JP5814247B2 - 1−デソキシ−2−メチレン−19−ノル−ビタミンd類似体及びそれらの使用 - Google Patents

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Description

本発明は、ビタミンD化合物及びとりわけ1−デソキシ−2−メチレン−19−ノル−ビタミンD類似体及びそれらの医薬的使用及び特に(20S)−25−ヒドロキシ−1−デソキシ−2−メチレン−19−ノルビタミンD、その生物学的活性及びその医薬的使用に関する。
天然ホルモン、一連のエルゴステロールにおける1α,25−ジヒドロキシビタミンD及びその類似体、即ち1α,25−ジヒドロキシビタミンDは、動物及びヒトにおいてカルシウムホメオスタシスの非常に強力な制御因子であることが知られており、細胞分化におけるそれらの活性も立証されている(Ostremら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,2610(1987))。1α−ヒドロキシビタミンD、1α−ヒドロキシビタミンD、側鎖が一致する様々なビタミン及びフッ素化類似体を含め、これらの代謝産物の多くの構造類似体が調製され、試験されてきた。これらの化合物のうち一部は、興味深いことに、細胞分化及びカルシウム制御における活性を一緒に持たない。この活性の相違は、腎性骨ジストロフィー、ビタミンD−抵抗性くる病、骨粗しょう症、乾癬及びある種の悪性腫瘍などの様々な疾患の治療において有用であり得る。
別のクラスのビタミンD類似体、即ちいわゆる19−ノル−ビタミンD化合物は、2個の水素原子による、ビタミンD系の典型であるA環環外メチレン基(炭素19)の置換を特徴とする。このような19−ノル−類似体(例えば1α,25−ジヒドロキシ−19−ノル−ビタミンD)の生物学的試験から、細胞分化誘導能が高く、カルシウム動員活性が非常に低いという、選択的活性プロファイルが明らかになった。従って、これらの化合物は、悪性腫瘍の治療又は様々な皮膚疾患の治療のための治療剤として有用である可能性がある。このような19−ノル−ビタミンD類似体の2種類の異なる合成法が記載されている(Perlmanら、Tetrahedron Lett.31,1823(1990);Perlmanら、Tetrahedron Lett.32,7663(1991)及びDeLucaら、米国特許第5,086,191号)。
米国特許第4,666,634号において、1α,25−ジヒドロキシビタミンDの2β−ヒドロキシ及びアルコキシ(例えばED−71)類似体が記載されており、これは、骨粗しょう症に対する候補薬物として及び抗腫瘍剤として中外グループによって試験されている。Okanoら、Biochem.Biophys.Res.Commun.163,1444(1989)も参照のこと。1α,25−ジヒドロキシビタミンDの他の(ヒドロキシアルキル基による、例えばED−120、及びフルオロアルキル基による)2−置換A−環類似体も調製され、試験された(Miyamotoら、Chem.Pharm.Bull.41,1111(1993);Nishiiら、Osteoporosis Int.Suppl.1,190(1993);Posnerら、J.Org.Chem.59,7855(1994)及びJ.Org.Chem.60,4617(1995))。
1α,25−ジヒドロキシ−19−ノル−ビタミンDの2位−置換類似体、即ち、ヒドロキシ又はアルコキシ基で(DeLucaら、米国特許第5,536,713号)、2−アルキル基で(DeLucaら、米国特許第5,945,410号)及び2−アルキリデン基で(DeLucaら、米国特許第5,843,928号)2位が置換された化合物も合成されており、これらは、興味深く選択的な活性プロファイルを示す。これらの全ての試験から、ビタミンD受容体における結合部位は、合成ビタミンD類似体のC−2において様々な置換基に適応し得ることが示唆される。
19−ノルクラスの薬理学的に重要なビタミンD化合物を探索するための努力を継続する過程で、炭素2(C−2)のメチレン置換基、炭素1(C−l)のヒドロキシル基及び炭素20(C−20)に結合する短縮型側鎖の存在を特徴とする類似体も合成され、試験された。1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−プレグナカルシフェロールは米国特許第6,566,352号に記載されており、一方で1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−ホモプレグナカルシフェロールは米国特許第6,579,861号に記載されており、1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−ビスホモプレグナカルシフェロールは米国特許第6,627,622号に記載されている。これらの3種類の化合物は全て、ビタミンD受容体に対して結合活性が比較的高く、細胞分化活性が比較的高いが、1α,25−ジヒドロキシビタミンDと比較した場合、血漿カルシウム上昇活性は、有しているとしても非常に低い。’352、’861及び’622特許で示されるように、それらの生物学的活性により、これらの化合物は様々な医薬的使用に対する優れた候補となる。
炭素10(C−10)から炭素2(C−2)へのA環環外メチレン基の転移を特徴とする天然ホルモン1α,25−ジヒドロキシビタミンDの類似体(例えば1α,25−ジヒドロキシ−2−メチレン−19−ノルビタミンD類似体)が合成され、試験された[Sicinskiら、J.Med.Chem.,41,4662(1998);Sicinskiら、Steroids 67,247(2002);及びDeLucaら、米国特許第5,843,928号;同第5,936,133号及び同第6,382,071号)参照]。これらの類似体で行われた分子力学研究から、A環立体構造の変化によりシクロヘキサンジオール環の偏平化が起こり得ることが予測される。分子力学的計算及びNMR研究からも、A環立体構造的平衡が、およそ6:4となることが予測され、赤道部1α−OHを有する配座異性体が支持される。19−ノル−ビタミンD炭素骨格に2−メチレン基を導入することにより、その1α−及び3β−A環ヒドロキシルの特徴が変化することがさらに予測された。これらは両者とも、天然ホルモンの分子の1α−ヒドロキシル基と同様にアリル位にある[即ち1,25−(OH)]。1α,25−ジヒドロキシ−2−メチレン−19−ノルビタミンD類似体は、顕著な生物学的効果を特徴とすることが分かった。さらに、「非天然」(20S)−立体構造が存在する場合、このような類似体の生物学的効果が大幅に促進され得る。これらの知見を考慮し、本発明は、炭素10(C−10)から炭素2(C−2)へのA環環外メチレン基の転移を特徴とするビタミンD化合物(例えば2−メチレン−19−ノルビタミンD類似体)を標的とする。これらの類似体は、生物学的活性に重要である1α−OHを欠くにもかからわず、生物においてこのようなヒドロキシル基を酵素により導入できる可能性がある。
本発明は、1−デソキシ−2−メチレン−19−ノル−ビタミンD類似体及びそれらの医薬的使用及びより具体的には(20S)−25−ヒドロキシ−1−デソキシ−2−メチレン−19−ノルビタミンD、その生物学的活性及び本化合物に対する様々な医薬的使用に関する。
構造的にこれらの1−デソキシ−2−メチレン−19−ノル−ビタミンD類似体は、以下で示される一般式を特徴とする:
Figure 0005814247
(式中、Xは、水素及びヒドロキシ−保護基からなる群から選択され、基Rは、ビタミンD型化合物として知られる典型的側鎖の何れかを表す。従って、Rは、アルキル、水素、ヒドロキシアルキル又はフルオロアルキル基であってもよいし、又はRは式:
Figure 0005814247

の側鎖を表してもよく、該式中、上記側鎖構造中のZは、Y、−OY、−CHOY、−C≡CY及び−CH=CHYから選択され、該側鎖中の二重結合はcis又はtrans幾何学配列を有し得、Yは、水素、メチル、−COR及び構造:
Figure 0005814247

の基から選択され、該構造中、m及びnは、独立して0から5の整数を表し、Rは、水素、重水素、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、フルオロ、トリフルオロメチル及び、直鎖又は分岐鎖であり得、場合によってはヒドロキシ又は保護されたヒドロキシ置換基を有し得るC1−5アルキルから選択され、R、R及びRはそれぞれ、独立して、重水素、重アルキル(deuteroalkyl)、水素、フルオロ、トリフルオロメチル及び、直鎖又は分岐鎖であり得、場合によってはヒドロキシ又は保護されたヒドロキシ置換基を有し得るC1−5アルキルから選択され、R及びRは、一緒になって、オキソ基又は、一般式C2k−(式中、kは整数である。)を有するアルキリデン基、基=CR又は基−(CH−(式中、pは2から5の整数である。)を表し、R及びRは、一緒になって、オキソ基又は基−(CH−(式中、qは2から5の整数である。)を表し、Rは、水素、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ又はC1−5アルキルを表し、該側鎖中の20、22又は23位のCH−基の何れも窒素原子により置換され得るか又は20、22及び23位の基−CH(CH)−、−(CH−、−CR−又は−(CH−の何れも、それぞれ、酸素又は硫黄原子により置換され得る。)。
天然20R−立体構造を有する側鎖の重要な具体例は、下記の式(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)により表される構造、即ち、25−ヒドロキシビタミンD(a);ビタミンD(b);25−ヒドロキシビタミンD(c);ビタミンD(d);及び25−ヒドロキシビタミンDのC−24エピマー(e)で出現する場合の側鎖である。
Figure 0005814247
炭素20に対する波線は、炭素20がR又はS立体構造の何れかを有し得ることを示す。
好ましい類似体は、次の式Ia:
Figure 0005814247

を有する(20S)−25−ヒドロキシ−1−デソキシ−2−メチレン−19−ノルビタミンDである。
式I、特に式Iaの上記化合物は、所望の非常に有利な生物学的活性パターンを示す。これらの化合物は、ビタミンD受容体に対する比較的高い結合を特徴とし、即ち、それらは、1α,25−ジヒドロキシビタミンD3よりも僅かに低い親和性で結合する。これらがHL−60細胞の分化を引き起こす能力は、1,25(OH)よりもごく僅かに低い。これらはまた、1α,25−ジヒドロキシビタミンDと比較して、転写活性も比較的低く、骨からカルシウムを動員するそれらの能力及び腸カルシウム輸送を促進するためのそれらの能力において活性が比較的低い。ゆえに、これらの化合物は、血漿カルシウム上昇活性が比較的低いことを特徴とし得る。
上記化合物I及び特にIaは結合親和性が比較的高く、細胞分化活性が比較的高いことを特徴とするが、血漿カルシウム上昇活性が著しく低い。従って、このような化合物は、抗癌剤としての可能性を有し、白血病、結腸癌、乳癌、皮膚癌及び前立腺癌の予防又は治療のための治療薬を提供する。
