以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図19に従って説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央(センター)には、各種の表示装置や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)HWが装着されている。表示枠体HWの略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口HWaが形成されており、当該セット口HWaに整合して表示枠体HWには液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示装置11が装着されている。
また、表示枠体HWの左下方には、本図柄表示装置としての7セグメント型の第1特別図柄表示装置12aが配設されている。また、表示枠体HWの右下方には、本図柄表示装置としての7セグメント型の第2特別図柄表示装置12bが配設されている。特別図柄表示装置12a,12bでは、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲーム(図柄組み合わせゲーム)が行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特別図柄表示装置12aの図柄変動ゲームを「第1特図変動ゲーム」と示し、第1特図変動ゲームで用いる特図を「特図1」と示す。また、第2特別図柄表示装置12bの図柄変動ゲームを「第2特図変動ゲーム」と示し、第2特図変動ゲームで用いる特図を「特図2」と示す。また、以下の説明で、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームを纏めて示す場合には「特図変動ゲーム」と示す。また、以下の説明で、単に「特図」と示す場合には、特図1と特図2の両図柄を示すものとする。
特別図柄表示装置12a,12bには、複数種類(本実施形態では、101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、演出表示装置11には、図柄列毎に複数種類の飾り図柄(飾図)が表示される。そして、各図柄列は、図柄変動ゲームが開始すると、所定の変動方向に図柄の変動(縦スクロール変動)が開始される。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、特別図柄表示装置12a,12bにおいて、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。
演出表示装置11は、特別図柄表示装置12a,12bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
また、特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
また、本実施形態において演出表示装置11には、飾図の他にも、図1に示すように、第1特図変動ゲームの表示結果を示す第4図柄Xと、第2特図変動ゲームの表示結果を示す第5図柄Yとが表示される。また、これら第4図柄Xと第5図柄Yとは、飾図に比較して遥かに小さく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り又ははずれを認識し得る。本実施形態では、特図が、大当り抽選の抽選結果を報知する本図柄に相当し、飾図、第4図柄X、及び第5図柄Yが、演出図柄に相当する。また、第4図柄X及び第5図柄Yが、飾図及び特図とは異なる図柄であって、大当り抽選の抽選結果を報知する補助図柄に相当する。
第1特別図柄表示装置12aの下方には、複数個(本実施形態では2個)の第1特図保留発光部を備えた第1特別図柄保留表示装置13aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置13aは、機内部で記憶した第1特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、第1特図変動ゲーム(特図1)用の始動保留球の記憶数を「第1保留記憶数」と示す。第1保留記憶数は、遊技盤10に配設した第1始動入賞口16に遊技球が入球することで「1」加算される一方で、第1特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第1特図変動ゲーム中に第1始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第1保留記憶数は、実行保留中の第1特図変動ゲームの実行回数を示す。
第2特別図柄表示装置12bの下方には、複数個(本実施形態では2個)の第2特図保留発光部を備えた第2特別図柄保留表示装置13bが配設されている。第2特別図柄保留表示装置13bは、機内部で記憶した第2特図変動ゲーム(特図2)用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、第2特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を「第2保留記憶数」と示す。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した第2始動入賞口17に遊技球が入球することで「1」加算される一方で、第2特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、第2特図変動ゲーム中に第2始動入賞口17へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。第2保留記憶数は、実行保留中の第2特図変動ゲームの実行回数を示す。
また、第1特別図柄表示装置12aの左方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
普通図柄表示装置14の下方には、複数個(本実施形態では2個)の普図保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置15が配設されている。普通図柄保留表示装置15は、機内部で記憶した普図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、普図ゲーム用の始動保留球の記憶数を「普図保留記憶数」と示す。普図保留記憶数は、遊技盤10に配設した作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。したがって、普図ゲーム中に作動ゲート19へ遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。普図保留記憶数は、実行保留中の普図ゲームの実行回数を示す。
本実施形態のパチンコ遊技機は、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとが同時に実行されないように構成されている。そして、特図変動ゲームを開始させる際、その時点における第1保留記憶数と第2保留記憶数が共に「1」以上である場合は、第2特図変動ゲームが優先して実行される。一方、特図変動ゲームの開始条件が成立した際、その時点における第1保留記憶数が「1」以上であって、第2保留記憶数が「0(零)」である場合は、第1特図変動ゲームが実行される。すなわち、第2特図変動ゲームは、後述する始動条件が成立すると、その時点において先に特図1の始動保留球が存在する場合であっても、その始動保留球よりも先に実行される(割り込み実行される)。なお、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
そして、遊技盤10には、演出表示装置11の下方に、遊技球の入球口としての第1入賞口16a(第1入球口)を有する始動手段としての第1始動入賞口16が配設されている。第1始動入賞口16の奥方には、入球した遊技球を検知する始動手段としての第1始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されている。第1始動入賞口16は、入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、第1特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、遊技盤10には、第1始動入賞口16の直下に、遊技球の入球口としての第2入賞口17a(第2入球口)を有する始動手段としての第2始動入賞口17が配設されている。第2始動入賞口17は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図4に示す)の作動により開閉動作を行う開閉羽根18を備えている。第2始動入賞口17は、開閉羽根18の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態(第1状態)とされる一方で、開閉羽根18の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球し難い閉鎖状態(第2状態)とされる。すなわち、開閉羽根18は、第2始動入賞口17の第2入賞口17aを、遊技球が入球し難い閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、第2始動入賞口17の奥方には、入球した遊技球を検知する始動手段としての第2始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。第2始動入賞口17は、入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、演出表示装置11の左方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW5(図4に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW5で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口17の開閉羽根18を開放状態とするか否か(第2始動入賞口17に遊技球を入球可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。そして、普図当り抽選に当選すると、開閉羽根18の開放によって第2始動入賞口17に遊技球を入球させ易くなり、遊技者は、第2特図変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、本実施形態の遊技盤10には、入賞手段としての左大入賞口20と、入賞手段としての下大入賞口21と、が配設されている。左大入賞口20は、作動ゲート19よりも演出表示装置11寄りに配設されている。左大入賞口20は、大入賞口ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉20aを備えている。そして、図1の拡大図に示すように、左大入賞口20は、大入賞口扉20aが開動作すると、遊技球の入球口20bが開放し、遊技球の入球が許容される。
一方、下大入賞口21は、第2始動入賞口17の下方に配設されている。下大入賞口21は、正面視横長矩形状に形成されており、大入賞口ソレノイドSOL3(図4に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21aを備えている。下大入賞口21は、大入賞口扉21aが開動作すると、図示しない遊技球の入球口が開放され、遊技球の入球が許容される。
左大入賞口20と下大入賞口21の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3,SW4(図4に示す)がそれぞれ配設されている。左大入賞口20と下大入賞口21は、入球した遊技球をカウントスイッチSW3,SW4で検知することにより、予め定めた個数(例えば9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。左大入賞口20と下大入賞口21は、大当り遊技中に大入賞口扉20a,21aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。また、遊技盤10の最下方中央には、遊技球をアウト球として機外に排出するアウト口22が配設されている。
以下、左大入賞口20と下大入賞口21の配置についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、左大入賞口20は左上部に配置されており、遊技者から見て遊技盤10の左方領域を流下する遊技球が入球可能とされる。一方、下大入賞口21は、左大入賞口20よりも右下部に配置されており、遊技者から見て遊技盤10の左方領域を流下する遊技球が入球可能とされる。
また、遊技盤10の遊技領域は、表示枠体HWの上部に配設されている左右振分部材25を中心に、正面視において左右2つの領域に区画することができる(図示せず)。左右振分部材25は、表示枠体HWの上部(頭頂部)の突起や、表示枠体HWの上部に植設された遊技釘によって構成される。本実施形態の遊技盤10では、左右振分部材25の上部への接触によって遊技球を左方領域のみに振分けるようになっている。このため、下大入賞口21へは左方領域を流下する遊技球が入球することになる。
本実施形態の遊技盤10では、左大入賞口20の方が下大入賞口21に比べて、遊技球の到達時間が早い。そして、この到達時間の差は、左大入賞口20の開閉動作による大当り遊技に必要な時間(開始から終了までの時間)と、下大入賞口21の開閉動作による大当り遊技に必要な時間の差に現れることになる。すなわち、本実施形態では、大当り遊技を同一条件(ラウンド遊技の回数やラウンド遊技の終了条件)とした場合、左大入賞口20の開閉動作による大当り遊技の方が、下大入賞口21の開閉動作による大当り遊技よりも消化時間が短くなる(又は短くなる可能性が高い)。また、左大入賞口20は、下大入賞口21に比べて流下経路の長さや到達時間が短いことから、発射された遊技球が大入賞口へ入球しない無駄球の発生が少なく、その結果、獲得可能な賞球数が多くなり易い。その逆に、下大入賞口21は、左大入賞口20に比べて獲得可能な賞球数が少なくなり易い。なお、獲得可能な賞球数とは、大入賞口への入球個数に払出数を乗算した総払出数から遊技球の発射個数を減算した数である。
また、本実施形態の遊技盤10では、左大入賞口20と下大入賞口21が何れも左方を流下する遊技球が入球可能となる位置に配設されている。このため、本実施形態では、何れの大入賞口も左方を流下する遊技球が入球可能となる位置に配設されていることによって、大当り遊技中と非大当り遊技中、及び開閉動作する大入賞口が異なっても、発射ハンドルの操作量(遊技球の発射強度)を大幅に変更する必要がない。また、このような構成とすることで、非大当り遊技中に第1始動入賞口16や第2始動入賞口17を狙って遊技球を発射させるための発射ハンドルの操作量と、大当り遊技中に左大入賞口20や下大入賞口21を狙って遊技球を発射させるための発射ハンドルの操作量を、大幅に変更する必要がない。
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、遊技者が操作可能な操作選択手段としての演出用操作ボタンBTが装備されている(図4に示す)。演出用操作ボタンBTは、遊技球を貯留するための球皿部材の上面や前面など、遊技者が遊技を行いながら操作可能な位置に配設されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率を低確率から高確率に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態において確変状態は、予め定めた付与回数としての確変上限回数(本実施形態では5回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、又は確変上限回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。確変状態は、大当り抽選の抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となり得る。本実施形態では、確変状態を伴って実行される図柄変動ゲームの回数が「5回」を超えることが、終了条件の成立に相当する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な入球率向上状態が付与される。入球率向上状態では、普図当り抽選の抽選確率が低確率から高確率に変動する。また、入球率向上状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根18の開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。そして、入球率向上状態では、開閉羽根18の開放時間の増加によって入球率が向上する。また、入球率向上状態では、入球率向上状態が付与されていないときと比べて、特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)の変動時間が短縮される場合がある。また、入球率向上状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、非変短状態と比べて短縮される。本実施形態において入球率向上状態は、予め定めた上限回数(本実施形態では、30回又は70回)の特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が終了する迄の間、又は上限回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。入球率向上状態は、開閉羽根18が遊技者にとって有利に動作し、単位時間あたりの第2始動入賞口17への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、入球率向上状態は、開閉羽根18の単位時間あたりの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)、又は普図ゲームの変動時間が短縮される変動時間短縮状態(以下、変短状態と示す)でもある。以下の説明では、入球率向上状態を変短状態と示している。また、本実施形態のパチンコ遊技機では、入球率向上状態が付与される上限回数(変短上限回数)は、確変上限回数よりも多く設定されている。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について図2にしたがって説明する。
