以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技機1の斜視図である。なお、本発明の実施の形態において前後左右方向とは、遊技機1に向かってみた方向である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放すれば、遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放すれば、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図8参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図9参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図9参照)と、を備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を回転駆動するように制御される。
なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図9参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための異常報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、異常報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図8参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図8参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図8参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図8参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの入力操作を受け付けるための演出ボタン17及び選択ボタン29が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17や選択ボタン29を操作することによって、表示装置35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、変動表示ゲームが実行されていない非遊技状態(客待ち状態)や、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン17を操作することによっても演出パターン(演出態様)を変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば、変動表示ゲームの結果が当りになる確率が高い確変状態、変動表示ゲームの単位時間あたりの実行数を増やすことが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作する排出ボタン27とが設けられている。また、球貸ボタン18と排出ボタン27との間には、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部20が設けられる。
次に、図2を参照して、遊技機1に配設される遊技盤30について説明する。図2は、遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の板部材である。遊技盤30の前面にはガイドレール32で囲まれた遊技領域31が形成される。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース34はその開口に遊技盤30の前方から嵌装される。遊技領域31は、センターケース34によって左右の遊技領域に隔てられており、遊技球がセンターケース34の右側方を流下可能な右遊技領域と、遊技球がセンターケース34の左側方を流下可能な左遊技領域とから構成されている。
センターケース34には、左遊技領域を流下する遊技球をセンターケース34の内側に導くためのワープ通路80と、ワープ通路80を通過した遊技球が転動可能であって、転動した遊技球を再び遊技領域31へと誘導するステージ部90とが設けられる。
遊技盤30の裏面には、裏面構成部材として演出装置60(図3参照)が配設される。演出装置60は、表示装置35と、発光演出を実行可能な発光演出装置100(図3参照)と、動作演出を実行可能な可動演出装置200とを含んでいる。表示装置35は、複数の識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲームを表示可能な表示画面35aを有する。なお、演出装置60についての詳細は図3〜図7にて後述する。
センターケース34の開口部34aは表示装置35の表示画面35aに対応して設けられており、表示装置35の表示画面35aはセンターケース34の開口部34aに臨むように配設される。表示装置35の表示画面35aは任意の画像を表示可能な液晶表示画面であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。表示装置35は、表示画面35aに複数の表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの表示領域)を有しており、各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。
センターケース34は、右側方の遊技領域31の一部を構成するように遊技盤30の表面を覆う被覆部51が一体的に設けられている。被覆部51は、右遊技領域の所定範囲の遊技盤30の表面を覆うように形成される。また、被覆部51の下部には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36が一体形成される。また、普図始動ゲート36の上方位置における被覆部51には、遊技盤30を露出させるための露出開口52が形成される。
センターケース34の下方の遊技領域31には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口37が配設される。始動入賞口37は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第1始動入賞口37aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第2始動入賞口37bと、を備える。
第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aの直下方に配設されており、左右一対の開閉部材37cを備えている。開閉部材37cは、いわゆる普通電動役物であって、通常は閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としての普電ソレノイド27(図8参照)によって、先端が開くように開閉部材37cが回動され、第2始動入賞口37bに遊技球が流入しやすい入賞容易状態(遊技者にとって有利な状態)となる。開閉部材37cは、遊技制御装置600(図8参照)によって制御される。遊技制御装置600は、入賞容易状態の発生頻度(普図変動表示ゲームの当り確率)を高めたり、入賞容易状態の発生時間(開閉部材が第2始動入賞口37bを開状態としている時間)を長くしたりすることで、特定遊技状態としての普電サポート状態(時短状態)を発生させる。なお、通常遊技状態において普図変動表示ゲームの当り確率を「0」としても良い。
始動入賞口37の左側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口33が三つ配設され、始動入賞口37の右側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口33が一つ配設される。
第1始動入賞口37aと右側の一般入賞口33との間の遊技領域31には、変動入賞装置38が設けられる。変動入賞装置38は、大入賞口と、大入賞口ソレノイド28(図8参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して大入賞口を開放可能とするアタッカ形式の開閉扉38aと、を備える。変動入賞装置38は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになると、大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するように構成されている。
なお、遊技領域31には、上記した始動入賞口37等のほかに、遊技球の流下方向を変える風車や障害釘等の流下方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口39が配設される。
また、遊技盤30の右下部には、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)における特図の変動表示、特図入賞記憶数(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームの始動記憶数)、普図変動表示ゲームにおける普図の変動表示、普図変動表示ゲームの始動記憶数としての普図入賞記憶数、及び大当りの決定ラウンド数等を表示する一括表示装置40が配設される。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール32の内周壁に沿って区画された発射球案内通路41を通って遊技領域31内に発射され、障害釘等の方向変換部材に衝突して落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。発射球案内通路41はガイドレール32と内レール42とによって形成されており、発射球案内通路41の出口に位置する内レール42の端部には弁体43が設けられる。弁体43の下端は内レール42に固定され、弁体43は発射球案内通路41の出口を塞ぐように配設される。弁体43は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路41から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路41への遊技球の逆流を規制する。
遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の左側を通って流下するように打ち出すこと)又は右打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の右側を通って流下するように打ち出すこと)を行うように構成されている。遊技機1では、遊技開始直後等の特図変動表示ゲームが大当りとなる確率が通常確率(低確率)となっている通常遊技状態では遊技者によって左打ちが行われ、大当り遊技状態や普電サポート状態(確変状態、時短状態)では遊技者によって右打ちが行われる。
左打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の左側遊技領域を流下して、第1始動入賞口37aや第1始動入賞口37aの左側方に配設された一般入賞口33に入賞するか、アウト口39から遊技機1の外部に排出される。ワープ通路80を通ってステージ部90に導かれた遊技球も第1始動入賞口37aに入賞したり、第1始動入賞口37aの左側方の一般入賞口33に入賞したりする。なお、一般入賞口33や第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、一括表示装置40で第1特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが表示装置35で実行される。表示装置35の表示画面35aには、三つの数字等で構成される識別情報が順に変動(スクロール)する飾り特図変動表示ゲームや飾り特図変動表示ゲームに関する画像等が表示される。
第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第1特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、飾り特図変動表示ゲームは三つの識別情報が揃った状態で停止する。この場合には、変動入賞装置38の開閉扉38aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。
大当り遊技状態中は、遊技球を変動入賞装置38の大入賞口へ入賞させるために、遊技者は右打ちを行うことになる。右打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の右遊技領域を流下する。変動入賞装置38の大入賞口は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。大入賞口に遊技球が入賞することによって、遊技者には多くの遊技球を獲得可能な遊技価値が付与される。大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、第1特図変動表示ゲームが大当りとなった場合にはラウンド数は例えば2回に設定される。
なお、大当り遊技状態後に遊技状態が普電サポート状態(確変状態、時短状態)となる場合にも、遊技機1では右打ちが行われる。時短状態は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)が所定回数(例えば、100回)行われるまで継続される。
右遊技領域を流下した遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、一括表示装置40で普図変動表示ゲームが開始される。普図始動ゲート36への遊技球の通過が所定タイミングでなされた場合には普図変動表示ゲームの結果が当りとなる。この場合には、普電ソレノイド27(図8参照)によって開閉部材37cが開かれ、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞可能性が高められる。
第2始動入賞口37bに遊技球が入賞すると、一括表示装置40で第2特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが表示装置35で実行される。表示装置35の表示画面35aには、三つの数字等で構成される識別情報が順に変動(スクロール)する飾り特図変動表示ゲームや飾り特図変動表示ゲームに関する画像等が表示される。
第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第2特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、飾り特図変動表示ゲームは三つの識別情報が揃った状態で停止する。この場合には、変動入賞装置38の開閉扉38aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。第2特図変動表示ゲームが大当りとなった場合には、ラウンド数は例えば15回に設定される。
なお、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞すると、対応する数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
上記の通り、遊技機1では、遊技者が左打ち又は右打ちを行いながら遊技が進行する。表示装置35の表示画面35aには、遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように左打ち又は右打ちの指示が表示される。
続いて、図3〜図7を参照して、遊技機1の演出装置60について説明する。まず、図3は、センターケース34及び演出装置60の斜視図である。
前述したように、センターケース34は前面構成部材として遊技盤30の前面に配設され、演出装置60は裏面構成部材として遊技盤30の裏面に配設される。そして、演出装置60の裏面には、演出装置60の演出制御を行う演出制御装置700や外部と接続可能にする中継基板591が配設される。
演出装置60は、遊技盤30の裏面に取り付けられる枠状の制御ベース61と、制御ベース61の裏面に設置される表示装置35と、制御ベース61の前面に設置される発光演出装置100及び可動演出装置200とを備える。
そして、制御ベース61には、発光演出装置100や可動演出装置200が収容される収容部61aと、表示装置35の表示画面35aが臨む開口部61bが形成される。
センターケース34は、開口部34aを有する異形リング状部材であり、合成樹脂によって形成されている。センターケース34は、その外周が遊技盤30に形成された開口に嵌められて遊技盤30の前面に取り付けられる。
遊技盤30にセンターケース34及び演出装置60が取り付けられた状態では、表示装置35の表示画面35aは、開口部34a及び開口部61aを介して遊技者から視認可能となっている。
図4は、演出装置60の分解斜視図である。
前述したように演出装置60の発光演出装置100及び可動演出装置200は、制御ベース61の前面に配設されている。可動演出装置200は、区画演出装置201と合体演出装置202とからなる。区画演出装置201の各種構成部材は、制御ベース61の開口部61bに対応する位置に開口部62bを備え、略矩形状の枠体である取付ベース62に配設されている。また、合体演出装置202及び発光演出装置100の各種構成部材は、制御ベース61の開口部61bに対応する位置に開口部63bを備え、略矩形状の枠体である設置ベース63に配設されている。
区画演出装置201が設置された状態の取付ベース62は、合体演出装置202及び発光演出装置100が設置された状態の設置ベース63の裏面にねじ止めされて相互に固定される。そして、一体となった取付ベース62及び設置ベース63は、制御ベース61の収容部61a内に収容され、取付ベース62と制御ベース61とがねじ(図示省略)により固定される。
取付ベース62には合体演出装置202が備える駆動モータ203、204及び発光演出装置100が備える駆動モータ(図示省略)を前後方向に通過させる切欠部62aが形成され、設置ベース63には区画演出装置201が備える駆動モータ212,232,242を前後に通過させる切欠部63aが形成される。このような構成とすることで、取付ベース62と設置ベース63との間に区画演出装置201の各種構成部材を配置可能な程度のスペースのみ形成することが可能となり、取付ベース62と設置ベース63との間に無駄なスペースが生じることを抑制できる。なお、切欠部62a、63aは、駆動モータ等から出る熱を逃がす放熱部としても機能する。
上記の通り、演出装置60では、制御ベース61の前面に区画演出装置201が設置された取付ベース62が配設され、取付ベース62の前面に合体演出装置202及び発光演出装置100が設置された設置ベース63が配設される。制御ベース61の裏面には表示装置35が設置されるが、図3に示すように表示装置35の表示画面35aは各開口部61b、62b、63bを介して視認可能となっている。
図5は、区画演出装置201の分解斜視図である。
区画演出装置201は、取付ベース62の開口部62b(表示装置35の表示画面35a)の枠に沿って配置される4本の区画部材211、221、231、241を表示装置35の表示画面35aの前面で移動可能とすることで、表示画面35aを複数の表示領域に分割(区画)する演出を行う。
前述したように区画演出装置201は、取付ベース62に設置されている。区画演出装置201は、開口部62bの上辺に配置される上バー(区画)部材211を備える上可動ユニット210と、開口部62bの下辺に配置される下バー部材221を備える下可動ユニット220と、開口部62bの右辺に配置される右バー部材231を備える右可動ユニット230と、開口部62bの左辺に配置される左バー部材241を備える左可動ユニット240と、を備える。
上可動ユニット210は、上バー部材211と、駆動モータ212と、動力伝達機構213と、ガイド部材214とで構成される。駆動モータ212の駆動力が動力伝達機構213を介して伝達されることで上バー部材211が上下方向に移動可能となる。上バー部材211の動作についての詳細は、図6及び図7で後述する。
ガイド部材214は、上バー部材211の先端(右端)をガイドする部材であって、取付ベース62の右上部に上下方向に沿って配設される。ガイド部材214は、長手方向に沿って形成されるガイド溝214aを有する。
上バー部材211の先端には、ガイド部材214のガイド溝214aに挿入される挿入片211bが固設されている。上バー部材211が移動する場合には、挿入片211bがガイド溝214aに沿って上下方向にガイドされるので、上バー部材211の先端が前後方向にばたつかず、滑らかな上下方向移動を実現することができる。
上バー部材211の挿入片211bは、ガイド溝214a内に挿入される部分が上バー部材211の先端から画面外側に向かって上方向に延設されるように構成されている。これにより挿入片211bのガイド溝214aに対する挿入領域を拡大でき、挿入片211bの移動が安定する。また、挿入片211bの挿入部分を画面外側に向かって延設したので、挿入片211bが遊技者によって視認されにくく、上バー部材211の美観を損ねることがない。
なお、ガイド部材214のガイド溝214aは、表示画面35aの上縁部から、表示画面35a中央までの範囲において上下方向に形成される。したがって、上バー部材211は、表示画面35aの上縁部(初期位置)と、表示画面35aの中央位置との間で上下移動することとなる。
同様に、下可動ユニット220は、下バー部材221と、駆動モータ222と、動力伝達機構223と、ガイド部材224とで構成される。右可動ユニット230は、右バー部材231と、駆動モータ232と、動力伝達機構233と、ガイド部材234とで構成される。左可動ユニット240は、左バー部材241と、駆動モータ242と、動力伝達機構243と、ガイド部材244とで構成される。
可動ユニット220〜240のガイド部材224〜244も、ガイド部材214と同様に、ガイド溝224a〜244aを有する。また、バー部材221〜241も移動可能方向のうち画面外側に向かって延設される挿入片221b〜241bが設けられている。そして、挿入片221b〜241bがガイド溝224a〜244aに挿入されることで、バー部材221〜241は先端が前後方向にばたつくことなく滑らかに移動することができる。
なお、バー部材221〜241は、表示画面35aの枠位置(初期位置)から中央位置までの間を移動可能である。
続いて、図6及び図7を参照して、区画演出装置201におけるバー部材の動作について左上方の上バー部材211及び左バー部材241の動作を例に説明する。図6は、区画演出装置201の上バー部材211及び左バー部材241の移動前の初期状態を示す拡大正面図である。図6(A)は、動力伝達機構243のギヤボックス部材243fが取り付けられた状態であり、図6(B)は、ギヤボックス部材243fが取り外された状態の動力伝達機構243の拡大図である。図7は、区画演出装置201の上バー部材211及び左バー部材241の移動時の状態を示す拡大正面図である。
図6(A)及び図7に示すように、区画演出装置201は、予告演出の実行や遊技状態に応じてバー部材を移動し、バー部材を介して表示装置35の表示画面35aを二以上の分割画面に分割する演出装置である。ここで、予告演出とは、音声、画像、ランプによる光、送風装置による風、振動装置による振動等により、遊技(変動表示ゲーム)の開始前や実行中などに遊技の結果、遊技の進行態様、現在の遊技状態等を示唆するものである。
左バー可動ユニット240は、表示画面35aの左部前方に配設される左バー部材241と、左バー部材241を駆動させるための駆動力を発生させる駆動モータ242と、駆動モータ242の駆動力を左バー部材241に伝達する動力伝達機構243と、左バー部材241の先端をガイドするガイド部材244(図5参照)と、を備える。
左バー部材241は、上下方向に延設された部材であって、その表面には装飾が施された装飾部が形成されている。左バー部材241は、表示画面35aの前方において、当該表示画面35aの左縁部である初期位置と当該左縁部より右側方の右限位置との間で移動可能に構成されている。左バー部材241は、表示画面35aの前方で上バー部材211及び下バー部材221(図示省略)と交差可能なように、上バー部材211及び下バー部材221の後方に配置されている。
左バー部材241の基端(上端)には、動力伝達機構243のラックギア部材243a及びスライダー部材243dに連結される左バー連結部材241aが取り付けられる。
