JP5808025B2 - アミノ化オリゴヌクレオチド用固相担体 - Google Patents

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Description

本発明は、オリゴヌクレオチドの末端に高反応性のアミノ基を付加するための核酸固相合成用固相担体、及びアミノ基が付加されたアミノ化オリゴヌクレオチドに関する。
化学合成されたDNA及びRNA(以下、合成核酸と称する)は、遺伝子解析用のプローブをはじめ、医薬品としても注目されている。これらの用途に合成核酸を用いる場合、合成核酸を、ガラス、プラスチック又はポリマー等の固体、或いは蛍光物質、ポリエチレングリコール又はペプチド等の機能性分子等に結合させる必要がある。この結合形成には、合成核酸に導入されたアミノ基を介した共有結合が広く用いられている。
合成核酸へのアミノ基導入部位は、相補的な核酸及び/又は核酸結合タンパク質との相互作用を阻害しないように、合成核酸の調製段階において、5’又は3’末端に導入される。通常、合成核酸の調製は、3’末端から5’末端の方向に核酸鎖を伸長させることによって行われるため、5’末端へのアミノ基の導入は、核酸合成の最終段階において、アミノ基を含有するアミダイト試薬を結合させることによって行われる。一方、3’末端のアミノ基は、予めアミノ基が結合された固相担体上で順次核酸合成を行うことによって導入される。
従来、3’末端へのアミノ基導入には、直鎖炭化水素基の末端にアミノ基が結合した化合物が広く利用されてきた(非特許文献1及び2)。しかしながら、このような化合物を用いて導入されたアミノ基は、直鎖炭化水素基にアミノ基が結合した単純な構造であるため反応性が低く、機能性分子と合成核酸との結合効率、及び固体への合成核酸の固定化効率は不十分であった。このため、低い反応性を補うために過剰量の試薬を用いなければならず、合成核酸に対する化学修飾コストの上昇という問題点を生じていた。
本発明者らは、上記の問題点を解決するために、合成核酸に高い反応性を有するアミノ基を導入する技術の開発を行い、アミノ基及びカルバメート構造を有するオリゴヌクレオチドプローブを開発した(特許文献1)。
Figure 0005808025
上記の一般式に示すように、このオリゴヌクレオチドプローブは、アミノ基―アルキル基(連結基)―オキシカルボニルアミノ構造(以下、アミノアルキルオキシカルボニルアミノ構造と称する)からなるアミノリンカー部分を有する。かかる特徴により、特許文献1に記載のオリゴヌクレオチドプローブのアミノ基は、従来技術によって合成核酸に導入されたアミノ基と比較して、高い結合効率及び/又は固定化効率で目的分子と結合することができる(特許文献1、非特許文献3)。
特許第4336820号公報
Petrie, C.R., Reed, M.W., Adams, D.及びMeyer, R.B. (1992) Bioconjugate Chem., 3, 85-87. Lyttle, M.H., Adams, H., Hudson, D. 及びCook, R.M. (1997) Bioconjug Chem, 8, 193-198. Komatsu, Y., Kojima, N., Sugino, M., Mikami, A., Nonaka, K., Fujinawa, Y., Sugimoto, T., Sato, K., Matsubara, K. and Ohtsuka, E. (2008) Bioorg. Med. Chem., 16, 941-949.
通常、合成核酸の固相合成では、核酸鎖の伸長工程終了後、担体材料からの核酸の切り出し及び塩基の脱保護工程として、アルカリ性条件下で加熱処理が行われる。特許文献1に記載のオリゴヌクレオチドプローブは、アミノ基をトリチル基等の有機基で保護せずにアルカリ性条件下で加熱処理すると、アミノアルキルオキシカルボニルアミノ構造の一部が分解又は異性化するという問題点が存在した。
特許文献1に記載のアミノリンカー部分を5’末端側に用いる場合、アミノ基を適切な保護基で保護することができるため、上記の脱保護工程における分解を避けることができた。しかしながら、当該アミノリンカー部分を3’末端側に用いる場合、アミノ基を保護することができないため、担体材料からの核酸の切り出し及び塩基の脱保護工程後の生成物には、上記の反応による分解物が混入していた。
アミノアルキルオキシカルボニルアミノ構造に起因する不安定性の問題点に加えて、上記アミノリンカー部分を有する3’末端修飾用の固相担体は合成ステップが長く、製造コストが高くなるという問題点が存在した。
上記の問題点に鑑み、アミノ基の高い反応性と分子全体の高い安定性を兼ね備え、さらに製造コストを抑えた新規な3’アミノリンカー導入用固相担体と、そのような3’アミノリンカーを有するアミノ化オリゴヌクレオチドの開発が切望されていた。
それ故、本発明は、アミノ基の反応性が向上した、核酸固相合成用固相担体、及びアミノ基が付加されたアミノ化オリゴヌクレオチドを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するための手段を種々検討した結果、アミノ基-アルキル基(連結基)-アミノカルボニルオキシ構造を有するアミノリンカーを固相担体に用いることにより、特許文献1に記載のオリゴヌクレオチドプローブと比較してアルカリ性条件下での安定性が飛躍的に向上すると共に、アミノ基が高い反応性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 以下の式I:
Figure 0005808025
[式中、
PG1a及びPG1bは、互いに独立して、水素原子若しくはアミノ基の保護基であるか、又は
PG1a及びPG1bは、一緒になってアミノ基の保護基を形成しており、
R2は、主鎖の員数1〜10の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜10で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であり、
R3は、主鎖の員数1〜20の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜20で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であるか、又は
R2及びR3は、それらが結合するカルバメート基と一緒になって環の員数5〜10の置換若しくは非置換の脂環式基(但し、R2及びR3の主鎖の員数は、互いに独立して、1〜10である)を形成しており、
Aは、オリゴヌクレオチドである]
で表されるアミノ化オリゴヌクレオチド。
(2) R2が、主鎖の員数1〜5の非置換の二価の脂肪族炭化水素基である、上記(1)のアミノ化オリゴヌクレオチド。
(3) R2が、以下の式II:
Figure 0005808025
[式中、
R5は、直接結合、又は置換若しくは非置換の員数1〜9のアルキレン基であり;
R6及びR7は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシル基、置換若しくは非置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、置換若しくは非置換のC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基若しくはC2〜C20アルキニル基、置換若しくは非置換のC1〜C20アルコキシル基、又は置換若しくは非置換のC3〜C20シクロアルキル基若しくはC3〜C20ヘテロシクリル基であり;
R8は、直接結合、又は置換若しくは非置換の員数1〜5のアルキレン基である]
で表される、上記(1)のアミノ化オリゴヌクレオチド。
(4) R2が、以下の式III:
Figure 0005808025
[式中、
R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基若しくはC2〜C10アルキニル基、又は置換若しくは非置換のC1〜C10アルコキシル基であるか、又は
R9若しくはR10とR11若しくはR12とが、それらが結合する炭素原子と一緒になって複素原子を含んでいてもよい環の員数3〜20の置換若しくは非置換の脂環式基を形成する]
で表される、上記(1)のアミノ化オリゴヌクレオチド。
(5) 以下の式Ia:
Figure 0005808025
[式中、
PG1a及びPG1bは、互いに独立して、水素原子若しくはアミノ基の保護基であるか、又は
PG1a及びPG1bは、一緒になってアミノ基の保護基を形成しており、
R3は、主鎖の員数1〜20の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜20で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であり、
Aは、オリゴヌクレオチドである]
で表される上記(1)〜(4)のいずれかのアミノ化オリゴヌクレオチド。
(6) 以下の式IV:
Figure 0005808025
[式中、
Xは、担体材料であり、
R1aは、直接結合又は二価の基であり、
R1bは、水素原子であるか、又は
R1a及びR1bは、一緒になってX及びアミノ基と結合する基を形成しており、
R2は、主鎖の員数1〜10の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜10で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であり、
R3は、主鎖の員数1〜20の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜20で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であるか、又は
R2及びR3は、それらが結合するカルバメート基と一緒になって環の員数5〜10の置換若しくは非置換の脂環式基(但し、R2及びR3の主鎖の員数は、互いに独立して、1〜10である)を形成しており、
R4は、水酸基の保護基である]
で表される固相担体。
(7) R2が、主鎖の員数1〜5の非置換の二価の脂肪族炭化水素基である、上記(6)の固相担体。
(8) R2が、以下の式II:
Figure 0005808025
[式中、
R5は、直接結合、又は置換若しくは非置換の員数1〜9のアルキレン基であり;
R6及びR7は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシル基、置換若しくは非置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、置換若しくは非置換のC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基若しくはC2〜C20アルキニル基、置換若しくは非置換のC1〜C20アルコキシル基、又は置換若しくは非置換のC3〜C20シクロアルキル基若しくはC3〜C20ヘテロシクリル基であり;
R8は、直接結合、又は置換若しくは非置換の員数1〜5のアルキレン基である]
で表される、上記(6)の固相担体。
(9) R2が、以下の式III:
Figure 0005808025
[式中、
R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、置換若しくは非置換のC1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基若しくはC2〜C10アルキニル基、又は置換若しくは非置換のC1〜C10アルコキシル基であるか、又は
R9若しくはR10とR11若しくはR12とが、それらが結合する炭素原子と一緒になって複素原子を含んでいてもよい環の員数3〜20の置換若しくは非置換の脂環式基を形成する]
で表される、上記(6)の固相担体。
(10) 以下の式IVa:
Figure 0005808025
[式中、
Xは、担体材料であり、
R1aは、直接結合又は二価の基であり、
R1bは、水素原子であるか、又は
R1a及びR1bは、一緒になってX及びアミノ基と結合する基を形成しており、
R3は、主鎖の員数1〜20の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜20で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であり、
R4は、水酸基の保護基である]
で表される上記(6)〜(9)のいずれかの固相担体。
(11) 以下の式V:
Figure 0005808025
[式中、
Xは、担体材料であり、
PG1a及びPG1bは、互いに独立して、水素原子若しくはアミノ基の保護基であるか、又は
PG1a及びPG1bは、一緒になってアミノ基の保護基を形成しており、
R13は、主鎖の員数1〜10の置換若しくは非置換の三価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜10で環の員数3〜20の三価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であり、
R3は、主鎖の員数1〜20の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜20で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であるか、又は
R13及びR3は、それらが結合するカルバメート基と一緒になって環の員数5〜10の置換若しくは非置換の脂環式基(但し、R2及びR3の主鎖の員数は、互いに独立して、1〜10である)を形成しており、
R4は、水酸基の保護基である]
で表される固相担体。
(12) R13が、主鎖の員数1〜5の三価の脂肪族炭化水素基である、上記(11)の固相担体。
(13) R4が、トリチル基又はモノ置換若しくはジ置換トリチル基である、上記(6)〜(12)のいずれかの固相担体。
(14) 以下の式Ib:
Figure 0005808025
[式中、
M1a及びM1bは、互いに独立して、水素原子若しくはプローブ分子から誘導される基であるか、又は
M1a及びM1bは、一緒になってプローブ分子から誘導される基を形成しており、
R2は、主鎖の員数1〜10の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜10で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であり、
R3は、主鎖の員数1〜20の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜20で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)であるか、又は
R2及びR3は、それらが結合するカルバメート基と一緒になって環の員数5〜10の置換若しくは非置換の脂環式基(但し、R2及びR3の主鎖の員数は、互いに独立して、1〜10である)を形成しており、
Aは、オリゴヌクレオチドである]
で表されるアミノ化オリゴヌクレオチドプローブ。
本発明により、アミノ基の反応性が向上した、核酸固相合成用固相担体、及びアミノ基が付加されたアミノ化オリゴヌクレオチドを提供することが可能となる。
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願第2011-177186号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
本発明のアミノ化オリゴヌクレオチドの一実施形態を示す図である。 実施例1若しくは2、又は比較例1若しくは2の3’アミノ化修飾用固相担体を用いて合成した5塩基のオリゴヌクレオチド(T5-X)に関し、AMA処理後の反応溶液の逆相HPLC分析結果を示す図である。 実施例1若しくは2、又は比較例1若しくは2の3’アミノ化オリゴヌクレオチドの濃アンモニア水処理(65℃で16時間加温)前後での逆相HPLCによる分析結果を示す図である。 55℃若しくは65℃の濃アンモニア水によって16時間処理した後の、全3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-X)量に対する濃アンモニア水処理によって分解したT5-Xの量の割合(%)を示す図である。 原料のSp25-Xの総量(mol)に対するFITC化反応生成物の量(mol)の割合(%)を示す図である。 原料のSp25-Xの総量(mol)に対するビオチン化反応生成物の量(mol)の割合(%)を示す図である。 原料のSp25-Xの総量(mol)に対するPEG化反応生成物の量(mol)の割合(%)を示す図である。 本発明のアミノ化オリゴヌクレオチドの別の実施形態を示す図である。 実施例4又は5の3’アミノ化修飾用固相担体を用いて合成した5塩基のオリゴヌクレオチド(T5-X)に関し、濃アンモニア水処理(55℃で16時間加温)後の反応溶液の逆相HPLC分析結果を示す図である。 AMA溶液処理又は濃アンモニア水処理した後の、全3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-X)量に対するAMA溶液処理又は濃アンモニア水処理によって分解したT5-Xの量の割合(%)を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<1. アミノ化オリゴヌクレオチド>
本発明は、式I:
Figure 0005808025
で表されるアミノ化オリゴヌクレオチドに関する。本発明のアミノ化オリゴヌクレオチドをプローブ(標識)分子と結合させることにより、遺伝子解析等に使用するオリゴヌクレオチドプローブを製造することが可能となる。また、生理活性を有する核酸(例えば、アンチセンス、アプタマー、siRNA及びmicroRNA等)を有する本発明のアミノ化オリゴヌクレオチドを、血中滞留性や細胞透過性を向上させるような有機分子(機能性分子)と結合させることにより、所望の核酸医薬を製造することが可能となる。
本明細書において、「オリゴヌクレオチド」は、DNA及びRNA等の核酸、一本鎖若しくは二本鎖のオリゴヌクレオチド若しくはポリヌクレオチド、又はそれらの誘導体を意味する。オリゴヌクレオチドは、天然のものでも合成のものでもよく、PCR産物であってもよい。好適なオリゴヌクレオチド誘導体としては、限定するものではないが、例えば、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がN3’-P5’ホスホロアミダイト結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースとリン酸ジエステル結合がペプチド結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースがモルホリノ基に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC-5プロピニルウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC-5チアゾールウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがC-5プロピニルシトシンで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフェノキサジン修飾シトシンで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’-O-プロピルリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’-O-メチルリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’-フルオロ-2’-デオキシリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’-O-4’-C-メチレン架橋リボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’-O-4’-C-エチレン架橋リボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、及びオリゴヌクレオチド中のリボースが2’-メトキシエトキシリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体等を挙げることができる。