上記疾患を治療又は予防するために、本化合物の1以上が、組成物約0.01μg/gmから約1000μg/gm、好ましくは組成物約0.1μg/gmから約500μg/gmの量で組成物中に存在し得、約0.01μg/日から約1000μg/日、好ましくは約0.1μg/日から約500μg/日の投与量で、局所投与、経皮投与、経口投与、直腸投与、経鼻投与、舌下投与又は非経口投与され得る。
図1−5は、ネイティブホルモン1α,25−ジヒドロキシビタミンD(以後、「1,25(OH)」と呼ぶ。)と比較した場合の、(20S)−25−ヒドロキシ−1−デソキシ−2−メチレン−19−ノルビタミンD(以後、「1−デソキシ−2MD」と呼ぶ。)の様々な生物学的活性を示す。
図1は、全長組み換えラットビタミンD受容体への結合に対する[H]−1,25−(OH)−Dとの競合に関する、1−デソキシ−2MD及び1,25(OH)の相対活性を示すグラフである。 図2は、1−デソキシ−2MD及び1,25(OH)の濃度の関数としての、%HL−60細胞分化を示すグラフである。 図3は、1−デソキシ−2MDと比較した場合の、インビトロでの1,25(OH)の転写活性を示すグラフである。 図4A及び4Bは、1−デソキシ−2MDと比較した場合の、1,25(OH)の骨カルシウム動員活性を示す棒グラフである。 図5A及び5Bは、1−デソキシ−2MDと比較した場合の、1,25(OH)の腸カルシウム輸送活性を示す棒グラフである。
本記載及び特許請求の範囲で使用される場合、「ヒドロキシ−保護基」という用語は、例えばアルコキシカルボニル、アシル、アルキルシリル又はアルキルアリールシリル基(本明細書中で以後、単純に「シリル」基と呼ぶ。)及びアルコキシアルキル基などの、ヒドロキシ官能基の一時的保護のために一般に使用される何らかの基を指す。アルコキシカルボニル保護基は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル又はアリルオキシカルボニルなどのアルキル−O−CO−基である。「アシル」という用語は、その異性体の全ての形態の、1から6個の炭素のアルカノイル基又は1から6個の炭素のカルボキシアルカノイル基、例えばオキサリル、マロニル、スクシニル、グルタリル基など、又は芳香族アシル基、例えばベンゾイル又はハロ、ニトロもしくはアルキル置換ベンゾイル基など、を指す。「アルキル」という用語は、本記載及び特許請求の範囲で使用される場合、その異性体の全ての形態の、1から10個の炭素の直鎖又は分岐鎖アルキル基を指す。「アルコキシ」とは、酸素が結合する何らかのアルキル基、即ち「アルキル−O−」により表される基を指す。アルコキシアルキル保護基は、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエトキシメチル又はテトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルなどの基である。好ましいシリル−保護基は、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、ジブチルメチルシリル、ジフェニルメチルシリル、フェニルジメチルシリル、ジフェニル−t−ブチルシリル及び類似するアルキル化シリル基である。「アリール」という用語は、フェニル−又はアルキル−、ニトロ−又はハロ置換フェニル基を指す。
「保護されたヒドロキシ」基とは、既に定義されるとおり、例えばシリル、アルコキシアルキル、アシル又はアルコキシカルボニル基など、ヒドロキシ官能基の一時的もしくは永久的保護のために一般に使用される上記の基の何れかにより誘導体化又は保護されているヒドロキシ基である。「ヒドロキシアルキル」、「重アルキル(deuteroalkyl)」及び「フルオロアルキル」という用語は、1以上のヒドロキシ、重水素又はフルオロ基によりそれぞれ置換されるアルキル基を指す。「アルキリデン」とは、一般式C2k−(式中、kは整数である。)を有する基を指す。
基本構造Iの2−メチレン−19−ノルビタミンD類似体の調製は、一般的方法、即ち、アリルホスフィンオキシドIIIと二環式Windaus−Grundmann型ケトンの縮合により遂行することができる:
Figure 0005814247
構造II及びIIIにおいて、基X及びRは、上記で定義される基を表し;Xは好ましくはヒドロキシ−保護基であり、縮合反応に感受性があるか又はそれを妨害し得るR中の何れの官能基も、当技術分野で周知のように適切に保護されることも理解されたい。上記で示されるプロセスは、収束合成の概念の応用に相当し、これは、ビタミンD化合物の調製に対して有効に適用されてきた[例えば、Lythgoeら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,590(1978);Lythgoe,Chem.Soc.Rev.9,449(1983);Tohら、J.Org.Chem.48,1414(1983);Baggioliniら、J.Org.Chem.51,3098(1986);Sardinaら、J.Org.Chem.51,1264(1986);J.Org.Chem.51,1269(1986);DeLucaら、米国特許第5,086,191号;DeLucaら、米国特許第5,536,713号)]。
一般構造IIのヒドリンダノンは既知であるか又は公知の方法によって調製することができる。このような既知の二環式ケトンの重要な具体例は、上述の側鎖(a)、(b)、(c)及び(d)を有する構造、即ち、25−ヒドロキシGrundmannのケトン(e)[Baggioliniら、J.Org.Chem,51,3098(1986)];Grundmannのケトン(f)[Inhoffenら、Chem.Ber.,90,664(1957)];25−ヒドロキシWindausケトン(g)[Baggioliniら、J.Org.Chem.,51,3098(1986)]及びWindausケトン(h)[Windausら、Ann.,524,297(1936)]である。
Figure 0005814247
構造IIIのホスフィンオキシドの調製に関して、代替的な合成経路が確立された。Hayashiら[J.Org.Chem.69,5966(2004)]が作り上げた方法を用い、触媒量のL−プロリン存在下でのニトロソベンゼンとケトンの反応を含め、スキームIで示されるように、アキラルの市販のアセタール−ケトン1をエナンチオ選択的にヒドロキシル化してヒドロキシケトン2を得た。導入された第二のヒドロキシルをシリル化し、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド及びn−ブチルリチウムから生成されたイリドとのウィッティヒ反応に保護化合物3を供した。得られたオレフィン化合物4において、ルイス酸(FeCl)との反応にてカルボニル基を脱保護し、形成されたシクロヘキサノン5をピーターソン反応に供し、α,β−不飽和エステル6及び7の混合物を得た。この段階で可能ではあるものの、(カラムクロマトグラフィーによる)幾何異性体の分離が還元段階後により容易に達成され、E−及びZ−アリル型アルコール8及び9がそれぞれ得られた。次に、E−異性体8を3段階の手順で、対応するホスフィンオキシド10に変換した。ホスフィンオキシド10から生成されたリチウムホスフィンオキシカルバニオンと既知のGrundmannケトン11とのウィッティヒ−ホーナーカップリング[Sicinskiら、J.Med.Chem.,41,4662(1998)参照]を続いて行い、保護された19−ノルビタミンD化合物が生成され、フッ化テトラブチルアンモニウムでのヒドロキシル脱保護後、所望の(20S)−2−メチレン−25−ヒドロキシ−19−ノル−ビタミンD(12,1−デソキシ−2MD)を得た。本明細書中の実施例Iでこの合成経路を記載し、本明細書中の実施例IIで、A環断片合成の代替的方法である、ホスフィンオキシド27及びケトン11とのそのカップリングを記載する。
スキームIIは、構成要素27及び最終的なビタミン12が得られる、異なる合成順序を示す。キラル出発化合物として市販のD−(−)−キナ酸13を使用し、最初にこれを公知のラクトン14に変換した。1,1’−チオカルボニルジイミダゾールでこの化合物を処理した結果、環状チオカルボネート15が形成された[Millsら、Tetrahedron Lett.29,281(1988)参照]。水素化トリブチルすず及びAIBNを用いたチオカルボネート15のBarton−McCombie脱酸素反応から、2種類の異性体生成物:既知の化合物16[Gonzales−Belloら、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,849(1999)参照]及び所望のジオール17が得られた。後者の異性体中の第二のヒドロキシルの酸化によりケトン18を得て、これをウィッティヒのメチル化に供した。次に、形成された化合物19中のラクトン環を開環させ、第二のヒドロキシルをシリル化した。得られた生成物20のメチルエステル部分を還元し、ジオール21を過ヨウ素酸酸化に供した。得られたシクロヘキサノン22と(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチルとのウィッティヒ反応から、α,β−不飽和エステル23及び24の混合物が得られた。DIBALHによりこれらを還元し、得られたアリル型アルコールをカラムクロマトグラフィーによって分離した。次に、E−異性体25を対応するアリルホスフィンオキシド27に変換した。フェニルリチウムにより生成したその陰イオンを、Grundmannケトン11とカップリングし、酸性ヒドロキシル脱保護後、最終生成物19−ノルビタミン12(1−デソキシ−2MD)を得た。
実施例I及びIIから明らかであるように、本明細書中で示される方法によって、異なる側鎖を有する他の19−ノルビタミンD類似体を合成することができる。
本発明を次の例示的実施例により説明する。これらの実施例において、アラビア数字(例えば1、2、3など)により特定される具体的生成物は、前述の説明において及びスキームI及びスキームIIにおいて明記した特定の構造を指す。
実施例
化学。Thomas−Hoover毛細管融点装置で融点(補正なし)を決定した。Perkin−Elmer241自動旋光計を用いて、22℃にて、クロロホルム中で旋光性を測定した。Perkin−Elmerラムダ3B UV−VIS分光光度計により、エタノール中で紫外線(UV)吸収スペクトルを記録した。重クロロホルム中、200,400及び500MHzで、Varian Unity、Bruker DMX−400及びBruker DMX−500スペクトロメーターを用いて、H核磁気共鳴(NMR)スペクトルをそれぞれ記録した。同じスペクトロメーターを用いて、重クロロホルム中、50、100及び125MHzで、13C核磁気共鳴(NMR)スペクトルを記録した。化学シフト(δ)は、内部MeSi(δ0.00)から低磁場側で報告した。Micromass AutoSpec(Beverly、MA)装置を用いて、電子衝突(EI)質量スペクトルを得た。モデル6000A溶媒送液システム、モデルU6K Universal注入装置及びモデル486可変吸収検出器を備えたWaters Associates液体クロマトグラフにおいて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を行った。アルゴン下で、ナトリウムベンゾフェノンケチルから、THFを新たに蒸留した。
