JP5822994B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、インクジェット記録装置のタイプの一つに、用紙搬送経路に沿って固定された各色の記録ヘッドを備える所謂ラインヘッド型インクジェット記録装置がある。このタイプのインクジェット記録装置では、用紙が用紙搬送ベルトにより記録ヘッド各々のインク吐出面に対向した状態で搬送され、その搬送中の用紙に記録ヘッド各々からインクが吐出される。
これに対し、例えば特許文献1には、記録ヘッドの用紙搬送方向上流側に、用紙の浮き上がり部に接触する押圧アームの変位をマイクロスイッチ部で検出する用紙押え機構を設ける構成が開示されている。また、前記特許文献1には、前記用紙押え機構を用紙の幅方向に複数設けることも開示されている。
しかしながら、例えば前記特許文献1に開示された前記用紙押え機構を用紙の幅方向に複数設ける構成では、その用紙抑え機構のそれぞれに個別のマイクロスイッチ部などのセンサが配置されることになる。そのため、用紙抑え機構の数が多くなるに従ってセンサの数も増加し、例えば部品点数及びコストの増加やセンサ各々に接続される配線の敷設の手間が増えるなどの問題が生じる。
従って、本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記憶媒体の浮き上がりの確実な検知を極力簡素な構成で実現することのできる画像形成装置を提供することにある。
(1)記録媒体に画像を形成するための画像形成部。
(2)前記記録媒体を前記画像形成部に対向させつつ搬送する搬送ユニット。
(3)前記画像形成部より前記記録媒体の搬送方向上流側において前記記録媒体の搬送方向に直交する方向に並設され、前記記録媒体に生じ得る浮き上がり部に接触して個別に変位する複数の可動部。
(4)前記複数の可動部に共通して設けられ、前記複数の可動部の少なくとも一つの可動部が変位した場合にその変位を検知する一つの変位検知部。
また、本発明のより具体的な構成としては、前記画像形成部における最大通紙サイズの幅より長く、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向と平行に配置された一つの支持軸を更に備え、前記可動部各々が、前記支持軸により回動自在に支持され、前記記録媒体に生じ得る浮き上がり部に接触して個別に回動する構成が考えられる。これにより、前記可動部各々が共通の前記支持軸に支持されることとなるため、構成をより簡素化することができ、前記可動部の数の増減にも容易に対応することもできる。
ここに、前記変位検知部は、光を照射する発光部及び前記発光部からの光を受光する受光部を有してなり、前記発光部からの光が前記受光部で受光されないことを条件に前記可動部の変位を検知するものであることが考えられる。このとき、前記発光部及び前記受光部は、前記可動部各々の回動時に前記発光部から前記受光部への光が遮断される位置に配置されたものである。これにより、共通の前記変位検知部により前記可動部各々の変位を検知する構成が実現される。
一方、例えば前記変位検知部は、前記支持軸と平行に配置されて前記可動部各々の回動時に前記可動部に接触する一つの接触部を有してなり、前記接触部への前記可動部の接触を検知するものである。さらに、前記接触部及び前記可動部各々の接触箇所が少なくとも導電性を有することが考えられる。この場合、前記変位検知部は、前記接触部の電気特性の変化により前記接触部及び前記可動部の接触を検知するものであることが考えられる。これらの構成によっても、共通の前記変位検知部により前記可動部各々の変位を検知する構成が実現される。
また、前記可動部各々は、その上端部で前記支持軸に回動自在に支持されてなることが望ましい。この場合、前記可動部各々の下端部に前記記録媒体の浮き上がり部が接触した場合に前記可動部各々が回動しやすくなり、前記記録媒体に生じ得る小さな浮き上がりも検知可能となる。
なお、前記可動部各々は、その下端が前記画像形成部を含む平面上に位置し又は前記平面より前記搬送ユニット側に突出している。これにより、前記画像形成部に接触するおそれがある前記記録媒体の浮き上がりを検知することができる。
まず、図1〜図4を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置X(以下「記録装置X」と略称する)について説明する。
図1に示すように、前記記録装置Xは、給紙カセット1、給紙部2、画像形成部3、インクタンク部4、搬送ユニット5、昇降機構6、排紙部7、制御ユニット8、浮き上がり検知装置9、及びこれらを収容又は支持する本体フレーム10などを備えている画像形成装置である。