本発明において、オリゴヌクレオチドの塩基数は、通常1〜500の範囲であり、5〜200の範囲であることが好ましく、10〜100の範囲であることがより好ましい。
本明細書において、「プローブ(標識)分子」は、オリゴヌクレオチドの標識のために当該技術分野で慣用される分子を意味し、ビオチン、ポリエチレングリコール(PEG)、蛍光色素、ペプチド、糖、コレステロール、脂質、フェロセン及びナイルブルー等を挙げることができる。Cy3及びCy5等のCyDye、フルオレセインイソチオシアナート(FITC)、RITC、ローダミン、テキサスレッド、TET、TAMRA、FAM、HEX、ROX、ナイルブルー及びGFP等の蛍光色素が好ましい。当該プローブ分子は、そのままの形態であってもよく、活性エステル(例えばスクシンイミジルエステル)、アジド基又はアルキニル基のような、他の官能基との間で共有結合を形成し得る基が導入された形態でもよい。いずれの形態も、プローブ分子に包含されるものとする。
本明細書において、「アミノリンカー」は、オリゴヌクレオチドと担体材料及び/又はプローブ分子との間で共有結合を形成させるための架橋分子又は架橋部分を意味する。本発明のアミノ化オリゴヌクレオチド及び固相担体において、アミノリンカー部分は、ジアミンによって形成されるアミノ基-アルキル基(連結基)-アミノカルボニルオキシ構造を有することを特徴とする。かかる構造を有することにより、本発明のアミノ化オリゴヌクレオチド及び固相担体は、アルカリ条件下においても実質的に分解産物を生じることなく安定に存在し、且つプローブ分子との高い修飾効率を提供することが可能となる。
本明細書において、「アルキル」は、特定の数の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「員数1〜20のアルキル」及び「C1〜C20アルキル」は、少なくとも1個且つ多くても20個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖を意味する。好適なアルキルは、限定するものではないが、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル及びn-オクチル等を挙げることができる。
本明細書において、「アルケニル」は、上記アルキルの1個以上のC-C単結合が二重結合に置換された基を意味する。好適なアルケニルは、限定するものではないが、例えばビニル、1-プロペニル、アリル、1-メチルエテニル(イソプロペニル)、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ペンテニル、1-ヘキセニル、n-ヘプテニル及び1-オクテニル等を挙げることができる。
本明細書において、「アルキニル」は、上記アルキルの1個以上のC-C単結合が三重結合に置換された基を意味する。好適なアルキニルは、限定するものではないが、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、1-ヘキシニル、1-ヘプチニル及び1-オクチニル等を挙げることができる。
本明細書において、「シクロアルキル」は、特定の数の炭素原子を含む、脂環式アルキルを意味する。例えば、「(環の)員数3〜20のシクロアルキル」及び「C3〜C20シクロアルキル」は、少なくとも3個且つ多くても20個の炭素原子を含む、環式の炭化水素基を意味する。好適なシクロアルキルは、限定するものではないが、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等を挙げることができる。
本明細書において、「シクロアルケニル」は、上記シクロアルキルの1個以上のC-C単結合が二重結合に置換された基を意味する。好適なシクロアルケニルは、限定するものではないが、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル及びシクロヘキセニル等を挙げることができる。
本明細書において、「シクロアルキニル」は、上記シクロアルキルの1個以上のC-C単結合が三重結合に置換された基を意味する。好適なシクロアルキニルは、限定するものではないが、例えばシクロブチニル、シクロペンチニル及びシクロヘキシニル等を挙げることができる。
本明細書において、「ヘテロシクリル」は、上記シクロアルキル、シクロアルケニル又はシクロアルキニルの1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して窒素原子(N)、硫黄原子(S)及び酸素原子(O)から選択される複素原子に置換された基を意味する。例えば、「(環の)員数3〜20のヘテロシクリル」及び「C3〜C20ヘテロシクリル」は、少なくとも3個且つ多くても20個の炭素原子を含む環式の炭化水素基の1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して上記の複素原子に置換された基を意味する。この場合において、N又はSによる置換は、それぞれN-オキシド又はSのオキシド若しくはジオキシドによる置換を包含する。好適なヘテロシクリルは、限定するものではないが、例えばピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ジオキサニル及びピペラジニル等を挙げることができる。
本明細書において、「アリール」は、5〜20の炭素原子数を有する芳香族基を意味する。例えば、「(環の)員数5〜20のアリール」及び「C5〜C20アリール」は、少なくとも5個且つ多くても20個の炭素原子を含む芳香族基を意味する。好適なアリールは、限定するものではないが、例えばフェニル、ナフチル及びアントリル(アントラセニル)等を挙げることができる。
本明細書において、「アリールアルキル」は、上記アルキルの水素原子の1個が上記アリールに置換された基を意味する。好適なアリールアルキルは、限定するものではないが、例えばベンジル、1-フェネチル及び2-フェネチル等を挙げることができる。
本明細書において、「アリールアルケニル」は、上記アルケニルの水素原子の1個が上記アリールに置換された基を意味する。好適なアリールアルケニルは、限定するものではないが、例えばスチリル等を挙げることができる。
本明細書において、「ヘテロアリール」は、上記アリールの1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して窒素原子(N)、硫黄原子(S)及び酸素原子(O)から選択される複素原子に置換された基を意味する。例えば、「(環の)員数5〜20のヘテロアリール」及び「C5〜C20ヘテロアリール」は、少なくとも5個且つ多くても20個の炭素原子を含む芳香族基の1個以上の炭素原子が、それぞれ独立して上記の複素原子に置換された基を意味する。この場合において、N又はSによる置換は、それぞれN-オキシド又はSのオキシド若しくはジオキシドによる置換を包含する。好適なヘテロアリールは、限定するものではないが、例えばフラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル及びインドリル等を挙げることができる。
本明細書において、「ヘテロアリールアルキル」は、上記アルキルの水素原子の1個が上記ヘテロアリールに置換された基を意味する。
本明細書において、「アルキレン」は、特定の数の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の二価の脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「員数1〜9のアルキレン」及び「C1〜C9アルキレン」は、少なくとも1個且つ多くても9個の原子(好ましくは炭素原子)を含む、直鎖又は分枝鎖の二価の炭化水素鎖を意味する。好適なアルキレンは、限定するものではないが、例えばメチレン、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、sec-ブチレン、イソブチレン、tert-ブチレン及びn-ペンチレン等を挙げることができる。
本明細書において、「アルケニレン」は、上記アルキレンの1個以上のC-C単結合が二重結合に置換された二価の基を意味する。好適なアルケニレンは、限定するものではないが、例えばビニレン(エテン-1,2-ジイル)及びプロペニレン等を挙げることができる。
本明細書において、「アルキニレン」は、上記アルキレンの1個以上のC-C単結合が三重結合に置換された二価の基を意味する。好適なアルキニレンは、限定するものではないが、例えばエチン-1,2-ジイル等を挙げることができる。
上記で説明した基は、それぞれ独立して、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子及びリン原子からなる群より選択される1個以上の複素原子を含んでいてもよい。酸素原子、窒素原子又は硫黄原子であることが好ましい。この場合、上記の基を構成する1個以上の炭素原子が、それぞれ独立してこれらの複素原子に置換される。それ故、上記で説明した基は、それ自体の形態だけでなく、該基において一部の炭素原子が複素原子と置き換えられた形態も含むものとする。
上記で説明した基は、それぞれ独立して、非置換であるか、又は1個以上のハロゲン、ヒドロキシル基、置換若しくは非置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミド基又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは非置換の一価の炭化水素基(例えば置換若しくは非置換のC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル、C2〜C20アルキニル、C1〜C20アルコキシル、C3〜C20シクロアルキル、C3〜C20シクロアルキルオキシ、C3〜C20シクロアルケニル、C3〜C20シクロアルケニルオキシ、C3〜C20シクロアルキニル、C3〜C20シクロアルキニルオキシ、C3〜C20ヘテロシクリル、C3〜C20ヘテロシクリルオキシ、C5〜C20アリール、C5〜C20アリールオキシ、C6〜C20アリールアルキル、C6〜C20アリールアルケニル、C5〜C20ヘテロアリール、C5〜C20ヘテロアリールオキシ又はC6〜C20ヘテロアリールアルキルであって、これらの基において一部の炭素原子が複素原子と置き換えられていてもよい)によって置換することもできる。この場合、上記の基は、それぞれ独立して、1個以上の上記の基で更に置換されていてもよい。
なお、本明細書において、「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
すでに説明したように、特許文献1に記載のオリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオチドの固相合成における固相担体からのオリゴヌクレオチドの切り出しに用いられるアルカリ性条件下において、不安定である。本発明者らは、式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドは、このようなアルカリ性条件下においても、実質的に分解産物を生じることなく安定に存在し、且つプローブ分子との高い反応性を有することを見出した。上記の特徴により、特許文献1に記載のオリゴヌクレオチドプローブでは製造することが困難だった、オリゴヌクレオチドの3’末端側へのアミノ基導入が可能となる。
式Iにおいて、Aは、オリゴヌクレオチドである。上記で定義したオリゴヌクレオチドであることが好ましい。Aは、オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の炭素原子又は該炭素原子に結合したリン酸基のリン原子において、R3と結合した酸素原子を介して共有結合(エーテル結合(C-O-C)又はリン酸エステル結合(PO2-O-C))を形成する。
オリゴヌクレオチドの3’末端側にアミノ基を導入する場合、まずアミノリンカーを合成し、該アミノリンカーを担体材料に結合させてアミノリンカー部分を含む固相担体を合成し、次いで該固相担体上で順次核酸合成を行う。アミノリンカーと担体材料との結合は、通常はアミノリンカーの末端アミノ基を介して形成される。特許文献1に記載のアミノリンカーの合成では、副反応を防止するために、末端アミノ基が保護された形態でカルバメート基を形成する必要がある。このため、上記アミノリンカーの末端アミノ基に担体材料を結合させる場合、末端アミノ基の保護基を脱保護した後、担体材料を結合させる二段階の工程が必要となる(下記比較例2のスキーム2)。これに対し、本発明のアミノリンカーの合成では、ジアミンを原料とするため、末端アミノ基を遊離形態(すなわち無保護の形態)のまま、カルバメート基を形成することができる。このため、カルバメート基を形成した後の脱保護工程は不要であり、一段階の工程でアミノリンカーと担体材料とを結合させることができる(下記合成例1のスキーム1)。
特許文献1に記載のアミノ化オリゴヌクレオチドを該オリゴヌクレオチドの3’末端修飾に用いた場合、固相担体からのオリゴヌクレオチドの切り出しに用いられるアルカリ性条件下において、末端アミノ基がカルバメート基のカルボニル炭素原子を求核攻撃し得る。この末端アミノ基の求核攻撃により、カルバメート基の炭素−窒素結合の開裂又は炭素−酸素結合の開裂が起きる。前者の場合、環状カルバメート化合物とオリゴヌクレオチドのアミン付加体とが生成し、後者の場合、分子内転移が起きてカルバメート基がウレア基となった転移生成物が生成する。いずれの生成物も、同じアルカリ性条件下において元のアミノ化オリゴヌクレオチドを形成することはできない。このため、特許文献1に記載のアミノ化オリゴヌクレオチドは、アルカリ性条件下において安定に存在することはできず、上記の生成物が分解物として反応系内に蓄積されることとなる。
本発明の式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドを該オリゴヌクレオチドの3’末端修飾に用いた場合にも、アルカリ性条件下において同様の反応が起こり得る。すなわち、末端アミノ基の求核攻撃により、カルバメート基の炭素−酸素結合の開裂又は炭素−窒素結合の開裂が起きる。前者の場合、環状尿素とオリゴヌクレオチドのジオール付加体とが生成し、後者の場合、分子内転移(以下「アシル転移」と称する)が起きてカルバメート基のNH部分が末端アミノ基となったアシル転移生成物が生成する。このうち、アシル転移生成物は、再びアシル転移反応することにより、式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドを生成することができる。このため、本発明の式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドは、固相担体からのオリゴヌクレオチドの切り出しに用いられるアルカリ性条件下において、特許文献1に記載のアミノ化オリゴヌクレオチドと比較してより安定に存在することができる。
それ故、本発明の式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドAの3’末端において、R3と結合した酸素原子を介して共有結合を形成することが好ましい。オリゴヌクレオチドの3’末端修飾に本発明のアミノリンカーを用いることにより、特許文献1に記載のアミノリンカーを用いる場合と比較して、より少ない合成ステップで且つ高収率でアミノ化オリゴヌクレオチドを製造することが可能となる。
式Iにおいて、PG1a及びPG1bは、互いに独立して、水素原子若しくはアミノ基の保護基であるか、又はPG1a及びPG1bは、一緒になってアミノ基の保護基を形成している。PG1a及びPG1bにおいて、アミノ基の保護基は、限定するものではないが、例えば、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、フタロイル基、o−ニトロベンジル基及びo−ニトロベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。
R2及びR3は、互いに独立して、二価の基である。R2及びR3は、固体との結合性及びオリゴヌクレオチドと標的オリゴヌクレオチドとの相補的結合を阻害するものでなければ特に制限されない。複素原子を含んでいてもよい置換又は非置換の二価の炭化水素基であることが好ましい。
R2において、両末端に結合したアミノ基の窒素原子間をつなぐ最短の鎖(以下、主鎖と称する)が、1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは2個の炭素原子又は複素原子を含む二価の基であることが好ましい。R2における主鎖の長さを上記の範囲としてカルバメート基とアミノ基との距離を一定の範囲に保持することにより、アミノ基の塩基性度(pKa値)を下げ、アミノ基へのプロトネーションを抑制させることによって、アミノ基の反応性を向上させることが可能となる。
好適なR2は、限定するものではないが、例えば、主鎖の員数1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは2の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、主鎖の員数1〜10、好ましくは1〜5の置換若しくは非置換の環の員数3〜20の二価の脂環式基、及び置換若しくは非置換の環の員数5〜20の二価の芳香族基等を挙げることができる。置換又は非置換のC1〜C10アルキレン基、C2〜C10アルケニレン基若しくはC2〜C10アルキニレン基であることが好ましい。上記の基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい。特に好適なR2は、メチレン、エチレン及びプロピレンを挙げることができ、エチレンであることが好ましい。
特に好適なR2は、主鎖の員数1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは2の非置換の二価の直鎖脂肪族炭化水素基、又は主鎖の員数1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは2で環の員数3〜20の非置換の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)である。非置換のC1〜C5直鎖アルキレン基、C2〜C5直鎖アルケニレン基若しくはC2〜C5直鎖アルキニレン基であることが好ましい。R2が二価の芳香族基の場合、主鎖の長さは芳香族基の環原子数に基づき決定される。このため、カルバメート基とアミノ基との距離が大きくなり、アミノ基の反応性が低下する可能性がある。それ故、R2が上記の脂肪族炭化水素基の場合、カルバメート基とアミノ基との距離を一定の範囲に保持してアミノ基の反応性を向上させることが可能となる。
上記で説明したように、本発明の式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドは、アルカリ性条件下においてアシル転移反応をし得る。例えばR2が主鎖の員数2のアルキレンであって、分岐鎖の基であるか又は下記の置換基を有する場合、上記アシル転移の反応過程において、R2の分岐部分(以下「分岐基」とも称する)又は置換基は、立体障害により末端アミノ基に対してanti-配座が安定型となる。この場合、末端アミノ基がカルバメート基のカルボニル炭素原子に接近するため、アシル転移反応が促進され得る。R2の分岐基及び/又は置換基の立体障害に起因するこのようなアシル転移反応の促進は、他のR2においても同様に起こり得ると予想される。また、上記の配座平衡は、分岐基又は置換基の立体障害の大きさに基づき変動し得る。このため、立体障害の小さい分岐基又は置換基(非置換で員数1〜5の直鎖の脂肪族炭化水素基、例えばメチル又はエチル)を有する場合と比較して、立体障害の大きい、嵩高い分岐基又は置換基(例えば置換、分岐鎖及び/若しくは長鎖の脂肪族炭化水素基又は芳香族基、例えばヒドロキシメチル、メトキシメチル、フェニル、ナフチル又はナフチルメトキシメチル)を有する場合、アシル転移反応がより促進される。