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、15ラウンド又は5ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)の開閉動作が所定回数(本実施形態では1回)行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示すエンディング演出の実行時間の経過後、大当り遊技が終了する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す3種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。3種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、図2に示すように、特図毎に分類される。
図柄A及び図柄aには、特図1又は特図2の大当り図柄として10種類がそれぞれ振分けられている。図柄B及び図柄bには、特図1又は特図2の大当り図柄として60種類がそれぞれ振分けられている。図柄C及び図柄cには、特図1又は特図2の大当り図柄として30種類がそれぞれ振分けられている。
図柄A,aの大当りは、15ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、確変上限回数(5回)の確変状態と、変短上限回数(70回)の変短状態を付与する。また、以下の説明では、図柄A,aの大当りを「大当りA」と示す場合がある。
図柄B,b及び図柄C,cの大当りは、5ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後、確変上限回数(5回)の確変状態を付与する。一方、これらの大当りは、当選時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に異なる条件下で変短状態を付与する。具体的に言えば、図柄B,bの大当りは、当選時の遊技状態が「低確+変短なし」である場合、変短状態を付与しない。その一方で、図柄B,bの大当りは、当選時の遊技状態が「低確+変短あり」、「高確+変短なし」又は「高確+変短あり」のいずれかである場合、変短上限回数(70回)の変短状態を付与する。また、以下の説明では、図柄B,bの大当りを「大当りB」と示す場合がある。
一方、図柄C,cの大当りは、当選時の遊技状態が「低確+変短なし」である場合、変短状態を付与しない。その一方で、図柄C,cの大当りは、当選時の遊技状態が「低確+変短あり」又は「高確+変短なし」である場合、変短上限回数(30回)の変短状態を付与する。また、当選時の遊技状態が「高確+変短あり」である場合、変短上限回数(70回)の変短状態を付与する。また、以下の説明では、図柄C,cの大当りを「大当りC」と示す場合がある。本実施形態では、大当りA〜Cが決定された場合、確変状態が付与されるため、これらの大当りが「高確当り」に相当する。
また、大当りA,B,Cでは、各ラウンド間のインターバル時間と、大当り遊技中に開閉動作させる大入賞口が異なっている。具体的に説明すると、大当りAでは、インターバル時間が「2秒」に設定されている一方で、大当りB,Cでは、インターバル時間が「1秒」に設定されている。また、大当りAでは、大当り遊技中、下大入賞口21が開閉動作される一方で、大当りB,Cでは、大当り遊技中、左大入賞口20が開閉動作される。
一方、大当りA,B,Cでは、オープニング演出を実行させるためのオープニング時間(8秒)、エンディング演出を実行させるためのエンディング時間(1秒)、1回のラウンド遊技における大入賞口の開放時間(25秒)が、それぞれ同一に設定されている。なお、本実施形態におけるエンディング時間は、大当りB,Cにおけるインターバル時間と同一時間に設定されているとともに、大当りAにおけるインターバル時間よりも短く設定されている。また、本実施形態のエンディング演出は、最終回のラウンド遊技で行われていた演出をエンディング時間中も継続して実行させる態様で行われる。
次に、演出モードの移行態様を、図3(a)にしたがって説明する。
演出モードは、該演出モードの違いによって演出表示装置11にて図柄の背面に表示される背景画像を異ならせたものである。そして、本実施形態では、非変短状態時の演出モードとして通常モードM1と準備モードM2、及び変短状態時の演出モードとして確定モードM3と変短モードM4と、が設定されている。
通常モードM1は、「低確+変短なし」の時に滞在する演出モードである。準備モードM2は、「高確+変短なし」の時に滞在する演出モードである。本実施形態において準備モードM2には、「低確+変短なし」の通常モードM1の滞在中に大当りB又は大当りCに当選したことにより、移行する。そして、通常モードM1の滞在中に大当りB又は大当りCに当選した場合、大当り遊技終了後、1回目の図柄変動ゲームから「高確+変短なし」の準備モードM2が設定されるが、本実施形態では、確変上限回数を「5回」に設定している。これにより、確変状態が付与されている期間中に大当り抽選に当選しなかったのであれは、大当り遊技終了後、6回目の図柄変動ゲームの開始時には、確変状態が終了して「低確+変短なし」の遊技状態となるため、大当り遊技終了後、6回目の図柄変動ゲームの開始時に「低確+変短なし」の通常モードM1が設定される。一方、確変状態が付与されている期間中に大当り抽選(大当りA,B,C)に当選した場合は、大当り遊技終了後に確定モードM3に移行する。
確定モードM3は、「高確+変短あり」の時に滞在する演出モードである一方で、変短モードM4は、「低確+変短あり」のときに滞在する演出モードである。本実施形態において確定モードM3には、「高確+変短なし」の準備モードM2の滞在中に大当りA,B,Cのうちいずれかに当選したことにより、移行する。さらに、確定モードM3には、大当り抽選当選時の遊技状態にかかわらず、大当りAに当選した場合に移行する。なお、前述したように、確変上限回数を「5回」に設定しているので、大当り遊技終了後、6回目の図柄変動ゲームの開始時には、確変状態が終了する。このため、確定モードM3中に大当り抽選に当選しなかったのであれば、大当り遊技終了後、6回目の図柄変動ゲームの開始時に「低確+変短あり」の変短モードM4が設定される。その一方で、確変状態が付与されている期間中に大当り抽選(大当りA,B,C)に当選した場合は、大当り遊技終了後、再度、確定モードM3に移行する。
なお、変短モードM4は、「低確+変短あり」の時に滞在する演出モードであるため、大当りの種類や大当り抽選当選時の遊技状態に応じて、滞在可能な図柄変動ゲームの回数が異なっている。そして、変短状態が付与されている期間中に、大当り抽選(大当りA,B,C)に当選したのであれは、大当り遊技終了後、再度、確定モードM3に移行する。その一方で、変短状態が付与されている期間中に大当り抽選に当選しなかったのであれば、変短状態の終了後、「低確+変短なし」の通常モードM1に移行する。
本実施形態では、通常モードM1から確定モードM3への直接的な移行を、大当りAに当選することに限定している。一方、通常モードM1中に大当りB又は大当りCに当選しても、通常モードM1から確定モードM3に移行せず、準備モードM2を経由して確定モードM3に移行可能としている。このような移行形態とすることで、確定モードM3によって、大当り抽選に連続して当選していること(連続当選回数)を遊技者に報知できる。本実施形態では、「低確+変短なし」の状態で大当り抽選に当選することを「初回の大当り」とする。また、連続当選回数は、間に非変短状態を挟むことなく(大当り遊技中を除く)、変短状態が付与されている期間中に大当り抽選に当選した回数としている。したがって、変短状態が終了して非変短状態となった場合には、連続当選回数がリセットされる。
本実施形態では、「高確+変短あり」の状態が「有利遊技状態」に相当する。また、該有利遊技状態が生起される複数回(本実施形態では5回)の図柄変動ゲームを一期間とする期間が「特定期間」に相当する。一方、「低確+変短なし」、「低確+変短あり」、及び「高確+変短なし」の状態が「有利遊技状態を除く遊技状態」に相当する。また、有利遊技状態を除く遊技状態が生起される期間が「特定期間を除く期間」に相当する。
また、本実施形態では、図柄変動ゲームの終了時に大当り遊技が開始されることがないとともに始動保留球が存在しない場合、図柄変動ゲームが行われていない状態(変動停止中)となる。すなわち、図柄変動ゲームが途切れている次回の図柄変動ゲームの開始を待機する待機状態となる。待機状態は、一旦生起させると該待機状態中に図柄変動ゲームの始動条件が成立することを終了条件として該終了条件が成立するまで継続される。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、待機状態中に該待機状態であることを示すデモンストレーション演出(以下、「デモ演出」と示す)が実行される。デモ演出は、パチンコ遊技機が待機状態であることを、演出表示装置11にて報知し、客寄せ効果を得るための演出である。
次に、パチンコ遊技機の制御構成について図4を参照して説明する。
パチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御するメイン制御手段としての主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、音声制御基板33とが配設されている。本実施形態では、統括制御基板31、表示制御基板32、及び音声制御基板33が、サブ制御手段として機能する。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板32及び音声制御基板33を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する。また、音声制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ遊技機の各枠に配設されている音声出力手段としてのスピーカSPの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
ここで、主制御基板30、統括制御基板31、表示制御基板32及び音声制御基板33の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について図4を参照して以下に説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW5が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、各種表示装置12a,12b,13a,13b,14,15と、各種ソレノイドSOL1〜SOL3が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄となる特図を決定する場合に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、バックアップ機能を備えており、電源が遮断されると、主制御用RAM30cの記憶内容をバックアップするようになっている。
そして、主制御用CPU30aは、図示しない電源監視回路からの電源断信号(電圧値が所定の電圧値に降下したことを示す信号)を入力すると、バックアップ処理を実行し、主制御用RAM30cの記憶情報を電源遮断後も保持する。なお、電源遮断後も主制御用RAM30cに記憶保持される情報は、電源遮断時における遊技状態(確変状態及び変短状態の有無、変動パターンの種類など)に関する情報などである。
そして、主制御用CPU30aは、復電(電源投入)された場合、主制御用RAM30cに記憶保持された情報をもとにパチンコ遊技機の状態を電源遮断時の遊技状態に復帰し、制御を開始する。具体的に説明すると、主制御用CPU30aは、復電後、電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復帰コマンドを統括制御基板31に出力する。加えて、主制御用CPU30aは、確変状態の付与状態に応じて、後述する確変コマンド又は非確変コマンドを統括制御基板31に出力する。同様に、主制御用CPU30aは、変短状態の付与状態に応じて、後述する作動コマンド又は非作動コマンドを統括制御基板31に出力する。これにより、統括制御基板31の統括制御用CPU31aは、電源遮断時の遊技状態を再度把握することができる。また、本実施形態では、遊技状態と演出モードが1対1で対応付けられているため、確変状態や変短状態の付与状態を確認するだけで、電源遮断時に設定されていた演出モードを把握することもできる。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1582までの全1583通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として4個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は1583分の4となる。一方、本実施形態では、確変状態用の大当り判定値は、前記4個の値に36個の値を加えた合計40個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は1583分の40となる。
そして、非確変状態用の大当り判定値と確変状態用の大当り判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(4個の値)が共通値とされている。すなわち、この共通値とされる4個の値は、非確変状態時及び確変状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている。一方、確変状態用の大当り判定値において、前記共通値を除く他の値(36個)は、非確変状態用の大当り判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。この非共通値とされる36個の値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、非確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通値は、確変状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。
また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜238までの全239通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、特図変動ゲームの種類、及び保留記憶数にかかわらず、遊技状態毎にリーチ判定値が定められている。具体的に説明すると、「低確+変短なし」の遊技状態用のリーチ判定値として35個の値が設定されており、リーチ抽選で当選する確率は239分の35となる。一方で、「高確+変短なし」及び「高確+変短あり」の遊技状態用のリーチ判定値として239個の値が設定されており、リーチ抽選で当選する確率はそれぞれ239分の239となる。これにより、確変状態中は、必ずリーチ抽選に当選する。また、「低確+変短あり」の遊技状態用のリーチ判定値として15個の値が設定されており、リーチ抽選で当選する確率は239分の15となる。
普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜232までの全233通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非変短状態用の普図当り判定値として15個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は233分の15となる。一方、本実施形態では、変短状態用の普図当り判定値として232個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は233分の232となる。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、大当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て大当り図柄を導出させる。