前記記録装置Xは、パソコン等の情報処理装置から入力される画像データに基づいて印刷処理を実行するプリンタ装置である。なお、本発明に係るインクジェット記録装置は、プリンタ装置に限らず、複写機、ファクシミリ装置、複合機などにも適用可能である。
前記給紙部2は、ピックアップローラ21、搬送ローラ22、搬送路23、レジストローラ24、手差しフィーダ25、及び給紙ローラ26を備えている。前記ピックアップローラ21は、前記給紙カセット1から前記用紙Pを1枚ずつ取り出す。前記搬送ローラ22及び前記搬送路23は、前記ピックアップローラ21により取り出された前記用紙Pを前記レジストローラ24まで搬送する。前記レジストローラ24は、所定の搬送タイミング(画像の書き出しタイミング)で前記用紙Pを前記画像形成部3に搬送する。前記手差しフィーダ25及び前記給紙ローラ26は、外部から前記用紙Pを供給するために用いられる。
前記記録ヘッド31〜34は、前記用紙Pの搬送方向に垂直な方向(用紙の幅方向)に長尺状を成しており、前記用紙Pの搬送方向に沿って所定間隔ごとに順に固定されている。また、前記記録ヘッド31〜34の下端部には、インクを吐出する多数のノズル(吐出口)を有するインク吐出面31A〜34Aがそれぞれ設けられている。
そして、前記画像形成部3では、前記搬送ユニット5によって搬送される前記用紙Pに対して前記インク吐出面31A〜34Aからインクが吐出されることにより前記用紙Pに画像が記録される。即ち、前記記録装置Xは、所謂ラインヘッド型のインクジェット記録装置である。なお、前記記録ヘッド31〜34のインクの吐出方式には、例えばピエゾ素子を利用してインクを吐出させるピエゾ方式又は加熱により気泡を発生させてインクを吐出させるサーマル方式などが採用される。
また、前記インクタンク部4は、K、C、M、Yの各色に対応するインクが収容されたインクタンク41、42、43、44を備えている。前記インクタンク41〜44は、不図示のインクチューブにより同色の前記記録ヘッド31〜34にそれぞれ接続されており、前記記録ヘッド31〜34にインクを補給する。なお、インクタンク41〜44内ではインクの上部に空気が存在しており、前記インクタンク41〜44内のインクの液面は、前記記録ヘッド31〜34のインク吐出面31A〜34Aよりも低くなるように調整されている。
なお、前記用紙搬送ベルト51と前記インク吐出面31A〜34Aとの間隙が例えば1mmとなるように定められる。
また、前記張架ローラ52は、不図示のモータの回転軸に連結されている。そして、前記張架ローラ52は、前記モータの駆動により反時計回りに回転して前記用紙搬送ベルト51を図示する矢印方向(図1において右から左に進む方向)に走行させる。これにより、前記給紙部2から供給された前記用紙Pは、前記用紙搬送ベルト51の走行によって前記画像形成部3を経て前記排紙部7に搬送される。
なお、前記搬送ユニット5には、前記用紙Pを前記用紙搬送ベルト51に吸着させるべく、前記搬送ベルト51に形成された多数の貫通孔から吸気を行う吸引ユニット(不図示)なども設けられている。また、前記張架ローラ53の対向位置には、前記用紙Pを前記用紙搬送ベルト51に押しつけて搬送させるためのローラ56が設けられている。
具体的に、前記昇降機構6は、前記搬送ユニット5の底面の四隅に対応する四組の偏心カム61、回転軸62、及びベアリング群63を備えている。前記偏心カム61は前記回転軸62により回転可能に軸支されており、前記回転軸62は不図示のモータの回転軸に連結されている。前記ベアリング群63は、その一部が前記偏心カム61の外周縁部よりも外側に突出した状態で前記偏心カム61に支持された複数のベアリングを含む。前記搬送ユニット5は、前記ベアリング群63に設けられた複数のベアリングのうち鉛直方向の位置が最も高いベアリングによって下方から支持される。
そして、前記昇降機構6では、不図示のモータで前記回転軸62が回転駆動されることにより前記偏心カム61が回転する。このとき、前記偏心カム61の回転に伴って、前記ベアリング群63に設けられたベアリングのうち鉛直方向の位置が最も高いベアリングが順に入れ替わる。これにより、前記搬送ユニット5を下方から支持するベアリングが入れ替わり、前記搬送ユニット5が鉛直方向に昇降することとなる。