これに対し、R2が直鎖で且つ非置換の二価の脂肪族炭化水素基である場合、立体障害は最小となる。このため、配座平衡がanti-配座に大きく偏ることはない。また、R2の構造は対称性を有する。この場合、アシル転移反応が起きても見かけ上の構造変化は起きない。すなわち、転移前と同一構造を有するアシル転移生成物が生成する。このため、アシル転移が起きていても、見かけ上、分解物は生じない。
それ故、R2は、非置換又は立体障害の小さい分岐基若しくは置換基(非置換で員数1〜5の直鎖の脂肪族炭化水素基、例えばメチル又はエチル)を有する形態であることが好ましく、非置換で且つ直鎖状の形態であることがより好ましい。R2が非置換で且つ直鎖状の形態の上記の基である場合、アルカリ性条件下においてもアシル転移による収率の低下を実質的に抑制することが可能となる。
R3において、カルバメート基の酸素原子と末端酸素原子との間をつなぐ最短の鎖(以下、主鎖と称する)が、1〜20個、好ましくは2〜15個、より好ましくは2〜6個の炭素原子又は複素原子を含む二価の基であることが好ましい。R3における主鎖の長さが上記の範囲であれば、アミノ基の反応性及びアミノ化オリゴヌクレオチドの安定性に実質的な影響を与えないと考えられる。
好適なR3は、限定するものではないが、例えば、主鎖の員数1〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜6の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、主鎖の員数1〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜6の置換若しくは非置換の環の員数3〜20の二価の脂環式基、及び置換若しくは非置換の環の員数5〜20の二価の芳香族基等を挙げることができる。置換又は非置換の、C1〜C10アルキレン基、C2〜C10アルケニレン基及びC2〜C10アルキニレン基であることが好ましい。上記の基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい。特に好適なR3は、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、フェニレン及びナフチレンを挙げることができ、ヘキシレンであることが好ましい。
特に好適なR3は、主鎖の員数1〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜6の非置換の二価の直鎖脂肪族炭化水素基、主鎖の員数1〜20、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜6で環の員数3〜20の二価の脂環式基(上記基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい)である。非置換の直鎖C1〜C20アルキレン基、C2〜C20アルケニレン基及びC2〜C20アルキニレン基であることが好ましく、非置換の直鎖C1〜C10アルキレン基、C2〜C10アルケニレン基及びC2〜C10アルキニレン基であることがより好ましく、非置換の直鎖C2〜C6アルキレン基、C2〜C6アルケニレン基及びC2〜C6アルキニレン基であることがさらに好ましい。R3が上記の基の場合、オリゴヌクレオチドとカルバメート基及び末端アミノ基との距離を一定の範囲に保持することができる。これにより、例えば末端アミノ基にプローブ分子から誘導される基を導入してオリゴヌクレオチドプローブを調製する場合、プローブ分子を検出する反応を実質的に阻害することなく、該プローブ分子の検出効率を向上させることが可能となる。
或いは、R2及びR3は、それらが結合するカルバメート基と一緒になって環を形成してもよい。R2及びR3が形成する環は、1又は複数の複素原子を含んでもよい、環の員数5〜10、好ましくは5〜6の置換若しくは非置換の脂環式基又は芳香族基であることが好ましく、4,5-ジヒドロオキサゾール-2(3H)-オン-4,5-ジイルであることがより好ましい。この場合、R2が、主鎖の員数1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは2であり、且つR3が、主鎖の員数1〜10、好ましくは2〜6、より好ましくは2である組合せが好ましい。
式Iにおいて、R2及びR3は、互いに独立して、1個以上の上記で定義した置換基で置換されていてもよい。好適な置換基としては、限定するものではないが、例えば、ナフチルメトキシメチル、メトキシメチル、メチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル及びフッ素を挙げることができる。しかしながら、上記で説明したアシル転移の可能性を考慮すれば、非置換又は立体障害の小さい置換基(非置換で員数1〜5の直鎖の脂肪族炭化水素基、例えばメチル又はエチル)を有する形態であることが好ましく、非置換の形態であることがより好ましい。R2及びR3が非置換又は立体障害の小さい置換基で置換されている基である場合、アルカリ性条件下においてもアシル転移による分解を実質的に抑制することが可能となる。
式Iにおいて、R2は、以下の式II:
Figure 0005808025
で表される構造であってもよい。
式IIにおいて、R5は、末端アミノ基の窒素原子と結合し、R8は、カルバメート基の窒素原子と結合する。R5及びR8に含まれる炭素原子の合計は、1〜9個の範囲であることが好ましく、1〜5個の範囲であることがより好ましく、1個であることがさらに好ましい。R5及びR8に含まれる炭素原子の合計を上記の範囲とすることにより、末端アミノ基の窒素原子とカルバメート基の窒素原子との間をつなぐ主鎖の員数を上記で定義した好適な範囲とすることが可能となる。
R5は、直接結合、又は置換若しくは非置換の員数1〜9のアルキレン基である。上記のアルキレン基は、置換又は非置換のC1〜C9アルキレン基であることが好ましく、置換又は非置換のC1〜C4アルキレン基であることがより好ましく、置換又は非置換のC1〜C2アルキレン基であることが特に好ましい。或いは、上記のアルキレン基は、非置換のC1〜C9直鎖アルキレン基であることが好ましく、非置換のC1〜C4直鎖アルキレン基であることがより好ましく、非置換のC1〜C2直鎖アルキレン基であることが特に好ましい。特に好適なR5は、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンを挙げることができ、メチレンであることが好ましい。
R6及びR7は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン、ヒドロキシル基、置換若しくは非置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アミド基又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは非置換の一価の炭化水素基である。上記の一価の炭化水素基は、員数1〜20であることが好ましく、員数1〜10であることがより好ましい。具体的には、置換若しくは非置換のC1〜C20アルキル基、C2〜C20アルケニル基若しくはC2〜C20アルキニル基、置換若しくは非置換のC1〜C20アルコキシル基、置換若しくは非置換のC3〜C20シクロアルキル基若しくはC3〜C20ヘテロシクリル基、置換若しくは非置換のC5〜C20アリール基、置換若しくは非置換のC6〜C20アリールアルキル基であることが好ましい。上記の基は、一部の炭素原子が、1又は複数、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個の複素原子と置き換えられていてもよい。特に好適なR6及びR7は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メチル、エチル、プロピル、メトキシメチル、フェニル、フェニルメチル、トリル、ナフチル、ナフチルメトキシメチル、キシリルを挙げることができ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、メチル、メトキシメチル又はナフチルメトキシメチルであることが好ましい。
しかしながら、上記で説明したアシル転移の可能性を考慮すれば、R6及びR7は、立体障害の小さい基であることが好ましい。例えば、R6及びR7は、互いに独立して、水素原子又は非置換で員数1〜5の直鎖の脂肪族炭化水素基(例えばメチル又はエチル)であることが好ましい。R6及びR7が立体障害の小さい基である場合、アルカリ性条件下においてもアシル転移による分解を実質的に抑制することが可能となる。
R8は、直接結合、又は置換若しくは非置換の員数1〜5のアルキレン基である。上記のアルキレン基は、置換又は非置換のC1〜C9アルキレン基であることが好ましく、置換又は非置換のC1〜C4アルキレン基であることがより好ましく、置換又は非置換のC1〜C2アルキレン基であることが特に好ましい。特に好適なR8は、直接結合、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンを挙げることができ、直接結合であることが好ましい。
式IIにおいて、R5〜R8は、互いに独立して、1個以上の上記で定義した置換基で置換されていてもよい。しかしながら、上記で説明したアシル転移の可能性を考慮すれば、非置換又は立体障害の小さい置換基(非置換で員数1〜5の直鎖の脂肪族炭化水素基、例えばメチル又はエチル)を有する形態であることが好ましく、非置換の形態であることがより好ましい。R5〜R8が非置換又は立体障害の小さい置換基で置換されている基である場合、アルカリ性条件下においてもアシル転移による分解を実質的に抑制することが可能となる。
式Iにおいて、R2は、以下の式III:
Figure 0005808025
で表される構造であってもよい。
式IIIにおいて、R9及びR10が結合した炭素原子は、末端アミノ基の窒素原子と結合し、R11及びR12が結合した炭素原子は、カルバメート基の窒素原子と結合する。
R9〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは非置換の一価の炭化水素基である。上記の一価の炭化水素基は、員数1〜10であることが好ましい。具体的には、置換若しくは非置換のC1〜C10アルキル基、C2〜C10アルケニル基若しくはC2〜C10アルキニル基、置換若しくは非置換のC1〜C10アルコキシル基、置換若しくは非置換のC5〜C20アリール基、置換若しくは非置換のC6〜C20アリールアルキル基であることが好ましい。上記の基は、一部の炭素原子が、1又は複数、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個の複素原子と置き換えられていてもよい。特に好適なR9〜R12は、メチル、エチル、プロピル、メトキシメチル、フェニル、フェニルメチル、トリル、ナフチル、ナフチルメトキシメチル及びキシリルを挙げることができる。
しかしながら、上記で説明したアシル転移の可能性を考慮すれば、R9〜R12は、立体障害の小さい基であることが好ましい。例えば、R9〜R12は、互いに独立して、水素原子又は非置換で員数1〜5の直鎖の脂肪族炭化水素基(例えばメチル又はエチル)であることが好ましい。R9〜R12が立体障害の小さい基である場合、アルカリ性条件下においてもアシル転移による分解を実質的に抑制することが可能となる。
或いは、R9若しくはR10とR11若しくはR12とは、それらが結合する炭素原子と一緒になって複素原子を含んでいてもよい環を形成してもよい。R9若しくはR10とR11若しくはR12とが形成する環は、1又は複数の複素原子を含んでもよい、環の員数3〜20、好ましくは3〜10の置換若しくは非置換の脂環式基又は芳香族基であることが好ましく、3〜6の脂環式基であることがより好ましい。
式IIIにおいて、R9〜R12は、互いに独立して、1個以上の上記で定義した置換基で置換されていてもよい。しかしながら、上記で説明したアシル転移の可能性を考慮すれば、非置換又は立体障害の小さい置換基(非置換で員数1〜5の直鎖の脂肪族炭化水素基、例えばメチル又はエチル)を有する形態であることが好ましく、非置換の形態であることがより好ましい。R9〜R12が非置換又は立体障害の小さい置換基で置換されている基である場合、アルカリ性条件下においてもアシル転移による分解を実質的に抑制することが可能となる。
より好ましくは、式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドは、
PG1a及びPG1bが、互いに独立して、水素原子又はアミノ基の保護基であり、
R2及びR3が、互いに独立して、置換又は非置換のC1〜C10アルキレン基であり、
Aが、オリゴヌクレオチドである。
特に好ましくは、式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドは、
PG1a及びPG1bが、互いに独立して、水素原子又はアミノ基の保護基であり、
R2が、エチレンであり、
R3が、ヘキシレンであり、
Aが、オリゴヌクレオチドである。
また、好ましい本発明のアミノ化オリゴヌクレオチドは、以下の式Ia:
Figure 0005808025
[式中、
PG1a及びPG1bは、互いに独立して、水素原子若しくはアミノ基の保護基であるか、又は
PG1a及びPG1bは、一緒になってアミノ基の保護基を形成しており、
R3は、二価の基であり、
Aは、オリゴヌクレオチドである]
で表される。
式Iaにおいて、Aは、式Iにおいて定義したオリゴヌクレオチドであることが好ましく、PG1a、PG1b及びR3は、式Iにおいて定義した基であることが好ましい。
本発明はまた、式Ib:
Figure 0005808025
で表されるアミノ化オリゴヌクレオチドプローブにも関する。
式Ibにおいて、
M1a及びM1bは、互いに独立して、水素原子若しくはプローブ分子から誘導される基であるか、又は
M1a及びM1bは、一緒になってプローブ分子から誘導される基を形成しており、
R2及びR3は、互いに独立して、二価の基であるか、又は
R2及びR3は、それらが結合するカルバメート基と一緒になって環を形成しており、
Aは、オリゴヌクレオチドである。
式Ibにおいて、Aは、式Iにおいて定義したオリゴヌクレオチドであることが好ましく、R2及びR3は、式Iにおいて定義した基であることが好ましい。
M1a及びM1bにおいて、プローブ分子から誘導される基は、上記で定義したプローブ分子がアミノリンカー部分の末端アミノ基との間で少なくとも1個の共有結合を形成し得るように、該末端アミノ基と結合した基であることが好ましい。具体的には、M1aが水素原子であり、且つM1bが、ビオチン、PEG、CyDye(Cy3及びCy5等)、FITC、RITC、ローダミン、テキサスレッド、TET、TAMRA、FAM、HEX、ROX、フェロセン、ナイルブルー及びGFPからなる群より選択されるプローブ分子から誘導される基であることが好ましい。
本発明の式I若しくはIaで表されるアミノ化オリゴヌクレオチド又は式Ibで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドプローブは、塩又は溶媒和物の形態であってもよい。本明細書において、「式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチド」、「式Iaで表されるアミノ化オリゴヌクレオチド」又は「Ibで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドプローブ」は、該化合物自体だけでなく、その塩又は溶媒和物も意味する。式I若しくはIaで表されるアミノ化オリゴヌクレオチド又は式Ibで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドプローブの塩としては、限定するものではないが、例えば塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、炭酸、過塩素酸、ギ酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸若しくは安息香酸のような無機酸又は有機酸、或いはトリエチルアンモニウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンとの塩が好ましい。
上記の形態の式I又はIaで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドを用いることにより、従来技術のアミノ化オリゴヌクレオチドプローブと比較して、アルカリ条件下における安定性がより向上し、且つより高いプローブ分子との反応性を有するアミノ化オリゴヌクレオチドを得ることが可能となる。上記の特徴により、式Ibで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドプローブを高収率且つ低コストで得ることが可能となる。
<2. アミノ化オリゴヌクレオチド合成に用いる固相担体>
本発明は、式IV:
Figure 0005808025
で表される固相担体、又は式V:
Figure 0005808025
で表される固相担体にも関する。
本発明者らは、式IV又はVで表される固相担体をオリゴヌクレオチドの固相合成用担体として用いることにより、ホスホロアミダイト法のような固相合成の最終工程において行われるアルカリ条件下での担体材料からのアミノ化オリゴヌクレオチドの切り出し及び塩基脱保護処理によっても、アミノリンカー部分が実質的に分解されることなく、目的物である式I又はIaで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドを高収率で合成できることを見出した。
式IV及びVにおいて、PG1a、PG1b、R2及びR3は、上記と同一の意味を有する。
式IV及びVにおいて、Xは、担体材料である。Xは、その表面において以下で説明するR1a及びR1b又はR13の末端官能基と共有結合を形成し得るものであれば、特に制限されない。当該技術分野で慣用される担体材料を使用することができる。好適な担体材料は、限定するものではないが、例えば、ガラス(例えば、多孔性球状ガラス(CPG)、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス及びソーダライムガラス)、シリコン、繊維、木材、紙、セラミックス、プラスチック(例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene 樹脂)、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及び塩化ビニル樹脂)を挙げることができる。ガラス、シリコン、セラミックス又はプラスチックを使用することが好ましい。上記の担体材料を用いることにより、オリゴヌクレオチドを結合するためのアミノリンカー部分を固定化することが可能となる。
式IVにおいて、XとR1aとの間の結合は、R1aとアミノリンカー部分の末端アミノ基との間の結合を切断する条件下で一緒に切断される結合であってもよく、当該条件下で切断されることなく保持される結合であってもよい。後者の形態の場合、R1aとアミノリンカー部分の末端アミノ基との間の結合が切断されることにより、X-R1aの構造を有する担体材料から本発明のアミノ化オリゴヌクレオチドが切り出される。この場合、XとR1aとの間の結合は、上記の条件を満たすものであれば特に制限されない。