図6(B)に示すように、動力伝達機構243は、取付ベース62の上側に配設されるギア群である。動力伝達機構243は、ラックギア部材243aと、取付ベース62に設置された駆動モータ242の出力軸に固定される主動ギア243cと、ラックギア部材243aと主動ギア243cとの間に配設される4つの従動ギア243bと、ラック部材243aが前面に取り付けられるスライダー部材243dと、スライダー部材243dが左右方向にスライド可能に取り付けられるスライドベース部材243eと、従動ギア243b及び主動ギア243cをカバーするギヤボックス部材243fと、から構成されている。
ラックギア部材243aの上側に形成されたギア部には、従動ギア243bの一つが噛合される。4つの従動ギア243bは、取付ベース62の前面に一列に配設され、取付ベース62に固定されたピンに回転自在に取り付けられる。これら従動ギア243bは、隣接するギア同士が噛合するように構成されている。そして、一番右側の従動ギア243bはラックギア部材243aに噛合し、一番左側の従動ギア243bは主動ギア243cに噛合している。
演出制御装置700によって駆動モータ242が駆動されると、その駆動力が主動ギア243c、4つの従動ギア243b、ラックギア部材243aを介してスライダー部材243dに伝達され、スライダー部材243dはスライドベース部材243e上を左右方向に移動する。これにより、左バー連結部材241aによってラックギア部材243a及びスライダー部材243dに連結される左バー部材241は左右方向に移動する。
このとき、前述したように左バー部材241の先端(下端)はガイド部材244のガイド溝244a(図5参照)を移動するので、左バー部材241は滑らかな左右方向の移動となる。
また、図6(A)及び図7に戻って、上可動ユニット240は、表示画面35aの上部前方に配設される上バー部材211と、上バー部材211を駆動させるための駆動力を発生させる駆動モータ212と、駆動モータ212の駆動力を上バー部材211に伝達する動力伝達機構213と、上バー部材211の先端をガイドするガイド部材214と、を備える。
上バー部材211は、左右方向に延設された部材であって、その表面には装飾が施された装飾部が形成されている。上バー部材211は、表示画面35aの前方において、当該表示画面35aの上縁部である初期位置と当該上縁部より下方の下限位置との間で移動可能に構成されている。
上バー部材211の基端(左端)には、動力伝達機構213のラックギア部材213a及びスライダー部材213dに連結される上バー連結部材211aが取り付けられる。
動力伝達機構213は、取付ベース62の左側に配設されるギア群である。動力伝達機構213は、ラックギア部材213a(スライド部材)と、ラックギア部材213aと噛合する従動ギア213bと、従動ギア213bと噛合する主動ギア213cと、ラック部材213aが前面に取り付けられるスライダー部材213dと、スライダー部材213dが上下方向にスライド可能に取り付けられるスライドベース部材213eと、従動ギア213b及び主動ギア213cをカバーするギヤボックス部材213fと、から構成されている。
ラックギア部材213aの左側に形成されたギア部には、従動ギア213bが噛合される。従動ギア213bは、取付ベース62の前面に固定されたピンに回転自在に配設されている。従動ギア213bに噛合する主動ギア213cは、取付ベース62に設置された駆動モータ212の出力軸に固定される。
駆動モータ212が駆動されると、その駆動力が主動ギア213c、従動ギア213b、ラックギア部材213aを介して上バー部材211に伝達され、上バー部材211は上下方向に移動する。
このとき、前述したように上バー部材211の先端(右端)はガイド部材214のガイド溝214a(図5参照)を移動するので、上バー部材211は滑らかな上下方向の移動となる。
ところで、取付ベース62の左上部には、上バー部材211が初期位置にあることを検出するため、略コ字形状の初期位置検出スイッチ(SW)215が配設される。ラックギア部材213aの上端には、上バー部材211が初期位置にある時に初期位置検出SW215の凹部に位置して初期位置検出SW215の発射光を遮光する遮光板216が形成されている。初期位置検出SW215が遮光状態であることを検知することによって、上バー部材211が初期位置にあることを検出することができる。また、初期位置検出SW215の下方の取付ベース62には、左バー部材241が初期位置にあることを検出するため、略コ字形状の初期位置検出SW245が配設される。ラックギア部材243aの左端には、左バー部材241が初期位置にある時に初期位置検出SW245の凹部に位置して初期位置検出SW245の発射光を遮光する遮光板246が形成されている。初期位置検出SW245が遮光状態であることを検知することによって、左バー部材241が初期位置にあることを検出することができる。
区画演出装置201では、初期位置検出SW215及び初期位置検出SW245を取付ベース62の左上部にまとめて並設したので、センサ配線の取りまとめが容易になる。
なお、図示していないが、右バー可動ユニット230は、左バー可動ユニット240を表示画面35aの中心を軸に180度回転させたものなので説明を省略する。また、下バー可動ユニット220は、上バー可動ユニット210を表示画面35aの中心を軸に180回転させたものなので説明を省略する。
次に、図8及び図9を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図8は、遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図9は、遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図8に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630と、を備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口33に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ25及びガラス枠開放検出スイッチ26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、7セグメント型の表示器やLEDランプ等から構成される一括表示装置40、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの総変動表示時間(実行時間)、演出内容、リーチ発生の有無等を規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な表示装置35を有し、表示装置35が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。
また、別の表現をすれば、リーチとは、表示装置35の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチに含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置35の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置35に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示画面35aにおける左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ(リーチ状態)となる。この他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ノーマルロングリーチ(Nロングリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアムリーチ等が設定されている。リーチ演出の信頼度は、リーチなし<Nリーチ<Nロングリーチ<SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるように設定されている。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(各種の乱数値等)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は変動入賞装置38の開閉扉38a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口37bの開閉部材37cを回動させる。
一括表示装置40は、7セグメント型の表示器で構成された特図変動表示ゲーム用の特図表示部(特図1表示器及び特図2表示器)と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の普図表示部と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲーム用の記憶表示部(特図1記憶表示部、特図2記憶表示部、普図記憶表示部)と、同じくLEDランプで構成された状態表示部(遊技状態表示部、確率状態表示部、ラウンド数表示部)等から構成されている。一括表示装置40のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、ドライバ633cはポート631dと接続している。一括表示装置40のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、ドライバ633bはポート631cと接続している。一括表示装置40のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置40のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力する。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800と接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力する。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチを備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図9に示すように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備える。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611からのコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に対して出力映像の内容の指示をしたり、音源LSI705への再生音の指示をしたりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める発光演出装置100や区画演出装置201、合体演出装置202等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これら制御回路741〜744は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンスイッチ751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータスイッチ752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ入力回路750、及び上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路741〜744、707、708に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720の有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
続いて、遊技制御装置600による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図10Aは、遊技制御装置が実行するメイン処理の前半部のフローチャートである。図10Bは、遊技制御装置が実行するメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、割込み処理のモードを設定する(ステップA1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで待機する(ステップA1005)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置600が先に起動してしまい、払出制御装置640の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置640に送信してしまい、払出制御装置640が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1006)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1007)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1009の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1010〜ステップA1013)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1010及びステップA1011の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、ステップA1012及びステップA1013の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1013の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(ステップA1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1016)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1011又はステップA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1016の結果が「N」)、図10BのステップA1040〜ステップA1044の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1016の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図10BのステップA1017〜ステップA1023)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(ステップA1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(ステップA1018)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(ステップA1019)。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1020)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1020の結果が「N」)、ステップA1023以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1020の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1021)。続いて、一括表示装置40に設けられる確率状態表示部の高確率報知LEDをオン(点灯)に設定する(ステップA1022)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1023)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1041)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1042)。
続いて、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(ステップA1043)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(ステップA1044)、ステップA1024以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、ステップA1023又はステップA1044の処理が終了すると、外部情報端子660に出力するため、遊技機1の個体識別情報をシリアル通信回路にセットする(ステップA1024)。メイン処理は遊技機1の電源投入時に実行されるので、条件が成立したときには(RAM(RWM)初期化時、大当り発生時、セキュリティ異常時)遊技機1の個体識別情報の信号を外部情報端子660に出力する準備が整っている。
次に、遊技制御装置600は、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1025)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1026)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1027)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1028)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1029)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、ステップA1029の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1029からステップA1031までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1029)の前に割り込みを許可(ステップA1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1032の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1031)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1032の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1033〜ステップA1039)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1033)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1036)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1037)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1038)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1039)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理〕
図11は、遊技制御装置が実行するタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによって、レジスタを退避させる(ステップA1101)。
なお、本実施形態の遊技機1では、遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることで、ステップA1101の処理を実行することが可能となる。
ステップA1101の処理後、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチ等からの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、カウントスイッチ605等が含まれる。入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
そして、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御等を行うための情報である。制御対象となるソレノイドには、例えば大入賞口ソレノイド28や普電ソレノイド27が含まれる。出力処理では、遊技機1における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
ステップA1103の処理後、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
ステップA1104の処理後、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタ等)の値を1ずつ加算する。
そして、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチ等を監視したり、枠の不正な開放等のエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視する。エラーの監視は、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないか等を対象としている。
ステップA1107の処理後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については図12を参照して後述する。
ステップA1108の処理後、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。そして、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば一括表示装置40)に出力するためのパラメータを編集する。
ステップA1110の処理後、遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(ステップA1111)。さらに、振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する振動不正監視処理を実行する(ステップA1112)。異常の発生を検出した場合には、上スピーカ10aや下スピーカ10b等から報知音を出力したり、異常報知LED12を点灯させたりする等して外部に報知する。
そして、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行し(ステップA1113)、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1114)。
