JP5823199B2 - 止水部材、止水体の設置方法、および止水体 - Google Patents

止水部材、止水体の設置方法、および止水体 Download PDF

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Description

本発明は、ケーソンの底コンクリートの施工に先立って捨コンクリートを打設するにあたり、該捨コンクリートの打設前に泥水中においてケーソンの刃口の内側面へ取り付けられ、前記捨コンクリートと前記ケーソンの刃口の内側面からの地下水の浸入を防止する止水体を形成する止水部材、および該止水部材を用いた止水体の設置方法、並びに止水体に関するものである。
例えば、オープンケーソン工法や圧入ケーソン工法等では、先端に内刃状をしたケーソン刃口が形成されたケーソン躯体を地中に沈降させ、ケーソン内部の地盤をクラムシェルバケット等のバケット状の油圧クラブなどを使用して水中を掘削して外部に排出し、更にケーソン躯体の上方に後続の躯体を設置して所定深さのケーソン立坑を構築する。
そして、前記ケーソン立坑を所定の深さまで沈設した後、該ケーソン立坑内部の水をドライアップし、最下部にあるケーソン躯体の前記ケーソン刃口部に、底コンクリートを打設する。
ここで、前記底コンクリートを打設する場合、安定した作業床の確保や墨出しの必要性等の観点から、底コンクリートの施工に先立って捨コンクリートを打設することが行われている。
前記捨コンクリートは前記ケーソンの刃口の内側面に設けられるが、沈設過程を経た前記ケーソン刃口には、通常、土砂等の泥状物が付着しており、そのまま捨コンクリートを打設すると、ケーソンの刃口の内側面と捨コンクリートとの間に流入する地下水の止水が充分にできない。このため、従来は前記ケーソン刃口の付着物を潜水士がウォータージェットを噴射したり、直接ブラシによって掻き落とすなどして清掃を行っていたが、これらの洗浄だけでは地下水の浸入は防止できなかった。
この問題を解決するため、本発明者らは、前記ケーソン刃口の内側面に取り付けることによって、捨コンクリートとケーソン刃口の内側面との間からの地下水の浸入を防止する止水部材を開発している(特許文献1)。
特許文献1に記載の止水部材は、水膨張性を有する薄い短冊状の板状体によって形成されており、ケーソン刃口の内側面に取り付けられる面の一部に鋼製部材への磁着が可能となる磁石等の磁着部材が設けられている。図12(A)および図12(B)は、特許文献1に記載の止水部材を用いて形成した止水体30の一例を示す斜視図である。図12(A)は、ケーソン刃口の内側面に取り付けられた状態の止水体30を示す斜視図であり、図12(B)は、止水体30をケーソン刃口の内側面に取り付けられる面側から見た斜視図である。
前記磁着部材32は、ケーソン刃口の内側面に取り付けられる面にのみ露出するように設けられている[図12(B)]。また、前記磁着部材32は、前記水膨張性を有する板状体の長辺方向の全長にわたって、且つ、該板状体の短辺方向に対してはその一部に設けられている。
このような止水部材31をケーソン刃口の内側面に、その内周方向に沿って連続的に、且つ、二段に配置して止水体30が形成される。その際、上段の止水部材の縦目地33と下段の止水部材の縦目地34とは縦に重ならない位置に配置される。ケーソン刃口の内側面と止水部材31は、前記磁着部材32によって磁着される。
前記二段に配置された止水部材31のうち、下段の止水部材31によって下方からの地下水の浸入が防止される。そして、上段の止水部材31の縦目地33は、下段の止水部材の縦目地34とは重ならない位置にされている「千鳥重ね継ぎ」となっているので、下段の止水部材の縦目地34部分の隙間からの地下水の漏れ込みを抑えることができる。
特開2003−13457号公報
この止水部材31によって形成する止水体30の設置は潜水士が地下水中に潜って行うが、潜水士が潜ると着用したフィンによって泥が巻き上げられて水が濁るため、潜水士はほとんど手探りでその作業を行うこととなる。
そのような視界の悪い泥水中で潜水士が正確に止水部材31の取り付けを行うことは困難であり、例えば、図13に示すように、2段に重ねられた止水部材の縦目地が並ぶ「芋継ぎ」の状態に取り付けてしまう場合がある。