式IVにおいて、XとR1aとの間の結合が、R1aとアミノリンカー部分の末端アミノ基との間の結合を切断する条件下で一緒に切断される結合の場合、並びに式Vの場合、担体材料の表面には、オリゴヌクレオチドの固相合成において行われるアルカリ条件下での担体材料からのアミノ化オリゴヌクレオチドの切り出し処理によって切断される結合をR1aとの間で形成し得る官能基が存在することが好ましい。好適な官能基は、限定するものではないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、ケトン基、ハロゲン化アルキル基及びスルホニルクロライド基を挙げることができる。上記の官能基を有する担体材料を用いることにより、当該技術分野で慣用されるオリゴヌクレオチドの固相合成に、本発明の固相担体を使用することが可能となる。
式IVにおいて、R1aは、直接結合又は二価の基である。R1aが二価の基であって、XとR1aとの間の結合が、R1aとアミノリンカー部分の末端アミノ基との間の結合を切断する条件下で切断されることなく保持される結合の場合、R1aは、XとR1aとの間の結合が上記の条件を満たす二価の基であれば特に制限されない。XとR1aとの間の結合が、R1aとアミノリンカー部分の末端アミノ基との間の結合を切断する条件下で一緒に切断される結合の場合、R1aは、Xの表面に存在する官能基とアミノリンカー部分の末端アミノ基との間において、少なくとも2個の官能基によって形成される上記の条件下で切断される結合を有する二価の基であれば、特に制限されない。上記の官能基は、オリゴヌクレオチドの固相合成において行われるアルカリ条件下での担体材料からのアミノ化オリゴヌクレオチドの切り出し処理によって切断される結合を形成し得る官能基であることが好ましい。好適な官能基は、限定するものではないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基及びケトン基を挙げることができる。上記の官能基によって形成される結合を有する二価の基を用いることにより、当該技術分野で慣用されるオリゴヌクレオチドの固相合成に、本発明の固相担体を使用することが可能となる。
R1aは、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも2個の官能基によって形成される結合を有する複素原子を含んでいてもよい置換又は非置換の二価の炭化水素基であることが好ましい。この場合、R1aは、Xの表面に存在する官能基とアミノリンカー部分の末端アミノ基との間において、上記の官能基から選択される2個の官能基によって共有結合を形成する。好適な二価の炭化水素基は、限定するものではないが、例えば、少なくとも2個の官能基によって形成される共有結合を有する、員数1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは2の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基、置換若しくは非置換の環の員数3〜20の二価の脂環式基、及び置換若しくは非置換の環の員数5〜20の二価の芳香族基等を挙げることができる。上記の基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい。特に好適なR1aは、コハク酸、クエン酸、スクアリン酸又はベンゼン-1,2,4-トリカルボン酸無水物(無水トリメリト酸)から誘導される二価の基を挙げることができる。
R1bは、水素原子である。
或いは、R1a及びR1bは、一緒になってX及びアミノ基と結合する基を形成してもよい。XとR1aとの間の結合が、R1a及びR1bとアミノリンカー部分の末端アミノ基との間の結合を切断する条件下で切断されることなく保持される結合の場合、R1a及びR1bは、XとR1aとの間の結合が上記の条件を満たす基であれば特に制限されない。XとR1aとの間の結合が、R1a及びR1bとアミノリンカー部分の末端アミノ基との間の結合を切断する条件下で一緒に切断される結合の場合、R1a及びR1bは、Xの表面に存在する官能基とアミノリンカー部分の末端アミノ基との間において、少なくとも3個の官能基によって形成される上記の条件下で切断される結合を有する基であれば、特に制限されない。上記の官能基は、R1aの定義において例示した、オリゴヌクレオチドの固相合成において行われるアルカリ条件下での担体材料からのアミノ化オリゴヌクレオチドの切り出し処理によって切断される結合を形成し得る官能基であることが好ましい。上記の官能基によって形成される結合を有する基を用いることにより、当該技術分野で慣用されるオリゴヌクレオチドの固相合成に、本発明の固相担体を使用することが可能となる。
R1a及びR1bは、アミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも3個の官能基によって形成される結合を有する複素原子を含んでいてもよい置換又は非置換の炭化水素基であることが好ましい。この場合、R1a及びR1bが形成する基は、Xの表面に存在する官能基とアミノリンカー部分の末端アミノ基との間において、上記の官能基から選択される3個の官能基によって共有結合を形成する。好適な炭化水素基は、限定するものではないが、例えば、少なくとも3個の官能基によって形成される共有結合を有する、員数1〜10、好ましくは1〜5の置換若しくは非置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは非置換の環の員数3〜20の脂環式基、及び置換若しくは非置換の環の員数5〜20の芳香族基等を挙げることができる。上記の基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい。特に好適なR1a及びR1bは、ベンゼン-1,2,4-トリカルボン酸無水物(無水トリメリト酸)から誘導される基を挙げることができる。
式Vにおいて、R13は、三価の基である。R13は、Xの表面に存在する官能基との間において、少なくとも1個の官能基によって形成される結合を有し、且つ固体との結合性及びオリゴヌクレオチドと標的オリゴヌクレオチドとの相補的結合を阻害するものでなければ特に制限されない。上記の官能基は、R1aの定義において例示した、オリゴヌクレオチドの固相合成において行われるアルカリ条件下での担体材料からのアミノ化オリゴヌクレオチドの切り出し処理によって切断される結合を形成し得る官能基であることが好ましい。上記の官能基によって形成される結合を有する三価の基を用いることにより、当該技術分野で慣用されるオリゴヌクレオチドの固相合成に、本発明の固相担体を使用することが可能となる。
R13は、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、アルデヒド基及びケトン基からなる群より選択される少なくとも1個の官能基によって形成される結合を有する複素原子を含んでいてもよい置換又は非置換の三価の炭化水素基であることが好ましい。この場合、三価の炭化水素基は、Xの表面に存在する官能基との間において、上記の官能基から選択される1個の官能基によって共有結合を形成する。好適な三価の炭化水素基は、限定するものではないが、例えば、少なくとも1個の官能基によって形成される共有結合を有する、員数1〜10、好ましくは1〜5の置換若しくは非置換の三価の脂肪族炭化水素基、置換若しくは非置換の環の員数3〜20の三価の脂環式基、及び置換若しくは非置換の環の員数5〜20の三価の芳香族基等を挙げることができる。上記の基は、1又は複数の複素原子を含んでいてもよい。特に好適なR13は、少なくとも1個の官能基によって形成される共有結合を有する、員数3若しくは4の脂肪族炭化水素から誘導される三価の基を挙げることができる。R13が三価の芳香族基の場合、主鎖の長さは芳香族基の環原子数に基づき決定される。このため、カルバメート基とアミノ基との距離が大きくなり、アミノ基の反応性が低下する可能性がある。それ故、R13が上記の脂肪族炭化水素基の場合、カルバメート基とアミノ基との距離を一定の範囲に保持してアミノ基の反応性を向上させることが可能となる。
或いは、R13及びR3は、それらが結合するカルバメート基と一緒になって環を形成してもよい。R13及びR3が形成する環は、1又は複数の複素原子を含んでもよい、環の員数5〜10、好ましくは5〜6の置換若しくは非置換の脂環式基又は芳香族基であることが好ましく、4,5-ジヒドロオキサゾール-2(3H)-オン-4,5-ジイルであることがより好ましい。この場合、R13が、主鎖の員数1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは2であり、且つR3が、主鎖の員数1〜10、好ましくは2〜6、より好ましくは2である組合せが好ましい。
R4は、水酸基の保護基である。酸性条件下で脱保護される疎水性の保護基が好ましい。好適な保護基は、限定するものではないが、例えば、トリチル基、モノ置換若しくはジ置換トリチル基、ピラニル基、フラニル基、o-ニトロベンジル基及びレブリニル基を挙げることができる。トリチル基又はモノ置換若しくはジ置換トリチル基であることが好ましい。置換トリチル基である場合、トリチル基の置換基は、炭素数1〜4のアルコキシル基を挙げることができる。モノ置換及びジ置換トリチル基は、モノメトキシトリチル基、モノエトキシトリチル基、モノプロポキシトリチル基、モノイソプロポキシトリチル基、モノブトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基、ジエトキシトリチル基、ジプロポキシトリチル基、ジイソプロポキシトリチル基及びジブトキシトリチル基であることが好ましい。酸性条件下で脱保護される保護基を用いることにより、担体材料の切り出しを生じることなく水酸基を脱保護することが可能となる。
好ましくは、式IVで表される固相担体は、
Xが、ガラス及びプラスチックから選択される担体材料であり、
R1aが、直接結合であり、
R1bが、水素原子であるか、又は
R1a及びR1bが、一緒になってX及びアミノ基と結合する員数1〜10の置換若しくは非置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは非置換の環の員数3〜20の脂環式基、又は置換若しくは非置換の環の員数5〜20の芳香族基を形成しており、
R2及びR3が、互いに独立して、置換又は非置換のC1〜C10アルキレン基であり、
R4が、トリチル基又はモノ置換若しくはジ置換トリチル基である。
より好ましくは、式IVで表される固相担体は、
Xが、アミノ基を有するCPG又はポリスチレン樹脂であり、
R1a及びR1bが、一緒になって、Xのアミノ基とアミドを、R2と結合したアミノ基とイミド又はアミドを形成したベンゼン-1,2,4-トリカルボン酸のイミド又はアミドを形成しており、
R2が、エチレンであり、
R3が、ヘキシレンであり、
R4が、トリチル基又はモノ置換若しくはジ置換トリチル基である。
好ましくは、式Vで表される固相担体は、
Xが、ガラス及びプラスチックから選択される担体材料であり、
R13が、員数1〜10の置換若しくは非置換の三価の脂肪族炭化水素基であり、
R3が、置換又は非置換のC1〜C10アルキレン基であり、
R4が、トリチル基又はモノ置換若しくはジ置換トリチル基である。
より好ましくは、式Vで表される固相担体は、
Xが、アミノ基を有するCPG又はポリスチレン樹脂であり、
R13が、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、アルデヒド基及びケトン基からなる群より選択される1個の官能基によってXとの間で形成される結合を有する置換エチレンであり、
R3が、ヘキシレンであり、
R4が、トリチル基又はモノ置換若しくはジ置換トリチル基である。
また、好ましい本発明の固相担体は、以下の式IVa:
Figure 0005808025
[式中、
Xは、担体材料であり、
R1aは、直接結合又は二価の基であり、
R1bは、水素原子であるか、又は
R1a及びR1bは、一緒になってX及びアミノ基と結合する基を形成しており、
R3は、二価の基であり、
R4は、水酸基の保護基である]
で表される。
式IVaにおいて、Xは、式IVにおいて定義した担体材料であることが好ましく、R3は、式Iにおいて定義した基であることが好ましく、R1a、R1b及びR4は、式IVにおいて定義した基であることが好ましい。
本発明の式IV、V又はIVaで表される固相担体は、塩又は溶媒和物の形態であってもよい。本明細書において、「式IVで表される固相担体」、「式Vで表される固相担体」又は「式IVaで表される固相担体」は、該化合物自体だけでなく、その塩又は溶媒和物も意味する。式IV、V又はIVaで表される固相担体の塩としては、限定するものではないが、例えば塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、炭酸、過塩素酸、ギ酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸若しくは安息香酸のような無機酸又は有機酸、或いはトリエチルアンモニウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンとの塩が好ましい。
上記のような形態の式IV、V又はIVaで表される固相担体を用いることにより、従来技術のオリゴヌクレオチド固相合成用固相担体と比較して、アルカリ条件下における安定性をより向上させることが可能となる。
<3.固相担体及びアミノ化オリゴヌクレオチドの製造方法>
本発明の式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチド及び式IVで表される固相担体は、式X:
Figure 0005808025
[式中、R2及びR3は、上記で定義した式I及び式IVと同一の意味を有する]
で表されるアミノリンカー化合物を合成中間体として製造することができる。
式Xで表されるアミノリンカー化合物は、以下のステップ:
(A)式VI:
Figure 0005808025
[式中、R3は、上記と同一の意味を有する]
で表されるジオールを、式VII:
Figure 0005808025
[式中、L1及びL2は、互いに独立して、水素原子又は脱離基である]
で表されるカルボニル誘導体と反応させて、式VIII:
Figure 0005808025
[式中、L1及びR3は、上記と同一の意味を有する]
で表される化合物を形成させるステップ;
(B)式VIIIで表される化合物を、式IX:
Figure 0005808025
[式中、R2は、上記と同一の意味を有する]
で表されるジアミンと反応させて、式X:
Figure 0005808025
[式中、R2及びR3は、上記と同一の意味を有する]
で表されるアミノリンカー化合物を形成させるステップ;
を含む方法によって製造することができる。
ここで、L1及びL2は、当該技術分野において、水酸基との反応によってエステル結合を形成させるために使用される脱離基であれば、特に制限されない。好適な脱離基は、限定するものではないが、例えば、イミダゾリル基、クロル基、トリクロロメトキシ基及び1,2,4−トリアゾリル基を挙げることができる。また、L1及びL2は、同一であっても異なっていてもよい。
ステップAのエステル化反応及びステップBのアミド化反応は、いずれも当該技術分野で慣用される通常の反応条件によって実施することができる。
また、式IVで表される固相担体は、以下のステップ:
(C)式Xで表されるアミノリンカー化合物を、R1a及びR1bの前駆体化合物並びにXの前駆体材料と反応させて、式IVで表される固相担体を形成させるステップ
を含む方法によって製造することができる。
ここで、R1a及びR1bの前駆体化合物は、上記で説明したXの表面に存在する官能基及びアミノリンカー部分の末端アミノ基との間において結合を形成し得る官能基又はその活性化基を有し、Xの前駆体材料及び式Xで表されるアミノリンカー化合物と反応させることによってR1a及びR1bを形成し得る化合物を意味する。また、Xの前駆体材料は、R1a及びR1bの前駆体化合物の官能基又はその活性化基との間において結合を形成し得る官能基又はその活性化基を有し、R1a及びR1bの前駆体化合物、又はR1a及びR1bの前駆体化合物と式Xで表されるアミノリンカー化合物との反応生成物と反応させることによってXを形成し得る担体材料を意味する。
ステップCの反応は、当該技術分野で慣用される通常の反応条件によって実施することができる。
ステップCは、上記のステップA及びBを含む方法によって式Xで表されるアミノリンカー化合物を製造した後、該化合物を用いて連続的に実施してもよく、予め準備された式Xで表されるアミノリンカー化合物を用いて単独で実施してもよい。
式IVで表される固相担体を製造した後、当該技術分野で慣用される固相合成に従いオリゴヌクレオチドを合成することによって、式Iで表されるアミノ化オリゴヌクレオチドを得ることができる。
上記の方法により、本発明のアミノ化オリゴヌクレオチド又は固相担体を製造することが可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔合成例1:3’アミノ化修飾用固相担体の合成〕
[材料及び方法]
薄層クロマトグラフィーは、Silica gel 60F254プレート(Merck社)上で行った。カラムクロマトグラフィーには、Wakogel C-200(和光純薬工業)、Silica Gel 60(ナカライタスク)、又はWakogel 100 C18(逆相、和光純薬工業)を用いた。1H NMR(270 MHz)及び13C NMR(67.8 MHz)は、ジメチルスルホキシド-d6を溶媒、テトラメチルシランを内部標準とし、JEOL JNM-EX270を用いて測定した。
[合成の概要]
以下のスキーム1にしたがい、3’アミノ化修飾用固相担体を合成した。
Figure 0005808025
[実施例1:revHリンカーCPG固相担体(化合物6a)の合成]
<1-[(2-アミノエチル)アミノカルボニル]オキシ-6-ヘキサノール(化合物2a)>
アルゴン雰囲気下、1,6-ヘキサンジオール(化合物1)590 mg(5.00 mmol)をアセトニトリル20 mlに溶解し、トリエチルアミン0.42 ml(3.00 mmol)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール324 mg(2.00 mmol)を加えて、室温で1.5時間撹拌した。続いて反応液にエチレンジアミン0.33 ml(5.00 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮後、残渣をエタノール(10 ml×3回)で共沸した。残渣を水15 mlに溶解し、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:アセトニトリル−水)により精製して、標記化合物(化合物2a)270 mg(収率75%)を白色固体状物質として得た。
ESI-MS 計算値 205.1547 (C9H21N2O3[M+H]+), 実測値:205.1544; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 6.98 (br t, 1 H, NH, J = 5.9 Hz), 3.91 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz), 3.37 (t, 2 H, CH2, J = 6.5 Hz), 2.95 (dt, 2 H, CH2, J = 5.9, 6.6 Hz), 2.53 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz), 1.52 (m, 2 H, CH2), 1.40 (m, 2 H, CH2), 1.34-1.26 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 156.42 (C), 63.52 (CH2), 60.56 (CH2), 43.95 (CH2), 41.55 (CH2), 32.39 (CH2), 28.72 (CH2), 25.26 (CH2), 25.16 (CH2).