実施例I
ホスフィンオキシド10からの(20S)−2−メチレン−25−ヒドロキシ−19−ノル−ビタミンD(12,1−デソキシ−2MD)の調製
(a)ケタール−ケトン1のα−ヒドロキシル化(スキームI)。(R)−7−ヒドロキシ−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−オン(2)。CHCl(10mL)中の1,4−シクロヘキサンジオンモノエチレンケタール(1;3.00g、19.23mmol)及びL−プロリン(0.97g、8.42mmol)の撹拌溶液に、CHCl(16mL)中のニトロソベンゼン(3.60g、33.65mmol)溶液をシリンジポンプによって4℃で24時間にわたりゆっくりと添加した。次に、混合物をさらに2時間、室温で撹拌した。反応を塩水で停止させ、有機物質を酢酸エチルで抽出し、乾燥させ(MgSO)、真空下で濃縮した。シリカ上でのカラムクロマトグラフィーによる精製(0.5→20%酢酸エチル/ヘキサン勾配)によって、油状のα−ヒドロキシケトン2(1.45g、44%)を得た。ヘキサン/2−プロパノール(99:1)溶媒系を用いて、この生成物の純度をHPLCにより調べた(4.6mmx25cm Chiralcell OD−Hカラム、1.5mL/分):鏡像体過剰率(ee)が94%よりも高いことが分かった(R=5.7mL;S−鏡像異性体に対してR=4.7mL)。
2:[α]+27°(c 0.65,CHC1);H NMR(200MHz,CDC1)δ1.85(1H,t,J=12.4Hz,6β−Η),2.05(2H,m,10−H),2.50(br m,6α−及び9β−Η),2.70(1H,dt,J=6.8,13.2Hz,9α−H),3.46(1H,s,OH),4.03(4H,m,O−CHCH−O),4.38(1H,dd,J=12.4,6.8Hz,7α−H);HRMS(ESI)C12Na(M+Na)に対して計算した精密質量195.0633、実測値195.0628。
(b)α−ヒドロキシケトン2の保護。(R)−7−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン−8−オン(3)。tert−ブチルジフェニルシリルクロリド(3.55mL、3.75g、13.65mmol)を無水DMF(9mL)中のα−ヒドロキシケトン2(1.60g、13.65mmol)及びイミダゾール(2.32g、33.9mmol)の溶液に添加した。この混合物を室温で18時間撹拌した。反応を塩水で停止させ、ヘキサンで抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。シリカ上でのカラムクロマトグラフィー(1→4%ヘキサン/酢酸エチル勾配)により、無色油状物質として保護された化合物3(3.35g、88%)を得た。
3:H NMR(200MHz,CDCl)δ1.10(9H,s,Si−t−Bu),1.8−2.1(4H,br m,6−及び10−H),2.35(2H,m,9−H),3.62(1H,m,−O−CHCH−O−の1つ),3.82(3H,m,−O−CHCH−O−のうち3つ),4.40(1H,dd,J=11.8,7.6Hz,7α−H),7.38(6H,m,Ar−H),7.67(4H,m,Ar−H);13C NMR(50MHz,CDCl)δ19.4,27.1,34.7,35.9,43.8,64.5,64.7,73.8,107.6,127.8,129.9,133.3,134.1,136.0,207.7;HRMS(ESI)C2430SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量433.1811、実測値433.1800。
(c)ケトン3のウィッティヒ反応。(R)−7−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]−8−メチレン−1,4−ジオキサ−スピロ[4.5]デカン(4)。0℃の無水THF(20mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(2.5g、6.99mmol)にn−BuLi(ヘキサン中1.6M;8.8mL、14.08mmol)を滴下添加した。15分後、さらなるホスホニウム塩(2.5g、6.99mmol)を添加し、0℃で10分間及び室温で20分間、溶液を撹拌した。次に、橙色−赤色混合物を−78℃に冷却し、無水THF(7mL)中のケトン3(2.85g、6.93mmol)の予め冷却した(−78℃)溶液に吸い取らせた。反応混合物を−78℃で4時間、次いで室温で1時間撹拌した。混合物を塩水に注ぎ、ヘキサンで抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、蒸発させて橙色の油状の残渣を得て、これをシリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン/酢酸エチル(97:3)での溶出によって、無色油状物質として純粋な4−メチレン化合物4(2.62g、93%)を得た。
4:H NMR(200MHz,CDCl)δ1.01(9H,s,Si−t−Bu),1.43(2H,m,10−H),1.62(2H,m,6−H),2.19(2H,m,9−H),3.36(1H,m,O−CHCH−Oの1つ),3.73(3H,m,O−CHCH−Oのうち3つ),4.30(1H,dd,J=11.0,5.0Hz,7α−H),4.88及び5.31(1H及び1H,各br s,=CH),7.35(6H,m,Ar−H),7.70(4H,m,Ar−H);13C NMR(50MHz,CDCl)δ14.5,19.5,22.9,30.0,31.8,36.3,44.5,64.1,64.3,71.2,106.6,109.2,127.7,129.8,134.1,134.8,135.9,136.2,149.3;HRMS(ESI)C2532SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量431.2019、実測値431.2028。
(d)ケタール4のカルボニル基の脱保護。(R)−3−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]−4−メチレン−シクロヘキサノン(5)。室温の塩化メチレン(11mL)中のケタール4(160mg、0.392mmol)の溶液に、FeClx6HO(547mg、2.02mmol)を添加した。得られた暗黄色懸濁液を50分間撹拌し、水の添加によって不活性化した。水層を塩化メチレンで抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル(95:5)を用いた、得られた黄色残渣のシリカ上でのカラムクロマトグラフィーによって、無色油状物質としてケトン5(141mg、99%)を得た。
5:H NMR(500MHz,CDCl):δ1.05(9H,s,Si−t−Bu),2.32−2.52(5H,br m,2β−Η,5−H及び6−H),2.83(1H,m,2α−H),4.47(1H,br t,J〜6Hz,3α−H),4.90(2H,s,=CH),7.40(6H,m,Ar−H),7.65(4H,m,Ar−H);13C NMR(125MHz,CDCl)δ19.6,27.1,32.8,36.9,44.8,72.8,107.1,108.2,128.0,129.8,133.0,133.3,135.1,207.7;HRMS(ESI)C2328SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量387.1757、実測値387.1746。
(e)ケトン5のピーターソン反応。[(R)−3’−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]−4’−メチレン−シクロへキシリデン]酢酸メチルエステル(6及び7の混合物)。撹拌しながら、無水THF(260μL)中のジイソプロピルアミン(48.5μL、376μmol)の溶液に、−78℃、アルゴン下で、n−BuLi(ヘキサン中2.5M;148μL、376μmol)を添加し、次にメチル(トリメチルシリル)アセテート(60μL、367μmol)を添加した。15分後、無水THF(300μL+80μL)中のケト化合物5(63mg、172.8μmol)を滴下添加した。この溶液を−78℃で2時間撹拌し、飽和NHClで反応を停止させ、塩水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をヘキサン中で溶解し、シリカSep−Pakカートリッジに添加した。ヘキサン/酢酸エチル(98:2)での溶出によって、無色油状物質として不飽和エステル6及び7(65mg、90%)を得た。
6及び7(異性体の混合物):H NMR(200MHz,CDCl;選択シグナル)δ1.15及び1.17(5H及び4H,各s,2xSi−t−Bu),2.1−3.3(6H,br m,2’−,5’−及び6’−H),3.69及び3.73(1.67H及び1.33H,各s,2xCOOCH),4.29(1H,m,3’α−H),4.82,4.90,4.93,5.12(0.56H,0.56H,0.44H及び0.44H,各br s,=CH),5.48及び5.83(0.44H及び0.56H,各br s,CH−COOMe),7.45(6H,m,Ar−H),7.75(4H,m,Ar−H);HRMS(ESI)C2632SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量443.2019、実測値443.2035。
(f)エステル6及び7の還元。(E)−及び(Z)−2−[(R)−3’−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]−4’−メチレン−シクロへキシリデン]エタノール(8及び9)。アルゴン下、−78℃で、トルエン:塩化メチレン(2:1;8mL)中のアリルエステル6及び7(165mg、0.392mmol)の撹拌溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中1.5M;1.9mL、2.85mmol)をゆっくりと添加した。−78℃で1時間及び−40℃で30分間、撹拌を継続した。酒石酸カリウムナトリウム(2N、4mL)、HCl水溶液(2N、4mL)及びHO(14mL)をゆっくりと添加することによってこの混合物を不活性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。ヘキサン/酢酸エチル(9:1)を用いて残渣をシリカSep−Pakカートリッジに通過させた。ヘキサン/酢酸エチル(8:2)溶媒系を用いて、アリル型アルコールの得られた混合物をHPLC(9.4mmx25cm Zorbax−Silカラム、4mL/分)により分離し:Z−異性体9(82mg、53%)をR=35mLで回収し、E−異性体8(60mg、39%)をR=41mLで回収した。