2段に重ねられた止水部材が「芋継ぎ」の状態になると、その縦目地の隙間から漏水が起こり易く、地下水の浸入を防止が充分に抑えられない虞がある。
また、「芋継ぎ」の状態ではなくとも、図14に示すように縦目地のラップ長Lの長さが少ない場合にも、地下水の浸入を防止が充分に抑えられない虞がある。
更に、図15および図16に示すように、いずれか一方[図15]または両方[図16]の磁性ゴム板を、上下逆に取り付けてしまう場合があった。このように、上下の磁性ゴム板同士が接していない状態では、上側の磁性ゴム板と下側の磁性ゴム板とを引きつける磁力が働かないので、横目地に隙間が開き易くなり、漏水、すなわち地下水の浸入の虞が増す。
本発明は、上記問題に鑑み、ケーソンの底コンクリートの施工に先立って捨コンクリートを打設する際に、泥水中において、捨コンクリートとケーソンの刃口の内側面との間への止水部材の確実な設置が容易であり、地下水の浸入防止の信頼性の高い施工を行うことができる止水部材、およびそれを用いた止水体の設置方法、並びに止水体を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る止水部材は、環形状のケーソンの底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリートと、鋼製のケーソン刃口の内側面と、の間に介設され、所定の幅の連続的な帯状体が前記鋼製のケーソン刃口の内側面に磁着されて、前記ケーソン刃口の内周方向に沿って環形状に配設される止水体を、複数の止水部材を組み合わせて形成するための止水部材であって、前記止水部材は、前記所定の幅を有する本体部分と、該本体部分の幅方向に交差する方向の両側に延設され、当該本体部分よりも幅狭の条部分と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明における環形状のケーソンの「環形状」とは、円状、楕円状等の隅角部を有しない形状を表すものである。
通常、前記ケーソン躯体の先端のケーソン刃口には鋼製の刃口金物が取り付けられている。本態様の止水部材を用いて形成する止水体は、磁着部材によって、鋼製のケーソン刃口の内側面に対して磁着可能に構成されている。
本態様の止水部材を少なくとも一部に用いて止水体を形成することによって、止水部材と止水部材の間の縦目地が上下に重なる「芋継ぎ」の状態になることを防止し、確実に前記「千鳥重ね継ぎ」の状態とすることができる。したがって、前記縦目地の隙間からの漏水の虞を低減することができる。
このことによって、泥水中における捨コンクリートとケーソンの刃口の内側面との間への止水部材の確実な設置を容易に行うことができ、地下水の浸入防止の信頼性の高いケーソンを構築することができる。
本発明の第2の態様に係る止水部材は、第1の態様において、前記鋼製のケーソン刃口の内側面に対して磁着可能な磁着部材が、前記本体部分における幅方向の中央部に全長に亘って設けられていることを特徴とするものである。
本態様によれば、第1の態様の作用効果に加え、止水部材を鋼製のケーソン刃口の内側面に対して磁着する磁着部材が、前記本体部分における幅方向の中央部に全長に亘って設けられているので、図16のように、設置した止水体の幅方向の端部に磁着部材が配設される構成にはならない。
したがって、ケーソン刃口の下方から侵入しようとする地下水に対して、確実に止水部材の止水効果を作用させることができる。以って、前記捨コンクリートと前記ケーソン刃口の内側面との間からの水の漏れ込みを効果的に防止することができる。
本発明の第3の態様に係る止水部材は、第2の態様において、前記磁着部材が、他の止水部材の条部分と接合する位置に設けられていることを特徴とするものである。
本態様によれば、第2の態様の作用効果に加え、一つの止水部材の条部分に設けられた磁着部材と、その条部分と接合する他の止水部材の条部分に設けられた磁着部材とが磁着する。すなわち、隣り合う止水部材の条部分の縦目地および横目地同士が磁着される。以って、より止水性の高い止水体を形成することができる。
