JP5821529B2 - 金属薄板の製造方法および金属薄板の製造装置 - Google Patents

金属薄板の製造方法および金属薄板の製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5821529B2
JP5821529B2 JP2011236531A JP2011236531A JP5821529B2 JP 5821529 B2 JP5821529 B2 JP 5821529B2 JP 2011236531 A JP2011236531 A JP 2011236531A JP 2011236531 A JP2011236531 A JP 2011236531A JP 5821529 B2 JP5821529 B2 JP 5821529B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
convex portion
workpiece
die
thin plate
metal thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011236531A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013094782A (ja
Inventor
幸平 久田
幸平 久田
賢太 志満
賢太 志満
篤史 川喜田
篤史 川喜田
秀晴 福田
秀晴 福田
伸夫 実繁
伸夫 実繁
竜也 森
竜也 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2011236531A priority Critical patent/JP5821529B2/ja
Publication of JP2013094782A publication Critical patent/JP2013094782A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5821529B2 publication Critical patent/JP5821529B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Description

本発明は、一側面より突出する凸部が形成され、前記凸部をセット側部材に形成される被係合部に係合することにより、前記セット側部材に対する位置決めがなされる金属薄板を製造する技術に関する。
従来から、二つの金属板を溶接する際に、溶接を行う一方の金属板に凸部を形成し、溶接を行う他の金属板(セット側部材)に円孔等の被係合部を形成し、前記被係合部に凸部を係合させることで、他の金属板に対して一の金属板を位置決めしている。
例えば、図8に示すように、凸部131は、金属板130の一側面130aより側面視略ドーム状に突出する。このような凸部131は、一側面130aより滑らかに屈曲して突出する。つまり、凸部131は、一側面130aとの境界が明確でない。
この場合、平面視略円状の孔である被係合部141に凸部131を係合させたときに、金属板130に対してセット側部材140が浮いてしまう。つまり、金属板130をセット側部材140に密着させることができず、位置決め精度が悪くなってしまう。
また、被係合部141を凸部131に対して充分大きく形成した場合、金属板130とセット側部材140とは密着するが、被係合部141と凸部131との間に空間が形成されるため、位置決め精度が悪くなってしまう。
このような凸部131では、被係合部141の形状に関わらず、位置決め後に金属板130(あるいはセット側部材140)に対して外力が作用した場合、位置ずれが発生してしまう。
つまり、略ドーム状の凸部131では、位置決め性能が低かった。
また、図9(a)に示すように、金属板230に切れ込みを入れて、当該切れ込みを起こした爪部を凸部231として形成した場合、金属板230に孔部231dが開いてしまう。
この場合、塗装シーラーを前記孔部231dに塗布して、前記孔部231dを埋める必要がある。
また、一つの凸部231では、図9(b)に示すように、平面視における所定の一方向だけしか、金属板230とセット側部材240との相対的な移動を規制できない(図9(b)に示す矢印参照)。この場合、平面視において互いに直交する二方向の相対的な移動を規制するように、金属板230に二つの凸部231を形成するだけでは、金属板230とセット側部材240とが相対的に回転してしまう。つまり、前記相対的な回転を規制するために、金属板230に三つの凸部231を形成する必要がある。
特許文献1および特許文献2に記載の技術では、金属板(小物部品)の一側面に対して直交するように突出する凸部(係合部)を形成し、セット側部材(回路基板や母材)に略円状の位置決め孔や窪みを形成する。そして、位置決め孔や窪みに凸部を挿入することで、セット側部材に対して金属板を位置決めする。
