JP5812114B2 - 絞込データ生成方法及び絞込データ生成装置 - Google Patents

絞込データ生成方法及び絞込データ生成装置 Download PDF

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Description

本発明は、絞込データ生成方法及び絞込データ生成装置に関する。
生体認証技術の認証方式の一態様として、利用者によって入力された生体情報と予め登録されたN人の生体情報とを照合することで認証する「1対N認証」が認知されている。1対N認証を採用する場合には、利用者によって入力された生体情報を、予め登録されているN人の生体情報との間で照合するので、生体情報の登録数Nが多くなるにつれて認証結果が出力されるまでに時間がかかる。かかる認証時間を短縮する技術の一例として、登録データを分類しておき、照合時に入力データと同一の分類に属する登録データを照合対象に選択する絞り込み技術が用いられる。
特開平03−260778号公報 特開2006−244365号公報
しかしながら、上記の従来技術には、以下に説明するように、絞り込みの精度が安定しないという問題がある。
すなわち、登録時及び認証時に採取される生体情報は、認証部位の入力の仕方、さらには、認証部位や読取装置に付着する汚れなどの外的要因によってその品質にばらつきが生じる。このため、同一人の生体情報であっても、認証時に採取される生体情報が登録時に採取された生体情報と同じ分類に分別されるとは限らない。このように、同一人の生体情報が異なる分類に分別された場合には、照合に用いられる生体情報に本人の生体情報が絞り込まれないので、誤って同一人を別人と判定してしまうおそれがある。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、絞り込みの精度を安定させることができる絞込データ生成方法及び絞込データ生成装置を提供することを目的とする。
本願の開示する絞込データ生成方法は、コンピュータが、少なくとも指紋の一部を含む画像を取得し、前記画像から指紋を形成する隆線の方向を検出する処理を実行する。さらに、前記コンピュータが、前記画像から指紋の特異点を検出し、前記特異点を中心とする基準円の円周上で前記隆線の方向が前記基準円に接する接線の方向となす角度を算出する処理を実行する。さらに、前記コンピュータが、前記角度を前記基準円の円周上の位置に対応付けることによって前記指紋の照合に用いられる照合データを絞り込む絞込データを生成する処理を実行する。
本願の開示する絞込データ生成方法の一つの態様によれば、絞り込みの精度を安定させることができるという効果を奏する。
図1は、実施例1に係る生体認証システムに含まれる各装置の機能的構成を示すブロック図である。 図2は、Whorl型指紋における特異点の検出結果の一例を示す図である。 図3は、左Loop型指紋における特異点の検出結果の一例を示す図である。 図4は、右Loop型指紋における特異点の検出結果の一例を示す図である。 図5は、Arch型指紋における特異点の検出結果の一例を示す図である。 図6は、隆線方向と接線方向との角度差の一例を示す図である。 図7は、Whorl型指紋における隆線方向及び接線方向の関係を示す図である。 図8は、左Loop型指紋における隆線方向及び接線方向の関係を示す図である。 図9は、右Loop型指紋における隆線方向及び接線方向の関係を示す図である。 図10は、Arch型指紋における隆線方向及び接線方向の関係を示す図である。 図11は、図7に対応する角度差の分布の一例を示す図である。 図12は、図8に対応する角度差の分布の一例を示す図である。 図13は、図9に対応する角度差の分布の一例を示す図である。 図14は、図10に対応する角度差の分布の一例を示す図である。 図15は、実施例1に係るログイン処理の手順を示すフローチャートである。 図16は、実施例1に係る絞込データ生成処理の手順を示すフローチャートである。 図17は、実施例1に係る生体認証処理の手順を示すフローチャートである。 図18は、実施例1に係る絞込処理の手順を示すフローチャートである。
以下に、本願の開示する絞込データ生成方法及び絞込データ生成装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[システム構成]
まず、本実施例に係る生体認証システムの構成について説明する。図1は、実施例1に係る生体認証システムに含まれる各装置の機能的構成を示すブロック図である。図1に示す生体認証システム1は、指紋センサ20を介して指紋が読み取られた画像を用いて1対Nの指紋認証を実行する場合に、サーバ装置30がクライアント端末10によって生成された絞込データを用いて照合に用いる照合データを絞り込むものである。なお、図1の例では、利用者がクライアント端末10へログインする際のログイン認証として指紋認証が実行される場合を想定して以下の説明を行う。
図1に示すように、生体認証システム1には、指紋センサ20と、クライアント端末10と、サーバ装置30とが収容される。このうち、クライアント端末10とサーバ装置30との間は、ネットワークを介して通信可能に接続される。かかるネットワークの一態様としては、インターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの通信網が採用される。
なお、図1の例では、クライアント端末10及びサーバ装置30をそれぞれ1つずつ図示したが、開示のシステムは図示の構成に限定されない。すなわち、生体認証システム1は、少なくとも1つのサーバ装置30が1つずつ収容されていればよく、任意の数のクライアント端末10を収容できる。
