JP5823016B1 - 通信ブイ、水中観測装置及び水中観測装置の使用方法 - Google Patents

通信ブイ、水中観測装置及び水中観測装置の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】横方向の揺れや移動を抑制し、安定した状態で、水中を浮上したり、水面に浮かぶことが可能であり、かつ、水中移動時に流体抵抗の低減を図ることができる通信ブイ、水中観測装置及び水中観測装置の使用方法を提供することを目的とする。【解決手段】通信ブイは、耐圧殻29と、耐圧殻29を格納し、一軸方向に延在した形状を有し、耐圧殻29が内部を一軸方向に移動可能であり、内部に対し水が出入する格納容器45とを備え、水中を浮力方向側に向かって移動しているとき、又は、水面に浮いているとき、耐圧殻29は、格納容器45内部における浮力方向側に位置し、水中を重力方向側に向かって移動しているとき、耐圧殻29は、格納容器45内部における重力方向側に位置する。【選択図】図8

Description

本発明は、地震動や海水温等を取得する水中観測装置に用いられ、水中を浮上したり水面に浮かぶ通信ブイに関し、また、通信ブイとケーブルを介して接続される装置本体部を備える水中観測装置及び水中観測装置の使用方法に関するものである。
海底等の水中に設置され、海面下の種々の情報、例えば、地震動や海水温等を取得する水中観測装置は、アンテナを備えた通信ブイが海面に浮上することで、取得した情報を外部に送信したり、新たな情報を外部から受信したりする。送信先又は受信元は、通信衛星、航空機又は船舶等である。水中観測装置には、通信時以外では、通信ブイが本体部に収容されており、通信時のみ、通信ブイが水中にある本体部から浮上され、通信が終了すると本体部へ回収されるものがある。
下記の特許文献1では、水中観測機器に関し、通信ブイと観測装置本体を結ぶ高張力ケーブルを繰り出す際、高張力ケーブルにテンションが加わらないようにリールを回転させる発明が開示されている。また、下記の特許文献2では、ブイに関する発明であって、ブイが水上に浮いた状態では錘部が最下位置で保持され、保管時又は運搬時には錘部がブイ胴体部に向かって上向きに移動されるものが開示されている。これにより、ブイは、水上で浮いた状態では波や風等から力を受けてもアンテナの揺れが比較的小さく、運搬時には運搬しやすく、保管時には保管しやすい。
特開2013−169864号公報(段落[0008]〜[0010]) 特開2011−195139号公報(段落[0006]〜[0008])
アンテナを備えた密閉容器を有するブイは、特許文献2のような錘部を備えない場合、浮力中心と重心の位置が近い。そのため、ブイに接続されたケーブルにテンションが加えられずに自由な状態で、ブイが水中にある本体部から浮上するとき、ブイは横方向に振れしてしまい鉛直方向上方に位置ずれが少なく浮上できないことから、水面まで浮上するのに長時間を要する。また、ブイの浮上経路が最短とならないため、浮上位置を予測しにくい。また、ブイが水面に浮いているとき、通信ブイの上方に位置するアンテナやブイの上部が水面上に出る。そのため、浮力中心と重心の位置がさらに近くなり、ブイが横方向に揺れたり移動しやすくなる。その結果、波浪が高いときなどでは、アンテナが倒れたり水没しやすくなり、通信の安定性に支障が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、横方向の揺れや移動を抑制し、安定した状態で、水中を浮上したり、水面に浮かぶことが可能であり、かつ、水中移動時に流体抵抗の低減を図ることができる通信ブイ、水中観測装置及び水中観測装置の使用方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の通信ブイ、水中観測装置及び水中観測装置の使用方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る密閉容器と、前記密閉容器を格納し、一軸方向に延在した形状を有し、前記密閉容器が、内部を前記一軸方向に移動可能であり、内部に対し水が出入する貫通孔を有する格納容器とを備え、水中を浮力方向側に向かって移動しているとき、又は、水面に浮いているとき、前記貫通孔を介して前記格納容器内に水が浸入して、前記密閉容器の浮力が前記格納容器の浮力よりも大きいことによって、前記密閉容器は、前記格納容器内部における浮力方向側に位置し、水中を重力方向側に向かって移動しているとき、重力方向側の端部においてケーブルと接続された前記密閉容器は、前記ケーブルにテンションが作用することによって、前記格納容器内部における重力方向側に位置する。
この構成によれば、水中を浮力方向側に移動している間、格納容器に格納された密閉容器は、格納容器内部の浮力方向側に位置するから、密閉容器の重力方向に格納容器が延在した状態となる。よって、水中を浮力方向側に移動している間、密閉容器と格納容器を組合わせた通信ブイの重心は、密閉容器のみの通信ブイに比べ、浮力方向側に移行した位置となる。他方、浮力は、密閉容器と格納容器を組合わせた場合と、密閉容器のみの場合とを比較すると、格納容器に水が浸入し格納容器の体積分が浮力にほとんど寄与しないことから、ほとんど変わらない。したがって、水中を浮力方向側に移動している間、密閉容器と格納容器を組合わせた通信ブイは、密閉容器のみの通信ブイに比べ、重心と浮力中心が離れるため、横方向の揺れや移動を抑制し、安定して浮上する。
また、水面に浮いている間も、同様に、密閉容器と格納容器を組合わせた通信ブイは、密閉容器のみの通信ブイに比べ、重心と浮力中心が離れるため、横方向の揺れや移動を抑制し、安定して浮いた状態となる。
さらに、格納容器は、一軸方向に延在した形状を有することから、水中を上方向又は下方向に移動している間、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
