メチルエステル(9−5)580mgを50%含水アセトニトリル17mLに懸濁し、水酸化リチウム1水和物53mgを加えて80℃下2時間撹拌した。次にクエン酸253mgを加え、50℃下1時間撹拌した。放冷後、析出晶を濾取し水洗した。この得られた結晶を乾燥させ3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルスルファニルメチル]−1−オキシ−ピリジン−2−イル}プロピオン酸(9−6)540mgを得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.25 (1H, s) 7.83 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.74-7.68 (3H, m) 7.37 (1H, d, J= 7.8 Hz) 7.23 (1H, t, J= 7.8 Hz) 4.50 (2H, s) 3.02 (2H, t, J= 7.2 Hz) 2.67 (2H, t, J= 7.2 Hz) 2.09 (3H, s).
3−{6−[4−(4−アセチルアミノフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルスルファニルメチル]−1−オキシ−ピリジン−2−イル}プロピオン酸(9−6)520mgをアセトン10mLとジメチルホルムアミド10mLの混合溶媒に溶解し、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール 224mg、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド 塩酸塩318mg、4−ピペラジン−1−イルメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル315mgを順次加え2時間加熱還流した。アセトンを減圧留去後、酢酸エチルおよび水を加え30分間攪拌し分液した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=50:1)で精製し、4−(4−(3−(6−(4−(4−アセトアミドフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)−1−オキシ−ピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル(9−7)を470mg得た。
白色粉末
1H-NMR (CDCL3) 7.98 (2H, d, J= 8.7 Hz) 7.69-7.61 (3H, m) 7.43 (1H, dd, J = 7.8, 1.8 Hz) 7.31 (1H, dd, J= 7.8, 1.8 Hz) 7.09 (1H, t, J= 7.8 Hz) 5.75 (2H, s) 4.65(2H, s) 4.12-4.00 (2H, m) 3.55 (2H, br-s) 3.46 (2H, br-s) 3.24 (2H, t, J= 7.2 Hz) 2.87 (2H, t, J= 7.2 Hz) 2.71-2.63 (2H, m) 2.32-2.29 (4H, m) 2.23 (3H, s) 2.11 (2H, d, J= 6.9 Hz) 1.71-1.67 (3H, m) 1.46 (9H, s) 1.07-0.97 (2H, m).
4−(4−(3−(6−(4−(4−アセトアミドフェニル)−6−アミノ−5−シアノピリミジン−2−イルチオ)メチル)−1−オキシピリジン−2−イル)プロパノイル)ピペラジン−1−イル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸 t−ブチルエステル450mgに塩化水素[1mol/L酢酸エチル溶液]4.5mLを加え、室温下24時間撹拌した。不溶物を濾取し酢酸エチルで洗浄した。これを乾燥させ白色の粗結晶を得た。次に得られた粗結晶を室温下、水2.5mlに溶解し濾過した。濾液にアセトン 10mLをゆっくり加え、6時間撹拌した。析出晶を濾取しアセトンで洗浄後、乾燥させN−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)−1−オキシ−ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド 三塩酸塩を230mg得た。
白色粉末
1H-NMR (DMSO-d6) 10.65 (1H, m) 10.33 (1H, s) 8.80-8.66 (2H, m) 7.82 (2H, d, J = 8.7 Hz) 7.75-7.69 (3H, m) 7.43 (1H, d, J= 7.8 Hz) 7.25 (1H, t, J= 7.8 Hz) 4.50 (2H, s) 4.42-4.38 (1H, m) 4.18-4.09 (1H, m) 3.74-3.25 (8H, m) 3.08-3.01 (4H, m) 2.87-2.70 (4H, m) 2.09 (3H, s) 2.08-1.97 (2H, m) 1.47-1.39 (2H, m)
5Lステンレス製ビーカーに、約4.5kgの精製水を加えた。ここに等張化剤として濃グリセリン130g、緩衝剤としてコハク酸3.5gを加え、撹拌し溶解させた。次にN−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド(以降、実施例1の化合物と称する)0.5gを加え、撹拌し溶解させた。さらに保存剤として臭化ベンゾドデシニウム0.3gを加えて緩やかに撹拌し、完全に溶解したことを目視確認した。ここに、別に調製した 4w/w%水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加えてpHを6.6に調整した。pH調製後、薬液の総重量が5.0kgになるように精製水を加えて、緩やかに撹拌した。この液を無菌ろ過した後、点眼容器に無菌的に充てんし、密封した。
