JP5807018B2 - 新規医薬組成物及びその使用 - Google Patents

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Description

本発明は、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患を治療または予防するための医薬組成物に関する。また本発明は、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患を治療または予防するための前記医薬組成物の使用に関する。
さらに本発明は、認知症治療薬又は抗うつ薬の効果を増強するための医薬組成物およびその使用に関する。
フェルラ酸は主に米、小麦、野菜類、柑橘類などの植物や種子の細胞壁にフェルラ酸のエステル体や配糖体として存在している化合物である。これらは抗菌作用、抗酸化作用、紫外線吸収作用、抗がん作用などを有することが明らかにされており、化粧品や食品をはじめとする様々な製品の添加剤としての用途や医薬組成物における有効成分としての用途も開示されている(非特許文献1、特許文献1〜6の明細書)。
特開昭62-120312号公報 特開昭64-13017号公報 特開平2-167291号公報 特開昭63-283552号公報 特開昭61-204196号公報 特開平1-186835号公報
国産農水産物利用食品新素材利用マニュアルNo.1 フェルラ酸、社団法人菓子総合技術センター、平成15年3月
発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患は、原因の特定が困難である場合が多いことや症状が多岐にわたるため、現在のところ治療薬が存在しないか、あるいは治療薬が存在しても、その効果が限定的であるか選択および用量設定が非常に難しいという欠点が存在する。治療効果が認められた薬物であったとしても、胃腸・消化器系その他への副作用を伴うことが多い。前記精神疾患または精神障害は複合的に罹患する場合が非常に多いが、単独で複合的な罹患を治療できる薬物が実質的には存在せず、併用される複数の治療薬同士の併用禁忌や相互作用についても考慮しなければならない。
このように、選択や用量設定の困難性および副作用を伴わずに安全に発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患を治療または予防することのできる医薬品が未だ必要とされている。これらの疾患または障害の複合的な罹患を単独でまたは他の有効成分と組み合わせて治療または予防することのできる医薬品も必要とされている。
また、既存の認知症の治療薬の効果は限定的であるため、さらなる認知機能改善効果を示し得る治療または予防の手段が必要とされている。
本発明の医薬組成物は、フェルラ酸、そのエステル、それらの薬理学的に許容される塩およびそれらの薬理学的に許容される溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含む、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患を治療または予防するためのものである。
本発明の医薬組成物は、有効成分がフェルラ酸、その薬理学的に許容される塩またはそれらの薬理学的に許容される溶媒和物であってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、経口投与用の剤型であってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、有効成分の成人1日あたりの用量がフェルラ酸に換算して5mg〜600mgであってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、発達障害を治療または予防するためのものであってもよい。この場合、本発明の医薬組成物は、発達障害における知能障害に対する知能改善に用いられるものであってもよく、発達障害に伴う運動能力障害に対する運動能力改善に用いられるものであってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、統合失調症を治療または予防するためのものであってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、気分障害を治療または予防するためのものであってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、摂食障害を治療または予防するためのものであってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、脳血管障害後の精神疾患を治療または予防するためのものであってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、頭部外傷後の精神疾患を治療または予防するためのものであってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患を治療または予防するための他の有効成分と組み合わせて用いられるものであってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、認知症治療薬と組み合わせて用いられるものであってもよい。
また、本発明の医薬組成物は、抗うつ薬と組み合わせて用いられるものであってもよい。
フェルラ酸、そのエステル、それらの薬理学的に許容される塩およびそれらの薬理学的に許容される溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含む本発明の医薬組成物は、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患を治療または予防するために、単独でまたは前記疾患もしくは障害の治療薬の有効成分と組み合わせて使用することができる。
また本発明の前記医薬組成物は、認知症の治療薬又は抗うつ薬の効果を増強するために当該認知症治療薬又は抗うつ薬の有効成分と組み合わせることができる。