指紋センサ20は、指紋を読み取るセンサである。かかる指紋センサ20の検知方式の一例としては、静電容量式、電界検知式、光学式、感熱式、感圧式など任意の検知方式を採用できる。また、指紋センサ20の読取方式の一例としては、指のはら、すなわち指先の内側の中央部をスライドさせるスライド型でもよいし、指のはらを載置させるスタンプ型であってもよく、また、これら接触式のものに限定されず、非接触式のものを採用してもよい。なお、ここでは、指紋センサ20がクライアント端末10にUSB(Universal Serial Bus)等を介して接続される場合を例示したが、指紋センサ20がクライアント端末10に内蔵されることとしてもよい。
クライアント端末10は、利用者によって利用される情報処理装置である。かかるクライアント端末10の一態様としては、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)を始めとする固定端末を採用できる。この他、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォンなどの移動体端末も採用できる。
かかるクライアント端末10は、自装置へのログインに際して、アカウント及びパスワードに代えて利用者の指紋画像の入力を受け付け、後述のサーバ装置30に実行させた指紋認証の結果によってクライアント端末10への利用者のログインを許可又は禁止する。
これを説明すると、クライアント端末10は、指紋センサ20によって指紋が読み取られた画像から、後述のサーバ装置30によって指紋の照合が実行される場合に使用される照合データを生成する。なお、以下では、指紋センサ20によって指紋が読み取られた画像のことを「指紋画像」と記載する場合がある。さらに、以下では、指紋画像から生成される照合データのことを「入力照合データ」と記載するとともに、後述のサーバ装置30に予め登録されている照合データのことを「登録照合データ」と記載する場合がある。
さらに、クライアント端末10は、指紋センサ20によって読み取られた指紋画像から、後述のサーバ装置30によって入力照合データと照合する登録照合データが絞り込まれる場合に使用される絞込データを生成する。なお、以下では、指紋画像から生成された絞込データのことを「入力絞込データ」と記載するとともに、後述のサーバ装置30に予め入力照合データに対応付けて登録されている絞込データのことを「登録絞込データ」と記載する場合がある。
その上で、クライアント端末10は、指紋画像から生成した照合データ及び絞込データを後述のサーバ装置30へ送信する。このように、クライアント端末10が指紋画像そのものではなく、指紋画像から生成した照合データ及び絞込データをネットワークに送出するのは、指紋という利用者の個人情報が外部に漏れるのを抑制するためである。なお、ここでは、クライアント端末10が指紋画像から照合データ及び絞込データを生成する場合を例示するが、クライアント端末10が指紋画像をそのままサーバ装置30へ転送し、サーバ装置30に照合データ及び絞込データを生成させることとしてもよい。
そして、クライアント端末10は、後述のサーバ装置30による認証結果が認証成功である場合には、クライアント端末10に対する利用者のログインを許可する。すなわち、クライアント端末10は、アカウント及びパスワードを自動入力することにより、利用者をログインさせる。これによって、利用者の本人認証のセキュリティをパスワード認証よりも向上させた上で、パスワードが忘却されたり、パスワードが漏洩したりするリスクを低減させる。
一方、クライアント端末10は、後述のサーバ装置30による認証結果が認証失敗である場合には、クライアント端末10に対する利用者のログインを禁止する。この場合には、クライアント端末10は、指紋画像を再度入力するように利用者を促す報知を出力してもよく、クライアント端末10の利用権限がない旨の警告を出力してもよく、また、クライアント端末10に対する操作をロックすることとしてもよい。
サーバ装置30は、指紋認証サービスを提供するコンピュータである。かかるサーバ装置30は、クライアント端末10から入力絞込データ及び入力照合データを受け付けた場合に、入力絞込データと類似する登録絞込データに対応付けられた登録照合データを抽出することによって入力照合データと照合する登録照合データを絞り込む。一例としては、サーバ装置30は、入力絞込データ及び登録絞込データから算出される絞込類似度が、登録照合データの総数Nに対する所定の割合、例えば上位10分の1(=N/10)以内に入る登録絞込データに対応する登録照合データを絞り込む。他の一例としては、サーバ装置30は、入力絞込データ及び登録絞込データから算出される絞込類似度が所定の閾値以上である登録絞込データに対応する登録照合データを絞り込む。
その上で、サーバ装置30は、入力照合データと、絞込結果として得られた登録照合データとを照合することにより認証する。一例としては、サーバ装置30は、入力照合データが先に絞り込まれた全ての登録照合データと照合されるまで、入力照合データ及び登録照合データから算出される照合スコアが所定の閾値以上であるか否かを判定する処理を繰り返す。このとき、サーバ装置30は、少なくとも1つの登録照合データとの間で照合スコアが閾値以上である場合には、入力照合データの認証に成功した旨をクライアント端末10へ応答する。一方、サーバ装置30は、全ての登録照合データとの間で照合スコアが閾値未満である場合には、入力照合データの認証に失敗した旨をクライアント端末10へ応答する。
[クライアント端末10の構成]
続いて、本実施例に係るクライアント端末の機能的構成について説明する。図1に示すように、クライアント端末10は、照合データ生成部11と、絞込データ生成部12とを有する。なお、クライアント端末10は、図1に示した機能部以外にも既知のパーソナルコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイスなどの機能を有するものとする。
照合データ生成部11は、指紋センサ20によって読み取られた指紋画像から指紋認証に用いられる照合データを生成する処理部である。一態様としては、照合データ生成部11は、後述のサーバ装置30の認証部34によって採用されるマニューシャ方式、パターンマッチング方式や周波数解析法などの任意の照合方式に合わせて指紋画像から照合データを生成する。
