JP5819766B2 - 微小メカニカル素子およびその作製方法 - Google Patents

微小メカニカル素子およびその作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、高感度の各種センサやレゾネータとして用いられる微小メカニカル素子およびその作製技術に関するものである。
従来の微小メカニカル素子作製技術は、基板の上に予め設計されたレジストパターンを形成するリソグラフィ技術、レジストパターンを基板に転写するドライエッチング技術やウェットエッチング技術、場合によって基板の上に薄膜を形成する薄膜形成技術などにより、予定されたメカニカルな動作をする微小部分を形成し、更に電気回路と組み合わせるなどして微細な機械やセンサ素子を作製する技術であり、その詳細は例えば、非特許文献1に詳しく述べられている。
近年、上記の微小メカニカル素子の動作部分を更に微細にするなどして、論理演算をできるようにしたり、センサの感度を大幅に向上させたり、共振周波数を大幅にあげたりしたナノ電気機械システムが注目されている(例えば非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4参照)。
メカニカルに動作する微小部分を形成する従来の技術として最も良く用いられている方法では、微小動作部の直下を、溶液を用いたウェットエッチングによりエッチングして、微小動作部の下面を基板から離す。具体的な作製方法の例を図10を用いて説明する。図10において、101は基板、102は薄膜、103はレジスト、104は反応性イオン、102aは薄膜102からなる微小動作部、102bは微小動作部102aを基板101に接続している支持部である。図10(A)〜図10(F)は加工プロセスの順に従って加工された様子を示す素子の模式図で、図11は図10(F)中に破線105で示した平面で素子を切断した断面図である。
まず、図10(A)に示す基板101上に薄膜102を形成し(図10(B))、更に薄膜102の上にレジスト103を塗布する(図10(C))。リソグラフィ技術で、レジスト103に図10(D)に示すように所望のパターンを形成した後、このレジスト103をマスクとして、真空中で反応性イオン104を照射してドライエッチングをする(図10(E))。レジスト103を除去した後、基板101を良く溶解するが薄膜102を溶解しない溶液を用いて基板101を等方的にウェットエッチングすることにより、微小動作部102aが形成される(図10(F))。
しかし、この方法では、微小動作部102aが元々薄膜102であったため一定の厚さにしかならず、更に微小動作部102aを支える支持部102bの下の基板101までエッチングされ、図11に示すように支持部102bが基板101から突き出た形状になってしまう。よって、微小動作部102aが動く場合には、微小動作部102aの全体が歪むことになり、かつ支持部102bも歪むため、動作が不安定になるという問題があった。より具体的な例としては、微小動作部102aを共振させた場合に、振動エネルギーの一部が歪みに応じて微小動作部102a内の大きな部分で散逸してしまうことで、振動のQ値が低下してしまうという問題があった。さらに、基板101から突き出ている支持部102b付近も大きく歪むことで、振動エネルギーの散逸が更に大きくなるという問題があった。また、同様に基板101から突き出ている支持部102bが動くことで微小動作部102aの共振周波数が低下するという問題があった。
メカニカルに動作する微小動作部を形成する従来の技術として、上述のようなウェットエッチングではなく、等方的なドライエッチングを用いた方法も知られている(例えば非特許文献5参照)。この方法でも等方的なエッチングを用いるため、上述の従来例と同様に、微小動作部の厚さが一定となり、かつ支持部が基板から突き出た形状となってしまうため、同様の問題がある。
また、メカニカルに動作する微小動作部の形状の例として、図10(F)、図11に示したような片持ち梁の形状ではなく、両持ち梁の形状や(例えば非特許文献2参照)、振動時の節付近を支持する形状などがある(例えば非特許文献6参照)。これらの形状の場合も、微小動作部の厚さが一定となり、かつ両持ち梁の場合には支持部が基板から突き出た形状となってしまうため、同様の問題がある。
江刺正喜監修,「マイクロマシン」,産業技術サービスセンター発行,2002年,ISBN 4−915957−38−1(C3053) I.Mahboob,et.al.,"Interconnect-free parallel logic circuits in a single mechanical resonator",Nature Communications,Vol.2,p.198,2011 D.Rugar,et.al.,"Single spin detection by magnetic resonance force microscopy",Nature,Vol.430,p.329-332,2004 Xue Ming Henry Huang,et.al.,"Nanodevice motion at microwave frequencies",Nature,Vol.421,p.496-497,2003 A.N.Cleland,et.al.,"Fabrication of high frequency nanometer scale mechanical resonators from bulk Si crystals",Applied Physics Letters,Vol.69,p.2653-2655,1996 Kun Wang,et.al.,"VHF Free-Free Beam High-Q Micromechanical Resonators",Journal of Microelectromechanical systems,Vol.9,No.3,p.347-360,2000
以上の説明で明らかなように、従来の方法では微小メカニカル素子の微小動作部を作製する際に、薄膜の形成や等方的なエッチングを用いるために、微小動作部の厚さが一定となったり、支持部が基板から突き出た形状となったりしてしまう。そのため、微小動作部が振動する際に微小動作部全体と支持部とが歪み、その結果として振動のQ値や共振周波数が低下してしまうという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、微小動作部の振動のQ値や共振周波数を向上させることができる微小メカニカル素子およびその作製方法を提供することを目的とする。