実施例9の医薬組成物は、コハク酸の代わりに緩衝剤としてリン酸一ナトリウム3.00gを用いて、実施例8と同様にして調製した。
実施例10の医薬組成物は、濃グリセリンの代わりに等張化剤としてブドウ糖275gを用いて、実施例8と同様にして調製した。
実施例11の医薬組成物は、濃グリセリンの代わりに等張化剤としてマンニトール255gを用いて、実施例8と同様にして調製した。
実施例12の医薬組成物は、濃グリセリンの代わりに等張化剤として濃グリセリン68gとプロピレングリコール50gを用いて、実施例8と同様にして調製した。
実施例13の医薬組成物は、濃グリセリンの代わりに等張化剤として濃グリセリン105gとソルビトール43gを用いて、実施例8と同様にして調製した。
実施例14の医薬組成物は、濃グリセリンの代わりに等張化剤としてプロピレングリコール50gとマンニトール100gとソルビトール43gを用いて、実施例8と同様にして調製した。
実施例15の医薬組成物は、臭化ベンゾドデシニウムの代わりに防腐剤として塩化ベンザルコニウム0.5gを用いて、実施例8と同様にして調製した。
試験1:アデノシンA2a受容体発現細胞におけるc−AMP産生作用
本実験は、文献(Klotz k.N. et al., Naunyn- Schmiedeberg's Arch. Pharmacol., (1998) 357, 1-9; Shryock J.C. et al., Molecular Pharmacology, (1998) 53, 886-893)に記載された方法を参考に以下の通り行った。
細胞としてはアデノシンA2a受容体(ヒト)を発現させたHEK293細胞(PerkinElmer Life Sciences, Code No. RBHA2AC)を使用した。
培地としては10%FBS(Fetal bovine serum)及び1mM ピルビン酸ナトリウムを含むダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco's modified Eagles medium,DMEM)を使用した。
本細胞を96ウェルプレートに播き(1×105/ウェル)、一晩培養した。上清を除去した後、20mM HEPES、0.1mM IBMX(3-isobutyl-1-methylxanthine)及び2ユニット/mL アデノシンデアミナーゼを含むDMEM(FBSは除く)を0.1mL/ウェル添加し、37℃で30分間インキュベートした。培地中被検薬物濃度が所定濃度となるよう被検薬物のDMSO溶液を添加した培地を各ウェルに0.1mL/ウェル加え、さらに30分間インキュベートした。上清を除去した後、細胞溶解液を添加して反応を停止させた。各ウェルのc−AMP量をc−AMPエンザイムイムノアッセイ(enzyme immunoassay(EIA))システム(Amersham Biosciences, Code No.RPN225)を用いて測定した。
対照薬の培地中濃度が1μMの際のc−AMP量測定結果を100(%)として、各被検薬物を所定濃度で使用して求められたc−AMP測定値をそれぞれ換算し、該値が50(%)となる場合の各被験薬物の培地中濃度を求めて、これをEC50値とした。
被検薬物として前記各実施例で製造した以下の本発明化合物を使用して得られた上記試験の結果を、下記表に示す。
[方法]
細胞は、家兎角膜上皮細胞(クラボウ)を使用した。96ウェルプレートに播いた家兎角膜上皮細胞に実施例1の化合物を添加し、60分インキュベートした。次にソーラーシミュレーター(SOL500)を用いてUVA 3.5mW/cm2の光を70分照射した。その後、バッファーで細胞を洗浄し、24時間後にニュートラルレッド取り込み法により細胞生存率を評価した。
[結果]
結果を図1に示す。実施例1の化合物を添加(0.25、0.5および1mM)後のソーラーシミュレーター照射における細胞生存率は、それぞれ106.3%、115.0%および100.7%であり,細胞生存率の低下は全く観察されなかった。
以上のことから、光照射時において、本願化合物を高濃度で使用しても細胞毒性が全く見られないことから、太陽光をあびる屋外でも、高濃度での使用が可能であり、より安全に使用できる薬剤であることが明らかである。
眼の循環障害としては、緑内障、網膜色素変性症、黄斑変性症、虚血性視神経症、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、糖尿病性網膜症、虹彩毛様体炎等が挙げられる。特に緑内障は、視神経乳頭部における循環障害が原因の一つとして考えられている。
眼循環には主に2つの系が存在し、その1つは毛様動脈を介する循環であり、もう1つは網膜中心動脈を介する循環である。毛様動脈は脈絡膜、視神経乳頭部、虹彩、毛様体等の動脈に通じる。一方、網膜中心動脈は、視神経を通り網膜中心静脈に通じているが、その一部は視神経乳頭部で細動脈に分枝している。
毛様動脈に対して血管拡張作用を示す実施例1の化合物は、眼の血流を改善すると考えられている。したがって、実施例1の化合物は、緑内障、網膜色素変性症、黄斑変性症、虚血性視神経症、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、糖尿病性網膜症及び虹彩毛様体炎などに代表される網膜疾患の治療に用いる循環改善薬として有用であることが期待される。
家兎を過剰量のペントバルビタールナトリウム静脈内投与により安楽死させた後、眼球を摘出した。実体顕微鏡下で毛様動脈を採取した。長さ2mmに切った毛様動脈を微小血管張力測定装置(DANISH MULTI MYOGRAPH SYSTEM 610M, Danish Myo Technology)にセットした。酸素化したkrebs液を用い、37℃、95%O2・5%CO2条件下で静置した。