8(少ないE−異性体):H NMR(500MHz,CDCl)δ1.08(9H,s,Si−t−Bu),1.96(1H,〜dt,J〜5,12.5Hz,6’β−Η),2.07(1H,dd,J=12.5,8.5Hz,2’β−Η),2.08(1H,m,5’α−H),2.13(1H,dd,J=12.5,4.5Hz,2’α−H),2.31(1H,dt,J=12.5,4.5Hz,6’α−H),2.48(1H,dt,J=12.5,5.5Hz,5’β−Η),4.09(2H,d,J=7.0Hz,−CHOH),4.14(1H,dd,J=8.5,4.5Hz,3’α−H),4.82及び5.10(1H及び1H,各br s,=CH),5.16(1H,t,J=7.5Hz,2−H),7.39(6H,m,Ar−H),7.65(4H,m,Ar−H);13C NMR(125MHz,CDCl)δ19.3,27.0,29.3,32.7,46.6,58.7,74.0,107.2,123.6,127.5,129.6,133.8,134.5,135.8,139.7,149.6;HRMS(ESI)C2532SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量415.2070、実測値415.2059。
9(主要なZ−異性体):H NMR(500MHz,CDCl)δ1.09(9H,s,Si−t−Bu),1.99(2H,m,2’β−及び5’α−H),2.11(2H,m,6’α−及び6’β−Η),2.25(1H,dd,J=13.0,4.5Hz,2’α−H),2.48(1H,dt,J=12.5,5.5Hz,5’β−Η),3.62(1H,dd,J=10.0,7.2Hz,−CHOHのうち1つ),3.71(1H,dd,J=10.0,7.0Hz,−CHOHのうち1つ),4.09(1H,dd,J=9.0,4.5Hz,3’α−H),4.82及び5.10(1H及び1H,各br s,=CH),5.37(1H,t,J=7.0Hz,2−H),7.39(6H,m,Ar−H),7.65(4H,m,Ar−H);13C NMR(125MHz,CDCl)δ19.3,27.0,33.4,37.3,38.8,58.3,73.7,107.1,123.6,127.6,129.7,133.7,134.5,135.8,139.4,149.6;HRMS(ESI)C2532SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量415.2070、実測値415.2067。
(g)ホスフィンオキシド10の調製。[2−[(Z)−(R)−3’−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]−4’−メチレン−シクロへキシリデン]エチル]ジフェニルホスフィンオキシド(10)。無水THF(1.2mL)中のアリル型アルコール8(49mg、125μmol)の溶液に、アルゴン下、0℃で、n−BuLi(ヘキサン中2.5M;50μL、125μmol)を添加した。次に、無水THF(230μL)中の新たに再結晶化した塩化トシル(24mg、125μmol)の溶液をアリル型アルコール−n−BuLi溶液に添加した。この混合物を0℃で5分間撹拌し、0℃で放置した。アルゴンで空気を置換した別の乾燥したフラスコ中で、撹拌しながら、0℃で無水THF(360μL)中のPhPH(44.2μL、254μmol)の溶液にn−BuLi(ヘキサン中2.5M;1mL、0.25mmol)を添加した。橙色が持続するようになるまで、赤色溶液をアルゴン圧下でトシレート溶液に吸い取らせた(溶液のおよそ半分を添加した。)。得られた混合物をさらに30分間、0℃で撹拌し、HO(14μL)を添加することによって不活性化した。溶媒を減圧下で蒸発させて、残渣を塩化メチレン(1.2mL)中で再溶解し、0℃で1時間、10%H(0.9mL)とともに撹拌した。有機層を分離し、冷亜硫酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーに供した。ヘキサン/酢酸エチル(6:4)での溶出によって、ホスフィンオキシド10(64mg、79%)を得た。
10:H NMR(200MHz,CDCl)δ1.08(9H,s,Si−t−Bu),1.35−2.45(6H,br m,2’−,5’−及び6’−H),2.52(2H,br m,=CH−CH),3.88(1H,dd,J=10.0,5.0Hz,3’α−H),4.80及び5.17(1H及び1H,各br s,=CH),5.14(1H,m,2−H),7.2−7.5(16H,br m,Ar−H),7.57(2H,dd,J=8.0,1.5Hz,Ar−H),7.68(2H,dd,J=8.0,1.5Hz,Ar−H);HRMS(ESI)C3741PSiNa(M+Na)に対して計算した精密質量599.2512、実測値599.2534。
(h)ホスフィンオキシド10及びGrundmannケトン11のウィッティヒ−ホーナー反応。(20S)−25−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノルビタミンD(12)。撹拌しながら、0℃の無水THF(230μL)中のホスフィンオキシド10(19mg、29.4μmol)の溶液に、アルゴン下でn−BuLi(ヘキサン中2.5M;12μL、29.7μmol)をゆっくりと添加した。溶液が赤色に変化した。混合物を−78℃に冷却し、無水THF(60μL+40μL)中の保護されたヒドロキシケトン11(3mg、7.62μmol)の予め冷却した(−78℃)溶液をゆっくりと添加した。アルゴン下、−78℃で1時間及び0℃で19時間、混合物を撹拌した。酢酸エチルを添加し、有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。残渣をヘキサン中で溶解し、シリカSep−Pakカートリッジに添加し、ヘキサン/ジエチルエーテル(98:2)で洗浄し、19−ノルビタミン誘導体12(4mg、70%)をシリル化した。
生成物をTHF(350μL)中で溶解し、アルゴン下、室温で、フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1.0M;318μL、318μmol)を添加した。撹拌を18時間継続し、塩水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。ヘキサン/2−プロパノールアセテート(95:5)溶媒系を使用したHPLC(9.4mmx25cm Zorbax−Silカラム、4mL/分)によって残渣を精製し、R=19mLで19−ノルビタミン12(1.8mg、85%)を回収した。メタノール/水(85:15)溶媒系を用いたHPLC(9.4mmx25cm Zorbax Eclipse XDB−C18カラム、4mL/分)後、このビタミンの分析用試料を得た(R=44mL)。
12:UV(EtOH)λmax244,252,261nm;H NMR(500MHz,CDCl)δ0.558(3H,s,18−H),0.857(3H,d,J=6.5Hz,21−H),1.217(6H,s,26−及び27−H),1.95−2.05(2H,m),2.14(1H,m),2.23−2.35(2H,m),2.37−2.47(2H,m),2.59(1H,dd,J=13.0,4.1Hz,4α−H),2.82(1H,br dd,J〜13,4.5Hz,9β−Η),4.19(1H,narr m,w/2=14Hz,3α−H),4.83及び4.96(1H及び1H,各br s,=CH),5.84及び6.21(1H及び1H,各d,J=11.3Hz,7−及び6−H);13C NMR(100MHz,CDCl)δ12.3,18.6,20.9,22.1,23.5,27.3,28.8,29.1,29.3,32.2,35.4,36.0,40.4,44.3,45.7,46.7,56.1,56.3,71.1,73.0,107.2,115.6,121.4,134.3,142.3,150.3;HRMS(ESI)C2744Naに対して計算した精密質量(M+Na)423.3239、実測値423.3253。
実施例II
ホスフィンオキシド27からの(20S)−2−メチレン−25−ヒドロキシ−19−ノル−ビタミンD(12,1−デソキシ−2MD)の調製。
(a)キナ酸13(スキームII)のラクトン化。(1S,3R,4R,5R)−l,3,4−トリヒドロキシ−6−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(14)。無水トルエン(200mL)及び無水DMF(75mL)中のD−(−)−キナ酸(20.0g、104mmol)及びp−トルエンスルホン酸(2.2g、11.6mmol)の溶液をディーンスタークトラップ下で34時間還流させた。反応混合物を23℃に冷却し、減圧下で濃縮して、濃黄色油状物質を得た。これを塩化メチレン(100mL)で希釈し、ヘキサン(200mL)を添加し、得られた混合物を23℃で12時間、放置した。沈殿生成物を真空ろ過によって回収し、これをさらに真空下で乾燥させて、白色粉末としてラクトン14(13.0g、72%)を得た(mp184−188℃、lit.mp 184−185℃)。
14:H NMR(500MHz,CDOD)δ1.87(1H,br t,J〜11Hz,2α−H),2.02(1H,ddd,J=11.7,6.5,2.9Hz,2β−Η),2.22(1H,ddd,J=11.4,6.0,2.9Hz,8β−H),2.47(1H,d,J=11.4Hz,8α−H),3.70(1H,ddd,J=11.4,6.5,4.4Hz,3β−Η),3.98(1H,br t,J〜5Hz,4β−Η),4.70(1H,br t,J〜5Hz,5α−H);13C NMR(125MHz,CDOD)δ37.8,40.0,66.8,67.3,73.1,77.8,179.5;HRMS(ESI)C10Na(M+Na)に対して計算した精密質量197.0426、実測値197.0420。
(b)ラクトン14のヒドロキシ基保護。(1R,2S,6R,8R)−8−ヒドロキシ−4−チオキソ−3,5,10−トリオキサ−トリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカン−9−オン(15)。1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(1.3g、6.86mmol)を無水アセトニトリル(70mL)中のラクトン14(1.08g、6.24mmol)の懸濁液に添加した。混合物を室温で6時間、激しく撹拌し、次に溶媒を減圧下で蒸発させた。シリカ上でのカラムクロマトグラフィー(3%メタノール/塩化メチレン)によって残渣を精製し、無色結晶として三環系化合物15(0.84g、63%)を得た(mp219−222℃)。