はずれリーチ変動は、大当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。そして、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機に設定された変動パターンについて、図5及び図6に従って説明する。
本実施形態では、「低確+変短なし」、「低確+変短あり」、「高確+変短なし」及び「高確+変短あり」の遊技状態毎に、選択可能な変動パターンを対応付けた変動パターン振分テーブルをそれぞれ設定している。この変動パターン振分テーブルは、主制御用ROM30bに記憶されている。以下の説明では、「低確+変短なし」の遊技状態用、かつ、はずれ変動用の変動パターン振分テーブル(図5(a))を「テーブルTA1」と示す。「低確+変短なし」の遊技状態用、かつ、はずれリーチ変動用の変動パターン振分テーブル(図5(b))を「テーブルTA2」と示す。「低確+変短なし」の遊技状態用、かつ、大当り変動用の変動パターン振分テーブル(図5(c))を「テーブルTA3」と示す。また、「低確+変短あり」の遊技状態用、かつ、はずれ変動用の変動パターン振分テーブル(図5(d))を「テーブルTB1」と示す。「低確+変短あり」の遊技状態用、かつ、はずれリーチ変動用の変動パターン振分テーブル(図5(e))を「テーブルTB2」と示す。「低確+変短あり」の遊技状態用、かつ大当り変動用の変動パターン振分テーブル(図5(f))を「テーブルTB3」と示す。同様に、「高確+変短なし」の遊技状態用の変動パターン振分テーブル(図6(a))を「テーブルTC」と示す一方で、「高確+変短あり」の遊技状態用の変動パターン振分テーブル(図6(b))を「テーブルTD」と示す。
最初に、「低確+変短なし」の遊技状態である通常モードM1が設定されているときに選択可能な変動パターンについて、図5(a)〜(c)に従って説明する。
図5(a)に示すように、はずれ変動用の変動パターンとして、変動パターンP1〜P3の3種類が設定されている。変動パターンP1は変動内容として「通常変動」を特定し、変動パターンP2は変動内容として「短縮変動」を特定し、変動パターンP3は変動内容として「超短縮変動」を特定する変動パターンである。「通常変動」では、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の図柄(飾図)が予め定めた変動停止順(本実施形態では、左列→右列→中列)に従って変動が停止されて図柄が導出される。また、「短縮変動」及び「超短縮変動」では、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の変動がほぼ同一のタイミングで停止されて各図柄列に図柄が導出される。なお、「短縮変動」と「超短縮変動」では、「超短縮変動」の方が、変動時間が短く設定されている。
また、図5(b)に示すように、はずれリーチ変動用の変動パターンとして、変動パターンP4,P5の2種類が設定される一方で、図5(c)に示すように、大当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP6,P7の2種類が設定されている。変動パターンP4,P6には、同一のリーチ演出内容(リーチR1)を定める一方で、変動パターンP5,P7には、同一のリーチ演出内容(リーチR2)を定めている。
次に、「低確+変短あり」の遊技状態である変短モードM4が設定されているときに選択可能な変動パターンについて、図5(d)〜(f)に従って説明する。
図5(d)に示すように、はずれ変動用の変動パターンとして、変動パターンP1〜P3の3種類が設定されている。また、図5(e)に示すように、はずれリーチ変動用の変動パターンとして、変動パターンP8,P9の2種類が設定される一方で、図5(f)に示すように、大当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP10,P11の2種類が設定されている。変動パターンP8,P10には、同一のリーチ演出内容(リーチR3)を定める一方で、変動パターンP9,P11には、同一のリーチ演出内容(リーチR4)を定めている。
次に、「高確+変短なし」の遊技状態である準備モードM2が設定されているときに選択可能な変動パターンについて、図6(a)に従って説明する。
図6(a)に示すように、「高確+変短なし」の遊技状態では、大当り抽選に当選しなかったときに参照される変動パターン(以下、はずれ変動パターンと示す)として、変動パターンP12〜P16の5種類が設定されている。また、大当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP17〜P22の6種類が設定されている。そして、本実施形態では、変動パターンP12,P17が、大当り遊技終了後、1回目用の変動パターンとして設定されている。その一方で、変動パターンP13,P18が2回目用、変動パターンP14,P19が3回目用、変動パターンP15,P20が4回目用、変動パターンP16,P21,P22が、5回目用の変動パターンとしてそれぞれ設定されている。大当り遊技終了後の図柄変動ゲームの回数に応じて定められた大当り変動用の変動パターンと、はずれ変動パターンとには、回数が同じ変動パターンに対してそれぞれ同一の内容が定められている。
また、「高確+変短なし」の遊技状態において、各変動パターンに定められた変動時間を比較すると、はずれ変動パターンよりも大当り変動用の変動パターンの方が、変動時間が長くなっている。また、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームの実行回数が確変上限回数に近付くほど、その変動時間が長くなっている。
次に、「高確+変短あり」の遊技状態である確定モードM3が設定されているときに選択可能な変動パターンについて、図6(b)に従って説明する。
図6(b)に示すように、「高確+変短あり」の遊技状態では、はずれ変動パターンとして、変動パターンP23〜P27の5種類が設定されている。また、大当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP28〜P33の6種類が設定されている。そして、本実施形態では、変動パターンP23,P28が、大当り遊技終了後、1回目用の変動パターンとして設定されている。その一方で、変動パターンP24,P29が2回目用、変動パターンP25,P30が3回目用、変動パターンP26,P31が4回目用、変動パターンP27,P32,P33が5回目用の変動パターンとしてそれぞれ設定されている。
また、「高確+変短あり」の遊技状態において、各変動パターンに定められた変動時間を比較すると、はずれ変動パターンよりも大当り変動用の変動パターンの方が、変動時間が長くなっている。その一方で、大当り遊技終了後、1回目〜4回目用の変動パターンP23〜P26には、同一の変動時間(14.9秒)を定めている一方で、大当り遊技終了後、5回目用の変動パターンP27には、変動パターンP23〜P26よりも長い変動時間(28.3秒)を定めている。
同様に、「高確+変短あり」の遊技状態において、大当り遊技終了後、1回目〜5回目用の変動パターンP28〜P32には、同一の変動時間(27.9秒)を定めている。さらに、大当り遊技終了後、5回目用の変動パターンP33には、変動パターンP28〜P32よりも長い変動時間(38.2秒)を定めている。
このように、本実施形態では、確変状態が付与されている期間中、図柄変動ゲームの実行順序に従って、選択される変動パターンを予め対応付けている。具体的に説明すると、確変状態が付与されている期間中に行う演出に必要な最低演出時間を確保するために、保留記憶数の影響を受けないよう、確変状態が付与されている期間中の図柄変動ゲームの実行順序に従って定めている。本実施形態では、回数専用の変動パターンを設定している準備モードM2及び確定モードM3が、規定期間に相当する。より詳しくは、準備モードM2が第1規定期間に相当する一方で、確定モードM3が、第2規定期間に相当する。
次に、統括制御基板31について図4を参照して以下に説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、演出用操作ボタンBTが接続されており、演出用操作ボタンBTが操作(押下)される毎に出力する操作信号を入力する。また、統括制御用CPU31aには、表示制御基板32及び音声制御基板33が接続されている。統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、統括制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、表示制御基板32について図4を参照して以下に説明する。
表示制御基板32には、表示制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機の表示動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。表示制御用CPU32aは、各種制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、音声制御基板33について図4を参照して以下に説明する。
音声制御基板33には、音声制御動作を所定の手順で実行する音声制御用CPU33aと、音声制御用CPU33aの音声制御プログラムを格納する音声制御用ROM33bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる音声制御用RAM33cが設けられている。音声制御用ROM33bには、各種の音声データが記憶されている。音声制御用RAM33cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、音声制御用CPU33aには、スピーカSPが接続されている。音声制御用CPU33aは、各種制御コマンドを入力すると、音声制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
最初に主制御基板30にて実行される制御内容について説明する。
主制御基板30の主制御用CPU30aは、所定の制御周期毎(本実施形態では4ms毎)にタイマ割込み処理を実行する。タイマ割込み処理は、パチンコ遊技機の起動後、所定の制御周期毎(4ms毎)に繰り返し実行する処理であり、このタイマ割込み処理にて各種遊技に係る処理を実行する。
タイマ割込み処理において主制御用CPU30aは、図3(b)に示すように、まず、普通電動役物ソレノイドSOL1や大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3などに制御信号を出力したり、統括制御用CPU31aなどに制御コマンドを出力したりする出力処理を実行する(ステップMC1)。次に、主制御用CPU30aは、各種スイッチSW1〜SW5から入力した各種制御信号(制御コマンド)に応じた入力処理(ステップMC2)を実行する。次に、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数などの各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップMC3)。次に、主制御用CPU30aは、特図変動ゲーム(第1特図変動ゲーム又は第2特図変動ゲーム)に係る特別図柄処理(ステップMC4)を実行する。次に、主制御用CPU30aは、大入賞口20,21の開放及び閉鎖などを制御する特別電動役物処理(ステップMC5)を実行する。
以下、タイマ割込み処理にて実行される入力処理としての特別図柄入力処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第1始動入賞口16に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第1保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を「1」加算する。第1保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第1保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の各値を取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、第1始動入賞口16に遊技球が入球していない場合、又は第1始動入賞口16に遊技球が入球したが第1保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第2始動入賞口17に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第2保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を「1」加算する。第2保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第2保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。本実施形態において、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の各値を取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄処理としての特別図柄開始処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件を判定する。具体的に説明すると、主制御用CPU30aは、大当り遊技の実行中であるか否かを示すシステムフラグの管理を行っており、大当り遊技の実行中は「01H」をセットする一方で、大当り遊技を実行していないときには「00H」をセットする。これにより、主制御用CPU30aは、システムフラグの値を確認することで、大当り遊技中か否かを判定することができる。
加えて、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームに係る処理内容を管理する特図処理フラグの管理を行っている。特図処理フラグでは、特図1,2毎に、特別図柄開始処理、特別図柄変動処理、特別図柄表示処理のうちいずれの処理を実行するかが管理される。そして、特別図柄開始処理を実行する場合には「00H」がセットされ、特別図柄変動処理を実行する場合には「01H」がセットされ、特別図柄表示処理を実行する場合には「02H」がセットされる。これにより、主制御用CPU30aは、特図処理フラグの値を確認することで、特別図柄開始処理の実行時期であるか否かを判定することができる。なお、特別図柄変動処理とは、選択した変動パターンに定められた変動時間の間、特別図柄表示装置12a,12bにて特図を変動させる処理である。一方、特別図柄表示処理は、特別図柄変動処理の終了後に行われ、選択した特図に応じた処理(確変状態の付与、大当り遊技を開始させるための処理など)を実行させるために行う処理である。
特図処理フラグの値を確認した結果、図柄変動ゲーム中、又は大当り遊技中である場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その一方で、図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第2保留判定処理を実行する。第2保留記憶数が「1」以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の第2特図変動ゲームが存在するので、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第2特図変動ゲームを実行することを示す値「1」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。
続いて、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。このとき、主制御用CPU30aは、後述する確変フラグの設定値から、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する。そして、主制御用CPU30aは、確変状態の場合、確変状態用の大当り判定値を用いることで、抽選確率を高確率として大当り判定を行う。一方、主制御用CPU30aは、非確変状態の場合、非確変状態用の大当り判定値を用いることで、抽選確率を低確率として大当り判定を行う。なお、本実施形態において大当り判定値は、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとで共通の値が用いられる。
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分用乱数の値に基づいて、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。本実施形態では、特図に対して大当りの種類が対応付けられていることから、特図を決定することによって大当りの種類が決定されることになる。続いて、主制御用CPU30aは、特図2の大当り図柄の種類(大当りの種類)と、現在の遊技状態に基づき、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。