血管内皮損傷度を確認するため、100μM カルバコールによる血管拡張作用を観察した。カルバコールによる血管拡張が30%以上の血管を内皮が損傷を受けていないと判断し実験に用いた。
その後、高K+ Krebs液で収縮させた血管に対し、実施例1の化合物を0.3μMから300μMまで段階的に投与し、その張力をMyodaq(ver 2.01、Danish myo technology)で測定した。
結果を下表および図2に示す。実施例1の化合物は、家兎において濃度依存的な血管拡張作用を示し、そのEC50は17.0μMであった。従って、実施例1の化合物は毛様動脈に対して血管拡張作用を示すことが明らかとなった。
失明に至る眼疾患のひとつである緑内障は、網膜神経節細胞(RGC)が選択的に障害を受け、視神経障害を引き起こし視野障害へと進行する病気である。他に眼の神経障害が関わる病気としては、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症、虚血性視神経症がある。さらに黄斑変性症、網膜色素変性症、レーベル遺伝性視神経症も、網膜の神経細胞の障害に関与している視疾患である。
網膜神経節細胞に対して保護効果を示す実施例1の化合物は、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症、虚血性視神経症、黄斑変性症、網膜色素変性症、レーベル遺伝性視神経症などの視疾患の治療に用いる視神経保護剤として期待される。
本実験は文献(Otori Y et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 39:972-981, 1998)に記載された方法に従って行った。
生後7日齢のLong Evansラットから眼球を摘出した。網膜を眼球より単離した。網膜を15U/mLパパインを含むNeurobasal Mediumで37℃、30分間インキュベートした。網膜細胞分散溶液を調製した。
網膜細胞分散溶液を抗SIRP抗体(CHEMICON)でコーティングした培養フラスコ中、室温下で30分インキュベートした。上清を採取し、抗thy−1抗体(CHEMICON)でコーティングした培養フラスコに移し、室温下で30分インキュベートした。最後にフラスコ内の粘着細胞をNeurobasal Mediumで洗浄した。800rpmで5分間遠心分離した後、を調製した。得られた細胞を、ポリ−L−リジン/ラミニンでコーティングしたカバーガラスに播種した。精RGCは、培地はB−27 Supplement、1mM L−グルタミン、50ng/mL CNTF、10μMフォルスコリンを含むNeurobasal Medium中培養した。培養は5%CO2および95%空気を含む湿気の雰囲気下37℃で行った。BDNF 50ng/mL、または最終濃度が0nM (対照)、3nM、10nMおよび30nM実施例1の化合物を、細胞播種後直ちに投与した。
細胞生存率を染色されたRGCをカウントして算出した。培養開始5日後に、RGCを1μMカルセインAM(Molecular Probes)で染色した。RGCの数は蛍光顕微鏡を用いてカウントされた。細胞生存率は対照群を0%、BDNF添加群を100%を用いて算出した。
Claims (13)
- N−(4−(6−アミノ−5−シアノ−2−((6−(3−オキソ−3−(4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジン−1−イル)プロピル)ピリジン−2−イル)メチルチオ)ピリミジン−4−イル)フェニル)アセトアミド、
又はその塩からなる医薬組成物。 - 請求項1又は2に記載の化合物又はその塩と医薬上許容され得る担体とを含む医薬組成物。
- 眼疾患を治療あるいは予防するための請求項3に記載の医薬組成物。
- 緑内障を治療あるいは予防するための請求項4に記載の医薬組成物。
- アデノシンA2a受容体作動薬としての請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物を含む水性製剤。
- さらに製薬上許容される緩衝剤、等張化剤、防腐剤、溶解補助剤、pH調整剤から選択される1又はそれ以上の添加剤を含有する請求項7に記載の水性製剤。
- 緩衝剤が、コハク酸、ホウ酸、リン酸及びアミン酸、並びにその塩から選択される請求項8記載の水性製剤。
- 緩衝剤がコハク酸である請求項9記載の水性製剤。
- 等張化剤が、ブドウ糖、ソルビトール、マンニトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、プロピレングリコール及びグリセリンから選択される1又は2の等張化剤である請求項8〜10のいずれかに記載の水性製剤。
- 防腐剤が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化ベンゾドデシニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール及びベンジルアルコールから選択される請求項8〜11のいずれかに記載の水性製剤。
- pHが約5.0〜9.0の範囲である請求項7〜12のいずれかに記載の水性製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011167941A JP5823766B2 (ja) | 2010-07-30 | 2011-08-01 | 医薬組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010171262 | 2010-07-30 | ||
JP2010171262 | 2010-07-30 | ||
JP2011167941A JP5823766B2 (ja) | 2010-07-30 | 2011-08-01 | 医薬組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012046513A JP2012046513A (ja) | 2012-03-08 |