本発明の微小メカニカル素子は、基板上に形成された支持部と、前記基板から離間した状態で、長さ方向に沿って寸法が変化するように形成された微小動作部と、前記支持部と前記微小動作部とを接続する接続部とを備え、前記微小動作部は、長さ方向に沿って厚さと幅が変化するように形成され、前記接続部は、前記支持部と前記微小動作部の厚さが大きい方の端部とを接続し、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の最も幅が大きい部分よりも幅が小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さいことを特徴とするものである。
また、本発明の微小メカニカル素子は、基板上に形成された支持部と、前記基板から離間した状態で、長さ方向に沿って寸法が変化するように形成された微小動作部と、前記支持部と前記微小動作部とを接続する接続部と、複数の前記微小動作部を接続する連結部を備え、前記複数の微小動作部は、それぞれ長さ方向に沿って厚さと幅が変化するように形成され、前記連結部は、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の最も幅が大きい部分よりも幅が小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さく、前記接続部は、前記複数の微小動作部と複数の前記支持部とに対応して複数設けられ、各接続部は、それぞれ対応する前記支持部と前記微小動作部の重心位置の部分とを接続し、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の最も幅が大きい部分よりも幅が小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さいことを特徴とするものである。
また、本発明の微小メカニカル素子の作製方法は、基板上に凸部を形成する凸部形成工程と、前記凸部の側面にマスクを形成するマスク形成工程と、前記基板の表面に平行な方向から前記凸部のドライエッチングを行うエッチング工程とを備え、前記マスクは、前記基板の表面と平行な方向に沿って厚さが変化する微小動作部形成用パターンと、この微小動作部形成用パターンと向かい合うように配置された支持部形成用パターンと、この支持部形成用パターンと前記微小動作部形成用パターンとを接続し、前記微小動作部形成用パターンよりも寸法が小さい接続部形成用パターンとが一体成形された形状であり、前記凸部のドライエッチングにより、基板上に形成された支持部と、長さ方向に沿って寸法が変化する微小動作部と、前記支持部と前記微小動作部とを接続する接続部とが形成されることを特徴とするものである。
また、本発明の微小メカニカル素子の作製方法の1構成例において、前記エッチング工程は、反応性イオンエッチング装置の中に前記基板を垂直に立てて、電界調整用基板を前記基板の周りに配置した上で、上方から反応性イオンで前記凸部をドライエッチングすることを特徴とするものである。
また、本発明の微小メカニカル素子の作製方法の1構成例において、前記マスクは、前記微小動作部形成用パターンと、この微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部と向かい合うように配置された前記支持部形成用パターンと、この支持部形成用パターンと前記微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部とを接続し、前記微小動作部形成用パターンよりも長さが小さく、前記微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい前記接続部形成用パターンとが一体成形された形状であり、前記微小動作部は、長さ方向に沿って厚さが変化するように形成され、前記接続部は、前記支持部と前記微小動作部の厚さが大きい方の端部とを接続し、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さいことを特徴とするものである。
また、本発明の微小メカニカル素子の作製方法の1構成例において、前記マスクは、さらに、複数の前記微小動作部形成用パターンを接続する連結部形成用パターンを備え、前記複数の微小動作部形成用パターンと、この複数の微小動作部形成用パターンの下部にそれぞれ配置された複数の前記支持部形成用パターンと、前記微小動作部形成用パターンよりも長さが小さく、前記微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい複数の前記接続部形成用パターンと、前記微小動作部形成用パターンよりも長さが小さく、前記微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい前記連結部形成用パターンとが一体成形された形状であり、各接続部形成用パターンは、前記微小動作部の重心位置に対応する前記微小動作部形成用パターンの箇所と前記支持部形成用パターンとを接続し、前記凸部のドライエッチングにより、複数の前記支持部と、複数の前記微小動作部と、複数の前記接続部に加えて、前記複数の微小動作部を接続する連結部が形成され、前記複数の微小動作部は、それぞれ長さ方向に沿って厚さが変化するように形成され、前記連結部は、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さく、各接続部は、それぞれ対応する前記支持部と前記微小動作部の重心位置の部分とを接続し、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さいことを特徴とするものである。