上記発明において、密閉容器よりも浮力方向側に設けられ、一軸方向に延在した形状を有する浮体を更に備え、水中を浮力方向側に向かって移動しているとき、又は、水面に浮いているとき、浮体は、格納容器の浮力方向側の端部から外部に突出し、水中を重力方向側に向かって移動しているとき、浮体は、格納容器に格納されてもよい。
この構成によれば、水中を浮力方向側に移動している間、格納容器と浮体によって一軸方向に延在した形状を有し、水中を重力方向側に移動している間、格納容器のみによって一軸方向に延在した形状を有することから、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
水面に浮いている間、浮体が密閉容器の上方に設けられていることから、密閉容器が一時的に水没する状態では、密閉容器のみの場合に比べ、浮体によって浮力が増加する。
上記発明において、密閉容器の浮力方向側の端部に突出して設けられたアンテナ部と、密閉容器の重力方向側の端部に接続され、装置本体部と接続されているケーブルとを備え、格納容器は、浮力方向側の端部に貫通して設けられ、アンテナ部が挿通可能である第1貫通孔と、重力方向側の端部に貫通して設けられ、ケーブルが挿通されている第2貫通孔とを有してもよい。
この構成によれば、水中を浮力方向側に移動している間、又は、水面に浮いている間において、格納容器に格納された密閉容器が、格納容器内部の浮力方向側に位置するとき、アンテナ部は、第1貫通孔を通過して、格納容器の外部に突出した状態となる。一方、水中を重力方向側に移動している間において、格納容器に格納された密閉容器が、格納容器内部の重力方向側に位置するとき、アンテナ部の少なくとも一部は、第1貫通孔を通過して、格納容器内部に格納されている。また、ケーブルは、第2貫通孔に挿通されていることから、格納容器内部の密閉容器の位置に関わらず、密閉容器と装置本体部が常時接続したままとすることができる。
本発明に係る通信ブイは、密閉容器と、一軸方向に延在した形状を有し、前記密閉容器よりも浮力方向側に設けられ、内部に対し水が出入する貫通孔を有する浮体とを備え、水中を浮力方向側又は重力方向側に向かって移動しているとき、前記貫通孔を介して前記浮体内部に水が浸入し、水面に浮いているとき、前記貫通孔を介して前記浮体内部から前記水が排出される。
この構成によれば、水中を浮力方向側又は重力方向側に移動している間、密閉容器よりも浮力方向側に設けられた浮体内部には水が浸入していることから、浮体は、浮力にほとんど寄与しないが、一軸方向に延在した形状を有することから、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
水面に浮いている間、浮体内部から水が排出されることから、密閉容器が一時的に水没する状態では、密閉容器のみの場合に比べ、浮体によって浮力が増加する。
本発明に係る水中観測装置は、上述した通信ブイと、通信ブイとケーブルによって接続され、水中における情報を取得する装置本体部とを備える。
本発明に係る水中観測装置の使用方法は、密閉容器と、密閉容器を格納し、一軸方向に延在した形状を有し、密閉容器が内部を一軸方向に移動可能であり、内部に対し水が出入する格納容器とを有する通信ブイを備える水中観測装置の使用方法であって、密閉容器が格納容器内部における浮力方向側に位置した状態で、通信ブイが水中を浮力方向側に向かって移動するステップと、密閉容器が格納容器内部における浮力方向側に位置した状態で、通信ブイが水面に浮かぶステップと、密閉容器が格納容器内部における重力方向側に位置する状態で、通信ブイが水中を重力方向側に向かって移動するステップとを有し、通信ブイが水中を浮力方向側に向かって移動するとき、又は、通信ブイが水面に浮かぶとき、格納容器を有さず密閉容器が格納容器内部に格納されない通信ブイに比べ、通信ブイの重心と通信ブイの浮力中心は間隔距離が長いことを特徴とする。
本発明に係る水中観測装置の使用方法は、密閉容器と、一軸方向に延在した形状を有し、密閉容器よりも浮力方向側に設けられ、内部に対し水が出入する浮体とを有する通信ブイを備える水中観測装置の使用方法であって、浮体内部に水が浸入した状態で、通信ブイが水中を浮力方向側に向かって移動するステップと、浮体内部から水が排出された状態で、通信ブイが水面に浮かぶステップと、浮体内部に水が浸入した状態で、通信ブイが水中を重力方向側に向かって移動するステップとを有する。
本発明によれば、横方向の揺れや移動を抑制し、安定した状態で、水中を浮上したり、水面に浮かぶことが可能であり、かつ、水中移動時に流体抵抗の低減を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る水中観測装置を示す構成図であり、通信ブイが本体部に収納されている状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置を示す構成図であり、通信ブイが離れている状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置の通信ブイが浮上を開始した状態を示す概念図である。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置の通信ブイが海面において通信衛星と通信している状態を示す概念図である。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置の通信ブイが海面において通信衛星と通信している状態を示す概念図である。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置の通信ブイを回収している状態を示す概念図である。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置の通信ブイを示す縦断面図であり、通信ブイが海中を上昇している状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置の通信ブイを示す縦断面図であり、通信ブイが海面に浮いている状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置の通信ブイを示す縦断面図であり、通信ブイが海中で回収されている状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置の通信ブイの変形例を示す縦断面図であり、通信ブイが海中を上昇している状態を示す。 