本発明の第4の態様に係る止水部材は、第1の態様から第3の態様のいずれか一つにおいて、前記本体部分の幅方向に交差する方向の両側に延設される2つの条部分の幅寸法は同じであり、前記本体部分の幅の二分の一であり、且つ、前記本体部分の中心に対して点対称に配置されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、止水部材の上下の区別をすることなく用いることが可能であるので、泥水中において止水部材を配置することが容易となる。
また、同じ形状の当該止水部材同士を組み合わせて、前記帯状体を形成することができる。以って、止水部材の経済的および合理的設計を実現することができる。
本発明の第5の態様に係る止水部材は、第1の態様から第4の態様のいずれか一つにおいて、前記磁着部材を除いて、水膨張性を有する材料で構成されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、ケーソン刃口の内側面への取り付け容易にして、且つ、より確実なケーソン刃口の内側面への密着性を得ることができる。
本発明の第6の態様に係る止水体の設置方法は、環形状のケーソンの底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリートと、鋼製のケーソン刃口の内側面と、の間に介設され、所定の幅の連続的な帯状体が前記鋼製のケーソン刃口の内側面に磁着されて、前記ケーソン刃口の内周方向に沿って環形状に配設される止水体の設置方法であって、第4の態様または第5の態様の止水部材を複数組み合わせて前記所定の幅の連続的な帯状体を形成することを特徴とするものである。
本態様によれば、第4の態様または第5の態様と同様の作用効果を奏し、泥水中における止水部材の確実な設置が容易となり、以って、地下水の浸入防止の信頼性を高めることができる。
本発明の第7の態様に係る止水体の設置方法は、環形状のケーソンの底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリートと、鋼製のケーソン刃口の内側面と、の間に介設され、所定の幅の連続的な帯状体が前記鋼製のケーソン刃口の内側面に磁着されて、前記ケーソン刃口の内周方向に沿って環形状に配設される止水体の設置方法であって、少なくとも始めに、第1の態様から第5の態様のいずれか一つの止水部材を前記ケーソン刃口の内側面に磁着させて、後続の止水部材を配設し、前記所定の幅の連続的な帯状体を形成することを特徴とするものである。
本態様によれば、少なくとも始めに、第1の態様から第5の態様のいずれか一つの止水部材を前記ケーソン刃口の内側面に磁着させるので、例えば、後続の止水部材として、上段および下段に重ねて配置する短冊状の止水部材(図12を参照)を用いる場合でも、上段および下段の止水部材の縦目地が芋継ぎの状態になることを防止することができる。
本発明の第8の態様に係る止水体は、環形状のケーソンの底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリートと、鋼製のケーソン刃口の内側面と、の間に介設され、所定の幅の連続的な帯状体が前記鋼製のケーソン刃口の内側面に磁着されて、前記ケーソン刃口の内周方向に沿って環形状に配設される止水体であって、第1の態様から第5の態様のいずれか一つの止水部材を少なくとも1つ用いて形成したものである。
本発明に係る止水部材が用いられるケーソンの斜視断面図である。 実施例1に係る止水部材の一例を示す斜視図であり、図2(A)は止水部材の表側面の斜視図、図2(B)は前記止水部材の裏側面の斜視図である。 図2の止水部材を用いて形成した止水体の一例を示す平面図であり、図3(A)は止水体の表側面の平面図、図3(B)は前記止水体の裏側面の平面図である。 図1のケーソンのケーソン刃口の斜視図である。 図2の止水部材を用いて形成した止水体の設置方法を説明する図である。 実施例2に係る止水体の一例を示す斜視図である。 実施例3に係る止水部材を用いて形成した止水体を示す平面図である。 本発明に係る止水部材の製造方法を説明する図である。 本発明に係る止水部材の製造方法を説明する図である。 本発明に係る止水部材の製造方法を説明する図である。 本発明に係る止水部材の製造方法を説明する図である。 