特許文献1および特許文献2に開示される技術によれば、図10に示すように、金属板330の一側面330aと凸部331との境界が明確となるため、位置決め性能の低下を抑制できる。また、一つの凸部331により、金属板330の平面視における全ての直線方向(図10(b)における紙面左右方向や紙面奥行き方向等といった、一側面330aと平行な方向)への移動を規制できるため、金属板330に二つの凸部331を形成することで、前記相対的な回転を規制できる。
図11に示すように、凸部331にて位置決めを行う場合には、凸部331にある程度の突出寸法L331(0.5mm程度)を確保する必要がある。
凸部331は、例えば、金属板330にダボ加工を行うことで形成される。ダボ加工では、所定の内径r311を有する孔部311が形成されるダイ310に金属板330をセットする。そして、孔部311の内径r311と同程度の(より詳細には、僅かに(0.2mm程度)長い)外径r321を有するポンチ320の先端部321によって、金属板330をプレスする。これにより、金属板330には、凸部331が形成される。
この場合、孔部311の内径r311とポンチ320の先端部321の外径r321とが同程度の大きさであるため、金属板330は、凸部331の基端部331c(一側面330a側の端部)の板厚が局所的に薄くなってしまう。
つまり、薄い(板厚L330が1.0mm程度の)金属板に凸部331を形成した場合、凸部331の基端部331cに亀裂が発生してしまう。
以上のように、特許文献1および特許文献2に開示される技術は、凸部331の基端部331cの板厚を確保するために、金属板330にある程度(1.2mm程度)の板厚L330が必要であった。つまり、薄い金属板(金属薄板)に適用することが困難であった。
特開2004−103907号公報 実開平5−78376号公報
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、金属薄板に対して位置決め性能の低下を抑制可能な凸部を成形できる金属薄板の製造方法および金属薄板の製造装置を提供するものである。
請求項1においては、一側面より突出する凸部が形成され、前記凸部をセット側部材に形成される被係合部に係合することにより、前記セット側部材に対する位置決めがなされる金属薄板の製造方法であって、前記凸部が形成される前の金属薄板であるワークをダイにセットするとともに、前記ダイに対して近接離間可能なポンチを前記ダイに接近させ、前記ポンチによって前記ワークをプレスする成形工程を行い、前記成形工程では、前記ダイと前記ポンチとで前記ワークをプレスすることにより、前記ワークを材料流動させ、前記ワークの一側面に前記凸部を成形するとともに、前記ワークの他側面における前記凸部の形成箇所に対応する箇所に、前記ワークの他側面より前記凸部の形状に沿って窪む第一凹部、および前記第一凹部の周囲において前記ワークの他側面より窪む第二凹部を成形し、前記第二凹部の成形により、前記ワークにおける前記第一凹部の周囲の材料を、前記凸部の基端部に向けて流動させ、前記凸部は、前記ワークの一側面より直線状に突出し、前記凸部の基部となる直線部と前記直線部よりも前記凸部の突出側に配置され、前記凸部の突出方向に向かうにつれて、前記凸部の先端面を前記凸部の中心に向けて収束するドーム形状に形成される先端部とを有し、前記直線部は、前記凸部の先端面側に向うにつれて縮径するテーパ状に成形される、ものである。
請求項2においては、前記成形工程では、前記凸部と前記第一凹部と前記第二凹部とを、前記凸部の突出方向視において円状に成形する、ものである。
請求項3においては、前記ワークの板厚は、1.0mm以下に設定される、ものである。
請求項4においては、一側面より突出する凸部が形成され、前記凸部をセット側部材に形成される被係合部に係合することにより、前記セット側部材に対する位置決めがなされる金属薄板を製造する金属薄板の製造装置であって、製造前の前記金属薄板であるワークがセットされるダイと、前記ダイに対して近接離間可能であるとともに、前記ダイに接近して前記ワークをプレスするポンチと、を具備し、前記ダイと前記ポンチとで前記ワークをプレスすることにより、前記ワークを材料流動させ、前記ワークの一側面に前記凸部を成形するとともに、前記ワークの他側面における前記凸部の形成箇所に対応する箇所に、前記ワークの他側面より前記凸部の形状に沿って窪む第一凹部、および前記第一凹部の周囲において前記ワークの他側面より窪む第二凹部を成形し、前記第二凹部の成形により、前記ワークにおける前記第一凹部の周囲の材料を、前記凸部の基端部に向けて流動させ、前記凸部は、前記ワークの一側面より直線状に突出し、前記凸部の基部となる直線部と、前記直線部よりも前記凸部の突出側に配置され、前記凸部の突出方向に向かうにつれて、前記凸部の先端面を前記凸部の中心に向けて収束するドーム形状に形成される先端部とを有し、前記直線部は、前記凸部の先端面側に向うにつれて縮径するテーパ状に成形される、ものである。