<1-[(4-カルボキシフタルイミジルエチル)アミノカルボニル]オキシ-6-ヘキサノール(化合物3a)>
アルゴン雰囲気下、1-[(2-アミノエチル)アミノカルボニル]オキシ-6-ヘキサノール(化合物2a)670 mg(3.30 mmol)及び無水トリメリト酸576 mg(3.00 mmol)をピリジン25 mlに溶解し、80℃で1時間、さらに120℃で18時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮した。残渣をエタノール(5 ml×3回)で共沸し、残った白色物質を酢酸エチル20 mlに懸濁した。懸濁液から沈殿物を濾取して標記化合物(化合物3a)1.10 g(88%)を白色粉状物質として得た。
ESI-MS 計算値 377.1354 (C18H21N2O7[M-H]-), 実測値:377.1358; 1H NMR (DMSO-d6)δ: 8.35 (dd, 1 H, Phth, J = 1.3, 7.9 Hz), 8.22 (s, 1 H, Phth), 7.98 (d, 1 H, Phth, J = 7.9 Hz), 7.18 (t, 1 H, NH, J = 6.1 Hz), 3.85 (t, 2 H, CH2, J = 6.5 Hz), 3.66 (t, 2 H, CH2, J = 5.4 Hz), 3.37 (t, 2 H, CH2, J = 6.4 Hz), 3.24 (dt, 2 H, CH2, J = 5.3, 6.1 Hz), 1.46-1.34 (m, 4 H, CH2×2), 1.26-1.21 (m, 4H, CH2×2); 13C NMR (DMSO-d6)δ: 167.17 (C), 167.14 (C), 165.83 (C), 156.47 (C), 136.25 (C), 135.07 (CH), 132.24 (C), 123.23 (CH), 122.83 (CH), 63.66 (CH2), 60.59 (CH2), 38.28 (CH2), 38.01 (CH2), 32.41 (CH2), 28.64 (CH2), 25.14 (CH2).
<1-[(4-カルボキシフタルイミジルエチル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物4a)>
アルゴン雰囲気下、1-[(4-カルボキシフタルイミジルエチル)アミノカルボニル]オキシ-6-ヘキサノール(化合物3a)1.02 g(2.70 mmol)をピリジン27 mlに溶解し、塩化ジメトキシトリチル915 mg(2.70 mmol)を加えて室温で撹拌した。2時間後、反応液に塩化ジメトキシトリチル440 mg(1.30 mmol)を追加して、室温でさらに2時間撹拌した。反応液にエタノール5 mlを加えた後、減圧下で濃縮した。残渣をクロロホルム150 mlに溶解し、水50 mlで2回、飽和食塩水50 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下で濃縮後、トルエン5 mlで共沸し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム、0.3%ピリジン含有)により精製して、標記化合物(化合物4a)1.88 g(ピリジン塩、収率92%)を黄色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 679.2661 (C39H39N2O9[M-H]-), 実測値 679.2673; 1H NMR (DMSO-d6)δ: 8.58 (m, 2 H, Py), 8.34 (dd, 1 H, Phth, J = 1.3, 7.6 Hz), 8.22 (s, 1 H, Phth), 7.96 (d, 1 H, Phth, J = 7.6 Hz), 7.78 (m, 1 H, Py), 7.38 (m, 2 H, Py), 7.36-7.17 (m, 10 H, DMT, NH), 6.87 (d, 4 H, DMT, J = 8.9 Hz), 3.83 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz), 3.73 (s, 6 H, OCH3×2), 3.66 (t, 2 H, CH2, J = 5.6 Hz), 3.24 (m, 2 H, CH2), 2.95 (t, 2 H, CH2, J = 6.4 Hz), 1.52 (m, 2 H, CH2), 1.43 (m, 2 H, CH2), 1.34-1.16 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (DMSO-d6)δ: 167.08 (C), 165.76 (C), 157.87 (C), 156.39 (C), 149.51 (CH, Py), 145.18 (C), 136.10 (CH, Py), 136.00 (C), 135.05 (CH), 134.97 (C), 132.20 (C), 129.48 (CH), 127.66 (CH), 127.57 (CH), 126.43 (CH), 123.80 (CH, Py), 123.13 (CH), 122.78 (CH), 113.02 (CH), 85.07 (C), 63.55 (CH2), 62.59 (CH2), 54.90 (CH3), 38.25 (CH2), 37.95 (CH2), 29.30 (CH2), 28.47 (CH2), 25.36 (CH2), 25.02 (CH2).
<1-[(4-ペンタフルオロフェノキシカルボニルフタルイミジルエチル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物5a)>
アルゴン雰囲気下、1-[(4-カルボキシフタルイミジルエチル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物4a、ピリジン塩)380 mg(0.50 mmol)をピリジン8 mlに溶解し、トリフルオロ酢酸ペンタフルオロフェニル0.17 ml(1.00 mmol)及びトリエチルアミン0.28 ml(2.00 mmol)を加えて、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮した後、残渣を酢酸エチル80 mlに溶解し、水50 mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50 mlで1回、水50 mlで1回、飽和食塩水50 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下で濃縮後、トルエン5 mlで共沸し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン、0.3%ピリジン含有)により精製して、標記化合物(化合物5a)375 mg(収率89%)を黄色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 869.2468 (C45H39F5N2O9Na [M+Na]+), 実測値 869.2470; 1H NMR (DMSO-d6)δ: 8.57 (dd, 1 H, Phth, J = 1.3, 7.9 Hz), 8.46 (s, 1 H, Phth), 8.12 (d, 1 H, Phth, J = 7.9 Hz), 7.38-7.18 (m, 10 H, DMT, NH), 6.87 (d, 4 H, DMT, J = 8.6 Hz), 3.83 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz), 3.72 (s, 6 H, OCH3×2), 3.69 (m, 2 H, CH2), 3.26 (m, 2 H, CH2), 2.95 (t, 2 H, CH2, J = 6.4 Hz), 1.52 (m, 2 H, CH2), 1.42 (m, 2 H, CH2), 1.32-1.18 (m, 4 H, CH2×2).
<revHリンカーCPG固相担体(化合物6a)>
ガラスバイアル瓶中、1-[(4-ペンタフルオロフェノキシカルボニルフタルイミジルエチル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物5a)84.7 mg(0.10 mmol)をピリジンとトリエチルアミンの混合溶液(9:1)5 mlに溶解し、LCAA-CPG220 mg(25 μmol)を加えて、室温で24時間激しく振盪した。CPGをピリジン(5 ml×4回)及び塩化メチレン(10 ml×2回)で洗浄した後、減圧下室温で1.5時間乾燥した。続いて、CPGにキャッピング溶液(0.1M ジメチルアミノピリジンを含むピリジンと無水酢酸(9:1)の混合溶液)5 mlを加えて室温で2時間激しく振盪した。CPGをピリジン(5 ml×4回)及び塩化メチレン(10 ml×2回)で洗浄した後、減圧下で室温で乾燥して、標記化合物(化合物6a)(34.8μmol/g)を得た。
[実施例2:revProリンカーCPG固相担体(化合物6b)の合成]
<1-[(3-アミノプロピル)アミノカルボニル]オキシ-6-ヘキサノール(化合物2b)>
1,6-ヘキサンジオール(化合物1)1.77 g(15.0 mmol)を原料として、エチレンジアミンの代わりに1,3-プロパンジアミン1.25 ml(15.0 mmol)を用いて化合物2aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物2b)859 mg(収率65%)を白色固体状物質として得た。
ESI-MS 計算値 219.1703 (C10H23N2O3[M+H]+), 実測値:219.1701; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 7.04 (br t, 1 H, NH), 3.91 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz), 3.38 (t, 2 H, CH2, J = 6.5 Hz), 3.00 (q, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 2.53 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz), 1.54-1.38 (m, 6 H, CH2×3), 1.34-1.26 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 156.35 (C), 63.48 (CH2), 60.58 (CH2), 38.86 (CH2), 37.89 (CH2), 33.03 (CH2), 32.42 (CH2), 28.75 (CH2), 25.27 (CH2), 25.17 (CH2).
<1-[(4-カルボキシフタルイミジルプロピル)アミノカルボニル]オキシ-6-ヘキサノール(化合物3b)>
1-[(3-アミノプロピル)アミノカルボニル]オキシ-6-ヘキサノール(化合物2b)655 mg(3.00 mmol)を原料として化合物3aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物3b)949 mg(収率81%)を白色固体状物質として得た。
ESI-MS 計算値 391.1511 (C19H23N2O7[M-H]-), 実測値:391.1514; 1H NMR (DMSO-d6)δ: 13.69 (br s, 1 H, COOH), 8.35 (dd, 1 H, Phth, J = 1.6, 7.6 Hz), 8.21 (m, 1 H, Phth), 7.98 (d, 1 H, Phth, J = 7.6 Hz), 7.08 (br t, 1 H, NH, J = 5.3 Hz), 3.89 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz), 3.59 (t, 2 H, CH2, J = 7.3 Hz), 3.37 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 3.01 (dt, 2 H, CH2, J = 5.3, 7.2 Hz), 1.75 (m, 2 H, CH2), 1.50 (m, 2 H, CH2), 1.40 (m, 2 H, CH2), 1.28 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (DMSO-d6)δ: 167.10 (C), 167.08 (C), 165.79 (C), 156.30 (C), 136.15 (C), 135.14 (CH), 134.98 (C), 132.12 (CH), 123.30 (CH), 122.91 (CH), 63.60 (CH2), 60.58 (CH2), 37.97 (CH2), 35.65 (CH2), 28.69 (CH2), 28.23 (CH2), 25.24 (CH2), 25.17 (CH2).
<1-[(4-カルボキシフタルイミジルプロピル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物4b)>
1-[(4-カルボキシフタルイミジルプロピル)アミノカルボニル]オキシ-6-ヘキサノール(化合物3b)643 mg(1.70 mmol)を原料として化合物4aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物4b、ピリジン塩)1.14 g(収率86%)を黄色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 693.2818 (C40H41N2O9[M-H]-), 実測値 693.2821; 1H NMR (DMSO-d6)δ: 8.58 (m, 2 H, Py), 8.35 (d, 1 H, Phth, J = 7.6 Hz), 8.21 (s, 1 H, Phth), 7.97 (d, 1 H, Phth, J = 7.6 Hz), 7.79 (m, 1 H, Py), 7.38 (m, 2 H, Py), 7.35-7.21 (m, 9 H, DMT), 7.08 (br t, 1 H, NH), 6.88 (d, 4 H, DMT, J = 8.9 Hz), 3.87 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz), 3.73 (s, 6 H, OCH3×2), 3.59 (t, 2 H, CH2, J = 6.9 Hz), 3.01 (q, 2 H, CH2, J = 6.0 Hz), 2.94 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 1.74 (m, 2 H, CH2), 1.56-1.44 (m, 4 H, CH2×2), 1.34-1.20 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (DMSO-d6)δ: 167.12 (C), 167.08 (C), 165.83 (C), 157.92 (C), 156.30 (C), 149.58 (CH, Py), 145.23 (C), 136.12 (CH, Py), 136.03 (C), 135.16 (CH), 135.00 (C), 132.13 (C), 129.54 (CH), 127.74 (CH), 127.62 (CH), 126.51 (CH), 123.89 (CH, Py), 123.31 (CH), 122.93 (CH), 113.08 (CH), 85.11 (C), 63.56 (CH2), 62.65 (CH2), 54.97 (CH3), 37.96 (CH2), 35.65 (CH2), 29.37 (CH2), 28.60 (CH2), 28.27 (CH2), 25.48 (CH2), 25.19 (CH2).
<1-[(4-ペンタフルオロフェノキシカルボニルフタルイミジルプロピル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物5b)>
1-[(4-カルボキシフタルイミジルプロピル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物4b、ピリジン塩)387 mg(0.50 mmol)を原料として化合物5aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物5b)404 mg(収率94%)を黄色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 883.2624 (C46H41F5N2O9Na [M+Na]+), 実測値 883.2625; 1H NMR (DMSO-d6)δ: 8.59 (m, 1 H, Phth), 8.45 (m 1 H, Phth), 8.11 (d, 1 H, Phth, J = 7.9 Hz), 7.41-7.18 (m, 9 H, DMT), 7.10 (br t, 1 H, NH, J = 6.3 Hz), 6.87 (d, 4 H, DMT, J = 8.3 Hz), 3.87 (t, 2 H, CH2, J = 6.4 Hz), 3.72 (s, 6 H, OCH3×2), 3.63 (t, 2 H, CH2, J = 7.1 Hz), 3.03 (q, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 2.94 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 1.77 (m, 2 H, CH2), 1.57-1.45 (m, 4 H, CH2×2), 1.28 (m, 4 H, CH2×2).