従来の止水部材によって形成された止水体の一例を示す斜視図であり、図12(A)は、ケーソン刃口の内側面に取り付けられた状態の止水体を示す斜視図であり、図12(B)は、止水体をケーソン刃口の内側面に取り付けられる面側から見た斜視図である。 従来の止水部材によって形成された止水体の斜視図であって、止水部材の縦目地が芋継ぎである状態を説明する図である。 従来の止水部材によって形成された止水体の斜視図であって、止水部材の縦目地のラップ長Lの長さが少ない状態を説明する図である。 従来の止水部材によって形成された止水体の斜視図であって、上下二段の止水部材うち、一方(上段)の止水部材を逆に取り付けた例である。 従来の止水部材によって形成された止水体の斜視図であって、上下二段の止水部材うち、両方(上下段)の止水部材を逆に取り付けた例である。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
[実施例1]
図1は、本発明に係る止水部材が用いられるケーソンの斜視断面図である。
本実施例に係る止水部材1は、図1に示されるような、先端に内刃状をしたケーソン刃口2が形成されたケーソン躯体3を地中に沈降させて形成した環形状のケーソン6の、底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリート4と、前記ケーソン刃口2の内側面5と、の間に介設される止水体10を形成するものである。
通常、前記ケーソン刃口2には鋼製の刃口金物7が取り付けられている。前記止水部材1は、磁着部材(後述する図4における符号15)によって、鋼製のケーソン刃口2の内側面5に対して磁着可能に構成されている。前記磁着部材としては、例えば薄板状のゴム磁石等を用いることができる。
また、前記止水部材1は、前記ケーソン刃口2の内側面5または捨コンクリート4に対して密着することによって水の漏れ込みを防止する止水性材料によって形成されている。前記止水性材料としては、水膨張性を有する材料を用いることが好ましく、例えば、高吸水性樹脂およびウレタン樹脂、天然ゴム、無機系フィーラー等を主基材として形成されたシール材等を用いることが好ましい。
図2は、本実施例に係る止水部材1の一例を示す斜視図であり、図2(A)は止水部材1の表側面(捨コンクリートに密着される側)の斜視図であり、図2(B)は前記止水部材1の裏側面(ケーソン刃口2に密着される側)の斜視図である。
図3は、図2の止水部材を用いて形成した止水体の一例を示す平面図であり、図3(A)は止水体の表側面の平面図であり、図3(B)は前記止水体の裏側面の平面図である。
図2(A)に示すように、前記止水部材1は、前記所定の幅を有する本体部分11と、該本体部分11から前記内周方向(図4における符号16)の両側に設けられ、当該本体部分11よりも幅狭の条部分12と、を備え、前記条部分12は、同じ形状を有する他の止水部材1の条部分12と組み合わせることによって、前記所定の幅13の帯状体14を形成可能に構成されている。
そして、図3(A)に示すように、複数の止水部材1a、1b、1cを組み合わせて、止水体10を成す所定の幅13の連続的な帯状体14を形成する。図3(A)では、止水部材1aと止水部材1bのそれぞれの条部分12aと条部分12bが組み合わされて、前記所定の幅13を形成している。また、止水部材1bと止水部材1cのそれぞれの条部分12bと条部分12cが組み合わされて、前記所定の幅13を形成している。
本実施例の止水部材1は、前記本体部分11の幅方向に交差する方向の両側に延設される2つの条部分12の幅寸法は同じであり、前記本体部分の幅の二分の一であり、且つ、前記本体部分11の中心に対して点対称に配置されている。このことによって、止水部材1の上下の区別をすることなく用いることが可能となるので、泥水中において止水部材1を配置することが容易となる。
また、図2(B)、および図3(B)に示すように、止水部材1は、該止水部材1を組み合わせて前記帯状体14を形成して前記ケーソン刃口2に密着される面に、該ケーソン刃口2(鋼製の刃口金物7)の内側面5に対して磁着可能な磁着部材15が、該ケーソン刃口2の内側面5に対する前記止水性部材16の密着を妨げないように面一に設けられている。