また、本発明の微小メカニカル素子の作製方法の1構成例において、前記凸部形成工程は、少なくとも前記微小動作部と前記接続部とが形成される予定位置の凸部の上面に開口部を設ける工程を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の微小メカニカル素子の作製方法の1構成例において、前記凸部形成工程は、少なくとも前記複数の接続部と前記連結部とが形成される予定位置の凸部の上面に開口部を設ける工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、接続部が微小動作部に比べて小さい寸法となっているので、微小動作部に振動などの動作をさせた際に、微小動作部の大部分は殆ど歪まず、寸法が小さい接続部のみが大きく歪むことになる。また、本発明では、微小動作部を支持する支持部が基板から水平方向に突出することはない。よって、本発明では、振動エネルギーの散逸を小さく抑えることができるため、微小動作部の振動のQ値を向上させることができる。さらに、本発明では、支持部が動くことがないため、微小動作部の共振周波数を向上させ、設計通りの共振周波数を得ることができる。
また、本発明では、複数の微小動作部を連結部で接続する場合に、連結部を微小動作部に比べて小さい寸法とすることにより、微小動作部の振動のQ値を向上させることができ、微小動作部の共振周波数を向上させて設計通りの共振周波数を得ることができる。また、本発明では、接続部によって支持部と微小動作部の重心位置の部分とを接続しているため、微小動作部を振動させた際に、微小動作部を支える部分にかかる力が小さくなり、この部分の歪みによるエネルギー散逸を小さくすることができる。
また、本発明では、基板上の凸部の側面に形成するマスクを、基板の表面と平行な方向に沿って厚さが変化する微小動作部形成用パターンと、微小動作部形成用パターンと向かい合うように配置された支持部形成用パターンと、支持部形成用パターンと微小動作部形成用パターンとを接続し、微小動作部形成用パターンよりも寸法が小さい接続部形成用パターンとが一体成形された形状とし、基板の表面に平行な方向から凸部のドライエッチングを行うことにより、接続部が微小動作部に比べて小さい寸法となっている微小メカニカル素子を作製することができる。その結果、本発明では、微小動作部の振動のQ値を向上させることができ、微小動作部の共振周波数を向上させて設計通りの共振周波数を得ることができる。
また、本発明では、反応性イオンエッチング装置の中に基板を垂直に立てて、電界調整用基板を基板の周りに配置した上で、上方から反応性イオンで凸部をドライエッチングすることにより、エッチング中の基板の上部付近の等電位面の曲がりを低減することができ、基板の表面に平行な方向から反応性イオンを照射して凸部のドライエッチングを行うことができる。
また、本発明では、少なくとも微小動作部と接続部とが形成される予定位置の凸部の上面に開口部を設けることにより、微小動作部を、長さ方向に沿って幅が大きく変化する構造とすることができ、また接続部の幅を、微小動作部の最も幅が大きい部分よりも小さくすることができる。
また、本発明では、少なくとも複数の接続部と連結部とが形成される予定位置の凸部の上面に開口部を設けることにより、微小動作部を、長さ方向に沿って幅が大きく変化する構造とすることができ、また各接続部の幅を、微小動作部の最も幅が大きい部分よりも小さくすることができ、連結部の幅を、微小動作部の最も幅が大きい部分よりも小さくすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る微小メカニカル素子の作製方法を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る微小メカニカル素子の断面図である。 本発明の第1の実施の形態において凸部の側面に形成されたパターンの形状を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態において凸部の側面に基板の表面に平行な方向から反応性イオンを照射して凸部のドライエッチングを行う方法を説明する模式図である。 本発明の第1の実施の形態において凸部をドライエッチングした結果を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の第1の実施の形態に係る微小メカニカル素子と従来の微小メカニカル素子について、微小動作部が共振振動する際の微小動作部の振幅と曲率を理論計算した結果を示す図、および微小動作部の熱弾性ダンピングによるエネルギー散逸を理論計算した結果を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る微小メカニカル素子の作製方法を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る微小メカニカル素子の断面図である。 本発明の第2の実施の形態において凸部の側面に形成されたパターンの形状を示す側面図である。 従来の微小メカニカル素子の作製方法の例を示す模式図である。 従来の微小メカニカル素子の断面図である。
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。
[第1の実施の形態]
図1(A)〜図1(H)は、本発明の第1の実施の形態に係る微小メカニカル素子の作製方法を示す模式図である。図1において、1はシリコン等からなる基板、3はレジスト、4は反応性イオン、5は荷電粒子、1aは微小動作部、1bは基板1から突出して微小動作部1aを支える支柱となる支持部、1cは微小動作部1aと支持部1bとを接続する接続部、1dは開口部、1fは基板1に形成された凸部、3a,3cはレジスト3の加工によって形成されたパターン、3bはパターン3aに形成された開口部である。図1(A)〜図1(H)は加工プロセスの順に従って加工された様子を示す素子の模式図である。図2(A)は図1(H)中に破線8で示した平面で素子を切断した断面図、図2(B)は図1(H)中に一点鎖線9で示した平面で素子を切断した断面図である。
次に、本実施の形態の微小メカニカル素子の作製方法を説明する。まず、図1(A)に示す基板1の表面上にレジスト3を塗布し(図1(B))、リソグラフィ技術で、レジスト3に図1(C)に示すように所望のパターン3aを形成する。このパターン3aは、例えば平面視四角形の形状で、四角形の内側に例えば三角形の開口部3bが形成され、開口部3bの底に基板1の表面が露出した形状となっている。なお、この開口部3bは、微小動作部1aの形成が予定される側で幅が狭くなり(すなわち、マスクとしてのパターン3aの幅が広くなる)、支持部1bの形成が予定される側で幅が広くなるように(すなわち、マスクとしてのパターン3aの幅が狭くなる)、形成しておく必要がある。