本発明の医薬組成物を用いることにより、従来の治療薬の使用に伴う選択や用量設定の困難性および副作用について心配することなく、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患を、副作用を伴わず安全に治療または予防することができる。前記疾患または障害の複合的な罹患も、本発明の医薬組成物の単独使用で治療または予防することができる。さらには、本発明の医薬組成物と組み合わせることにより、前記疾患または障害の治療薬の効果を増強することができる。
また、本発明の医薬組成物を組み合わせることにより、認知症治療薬又は抗うつ薬の効果を増強することができる。
一の態様において、本発明の医薬組成物は、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患を治療または予防することができる。ここで、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患とは、臨床現場において、大まかには発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または頭部外傷後の精神疾患として分類される疾患または障害に特徴的な症状を少なくとも1つ以上有することを意味する。そのような疾患または障害として、一般的な医学書、例えばメルクマニュアル第18版(Merck Sharp and Dohme Corp., a subsidiary of Merck and Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.)などに記載されているものが挙げられる。あるいは、臨床現場でそのような疾患または障害に通常用いられる診断基準または評価方法のいずれかを用いて診断または評価されるものであってもよい。そのような診断基準または評価方法は総合的なもの、例えばDSM-IV-TR(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, Text Revision:American Psychiatric Association)や「疾病および関連保健問題の国際統計分類(国際疾病分類)第10改訂版(ICD-10:International Statistical Classification of Disease and Related Health Problems 10th Revision:WHO)などであってもよく、あるいは個々の疾患名または障害名についてのものであってもよい。以下において前記疾患または障害について具体的に説明するが、以下で個々に示す疾患名および障害名は例示のために列挙するものであって、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
本発明において「発達障害」には、例えば注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、自閉症スペクトラム障害、学習障害(LD)、精神遅滞などが含まれる(メルクマニュアル第18版)。あるいはDSM-IV-TRで規定する「通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含まれる:精神遅滞、学習障害、運動能力障害、コミュニケーション障害、広汎性発達障害(自閉性障害、レット障害、小児期崩壊性障害、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害(非定型自閉症を含む))、注意欠陥および破壊的行動障害、幼児期または小児期早期の哺育・摂食障害、チック障害、排泄障害、ならびに幼児期・小児期・または青年期の他の障害。あるいはICD-10で規定する「精神遅滞[知的障害]」「心理的発達の障害」または「小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害、特定不能の精神障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含まれる:軽度精神遅滞[知的障害]、中度[中等度]精神遅滞[知的障害]、重度精神遅滞[知的障害]、最重度精神遅滞[知的障害]、他の精神遅滞[知的障害]、特定不能の精神遅滞[知的障害]、会話および言語の特異的発達障害、学力の特異的発達障害、運動機能の特異的発達障害、混合性特異的発達障害、広汎性発達障害(小児自閉症、非定型自閉症、レット症候群、他の小児期崩壊性障害、精神遅滞[知的障害]および常同運動に関連した過動性障害、アスペルガー症候群、他の広汎性発達障害、広汎性発達障害・特定不能のもの)、他の心理的発達の障害、特定不能の心理的発達の障害、多動性障害、行為障害、行為および情緒の混合性障害、小児期に特異的に発症する情緒障害、小児期および青年期に特異的に発症する社会的機能の障害、チック障害、小児期および青年期に通常発症する他の行動および情緒の障害、精神障害・他に特定できないもの。また臨床現場で発達障害の診断に用いられる他の診断基準または評価方法としては、例えばウェクスラー式知能検査(WAIS-R成人知能検査、WISC-III、WPPSI)、ビネー式知能検査、乳幼児精神発達診断法などが挙げられる。
発達障害の分類としては、大きく分けて、
(1)知能が低い群、
(2)知能は正常〜優秀であるが、脳の神経回路の発達が悪く、その結果、多様な症状を示す群、
が存在する。発達障害は、広範な概念であって、一人の患者がいくつかの障害を持つケースが多い。具体的には、認知や記憶力、社会性、感情や行動のコントロール、運動能力、言語能力(理解と表現)などの発達が明らかに停滞する。
本発明の医薬組成物は、後記実施例に示したように、発達障害における上記(1)の知能が低い群に対して、知能を改善する効果を有している。すなわち、本発明の医薬組成物は、発達障害における知能障害を改善するための知能改善剤としても有用である。
また、本発明の医薬組成物は、後記実施例に示したように、発達障害に伴う運動障害(特に協調運動障害)に対して、運動能力を改善する効果を有している。すなわち、本発明の医薬組成物は、発達障害に伴う運動能力障害を改善するための運動能力改善剤としても有用である。
また、発達障害を抱えた人々は、思春期以前に不登校、非行となりやすく、社会に出た後は、適応障害によって、うつ病が発症しやすいことが知られている。発達障害を持っている人は、ストレス耐性が低く、職場で複雑な人間関係と仕事を処理しなければならなくなると、適応に失敗し、うつ病になるからである。発達障害が背景にあってうつ病になっている人には、抗うつ薬が効きにくく、一旦休職すると、ほぼ職場復帰が出来ない。うつ病による休職者の社会復帰が極めて難しいことの背景には、うつ病の背後に発達障害があり、そのことによって、抗うつ薬が効かない可能性が高い。本発明の医薬組成物は、うつ病の背景にある発達障害の改善に効果があり、その結果、うつ病自体の治療にも有効である。すなわち、本発明の医薬組成物は、発達障害を伴ううつ病の治療剤としても有用である。