更に、前記磁着部材15は、前記止水部材1の前記本体部分11における幅方向の中央部に全長に亘って設けられており、該止水部材1を他の止水部材1と組み合わせたときに、2つの止水部材1のそれぞれの条部分12が接合するように(例えば、条部分12aと条部分12b、または12bと条部分12cが接合するように)設けられている。
前記磁着部材15が、前記条部分12が接合する位置に設けられていることによって、2つの止水部材1のそれぞれの条部分12に設けられた磁着部材15同士が磁着する。すなわち、隣り合う止水部材1の条部分の縦目地および横目地同士が磁着される。以って、より止水性の高い止水体を設置することができる。
図4に示すように、前記止水部材1は鋼製のケーソン刃口2の内側面5に磁着されて、該ケーソン刃口2の内周方向16に沿って順番に配置される。そして、図5(A)に示すように、始点の止水部材1aと終点側の止水部材1nを止水部材1xによって繋げることによって環形状の止水体10が形成される。
ここで、同じ形状の止水部材1を順番に配置して、始点の止水部材1aと終点側の止水部材1nを繋げることによって環形状とするとき、止水部材1aと止水部材1nの接続部分の隙間に前記同じ形状の止水部材1が入らない場合がある。その場合には、前記接続部分の隙間に適した形の止水部材を用意する。例えば、図5(B)に示すように、止水部材1の条部分と同じ幅の短冊状の止水部材17を組み合わせて、前記最後の接続部分の隙間に合わせて嵌め込むことができる。
本実施例によれば、組み合わせた止水部材1(例えば、止水部材1aと止水部材1b)の間の縦目地が前述した「芋継ぎ」の状態になることがなく、縦目地が重ならない前記「千鳥重ね継ぎ」で止水部材を組み合わせることができる。したがって、前記縦目地の隙間からの漏水の虞を低減することができる。
加えて、前記磁着部材15が、止水部材1の本体部分11における幅方向の中央部に全長に亘って設けられているので、図16のように、設置した止水体の幅方向の端部に磁着部材が配設される構成にはならない。したがって、ケーソン刃口2の下方から侵入しようとする地下水に対して、確実に止水部材の止水効果を作用させることができる。以って、前記捨コンクリート4と前記ケーソン刃口2の内側面5との間からの水の漏れ込みを効果的に防止することができる。
これらのことによって、泥水中における捨コンクリート4とケーソンの刃口2の内側面5との間への止水部材1(止水体10)の確実な設置を容易に行うことができ、地下水の浸入防止の信頼性の高いケーソンを構築することができる。
[実施例2]
次に、本発明に係る止水部材1を用いて行う止水体の設置方法の他の例について説明する。図6は、実施例2に係る止水体の一例を示す斜視図である。
本実施例の止水体20は、少なくとも始めに、本発明に係る止水部材21をケーソン刃口2の内側面5に設置した後に、後続の止水部材22a、22b、22c、22d、…22nを配設し、始点の前記止水部材21と後続の止水部材22の終点側(止水部材22n)を繋げることによって環形状とする。すなわち、止水体の設置開始部材23として、本発明に係る止水部材21を用いる。
本実施例においては、後続の止水部材22a、22b、22c、22d、…22nとして、従来のような短冊状の止水部材が用いられている。
尚、本発明に係る止水部材21と同形状のものを後続の止水部材として用いてもよいし、止水部材21と同形状の止水部材と従来のような短冊状の止水部材の両方を後続の止水部材として用いてもよい。
本実施例によれば、止水体の設置開始部材23として、本発明に係る止水部材1を前記ケーソン刃口の内側面に磁着させるので、後続の止水部材として、上段および下段に重ねて配置する短冊状の止水部材を用いる場合でも、上段および下段の止水部材の縦目地が芋継ぎの状態になることを防止することができる。
[実施例3]
本発明に係る止水部材の他の例について説明する。図7は、実施例3に係る止水部材を用いて形成した止水体を示す平面図である。
本実施例3の止水部材61は、前記本体部分62の幅方向に交差する方向の両側に延設される2つの条部分63の幅寸法は同じであり、前記本体部分62の幅の二分の一であり、且つ、前記本体部分62の幅64方向に延びる中心線に対して線対称に配置されている。