例えば、図1において左側の前記偏心カム61が時計回りに、右側の前記偏心カム61が反時計回りに回転されることにより、前記搬送ユニット5は徐々に下降する。また、図1において左側の前記偏心カム61が反時計回りに、右側の前記偏心カム61が時計回りに回転されることにより、前記搬送ユニット5は徐々に上昇する。なお、前記ベアリング群63において前記搬送ユニット5を支持するベアリングの切り替わり時は、隣接する二つのベアリングで前記搬送ユニット5を同時に支持した状態を経由する。また、前記昇降機構6は、ボールねじ又はラックとピニオン等を利用して前記搬送ユニット5を昇降させる構成であってもよい。
ところで、前記画像形成部3に供給される前記用紙Pの一部に波打った箇所又は折れ曲がった箇所などの浮き上がりが生じていると、その浮き上がった部分(浮き上がり部)が前記記録ヘッド31〜34のインク吐出面31A〜34Aに接触するおそれがある。そのため、前記記録装置Xには、前記画像形成部3の記録ヘッド31〜34より前記用紙Pの搬送方向上流側に前記浮き上がり検知装置9が設けられている。
そして、前記浮き上がり検知装置9は、前記用紙搬送ベルト51により搬送される前記用紙Pに浮き上がりが生じている場合に、その浮き上がりの発生を検知する。なお、前記浮き上がり検知装置9及び前記画像形成部3を一つのユニットとして構成した記録ユニットを本発明として捉えてもよい。
図2に示すように、前記浮き上がり検知装置9は、支持軸91、可動部92A〜92F、変位検知部93、及びコイルバネ94などを備えている。前記支持軸91及び前記変位検知部93は、前記本体フレーム10又は前記ヘッドフレーム35などに支持されている。
前記支持軸91は、前記記録装置Xにおける最大通紙サイズの幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)の寸法より長い軸である。前記支持軸91は、前記記録ヘッド31〜34より前記用紙Pの搬送方向上流側において、前記用紙Pの搬送方向に直交する方向と平行に配置されている。
具体的に、前記可動部92A〜92Fは、円筒部921、当接部922、及び係止部923をそれぞれ有する同形状の部材である。前記円筒部921は、前記可動部92A〜92Fの上端部に設けられており、前記支持軸91に回動自在に軸支されている。これにより、前記可動部92A〜92Fは、前記支持軸91を中心に個別に回動可能である。前記当接部922は、前記円筒部921の外周面からその直径方向に突出して形成されている。前記係止部923は、前記当接部922の一部に形成されており、前記コイルバネ94を係止する部位である。
また、前記当接部922各々の下端部は、少なくとも前記記録装置Xにおける最大通紙サイズの全幅を細分化した幅を有する。即ち、前記当接部922各々を用紙搬送方向に見たとき、前記当接部922各々は、前記最大通紙サイズの全幅に亘る壁面を形成する。これにより、前記記録装置Xにおいて、前記用紙Pはその幅方向の全域が前記当接部922に対向した状態で前記用紙搬送ベルト51により搬送される。
このように構成された前記可動部92A〜92Fは、前記当接部922の下端部が前記用紙Pに生じ得る浮き上がり部に接触することにより個別に回動(変位)することとなる。このとき、前記可動部92A〜92Fは、その上端部に設けられた前記円筒部921を中心に回動する。そのため、前記可動部92A〜92Fにおける回動中心(上端部)から力の作用点(下端部)までの距離が十分に長く、前記可動部92A〜92Fは前記当接部922の下端部に小さな力(トルク)が作用するだけで容易に回動可能である。
そして、前記変位検知部93は、前記発光部93Aから出射された前記光軸93C上の光が遮断されたか否かを前記受光部93Bで検知することにより前記可動部92A〜92Fの変位の有無を判断する。具体的に、前記変位検知部93では、前記記録装置Xにおける印刷処理の実行時に前記発光部93Aからの光の照射と前記受光部93Bによる受光の監視とを開始する。
このとき、前記可動部92A〜92Fの少なくとも一つが回動(変位)して、前記発光部93Aから出射された前記光軸93C上の光を遮断すると、少なくとも一時的に前記受光部93Bが前記発光部93Aからの光を受光しなくなる。これにより、前記変位検知部93では、前記受光部93Bで光が受光されなくなったことを条件に、前記可動部92A〜92Fの少なくとも一つが回動(変位)したことが検知可能である。そして、前記受光部93Bによる受光の有無の検知結果は前記制御ユニット8に伝達される。従って、前記制御ユニット8は、前記受光部93Bで受光が検知されなくなったことを条件に前記用紙Pに浮き上がりが生じていると判断することが可能である。