例えば、照合データ生成部11は、後述の認証部34によってマニューシャ方式が採用される場合には、指紋画像の紋様に含まれる隆線の端点や分岐点などの特徴点の方向と、位置関係や特徴点相互間の相関関係とを照合データとして生成する。また、照合データ生成部11は、後述の認証部34によってパターンマッチング方式が採用される場合には、指紋画像が2値化または細線化された画像を照合データとして生成する。また、照合データ生成部11は、後述の認証部34によって周波数解析法が採用される場合には、指紋画像の紋様パターンをスライスした断面を波形と見なした波形スペクトル系列を照合データとして生成する。
その後、照合データ生成部11は、先のようにして生成した照合データをサーバ装置30へ送信する。このとき、照合データ生成部11は、クライアント端末10の利用者またはシステム管理者等によって照合データ及び絞込データを登録する登録モードに設定されている場合には、生成した照合データを登録照合データとしてサーバ装置30の登録部31へ送信する。一方、照合データ生成部11は、登録モードに設定されていない場合には、生成した照合データを入力照合データとしてサーバ装置30の絞込部33へ送信する。
絞込データ生成部12は、指紋画像から登録照合データの絞り込みに用いられる絞込データを生成する処理部である。かかる絞込データ生成部12は、図1に示すように、隆線方向検出部13と、特異点検出部14と、指方向検出部15と、角度算出部16と、生成部17と、半径設定部18とを有する。
このうち、隆線方向検出部13は、指紋センサ20によって入力された指紋画像から隆線の方向を検出する処理部である。一態様としては、隆線方向検出部13は、指紋画像を汗腺の開口部が隆起した隆線とその間隙に形成される谷線とに分離可能な閾値を用いて指紋画像を二値化した上でその指紋画像を所定のサイズのブロックに分割する。このとき、ブロックの大きさには、成人男性の指紋を形成する隆線が複数本含まれるサイズが採用される。例えば、隆線方向検出部13は、1つのブロックが8ピクセル×8ピクセルのサイズになるように指紋画像を分割する。その上で、隆線方向検出部13は、隆線と谷線の境界線をエッジ検出することによって隆線の方向をブロックごとに検出する。このとき、隆線方向検出部13は、画像上の任意の方向を基準、例えば画像の真上から真下への方向を0度にしてその基準からの差分値として隆線の方向を検出する。
特異点検出部14は、指紋センサ20によって入力された指紋画像から指紋を形成する紋様の特異点を検出する処理部である。一態様としては、特異点検出部14は、指紋の特異点として「指紋中心」を検出する場合には、隆線方向検出部13によってブロックごとに検出された隆線の方向から各々の隆線の曲率を算出した上で隆線の曲率が最大となる点を「指紋中心」として検出する。かかる指紋中心を検出する技術には、任意の公知の技術、例えば特開平1−337808号公報などの技術を適用することができる。この指紋中心の他、特異点検出部14は、隆線の3方向からの集合点である三角州、いわゆるデルタや隆線の端点などの指紋の特異点を検出する。
ここで、図2〜図5を用いて、特異点の検出結果の一例について説明する。図2は、Whorl型指紋における特異点の検出結果の一例を示す図である。図3は、左Loop型指紋における特異点の検出結果の一例を示す図である。図4は、右Loop型指紋における特異点の検出結果の一例を示す図である。また、図5は、Arch型指紋における特異点の検出結果の一例を示す図である。なお、上記の図2〜図5に示す△印は、指紋のデルタを指し、また、図2〜図5に示す×印は、指紋の中心を指す。
図2に示すように、Whorl型の指紋画像200の場合には、渦巻状に形成された隆線による楕円の同心円の中心に指紋中心210が検出されるとともに、その指紋中心210下部の左右の両サイドにデルタ220a及び220bが検出される。図3に示すように、左Loop型の指紋画像300の場合には、指紋中心310の下部が半楕円状になっておらず、紋様が蹄状に左側へ流れて形成される。このように紋様が左側へ流れて形成される場合には、指紋中心310の右下の位置にデルタ320が検出される。図4に示すように、右Loop型の指紋画像400の場合には、指紋中心410の下部が半楕円状になっておらず、左Loop型の指紋画像300とは反対に紋様が蹄状に右側へ流れて形成される。このように紋様が左側へ流れて形成される場合には、指紋中心410の左下の位置にデルタ420が検出される。図5に示すように、Arch型の指紋画像500の場合には、指紋中心510の上側は半楕円状に形成されるが、指紋中心510の下側は隆線が左右の両側へ流れて形成される。この場合には、デルタが検出されない場合がある。このように、Whorl型指紋、左Loop型指紋、右Loop型指紋及びArch型指紋のいずれにおいても、指紋中心の上側よりも下側の方がより固有の特徴が鮮明に現れやすい。
指方向検出部15は、指紋を含む指の方向を検出する処理部である。一態様としては、指方向検出部15は、指紋紋様パターンの構造、すなわち指紋が楕円形の同心円状に並んだ円弧状曲線の集合であることを利用して指紋中心から指の根元へ向かう長手方向を検出する。かかる指の方向を検出する技術には、任意の公知の技術、例えば2002−109543号公報などの技術を適用することができる。他の一態様としては、指方向検出部15は、指紋画像に映る指の第一関節のしわを検出した上で当該第一関節に対する法線方向、例えば指紋中心から当該第一関節、言い換えれば指の根元へ向かう指の長手方向を「指の方向」として検出する。このように指紋画像を用いて指の方向を検出する以外にも、指紋画像が正常に採取される位置に指の載置を誘導する指紋センサ20のガイドの形状と、指紋画像との相対関係から指の長手方向を検出することもできる。