次に、パターン3aをマスクとし、真空中で基板1の表面に垂直な方向から反応性イオン4を照射して基板1のドライエッチングを行い、凸部1fを形成する(図1(D))。このとき、開口部3bの底に露出している基板1もエッチングされ、開口部1dが形成されることは言うまでもない。
次に、図1(E)に示すように基板1とパターン3aの上に再びレジスト3を塗布するが、この際、基板1とパターン3aの表面だけでなく、ドライエッチングで形成した凸部1fの側面にもレジスト3を均一に塗布することが重要である。基板1上に形成されたマイクロメータ級の寸法の凸部1fの垂直側面にレジスト3を均一に塗布する方法は、例えば文献「Kenji Yamazaki,et.al.,“Resist Coating on Vertical Side Faces Using Conventinal Spin Coating for Creating Three-Dimensional Nanostructures in Semiconductors”,Applied Physics Express,Vol.3,p.106501-1,2010」などに述べられている。
次に、凸部1fの側面のレジスト3に対して基板1の表面に平行な方向から荷電粒子5のビームを照射して、凸部1fの側面に所望のパターン3cを形成するリソグラフィを行う(図1(F))。図3は凸部1fの側面に形成されたパターン3cの形状を示す側面図である。図3に示すように、パターン3cは、基板1の表面と平行な方向に沿って厚さ(基板1の表面に垂直なz方向の寸法)が連続的に小さくなる微小動作部形成用パターン3dと、この微小動作部形成用パターン3dの厚さが大きい方の端部と向かい合うように配置され、下端が基板表面のレジスト3と接続するように形成された支持部形成用パターン3eと、支持部形成用パターン3eと微小動作部形成用パターン3dの厚さが大きい方の端部とを接続し、微小動作部形成用パターン3dよりも長さが小さく、微小動作部形成用パターン3dの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい接続部形成用パターン3fとが一体成形された形状となっている。
なお、このパターン3cは、支持部形成用パターン3e側の接続部形成用パターン3fの端部のx方向(基板1に平行な方向)の位置が、開口部1dの端部(図2(A)の1g)のx方向の位置と略一致し、かつ微小動作部形成用パターン3dの厚さが最も小さい先端部のx方向の位置が、微小動作部形成用パターン3d側の開口部1dの端部(図2(A)の1h)のx方向の位置よりも凸部1fの端部側に突き出るように、形成しておく必要がある。
基板1上に形成されたマイクロメータ級の寸法の凸部1fの側面に、荷電粒子5のビームで精度良く描画を行う方法は、例えば文献「Kenji Yamazaki,et.al.,“Three-Dimensional alignment with 10 nm order accuracy in electron-beam lithography on rotated sample for three-dimensional nanofabrication”,Journal of Vacuum Science and Technology B,Vol.26,p.2529-2533,2008」などに述べられている。
次に、パターン3cを含むレジスト3をマスクとし、凸部1fの側面に基板1の表面に平行な方向から反応性イオン4を照射して凸部1fのドライエッチングを行う(図1(G))。この基板1の表面に平行な方向からドライエッチングを行う方法については後述する。
最後に、図1(H)に示すようにパターン3cを含むレジスト3を除去することで、微小動作部1aと、基板1から突出して微小動作部1aを支える支柱となる支持部1bと、微小動作部1aと支持部1bとを接続する接続部1cとを備えた微小メカニカル素子が作製される。凸部1fに開口部1dが形成されているため、図2(A)に示すように接続部1cは2つ形成されることになる。
図2(A)、図2(B)において、微小動作部1aの長さL1は40μm、微小動作部1aの最も広い箇所の幅W1が5μm、微小動作部1aの最も厚い箇所の厚さT1は3μmである。また、2つの接続部1cの長さL2は0.6μm、2つの接続部1cのうち一方の接続部の幅W2と他方の接続部の幅W3とを足した合計の幅は0.46μm、2つの接続部1cの厚さT2は0.3μmである。
本実施の形態では、基板表面に平行な方向から荷電粒子ビーム描画を行ってパターン3cを形成し、基板表面に平行な方向から凸部1fのドライエッチングを行うことにより、作製される微小動作部1aは、図2(B)に示したように、長さ方向に沿って厚さが大きく変化する構造となっている。さらに、パターン3aを形成し、基板表面に垂直な方向から基板1のドライエッチングを行うことにより、微小動作部1aには開口部1dが形成されるので、微小動作部1aは、図2(A)に示したように、長さ方向に沿って幅が大きく変化する構造となっている。したがって、微小動作部1aは、長さ方向に沿って厚さや幅が大きく変化する3次元的な構造となっている。
上記のとおり支持部形成用パターン3e側の接続部形成用パターン3fの端部のx方向の位置は、支持部形成用パターン3e側の開口部1dの端部(図2(A)の1g)のx方向の位置と一致しており、接続部形成用パターン3fは、微小動作部形成用パターン3dよりも長さが小さく、微小動作部形成用パターン3dの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい。接続部1cは、このような接続部形成用パターン3fをマスクとして形成されるので、微小動作部1aよりも長さが小さく、微小動作部1aの最も幅が大きい部分よりも幅が小さく、微小動作部1aの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さく、微小動作部1a全体に比べて桁違いに小さい寸法(幅、長さ、厚さ)になっている。また、本実施の形態では、微小動作部1aを支持する支持部1bが基板1から水平方向に突出することはない。