本発明の第1実施形態に係る水中観測装置の通信ブイの変形例を示す縦断面図であり、通信ブイが海中で回収されている状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る水中観測装置の通信ブイを示す縦断面図であり、通信ブイが海中を上昇している状態を示す。 本発明の第2実施形態に係る水中観測装置の通信ブイを示す縦断面図であり、通信ブイが海中で回収されている状態を示す。 本発明の第3実施形態に係る水中観測装置の通信ブイを示す縦断面図であり、通信ブイが海中を上昇している状態を示す。 本発明の第3実施形態に係る水中観測装置の通信ブイを示す縦断面図であり、通信ブイが海面に浮いている状態を示す。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る水中観測装置10について、図面を参照して説明する。図1から図3に示すように、本実施形態に係る水中観測装置10は、通信ブイ11と、観測装置本体12などを備えている。水中観測装置10は、海水中や海底に設置され、海面下の種々の情報、例えば、地震動や海水温等を取得する。なお、水中観測装置10は、海底52(図4等参照)などに固定設置されてもよいし、水中を航走する移動体に設置されてもよい。
水中観測装置10は、アンテナ21を備えた通信ブイ11が海面に浮上することで、海面下で取得した情報を外部に送信したり、新たな情報を外部から受信し、観測装置本体12に情報伝達したりする。送信先又は受信元は、通信衛星43や図示しない航空機、船舶等である。水中観測装置10は、通信時以外の間、通信ブイ11が観測装置本体12に収容されており、通信時のみ、通信ブイ11が観測装置本体12から放出され、通信が終了すると観測装置本体12へ回収される。
通信ブイ11は、図1から図3に示すように、アンテナ21と、耐圧殻29と、通信装置28と、非接触充電器26と、非接触通信機27などを備える。
アンテナ21は、電波を空中に放射したり、空中を伝わってくる電波を受けたりする。アンテナ21は、ロッド46の一端側に設けられる。ロッド46の他端側は、耐圧殻29に設けられる。なお、図1等で示したアンテナ21は、棒状であるが、他の形状、例えば円板状などでもよい。
耐圧殻29は、耐圧性を有する圧力容器であり、その内部には、通信装置28が収容される。耐圧殻29は、その外部から内部へ水が浸入することができない密閉容器である。耐圧殻29は、例えば、水中を移動する際の抵抗を少なくするように、円筒形状と、円筒形状の両端にそれぞれ設けられた半球形状又は流線形形状とを組み合わせた形状などを有する。なお、耐圧殻29には、通信装置28のほかに、圧力計、加速度計等の浮上検知機、浮上経路を推定するための管制航法装置等が収納されていてもよい。
通信装置28は、図3に示すように、衛星通信機22と、管制器23と、2次電池24と、記録器25などを備える。
衛星通信機22は、アンテナ21を介して外部からの信号を受信したり、記録器25に記録されたデータに関する信号を送信したりする。
管制器23は、衛星通信機22、記録器25や非接触通信機27を制御する。たとえば、管制器23は、衛星通信機22又は非接触通信機27が受信したデータを記録器25に記録する制御を行う。また、管制器23は、記録器25に記録されたデータを、衛星通信機22を介して外部に送信したり、非接触通信機27を介して観測装置本体12に送信したりする制御を行う。
記録器25には、非接触通信機27を介して受信したデータや、アンテナ21を介して外部から受信したデータが記録される。
衛星通信機22、管制器23及び記録器25は、2次電池24を電源とする。2次電池24は、観測装置本体12に設けられた2次電池32から充電される。通信ブイ11が収容筒37内に収容されているとき、2次電池32から2次電池24に対し充電が行われる。充電は、通信ブイ11に設けられた非接触充電器26と、観測装置本体12に設けられた非接触充電器31を介して、相互誘電作用を利用して行われる。非接触充電器26は、受電側コイルを備え、非接触充電器31は、送電側コイルを備える。
非接触通信機27は、非接触通信機34との間でデータの送受信を行う。データの送受信は、通信ブイ11が収容筒37内に収容されているときに行われる。非接触通信の通信方式は、例えば光を搬送波として用いる光通信である。なお、無線通信、又は、赤外線通信等によって、通信ブイ11と観測装置本体12の間でデータの送受信が行われてもよい。
非接触充電器26及び非接触通信機27は、ロッド47に設置される。ロッド47は、耐圧殻29の下端部に接続された棒状部材である。ロッド47の先端には、高張力ケーブル41が接続されたスイベル42が設けられる。スイベル42は、通信ブイ11が、長手方向に対して平行な軸線回りに回転したとき、高張力ケーブル41が捻れることを防止する。なお、高張力ケーブル41において、ねじれに強い材料が採用されている場合には、スイベル42を設置せずロッド47と高張力ケーブル41が直接接続されてもよい。
非接触充電器31及び非接触通信機34は、例えば円筒形状を有し、ロッド47を内部に挿入できる。なお、非接触充電器26,31及び非接触通信機27,34の形状は、上述した例に限定されず、円板形状など他の形状でもよい。
観測装置本体12は、図1から図3に示すように、収容筒37と、筐体38などを備えている。収容筒37の下部には、図1及び図2に示すように、非接触充電器31と、非接触通信機34が設けられる。筐体38の内部には、2次電池32と、管制器33と、モータ兼テンショナー35と、記録器36と、リール44と、各種センサーA,B,…Xなどが収納される。筐体38は、耐圧性を有する圧力容器である。