角度算出部16は、特異点を中心とする基準円の円周上で隆線の方向が基準円に接する接線の方向となす角度を算出する処理部である。
一態様としては、まず、角度算出部16は、指紋画像上で指紋中心が所在する位置を中心点とし、中心点から所定の長さRを半径とする基準円を設定する。このとき、角度算出部16は、指紋中心を中心点として共有し、各々の円が異なる半径を有する複数の同心円を基準円として設定する。そして、角度算出部16は、複数の基準円のうち基準円を選択した上で当該基準円の円周を含むブロックを角度の算出対象として選択する。
ここで、角度の算出対象とするブロックを選択する場合、角度算出部16は、指紋中心及び指の長手方向を基準に設定される指紋中心の下部の領域に含まれ、かつ指紋画像上で所定の長さ以上の基準円の円周を含むブロックのうち1つのブロックを選択する。例えば、上記の指紋中心の下部の領域は、指紋中心から指の長手方向に向かう直線と基準円との交点を原点とし、当該原点から基準円の円周方向の左回りを「正」とする座標系を定義したとき、−π/2からπ/2までの範囲が該当する。このように、角度の算出対象を指紋中心の下部の領域とするのは、Whorl型指紋、左Loop型指紋、右Loop型指紋やArch型指紋等の各種タイプの指紋において指紋の多様性が指紋中心の下部の領域に現れるからである。これによって、指紋中心の上部の領域における角度の算出を省略し、絞込データ生成に関する演算量及び演算時間を効果的に低減する。
その後、角度算出部16は、指方向検出部15によって検出された指の方向を基準にして隆線の方向と基準円の接線方向との角度差を算出する。図6は、隆線方向と接線方向との角度差の一例を示す図である。図6の例では、指紋の特異点のうち指紋中心600の所在位置を中心とする基準円610が指紋画像上に設定された場合を想定する。図6に示すように、角度算出部16は、指方向検出部15によって検出された指の方向620と、隆線方向検出部13によって検出された隆線の方向のうち先に選択されたブロック630の隆線の方向640とがなす角度を算出する。これによって、当該ブロック630の隆線の方向640を指の方向620を基準とした角度、すなわち指の方向からの回転角に換算する。そして、角度算出部16は、当該ブロック630の隆線が基準円610と交差すると仮定した場合の隆線と基準円の交点Pを通る接線の方向650を求める。かかる接線の方向についても、角度算出部16は、指の方向620を基準とした角度、すなわち指の方向からの回転角を算出する。その上で、角度算出部16は、隆線の方向640と接線の方向650との角度差αを算出する。なお、ここでは、隆線の方向と接線の方向との角度差を絶対値で算出する場合を想定するが、正負の区別を行って角度差を算出するようにしてもかまわない。
このように、角度算出部16は、全ての基準円およびブロックを対象に隆線の方向と接線の方向との角度差の算出を繰り返し実行する。
生成部17は、角度算出部16によって算出された角度を基準円の円周上の位置に対応付けることによって登録照合データを絞り込む絞込データを生成する処理部である。一態様としては、生成部17は、基準円の円周上の位置ごとにブロック別に算出された隆線の方向と接線の方向との角度差を対応付ける。これによって、基準円の円周方向ごとに角度差が要素として対応付けられた絞込データが生成される。このとき、絞込時に絞込データを用いた比較処理を簡易にするために、各絞込データを所定の要素数となるように外挿してもよい。例えば、生成部17は、円周方向に所定の角度間隔で算出した角度差を外挿することで絞込データが要素数Mとなるように絞込データを生成することもできる。また、生成部17は、複数の基準円が設定されている場合には、基準円別に円周位置ごとの角度差を対応付ける。この場合には、基準円別に絞込データ、例えば0次基準円[s01,s02,s03,・・・,s0M、1次基準円[s11,s12,s13,・・・,s1M、・・・、N次基準円[sN1,sN2,sN3,・・・,sNMが得られることになる。
ここで、図7〜図14を用いて、絞込データの一例について説明する。図7〜図10は、Whorl型指紋、左Loop型指紋、右Loop型指紋及びArch型指紋における隆線方向及び接線方向の関係の一例を示す図である。図7〜図10の例では、0次基準円及び1次基準円の2つの基準円が設定される場合を想定する。図7〜図10に示す各ブロック内の線分は、隆線の方向を示す。また、図11〜図14は、図7〜図10に対応する角度差の分布の一例を示す図である。図11〜図14に示すグラフの横軸は、指紋中心から指の長手方向に向かう直線と基準円との交点を原点とし、当該原点から基準円の円周方向の左回りを「正」とする座標系を指し、また、縦軸は、隆線の方向と接線の方向との角度差を指す。なお、図11〜図14のグラフでは、0次基準円及び1次基準円の2つの基準円のうち外周に位置する1次基準円に関する角度差の分布を例示している。
図7〜図10の例では、図中に右斜線による塗りつぶしで示されたブロックの隆線の高校と0次基準円700の接線の方向との角度差が角度算出部16によって算出される。さらに、図中に点による塗りつぶしで示されたブロックの隆線の方向と1次基準円710の接線の方向との角度差が角度算出部16によって算出される。
図7に示すように、Whorl型指紋の場合には、指紋中心の下側にも半楕円状の紋様が形成されているケースが多い。このため、円周位置が−π/2またはπ/2である場合には、1次基準円710の下側を占める半円の形状と概ね類似するので、図11に示すように、ほとんど角度差は計測されない。一方、円周位置が−π/2から−π/4またはπ/2からπ/4へ近づくにつれて半楕円状の隆線と半円状の基準円との間でズレが大きくなるので、π/4程度の角度差のピークが左右両側に1個ずつ現れる。