請求項5においては、前記ダイと前記ポンチとで前記ワークをプレスすることにより、前記凸部と前記第一凹部と前記第二凹部とを、前記凸部の突出方向視において円状に成形する、ものである。
請求項6においては、前記ワークの板厚は、1.0mm以下に設定される、ものである。
本発明は、凸部の基端部の板厚を確保できるため、金属薄板に対して位置決め性能の低下を抑制可能な凸部を成形できる、という効果を奏する。
凸部の形状を示す図。(a)斜視図。(b)断面図。 凸部を円孔に係合させる様子を示す図。(a)係合前の図。(b)係合後の図。 凸部による位置決めの規制方向を示す図。 金属薄板の製造装置を示す図。 凸部を成形する様子を示す断面図。(a)ポンチの先端部がワークの他端面に当接している状態を示す図。(b)ポンチの先端部でワークをプレスする図。(c)ポンチの先端部および肩部でワークをプレスする図。 直線状の先端面を有する凸部を成形する様子を示す断面図。 直線部をテーパ状に成形する様子を示す断面図。 略ドーム状の凸部の形状を示す図。(a)斜視図。(b)断面図。 凸部として爪部を形成した場合の金属板を示す図。(a)斜視図。(b)凸部による位置決めの規制方向を示す図。 ダボ加工により形成した凸部の形状を示す図。(a)斜視図。(b)断面図。 ダボ加工の様子を示す断面図。
以下では、本実施形態の金属薄板の製造方法(以下、単に「製造方法」と表記する)について説明する。
製造方法は、図1に示すような金属薄板30を製造するものである。
図1に示すように、金属薄板30は、薄い略板状の金属板であり、凸部31、第一凹部32、および第二凹部33が、長手方向両端部(図1では左右両端側)にそれぞれ形成される。
なお、本実施形態では長手方向両端部にそれぞれ形成される凸部31、第一凹部32、および第二凹部33は、配置位置を除いて同様に構成される。このため、長手方向両端部の凸部31、第一凹部32、および第二凹部33の説明に関しては、一方(図1では左側)の凸部31、第一凹部32、および第二凹部33についてのみ行う。
凸部31は、平面視(図1では上下方向から見たときに)略円状に形成され、その基部が所定の寸法だけ(少なくとも0.5mm程度)金属薄板30の一側面30a(図1では上面)より直線状に突出する。
すなわち、凸部31の先端面31aは、金属薄板30の一側面30aに対して所定の間隔だけ突出方向(図1では上方向)に離間し、金属薄板30の一側面30aと直線的に繋がれている。
このような金属薄板30の一側面30aと直線的に繋がれている、凸部31の基部となる部分は、直線部31bとして形成される。直線部31bは、本実施形態では金属薄板30の一側面30aに対して直交するように延出する。つまり、直線部31bは、図1において、紙面上方向に沿って延出する。
凸部31の先端面31aは、凸部31の突出方向に向かうにつれて、凸部31の中心に向けて収束する。つまり、凸部31の先端面31aは、側面視(金属薄板30の厚み方向に対して直交する方向から見たときに)略ドーム状に形成される。
第一凹部32は、金属薄板30の他側面30b(図1では下面)より、凸部31の形状に沿って窪んでいる部分である。すなわち、凸部31を表の面とした場合、第一凹部32は、凸部31の裏の面となる。第一凹部32の底面(図1(b)では上側面)は、金属薄板30の一側面30aよりも前記凸部31の突出方向に突出している。
第二凹部33は、金属薄板30の他側面30bに形成され、第一凹部32と同じ中心位置に位置する平面視略円状の窪みである。第二凹部33の内径R33は、第一凹部32の内径R32および凸部31の外径R31よりも大きい。
つまり、第二凹部33は、金属薄板30の他側面30bの、第一凹部32の周囲に形成される窪みである。
ここで、本実施形態において、「凸部31の外径R31」とは、直線部31bにおける凸部31の外径寸法を指す。
「第一凹部32の内径R32」とは、凸部31の直線部31bの裏面における内径、つまり、側面視略ドーム状の底面部分を除く部分の内径寸法を指す。
「第二凹部33の内径R33」とは、第二凹部33の最大径、つまり、第二凹部33の他側面30b側の端部における、第二凹部33の内径寸法を指す。
本実施形態の金属薄板30は、第二凹部33の内径R33、凸部31の外径R31、第一凹部32の内径R32の順に、その長さが短くなる。
第二凹部33は、第一凹部32よりもその窪みの度合いが小さく、その底面(図1(b)では上側面)が金属薄板30の一側面30aよりも前記凸部31の突出方向に突出しない。つまり、第二凹部33の底面は、金属薄板30の一側面30aと他側面30bとの間に位置する。