図4(A)、図4(B)は、基板1上に形成した凸部1fの側面に基板1の表面に平行な方向から反応性イオン4を照射して凸部1fのドライエッチングを行う方法を説明する模式図であり、図5は、図4(B)の条件で凸部1fをドライエッチングした結果を示す電子顕微鏡写真である。図4(A)、図4(B)において、6は等電位面、7は電界調整用基板である。
図4(A)に示したように、反応性イオンエッチング装置の中に、3mm以上の寸法の基板1を垂直に立てて、凸部1fの側面が反応性イオンエッチング装置の中で垂直方向を向くようにして、反応性イオン4で凸部1fをエッチングしようとすると、基板1によって等電位面6が基板1の上部付近で大きく曲がってしまう。反応性イオン4は、上方から下方に加速されて凸部1fに近づくが、曲った等電位面6によって、図4(A)に示したように進行方向が曲げられる。したがって、反応性イオン4は、凸部1fに到達した時点で、基板1の表面に平行な方向とは大きく異なった角度から凸部1fに当たるため、基板1の表面に平行な方向でのエッチングをすることはできない。
一方、図4(B)に示したように、反応性イオンエッチング装置の中に、1mm程度以下の寸法の基板1を垂直に立てて、凸部1fの側面が反応性イオンエッチング装置の中で垂直方向を向くようにし、更に電界調整用基板7を基板1の周りに配置すると、エッチング中の基板1の上部付近の等電位面6の曲がりは大きく低減される。よって、反応性イオン4はほとんど曲げられることなく、凸部1fに到達する。実際、図4(B)の配置で反応性イオンエッチングを行い、凸部1fを電子顕微鏡で観察したところ、図5に示したとおり、2度という非常に小さい角度の誤差で、基板表面に平行にエッチングをすることができている。
電界調整用基板7は、寸法(幅、長さ、厚さ)が基板1の寸法と同じかそれ以上の大きさで、基板1と同じ材質の基板である。そして、基板1を反応性イオンエッチング装置の中に立てたときの基板1の高さ以下の距離だけ基板1から離れた位置に電界調整用基板7を配置すればよい。これにより、基板1の上部付近の等電位面6の曲がりを大きく低減することができる。
図6(A)は本実施の形態の微小メカニカル素子と図10(F)および図11に示した従来の微小メカニカル素子について、微小動作部が共振振動する際の微小動作部の振幅U(x)と曲率d2U/dx2を、支持部からの距離xの関数として理論計算した結果を示す図、図6(B)は本実施の形態の微小メカニカル素子と従来の微小メカニカル素子について、微小動作部が共振振動する際の熱弾性ダンピングによるエネルギー散逸を、支持部からの距離xの関数として理論計算した結果を示す図である。本実施の形態の微小メカニカル素子については、接続部1c側の支持部1bの端部の位置をx=0とし、従来の微小メカニカル素子については、微小動作部102a側の支持部102bの端部の位置をx=0としている。
図6(A)、図6(B)において、60は本実施の形態の微小メカニカル素子の振幅U(x)を示し、61は従来の微小メカニカル素子の振幅U(x)を示し、62は本実施の形態の微小メカニカル素子の曲率d2U/dx2を示し、63は従来の微小メカニカル素子の曲率d2U/dx2を示している。また、64は本実施の形態の微小メカニカル素子の熱弾性ダンピングによるエネルギー散逸を示し、65は従来の微小メカニカル素子の熱弾性ダンピングによるエネルギー散逸を示している。
本実施の形態の微小メカニカル素子の寸法は上記のとおりである。従来の微小メカニカル素子の微小動作部102aについては、本実施の形態の微小動作部1aと同一の幅、同一の長さ、同一の共振周波数、同一の振動エネルギーを有するような寸法にした。具体的には、微小動作部102aの長さ40μmを、幅を5μm、厚さを0.3μmとした。ただし、従来の微小メカニカル素子についても、支持部102bが基板101から突き出ていない構造としている。また、図6(A)、図6(B)の縦軸のスケールは各々の物理量の最大値で規格化している。熱弾性ダンピングによるエネルギー散逸の理論的な計算方法は、例えば文献「Ron Lifshitz,et.al.,“Thermoelastic damping in micro- and nanomechanical systems”,Physical Review B,Vol.61,p.5600-5609,2000」などに述べられている。
図6(A)から明らかなように、従来の微小メカニカル素子では、x方向(図11の基板101に平行な方向)に沿って微小動作部102aの厚さと幅が一定であるため、微小動作部102aの歪み曲率も連続的に変化する。一方、本実施の形態の微小メカニカル素子においては、接続部1cの厚さと幅が小さいため、接続部1cの部分(図6(A)のx=0〜0.6μmの部分)のみが大きく歪み(曲率が大きく)、微小動作部1aの部分(x≧0.6μmの部分)はほとんど歪んでいないことが分かる。特に、微小動作部1aのうち接続部1cに隣接する領域には振動する際に大きな力がかかるが、図2(B)からも明らかなように、微小動作部1aのうち接続部1cに隣接する領域は、接続部1cに比べて桁違いに厚い構造となっているため、歪みおよび曲率を小さく抑えることができている。
その結果、図6(B)に示したように、従来の微小メカニカル素子では、微小動作部102a内の広い部分で熱弾性ダンピングによるエネルギー散逸が大きいのに対し、本実施の形態の微小メカニカル素子では、微小な接続部1cの部分(図6(B)のx=0〜0.6μmの部分)でのみ熱弾性ダンピングによるエネルギー散逸が大きく、微小動作部1aのほとんどの部分(x≧0.6μmの部分)ではエネルギー散逸が小さく抑えられていることが分かる。
熱弾性ダンピングによる全エネルギー散逸は、エネルギー散逸をx方向について積分した値(図6(B)の各曲線64,65の下の面積)となり、本実施の形態の微小メカニカル素子の全エネルギー散逸は従来の微小メカニカル素子の全エネルギー散逸の約30%に抑えられている。振動する微小動作部のエネルギー散逸は、熱弾性ダンピングによるもの以外に、主に微小動作部を支える部分の歪みによるもの、表面の微細運動によるものがあるが、本実施の形態の微小動作部1aの形状を考えると、接続部1cの寸法(幅、厚さ)が従来の微小メカニカル素子に比べて桁違いに小さいこと、微小動作部1aのほどんどの部分で歪みが小さく、寸法(表面積)が小さい接続部1cのみで歪みが大きいことから、微小動作部1aを支える部分の歪みによるエネルギー散逸および表面の微細運動によるエネルギー散逸も、従来の微小メカニカル素子に比べて小さくなる。
