以下に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採り得ることができ、各実施例に記載された内容の相違部分を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1に遊技盤8の正面図を示し、詳細に説明する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。尚、パチンコ機全体の正面図と裏面図は、従来技術と何ら変わり無いため説明は割愛する。
遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方には、7セグメントLED等の発光部材により構成される特別図柄表示装置29および普通図柄表示装置30が設けられている。
液晶枠飾り28の左右両側または左側には後述する普通図柄作動スイッチ32a(図2参照)を備える普通図柄作動ゲート32が設けられており、下側には後述する特別図柄始動スイッチ31a(図2参照)を備える普通電動役物31が設けられている。
普通電動役物31の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。
大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される特別図柄保留数表示装置29aが、右側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置30aが、各々設けられている。
また、大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b(図2参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート32に入球(普通図柄作動スイッチ32aにて遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置30で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド31b(図2参照)を駆動させる。
普通電役ソレノイド31bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物31の羽根部材が駆動して、普通電動役物31への入球率(特別図柄始動スイッチ31aでの検出率)が高まるように構成されている。
また、普通電動役物31に入球(特別図柄始動スイッチ31aにて遊技球を検出)すると、特別図柄と演出図柄表示装置54bの演出図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した特別図柄と演出図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図2参照)を駆動させる。
大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球率(カウントスイッチ33b(図2参照)での検出率)が高まるように構成されている。
尚、本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口33aを閉鎖した遊技と大入賞口33aを開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口33aを閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常確率状態(以下、通常状態)と、該通常状態に比べて遊技者にとって有利な状態となる高確率状態(以下、確率変動状態)とが存在する。確率変動状態は、通常状態と比較して、当否抽選による大当たり遊技への移行確率が高くなり、特別図柄と普通図柄の変動時間が短縮され、更に普通電動役物40の羽根部材の開放時間が長くなるので、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
続いて、図2にパチンコ機1の電気配線を示すブロック図を示し、詳細に説明する。尚、このブロック図には、煩雑になる電源回路に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には電源装置55から直接的または間接的に供給される構成となっている。
図2に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して普通電動役物31に入球した遊技球を検出する特別図柄始動スイッチ31aと、普通図柄作動ゲート32に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ32aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bと、裏配線中継端子板63を介して前面枠(図示せず)が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠(図示せず)が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bは、内部に電池(1次電池又は2次電池のいずれでも良い)を備えており、通常時(電源が供給され、且つ、電源スイッチ55aがON)は後述する裏配線中継端子板63から供給されるDC12Vで動作し、電源が供給されないとき(電源遮断又は電源スイッチOFF)には、電池の電源を利用して前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態を出力する構成となっている。
また、電池として1次電池を採用する場合には電池の消耗によって交換(電池のみ交換又はリミットスイッチを交換)することとなるが、2次電池を採用する場合には通常時に充電する構成とし、繰り返し利用可能に構成することが望ましい。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物31の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド31bと、図柄表示装置中継端子板64を介して特別図柄を表示する特別図柄表示装置29と、特別図柄の保留数を表示する特図保留数表示装置29aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置30と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置30aと、裏配線中継端子板63および外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51およびサブ統合装置53に出力する。
また、主制御装置50は、前面枠閉鎖スイッチ38又は意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bから前面枠又は意匠枠の閉鎖状態時に出力される検出信号が入力されることで、外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70に前面枠又は意匠枠が閉鎖状態にあることを示す信号(検出信号に準ずる信号)を出力するように構成されている。
ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンクまたはタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22aまたは23aと、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿13への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。
払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50および発射制御装置52に出力する。
ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
発射制御装置52の入力端には、発射を停止するための発射停止スイッチ19aと、発射ハンドル17に遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ20aと、が接続されている。
発射制御装置52の出力端には、遊技球を遊技領域26へ発射するための発射モータ36が接続されている。
発射制御装置52はCPU、ROM、RAMを備えず、IC等で構成されたデジタル回路であり、入力される各種検出信号ならびに払出制御装置51からの入力に基づいて発射モータ36の駆動を制御している。
サブ統合装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技ボタン14に配置された遊技スイッチ14aが接続されている。この遊技スイッチ14aは遊技ボタン14の操作を検出するが、遊技者による想定外の強打や乱打により、遊技スイッチ14aとサブ統合装置53との電気的接続が断線したり短絡したりする場合(遊技者にとっては遊技ボタン14の故障状態)が度々発生している。こういった状況を考慮して、サブ統合装置53は、遊技スイッチ14aとの電気的接続の断線や短絡の有無のチェックを行う回路を備えている。
尚、遊技ボタン14の故障には、電気的な故障以外にボタンの押下し機構の故障、例えば遊技ボタン14が押下しできないとか、押下した状態から元に戻らない等なども考えられるため、これらの故障状態を検出する装置を設けると更に好適となる。
サブ統合装置53の出力端には、意匠枠および遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠およびスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。
尚、サブ統合装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
尚、本実施例では、サブ統合装置53のRAMに記憶された遊技情報を電源断時に保持しない構成としているが、電源装置55からVBBを供給して記憶保持可能とし、復電時に記憶した遊技情報を元に電源断前の遊技を再開する構成としても何ら差し支えない。
また、サブ統合装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
例えば、遊技に伴う演出音声やエラー報知の一部(前面枠、意匠枠の枠開放/閉鎖報知など)の音声は、音量調節スイッチ10aの状態に応じて変更された音量でスピーカ10から出力され、その他のエラー報知(特殊報知など)は音量調節スイッチ10aの状態に関わらず予め設定された音量でスピーカ10から出力されるように構成することができる。
次に、主制御装置50が、メインルーチンとして行う各処理に従って、遊技機の動作を説明する。
図3に記すフローチャートは、主制御装置50のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2mS毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施形態では、S10〜S24までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS25、S26の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:NO)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S11)、残余処理に移行する。正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:YES)、図4に記載した様々な乱数についての更新処理が行なわれる。
S10の肯定判定後には、まず初期値乱数1の更新処理が実行される(S12)。この処理は、初期値乱数1の値について、この処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数1の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。S12の処理後には、初期値乱数2の更新処理が実行される(S13)。この処理はS12の処理と同様に初期値乱数2の値について、実行毎に+1するインクリメント処理である。違いは、初期値乱数1の最大値が「3966」であるのに対して初期値乱数2の最大値が「997」であるということである。よって、この処理を実行する前の初期値乱数2の乱数値が最大値である「997」のときは次回の処理で初期値である「0」に戻る。なお、詳細は後述するが初期値乱数1は大当り判定(特別図柄の抽選)に使用するものであり、初期値乱数2は当り判定(普通図柄の抽選)に使用するものである。
S13に続く大当り判定用乱数の更新処理(S14)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「3966」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数1の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数1の値を初期値とし「0」〜「3966」までの3967個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの整数値とすることは前記初期値乱数1と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、大当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの3967個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「3966」の3967個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
尚、図4に記載するように通常確率状態時の当選することとなる値の数は10で、値は「775」〜「777」、「1775」〜「1777」、「2774」〜「2777」であり、高確率状態時の当選することとなる値の数は100で、値は「775」〜「777」、「1314」〜「1333」、「1758」〜「1777」、「2758」〜「2777」、「3314」〜「3333」である。
S14に続く当り判定用乱数の更新処理(S15)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「996」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数2の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数2の値を初期値とし「0」〜「996」までの997個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの整数値とすることは前記初期値乱数2と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの997個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「996」の997個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
尚、図4に記載するように通常確率状態時の当選することとなる値の数は10で、値は「31」〜「40」であり、高確率状態時の当選することとなる値の数は966で、値は「31」〜「996」である。
続く大当り図柄決定用乱数の更新処理(S16)は「0」〜「19」の20個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る構成になっており、この20個の乱数値により図5(b)に示す20種類の大当り図柄より1つの大当り図柄が決定される。また、大当り図柄決定用乱数値と大当り図柄の関係は図5(c)に示すとおりである。
図6は特別図柄が大当りを示す図柄で確定表示された場合の大当り遊技の内容を示している。尚、図6の図表中にある確変とは、大当り遊技終了後に特別図柄抽選の抽選確率が高く設定された高確率遊技状態になる大当り示し、通常とは通常大当りのことであり、通常大当りとは、大当り遊技終了後も特別図柄抽選の抽選確率が低い遊技状態(通常遊技状態)のまま、あるいは抽選確率が高い高確率遊技状態から大当り遊技終了後、特別図柄抽選が低い遊技状態(通常遊技状態)に戻る大当りを言う。また、図表中のラウンドとは、大当り遊技中に大入賞口33aが開放される回数のことであり、当然、開放回数(ラウンド数)が少ないほうが大当り遊技中に得られる賞球数が少なくなる。
図3に戻り小当り図柄決定用乱数の更新処理(S17)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1されて最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、図5(b)に記載するように小当りを示す図柄は「EE」、「FF」の2種類であり、小当り図柄決定用乱数によって、どちらの小当りを示す図柄を選択するか決定する。尚、図5(b)に記載するようにハズレを示す特別図柄は「−−」の1種類になっているので外れ図柄を決定するための乱数は備えていない。また、図5(a)に記載するように普通図柄の当り図柄(「L」)もハズレ図柄(「−」)も共に1種類しか存在しないので当り図柄又はハズレ図柄を決定するための乱数は備えていない。
次に、リーチ判定用乱数の更新処理(S18)は「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数の更新処理(S19)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。尚、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は普通電動役物31に遊技球が入球(特別図柄始動スイッチ31aが遊技球を検出)することで抽出され、当り判定用乱数は普通図柄作動ゲート32を遊技球が通過(普通図柄作動スイッチ32aが遊技球を検出)することで抽出される。
続く入賞確認処理(S20)では、遊技領域26に設けられた各入賞口(31a、32a、33b、35b)へ遊技球が入球したか否か及び普通図柄作動ゲート32を遊技球が通過したか否かを確認する処理である。尚、普通電動役物31への遊技球の入球の確認については、後述する始動入賞確認処理で説明する。
続いては、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての特図当否判定処理(S21)、普通図柄抽選が当りか否かを判定する普図当否判定処理(S22)行う。この特図当否判定処理(S21)、普図当否判定処理(S22)が終了すると続いて画像出力処理等の各出力処理(S23)が実行される。各出力処理(S23)では、遊技の進行に応じて主制御装置50は払出制御装置51、発射制御装置52、サブ統合装置53、大入賞口ソレノイド33c等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S20)により遊技盤8上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには、賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置51に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合装置53に出力する処理を、遊技機に異常があるときにはエラー中であることを報知すべくサブ統合装置53にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S24)は、一般入賞口35aに対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における一般入賞口35aへの遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、異常判断手段は、主制御装置80に設けている。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数1の更新処理(S25)、初期値乱数2の更新処理(S26)から構成されるが、各々前述したS12、S13の処理と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで、時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S24までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行(特別遊技の実行)するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図3に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数1、初期値乱数2の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数1が大当り判定用乱数と、初期値乱数2が当り判定用乱数と同期する可能性はなくなる。尚、本実施形態においては、大当り判定用乱数の更新は初期値乱数1の値により変更され、当り判定用乱数は初期値乱数2の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。
次に図8にて主制御装置50が行う始動口入賞確認処理1を説明する。この始動口入賞確認処理1では、特別図柄始動口(普通電動役物31)への遊技球の入球を確認し、入球時に取得した各種乱数の記憶(格納)処理と変動開始時の当否判定(抽選)に先立って、先読み判定(当否乱数値等の確認)を行う処理であり、本願発明における保留記憶手段と乱数値確認手段と先読み判定信号送信手段とを含む処理となる。
始動口入賞確認処理1を開始すると、主制御装置50が特別図柄始動スイッチ31aの検出信号に基づいて、普通電動役物31に遊技球が入球したか否かを判定する(S30)。S30が肯定判定ならば、保留記憶数について記憶可能な上限数まで既に記憶されているか否かを判定する(S31)。本実施例における記憶可能な上限数は4個である。肯定判定なら、遊技球が入球した際に(特別図柄始動スイッチ31aが遊技球を検出した際に)抽出した複数の前記した乱数値(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数)を保留記憶として記憶する抽出乱数保留記憶処理を行う(S32)(本願発明における保留記憶手段に該当)。
S32の処理後は先読み判定処理を行なう(S35)(本願発明における乱数値確認手段に該当)。この先読み判定処理(S35)とは、保留記憶された大当り判定用乱数の値が、当否判定の報知以前に遊技者に期待を持たせる演出を行うことが可能か否かを判定する処理である。具体的には、保留記憶された大当り判定用の乱数値が予め定められた大当りと判定される値(通常確率状態時では上記した10個の値、高確率遊技状態時では上記した100個の値)と一致しているか否か、また、不一致の場合は、小当りと判定される値(通常確率状態時、高確率遊技状態時共に61個の値)と一致しているか否か、大当りと小当りのどちらの値とも一致しない時はハズレと判定する。また、大当りと判定される値ならば、大当り図柄決定用乱数の値より大当りの種類(確変or通常、ラウンド数)を更に確認し、ハズレであれば、リーチ判定用乱数の値より所定のリーチ(本実施例では図7bに示す変動パターン12と変動パターン13)となるか否かを確認する。
次にS35の判定処理結果コマンドをサブ統合装置53に送信する先読み判定信号送信処理を行う(S37)。S37の処理に続いては、特別図柄保留数表示装置29aの点灯数を1増加させると共にサブ統合装置53に現在の保留記憶数を送信する保留記憶数指示信号送信処理を行う(S38)。尚、このS38で送信する現在の保留記憶数を指示する信号とS38で送信する先読み判定信号を一つにし、1度に先読み判定結果の情報と現在の保留記憶数の情報を送信する構成にしてもよい。S38の処理後、またはS30、S31が否定判定ならば(S30:NO、S31:NO)リターンに抜ける。
次に図9、10、11を用いて主制御装置50が行う特図当否判定処理1を説明する。この処理は、特別図柄始動口(普通電動役物31)への遊技球の入球に起因する変動表示、即ち、特別図柄始動口への遊技球の入球によって取得した大当り判定用乱数の値の当否結果報知を実施するための処理であり、本願発明における図柄変動開始手段と変動パターン信号送信手段とを含む処理となる。具体的には、主制御装置50が特別図柄始動口(普通電動役物31)への遊技球の入球時に取得した大当り(当否)判定用乱数値、大当り図柄決定用乱数値、小当り図柄決定用乱数値、リーチ判定用乱数値、変動パターン決定用乱数値を参照して、特別図柄表示装置29(演出図柄表示装置54b)で実施する当否判定結果の報知内容(確定図柄)と該報知内容を導出するまでの図柄の変動パターンを決定する処理となる。
図9に示す特図当否判定処理1が開始されると、主制御装置50はまず条件装置が未作動か否か判定する(S40)。この判定は大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特別図柄の抽選で当選した場合(取得した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つフラグである。S40が肯定判定であれば(S40:YES)、特別図柄が変動停止中であるか(S41)、確定図柄が未表示中であるか(S42)の判定が行われる。
S41、S42の両方が肯定判定ならば(S41:YES、S42:YES)、保留記憶があるか否か判定し(S43)肯定判定ならば(S43:YES)、最も古い保留記憶の抽選を行うために読み出し、保留記憶が残っている場合は記憶領域のシフト処理を行う。この処理によって保留記憶がある場合はその時点で最も古い保留記憶は、最も古い保留記憶用の記憶領域に格納されることになる。
S44の処理に続いては、確変フラグが0か否かの判定を行う(S45)。確変フラグとは、主制御装置50にて記憶される値であり、確変フラグの値が「0」のときは、大当り確率が通常状態中(通常確率)であることを、確変フラグの値が「1」のときは、確率変動状態中(高確率)であることを主制御装置50が判断するための値である。S45が肯定判定なら(S45:YES)、読み出した大当り判定用乱数の値が前述した10個の当り値が設定されている通常確率判定用テーブルにて抽選を行う通常テーブル判定処理を行い(S46)、否定判定なら(S45:NO)、読み出した大当り判定用乱数の値が前述した100個の当り値が設定されている高確率判定用テーブルにて抽選を行う確変テーブル判定処理を行う(S47)。なお、S46、S47の処理では、読み出した大当り判定用乱数値が大当りとなる値でなかった場合には、小当りになる値か否かの抽選が行われる(前述した61個の当り値が設定された小当り判定用テーブルで判定)。小当り判定用テーブルは一つしかなく、通常確率遊技状態でも高確率遊技状態でも同じテーブルを使用する。つまり、小当りになる確率は常に一定になっている。
続いてS46又はS47の判定処理の結果が大当りか否かを判定する(S48)。S48が肯定判定なら(S48:YES)、読み出した大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S49)、同様に読み出した大当り判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、通常状態)によって変動パターン(変動時間)を決定する(S50)。尚、上述したように本実施例では大当り図柄によって大当り遊技の内容(種類)が決まっているので、この大当り図柄の決定が大当り遊技の種類の決定になっている。
S48が否定判定なら(S48:NO)、小当り判定用の当り値と一致していたか否かを判定する(S51)。S51が肯定判定なら(S51:YES)、読み出した小当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S52)、読み出した小当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、通常状態)によって変動パターン(変動時間)を決定する(S53)。S51が否定判定なら(S51:NO)、ハズレ図柄を決定し(S54)、読み出したリーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、通常状態)によって変動パターン(変動時間)を決定する(S55)。なお、前述したようにハズレ図柄は1種類しかなく、ハズレの場合には必ずその1種類のハズレ図柄が選択される。
S50、S53、S55の処理に続いては、上述の抽選結果を示すデータ(大当り遊技の種類、小当りの有り無し、ハズレの種類(リーチの有り無し)、変動時間など)を含んだ変動開始コマンド(変動パターン信号)をサブ統合装置53に出力するとともに、特別図柄表示装置29において特別図柄を変動表示させる処理を行い(S56)、S56の処理後、又はS40、S43が否定判定なら(S40:NO、S43:NO)、特別遊技処理に移行する。従って、サブ統合装置53は変動開始コマンド(変動パターン信号)により、大当り図柄(大当り遊技の種類)、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握することが出来る。
変動開始コマンド(変動パターン信号)を受信したサブ統合装置53は、特別図柄の確定図柄(当り図柄、ハズレ図柄)、変動時間に応じて擬似(演出)図柄の種類、変動演出の種類を決定し、該決定結果を演出図柄制御装置54aに送信し、演出図柄制御装置54aはサブ統合装置53の決定に従って演出図柄表示装置54bにて擬似(演出)図柄の変動表示を行う。なおサブ統合装置53による擬似(演出)図柄の決定は、特別図柄が大当りを示す図柄であった場合には、図6に記載しているように大当り図柄(特別図柄)に対応した擬似(演出)図柄(大当り図柄)を選択するようになっており、特別図柄がハズレを示す図柄であった場合には、ランダムに擬似(演出)図柄を選択する構成になっている。但し、リーチになる変動であった場合には同じ種類の擬似(演出)図柄を2個選択するようになっているほか、同じ種類の擬似(演出)図柄を3個選択しないように制御されている。
また、図示は省略しているが、小当りを示す図柄であった場合にも大当り図柄を示す図柄であった場合と同様に小当り図柄(特別図柄)に対応した擬似(演出)図柄(小当り図柄)を選択するようになっている。また、サブ統合装置53による変動演出の決定は、主制御装置50から送られてきた変動開始コマンドが示す変動時間と同じ演出時間である複数の演出表示(演出パターン)の中より1つの演出表示(演出パターン)を選択する構成になっている。なお、本実施例ではサブ統合装置53が擬似(演出)図柄及び変動演出を決定する構成になっているがサブ統合装置53ではなく同じサブ制御装置である演出図柄制御装置54aにて擬似(演出)図柄及び変動演出を決定する構成にしてもよい。
主制御装置50の特図当否判定処理1の処理に戻り、図9のS41の判定で否定判定ならば(S41:NO)、つまり特別図柄が変動中であった場合には、図10に示すように図柄変動時間(S50又はS53又はS55の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する(S61)。S61が肯定判定なら(S61:YES)、図柄停止コマンドをサブ統合装置53に出力する図柄停止コマンド送信処理を行い、特別図柄表示装置29を制御してS49又はS52又はS54にて決定した確定図柄を確定表示させる(S62)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合装置53は演出図柄制御装置54aに予め決めておいた擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置54aは、その信号により演出図柄表示装置54bを制御して擬似(演出)図柄を確定表示させる。これにより、特別図柄と擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
S62の処理後は、確定表示させた特別図柄が大当りを示すものであるか否かを判定する(S63)。S63が肯定判定なら(S63:YES)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S64)、大当りフラグを立てる条件装置作動開始処理を行い(S65)、確変フラグが1か否か(現在が高確率遊技状態であるか否か)を判定する(S66)。S66が肯定判定なら(S66:YES)、確変フラグと時短フラグに0をセットする処理を行う(S67)。時短フラグとは、主制御装置50にて記憶される値であり、時短フラグの値が「0」のときは、時短状態ではないことを、時短フラグの値が「1」のときは、時短状態であることを主制御装置50が判断するための値である。S66が否定判定なら(S66:NO)、時短フラグが1か否か判定し(S68)、肯定判定なら(S68:YES)時短フラグに0をセットする(S69)。
S67の処理、S68の否定判定(S68:NO)、S69の処理後は特別遊技処理に移行する。尚、本実施例では高確率遊技状態であれば必ず時短状態になっている構成であるため、S66の判定が肯定判判定なら確変フラグと時短フラグの両方を落す(0をセットする)構成になっている。また、本実施例では時短フラグが立つことで開放延長機能も作動し、時短フラグが落ちると開放延長機能も終了する構成となっている。従って、S67及びS69の処理で開放延長機能も終了する。また、本実施例では、大当り中は通常確率状態であると共に特別図柄の変動表示を実施しないため、S67、S69の処理を実施して確変フラグ、時短フラグを落す構成になっている。
一方、S63が否定判定なら(S63:NO)、即ち確定表示した特別図柄が大当りを示すものでなかった場合、確定図柄表示設定処理(確定図柄の表示時間設定)を行い(S70)、時短フラグのみが1か否かを判定し(S71)、肯定判定なら(S71:YES)記憶されている時短回数から−1し(S72)、残りの時短回数が0か否か判定する(S73)。S73が肯定判定なら(S73:YES)、時短フラグに0をセットする。尚、S71の時短フラグのみ立っているか否かの判定は、確変フラグと時短フラグが立っていれば否定判定となり、時短フラグのみ立っていた場合に限り肯定判定となる判定処理である。S74の処理後及びS71又はS73が否定判定(S71:NO、S73:NO)なら、確定表示された特別図柄が小当り図柄を示すものか否かを判定する(S75)。S75が肯定判定なら(S71:YES)、小当り遊技作動役物の作動開始を行う小当り遊技開始処理を行ない(S76)、S76の処理後、S75の否定判定後(S75:NO)は特別遊技処理に移行する。
続いて、図9のS42が否定判定なら(S42:NO)、即ち特別図柄が確定表示中であった場合には、図11に示すようにS64又はS70で設定された確定表示時間が終了したか否かを判定する(S80)。S80が肯定判定なら(S80:YES)、特別図柄表示装置29を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合装置53に指示信号を送信して疑似(演出)図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行う(S81)。
次に主制御装置50が行う特別遊技処理1を図12、図13、図14を用いて説明する。特別遊技処理1は大当り遊技の進行を制御する処理であり、本願発明における特別遊技状態指示信号送信手段を含む処理となる。図12に示すように特別遊技処理1を開始すると、大当りフラグに基づいて条件装置が未作動か否かを判定する(S90)。S90が肯定判定なら(S90:YES)、小当り遊技作動役物が作動中か否かを判定する(S91)。S91が肯定判定なら(S91:YES)、小当り開始演出中であるか否かを判定し(S92)、肯定判定なら(S92:YES)、小当りの開始演出の終了時間か否かを判定し(S93)、肯定判定なら(S93:YES)、大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理を行う(S94)。尚、本実施例での小当り遊技は、大入賞口33aの開放を0.5秒間行う構成になっている。S94の処理後及びS91又はS93が否定判定なら(S91:NO、S93:NO)リターンに抜ける。
S92が否定判定なら(S92:NO)、小当り動作中か否か(大入賞口33aが0.5秒の開放を行っているか否か)を判定し(S95)、肯定判定なら(S95:YES)、大入賞口への入賞球数が10個未満か否かを判定し(S96)、肯定判定なら(S96:YES)開放してから0.5秒経過したか否かを判定する(S97)。S96が否定判定(S96:NO)又はS97が肯定判定なら(S97:YES)、大入賞口33aを閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行い(S98)、続いて小当り終了演出処理を行う(S99)。S99の処理後、又はS97が否定判定なら(S97:NO)リターンに抜ける。S95が否定判定で小当り遊技中ではないなら(S95:NO)、小当り終了演出が終了する時間か否かを判定し(S100)、肯定判定なら(S100:YES)、小当り遊技作動役物を終了させる小当り遊技終了処理を行なう(S101)。S101の処理後、又はS100が否定判定なら(S100:NO)リターンに抜ける。
なお、本実施例では、小当り遊技での大入賞口33aの開放動作を1回の構成で説明したが複数回開放する構成としても良い。その場合は、S94(大入賞口開放処理)のところで開放回数を設定し、S98(大入賞口閉鎖処理)のところで設定された開放回数を減算し、0になったらS99(小当り終了演出処理)に行く構成が考えられる。
図12のS90が否定判定なら(S90:NO)、即ち大当りフラグが立っていれば、図13に示すように大入賞口33aが閉鎖中か否か判定し(S110)、肯定判定なら(S110:YES)、大当り遊技の開始演出中であるか否か判定する(S111)。S111が肯定判定なら(S111:YES)、大当り遊技の開始演出が終了する時間か否かを判定し(S112)、肯定判定なら(S112:YES)、大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理(S113)を行う。S113の処理後、又はS112が否定判定なら(S112:NO)リターンに抜ける。
S111が否定判定なら(S111:NO)、即ち大当り遊技の開始演出中ではないなら、インターバル中か否か判定する(S114)。このインターバルとは、大入賞口33aが閉じている状態から開放されるまでの時間のことである。S114が肯定判定なら(S114:YES)、インターバルが終了する時間か否かを判定し(S115)、肯定判定なら(S115:YES)、大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理を行う(S116)。S116の処理後、又はS115が否定判定なら(S115:NO)リターンに抜ける。
S114が否定判定なら(S114:NO)、即ちインターバル中ではないなら、大当り遊技の終了演出中ではないか否かを判定し(S117)、肯定判定なら(S117:YES)、大当りになった図柄を記憶し(S118)、サブ統合装置53に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行う(S119)。この処理が本願発明における特別遊技の開始時期を指示する特別遊技状態指示信号を送信する特別遊技状態指示信号送信手段となる。S119の処理後、又はS117が否定判定なら(S117:NO)リターンに抜ける。
大当り開始演出処理(S119)では、主制御装置50はサブ統合装置53に大当り開始演出指示コマンドを送信し、大当り開始演出指示コマンドを受信したサブ統合装置53は、パチンコ機に設けられたランプ、LEDを大当り遊技演出用に激しく発光させたり、大当り遊技用の音を発生させる。また、サブ統合装置53は、演出図柄制御装置54aに信号を送信し、演出図柄表示装置54bにおいて大当り開始演出を表示させる。尚、S113、S116の大入賞口33aを開放する処理でも、主制御装置50はサブ統合装置53に(最高)開放回数指示コマンド(ラウンド開始コマンド)を送信し、(最高)開放回数指示コマンド(ラウンド開始コマンド)を受信したサブ統合装置53は、その開始されるラウンドに応じて上記ランプ、LEDを発光させたり音声を出力させる。また、サブ統合装置53は演出図柄制御装置54aに信号を送信し、演出図柄表示装置54bにおいて開始されるラウンドに応じた演出を行う。尚、上述した(最高)開放回数指示コマンドも特別遊技状態指示信号の1つである。
次にS110が否定判定なら(S110:NO)、即ち、大入賞口33aが開放中であった場合には、図14に記載するように大入賞口33aへの遊技球の入球数が規定数(10個)未満か否かを判定し(S130)、肯定判定なら(S130:YES)、大入賞口33aの最大開放時間が経過したか否かを判定し(S131)、否定判定なら(S131:NO)リターンに抜ける。尚、本実施例では大入賞口33aの最大開放時間は2種類存在し(小当り遊技を除く)、大入賞口33aが15回開放される大当り遊技では、1回(1ラウンド)の最大開放時間が全て28秒と設定され、大入賞口33aが2回開放される大当り遊技では、1回(1ラウンド)の最大開放時間が全て2秒と設定されている。つまり、主制御装置50は大当り遊技が開始される以前に実行する大当り遊技の種類を把握し、その大当り遊技の種類に応じて大当り遊技の内容(大入賞口33aの開放回数及び開放時間、開始インターバル時間、終了インターバル時間、開放間インターバル時間等)を設定する構成となっている。
S130が否定判定(S130:N0)又は、S131が肯定判定なら(S131:YES)大入賞口33aを閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行う(S132)。S132の処理後は、S132で終了したラウンドが最終ラウンドであったか否か(2ラウンド又は15ラウンド)を判定し(S133)、否定判定なら(S133:NO)、インターバル処理を行なって(S134)リターンに抜ける。このインターバル処理(S134)もS113、S116の大入賞口33aを開放する処理と同様に、主制御装置50はサブ統合装置53にインターバル信号を送信し、ランプ、LED、音声、演出図柄表示装置54bによりインターバル用の演出を行う。尚、このインターバル信号も特別遊技状態指示信号の1つである。
S133が肯定判定なら(S133:YES)、即ち、終了したラウンドが最終ラウンドなら、サブ統合装置53に大当り終了演出を指示するコマンドを送信する大当り終了演出処理を行う(S135)。この処理が本願発明における特別遊技の終了時期を指示する特別遊技状態指示信号を送信する特別遊技状態指示信号送信手段となる。S135の大当り終了演出処理は、S119の大当り開始演出処理と同様に、主制御装置50からサブ統合装置53に大当り終了演出指示コマンドを送信することによって、パチンコ機に設けられたランプ、LEDや演出図柄表示装置54bにおいて大当りの終了演出を行うための処理である。
S135に続いて条件装置停止処理を行い(S136)、大当りした図柄(特別図柄)が大当り遊技終了後に高確率遊技状態になる図柄であるか否かを判定し(S137)、肯定判定なら(S137:YES)、確変フラグと時短フラグに1をセットし(開放延長機能も作動する)(S138)、否定判定なら(S137:NO)、時短フラグのみに1をセットする(開放延長機能も作動する)(S139)。S139ではあわせて時短回数カウンタの値を100にセットする処理も行われる。S138又はS139の処理後はサブ統合装置53に大当り終了コマンドを送信する大当り終了コマンド送信処理を行い(S140)、リターンに抜ける。
次にサブ統合装置53が実施する処理について説明する。図15に示す保留球数受信処理は、主制御装置50から受信した保留記憶数指示信号(図8、S38)に基づき、演出図柄表示装置54bに保留記憶数表示を行うための保留球数表示指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する処理である。保留球数受信処理を開始すると、主制御装置50から保留記憶数指示信号を受信したか否かを判定する(S150)。肯定判定であれば(S150:YES)、保留球数カウンタの値に1を加え(S151)、1を加えた値に該当する表示態様を指定する信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S152)。保留球数カウンタは、演出図柄表示装置54bに表示する保留記憶数を示すカウンタであり、新たな変動表示が開始する毎に−1のデクリメント処理が行われる。この処理によって演出図柄表示装置54bには、主制御装置50が備える保留記憶手段が記憶する保留記憶の数を適時に表示することが可能となる。尚、サブ統合装置53と演出図柄制御装置54aが統合された構成の場合はS152(保留球数表示信号送信処理)をそのまま保留球数表示処理とすればよい。
次に図16に示す、サブ統合装置53が実施する先読み判定信号受信処理1について説明する。この処理は、主制御装置50から受信した先読み判定信号を記憶するとともに、その内容に応じて後述する第1予告演出を実施する処理であり、本願発明における先読み判定信号記憶手段と、第1予告演出判定手段とを含む処理となる。
先読み判定信号受信処理1を開始すると、先読み判定信号を受信したか否か判定する(S160)。肯定判定なら(S160:YES)、先読み判定内容記憶処理を行う(S161)。この先読み判定内容記憶処理では、受信した先読み判定信号となるコマンドそのものを、受信した順番が特定可能に各記憶領域に格納する処理であり、受信した先読み判定信号の対象となる保留記憶の変動情報を受信すると該コマンドを消去し、他に先読み判定内容の記憶が有る場合は、記憶領域のシフト処理が行われる。S161の先読み判定内容記憶処理は本願発明における先読み判定信号記憶手段となる。
S161の処理に続いては、第1予告演出が未実施か否か判定する(S162)。従って本実施例では第1予告演出を既に実施している場合は、第1予告演出は行われない構成となるが、複数の第1予告演出を実施する構成も考えられる。S162が肯定判定なら(S162:YES)、演出開始判定用乱数の抽出処理を行う(S163)。次に、受信した先読み判定信号が大当りを示す内容か否かを判定する(S164)。S164が肯定判定なら(S164:YES)、S163で抽出した演出開始判定用乱数の値が判定テーブル1の値と一致するか否かを判定する(S165)。判定テーブル1(2、3)は、第1予告演出を実施するか否かの判定に使用し、受信した先読み判定信号が大当りを示す内容を含む場合の判定テーブルとなる。本実施例では、S163で抽出する演出開始判定用乱数の総数は「0」「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」の10個であり、判定テーブル1は「1」「3」「5」「7」「9」の5個となる。従ってこの場合は1/2の確率で第1予告演出を実施する。
S164が否定判定なら(S164:NO)、受信した先読み判定信号が小当りを示す内容か否かを判定し(S166)、肯定判定なら(S166:YES)、S163で抽出した演出開始判定用乱数の値が判定テーブル2の値と一致するか否かを判定する(S167)。判定テーブル2は、受信した先読み判定信号が小当りを示す内容を含む場合に第1予告演出を実施するか否かを判定するテーブルとなり、「2」「4」の2個で構成されている。従ってこの場合は1/5の確率で第1予告演出を実施する。
S166が否定判定なら(S166:NO)、受信した先読み判定信号が変動パターン12或いは変動パターン13を示す内容か否かを判定し(S168)、肯定判定なら(S168:YES)、S163で抽出した演出開始判定用乱数の値が判定テーブル3の値と一致するか否かを判定する(S169)。判定テーブル3は、受信した先読み判定信号が所定の変動パターン(変動パターン12或いは変動パターン13)を示す内容を含む場合に第1予告演出を実施するか否かを判定するテーブルとなり、「6」の1個で構成されている。従ってこの場合は1/10の確率で第1予告演出を実施する。本実施例に於いては、S163からS169が本願発明における第1予告演出判定手段となる。
S165、S167、S169が肯定判定なら(S165:YES、S167:YES、S169:YES)、演出図柄制御装置54aに第1予告演出の表示を指示する信号を送信する第1予告演出表示指示信号送信処理を行う(S170)。S170の処理後、又はS160、S162、S165、S167、S168、S169が否定判定なら(S160:NO、S162:NO、S165:NO、S167:NO、S168:NO、S169:NO)リターンに抜ける。なお、ここでもサブ統合装置53と演出図柄制御装置54aが統合された構成の場合はS170(第1予告演出表示指示信号送信処理)をそのまま第1予告演出表示処理とすればよい。
上述したように、本実施例では第1予告演出は大当りとならないときも所定の確率で発生する構成となっており、所謂大当りとならないガセ演出を含むものとなっている。この構成により、第1予告演出の対象となる変動表示が確定表示されるまで、大当りとなるかどうかの期待感を振幅させ遊技の興趣を高める効果を発揮する。このような構成ではなく、先読み判定信号が大当りを示す内容を含む場合のみ、所定の確率(例えば1/3)で第1予告演出を実施する構成も考えられる。
次に図17を用いて本実施例における第1予告演出の具体的な表示例を説明する。図17の上部は、図柄変動時の演出図柄表示装置54bの全体を示す図である。左・中・右の各擬似(演出)図柄が画面のほぼ中央で変動表示を行い、画面下部に示す破線内を特別図柄保留記憶数表示領域として赤い○の点灯数で特別図柄の保留記憶数を表示している。尚、破線は実際の表示はされていない。表示例では、赤い○が3個表示され、保留記憶が3個有ることを示している。
図17の下部は、特別図柄保留記憶数表示領域を拡大した図であり、上部の図の状態から、始動口(普通電動役物31)への新たな遊技球の入球に応じて4個目の保留記憶表示が行われ、この4個目の保留記憶表示が、前述した先読み判定信号受信処理によって第1予告演出として表示されたものである。このキャラクタ(達吉)の表示は、保留記憶が減少する毎に表示位置を移動し、対応する変動表示が開始されるまでその態様を表示する。本実施例では、第1予告演出として、赤い○とは一目で区別が可能となるキャラクタ(達吉)が表示される。尚、当然のことながら表示内容はこれに限定するわけではなく、通常の表示とは異なる表示で第1予告演出を実施してもよい。更に、対応する変動表示が開始する以前に通常の表示態様に変化する構成としてもよく、パチンコ機に備えられた他の演出用部材を用いて、通常とは異なる演出(可動役物の動作や、発光部材の発光態様)を付加することによって好適となる。
尚、第1予告演出として保留記憶表示にて行うものを示したが、その他にも連続演出が考えられる。例えば、演出図柄表示装置54bや可動役物により、対象となる保留を消化するまで変動をまたいでカウントダウン告知を行ったり、対象となる保留消化に到達するまで変動開始時に共通の演出表示や可動役物可動を行わせたりする。これにより遊技者は演出が連続していく毎に期待感が高まっていく。
この連続演出の場合、仮に保留記憶内に複数の大当りが含まれていても演出対象となるものは1つである。そのため、連続演出の対象となった保留記憶の直後に当りとなる記憶が保留された場合、演出自体されないか十分な連続演出を行うことができない状態となる。
保留記憶表示で第1予告演出する場合も複数の保留記憶を対象にすることはできるが、先に消化される保留記憶にて大当りが発生すると、後に予告表示されていた保留記憶は大当り遊技をまたぐことになる。大当り遊技をまたぐということは遊技状態が変化している(確率変動により)可能性があり、先読み判定時には当りだった乱数値が、大当り遊技後の変動開始時の当否判定ではハズレと判定される可能性が起こり得ることになる。
このようなことから、第1予告演出が十分に演出力を発揮できる状況は限られており、先読み判定で折角判定されても生かされていない状況がある。
次に、図18を用いてサブ統合装置53が実施する変動情報受信処理1を説明する。この処理は、主制御装置50から受信した変動開始コマンドに応じて、演出図柄表示装置54bに表示する変動態様を選択する処理であり、本願発明における第2予告演出判定手段を含む処理となる。
変動情報受信処理1を開始すると主制御装置50から変動開始コマンドを受信したか否か判定する(S181)。S181が肯定判定なら(S181:YES)、振分乱数抽出処理を行い(S182)、開放延長機能が未作動か否か判定する(S183)。S183が否定判定(S183:NO)の場合は、開放延長機能が作動中の変動パターンを選択する処理を行うが、従来技術と何ら変わりないため説明は割愛する。
S183が肯定判定なら(S183:YES)、受信した変動開始コマンドで変動パターン10(図7b参照)を受信したか否かを判定し(S184)、肯定判定なら(S184:YES)先読み判定信号受信処理1で記憶した先読み判定内容の記憶が有るか否か判定し(S190)、肯定判定なら(S190:YES)記憶されている全ての先読み判定内容の確認処理を行う(S191)。S191の処理の後、S191で確認した先読み判定内容の中に大当りとなるものが有るか否か判定する(S192)。即ち主制御装置50が記憶する保留記憶の中のいずれかに、大当り判定となる大当り判定用乱数の値が記憶されているか否かの判定であり、S192が肯定判定なら(S192:YES)、変動パターン10に対応するサブ統合装置53が記憶する複数の変動態様の中から、S182で抽出した振分乱数値に応じた1つの変動態様に合わせ、第2予告演出となるキャラクタが表示される変動態様を選択する(S193)。
S184、S190、S192が否定判定なら(S184:NO、S190:NO、S192:NO)、受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターンに対応するサブ統合装置53が記憶する複数の変動態様の中から、S162で抽出した乱数値に応じた1つの変動態様を選択する(S194)。S193の処理又はS194の処理に続いては、上記処理によって選択された変動態様を、演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する演出図柄変動処理を行う(S195)。S195の処理後、又はS181が否定判定なら(S181:NO)リターンに抜ける。以上が本実施例における変動情報受信処理1となり、S182とS184からS193までが本願発明における第2予告演出決定手段を構成する。第2予告演出決定手段では、先読み判定内容に大当りが有った場合、第2予告演出を実施するか否かを判定する実施判定用乱数を用いる構成も考えられる。上記から明らかなように、本実施例における第2予告演出は、保留記憶内に大当りがある(必ず大当りする)ことを告知する予告である。
次に図19を用いて本実施例における図柄変動表示中に実施される第2予告演出の具体的な表示例を説明する。図19は、変動パターン10の変動が開始されてから2.0秒後の状態を示す図である。変動パターン10を開始すると、左・中・右の各擬似(演出)図柄は、個々の図柄の認識が不可能な速度で変動を行い、その変動の開始から2.0秒後に、擬似(演出)図柄の背後となる画面中央にキャラクタ(達吉)が3.0秒間表示される。キャラクタ(達吉)が消えるとほぼ同じくして擬似(演出)図柄は各々の図柄が認識可能な速度に変化しリーチ演出を行う。
次に図20を用いてサブ統合装置53が実行する大当り終了演出コマンド受信処理1を説明する。大当り終了演出コマンド受信処理1は、主制御装置50から大当り終了演出コマンドを受信することによって、大当り遊技の最後の大入賞口33aの開放が終了してから、最初の特別図柄の変動表示が開始(最初の当否抽選の実施に伴う)されるまでの終了インターバル期間に実施される演出を指示する処理であり、本願発明における第2予告演出決定手段を含む処理となる。
大当り終了演出コマンド受信処理1を開始すると、主制御装置50から大当り終了演出コマンドを受信したか否か判定する(S210)。肯定判定なら(S210:YES)先読み判定信号受信処理1で記憶した先読み判定内容の記憶が有るか否か判定し(S214)、肯定判定なら(S214:YES)記憶されている全ての先読み判定内容の確認処理を行う(S215)。S215の処理の後、S215で確認した先読み判定内容の中に大当りとなるものが有るか否か判定する(S216)。即ち主制御装置50が記憶する保留記憶の中のいずれかに、大当り判定となる大当り判定用乱数の値が記憶されているか否かの判定であり、S216が肯定判定なら(S216:YES)、受信した大当り終了演出コマンドが示す大当り終了演出の内容に加え、第2予告演出の表示を実施する終了演出態様を選択する(S217)。
S214、S216が否定判定なら(S214:NO、S216:NO)、受信した大当り終了演出コマンドが示す大当り終了演出を選択する(S218)。S217の処理後、またはS218の処理に続いては、上記で選択した演出態様を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する演出指示信号送信処理を行う(S219)。
以上が本実施例における大当り終了演出コマンド受信処理1である。この処理により保留記憶内に大当りが有ることを告知する第2予告演出を、大入賞口33aの最後の動作が終了してから大当りが終了した後の最初の変動表示(最初の当否判定に基づく)が開始されるまでの間に実施することになる。これは、1つの先読み判定信号の受信により複数のポイントで該1つの先読み判定信号に基づく演出が可能となることを示すものである。
次に、図21を用いて本実施例における大当り終了インターバル中に実施する第2予告演出の具体的な表示例を説明する。図21は大当り終了インターバルが開始されてから2.0秒後の状態を示す図である。大当り終了インターバルを開始すると画面上部左に「End」文字が表示され大当りが終了したことを示し、2.0秒後に、画面下部左にキャラクタ(達吉)が3.0秒間表示される。大当り終了後に遊技状態が確率変動状態となる場合は、「End」の替わりに「確率変動」が表示される。
尚、実施形態として大当り終了時にて説明したが、図13に示す大当り開始演出指示コマンド(S119)を用いる場合は、図20の大当り終了演出コマンド受信処理を大当り開始演出コマンド受信処理と置き換えて読めば良い。大当り開始インターバル中の表示例も図21と同様に表示すればよく、例えば通常大当りならば「ラッキー」、確変大当りならば「スーパーラッキー」と表示されるところをキャラクタ(達吉)を出現させたり、キャラクタに切り替えたりすることが考えられる。開放回数指定、インターバル指定で行う構成の場合も同様に図20の処理を置き換えて判断すれば良い。
次に、図22と図23を用いて主制御装置50からサブ統合装置53に送信する各種コマンドの送信(受信)タイミングについて説明する。以下に説明する各種コマンドのいずれの送信タイミングも、サブ統合装置53が該コマンドの受信を契機として第1又は第2予告演出の実施判断が可能となるタイミングである。
図22に示すタイミングチャートは、遊技球の始動口(普通電動役物31)入球時から、特別図柄の変動停止(次回の変動開始)までの期間を表すものである。保留記憶の無い状態で始動口(普通電動役物31)に遊技球が入球すると、先読み判定信号(コマンド)と保留記憶数指示信号(コマンド)がサブ統合装置53に送信され、その2ms後に変動開始コマンドが送信され、その2ms後に図柄指定コマンドが送信される。保留記憶が無い状態においても、抽出した各種乱数は保留記憶領域に一時格納され保留記憶指示信号は送信されるが、その2ms後に変動開始コマンドが送信されるため図柄表示装置54bに保留記憶表示が認識可能に表示されることはない。
変動開始から選択された変動パターンに応じた変動時間経過後、図柄停止コマンドと遊技状態(通常確率状態、確率変動状態)コマンドが送信され、その600ms後(確定図柄表示時間)、遊技状態が変化する場合は遊技状態コマンドが送信される。始動口(普通電動役物31)への遊技球の入球から、確定図柄の表示時間終了までに再度遊技球が始動口(普通電動役物31)に入球すると、その入球した時点で先読み判定信号(コマンド)と保留記憶数指示信号(コマンド)がサブ統合装置53に送信され、保留記憶の数が1個となる。その場合、確定図柄の表示時間が終了後2ms後に保留球数減算コマンドが送信され、その2ms後に減算した保留記憶に対応した変動開始コマンドを送信する。尚、遊技状態コマンドは機種によっては通常遊技状態、確率変動状態の他にも時短回数(開放延長機能の作動回数)を送る場合がある。
図23に示すタイミングチャートは、大当りとなる確定図柄の表示から大当りの終了までの期間を表すものである。大当り図柄が確定するタイミングで図柄停止コマンドと遊技状態コマンドが送信され、その600ms後(確定図柄表示時間)、遊技状態が変化する場合は遊技状態コマンドが送信される。次に2ms未満の時間が経過すると、大当り開始演出コマンドを送信し、大当り開始演出が終了するタイミングで最大開放回数又は開放回数コマンドが送信される。最大開放回数コマンドと開放回数コマンドの違いは、その開放回が最終の大入賞口33aの開放なのか、途中の開放なのかを区別させるものである。次に大入賞口の規定入賞数または規定時間に応じてインターバルコマンドを送信する。最大開放回数が終了するまで規定回数の開放回数コマンドとインターバルコマンドの送信を繰り返し、最後のインターバル時間が終了後、大当り終了演出コマンドを送信し、大当り終了演出終了時に遊技状態が変化する場合は遊技状態コマンドを送信する。
以上が実施例1の説明となる。上記構成とすることでサブ統合装置53に記憶した1つの先読み判定信号の内容を複数のポイント(各コマンド受信時)で活用することが可能となり遊技機の演出力を向上させることが可能となる。