<revProリンカーCPG固相担体(化合物6b)>
1-[(4-ペンタフルオロフェノキシカルボニルフタルイミジルプロピル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物5b)86.1 mg(0.10 mmol)を原料として化合物6aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物6b)(31.7μmol/g)を得た。
[実施例3:revHリンカーポリスチレン固相担体(化合物6c)の合成]
<revHリンカーポリスチレン固相担体(化合物6c)>
ガラスバイアル瓶中、1-[(4-ペンタフルオロフェノキシカルボニルフタルイミジルエチル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物5a)84.7 mg(0.10 mmol)をジメチルホルムアミドとピリジンの混合溶液(9:1)3 mlに溶解し、アミノ化ポリスチレン担体材料400 mgを加えて室温で24時間激しく振盪した。ポリスチレン固相担体をジメチルホルムアミド(5 ml×4回)、メタノール(10 ml×2回)及び塩化メチレン(10 ml×2回)で洗浄した後、減圧下室温で2時間乾燥した。続いて、ポリスチレン固相担体にキャッピング溶液(0.1 Mジメチルアミノピリジンを含むピリジンと無水酢酸(9:1)の混合溶液)5 mlを加えて室温で2時間激しく振盪した。ポリスチレン固相担体をピリジン(5 ml×4回)、メタノール(10 ml×2回)及び塩化メチレン(10 ml×2回)で洗浄した後、減圧下で室温で乾燥して標記化合物(化合物8c)(120.5 μmol/g)を得た。
[比較例1:C6リンカーCPG固相担体]
市販のアミノ化修飾用樹脂(3’-PT-Amino-modifier C6 CPG、Glen Research社)を用いた。
[比較例2:ssHリンカーCPG固相担体の合成]
以下のスキーム2にしたがい、特許文献1に記載のオリゴヌクレオチドプローブの3’アミノ化修飾用固相担体を合成した。
Figure 0005808025
<N-[2-(モノメトキシトリチル)アミノエトキシカルボニル]-6-アミノ-1-ヘキサノール(化合物8)>
アルゴン雰囲気下、2-(モノメトキシトリチル)アミノエタノール(化合物7)6.67 g(20.0 mmol)及びジメチルアミノピリジン490 mg(4.00 mmol)をジメチルホルムアミド120 mlに溶解し、1,1’-カルボニルジイミダゾール1.95 g(12.0 mmol)を加えて室温で撹拌した。2時間後に1,1’-カルボニルジイミダゾール1.95 g(12.0 mmol)を追加し、室温でさらに4時間撹拌した。続いて反応液に6-アミノ-1-ヘキサノール7.03 g(60.0 mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。反応液に酢酸エチル350 mlを加え、水100 mlで4回、飽和食塩水100 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下で濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物8)8.35g(収率88%)を無色飴状物質として得た。
FAB-LRMS m/z 477.3 [M+H]+; FAB-HRMS 計算値:477.2753 (C29H37N2O4 [M+H]+), 実測値:477.2760; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 7.40-7.38 (m, 4 H, MMT), 7.30-7.25 (m, 6 H, MMT), 7.19-7.14 (m, 2 H, MMT), 7.11 (t, 1 H, NH, J = 5.6 Hz), 6.87-6.83 (m, 2 H, MMT), 4.33 (t, 1 H, OH, J = 5.3 Hz), 4.02 (t, 2 H, CH2, J = 5.7 Hz), 3.72 (s, 3 H, OCH3), 3.36 (dt, 2 H, CH2, J = 5.3, 6.5 Hz), 2.94 (dt, 2 H, CH2, J = 5.6, 6.9 Hz), 2.69 (t, 1 H, NH, J = 7.9 Hz), 2.14 (dt, 2 H, CH2, J = 7.9, 5.7 Hz), 1.43-1.33 (m, 4 H, CH2×2), 1.28-1.21 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 156.99 (C), 155.87 (C), 145.92 (C), 137.49 (C), 129.19 (CH), 127.91 (CH), 127.39 (CH), 125.68 (CH), 112.75 (CH), 69.37 (C), 63.32 (CH2), 60.45 (CH2), 54.75 (CH3), 42.98 (CH2), 40.02 (CH2), 32.33 (CH2), 29.39 (CH2), 26.04 (CH2), 25.10 (CH2).
<N-(2-アミノエトキシカルボニル)-6-アミノ-1-ヘキサノール(化合物9)>
アルゴン雰囲気下、N-[2-(モノメトキシトリチル)アミノエトキシカルボニル]-6-アミノ-1-ヘキサノール(化合物8)5.87 g(12.32 mmol)をエタノール70 mlに溶解し、80%酢酸水溶液50 mlを加えて室温で1.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮後、エタノール(20 ml×3回)で共沸した。残渣を水150 mlに溶解し、ジエチルエーテル70 mlで2回洗浄した。溶液を約70 mlまで減圧下で濃縮した後、1 N水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液のpHを12とし、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:アセトニトリル−水)により精製して標記化合物(化合物9)2.11 g(収率84%)を白色固体状物質として得た。
EI-LRMS m/z 205 [M+H]+; EI-HRMS 計算値:205.1552 (C9H21N2O3[M+H]+),実測値:205.1546; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 7.03 (br t, 1 H, NH, J = 5.6 Hz), 3.85 (t, 2 H, CH2, J = 6.1 Hz), 3.37 (t, 2 H, CH2, J = 6.5 Hz), 2.94 (dt, 2 H, CH2, J = 5.6, 6.9 Hz), 2.67 (t, 2 H, CH2, J = 6.1 Hz), 1.41-1.35 (m, 4 H, CH2×2), 1.27-1.23 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 156.22 (C), 66.10 (CH2), 60.54 (CH2), 40.84 (CH2), 40.06 (CH2), 32.38 (CH2), 29.38 (CH2), 26.06 (CH2), 25.12 (CH2).
<N-[(4-カルボキシフタルイミジル)エトキシカルボニル]-6-アミノ-1-ヘキサノール(10)>
N-(2-アミノエトキシカルボニル)-6-アミノ-1-ヘキサノール(化合物9)204 mg(1.00 mmol)を原料として化合物3aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物10)295 mg(収率78%)を白色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 377.1354 (C18H21N2O7[M-H]-), 実測値:377.1353; 1H NMR (DMSO-d6)δ: 13.68 (br s, 1 H, COOH), 8.36 (dd, 1 H, Phth, J = 1.3, 7.7 Hz), 8.23 (s, 1 H, Phth), 7.99 (d, 1 H, Phth, J = 7.7 Hz), 7.06 (t, 1 H, NH, J = 5.6 Hz), 4.30 (br s, 1 H, OH), 4.19 (t, 2 H, CH2, J = 5.3 Hz), 3.81 (t, 2 H, CH2, J = 5.3 Hz), 3.35 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 2.83 (dt, 2 H, CH2, J = 5.6, 6.3 Hz), 1.35 (m, 2 H, CH2), 1.27-1.12 (m, 6 H, CH2×3); 13C NMR (DMSO-d6)δ: 166.83 (C), 166.80 (C), 165.69 (C), 155.73 (C), 136.24 (C), 135.20 (CH), 134.76 (C), 131.93 (C), 123.35 (CH), 122.93 (CH), 60.54 (CH2), 60.17 (CH2), 40.02 (CH2), 37.64 (CH2), 32.35 (CH2), 29.19 (CH2), 25.90 (CH2), 25.07 (CH2).
<N-[(4-カルボキシフタルイミジル)エトキシカルボニル]-6-アミノ-O-(モノメトキシトリチル)-1-ヘキサノール(化合物11)>
N-[(4-カルボキシフタルイミジル)エトキシカルボニル]-6-アミノ-1-ヘキサノール(化合物10)757 mg(2.00 mmol)をピリジン20 mlに溶解し、塩化モノメトキシトリチル1.24 g(4.00 mmol)を加えて室温で18時間撹拌した。反応液にエタノール5 mlを加えた後、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル200 mlに溶解し、水70 mlで2回、飽和食塩水70 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮後、トルエン(10 ml×2回)で共沸し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム)により精製して標記化合物(化合物11)918 mg(収率71%)を白色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 673.2526 (C38H38N2O8Na [M+Na]+), 実測値 673.2518; 1H NMR (DMSO-d6)δ: 8.34 (d, 1 H, Phth, J = 7.7 Hz), 8.23 (s, 1 H, Phth), 7.97 (d, 1 H, Phth, J = 7.7 Hz), 7.41-7.29 (m, 8 H, MMT), 7.25-7.21 (m, 4 H, MMT), 7.09 (br t, 1 H, NH, J = 5.3 Hz), 6.89 (m, 2 H, MMT), 4.18 (t, 2 H, CH2, J = 5.3 Hz), 3.81 (t, 2 H, CH2, J = 5.3 Hz), 3.73 (s, 3 H, OCH3), 2.93 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 2.83 (dt, 2 H, CH2, J = 5.3, 6.7 Hz), 1.50 (m, 2 H, CH2), 1.30-1.18 (m, 4 H, CH2×2), 1.13 (m, 2 H, CH2); 13C NMR (DMSO-d6)δ: 166.98 (C), 165.92 (C), 158.05 (C), 155.82 (C), 144.68 (C), 136.95 (C), 135.47 (C), 135.23 (CH), 134.67 (C), 131.98 (C), 129.86 (CH), 127.90 (CH), 127.82 (CH), 126.72 (CH), 123.35 (CH), 123.05 (CH), 113.14 (CH), 85.41 (C), 62.76 (CH2), 60.34 (CH2), 55.00 (CH3), 40.06 (CH2), 37.71 (CH2), 29.34 (CH2), 29.18 (CH2), 25.88 (CH2), 25.42 (CH2).
<N-[(4-ペンタフルオロフェノキシカルボニルフタルイミジル)エトキシカルボニル]-6-アミノ-O-(モノメトキシトリチル)-1-ヘキサノール(12)>
N-[(4-カルボキシフタルイミジル)エトキシカルボニル]-6-アミノ-O-(モノメトキシトリチル)-1-ヘキサノール(化合物11)260 mg(0.40 mmol)を原料として化合物5aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物12)300 mg(収率89%)を白色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 839.2368 (C44H37F5N2O8Na [M+Na]+), 実測値 839.2353; 1H NMR (DMSO-d6)δ: 8.55 (dd, 1 H, Phth, J = 1.3, 7.7 Hz), 8.45 (s, 1 H, Phth), 8.11 (d, 1 H, Phth, J = 7.7 Hz), 7.36-7.26 (m, 8 H, MMT), 7.22-7.18 (m, 4 H, MMT), 7.07 (br t, 1 H, NH, J = 5.5 Hz), 6.88-6.84 (m, 2 H, MMT), 4.19 (t, 2 H, CH2, J = 5.3 Hz), 3.83 (t, 2 H, CH2, J = 5.3 Hz), 3.71 (s, 3 H, OCH3), 2.91 (t, 2 H, CH2, J = 6.5 Hz), 2.79 (dt, 2 H, CH2, J = 5.5, 6.5 Hz), 1.48 (m, 2 H, CH2), 1.26-1.05 (m, 6 H, CH2×3).
<ssH-リンカーCPG固相担体(化合物13)>
N-[(4-ペンタフルオロフェノキシカルボニルフタルイミジル)エトキシカルボニル]-6-アミノ-O-(モノメトキシトリチル)-1-ヘキサノール(化合物12)85.0 mg(0.10 mmol)を原料として化合物8aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物13)(28.5μmol/g)を得た。
〔合成例2:デオキシオリゴヌクレオチドプローブの合成〕
実施例1(revHリンカーCPG)、実施例2(revProリンカーCPG)、比較例1(C6リンカーCPG)及び比較例2(ssHリンカーCPG)の3’アミノ化修飾用固相担体の0.2μmol相当量をそれぞれ量りとり、各固相担体上でデオキシヌクレオシド3’-ホスホロアミダイト(Glen Research社)を配列に従って順次縮合させ、実施例1若しくは2、又は比較例1若しくは2のアミノリンカーを含む、5塩基又は25塩基鎖長の3’アミノ化オリゴヌクレオチドを合成した。
3’アミノ化オリゴヌクレオチドの合成は、DNA自動合成機(モデル3900;(株)パーキンエルマージャパン・アプライドバイオシステムズ事業部製)を用いて行った。合成した3’アミノ化オリゴヌクレオチドは、脱保護処理を行った後に、分取HPLCによって精製した。
HPLC分析は、Gilson社の装置にWaters 996フォトダイオードアレイ検出器(Waters社)を接続した装置を用いて行った。逆相分析用カラムとして、Waters μ-Bondasphere C18、300 Å(内径3.9 mm×長さ150 mm、Waters社)を、逆相分取用カラムとして、GL Science Inertsil ODS-3 C18(内径8.0 mm×長さ300 mm、GL Science社)を使用した。移動相として、逆相の場合には0.1 M 酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(TEAA、pH7.0)中アセトニトリルの濃度勾配を用いた。精製された各アミノ化オリゴヌクレオチドは、MALDI-TOFMSによって分子量を測定し、目的分子であることを確認した。
分子量測定の結果
T5-revH (C59H84N12O38P5)-、計算値: m/e 1723.370、測定値: 1723.750
T5-revPro (C60H86N12O38P5)-、計算値: m/e 1737.385、測定値: 1737.797
T5-C6 (C56H79N11O36P5)-、計算値: m/e 1636.338、測定値: 1636.819
Sp25-revH (C252H325N95O150P25)-、計算値: m/e 7857.423、測定値: 7857.657
Sp25-revPro (C253H327N95O150P25)-、計算値: m/e 7871.439、測定値: 7872.029
Sp25-C6 (C249H320N94O148P25)-、計算値: m/e 7770.391、測定値: 7770.082
5塩基3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-X; X=C6、ssH、revH又はrevPro)の配列:
5’ TTTTT-X 3’
(X=C6、ssH、revH又はrevPro)
25塩基3’アミノ化オリゴヌクレオチド(Sp25-X; X=C6、ssH、revH又はrevPro)の配列:
5’ TCTTCCAAGCAATTCCAATGAAAGC-X 3’(配列番号1)
式中、Xは、C6リンカーCPG、ssHリンカーCPG、revHリンカーCPG又はrevProリンカーCPGである。
〔合成例3:オリゴリボヌクレオチドプローブの合成〕
実施例1(revHリンカーCPG)の3’アミノ化修飾用固相担体の0.2μmol相当量を量りとり、固相担体上で2’-O-TBDMS-3’-ホスホロアミダイト(Glen Research社)を配列に従って順次縮合させ、20塩基鎖長の3’revH化オリゴリボヌクレオチド(r20-revH)を合成した。
3’アミノ化オリゴリボヌクレオチドの合成は、DNA自動合成機(モデル3900;(株)パーキンエルマージャパン・アプライドバイオシステムズ事業部製)を用いて行った。
合成したオリゴヌクレオチドが結合したCPGを、AMA溶液[40%メチルアミン:濃アンモニア水(1:1)](1.5 ml)中、65℃で10分間処理し溶媒を留去した。続いて残渣にジメチルスルホキシド(115μl)、トリエチルアミン(60μl)、トリエチルアミン・3フッ化水素(75μl)を加え、密閉して65℃で2.5時間加温した。これに0.2 M 酢酸トリエチルアンモニウム(pH 7.0)250μlを加え、NAP10(GEヘルスケア社)で脱塩した。得られたオリゴヌクレオチド含有溶液を逆相HPLCによって精製した。
HPLC分析は、Gilson社の装置にWaters μ-Bondasphere C18、300 Å(内径3.9 mm×長さ150 mm、Waters社)を接続して行った。移動相として、逆相の場合には0.1 M 酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(TEAA、pH7.0)中アセトニトリルの濃度勾配を用いた。
精製した3’-revH化オリゴリボヌクレオチドは、MALDI-TOFMSによって分子量を測定し、目的分子であることを確認した。
分子量測定の結果
r20-revH (C197H254N73O141P20)-、計算値: m/e 6518.977、測定値: 6518.982
20塩基3’revH化オリゴリボヌクレオチド(r20-revH)の配列:
5’ AAACCUCUUCCAAGCAAUUC-X 3’(配列番号2)
式中、Xは、revHリンカーCPGである。
逆相HPLCの分析条件:
移動相
A溶液:5% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
B溶液:25% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
溶出条件
B溶液の%:15-35%/20分
カラム
Waters μ-Bondasphere C18、300 Å(内径3.9 mm×長さ150 mm、Waters社)
〔使用例1:固相担体からの切り出し処理の確認〕