以上のように、本実施の形態では、振動エネルギーの散逸を小さく抑えることができるため、微小動作部1aの振動のQ値を向上させることができる。更に、本実施の形態では、支持部1bが動くことがないため、微小動作部1aの共振周波数を向上させ、設計通りの共振周波数を得ることができる。
本実施の形態では、微小動作部1aが片持ち梁構造である場合を示したが、微小動作部が両持ち梁構造や他の動作可能な構造でも良いことは言うまでもない。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7(A)〜図7(H)は、本発明の第2の実施の形態に係る微小メカニカル素子の作製方法を示す模式図である。図7において、4は反応性イオン、5は荷電粒子、10はシリコン等からなる基板、13はレジスト、10a,10bは微小動作部、10c,10dは基板10から突出して微小動作部10a,10bを支える支柱となる支持部、10e,10fは微小動作部10a,10bと支持部10c,10dとを接続する基板接続部、10g,10h,10iは開口部、10jは基板10に形成された凸部、10kは微小動作部10aと微小動作部10bとを接続する連結部、13a,13eはレジスト13の加工によって形成されたパターン、13b,13c,13dはパターン13aに形成された開口部である。図7(A)〜図7(H)は加工プロセスの順に従って加工された様子を示す素子の模式図である。図8(A)は図7(H)中に破線14で示した平面で素子を切断した断面図、図8(B)は図7(H)中に一点鎖線15で示した平面で素子を切断した断面図である。
次に、本実施の形態の微小メカニカル素子の作製方法を説明する。まず、図7(A)に示す基板10の表面上にレジスト13を塗布し(図7(B))、リソグラフィ技術で、レジスト13に図7(C)に示すように所望のパターン13aを形成する。このパターン13aは、例えば平面視四角形の形状で、その内側に例えば四角形の開口部13b,13c,13dが形成され、開口部13b,13c,13dの底に基板10の表面が露出した形状となっている。このとき、開口部13bはその直下に形成される予定の微小動作部10aの重心付近の位置に形成され、開口部13cはその直下に形成される予定の微小動作部10bの重心付近の位置に形成され、開口部13dは連結部10kが形成される予定の位置に形成される。
次に、パターン13aをマスクとし、真空中で基板10の表面に垂直な方向から反応性イオン4を照射して基板10のドライエッチングを行い、凸部10jを形成する(図7(D))。このとき、開口部13b,13c,13dの底に露出している基板10もエッチングされ、開口部10g,10h,10iが形成されることは言うまでもない。
次に、図7(E)に示すように基板10とパターン13aの上に再びレジスト13を塗布するが、この際、基板10とパターン13aの表面だけでなく、ドライエッチングで形成した凸部10jの側面にもレジスト13を均一に塗布することが重要である。
次に、凸部10jの側面のレジスト13に対して基板10の表面に平行な方向から荷電粒子5のビームを照射して、凸部10jの側面に所望のパターン13eを形成するリソグラフィを行う(図7(F))。図9は凸部10jの側面に形成されたパターン13eの形状を示す側面図である。図9に示すように、パターン13eは、基板10の表面と平行な方向に沿って厚さ(基板10の表面に垂直なz方向の寸法)が連続的に小さくなる微小動作部形成用パターン13fと、微小動作部形成用パターン13fと反対の方向に向かって厚さが連続的に小さくなる微小動作部形成用パターン13gと、微小動作部形成用パターン13fの下部に配置され、下端が基板表面のレジスト13と接続するように形成された支持部形成用パターン13hと、微小動作部形成用パターン13gの下部に配置され、下端が基板表面のレジスト13と接続するように形成された支持部形成用パターン13iと、微小動作部形成用パターン13fと支持部形成用パターン13hとを接続し、微小動作部形成用パターン13fよりも長さが小さく、微小動作部形成用パターン13fの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい基板接続部形成用パターン13jと、微小動作部形成用パターン13gと支持部形成用パターン13iとを接続し、微小動作部形成用パターン13gよりも長さが小さく、微小動作部形成用パターン13gの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい基板接続部形成用パターン13kと、微小動作部形成用パターン13fと微小動作部形成用パターン13gとを接続し、微小動作部形成用パターン13f,13gよりも長さが小さく、微小動作部形成用パターン13f,13gの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい連結部形成用パターン13lとが一体成形された形状となっている。
なお、このパターン13eは、基板接続部形成用パターン13jのx方向(基板10に平行な方向)の位置が、微小動作部形成用パターン13fの内側に形成される予定の微小動作部10aの重心のx方向の位置と略一致し(すなわち、開口部10gのx方向の位置と略一致する)、基板接続部形成用パターン13kのx方向の位置が、微小動作部形成用パターン13gの内側に形成される予定の微小動作部10bの重心のx方向の位置と略一致し(すなわち、開口部10hのx方向の位置と略一致する)、連結部形成用パターン13lのx方向の位置が、開口部10iのx方向の位置と略一致するように、形成しておく必要がある。
次に、パターン13eを含むレジスト13をマスクとし、凸部10jの側面に基板10の表面に平行な方向から反応性イオン4を照射して凸部10jのドライエッチングを行う(図7(G))。
最後に、図7(H)に示すようにパターン13eを含むレジスト13を除去することで、微小動作部10a,10bと、基板10から突出して微小動作部10a,10bを支える支柱となる支持部10c,10dと、微小動作部10a,10bと支持部10c,10dとを接続する基板接続部10e,10fと、微小動作部10aと微小動作部10bとを接続する連結部10kとを備えた微小メカニカル素子が作製される。凸部10jに開口部10g,10h,10iが形成されているため、図8(A)に示すように連結部10kは2つ形成されることになり、基板接続部10e,10fは2つずつ形成されることになる。
本実施の形態では、基板表面に平行な方向から荷電粒子ビーム描画を行ってパターン13eを形成し、基板表面に平行な方向から凸部10jのドライエッチングを行うことにより、作製される微小動作部10a,10bは、図8(B)に示したように、長さ方向に沿って厚さが大きく変化する構造となっている。さらに、パターン13aを形成し、基板表面に垂直な方向から基板1のドライエッチングを行うことにより、微小動作部10a,10bには開口部10g,10hが形成されるので、微小動作部10a,10bは、図8(A)に示したように、長さ方向に沿って幅が大きく変化する構造となっている。したがって、微小動作部10a,10bは、長さ方向に沿って厚さや幅が大きく変化する3次元的な構造となっている。
上記のとおり基板接続部形成用パターン13j,13kのx方向(基板10に平行な方向)の位置は、開口部10g,10hのx方向の位置と一致しており、基板接続部形成用パターン13j,13kは、微小動作部形成用パターン13f,13gよりも長さが小さく、微小動作部形成用パターン13f,13gの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい。基板接続部10e,10fは、このような基板接続部形成用パターン13j,13kをマスクとして形成されるので、微小動作部10a,10bよりも長さが小さく、微小動作部10a,10bの最も幅が大きい部分よりも幅が小さく、微小動作部10a,10bの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さく、微小動作部10a,10b全体に比べて桁違いに小さい寸法(幅、長さ、厚さ)になっている。
また、連結部形成用パターン13lのx方向の位置は、開口部10iのx方向の位置と一致しており、連結部形成用パターン13lは、微小動作部形成用パターン13f,13gよりも長さが小さく、微小動作部形成用パターン13f,13gの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい。連結部10kは、このような連結部形成用パターン13lをマスクとして形成されるので、微小動作部10a,10bよりも長さが小さく、微小動作部10a,10bの最も幅が大きい部分よりも幅が小さく、微小動作部10a,10bの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さく、微小動作部10a,10b全体に比べて桁違いに小さい寸法(幅、長さ、厚さ)になっている。また、本実施の形態では、微小動作部10a,10bを支持する支持部10c,10dが基板10から水平方向に突出することはない。
したがって、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、熱弾性ダンピングによるエネルギー散逸、微小動作部10a,10bを支える部分の歪みによるエネルギー散逸および表面の微細運動によるエネルギー散逸が、従来の微小メカニカル素子に比べて小さくなる。また、本実施の形態では、微小動作部10a,10bを支持する基板接続部10e,10fのx方向の位置がそれぞれ微小動作部10a,10bの重心のx方向の位置と略一致しているため、微小動作部10a,10bを機械振動させた際に、第1の実施の形態と比べて微小動作部10a,10bを支える部分にかかる力が小さくなり、この部分の歪みによるエネルギー散逸を更に小さくすることができる。
以上のように、本実施の形態では、振動エネルギーの散逸を小さく抑えることができるため、微小動作部10a,10bの振動のQ値を向上させることができる。更に、本実施の形態では、支持部10c,10dが動くことがないため、微小動作部10a,10bの共振周波数を向上させ、設計通りの共振周波数を得ることができる。
上記第1、第2の実施の形態では、ドライエッチングのマスクとしてレジストを用いたが、レジストパターンを転写した薄膜や、リフトオフプロセスにより形成した薄膜など別の種類のマスクを用いても良い。また、第1、第2の実施の形態では、微小動作部が基板と同じ1種類の材質からなるが、あらかじめ基板表面に薄膜を積層させておくことで、微小動作部や接続部や支持部が層構造となっていても良い。
第1、第2の実施の形態では、微小メカニカル素子の材質としてシリコン(Si)を例に挙げて説明しているが、これに限るものではなく、GaAs、SiC、GaNなどの化合物半導体や、SiO2などの化合物および各種金属を含む、ドライエッチングで加工できる各種材料に本発明を適用可能である。
以上に挙げた本発明の実施の形態は、本発明により考え得る例の極一部であり、ドライエッチングの方法やリソグラフィの方法、目的とする微小メカニカル素子の機能・構造によって、本発明は多数の実施の形態を取り得るものである。
具体的な組み合わせは、用いるマスクやドライエッチングの方法、目的とする微小メカニカル素子の機能・構造に応じて最適なものを選択するべきであるが、適切な組み合わせにより同様の効果が得られるものである。
本発明は、高感度の各種センサやレゾネータに適用することができる。
1,10…基板、1a,10a,10b…微小動作部、1b,10c,10d…支持部、1c…接続部、1d,10g,10h,10i…開口部、1f,10j…凸部、3,13…レジスト、3a,3c,13a,13e…パターン、3b,13b,13c,13d…開口部、3d,13f,13g…微小動作部形成用パターン、3e,13h,13i…支持部形成用パターン、3f…接続部形成用パターン、4…反応性イオン、5…荷電粒子、6…等電位面、7…電界調整用基板、10e,10f…基板接続部、10k…連結部、13j,13k…基板接続部形成用パターン、13l…連結部形成用パターン。

Claims (8)

  1. 基板上に形成された支持部と、
    前記基板から離間した状態で、長さ方向に沿って寸法が変化するように形成された微小動作部と、
    前記支持部と前記微小動作部とを接続する接続部とを備え
    前記微小動作部は、長さ方向に沿って厚さと幅が変化するように形成され、
    前記接続部は、前記支持部と前記微小動作部の厚さが大きい方の端部とを接続し、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の最も幅が大きい部分よりも幅が小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さいことを特徴とする微小メカニカル素子。
  2. 基板上に形成された支持部と、
    前記基板から離間した状態で、長さ方向に沿って寸法が変化するように形成された微小動作部と、
    前記支持部と前記微小動作部とを接続する接続部と、
    複数の前記微小動作部を接続する連結部とを備え、
    前記複数の微小動作部は、それぞれ長さ方向に沿って厚さと幅が変化するように形成され、
    前記連結部は、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の最も幅が大きい部分よりも幅が小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さく、
    前記接続部は、前記複数の微小動作部と複数の前記支持部とに対応して複数設けられ、各接続部は、それぞれ対応する前記支持部と前記微小動作部の重心位置の部分とを接続し、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の最も幅が大きい部分よりも幅が小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さいことを特徴とする微小メカニカル素子。
  3. 基板上に凸部を形成する凸部形成工程と、
    前記凸部の側面にマスクを形成するマスク形成工程と、
    前記基板の表面に平行な方向から前記凸部のドライエッチングを行うエッチング工程とを備え、
    前記マスクは、前記基板の表面と平行な方向に沿って厚さが変化する微小動作部形成用パターンと、この微小動作部形成用パターンと向かい合うように配置された支持部形成用パターンと、この支持部形成用パターンと前記微小動作部形成用パターンとを接続し、前記微小動作部形成用パターンよりも寸法が小さい接続部形成用パターンとが一体成形された形状であり、
    前記凸部のドライエッチングにより、基板上に形成された支持部と、長さ方向に沿って寸法が変化する微小動作部と、前記支持部と前記微小動作部とを接続する接続部とが形成されることを特徴とする微小メカニカル素子の作製方法。
  4. 請求項記載の微小メカニカル素子の作製方法において、
    前記エッチング工程は、反応性イオンエッチング装置の中に前記基板を垂直に立てて、電界調整用基板を前記基板の周りに配置した上で、上方から反応性イオンで前記凸部をドライエッチングすることを特徴とする微小メカニカル素子の作製方法。
  5. 請求項または記載の微小メカニカル素子の作製方法において、
    前記マスクは、前記微小動作部形成用パターンと、この微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部と向かい合うように配置された前記支持部形成用パターンと、この支持部形成用パターンと前記微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部とを接続し、前記微小動作部形成用パターンよりも長さが小さく、前記微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい前記接続部形成用パターンとが一体成形された形状であり、
    前記微小動作部は、長さ方向に沿って厚さが変化するように形成され、
    前記接続部は、前記支持部と前記微小動作部の厚さが大きい方の端部とを接続し、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さいことを特徴とする微小メカニカル素子の作製方法。
  6. 請求項または記載の微小メカニカル素子の作製方法において、
    前記マスクは、さらに、複数の前記微小動作部形成用パターンを接続する連結部形成用パターンを備え、前記複数の微小動作部形成用パターンと、この複数の微小動作部形成用パターンの下部にそれぞれ配置された複数の前記支持部形成用パターンと、前記微小動作部形成用パターンよりも長さが小さく、前記微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい複数の前記接続部形成用パターンと、前記微小動作部形成用パターンよりも長さが小さく、前記微小動作部形成用パターンの厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さい前記連結部形成用パターンとが一体成形された形状であり、
    各接続部形成用パターンは、前記微小動作部の重心位置に対応する前記微小動作部形成用パターンの箇所と前記支持部形成用パターンとを接続し、
    前記凸部のドライエッチングにより、複数の前記支持部と、複数の前記微小動作部と、複数の前記接続部に加えて、前記複数の微小動作部を接続する連結部が形成され、
    前記複数の微小動作部は、それぞれ長さ方向に沿って厚さが変化するように形成され、
    前記連結部は、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さく、
    各接続部は、それぞれ対応する前記支持部と前記微小動作部の重心位置の部分とを接続し、前記微小動作部よりも長さが小さく、前記微小動作部の厚さが大きい方の端部よりも厚さが小さいことを特徴とする微小メカニカル素子の作製方法。
  7. 請求項記載の微小メカニカル素子の作製方法において、
    前記凸部形成工程は、少なくとも前記微小動作部と前記接続部とが形成される予定位置の凸部の上面に開口部を設ける工程を含むことを特徴とする微小メカニカル素子の作製方法。
  8. 請求項記載の微小メカニカル素子の作製方法において、
    前記凸部形成工程は、少なくとも前記複数の接続部と前記連結部とが形成される予定位置の凸部の上面に開口部を設ける工程を含むことを特徴とする微小メカニカル素子の作製方法。
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