15:[α]−9.7°[c 1.06,(CHCO];H NMR[400MHz,(CDCO]δ2.24(2H,m),2.62(1H,m),2.68(1H,ddd,J=15.2,8.0,2.5Hz,7α−H),5.03(1H,dd,J=5.9,2.7Hz,1α−H),5.26(1H,m,2β−Η),5.56(1H,dt,J=3.1,8.0Hz,6β−Η);13C NMR[100MHz,(CDCO]δ35.5,37.8,70.7,73.3,77.7,79.4,176.8,191.3;MS(EI)m/z(相対強度)216(M,60),211(15),204(12),196(42),181(100);CSに対して計算した精密質量216.0092、実測値216.0089。
(c)水素化n−トリブチルすずでの化合物15の還元。(1S,3S,5S)−1,3−ジヒドロキシ−6−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(16)及び(1S,4R,5R)−1,4−ジヒドロキシ−6−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(17)。無水ベンゼン/THF(3/1、230mL)中の化合物15(3.18g、14.7mmol)及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(0.36g、2.20mmol)の還流溶液に、水素化n−トリブチルすず(7.88mL;8.55g、29.40mmol)をシリンジポンプによって75分以内に添加した。この混合物をさらに3時間還流下で加熱し、次いで12時間放置した。溶媒を減圧下で蒸発させ、シリカ上でのカラムクロマトグラフィー(15→40%アセトン/塩化メチレン勾配)により残渣を精製し、無色結晶としてジオール17(1.94g、83%)を得て(mp212−214℃)、無色結晶として異性化合物16(0.11g、5%)を得た(mp148−152℃)。
16:[α]−60.3°(c 0.84,CHOH),lit[α]−59.0°(c 0.80,CHOH);H NMR[400MHz,(CD)2CO]δ1.48(1H,dd,J=13.4,10.0Hz,4α−H),1.74(1H,t,J〜11Hz,2α−H),2.02(1H,d,J=11.1Hz,8α−H),2.23(1H,m),2.34(1H,m),2.42(1H,m),3.88(1H,m,3β−Η),4.78(1H,t,J〜5Hz,5α−H);H NMR(400MHz,CDOD)δ1.44(1H,dd,J=13.4,10.1Hz,4α−H),1.75(1H,t,J〜11Hz,2α−H),1.97(1H,d,J=11.2Hz,8α−H),2.23(1H,m),2.36−2.43(2H,m),3.87(1H,m,3β−Η),4.81(1H,t,J〜5Hz,5α−H);C NMR(100MHz,CDOD)δ37.3,44.3,44.4,65.3,74.1,75.9.179.7;HRMS(ESI)C10Na(M+Na)に対して計算した精密質量181.0477、実測値181.0482。
17:[α]−59.7°[c 1.15,(CHCO];H NMR(400MHz,CDOD)δ1.70(1H,m),1.78(1H,m),1.86(1H,m),1.97(1H,m),2.26(1H,ddd,J=11.3,6.1,2.7Hz,8β−Η),2.45(1H,d,J=11.3Hz,8α−H),3.97(1H,br t,J〜4Hz,4β−Η),4.60(1H,br t,J〜5Hz,5α−H);H NMR[400MHz,(CDCO]δ1.66−1.77(2H,m),1.84(1H,m),1.96(1H,m),2.24(IH,ddd,J=11.2,6.2,2.8Hz,8β−Η),2.46(1H,d,J=11.2Hz,8α−H),4.00(1H,m,4β−Η),4.58(1H,br t,J〜5Hz,5α−H);13C NMR[100MHz,(CDCO]δ28.1,30.2,38.2,64.4,74.7,77.6,178.3;HRMS(ESI)C10Na(M+Na)に対して計算した精密質量181.0477、実測値181.0471。
(d)ジオール17の酸化。(1S,5R)−1−ヒドロキシ−6−オキサ−ビシクロ[3.2.l]オクタン−4,7−ジオン(18)。アルコール17(2.67g、16.88mmol、過乾燥の活性化4Å分子ふるい(2.7g)、重クロム酸ピリジニウム(12.90g、34.28mmol)及び無水アセトニトリル(250mL)の混合物を室温で5時間、激しく撹拌した。次に、反応混合物をCeliteのパッドに通してろ過し(300mLの酢酸エチルで洗浄)、溶媒を減圧下で除去した。残渣のシリカ上でのカラムクロマトグラフィー(15→40%アセトン/塩化メチレン勾配)によって、無色結晶としてケトン18(2.17g、82%)を得た(mp144−145℃)。
18:[α]−225°[c 1.16,(CHCO];H NMR(500MHz,CDCN)δ2.11(2H,m,2−H),2.35(1H,d,J=12.5Hz,8α−H),2.46(1H,br dd,J=16.7,〜6Hz,3α−H),2.70(1H,dt,J=16.7,〜10Hz,3β−Η),2.78(1H,ddd,J=12.5,6.8,2.8Hz,8β−Η),4.51(1H,d,J=6.8Hz,5α−H);13C NMR(125MHz,CDCN)δ32.8,34.0,42.6,74.4,80.5,178.0,204.7;MS(EI)m/z156(M,55),138(100),100(42),70(43);HRMS(EI)Cに対して計算した精密質量156.0423、実測値156.0417。
(e)ケトン18のウィッティヒ反応。(1S,5R)−1−ヒドロキシ−4−メチレン−6−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−7−オン(19)。0℃の無水THF(35mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.78g、4.99mmol)に、THF中のカリウムtert−ブトキシドの溶液(1.0M;4.74mL、4.74mmol)を滴下添加した。混合物を室温まで温め、さらに10分間撹拌した。カニューレを介してTHF(10mL)中のケトラクトン18(0.38g、2.43mmol)を添加し、室温で次の2時間、撹拌を継続した。次いで溶媒を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチル(20mL)と塩水(40mL)との間で分配した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(5x20mL)。有機抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。シリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより残渣を精製し(30%酢酸エチル/ヘキサン)、半固体の化合物19(0.30g、80%)を得た。
19:[α]−129°(c 1.15,CHCl);H NMR(400MHz,CDCl)δ1.96(2H,m),2.05(1H,d,J=11.3Hz,8α−H),2.48(2H,m),2.70(1H,ddd,J=11.3,6.3,2.7Hz,8β−Η),4.93(1H,br s,=CHの1つ),4.98(1H,d,J=6.3Hz,5α−H),5.01(1H,d,J=1.4Hz,=CHの1つ);I3C NMR(100MHz,CDCl)δ26.3,33.8,44.1,74.4,80.2,112.1,141.4,178.7;HRMS(ESI)C10Na(M+Na)に対して計算した精密質量177.0528、実測値177.0525。
(f)ラクトン19のメタノリシス及びヒドロキシル保護。[(1S,3R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−ヒドロキシ−4−メチレン]シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル(20)。活性化した過乾燥4Å分子ふるい(0.22g)の存在下で、無水メタノール(30mL)でラクトン19(0.88g、5.71mmol)を処理した。反応混合物を室温で48時間撹拌した。次に、分子ふるいをろ過して取り除き、溶媒を減圧下で蒸発させた。無水塩化メチレン(30mL)及び2,6−ルチジン(1.26mL;1.16g、10.84mmol)中で粗製メチルエステルを溶解し、−40℃に冷却し、tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1.97mL;2.26g、8.56mmol)を滴下添加した。反応混合物を−40℃で50分間撹拌した。湿潤塩化メチレン(10mL)をゆっくりと添加し、冷却槽を除去し、反応混合物をゆっくりと室温に温めた。次にこれをCeliteのパッドに通してろ過し(30mLの塩化メチレンで洗浄)、飽和CuSO水溶液(2x15mL)及び塩水(15mL)で洗浄した。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。シリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより(10%酢酸エチル/ヘキサン)粗製生成物を精製し、無色油状物質としてエステル20(1.37g、80%)を得た。
20:[α]−0.2°(c 1.05,CHCl);H NMR(500MHz,CDCl)δ0.07及び0.08(3H及び3H,各s,2xSiCH),0.90(9H,s,Si−t−Bu),1.70(1H,m),1.81(2H,m),1.97(1H,m),2.33(1H,ddd,J=13.5,4.3,2.4Hz,5β−Η),2.46(1H,dt,J=13.5,4.3Hz,5α−H),3.77(3H,s,COOCH),4.42(1H,dd,J=11.1,5.0Hz,3α−H),4.80及び5.03(1H及び1H,各s,=CH);13C NMR(125MHz,CDCl)δ−5.05,−5.01,18.3,25.8,29.3,36.0,45.3,53.0,69.0,75.1,105.7,149.6,176.6;HRMS(ESI)C1528SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量323.1655、実測値323.1643。
(g)エステル20の還元。[(1S’,3R’)−3’−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1’−ヒドロキシ−4’−メチレン−シクロヘキシル]メタノール(21)。水素化ジイソブチルアルミニウム(塩化メチレン中1.0M;3.83mL、3.83mmol)を、−70℃の塩化メチレン(18mL)中のメチルエステル20(0.23g、0.76mmol)の撹拌溶液にゆっくりと添加した。−70℃で1時間及び−30℃で2時間撹拌を継続した。酒石酸カリウムナトリウム(2N,4mL)をゆっくりと添加することによって混合物を不活性化し、塩化メチレン(200mL)で希釈し、塩水(3x30mL)及び水(2x30mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカSep−Pakカートリッジ(10→30%酢酸エチル/ヘキサン勾配)に通過させ、無色結晶としてジオール21(0.20g、94%)を得た(mp89−90℃)。