ステップA1114の処理後、遊技制御装置600は、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1115)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1116)、タイマ割込み処理を終了してメイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1108)の詳細について説明する。図12は、遊技制御装置が実行する特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図13にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理1を実行する(ステップA1202)。カウントスイッチ監視処理では、変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ605によって当該変動入賞装置38に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA1204の結果が「N」)、ステップA1220以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(ステップA1204の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1205)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA1206)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1208)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA1208の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(ステップA1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図17にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA1208の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(ステップA1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA1208の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(ステップA1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。特図表示中処理の詳細については、図21A及び図21Bにて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA1208の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA1208の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA1208の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉38aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(ステップA1208の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(ステップA1215)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図23にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「7」の場合には(ステップA1208の結果が「7」)、小当りファンファーレ中処理を実行する(ステップA1216)。小当りファンファーレ中処理は、変動入賞装置38の大入賞口の開放時間の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「8」の場合には(ステップA1208の結果が「8」)、小当り中処理を実行する(ステップA1217)。小当り中処理は、小当り終了画面のコマンドを設定したり、小当り残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「9」の場合には(ステップA1208の結果が「8」)、小当り残存球処理を実行する(ステップA1218)。小当り残存球処理は、変動入賞装置38の大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉38aを閉鎖する。その後、特図ゲーム処理番号を10に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「10」の場合には(ステップA1208の結果が「6」)、小当り終了処理を実行する(ステップA1219)。小当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置40において図柄(特図1)の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1220)。続いて、特図1に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1221)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置40において図柄(特図2)の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1222)。続いて、特図2に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1223)。ステップA1223の処理が終了すると、タイマ割込処理に復帰する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1201)の詳細について説明する。図13は、遊技制御装置が実行する始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。このとき、第1始動入賞口37a(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図14にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(ステップA1303)。普通電動役物が作動中である場合には(ステップA1303の結果が「Y」)、ステップA1306以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(ステップA1306の結果が「N」)、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(ステップA1304)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA1305)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、ステップA1304及びステップA1305の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(ステップA1305の結果が「Y」)、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(ステップA1305の結果が「N」)、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1306)。このとき、第2始動入賞口37bによる始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。さらに、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1307)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA1302、A1307)の詳細について説明する。図14は、遊技制御装置が実行する特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(ステップA1401、ステップA1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(ステップA1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(ステップA1402の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(ステップA1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数である始動口信号出力回数をロードする(ステップA1405)。そして、ロードした始動口信号出力回数に1加算して更新し、オーバーフローするか否かをチェックする(ステップA1406、ステップA1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(ステップA1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1408)。
遊技制御装置600は、ステップA1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(ステップA1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(ステップA1409、ステップA1410)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(ステップA1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(ステップA1411)。
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(ステップA1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドの送信を設定するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1414)。
次に、遊技制御装置600は、更新対象の始動口及び更新された特図保留数に対応する保留記憶領域に含まれる乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1415)。
遊技制御装置600は、算出されたアドレスに基づいて、大当り乱数を乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1416)。さらに、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(ステップA1417)。そして、準備した大当り図柄乱数を大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1418)。
続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(ステップA1419)。変動パターン乱数1は、後半の変動パターンのリーチ系統を決定するための乱数である。
同様に、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数2を抽出し、変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(ステップA1420)。変動パターン乱数2は、変動パターン乱数1によって特定される後半変動のリーチ系統から詳細な変動パターンを決定するための乱数である。
さらに、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数3を抽出し、変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA1421)。変動パターン乱数3は、前半の変動パターンを決定するための乱数である。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、乱数セーブ領域にセーブされた乱数に基づいて事前(先読み)判定を行う特図保留情報判定処理を実行し(ステップA1422)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図15にて後述する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(ステップA1410の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが第1始動口スイッチ(始動口1スイッチ)601であるか否かをチェックする(ステップA1423、ステップA1424)。監視対象が第1始動口スイッチ601でない場合には(ステップA1424の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA1425)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1426)。
一方、遊技制御装置600は、監視対象が第1始動口スイッチ601の場合(ステップA1424の結果が「N」)、又は、ステップA1426のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA1422)の詳細について説明する。図15は、遊技制御装置が実行する特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶(保留記憶)に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前(詳しくは、始動口への遊技球の入賞に基づく始動記憶の記憶時)に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、第2始動入賞口37b(始動口2)への入賞による特図2始動記憶についての処理か否かを判定する(ステップA1501)。
そして、遊技制御装置600は、特図2始動記憶についての処理でない場合、つまり特図1始動記憶についての処理である場合には(ステップA1501の結果が「N」)、普通電動役物(第2始動入賞口37bの開閉部材37c)の作動状態が促進状態(電サポ中)であるか、又は、遊技状態が大当り中であるかを判定する(ステップA1502)。
遊技制御装置600は、電サポ中、又は、大当り中である場合には(ステップA1502の結果が「Y」)、特図1始動記憶についての先読み処理を実行することなく、特図保留情報判定処理を終了する。これに対して、電サポ中でも大当り中でもない場合には(ステップA1502の結果が「N」)、特図1始動記憶について先読み処理を実行するためステップA1503の処理を実行する。
遊技制御装置600は、特図2始動記憶についての処理である場合には(ステップA1501の結果が「Y」)、常に先読み処理を実行するため、ステップA1503の処理を実行する。
遊技制御装置600は、ステップA1503〜ステップA1507において対象の始動記憶が大当りか否かを判定する大当り判定処理を実行する。
まず、遊技制御装置600は、大当りの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップA1503)。高確率状態である場合には(ステップA1503の結果が「Y」)、高確率時の大当り判定値を設定する(ステップA1504)。一方、高確率状態でない場合には(ステップA1503の結果が「N」)、低確率時の大当り判定値を設定する(ステップA1505)。
次に、遊技制御装置600は、はずれ時の図柄情報を設定する(ステップA1506)。その後、対象となる乱数セーブ領域から大当り乱数をロードする(ステップA1507)。そして、ロードした大当り判定値とステップA1504又はステップA1505の処理で取得した大当り判定値とが一致するか否かを判定する(ステップA1508)。
遊技制御装置600は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致して大当りとなる場合には(ステップA1508の結果が「Y」)、対象の保留記憶で入賞した始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブルを設定する(ステップA1509)。
一方、遊技制御装置600は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致せず大当りとならない場合には(ステップA1508の結果が「N」)ステップA1507でロードした大当り乱数に基づいて、変動表示ゲームの結果が小当りになるか否かを判定する(ステップA1510)。そして、結果が小当りになる場合には(ステップA1510の結果が「Y」)、対象の保留記憶で入賞した始動口スイッチに対応する小当り図柄情報テーブルを設定する(ステップA1511)。
続いて、遊技制御装置600は、対象となる乱数セーブ領域から対象の大当り図柄乱数をロードし(ステップA1512)、ステップA1509又はステップA1511の処理で設定したテーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得する(ステップA1513)。
なお、遊技制御装置600は、変動表示ゲームの結果が小当りにもならない場合には(ステップA1510の結果が「N」)、ステップA1514の処理に移行する。
次に、遊技制御装置600は、ステップA1513の処理で取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンド、又は、ステップA1506の処理で設定したはずれの図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA1514)、当該図柄情報コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行する(ステップA1515)。
さらに、遊技制御装置600は、対象となる乱数セーブ領域から対象の変動パターン乱数1をロードして(ステップA1516)、当該変動パターン乱数1に対応する変動パターン乱数コマンドを準備する(ステップA1517)。先読み処理の時点では、変動パターンのリーチ系統さえ演出制御装置700に伝達できればよいので、変動パターン乱数1のみに対応する変動パターン乱数コマンドを準備する。これにより、遊技制御装置600の処理が簡潔になる。
そして、遊技制御装置600は、準備した変動パターン乱数コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行して(ステップA1518)、特図保留情報判定処理を終了する。
変動パターン乱数は、変動表示ゲームの結果に影響を及ぼさない、すなわち、秘匿性を高める必要がない。そこで、変動パターン乱数コマンドは、乱数値のまま、もしくは、乱数値を示す情報に変換されて、演出制御装置700に送信される。そして、演出制御装置700側で、変動パターンの詳細が決定される。これに対して、大当り乱数及び大当り図柄乱数は、変動表示ゲームの結果を決定する乱数であり、秘匿性を高める必要がある。このため、大当り判定処理実行後の判定結果情報が図柄情報コマンドとして演出制御装置700に送信される。これらのコマンドが遊技制御装置600から演出制御装置700に送信されると、演出制御装置700の特図1/特図2保留記憶領域(図38参照)に記憶される。
以上のように、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能に構成されている。演出制御装置700は、通知された情報に基づき表示装置35に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知(予告)する。
〔大当り図柄情報テーブル〕
ここで、図16を参照して、前述の特図保留情報判定処理(図15)における大当り判定処理においてステップA1509で設定される大当り図柄情報テーブルについて説明する。図16は、大当り図柄情報テーブルの一例を示す図である。図16(A)は特図1用、図16(B)は特図2用の大当り図柄情報テーブルである。また、図16(C)は、対象の始動入賞と準備されるコマンドのタイミングを示す。
大当り図柄情報テーブルは、「大当り図柄乱数」、「図柄番号」、「図柄情報」、「大当り種別」、「大入開放時間」、「大当り終了時の状態報知」を含む。
「大当り図柄乱数」は、乱数セーブ領域に格納された大当り図柄乱数と比較することによって、図柄番号などを特定する。
「図柄番号」は、変動表示ゲームの結果、すなわち、7セグメントの表示態様を示す停止図柄番号である。「図柄情報」は、大当り時の特別遊技状態や大当り後の特定遊技状態に対応する情報であり、演出制御装置700への情報伝達用に用いられる。「図柄情報」は、数字で1〜9まで設定されており、番号別に大当りの種類が設定されている。
「大当り種別」は、ラウンド数、確率状態、時短回数を含む。特別遊技状態における変動入賞装置38の開閉回数であるラウンド数は、2R又は15Rが設定される。また、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率状態は、通常状態又は高確率状態が設定される。また、特定遊技状態における第2始動入賞口37bの動作状態(普電サポート)が時短状態になる特図変動表示ゲーム回数である時短回数は、次回の大当りまで時短状態を継続する(時短∞)、100回(時短100)、又は0回(時短0)が設定される。そして、時短∞及び時短100の場合は種類「A」と表され、時短0の場合は種類「B」又は種類「C」と表される。ここでは、時短0の場合に潜伏演出に移行し、移行割合は、特図1の場合に100分の16、特図2の場合に100分の6である。また、大当りで確変となる割合は、特図1及び特図2ともに100分の66である。
「大入開放時間」は、特別遊技状態における1ラウンドの間で大入賞口が開放される時間である。ラウンド数が15Rの場合には、1ラウンド当り25秒間開放される。2R、かつ、時短の種類が「A」又は種類「B」の場合には、1ラウンド当り6秒間開放される。また、2R、かつ、時短の種類が「C」の場合には、1ラウンド当り0.5秒間開放される。ここで、小当りの場合には、0.5秒間の開放が2回行われる。したがって、大当り種別が「2R確変C」であるときの開放態様と、小当りのときの開放態様は、同じである。
「大当り終了時の状態報知」は、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームの確率状態を遊技者に報知するか否かを表し、「あり」又は「なし」が設定される。
図16(A)に示した特図1大当り図柄情報テーブルと図16(B)に示した特図2大当り図柄情報テーブルとを比較すると、ラウンド振り分けの面で特図2の場合が優遇(遊技者に有利に設定)されている。
なお、本発明では、高確率状態であるか否かによって、大当り図柄乱数の範囲が相違し、状態ごとに大当り図柄情報テーブルが用意されている。
そして、図16(C)に示すように、第1始動入賞口37aもしくは第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、入賞信号が検出されると、飾り特図保留数コマンド、特図種別・図柄情報コマンド、及び変動パターン乱数コマンドが準備される。特図種別・図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドは、事前判定情報として特図保留情報判定処理のステップA1514及びステップA1517で準備される。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA1209)の詳細について説明する。図17は、遊技制御装置が実行する特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、普通電動役物(第2始動入賞口37bの開閉部材37c)の作動状態が促進状態(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA1601)。そして、普電サポート中でない場合には(ステップA1601の結果が「N」)、遊技者に左打ちを促す必要がないので、右打ち警告LEDをOFFにする表示番号を遊技状態表示番号2領域にセーブする(ステップA1602)。また、普電サポート中である場合には、ステップA1603の処理に移行する。
次に、遊技制御装置600は、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA1603、ステップA1604)。
遊技制御装置600は、特図2保留数が0の場合には(ステップA1604の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA1605、ステップA1606)。このように、特図2保留数のチェック(ステップA1603)を、特図1保留数のチェック(ステップA1605)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置600は、特図1保留数が0の場合には(ステップA1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(ステップA1607、ステップA1608)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(ステップA1608の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(ステップA1609)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(ステップA1610)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1611)。