本実施例に係る止水部材61も、同じ形状を有する他の止水部材61の条部分63と組み合わせることによって、前記所定の幅64の止水体60を形成可能に構成されている。すなわち、止水部材61aと止水部材61bのそれぞれの条部分63aと条部分63bが組み合わされて、前記所定の幅64を形成している。
本実施例によれば、組み合わせた止水部材61(例えば、止水部材61aと止水部材1b)の間の縦目地が前述した「芋継ぎ」の状態になることがない。したがって、前記縦目地の隙間からの漏水の虞を低減することができる。
[止水部材の製造方法]
本発明に係る止水部材の製造方法について図8〜図11を用いて説明する。
本発明に係る止水部材40は、前記ケーソン刃口の内側面および捨コンクリートに対して密着することによって水の漏れ込みを防止する止水性材料によって形成されている。前記止水性材料としては、高吸水性樹脂およびウレタン樹脂、天然ゴム、無機系フィーラー等を主基材として形成された水膨張性を有するシール材が挙げられ、例えば、高吸水性樹脂としてのアクリル酸塩:10〜20%、ウレタン樹脂:20〜40%、天然ゴム:30〜40%、無機系フィーラー:10〜20%を主基材とする水膨張性シール材が挙げられる。
前記水膨張性シール材(止水性材料42)を押出し成形、金型成形、加熱圧着等の公知の方法により加工成形し、図8に示すような止水部材の原型41を作成する。原型41には凹部43が設けられている。
前記凹部43には薄板状の磁着部材44が取り付けられて止水部材40が形成される(図9を参照)。前記磁着部材44は、ケーソン刃口の内側面に対する止水性材料42の密着を妨げないよう、該止水性材料42と面一になるように取り付けられる。原型41への磁着部材44の取り付けは、ゴム系ボンド等により接着して行われる。
前記磁着部材44としてはゴム磁石等を用いることができ、例えば、異方性フェライトゴム磁石の薄板とNd−Fe−Bゴム磁石の薄板を重ね合わせた2層構造を有するゴム磁石を用いることができる。異方性フェライトゴム磁石の薄板とNd−Fe−Bゴム磁石の薄板の層厚の割合は、25:75〜50:50であることが望ましい。
尚、磁着部材44は前記凹部と同じ形に成形されている必要はなく、例えば、2つの薄板状の磁着部材45aと磁着部材45bを凹部に嵌め込んでもよい。
止水部材40の大きさは、止水体が設置されるケーソンの大きさに応じて設計されるが、潜水士が水中において取り扱い易い寸法に設計されることが望ましい。例えば、本体部分の幅40mm×長さ1200mm×厚み10mm程度であることが望ましい。このような寸法の止水部材40の場合、磁着部材45aおよび磁着部材45bとして、幅20mm×長さ1200mm×厚み2mm程度の薄板を用いることができる。
また、図10のような短冊状の止水部材46を作成し、図11に示すように、二つの止水部材46をゴム系ボンドによって接着することによって、本発明に係る止水部材50を形成することもできる。図10において、符号47は止水性材料であり、符号48は磁着部材である。この方法によれば、短冊状の止水部材46を用意しておけば、施工現場において止水部材50を形成可能であるので、例えば、実施例1において説明したように、設置開始点の止水部材と終点側の止水部材を接続する際に、その最後の接続部分に適した長さの条部分51を有する止水部材50を施工現場において準備することができる。
1 止水部材、 1 ケーソン刃口、 3 ケーソン躯体、
4 捨コンクリート、 5 内側面、 6 ケーソン、 7 刃口金物、
10 止水体、 11 本体部分、 12 条部分、
13 所定の幅、 14 帯状体、 15 磁着部材、
16 止水性部材、 17 止水部材、
21 止水部材、
22a、22b、22c、22d、…22n 後続の止水部材、
23 止水体の設置開始部材、
31 止水部材、 32 磁着部材、 33 縦目地、 34 縦目地、
40 止水部材、 41 止水部材の原型、 42 止水性材料、
43 凹部、 44 磁着部材、 45a、45b 磁着部材、
46 止水部材、 47 止水性材料、 48 磁着部材、
50 止水部材、 51 条部分
60 止水体、 61 止水部材、 62 本体部分、