21:[α]+1.3°(c 1.04,CHCl);H NMR(500MHz,CDCl)δ0.07及び0.08(3H及び3H,各s,2xSiCH),0.91(9H,s,Si−t−Bu),1.40(2H,m),1.70(1H,m),1.96(1H,m),2.33(2H,m),3.48(2H,s,−CHOH),4.40(1H,dd,J=10.2,5.0Hz,3’α−H),4.78及び4.97(1H及び1H,各s,=CH);13C NMR(125MHz,CDCl)δ−5.0,−4.9,18.3,25.8,28.9,35.1,44.7,69.7,70.7,73.4,105.9,150.4;HRMS(ESI)C1528Si(M+H)に対して計算した精密質量273.1886、実測値273.1885。
(h)ジオール21の過ヨウ素酸酸化。(R)−3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−メチレン−シクロヘキサノン(22)。メタノール/水(5/1、53mL)中のジオール21(0.76g、2.81mmol)の撹拌溶液に、0℃で過ヨウ素酸ナトリウム(1.80g、8.43mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌を継続し、反応混合物を酢酸エチル(140mL)で希釈し、塩水(3x20mL)及び水(20mL)で抽出した。合わせた水層を酢酸エチルで抽出した(3x20mL)。有機層を合わせ、乾燥させ(MgSO)、次いでろ過し、減圧下で濃縮した。シリカSep−Pakカートリッジ(5%酢酸エチル/ヘキサン)上で残渣を精製し、無色油状物質としてケトン22(0.64g、95%)を得た。
22:[α]−43°(c 1.25,CHCl);H NMR(400MHz,CDCl)δ0.03及び0.05(3H及び3H,各s,2xSiCH),0.86(9H,s,Si−t−Bu),2.28−2.45(3H,m),2.48(1H,dd,J=14.1,6.7Hz,2β−Η),2.60(1H,dd,J=14.1,4.2Hz,2α−H),2.71(1H,m),4.42(1H,m,3β−Η),4.94及び5.08(1H及び1H,各s,=CH);13C NMR(100MHz,CDCl)δ−5.1,−5.0,18.1,25.6,28.7,41.5,51.5,72.7,109.8,147.0,208.9;HRMS(ESI)C1324SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量263.1443、実測値263.1438。
(i)ケトン22のウィッティヒ反応。[(R)−3’−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4’−メチレン−シクロへキシリデン]酢酸メチルエステル(23及び24の混合物)。無水ベンゼン(20mL)中のケトン22(0.65g、2.38mmol)の溶液に、メチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.59g、4.77mmol)を添加した。反応混合物を還流下で15時間加熱し、次いで減圧下で濃縮し、シリカSep−Pakカートリッジ(3→5%酢酸エチル/ヘキサン)上で残渣を精製し、不飽和エステル23及び24の混合物を得た(比率およそ2:3;0.63g、89%)。
23及び24(異性体の混合物):H NMR(400MHz,CDCl;選択シグナル)δ0.05及び0.07及び0.11(1.2H,3H及び1.8H,各s,2xSiCH),0.90(9H,s,Si−t−Bu),3.29(0.4H,m,6’α−H),3.51(0.6H,dd,J=13.0,4.4Hz,2’α−H),4.12(1H,m,3’α−H),4.80,4.82,5.01及び5.03(0.6H,0.4H,0.4H及び0.6H,各s,=CH),5.68及び5.73(0.4H及び0.6H,s,2−H);HRMS(ESI)C1628SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量319.1705、実測値319.1710。
(j)エステル23及び24の還元。(E)−及び(Z)−2−[(R)−3’−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4’−メチレン−シクロへキシリデン]エタノール(25及び26)。
水素化ジイソブチルアルミニウム(塩化メチレン中1.0M;9.89mL、9.89mmol)を、−70℃の塩化メチレン(40mL)中のエステル23及び24の混合物(0.73g、2.47mmol)の撹拌溶液にゆっくりと添加した。−70℃で2時間及び−40℃で1時間撹拌を継続した。酒石酸カリウムナトリウム(2N,6mL)をゆっくりと添加することによって混合物を不活性化し、塩化メチレン(250mL)で希釈し、塩水(3x30mL)及び水(2x30mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。シリカ上でのカラムクロマトグラフィーにより(10→20%酢酸エチル/ヘキサン勾配)残渣を精製し、無色油状物質としてアリル型アルコール25(0.25g、39%)及び油状の異性化合物26(0.37g、58%)を得た。
25(少ないE−異性体):[α]+5.8°(c 0.98,CHCl);H NMR(400MHz,CDCl)δ0.06及び0.07(3H及び3H,各s,2xSiCH),0.91(9H,s,Si−t−Bu),1.97(2H,m),2.14(1H,br t,J〜11Hz,2’β−Η),2.47(3H,m),4.05(1H,dd,J=9.8,4.9Hz,3’α−H),4.17(2H,m,−CHOΗ),4.78及び5.01(1H及び1H,各s,=CH),5.46(1H,t,J=7.0Hz,2−H);13C NMR(100MHz,CDCl)δ−5.0,−4.9,18.3,25.8,29.2,32.9,47.3,58.7,73.2,106.5,123.4,140.2,150.0;HRMS(ESI)C1528SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量291.1756、実測値291.1756。
26(主要なZ−異性体):[α]−26°(c 1.09,CHCl);H NMR(500MHz,CDCl)δ0.06及び0.08(3H及び3H,各s,2xSiCH),0.90(9H,s,Si−t−Bu),2.09(1H,dt,J=12.7,6.6Hz,5’β−Η),2.17(2H,m,5’α−及び6’β−Η),2.27(1H,dd,J=12.9,7.9Hz,2’β−Η),2.43(1H,dt,J=12.7,5.8Hz,6’α−H),2.50(1H,dd,J=12.9,4.2Hz,2’α−H),4.09(1H,m,−CHOHの1つ),4.13(1H,dd,J=7.9,4.2Hz,3’α−H),4.18(1H,dd,J=11.9,7.2Hz,−CHOHの1つ),4.78及び4.96(1H及び1H,各s,=CH),5.60(1H,t,J=7.2Hz,2−H);13C NMR(125MHz,CDCl)δ−4.94,−4.9,18.3,25.8,33.1,37.4,39.0,58.3,73.3,107.6,123.7,140.4,149.9;HRMS(ESI)C1528SiNa(M+Na)に対して計算した精密質量291.1756、実測値291.1769。
(k)ホスフィンオキシド27の調製。[(E)−[(3’R)−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4’−メチレンシクロへキシリデン]エチル]ジフェニルホスフィンオキシド(27)。無水THF(5mL)中のアリル型アルコール25(190.0mg、708μmol)に、アルゴン下、0℃でn−BuLi(ヘキサン中1.6M;450μL、125μmol)を添加した。次に、無水THF(1.5mL)中の新たに再結晶化した塩化トシル(141.5mg、743μmol)の溶液をアリル型アルコール−n−BuLi溶液に添加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、0℃で放置した。アルゴンで空気が置換されている別の乾燥したフラスコ中で、撹拌しながら、n−BuLi(ヘキサン中1.6M;942μL,1.51mmol)を、0℃の無水THF(2mL)中のジフェニルホスフィン(250μL、1.44mmol)に添加した。橙色が持続するまで、赤色の溶液をアルゴン圧力下でトシレート溶液に吸い取らせた。得られた混合物を0℃でさらに30分間撹拌し、HO(0.8mL)を添加することによって不活性化した。溶媒を減圧下で蒸発させて、残渣を塩化メチレン(6.5mL)中で再溶解し、10%H(3.8mL)とともに0℃で1時間撹拌した。有機層を分離し、冷亜硫酸ナトリウム水溶液(1.5mL)及び水(1.5mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させた。残渣をシリカSep−Pakカートリッジ(5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、半結晶性ホスフィンオキシド27(220mg、69%)を得た。
27:[α]+7.9°(c 1.07,CHCl);H NMR(500MHz,CDCl)δ0.03(6H,s,2xSiCH),0.88(9H,s,Si−t−Bu),1.60(2H,m),2.04(1H,m,2’β−Η),2.25(2H,m),2.39(1H,dd,J=12.6,4.8Hz,2’α−H),3.12(2H,m,=CH−CH,3.85(1H,dd,J=9.8,4.8Hz,3’α−H),4.70及び4.95(1H及び1H,各s,=CH),5.30(1H,〜t,J=7Hz,2−H),7.25−7.5(6H,m,Ar−H),7.74(4H,m,Ar−H);13C NMR(125MHz,CDCl)δ−5.0,18.3,25.8,29.2,30.1,30.7,32.4,47.4,73.1,106.2,112.2,112.3,128.4,128.5,128.51,128.55,131.0,131.1,131.2,131.8,141.2,141.3,149.9;HRMS(ESI)C2737PSiNa(M+Na)に対して計算した精密質量475.2198、実測値475.2208。