より詳しくは、「低確+変短なし」又は「低確+変短あり」の遊技状態である場合、主制御用CPU30aは、テーブルTA3(図5(c))又はテーブルTB3(図5(f))から、取得した変動パターン振分用乱数の値で特定される大当り変動用の変動パターンを選択する。その一方で、「高確+変短なし」又は「高確+変短あり」の遊技状態である場合、主制御用CPU30aは、大当り遊技が終了してから実行した図柄変動ゲームの回数を計数し、テーブルTC(図6(a))又はテーブルTD(図6(b))から、その回数に対応する大当り変動用の変動パターンを選択する。確変状態が付与される期間中の変動パターン振分テーブルは、保留記憶数の影響を受けない(0〜4の全保留状態で、共通の変動パターン振分テーブルが設定されている)テーブル構成である。
前述したように、本実施形態では図柄変動ゲームの実行順序に従って変動パターンを一義的に定めているため、大当り遊技終了後に確変状態が付与される場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数の影響を受けずに変動パターンの選択、ひいては変動時間の設定を行うことができる。また、確変状態が付与されている期間中は、各ゲーム数に対応する専用の変動パターン振分テーブルが設定されているとも言える。よって、大当り遊技終了後、特定回数目の図柄変動ゲームで必ず実行させたい演出がある場合などであっても、保留記憶数の影響を受けないため、その演出を図柄変動ゲーム中に完結することのできる変動時間(最低演出時間)を定めた変動パターンを必ず選択できることになる。
また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域におけるカウンタにて、変短状態中に大当り抽選に当選した回数を計数する。この回数は、大当り変動用の変動パターン指定コマンドを出力する度に1加算されるようになっており、変短状態から非変短状態に切り替わるまで維持される。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを決定する。続いて、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態に基づき、はずれリーチ変動の変動パターンを選択し、決定する。
より詳しくは、「低確+変短なし」又は「低確+変短あり」の遊技状態である場合、主制御用CPU30aは、テーブルTA2(図5(b))又はテーブルTB2(図5(e))から、取得した変動パターン振分用乱数の値で特定されるはずれリーチ変動用の変動パターンを選択する。その一方で、「高確+変短なし」又は「高確+変短あり」の遊技状態である場合、主制御用CPU30aは、テーブルTC(図6(a))又はテーブルTD(図6(b))から、大当り遊技が終了してから実行した図柄変動ゲームの回数に従って、その回数に対応するはずれ変動パターンを選択する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
前述したように、「高確+変短なし」又は「高確+変短あり」の遊技状態では、大当り抽選に当選しなかった場合、変短状態の有無と図柄変動ゲームの実行順序のみに応じて、はずれ変動パターンを決定している。これにより、主制御用CPU30aは、大当り抽選の抽選確率が高確率であることを認識している状態で大当り判定の判定結果が否定であること認識すると、直ぐにテーブルTC,TDからはずれ変動パターンを選択しているとも言える。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置12bに確定停止表示させる特図2としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態に基づき、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。
より詳しくは、「低確+変短なし」又は「低確+変短あり」の遊技状態である場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数と第2保留記憶数の値を合算した合算保留記憶数を参照して、テーブルTA1(図5(a))又はテーブルTB1(図5(d))から、取得した変動パターン振分用乱数の値で特定されるはずれ変動用の変動パターンを選択する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、前述した第2保留判定処理の判定結果が否定である場合(第2保留記憶数が「1」以上ではない)、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第1保留判定処理を実行する。第1保留記憶数が「0」である場合、保留中の第1特図変動ゲームが存在しないことになる。この場合、主制御用CPU30aは、デモ演出の実行を開始させるデモ指定コマンドを既に出力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(デモ指定コマンドを出力していない場合)、主制御用CPU30aは、保留が途切れる直前の図柄変動ゲームの終了に伴ってデモ指定コマンドを出力した後、特別図柄開始処理を終了する。また、デモ指定コマンドを既に出力していた場合、主制御用CPU30aは、そのまま特別図柄開始処理を終了する。
一方、第1保留記憶数が「1」以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の第1特図変動ゲームが存在するので、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第1特図変動ゲームを実行することを示す値「0」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。
続いて、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた大当り判定用乱数の値と大当り抽選の抽選確率に応じた大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分用乱数の値に基づいて、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、特図1の大当り図柄の種類(大当りの種類)と、現在の遊技状態に基づき、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。なお、第1特図変動ゲームにおける変動パターンの決定方法は、第2特図変動ゲームにおける変動パターンの決定方法と同一であるため、ここでは説明を省略する。
また、大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを決定する。続いて、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図1としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
このように、「低確+変短なし」又は「低確+変短あり」の遊技状態中は、変動開始直前における保留記憶数に応じて変動パターンを選択することで、保留記憶数に応じた変動時間で図柄変動ゲームを実行することができる。すなわち、保留記憶数が少ない場合には、長い変動時間を定めた変動パターンが選択され易いため、始動保留球を貯留するための時間を稼ぐことができる。一方、保留記憶数が多い場合には、短い変動時間を定めた変動パターンが選択され易いため、図柄変動ゲームの消化効率を向上させることができる。
その一方で、「高確+変短なし」又は「高確+変短あり」の遊技状態中は、保留記憶数がどのような値であっても、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームの実行順序に応じて一義的に定められた変動パターンを選択している。これにより、保留記憶数がどのような値であっても、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームの実行順序に基づいて一義的な変動時間を決定することが可能となる。そして、このような態様とすることで、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後、特定回数目の図柄変動ゲームで必ず実行させたい演出がある場合などであっても、保留記憶数の影響を受けないため、その演出を図柄変動ゲーム中に完結することのできる変動時間を定めた変動パターンを必ず選択できることになる。
そして、特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理において、特別図柄開始処理の決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始に伴って第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bの表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図を確定停止表示させる。
本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき、特別図柄開始処理において当りか否かの当り判定(大当り判定)を行う主制御用CPU30aが、当り判定手段として機能する。また、特別図柄入力処理において、第1始動入賞口16及び第2始動入賞口17に入球した遊技球を始動保留球(保留記憶数)として記憶する主制御用RAM30cが、記憶手段として機能する。また、本実施形態では、特図を決定することによって大当りの種類が決定される。このため、本実施形態では、主制御用CPU30aが当り決定手段として機能する。また、特定の変動時間を定めた変動パターンを図柄変動ゲームの実行順序に応じて一義的に対応付けることで、変動パターンを決定するだけで図柄変動ゲームの変動時間を決定することができるため、主制御用CPU30aが、変動時間決定手段として機能する。
次に、大当り遊技に係る処理について説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技に係る処理内容を管理する特別電動役物処理フラグの管理を行っている。特別電動役物処理フラグでは、大当り遊技に係る大当り設定処理、大入賞口20,21の閉鎖に係る大入賞口閉鎖処理、大入賞口20,21の開放に係る大入賞口開放処理、大当り遊技の終了に係る大当り終了処理のうちいずれの処理を実行するかが管理される。そして、大当り設定処理を実行する場合には「00H」がセットされ、大入賞口閉鎖処理を実行する場合には「01H」がセットされ、大入賞口開放処理を実行する場合には「02H」がセットされ、大当り終了処理を実行する場合には「03H」がセットされる。なお、主制御用CPU30aは、各処理において特別電動役物処理フラグに次に実行する処理を示すフラグを設定し、そのフラグに応じた処理を特別電動役物処理が到来する毎に実行する。
主制御用CPU30aは、大当り変動の図柄変動ゲームが終了すると、大当り設定処理として、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを統括制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、大当りの種類に応じて開閉動作する大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)を特定し、大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3に対して制御信号を出力する。前記制御信号は、大入賞口の開放指定コマンドと、大入賞口の閉鎖指定コマンドとからなる。
開放指定コマンドが出力された場合は、大入賞口開放処理において、大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3によって大入賞口扉20a,21aの開動作が行われる一方で、閉鎖指定コマンドが出力された場合は、大入賞口閉鎖処理において、大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3によって大入賞口扉20a,21aの閉動作が行われる。主制御用CPU30aは、大当り遊技毎に、開放動作時間、インターバル時間、及びラウンド遊技の終了条件(規定個数の入球又は規定時間の経過)をもとに、大入賞口開放処理及び大入賞口閉鎖処理を実行することで、大入賞口の開閉動作を制御する。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間(本実施形態では、1秒)の経過後、大当り遊技を終了させる。本実施形態において主制御用CPU30aは、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを出力しない。本実施形態では、大当り遊技に係る処理を実行する主制御用CPU30aが、当り遊技制御手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技を終了させることに伴って、システムフラグに「00H」をセットする。そして、主制御用CPU30aは、次の制御周期において始動保留球が記憶されているのであれば、エンディング時間と所定のインターバル時間が経過したことに伴って、その始動保留球に基づいて、タイマ割込み処理の中から特別図柄処理を実行する。そして、本実施形態では、エンディング時間を「1秒」とする一方で、エンディング時間経過後のインターバル時間をエンディング時間よりも短い時間(例えば、10msなど)としている。エンディング時間は、大当りB,Cにおけるラウンド間インターバル時間と同一時間であって、かつ主制御用CPU30aが、大当り遊技を行うための遊技状態から図柄変動ゲームを開始させるための遊技状態に変更するための変更制御を行うために要する最小時間を加味した時間として設定されている。なお、前記変更制御については、後に詳述する。
また、主制御用CPU30aは、大当り終了処理として、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、確変状態を付与する場合、大当りの種類や大当り抽選当選時の遊技状態にかかわらず、確変上限回数「5」を主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に「1」減算し、値が「0」となると、確変フラグに「0」を設定し、非確変コマンドを出力する。したがって、遊技状態処理によって確変状態を終了させる主制御用CPU30aが、確変終了手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与しない場合には作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、大当りの種類毎又は大当り抽選当選時の遊技状態毎に設定された変短上限回数を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。なお、今回の制御周期で設定された各種コマンドは、次周期以降の制御周期において、タイマ割込み処理の出力処理(MC1)にて出力される。
本実施形態では、確変フラグ及び作動フラグの値に従って、大当り判定が肯定判定されたときの遊技状態を判定する主制御用CPU30aが、遊技状態判定手段として機能する。また、確変状態及び変短状態の有無による組み合わせと、変短状態が付与される場合には、その変短上限回数が、遊技者に付与される特典の有利度合いの違いに相当する。また、遊技状態処理によって確変状態及び変短状態の付与状態を制御する主制御用CPU30aが、遊技状態制御手段として機能する。主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、「低確+変短なし」となる。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の実行時にラウンド遊技の実行回数を計測するようになっているため、大当り遊技の終了に伴って計測値をリセットする。また、主制御用CPU30aは、次回大当り抽選に当選したときに大当り遊技を開始させる状態とするため、特別電動役物処理フラグに「00H」を設定する。
本実施形態では、以下に示す制御が、大当り遊技を行うための遊技状態から図柄変動ゲームを開始させるための遊技状態に変更するための変更制御に相当する。すなわち、最終回のラウンド遊技終了後、確変状態の付与状態に応じた値を確変フラグに設定する一方で、変短状態の付与状態に応じた値を作動フラグにセットする制御である。また、確変状態の付与状態に応じて確変コマンド又は非確変コマンドをセットする一方で、変短状態の付与状態に応じて作動コマンド又は非確変コマンドをセットする制御である。また、変短状態を付与する場合、変短上限回数を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する制御である。また、ラウンド遊技の実行回数の計測値をリセットする制御や、特別電動役物処理フラグに「00H」を設定する一方で、システムフラグに「00H」を設定する処理である。また、前述したように、今回の制御周期で設定された各種コマンドは、次周期以降の制御周期において、タイマ割込み処理の出力処理(MC1)にて出力されるため、変更制御を行うために要する最小時間を加味した「1秒」以内に、各種コマンドの設定処理→各種コマンドの出力処理が終了し得る。本実施形態では、変更制御が行われる期間が「変更期間」に相当する。また、変更制御を行うための時間を設定する主制御用CPU30aが、変更期間設定手段として機能する。また、変更制御を実行する主制御用CPU30aが、変更制御実行手段として機能する。