一方、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されている場合には(ステップA1608の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置700に送信済みであるため、ステップA1612以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(ステップA1612)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図2保留数が0でない場合(ステップA1604の結果が「N」)、又は、特図1保留数が0でない場合(ステップA1606の結果が「N」)、すなわち、特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図変動表示ゲームの開始に伴う処理を実行する。
具体的には、遊技制御装置600は、まず、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグに、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理を実行する(ステップA1613)。
また、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグに、はずれ情報又は小当り情報を設定する小当りフラグ設定処理を実行する(ステップA1614)。小当り判定は、大当り乱数を用いて判定される。
次に、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける特図停止図柄を決定し、図柄情報コマンドを送信する設定を行う特図停止図柄設定処理を実行する(ステップA1615)。
その後、遊技制御装置600は、特図停止図柄番号(特図停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(ステップA1616)。続いて、特図停止図柄設定処理によって設定された停止図柄パターン情報をRWMの作業用の特図に対応する図柄情報領域にセーブする(ステップA1617)。
次に、遊技制御装置600は、特図に対応する特図変動フラグ(変動中フラグ)をロードして、RWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA1618)。
続いて、遊技制御装置600は、変動パターンに関する情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1619)、変動パターンを決定するための各種パラメータ(特図情報)を設定したり、後半変動パターン及び前半変動パターンを設定したりする変動パターン設定処理を実行する(ステップA1620)。なお、変動パターン設定処理の詳細については、図18にて後述する。
そして、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(ステップA1621)。次に、特図変動中処理に移行するためのテーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理を実行する(ステップA1622)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、変動中に係る試験信号、一括表示装置40における特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、変動中に係るフラグ、点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。なお、ステップA1621における変動開始情報設定処理の詳細については、図20にて後述する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図普段処理における変動パターン設定処理(ステップA1620)の詳細について説明する。図18は、遊技制御装置が実行する変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、前述の特図普段処理におけるステップA1617の処理で図柄情報(作業用)領域にセーブした図柄情報がはずれ図柄情報か否かをチェックする(ステップA1701、ステップA1702)。
遊技制御装置600は、図柄情報がはずれ図柄情報である場合には(ステップA1702の結果が「Y」)、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブルを準備する(ステップA1703)。はずれ時の変動グループ選択テーブルについての詳細は、図19B及び図19Cにて後述する。
一方、遊技制御装置600は、図柄情報がはずれ図柄情報でない場合には(ステップA1702の結果が「N」)、図柄情報が小当り図柄情報であるか否かを判定する(ステップA1704)。
そして、遊技制御装置600は、図柄情報が小当り図柄情報である場合には(ステップA1704の結果が「Y」)、小当り時の変動グループ選択テーブルを準備する(ステップA1705)。小当り時の変動グループ選択テーブルの詳細については、図19Aにて後述する。また、図柄情報が小当り図柄情報でもない場合には(ステップA1704の結果が「N」)、特図に対応する大当り時の変動グループ選択テーブルを準備する(ステップA1706)。大当り時の変動グループ選択テーブルについての詳細は、図19Aにて後述する。
そして、遊技制御装置600は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA1707)。次に、2バイトで表される変動パターン乱数1の振り分け値を決める2バイト振り分け処理を実行する(ステップA1708)。そして、振り分けた結果得られたリーチ系統のアドレスを取得し、準備する(ステップA1709)。これにより、後半の変動のリーチ系統が決まる。
続いて、遊技制御装置600は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA1710)。また、後半の変動のリーチ系統における詳細な演出を表す変動パターン乱数2の振り分け値を決める振り分け処理を実行する(ステップA1711)。そして、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得し(ステップA1712)、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブする(ステップA1713)。
遊技制御装置600は、セーブした後半変動番号がリーチなし変動の番号か否かをチェックする(ステップA1714)。
遊技制御装置600は、後半変動番号がリーチなし変動の番号の場合には(ステップA1714の結果が「Y」)、前半変動選択テーブル1(リーチなし用)を準備する(ステップA1715)。
一方、遊技制御装置600は、後半変動番号がリーチなし変動の番号でない場合には(ステップA1714の結果が「N」)、前半変動選択テーブル2(リーチ用)を準備する(ステップA1716)。
続いて、遊技制御装置600は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA1717)。そして、前半の変動パターンを表す変動パターン乱数3の振り分け値を決める振り分け処理を実行する(ステップA1718)。そして、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得し、準備して(ステップA1719)、変動パターン設定処理を終了する。
このように、変動パターン設定処理は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
〔小当り及び大当り時の変動グループ選択テーブル〕
次に、前述した変動パターン設定処理におけるステップA1705の処理で準備される小当り時の変動グループ選択テーブル及びステップA1706の処理で準備される大当り時の変動グループ選択テーブルについて説明する。図19Aは、大当り及び小当り時の変動グループ選択テーブルの一例である。
図19A(A)は大当りの場合に準備されるテーブルである。大当り時の変動グループ選択テーブルは、現在の遊技状態に関わらず、特図1大当り又は特図2大当りに応じてテーブルが決まる。そして、変動パターン乱数1の値に応じてリーチ系統及び変動時間が決定される。大当り時のリーチ系統の種類には、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチ、及びSP4リーチがある。
図19A(A)で特図1大当りと特図2大当りとを比較すると、特図1の場合には、リーチ系統に信頼度が高いSP4リーチは設けられていない。信頼度が高い(SP3以上)リーチ系統となる割合は、特図1の場合が30%であるのに対し、特図2の場合は60%である。また、各リーチ系統の変動時間は信頼度が高いほど長く、特図1と特図2とで設定される変動時間は同じである。
大当り変動グループ選択テーブルでは、特図1よりも特図2の場合に信頼度が高いリーチ系統が選択されやすい。
図19A(B)は小当たりの場合に準備されるテーブルである。小当り時の変動グループ選択テーブルも同様に、現在の遊技状態に関わらず、特図1小当り又は特図2小当りに応じてテーブルが決まる。そして、変動パターン乱数1の値に応じてリーチ系統及び変動時間が決定される。小当り時のリーチ系統の種類には、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、及びSP3リーチがある。
図19A(B)で特図1小当りと特図2小当りとを比較すると、特図1の場合には、リーチ系統にノーマルリーチは設けられていない。特図1の場合には必ずSP1〜SP3リーチのいずれかのリーチが選択されるのに対し、特図2の場合は70%がノーマルリーチでSP1〜SP3リーチが選択される割合は30%である。また、各リーチ系統の変動時間は信頼度が高いほど長く、特図1と特図2とで設定される変動時間は同じである。
小当り変動グループ選択テーブルでは、特図2の場合に変動時間が短いノーマルリーチが選択される割合が高い。これは、小当りは当たっても賞球を得ることが難しく、早く小当り変動を消化させるためである。
〔はずれ変動グループ選択テーブル〕
続いて、図19B及び図19Cを参照して、前述した変動パターン設定処理におけるステップA1704の処理で準備されるはずれ時の変動グループ選択テーブルについて説明する。はずれ時の変動グループ選択テーブルは、特図1はずれ又は特図2はずれに応じてテーブルが決まり、さらに、現在の遊技状態(高サポ状態か否か、特図保留数)に応じてテーブルが異なる。そして、変動パターン乱数1の値に応じてリーチ系統及び変動時間が決定される。はずれ時のリーチ系統の種類には、リーチなし、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、及びSP3リーチがある。
図19Bは、特図1はずれ時の変動グループ選択テーブルの一例である。
図19B(A)は、現在の遊技状態が低サポ状態の場合に準備されるテーブルである。このとき特図保留数毎にテーブルが設定されるが、特図保留数に応じて変化するのは、リーチ系統として「リーチなし」又は「ノーマルリーチ」が選択される割合とこれらの変動時間である。保留数が多くなるほど「リーチなし」が選択される割合が高くなり、「リーチなし」の場合の変動時間が短くなる。例えば、保留数が1つ及び2つの場合は12秒であるのに対し、保留数が3つの場合は8秒、保留数が4つの場合は2秒である。このように特図保留数が多いときは保留記憶の消化を早めるため1回の変動時間が短く設定される。
図19B(B)は、現在の遊技状態が高サポ状態の場合に準備されるテーブルである。低サポ状態の場合には保留数毎にテーブルが設定されるのに対し、高サポ状態の場合は保留数に関係なく1テーブルが設定される。この場合、選択されるリーチ系統は、リーチなし、ノーマルリーチ、及びSP2リーチに限られる。そして、低サポ状態の場合よりもさらに「リーチなし」が選択される割合が高い。
図19Cは、特図2はずれ時の変動グループ選択テーブルの一例である。
図19C(A)は、現在の遊技状態が低サポ状態の場合に準備されるテーブルである。低サポ状態の場合は保留数に関係なく1テーブルが設定される。このとき、図19B(B)のテーブルよりも「リーチなし」が選択される割合が低くなるが、「リーチなし」の場合の変動時間は2秒に短縮設定される。
図19C(B)は、現在の遊技状態が高サポ状態の場合に準備されるテーブルである。特図保留数が1のときに準備されるテーブルは、図19B(B)と同じ設定がされたテーブルである。特図保留数が2〜4のときに準備されるテーブルは、特図保留数が1の場合のテーブルにおいてリーチなしの変動時間が8秒から2秒に短縮設定されたものである。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図普段処理における変動開始情報設定処理(ステップA1621)の詳細について説明する。図20は、遊技制御装置が実行する変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。変動開始情報設定処理では、決定された変動パターンに基づいて、時間値の設定などの処理を実行する。
遊技制御装置600は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(ステップA1801)。
続いて、遊技制御装置600は、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA1802)、変動パターン設定処理(図18)のステップA1719の処理で取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA1803)。
同様に、遊技制御装置600は、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA1804)、変動パターン設定処理(図18)のステップA1712の処理で取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA1805)。
そして、遊技制御装置600は、ステップA1803の処理で取得された前半変動時間値と、ステップA1805の処理で取得された後半変動時間値とを加算し(ステップA1806)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1807)。
さらに、遊技制御装置600は、演出制御装置700に変動パターンコマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、前半変動番号に対応する変動パターンコマンドのMODE部を算出し、準備する(ステップA1808)。さらに、後半変動番号に対応する変動パターンコマンドのACTION部を算出し、準備し(ステップA1809)、変動パターンコマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(ステップA1810)。
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンド(図柄情報コマンド)をロードし、準備して(ステップA1811)、飾り特図コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(ステップA1812)。
そして、遊技制御装置600は、演出制御装置700に特図保留数コマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンドのMODE部を準備する(ステップA1813)。
次に、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定し(ステップA1814)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を1減算して更新する(ステップA1815)。さらに、特図保留数に対応する特図保留数コマンドのACTION部を準備して(ステップA1816)、特図保留数コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(ステップA1817)。
最後に、遊技制御装置600は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA1818)、シフト後の空き領域を0クリアする(ステップA1819)。その後、変動開始情報設定処理を終了する。
このように、前述した事前判定処理である特図保留情報判定処理(図15)では、ステップA1518において変動パターン乱数の値をそのまま演出制御装置700に送信するように設定されていたが、変動開始時においては、変動パターン乱数による判定によって決定される変動パターン情報(番号)が設定される。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA1211)の詳細について説明する。図21Aは、遊技制御装置が実行する特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図21Bは、遊技制御装置が実行する特図表示中処理の後半部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず、大当りが発生する場合に、大当りフラグ1領域に設定される大当りフラグ1(特図1)、及び、大当りフラグ2領域に設定されている大当りフラグ2(特図2)をロードする(ステップA1901)。その後、大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA1902)。
次に、遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(ステップA1903)、大当りであるか否かを判定する(ステップA1904)。そして、大当りと判定された場合には(ステップA1904の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1905)。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(ステップA1904の結果が「N」)、大当りフラグ1をチェックし(ステップA1906)、大当りであるか否かを判定する(ステップA1907)。そして、大当りと判定された場合には(ステップA1907の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1908)。
そして、遊技制御装置600は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(ステップA1908)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(ステップA1905)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA1909)。
次に、遊技制御装置600は、ラウンド数上限値情報(判定フラグ)に対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA1910)。続いて、ラウンド数上限値情報(判定フラグ)に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポイントをラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA1911)。
次に、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの当選確率を通常状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1912)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1913)。
続いて、遊技制御装置600は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(ステップA1914)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1915)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置700に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置600は、表示装置35で表示される飾り特図変動表示ゲームの停止図柄パターン情報に対応する図柄情報コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA1916)、当該図柄情報コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(ステップA1917)。
次に、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1918)。
続いて、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(ステップA1919)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1920)。そして、大入賞口への不正入賞数をリセットし(ステップA1921)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA1922)。
そして、遊技制御装置600は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(ステップA1923)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定したり、各種状態を示す情報を設定したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子660に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る異常報知LED12を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常状態とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る異常報知LED12を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常状態とする情報や、停電復旧時に演出制御装置700に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常状態であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置600は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(ステップA1907の結果が「N」)、小当りが発生する場合に小当りフラグ1領域に設定される小当りフラグ1(特図1)をチェックし(ステップA1924)、小当りであるか否かを判定する(ステップA1925)。そして、小当りでないと判定された場合には(ステップA1925の結果が「N」)、小当りが発生する場合に小当りフラグ2領域に設定される小当りフラグ2(特図2)をチェックし(ステップA1926)、小当りであるか否かを判定する(ステップA1927)。
そして、遊技制御装置600は、小当りフラグ1又は小当りフラグ2に小当りが設定されている場合には(ステップA1925の結果が「Y」又はステップA1927の結果が「Y」)、小当り用のファンファーレコマンドを準備し(ステップA1928)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1929)。
さらに、遊技制御装置600は、表示装置35で表示される飾り特図変動表示ゲームの停止図柄パターン情報に対応する図柄情報コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA1930)、当該図柄情報コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(ステップA1931)。そして、小当りによる大入賞口の開放情報が特図1の小当り開放情報かチェックする(ステップA1932)。