図8に示すように、左Loop型指紋の場合には、指紋中心の下部の紋様が半楕円状になっておらず、紋様が蹄状に左側へ流れて形成されるケースが多い。したがって、図12に示すように、π/2程度の角度差のピークが左側に1個現れる。また、右Loop型指紋の場合には、指紋中心の下部の紋様が半楕円状になっておらず、左Loop型指紋とは反対に紋様が蹄状に右側へ流れて形成されるケースが多い。それゆえ、図13に示すように、π/2程度の角度差のピークが右側に1個現れる。また、Arch型指紋の場合には、指紋中心の上側は半楕円状に形成されるが、指紋中心の下側は隆線が左右の両側へ流れて形成されるケースが多い。このため、Arch型指紋における隆線の方向は、Whorl型指紋とは対照的に、原点付近を除く大半の円周上で基準円の接線の方向と大きく乖離する。したがって、図14に示すように、π/2程度の角度差のピークが左右両側に1個ずつ現れる。
このように、ブロックごとに算出された角度差を円周位置に対応付けることによってWhorl型指紋、左Loop型指紋、右Loop型指紋及びArch型指紋などの指紋タイプごとの特徴が現れた絞込データを生成できる。なお、ここでは、角度差を円周位置に対応付けたデータを絞込データとして例示したが、円周位置ごとの角度差が図11〜図14のいずれのタイプの分類に属するかをラベリングすることによってそのラベリング情報を絞込データとすることもできる。
その後、生成部17は、先のようにして生成した絞込データをサーバ装置30へ送信する。このとき、生成部17は、登録モードに設定されている場合には、生成した絞込データを登録絞込データとしてサーバ装置30の登録部31へ送信する。一方、生成部17は、登録モードに設定されていない場合には、生成した絞込データを入力絞込データとしてサーバ装置30の絞込部33へ送信する。
半径設定部18は、角度算出部16によって設定される基準円の半径Rを設定する処理部である。一態様としては、半径設定部18は、指紋画像を周波数成分に変換した上で周波数成分から得られる隆線の幅や隆線の間隔に応じて基準円の半径Rを決定する。なお、周波数成分への変換には、フーリエ変換、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)や離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)などを好適に適用できる。
一例としては、半径設定部18は、周波数成分から求めた隆線の幅または隆線の間隔をもとに、基準円の半径Rが隆線分の長さ、すなわち4つの隆線及びそれに挟まれる3つの谷線を含むように半径の長さを調節する。他の一例としては、半径設定部18は、成人の隆線の幅または隆線の間隔の平均値と半径Rのデフォルト値を図示しないメモリ等に保持しておく。その上で、半径設定部18は、周波数成分から求めた隆線の幅または隆線の間隔が平均値に比べて大きいほど当該平均値に関連付けられた半径Rのデフォルト値よりも半径Rを大きく設定する。この場合にも、半径Rのデフォルト値には、成人の4隆線分の長さを設定するのが好ましい。
このように、隆線の幅または隆線の間隔に応じて基準円の半径Rを設定するのは、経年変化に対応した絞込データを生成するためである。すなわち、同じ指紋であっても、成長に伴って形状やパターンは不変であるが指紋の紋様は拡大する。このため、半径設定部18は、隆線の幅または隆線の間隔が小さい場合には基準円の半径Rを小さくし、隆線の幅または隆線の間隔が大きい場合には基準円の半径Rを大きくすることによって同一人の指紋の経年変化に対応する。
なお、照合データ生成部11及び絞込データ生成部12には、各種の集積回路や電子回路を採用できる。また、絞込データ生成部12に含まれる機能部の一部を別の集積回路や電子回路とすることもできる。例えば、集積回路としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。また、電子回路としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などが挙げられる。
[サーバ装置30の構成]
次に、本実施例に係るサーバ装置30の構成について説明する。図1に示すように、サーバ装置30は、登録部31と、認証データ記憶部32と、絞込部33と、認証部34とを有する。なお、サーバ装置30は、図1に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイスなどの機能を有するものとする。
このうち、登録部31は、クライアント端末10から登録照合データ及び登録絞込データを含む認証データを受信した場合に、当該認証データを認証データ記憶部32へ登録する処理部である。
認証データ記憶部32は、照合データ及び絞込データが対応付けられた認証データを記憶する記憶部である。一例としては、認証データ記憶部32は、入力照合データと照合する登録照合データを絞り込むために、後述の絞込部33によって登録絞込データが参照される。他の一例としては、認証データ記憶部32は、入力照合データとの間で照合を行うために、後述の認証部34によって登録照合データが参照される。
ここで言う「照合データ」は、サーバ装置30に予め登録された登録照合データであり、後述の認証部34によって採用されるマニューシャ方式、パターンマッチング方式や周波数解析法などの任意の認証方式に合う照合データが予め登録される。また、「絞込データ」は、サーバ装置30に予め登録された登録絞込データであり、基準円の円周位置ごとに角度差が対応付けられた絞込データである。
なお、記憶部32には、半導体メモリ素子や記憶装置を採用できる。例えば、半導体メモリ素子としては、VRAM(Video Random Access Memory)、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ(flash memory)などが挙げられる。また、記憶装置としては、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置が挙げられる。