金属薄板30は、図2に示すセット側部材40とともに溶接される。このとき、一側面30aより突出する凸部31が形成される金属薄板30は、図2および図3に示すように、セット側部材40に形成される被係合部に、凸部31を係合させることで、セット側部材40に対して位置決めされる。
セット側部材40には、被係合部として円孔41および長孔42が形成されている。
円孔41は、一方の凸部31(図3では左側の凸部31)に対応する位置に形成され、凸部31の外径R31に対応する内径を有する。
長孔42は、他方の凸部31(図3では右側の凸部31)に対応する位置に形成される。長孔42の幅方向(図3では上下方向)は、他方の凸部31に対応する幅を有する。
長孔42は、長手方向両端部が直線的に繋げられ、凸部31が長孔42の長手方向に沿って摺動可能に形成される。
なお、被係合部の形状は、本実施形態に限定されるものでなく、例えば、円孔41および長孔42と同一形状の窪みであっても構わない。
金属薄板30の位置決めを行うときには、図2(a)に示すように、セット側部材40を金属薄板30に接近させる(図2(a)に示す矢印参照)。そして、図2(b)および図3に示すように、円孔41および長孔42に凸部31を挿通する。
ここで、凸部31は、被係合部側(図2(b)では上方向)に向けて直線状に突出している。
すなわち、凸部31は、金属薄板30の一側面30aより滑らかに屈曲して突出しているのではなく、直線部31bにより、金属薄板30の一側面30aとの境界が明確となるように突出している。
これにより、金属薄板30は、円孔41の形状に関わらず(円孔41を凸部31に対して充分大きく形成することなく)セット側部材40に密着できる。従って、金属薄板30に対してセット側部材40が浮くことを防止できる。つまり、位置決め精度の低下を抑制できる。
また、金属薄板30を位置決めした後で、金属薄板30(あるいはセット側部材40)に対して外力が作用した場合、直線部31bとの円孔41の内周面とが接触するため、金属薄板30とセット側部材40との相対的な移動を規制できる。従って、外力による位置ずれの発生を防止できる。つまり、外力による位置ずれへの耐性を向上できる。
このように、本実施形態の製造方法では、位置決め性能の低下を抑制できる金属薄板30を製造する。
次に、製造方法によって金属薄板30を製造する手順について説明する。
製造方法では、図4に示すように、金属薄板の製造装置1(以下、単に「製造装置1」と表記する)を用いて金属薄板30を製造する。製造装置1は、ダイ10およびポンチ20等を具備する。
なお、以下では、凸部31が形成される前(製造前)の金属薄板30を「ワークW」と表記する。
ワークWは、金属薄板30と略同一の厚みを有する薄い略板状の金属薄板である。
ダイ10には、一側面に平面視略円状の孔部11が形成される。図1(b)および図4に示すように、孔部11の内径r11には、凸部31の外径R31と略同一の寸法が設定される。ダイ10には、金属薄板30の製造時にワークWがセットされる。
本実施形態において、「孔部11の内径r11」とは、ポンチ20との間で直線部31bを成形する部分の内径寸法を指す。
ポンチ20は、ダイ10の一側面より所定の間隔だけ離間した位置に配置され、ダイ10に対して近接離間可能に構成される(図4のポンチ20の右側に示す矢印参照)。ポンチ20には、先端部21と肩部22とが形成される。
ポンチ20の先端部21は、ポンチ20の肩部22よりダイ10に向けて突出する部分である。ポンチ20の先端部21は、金属薄板30の第一凹部32と略同一の形状に形成される。すなわち、ポンチ20の先端部21は、その基部が第一凹部32の内径R32と略同一の外径r21を有する略円柱状に形成され、先端面(図4では下面)が側面視略ドーム状に形成される。
本実施形態において、「先端部21の外径r21」とは、ダイ10との間で第一凹部32を成形するポンチ20の先端部21の外径寸法を指す。
このようなポンチ20の先端部21は、肩部22に対する突出寸法が、第二凹部33に対する第一凹部32の突出寸法と同一の長さに設定されている。
ポンチ20の肩部22は、ポンチ20の先端部21よりも基端側(図4では上側)に位置する略円柱状の部分である。ポンチ20の肩部22は、外径r22が第二凹部33の内径R33と略同一の寸法に設定され、金属薄板30の第二凹部33と略同一の形状に形成される。
本実施形態において、「肩部22の外径r22」とは、ダイ10との間で第二凹部33を成形するポンチ20の肩部22の最大径、つまり、図4においては、肩部22の左右両端部間の長さ寸法を指す。
次に、製造方法による金属薄板30の具体的な製造手順について説明する。