(l)ホスフィンオキシド27及びGrundmannケトン11のウィッティヒ−ホーナー反応。(20S)−25−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノルビタミンD(12)。無水THF(800μL)中の27(49mg、108μmol)の撹拌溶液に、この溶液が濃橙色になるまで、2滴のフェニルリチウム溶液(ジ−n−ブチルエーテル中1.8M)を20℃で添加した。次に、54μL(97μmol)のフェニルリチウム溶液を滴下添加した。20分後、反応混合物を−78℃に冷却し、カニューレを介して、無水THF(400μL+100μL)中の予め冷却した(−78℃)ケトン11の溶液(28mg、71μmol)を添加した。混合物を−78℃で2時間及び0℃で4時間撹拌した。酢酸エチル(30mL)を添加し、有機相を塩水(7mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、減圧下で濃縮した。シリカSep−Pakカートリッジ(0→2%酢酸エチル/ヘキサン)上で残渣を精製し、保護された19−ノルビタミンD誘導体を得た。
メタノール(2mL)中の得られた油状化合物(11mg、17μmol)の撹拌溶液に、(1S)−(+)−10−カンファースルホン酸(7mg、30μmol)を0℃で添加した。次いで、冷却槽を除去し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。数滴の重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び水(3mL)を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した(5x7mL)。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮し、シリカSep−Pakカートリッジ(10%酢酸エチル/ヘキサン)上でならびに7%ヘキサン/2−プロパノール溶媒系を用いたHPLC(9.4mmx25cm Zorbax Rx−Silカラム、4mL/分)によって残渣を精製した(R=21mL)。メタノール/水(85:15)溶媒系(R=44mL)を用いたHPLC(9.4mmx25cm Zorbax Eclipse XDB−C18カラム、4mL/分)によって、さらなる精製を遂行した。分析上純粋な19−ノルビタミンD類似体12(6.9mg、11より14%収率)を得たが、これは、実施例Iに記載の化合物と全ての点で同一であった。
スキームI及びスキームIIを次に示す。
Figure 0005814247
Figure 0005814247

Figure 0005814247
(20S)−25−ヒドロキシ−1−デソキシ−2−メチレン−19−ノルビタミンDの生物学的活性
2−位へのメチレン基の導入、炭素10のメチレン置換基の除去及びそのエピ又はS配置に炭素20のメチル基を配向させることは、1α,25−ジヒドロキシビタミンDと比較して、全長組み換えラットビタミンD受容体への結合に殆ど又は全く影響しなかった。化合物1−デソキシ−2MDの受容体への結合は、標準的な1,25−(OH)と比較した場合、親和性がごく僅かに低かった(図1)。これらの結果から、化合物1−デソキシ−2MDが同等の生物学的活性を有することが予想され得る。しかし、驚くべきことに、化合物1−デソキシ−2MDは、特有の生物学的活性を有する非常に選択的な類似体である。
図5A及び5Bは、腸カルシウム輸送の刺激において、天然ホルモンである1,25−ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH))の活性と比較した場合、1−デソキシ−2MDの活性が比較的低いことを示す。1−デソキシ−2MDは、消化器官全体の能動的カルシウム輸送の促進において、1,25(OH)よりも約20倍弱い。
図4A及び4Bは、1,25(OH)と比較した場合、1−デソキシ−2MDの骨カルシウム動員活性が比較的低いことを示す。1−デソキシ−2MDは、骨カルシウム貯蔵物の放出において、ネイティブのホルモンよりも作用が弱く、ラット1匹あたり7020pmolを投与するまでは活性が殆ど又は全く観察されず、一方、ネイティブホルモンを投与する場合は780pmolで血清カルシウムの顕著な上昇が見られる。
このようにして、図4−5から、1−デソキシ−2MDは、血漿カルシウム上昇活性が比較的低いことを特徴とし得ることが示される。
図2は、HL−60細胞分化において、1−デソキシ−2MDが1,25(OH)とほぼ同じ強さの作用を有することを示し、このため、1−デソキシ−2MDは、癌治療に対する、特に白血病、結腸癌、乳癌、皮膚癌及び前立腺癌の予防又は治療に対する優れた候補となる。
図3は、骨細胞において、化合物1−デソキシ−2MDの転写活性が、1α,25−ジヒドロキシビタミンDよりも低いことを示す。骨細胞において、1−デソキシ−2MDは、24−ヒドロキシラーゼ遺伝子の転写上昇に関して、1,25(OH)よりも約20倍作用が弱い。この結果から、図2の細胞分化活性と併せて、1−デソキシ−2MDは、細胞分化、遺伝子転写の惹起及び細胞増殖の抑制において、直接的な細胞活性を有するので、上述の癌の治療において非常に有効であることが示唆される。
実験方法
本発明の化合物を調製し、次の方法を用いて試験した。
ビタミンD受容体結合
試験材料
タンパク質の供給源
全長組み換えラット受容体をE.コリ(大腸菌)BL21(DE3)Codon Plus RIL細胞で発現させ、2種類の異なるカラムクロマトグラフィーシステムを使用して均一になるように精製した。第一のシステムは、このタンパク質上のC末端ヒスチジンタグを使用するニッケルアフィニティー樹脂であった。イオン交換クロマトグラフィー(S−Sepharose Fast Flow)を用いて、この樹脂から溶出されたタンパク質をさらに精製した。精製タンパク質の分注液を液体窒素中で急速凍結し、使用するまで−80°Cで保存した。結合アッセイで使用する場合、0.1%Chaps界面活性剤入りのTEDK50(50mM Tris、1.5mM EDTA、pH7.4、5mM DTT、150mM KCI)中でタンパク質を希釈した。添加した放射性標識リガンドのうち受容体に結合するものが20%を超えないように、受容体タンパク質及びリガンド濃度を最適化した。
試験薬物
未標識リガンドをエタノール中で溶解し、UV分光光度法を用いて濃度を決定した(1,25(OH):モル吸光係数=18,200及びλmax=265nm)。最終濃度1nMとなるようにエタノール中の放射性標識リガンド(H−1,25(OH)、〜159Ci/mmole)を添加した。
アッセイ条件
100mclの希釈タンパク質に放射性標識及び未標識リガンドを添加し、≦10%の最終エタノール濃度とし、混合し、氷上で一晩インキュベートし、結合平衡状態に到達させた。翌日、100mclのヒドロキシルアパタイトスラリー(50%)を各試験管に添加し、10分間隔で30分間混合した。ヒドロキシルアパタイトを遠心により回収し、次いで0.5%Titron X−100を含有するTris−EDTA緩衝液(50mM Tris、1.5mM EDTA、pH7.4)で3回洗浄した。最終的な洗浄後、4mLのBiosafe IIシンチレーションカクテルを含有するシンチレーションバイアルにペレットを移し、混合し、シンチレーションカウンターに載せた。放射性標識リガンドのみを含有する試験管から、総結合を調べた。
HL−60分化
試験材料
試験薬物
試験薬物をエタノール中で溶解し、UV分光光度法を用いて濃度を確認した。細胞培養中に存在する最終エタノール濃度(≦0.2%)を変化させることなく薬物濃度の範囲を試験することができるように、連続希釈液を調製した。
細胞
10%ウシ胎仔血清を含有するRPMI−1640培地中でヒト前骨髄球性白血病(HL60)細胞を増殖させた。5%COの存在下、37℃で細胞をインキュベートした。
アッセイ条件
1.2x10個(細胞)/mlになるようにHL60細胞を播種した。播種から18時間後、2つ組で細胞を薬物処理した。4日後、細胞を回収し、ニトロブルーテトラゾリウム還元アッセイを行った(Collinsら、1979;J.Exp.Med.149:969−974)。全部で200個の細胞を数え、細胞内に黒−青色のホルマザン沈着を含有した数を記録することによって、分化した細胞の%を調べた。単球系細胞への分化の検証は、食作用性の活性を測定することにより行った(データは示さない。)。
インビトロ転写アッセイ
ルシフェラーゼレポーター遺伝子の24−ヒドロキシラーゼ(24Ohase)遺伝子プロモーター上流を安定的に形質移入したROS17/2.8(骨)細胞(Arbourら、1998)において、転写活性を測定した。細胞に一連の用量を与えた。投与から16時間後、細胞を回収し、ルミノメーターを用いてルシフェラーゼ活性を測定した。RLU=相対的ルシフェラーゼ単位。
腸カルシウム輸送及び骨カルシウム動員
雄、離乳Sprague−Dawleyラットに、1週間、Diet 11(Sudaら、J.Nutr.100:1049,1970)(0.47%Ca)+ビタミンAEKを与え、続いてDiet 11(0.02%Ca)+ビタミンAEKを3週間与えた。次に、これらのラットの餌を1週間、0.47%Caを含有する同じ餌に切り替え、続いて2週間、0.02%Caを含有する同じ餌を与えた。0.02%カルシウム餌の最終週の間に薬物投与を開始した。およそ24時間の間隔をあけて、4回の連続ip投与を行った。
最終投与から24時間後、切断した頸部から血液を回収し、骨カルシウム動員の目安として原子吸光分析法によって血清カルシウム濃度を測定した。反転腸管法(everted gut sac method)を用いた腸カルシウム輸送分析のために、腸の最初の10cmも回収した。
データの解釈
VDR結合、HL60細胞分化及び転写活性。全長組み換えラットビタミンD受容体への結合に対する[H]−1,25(OH)とのその競合能において、1−デソキシ−2MD(K=1x10−10M)の活性は、天然ホルモン1α,25−ジヒドロキシビタミンD(K=5x10−11M)よりも僅かに低い(図1)。1−デソキシ−2MDはまた、1α,25−ジヒドロキシビタミンD(EC50=4xl0−9M)と比較して、そのHL60分化促進能(効率又は有効性)も少し低い(EC50=1xl0−8M)(図2参照)。また、化合物1−デソキシ−2MD(EC50=4xl0−9M)の骨細胞における転写活性は、1α,25−ジヒドロキシビタミンD(EC50=2xl0−10M)よりも約20倍低い(図3参照)。これらのデータからまた、1−デソキシ−2MDは、細胞分化の惹起及び細胞増殖の抑制において、直接的な細胞に対する活性を有するので、特に白血病、結腸癌、乳癌、皮膚癌及び前立腺癌の予防又は治療において、抗癌剤として顕著な活性を有するであろうことが示される。
ビタミンD−欠乏動物における骨からのカルシウム動員及び腸カルシウム吸収。低カルシウム餌(0.02%)のビタミンD−欠乏ラットを用いて、腸及び骨における1−デソキシ−2MD及び1,25(OH)の活性を試験した。予想されるように、ネイティブのホルモン(1,25(OH))は、試験した投与量で血清カルシウムレベルを上昇させた(図4A及び4B)。図4A及び4Bはまた、骨からのカルシウム動員において、1−デソキシ−2MDの活性が、1,25(OH)よりも顕著に低いことも示す。4連続日にわたる780pmol/日の1−デソキシ−2MDの投与の結果、骨カルシウムの動員は僅かであるか又は全くなかった。1−デソキシ−2MDは、骨カルシウム貯蔵物の放出において、ネイティブホルモンよりも作用が弱く、ラット1匹あたり7020pmolを投与するまでは活性が殆ど又は全く見られず、一方、ネイティブホルモンを投与する場合は、780pmolで顕著な血清カルシウムの上昇が見られる。