収容筒37は、図1に示すように、内径が通信ブイ11の外径よりも大きく、内部に通信ブイ11を収容する筒状の部材である。収容筒37の頂部には、通信ブイ11を収容する際、通信ブイ11を収容筒37内に案内するガイド39が設けられる。収容筒37の内部における下端部には、通信ブイ11を収容する際、通信ブイ11の下面を着座させる座部40が設けられる。
通信ブイ11が収容筒37内部に収納され着座したとき、通信ブイ11の非接触充電器26は、収容筒37の下端部に設けられた非接触充電器31に近接した位置に配置される。同様に、通信ブイ11の非接触通信機27は、収容筒37の下端部に設けられた非接触通信機34に近接した位置に配置される。
2次電池32は、管制器33、記録器36、各種センサーA,B,…Xなどの電源である。2次電池32は、非接触充電器31を介して通信ブイ11へ電力を供給する。なお、観測装置本体12は、2次電池32以外に燃料電池等の自ら電力を発生させる機器を備えてもよい。
管制器33は、非接触通信機34、モータ兼テンショナー35や記録器36を制御する。たとえば、管制器33は、各種センサーA,B,…Xで検知されたデータや非接触通信機34が受信したデータを記録器36に記録する制御を行う。また、管制器33は、記録器36に記録されたデータを、非接触通信機34を介して通信ブイ11に送信する制御を行う。さらに、管制器33は、通信ブイ11を観測装置本体12から放出したり、観測装置本体12へ回収するため、モータ兼テンショナー35の回転制御を行う。また、通信ブイ11を放出するときは、ラチェットを外すことによって、通信ブイ11の浮上を妨げないように、自由に高張力ケーブル41を繰り出してもよい。
記録器36には、各種センサーA,B,…Xで検知されたデータや非接触通信機34を介して受信したデータが記録される。各種センサーA,B,…Xは、例えば、地震動を検出するセンサー、海水温を検出するセンサー、海流の流速を検出するセンサーなどである。
モータ兼テンショナー35は、リール44を回転駆動させる。モータ兼テンショナー35には、回転数計やラチェットなども取り付けられている。
リール44には、所定の長さを有する高張力ケーブル41が巻き付けられる。高張力ケーブル41は、例えば、芳香族ポリアミド系樹脂繊維(例えばケブラー(登録商標))や炭素繊維等で製造され、直径1mm程度の細線である。高張力ケーブル41の一端は、耐圧殻29のロッド47の先端に設けられたスイベル42に固定されており、高張力ケーブル41の他端は、リール44に固定される。
なお、高張力ケーブル41の長さは、水中観測装置10が設置される海域の深さ、海流・潮流の速さ等を考慮して決定される。高張力ケーブル41の長さは、通信ブイ11が水中を上昇しているとき、又は、水面に浮いているとき、過剰なテンションが発生して高張力ケーブル41が切断しないように、テンションが十分に小さくなるような長さに設定されることが望ましい。
次に、図4から図7を参照して、本実施形態に係る水中観測装置10の動作について説明する。
モータ兼テンショナー35がリール44を解放すると、図4に示すように、通信ブイ11は浮力によって観測装置本体12から離れ、通信ブイ11の浮上が開始する。このとき、通信ブイ11の記録器25には、観測装置本体12で取得されたデータが記録されている。なお、通信ブイ11は、観測装置本体12からできるだけ短時間で鉛直方向上方に向かい、位置ずれが少なく浮上することが望ましい。本実施形態によれば、後述するとおり、従来の通信ブイに比べ、通信ブイ11を短時間で位置ずれが少なく浮上させることが可能になる。
その後、図5及び図6に示すように、通信ブイ11が海面51に浮上したら、通信ブイ11は、通信衛星43との通信を開始する。このとき、通信ブイ11の記録器25に記録されているデータを送信したり、通信衛星43から新たな情報を受信したりする。なお、通信ブイ11による外部との送受信は、通信衛星43以外に図示しない航空機、船舶等と行われてもよい。
なお、通信ブイ11が海面51に向かって浮上するとき、及び、海面51で浮いているとき、高張力ケーブル41が切断してしまうような過剰なテンションが加わらないように、モータ兼テンショナー35がリール44を制御する。
通信ブイ11は、図8及び図9に示すような姿勢、すなわち、通信ブイ11の浮力中心と重心とが、ほぼ同一の鉛直線上に位置するような状態を保ち、浮上したり、浮遊したりすることが望ましい。
そして、通信衛星43との通信が終了したとき、又は、高張力ケーブル41が最大限繰り出されて高張力ケーブル41にテンションが加わり始めたとき、図7に示すように、モータ兼テンショナー35がリール44を回転させ、通信ブイ11を観測装置本体12へ回収する。回収された通信ブイ11が新たな情報を受信している場合、通信ブイ11は、観測装置本体12へ情報を送信する。
以下、本実施形態に係る通信ブイ11の構成について説明する。
格納容器45は、耐圧殻29を格納している。また、格納容器45は、一軸方向に延在した形状、例えば、一軸方向に長い円筒形状で、水中を移動する際の抵抗を少なくするように、円筒形状の両端にそれぞれ設けられた半球形状又は流線形形状とを組み合わせた形状などを有し、耐圧殻29が内部を軸方向に移動可能である。すなわち、格納容器45の一軸方向の長さは、耐圧殻29の一軸方向の長さよりも長く、格納容器45の内部の内径は、耐圧殻29の外径よりも若干大きく、格納容器45の内部で耐圧殻29が一軸方向にスムーズに移動可能である。
格納容器45は、一軸方向に延在した形状を有することから、通信ブイ11が水中を上方向又は下方向に移動している間、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
格納容器45の一端側、すなわち、通信ブイ11が浮上しているときの浮力方向側には、貫通孔45aが形成されている。貫通孔45aは、アンテナ21とロッド46が通過可能な径を有する。一方、貫通孔45aは、耐圧殻29の径よりも小さく、格納容器45の内部の一端側で耐圧殻29が保持される。