まず、製造装置1は、ダイ10にワークWをセットする。そして、製造装置1は、図5(a)に示すように、ポンチ20をダイ10に接近させ、ポンチ20の先端部21を、ワークWの他側面W2に当接させる(図5(a)に示す矢印参照)。
製造装置1は、図5(a)に示す状態から、ポンチ20の先端部21をダイ10の孔部11に押し込む。すなわち、製造装置1は、図5(b)に示すように、ポンチ20の先端部21により、ワークWをダイ10の孔部11に向けてプレスする(図5(b)に示す矢印参照)。
これにより、製造装置1は、ワークWをダイ10の孔部11に向けて材料流動させる。
前述のように、ポンチ20の先端部21と第一凹部32とが略同一形状であるため、ポンチ20の先端部21によるプレスで、ワークWには第一凹部32が形成される(図5(c)参照)。
製造装置1は、図5(b)に示す状態から、さらにポンチ20の先端部21をダイ10の孔部11に押し込む。このとき、製造装置1は、図5(c)に示すように、ポンチ20の先端部21および肩部22により、ワークWをダイ10の孔部11に向けてプレスする。
製造装置1は、第二凹部33の深さに対応する深さまで、ポンチ20の肩部22によりワークWをプレスする。
これにより、製造装置1は、ワークWをダイ10の孔部11に向けて材料流動させる。このとき、製造装置1は、ポンチ20の先端部21と肩部22とによりプレスするため、単に(先端部21だけで)凸部31および第一凹部32を成形する場合よりも広い範囲で、ワークWを材料流動させる。
このように、製造装置1により実施される製造方法では、ワークWをダイ10にセットするとともにポンチ20をダイ10に接近させ、ポンチ20によってワークWをプレスする成形工程を行う。
図5(c)に示す状態までポンチ20によってワークWをプレスした後で、製造装置1は、ポンチ20をダイ10より離間させる。製造装置1は、このようにして金属薄板30を製造する。
これによれば、製造方法および製造装置1は、凸部31の基端部31c(金属薄板30の一側面30a側の端部)の板厚を確保できる。
すなわち、図11に示すようなダボ加工にて、セット側部材40の円孔41(図2参照)と係合する略円柱状の凸部331を成形する場合、凸部331の基端部331cの板厚が局所的に小さくなる。
従って、本実施形態のワークWのような金属薄板に略円柱状の凸部を成形する場合、凸部331の基端部331cの板厚が確保できず、凸部331に亀裂が発生してしまう。
また、亀裂が発生しない程度に、凸部331の突出寸法L331を抑えた場合、凸部331は、位置決めに必要な長さ(少なくとも0.5mm程度)を確保できない。
つまり、ダボ加工では、凸部331の基端部331cの板厚と凸部331の突出寸法L331とがトレードオフの関係にあるため、本実施形態のワークWのような金属薄板に、位置決め用の凸部を成形できない。
一方、本実施形態の製造方法および製造装置1は、図5(c)に示すように、第二凹部33を成形することで、第二凹部33が成形される部分の材料をダイ10の孔部11(凸部31)に向けて流動させている。
つまり、製造方法および製造装置1は、第二凹部33を成形することで、凸部31の基端部31cの板厚を確保して、ダボ加工の場合にあるような亀裂の発生を防止しているのである。
これによれば、本実施形態の製造方法および製造装置1は、金属薄板30に対して位置決め用の凸部31を成形できる。
また、凸部31は、前述のように、直線部31bが形成されることで、位置決め精度の低下を抑制するとともに、外力による位置ずれへの耐性を向上させている。
つまり、製造方法および製造装置1によれば、金属薄板30に対して位置決め性能の低下を抑制可能な凸部31を成形できる。
このように、製造装置1により実施される成形工程では、ダイ10とポンチ20とでワークWをプレスすることにより、ワークWを材料流動させ、ワークWの一側面W1に、ワークWの一側面W1より直線状に突出する凸部31を成形するとともに、ワークWの他側面W2における凸部31の形成箇所に対応する箇所に、ワークWの他側面W2より凸部31の形状に沿って窪む第一凹部32、および第一凹部32の周囲においてワークWの他側面W2より窪む第二凹部33を成形し、第二凹部33の成形により、ワークWにおける第一凹部32の周囲の材料を、凸部31の基端部31cに向けて流動させる。
本実施形態の製造方法および製造装置1を用いて凸部31を成形した場合、図1に示すように、直線部31bは、金属薄板30の一側面30aより視認可能である。
また、第一凹部32と第二凹部33とは、金属薄板30の他側面30bより視認可能である。
従って、金属薄板30の外観状態を確認するだけで、どのような製造方法で凸部31を成形したかを把握することができ、第三者による不正行為(第三者が本実施形態と同様の製造方法にて凸部31を成形したこと)を認識できる。つまり、第三者による不正行為の事実を容易に立証できる。