ここで、「うつ病」は、DSM IV TRにおいて記載されるもの(気分障害、専門家(例えば、精神科医、精神分析医、心理学者、および療法士)によって臨床的に診断されたうつ病、ならびに精神衛生医によって臨床的に診断され得ないうつ病であるが、それでもなお、重篤でありかつ長期であり得るもの)を含むが、これらに限定されない。非限定的な例として臨床的に診断されたうつ病には、DSM IV TRにおいて分類される、認知症、急性うつ病、精神分裂病、およびその他の臨床的抑鬱障害が含まれる。
本発明の医薬組成物は、抗うつ剤の有効成分と組み合わせることにより、当該有効成分のうつ病治療効果を増強することができる。本発明の医薬組成物と組み合わせることができる有効成分はうつ病の治療に用いられるものであれば特に限定されない。抗うつ薬としては、例えば、アミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、及びイミプラミン等の三環系抗うつ薬、シタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、及びセルトラリン等の選択的セロトニン再取り込み阻害薬、フェネルジン、及びトラニルシプロミン等のモノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤、ミルナシプラン及びデュロキセチン等のセロトニン/ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)を含むがこれらに限定されない。抗うつ剤の有効成分は、本発明の医薬組成物の成分として含まれてもよく、あるいは本発明の医薬組成物とは別の医薬組成物として調剤されているものであってもよい。そのような抗うつ剤の有効成分の選択、用量設定および投与計画などは、本技術分野における当業者の技術常識の範囲内に含まれる。
本発明において「統合失調症」とは、統合失調症、その関連障害、例えば短期精神病性障害、妄想性障害、統合失調感情障害および統合失調症様障害などを含む(メルクマニュアル第18版)。あるいはDSM-IV-TRで規定する「統合失調症および他の精神病性障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:統合失調症、他の精神病性障害(統合失調症様障害、失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病障害(二人組精神病)、...[一般身体疾患を示すこと]...による精神病性障害、物質誘発性精神病性障害、特定不能の精神病性障害)。あるいはICD-10で規定する「統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:統合失調症、統合失調型障害、持続性妄想性障害、急性一過性精神病性障害、感応性妄想性障害、統合失調感情障害、他の非器質性精神病性障害、特定不能の非器質性精神病。また臨床現場で統合失調症の診断に用いられる他の診断基準または評価方法としては、例えば陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)などが挙げられる。
本発明において「気分障害」とは、うつ病性障害、双極性障害、気分循環性障害などを含む(メルクマニュアル第18版)。あるいはDSM-IV-TRで規定する「気分障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:うつ病性障害、双極性障害および他の気分障害。あるいはICD-10で規定する「気分(感情)障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:躁病エピソード、双極性感情障害[躁うつ病]、うつ病エピソード、反復性うつ病性障害、持続性気分(感情)障害、他の気分(感情)障害、特定不能の気分(感情)障害。また臨床現場で気分障害の診断に用いられる他の診断基準または評価方法としては、例えばモントゴメリー/アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、自己評価式抑うつ性尺度(SDS)などが挙げられる。
本発明において「摂食障害」とは、神経性無食欲症、神経性大食症、むちゃ食い障害などを含む(メルクマニュアル第18版)。あるいはDSM-IV-TRで規定する「摂食障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:神経性無食欲症、神経性大食症、特定不能の摂食障害。あるいはICD-10で規定する「生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群」に属する「摂食障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:神経性無食欲症、非定型神経性無食欲症、神経性過食[大食]症、非定型神経性過食[大食]症、他の心理的障害と関連した過食、他の心理的障害と関連した嘔吐、他の摂食障害、摂食障害・特定不能のもの。
本発明において「脳血管障害後の精神疾患」とは、脳血管障害の後に生じる全ての精神疾患を含む。前記脳血管障害は、虚血性脳卒中、脳内出血またはくも膜下出血などの脳血管に生じる障害全てを含む。本発明の脳血管障害後の精神疾患には、DSM-IV-TRで規定する「一般的身体疾患による精神疾患」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:脳血管障害によるせん妄、脳血管障害による認知症、脳血管障害による健忘性障害、脳血管障害による精神病性障害、脳血管障害による気分障害、脳血管障害による不安障害、脳血管障害による性機能不全、脳血管障害による睡眠障害、脳血管障害による緊張病性障害、脳血管障害によるパーソナリティ変化、脳血管障害による特定不能の精神疾患。あるいはICD-10で規定する「症状性を含む器質性精神障害」に属する「脳損傷、脳機能不全および身体疾患による他の精神障害」または「脳疾患、脳損傷および脳機能不全によるパーソナリティおよび行動の障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:器質性幻覚症、器質性緊張病性症状、器質性妄想性[統合失調様]障害、器質性気分[感情]障害、器質性不安障害、器質性解離性障害、器質性情緒不安定性[無力性]障害、軽度認知障害、脳機能不全による他に特定される精神障害、脳機能不全による特定不能の精神障害、器質性パーソナリティ障害、脳機能不全による他の器質性のパーソナリティおよび行動の障害、脳機能不全による特定不能の器質性のパーソナリティおよび行動の障害。