格納容器45の他端側、すなわち、通信ブイ11が浮上しているときの重力方向側には、貫通孔45bが形成されている。貫通孔45bは、ロッド47が通過可能な径を有する。一方、貫通孔45bは、耐圧殻29の径よりも小さく、格納容器45の内部の他端側で耐圧殻29が保持される。高張力ケーブル41は、貫通孔45bに挿通されている。これにより、高張力ケーブル41は、格納容器45内部の耐圧殻29の位置に関わらず、耐圧殻29と観測装置本体12を常時接続したままとすることができる。
格納容器45は、その外部から内部に水が浸入し、かつ、その内部から外部へ水が排出する。内部に対する水の出入は、貫通孔45a,45bを介して行われる。なお、格納容器45の貫通孔45a,45b以外の他の箇所に貫通孔が設けられて、水の出入が可能なようにしてもよい。
格納容器45の一端側及び他端側は、図1等に示すように、それぞれ半球形状を有する。これにより、一端側又は他端側の形状が、広い平板面を有する場合、例えば格納容器45が円柱形状を有する場合に比べ、振動要因となる渦の発生を低減でき、進行方向前方における抵抗が小さくなり、進行方向後方では整流効果が生じやすい。なお、格納容器45の一端側及び他端側の形状は、半球形状に限られず、円錐形状、円錐台形状などでもよい。
耐圧殻29の一端側には、ロッド46が耐圧殻29の内外を貫通して設けられ、ロッド46の先端にはアンテナ21が設置される。図1に示すような状態では、格納容器45内部にアンテナ21及びロッド46が格納されている。したがって、格納容器45内部で耐圧殻29が貫通孔45b側に位置している状態で、観測装置本体12に通信ブイ11を取り付けたり、通信ブイ11を陸上で搬送したりすれば、アンテナ21及びロッド46に対し機械的な損傷を与えることない。
格納容器45の一端部から他端部までの長さは、アンテナ21の先端部から耐圧殻29の最下部までの長さとほぼ同じである。格納容器45内部で耐圧殻29が下方に位置しているとき、アンテナ21の先端部が、図2に示すように、貫通孔45aに挿入されている位置であれば、格納容器45からアンテナ21が突出しすぎず、かつ、格納容器45内部で耐圧殻29が移動したとき、アンテナ21が引っ掛かり折損することもない。
次に、本実施形態に係る通信ブイ11の動作について説明する。
水中観測装置10が外部との通信を行わない状態では、通信ブイ11は、観測装置本体12に収容されている。
水中観測装置10が外部との通信を行う場合、通信ブイ11が観測装置本体12から放出されて、海中を浮上し、海面51に浮いている状態となったとき、通信が開始される。そして、通信が終了したとき、海面51に浮いている通信ブイ11は、観測装置本体12に回収される。通信ブイ11は、海中を下降していき、最終的には観測装置本体12に収容される。
通信ブイ11が海中を海底又は海水中にある観測装置本体12から海面方向側に向かって移動する場合、通信ブイ11の浮力のみによって、上昇する。
このとき、格納容器45内には、水が浸入しており、耐圧殻29の浮力は、格納容器45の浮力よりも大きいことから、図8に示すように、格納容器45に格納された耐圧殻29は、格納容器45内部における浮力方向側に位置する。アンテナ21とロッド46は、貫通孔45aを介して格納容器45の外部に突出した状態となる。一方、ロッド47は、格納容器45内部に収納され、高張力ケーブル41が貫通孔45aを通過している。
通信ブイ11が浮力方向側に向かって水中を移動する間、モータ兼テンショナー35によって高張力ケーブル41に過剰なテンションが発生して高張力ケーブル41が切断しないように、高張力ケーブル41に作用するテンションは、十分に小さくなるようにする。これにより、通信ブイ11は、自由な状態で浮上することから、耐圧殻29に対して浮上方向と逆方向に発生する荷重は、水中での流体抵抗力を除くと、ほとんどケーブルの自重によるものであり、通信ブイ11の浮力に比べて小さい。
格納容器45は、一軸方向に延在した形状を有することから、水中を浮力方向側に向かって移動している間、進行方向に沿って長い形状となり、通信ブイ11の後方流が整流される。
通信ブイ11が浮力方向側に向かって水中を移動しているとき、耐圧殻29の進行方向の後方側(重力方向側)に格納容器45が延在した状態となる。したがって、耐圧殻29と格納容器45を組合わせた通信ブイ11の重心は、耐圧殻29のみの通信ブイに比べ、浮力中心(後述)との間隔距離が長い位置となる。図8には、本実施形態に係る通信ブイ11の重心位置を黒丸で示し、耐圧殻29のみの通信ブイの重心位置を二点破線で示している。なお、両者の重心は、耐圧殻29内に内蔵された通信装置28も考慮されている。
他方、浮力は、耐圧殻29と格納容器45を組合わせた場合と、耐圧殻29のみの場合とを比較すると、格納容器45に水が浸入し格納容器45の体積分が浮力にほとんど寄与しないことから、ほとんど変わらない。したがって、通信ブイ11が浮力方向側に向かって水中を移動している間、耐圧殻29と格納容器45を組合わせた通信ブイ11は、耐圧殻29のみの通信ブイに比べ、重心と浮力中心との間隔距離が長くなるため、横方向の揺れ又は移動を抑制し、安定して浮上する。
通信ブイ11が水面に浮いている場合、通信ブイ11が浮力方向側に向かって水中を移動しているときと同様に、耐圧殻29と格納容器45を組合わせた通信ブイ11は、図9に示すように、耐圧殻29のみの通信ブイに比べ、重心と浮力中心との間隔距離が長くなるため、横方向の揺れ又は移動を抑制し、安定して浮いた状態となる。図9には、図8と同様に、本実施形態に係る通信ブイ11の重心位置を黒丸で示し、耐圧殻29のみの通信ブイの重心位置を二点破線で示している。その結果、通信ブイ11は、波浪等により横方向の力の影響を受けても横方向への揺れは一段と小さく、海面に対して上下方向への運動が主となることから、通信が安定化する。