本実施形態おいて「金属薄板」とは、ダボ加工にて位置決め用の凸部31を成形できない(亀裂が発生する)程度に薄い金属板を指す。具体的には、ワークWの板厚L(図4参照)が1.0mm以下に設定される金属板を指す。
このように、ワークWの板厚Lを1.0mm以下に設定することで、製造方法および製造装置1は、ダボ加工にて位置決め用の凸部331(図11参照)を成形できない金属板に対して凸部31を成形できる。
凸部31と第一凹部32と第二凹部33とは、図1におよび図3に示すように、平面視略円状に形成される。つまり、凸部31の形状と第一凹部32の形状と第二凹部33の形状とは、平面視においてそれぞれ滑らかに連続する曲線形状となる。
これによれば、凸部31と第一凹部32と第二凹部33とを成形することにより発生する応力が、所定の箇所に集中することを抑制できる。つまり、本実施形態の製造方法および製造装置1によって凸部31を成形することで、金属薄板30を長寿命化できる。
このように、製造装置1により実施される成形工程では、ダイ10とポンチ20とでワークWをプレスすることにより、凸部31と第一凹部32と第二凹部33とを、凸部31の突出方向視(平面視)において円状に成形する。
なお、凸部31と第一凹部32と第二凹部33とは、必ずしも平面視略円状に形成する必要はなく、例えば、平面視略四角形状等であっても構わない。ただし、金属薄板30を長寿命化できるという観点から、平面視略円状であることが好ましい。
凸部31の先端面31aは、前述のように、側面視略ドーム状に形成される。このため、図2に示すように、円孔41および長孔42に凸部31をスムーズに挿入できる。
すなわち、本実施形態の凸部31によれば、金属薄板30を位置決めするときに、凸部31と円孔41との間にずれがある場合でも、セット側部材40が金属薄板30に乗り上げてしまうような事態の発生を防止できる。従って、本実施形態の凸部31によれば、円孔41および長孔42に対する位置ずれを吸収しながら位置決めできる。
つまり、本実施形態の製造方法および製造装置1によって側面視略ドーム状の先端面31aを有する凸部31を成形することで、金属薄板30のセット性を向上できる。
このように、製造装置1により実施される成形工程では、ダイ10とポンチ20とでワークWをプレスすることにより、凸部31の突出方向(図2では紙面上方向)に向かうにつれて、凸部31の先端面31aを凸部31の中心に向けて収束させる。
なお、凸部31の先端面31aは、必ずしも側面視略ドーム状である必要はなく、例えば、図6に示すような、直線状であっても構わない。この場合、凸部31は、図6に示すように、先端部21の先端面が直線状に形成されるポンチ20にて、ワークWをプレスすることで成形される。ただし、金属薄板30のセット性を向上できるという観点から、凸部31の先端面31aは、側面視略ドーム状であることが好ましい。
直線部31bは、必ずしも金属薄板30の一側面30aに対して直交するように延出する必要はない。すなわち、図7に示すように、直線部31bは、凸部31の中央に向かうにつれて縮径するテーパ状であっても構わない。
この場合、製造装置1は、ダイ10の孔部11の一端部をテーパ状に形成し、当該テーパ部分にワークWの材料を流動させる。
このように直線部31bをテーパ状に成形することで、凸部31の基端部31cの板厚をより確実に確保できる。従って、より薄い金属薄板30に対して、製造方法を適用できる。
このように、製造装置1により実施される成形工程では、ダイ10とポンチ20とでワークWをプレスすることにより、凸部31の先端面31aに向けて収束するテーパ状に、凸部31を突出させる。
図3に示すように、円孔41と係合する金属薄板30の凸部31は、平面視における全ての直線方向(つまり、図3における紙面左右方向や紙面上下方向等といった、一側面30aと平行な方向)において、金属薄板30とセット側部材40との相対的な移動を規制できる(図3の左側に示す矢印参照)。
一方、長孔42と係合する金属薄板30の凸部31は、平面視における一つの直線方向(図3では紙面上下方向)において、金属薄板30とセット側部材40との相対的な移動を規制している(図3の右側に示す矢印参照)。
これにより、凸部31は、金属薄板30とセット側部材40とが、図3における全ての直線方向において、相対的に移動することを規制できるとともに、相対的に回転することを防止できる。
つまり、図9に示すような爪部を成形した場合と比較して、製造方法および製造装置1は、ワークWに成形する凸部31の個数を低減できる。
また、製造方法および製造装置1は、ワークWに孔を開けることなく凸部31を成形できる。
従って、図9に示すような爪部を成形した場合のように、孔部231dを塗装シーラーで埋める必要がなくなる。