本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り抽選に当選した時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に付与される特典としての遊技状態が変化する。具体的に言えば、大当り遊技終了後に付与される変短状態の変短上限回数が変化する。一方、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り抽選に当選した時の遊技状態に関係なく、予め定めた一定条件(確変上限回数が同一回数)のもとで確変状態を付与する。
このように構成した本実施形態のパチンコ遊技機では、図7に示すように、大当り遊技終了後の遊技状態が変化する。
最初に、大当りAに当選した際の流れを説明する。
大当りAに当選した場合、当選時の遊技状態にかかわらず、必ず大当り遊技終了後の遊技状態は「高確+変短あり」とされるとともに、その変短上限回数としては、当該パチンコ遊技機において最も多い回数である「70回」が決定される。
次に、大当りB又は大当りCに当選した際の流れを説明する。
「低確+変短なし」で大当りB又は大当りCに当選すると(1回目の大当り)、大当り遊技終了後の遊技状態は「高確+変短なし」とされ、変短状態が付与されない。そして、1回目の大当りに伴う大当り遊技終了後の遊技状態となる「高確+変短なし」の時に大当りB,Cに当選すると(2回目の大当り)、大当り遊技終了後の遊技状態は、「高確+変短あり」とされる。ただし、大当り抽選に当選したからといって、当該パチンコ遊技機において最も多い回数(70回)が変短上限回数として必ず決定されるとは限らず、決定された大当りの種類によっては(この例では大当りC)、変短上限回数として前記回数(70回)よりも少ない回数(30回)が決定される。
また、2回目の大当りに伴う大当り遊技終了後の遊技状態となる「高確+変短あり」時に大当りB,Cに当選すると(3回目の大当り)、大当り遊技終了後の遊技状態は、「高確+変短あり」とされる。この状態では、大当りB及び大当りCのどちらに当選したとしても、当該パチンコ遊技機において最も多い回数(70回)が、変短上限回数として必ず決定される。本実施形態のパチンコ遊技機では、「高確+変短あり」の状態のもとで大当り遊技が生起されると、必ず、有利な変短状態(70回)が付与され得る。
一方、3回目の大当りに伴う大当り遊技終了後、6回目の図柄変動ゲームからの遊技状態となる「低確+変短あり」中に大当りB,Cに当選すると(4回目の大当り)、大当り遊技終了後の遊技状態は、「高確+変短あり」とされる。ただし、大当り抽選に当選したからといって、当該パチンコ遊技機において最も多い回数(70回)が変短上限回数として必ず決定されるとは限らず、決定された大当りの種類によっては(この例では大当りC)、変短上限回数として前記回数(70回)よりも少ない回数(30回)が決定される。
以降、「高確+変短あり」中に大当り抽選に当選したならば、大当りの種類にかかわらず、大当り遊技終了後の遊技状態は「高確+変短あり」とされるとともに、その変短上限回数としては、当該パチンコ遊技機において最も多い回数「70回」が必ず決定される。一方、「高確+変短なし」及び「低確+変短あり」中に大当りB,Cに当選した場合、大当り抽選に当選したからといって、当該パチンコ遊技機において最も多い回数(70回)が変短上限回数として必ず決定されるとは限らない。決定された大当りの種類によっては(この例では大当りC)、変短上限回数として70回よりも少ない回数が決定される場合もある。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機では、「低確+変短なし」時の大当りを1回目(最初)の大当りとし、以降、確変状態及び変短状態のうち少なくとも何れかが付与されている遊技状態時に大当り抽選に当選すると、大当りの種類に関係なく、必ず変短状態が付与される。ただし、確変状態及び変短状態が付与されているときには、必ず、当該パチンコ遊技機において最も多い回数(70回)が変短上限回数として決定される。言い換えれば、有利遊技状態中に大当り抽選に当選した場合、大当りの種類にかかわらず、大当り遊技終了後には、必ず最大の有利な遊技特典(変短70回)が付与可能に構成されている。その一方、確変状態又は変短状態のどちらかしか付与されていないときには、大当りB又は大当りCに当選した場合、当該パチンコ遊技機において最も多い回数が変短上限回数として決定される場合もあるが(大当りB当選)、その回数よりも少ない回数が変短上限回数として決定される場合もある(大当りC当選)。一方、大当りAに当選した場合は、当選時の遊技状態に関わらず、必ず変短上限回数「70回」の変短状態が付与される。
本実施形態では、変短上限回数として、当該パチンコ遊技機において最も多い回数を決定する大当りが、高特典当りに相当する。この場合、大当りAは、大当り抽選当選時の遊技状態にかかわらず「高特典当り」に相当するが、大当りBは、大当り抽選当選時の遊技状態が「低確+変短あり」、「高確+変短なし」、又は「高確+変短あり」のいずれかであるときに「高特典当り」に相当する。同様に、大当りCは、大当り抽選当選時の遊技状態が「高確+変短あり」であるときに「高特典当り」に相当する。また、大当りCは、大当り抽選当選時の遊技状態が「低確+変短あり」、「高確+変短なし」のいずれかである場合、変短上限回数として「30回」を決定するので、大当りCが「低特典当り」に相当する。また、「高確+変短70回」が、最も有利な遊技特典に相当する。
次に、普図ゲームに関する普通図柄入力処理を説明する。
主制御用CPU30aは、遊技球が作動ゲート19を通過したと判定した場合、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。普図保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を「1」加算する。普図保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置15の表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を普図保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定し、普通図柄入力処理を終了する。
次に、普図ゲームに関する普通図柄開始処理を説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの実行中又は普図当り抽選の当選に基づく開閉羽根18の動作中か否かの普図実行条件を判定する。この判定結果が肯定(普図ゲーム中又は動作中である)の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その一方で、この判定結果が否定(普図ゲーム中ではなく、かつ動作中でもない)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かの普図保留判定を行う。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
一方、普図保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数の数を「1」減算し、更新後(減算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普図当り判定を行う。このとき、主制御用CPU30aは、作動フラグを確認し、非変短状態の場合、非変短状態用の普図当り判定値を用いる一方で、変短状態の場合、変短状態用の普図当り判定値を用いる。この遊技状態に応じた普図当り判定値の選択により、変短状態中は、普図当り判定(普図当り抽選)の抽選確率が高確率に変動する。
また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を定めた普図用の変動パターンを選択する。このとき、主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態の場合、第1の変動時間(例えば5秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する一方で、遊技状態が変短状態の場合、第1の変動時間よりも短い第2の変動時間(例えば1秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する。この遊技状態に応じた変動時間の異なる変動パターンの選択により、変短状態中は、普図ゲームの変動時間が短縮される。
続いて、普図用の変動パターンを選択した主制御用CPU30aは、当該変動パターンにしたがって普通図柄表示装置14に普図ゲームを実行させる。そして、主制御用CPU30aは、普図用の変動パターンに定める変動時間の経過時に、普図当り判定を肯定判定している場合には当り図柄を普通図柄表示装置14に確定停止表示させる一方で、普図当り判定を否定判定している場合にははずれ図柄を普通図柄表示装置14に確定停止表示させる。
また、普図当り判定を肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、普図ゲームの終了後(当り図柄の確定停止表示後)、開閉羽根18を所定の動作パターンにしたがって開閉動作させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態時の場合、開閉羽根18を、第1開放時間(本実施形態では0.2秒)で第1回数(本実施形態では1回)分、開放動作させる。一方、主制御用CPU30aは、変短状態時の場合、開閉羽根18を、第1開放時間よりも長い第2開放時間(本実施形態では1.5秒)で、第1回数よりも多い第2回数(本実施形態では3回)分、開放動作させる。この遊技状態に応じた異なる動作パターンによる開閉羽根18の開放動作の制御により、変短状態中は、開閉羽根18の開放時間が長くなる。
また、前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機には、バックアップ機能が備えられているため、主制御用RAM30cの記憶内容が保存される。そして、主制御用RAM30cには選択した変動パターンも記憶されるようになっている。このため、主制御用CPU30aは、バックアップ処理の実行後に復電(電源投入)された場合、主制御用RAM30cに記憶保持された情報をもとに、パチンコ遊技機の状態を電源遮断時の遊技状態に復帰することできるので、変動パターンの復元も可能となる。具体的に説明すると、遊技状態を復帰させた後、主制御用CPU30aは、計数していた大当り遊技終了後からの図柄変動ゲームの実行回数を復帰させる。このため、復帰後の図柄変動ゲームの開始時には、復帰された実行回数に1加算した回数に対応する変動パターンを選択することができる。
したがって、変動パターン指定コマンドを入力した統括制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの実行回数をカウントしなくても、入力した変動パターンの内容を確認するだけで、これから実行させようとしている図柄変動ゲームが、大当り遊技終了後、何回目の図柄変動ゲームであるのかを把握することが可能となる。
次に、統括制御基板31の統括制御用CPU31aが、統括制御プログラムに基づいて実行する各種処理を説明する。
統括制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御用CPU32a及び音声制御用CPU33aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示される特図と、大当り抽選に当選したときの遊技状態をもとに、演出表示装置11(画像表示部GH)に一旦停止表示又は確定停止表示させる飾図を生成する。
具体的に説明すると、大当りAに対応する特図が指示されている場合、大当り抽選に当選したときの遊技状態にかかわらず、統括制御用CPU31aは、大当りの図柄組み合わせとして「777」を生成する。一方、大当りBに対応する特図が指示されている場合、大当り抽選に当選したときの遊技状態が「低確+変短あり」、「高確+変短なし」又は「高確+変短あり」であれば、統括制御用CPU31aは、大当りの図柄組み合わせとして「111」、「333」又は「555」のうちいずれかを生成する。
一方、大当りBに対応する特図が指示されている場合、大当り抽選に当選したときの遊技状態が「低確+変短なし」であれば、統括制御用CPU31aは、大当りの図柄組み合わせとして「222」、「444」又は「666」のうちいずれかを生成する。また、大当りCに対応する特図が指示されている場合、大当り抽選に当選したときの遊技状態が「高確+変短あり」であれば、統括制御用CPU31aは、大当りの図柄組み合わせとして「111」、「333」又は「555」のうちいずれかを生成する。
一方、大当りCに対応する特図が指示されている場合、大当り抽選に当選したときの遊技状態が「低確+変短なし」、「低確+変短あり」又は「高確+変短なし」であれば、統括制御用CPU31aは、大当りの図柄組み合わせとして「222」、「444」又は「666」のうちいずれかを生成する。
これにより、「777」の図柄組み合わせが導出されたときには、大当りAに当選していることが報知されることになる一方で、「111」、「333」又は「555」のうちいずれかの図柄組み合わせが導出されたときには、大当り遊技終了後に、「70回」の図柄変動ゲームで変短状態が付与されることが報知されることになる。一方、「222」、「444」又は「666」のうちいずれかの図柄組み合わせが導出されたときには、大当り遊技終了後に変短状態が付与されないこと、又は「30回」の図柄変動ゲームで変短状態が付与されることが報知されることになる。
一方、統括制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されている場合、飾図としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指定されている場合、リーチ図柄を含むはずれ図柄を決定する。また、統括制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾図として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
そして、統括制御用CPU31aは、生成した飾図を指示する飾図指定コマンドを、図柄変動ゲームの開始時に変動パターン指定コマンドとともに表示制御用CPU32aに出力する。
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特図指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び当該特図指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づいて、演出表示装置11に表示させる第4図柄X、第5図柄Yを決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した第4図柄X、第5図柄Yを指定する第4図柄指定コマンド、第5図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。
また、統括制御用CPU31aは、デモ指定コマンドを入力すると、待機デモ演出の実行を演出表示装置11に指示するための待機デモコマンドを表示制御基板32に出力する。
また、統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、及び開放指定コマンド、閉鎖指定コマンドを入力すると、大当りの種類などを考慮して、これらのコマンドに対応する大当り遊技中の演出を指示する演出指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、入力した確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド、及び非作動コマンドから遊技状態を特定し、現在の遊技状態を遊技者に報知するための演出モードを設定するとともに、その設定した演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、設定した演出モードを記憶するために、統括制御用RAM31cにおいて該演出モードを示す値をセットする。統括制御用CPU31aは、上記各コマンドから特定される遊技状態と、大当りの種類をもとに、図3(a)で説明したように演出モードの移行を制御する。
ちなみに、準備モードM2又は確定モードM3を指示するモード指定コマンドでは、準備モードM2又は確定モードM3を設定する契機となる大当り遊技中に画像表示部GHに表示されていた背景画像と同じ背景画像を表示させる内容が対応付けられている。よって、大当り遊技と大当り遊技後のゲームが「背景画像」において、関連性を持つことになる。
前述したように、本実施形態では、確変状態が付与される5回の図柄変動ゲームを対象として、「準備モードM2」又は「確定モードM3」が設定されるため、これらの演出モードを設定する統括制御用CPU31aが、特定期間設定手段として機能する。なお、本実施形態では、確変上限回数を設定しているため、確変状態の付与態様を制御する主制御用CPU30aも、特定期間設定手段として機能しているとも言える。