通信ブイ11が、回収される際、すなわち、海面から海中にある観測装置本体12に向かって水中を移動する場合、通信ブイ11は、モータ兼テンショナー35によって高張力ケーブル41にテンションが加わえられて移動する。そのとき、高張力ケーブル41を介して耐圧殻29にかかるテンションは、通信ブイ11にかかる浮力よりも大きく、横方向の揺れを小さくしながら回収できる。
このとき、格納容器45には、通信ブイ11に加わる高張力ケーブル41のテンションが直接加わらないことから、図10に示すように、格納容器45に格納された耐圧殻29は、格納容器45内部における重力方向側に位置する。ロッド47は、貫通孔45bを介して格納容器45の外部に突出した状態となる。一方、アンテナ21及びロッド46は、格納容器45の内部に収納される。
格納容器45は、一軸方向に延在した形状を有することから、海中にある観測装置本体12に向かって水中を移動している間、進行方向に沿って長い形状となり、通信ブイ11の後方流が整流される。その結果、耐圧殻29のみの場合に比べ、通信ブイ11を安定して移動させ回収できる。また、整流効果によって、流体抵抗の低減を図ることができ、テンションを発生させるための動力を低減することも可能になる。
なお、通信ブイ11が海底又は水中にある観測装置本体12に向かって水中を移動しているとき、耐圧殻29の進行方向の後方側に格納容器45が延在した状態となる。したがって、通信ブイ11が水中を移動しているときは、高張力ケーブル41によって進行方向に誘導されるので、重心と浮力中心の間隔が狭いとしても、安定性を喪失することはなく、むしろ高張力ケーブル41の誘導方向に容易に従うので好適である。図10には、本実施形態に係る通信ブイ11の重心位置を黒丸で示し、耐圧殻29のみの通信ブイの重心位置を二点破線で示している。
以上、本実施形態によれば、格納容器45内で耐圧殻29が、格納容器45の内壁に沿って、一軸方向(上下方向)に移動できる。格納容器45は、水中を浮力方向側又は重力方向側に向かって移動する間、後方流を整流することから、通信ブイ11の移動が安定化する。また、通信ブイ11が浮力方向側に向かって水中を移動しているとき、又は、通信ブイ11が海面51に浮いているとき、重心と浮力中心との間隔距離が長くなるため、横方向の揺れを抑制できる。
なお、上述した実施形態では、格納容器45の一端側及び他端側が、図1等に示すように、半球形状を有する場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。たとえば、図11及び図12に示すように、格納容器55の一端側及び他端側に円板を有する円柱形状であってもよい。その場合、通信ブイ11が水中を移動するにあたり、格納容器55による流体抵抗力は増加するが、水中の移動速度が遅い場合や、水中からの移動距離が短い場合は、半球形状を有する格納容器45と大きく変わらない。また、格納容器55の一端側及び他端側に設置する円板を網状板やパンチメタル板を使用すれば、この円板を流体が自由に通過するので、流体抵抗力はほとんど増加しない。これにより、格納容器55は、上述した格納容器45に比べ、製作が容易になる。格納容器55の一端側には、貫通孔55aが形成され、他端側には、貫通孔55bが形成される。
図11は、通信ブイ11が浮力方向側に向かって水中を移動している状態を示し、格納容器55に格納された耐圧殻29は、格納容器55内部における浮力方向側に位置する。また、図12は、通信ブイ11が重力方向側に向かって水中を移動いる状態を示し、格納容器55に格納された耐圧殻29は、格納容器55内部における重力方向側に位置する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る通信ブイ11について説明する。なお、通信ブイ11以外の水中観測装置10の構成は、第1実施形態と重複するため、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、耐圧殻29の上方に浮体66が、耐圧殻29と一体的に設けられる。すなわち、通信ブイ11は、耐圧殻29と浮体66が組み合わされた形状を有する。
浮体66は、例えば、中空であって、一軸方向に延在した形状を有する。浮体66内部には、アンテナ21及びロッド46が内蔵されている。浮体66は、強度に問題がない範囲で薄肉構造とするか、多少厚肉になっても比重の小さい材料(例えばシンタクチックフォーム等)を適用するかして、全体の重量を低減する。これにより、海面51で浮かんでいる状態で横方向の揺れを抑制できる。
浮体66の一端側は、図13等に示すように、一端側が先細りの円錐台形状を有する。これにより、一端側又は他端側の形状が、広い平板面を有する場合、例えば浮体が円柱形状を有する場合に比べ、進行方向前方における抵抗が小さくなり、進行方向後方では整流効果が生じやすい。なお、浮体66の一端側の形状は、円錐台形状に限られず、円錐形状でもよいし、又は、円錐台形状と半球形状の組み合わせなどでもよい。
格納容器65は、耐圧殻29、及び、耐圧殻29と一体化された浮体66も格納可能である。また、格納容器65は、一軸方向に延在した形状を有し、耐圧殻29及び浮体66が軸方向に移動可能である。すなわち、格納容器65の一軸方向の長さは、耐圧殻29の一軸方向の長さよりも長く、格納容器65の内部の内径は、耐圧殻29の外径よりも大きい。図13及び図14に示す例では、耐圧殻29と浮体66を合わせた長さは、格納容器65よりも長い。なお、反対に、格納容器65のほうが、耐圧殻29と浮体66を合わせた長さよりも長くてもよい。
格納容器65は、一軸方向に延在した形状を有することから、通信ブイ11が浮力方向側又は重力方向側に向かって水中を移動している間、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
格納容器65の一端側、すなわち、通信ブイ11が浮上しているときの浮力方向側には、貫通孔65aが形成されている。貫通孔65aは、アンテナ21とロッド46と浮体66が通過可能な径を有する。一方、貫通孔65aは、耐圧殻29の径よりも小さく、格納容器65の内部における浮力方向側で耐圧殻29が保持される。