なお、製造装置1の構成は、本実施形態に限定されるものでない。すなわち、製造装置1は、本実施形態のダイ10の形状と同一形状のポンチと、本実施形態のポンチ20と同一形状のダイを具備する構成であっても構わない。
1 製造装置
10 ダイ
20 ポンチ
30 金属薄板
30a 一側面
30b 他側面
31 凸部
32 第一凹部
33 第二凹部
40 セット側部材
41 円孔(被係合部)
42 長孔(被係合部)
W ワーク
W1 一側面
W2 他側面

Claims (6)

  1. 一側面より突出する凸部が形成され、前記凸部をセット側部材に形成される被係合部に係合することにより、前記セット側部材に対する位置決めがなされる金属薄板の製造方法であって、
    前記凸部が形成される前の金属薄板であるワークをダイにセットするとともに、前記ダイに対して近接離間可能なポンチを前記ダイに接近させ、前記ポンチによって前記ワークをプレスする成形工程を行い、
    前記成形工程では、
    前記ダイと前記ポンチとで前記ワークをプレスすることにより、前記ワークを材料流動させ、
    前記ワークの一側面に前記凸部を成形するとともに、
    前記ワークの他側面における前記凸部の形成箇所に対応する箇所に、前記ワークの他側面より前記凸部の形状に沿って窪む第一凹部、および前記第一凹部の周囲において前記ワークの他側面より窪む第二凹部を成形し、
    前記第二凹部の成形により、前記ワークにおける前記第一凹部の周囲の材料を、前記凸部の基端部に向けて流動させ、
    前記凸部は、前記ワークの一側面より直線状に突出し、前記凸部の基部となる直線部と、前記直線部よりも前記凸部の突出側に配置され、前記凸部の突出方向に向かうにつれて、前記凸部の先端面を前記凸部の中心に向けて収束するドーム形状に形成される先端部とを有し、
    前記直線部は、前記凸部の先端面側に向うにつれて縮径するテーパ状に成形される、
    金属薄板の製造方法。
  2. 前記成形工程では、
    前記凸部と前記第一凹部と前記第二凹部とを、前記凸部の突出方向視において円状に成形する、
    請求項1に記載の金属薄板の製造方法。
  3. 前記ワークの板厚は、
    1.0mm以下に設定される、
    請求項1または請求項2に記載の金属薄板の製造方法。
  4. 一側面より突出する凸部が形成され、前記凸部をセット側部材に形成される被係合部に係合することにより、前記セット側部材に対する位置決めがなされる金属薄板を製造する金属薄板の製造装置であって、
    製造前の前記金属薄板であるワークがセットされるダイと、
    前記ダイに対して近接離間可能であるとともに、前記ダイに接近して前記ワークをプレスするポンチと、
    を具備し、
    前記ダイと前記ポンチとで前記ワークをプレスすることにより、前記ワークを材料流動させ、
    前記ワークの一側面に前記凸部を成形するとともに、
    前記ワークの他側面における前記凸部の形成箇所に対応する箇所に、前記ワークの他側面より前記凸部の形状に沿って窪む第一凹部、および前記第一凹部の周囲において前記ワークの他側面より窪む第二凹部を成形し、
    前記第二凹部の成形により、前記ワークにおける前記第一凹部の周囲の材料を、前記凸部の基端部に向けて流動させ、
    前記凸部は、前記ワークの一側面より直線状に突出し、前記凸部の基部となる直線部と、前記直線部よりも前記凸部の突出側に配置され、前記凸部の突出方向に向かうにつれて、前記凸部の先端面を前記凸部の中心に向けて収束するドーム形状に形成される先端部とを有し、
    前記直線部は、前記凸部の先端面側に向うにつれて縮径するテーパ状に成形される、
    金属薄板の製造装置。
  5. 前記ダイと前記ポンチとで前記ワークをプレスすることにより、
    前記凸部と前記第一凹部と前記第二凹部とを、前記凸部の突出方向視において円状に成形する、
    請求項4に記載の金属薄板の製造装置。
  6. 前記ワークの板厚は、
    1.0mm以下に設定される、
    請求項4または請求項5に記載の金属薄板の製造装置
JP2011236531A 2011-10-27 2011-10-27 金属薄板の製造方法および金属薄板の製造装置 Expired - Fee Related JP5821529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011236531A JP5821529B2 (ja) 2011-10-27 2011-10-27 金属薄板の製造方法および金属薄板の製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011236531A JP5821529B2 (ja) 2011-10-27 2011-10-27 金属薄板の製造方法および金属薄板の製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013094782A JP2013094782A (ja) 2013-05-20