その後、遊技制御装置600は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理を実行し(ステップA1933)、特図表示中処理を終了する。小当りファンファーレ中処理移行設定処理は、小当りファンファーレ中処理に対応する処理番号「7」を設定したり、ステップA1923のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理と同様に各種状態を示す情報を設定したりする。
一方、遊技制御装置600は、ステップA1927の処理で小当りと判定されなかった場合には(ステップA1927の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームの結果がはずれなので、時短変動回数更新処理を実行する(ステップA1934)。時短変動回数更新処理は、時間短縮変動回数を更新したり、普電サポートの終了などをチェックし、必要な情報を設定したりする処理である。そして、特図普段処理移行設定処理を実行して(ステップA1935)、特図表示中処理を終了する。なお、時短変動回数更新処理の詳細については図22にて後述する。
〔時短変動回数更新処理〕
次に、前述した特図表示中処理における時短変動回数更新処理(ステップA1934)の詳細について説明する。図22は、遊技制御装置が実行する時短変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、大当りが発生しない場合に実行される処理であり、最後に大当りが発生してから変動表示ゲームが実行された回数を計数し、時短状態の終了などを判定する。
遊技制御装置600は、現在の遊技状態が時短状態(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA2001)。
遊技制御装置600は、時短状態である場合には(ステップA2001の結果が「Y」)、時短変動回数を1減算し、更新する(ステップA2002)。さらに、時短変動回数が0か否かを判定する(ステップA2003)。
遊技制御装置600は、時短変動回数が0の場合、すなわち、時短状態が終了する場合には(ステップA2003の結果が「Y」)、時短終了時の確率情報コマンドを準備して(ステップA2004)、演出制御装置700に送信する送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(ステップA2005)。
続いて、遊技制御装置600は、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA2006)。さらに、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2007)。
そして、遊技制御装置600は、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA2008)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA2009)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップA2010)。
遊技制御装置600は、停電復旧時送信コマンド領域に低確率を設定する確率情報コマンドをセーブして(ステップA2011)、時短変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、普電サポート中でない場合(ステップA2001の結果が「N」)、又は、時短変動回数が0でない場合、すなわち、時短状態が継続する場合には(ステップA2003の結果が「N」)、時短変動回数更新処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA1215)の詳細について説明する。図23は、遊技制御装置が実行する大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置600は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納された確率変動判定フラグをロードし(ステップA2101)、当該確率変動判定フラグに基づいて大当り終了設定処理に分岐する(ステップA2102)。
遊技制御装置600は、確率変動判定フラグが「0」に設定されている場合には、大当り終了設定処理1を実行する(ステップA2103)。大当り終了設定処理1の詳細については、図24にて説明する。
遊技制御装置600は、確率変動判定フラグが「1」に設定されている場合には、大当り終了設定処理2を実行する(ステップA2104)。大当り終了設定処理2の詳細については、図25にて説明する。
遊技制御装置600は、確率変動判定フラグが「2」に設定されている場合には、大当り終了設定処理3を実行する(ステップA2105)。大当り終了設定処理3の詳細については、図26にて説明する。
遊技制御装置600は、確率変動判定フラグが「3」に設定されている場合には、大当り終了設定処理4を実行する(ステップA2106)。大当り終了設定処理4の詳細については、図27にて説明する。
遊技制御装置600は、いずれかの大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(ステップA2107)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置700に送信するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA2108)。
そして、遊技制御装置600は、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理2を実行し(ステップA2109)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA2103)の詳細について説明する。図24は、遊技制御装置が実行する大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、大当り終了後の遊技状態を時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置600は、まず、時短状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA2201)。また、時短状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板650を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2202)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に時短状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブする(ステップA2203)。
そして、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(ステップA2204)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短フラグをセーブし(ステップA2205)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブする(ステップA2206)。最後に、時短変動回数領域に時短変動回数の初期値(100回)をセーブし(ステップA2207)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA2104)の詳細について説明する。図25は、遊技制御装置が実行する大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、大当り終了後の遊技状態を高確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置600は、まず、高確率状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA2301)。また、高確率状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板650を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2302)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に高確率状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(ステップA2303)。
そして、遊技制御装置600は、高確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(ステップA2304)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(ステップA2305)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(ステップA2306)。最後に、次回大当りまで高確率状態が継続するため、時短変動回数領域をリセットし(ステップA2307)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔大当り終了設定処理3〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理3(ステップA2105)の詳細について説明する。図26は、遊技制御装置が実行する大当り終了設定処理3の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理3は、大当り終了後の遊技状態を潜伏確変状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置600は、まず、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA2401)。また、潜伏確変状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板650を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2402)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に潜伏確変状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に潜伏確変時の番号をセーブする(ステップA2403)。
そして、遊技制御装置600は、潜伏確変状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA2404)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短なしフラグをセーブし(ステップA2405)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏確変)をセーブする(ステップA2406)。最後に、次回大当りまで潜伏確変状態が継続するため、時短変動回数領域をリセットし(ステップA2407)、大当り終了設定処理3を終了する。
〔大当り終了設定処理4〕
次に、前述した大当り終了処理における大当り終了設定処理3(ステップA2106)の詳細について説明する。図27は、遊技制御装置が実行する大当り終了設定処理4の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理4は、大当り終了後の遊技状態を低確率状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置600は、まず、低確率状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA2501)。また、低確率状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板650を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2502)。さらに、図示しない遊技状態表示番号表示領域に低確率状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする(ステップA2503)。
そして、遊技制御装置600は、低確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA2504)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短なしフラグをセーブし(ステップA2505)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップA2506)。最後に、次回大当りまで低確率状態が継続するため、時短変動回数領域をリセットし(ステップA2507)、大当り終了設定処理4を終了する。
以下、演出制御装置700による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図28は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(ステップB1001)。次に、各種初期化処理を実行する(ステップB1002)。各種初期化処理では、作業領域であるRAM711を0クリアして、CPU初期化処理を実行したり、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定したり、乱数初期化処理を実行したりする。続いて、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(ステップB1003)。そして割込みを許可する(ステップB1004)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1005)。WDTは、前述した各種初期化処理(ステップB1002)におけるCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出し、検出した信号に応じてフラグなどの入力情報(立ち上がりエッジ)を作成する処理を行う演出ボタン入力処理を実行する(ステップB1006)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1007)。遊技制御コマンド解析処理は、割込みで遊技制御装置600のバッファ632aにセットされた情報を正しく受信できたか否かを判断し、受信できた場合に後のシーン制御処理のためのコマンド区分けなどを行う。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、テストモード処理を実行する(ステップB1008)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信して表示や役物の動作等を検査する。そして、表示や音、LEDの点灯等が必要な場合は後述するステップB1011〜ステップB1013の処理において制御され、検査が終了して電源が落とされると処理が終了する。テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技制御コマンド解析処理(ステップB1007)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1009)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図31にて後述する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1010)。演出コマンド編集処理においてレジスタに書き込まれたコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に出力される。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、スピーカ10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1011)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1012)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1013)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1014)、ステップB1005の処理に戻る。以降、ステップB1005からステップB1014までの処理を繰り返す。
〔割込み処理〕
次に、前述の1stメイン処理において割込みが許可された後に実行される割込み処理の詳細を説明する。図29は、演出制御装置の主制御用マイコン(1stCPU)が実行する割込み処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、タイマ更新処理を実行する(ステップB1101)。そして、入力処理を実行し(ステップB1102)、出力処理を実行する(ステップB1103)。さらに、メインコマンド受信処理を実行し(ステップB1104)、割込み処理を終了する。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置700によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図30は、演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(ステップB1201)。そして、作業領域であるRAM721を0クリアして(ステップB1202)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM721に設定する(ステップB1203)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(ステップB1204)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(ステップB1205)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、各種制御処理の初期化処理を実行する(ステップB1206)。各種制御処理の初期化処理では、制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置35に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置35の画面描画を許可する(ステップB1207)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(ステップB1208)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(ステップB1209)。システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、システム周期待ちフラグが1になったら(ステップB1209の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)720が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1210)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)720がリセットされる。次に、主制御用マイコン(1stCPU)710から受信したコマンドを特定して区分けする受信コマンドチェック処理を実行する(ステップB1211)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、主制御用マイコン(1stCPU)710で実行されるメイン処理の1stシーン制御処理(ステップB1009)におけるシーンの描画を準備する2ndシーン制御処理を実行する(ステップB1212)。ここで2ndシーン制御処理は、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行され、表示装置35に表示する予告キャラクタ等や表示優先順位などが決定される。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、表示装置35に表示される画像のうち、演出の中で静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(ステップB1213)。背景は、特図ゲームモード、客待ち、変動パターンに応じて設定される。次に、表示装置35に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備する変動表示処理を実行する(ステップB1214)。さらに、表示装置35に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(ステップB1215)。本発明では、特図保留記憶領域に記憶された事前演出情報に基づいて保留表示を変化させて事前演出(先読み演出)を行う。
また、映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合などは、表示装置35に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(ステップB1216)。