実施例1若しくは2、又は比較例1若しくは2の3’アミノ化修飾用固相担体に結合した5塩基のオリゴヌクレオチド(T5-revH-CPG、T5-revPro-CPG、T5-C6-CPG又はT5-ssH-CPG)を合成後、各固相担体に基づき0.1μmol相当量の3’アミノ化修飾用固相担体結合オリゴヌクレオチドを密閉バイアルに量り取り、下記の脱保護条件で処理した。その後、各反応溶液から20μlを分注して減圧下で溶媒留去後、滅菌水25μlに溶解して、逆相HPLCによって分析した。各分析の結果を図2に示す。
固相担体からの3’アミノ化オリゴヌクレオチドの切り出し条件:
AMA溶液[40%メチルアミン:濃アンモニア水(1:1)](2 ml、65℃、10分)
上記の結果より、本発明のアミノリンカーを含む3’アミノ化オリゴヌクレオチドは、AMA溶液では分解することなく、固相担体より回収されることを確認した。
〔使用例2:アルカリ条件での安定性の確認〕
固相合成した固相担体結合オリゴヌクレオチドの担体からの切り出しと、オリゴヌクレオチド部分の保護基の脱保護は、アルカリ条件下において通常行われる。そこで、アルカリ条件におけるアミノリンカーの安定性を明確に評価するため、以下の実験を行った。
まず、合成例2において合成した、実施例1若しくは2、又は比較例1若しくは2の3’アミノ化修飾用固相担体に結合した5塩基のオリゴヌクレオチド(T5-revH-CPG、T5-revPro-CPG、T5-C6-CPG又はT5-ssH-CPG)を、使用例1の条件2(AMA溶液)によって処理した。続いて、逆相HPLCを用いて精製後、260 nmの吸光度を測定して定量した。次に、精製された5塩基の3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-X, 各1.5 nmol)をそれぞれチューブにとり、減圧下で溶媒を留去して、濃アンモニア水(100μl)を加えて55℃又は65℃で16時間加温した。減圧下で溶媒を留去した後、残渣を滅菌水60μlに溶解して、逆相HPLCによって分析した。65℃で16時間加熱処理した反応液のHPLC分析結果を図3に示し、全3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-X)量に対する濃アンモニア水処理(55℃又は65℃)によって分解したT5-Xの量の割合(%)を図4に示す。
図3及び図4に示すように、比較例2のアミノリンカーを含む5塩基の3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-ssH)では、55℃の条件で約13%、65℃の条件で約30%が分解した。これに対し、実施例1のアミノリンカーを含む5塩基の3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-revH)では、分解物の割合は65℃の条件で約3%未満であり、実施例2のアミノリンカーを含む5塩基の3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-revPro)では、分解物の割合は65℃の条件で約10%であった。
上記の結果より、本発明のアミノリンカーを含む3’アミノ化オリゴヌクレオチドは、加熱したアルカリ条件であっても安定して存在し得ることが示された。
逆相HPLCの分析条件:
移動相
A溶液:5% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
B溶液:25% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
溶出条件
B溶液の%:0-50%/20分
〔使用例3:Sp25-Xの固相担体からの切り出しと精製〕
実施例1若しくは2、又は比較例1若しくは2の3’アミノ化修飾用固相担体に結合した25塩基のオリゴヌクレオチド(Sp25-revH-CPG、Sp25-revPro-CPG、Sp25-C6-CPG又はSp25-ssH-CPG)に、AMA溶液2 mlを加えて65℃で10分間反応させて、固相担体からの3’アミノ化オリゴヌクレオチドの切り出しと脱保護処理を行った。減圧下で溶媒を留去した後、残渣を滅菌水に溶解して、目的物を逆相HPLCによって精製した。
逆相HPLCの分取条件:
移動相
A溶液:5% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
B溶液:25% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
溶出条件
B溶液の%:20-40%/20分(Sp25-revPro、Sp25-C6及びSp25-ssHの精製に使用)
B溶液の%:25-45%/20分(Sp25-revHの精製に使用)
〔使用例4:フルオレセインイソチオシアナート(FITC)との反応〕
実施例1、又は比較例1若しくは2のアミノリンカーを含む3’アミノ化オリゴヌクレオチド(Sp25-revH、Sp25-C6又はSp25-ssH)(150 pmol)とFITC(DOJINDO)(150 nmol)を、10%(v/v)ジメチルホルムアミド、0.25 Mリン酸緩衝溶液(pH8.0)に溶解し(全量100 μl)、遮光し40℃で反応を開始した。反応開始60分後に、反応液をNAP5(GEヘルスケア社)で脱塩し、溶出液を逆相HPLCで分析した。原料のSp25-Xの総量(mol)に対する反応生成物の量(mol)の割合(%)を図5に示す。
逆相HPLCの分析条件:
移動相
A溶液:5% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
B溶液:50% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
溶出条件
B溶液の%:0-100%/20分
カラム
Waters μ-Bondasphere C18、300 Å(内径3.9 mm×長さ150 mm、Waters社)
〔使用例5:ビオチンスクシンイミジルエステルとの反応〕
実施例1、又は比較例1若しくは2のアミノリンカーを含む3’アミノ化オリゴヌクレオチド(Sp25-revH、Sp25-C6又はSp25-ssH)(150 pmol)とビオチンスクシンイミジルエステル(DOJINDO)(15nmol)を、0.25 M リン酸緩衝溶液(pH8.0)に溶解し(全量100 μl)、40℃で反応を開始した。反応開始30分後に、反応液をNAP5(GEヘルスケア社)で脱塩し、溶出液を逆相HPLCで分析した。原料のSp25-Xの総量(mol)に対する反応生成物の量(mol)の割合(%)を図6に示す。
逆相HPLCの分析条件:
移動相
A溶液:5% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
B溶液:25% アセトニトリル/0.1M TEAA(pH7.0)
溶出条件
B溶液の%:0-80%/20分
カラム
Waters μ-Bondasphere C18、300 Å(内径3.9 mm×長さ150 mm、Waters社)
〔使用例6:ポリエチレングリコールスクシンイミジルエステルとの反応〕
実施例1、又は比較例1若しくは2のアミノリンカーを含む3’アミノ化オリゴヌクレオチド(Sp25-revH、Sp25-C6又はSp25-ssH)(150 pmol)とポリエチレングリコールスクシニミジルエステル(40K;日油)(75 nmol)を、0.25 M リン酸緩衝溶液(pH8.0)に溶解し(全量100 μl)、40℃で反応を開始した。反応開始60分後に、反応液をNAP5(GEヘルスケア社)で脱塩し、溶出液を逆相HPLCで分析した。原料のSp25-Xの総量(mol)に対する反応生成物の量(mol)の割合(%)を図7に示す。
逆相HPLCの分析条件:
移動相
A溶液:20% アセトニトリル
B溶液:2 M ギ酸アンモニウム/20% アセトニトリル
溶出条件
B溶液の%:5-70%/20分
カラム
Waters μ-Bondasphere C18、300 Å(内径3.9 mm×長さ150 mm、Waters社)
図5〜7に示すように、本発明のアミノリンカーを含む3’アミノ化オリゴヌクレオチドは、従来技術のC6リンカー(比較例1)を含む3’アミノ化オリゴヌクレオチドよりも顕著に高い反応効率でFITC及び活性エステルと反応した。また、本発明のアミノリンカーを含む3’アミノ化オリゴヌクレオチドは、特許文献1に記載のssHリンカー(比較例2)を含む3’アミノ化オリゴヌクレオチドと実質的に同等の反応効率でFITC及び活性エステルと反応した。
〔合成例4:3’アミノ化修飾用固相担体の合成〕
[実施例4:revMeリンカーCPG固相担体(化合物19)の合成]
以下のスキーム3にしたがい、3’アミノ化修飾用固相担体を合成した。
Figure 0005808025
<N-(O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシルオキシカルボニル)-L-アラニンアミド(化合物15)>
アルゴン雰囲気下、O-ジメトキシトリチル-1,6-ヘキサンジオール(化合物14)1.05 g(2.50 mmol)をジメチルホルムアミド25 mlに溶解し、トリエチルアミン1.74 ml(12.5 mmol)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール490 mg(3.00 mmol)を加えて、室温で5時間撹拌した。続いて反応液にL-アラニンアミド塩酸塩623 mg(5.00 mmol)、及びジメチルアミノピリジン31 mg (0.25 mmol)を加え、80℃で24時間撹拌した。反応液に酢酸エチル150 mlを加え、水50 mlで4回、飽和食塩水50 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下で濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム、0.3%ピリジン含有)により精製して、標記化合物(化合物15)720 mg(収率54%)を白色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 557.2622(C31H38N2O6Na [M+Na]+), 実測値:557.2620; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 7.38-7.21 (m, 10 H, DMT, NH), 7.07 (br d, 1 H, NH, J = 7.7 Hz), 6.94 (br s, 1 H, NH), 6.89 (m, 4 H, DMT), 3.91 (m, 1 H, CH), 3.89 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz),3.73 (s, 6 H, OMe×2), 2.95 (t, 2 H, CH2, J = 6.5 Hz), 1.55-1.49 (m, 4 H, CH2×2), 1.32 (m, 2 H, CH2), 1.25 (m, 2 H, CH2), 1.18 (d, 3 H, CH3, J = 7.2 Hz); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 174.93 (C), 158.34 (C), 156.20 (C), 145.63 (C), 136.43 (C), 129.94 (CH), 128.15 (CH), 128.01 (CH), 126.92 (CH), 113.49 (CH), 85.52 (C), 64.13 (CH2), 63.06 (CH2), 55.38 (CH3), 50.13 (CH), 29.77 (CH2), 28.98 (CH2), 25.89 (CH2), 25.58 (CH2), 18.66 (CH3).
<(S)-O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシル 1-アミノ-2-プロピルカルバメート(化合物16)>
アルゴン雰囲気下、ボランのテトラヒドロフラン溶液8.08 ml(1.1 mol/L、9.0 mmol)をテトラヒドロフラン40 mlに加えて氷冷し、ここに、N-(O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシルオキシカルボニル)-L-アラニンアミド(化合物15)1.60 g(3.00 mmol)をテトラヒドロフラン30 mlに溶解した溶液を滴下した。反応液を0℃で15分撹拌した後、70℃で1時間加熱した。反応液を室温に戻した後、飽和塩化アンモニウム水溶液10 mlを加えて12時間撹拌した。反応液に酢酸エチル200 mlを加え、水80 mlで2回、飽和食塩水80 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下で濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム、0.3%ピリジン含有)により精製して、標記化合物(化合物16)732 mg(収率47%)を無色オイル状物質として得た。
ESI-MS 計算値 543.2829 (C31H40N2O5Na [M+Na]+), 実測値:543.2833; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 7.38-7.19 (m, 9H, DMT), 6.88 (m, 4 H, DMT), 6.82 (br d, 1 H, NH, J = 7.6 Hz), 3.89 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 3.73 (s, 6 H, OMe×2), 3.38 (m, 1 H, CH), 2.95 (t, 2 H, CH2, J = 6.5 Hz), 2.48 (dd, 1 H, CH2a, J = 6.4, 12.8 Hz), 2.43 (dd, 1 H, CH2b, J = 5.9, 12.8 Hz), 1.55-1.48 (m, 4 H, CH2×2), 1.32 (m, 2 H, CH2), 1.25 (m, 2 H, CH2), 0.98 (d, 3 H, CH3, J = 6.6 Hz); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 158.34 (C), 156.31 (C), 145.63 (C), 136.44 (C), 129.94 (CH), 128.14 (CH), 128.01 (CH), 126.91 (CH), 113.48 (CH), 85.53 (C), 63.77 (CH2), 63.06 (CH2), 55.38 (CH3), 49.60 (CH), 47.39 (CH2), 29.79 (CH2), 29.04 (CH2), 25.90 (CH2), 25.64 (CH2), 18.54 (CH3).
<(S)-1-[(4-カルボキシフタルイミジル-2-プロピル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物17)>
アルゴン雰囲気下、(S)-O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシル 1-アミノ-2-プロピルカルバメート(化合物16)270 mg(0.52 mmol)及び無水トリメリト酸110 mg(0.57 mmol)をピリジン20 mlに溶解し、80℃で1時間、さらに120℃で19時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮した。残渣をピリジン(5 ml×3回)で共沸した後、残渣をピリジン10 mlに溶解し、塩化ジメトキシトリチル264 mg(0.78 mmol)を加えて室温で撹拌した。1時間後、反応液に塩化ジメトキシトリチル100 mg(0.30 mmol)を追加して、室温でさらに1時間撹拌した。反応液にエタノール1 mlを加えた後、減圧下で濃縮した。残渣をクロロホルム70 mlに溶解し、水25 mlで2回、飽和食塩水25 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下で濃縮後、トルエン5 mlで共沸し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム、0.3%ピリジン含有)により精製して、標記化合物(化合物17)262 mg(ピリジン塩、収率65%)を白色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 693.2818 (C40H41N2O9 [M-H]-), 実測値:693.2820; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 8.58 (m, 2 H, Py), 8.32 (d, 1 H, Phth, J = 7.7 Hz), 8.22 (s, 1 H, Phth), 7.95 (d, 1 H, Phth, J = 7.7 Hz), 7.78 (m, 1 H, Py), 7.38 (m, 2 H, Py), 7.37-7.19 (m, 9 H, DMT), 7.04 (br d, 1 H, NH, J = 8.8 Hz), 6.90-6.85 (m, 4 H, DMT), 3.89 (m, 1 H, CH), 3.75 (m, 1 H, CH), 3.73 (s, 6 H, OCH3×2), 3.71 (m, 1 H, CH), 3.58 (m, 2 H, CH2), 2.94 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 1.50 (m, 2 H, CH2), 1.34 (m, 2 H, CH2), 1.24 (m, 2 H, CH2), 1.14 (m, 2 H, CH2), 1.08 (d, 3 H, CH3, J = 6.9 Hz); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 167.09 (C), 167.08 (C), 165.73 (C), 157.87 (C), 155.82 (C), 149.51 (CH, Py), 145.18 (C), 136.03 (CH, Py), 135.98 (C), 135.02 (CH), 134.82 (C), 131.99 (C), 129.48 (CH), 127.67 (CH), 127.56 (CH), 126.44 (CH), 123.81 (CH, Py), 123.18 (CH), 122.86 (CH), 113.01 (CH), 85.06 (C), 63.34 (CH2), 62.56 (CH2), 54.90 (CH3), 45.12 (CH), 43.08 (CH2), 29.28 (CH2), 28.42 (CH2), 25.32 (CH2), 24.96 (CH2), 17.76 (CH3).
<(S)-1-[(4-ペンタフルオロフェノキシカルボニルフタルイミジル-2-プロピル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物18)>
(S)-1-[(4-カルボキシフタルイミジル-2-プロピル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物17、ピリジン塩)232 mg(0.30 mmol)を原料として化合物5aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物18)183 mg(収率71%)を白色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 883.2624 (C46H41N2O9F5Na [M+Na]+), 実測値:883.2641; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 8.55 (d, 1 H, Phth, J = 7.7 Hz), 8.45 (s, 1 H, Phth), 8.10 (d, 1 H, Phth, J = 7.7 Hz), 7.36-7.18 (m, 9 H, DMT), 7.08 (br d, 1 H, NH, J = 7.2 Hz), 6.89-6.83 (m, 4 H, DMT), 3.92 (m, 1 H, CH), 3.77 (m, 1 H, CH), 3.72 (s, 6 H, OCH3×2), 3.68 (m, 1 H, CH), 3.61 (m, 2 H, CH2), 2.93 (t, 2 H, CH2, J = 6.5 Hz), 1.49 (m, 2 H, CH2), 1.33 (m, 2 H, CH2), 1.23 (m, 2 H, CH2), 1.13 (m, 2 H, CH2), 1.10 (d, 3 H, CH3, J = 6.9 Hz).