次に、表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲームの開始時に変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動内容をもとに、画像データを選択する。そして、表示制御用CPU32aは、画像データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで第4図柄X、第5図柄Yを変動させて変動ゲームを開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
なお、表示制御用CPU32aは、第1特図変動ゲームに対応する変動パターン指定コマンドを入力すると、第4図柄Xとともに飾図を変動させる。その一方で、表示制御用CPU32aは、第2特図変動ゲームに対応する変動パターン指定コマンドを入力すると、第5図柄Yとともに飾図を変動させる。また、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、飾図及び各変動パターン指定コマンドに対応する第4図柄X又は第5図柄Yを演出表示装置11(画像表示部GH)に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU32aは、待機デモコマンドを入力すると、待機デモ演出用の画像データによる待機デモ演出を開始させるべく演出表示装置11を制御する。
また、表示制御用CPU32aは、大当り遊技用の演出指定コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき、大当り遊技中における演出表示装置11(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、モード指定コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき、現在滞在している演出モードを遊技者に報知するためのモード報知画像を画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。本実施形態のモード報知画像は、演出表示装置11における飾図の背面に画像表示される背景画像とされている。
このように構成された本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技終了後、確変状態が付与されている5回の図柄変動ゲーム中、その他の実行期間の図柄変動ゲームとは異なる内容で遊技演出を実行するようになっている。具体的に説明すると、初回の大当り抽選に当選したことによって準備モードM2に移行する場合、大当り遊技終了後、遊技者を投影する味方キャラが、味方キャラの仲間を探し出す内容の演出が実行される。その一方、確定モードM3に移行する場合、大当り遊技終了後、味方キャラ又は仲間が、敵キャラと対決する内容の演出が実行されるようになっている。
以下、準備モードM2中に行われる演出の流れについて、図10に従って説明する。
図10(a)に示すように、大当り遊技中は、味方キャラKYの師匠Sから、仲間KYaを見つけてくるようにとの指示が下り、味方キャラKYがその指示を理解したかのような態様で説明演出が表示される。なお、説明演出とは、初回の大当り抽選に当選した場合、準備モードM2で行われる遊技演出がどのような態様で実行されると大当りに期待を持つことができるのかを大当り遊技中に説明する演出である。そして、このような説明演出を実行することで、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームで味方キャラKYが仲間KYaを見つけると、遊技者は、図柄(飾図)の停止前であっても有利な展開となることを推測する。また、説明演出は、1回のラウンド遊技で完結する内容ではなく、5回のラウンド遊技に跨って、一連のストーリーを形成する態様で行われるため、各ラウンド遊技で同一の演出が行われることはない。
また、1〜4回目の各図柄変動ゲームで仲間KYaを見つけることができなかった場合、敵キャラT及び仲間KYaのどちらにも遭遇しなかったことを示す途中結果として、雑魚キャラが倒れていることを示す画像を表示させる途中結果導出演出が演出表示装置11にて行われる。これにより、雑魚キャラが倒れている画像が表示されることで、次の図柄変動ゲーム中も継続して確変状態が付与されることが示される。また、途中結果導出演出は、各図柄変動ゲームで完結するように実行される。
そして、大当り遊技が終了すると、準備モードM2が設定されている期間中、図10(b)に示すように、味方キャラKYが仲間KYaを探している態様の画像が表示される。また、準備モードM2中の図柄変動ゲームでは、説明演出を伴って実行される大当り遊技中の背景画像と同一の背景画像が表示される。一方、1〜4回目の各図柄変動ゲームで仲間KYaを見つけることができなかった場合、雑魚キャラが倒れていることを示す画像が表示される(図示せず)。
さらに、準備モードM2中は、その他の演出モードが設定されている状況とは異なる態様で図柄変動ゲームが行われる。具体的に説明すると、その他の演出モードでは、画像表示部GHの略中央にて一列で変動表示が行われるが、準備モードM2では、図10(b)などに示すように、図柄(飾図)の大きさがその他の演出モード中の図柄(飾図)よりも小さくなり、画像表示部GHの右隅で変動表示が行われる。ただし、第4図柄X及び第5図柄Yに関しては、どの演出モードが設定されている場合であっても、図10(b)に示すように、常に画像表示部GHの左隅で変動表示される。したがって、飾図による図柄変動ゲームの視認性が低下した場合は、第4図柄X及び第5図柄Yによって、大当り抽選の抽選結果を把握することができる。
そして、準備モードM2が設定されている最終回(5回目)の図柄変動ゲームが「はずれ」となる場合、図10(c)に示すように、味方キャラKYが仲間KYaを見つけることができず、敵キャラTと遭遇したことを示す画像が表示される。これにより、大当り遊技中の説明演出で説明された内容に対応する演出(仲間KYaを見つける)が行われずに準備モードM2が終了することになるので、遊技者は、大当りとならないことを前もって認識する。
一方、準備モードM2が設定されている期間中に行われる図柄変動ゲームが「大当り」となる場合、準備モードM2が設定されてからの実行回数にかかわらず、図10(d)に示すように、味方キャラKYが仲間KYaと遭遇したことを示す画像が表示される。これにより、大当り遊技中の説明演出で説明された内容に対応する演出(仲間KYaを見つける)が行われたことになるので、遊技者は、大当りを前もって認識する。
そして、前述したような内容で遊技演出が実行されることになるが、大当り遊技中に説明演出が実行されるので、大当り遊技終了後に行われる図柄変動ゲームの遊技性が、大当り遊技前に行われていた遊技性と異なるとともに、どのような結果となると大当りに期待を持つことができるのかということが、事前に報知されることになる。そして、時系列的には、説明を受けた後の準備モードM2中は、事前演出にて事前に説明を受けた内容で図柄変動ゲームが実行されることになる。
以下、説明演出を実行するための制御内容について、図8に従って説明する。
図8は、ラウンド演出の演出内容を定めた大当りパターンを対応付けた大当りパターン決定テーブルである。
図8に示す大当りパターンは、初回の大当りであるか否か、及び大当りの種類毎に定められている。大当りパターンA1は、初回の大当り抽選で大当りAが決定されたときに選択されるパターンであって、演出内容として「説明演出」を特定している。一方、大当りパターンA2は、初回の大当り抽選で大当りB又は大当りCが決定されたときに選択されるパターンであって、演出内容として「説明演出」を特定している。なお、大当りAで行われる「説明演出」では、10〜15ラウンド目のラウンド遊技に跨って実行させるように、その実行タイミングと演出内容が定められている。一方、大当りB,Cで行われる「説明演出」では、1〜5ラウンド目のラウンド遊技に跨って実行させるように、その実行タイミングと演出内容が定められている。
大当りパターンA3は、連続当選回数が2回以上となる大当り抽選で大当りAが決定されたときに選択されるパターンであって、演出内容として「キャラ紹介演出」を特定している。一方、大当りパターンA4は、連続当選回数が2回以上となる大当り抽選で大当りB,Cが決定されたときに選択されるパターンであって、演出内容として「キャラ紹介演出」を特定している。「キャラ紹介演出」は、当該パチンコ遊技機で登場するキャラクタを紹介する演出である。また、大当りパターンA5は、大当りの種類に関係なく、原則として2回目以降の大当り抽選に当選したときに選択されるパターンであって、演出内容として、大当り遊技終了後に戦う敵キャラを表示する演出を特定している。なお、大当りAに当選した場合は、初回の大当り抽選への当選であっても、大当りパターンA5も選択可能である。また、大当りパターンA5では、大当り遊技中に「敵キャラ」を表示させることのみ定められており、どの敵キャラを表示させるかは、後述する保留内大当り報知演出にて決定される。
そして、統括制御用CPU31aは、大当り遊技を開始させるにあたり、まず、指示されている特図指定コマンドから大当りの種類を確認するとともに、連続当選回数を把握する。本実施形態において統括制御用CPU31aは、主制御用CPU30aとは別に連続当選回数を管理する。具体的に説明すると、統括制御用CPU31aは、変短状態が付与されている期間中に大当り変動用の変動パターン指定コマンドを入力する度に、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域におけるカウンタにて1加算することで、連続当選回数を把握している。この回数は、変短状態から非変短状態に切り替わるまで保持される。
そして、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの記憶内容を確認し、カウンタの値が「0」であれば、初回の大当りであることを認識する。これにより、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンドで指示される特図の種類にしたがって、大当りパターンA1,A2,A5のうちいずれかを選択する。一方、統括制御用RAM31cに記憶されたカウンタの値が「1」以上であれば、大当り抽選に連続して当選していることになるので、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンドで指示される特図の種類に従って、大当りパターンA3〜A5のうちいずれかを選択する。そして、大当りパターンを選択した統括制御用CPU31aは、そのパターンを指示する演出指定コマンドを表示制御基板32及び音声制御基板33にそれぞれ出力する。
また、説明演出を実行した大当り遊技終了後に始動保留球が存在しない場合、統括制御用CPU31aは、説明演出の実行時に表示されていた背景画像、及び準備モードM2中の1回目の図柄変動ゲームで表示される背景画像と同一の背景画像で待機デモ演出を開始させることを指示する特別待機デモコマンドを表示制御基板32に出力する。これにより、特別待機デモコマンドを入力した表示制御用CPU32aは、説明演出の実行時に表示されていた背景画像、及び準備モードM2中の1回目の図柄変動ゲームで表示される背景画像と同一の背景画像で待機デモ演出を開始させるので、大当り遊技の開始時から表示されていた背景画像が待機デモ演出中も継続して表示されることになる。
そして、待機デモ演出中に始動入賞口16,17に遊技球が入球したのであれば、大当り遊技の開始時及び待機デモ演出中に表示されていた背景画像で準備モードM2中の図柄変動ゲームが開始されることになる。本実施形態では、待機状態中にデモ演出を実行させる表示制御用CPU32aが、デモ演出制御手段として機能する。また、特別待機デモコマンドに従って表示される背景画像が、関連デモ演出に相当する。
なお、説明演出を実行していない大当り遊技終了後に始動保留球が存在しない場合、統括制御用CPU31aは、大当り遊技終了後に移行し得る演出モードに対応する背景画像で待機デモ演出を開始させることを指示する待機デモコマンドを表示制御基板32に出力する。
一方、説明演出を実行した大当り遊技終了後に始動保留球が存在する場合、統括制御用CPU31aは、次のような制御を実行する。すなわち、統括制御用CPU31aは、準備モードM2中の図柄変動ゲームで、大当り抽選の抽選結果と準備モードM2中の図柄変動ゲームの実行順序に基づいて、雑魚キャラ、敵キャラT、又は仲間KYaのいずれかを導出させることを決定する。そして、キャラを決定した統括制御用CPU31aは、決定したキャラを指示するキャラ指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
このように、図柄変動ゲームで導出される図柄も、説明演出で説明された内容に対応する演出も、大当り抽選の抽選結果に従って決定されるため、図柄によって大当り抽選の抽選結果を報知するゲーム、及びキャラKYの遭遇するキャラで大当り抽選の抽選結果を報知するゲームが、判定結果導出ゲームに相当する。また、判定結果導出ゲームを表示する演出表示装置11が、結果表示装置として機能する。
次に、説明演出及び準備モードM2中の表示制御内容について、図9に従って説明する。
図9は、初回の大当り抽選で大当りBが決定されたことを前提としている。
この場合、表示制御用CPU32aは、大当りBが決定されたことと、初回の大当りであることによって大当りパターンA2の指示を受けることになる。そして、表示制御用CPU32aは、大当りパターンA2が指示されると、該パターンをもとに説明演出に対応する画像データを選択し、1ラウンド目のラウンド遊技の開始時点から、図10(a)に示すような態様で説明演出を表示させるように演出表示装置11を制御する。
このとき、表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力するまで、説明演出に対応する画像データ(演出データ)を用いて説明演出の表示制御を繰り返し実行するため、エンディング時間中も、説明演出に対応する画像を表示させる。より詳しくは、エンディング時間中、5ラウンド目のラウンド遊技の終了時に表示させていた画像を上書きすることなく、静止画像として表示させている。また、前述したように、本実施形態におけるエンディング時間は「1秒」と短く、その時間は、大当りB,Cにおけるラウンド間インターバル時間と同一時間に設定されている。また、エンディング時間は、エンディング時間単独で説明演出が終了することがないような時間でもある。
前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機では、エンディング演出を実行させるためのエンディングコマンドが統括制御用CPU31aに出力されない。ただし、統括制御用CPU31aは、最終回のラウンド遊技に対応する閉鎖指定コマンドを入力すると、大当り遊技が終了することを認識することができる。同様に、表示制御用CPU32aも、最終回のラウンド遊技に対応する閉鎖指定コマンドを入力すると、大当り遊技が終了することを認識し、最終回のラウンド遊技の終了時に表示させていた画像を、エンディング時間中、継続して表示させることができる。よって、最終回のラウンド遊技に対応する閉鎖指定コマンドは、大当り遊技を行うための遊技状態から図柄変動ゲームを開始させるための遊技状態に変更することを指示する変更指示コマンドとして機能する。
そして、大当り遊技の終了後に変動パターン指定コマンドを入力すると、表示制御用CPU32aは、静止させていた説明演出の画像を、入力した変動パターン指定コマンドに対応する画像に切り替える。なお、準備モードM2用の変動パターンP12〜P22には、大当り遊技中の説明演出で説明された内容に対応する演出(味方キャラKYが仲間KYaを見つける)が定められている。このため、表示制御用CPU32aは、指示された変動パターンに対応する画像データを用いて表示制御を行うだけで、演出表示装置11では、説明演出で説明された内容に対する内容で表示演出が行われることになる。
そして、準備モードM2が設定されている最終回(5回目)の図柄変動ゲームが「大当り」となる一方で、最終回より前の図柄変動ゲームが「はずれ」となるとすると、1〜4回目までの各図柄変動ゲームでは、指示された変動パターンに従って、図10(b)に示すように、味方キャラKYが仲間KYaを探している態様の画像が表示される。ただし、1〜4回目までの各図柄変動ゲームが「はずれ」となることを前提としているので、1〜4回目までの各図柄変動ゲームの終了時には、途中結果として、雑魚キャラが倒れていることを示す画像が表示される。また、これと平行して、演出表示装置11では、画像表示部GHの右隅において、その他の演出モードが設定されているときよりも小さい飾図を用いて図柄変動ゲームが行われ、1〜4回目までの各図柄変動ゲームの終了時には、はずれの図柄組み合わせが3列同時に確定停止表示される。
一方、準備モードM2が設定されている最終回(5回目)の図柄変動ゲームが「大当り」となることを前提としているので、最終回の図柄変動ゲームでは、図10(d)に示すように、味方キャラKYが仲間KYaと遭遇したことを示す画像が最終結果として表示される。これにより、大当り遊技中の説明演出で説明された内容の演出(仲間KYaを見つける)が行われたことになるので、遊技者は、大当りを前もって認識する。また、これと平行して、演出表示装置11では、画像表示部GHの右隅において、その他の演出モードが設定されているときよりも小さい飾図を用いて図柄変動ゲームが行われ、リーチを形成することなく、図柄変動ゲームの終了時には、大当りの図柄組み合わせ(この例では「222」)が3列同時に確定停止表示される。