最後に、映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、ROMのデータをRAMに転送し、表示装置35に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(ステップB1217)。そして、再び本処理のステップB1208の処理に戻り、以降、ステップB1208からステップB1217までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB1009)の詳細について説明する。図31は、主制御用マイコン(1stCPU)710が実行する1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(ステップB1301)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。テストモード中である場合には(ステップB1301の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、テストモード中でない場合には(ステップB1301の結果が「N」)、表示装置35に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(ステップB1302)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(ステップB1302の結果が「N」)、ステップB1303〜ステップB1306の処理を実行せずにステップB1307の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するステップB1308〜ステップB1316の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、シーン変更コマンドを受信した場合には(ステップB1302の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(ステップB1303)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置600から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(ステップB1007)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(ステップB1304)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(ステップB1304の結果が「Y」)、作業領域であるRAM711に受信したシーン変更コマンドをセーブする(ステップB1305)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(ステップB1306)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)710は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(ステップB1304の結果が「N」)、ステップB1305及びステップB1306の処理を実行せずにステップB1307の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、前述した遊技制御コマンド解析処理(ステップB1007)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(ステップB1307)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(ステップB1308)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(ステップB1309)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(ステップB1310)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(ステップB1311)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。なお、変動中処理の詳細については、図32にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(ステップB1312)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、小当りもしくは大当りのファンファーレ処理を実行する(ステップB1313)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、大当りラウンド中処理を実行する(ステップB1314)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、大当りインターバル処理を実行する(ステップB1315)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、小当りもしくは大当りのエンディング処理を実行する(ステップB1316)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置600から送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新を行う保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1317)。また、変動開始時に変動パターンコマンドより先に遊技制御装置600から送信される飾り特図コマンドを受信する飾り特図コマンド受信処理を実行する(ステップB1318)。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)710は、確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに、背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信する確率情報コマンド受信処理を実行する(ステップB1319)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、変動表示ゲームが大当りとなるか否かの図柄情報コマンドや実行される変動パターンを特定可能な変動パターン乱数コマンドを含む先読みコマンドにより保留表示の演出等を設定する先読みコマンド受信処理を実行する(ステップB1320)。先読みコマンド受信処理の前に確率情報コマンド受信処理(ステップB1319)を実行して確率情報の変化を監視しておくことで、信憑性の高い先読み判定を行うことができる。その後、1stシーン制御処理を終了する。なお、先読みコマンド受信処理の詳細については、図36にて後述する。
〔変動中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB1311)の詳細について説明する。図32は、主制御用マイコン(1stCPU)が実行する変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB1401)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のステップB1306で、主制御用マイコン(1stCPU)710が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、演出リクエストフラグがある場合には(ステップB1401の結果が「Y」)、表示装置35に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、主制御用マイコン(1stCPU)710は、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、変動表示の終了間際などに遊技者によって押された演出ボタン17などプッシュボタン(PB)情報(履歴)をクリアする(ステップB1402)。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(ステップB1403)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、遊技制御装置600から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置700の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動演出パターンを決定し、当該変動演出パターンの情報を設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップB1404)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出モードの切り替えタイミング時に切り替え後の演出モードの設定を行う演出モード設定処理を実行する(ステップB1405)。なお、演出モード設定処理についての詳細は、図33にて後述する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、ステップB1405で設定された演出モードに応じて予告演出を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップB1406)。予告、演出モード、及び演出パターン(遊技の進行)に応じて区画演出装置201を動作させる場合は、バー部材211〜241の動作設定を行う区画演出装置動作設定処理を実行する(ステップB1407)。同様に、合体演出装置202を動作させる場合は、当該合体演出装置の動作設定を行う合体演出装置動作設定処理を実行する(ステップB1408)。なお、区画演出装置動作設定処理についての詳細は、図34にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(ステップB1409)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)710は、ステップB1404で設定された変動演出パターンに対応して、表示装置35で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1410)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)710は、シーンの更新タイマの更新タイミングを判断するために変動時間を設定する変動時間設定処理を実行し(ステップB1411)、最初のシーン及びシーンの更新タイマをセットする(ステップB1412)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアし(ステップB1413)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出リクエストフラグがない場合には(ステップB1401の結果が「N」)、表示装置35に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(ステップB1414)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、更新タイマが0の場合には(ステップB1414の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定する(ステップB1415)。その後、ステップB1406の処理で設定された予告演出を行う予告演出実行処理を実行する(ステップB1416)。さらに、ステップB1407やステップB1408の処理で設定された可動演出装置200(区画演出装置201、合体演出装置202)の動作を実行する役物動作制御処理を実行し(ステップB1417)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、更新タイマが0でない場合には(ステップB1414の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、前述のステップB1416及びステップB1417の処理のみを実行して変動中処理を終了する。
〔演出モード設定処理〕
次に、前述した変動中処理における演出モード設定処理(ステップB1405)の詳細について説明する。図33は、主制御用マイコン(1stCPU)が実行する演出モード設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、確率状態を明確報知から曖昧報知に切り替えたり、逆に曖昧報知から明確報知に切り替えたりする報知モード切替条件が成立したか否かを判定する(ステップB1501)。報知モード切替条件は、確率状態を曖昧に報知する確率曖昧モードで報知抽選に当選した場合や確率曖昧モードで所定回数の変動表示ゲームを消化した場合、その後確率曖昧モードに移行する大当りエンディングである場合等に成立する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、報知モード切替条件が成立した場合には(ステップB1501の結果が「Y」)、内部に設定された確率に応じた確率報知モード(確率曖昧モードもしくは確率報知モード)を設定する(ステップB1502)。なお、報知モード切替条件が成立しない場合には(ステップB1501の結果が「N」)、ステップB1503の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出モード切替条件が成立したか否かを判定する(ステップB1503)。ここで、演出モード切替条件は、所定回数の変動表示ゲームを消化した場合やSPリーチ発生にもかかわらず変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合、小当りとなる場合等に成立する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出切替条件が成立した場合には(ステップB1503の結果が「Y」)、成立条件によって設定する演出モードに応じて処理を分岐する(ステップB1504)。ここで、演出モードへの振り分けは、基本は後述する演出モード1〜3をランダムに振り分け、複数の変動表示ゲームにまたいで先読み演出を行うような場合には演出モード4を振り分ける。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、演出モードが「1」の場合には通常演出モードを設定し(ステップB1505)、演出モードが「2」の場合には予告強化演出モードを設定し(ステップB1506)、演出モードが「3」の場合には画面分割演出モードを設定し(ステップB1507)、演出モードが「4」の場合には先読み強化演出モードを設定する(ステップB1508)。各演出モードに対応する演出内容については、図35にて後述する。なお、演出切替条件が成立しない場合には(ステップB1503の結果が「N」)、ステップB1509の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、現在、通常演出モード中であるか否かを判定する(ステップB1509)。そして、通常演出モード中の場合には(ステップB1509の結果が「Y」)、さらに、表示装置35の画面表示35aの背景画像を変更したりするステージチェンジを行うステージチェンジ条件が成立したか否かを判定する(ステップB1510)。ステージチェンジ条件は、ステージ移行抽選に当選した場合に成立する。例えばSPリーチが発生した変動表示ゲームは3分の1の確率でステージ移行抽選に当選するように設定する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、ステージチェンジ条件が成立した場合には(ステップB1510の結果が「Y」)、予め複数設定されているステージのうち現在のステージを除くステージから移行先ステージをランダムに決定して設定し(ステップB1511)、演出モード設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、現在、通常演出モード中でない場合(ステップB1509の結果が「N」)、又は、通常演出モード中であってもステージチェンジ条件が成立しない場合(ステップB1510の結果が「N」)には、ステージチェンジを行うことなく演出モード設定処理を終了する。
〔区画演出装置動作設定処理〕
次に、前述した変動中処理における区画演出装置動作設定処理(ステップB1407)の詳細について説明する。図34は、主制御用マイコン(1stCPU)が実行する区画演出装置動作設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、演出モードの切替設定があるか否かを判定する(ステップB1601)。演出モードの切替は、前述した演出モード設定処理でステップB1505〜ステップB1508のいずれかの処理が実行された場合に行われる。そして、演出モードの切替がある場合には(ステップB1601の結果が「Y」)、切替後の演出モードに対応するバー部材の可動動作を設定する(ステップB1602)。なお、演出モードの切替がない場合には(ステップB1601の結果が「N」)、次のステップB1603の処理に移行する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、高信頼度もしくは中信頼度のステージチェンジ演出があるか否かを判定する(ステップB1603)。ここでは、前述した演出モード設定処理でステップB1511の処理が実行された場合であって、かつ、実行されるステージチェンジの演出が信頼度の高いものである場合に「高・中ステチェン演出あり」と判定する。ステージチェンジはステージ移行抽選に当選した場合に実行されるが、このときの演出態様は発生するリーチ系統に応じて決定されている。SPリーチにおけるステージチェンジでは信頼度が高い演出が実行され、リーチの信頼度が高いほどステージチェンジの演出の信頼度も高くなるようにしてもよい。ステージチェンジ演出の信頼度には低信頼度、中信頼度、及び高信頼度が設定される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、高信頼度もしくは中信頼度のステージチェンジ演出がある場合には(ステップB1603の結果が「Y」)、チェンジ後のステージに対応するバー部材の可動動作を設定する(ステップB1604)。また、高信頼度もしくは中信頼度のステージチェンジ演出でない場合(ステップB1603の結果が「N」)、すなわち、低信頼度のステージチェンジ演出の場合にはバー部材は可動させないので、次のステップB1604の処理に移行する。各信頼度におけるステージチェンジ演出の具体的な内容についての詳細は、図40〜図42にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、バー部材の動作対象となる予告演出が発生するか否かを判定する(ステップB1605)。ここでは、前述した変動中処理の予告演出設定処理(ステップB1406)においてバー部材を可動させて予告演出に用いる設定がされている場合に「動作対象予告発生」と判定する。そして、動作対象予告発生する場合には(ステップB1605の結果が「Y」)、予告種別に対応するバー部材の可動動作を設定する(ステップB1606)。一方、動作対象予告発生しない場合には(ステップB1605の結果が「N」)、次のステップB1607の処理に移行する。なお、予告演出の具体的な内容についての詳細は、図51及び図52にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、バー部材の動作対象となるリーチ演出が発生するか否かを判定する(ステップB1607)。ここでは、前述した変動中処理の変動演出パターン設定処理(ステップB1404)においてバー部材を可動させてリーチ演出に用いる設定がされている場合に「動作対象リーチ発生」と判定する。そして、動作対象リーチ発生する場合には(ステップB1607の結果が「Y」)、リーチ種別に対応する可動動作を設定する(ステップB1608)。一方、動作対象リーチ発生しない場合には(B1607の結果が「N」)、次のステップB1609の処理に移行する。なお、リーチ演出の具体的な内容についての詳細は、図53にて後述する。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)710は、再抽選演出が発生するか否かを判定する(ステップB1609)。ここでは、前述した変動中処理の変動演出パターン設定処理(ステップB1404)において再抽選演出の実行が設定されている場合に「再抽選演出発生」と判定する。再抽選演出は大当り確定後に大当り図柄を再び抽選する演出である。内部的に確変大当りである場合には一旦通常図柄で大当り確定させた後、再抽選に当選して大当り図柄が通常図柄から確変図柄に変わって大当りが昇格したように遊技者に見せることで遊技の興趣を高めている。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、再抽選演出が発生する場合には(ステップB1609の結果が「Y」)、図柄情報と停止図柄に対応するバー部材の可動動作を設定して(ステップB1610)、区画演出装置動作設定処理を終了する。また、再抽選演出が発生しない場合には(ステップB1609の結果が「N」)、そのまま区画演出装置動作設定処理を終了する。なお、再抽選演出の具体的な内容についての詳細は、図54にて後述する。
このように区画演出装置動作設定処理では、変動表示ゲームの前半部分の演出としてステップB1601〜ステップB1606の処理が実行され、後半部分の演出としてステップB1605〜ステップB1610の処理が実行される。これにより、遊技中に適宜バー部材を用いた演出が実行される。
〔演出内容テーブル〕
続いて、前述した演出モード設定処理において設定される演出モード(ステップB1505〜ステップB1508)の演出内容について説明する。図35は、演出モード別の演出内容テーブルの一例である。
演出モードには、通常演出モード、予告強化演出モード、画面分割演出モード、及び先読み強化演出モードがある。それぞれの演出モードには、確率状態を明瞭に報知する確率明瞭パターンと、確率状態を曖昧に報知する確率曖昧パターンとが設けられる。そこで、確率明瞭パターンをモード1、確率曖昧パターンをモード2として、合計8種類の演出モードが設定される。
通常演出モード1は、表示装置35の表示画面35aの背景画像を確率明瞭パターンとし、演出態様を通常振分テーブルから選択するモードである。通常演出モード2は、背景画像を確率曖昧パターンとし、演出態様を特殊振分テーブルから選択するモードである。
予告強化演出モード1は、表示装置35の表示画面35aの画面左側又は画面下側の表示領域を予告演出表示領域とし、背景画像を確率明瞭パターンとするモードである。予告強化演出モード2は、表示画面35aの画面右側又は画面上側の表示領域を予告演出表示領域とし、背景画像を確率曖昧パターンとするモードである。
画面分割演出モード1は、表示装置35の表示画面35aを2分割、4分割、6分割もしくは9分割に区画し、背景画像を確率明瞭パターンとするモードである。画面分割演出モード2は、表示装置35の表示画面35aを3分割、8分割もしくは9分割に区画し、背景画像を確率曖昧パターンとするモードである。
先読み強化演出モード1は、表示装置35の表示画面35aの画面左側又は画面下側の表示領域を予告演出表示領域とし、背景画像を確率明瞭パターンとするモードである。先読み強化演出モード2は、表示画面35aの画面右側又は画面上側の表示領域を予告演出表示領域とし、背景画像を確率曖昧パターンとするモードである。
〔先読みコマンド受信処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB1320)の詳細について説明する。図36は、主制御用マイコン(1stCPU)が実行する先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。先読みコマンド受信処理は、遊技制御装置600から先読みコマンドを受信した場合に実行される処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、先読みコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1701)。先読みコマンドには、事前演出図柄コマンド及び事前演出変動コマンドが含まれる。主制御用マイコン710は、先読みコマンドを受信していない場合には(ステップB1701の結果が「N」)、先読みコマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、先読みコマンドを受信した場合には(ステップB1701の結果が「Y」)、事前判定コマンドの内容を演出制御装置700側の対応する保留(始動)記憶領域にセーブする(ステップB1702)。事前判定コマンドは、前述の特図保留情報判定処理(図15)のステップA1515及びステップA1518において遊技制御装置600から演出制御装置700に送信するように設定された図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドである。なお、演出制御装置700側の保留(始動)記憶領域についての詳細は、図38にて後述する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、事前判定コマンドのうち図柄情報コマンドをチェックし(ステップB1703)、はずれ図柄か否かを判定する(ステップB1704)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、図柄情報コマンドがハズレ図柄である場合には(ステップB1704の結果が「Y」)、遊技状態フラグを取得し(ステップB1705)、現在の保留記憶数を取得し(ステップB1706)、取得した遊技状態フラグ及び保留記憶数に応じたハズレ変動選択テーブルをセットする(ステップB1707)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、図柄情報コマンドがハズレ図柄でない場合、すなわち、小当り又は大当りになる場合には(ステップB1704の結果が「N」)、まず、小当り後半変動選択テーブルをセットする(ステップB1708)。次に、図柄情報コマンドが大当り図柄か否かを判定し(ステップB1709)、大当り図柄である場合には(ステップB1709の結果が「Y」)、ステップB1708でセットした小当り後半変動選択テーブルを大当り後半変動選択テーブルに再セットする(ステップB1710)。また、大当り図柄でない場合には(ステップB1709の結果が「N」)、ステップB1710でセットした小当り後半変動選択テーブルのままである。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)710は、ステップB1707、ステップB1708、又は、ステップB1710で変動選択テーブルをセットすると、事前判定コマンドのうち変動パターン乱数コマンドをチェックする(ステップB1711)。このとき変動パターン乱数コマンドは変動パターン乱数1の乱数値そのものであり、乱数に応じて2バイトの変動パターン情報に振り分ける2バイト振り分け処理を実行する(ステップB1712)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)710は、振り分けた結果得られた後半変動のリーチ系統の情報を取得し(ステップB1713)、取得したリーチ系統情報を対象の保留(始動)記憶領域(図38)にセーブする(ステップB1714)。その後、事前(先読み)演出設定処理を実行し(ステップB1715)、先読みコマンド受信処理を終了する。
〔事前演出設定処理〕
次に、前述の先読みコマンド受信処理における事前演出設定処理(ステップB1715)の詳細について説明する。図37は、主制御用マイコン(1stCPU)が実行する事前演出設定処理の手順を示すフローチャートである。事前演出設定処理は、保留記憶数が1以上ある場合の事前演出態様を設定する処理である。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、まず、現在の保留記憶数を取得し(ステップB1801)、当該保留記憶数が1か否かを判定する(ステップB1802)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、保留記憶数が1である場合には(ステップB1802の結果が「Y」)、実行中の変動表示ゲームの残り時間を取得し(ステップB1803)、規定時間以上(例えば3秒以上)残っているか否かを判定する(ステップB1804)。そして、残り時間が規定時間以上残っていない場合には(ステップB1804の結果が「N」)、事前演出を行うには時間が短いので事前演出を行わず、事前演出設定処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)710は、変動表示ゲームの残り時間が規定時間以上残っている場合には(ステップB1804の結果が「Y」)、事前演出用乱数を取得し(ステップB1805)、当該事前演出用乱数の値が実行決定値と一致するか否かを判定する(ステップB1806)。事前演出用乱数による事前演出実行の決定は、2分の1の確率で決定されるようにしてもよい。そして、事前演出を行わない場合には(ステップB1806の結果が「N」)、事前演出設定処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、事前演出用乱数の値が実行決定値と一致する場合、すなわち、事前演出を行う場合には(ステップB1806の結果が「Y」)、事前演出振分テーブル1(図39(A))をセットする(ステップB1807)。なお、事前演出振分テーブル1は、保留記憶数が1つしかない場合に用いられるテーブルであり、その詳細は図39にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)710は、今回先読みコマンド受信処理を実行する契機となった保留記憶の図柄情報及びリーチ系統情報を保留(始動)記憶領域(図38)からロードして準備する(ステップB1808)。その後、事前演出振分テーブル1を用いて、図柄情報及びリーチ系統情報に対応する事前演出態様を選択する事前演出態様選択処理1を実行する(ステップB1809)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)710は、保留記憶数が1でない(2以上である)場合には(ステップB1802の結果が「N」)、事前演出振分テーブル2(図39(B))をセットする(ステップB1810)。なお、事前演出振分テーブル2は、保留記憶数が複数ある場合に用いられるテーブルであり、その詳細は図39にて後述する。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)710は、今回先読みコマンド受信処理を実行する契機となった保留記憶の図柄情報及びリーチ系統情報を保留(始動)記憶領域(図38)からロードして準備し、さらに、当該保留記憶より前に記憶された先行保留記憶の情報も準備する(ステップB1811)。その後、事前演出振分テーブル2を用いて、当該保留記憶及び先行保留記憶の情報に対応する事前演出態様を選択する事前演出態様選択処理2を実行する(ステップB1812)。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、ステップB1809又はステップB1812で選択された事前演出態様を、対象となる保留(始動)記憶領域にセーブして(ステップB1813)、事前演出設定処理を終了する。
〔特図保留(始動)記憶領域〕
次に、演出制御装置700側に設けられる特図保留(始動)記憶領域について説明する。図38は、特図変動表示ゲームの保留記憶領域を示すテーブルである。
保留記憶領域は、特図1変動表示ゲームに対応する特図1保留記憶領域と、特図2変動表示ゲームに対応する特図2保留記憶領域と、がある。
特図1保留記憶領域及び特図2保留記憶領域には、保留数情報を記憶する保留数情報記憶領域からなる記憶領域0と、保留記憶1から保留記憶4までに対応する記憶領域1から記憶領域4と、が確保されている。記憶領域1から記憶領域4の各領域には、事前判定コマンド領域と、事前判定情報領域とが含まれる。
事前判定コマンド領域には、遊技制御装置600から送信される図柄情報及び変動パターン乱数1情報が格納される。
事前判定情報領域には、前述の先読みコマンド受信処理(図36)で取得したリーチ系統情報及び事前演出情報(事前演出態様)が格納される。
〔事前演出振分テーブル〕
次に、前述の事前演出設定処理における事前演出振分テーブルについて説明する。図39は、事前演出振分テーブルの一例である。図39(A)は、ステップB1807でセットされる事前演出振分テーブル1である。図39(B)は、ステップB1810でセットされる事前演出振分テーブル2である。
図39(A)は、保留数情報記憶領域に記憶されている保留記憶数が1つ、すなわち、保留記憶が今回先読みコマンド受信処理(図36)を実行する契機となった保留記憶のみである場合に適用されるテーブルである。
このとき表示装置35に表示される保留記憶の事前報知態様(色)は、当該保留記憶に対応する図柄情報及びリーチ系統情報に応じて設定される。事前報知態様を設定される前の保留記憶の表示(保留表示)は、白である。
具体的には、図柄情報が「ハズレ」の場合、リーチ系統情報が「リーチなし」及び「ノーマル」のとき、保留表示の色は変化なく白である。そして、リーチ系統情報が「SP1」及び「SP2」のとき、保留表示の色は黄色に設定され、「SP3」のとき、保留表示の色は赤に設定される。また、図柄情報が「大当り」の場合も、リーチ系統情報に対応する保留表示の色は「ハズレ」の場合と同じ色に設定される。なお、図柄情報が「小当り」の場合は、リーチ系統情報が「SP1」であっても、保留表示の色は変化なく白である。
このように、保留表示の色は、通常、白となっており、黄、赤の順で大当りの信頼度が高くなるように定義されている。信頼度の高いリーチ演出となる保留記憶の表示色を変化させることで、遊技者に大当りへの期待感を抱かせることができる。
図39(B)は、保留数情報記憶領域に記憶されている保留記憶数が2つ以上、すなわち、今回先読みコマンド受信処理(図36)を実行する契機となった保留記憶以外にすでに記憶されている先行保留記憶がある場合に適用されるテーブルである。
このとき表示装置35に表示される保留記憶の事前報知態様(色)は、当該保留記憶に対応する図柄情報及びリーチ系統情報だけでなく、先行保留記憶の事前報知の有無及びリーチ系統情報に応じて設定される。事前報知態様を設定される前の保留記憶の表示(保留表示)は、白である。
具体的には、先行保留記憶が「事前報知あり」の場合には、その他の情報は関係なく、当該保留表示は変化なく白である。先行保留記憶が「事前報知なし」及び「リーチなし」の場合には、当該保留表示は白である。また、先行保留記憶が「事前報知なし」の場合、かつ、当該保留記憶が「ハズレ」又は「大当り」の場合には、先行保留記憶と当該保留記憶のリーチ系統情報を比較して、当該保留記憶のリーチ演出が先行保留記憶と同じ、もしくは先行保留記憶よりも信頼度が低い場合には、当該保留表示は青に設定される。また、当該保留記憶のリーチ演出が先行保留記憶よりも信頼度が高い場合には、当該保留表示は緑に設定される。なお、当該保留記憶が「小当り」の場合には、その他の情報は関係なく、当該保留表示は変化なく白である。
なお、先行保留記憶は、当該保留記憶の直前に記憶された保留記憶でもよいし、それよりさらに前に記憶された保留記憶も対象として、複数あるうちの一番信頼度が高い保留記憶としてもよい。
このように、保留記憶が複数ある場合には、当該保留記憶と先行保留記憶とのリーチ系統情報を比較して当該保留表示の色を変えるので、当該保留記憶が先行保留記憶に比して大当りの信頼度が高いか否かを遊技者は判断できる。このため、遊技者は保留表示の変化により敏感になり、保留表示ごとに遊技者が抱く大当りへの期待感に強弱がつくので、遊技の興趣を向上させることができる。また、保留記憶が1つの場合の事前報知態様(黄、赤)と保留記憶が複数ある場合の事前報知態様(青、緑)とを異ならせることで、事前報知が先行保留記憶の内容を参酌したものか否かを遊技者に把握させることができる。
続いて、図40から図54を参照して、表示装置35の表示画面35aの演出態様の一例について説明する。なお、演出の理解を容易にするため、区画演出装置201の各バー部材211〜241と表示装置35の表示画面35aのみを模式的に示した図面を用いて説明する。
〔通常演出モード時のステージチェンジ演出〕
図40〜図42は、通常演出モード時のステージチェンジ演出の一例を示す図である。図40は中信頼度におけるステージチェンジ演出、図41は高信頼度におけるステージチェンジ演出、図42は低信頼度におけるステージチェンジ演出の一例を示す図である。
ステージチェンジ演出では、主に表示画面35aの背景画像を切り替える演出を行う。具体的には、背景画像を切り替える際に、引き戸画像(遮蔽画像)を表示することによってそれまで表示していた背景画像を遊技者から遮蔽し、引き戸画像による遮蔽が解除されると新しい背景画像が現れる演出が行われる。ここでは信頼度のレベルに応じて引き戸画像の演出に区画演出装置201を用いた演出を行う。中信頼度及び高信頼度の場合は区画演出装置201を用いた演出を行い、低信頼度の場合は区画演出装置201を用いずに演出を行う。
まず、図40を参照して中信頼度におけるステージチェンジ演出について説明する。
図40(A)は、初期状態における表示装置35の表示画面35aの正面図である。表示画面35aには、通常演出モードで変動表示ゲームが実行されているときの演出態様が表示される。表示画面35aの画面中央に3つの識別情報が変動表示され、画面下に始動記憶が保留表示される。このときの背景画像は、室内の画像である。また、区画演出装置201のバー部材211〜241は、表示画面35aの枠(有効表示領域の縁)に沿って配置された初期状態(非区画状態)にある。
図40(B)〜(D)は、区画演出装置201の向かい合うバー部材(右バー部材231及び左バー部材241)を可動させてステージチェンジ演出を行う画面遷移例である。
図40(B)に示すように、遮蔽画像である引き戸は左右両開き扉であり、対の引き戸を表示画面35aの左右端から中央に向かってスライドさせて閉じる表示演出が行われる。このときバー部材は引き戸の中枠として構成され、バー部材の可動に追従して引き戸画像が表示画面35aの左右から現れる。バー部材が表示画面35aの中央に移動するにつれ、表示画面35aにおける引き戸画像の表示範囲が大きくなり、それまで表示されていた背景画像の表示範囲が小さくなる。
そして、図40(C)に示すように、右バー部材231と左バー部材241とが表示画面35aの中央で合うと、表示画面35aは引き戸画像のみが表示された状態になる。
その後、図40(D)に示すように、右バー部材231と左バー部材241とが初期状態に戻るように可動することで、遮蔽画像である引き戸画像が左右にスライドして開き、引き戸画像がスライドした後の表示画面35aには新しい背景画像が表示される。このときの背景画像は、室外の画像である。
次に、図41を参照して高信頼度におけるステージチェンジ演出について説明する。高信頼度におけるステージチェンジ演出では、前述の中信頼度における演出をベースに、表示画面35aにバー部材を模したバー擬似画像の表示が追加される。以下では、中信頼度における演出と相違する点について説明する。
図41(A)は、ステージチェンジ演出が開始される前の初期状態における表示装置35の表示画面35aの正面図である。ここでは、表示画面35aの識別情報がリーチ状態になってからステージチェンジ演出を行うが、演出の実行タイミングは変動開始時でもリーチ発展途中であってもよい。
図41(B)に示すように、バー部材の可動は前述の中信頼度における演出と同じであるが、このときバー部材の後方の表示画面35aには各バー部材を模したバー擬似画像が表示されている。図41(B)に示す位置までは、バー部材の可動に同期してバー擬似画像が移動表示される。
そして、図41(C)に示すように、バー部材は中央に向かって可動するが、バー部材のバー擬似画像は前述の図41(B)の位置に表示されたままの状態を維持する。
その後、図41(D)に示すように、バー部材が初期状態に戻るように可動軌跡を辿って可動し、バー擬似画像の表示位置にバー部材が重なったタイミングで、それ以降はバー部材の可動に同期してバー擬似画像が移動表示される。
続いて、図42を参照して低信頼度におけるステージチェンジ演出について説明する。低信頼度におけるステージチェンジ演出では、前述の中信頼度におけるバー部材の代わりに表示画面35aにバー部材を模したバー擬似画像が表示される。以下では、中信頼度における演出と相違する点について説明する。
図42(A)は、ステージチェンジ演出が開始される前の初期状態における表示装置35の表示画面35aの正面図である。ここでは、表示画面35aの識別情報が変動開始されるタイミングでステージチェンジ演出を行うが、演出の実行タイミングは変動中であっても、リーチ中であってもよい。
図42(B)〜(D)に示すように、右バー部材231及び左バー部材241は初期状態のまま可動することなく、代わりに表示画面35aにバー擬似画像が表示され、中信頼度における演出と同様の演出が行われる。
このように、ステージチェンジ演出では、信頼度に応じて、表示画面35aの表示のみの演出態様にしたり、区画演出装置201も用いた演出態様にしたりする。また、ステージチェンジ演出は、信頼度に応じて切り替え後の背景画像を変えるようにしてもよい。遊技者はステージチェンジ演出における演出態様を把握することで、信頼度を推測することができる。ステージチェンジ演出は予告演出にもなり得るので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、前述したステージチェンジ演出の演出態様は、単なるステージチェンジではなく(ステージチェンジ条件の成立時だけではなく)、報知モード切替条件の成立時や演出モード切替条件の成立時の演出としてもよい。
また、中信頼度のステージチェンジ演出では、表示画面35aにバー部材を模したバー擬似画像を表示しないが、表示してもよい。表示する場合、バー擬似画像は常にバー部材に同期して移動表示する。
また、初期状態において区画演出装置201のバー部材211〜241は、表示画面35aの枠を覆うように配置され、遊技者から常に視認可能としているが、これに限らない。バー部材が可動したときだけ遊技者からバー部材が視認可能になるように配置してもよいし、初期状態において一部のバー部材だけが遊技者から視認可能になるように配置してもよい。
また、前述では可動するバー部材を右バー部材231及び左バー部材241としたが、上バー部材211及び下バー部材221としてもよい。この場合は、遮蔽画像の引き戸は、左右ではなく上下にスライドして開閉される。
〔バー部材の可動と画面表示〕
図43は、バー部材の可動に伴う表示装置35の画面表示の一例を示す図である。図43(A)は斜視図であり、図43(B)は上視図である。
前述の図41のようにバー部材に追従してバー擬似画像を表示する場合、図43(A)に示すように、バー擬似画像は、表示画面35aにおいて各バー部材の後方の位置に表示される。バー擬似画像は、バー部材の形状及び表面(前面)に形成された装飾部を模している。
図43(B)の上段は、バー部材が初期状態(非区画状態)にあるときの表示画面35aとの配置関係を示している。このとき右バー部材231は、表示画面35aの右縁部を前方から覆う位置に配置され、左バー部材241は表示画面35aの左縁部を前方から覆う位置に配置される。そして、バー擬似画像は、バー部材の初期位置に対応する表示画面35aに表示される。具体的には、表示画面35aの正面視において、バー擬似画像は対応するバー部材と前後方向に重複する位置に表示される。
このように、バー部材が初期位置にある場合にもバー部材後方の表示画面35aにバー擬似画像を表示しておくことで、表示画面35aとバー部材との間に距離があってもその隙間が目立たなくなる。よって、両者の離間による違和感を遊技者に与えることを防止できる。
なお、本発明では表示画面35aの左右に配置されるバー部材の前方に表示画面35aの上下に配置されるバー部材が配置される。すなわち、上下のバー部材の方が左右のバー部材よりも表示画面35aとの距離が長い。この距離の違いが遊技者に与える影響を考慮したバー部材の構造については、図44にて後述する。
図43(B)の下段は、バー部材が動作状態(区画状態)にあるときの表示画面35aとの配置関係を示している。右バー部材231は、初期位置から表示画面35aの中央に向かって左に可動し、その可動に合わせて対応するバー擬似画像が右バー部材231の後方に位置するように移動表示される。そして、バー擬似画像が移動した後の表示画面35aには遮蔽画像として引き戸画像が表示される。同様に左バー部材241は、初期位置から表示画面35aの中央に向かって右に可動し、その可動に合わせて対応するバー擬似画像が左バー部材241の後方に位置するように移動表示される。そして、バー擬似画像が移動した後の表示画面35aには遮蔽画像として引き戸画像が表示される。
このように、右バー部材231と左バー部材241とが表示画面35aの画面中央に向かって可動することで、表示画面35aにおける背景画像の表示領域が狭くなり、遮蔽画像の表示領域が拡がる。したがって、右バー部材231及び左バー部材241は、表示画面35aの表示領域を区画し、可動によって背景画像及び遮蔽画像の表示面積の割合を調整することができる。すなわち、右バー部材231及び左バー部材241の後方の表示画面35aに背景画像と遮蔽画像の境界線が設けられる。
ところで、右バー部材231及び左バー部材241の可動動作中は、各バー部材によって分割された各表示領域が拡縮するタイミングと、各表示領域に表示される画像の拡縮タイミングとがずれ易いという問題がある。そのため、背景画像と遮蔽画像の境界線がバー部材からはみ出ることによって画像境界が遊技者に認識可能になってしまうと、バー部材は区画部材としての役割を果たせないので、遊技者に違和感を与えてしまう。
そこで、本発明では、バー部材の可動に合わせてバー部材の後方にバー擬似画像を移動表示することを可能にした。これにより、表示画面35aには背景画像と遮蔽画像との間にバー擬似画像が表示される。このため、バー部材の可動位置と表示画面35aの画像表示位置とにずれが生じても、バー部材からはみ出るのはバー擬似画像であるので、遊技者はずれに気付きにくい。よって、遊技者に違和感を与えることを防止することができ、目論見通りバー部材を区画部材とした演出効果を発揮させることができる。
そして、バー擬似画像はバー部材の表面に施される装飾やバー部材の形状も真似て表示されるので、バー部材からバー擬似画像がはみ出ても演出の装飾性を低下させることがなく、本来の演出効果を保つことができる。
〔バー部材の配置〕
図44は、バー部材の配置構造の一例を示す図である。図44(A)はバー部材の配置構造を示す正面図であり、図44(B)は右側面図であり、図44(C)は上面図である。
前述したように、本発明では上バー部材211及び下バー部材221が右バー部材231及び左バー部材241よりも前方に配置される。したがって、上バー部材211から表示画面35aまでの距離L1(図44(B)参照)は、右バー部材231から表示画面35aまでの距離L2(図44(C)参照)より長い。バー部材から表示画面35aまでの距離が長くなるほど遮蔽角が小さくなり、遊技者は当該バー部材の後方の画像境界を認識しやすくなる。ここで、遮蔽角とは正面から見たときにバー部材が画像境界を遮蔽可能な角度をいう。
そこで、図44(A)に示すように、上バー部材211の幅W1を右バー部材231の幅W2よりも大きく設定する。ここで、幅Wはバー部材の動作方向の幅を示す。このようにすれば上バー部材211の幅をW1としたときの上下方向の遮蔽角(点線で成す角)は、幅をW2のままとしたときの上下方向の遮蔽角(一点鎖線で成す角)よりも大きくなる。
また、図44(B)に示すように、右バー部材231による左右方向の遮蔽角は、図44(A)に示す上バー部材211による上下方向の遮蔽角よりも大きい。遮蔽角にはバー部材と表示画面35aとの距離が大きく影響する。
このようにバー部材の動作方向の幅を表示画面35aからの距離に応じて設定することで、遊技者からバー部材の後方の表示領域を認識し難くすることができる。これにより、バー部材の動作と画像表示にずれが生じても目立ちにくく、演出効果の減衰を防止することができる。なお、このように構成すれば、バー部材の後方(画像境界の部分)にバー擬似画像を表示することは必須ではない。
〔予告強化演出モード時の演出〕
図45は、予告強化演出モード時の演出の一例を示す図である。ここで、予告強化演出モード2(図35参照)における画面遷移例を示す。予告強化演出モード2では、表示画面35aを2分割して、画面右側又は画面上側の表示領域を演出表示領域とする。ここでは、表示画面35aを左右に2分割して、右側表示領域を演出表示領域とする。
まず、図45(A)に示すように、右バー部材231が初期位置から表示画面35aの中央に向かって可動する。これにより表示画面35aは、右バー部材231によって左右に2分割される。このとき、右バー部材231が前方を通過した後の表示画面35a(右側表示領域)には、遮蔽画像が表示される。また、左側表示領域は分割前の表示領域であり、右バー部材231の可動によって左右方向の幅が狭まる。このとき左側表示領域に表示されている識別情報及び保留表示(演出画像)は、表示領域の変化に応じてその表示サイズが変更される。
そして、図45(B)に示すように、右バー部材231が表示画面35aの略中央まで可動して停止する。そして、表示画面35aには右バー部材231を境界にして、右側表示領域に遮蔽画像、左側表示領域に識別情報及び保留記憶が表示される。
その後、図45(C)に示すように、右バー部材231は停止した状態を維持し、右バー部材231の後方に位置するように表示画面35aに表示されていたバー擬似画像が独立して移動表示される。バー擬似画像は表示画面35aの右縁部(初期位置)に向かって移動表示され、バー擬似画像の移動に伴い遮蔽画像の表示領域が縮小される。そして、バー擬似画像が移動したあとの表示画面35aには、予告演出表示領域として予告演出が表示される。予告演出表示領域はバー擬似画像の移動に伴い拡大され、表示領域の変化に応じて表示される予告演出画像のサイズが変更される。
最後に、図45(D)に示すように、バー擬似画像は右バー部材231の初期位置に対応する位置で停止表示される。これにより、予告演出表示領域が最大となる。なお、予告演出表示領域では、左側表示領域で実行中の変動表示ゲームに対する予告演出が行われる。また、予告演出表示領域では、演出モードに対応した予告等を行ってもよい。
なお、前述の図45(A)及び(B)に示す段階、すなわち、右バー部材231の動作に追従して遮蔽画像も一体となって表示される間は、表示画面35aに右バー部材231に対応するバー擬似画像を表示しても表示しなくてもどちらでもよい。
〔先読み強化演出モード時の演出〕
図46は、先読み強化演出モード時の演出の一例を示す図である。ここで、先読み強化演出モード1(図35参照)における画面遷移例を示す。先読み強化演出モード1では、表示画面35aを二分割して、画面左側又は画面下側の表示領域を演出表示領域とする。ここでは、表示画面35aを下バー部材221によって上下に二分割して、下側表示領域を演出表示領域とする。