JP5821529B2 true JP5821529B2 (ja) 2015-11-24

Family

ID=48617311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011236531A Expired - Fee Related JP5821529B2 (ja) 2011-10-27 2011-10-27 金属薄板の製造方法および金属薄板の製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5821529B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200477293Y1 (ko) * 2013-07-09 2015-05-28 신성규 파렛트 견인고리

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0741100U (ja) * 1993-12-27 1995-07-21 豊生ブレーキ工業株式会社 エンジンマウントおよびその位置決め突起形成用プレス型
JPH07299529A (ja) * 1994-05-02 1995-11-14 Xerox Corp 位置決め形状
JP2004103907A (ja) * 2002-09-11 2004-04-02 Seiko Epson Corp 回路基板の位置決め構造
JP2006281272A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kobe Steel Ltd プレス成形方法および成形品並びにそれに使用する金型装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013094782A (ja) 2013-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI497798B (zh) 電池殼體用蓋及電池殼體用蓋之製造方法
JP5636846B2 (ja) ボス付き円盤状部材の製造方法およびボス付き円盤状部材の製造装置
US20140182437A1 (en) Trimming die and punch thereof
CN104868664A (zh) 铁芯片的冲压方法和堆叠铁芯
CN105322733B (zh) 层压铁芯的制造方法
JPWO2017130324A1 (ja) 積層材の加工方法
JP5821529B2 (ja) 金属薄板の製造方法および金属薄板の製造装置
JP2006025533A (ja) 積層鉄心のかしめ構造
KR100846849B1 (ko) 터미널성형장치 및 방법
JP2015167962A (ja) 板状ワークの折曲げ加工方法及び金型並びに折曲げ加工品
JP6653487B2 (ja) 薄帯積層材の打抜方法および打抜装置
JP5689726B2 (ja) 張り出し成形品の製造装置および製造方法
KR100846845B1 (ko) 터미널성형장치 및 방법
JP5307638B2 (ja) 罫線形成用溝部材
EP2601007B1 (en) Welded structure and welding method
JP4710638B2 (ja) 樹脂成形品
JP4832557B2 (ja) 電気コネクタにおけるコンタクトの接触構造
CN103582533B (zh) 金属接合体
KR200442918Y1 (ko) 터미널성형장치
EP2605883B1 (en) Welding structure and welding method using three positioning portions
JP6163085B2 (ja) 部品整列用パレットおよびその製造方法
JP6708500B2 (ja) 積層メタルガスケットの締結構造
JP5071221B2 (ja) 金属板付き成形品の製造方法および金属板付き成形品用の成形型
JP2017109229A (ja) 鍛造型
JP6357375B2 (ja) 熱交換器用フィンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150324

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150921

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5821529

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees