JP5803526B2 - 自動車用冷凍システム、及び、自動車用温調システム - Google Patents
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Description
本発明の第8観点に係る自動車用温調システムは、第1観点から第7観点のいずれかの自動車用冷凍システムと、電装品冷却システムと、協調熱交換器と、を備える。電装品冷却システムは、電装品冷却回路を有する。電装品冷却回路は、ポンプと、放熱器と、冷却器と、を含む。放熱器は、流体を冷却する。冷却器は、流体と電装品との間で熱交換を行わせることで、電装品を冷却する。協調熱交換器は、第2内気用熱交換器から流出した冷媒と、冷却器から流出した冷媒とを熱交換させる。
以下に、本発明の第1実施形態に係る自動車用冷凍システム10について説明する。
自動車用冷凍システム10は、車内の空調を行うための空調装置と、制御装置60とを備えている。空調装置は、空調用冷媒回路20を有している。制御装置60は、空調装置の備える各種機器を制御するための装置である。この自動車用冷凍システム10では、制御装置60が空調装置の備える各種機器を制御することで、車内の空調(冷房、暖房、及び、暖房除湿等)が行われる。
(2−1)空調装置の構成
空調装置の備える空調用冷媒回路20は、図1に示すように、主に、圧縮機80と、四路切替弁81と、外気用熱交換器82と、第1内気用熱交換器85と、第2内気用熱交換器86と、を含む蒸気圧縮式の冷媒回路である。また、空調用冷媒回路20は、分岐部28を含む。分岐部28とは、空調用冷媒回路20において、主冷媒回路21から空調側分岐配管22が分岐している部分のことである。
制御装置60は、図4に示すように、空調装置の有する各種機器と接続されており、車内の空調を行うために各種機器の動作制御を行う。より詳しくは、制御装置60は、空調用制御弁83及び制御弁87aの弁開度や内ファン84の回転数を調整する制御を行うことで、第1内気用熱交換器85及び第2内気用熱交換器86における熱交換量を制御する。
次に、車内の空調として冷房が行われている場合、及び、暖房除湿が行われている場合における制御装置60による各種機器の制御動作について説明する。
図2は、空調用冷媒回路20の概略図であって、図2中の矢印は、車内冷房時の空調用冷媒回路20における冷媒の流れを示している。
図3は、空調用冷媒回路20の概略図であって、図3中の矢印は、車内暖房除湿時の空調用冷媒回路20における冷媒の流れを示している。
(4−1)
従来より、車内の空調を行うための自動車用冷凍システムが提案されている。また、このような自動車用冷凍システムには、車内の暖房時に車窓が曇るおそれを低減するために、内気用熱交換器を2つ設けて、一方を凝縮器として機能させ、他方を蒸発器として機能させることで、暖房と同時に除湿を行うものがある。
本実施形態では、制御装置60によって、空調用制御弁83及び制御弁87aの弁開度を調整する制御が行われることで、第1内気用熱交換器85及び第2内気用熱交換器86における熱交換量が制御されている。このため、簡易な構成で、第1内気用熱交換器85及び第2内気用熱交換器86における熱交換量を制御することができている。
本実施形態では、空調側分岐配管22は、一端が第1冷媒配管23に接続されており、他端が吸入側冷媒配管24に接続されている。このため、主冷媒回路21における冷媒の循環方向が変更されても、空調側分岐配管22には、第1冷媒配管23から圧縮機80の吸入側に向かって同一方向に冷媒が流れることになる。この結果、空調側分岐配管22に設けられている第2内気用熱交換器86には、一定方向に冷媒が流れる。
(5−1)変形例1A
上記実施形態では、空調用冷媒回路20において、制御弁87aが設けられていることで、車内冷房時に、第2内気用熱交換器86よりも第1内気用熱交換器85に向かって多くの冷媒が流れて、第1内気用熱交換器85を流れる冷媒の流量と、第2内気用熱交換器86を流れる冷媒の流量との割合が調整し難くなるおそれがある。
以下に、本発明の第2実施形態に係る自動車用冷凍システム210について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同様の構成の機器については、第1実施形態と同様の符号を付している。
自動車用冷凍システム210は、車内の空調を行うための空調装置と、制御装置260とを備えている。空調装置は、空調用冷媒回路220を有している。制御装置260は、空調装置の備える各種機器を制御するための装置である。この自動車用冷凍システム210では、制御装置260が空調装置の備える各種機器を制御することで、車内の空調(冷房、暖房、及び、除湿暖房等)が行われる。
(2−1)空調装置の構成
空調装置の備える空調用冷媒回路220は、図7に示すように、主に、第1圧縮機280aと、第2圧縮機280bと、四路切替弁81と、外気用熱交換器82と、第1内気用熱交換器85と、第2内気用熱交換器86と、を含む蒸気圧縮式の冷媒回路である。また、空調用冷媒回路220は、分岐部228を含む。分岐部228とは、空調用冷媒回路220において、主冷媒回路221から空調側分岐配管222が分岐している部分のことである。
制御装置260は、図8に示すように、空調装置の有する各種機器と接続されており、車内の空調を行うために各種機器の動作制御を行う。より詳しくは、制御装置260は、空調用制御弁83及び制御弁87aの弁開度や内ファン84の回転数を調整する制御を行うことで第1内気用熱交換器85及び第2内気用熱交換器86における熱交換量を制御する。
次に、車内の空調として冷房が行われている場合、及び、暖房除湿が行われている場合における制御装置260による各種機器の制御動作について説明する。
車内冷房時には、四路切替弁81が第1状態に切り替えられる。また、空調用制御弁83の弁開度は、第1内気用熱交換器85の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。一方で、制御弁87aの弁開度は、第2圧縮機280bの吸入過熱度が所定値となるように調整される、いわゆる過熱度制御が行われる。さらに、第1圧縮機280aの回転数は、車内の冷房能力又は除湿能力に応じて調整される。一方で、第2圧縮機280bの回転数は、第2圧縮機280bの吸入圧力が所定圧力となるように制御される。
車内冷房時には、四路切替弁81が第2状態に切り替えられる。また、空調用制御弁83の弁開度は、外気用熱交換器82の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。一方で、制御弁87aの弁開度は、第2圧縮機280bの吸入過熱度が所定値となるように調整される、いわゆる過熱度制御が行われる。さらに、第1圧縮機280aの回転数は、車内の暖房能力に応じて調整される。一方で、第2圧縮機280bの回転数は、第2圧縮機280bの吸入圧力が所定圧力となるように制御される。
(4−1)
本実施形態では、分岐部228において、空調側分岐配管222が主冷媒回路221から分岐している。このため、空調用冷媒回路220では、分岐部228において、第1内気用熱交換器85から流出した冷媒を、外気用熱交換器82と、第2内気用熱交換器86とに分岐させることができる。したがって、第1内気用熱交換器85を凝縮器として機能させ、第2内気用熱交換器86を蒸発器として機能させて車内の暖房除湿が行われる場合には、第2内気用熱交換器86に流れる冷媒の流量を調整することで、第2内気用熱交換器86における熱交換量を制御することができる。この結果、第1内気用熱交換器から流出した全ての冷媒が、第2内気用熱交換器に流れる場合と比較して、第2内気用熱交換器86における除湿量を制御しやすくすることができる。
本実施形態では、制御装置260によって、空調用制御弁83及び制御弁87aの弁開度を調整する制御が行われることで、第1内気用熱交換器85及び第2内気用熱交換器86における熱交換量が制御されている。このため、簡易な構成で、第1内気用熱交換器85及び第2内気用熱交換器86における熱交換量を制御することができている。
本実施形態では、空調側分岐配管222は、一端が第1冷媒配管223に接続されており、他端が第2圧縮機280bの吸入部に接続されている。このため、主冷媒回路221における冷媒の循環方向が変更されても、空調側分岐配管222には、第1冷媒配管223から第2圧縮機280bの吸入側に向かって同一方向に冷媒が流れることになる。この結果、空調側分岐配管222に設けられている第2内気用熱交換器86には、一定方向に冷媒が流れる。
本実施形態では、空調用冷媒回路220が、第1圧縮機280aと、第2圧縮機280bと、を備えている。また、第1圧縮機280aから吐出された冷媒は、第2圧縮機280bから吐出された冷媒と合流部229で合流して、四路切替弁81に至る。そして、第1圧縮機280aには、四路切替弁81を介して吸入側冷媒配管224を流れた冷媒が吸入される。一方で、第2圧縮機280bには、第2内気用熱交換器86を介して配管222aを流れた冷媒が吸入される。さらに、第1圧縮機280a及び第2圧縮機280bは独立して制御されている。このため、外気用熱交換器82、第1内気用熱交換器85及び第2内気用熱交換器86を流れた全ての冷媒が1つの圧縮機に吸入される場合と比較して、外気用熱交換器82、第1内気用熱交換器85及び第2内気用熱交換器86を流れる冷媒の流量について細かな制御が可能となっている。
本実施形態では、制御弁87aの弁開度が、第2圧縮機280bの吸入過熱度が所定値となるように調整されている。したがって、車内暖房除湿時には、外気温度に関係なく、制御弁87a弁開度を除湿能力に応じた開度に制御することができる。
以下に、本発明の第3実施形態に係る自動車用温調システム310について説明する。なお、第3実施形態では、第1実施形態と同様の構成の機器については、第1実施形態と同様の符号を付している。
自動車用温調システム310は、ハイブリッド車や電気自動車等のバッテリ70が走行用の電力源である車に用いられる温調システムであって、空調装置と、バッテリ70や電装品41の冷却を行うための冷却装置と、協調熱交換器50と、制御装置360と、を備えている。空調装置は、空調用冷媒回路320を有している。冷却装置は、電装品冷却回路30を有している。協調熱交換器50は、空調用冷媒回路320を流れる冷媒と電装品冷却回路30を流れる流体との間で熱交換を行わせる。制御装置360は、空調装置や冷却装置の備える各種機器を制御するための装置である。この自動車用温調システム310では、制御装置360が空調装置や冷却装置の備える各種機器を制御することで、車内の空調(冷房、暖房、及び、暖房除湿等)、バッテリ70の温調、及び、電装品41の冷却が行われる。なお、本実施形態では、電装品冷却回路30には、流体として水が循環しているものとする。
(2−1)空調装置の構成
空調装置の備える空調用冷媒回路320は、図9に示すように、主に、圧縮機80と、四路切替弁81と、外気用熱交換器82と、第1内気用熱交換器85と、第2内気用熱交換器86と、を含む蒸気圧縮式の冷媒回路である。また、空調用冷媒回路320は、分岐部328を含む。分岐部328とは、空調用冷媒回路320において、主冷媒回路321から第1空調側分岐配管322が分岐している部分のことである。第1空調側分岐配管322には、第2内気用熱交換器86が接続されている。また、空調用冷媒回路320は、第1空調側分岐配管322の他に、主冷媒回路321から分岐しており、協調熱交換器50が接続されている第2空調側分岐配管325を有する。
冷却装置の備える電装品冷却回路30は、図9に示すように、主に、ポンプ40と、バッテリ用熱交換器71と、冷却器42と、放熱器45と、を含む冷却回路である。また、電装品冷却回路30は、主冷却回路31と、主冷却回路31から分岐しており、協調熱交換器50が接続されている電装品側分岐配管32と、バッテリ用熱交換器71を迂回するように接続されるバイパス配管34と、を有する。
制御装置360は、図10に示すように、空調装置や冷却装置の有する各種機器と接続されており、車内の空調、バッテリ70の温調及び電装品41の冷却等を行うために各種機器の動作制御を行う。より詳しくは、制御装置360は、空調用制御弁83及び制御弁87aの弁開度や内ファン84の回転数を調整する制御を行うことで第1内気用熱交換器85及び第2内気用熱交換器86における熱交換量を制御したり、冷却器用制御弁44の弁開度を調整する制御を行うことで放熱器45における熱交換量を制御したり、弁72の弁開度を調整する制御を行うことで、バッテリ用熱交換器71における熱交換量を制御したり、調整弁43,389の弁開度を調整する制御を行うことで、協調熱交換器50における熱交換量を制御したりする。
次に、車内の空調として冷房が行われている場合、及び、暖房除湿が行われている場合における制御装置360による各種機器の制御動作について説明する。
車内冷房時には、四路切替弁81が第1状態に切り替えられる。また、圧縮機80の回転数は、車内の冷房能力又は除湿能力に応じて調整される。さらに、空調用制御弁83の弁開度は、第1内気用熱交換器85の出口側の過熱度が所定値となるように制御され、制御弁87aの弁開度は、第2内気用熱交換器86の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。また、冷却器用制御弁44の弁開度は全開となるように調整され、ポンプ40の出力は、冷却器42における冷却能力に応じて調整される。さらに、調整弁389の弁開度は、協調熱交換器50の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。一方、調整弁43の弁開度は、電装品41の冷却温度が所定温度以下となるように調整される。また、弁72の弁開度は、バッテリ70の冷却温度が所定範囲内に入るように調整される。
車内暖房除湿時には、四路切替弁81が第2状態に切り替えられる。また、圧縮機80の回転数は、車内の暖房能力に応じて調整される。さらに、空調用制御弁83の弁開度は、外気用熱交換器82の出口側の過熱度が所定値となるように制御され、制御弁87aの弁開度は、第2内気用熱交換器86の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。また、冷却器用制御弁44の弁開度は全閉となるように調整され、ポンプ40の出力は、冷却器42における冷却能力に応じて調整される。さらに、調整弁389の弁開度は、協調熱交換器50の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。一方、調整弁43の弁開度は、全開となるように調整される。また、弁72の弁開度は、バッテリ70の冷却温度が所定範囲内に入るように調整される。
(4−1)
本実施形態では、空調用冷媒回路320では、分岐部328において、第1空調側分岐配管322が主冷媒回路321から分岐している。このため、分岐部328において、第1内気用熱交換器85から流出した冷媒を、外気用熱交換器82と、第2内気用熱交換器86とに分岐させることができる。したがって、第1内気用熱交換器85を凝縮器として機能させ、第2内気用熱交換器86を蒸発器として機能させて車内の暖房除湿が行われる場合には、第2内気用熱交換器86に流れる冷媒の流量を調整することで、第2内気用熱交換器86における熱交換量を制御することができる。この結果、第1内気用熱交換器から流出した全ての冷媒が、第2内気用熱交換器に流れる場合と比較して、第2内気用熱交換器86における除湿量を制御しやすくすることができる。
本実施形態では、自動車用温調システム310が、空調装置と、冷却装置と、協調熱交換器50と、を備えている。そして、協調熱交換器50は、第2空調側分岐配管325を流れる冷媒(暖房除湿時には、第1内気用熱交換器85で凝縮した冷媒であり、冷房時には、外気用熱交換器82で凝縮した冷媒である)と、電装品側分岐配管32を流れる流体(冷却器42で電装品41から受熱した流体)と、を熱交換させている。このため、空調用冷媒回路320内を流れる冷媒の熱量を、電装品冷却回路30を流れる流体の冷却に利用することができる。したがって、協調熱交換器を備えていない自動車用温調システムと比較して、放熱器45が負担している熱交換量の一部を、協調熱交換器50に負担させることができる。これによって、電装品41の冷却能力を維持しつつ、放熱器45を必要最小限のサイズにすることができる。
本実施形態では、調整弁389の弁開度が調整されることで、協調熱交換器50に向かって流れる冷媒の流量が調整される。また、調整弁43の弁開度が調整されることで、協調熱交換器50に向かって流れる流体の流量が調整される。このため、この自動車用温調システム310では、調整弁43,389の弁開度を調整することで、協調熱交換器50における熱交換量を調整することができている。
(5−1)変形例3A
上記実施形態では、第1空調側分岐配管322及び第2空調側分岐配管325は、吸入側冷媒配管324に接続されている。
以下に、本発明の第4実施形態に係る自動車用温調システム510について説明する。なお、第4実施形態では、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態と同様の構成の機器については、各実施形態と同様の符号を付している。
自動車用温調システム510は、ハイブリッド車や電気自動車等のバッテリ70が走行用の電力源である車に用いられる温調システムであって、空調装置と、バッテリ70や電装品41の冷却を行うための冷却装置と、協調熱交換器50と、制御装置560と、を備えている。空調装置は、空調用冷媒回路520を有している。冷却装置は、電装品冷却回路30を有している。協調熱交換器50は、空調用冷媒回路520を流れる冷媒と電装品冷却回路30を流れる流体との間で熱交換を行わせる。制御装置560は、空調装置や冷却装置の備える各種機器を制御するための装置である。この自動車用温調システム510では、制御装置560が空調装置や冷却装置の備える各種機器を制御することで、車内の空調(冷房、暖房、及び、暖房除湿等)、バッテリ70の温調、及び、電装品41の冷却が行われる。なお、本実施形態では、電装品冷却回路30には、流体として水が循環しているものとする。
(2−1)空調装置の構成
空調装置の備える空調用冷媒回路520は、図12に示すように、主に、第1圧縮機280aと、第2圧縮機280bと、四路切替弁81と、外気用熱交換器82と、第1内気用熱交換器85と、第2内気用熱交換器86と、を含む蒸気圧縮式の冷媒回路である。また、空調用冷媒回路520は、分岐部528を含む。分岐部528とは、空調用冷媒回路520において、主冷媒回路521から空調側分岐配管522が分岐している部分のことである。
冷却装置の備える電装品冷却回路30は、図12に示すように、主に、ポンプ40と、バッテリ用熱交換器71と、冷却器42と、放熱器45と、を含む冷却回路である。また、電装品冷却回路30は、主冷却回路31と、主冷却回路31から分岐しており、協調熱交換器50が接続されている電装品側分岐配管32と、バッテリ用熱交換器71を迂回するように接続されるバイパス配管34と、を有する。なお、冷却装置の構成は、上記第3実施形態と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
制御装置560は、図13に示すように、空調装置や冷却装置の有する各種機器と接続されており、車内の空調、バッテリ70の温調、及び電装品41の冷却等を行うために各種機器の動作制御を行う。より詳しくは、制御装置560は、空調用制御弁83及び制御弁87aの弁開度や内ファン84の回転数を調整する制御を行うことで第1内気用熱交換器85や第2内気用熱交換器86における熱交換量を制御したり、冷却器用制御弁44の弁開度を調整する制御を行うことで放熱器45における熱交換量を制御したり、弁72の弁開度を調整する制御を行うことで、バッテリ用熱交換器71における熱交換量を制御したり、制御弁87aや調整弁43の弁開度を調整する制御を行うことで、協調熱交換器50における熱交換量を制御したりする。なお、制御装置560は、第1圧縮機280a及び第2圧縮機280bの駆動を個別に制御することができる。
次に、車内の空調として冷房が行われている場合、及び、暖房除湿が行われている場合における制御装置560による各種機器の制御動作について説明する。
車内冷房時には、四路切替弁81が第1状態に切り替えられる。また、空調用制御弁83の弁開度は、第1内気用熱交換器85の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。さらに、第1圧縮機280aの回転数は、車内の冷房能力又は除湿能力に応じて調整される。一方で、第2圧縮機280bの回転数は、第2圧縮機280bの吸入圧力が所定圧力となるように制御される。また、冷却器用制御弁44の弁開度は所定開度となるように調整され、ポンプ40の出力は、冷却器42における冷却能力に応じて調整される。さらに、制御弁87aの弁開度は、協調熱交換器50の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。一方、調整弁43の弁開度は、電装品41の冷却温度が所定温度以下となるように調整される。また、弁72の弁開度は、バッテリ70の冷却温度が所定範囲内に入るように調整される。
車内冷房時には、四路切替弁81が第2状態に切り替えられる。また、空調用制御弁83の弁開度は、外気用熱交換器82の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。さらに、第1圧縮機280aの回転数は、車内の暖房能力に応じて調整される。一方で、第2圧縮機280bの回転数は、第2圧縮機280bの吸入圧力が所定圧力となるように制御される。また、冷却器用制御弁44の弁開度は全閉となるように調整され、ポンプ40の出力は、冷却器42における冷却能力に応じて調整される。さらに、制御弁87aの弁開度は、協調熱交換器50の出口側の過熱度が所定値となるように制御される。一方、調整弁43の弁開度は、全開となるように調整される。また、弁72の弁開度は、バッテリ70の冷却温度が所定範囲内に入るように調整される。
(4−1)
本実施形態では、分岐部528において、空調側分岐配管522が主冷媒回路521から分岐している。このため、空調用冷媒回路520では、分岐部528において、第1内気用熱交換器85から流出した冷媒を、外気用熱交換器82と、第2内気用熱交換器86とに分岐させることができる。したがって、第1内気用熱交換器85を凝縮器として機能させ、第2内気用熱交換器86を蒸発器として機能させて車内の暖房除湿が行われる場合には、第2内気用熱交換器86に流れる冷媒の流量を調整することで、第2内気用熱交換器86における熱交換量を制御することができる。この結果、第1内気用熱交換器から流出した全ての冷媒が、第2内気用熱交換器に流れる場合と比較して、第2内気用熱交換器86における除湿量を制御しやすくすることができる。
本実施形態では、自動車用温調システム510が、空調装置と、冷却装置と、協調熱交換器50と、を備えている。そして、協調熱交換器50は、空調側分岐配管522を流れる冷媒(暖房除湿時及び冷房時のいずれの場合も、第2内気用熱交換器86から流出した冷媒であって、第2内気用熱交換器86において蒸発した冷媒)と、電装品側分岐配管32を流れる流体(冷却器42で電装品41から受熱した流体)と、を熱交換させている。このため、空調用冷媒回路520内を流れる冷媒の熱量を、電装品冷却回路30を流れる流体の冷却に利用することができる。したがって、協調熱交換器を備えていない自動車用温調システムと比較して、放熱器45が負担している熱交換量の一部を、協調熱交換器50に負担させることができる。これにより、電装品41の冷却能力を維持しつつ、放熱器45を必要最小限のサイズにすることができる。
本実施形態では、制御弁87aの弁開度が調整されることで、協調熱交換器50に向かって流れる冷媒の流量が調整される。また、調整弁43の弁開度が調整されることで、協調熱交換器50に向かって流れる流体の流量が調整される。このため、この自動車用温調システム510では、制御弁87a及び調整弁43の弁開度を調整することで、協調熱交換器50における熱交換量を調整することができている。
(5−1)変形例4A
上記実施形態では、電装品冷却回路30には、冷却器用制御弁44及び調整弁43が設けられている。これに代えて、図14に示すように、電装品冷却回路630において、冷却器42と放熱器45とを接続する冷却配管633からの電装品側分岐配管632の分岐部分に、流体の流量調整可能な三方弁643が設けられていてもよい。
30 電装品冷却回路
32 電装品側分岐配管(配管)
40 ポンプ
41 電装品
42 冷却器
43 調整弁(冷却回路側調整弁)
45 放熱器
50 協調熱交換器
80 圧縮機
81 四路切替弁
82 外気用熱交換器
83 空調用制御弁(膨張機構)
85 第1内気用熱交換器
86 第2内気用熱交換器
87a 制御弁(流量調整弁)
122 空調側分岐配管(第2冷媒配管)
123 第1冷媒配管
187 調整部
222a 配管(第2吸入側冷媒配管)
224 吸入側冷媒配管(第1吸入側冷媒配管)
229 合流部
280a 第1圧縮機
280b 第2圧縮機
322 第1空調側分岐配管(第2冷媒配管)
323 第1冷媒配管(第1冷媒配管)
325 第2空調側分岐配管(第3冷媒配管)
389 調整弁(冷媒回路側調整弁)
10,210 自動車用冷凍システム
60,260 制御装置
310,510 自動車用温調システム
Claims (10)
- 圧縮機(80)と、
外気と熱交換を行う外気用熱交換器(82)と、
冷媒を減圧することが可能な膨張機構(83)と、
車内の空調を行うための第1内気用熱交換器(85)と、
車内の空調を行うための第2内気用熱交換器(86)と、
前記第1内気用熱交換器から流出した冷媒を、前記外気用熱交換器と前記第2内気用熱交換器とに分岐させる分岐部(28)と、
前記分岐部を経由して前記第1内気用熱交換器と前記外気用熱交換器とを接続する第1冷媒配管(123)と、
前記分岐部で前記第1冷媒配管から分岐しており、前記第2内気用熱交換器に接続されている第2冷媒配管(122)と、
前記第2冷媒配管に設けられており、前記第2内気用熱交換器に流れる冷媒の流量を調整可能な流量調整弁(87a)と、
前記第1冷媒配管において前記分岐部と前記第1内気用熱交換器との間に設けられており、前記第1内気用熱交換器に流れる冷媒の流量と前記第2内気用熱交換器に流れる冷媒の流量とが予め所定の割合となるように前記第1内気用熱交換器に流れる冷媒の流量を調整する調整部(187)と、
前記第2内気用熱交換器に流れる冷媒の流量を調整可能な制御装置(60)と、
を備え、
前記調整部は、前記流量調整弁の弁開度が全開状態に調整されているときの圧力損失以上の圧力損失を生じさせる部材である、
自動車用冷凍システム(10)。 - 前記圧縮機から吐出した冷媒を前記外気用熱交換器に流す第1状態と、前記圧縮機から吐出した冷媒を前記第1内気用熱交換器に流す第2状態とに冷媒の流れる方向を切り替え可能な四路切替弁(81)を、更に備え、
前記制御装置は、前記四路切替弁が前記第1状態であるときに、前記第1内気用熱交換器及び前記第2内気用熱交換器に流れる冷媒の流量を調整可能である、
請求項1に記載の自動車用冷凍システム。 - 前記制御装置は、前記流量調整弁を制御することで、前記第2内気用熱交換器に流れる冷媒の流量を調整する、
請求項1又は2に記載の自動車用冷凍システム。 - 前記第2内気用熱交換器は、常に蒸発器として機能する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の自動車用冷凍システム。 - 前記圧縮機から吐出した冷媒を前記外気用熱交換器に流す第1状態と、前記圧縮機から吐出した冷媒を前記第1内気用熱交換器に流す第2状態とに冷媒の流れる方向を切替可能な四路切替弁(81)を備え、
前記四路切替弁の状態が前記第1状態及び前記第2状態のいずれの状態であっても、前記第2内気用熱交換器を流れる冷媒の方向は一定である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の自動車用冷凍システム。 - 前記圧縮機は、第1圧縮機(280a)と、前記第1圧縮機とは別の第2圧縮機(280b)と、を有し、
前記第1圧縮機の吐出部から吐出した冷媒と、前記第2圧縮機の吐出部から吐出した冷媒とを合流させる合流部(229)と、
前記合流部において合流した冷媒の流れる方向を切り替え可能な四路切替弁(81)と、
前記四路切替弁と前記第1圧縮機の吸入部とを接続する第1吸入側冷媒配管(224)と、
前記第2内気用熱交換器の冷媒の流出部と前記第2圧縮機の吸入部とを接続する第2吸入側冷媒配管(222a)と、
を備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の自動車用冷凍システム(210)。 - 前記制御装置は、前記第2圧縮機の吸入過熱度が所定値となるように前記流量調整弁を制御する、
請求項6に記載の自動車用冷凍システム。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の自動車用冷凍システムと、
ポンプ(40)と、流体を冷却する放熱器(45)と、流体と電装品(41)との間で熱交換を行わせることで前記電装品を冷却する冷却器(42)と、を含む電装品冷却回路(30)を有する電装品冷却システムと、
前記第2内気用熱交換器から流出した冷媒と、前記冷却器から流出した流体とを熱交換させる協調熱交換器(50)と、
を備える自動車用温調システム(510)。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の自動車用冷凍システムと、
ポンプ(40)と、流体を冷却する放熱器(45)と、流体と電装品(41)との間で熱交換を行わせることで前記電装品を冷却する冷却器(42)と、を含む電装品冷却回路(30)を有する電装品冷却システムと、
前記第1内気用熱交換器又は前記外気用熱交換器から流出した冷媒と、前記電装品冷却回路内を流れる流体との間で熱交換を行わせる協調熱交換器(50)と、
を備え、
前記自動車用冷凍システムは、
前記第1冷媒配管から分岐しており、前記協調熱交換器に接続されている前記第2冷媒配管とは別の第3冷媒配管(325)と、
を有し、
前記協調熱交換器は、前記第3冷媒配管を流れる冷媒と、前記冷却器から流出した流体とを熱交換させる、
自動車用温調システム(310)。 - 前記電装品冷却回路は、前記冷却器から流出した流体を前記協調熱交換器に流すための配管(32)を含み、
前記第3冷媒配管には、前記協調熱交換器に流れる冷媒の流量を調整可能な冷媒回路側調整弁(389)が設けられており、
前記配管には、前記協調熱交換器に流れる流体の流量を調整可能な冷却回路側調整弁(43)が設けられている、
請求項9に記載の自動車用温調システム。
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JP2011217493A JP5803526B2 (ja) | 2011-09-30 | 2011-09-30 | 自動車用冷凍システム、及び、自動車用温調システム |
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