まず、図46(A)に示すように、下バー部材221が初期位置から表示画面35aの中央に向かって可動する。これにより表示画面35aは、下バー部材221によって上下に二分割される。このとき、下バー部材221が前方を通過した後の表示画面35a(下側表示領域)には、遮蔽画像が表示される。また、上側表示領域は分割前の表示領域であり、下バー部材221の可動によって上下方向の幅が狭まる。このとき上側表示領域には識別情報(演出画像)が表示され、表示領域の変化に応じてその表示サイズが変更される。
そして、図46(B)に示すように、下バー部材221が表示画面35aの略中央まで可動して停止する。そして、表示画面35aには下バー部材221を境界にして、下側表示領域に遮蔽画像、上側表示領域に識別情報が表示される。
その後、図46(C)に示すように、下バー部材221は停止した状態を維持し、下バー部材221の後方に位置するように表示画面35aに表示されていたバー擬似画像が独立して移動表示される。バー擬似画像は表示画面35aの下縁部(初期位置)に向かって移動表示され、バー擬似画像の移動に伴い遮蔽画像の表示領域が縮小される。そして、バー擬似画像が移動したあとの表示画面35aには、先読み予告演出表示領域として先読み保留予告演出が表示される。すなわち、分割前に表示画面35aに表示されていた保留記憶は、先読み予告演出表示領域に表示される。先読み予告演出表示領域はバー擬似画像の移動に伴い拡大され、表示領域の変化に応じて表示される先読み予告演出画像のサイズが変更される。
最後に、図46(D)に示すように、バー擬似画像は下バー部材221の初期位置に対応する位置で停止表示される。これにより、先読み予告演出表示領域が最大となる。なお、先読み予告演出表示領域では、複数の変動表示ゲームにまたがる先読み連続予告演出を行ってもよい。
なお、前述の図46(A)及び(B)に示す段階、すなわち、下バー部材221の動作に追従して遮蔽画像も一体となって表示される間は、表示画面35aに下バー部材221に対応するバー擬似画像を表示しても表示しなくてもどちらでもよい。
図45及び図46に示すように、予告強化演出及び先読み強化演出において、予告演出表示領域及び先読み予告演出表示領域は、バー部材が所定の位置で停止した後にバー部材から独立して移動表示するバー擬似画像の移動に伴い、表示領域の大きさが変化する。そして各表示領域に表示される演出画像は、表示領域の大きさに応じてその画像サイズを変化させる。
このように、バー擬似画像をバー部材の動作から独立して移動表示することで、バー部材が可動しているように遊技者に見せることができるので、バー部材を実際に可動させた場合に近い演出効果を得ることができる。また、バー擬似画像は独立して移動を始めるまではバー部材と前後方向に重なるように表示されているので、遊技者に対して、前後に重なっていたバー部材の一方が独立して可動したかのように見せることができる。よって、演出効果を格段に向上させることができる。
〔画面分割演出モード時の画面分割演出〕
図47〜図49は、画面分割演出モード時の区画演出装置201による表示画面35aの分割演出の一例を示す図である。図47は表示画面35aを二分割もしくは四分割にする場合の画面遷移例であり、図48は表示画面35aを三分割もしくは六分割にする場合の画面遷移例であり、図49は表示画面35aを九分割にする場合の画面遷移例である。
<二分割・四分割>
図47(A)に示すように、表示画面35aを二分割にする場合には、右バー部材231が初期位置から左方向に可動する。画面分割演出モード時における表示画面35aの分割演出では、右バー部材231が通過した後の表示画面35aに、遮蔽画像ではなく新たに識別情報が変動表示される。
そして、図47(B)に示すように、右バー部材231は表示画面35aの略中央の左限位置で停止する。これにより表示画面35aは左右に二分割される。表示画面35aの各分割画面では識別情報が表示されるが、各分割画面に保留記憶を表示させてもよい。
なお、図47(A)及び(B)では、右バー部材231を左限位置まで移動させて表示画面35aを二分割にしたが、左バー部材241を右限位置まで移動させて表示画面35aを二分割にしてもよい。また、上バー部材211を下限位置まで下降させて表示画面35aを二分割にしてもよいし、下バー部材221を上限位置まで上昇させて表示画面35aを二分割にしてもよい。
続いて、図47(C)に示すように、表示画面35aを二分割から四分割にする場合には、上バー部材211が初期位置から下降する。そして、図47(D)に示すように、上バー部材211が表示画面35aの略中央の下限位置で停止する。画面分割演出モード時における表示画面35aの分割演出では、上バー部材211が通過した後の表示画面35aに、遮蔽画像ではなく新たに識別情報が変動表示される。また、各分割画面に保留記憶を表示させてもよい。
なお、図47(C)及び(D)では、上バー部材211を下限位置まで移動させて表示画面35aを二分割から四分割にしたが、下バー部材221を上限位置まで移動させて表示画面35aを二分割から四分割にしてもよい。表示画面35aを二分割にする際に上バー部材211又は下バー部材221を用いた場合には、右バー部材231又は左バー部材241を用いて表示画面35aを二分割から四分割にすればよい。また、何れかの分割画面の保留記憶を変化させて先読み保留予告を行ってもよい。
<三分割・六分割>
図48(A)に示すように、区画演出装置201が初期状態である場合には、表示画面35aには画面全体に三つの識別情報が変動表示される。右バー部材231及び左バー部材241を移動させて表示画面35aを三分割にする場合には、図中点線で示す位置に各バー部材を移動させて、各分割画面にそれぞれ一つの識別情報が表示されるようにしてもよい。以下では、各分割画面に複数列の識別情報を変動表示させるパターンを例に説明する。
図48(B)に示すように、表示画面35aを三分割にする場合には、右バー部材231が初期位置から左方向に可動する。このときの可動距離は、初期位置から表示画面35aの中央までの距離の3分の2の距離である。同様に、左バー部材241が初期位置から右方向に可動し、初期位置から表示画面35aの中央までの距離の3分の2の位置で停止する。このとき各分割画面では、複数列の識別情報が変動表示される。
なお、図48(A)及び(B)では、右バー部材231及び左バー部材241を用いて表示画面35aを三分割にしたが、上バー部材211及び下バー部材221を用いて表示画面35aを三分割にしてもよい。
続いて、図48(C)に示すように、表示画面35aを三分割から六分割にする場合には、上バー部材211が初期位置から下降する。そして、図48(D)に示すように、上バー部材211が表示画面35aの略中央の下限位置で停止する。このとき各分割画面では複数列の識別情報が変動表示されてもよいし、増えた分割画面において予告演出が実行されるようにしてもよい。また、各分割画面に保留記憶を表示させてもよく、何れかの分割画面の保留記憶を変化させて先読み保留予告を行ってもよい。
<九分割>
次に、区画演出装置201の各バー部材211〜241全てを同時に可動させて表示画面35aを九分割にする場合について説明する。図49(A1)〜(D1)は各分割画面に1つずつ識別情報を表示することでマルチライン変動を行うパターンであり、図49(A2)〜(D2)は各分割画面が独立して変動するパターンである。
図49(A1)は初期状態(非区画状態)の画面表示であり、表示画面35aでは画面中央で三つの識別情報が変動表示される。
図49(B1)に示すように、同時に各バー部材211〜241を可動させることで、表示画面35aを一度に九分割する。各バー部材211〜241が初期位置から各限界位置まで可動するまでは、分割により新たに形成された分割画面には遮蔽画像が表示される。各バー部材211〜241によって囲われた表示画面35aの中央の表示領域のみで識別情報が変動表示される。
そして、図49(C1)に示すように、各バー部材211〜241は限界可動位置(画面略中央)まで可動し、互いに向き合うバー部材同士が合わさる。このとき表示画面35aは四分割状態になる。その後、表示画面35aが九等分されるように各バー部材211〜241がこれまでの動作方向とは逆方向に可動する。
図49(D1)に示すように、九等分に分割された表示画面35aでは、各分割画面において一つの識別情報が変動表示される。この場合は、縦並び、横並び、及び斜め並び(マルチライン)で三つの識別情報の結果態様を見ればよい。
続いて、図49(A2)は初期状態(非区画状態)の画面表示であり、表示画面35aでは画面中央で三つの識別情報が変動表示される。
図49(B2)に示すように、ここでは同時に各バー部材211〜241を可動させることで、表示画面35aを一度に九分割する。そして各バー部材211〜241は、それぞれ初期位置から限界可動位置までの3分の2まで進んだら停止する。分割により新たに形成された分割画面には遮蔽画像が表示され、各バー部材211〜241によって囲われた表示画面35aの中央の表示領域のみで識別情報が変動表示される。
図49(C2)に示すように、九等分に分割された表示画面35aでは、隣接する2つの分割画面に跨ってバー疑似画像を表示し、当該バー疑似画像の移動表示に伴って遮蔽画像の表示から変動表示に切り替える。
図49(D2)に示すように、各分割画面では、三つの識別情報が変動表示される。ここで、各分割画面の変動表示は独立している。
なお、前述した九分割の分割演出に限らず、各バー部材211〜241を1本ずつ可動させてもよいし、遮蔽画像やバー疑似画像を用いなくてもよい。
前述の通り、区画演出装置201では、予告演出の実行や遊技状態に応じて各バー部材211〜241の少なくとも一つを初期位置から可動させることで、可動後の各バー部材211〜241によって表示画面35aを二以上の分割画面(最大、九画面)に区画することができる。立体的な可動役物である各バー部材211〜241を用いて表示画面35aを分割するので、視覚的演出効果を高めることができる。また、各バー部材211〜241を順に個別に可動させることで表示画面35aの分割パターンが多様化するので、単調な分割演出になることを防止できる。よって、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前述の図40〜図42のステージチェンジ演出と同様に、変動表示ゲームの結果に対する信頼度が高い場合には、区画演出装置201の各バー部材211〜241を可動させて分割演出を実行し、変動表示ゲームの結果に対する信頼度が低い場合には、各バー部材211〜241を可動させる代わりにバー擬似画像を移動表示させて表示画面35aを分割するようにしてもよい。信頼度に応じて、各バー部材211〜241による分割演出、バー擬似画像による分割演出、又は、両者を用いた分割演出を行うことで、分割演出のバリエーションを増加させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
〔分割解除演出〕
また、図50は、区画演出装置201による表示画面35aの分割を解除する分割解除演出の一例を示す図である。図50は、表示画面35aを分割画面(区画状態)から初期画面(非区画状態)に復帰する場合の画面遷移例であり、予告強化演出モード時の動作を例に説明する。
図50(A)は、前述の図45(D)と同じ図である。このとき、表示画面35aには、右バー部材231を挟んで左側に変動表示領域、右側に予告演出表示領域が設定される。変動表示領域では識別情報が変動中である。
分割解除演出は、演出モードの切り替え、変動表示ゲームの終了時、又は次の変動表示ゲームの開始時といったタイミングで実行される。ここでは、変動表示ゲームの終了時における分割解除動作(初期画面への復帰動作)について説明する。
図50(B)に示すように、まず、表示画面35aの左側の変動表示領域に表示中の識別情報が停止表示されると、表示画面35aの右縁部(右バー部材231の初期位置)に表示されていたバー擬似画像が表示画面35aの中央に向かって移動表示される。このときバー擬似画像が移動表示された後の表示画面35aには遮蔽画像が表示される。そして、予告演出表示領域はバー擬似画像の移動によりその左右幅が狭まる。
そして、図50(C)に示すように、表示画面35aの略中央で停止していた右バー部材231の後方にバー擬似画像が移動して前後に一致すると、予告演出表示領域はなくなり右側表示領域には遮蔽画像が表示される。
その後、図50(D)に示すように、右バー部材231とバー擬似画像とが同期して表示画面35aの右縁部(初期位置)に移動する。このとき、バー擬似画像は表示しなくてもよい。右バー部材231の可動により、左側の変動表示領域の左右幅が大きくなる。
そして、図50(E)に示すように、右バー部材231が初期位置に戻ると、表示画面35aは変動表示領域のみの初期画面に復帰する。一連の分割解除動作が終了すると、図50(F)に示すように、次の変動表示ゲームが開始される。
ここでは、予告強化演出モード時を例に二分割画面からの復帰動作を説明したが、分割解除方法は、他の画面分割演出にも適用することができる。
〔画面振動予告演出〕
図51は、画面振動予告演出の一例を示す図である。図50(A1)〜(D1)は画面振動予告演出1の画面遷移であり、図50(A2)〜(C2)は画面振動予告演出2の画面遷移である。画面振動予告演出は、表示画面35aの枠周りに配置される各バー部材211〜241を揺動させることで表示画面35aが振動(揺動)しているように見せる演出である。
まず、画面振動予告演出1について説明する。
図50(A1)は、各バー部材211〜241がそれぞれ表示画面35aの外に向かって可動したときの図である。すなわち、右バー部材231は右に、左バー部材241は左に、上バー部材211は上に、下バー部材221は下に向かって表示画面35aの枠が各バー部材211〜241からはみ出ない程度に移動した状態である。なお、図中の点線は表示画面35aの左右端の位置を表している。次は、図中矢印が示す方向に各バー部材211〜241は移動する。
そして、図50(B1)に示すように、各バー部材211〜241はそれぞれ表示画面35aの枠内ぎりぎりに収まる程度に可動し、再び図中矢印が示す外方向に向かう。その後、図50(C1)に示すような各バー部材211〜241の囲いの拡大と、図50(D1)に示すような囲いの縮小とを表示画面35aの縁部で繰り返すことで、表示画面35aが揺動しているように演出する。このとき、表示画面35aの表示画像を拡縮させるとさらに演出効果を向上させることができる。
続いて、画面振動予告演出2について画面振動予告演出1との相違点を説明する。
画面振動予告演出2では、表示画面35aに各バー部材211〜241の初期位置に対応する画面縁部にそれぞれバー擬似画像が固定表示される。これにより、各バー部材211〜241は、バー擬似画像との重複が解除されない範囲で可動することができる。
図50(A2)は図50(A1)と同じであるが、図50(B2)に示すように各バー部材211〜241の囲いを縮小する場合には、図50(B1)に比してさらに表示画面35aの内側に可動することが可能である。また、図50(C2)に示すように各バー部材211〜241の囲いを拡大する場合には、図50(C1)に比してさらに表示画面35aの外側に可動することが可能である。
このように表示画面35aの縁部にバー擬似画像を表示しておくことで各バー部材211〜241の可動幅を大きくすることができ、表示画面35aの揺動幅も違和感なく大きくなる。よって演出効果をさらに向上させることができる。
画面振動予告演出1と画面振動予告演出2とは、例えば変動表示ゲームの信頼度に応じて選択されるようにしてもよい。より演出効果の高い画面振動予告演出2は信頼度が高い
場合に選択されるように設定する。
表示画面35aを分割する区画演出装置201の各バー部材211〜241は、画面分割演出に限らず、このような立体的で演出効果の高い演出にも活用することができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
〔操作予告演出〕
図52は、操作予告演出の一例を示す図である。操作予告演出は、変動表示ゲーム中に遊技者が操作可能な操作部(例えば、演出ボタン17)に操作入力があった場合に各バー部材211〜241のいずれかを可動させて表示画面35aを画面分割し、分割により形成された表示領域で予告演出を行う演出である。
図52(A)は、操作予告演出の開始画面表示である。ここでは、リーチの発生タイミングで実行される。
図52(B)に示すように、操作予告演出が開始されると、表示画面35aには遊技者に操作部の操作を促す操作示唆画像(ここでは「PUSH」)が表示される。このとき表示画面35aは非分割の初期状態(非区画状態)であり、画面全体にゲーム演出画像が表示される。なお、操作部は演出ボタン17でもよいし、赤外線センサ等の人感センサによって表示画面周辺をセンシングするようにし、表示画面35aに表示される操作示唆画像を操作部としてもよい。
図52(C)に示すように、操作示唆画像が表示されると、操作予告演出で可動する可能性があるバー部材(ここでは右バー部材231と下バー部材221)が揺動し始める。本演出では遊技者によって操作部が操作されるとバー部材が可動するので、初期トルクの負担なく素早く可動することができるように操作有効期間中は動作対象となるバー部材を揺動させる。そして、遊技者による操作入力があると、実行中の変動表示ゲームが特別結果(大当り)となる信頼度に応じて図52(D1)又は図52(D2)の演出が実行される。
図52(D1)は、下バー部材221の可動によって表示画面35aを二分割にする。そして、上側の表示領域ではゲーム演出画像の表示が継続され、下側の表示領域では変動表示ゲームの結果を示唆する予告画像が表示される。
図52(D2)は、右バー部材231の可動によって表示画面35aを二分割にする。そして、左側の表示領域ではゲーム演出画像の表示が継続され、右側の表示領域では変動表示ゲームの結果を示唆する予告画像が表示される。
ここでは、信頼度が高い場合に図52(D2)の演出が実行され、信頼度が低い場合に図52(D1)の演出が実行される。右バー部材231の方が下バー部材221よりも移動幅を大きく設定することができるので、信頼度が高い場合には右バー部材231を用いる。実行される予告演出の内容によって動作させるバー部材を変更してもよいし、動作対象のバー部材は複数あってもよい。
このように操作予告演出では、遊技者による操作部の操作によって、バー部材が動作し分割画面で予告画像が表示されるので、遊技者の遊技参加意識を高めることができる。よって遊技の興趣を向上させることができる。
〔マルチアングル予告演出〕
図53は、マルチアングル予告演出の一例を示す図である。マルチアングル予告演出は、変動表示ゲームの結果の信頼度に応じてバー部材やバー擬似画像を用いた画面分割を行いマルチアングル表示する演出である。ここで、マルチアングル表示とは、同じ画を複数の視点から見て表示する表示態様である。
図53(A)は、マルチアングル予告演出の開始画面表示である。ここでは、リーチの発生タイミングで実行される。
図53(B)に示すように、表示画面35aにリーチ演出画像が表示されると、実行中の変動表示ゲームの結果の信頼度に応じて図53(C1)〜(C3)の演出が実行される。
図53(C1)は、中信頼度におけるマルチアングル演出の一例である。中信頼度では、下バー部材221と、右バー部材231を模したバー擬似画像とを用いて表示画面35aが画面分割される。表示画面35aは4つの表示領域に区画されるが、各表示領域の大きさに偏りがある。左上の表示領域にはリーチ演出画像及び識別情報が表示され、左下の表示領域にはリーチ演出画像を一方から見た一部拡大画像(第1演出画像)が表示される。また、下バー部材221を挟んで隣接する右上の表示領域及び右下の表示領域には、両表示領域にまたがってリーチ演出画像を他方から見た一部拡大画像(第2演出画像)が表示される。このように表示領域が小さい右下の表示領域に表示する第2演出画像を隣接する右上の表示領域にも跨って表示することで、右下の表示領域のみでの表示では得られなかった高い演出効果を得ることができる。3つ以上の表示領域がある場合には、表示領域の数や大きさに応じて演出画像の表示態様のパターンを複数設けることができるので、変動表示ゲームの演出効果を向上させることができる。
なお、右上の表示領域と右下の表示領域とは、バー擬似画像ではなく下バー部材221によって区画されている。両表示領域に一体表示される第2演出画像は下バー部材221の後方に表示領域の画像境界を形成しないので、下バー部材221の動作のずれや表示画面35aとの隙間を気にすることなく表示することができる。違和感のない演出画像を表示することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
そして、このときバー擬似画像は、表示画面35aを分断するように上縁から下縁まで表示される。これにより、バー擬似画像をより本物のバー部材に見せることができるので、画面分割演出の効果を向上させることができる。
また、バー疑似画像は右バー部材231から独立して表示されるが、その動きは右バー部材231と同様である。バー疑似画像は、所定の角度(ここでは90度)で下バー部材221と交差する。これにより、バー疑似画像に立体感が生まれるので、画面分割演出の効果を向上させることができる。
図53(C2)は、低信頼度におけるマルチアングル演出の一例である。低信頼度では、下バー部材221及び右バー部材231に対応するバー擬似画像のみによって表示画面35aが画面分割される。
図53(C3)は、高信頼度におけるマルチアングル演出の一例である。高信頼度では、下バー部材221及び右バー部材231によって表示画面35aが画面分割される。
このようにマルチアングル演出では、変動表示ゲームが特別結果となる信頼度に応じて画面分割演出にバー擬似画像を用いるか否かが決定する。高信頼度の場合は、バー部材のみによる画面分割(第1区画態様)が行われ、中信頼度の場合はバー部材及びバー擬似画像による画面分割(第2区画態様)が行われ、低信頼度の場合はバー擬似画像のみによる画面分割が行われる。表示画面35aにバー擬似画像が表示されるか否かが変動表示ゲームの予告演出となり、興趣に富んだ画面分割演出を行うことができる。よって遊技の興趣を向上させることができる。
また、本演出では表示画面35aを四分割にしているが、バー部材だけでなくバー擬似画像によっても分割可能なので、バー部材の数が限られていても表示画面35aを任意の数に分割することができる。さらに各分割画面の大きさも自在に設定可能であるので、画面分割演出の演出パターンを多様化することができ、興趣に富んだ画面分割演出を行うことができる。よって遊技の興趣を向上させることができる。
〔再抽選演出〕
図54は、再抽選演出の一例を示す図である。再抽選演出では、前述の操作予告演出のように再抽選時に遊技者に操作部の操作を促し、連打に対応して動作対象となるバー部材(ここでは右バー部材231及び左バー部材241)を揺動させる。そして、再抽選の結果に応じてバー部材もしくはバー擬似画像を用いて結果報知を行う。
図54(A)は、再抽選演出の開始画面表示である。再抽選は、表示画面35aにおいて識別情報が当りとなる結果態様(ここでは通常図柄「888」)で仮停止した状態で行われる。
図54(B)は、再抽選時の画面表示である。表示画面35aには再抽選中であることが表示されるとともに、遊技者に操作部の操作を促す操作示唆画像(ここでは「PUSH」及び「連打」)が表示される。そして、遊技者による操作部の連打によって右バー部材231及び左バー部材241が揺動する。ここで、再抽選の結果は、所定回数の操作達成もしくは操作有効期間の経過によって導出される。
図54(C1)及び(D1)は、再抽選に落選して昇格失敗となるときの画面遷移である。このとき、表示画面35aには、右バー部材231及び左バー部材241に対応するバー擬似画像が移動表示される。そして表示画面35aの中央で二つのバー擬似画像が合い、識別情報の結果態様に変化がないことで、昇格に失敗したことが報知される。
図54(C2)及び(D2)は、再抽選に当選して昇格成功となるときの画面遷移である。このとき、表示画面35aの前方には、右バー部材231及び左バー部材241が画面中央に向かって移動する。そして表示画面35aの中央で二つのバー部材が合い、識別情報の結果態様が通常図柄「888」から確変図柄「777」に変化することで、昇格に成功したことが報知される。
なお、所定回数の操作達成によって再抽選の結果報知画面に遷移する場合には、表示画面35aには操作有効期間が経過するまで操作示唆画像が表示される(図54(C1)及び(C2)参照)。
このように、再抽選演出では、遊技者による操作部の操作によって早く結果を報知されることになるので、遊技者の遊技参加意識を高めることができる。また、昇格成功の場合はバー部材を演出に用いて、昇格失敗の場合はバー擬似画像を演出に用いる。バー部材の動作が再抽選の結果の予告演出になるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。