図2に示すように、前記コイルバネ94の一端は、前記ヘッドフレーム35(図外)の一部に設けられた係止部35Aで係止されている。また、前記コイルバネ94の他端は、前記可動部92A〜92F各々に設けられた前記係止部923で係止されている。なお、前記コイルバネ94は、前記用紙Pの浮き上がり部が前記当接部922を押す力よりも弱い弾性力を有するものである。これにより、前記当接部922は前記用紙Pの浮き上がり部で押されて回動するが、その後、前記用紙Pが取り除かれると前記コイルバネ94の弾性力により前記当接部922はその下端部が前記支持軸91の鉛直下方向に位置する状態に復帰する。
なお、本実施の形態では、前記コイルバネ94により前記可動部92A〜92F各々を所定位置に位置決めする場合を例に挙げて説明するが、これに限らない。例えば、前記浮き上がり検知装置9では、前記可動部92A〜92F各々が、その上端部で回動自在に支持されているため、前記可動部92A〜92F各々の当接部922の下端部は自重で自然に前記支持軸91の鉛直下方向に位置する。そのため、前記浮き上がり検知装置9では前記コイルバネ94を省略することも考えられる。
前記用紙Pの浮き上がりが生じていない状態では、前記用紙搬送ベルト51で搬送される前記用紙Pは前記可動部92A〜92Fの前記当接部922に接触しない。そのため、図3Aに示すように、前記可動部92A〜92Fの当接部922は鉛直方向に平行な状態であり、前記当接部922が前記発光部93Aから出射された前記光軸93C上の光を遮断しない。
一方、前記用紙Pの少なくとも一部に浮き上がりが生じている状態では、その浮き上がり部が前記可動部92A〜92Fの少なくとも一つの前記当接部922に接触する。ここでは、前記用紙Pに生じた浮き上がり部が前記可動部92Bの当接部922に接触した場合を考える。この場合、図3Bに示すように、前記可動部92Bの当接部922が、前記用紙Pの浮き上がり部に押されることにより前記支持軸91を中心に前記用紙Pの搬送方向下流側に向けて回動し、前記発光部93Aから出射された前記光軸93C上の光を遮断することになる。これにより、前記変位検知部93では、前記受光部93Bで光が受光されなくなるため、前記可動部92A〜92Fの少なくとも一つが回動(変位)したことが検知される。
そして、前記記録装置Xにおいて、前記用紙搬送ベルト51上の前記用紙Pに浮き上がりが生じていると、その浮き上がり部が前記記録ヘッド31〜34のインク吐出面31A〜34Aに接触するおそれがある。そのため、前記記録装置Xでは、前記制御ユニット8により実行される後述の印刷制御処理において、前記用紙Pの浮き上がりが検知された場合は印刷処理が停止される。
以下、前記記録装置Xにおいて前記制御ユニット8により実行される印刷制御処理(図4参照)について説明する。ここに、図示するS1、S2、・・・は処理手順(ステップ)の番号を示すものである。
(ステップS1〜S2)
まず、ステップS1において、前記制御ユニット8は、印刷処理の開始要求を待ち受ける(S1のNo側)。例えば、前記記録装置Xにおいて、前記制御ユニット8は、外部のパソコン等の情報処理装置から画像データを受信した場合に、印刷処理の開始要求がなされたと判断する(S1のYes側)。次に、ステップS2において、前記制御ユニット8は、前記給紙部2を制御することにより前記給紙カセット1から前記用紙Pの搬送を開始させる。
続いて、ステップS3において、前記制御ユニット8は、前記浮き上がり検知装置9により前記用紙Pの浮き上がりが検知されたか否かを判断する。具体的に、前記制御ユニット8は、前記浮き上がり検知装置9により前記可動部92A〜92Fの少なくとも一つが前記発光部93Aから出射された前記光軸93C上の光を遮断したことが前記受光部93Bで検知されたか否かを判断する。
ここで、前記浮き上がり検知装置9により前記用紙Pの浮き上がりが検知されていなければ(S3のNo側)、処理はステップS4に移行する。前記浮き上がり検知装置9により前記用紙Pの浮き上がりが検知されていなければ、前記用紙Pが前記インク吐出面31A〜34Aに接触しない。そのため、前記制御ユニット8は、ステップS4において、前記ステップS1で要求された印刷処理を実行する。その後、前記制御ユニット8は、ステップS5において印刷処理が終了したと判断されると(S5のYes側)、一連の前記印刷制御処理を終了させ、処理を前記ステップS1に移行させる。
一方、前記浮き上がり検知装置9により浮き上がりが検知された場合(S3のYes側)、処理はステップS6に移行する。
前記浮き上がり検知装置9により前記用紙Pの浮き上がりが検知された場合は、その浮き上がり部が前記インク吐出面31A〜34Aに接触するおそれがある。
そのため、ステップS6〜S7において、前記制御ユニット8は、前記搬送ユニット5による前記用紙Pの搬送及び前記画像形成部3によるインクの吐出を停止させる。即ち、前記ステップS6〜S7により前記印刷処理が停止される。ここに、係る処理を実行するときの前記制御ユニット8が停止制御手段に相当する。なお、前記ステップS6〜S7で印刷処理が停止される場合、前記制御ユニット8は不図示の表示パネルなどにエラーを表示させる。
そして、前記記録装置Xでは、前記可動部92A〜92Fに対して共通の前記変位検知部93を設けることにより極力簡単な構成で前記用紙Pの浮き上がり検知が実現されている。具体的には、前記可動部92A〜92Fの数に関係なく一つの前記変位検知部93を備える構成であるため、前記可動部92A〜92F各々に対応して個別に前記変位検知部93を設ける構成に比べて前記変位検知部93の数を省減することができる。特に、前記用紙Pに生じる僅かな浮き上がりを検出するためには、前記可動部92A〜92Fはその僅かな浮き上がり部との接触により容易に変位するものであることが望ましい。この点、前記記録装置Xによれば、前記変位検知部93の数を増加させることなく、小型化した多数の前記可動部92A〜92Fを設置することができる。
なお、前記用紙Pの極端な浮き上がりは前記用紙Pの端部に生じることが多い。そこで、前記記録装置Xにおいて使用可能な複数の用紙サイズの幅方向の端部に対応する位置にのみ、その端部の微少範囲(例えば1cm程度)に対応する小型の前記可動部を配置することも考えられる。例えば、ハガキ、A5、B5、A4、B4、A3の6種類のサイズ各々の両端部に対応する位置に合計12個の前記可動部を設ける構成が考えられる。
具体的に、図5に示す構成例では、前記支持軸91が前記記録ヘッド31〜34のそれぞれの間隙の上方に配置され、前記当接部922の下端は前記インク吐出面31A〜34Aから若干突出する位置まで延設されている。これにより、前記当接部922のみが前記記録ヘッド31〜34のそれぞれの間隙に配置される構成となる。従って、複数の前記浮き上がり検知装置9を設置するために前記記録ヘッド31〜34のそれぞれの間隔を無駄に広げる必要がなく、前記記録ヘッド31〜34各々の直前における前記用紙Pの浮き上がり検知をコンパクトな構成で実現することができる。また、前記制御ユニット8は、前記用紙Pの浮き上がりを検知した場合に、前記用紙搬送ベルト51を停止させると共に、前記昇降機構6により前記搬送ユニット5を下降させることも考えられる。これにより、前記用紙Pの浮き上がり部が前記インク吐出面31A〜34Aに接触したままになる状態を回避し、インク漏れ等を防止することができる。なお、4つの前記浮き上がり検知装置9を一つの検知ユニットとして一体構成することも考えられる。
次に、図6及び図7を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係る浮き上がり検知装置9Aについて説明する。前記浮き上がり検知装置9Aは、前記浮き上がり検知装置9に代えて前記記録装置Xに搭載される。本第2実施形態において、前記記録装置X及び前記浮き上がり検知装置9と同様の構成要素については同じ符号を付し、その説明を省略する。
また、前記当接部925及び前記遮断部926は、前記円筒部924の直径方向上で対向する位置に設けられている。また、前記当接部925各々の下端部は、少なくとも前記記録装置Xにおける最大通紙サイズの全幅を細分化した幅を有する。即ち、前記当接部925各々を用紙搬送方向に見たとき、前記当接部925各々は、前記最大通紙サイズの全幅に亘る壁面を形成する。これにより、前記記録装置Xにおいて、前記用紙Pはその幅方向の全域が前記当接部925に対向した状態で前記用紙搬送ベルト51により搬送される。
このように構成された前記可動部92G〜92Lは、前記当接部925の下端部が前記用紙Pに生じ得る浮き上がり部に接触することにより個別に回動(変位)することとなる。
一方、前記可動部92G〜92Lの係止部927及び前記係止部35Aは前記コイルバネ94の両端を係止している。これにより、前記コイルバネ94は、前記可動部92G〜92Lの当接部925を予め定められた所定位置に保持又は復帰させる。前記所定位置は、前記当接部925の下端部が前記支持軸91の鉛直下方向に位置する状態(図7A参照)である。