絞込部33は、認証データ記憶部32に記憶された登録照合データのうち入力照合データと照合する登録照合データを絞り込む処理部である。一態様としては、絞込部33は、クライアント端末10から入力照合データ及び入力絞込データを含む認証データを受信した場合に処理を起動する。すなわち、絞込部33は、認証データ記憶部32から各登録照合データに対応付けられた登録絞込データを読み出す。そして、絞込部33は、認証データ記憶部32から読み出した登録絞込データとクライアント端末10から受信した入力絞込データとの間で絞込類似度を算出する。このとき、絞込部33は、基準円が複数設定されている場合には、入力絞込データと登録絞込データとの絞込類似度を基準円の次数ごとに算出する。なお、上記の絞込類似度は、絞込データをベクトルデータとして扱い、入力絞込データ及び登録絞込データ間でユークリッド距離やシティブロック距離などの距離を計算することによって算出できる。
ここで、絞込部33は、各次数ごとに算出した絞込類似度に重み付けを行って各次数の絞込類似度が互いに反映された総合絞込類似度を算出する。例えば、絞込部33は、0次基準円および1次基準円の2つの次数ごとに絞込類似度が算出されている場合に、0次基準円よりも半径が大きい1次基準円の重み付けを0次基準円の重み付けよりも重く設定した上で各次数の絞込類似度に加重平均等の平均処理を行う。このように、0次基準円よりも外側に存在し、角度差のサンプル数が0次基準円よりも多い1次基準円の重みを大きくすることによってより大局的な総合類似度を算出することができる。なお、ここでは、2つの次数ごとに絞込類似度が算出されている場合を例示したが、3つ以上の次数ごとに絞込類似度が算出されている場合には、基準円の半径が大きいほどその次数の重み付けが重くなるように各次数の絞込類似度の重み付けを設定すればよい。
その後、絞込部33は、全ての登録絞込データとの間で絞込類似度を算出すると、総合絞込類似度が高い順にソートした上で、登録照合データの総数Nに対する所定の割合、例えば上位10分の1以内に入る登録絞込データに対応付けられた登録照合データを絞り込む。なお、ここでは、登録照合データを一定数に絞り込む場合を例示したが、総合絞込類似度が所定の閾値以上である登録絞込データに対応する登録照合データを全て絞り込むこととしてもよい。
なお、絞込部33は、0次基準円よりも半径が大きい1次基準円の重み付けを0次基準円の重み付けよりも重く設定する場合を例示したが、1次基準円よりも半径が小さい0次基準円の重み付けを1次基準円の重み付けよりも重く設定することもできる。このように、1次基準円よりも内側に存在し、指紋中心に近い角度差のサンプルを持つ0次基準円の重みを大きくすることによってより、指紋入力の仕方にロバストな総合類似度を算出することができる。
認証部34は、絞込部33によって絞り込まれた登録照合データと入力照合データとを照合して認証する処理部である。一態様としては、認証部34は、絞込部33によって絞り込まれた登録照合データと、入力照合データとを照合することにより、値が多いほど同一人である確率が高くなる照合スコアを算出する。そして、認証部34は、先に算出した照合スコアのうち最大の照合スコアが所定の閾値以上であるか否かを判定する。このとき、認証部34は、最大の照合スコアが閾値以上である場合には、最大の照合スコアを持つ登録照合データと入力照合データとの間で指紋認証が成功したと判定する。また、認証部34は、最大の照合スコアが閾値未満である場合には、入力照合データの認証が失敗したと判定する。その後、認証部34は、認証結果をクライアント端末10に送信する。なお、認証部34は、マニューシャ方式、パターンマッチング方式や周波数解析法などの任意の認証方式を採用できる。
なお、登録部31、絞込部33及び認証部34には、各種の集積回路や電子回路を採用できる。例えば、集積回路としては、ASICが挙げられる。また、電子回路としては、CPUやMPUなどが挙げられる。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る生体認証システムの各装置の処理の流れについて説明する。なお、ここでは、クライアント端末10によって実行される(1)ログイン処理を説明した後にログイン処理のサブルーチンとして実行される(2)絞込データ生成処理を説明する。その後、サーバ装置30によって実行される(3)生体認証処理を説明した後に生体認証処理のサブルーチンとして実行される(4)絞込処理を説明する。
(1)ログイン処理
図15は、実施例1に係るログイン処理の手順を示すフローチャートである。このログイン処理は、クライアント端末10が起動された状態で指紋センサ20によって指紋画像が読み取られたことを契機に処理が起動する。
図15に示すように、指紋センサ20から指紋画像が取得されると(ステップS101)、クライアント端末10は、指紋画像から指紋認証に用いられる照合データを生成する(ステップS102)。続いて、クライアント端末10は、指紋画像から登録照合データの絞り込みに用いられる絞込データを生成する(ステップS103)。
そして、クライアント端末10は、入力照合データ及び入力絞込データをサーバ装置30へ送信する(ステップS104)。その後、クライアント端末10は、サーバ装置30から認証結果の返信を受信する(ステップS105)。
このとき、認証結果が成功である場合(ステップS106肯定)には、クライアント端末10は、クライアント端末10に対する利用者のログインを許可し(ステップS107)、処理を終了する。なお、認証結果が失敗である場合(ステップS106否定)には、ログインを許可せずにそのまま処理を終了する。
なお、図15に示したステップS102及びステップS103の処理は、図示の順序通りに実行される必要はなく、互いの順序を入れ換えて実行することもできるし、並列して実行することもできる。
(2)絞込データ生成処理
図16は、実施例1に係る絞込データ生成処理の手順を示すフローチャートである。この絞込データ生成処理は、図15に示したステップS103に対応する処理であり、照合データが生成された場合に処理が起動する。なお、絞込データ生成処理は、必ずしもステップS102の実行後に実行される必要はなく、指紋画像が取得された後であれば任意のタイミングで実行できる。