<revMeリンカーCPG固相担体(化合物19)>
(S)-1-[(4-ペンタフルオロフェノキシカルボニルフタルイミジル-2-プロピル)アミノカルボニル]オキシ-O-(ジメトキシトリチル)-6-ヘキサノール(化合物18)103 mg(0.12 mmol)を原料として化合物6aの合成と同様に処理し、標記化合物(化合物19)(35.0μmol/g)を得た。
[実施例5:revMeOHリンカーCPG固相担体(化合物23)の合成]
以下のスキーム4にしたがい、3’アミノ化修飾用固相担体を合成した。
Figure 0005808025
<N-(O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシルオキシカルボニル)-L-セリンアミド(化合物20)>
アルゴン雰囲気下、O-ジメトキシトリチル-1,6-ヘキサンジオール(化合物14)1.34 g(3.20 mmol)をジメチルホルムアミド40 mlに溶解し、トリエチルアミン2.23 ml(16.0 mmol)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール570 mg(3.52 mmol)を加えて、室温で3時間撹拌した。続いて反応液にL-セリンアミド塩酸塩675 mg(4.80 mmol)、及びジメチルアミノピリジン39 mg (0.32 mmol)を加え、80℃で2日間撹拌した。反応液に酢酸エチル250 mlを加え、水100 mlで4回、飽和食塩水100 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下で濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム、0.3%ピリジン含有)により精製して、標記化合物(化合物20)685 mg(収率39%)を白色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値 573.2571 (C31H38N2O7Na [M+Na]+), 実測値:573.2569; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 7.41-7.19 (m, 10 H, DMT, NH), 7.06 (br s, 1 H, NH), 6.89 (m, 4 H, DMT), 6.82 (br d, 1 H, NH, J = 8.3 Hz), 4.81 (t, 1 H, OH, J = 5.6 Hz), 3.95 (m, 1 H, CH), 3.91 (t, 2 H, CH2, J = 6.6 Hz), 3.73 (s, 6 H, OMe×2), 3.56 (m, 2 H, CH2), 2.95 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 1.53 (m, 4 H, CH2×2), 1.29 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 172.17 (C), 157.95 (C), 156.05 (C), 145.25 (C), 136.04 (C), 129.57 (CH), 127.78 (CH), 127.63 (CH), 126.55 (CH), 113.11 (CH), 85.13 (C), 63.91 (CH2), 62.67 (CH2), 61.84 (CH2), 56.94 (CH), 55.00 (CH3), 29.39 (CH2), 28.57 (CH2), 25.53 (CH2), 25.19 (CH2).
<(R)-O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシル [1-ヒドロキシ-3-(トリフルオロアセチル)アミノ]-2-プロピルカルバメート(化合物21)>
アルゴン雰囲気下、N-(O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシルオキシカルボニル)-L-セリンアミド(化合物20)110 mg(0.20 mmol)をテトラヒドロフラン10 mlに溶解して氷冷し、ボランのテトラヒドロフラン溶液0.50 ml(1.2 mol/L、0.60 mmol)を加えた。反応液を0℃で15分撹拌した後、70℃で1時間加熱した。反応液を室温に戻した後、飽和塩化アンモニウム水溶液1 mlを加えて1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル40 mlを加え、水15 mlで2回、飽和食塩水15 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下で濃縮後、残渣をメタノール5.0 mlに溶解し、トリエチルアミン0.084 ml (0.60 mmol)、及びトリフルオロ酢酸エチル0.048 ml (0.40 mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム、0.3%ピリジン含有)により精製して、標記化合物(化合物21)88 mg(収率82%)を白色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値655.2602 (C33H39N2O7F3Na [M+Na]+), 実測値:655.2602; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 9.34 (br s, 1 H, NH), 7.41-7.18 (m, 9 H, DMT), 6.89 (m, 4 H, DMT), 6.82 (br d, 1 H, NH, J = 8.9 Hz), 4.76 (br s, 1 H, OH), 3.89 (m, 2 H, CH2), 3.73 (s, 6 H, OMe×2), 3.67 (m, 2 H, CH2), 3.33 (m, 2 H, CH2), 3.20 (m, 1 H, CH2), 2.94 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 1.52 (m, 4 H, CH2×2), 1.27 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 157.96 (C), 156.49 (C, q, J = 36.3 Hz), 156.16 (C), 145.26 (C), 136.05 (C), 129.57 (CH), 127.77 (CH), 127.63 (CH), 126.55 (CH), 115.93 (CF3, q, J = 288.3 Hz), 113.10 (CH), 85.13 (C), 63.68 (CH2), 62.69 (CH2), 61.24 (CH2), 54.99 (CH3), 51.90 (CH), 40.66 (CH2), 29.38 (CH2), 28.59 (CH2), 25.54 (CH2), 25.19 (CH2).
<(R)-O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシル [1-ヒドロキシ-3-(トリフルオロアセチル)アミノ]-2-プロピルカルバメート コハク酸エステル(化合物22)>
アルゴン雰囲気下、(R)-O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシル [1-ヒドロキシ-3-(トリフルオロアセチル)アミノ]-2-プロピルカルバメート(化合物21)168 mg(0.27 mmol)をピリジン5 mlに溶解し、コハク酸無水物81 mg (0.81 mmol)、及びジメチルアミノピリジン33 mg (0.27 mmol)を加えて、室温で6時間撹拌した。反応液に水1 mlを加えた後、減圧下で濃縮した。残渣にクロロホルム40 mlを加え、飽和リン酸二水素カリウム水15 mlで2回、飽和食塩水15 mlで1回洗浄し、硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下で濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:エタノール−クロロホルム、0.3%ピリジン含有)により精製して、標記化合物(化合物22)190 mg(収率96%)を白色泡状物質として得た。
ESI-MS 計算値755.2762 (C37H43N2O10F3Na [M+Na]+), 実測値:755.2764; 1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 12.25 (br s, 1 H, COOH), 9.45 (br d, 1 H, NH, J = 5.3 Hz), 7.41-7.18 (m, 9 H, DMT), 7.15 (br d, 1 H, NH, J = 8.2 Hz), 6.89 (m, 4 H, DMT), 4.04 (m, 1 H, CH), 3.93-3.87 (m, 4 H, CH2×2), 3.73 (s, 6 H, OMe×2), 3.29 (m, 2 H, CH2), 2.94 (t, 2 H, CH2, J = 6.3 Hz), 2.49-2.47 (m, 4 H, CH2×2), 1.52 (m, 4 H, CH2×2), 1.27 (m, 4 H, CH2×2); 13C NMR (67.8 MHz, DMSO-d6)δ: 173.36 (C), 171.91 (C), 157.96 (C), 156.58 (C, q, J = 36.3 Hz), 156.09 (C), 145.26 (C), 136.05 (C), 129.57 (CH), 127.77 (CH), 127.63 (CH), 126.55 (CH), 115.88 (CF3, q, J = 287.7 Hz), 113.10 (CH), 85.13 (C), 63.88 (CH2), 63.57 (CH2), 62.68 (CH2), 54.99 (CH3), 48.88 (CH), 40.30 (CH2), 29.39 (CH2), 28.64 (CH2), 28.58 (CH2), 28.55 (CH2), 25.51 (CH2), 25.17 (CH2).
<revMeOHリンカーCPG固相担体(化合物23)>
ガラスバイアル瓶中、(R)-O-ジメトキシトリチル-6-ヒドロキシヘキシル [1-ヒドロキシ-3-(トリフルオロアセチル)アミノ]-2-プロピルカルバメート コハク酸エステル(化合物22)146 mg(0.20 mmol)をピリジン8 mlに溶解し、LCAA-CPG 350 mg(40.0 μmol)、EDC 383 mg (2.0 mmol)、トリエチルアミン80μl、及びジメチルアミノピリジン12 mg (0.10 mmol)を加えて、室温で27時間激しく振盪した。CPGをピリジン(10 ml×4回)及び塩化メチレン(10 ml×2回)で洗浄した後、減圧下室温で1.5時間乾燥した。続いて、CPGにキャッピング溶液(0.1M ジメチルアミノピリジンを含むピリジンと無水酢酸(9:1)の混合溶液)8 mlを加えて室温で2時間激しく振盪した。CPGをピリジン(10 ml×4回)及び塩化メチレン(10 ml×2回)で洗浄した後、減圧下で乾燥して、標記化合物(化合物23)(44.9μmol/g)を得た。
〔合成例5:デオキシオリゴヌクレオチドプローブの合成〕
実施例4(revMeリンカーCPG)及び実施例5(revMeOHリンカーCPG)の3’アミノ化修飾用固相担体を原料として合成例2と同様に処理し、各固相担体上でデオキシヌクレオシド3’-ホスホロアミダイト(Glen Research社)を配列に従って順次縮合させ、実施例4又は5のアミノリンカーを含む、5塩基鎖長の3’アミノ化オリゴヌクレオチドを合成した。
5塩基3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-X; X=revMe又はrevMeOH)の配列:
5’ TTTTT-X 3’
(X= revMe又はrevMeOH)
〔使用例7:アルカリ条件での安定性の確認〕
使用例1又は2と同様の方法により、実施例4(revMeリンカーCPG)及び実施例5(revMeOHリンカーCPG)のアミノリンカーを含むアミノ化オリゴヌクレオチドのアルカリ条件における安定性を評価した。合成したアミノ化オリゴヌクレオチドを濃アンモニア水で処理した反応液のHPLC分析結果を図9に示し、全3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-X)量に対するAMA溶液処理又は濃アンモニア水処理によって分解したT5-Xの量の割合(%)を図10に示す。
3’アミノ化オリゴヌクレオチドのアルカリ処理条件:
AMA溶液[40%メチルアミン:濃アンモニア水(1:1)、65℃、10分]
濃アンモニア水[濃アンモニア水、55℃、16時間]
図9に示すように、実施例4のアミノリンカーを含む5塩基の3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-revMe)では、濃アンモニア水処理によって分解由来のピークが検出された。実施例5のアミノリンカーを含む5塩基の3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-revMeOH)でも、濃アンモニア水処理によって分解由来のピークが検出されたが、分解由来のピーク強度は、T5-revMeの場合と比較してより大きかった。
図10に示すように、実施例5のアミノリンカーを含む5塩基の3’アミノ化オリゴヌクレオチド(T5-revMeOH)は、固相担体からの3’アミノ化オリゴヌクレオチドの切り出し条件であるAMA溶液処理で約11%が分解した。また、実施例4又は5のアミノリンカーを含む5塩基の3’アミノ化オリゴヌクレオチドは、濃アンモニア水処理によってそれぞれ約18%又は約68%が分解した。
上記の結果より、本発明の式Iで表される3’アミノ化オリゴヌクレオチドは、R2に分岐基又は置換基を有すると、アルカリ処理に対する安定性が低下することが示唆される。この結果は、アルカリ処理におけるアシル転移反応の反応性に起因すると考えられる。実施例1(revH)及び実施例2(revPro)のように、R2が非置換で直鎖状の二価の脂肪族炭化水素基である場合、R2の対称性によりアシル転移が生じても構造変化は起きず、転移前と同一構造を有するアシル転移生成物が生じる。このため、見かけ上、分解物は生じない。これに対し、実施例4(revMe)及び実施例5(revMeOH)のように、R2が分岐状の(又は置換されている)二価の基である場合、アシル転移生成物が分解物として生成する。また、実施例5(revMeOH)のように、R2の分岐基又は置換基が立体障害の大きい、嵩高い基である場合、配座平衡がanti-配座に大きく偏るため、アシル転移反応がさらに促進されると考えられる。
本発明により、オリゴヌクレオチドの3’末端への化学修飾の効率が高まり、核酸医薬や遺伝子検出用プローブを低コストで合成することが可能となる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (15)

  1. 以下の式I:
    Figure 0005808025

    [式中、
    PG1a及びPG1bは、互いに独立して、水素原子若しくはアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、フタロイル基、o−ニトロベンジル基及びo−ニトロベンジルオキシカルボニル基からなる群より選択されるアミノ基の保護基であるか、又は
    PG1a及びPG1bは、一緒になって前記アミノ基の保護基を形成しており、
    R2は、主鎖の員数1〜5の非置換の二価の脂肪族炭化水素基であり、
    R3は、主鎖の員数1〜20の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基であり
    Aは、オリゴヌクレオチドである]
    で表されるアミノ化オリゴヌクレオチド。
  2. R2が、メチレン、エチレン又はプロピレンである、請求項1のアミノ化オリゴヌクレオチド。
  3. R 3 が、主鎖の員数2〜15の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基である、請求項1又は2のアミノ化オリゴヌクレオチド。
  4. 以下の式Ia:
    Figure 0005808025

    [式中、
    PG1a及びPG1bは、互いに独立して、水素原子若しくはアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル基、フタロイル基、o−ニトロベンジル基及びo−ニトロベンジルオキシカルボニル基からなる群より選択されるアミノ基の保護基であるか、又は
    PG1a及びPG1bは、一緒になって前記アミノ基の保護基を形成しており、
    R3は、主鎖の員数26の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基であり、
    Aは、オリゴヌクレオチドである]
    で表される請求項1〜3のいずれか1項のアミノ化オリゴヌクレオチド。
  5. R 3 が、ヘキシレンである、請求項4のアミノ化オリゴヌクレオチド。
  6. 以下の式IV:
    Figure 0005808025

    [式中、
    Xは、担体材料であり、
    R1aは、直接結合又は二価の基であり、
    R1bは、水素原子であるか、又は
    R1a及びR1bは、一緒になってX及びアミノ基と結合する基を形成しており、
    R2は、主鎖の員数1〜5の非置換の二価の脂肪族炭化水素基であり、
    R3は、主鎖の員数1〜20の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基であり
    R4は、トリチル基、モノ置換若しくはジ置換トリチル基、ピラニル基、フラニル基、o-ニトロベンジル基及びレブリニル基からなる群より選択される水酸基の保護基である]
    で表される固相担体。
  7. R2が、メチレン、エチレン又はプロピレンである、請求項6の固相担体。
  8. R 3 が、主鎖の員数2〜15の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基である、請求項6又は7の固相担体。
  9. 以下の式IVa:
    Figure 0005808025

    [式中、
    Xは、担体材料であり、
    R1aは、直接結合又は二価の基であり、
    R1bは、水素原子であるか、又は
    R1a及びR1bは、一緒になってX及びアミノ基と結合する基を形成しており、
    R3は、主鎖の員数26の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基であり、
    R4は、トリチル基、モノ置換若しくはジ置換トリチル基、ピラニル基、フラニル基、o-ニトロベンジル基及びレブリニル基からなる群より選択される水酸基の保護基である]
    で表される請求項6〜8のいずれか1項の固相担体。
  10. R 3 が、ヘキシレンである、請求項9の固相担体。
  11. R4が、トリチル基又はモノ置換若しくはジ置換トリチル基である、請求項610のいずれか1項の固相担体。
  12. 以下の式Ib:
    Figure 0005808025

    [式中、
    M1a及びM1bは、互いに独立して、水素原子若しくはビオチン、ポリエチレングリコール(PEG)、蛍光色素、ペプチド、糖、コレステロール、脂質、フェロセン及びナイルブルーからなる群より選択されるプローブ分子から誘導される基であるか、又は
    M1a及びM1bは、一緒になって前記プローブ分子から誘導される基を形成しており、
    R2は、主鎖の員数1〜5の非置換の二価の脂肪族炭化水素基であり、
    R3は、主鎖の員数1〜20の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基であり
    Aは、オリゴヌクレオチドである]
    で表されるアミノ化オリゴヌクレオチドプローブ。
  13. R 2 が、メチレン、エチレン又はプロピレンである、請求項12のアミノ化オリゴヌクレオチドプローブ。
  14. R 3 が、主鎖の員数2〜15の置換若しくは非置換の二価の脂肪族炭化水素基である、請求項12又は13のアミノ化オリゴヌクレオチドプローブ。
  15. R 2 が、メチレンであり、R 3 が、ヘキシレンである、請求項14のアミノ化オリゴヌクレオチドプローブ。
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