本実施形態では、説明演出で説明された内容に対応する演出(キャラKYが仲間KYaと遭遇する内容、又はキャラKYが敵Tと遭遇する内容)が、特別演出に相当する。また、特別演出では、大当り抽選に当選した場合、説明演出にて説明された内容と合致する結果(キャラKYが仲間KYaと遭遇する)が導出される一方で、大当り抽選に当選していない場合、説明演出にて説明された内容と合致しない結果(キャラKYが敵Tと遭遇する)が導出される。これらの結果が、大当りに期待を持つことができるかどうかを示唆する特別演出の最終結果に相当する。また、準備モードM2中の図柄変動ゲームでは、その他の演出モードが設定されているときよりも飾図が小さく表示されるとともに、大当りとなる場合であっても、左列→右列の順に図柄が停止してリーチが形成されるのではなく、全列同時に図柄組み合わせが導出される。よって、準備モードM2中は、その他の演出モード中に比して図柄の変動状態を認識し難いので、図柄から大当り抽選の抽選結果を判別し難い。つまり、飾図の組み合わせよりも、図柄変動ゲーム中に行われる特別演出の展開(キャラKYが仲間KYaと遭遇するか否か)によって、遊技の進行状態を認識し得るようになっている。ちなみに、ここで説明する「遊技の進行状態」とは、リーチが形成されるか否か、図柄変動ゲームが終了して次の図柄変動ゲームが開始されるか否かということである。
また、準備モードM2を除くその他の演出モードでは、図柄変動ゲームで変動停止される図柄によって遊技の進行を認識し得るようになっている一方で、特別演出は実行されない。したがって、遊技の進行を認識させるための補助遊技としての特別演出が、準備モードM2中は、遊技の進行を認識させるためのメイン遊技として機能することになる。
本実施形態では、準備モードM2が設定されている場合に特別演出を実行することができるため、準備モードM2が設定されているか否かを判定する統括制御用CPU31aが、期間判定手段として機能する。また、大当り抽選の抽選結果に従って特別演出の演出内容(キャラKYが遭遇するキャラ)を決定する統括制御用CPU31aが、特別演出決定手段として機能する。また、特別演出を実行させる統括制御用CPU31a及び表示制御用CPU32aが、特別演出制御手段として機能する。また、説明演出を実行させる統括制御用CPU31a及び表示制御用CPU32aが、説明演出制御手段として機能する。また、演出表示装置11にて判定結果導出ゲーム(図柄の変動及び特別演出)を表示させる表示制御用CPU32aが、表示制御手段として機能する。また、特別演出が実行されず、図柄の変動によって大当り抽選の抽選結果を報知する期間(通常モードM1、確定モードM3、変短モードM4)が、第1遊技演出期間に相当する一方で、特別演出によって大当り抽選の抽選結果を報知する準備モードM2が第2遊技演出期間に相当する。また、通常モードM1、確定モードM3、変短モードM4を設定する統括制御用CPU31aが、第1期間設定手段として機能する一方で、準備モードM2を設定する統括制御用CPU31aが、第2期間設定手段として機能する。なお、本実施形態では、遊技状態毎に演出モードを対応付けることができるため、主制御用CPU30aが遊技状態を設定することで演出モードを間接的に設定することもできるので、主制御用CPU30aが第1期間設定手段及び第2期間設定手段として機能しているとも言える。
さらに、本実施形態のパチンコ遊技機では、実行が保留されている第2特図変動ゲームの中に大当りとなる第2特図変動ゲームが含まれていること(所謂、保留内大当り)を、大当り遊技中に報知する保留内大当り報知演出を実行可能に構成されている。本実施形態の保留内大当り報知演出は、大当り遊技を構成する最終回のラウンド遊技中に、敵キャラT(T1〜T4)を登場させる態様で行われる。そして、大当り遊技終了後の確定モードM3中、最大で5回まで、大当り遊技中に登場した敵キャラTと味方群(味方キャラKY又は仲間KY1〜KY4)が対決する内容で図柄変動ゲームが行われる。そして、5回以内に味方群が敵キャラTに勝利すれば、勝利した図柄変動ゲームが大当りとなる。
ただし、本実施形態における保留内大当り報知演出は、大当り遊技終了後に「高確+変短あり」の遊技状態が生起される場合に実行されるようになっており、原則として、初回の大当り抽選当選時には行われず、連続当選回数が2回以上となる大当り遊技中に行われる。具体的に説明すると、「低確+変短なし」の遊技状態で大当りB又は大当りCに当選したとしても、大当り遊技終了後の遊技状態は「高確+変短なし」となり、保留内大当り報知演出の実行条件を満たさない。したがって、保留内大当り報知演出の実行条件でもある「高確+変短あり」の遊技状態を生起させるためには、当選時の遊技状態に関係なく大当りAに当選するか、「低確+変短なし」を除く遊技状態で大当りB,Cに当選しなければならない。ちなみに、前述したように大当りAに当選したのであれば、大当り抽選当選時の遊技状態に関わらず、必ず「高確+変短あり」の遊技状態が生起されるので、初回の大当り抽選当選時でも、大当りA当選時には保留内大当り報知演出を実行できる。なお、保留内大当り報知演出実行時における有利遊技状態とは、確変状態が付与されている状態に相当する。
最初に、保留内大当り報知演出の実行に係るとともに、主制御用CPU30aが実行する事前判定処理について図11に従って説明する。なお、事前判定処理とは、特別図柄入力処理において始動入賞口(特に、第2始動入賞口17)で遊技球が入球検知されたときに取得した各種乱数の値(この例では大当り判定用乱数と特図振分用乱数の値)を事前判定し、その事前判定の結果を指示する事前判定コマンドを生成及び出力するための処理である。
主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理の一環として、第2始動入賞口17で遊技球が入球検知されたときに事前判定処理を行う。なお、第1始動入賞口16で遊技球が入球検知された場合、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を第1保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定した後、事前判定処理を実行することなく、特別図柄入力処理を終了する。
図11の説明に戻り、主制御用CPU30aは、第2始動入賞口17で遊技球が入球検知された場合、取得した大当り判定用乱数の値と非確変状態用の大当り判定値とを比較し、両値が一致するか否かを事前判定する(ステップS10)。すなわち、ステップS10において主制御用CPU30aは、今回の制御周期における特別図柄入力処理で主制御用RAM30cに記憶させた第2始動保留球に基づく第2特図変動ゲームが、大当り判定の実行時点における遊技状態が確変状態及び非確変状態の何れであっても大当りとなるか否かを判定している。
ステップS10の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、変短状態の有無、第2保留記憶数、及び特図振分用乱数の値から特定される大当りの種類を確認する(ステップS11)。なお、ステップS10にて確認される第2保留記憶数は、今回の制御周期における特別図柄入力処理で1加算された更新後の保留記憶数である。その後、主制御用CPU30aは、ステップS11の判定結果を反映した事前判定コマンドを生成し、該コマンドを出力バッファに設定して(ステップS12)、事前判定処理を終了する。なお、事前判定コマンドの詳細については、後述する。
一方、ステップS10の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、取得した大当り判定用乱数の値と確変状態用の大当り判定値とを比較し、両値が一致するか否かを事前判定する(ステップS13)。すなわち、ステップS13において主制御用CPU30aは、今回の制御周期における特別図柄入力処理で主制御用RAM30cに記憶させた第2始動保留球に基づく第2特図変動ゲームが、大当り判定の実行時点における遊技状態が確変状態である場合に限って大当りとなるか否かを判定している。
ステップS13の判定結果が否定の場合、はずれとなるため、事前判定コマンドを生成することなく、事前判定処理を終了する。一方、ステップS13の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、変短状態の有無、第2保留記憶数、及び特図振分用乱数の値から特定される大当りの種類を確認する(ステップS14)。その後、主制御用CPU30aは、事前判定コマンドを生成するとともに、該コマンドを出力バッファに設定し(ステップS15)、事前判定処理を終了する。なお、出力バッファに設定された事前判定コマンドは、次回以降の制御周期で実行されるコマンド出力処理において、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に順次、出力される。
次に、事前判定コマンドの詳細について、図12に従って説明する。なお、図12では、非確変状態用の大当り判定値と一致する大当りを「低確率大当り」と示す一方で、確変状態用の大当り判定値と一致する大当りを「高確率大当り」と示している。
図12では、取得した大当り判定用乱数の値が非確変状態用の大当り判定値と一致する場合、第2始動入賞口17での入球検知時における変短状態の有無、第2保留記憶数、及び特図振分用乱数の値から特定される大当りの種類に応じて、事前判定コマンド[D1H00H]〜[D1H17H]が対応付けられている。同様に、取得した大当り判定用乱数の値が確変状態用の大当り判定値と一致する場合、第2始動入賞口17での入球検知時における変短状態の有無、第2保留記憶数、及び特図振分用乱数の値から特定される大当りの種類に応じて、事前判定コマンド[D2H00H]〜[D2H17H]が対応付けられている。
次に、保留内大当り報知演出を設定するために統括制御用CPU31aが実行する演出設定処理について、図13に従って説明する。
演出設定処理を実行するに際し統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cにおけるカウンタの値を確認することで、今回当選した大当りが、初回の大当りでないかを判定する。そして、初回の大当りでないことを確認した場合、統括制御用CPU31aは、図13の演出設定処理を開始させ、主制御用CPU30aからオープニングコマンドを入力したか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20の判定結果が否定の場合、保留内大当り報知演出の実行タイミングとして設定されている大当り遊技が開始されていないので、統括制御用CPU31aは、演出設定処理を終了する。
一方、ステップS20の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、第2保留記憶数のうち最先に記憶されている第2保留記憶数「1」に、大当りの種類を問わず、事前判定コマンドが記憶されているか否か、すなわち大当りとなるか否かを判定する(ステップS21)。前述したように、事前判定コマンドは、大当り判定用乱数の値と大当り判定値が一致した場合のみ生起されるため、事前判定コマンドが記憶されている第2保留記憶数に基づく第2特図変動ゲームは、事前判定実行時の遊技状態と同一の遊技状態で行われるのであれば、「大当り」となる。そして、ステップS21の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS26に移行する。つまり、第2保留記憶数「1」に大当りが存在するならば、第2保留記憶数「2」以降に大当りが存在するか否かを問わず、統括制御用CPU31aは、保留内大当り報知演出の実行を決定する。
一方、ステップS21の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU31aは、第2保留記憶数「2」が、大当りとなるか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS26に移行する。一方、ステップS22の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU31aは、第2保留記憶数「3」が、大当りとなるか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS26に移行する。
一方、ステップS23の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU31aは、第2保留記憶数「4」が、大当りとなるか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、ステップS26に移行する。ステップS26に移行した統括制御用CPU31aは、最終回のラウンド遊技で表示させる敵キャラを、図14に示す敵キャラ決定テーブルL1(以下、「テーブルL1」と示す)を参照し、抽選にて決定する。その一方で、ステップS24の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU31aは、最終回のラウンド遊技で表示させる敵キャラを、図14に示す敵キャラ決定テーブルL2(以下、「テーブルL2」と示す)を参照し、抽選にて決定する。つまり、第2始動保留球内に大当りとなる始動保留球が存在しない場合であってもテーブルL2から、敵キャラが決定される。
図14に示すテーブルL1,L2では、敵キャラT1,T2,T3,T4のうちいずれかを選択可能となるように、以下のような設定がなされている。すなわち、敵キャラを選択するための敵キャラ選択用乱数の値が、予め定められた数値範囲内(「0」〜「50」の全51通りの整数)の数値を取り得るように、敵キャラT1〜T4に対して所定個数ずつ振り分けられている。ちなみに、本実施形態では、敵キャラT1<敵キャラT2<敵キャラT3<敵キャラT4の順に、味方キャラKYにとって勝利し難い敵キャラとして設定されている。
そして、テーブルL1では、敵キャラT1を選択し得るように乱数の取り得る数値が対応付けられている一方で、テーブルL2では、敵キャラT1に乱数の取り得る数値が対応付けられていない。また、敵キャラT2,T3に関しては、テーブルL2よりもテーブルL1において、すなわち、保留内大当りが存在しない場合よりも保留内大当りが存在する場合において、選択される確率が高くなるように乱数の取り得る数値がそれぞれ対応付けられている。一方、敵キャラT4に関しては、テーブルL1よりもテーブルL2において、選択される確率が高くなるように乱数の取り得る数値がそれぞれ対応付けられている。
これにより、本実施形態では、保留内大当りが存在する場合ほど弱い敵キャラが選択され易く、保留内大当りが存在しない場合ほど強い敵キャラが選択され易い。そして、最も弱い敵キャラT1は、保留内大当りが存在する場合のみ選択可能となるように乱数の値が対応付けられているため、敵キャラT1が登場した場合には、大当りとなる第2特図変動ゲームが存在していることが事前に報知されることになる。
図13の説明に戻り、保留内大当りの有無に応じて登場させる敵キャラを決定した統括制御用CPU31aは、該敵キャラを指定する敵キャラ指定コマンドを統括制御用RAM31cの出力バッファにセットし(ステップS27)、演出設定処理を終了する。
また、事前判定コマンドが記憶されているか否かを判定するタイミングは、「低確+変短なし」の大当り遊技中であるが、保留内大当り報知演出は、原則として、連続当選回数が2回以上である大当り遊技中に実行可としている。そして、本実施形態では、連続当選回数が2回以上である場合、事前判定及び大当り抽選実行時の抽選確率が必ず高確率となっているとともに、大当り遊技終了後に必ず確変状態が付与される。このため、第2始動入賞口17への遊技球の入球時には「大当り」と事前判定されたが、大当り遊技終了後、実際に図柄変動ゲームが実行されるときには、大当り抽選の抽選確率が低確率となり、大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致せず、はずれと判定されることがない。つまり、事前判定コマンドが記憶されているのであれば、そのコマンドが対応付けられている始動保留球に基づく図柄変動ゲームは、必ず「大当り」となる。
また、前述したように、本実施形態では、第2保留記憶数のうち最先に記憶されている第2保留記憶数「1」から順に、事前判定コマンドが記憶されているか否かを判定しており、該コマンドが記憶されている場合には、後の第2保留記憶数に事前判定コマンドが記憶されているか否かを問わず、保留内大当り報知演出を実行可としている。つまり、統括制御用CPU31aは、複数の事前判定コマンドが記憶されていたとしても、最先に記憶されている事前判定コマンドを対象とした保留内大当り報知演出を実行させ、後の事前判定コマンドに基づく保留内大当り報知演出は実行しない。すなわち、1回の保留内大当り報知演出で報知される対象図柄変動ゲーム数は「1回」である。
また、統括制御用CPU31aは、演出設定処理の実行後、各第2保留記憶数に対応付けて記憶されている記憶内容(事前判定コマンドなど)をリセットする。これにより、事前判定コマンドが複数記憶されている場合であっても、後の事前判定コマンドに基づく保留内大当り報知演出は実行されない。
本実施形態では、オープニングコマンドの入力を契機に演出設定処理を進行することができるため、オープニング演出が開始されるタイミングが、特定の判定タイミングに相当する。また、事前判定コマンドの有無を確認することで、大当りとなる始動保留球が存在しているか否かを判定する統括制御用CPU31aが、事前判定手段として機能する。