前記用紙Pの浮き上がりが生じていない状態では、前記用紙搬送ベルト51で搬送される前記用紙Pは前記可動部92G〜92Lの当接部925に接触しない。そのため、図7Aに示すように、前記可動部92G〜92Lの当接部925は鉛直方向に平行な状態であり、前記遮断部926が前記発光部93Aから出射された前記光軸93C上の光を遮断しない。
一方、前記用紙Pの少なくとも一部に浮き上がりが生じている状態では、その浮き上がり部が前記可動部92G〜92Lの少なくとも一つの前記当接部925に接触する。ここでは、前記用紙Pに生じた浮き上がり部が前記可動部92Gの当接部925に接触した場合を考える。この場合、図7Bに示すように、前記可動部92Gの当接部925が前記用紙Pの浮き上がり部で押されることにより、前記可動部92Gは前記支持軸91を中心に前記用紙Pの搬送方向に向けて回動する。このとき、前記可動部92Gの前記遮断部926は、図7Bに示すように時計回りに回動して、前記発光部93Aから出射された前記光軸93C上の光を遮断することになる。これにより、前記変位検知部93では、前記受光部93Bで光が受光されなくなるため、前記可動部92G〜92Lの少なくとも一つが回動(変位)したことが検知される。
次に、図8及び図9を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係る浮き上がり検知装置9Bについて説明する。前記浮き上がり検知装置9Bは、前記浮き上がり検知装置9に代えて前記記録装置Xに搭載される。本第3実施形態において、前記記録装置X及び前記浮き上がり検知装置9と同様の構成要素については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、前記浮き上がり検知装置9Bは、前記変位検知部93に代えて、前記用紙Pの搬送方向下流側において前記可動部92A〜92Fの変位を検知する変位検知部931を備えている。また、前記可動部92A〜92Fは、導電性樹脂などの導電性を有する部材により形成されている。なお、前記第2実施形態における前記浮き上がり検知装置9Aが、前記変位検知部93に代えて前記変位検知部931を備える構成も他の実施形態として考えられる。
前記変位検知部931は、前記支持軸91と平行に配置され、導電性を有する金属製の通電ワイヤ931A(接触部の一例)を有している。前記通電ワイヤ931Aは、前記可動部92Aの外側と前記可動部92Fの外側との間に亘って張架されている。また、前記通電ワイヤ931Aは、前記支持軸91よりも前記用紙Pの搬送方向下流側の位置であって、前記可動部92A〜92F各々の前記当接部922の回動範囲に設けられている。これにより、前記通電ワイヤ931Aは、前記可動部92A〜92Fのいずれの前記当接部922が回動した場合でもその当接部922に接触する。なお、前記通電ワイヤ93Aは、前記可動部92A〜92Fの当接部922が前記用紙Pの搬送方向下流側に微少角度だけ回転したときに接触する位置に配置されている(図9B参照)。
このとき、導電性を有する前記可動部92A〜92Fの少なくとも一つが回動(変位)して前記通電ワイヤ931Aに接触すると、前記通電ワイヤ931Aの電気特性が変化して前記通電ワイヤ931Aの両端の電圧が変化する。そこで、前記変位検知部931は、前記通電ワイヤ931Aの両端の電圧が変化したこと、即ち前記通電ワイヤ931Aの電気特性が変化したことを条件に、前記可動部92A〜92Fの少なくとも一つが回動して前記通電ワイヤ931Aに接触したことを検知する。なお、前記変位検知部931の検知結果は前記制御ユニット8に伝達される。これにより、前記制御ユニット8は、前記用紙Pに浮き上がりが生じていると判断することが可能である。
前記用紙Pの浮き上がりが生じていない状態では、前記用紙搬送ベルト51で搬送される前記用紙Pは前記可動部92A〜92Fの当接部922に接触しない。そのため、図9Aに示すように、前記可動部92A〜92Fの当接部922は鉛直方向に平行な状態であり、前記当接部922が通電ワイヤ931Aに接触しない。
一方、前記用紙Pの少なくとも一部に浮き上がりが生じている状態では、その浮き上がり部が前記可動部92A〜92Fの少なくとも一つの前記当接部922に接触する。ここでは、前記用紙Pに生じた浮き上がり部が前記可動部92Bの当接部922に接触した場合を考える。この場合、図9Bに示すように、前記可動部92Bの当接部922が前記用紙Pの浮き上がり部で押されることにより、前記可動部92Bは前記支持軸91を中心に前記用紙Pの搬送方向下流側に向けて回動する。このとき、前記可動部92Bの前記当接部922は、図9Bに示すように時計回りに回動して前記通電ワイヤ931Aに接触する。これにより、前記変位検知部931は、前記可動部92A〜92Fの少なくとも一つが前記通電ワイヤ931Aに接触したことを検知する。