格納容器65の他端側、すなわち、通信ブイ11を回収しているときの重力方向側には、貫通孔65bが形成されている。貫通孔65bは、ロッド47が通過可能な径を有する。一方、貫通孔65bは、耐圧殻29の径よりも小さく、格納容器65の内部おける重力方向側で耐圧殻29が保持される。
格納容器65は、その外部から内部に水が浸入し、かつ、内部から外部へ水が排出する。内部に対する水の出入は、貫通孔65a,65bを介して行われる。なお、格納容器65の貫通孔65a,65b以外の他の箇所に貫通孔が設けられて、水の出入が可能なようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る通信ブイ11の動作について説明する。
本実施形態に係る通信ブイ11は、第1実施形態と同様に、水中を浮力方向側及び重力方向側に移動し、かつ、海面51を浮いた状態となる。
図13に示すように、通信ブイ11が水中を浮力方向側に向かって移動しているとき、耐圧殻29は、格納容器65内に格納されたまま、浮体66は、格納容器65の浮力方向側から外部に突出した状態となる。格納容器65に格納された耐圧殻29は、格納容器65内部における浮力方向側に位置する。水中を浮力方向側に向かって移動している間、通信ブイ11は、格納容器65と、格納容器65の浮力方向側から外部に突出した浮体66によって一軸方向に延在した形状を有し、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
通信ブイ11が水面に浮いているとき、耐圧殻29は、格納容器65内に格納されたまま、浮体66は、格納容器65の浮力方向側から突出した状態となる。浮体66が耐圧殻29の浮力方向側に設けられていることから、耐圧殻29が完全に水没する状態では、浮体66が設置されず耐圧殻29のみの場合に比べ、浮体66によって浮力が増加する。
また、通信ブイ11が浮力方向側に向かって移動しているとき、及び、通信ブイ11が水面に浮いているとき、耐圧殻29の重力方向側に格納容器65が延在した状態となる。したがって、耐圧殻29と格納容器65を組合わせた通信ブイ11の重心は、耐圧殻29のみの通信ブイに比べ、浮力中心との間隔距離が長い位置となる。
図14に示すように、通信ブイ11が水中を重力方向側に向かって移動しているとき、浮体66は、格納容器65に格納される。図14は、通信ブイ11が水中で回収されている状態を示し、格納容器65に格納された耐圧殻29は、格納容器65内部における重力方向側に位置する。通信ブイ11が水中を重力方向側に向かって移動している間、格納容器65によって一軸方向に延在した形状を有することから、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
以上、本実施形態によれば、格納容器65内で耐圧殻29が、格納容器65の内壁に沿って、一軸方向(上下方向)に移動できる。格納容器65は、水中を浮力方向側又は重力方向側に向かって移動する間、後方流を整流することから、通信ブイ11の移動が安定化する。また、通信ブイ11が浮力方向側に向かって水中を移動しているとき、又は、通信ブイ11が海面51に浮いているとき、重心と浮力中心が離れているため、横方向の揺れを抑制できる。
なお、本実施形態では、浮体66が密閉された容器で、浮体66の外部から内部に水が浸入しない構成について説明したが、本発明はこの例に限定されない。たとえば、浮体66の上端部及び下端部それぞれに貫通孔が形成されて、浮体66の外部から内部に水が浸入したり、浮体の内部から外部に水が排出されたりするようにしてもよい。通信ブイ11が浮力方向側又は重力方向側に移動しているとき、浮体66の内部には水が浸入する。一方、通信ブイ11が海面51に浮いているとき、浮体66の内部から外部に水が排出され、海面上から現れている部分が浮体66の重量軽減に寄与することができ、横方向の揺れを抑制できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る通信ブイについて説明する。なお、通信ブイ以外の水中観測装置10の構成は、第1実施形態と重複するため、詳細な説明は省略する。
耐圧殻29の上方に浮体76が、耐圧殻29と一体的に設けられる。本実施形態では、耐圧殻29の周囲に、第1〜第3実施形態のような格納容器が設けられない。
浮体76は、中空であって、一軸方向に延在した形状を有する。浮体76内部には、アンテナ21及びロッド46が内蔵されている。浮体76の上部には、貫通孔76aが形成され、浮体76の下部には、貫通孔76bが形成される。浮体76は、その外部から内部に水が浸入し、かつ、内部から外部に水を排出する。浮体76の内部に対する水の出入は、貫通孔76a,76bを介して行われる。
浮体76の一端側は、図15等に示すように、一端側が先細りの円錐台形状を有する。これにより、一端側又は他端側の形状が、広い平板面を有する場合、例えば浮体が円柱形状を有する場合に比べ、進行方向前方における抵抗が小さくなり、進行方向後方では整流効果が生じやすい。なお、浮体76の一端側の形状は、円錐台形状に限られず、円錐形状でもよいし、又は、円錐台形状と半球形状の組み合わせなどでもよい。
浮体76は、強度に問題がない範囲で薄肉構造とするか、多少厚肉になっても比重の小さい材料(例えばシンタクチックフォーム等)を適用するかして、全体の重量を低減する。これにより、海面51で浮かんでいる状態で横方向の揺れを抑制できる。
通信ブイ11は、一軸方向に延在した形状を有することから、通信ブイ11が水中を浮力方向側又は重力方向側に向かって移動している間、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
次に、本実施形態に係る通信ブイ11の動作について説明する。
本実施形態に係る通信ブイ11は、水中を浮力方向側及び重力方向側に向かって移動し、かつ、海面51を浮いた状態となる。
図15に示すように、通信ブイ11が水中を浮力方向側に向かって移動しているとき、貫通孔76a,76bを介して、浮体76の内部に水が浸入した状態となる。このとき、通信ブイ11は、耐圧殻29と、耐圧殻29から上方向に設けられた浮体76によって一軸方向に延在した形状を有し、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
図16に示すように、通信ブイ11が水面に浮いているとき、貫通孔76aから空気が入り、貫通孔76bから水が排出されて、浮体76の内部から水が排出され、海面上から現れている部分が浮体76の重量軽減に寄与し、横方向の揺れを抑制できる。
通信ブイ11が水中を重力方向側に向かって移動しているとき、貫通孔76a,76bを介して、浮体76の外部から内部に水が浸入した状態となる。このとき、通信ブイ11は、耐圧殻29と、耐圧殻29から上方向に設けられた浮体76によって一軸方向に延在した形状を有し、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
以上、本実施形態によれば、通信ブイ11が水中を浮力方向側又は重力方向側に向かって移動している間、耐圧殻29よりも上方に設けられた浮体76内部には外部から水が浸入していることから、浮体76は、浮力にほとんど寄与しないが、一軸方向に延在した形状を有することから、通信ブイ11が、進行方向に沿って長い形状となり、後方流が整流される。
10 水中観測装置
11 通信ブイ
12 観測装置本体(装置本体部)
21 アンテナ(アンテナ部)
24,32 2次電池
26,31 非接触充電器
27,34 非接触通信機
29 耐圧殻(密閉容器)
35 モータ兼テンショナー
37 収容筒
41 高張力ケーブル(ケーブル)
42 スイベル
44 リール
45,55,65 格納容器
45a,45b,55a,55b,65a,65b 貫通孔
46,47 ロッド
66,76 浮体
76a,76b 貫通孔

Claims (7)

  1. 密閉容器と、
    前記密閉容器を格納し、一軸方向に延在した形状を有し、前記密閉容器が、内部を前記一軸方向に移動可能であり、内部に対し水が出入する貫通孔を有する格納容器と、
    を備え、
    水中を浮力方向側に向かって移動しているとき、又は、水面に浮いているとき、前記貫通孔を介して前記格納容器内に水が浸入して、前記密閉容器の浮力が前記格納容器の浮力よりも大きいことによって、前記密閉容器は、前記格納容器内部における浮力方向側に位置し、
    水中を重力方向側に向かって移動しているとき、重力方向側の端部においてケーブルと接続された前記密閉容器は、前記ケーブルにテンションが作用することによって、前記格納容器内部における重力方向側に位置する通信ブイ。
  2. 前記密閉容器よりも浮力方向側に設けられ、一軸方向に延在した形状を有する浮体を更に備え、
    水中を浮力方向側に向かって移動しているとき、又は、水面に浮いているとき、前記浮体は、前記格納容器の浮力方向側の端部から外部に突出し、
    水中を重力方向側に向かって移動しているとき、前記浮体は、前記格納容器に格納される請求項1に記載の通信ブイ。
  3. 前記密閉容器の浮力方向側の端部に突出して設けられたアンテナ部と、
    前記密閉容器の重力方向側の端部に接続され、装置本体部と接続されているケーブルと、
    を備え、
    前記格納容器は、浮力方向側の端部に貫通して設けられ、前記アンテナ部が挿通可能である第1貫通孔と、重力方向側の端部に貫通して設けられ、前記ケーブルが挿通されている第2貫通孔とを有する請求項1又は2に記載の通信ブイ。
  4. 密閉容器と、
    一軸方向に延在した形状を有し、前記密閉容器よりも浮力方向側に設けられ、内部に対し水が出入する貫通孔を有する浮体と、
    を備え、
    水中を浮力方向側又は重力方向側に向かって移動しているとき、前記貫通孔を介して前記浮体内部に水が浸入し、
    水面に浮いているとき、前記貫通孔を介して前記浮体内部から前記水が排出される通信ブイ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載された通信ブイと、
    前記通信ブイとケーブルによって接続され、水中における情報を取得する装置本体部と、
    を備える水中観測装置。
  6. 密閉容器と、前記密閉容器を格納し、一軸方向に延在した形状を有し、前記密閉容器が内部を前記一軸方向に移動可能であり、内部に対し水が出入する格納容器とを有する通信ブイを備える水中観測装置の使用方法であって、
    前記密閉容器が前記格納容器内部における浮力方向側に位置した状態で、前記通信ブイが水中を浮力方向側に向かって移動するステップと、
    前記密閉容器が前記格納容器内部における浮力方向側に位置した状態で、前記通信ブイが水面に浮かぶステップと、
    前記密閉容器が前記格納容器内部における重力方向側に位置する状態で、前記通信ブイが水中を重力方向側に向かって移動するステップと、
    を有し、
    前記通信ブイが水中を浮力方向側に向かって移動するとき、又は、前記通信ブイが水面に浮かぶとき、前記格納容器を有さず前記密閉容器が前記格納容器内部に格納されない通信ブイに比べ、前記通信ブイの重心と前記通信ブイの浮力中心は間隔距離が長いことを特徴とする水中観測装置の使用方法。
  7. 密閉容器と、一軸方向に延在した形状を有し、前記密閉容器よりも浮力方向側に設けられ、内部に対し水が出入する浮体とを有する通信ブイを備える水中観測装置の使用方法であって、
    前記浮体内部に水が浸入した状態で、前記通信ブイが水中を浮力方向側に向かって移動するステップと、
    前記浮体内部から前記水が排出された状態で、前記通信ブイが水面に浮かぶステップと、
    前記浮体内部に水が浸入した状態で、前記通信ブイが水中を重力方向側に向かって移動するステップと、
    を有する水中観測装置の使用方法。
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