JP5823766B2 true JP5823766B2 (ja) | 2015-11-25 |
Family
ID=45901801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011167941A Expired - Fee Related JP5823766B2 (ja) | 2010-07-30 | 2011-08-01 | 医薬組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5823766B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4794200B2 (ja) * | 2004-04-30 | 2011-10-19 | 大塚製薬株式会社 | 4−アミノ−5−シアノピリミジン誘導体 |
JP5201817B2 (ja) * | 2005-10-28 | 2013-06-05 | 大塚製薬株式会社 | 医薬組成物 |
AR075196A1 (es) * | 2009-02-03 | 2011-03-16 | Otsuka Pharma Co Ltd | Un derivado de cianopirimidina para el tratamiento de una enfermedad ocular |
-
2011
- 2011-08-01 JP JP2011167941A patent/JP5823766B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012046513A (ja) | 2012-03-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10759769B2 (en) | Glucosylceramide synthase inhibitors for the treatment of diseases | |
RU2600928C2 (ru) | Цианохинолиновые производные | |
JP5145422B2 (ja) | 新規なシアノピリミジン誘導体 | |
SK5462003A3 (en) | Indolylmaleimide derivatives, method for the preparation thereof and pharmaceutical composition comprising same | |
AU2013209586B2 (en) | Substituted pyrimidine compounds and their use as SYK inhibitors | |
ES2863923T3 (es) | Formas cristalinas de la sal mesilato de derivado de piridinilaminopirimidina, métodos de preparación para las mismas, y aplicaciones de las mismas | |
WO2006077851A1 (ja) | キノロン誘導体又はその塩 | |
JP6742343B2 (ja) | 2環性複素環化合物 | |
ES2594252T3 (es) | Compuesto de quinolona y composición farmacéutica | |
EP3679029A1 (en) | Imidazolidine compounds | |
AU2010271746B2 (en) | 2-[[[2-[(hydroxyacetyl)amino]-4-pyridinyl]methyl]thio]-N-[4-(trifluoromethoxy) phenyl]-3-pyridinecarboxamide benzene- sulfonate, crystals of same, polymorphs thereof, and processes for production thereof | |
JP2006510587A (ja) | 1、4−置換シクロヘキサン誘導体 | |
US20200140421A1 (en) | Salt Forms Of 4-Cyano-N-(4,4-Dimethylcyclohex-1-EN-1-YL)-6-(2,2,6,6-Tetramethyltetrahydro-2H-Pyran-4-YL)Pyridin-3-YL)-1H-Imidazole-2-Carboximide | |
JP5823766B2 (ja) | 医薬組成物 | |
JP2006522034A (ja) | クロメノンインドール | |
WO2019001307A1 (zh) | 一种酰胺类化合物及包含该化合物的组合物及其用途 | |
US7834032B2 (en) | Piperidine derivatives |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140625 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150526 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150714 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150929 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151008 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5823766 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |