JP5817669B2 - 放送中継システム、放送中継装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放送を中継する技術に関する。
テレビやラジオなどの放送を、難視聴地域に中継したいという要望がある。難視聴地域とは、地理的な条件により放送波を受信することができない地域であり、例えば人口が希薄な山間部や離島などである。また、地震などの災害などによって送信所が機能を停止した場合、当該送信所が本来カバーしていた放送エリアが難視聴地域となってしまう。
難視聴地域に放送波を届ける方法として、放送波を中継する装置を設置するという方法がある。例えば、特許文献1には、放送装置からの無線放送を弱電界地域及び電波の不感地域に伝送する無線放送中継装置が開示されている。また、中継装置を簡素化する技術として、特許文献2には、放送波を目的の方向に向けて無給電で中継する技術が開示されている。
特開2007−006403号公報 特開2002−094426号公報
しかし、従来技術による放送中継方法には、固定された中継装置が必要であるという欠点がある。中継装置は、電波を中継するという目的上、見通しのよい場所に設置する必要があるため、山頂やビルの屋上などに装置を設置しなければならず、コストがかかるという問題がある。加えて、元々難視聴地域には世帯数が少なく、中継装置の設置コストに見合う効果が得られないという問題もある。
また、固定された中継装置では、地震や台風、津波などの災害などによって送信所が機能を停止した場合に対応できないという問題がある。特に災害発生時には、正確な情報を伝達するために早急に対象地域に放送波を中継することが求められるが、前述の中継装置では、設置された場所から固定された方向にしか放送波を中継することができない。この問題は、たとえば放送波を中継する車両を配置することである程度は対応することができる。しかし、災害発生時には、被災地に中継車を派遣するまでに時間がかかるという問題や、一台の中継車でカバーすることができるエリアが限られているという問題がある。
本発明は上記の問題点を考慮してなされたものであり、任意のエリアに放送を中継することができる放送中継システムおよび装置を提供することを目的とする。
本発明に係る放送中継システムは、エンドノードと、リレーノードと、エッジノードと、からなるシステムである。
エンドノードとは、放送エリア外に位置し、中継された放送をリレーノードから受信するノードである。また、エッジノードとは、放送エリア内に位置し、放送を受信してリレーノードに送信するノードである。また、リレーノードとは、エッジノードから送信された放送を受信し、リレーノード同士で互いに送受信を繰り返すことで、エンドノードまで放送を伝達するためのノードである。エンドノードとエッジノードは、単一もしくは複数
のリレーノードを介して双方向に通信を行うことができる。
本発明に係る放送中継システムを構成する各ノードは、次のように構成される。
前記エンドノードは、自ノードの現在位置情報を取得する第一の位置情報取得手段と、放送の中継を要求する情報である中継要求と、前記第一の位置情報取得手段が取得した自ノードの現在位置情報を含むノード情報を生成し、前記中継要求と前記ノード情報を、前記リレーノードに送信する中継要求送信手段を有する。
中継要求とは、エンドノードによって生成される、放送の中継をエッジノードに要求するためのリクエストである。また、ノード情報とは、中継要求を送信したエンドノードの位置情報を含む情報である。エンドノードによって送信された中継要求とノード情報は、放送エリア内に位置するエッジノードに到達するまで、複数のリレーノードによって繰り返し転送される。
また、前記リレーノードは、自ノードの現在位置情報を取得する第二の位置情報取得手段と、前記エンドノードまたは他のリレーノードから前記中継要求および前記ノード情報を受信し、前記第二の位置情報取得手段が取得した現在位置情報を含む自ノードの情報を前記ノード情報に含ませ、前記中継要求および前記ノード情報を前記エッジノードまたは他のリレーノードにブロードキャスト送信する上りリレー手段を有する。
リレーノードは、エンドノードから中継要求およびノード情報を受信すると、他のリレーノードまたはエッジノードに当該情報を転送する。またこの際、ノード情報に、自ノードの位置情報を含む情報を含ませる。すなわち、転送されるノード情報には、経由したリレーノードの位置情報が順次追加されていく。
また、前記エッジノードは、放送波を受信する放送波受信手段と、前記リレーノードから前記中継要求および前記ノード情報を受信する中継要求受信手段と、前記中継要求を受信した場合に、前記ノード情報に含まれる各ノードの位置情報に基づいて伝送路情報を生成する経路生成手段と、前記受信した放送と、前記生成した伝送路情報を前記リレーノードへ送信する放送送信手段と、を有する。
エッジノード、すなわち要求された放送を受信することができるノードは、中継要求を受信すると、中継要求とともに受信したノード情報に含まれる各ノードの位置情報を取得し、伝送路情報を生成する。伝送路情報とは、エッジノードからエンドノードへの経路に関する情報である。具体的には、放送を中継する各ノードが、「受信した放送を他ノードに転送すべきか否か」を判断するための情報である。伝送路情報は、例えば放送を中継するノードの識別子を列挙した情報であってもよいし、放送を中継するノードの識別子を順に列挙した情報であってもよい。また、ノードの位置を示す情報であってもよい。伝送路情報は、ノード情報に含まれる各ノードの位置情報に基づいて生成され、エッジノードからエンドノードへの経路に関するものであれば、どのような形式であってもよい。
エッジノードは、生成した伝送路情報を、受信した放送とともにリレーノードへ送信する。ここで言う放送とは、受信した放送波をエンドノードへ送信するために加工したものである。例えば、対象の放送がISDBやATSCなどのデジタル放送である場合、放送データであってもよいし、対象の放送がFMラジオなどのアナログ放送である場合、音声を符号化したデータであってもよく、変調波そのものを周波数変換したものであってもよい。
また、前記リレーノードは、自ノード周辺のホワイトスペース周波数を検出するセンシング手段と、前記エッジノードまたは他のリレーノードから、放送と、放送を伝送する経路に関する情報である伝送路情報を受信し、前記伝送路情報に従って、前記検出したホワ
イトスペース周波数を用いて他のリレーノードまたはエンドノードに前記放送および前記伝送路情報を転送する下りリレー手段を有している。
リレーノードは、放送とともに送信される伝送路情報に従って当該放送を中継する機能を有している。例えば、伝送路情報が、中継するノードを列挙した情報であった場合、リレーノードは、伝送路情報に自ノードが指定されている場合に放送の中継を行い、指定されていない場合は中継を行わないようにすることができる。また、伝送路情報が、ノードの位置を示す情報であった場合、自ノードから見たエッジノードの方角と、自ノードから見たエンドノードの方角との差が所定値以上である場合にのみ放送の中継を行い、それ以外の場合は中継を行わないといった動作をしてもよい。伝送路情報は、前述したように、リレーノードが放送を中継するか否かを判断することができればどのように定義されてもよい。
また、リレーノードは、放送および伝送路情報を中継する際に、自ノード周辺のホワイトスペースを検出し、当該ホワイトスペースを用いてデータを送受信する。ホワイトスペースを利用することにより、多くの通信帯域を必要とする放送の伝送を行うことができる。もし、放送を送信する送信局が機能を停止した状態であれば、本来放送に用いられる周波数領域が空いているため、これをホワイトスペースとして利用することができる。
また、前記エンドノードは、前記リレーノードから前記中継要求に対応する放送を受信する放送受信手段を有する。これによりエンドノードは、リレーノードによって中継された放送を受信することができる。
以上のように構成することにより、本発明に係る放送中継システムは、目的の放送を送信している送信局の位置が特定できない状況下にあっても、放送を中継するための経路を確立することができる。
また、前記経路生成手段は、前記ノード情報に含まれる各ノードの位置情報に基づいて、前記放送の中継に用いるノードを決定し、当該ノードを特定する情報を前記伝送路情報に含ませ、前記下りリレー手段は、前記伝送路情報に自ノードが含まれる場合に、前記放送を送信することを特徴としてもよい。
放送を中継するための伝送路情報は、中継するノードを指定する情報であってもよい。指定されたノードのみが送信動作を行うことで、放送を中継する経路が一つに定まり、伝送路における総通信量を削減することができる。
また、前記上りリレー手段は、前記センシング手段が検出したホワイトスペース周波数を、自ノードを識別する情報と関連付けて前記ノード情報に含ませ、前記経路生成手段は、前記ノード情報に含まれる、ノードごとのホワイトスペース周波数をさらに用いて、放送の中継に用いるノードを決定することを特徴としてもよい。
センシング手段が検出したホワイトスペース周波数をノード情報に含ませることで、経路生成手段は、各ノードが利用できる周波数を把握することができる。周波数によって通信特性が異なるため、経路生成手段は、放送の中継により適した経路を選択することができる。
また、前記上りリレー手段は、前記センシング手段が検出したホワイトスペース周波数を、自ノードを識別する情報と関連付けて前記ノード情報に含ませ、前記経路生成手段は、前記ノード情報に含まれる前記ホワイトスペース周波数を、各リレーノードを識別する情報と関連付けて前記伝送路情報に含ませ、前記下りリレー手段は、前記伝送路情報に自ノードが含まれる場合に、前記伝送路情報に含まれる自ノードのホワイトスペース周波数
を用いて放送を送信することを特徴としてもよい。
ホワイトスペースを利用して通信を行おうとした場合、センシングによって得られた空き周波数が必ずしも利用できるとは限らない。当該周波数が、通信先のノードにおいても利用可能であるとは限らないためである。すなわち、ホワイトスペースを利用して通信を行う場合、利用可能な周波数をノード同士が共有する仕組みが必要になる。利用可能な周波数は、例えば制御チャネル等を用いて通知することができる。換言すると、このような仕組みが無い場合、ホワイトスペースを利用して通信を行うことができない。
この問題を解決するため、ノード情報に、各ノードが検出したホワイトスペース周波数を含ませるようにしてもよい。これにより、中継要求およびノード情報を受信したノードは、他のノードが使用できる周波数を知ることができるようになるため、周波数情報を交換する仕組みが無くても、ホワイトスペースを利用した放送の中継が可能になる。
また、前記エンドノードは、放送を送信する送信局の位置情報を記憶する送信局記憶手段をさらに有し、前記中継要求送信手段は、受信対象の放送を送信する送信局の位置情報を前記ノード情報に含ませ、前記上りリレー手段は、前記ノード情報に含まれる送信局の位置情報およびエンドノードの位置情報に基づいて、中継要求およびノード情報を送信するか否かを決定し、送信すると決定した場合に、前記中継要求および前記ノード情報を送信することを特徴としてもよい。
ノード情報に、対象の送信局の位置情報と、エンドノードの位置情報を含ませ、中継要求およびノード情報を受信したリレーノードは、自ノードが中継経路となりえる適切な位置にいる場合にのみ送信動作を行うようにしてもよい。自ノードが適切な位置にいるか否かは、エンドノード、自ノード、送信局の三者の位置関係から適宜決定することができる。例えば、自ノードから見たエンドノードの方角と、自ノードから見た送信局の方角との差が所定値以上である場合に、自ノードが適切な位置にいると判断してもよい。方角の差が小さい場合、当該ノードは、エンドノードと送信局とを結ぶ合理的な経路とはなり得ないと考えられるためである。このようにすることで、多数のノードが中継要求を送信することによって発生しうる伝送路の輻輳を回避することができる。
また、前記上りリレー手段は、専用周波数を用いて他のリレーノードまたはエンドノードに前記中継要求および前記ノード情報を送信してもよいし、前記センシング手段が検出したホワイトスペース周波数を用いて他のリレーノードまたはエンドノードに前記中継要求および前記ノード情報を送信してもよい。
このように、隣接するノード同士がホワイトスペース周波数の情報を共有できる場合は、検出した周波数を用いて通信を行い、情報を共有できない場合は専用周波数を用いて通信を行うようにしてもよい。
また、前記エッジノードまたはリレーノードは車両に搭載された端末であることを特徴としてもよい。車両をノードとして利用することで、車両が走行している地域であれば中継経路を確保することができるようになる。
なお、本発明は、上記手段の少なくとも一部を含む放送中継システムとして特定することができる。また、放送中継システムを構成する放送中継装置として特定することもできる。また、放送中継システム、放送中継装置が行う放送中継方法として特定することもできる。上記処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
本発明によれば、任意のエリアに放送を中継することができる放送中継システムおよび
装置を提供することができる。
本発明における放送中継の概念を説明する図である。 本発明における放送中継の方法をデータフローで説明する図である。 第一の実施形態における放送受信端末のシステム構成図である。 第一の実施形態における車載端末のシステム構成図である。 第一の実施形態における放送受信端末の処理フローチャート図である。 放送受信端末が利用者に提示する初期画面の例である。 第一の実施形態におけるノード情報の例である。 中継要求受信時における車載端末の処理フローチャート図である。 車載端末による中継要求の送信可否を判断する処理を説明する図である。 第一の実施形態におけるノード情報の第二の例である。 第一の実施形態における中継経路情報の例である。 経路確立応答受信時における車載端末の処理フローチャート図である。 放送受信端末が利用者に提示する中継開始画面の例である。 送信開始要求受信時における車載端末の処理フローチャート図である。 第三の実施形態におけるノード情報および中継経路情報の例である。 変形例における中継経路情報の例である。
(放送中継方法の概要)
実施形態の説明に入る前に、システムが放送を中継する方法について概要を説明する。図1は、本発明に係る放送中継システムを構成するノードの位置関係を説明する図である。
エンドノードは、最終的に放送を受信するノードであり、放送エリア外に位置する通信装置である。エンドノードは、放送の中継をリクエストする情報を生成し、リレーノードに送信する機能を有している。また、エンドノードは、中継された放送をリレーノードから受信する機能を有している。
リレーノードは、エンドノードとエッジノードとの通信を中継する複数のノードであり、放送エリア外に位置する通信装置である。リレーノードは、エンドノードから送信された中継リクエストを互いに送受信し、後述するエッジノードまで伝送する機能を有している。また、エッジノードから送信された放送を互いに送受信し、エンドノードまで伝送する機能を有している。図1においては、ノードA,B,C,D,Eがリレーノードである。
エッジノードは、放送エリア内に位置する通信装置である。エッジノードは、中継リクエストを受信すると、放送波を受信し、エンドノードへ送信するためのデータを生成する機能を有している。また、生成したデータをリレーノードへ送信する機能を有している。図1においては、ノードFがエッジノードである。
以上に説明した各ノードが送受信するデータには、ルーティングを行うための情報が含まれており、各リレーノードは当該情報に従ってデータの中継を行うことができる。
各ノードによって送受信されるデータについて、図2を参照して具体的に説明する。
まず、エンドノードが、放送の中継をリクエストする情報をリレーノードに送信する。当該情報が本発明における中継要求である。リレーノードは、互いに中継要求の送受信を繰り返し、当該中継要求を放送エリア内に位置するエッジノードまで伝送する。なお、図2では、複数のリレーノードがデータを送受信する模様は省略して記載している。
中継要求を受信したエッジノードは、エンドノードとの通信を行うために経由すべきリレーノードを特定し、経路が確立した旨を表す情報である経路確立応答を生成する。生成された経路確立応答は、リクエストされた放送を伝送するための経路を特定する情報を含んでいる。当該情報を、実施形態の説明では中継経路情報と称する。
エンドノードは、経路確立応答をリレーノードに送信し、経路確立応答を受信したリレーノードは、中継経路情報に従って経路確立応答を転送し、エンドノードへ伝送する。これにより、エンドノードは、どのリレーノードを経由すればエッジノードと通信することができるかを知ることができる。
次に、エンドノードは、放送の中継開始を要求する情報をリレーノードに送信する。当該情報を、実施形態の説明では送信開始要求と称する。送信開始要求にも前述した中継経路情報が含まれており、リレーノードは、同様に中継経路情報に従って送信開始要求を転送し、エッジノードへ伝送する。
送信開始要求を受信したエッジノードは、放送波を受信して、エンドノードへ送信するデータを生成する。当該データには、中継すべき放送が含まれている。実施形態の説明では、当該データを放送データと称する。放送データにも中継経路情報が含まれており、リレーノードは、同様に中継経路情報に従って放送データを転送し、エンドノードへ伝送する。
(第一の実施形態)
以上の機能を実現するための、第一の実施形態に係る放送中継システムについて説明する。第一の実施形態に係る放送中継システムは、エンドノードとして動作する放送受信端末100と、リレーノードおよびエッジノードとして動作する複数の車載端末200から構成される。
<システム構成>
図3は、第一の実施形態に係る放送受信端末100のシステム構成図であり、 図4は
、車載端末200のシステム構成図である。実施形態の説明においても、エンドノード、リレーノード、エッジノードという語を使用するが、情報の送受信を行う主体ではなく端末装置そのものを表す場合は、放送受信端末および車載端末という語を使用する。
放送受信端末100および車載端末200は、CPU、主記憶装置、補助記憶装置、および入出力装置によってそれぞれ構成することができる。補助記憶装置に記憶されたプログラムが主記憶装置にロードされ、CPUによって実行されることで、図1に図示した各手段が機能する。なお、放送受信端末100および車載端末200の全部または一部は、専用に設計された回路を用いて実行されてもよい。
各端末の説明を行う前に、ホワイトスペースについて説明する。
ホワイトスペースとは、特定のサービスのために割り当てられている周波数帯のうち、使用されていない周波数領域を指す。例えば、日本における地上波デジタル放送用の周波数帯は全部で240MHz程度あり、40個の物理チャネルが割り当てられているが、一つの地域で使用されているチャネルは最大12個程度であり、他のチャネルについては使用されていない。諸外国では、無免許機器のホワイトスペース使用が認可されており、日本においてもホワイトスペースを活用するための実証実験が進んでいる。本発明では、放送データの中継に、地上デジタル放送の周波数帯域(470MHz〜710MHz)を使用する。ホワイトスペースは、ある特定の地点で使用されていない周波数領域であるため、異なる地点に複数の端末がある場合、端末ごとにホワイトスペースは異なる。
まず、放送受信端末100の構成について説明する。
送信局情報記憶部101は、放送を送信する送信局(送信所)の位置情報を、緯度および経度によって記憶するデータベースである。また、位置情報取得部102は、装置に備えられたGPS装置(不図示)から自装置の現在位置情報(緯度および経度)を取得する手段である。
制御部103は、放送受信端末100全体の制御を司る手段である。具体的には、中継要求および送信開始要求を生成して送信する動作と、放送データを受信して処理する動作を制御する手段である。詳細な処理内容については後述する。
通信部104は、車載端末200と情報の送受信を行う手段である。専用周波数を用いて車載端末200と通信を行うことができるほか、ホワイトスペースを使用して通信を行うことができる。専用周波数とは、例えば車両間通信のために700MHz帯に割り当てられたITS(高度道路交通システム:Intelligent Transport Systems)バンド内の周
波数などである。本実施形態においては、当該専用周波数をITS周波数と称する。
ホワイトスペースを用いて通信を行うためには、通信を行う端末同士が、互いが使用できる共通の空き周波数を見つけ、当該周波数の情報を交換しなければならない。このため、通信部104は、近接する端末同士で、使用できる空き周波数の情報を制御チャネル経由で交換する機能を有している。
本実施形態では、空き周波数の情報を制御チャネル経由で交換しているが、空き周波数の情報の交換は、どのような方法で実現されてもよい。例えば、TVホワイトスペースを用いて通信を行うための標準規格が、IEEE802.22標準(“Cognitive Wireless
RAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specification: Policies and Procedures for Operation in the TV Bands”,NJ,IEEE,2011)として公開されている。当該規格には、位置情報とデータベースを用いて空きチャネルを互いに確認する機能が含まれているため、空き周波数情報の交換方法についての詳細な説明は省略する。
入出力部105は、放送を復号または復調して利用者に提示する手段であり、利用者からの入力を受け付けるための手段である。液晶ディスプレイ、キーボード、タッチパネル、スピーカなどによって構成される。
ホワイトスペース情報取得部106については、車載端末200が有するホワイトスペース情報取得部201と同一であるため、後でまとめて説明する。
次に、車載端末200の構成について説明する。
車載端末200は、本発明におけるリレーノードおよびエッジノードである。エンドノードによって要求された放送波を受信できる場合はエッジノードとして動作し、要求された放送波を受信できない場合はリレーノードとして動作する。
ホワイトスペース情報取得部201は、特定の周波数帯をセンシングし、使用されていない周波数帯(ホワイトスペース)を特定したうえで、使用できる周波数を判断する手段である。本実施形態では、前述した470MHz〜710MHzの帯域をセンシングし、通信に用いる周波数帯域を決定する。例えば、地上デジタル放送を、品質を落とさずに中継するためには、6MHz程度の連続したホワイトスペースが確保できればよい。実施形態の説明では、ホワイトスペースのうち、放送データの伝送に使用できると判断された周波数帯域を利用可能周波数と称する。ホワイトスペースと同様に、利用可能周波数も端末ごとに異なる。
制御部202は、車載端末200全体の制御を司る手段である。具体的には、中継要求、経路確立応答、送信開始要求および放送データの送受信と、放送データの生成と、中継
経路情報を生成する動作を制御する手段である。詳細な処理内容については後述する。
放送波取得部203は、放送波を受信して放送データを生成する手段である。対象の放送がデジタル放送である場合、受信したデータストリームをそのまま放送データとしてもよいし、任意のセグメントのみを受信して放送データとしてもよい。また、対象の放送がアナログ放送である場合、復調した信号を符号化して放送データとしてもよいし、放送波をそのまま周波数変換したものを放送データとしてもよい。
位置情報取得部204は、装置に備えられたGPS装置(不図示)から現在位置情報(緯度および経度)を取得する手段である。
通信部205は、車載端末200同士で情報を送受信する手段である。車載端末同士は、前述したITS周波数を用いて通信を行うことができるほか、ホワイトスペースを使用して通信を行うことができる。その通信方法は、前述した通信部104と同様である。
<中継経路の確立>
次に、放送データの中継を行う具体的な方法について説明する。放送受信端末100および車載端末200が行う処理は、図2に示したように、中継経路の確立フェーズと、放送データの中継フェーズに大きく分けることができる。まず、中継経路の確立方法について説明する。
本例では、図1に示した位置関係で車載端末が存在しているものとし、ノードA、ノードB、ノードFという順で中継要求が伝送されるものとする。以下の説明においては、放送受信端末100がエンドノード、ノードA,B,C,D,Eに位置する車載端末200がリレーノード、ノードFに位置する車載端末200がエッジノードとなる。
中継経路の確立フェーズでは、エンドノードが中継要求を送信し、リレーノードが当該中継要求を転送してエッジノードまで伝送する。中継要求には、経由したノードの位置情報を含む情報(本発明におけるノード情報)が含まれる。そして、エッジノードは、当該情報を参照して放送データの中継経路を決定し、エンドノードへ通知する。これにより、全てのノードが放送データの中継経路を得ることができる。また、放送データの中継フェーズでは、決定した経路に従って各ノードが放送データを中継する。
中継経路の確立方法について具体的に説明する。図5は、中継要求を送信する際に放送受信端末が行う処理のフローチャートである。利用者が、放送受信端末の入出力部105を通して、放送を受信する操作を行うことによって図5のフローチャートが開始される。
まず、ステップS11で、入出力部105が、送信局情報記憶部101に記憶されている送信局の一覧を利用者に提示し、利用者が、受信を希望する送信局およびチャネルを選択する。図6は、入出力部105を通して利用者に提示される画面の例である。本ステップを実行することによって、受信対象となる送信局の位置情報およびチャネルが特定される。
次に、ステップS12で、位置情報取得部102が、自端末の現在位置(緯度・経度)を取得する。
ステップS13では、ホワイトスペース情報取得部106が、対象の周波数帯域をセンシングし、検出したホワイトスペース周波数の中から、通信に用いることができる周波数帯、すなわち利用可能周波数を決定する。利用可能周波数は複数決定されてもよい。検出した利用可能周波数は、制御チャネルを経由して周囲のノードに送信され、共有される。
ステップS14では、制御部103が中継要求を生成する。中継要求とは、車載端末200に対して、放送データを中継する経路を確立することを要求する情報であり、経路を生成するための情報であるノード情報を含んでいる。図7は、生成されるノード情報の例
である。ノード情報は、ノードの識別子およびノードの位置情報からなる。中継要求が生成された時点では、ノード情報には、エンドノードおよび対象送信局の二つのレコードが記録されている。
ステップS15では、通信部104が、制御部103によって生成された中継要求を、ITS周波数を用いてブロードキャスト送信する。
次に、リレーノードおよびエッジノードが行う処理のフローチャートである図8を参照しながら、中継要求をエッジノードまで転送する方法について説明する。本例では、ノードAに位置する(すなわちリレーノードである)車載端末200を対象として説明を行う。
車載端末200は、ITS周波数を常にモニタしており、送信された中継要求を受信すると、図8に示した処理を開始する。
まず、ステップS21で、位置情報取得部204が自端末の位置情報(緯度・経度)を取得する。中継要求に含まれるノード情報には、放送受信端末および送信局の位置情報が記録されているため、車載端末200は、放送受信端末、送信局、自端末の三つの位置情報を得ることができる。
次に、ステップS22で、ノード情報に含まれる対象送信局の識別子を取得し、放送波取得部203を通して、当該送信局から送信された放送波の受信を試みる。ここで、放送波が受信できた場合は、車載端末200はエッジノードとして動作し、放送波が受信できない場合は、リレーノードとして動作する。ノードAに位置する車載端末は、指定された放送波が受信できないため、処理はステップS23へ遷移する。
ステップS23では、受信した中継要求を他の車載端末へ転送するか否かを制御部202が決定する。例えば、自端末が、図1におけるノードEの位置にいる場合など、データを中継するノードとして適当ではない場所にいる場合、受信した中継要求は転送せずに破棄することが望ましい。エンドノードと送信局の間でデータを中継するノードとして適当ではない端末が中継要求を送信すると、伝送路の容量を無駄に消費してしまうためである。このように、リレーノードである自端末が、中継要求を中継するノード(以下、中継ノード)として妥当か否かを判定する処理がステップS23の処理である。
本実施形態では、自端末から見たエンドノードの方角と、自端末から見た送信局の方角との差異が所定の値以上である場合に、自ノードが中継ノードとして妥当であると判断する。例えば、所定の値を90度とした場合、図9に示したように、ノードEにおけるθ1
が90度以下となるため、ノードEに位置する車載端末は中継ノードとして妥当ではないと判定することができる。それ以外に位置する車載端末は、いずれも方角の差異が鈍角となるため、中継ノードとして妥当であると判定することができる。中継ノードとして妥当ではないと判定された場合は、図8の処理を終了する。
本例では、自端末がノードAに位置するため、中継ノードとして妥当であると判定される。中継ノードとして妥当であると判定された場合は、処理はステップS24へ遷移する。
ステップS24では、ホワイトスペース情報取得部201が、ステップS13と同様に対象の周波数帯域をセンシングし、利用可能周波数を決定する。利用可能周波数は、前述したように制御チャネルによって周囲のノードに送信され、共有される。なお、ホワイトスペースのセンシングは、本フローチャートとは独立して実行されてもよい。例えば、定期的に実行され、所定の周期で周囲のノードに利用可能周波数を通知してもよい。また、センシングおよび周波数の通知が定期的に実行されている場合は、ステップS24を省略してもよい。
ステップS25では、制御部202が、受信した中継要求に含まれるノード情報に、ステップS22で取得した自端末の識別子および位置情報を追加する。例えば、ノードAに位置する車載端末がNodeAという識別子を持っていた場合、ノード情報は図10(a)のようになる。
ステップS26では、通信部205が、ステップS25で更新されたノード情報を含む中継要求をブロードキャスト送信する。送信には受信時と同じ周波数、すなわちITS周波数を用いる。
以上の処理を複数の車載端末が繰り返すことによって、中継要求が順次転送される。中継要求の転送は、中継ノードとして妥当な位置にある車載端末のみが行うため、放送を受信できるエッジノードまで中継要求を伝送することができる。ノードBに位置する車載端末の動作については、前述した動作と同様であるため、説明は省略し、ノードFに位置する車載端末(すなわちエッジノード)が中継要求を受信した時点から説明を再開する。エッジノードが受信する中継要求に含まれるノード情報は、図10(b)のようになる。
ノードFに位置する車載端末は、対象送信局の放送エリア内に存在するため、ステップS22にて、放送波を受信可能であるとの判定がなされる。
対象の放送波を受信可能である場合、処理はステップS27へ遷移し、経路確立応答の生成が行われる。経路確立応答とは、放送データを中継する経路が確定したことを示す情報であり、放送データの中継を行うリレーノードを特定する情報である中継経路情報を含んでいる。
中継経路情報とは、コンピュータネットワークにおけるルーティングテーブルに相当する情報であるが、個々のノードが記憶するものではなく、データに添付して送信されるという点で相違する。中継経路情報が、本発明における伝送路情報である。
ステップS27の処理を詳しく説明する。エッジノードが受信したノード情報には、経由したノードの位置情報が格納されているため、エッジノードは、当該位置情報を用いて、放送データを転送するためのリレーノードを特定することができる。具体的には、エッジノードから最も近いノードを抽出し、転送順序を逆に辿ることでエンドノードまでの経路を特定する。
そして、制御部202は、特定したノードの情報を用いて中継経路情報を生成する。図10(b)の情報を用いた場合、中継経路情報は図11のようになる。なお本例では、ノードA、ノードB、ノードFという経路で中継要求が届いているが、中継要求が複数の経路で届いた場合、各ノードの位置情報に基づいて、より適切な経路を選択することが好ましい。例えば、最も伝送距離が短い経路を選択してもよい。
ステップS28では、ホワイトスペース情報取得部201が、ステップS24と同様に対象の周波数帯域をセンシングし、利用可能周波数を検出する。検出した利用可能周波数は、制御チャネルを通して周囲のノードに通知され、共有される。これにより、隣接するノードとの間で通信に用いる周波数を決定することができる。そして、ステップS29で、中継経路情報に示された転送順序に従って、生成した中継経路情報を、ノードBに位置する車載装置へ送信する。送信に用いる周波数は、前記決定した周波数である。なお、ステップS28の処理も、ステップS24と同様に、独立して行われてもよい。
次に、エッジノードによって送信された経路確立応答を、リレーノードが中継し、エンドノードまで伝送する方法について説明する。図12は、リレーノードが経路確立応答を受信した際の処理フローチャートである。リレーノードは、ステップS24で検出した複数の利用可能周波数をモニタしており、通信部104が経路確立応答を受信すると図12のフローチャートが開始される。
ステップS31では、制御部202が、受信した経路確立応答に含まれる中継経路情報を参照し、受信した経路確立応答を他のノードへ転送するか否かを決定する。中継経路情報に自ノードが指定されていた場合、ステップS32へ遷移し、経路確立応答を次のノードへ送信する。送信に利用する周波数は、ステップS29と同様に、次のノードとの間で共有されている利用可能周波数である。中継経路情報に自ノードが指定されていない経路確立応答を受信した場合は、処理を終了させる。
以上の処理を繰り返すことによって、経路確立応答をエンドノードに伝送することができる。なお、エンドノードが、ステップS15の処理を行ってから一定の時間以上経路確立応答を受信することができない場合は、経路を確立することができない旨を利用者に通知し、動作を終了してもよいし、間隔を開けてステップS11からの処理を再試行してもよい。
<放送データの中継>
エンドノードは、経路確立応答を受信すると、エッジノードまでの経路が確定した旨を利用者に通知する(図13)。ここで、利用者が受信開始を選択すると、送信開始要求がエッジノードへ送信される。送信開始要求とは、中継を要求するチャネルの情報と、中継経路情報からなり、指定した中継経路情報によって指定した放送(チャネル)の中継開始をリクエストする情報である。中継経路情報は、経路確立応答に含まれていたものと同一である。
次に、エンドノードによって送信された送信開始要求を、リレーノードが中継し、エッジノードまで伝送する方法について説明する。図14は、車載端末200が送信開始要求を受信した際の処理フローチャートである。送信開始要求は、ITS周波数にて送受信を行う。通信部205が、ITS周波数で送信開始要求を受信すると図14のフローチャートが開始される。
ステップS41では、制御部202が、中継経路情報を参照して自ノードがエッジノードであるか否かを判定する。自ノードがエッジノードでない場合、ステップS42へ遷移する。ステップS42の処理は、ステップS31と同等である(ただし、ノード間の送信順序は逆方向である)。すなわち、中継経路情報に自ノードが指定されていた場合、ステップS43へ遷移し、送信開始要求を次のノードへ送信する。
自ノードがエッジノードであった場合、ステップS44へ遷移する。ステップS44では、放送波取得部203が、送信開始要求に含まれる指定チャネルを受信し、放送データを生成する。生成された放送データは、ステップS29と同様の方法で送信される。
なお、放送データの伝送方法については、経路確立応答の伝送方法と同様であるため説明を省略する。放送データを受信した放送受信端末100は、入出力部105によって放送データを復号または復調して利用者に提示する。
第一の実施形態に係る放送中継システムでは、放送エリア外にある放送受信端末と、放送エリア内にある車載端末が、中間に点在する車載端末を介して双方向通信を行うことができる。車載端末同士が通信を行うことができれば、放送データを中継することができるため、従来の固定された中継装置では中継することができない場所にも放送データを届けることができる。例えば、トンネルや橋梁を走行している車両がリレーノードとなることで、放送データを山間部に届けることや、海峡をはさんだ対岸に届けることも可能である。
また、ネットワークにおいて、特定のノードへのルートを探索する手法のひとつに、ブロードキャストを繰り返すことによって情報を伝送する方法があるが、本発明では、位置情報を利用して、送信を行うノードを限定することにより、無駄な通信を行うことなく効果的にルートを探索することができる。また、テレビ放送におけるホワイトスペースを放送の中継に用いることで、大容量のデータを伝送することができる。ITS用に割り当てられた周波数帯域は大容量の通信が想定されていないため、放送データを伝送することが困難であるが、本発明ではこの問題を解決することができる。
(第二の実施形態)
第二の実施形態は、エンドノードとなる放送受信端末が、送信局の位置情報を有していない形態である。第二の実施形態に係る放送受信端末100は、送信局情報記憶部101を有していないという点を除き、第一の実施形態と同様である。また、以下に説明するステップ以外の処理についても、第一の実施形態と同様である。
第二の実施形態においては、ステップS23をスキップ、すなわち受信した中継要求を他の車載端末へ転送するか否かの判断を行わずに、ステップS24へ遷移する。中継要求がエッジノードまで伝送された後の処理は第一の実施形態と同様である。
第二の実施形態によると、中継要求の伝送において位置情報を用いないため、エンドノードが送信局の位置情報を記憶しておく必要がないという利点がある。また、第一の実施形態では、経路が遠回りになる場合はステップS23で処理が中断されてしまうため通信が疎通しないことがあるが、本実施形態では経路を確立することができる。
なお、第二の実施形態では、中継要求を受信した全てのノードがブロードキャストを行うため、適切な制御を行わないと伝送路が輻輳する可能性がある。これを防止するため、たとえば、ホップ数の上限を設定し、超過した場合は送信を停止する、あるいは初回送信時から一定の時間が経過したら送信を停止するなどの制御を行ってもよい。輻輳の回避には、既知の技術を用いることができる。
(第三の実施形態)
第一および第二の実施形態では、各ノードが検出した利用可能周波数を、制御チャネルを通してノード同士で交換し、通信に用いる周波数を決定した。しかし、周波数情報をノード間で交換する仕組みが利用できない場合、ホワイトスペースを用いた通信を行うことができない。第三の実施形態は、これに対応するため、ノードが検出した利用可能周波数の情報をデータと共に伝送する形態である。
図15は、ノード情報および中継経路情報の例である。ステップS13およびS25で、エンドノードおよびリレーノードは、検出した利用可能周波数をノード情報に追加して送信する。また、エッジノードは、ノード情報に含まれる利用可能周波数を用いて中継経路情報を生成する。
図15の例によると、NodeF(以下、ノードを識別子で記載する)が周波数fを利用可能であった場合、ステップS32で、NodeFとNodeBは周波数fを用いて通信を行い、NodeAとNodeBは周波数fを用いて通信を行う。また、NodeAとEndNodeは周波数fを用いて通信を行う。放送データの送信時についても同様である。
このように、第三の実施形態では、各ノードが、他ノードの利用可能周波数を知ることができるため、利用可能周波数を他の手段によって交換しなくても、ホワイトスペースによる通信を行うことができるようになる。
また、エッジノードが中継経路情報を生成する際は、ノード情報に含まれる、各ノードの利用可能周波数を利用してもよい。例えば、ノード間の距離が短い場合は高い周波数を選択し、ノード間の距離が長い場合は低い周波数を選択するようにしてもよい。通信の特性は周波数によって異なるため、エッジノードは放送の中継により適した中継経路を選択することができる。
(変形例)
なお、各実施形態の説明は本発明を説明する上での例示であり、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更または組み合わせて実施することができる。例えば、実施形態の説明ではITS周波数を利用して中継要求および送信開始要求を送信したが、利用可能周波数が各ノード間で共有されていれば、要求の送信にホワイトスペースを利用しても構わない。
また、中継経路情報は、エッジノードとエンドノード間の経路を決定することができれば、例示したものに限られない。例えば、図16(例1)のように、順序を表さずに、中継に用いるノードのみを表したものであってもよいし、図16(例2)のように、ノードの位置情報のみを表したものであってもよい。例2の形式を用いる場合、リレーノードは、自端末の通信範囲の中で、エンドノードにより近いノードに対してデータを送信するようにしてもよい。
また、各実施形態の説明では、エッジノードが中継要求に対して経路確立応答を送信し、エンドノードが経路確立応答を受信した後に送信開始要求を送信したが、エッジノードは、中継要求に対する応答を送信することなく、生成した中継経路情報を用いてすぐに放送データの送信を開始してもよい。また、図13に示したような画面を提示することなく、自動で送信開始要求を送信するようにしてもよい。
各実施形態では、エッジノードおよびリレーノードとして、車両に搭載された車載端末を使用している。車両をノードとして用いる方法には、中継のルートを柔軟に構成できるという利点がある反面、車両が移動することによって通信が途絶する可能性をはらんでいる。これに対応するため、エンドノードは、放送データを受信しながら定期的に経路の再構成を要求する情報を生成し、エッジノードに送信してもよい。例えば、より短い経路や、より通信品質の高い経路が見つかった場合は、自動的に経路を切り替えることで、途切れることなく放送を受信することができる。もちろん、放送データが途絶するたびに中継要求を自動で送信するようにしてもよい。
また、各実施形態では、車載端末がリレーノードおよびエッジノードとなったが、ノードは固定された装置であってもよい。例えば、一定の間隔で電柱などの固定物に設置された通信端末などであってもよい。このようにしても、各実施形態と同様に任意の場所に放送波を中継することができる。また、一台で広範囲をカバーする従来の中継装置のように、見通しのよい場所に設置する必要がないため、設置コストが低く抑えられるという利点がある。
100 放送受信端末
101 送信局情報記憶部
102,204 位置情報取得部
103,202 制御部
104,205 通信部
105 入出力部
106,201 ホワイトスペース情報取得部
200 車載端末
203 放送波取得部

Claims (10)

  1. 放送エリア内に位置し、受信した放送をリレーノードに中継するエッジノードと、中継された放送を他のリレーノードまたはエンドノードに中継するリレーノードと、放送エリア外に位置し、中継された放送を受信するエンドノードからなる放送中継システムであって、
    前記エンドノードが、
    自ノードの現在位置情報を取得する第一の位置情報取得手段と、
    放送の中継を要求する情報である中継要求と、前記第一の位置情報取得手段が取得した自ノードの現在位置情報を含むノード情報を生成し、前記中継要求と前記ノード情報を、前記リレーノードに送信する中継要求送信手段と、
    前記リレーノードから前記中継要求に対応する放送を受信する放送受信手段と、を有し、
    前記リレーノードが、
    自ノードの現在位置情報を取得する第二の位置情報取得手段と、
    自ノード周辺のホワイトスペース周波数を検出するセンシング手段と、
    前記エンドノードまたは他のリレーノードから前記中継要求および前記ノード情報を受信し、前記第二の位置情報取得手段が取得した現在位置情報を含む自ノードの情報を前記ノード情報に含ませ、また、前記センシング手段が検出したホワイトスペース周波数を、自ノードを識別する情報と関連付けて前記ノード情報に含ませ、前記中継要求および前記ノード情報を前記エッジノードまたはリレーノードにブロードキャスト送信する上りリレー手段と、
    前記エッジノードまたは他のリレーノードから、放送と、放送を伝送する経路に関する情報である伝送路情報を受信し、前記伝送路情報に従って、前記検出したホワイトスペース周波数を用いて前記リレーノードまたはエンドノードに前記放送および前記伝送路情報を送信する下りリレー手段と、を有し、
    前記エッジノードが、
    放送波を受信する放送波受信手段と、
    前記リレーノードから前記中継要求および前記ノード情報を受信する中継要求受信手段と、
    前記中継要求を受信した場合に、前記ノード情報に含まれる、各ノードの位置情報およびノードごとのホワイトスペース周波数に基づいて伝送路情報を生成する経路生成手段と

    前記受信した放送と、前記生成した伝送路情報を前記リレーノードへ送信する放送送信手段と、
    を有する、放送中継システム。
  2. 前記経路生成手段は、前記ノード情報に含まれる各ノードの位置情報およびノードごとのホワイトスペース周波数に基づいて、前記放送の中継に用いるノードを決定し、当該ノードを特定する情報を前記伝送路情報に含ませ、
    前記下りリレー手段は、前記伝送路情報に自ノードが含まれる場合に、前記放送を送信する、
    請求項1に記載の放送中継システム。
  3. 記経路生成手段は、前記ノード情報に含まれる前記ホワイトスペース周波数を、各リレーノードを識別する情報と関連付けて前記伝送路情報に含ませ、
    前記下りリレー手段は、前記伝送路情報に自ノードが含まれる場合に、前記伝送路情報に含まれる自ノードのホワイトスペース周波数を用いて放送を送信する、
    請求項2に記載の放送中継システム。
  4. 前記エンドノードは、放送を送信する送信局の位置情報を記憶する送信局記憶手段をさらに有し、
    前記中継要求送信手段は、受信対象の放送を送信する送信局の位置情報を前記ノード情報に含ませ、
    前記上りリレー手段は、前記ノード情報に含まれる送信局の位置情報およびエンドノードの位置情報に基づいて、中継要求およびノード情報を送信するか否かを決定し、送信すると決定した場合に、前記中継要求および前記ノード情報を送信する、
    請求項1から3のいずれかに記載の放送中継システム。
  5. 前記上りリレー手段は、専用周波数を用いて、他のリレーノードまたはエンドノードに前記中継要求および前記ノード情報を送信する、
    請求項1から4のいずれかに記載の放送中継システム。
  6. 前記上りリレー手段は、前記センシング手段が検出したホワイトスペース周波数を用いて、他のリレーノードまたはエンドノードに前記中継要求および前記ノード情報を送信する、
    請求項1から4のいずれかに記載の放送中継システム。
  7. 前記エッジノードまたはリレーノードは車両に搭載された端末である、
    請求項1から6のいずれかに記載の放送中継システム。
  8. 放送の中継を要求する情報である中継要求と、前記中継要求を送信した装置の現在位置情報が含まれるノード情報を転送し、放送と、放送を伝送する経路に関する情報である伝送路情報を転送する放送中継装置であって、
    放送波を受信する放送波受信手段と、
    現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
    自装置周辺のホワイトスペース周波数を検出するセンシング手段と、
    前記中継要求および前記ノード情報を受信する中継要求取得手段と、
    要求された放送が受信できない場合に、前記受信したノード情報に、前記現在位置情報取得手段が取得した現在位置情報を含む自装置の情報を含ませ、また、前記センシング手段が検出したホワイトスペース周波数を、自装置を識別する情報と関連付けて前記ノード情報に含ませ、中継要求とともに他の放送中継装置にブロードキャスト送信する中継要求
    リレー手段と、
    要求された放送が受信できる場合に、前記受信したノード情報に含まれる、他の放送中継装置の位置情報および放送中継装置ごとのホワイトスペース周波数に基づいて伝送路情報を生成し、受信した放送と、前記生成した伝送路情報を他の放送中継装置へ送信する放送供給手段と、
    他の放送中継装置から放送および伝送路情報を受信した場合に、前記受信した伝送路情報に従って、検出したホワイトスペース周波数を用いて他の放送中継装置に前記放送および前記伝送路情報を送信する放送リレー手段と、
    を有する、放送中継装置。
  9. 放送エリア内に位置し、受信した放送をリレーノードに中継するエッジノードと、中継された放送を他のリレーノードまたはエンドノードに中継するリレーノードと、放送エリア外に位置し、中継された放送を受信するエンドノードと、が行う放送中継方法であって、
    前記エンドノードが、自ノードの現在位置情報を取得し、放送の中継を要求する情報である中継要求と、前記取得した自ノードの現在位置情報を含むノード情報を生成し、前記中継要求と前記ノード情報を、前記リレーノードに送信するステップと、
    前記エンドノードが、前記リレーノードから前記中継要求に対応する放送を受信するステップと、
    前記リレーノードが、自ノードの現在位置情報を取得するステップと、
    前記リレーノードが、自ノード周辺のホワイトスペース周波数を検出するステップと、
    前記リレーノードが、前記エンドノードまたはリレーノードから前記中継要求および前記ノード情報を受信し、前記取得した自ノードの現在位置情報を含む自ノードの情報を前記ノード情報に含ませ、また、検出した前記ホワイトスペース周波数を、自ノードを識別する情報と関連付けて前記ノード情報に含ませ、前記中継要求および前記ノード情報を前記エッジノードまたはリレーノードにブロードキャスト送信するステップと、
    前記リレーノードが、前記エッジノードまたはリレーノードから、放送と、放送を伝送する経路に関する情報である伝送路情報を受信し、前記伝送路情報に従って、前記検出したホワイトスペース周波数を用いて前記リレーノードまたはエンドノードに前記放送および前記伝送路情報を送信するステップと、
    前記エッジノードが、放送波を受信するステップと、
    前記エッジノードが、前記リレーノードから前記中継要求および前記ノード情報を受信するステップと、
    前記エッジノードが、前記中継要求を受信した場合に、前記ノード情報に含まれる各ノードの位置情報およびノードごとのホワイトスペース周波数に基づいて伝送路情報を生成するステップと、
    前記エッジノードが、前記受信した放送と、前記生成した伝送路情報を前記リレーノードへ送信するステップと、
    を含む、放送中継方法。
  10. 放送の中継を要求する情報である中継要求と、前記中継要求を送信した装置の現在位置情報が含まれるノード情報を転送し、放送と、放送を伝送する経路に関する情報である伝送路情報を転送する放送中継装置が行う放送中継方法であって、
    放送波を受信するステップと、
    現在位置情報を取得するステップと、
    自装置周辺のホワイトスペース周波数を検出するステップと、
    前記中継要求および前記ノード情報を受信するステップと、
    要求された放送が受信できない場合に、前記受信したノード情報に、前記取得した現在位置情報を含む自装置の情報を含ませ、また、前記検出したホワイトスペース周波数を、自装置を識別する情報と関連付けて前記ノード情報に含ませ、中継要求とともに他の放送
    中継装置にブロードキャスト送信するステップと、
    要求された放送が受信できる場合に、前記受信したノード情報に含まれる他の放送中継装置の位置情報および放送中継装置ごとのホワイトスペース周波数に基づいて伝送路情報を生成し、受信した放送と、前記生成した伝送路情報を他の放送中継装置へ送信するステップと、
    他の放送中継装置から放送および伝送路情報を受信した場合に、前記受信した伝送路情報に従って、検出したホワイトスペース周波数を用いて他の放送中継装置に前記放送および前記伝送路情報を送信するステップと、
    を含む、放送中継方法。
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