本発明において「頭部外傷後の精神疾患」とは、頭部の外傷後に生じる全ての精神疾患を含む。頭部の外傷は、開放性損傷であっても閉鎖性損傷であってもよい。頭部の外傷後に生じる精神疾患であれば、頭部の外傷との因果関係が明確に示されるか否かを問わない。本発明の頭部外傷後の精神疾患には、DSM-IV-TRで規定する「一般的身体疾患による精神疾患」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:頭部外傷によるせん妄、頭部外傷による認知症、頭部外傷による健忘性障害、頭部外傷による精神病性障害、頭部外傷による気分障害、頭部外傷による不安障害、頭部外傷による性機能不全、頭部外傷による睡眠障害、頭部外傷による緊張病性障害、頭部外傷によるパーソナリティ変化、頭部外傷による特定不能の精神疾患。あるいはICD-10で規定する「症状性を含む器質性精神障害」に属する「脳損傷、脳機能不全および身体疾患による他の精神障害」または「脳疾患、脳損傷および脳機能不全によるパーソナリティおよび行動の障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:器質性幻覚症、器質性緊張病性症状、器質性妄想性[統合失調様]障害、器質性気分[感情]障害、器質性不安障害、器質性解離性障害、器質性情緒不安定性[無力性]障害、軽度認知障害、脳損傷および脳機能不全による他に特定される精神障害、脳損傷および脳機能不全による特定不能の精神障害、器質性パーソナリティ障害、脳損傷および脳機能不全による他の器質性のパーソナリティおよび行動の障害、脳損傷および脳機能不全による特定不能の器質性のパーソナリティおよび行動の障害。
また別の態様において、本発明の医薬組成物は、認知症治療薬の有効成分と組み合わせることにより、当該有効成分の認知症治療効果を増強することができる。本発明の医薬組成物と組み合わせることができる有効成分は認知症の治療に用いられるものであれば特に限定されない。一例を挙げると、アルツハイマー型認知症の治療薬に含まれる有効成分、例えばドネペジル塩酸塩などであってもよく、脳循環改善薬に含まれる有効成分、例えば酒石酸イフェンプロジル、イブジラストおよびニセルゴリンなど、または脳代謝改善薬に含まれる有効成分、例えばアマンタジン塩酸塩などであってもよい。前記認知症治療薬の有効成分は、本発明の医薬組成物の成分として含まれていてもよく、あるいは本発明の医薬組成物とは別の医薬組成物として調剤されているものであってもよい。そのような認知症治療薬の有効成分の選択、用量設定および投与計画などは、本技術分野における当業者の技術常識の範囲内に含まれる。
本発明において「認知症」とは、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体認知症、前頭側頭型認知症およびHIV関連認知症などを含む(メルクマニュアル第18版)。あるいはDSM-IV-TRで規定する「せん妄、認知症、健忘性障害、および他の認知障害」に属する「認知症」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:アルツハイマー型認知症、血管性認知症、他の一般的疾患による認知症。あるいはICD-10で規定する「症状性を含む器質性精神障害」に分類される次のような疾患名または障害名のものも含む:アルツハイマー病型認知症、血管性認知症、他に分類されるその他の疾患の認知症、特定不能の認知症。また臨床現場で認知症の診断に用いられる診断基準または評価方法としては、例えば改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)などが挙げられる。
本発明において、治療上「効果がある」または「有効である」とは、対象となる精神疾患または精神障害に特徴的な症状の1つ以上について主観的もしくは客観的に軽減または消失が認められることを意味し得る。客観的に認められるとは、臨床現場で対象疾患または障害の診断に用いることのできる診断基準や評価尺度の指標により前記疾患または障害の改善の事実が認められることであってもよく、あるいは家族、主治医または周囲の人間といった第三者からみて前記疾患または障害に特徴的な症状の1つ以上に軽減や消失などの改善が認められることであってもよい。
本発明において、予防上「効果がある」または「有効である」とは、対象の前記疾患または障害の罹患が予測され得る状況で本発明の医薬組成物を投与することにより、前記疾患または障害の罹患で予測されうる少なくとも1以上の症状が発症しないか、またはその重症度もしくは進行が抑制されることを意味し得る。前記疾患または障害の罹患の予測は、遺伝子検査やCTまたはMRIなどの検査といった医学的検査の結果に基づくものであっても、環境変化や薬物療法の開始など医学的考察に基づくものであってもよい。
本発明の医薬組成物は、有効成分として、フェルラ酸、そのエステル、それらの薬理学的に許容される塩およびそれらの薬理学的に許容される溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む。本発明のフェルラ酸のエステルとしては、フェルラ酸の水酸基およびカルボキシル基の一方または双方が脂肪族若しくは芳香族アルコールまたは脂肪族若しくは芳香族カルボン酸でエステル化されて得られるモノエステルまたはジエステルを含む。フェルラ酸およびそのエステルの薬理学的に許容される塩としては本技術分野で通常用いられるもの、例えば塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩などの無機塩類であってもよく、マレイン酸塩、フマル酸塩、スルホン酸塩などの有機塩類であってもよい。それらの薬理学的に許容される溶媒和物としては本技術分野で通常用いられるもの、例えば水、アルコール類またはエーテル類との溶媒和物などが挙げられる。フェルラ酸、そのエステル、それらの薬理学的に許容される塩およびそれらの薬理学的に許容される溶媒和物からなる群より選択されるいずれの化合物も用いることができるが、中でもフェルラ酸、その薬理学的に許容される塩またはそれらの薬理学的に許容される溶媒和物が好ましい。フェルラ酸、そのエステル、それらの薬理学的に許容される塩およびそれらの薬理学的に許容される溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物は、いずれかの植物または種子から抽出・精製されたものであってもよく、あるいは化学的に合成されたものであってもよい。植物から抽出・精製されたものとしては米ぬか由来のものが好ましく、そのような米ぬか由来のフェルラ酸としては、例えば築野食品工業株式会社のフェルデックス(商標)が挙げられる(特公平7−78032号公報)。化学的な合成方法としては、例えばバニリンとマロン酸の縮合反応による方法が知られている(Journal of American Chemical Society, 74, 5346(1952))。
本発明の医薬組成物は、いずれの投与方法でも用いることができるが、中でも経口投与が特に好ましい。
本発明の医薬組成物は、いずれの剤型でも用いることができるが、経口投与が可能な剤型、例えば散剤、顆粒剤、カプセル剤(ハードカプセルまたはソフトカプセル)、錠剤、丸剤、トローチ剤、液剤、エアゾール剤、エリキシル剤、シロップ剤といった剤型であるのが特に好ましい。
本発明の医薬組成物は、フェルラ酸、そのエステル、それらの薬理学的に許容される塩およびそれらの薬理学的に許容される溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物に加えて、製剤学的および薬理学的に許容される添加物を1つ以上含むこともできる。製剤学的および薬理学的に許容される添加物としては、例えば担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、助剤、溶媒、甘味剤などが挙げられる。そのような添加物の選択や用量設定は、本技術分野における当業者の技術常識の範囲内に含まれる。
本発明の医薬組成物は、成人の1日あたりの用量がフェルラ酸に換算して5mg〜600mgとなるように処方するのが好ましい。より好ましくは、1日あたりの用量がフェルラ酸に換算して30mg〜400mg、最も好ましくは1日あたりの用量がフェルラ酸に換算して50mg〜250mgである。
本発明の医薬組成物は、1日のうちいつ投与してもよいが、朝1回または朝夜2回の投与が好ましい。
本発明の医薬組成物は、2〜3日の投与で治療上または予防上の効果が認められ得るが、継続して1週間以上、反復的に投与するのが好ましい。
本発明の医薬組成物の最適な用量および投与計画は、個々の患者の状態、例えば年齢、体重、性別、疾患または障害の種類または重症度、症状などに応じて、当業者が適宜決定することができる。そのような決定は、本技術分野における当業者の技術常識の範囲内に含まれる。
また本発明の医薬組成物は、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または脳外傷後の精神障害を治療または予防するために用いられる1以上の他の有効成分と組み合わせて用いることもできる。前記他の有効成分は、発達障害、統合失調症、気分障害、摂食障害、脳血管障害後の精神疾患または脳外傷後の精神障害を治療または予防するために用いられる有効成分であれば特に限定されない。前記他の有効成分は、本発明の医薬組成物の成分として含まれてもよく、あるいは本発明の医薬組成物とは別の医薬組成物として調剤されているものであってもよい。そのような他の有効成分の選択、用量設定および投与計画などは、本技術分野における当業者の技術常識の範囲内に含まれる。
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1:発達障害の症例1]
注意欠陥/多動性障害(AD/HD)と診断されている20歳女性の症例である。具体的な症状としては、勉強や作業に集中しにくい、集中が途切れやすい、ケアレスミスによる成績の低下がみられた。高校生の頃はメチルフェニデート塩酸塩すなわちリタリン(登録商標)およびコンサータ(登録商標)を用いて治療していた。リタリンの投与では、ケアレスミスが減って学業成績は向上したが、一定時間の過集中の後に急激に虚脱状態となり更に抑うつ状態に陥るといった、限定的な効果と副作用とがみとめられた。コンサータの投与でも、ケアレスミスが減って学業成績は向上したが、リタリンよりも過集中の継続時間が長くなるが今度は疲労感が蓄積して抑うつ状態に陥り、リタリン同様に限定的な効果と副作用とがみとめられた。18歳になって年齢制限によりコンサータの使用が認められなくなって以降の約2年3ヶ月は薬物治療を行わなかった。
そこで、フェルラ酸50mg/日を朝1回経口投与した。投与開始後3日目からは、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の改善を自覚することができた。具体的には、適度に集中力が向上し、落ち着いて勉強や作業に取り組めるようになりケアレスミスも減った。物事の優先順位を決められるようになり、作業の段取りや判断力が向上した。リタリンやコンサータとは違って過集中が起こらず、抑うつ状態などの副作用もみられなかった。同量のフェルラ酸の投与を続けて約2ヶ月後も良好な状態が継続している。また、他のいかなる副作用も認められなかった。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が発達障害に対して単独で副作用を伴わずに明確な治療効果を発揮したことが示された。
[実施例2:発達障害の症例2]
22歳女性の症例である。ウィリアムズ症候群に由来する知的障害、学習障害、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)などの発達障害の症状がみとめられた。ビネー式知能検査で測定された知能指数は40程度であった。また、発達障害の症状に由来する周囲の人間への反抗的な態度もみられた。
そこで、フェルラ酸50mg/日を朝1回経口投与した。投与開始後3日目から、主観的にも客観的にも発達障害の症状の改善がみとめられた。具体的には、頭の中での情報の整理がスムーズになり、判断力およびや予測力の向上がみられた。それに伴って反抗的な態度が激減して同意が増え、感情的に穏やかであることが多くなった。同量のフェルラ酸の投与を続けて約1ヶ月半後も良好な状態が継続している。また、いかなる副作用も認められなかった。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が複合的な発達障害に対して単独で副作用を伴わずに明確な治療効果を発揮したことが示された。
[実施例3:発達障害の症例3]
17歳男性の症例である。重度の新生児仮死に由来する軽度知的障害、学習障害、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)などの発達障害の症状がみとめられた。特に、時間の認識が苦手で計画的に行動できない、会話における返答が遅いといった症状がみられた。
そこで、フェルラ酸50mg/日を朝1回経口投与した。投与開始後1週間から、主観的にも客観的にも発達障害の症状の改善がみとめられた。具体的には、時間の認識力が向上し、計画的に行動できるようになった。また、判断力および予測力の向上もみられ、会話における返答の早さも改善した。同量のフェルラ酸の投与を続けて約1ヶ月半後も良好な状態が継続している。また、いかなる副作用も認められなかった。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が複合的な発達障害に対して単独で副作用を伴わずに明確な治療効果を発揮したことが示された。
[実施例4:統合失調症の症例1]
49歳男性の症例である。21歳で統合失調症を発症し、これまでに7回の入退院を繰り返しており、約4年5ヶ月前より本外来で治療中である。本外来での治療開始以前から統合失調症に用いられる様々な治療薬を最大投与量まで投与しており、陽性症状は消失していたが、強い陰性症状が継続して認められていた。よって、エビリファイ(登録商標)すなわちアリピプラゾール(大塚製薬株式会社)を30mg/日(最大投与量)まで増量して投与したが陰性症状は改善しなかった。続いてロナセン(登録商標)すなわちブロナンセリン(大日本住友製薬株式会社)に変えて24mg/日(最大投与量)まで増量して投与したが、やはり陰性症状は改善しなかった。具体的な陰性症状としては、思路の迂遠、意欲の低下、無為が目立って認められた。
そこで、エビリファイ12mg/日に加えてフェルラ酸180mg/日を朝1回経口投与した。投与開始から1週間で、自覚的(主観的)にも他覚的(客観的)にも陰性症状の改善が認められた。統合失調症のための陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)によると、フェルラ酸投与前は陰性尺度が36点であったが、フェルラ酸投与後には陰性尺度が16点になるまで陰性症状が改善した。具体的には、思路が明確となり、意欲が沸き、ハローワークへ通うなど就業への意欲および活動も出てきた。同量のフェルラ酸の投与を続けて2ヶ月後も陰性症状について良好な状態が継続しており、陽性症状も出現していない。また、いかなる副作用も認められなかった。男性の家族も、男性が統合失調症を発症して以来、フェルラ酸投与中の現在が最も病状が改善していると感じている。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が副作用を伴わずに統合失調症に対して明確な治療効果を発揮したことが示された。
[実施例5:統合失調症の症例2]
37歳の女性の症例である。23歳で統合失調症と診断され、これまでに2回の入退院を繰り返している。2年半前から本外来で治療を開始して、陽性症状は消失している。しかし陰性症状が継続しており、思路のまとまりの悪さが目立ち、抽象的思考が殆ど出来なかった。第三者との会話は、紋切り型の返答しかできず、1〜2分しか続けられなかった。これまでに日本に存在する非定型抗精神病薬、具体的にはセロクエル(登録商標)すなわちクエチアピンフマル酸塩(アステラス製薬株式会社)300mg/日、アリピプラゾール30mg/日、リスパダール(登録商標)すなわちリスペリドン(ヤンセンファーマ株式会社)6mg/日またはジプレキサ(登録商標)すなわちオランザピン(日本イーライリリー株式会社)10mg/日のいずれの投与でも、その陰性症状は改善しなかった。続いてリスパダール4mg/日とエビリファイ12mg/日とウインタミン(登録商標)すなわちクロルプロマジン塩酸塩(塩野義製薬株式会社)25mg/日とデパス(登録商標)すなわちエチゾラム(田辺三菱製薬株式会社)2mg/日とを併用したが、やはり陰性症状は改善しなかった。
そこで、これら4つの治療薬に加えてフェルラ酸100mg/日を朝1回経口投与した。投与開始から1週間で陰性症状の改善が認められた。統合失調症のための陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)によると、フェルラ酸投与前は陰性尺度が34点であったが、フェルラ酸投与後には陰性尺度が16点になるまで陰性症状が改善した。具体的には、見違える様に生気が出て、意欲の改善が認められた。また抽象的な思考もできるようになり、第三者とも会話を続けることができるようになった。同量のフェルラ酸の投与を続けて2ヶ月後も陰性症状について良好な状態が継続しており、陽性症状も出現していない。また、いかなる副作用も認められなかった。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が副作用を伴わずに統合失調症に対して明確な治療効果を発揮したことが示された。
[実施例6:気分障害の症例1]
38歳主婦の女性の症例である。精神科の外来の受診3ヶ月前からうつ状態を発症していた。具体的な症状としては胸部圧迫感、気分の落ち込み、不安感および不眠が目立ち、大うつ病性障害であると診断した。精神科受診時のモントゴメリー/アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)は24点であった。プロザック(登録商標)すなわち塩酸フルオキセチン(イーライリリー・アンド・カンパニー)60mg/日を投与して、約10ヶ月間でMADRSが18点まで改善した。その後の2ヶ月間はプロザックを40mg/日とリボトリール1.5mg/日とを併用して経過を観察していたが、うつ状態は続いていた。