反転腸管法(everted gut sac method)を用いて、動物の同じ群において、腸カルシウム輸送を評価した(図5A及び5B)。これらの結果から、推奨される低投与量で投与される場合、1,25(OH)と比較して、化合物1−デソキシ−2MDは、腸カルシウム輸送活性の促進において、約20倍作用が弱いことが示される。従って、1−デソキシ−2MDは試験した用量で腸カルシウム輸送活性が低いと結論付けることができる。
これらの結果から、1−デソキシ−2MDが、本明細書中に記載のように多くのヒトの治療法に対する優れた候補であることがさらに示される。1−デソキシ−2MDは、(1)顕著な、VDR結合、転写活性及び細胞分化活性を有し;(2)1,25(OH)とは異なり、高カルシウム血症の易罹病性のリスクが低く、(3)容易に合成されるので、癌を治療するための優れた候補である。
予防及び/又は治療のために、当技術分野で公知の従来の方法に従い、式I及びIaにより定義される本発明の化合物を、医薬的応用のために、無害な溶媒中の溶液として、又は適切な溶媒もしくは担体中の乳液、懸濁液又は分散液として、又は固体担体とともに、丸剤、錠剤もしくはカプセル剤として、処方することができる。何らかのこのような製剤には、安定化剤、抗酸化剤、結合剤、着色料又は乳化もしくは味覚修飾剤などの、他の医薬的に許容可能な及び無毒性の賦形剤も含有され得る。
式Iの化合物及び特に式Iaの1−デソキシ−2MDは、経口投与、局所投与、非経口投与、直腸投与、鼻腔投与、舌下投与又は経皮投与することができる。本化合物は、有利に、注射によって又は静脈内点滴もしくは適切な滅菌溶液によって、又は消化管を介して液体もしくは固体投与の形態で又はクリーム剤、軟膏剤、パッチ剤もしくは経皮投与に適切な同様のビヒクルの形態で、投与される。予防及び/又は治療のためには、0.01μgから1000μg/日の用量の化合物I、特に1−デソキシ−2MD、好ましくは約0.1μgから約500μg/日が適切であり、このような用量は、当技術分野でよく理解されているように、治療しようとする疾患、その重症度及び対象の反応に従い調整される。本化合物は、作用の特異性を示すので、様々な程度の骨塩動員及びカルシウム輸送刺激が好都合であることが認められている状況において、それぞれが、単独で又は段階的用量の別の活性ビタミンD化合物−−例えば1α−ヒドロキシビタミンD又はD又は1α,25−ジヒドロキシビタミンD−−とともに適切に投与され得る。
上述の治療での使用のための組成物は、活性成分としての有効量の化合物I、特に上記式I及びIaにより定義されるような1−デソキシ−2MDと、適切な担体と、を含む。本発明に従う使用のためのこのような化合物の有効量は、組成物約0.01μgから約1000μg/gm、好ましくは組成物約0.1gから約500μg/gmであり、約0.01μg/日から約1000μg/日、及び好ましくは約0.1μg/日から約500μg/日の投与量で、局所投与、経皮投与、経口投与、直腸投与、鼻腔投与、舌下投与又は非経口投与することができる。
化合物I、特に1−デソキシ−2MDは、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、局所パッチ剤、丸剤、カプセル剤もしくは錠剤、坐薬、エアロゾルとして又は、医薬的に無害であり許容可能な溶媒もしくは油中の溶液、乳液、分散液もしくは懸濁液として液体形態で処方され得、このような製剤には、さらに他の医薬的に無害であるか又は利益がある成分、例えば、安定化剤、抗酸化剤、乳化剤、着色料、結合剤又は味覚修飾剤などが含有され得る。
化合物I、特に1−デソキシ−2MDは、有利に、正常なマクロファージへの前骨髄球細胞の分化を達成するのに十分な量で投与され得る。上述のとおりの投与量が適切であり、与えられた量は、当技術分野でよく理解されているように、疾患の重症度、対象の状態及び反応に従い調整すべきであることが理解されよう。
本発明の製剤は、医薬的に許容可能な担体とともに活性成分を含み、従って及び場合によってはその他の治療用成分を含む。担体は、製剤のその他の成分と適合性があり、その製剤の受容者にとって有害ではないという意味で、「許容可能」でなけらればならない。
経口投与に適切な本発明の製剤は、所定量の活性成分をそれぞれ含有する、カプセル剤、サシェ剤、錠剤又はトローチ剤のような個別単位の形態、粉剤又は顆粒剤の形態、水溶液もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液の形態又は水中油乳液もしくは油中水乳液の形態であり得る。
直腸投与用の製剤は、活性成分及びカカオバターなどの担体を組み込む坐薬の形態又は浣腸の形態であり得る。
非経口投与に適切な製剤は、従来、好ましくは受容者の血液と等張である活性成分の滅菌油状又は水性調製物を含む。
局所投与に適切な製剤としては、液体又は半液体調製物、例えば、塗布薬、ローション剤、外用薬、水中油又は油中水乳液、例えばクリーム剤、軟膏剤もしくはペースト剤;又は溶液もしくは懸濁液、例えば滴剤;又はスプレー剤が挙げられる。
鼻腔投与の場合、スプレー缶、ネブライザー又はアトマイザーで投与される、粉剤の吸入、セルフプロぺリング(self−propelling)又はスプレー製剤を使用することができる。投与する場合、これらの製剤は、好ましくは、10から100μの範囲の粒径を有する。
本製剤は、都合よく、投与単位形態であり得、医薬の技術分野で周知の何れかの方法によって調製され得る。「投与単位」という用語は、活性成分そのもの又は活性成分と固体もしくは液体の医薬用希釈剤もしくは担体との混合物の何れかを含む、物理学的及び化学的に安定な単回投与量で患者に投与することができる、単位、即ち単回投与量を意味する。

Claims (25)

  1. 式:
    Figure 0005814247
    を有する化合物(式中、Xは、水素、並びに、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルシリル又はアルキルアリールシリル基、及びアルコキシアルキル基から成る群から選択されるヒドロキシ保護基からなる群から選択され、
    Rが、
    Figure 0005814247
    又は
    Figure 0005814247
    又は
    Figure 0005814247
    又は
    Figure 0005814247
    又は
    Figure 0005814247
    から選択される。)。
  2. Xが水素である、請求項1に記載の化合物。
  3. 医薬的に許容可能な賦形剤と一緒に、有効量の、請求項1に記載の化合物を少なくとも1つ含有する、医薬組成物。
  4. 前記有効量が、組成物1gあたり0.01μgから1000μgを含む、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記有効量が、組成物1gあたり0.1μgから500μgを含む、請求項3に記載の医薬組成物。
  6. 式:
    Figure 0005814247
    を有する化合物(式中、同じでも異なっていてもよいX及びXは、水素又は、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルシリル若しくはアルキルアリールシリル基、及びアルコキシアルキル基から成る群から選択されるヒドロキシ保護基からそれぞれ選択される。)。
  7. が水素である、請求項6に記載の化合物。
  8. が水素である、請求項6に記載の化合物。
  9. 及びXが両者ともt−ブチルジメチルシリルである、請求項6に記載の化合物。
  10. 医薬的に許容可能な賦形剤と一緒に、有効量の、請求項6に記載の化合物を少なくとも1つ含有する、医薬組成物。
  11. 前記有効量が、組成物1gあたり0.01μgから1000μgを含む、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 前記有効量が、組成物1gあたり0.1μgから500μgを含む、請求項10に記載の医薬組成物。
  13. 式:
    Figure 0005814247
    を有する、(20S)−25−ヒドロキシ−1−デソキシ−2−メチレン−19−ノル−ビタミンD
  14. 医薬的に許容可能な賦形剤と一緒に、有効量の(20S)−25−ヒドロキシ−1−デソキシ−2−メチレン−19−ノル−ビタミンDを含有する、医薬組成物。
  15. 前記有効量が、組成物1gあたり0.01μgから1000μgを含む、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 前記有効量が、組成物1gあたり0.1μgから500μgを含む、請求項14に記載の医薬組成物。
  17. 式:
    Figure 0005814247
    (式中、Xは、水素、並びに、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルシリル又はアルキルアリールシリル基、及びアルコキシアルキル基から成る群から選択されるヒドロキシ保護基からなる群から選択され、
    Rが、
    Figure 0005814247
    又は
    Figure 0005814247
    又は
    Figure 0005814247
    又は
    Figure 0005814247
    又は
    Figure 0005814247
    から選択される。)。
    を有する、有効量の1−デソキシ−2−メチレン−19−ノル−ビタミンD類似体を、白血病、結腸癌、乳癌、皮膚癌又は前立腺癌からなる群から選択される疾患に罹患している対象に投与することを含む、白血病、結腸癌、乳癌、皮膚癌又は前立腺癌からなる群から選択される疾患を治療するための薬剤。
  18. 前記ビタミンD類似体が経口投与するための、請求項17に記載の薬剤。
  19. 前記ビタミンD類似体が非経口投与するための、請求項17に記載の薬剤。
  20. 前記ビタミンD類似体が経皮投与するための、請求項17に記載の薬剤。
  21. 前記化合物が直腸投与するための、請求項17に記載の薬剤。
  22. 前記化合物が経鼻投与するための、請求項17に記載の薬剤。
  23. 前記化合物が舌下投与するための、請求項17に記載の薬剤。
  24. 前記ビタミンD類似体が、0.01μg/日から1000g/日の投与量で投与するための、請求項17に記載の薬剤。
  25. 前記化合物が、式:
    Figure 0005814247
    を有する(20S)−25−ヒドロキシ−1−デソキシ−2−メチレン−19−ノル−ビタミンDである、請求項17に記載の薬剤。
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