なお、前記変位検知部931は、電圧変化により電気特性の変化を監視するものに限らず、例えば電流、抵抗、静電容量などの変化を監視することにより電気特性の変化の有無を判断するものであってもよい。また、前記通電ワイヤ931A及び前記当接部922各々の接触箇所が少なくとも導電性を有するものであればよく、例えばその接触箇所に導電性を有する板部材又はフィルムが接合(貼付)された構成も考えられる。
2 :給紙部
3 :画像形成部
31〜34:記録ヘッド
31A〜34A:インク吐出面
35:ヘッドフレーム
4 :インクタンク部
5 :搬送ユニット
51:用紙搬送ベルト
52〜54:張架ローラ
55:搬送フレーム
6 :昇降機構
7 :排紙部
8 :制御ユニット
9、9A、9B:浮き上がり検知装置
91:支持軸
92A〜92F:可動部
92G〜92L:可動部
921、924:円筒部
922、925:当接部
923、927:係止部
926:遮断部
93、931:変位検知部
931A:通電ワイヤ
94:コイルバネ
10:本体フレーム
Claims (9)
- 記録媒体に画像を形成するための画像形成部と、
前記記録媒体を前記画像形成部に対向させつつ搬送する搬送ユニットと、
前記画像形成部より前記記録媒体の搬送方向上流側において前記記録媒体の搬送方向に直交する方向に並設され、前記記録媒体に生じ得る浮き上がり部に接触して個別に変位する複数の可動部と、
前記複数の可動部に共通して設けられ、前記複数の可動部の少なくとも一つの可動部が変位した場合にその変位を検知する一つの変位検知部と、
を備える画像形成装置。 - 前記変位検知部により前記可動部の変位が検知された場合に少なくとも前記搬送ユニットによる前記記録媒体の搬送を停止させる停止制御手段を更に備えてなる請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置における最大通紙サイズの幅より長く、前記記録媒体の搬送方向に直交する方向と平行に配置された一つの支持軸を更に備えてなり、
前記可動部各々は、前記支持軸により回動自在に支持され、前記記録媒体に生じ得る浮き上がり部に接触して個別に回動するものである請求項1又は2のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記変位検知部は、光を照射する発光部及び前記発光部からの光を受光する受光部を有してなり、前記発光部からの光が前記受光部で受光されないことを条件に前記可動部の変位を検知するものであって、
前記発光部及び前記受光部は、前記可動部各々の回動時に前記発光部から前記受光部への光が遮断される位置に配置されたものである請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記変位検知部は、前記支持軸と平行に配置されて前記可動部各々の回動時に前記可動部に接触する一つの接触部を有してなり、前記接触部への前記可動部の接触を検知するものである請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記接触部及び前記可動部各々の接触箇所が少なくとも導電性を有しており、
前記変位検知部は、前記接触部の電気特性の変化により前記接触部及び前記可動部の接触を検知するものである請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記可動部各々は、その上端部で前記支持軸に回動自在に支持されてなる請求項3〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記画像形成部は、インク吐出面から前記記録媒体にインクを吐出して前記記録媒体に画像を記録する記録ヘッドを有し、
前記可動部各々は、その下端が前記インク吐出面を含む平面上に位置し又は前記平面より前記搬送ユニット側に突出してなる請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記画像形成部が電子写真方式の画像形成部である請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
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