そこで、40mg/日のプロザックに加えてフェルラ酸150mg/日を朝1回経口投与した。投与開始から3日後にはうつ症状の改善が自覚された。具体的には、胸部圧迫感の解消、気分の落ち込みの軽減、不安感の軽減、睡眠の改善および意欲の向上が認められた。フェルラ酸の投与開始から2週間後にはMADRSが8点になるまでにうつ状態が改善した。その後プロザックを半量(20mg/日)に減らすと同時に同量のフェルラ酸の投与を続けて、2ヶ月後もうつ状態の改善について良好な状態が継続している。また、いかなる副作用も認められなかった。尚、大うつ病の発症以降に環境の変化はなかった。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が副作用を伴わずに気分障害に対して明確な治療効果を発揮したことが示された。
[実施例7:気分障害の症例2]
34歳会社員総合職の女性の症例である。注意力低下、集中力低下、意欲低下、仕事でのミスの増加、記憶力低下、睡眠障害、希死念慮を理由に精神科の外来を受診し、DSM-IV-TRにより大うつ病性障害と診断した。他にも原因不明の頭痛や腹痛がみられた。プロザックを20mg/日から投与開始し、60mg/日にまで増量した。睡眠障害治療薬および抗不安薬、例えばメディピース(登録商標)すなわちエチゾラム(沢井製薬株式会社)0.5mg/日、マイスリー(登録商標)すなわちゾルピデム酒石酸塩(アステラス製薬株式会社)10mg/日、クアゼパム15mg/日、レキソタン(登録商標)すなわちブロマゼパム(エーザイ株式会社)2mg/日、リボトリール(登録商標)すなわちクロナゼパム(中外製薬株式会社)1mg/日、必要に応じてエビリファイ3ml/回などを併用して経過を観察していたが、病状は改善しなかった。その間に2回の休職を経験するなど治療開始から約3年7ヶ月間遷延したうつ状態が継続していた。
そこで、60mg/日のプロザックと上記睡眠障害治療薬などとに加えてフェルラ酸150mg/日を朝1回経口投与した。フェルラ酸投与開始時点でのMADRSは26点であった。フェルラ酸投与後2日目からうつ状態の改善が自覚され、投与開始から2週間後には思考速度、判断力および意欲が著しく向上し、MADRSが8点になるまでにうつ状態が改善した。本人も家族も急な回復に驚くほどであり、いかなる副作用も認められなかった。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が気分障害に対して副作用を伴うことなく明確な治療効果を発揮したことが示された。
[実施例8:気分障害および認知症の症例]
68歳主婦の女性の症例である。約10年前からうつ病性障害を患い、さらには認知症も併発していた。このため、長年にわたりアリセプト(登録商標)すなわち塩酸ドネペジル(エーザイ株式会社)を含む複数の治療薬を併用していたが、うつ状態にも認知症にも改善がみとめられなかった。
そこで、それまで投与している複数の治療薬に加えてフェルラ酸50mg/日を朝1回経口投与した。投与開始から1ヶ月後にはうつ状態の明確な改善がみられた。具体的には、記憶障害が改善し、抽象的思考や判断力の向上がみられた。歩行機能といった運動機能も改善がみられた。また、会話が増えて明るくなり、活動的になった。同量のフェルラ酸の投与を続けて、2ヶ月後もうつ状態の改善について良好な状態が継続している。また、いかなる副作用も認められなかった。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が気分障害および認知症の複合罹患に対して副作用を伴うことなく治療効果および認知症治療薬の効果を増強したことが明確に示された。
[実施例9:認知症の症例1]
74歳女性の症例である。約半年前から記憶障害が始まり、その5ヶ月後には外出すると自宅へ帰ることが出来なくなるまでに記憶障害が悪化した。MRIによる検査を受けて、アルツハイマー型認知症であると診断された。この際、血管性認知症の所見は認められなかった。この時点において、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)による評価は12点であった。アリセプト3mg/日を2週間投与した後、5 mg/日に増量してさらに1ヶ月間投与したが、記憶障害の改善はみられなかった。
そこで、アリセプト5mg/日に加えて1日あたりフェルラ酸200mgを朝1回経口投与した。投与開始から1週間で短期記憶の改善がみられた。2週間後には毎日外出しても必ず自宅に帰ることが出来るようになった。フェルラ酸投与後に行った改訂長谷川式簡易知能評価スケールによる評価は20点であり、症状の明らかな改善が認められた。
同量のフェルラ酸の投与を続けて2ヶ月後も良好な状態が継続しており、記憶障害の程度も健常人と同程度にまで回復した。また、いかなる副作用も認められなかった。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が副作用を伴うことなく認知症治療薬の効果を増強したことが明確に示された。
[実施例10:認知症の症例2]
79歳男性の症例である。1年前から認知症の兆候があり、6ヶ月前から認知症の進行速度が速まった。3ヶ月後には日常生活に支障が出る程に記憶障害がひどくなった。具体的には、朝食を取ったことを覚えていないといった短期記憶障害すなわち記銘力障害と、息子や娘の名前が出てこないといった長期記憶障害との両方が認められた。この時点において、改訂長谷川式簡易知能評価スケールによる評価は16点であった。塩酸ドネペジル(アリセプト(登録商標)、エーザイ株式会社)を3mg/日で2週間投与した後、5mg/日に増量してさらに1ヶ月間投与したが、症状の改善はみられなかった。
そこで塩酸ドネペジル5mg/日に加えて1日あたりフェルラ酸200mgを朝1回経口投与したところ、投与5日目から短期記憶の改善がみられた。フェルラ酸投与後に行った改訂長谷川式簡易知能評価スケールによる評価は22点であり、症状の明らかな改善が認められた。同量のフェルラ酸の投与を続けて1ヶ月半後も良好な状態が継続しており、記憶障害の程度も健常人と同程度にまで回復した。また、いかなる副作用も認められなかった。
これらの知見から、本発明の医薬組成物が副作用を伴うことなく認知症治療薬の効果を増強したことが明確に示された。
[実施例11:発達障害の症例4]
53歳女性の症例である。精神発達遅滞を伴わない発達障害であり、具体的に、仕事上で、出来る事と出来ない事の差が極端、二つ以上の事がこなせない(生活上の事でも同じ)、よく忘れる、時間の流れがつかみにくい、何かを説明するのが困難、物事が記憶にとどまりにくい、資料をまとめたりすることが大変、文章を理解出来ない時がある等の症状を訴えた。これらの症状が原因で、今まで一度も同じ職場に長く勤められたことがなかった。注意欠陥/多動性障害(AD/HD)と学習障害を伴う発達障害と診断された。
そこでフェルラ酸を1日50mg投与したところ、副作用は出現せず、2〜3日で効果が現れ7日後には問題症状のすべてが改善して、本人は初めて普通の人間になったと感じた。最終的に、フェルラ酸を1日100mg服用した。その後職業訓練校に入学し無事終了でき、就職にも成功して、常勤の勤務についている。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が複合的な発達障害に対して単独で副作用を伴わずに明確な治療効果を発揮したことが示された。
[実施例12:発達障害の症例5]
10歳男性の症例である。1年前の検査では知能年齢は4.0歳だった。とても不器用で、読解力、表現力共に低く、集団の中に入ることも出来なかった。精神発達遅滞、学習障害、運動能力障害(協調運動障害)、コミュニケーション障害を合併した発達障害と診断された。
そこでフェルラ酸を1日50mg投与したところ、まったく出来なかった縄跳びも、服用後1週間で、連続30回出来るようになった。更に2週間後には劇で役を演じることもできるようになった。フェルラ酸の投与を続けるうちに、学習面でやる気が起きた。できなかった水泳も可能になり、更に音楽会にも参加できるまでになった。2ヶ月後には描く絵が複雑さを増し、10ヶ月後、言語の理解力も顕著に向上してきた。更に1年後には、知能テストで知能年齢が7.5歳と改善し、知能を上げる効果が確認された。それまでの薬では副作用があったが、フェルラ酸では副作用なしに著しい改善が見られ、現在学校生活を送っている。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が複合的な発達障害に対して単独で副作用を伴わずに明確な治療効果を発揮したことが示された。特に、精神発達遅滞、協調運動障害、コミュニケーション障害を合併した発達障害に対し、知能、運動能力、コミュニケーションの改善効果が得られることが確認された。
[実施例13:発達障害の症例6]
37歳男性の症例である。結婚して1年経過した頃、妻が夫との感情の交流ができないこと、日常生活がどこかおかしいこと、小さな事故が沢山起こることに気づき、インターネットで調べてアスペルガー症候群ではないかと疑い、夫と共に精神科を受診した。本人には、妻の指摘が殆ど理解できないようだった。精神状態を評価した結果、アスペルガー症候群と診断できた。
そこで、フェルラ酸を1日75mg投与したところ、2週間後の来院では、夫婦の会話での交流が、格段によくなったと妻が報告した。又、日常生活も不自然さが改善され、不注意もなくなっていた。副作用はなかった。
これらの所見から、本発明の医薬組成物が発達障害に対して単独で副作用を伴わずに明確な治療効果を発揮したことが示された。
[実施例14:発達障害の症例7]
うつ病の背景に発達障害が認められた38歳男性会社員の症例である。会社では経理を担当していた。個人的に属するサークルの会計責任者になっている時に、会計の一部が不明となり、本人の責任と叱責され、その頃からうつが発症し、精神科を受診した。様々な抗うつ薬の最大量を投与しても、ある程度の改善しか見られなかった。
部屋はサークルの会計の伝票、領収書の控え等が散乱し、片付けることも、処理することもできなかった。6ヶ月間の抗うつ薬の治療と休職で、ある程度うつは改善したが、復職は到底無理であった。休職前の本人の精神状態を精査すると、発達障害の存在が示された。
そこで、その時に服用していた抗うつ薬に加え、フェルラ酸の投与を1日50mgから始め、1ヶ月後には1日150mg投与したところ、2週間経った時点で、うつ状態が改善してきた。2ヶ月後復職し、その後、1年にわたって勤務ができている。更に、抗うつ薬の服用量も大幅に少なくできている。
これらの所見から、本発明の医薬組成物がうつ病およびその背景にある発達障害の複合罹患に対して副作用を伴うことなく治療効果および抗うつ薬の効果を増強したことが明確に示された。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。本国際出願は、2010年12月26日に出願された日本国特許出願2010−289036号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容をここに援用する。

Claims (7)

  1. フェルラ酸、そのエステル、それらの薬理学的に許容される塩およびそれらの薬理学的に許容される溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物のみからなる有効成分含む、発達障害を治療または予防するための医薬組成物。
  2. 有効成分がフェルラ酸、その薬理学的に許容される塩またはそれらの薬理学的に許容される溶媒和物である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 経口投与用の剤型である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 有効成分の成人1日あたりの用量がフェルラ酸に換算して5mg〜600mgであり、軽度認知症若しくは学習障害を伴うか又はうつ病の背景にある複合的な発達障害を患う被験者のための、請求項1〜3の何れか一項に記載の医薬組成物。
  5. 発達障害における知能障害に対する知能改善に用いられる請求項1〜3の何れか一項に記載の医薬組成物。
  6. 発達障害に伴う運動能力障害に対する運動能力改善に用いられる請求項1〜3の何れか一項に記載の医薬組成物。
  7. 軽度認知症若しくは学習障害を伴うか又はうつ病の背景にある複合的な発達障害を治療または予防するための医薬組成物であって、前記いずれかの症状を緩和するための他の有効成分と組み合わせて用いられる、請求項1〜6の何れか一項に記載の医薬組成物。
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JPN6015004018; メルクマニュアル 第18版 日本語版 , 2006, p.2638-2641 *
JPN6015004020; 実験医学 Vol.28, No.5(増刊), 201003, p.823-829 *

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