63 条部分、 64 幅

Claims (9)

  1. 環形状のケーソンの底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリートと、鋼製のケーソン刃口の内側面と、の間に介設され、所定の幅の連続的な帯状体が前記鋼製のケーソン刃口の内側面に磁着されて、前記ケーソン刃口の内周方向に沿って環形状に配設される止水体を、複数の止水部材を隙間なく組み合わせて形成するための止水部材であって、
    前記止水部材は、前記所定の幅を有する本体部分と、該本体部分の幅方向に交差する方向の両側に延設され、当該本体部分よりも幅狭の条部分と、を備えていることを特徴とする、止水部材。
  2. 請求項1に記載された止水部材において、前記鋼製のケーソン刃口の内側面に対して磁着可能な磁着部材が、前記本体部分における幅方向の中央部に前記止水部材の全長に亘って設けられていることを特徴とする、止水部材。
  3. 請求項2に記載された止水部材において、前記磁着部材が、他の止水部材の条部分と接合する位置に設けられていることを特徴とする、止水部材。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載された止水部材において、前記本体部分の幅方向に交差する方向の両側に延設される2つの条部分の幅寸法は同じであり、前記本体部分の幅の二分の一であり、且つ、前記本体部分の中心に対して点対称に配置されていることを特徴とする、止水部材。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載された止水部材は、前記磁着部材を除いて、水膨張性を有する材料で構成されていることを特徴とする、止水部材。
  6. 環形状のケーソンの底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリートと、鋼製のケーソン刃口の内側面と、の間に介設され、所定の幅の連続的な帯状体が前記鋼製のケーソン刃口の内側面に磁着されて、前記ケーソン刃口の内周方向に沿って環形状に配設される止水体の設置方法であって、
    請求項4または5に記載の止水部材を複数組み合わせて前記所定の幅の連続的な帯状体を形成することを特徴とする、止水体の設置方法。
  7. 環形状のケーソンの底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリートと、鋼製のケーソン刃口の内側面と、の間に介設され、所定の幅の連続的な帯状体が前記鋼製のケーソン刃口の内側面に磁着されて、前記ケーソン刃口の内周方向に沿って環形状に配設される止水体の設置方法であって、
    少なくとも始めに、請求項1〜5のいずれか一項に記載の止水部材を前記ケーソン刃口の内側面に磁着させて、後続の止水部材を配設し、前記所定の幅の連続的な帯状体を形成することを特徴とする、止水体の設置方法。
  8. 環形状のケーソンの底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリートと、鋼製のケーソン刃口の内側面と、の間に介設され、所定の幅の連続的な帯状体が前記鋼製のケーソン刃口の内側面に磁着されて、前記ケーソン刃口の内周方向に沿って環形状に配設される止水体であって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の止水部材により形成された、止水体。
  9. 環形状のケーソンの底コンクリートの施工に先立って打設される捨コンクリートと、鋼製のケーソン刃口の内側面と、の間に介設され、所定の幅の連続的な帯状体が前記鋼製のケーソン刃口の内側面に磁着されて、前記ケーソン刃口の内周方向に沿って環形状に配設される止水体であって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載された止水部材と、他の種類の止水部材とを組み合わせて形成され、前記他の種類の止水部材同士は、縦目地が重ならないように組み合わせて止水可能に形成されていることを特徴とする止水体。
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