図16に示すように、まず、クライアント端末10は、指紋画像を所定のサイズのブロックに分割する(ステップS301)。その上で、クライアント端末10は、隆線と谷線の境界線をエッジ検出することによって隆線の方向をブロックごとに検出する(ステップS302)。
続いて、クライアント端末10は、指紋画像から指紋を形成する紋様の特異点、例えば指紋中心やデルタなどを検出し(ステップS303)。その後、クライアント端末10は、指紋画像から指紋を含む指の方向、例えば指の長手方向を検出する(ステップS304)。
そして、クライアント端末10は、指紋画像上で指紋中心が所在する位置を中心点として共有し、各々の円が異なる半径を有する複数の同心円を基準円として設定する(ステップS305)。続いて、クライアント端末10は、複数の基準円のうち1つの基準円を選択し(ステップS306)、当該基準円の円周を含むブロックを角度の算出対象として選択する(ステップS307)。
その上で、クライアント端末10は、ステップS304で検出した指の方向と、ステップS307で選択されたブロックの隆線の方向とがなす角度を算出する(ステップS308)。そして、クライアント端末10は、当該ブロックの隆線が基準円と交差すると仮定した場合の隆線と基準円の交点Pを通る接線の方向を求め、隆線の方向と接線の方向との角度差を算出する(ステップS309)。
そして、基準円の円周を含む全てのブロックについて角度差の算出が終了するまで(ステップS310否定)、クライアント端末10は、上記のステップS307〜ステップS309までの処理を繰り返し実行する。
その後、基準円の円周を含む全てのブロックについて角度差の算出が終了すると(ステップS310肯定)、クライアント端末10は、ステップS309で算出した角度差を基準円の円周上の位置に対応付けることによって絞込データを生成する(ステップS311)。
そして、全ての基準円について絞込データの生成が終了するまで(ステップS312否定)、クライアント端末10は、上記のステップS306〜ステップS311までの処理を繰り返し実行する。その後、全ての基準円について絞込データの生成が終了すると(ステップS312肯定)、クライアント端末10は、処理を終了する。
(3)生体認証処理
図17は、実施例1に係る生体認証処理の手順を示すフローチャートである。この生体認証処理は、サーバ装置30の電源がON状態である限り、繰り返し実行される処理であり、クライアント端末10から入力照合データ及び入力絞込データを含む認証データを受信した場合に処理が起動する。
図17に示すように、サーバ装置30は、クライアント端末10から認証データを受信すると、認証データ記憶部32に記憶された登録照合データのうち入力照合データと照合する登録照合データを絞り込む絞込処理を実行する(ステップS501)。
そして、サーバ装置30は、ステップS501で絞り込まれた登録照合データを1つ選択する(ステップS502)。そして、サーバ装置30は、入力照合データ及び登録照合データの間で照合スコアを算出する(ステップS503)。
その後、全ての絞込結果に関する照合スコアを算出するまで(ステップS504否定)、サーバ装置30は、上記のステップS502〜ステップS503の処理を繰り返し実行する。そして、全ての絞込結果に関する照合スコアの算出が終了すると(ステップS504肯定)、サーバ装置30は、ステップS503で算出した照合スコアのうち最大の照合スコアが所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS505)。
このとき、最大の照合スコアが閾値以上である場合(ステップS505肯定)には、サーバ装置30は、最大の照合スコアを持つ登録照合データと入力照合データとの間で指紋認証が成功したと判定する(ステップS506)。一方、最大の照合スコアが閾値未満である場合(ステップS505否定)には、サーバ装置30は、入力照合データの認証が失敗したと判定する(ステップS507)。その後、サーバ装置30は、認証結果をクライアント端末10に送信し(ステップS508)、処理を終了する。
(4)絞込処理
図18は、実施例1に係る絞込処理の手順を示すフローチャートである。この絞込処理は、図17に示したステップS501に対応する処理であり、クライアント端末10から入力照合データ及び入力絞込データを含む認証データを受信した場合に処理が起動する。
図18に示すように、サーバ装置30は、認証データ記憶部32から各登録照合データに対応付けられた登録絞込データを読み出す(ステップS701)。そして、サーバ装置30は、認証データ記憶部32から読み出した登録絞込データとクライアント端末10から受信した入力絞込データとの間で絞込類似度を基準円の次数ごとに算出する(ステップS702)。続いて、サーバ装置30は、各次数ごとに算出した絞込類似度に重み付けを行って各次数の絞込類似度が互いに反映された総合絞込類似度を算出する(ステップS703)。
その後、全ての登録絞込データとの間で絞込類似度を算出するまで(ステップS704否定)、サーバ装置30は、上記のステップS702〜ステップS703までの処理を繰り返し実行する。
そして、全ての登録絞込データとの間で絞込類似度の算出を終了すると(ステップS704肯定)、サーバ装置30は、次のような処理を実行する。すなわち、サーバ装置30は、総合絞込類似度が高い順にソートした上で、登録照合データの総数Nに対する所定の割合、例えば上位10分の1以内に入る登録絞込データに対応付けられた登録照合データを絞り込み(ステップS705)、処理を終了する。
[実施例1の効果]
上述してきたように、本実施例に係るクライアント端末10は、指紋中心の位置を中心とした基準円の円周上で隆線の指す方向が基準円の接線方向となす角度を求め、その角度が円周上の位置に対応付けられた絞込データを生成する。このため、本実施例に係るクライアント端末10は、指紋入力時に指紋センサ20への照準としやすい指紋中心及びその近傍が撮影された指紋画像さえ得られれば絞込データを生成できるので、指紋入力のされ方にロバストな絞込データを生成できる。したがって、本実施例に係るクライアント端末10によれば、絞り込みの精度を安定させることができる。
また、本実施例に係るクライアント端末10では、指紋認証時の絞込処理において処理対象を基準円の円周位置別にサンプルされた角度に処理対処を限定できるので、処理量および処理時間を低減できる。さらに、本実施例に係るクライアント端末10では、指紋中心によって位置合わせが行われた絞込データを生成できるので、指紋認証時の絞込処理時に平行移動や回転移動などの複雑な位置合わせを省略できる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[認証環境]
上記の実施例1では、PCのログイン認証に適用する場合を例示したが、開示のシステムはこれに限定されるものではない。例えば、開示のシステムは、アプリケーションのログインを生体認証する場合、入退室時に生体認証する場合や入国審査時にブラックリストまたはホワイトリストに搭載された生体情報と生体認証する場合になど、生体認証が利用される環境に広く適用できる。
[スタンドアローン]
上記の実施例1では、クライアントサーバシステムで指紋認証が実行される場合を例示したが、必ずしもシステムで実施される必要はない。例えば、絞込データ生成部12を始め、絞込部33及び認証部34などの機能をノートPC(notebook personal computer)や携帯電話に搭載し、スタンドローンで実施することもできる。
[分散および統合]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、絞込データ生成部12または絞込データ生成部12に含まれる一部の機能部をサーバ装置30の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、絞込データ生成部12または絞込データ生成部12に含まれる一部の機能部を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のクライアント端末10の機能を実現するようにしてもよい。また、登録部31、絞込部33または認証部34をサーバ装置30の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、登録部31、絞込部33または認証部34を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、サーバ装置30の機能を実現するようにしてもよい。
1 生体認証システム
10 クライアント端末
11 照合データ生成部
12 絞込データ生成部
13 隆線方法検出部
14 特異点検出部
15 指方向検出部
16 角度算出部
17 生成部
30 サーバ装置
31 登録部
32 認証データ記憶部
33 絞込部
34 認証部

Claims (7)

  1. コンピュータが、
    少なくとも指紋の一部を含む画像を取得し、
    前記画像から指紋を形成する隆線の方向を検出し、
    前記画像から指紋の特異点を検出し、
    前記特異点を中心とする基準円の円周上で前記隆線の方向が前記基準円に接する接線の方向となす角度を算出し、
    前記角度を前記基準円の円周上の位置に対応付けることによって前記指紋の照合に用いられる照合データを絞り込む絞込データを生成する
    各処理を実行することを特徴とする絞込データ生成方法。
  2. 前記基準円は、前記特異点を中心に共有する同心円であって、
    前記角度を算出する処理として、
    各基準円ごとに前記角度を算出し、
    前記絞込データを生成する処理として、
    各基準円ごとに前記絞込データを生成することを特徴とする請求項1に記載の絞込データ生成方法。
  3. 前記コンピュータとは異なる他のコンピュータが、
    前記絞込データを用いて前記指紋の照合に用いられる照合データを絞り込み、
    絞り込んだ照合データと、入力された照合データとを照合して認証する処理を実行する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の絞込データ生成方法。
  4. 前記コンピュータが、
    前記絞込データを用いて前記指紋の照合に用いられる照合データを絞り込み、
    絞り込んだ照合データと、入力された照合データとを照合して認証する処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の絞込データ生成方法。
  5. 前記コンピュータが、
    前記指紋を含む指の方向を検出する処理をさらに実行し、
    前記角度を算出する処理として、
    前記指の方向を用いて、前記基準円の円周のうち前記指の根元側の円周部分を対象に前記角度の算出を実行することを特徴とする請求項1に記載の絞込データ生成方法。
  6. 前記コンピュータが、
    前記隆線の幅または間隔を用いて、前記基準円の半径を設定する処理をさらに実行することを特徴とする請求項1に記載の絞込データ生成方法。
  7. 少なくとも指紋の一部を含む画像から指紋を形成する隆線の方向を検出する隆線方向検出部と、
    前記画像から指紋の特異点を検出する特異点検出部と、
    前記特異点を中心とする基準円の円周上で前記隆線の方向が前記基準円に接する接線の方向となす角度を算出する角度算出部と、
    前記角度を前記基準円の円周上の位置に対応付けることによって前記指紋の照合に用いられる照合データを絞り込む絞込データを生成する生成部と
    を有することを特徴とする絞込データ生成装置。
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