また、大当り遊技終了後に「高確+変短あり」の遊技状態を生起することのできる大当りが「有利遊技状態を付与する当り」に相当する。また、特図指定コマンドを確認することで、有利遊技状態を付与する当りに当選したか否かを判定することができるので、統括制御用CPU31aが、当り種判定手段として機能する。なお、主制御用CPU30aも、有利遊技状態を付与する当りに当選したか否かを判定することが可能である。また、連続当選回数に応じて保留内大当り報知演出の実行可否が決定されるため、統括制御用CPU31aは、今回当選した当りが初回の当りであるか否かを判定する初回大当り判定手段としても機能する。また、大当りAが第1当りに相当する一方で、大当りB,Cが第2当りに相当する。また、変短上限回数「70回」が、第1回数に相当する一方で、変短上限回数「30回」が、最大付与回数としての第1回数よりも付与回数が少ない第2回数に相当する。また、大当り遊技終了後に「高確+変短あり」の遊技状態を生起することのできる大当りが、「有利遊技状態を付与する当り」に相当する。
次に、保留内大当り報知演出を実行するために表示制御用CPU32aが実行する制御内容について、図15に従って説明する。なお、以下の説明では、大当り遊技が開始するまでに、第2始動保留球が上限数まで記憶されるとともに、第2保留記憶数「1」〜「3」がはずれとなる一方で、第2保留記憶数「4」が大当りとなることを前提とする。
表示制御用CPU32aは、大当り遊技が開始すると、図15(a)に示すように、味方キャラKY及び仲間KY1〜KY4と、複数の敵キャラとが対峙している画像を表示させるように演出表示装置11を制御する。その後、表示制御用CPU32aは、指示された大当りパターン(大当りパターンA5)に従って、図15(b)に示すように、複数の敵キャラのうちいずれか1人が選択されたことを示唆するシルエット画像SLを表示させる。次に、表示制御用CPU32aは、図15(c)に示すように、最終回のラウンド遊技の開始時において、入力した敵指定コマンドで指定される敵キャラ(この例では敵キャラT2)を表示させる。このとき、表示制御用CPU32aは、入力した敵指定コマンドで指定される敵キャラを、変動パターン指定コマンドを入力するまで継続して表示させ続ける。同様に、表示制御用CPU32aは、大当り遊技中に表示させていた背景画像を、変動パターン指定コマンドを入力するまで継続して表示させ続ける。
そして、大当り遊技終了後、確定モードM3が設定されて1回目の図柄変動ゲームが実行される。この場合、図15(d)に示すように、味方キャラKYが表示され、味方キャラKYと敵キャラT2が対決している画像が表示される。ただし、前提によると、第2保留記憶数「1」に対応する図柄変動ゲームは「はずれ」となるため、表示制御用CPU32aは、決着がつかない様子を表す画像を表示させる。その後、図15(e)に示すように、2回目の図柄変動ゲームでは仲間KY1が表示され、仲間KY1と敵キャラT2が対決している画像が表示される。第2保留記憶数「2」に対応する図柄変動ゲームも、前提により「はずれ」となるため、表示制御用CPU32aは、決着がつかない様子を表す画像を表示させる。
続いて、図15(f)に示すように、3回目の図柄変動ゲームでは仲間KY2が表示され、仲間KY2と敵キャラT2が対決している画像が表示される。第2保留記憶数「3」に対応する図柄変動ゲームも、前提により「はずれ」となるため、表示制御用CPU32aは、決着がつかない様子を表す画像を表示させる。その後、図15(g)に示すように、4回目の図柄変動ゲームでは仲間KY3が表示され、仲間KY3と敵キャラT2が対決している画像が表示される。第2保留記憶数「4」に対応する図柄変動ゲームは、前提により「大当り」となるため、表示制御用CPU32aは、図15(h)に示すように、4回目の図柄変動ゲームにおいて仲間KY3が敵キャラT2に勝利している様子を表す画像を表示させる。そして、4回目の図柄変動ゲームに基づく大当り遊技終了後には、再度、確定モードM3が設定される。
次に、第2保留記憶数「4」に対応する図柄変動ゲームが「はずれ」となる一方で、確定モードM3が設定されてから第2始動入賞口17に入球した遊技球に基づく図柄変動ゲームが「大当り」となる場合における遊技の流れについて説明する。
前提により、図15(g)に示すように、4回目の図柄変動ゲームでは仲間KY3が表示され、仲間KY3と敵キャラT2が対決している画像が表示されるが、表示制御用CPU32aは、4回目の図柄変動ゲームにおいても、決着がつかない様子を表す画像を表示させる。なお、確定モードM3が設定されてから第2始動入賞口17に入球したとすると、図15(i)に示すように、5回目の図柄変動ゲームでは、仲間KY4が表示され、仲間KY4と敵キャラT2が対決している画像が表示される。
前提により、確定モードM3が設定されてから第2始動入賞口17に入球した遊技球に基づく図柄変動ゲームが「大当り」となるため、5回目の図柄変動ゲームでは、図15(j)に示すように、表示制御用CPU32aは、5回目の図柄変動ゲームにおいて仲間KY4が敵キャラT2に勝利している様子を表す画像を表示させる。これにより、遊技者に対して逆転勝利したかのような印象を与えることができる。そして、5回目の図柄変動ゲームに基づく大当り遊技終了後には、再度、確定モードM3が設定される。
次に、大当り遊技の開始時点で第2保留記憶数「1」〜「4」であった図柄変動ゲームが「はずれ」となる一方で、確定モードM3が設定されてから第2始動入賞口に入球した遊技球に基づく図柄変動ゲームも「はずれ」となる場合における遊技の流れについて説明する。
この場合、前提により、表示制御用CPU32aは、図15(k)に示すように、5回目の図柄変動ゲームにおいて仲間KY4が敵キャラT2に敗北している様子を表す画像を表示させる。また、5回以内に大当り抽選に当選しなかったことにより、確定モードM3の終了後、変短モードM4が設定される。
前述したように、保留内大当り報知演出の対象となる図柄変動ゲームの最大回数は、保留上限数と同一の「4回」である一方で、確定モードM3で行われる図柄変動ゲームの上限回数は「5回」であり、保留内大当り報知演出の対象となる図柄変動ゲーム数よりも多い。このため、大当り遊技が開始してから始動入賞口16,17に入球した遊技球は、保留内大当り報知演出の対象とはならない。ただし、表示制御用CPU32aは、確定モードM3中、敵キャラ指定コマンドで特定される敵キャラを表示制御用RAM32cにて記憶しておく。これにより、表示制御用CPU32aは、表示制御用RAM32cの記憶内容を参照することで、保留内大当り報知演出の対象ではない図柄変動ゲームにおいても、保留内大当り報知演出の対象となった図柄変動ゲームと同じ敵キャラを表示できる。よって、あたかも、保留内大当り報知演出の対象となる図柄変動ゲームが、上限数よりも多く実行されたかのように体感させることができる。
さらに、保留内大当り報知演出にて、最も強い敵キャラT4が表示されたとしても、大当り遊技が開始してから始動入賞口16,17に入球した遊技球に基づく図柄変動ゲームは、保留内大当り報知演出の対象ではない。これにより、敵キャラT4に敗北する演出が行われたとしても、大当り遊技が開始してから入球した遊技球に基づく図柄変動ゲームが「大当り」となる場合には、敵キャラT4に勝利することになる。このような流れで演出が実行されると、逆転勝利したかのような態様で演出が実行されることになるので、遊技者に優越感を与えることもできる。
さらに、本実施形態では、「高確+変短あり」中に大当り抽選に当選したならば、大当りの種類にかかわらず、大当り遊技終了後の遊技状態は「高確+変短あり」とされるとともに、その変短上限回数としては、当該パチンコ遊技機において最も多い回数「70回」が必ず決定される。そして、本実施形態では、連続当選回数が2回以上となる大当り遊技中に、保留内大当り報知演出を実行するようにしている。これにより、保留内大当り報知演出が実行されたときには、変短上限回数として「70回」が決定されることに期待を持たせることができる。つまり、大当り抽選に連続して当選しているとともに確変状態中に滞在する5回限定の確定モードM3を対象に行われる演出であるからこそ、大当り遊技中の演出に注目させ易い。
本実施形態では、図13に示す演出設定処理によって保留内当り報知演出の実行を決定する統括制御用CPU31aが、実行制御手段として機能する。一方、保留内大当り報知演出を演出表示装置11に実行させる表示制御用CPU32aが、演出実行手段として機能する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、前述したように、大当り遊技中に説明演出で用いた画像や敵キャラを表示させる演出で用いた画像を、変動パターン指定コマンドを入力するまで継続して表示させている。そして、説明演出後の図柄変動ゲームや敵キャラを表示させる演出後の図柄変動ゲームでは、これらの演出に対応した内容で確変状態中のゲームが進行する。つまり、大当り遊技の開始から大当り遊技終了後に設定される確変状態中の特定演出モード(準備モードM2、確定モードM3)では、繋がりのある一連の演出であるかのような態様で表示演出が実行されることになる。このような演出形態に合わせるため、楽曲に関しても、大当り遊技の開始から大当り遊技終了後の特定演出モードが終了するまでが一連の演出であるかのような態様で出力される。
本実施形態では、確変状態中の各図柄変動ゲームにおいて、リーチが形成されるまでの間、大当り遊技中に出力されていた楽曲と同じ楽曲が出力されるようになっている。前述したように、準備モードM2や確定モードM3中は、3列同時に図柄の変動が確定停止表示されるようになっている。したがって、大当りやはずれリーチとなる場合であってもリーチ演出を経て図柄が導出されるわけではないので、準備モードM2や確定モードM3中の各図柄変動ゲームでは、大当り遊技中に出力されていた楽曲の続きから楽曲が出力されて一連の楽曲となる。
一方、変短モードM4で選択した楽曲は、図柄変動ゲームの変動開始からリーチの図柄組み合わせが表示される迄又はリーチの図柄組み合わせが表示されることなくはずれの図柄組み合わせが表示されるまでの間、出力されるようになっている。したがって、リーチ演出が実行される場合、リーチ演出中に出力される楽曲は、選択した変動パターンに対応する変動パターン固有の楽曲となる。
以下、統括制御用CPU31aが楽曲を制御するために行う制御内容について、図16及び図17に従って説明する。
統括制御用CPU31aは、大当り遊技の開始時にオープニングコマンドを入力すると、特図指定コマンドで指示される大当りの種類に従って、大当り遊技中に出力させる楽曲を特定する楽曲パターン(楽曲データ)を選択する。
図16は、大当り遊技中に参照される楽曲パターン決定テーブルである。図17は、変短モードM4中に参照される楽曲パターン決定テーブルである。本実施形態では、楽曲パターン決定テーブルを記憶する統括制御用ROM31bが、楽曲データ記憶手段として機能する。
図16に示す楽曲パターン決定テーブルでは、大当りAに対して楽曲パターンGAが、大当りB,Cに対して楽曲パターンGBがそれぞれ対応付けられている。つまり、遊技者に付与される特典の違い(この例ではラウンド数の違い)によって分類される大当り群(大当りの種別)毎に楽曲パターンが1対1の関係で対応付けられている。なお、楽曲パターンGAには、大当り遊技中に出力させる楽曲Aaと、その楽曲Aaに節をつけて歌う言葉としての歌詞Aa(図18(a)参照)が対応付けられている。一方、楽曲パターンGBには、大当り遊技中に出力させる楽曲Bbと、その楽曲の歌詞Bbが対応付けられている。本実施形態では、楽曲を認識させるための歌詞Aa〜Ddが、認識情報及び文字情報に相当する。また、歌詞が表示される演出表示装置11が、報知手段として機能する。
一方、図17に示す楽曲パターン決定テーブルでは、楽曲パターンGA〜GD全てが選択対象とされ、かついずれか1つを選択し得るようになっている。ちなみに、楽曲パターンGCには、大当り遊技中に出力させる楽曲Ccと、その楽曲Ccの歌詞Ccが対応付けられている。一方、楽曲パターンGDには、大当り遊技中に出力させる楽曲Ddと、その楽曲の歌詞Ddが対応付けられている。
大当り抽選に当選した場合、統括制御用CPU31aは、図16に示す楽曲パターン決定テーブルを特定し、決定された大当りの種類に応じて楽曲パターンを選択、決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した楽曲パターンを指示する楽曲パターン指定コマンドを表示制御基板32及び音声制御基板33にそれぞれ出力する。なお、統括制御用CPU31aは、準備モードM2が終了するまで、若しくは変短状態が終了するまで、決定された大当りの種類及び楽曲パターンを統括制御用RAM31cにて記憶しておく。本実施形態では、大当りの種類に応じて楽曲パターンを選択、決定する統括制御用CPU31aが、楽曲データ選択手段として機能する。
一方、統括制御用RAM31cに「変短モードM4」を特定する値が記憶されている場合、統括制御用CPU31aは、図17に示す楽曲パターン決定テーブルを特定する。なお、変短モードM4が設定されている場合、統括制御用CPU31aは、変短モードM4の設定後、最初の図柄変動ゲームが開始してから所定時間が経過するまでの間、演出用操作ボタンBTの操作を有効とする操作有効期間を設定する。本実施形態では、操作有効期間を設定する統括制御用CPU31aが、操作有効期間設定手段として機能する。
そして、図17に示す楽曲パターン決定テーブルでは、「楽曲パターンGA」がデフォルト値として設定されており、操作有効期間内に演出用操作ボタンBTが操作されて操作信号を入力すると、統括制御用CPU31aは、楽曲パターンGBを選択、決定する。その後、操作有効期間内に操作信号を入力する度に、統括制御用CPU31aは、「楽曲パターンGA」→「楽曲パターンGB」→「楽曲パターンGC」→「楽曲パターンGD」→「楽曲パターンGA」→…の順に、楽曲パターンを選択する。本実施形態では、ボタン操作によって決定された楽曲を決定する統括制御用CPU31aが、楽曲決定手段として機能する。
そして、統括制御用CPU31aは、操作有効期間の経過時に選択していた楽曲パターンを指示する楽曲パターンを指示する楽曲パターン指定コマンドを表示制御基板32及び音声制御基板33にそれぞれ出力する。ちなみに、演出表示装置11では、各楽曲を示すパネルとパネル選択用の選択バーが表示され、ボタン操作が行われる度に、楽曲Aa→楽曲Bb→楽曲Cc→楽曲Dd→楽曲Aa…の順に、選択バーが移動し、最終的に選択バーが表示されているパネルに対応する楽曲パターンが選択される(図示せず)。
また、準備モードM2が終了するまで、若しくは変短状態が終了するまでの間に新たなオープニングコマンドを入力すると、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンドで特定される大当りの種類を確認する。そして、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cで記憶している大当りの種類(直近の大当りに相当)と、新たに入力した特図指定コマンドで特定される大当りの種類を比較する。大当りの種類が同一である場合、統括制御用CPU31aは、出力させる楽曲を変更しない。これにより、準備モードM2又は確定モードM3中に大当りに当選したのであれば、大当り遊技の開始時には、準備モードM2又は確定モードM3中に流れていた楽曲と一連となるように楽曲が出力される。また、変短モードM4中に大当りに当選したのであれば、大当り遊技の開始時には、確定モードM3中に流れていた楽曲と同一の楽曲が出力される。
一方、大当りの種類が異なる場合、より詳しくは、大当り群が異なる場合、統括制御用CPU31aは、新たに入力した特図指定コマンドで特定される大当りに対応する楽曲パターン指定コマンドを、表示制御基板32及び音声制御基板33にそれぞれ出力する。つまり、大当りBと大当りCが連続して決定された場合、統括制御用CPU31aは、同一の大当り群に属する大当りが決定されたことを認識するため、同一の楽曲を出力させることになる。その一方で、大当りAと大当りCが連続して決定された場合などは、大当り群が異なるため、大当り遊技の開始時には、準備モードM2又は確定モードM3中に流れていた楽曲と異なる楽曲が出力される。また、変短モードM4中に大当りに当選したのであれば、大当り遊技の開始時には、確定モードM3中に流れていた楽曲と異なる楽曲が出力される。
そして、楽曲パターン指定コマンドを入力した音声制御用CPU33aは、準備モードM2が終了するまで、確定モードM3が終了するまで、若しくは変短状態が終了するまで、音声制御用RAM33cの記憶領域に設定されている管理フラグに、その楽曲パターン指定コマンドで特定される楽曲パターンを識別する値をセットする。音声制御用CPU33aは、管理フラグに値がセットされている期間中、その値に対応する音声データを用いて楽曲の音声出力を繰り返し実行する。なお、音声制御用CPU33aは、大当り遊技の終了によって管理フラグにセットした値をリセットしないが、各演出モードが終了することによって、管理フラグにセットした値をリセットする。
これにより、エンディング時間や準備モードM2又は確定モードM3中の図柄変動ゲームでも、大当り遊技中に出力されていた楽曲と一連の楽曲が出力されることになる。したがって、大当り遊技の開始から大当り遊技終了後の特定演出モードが終了するまで、一連の楽曲が継続して出力される。一方、変短モードM4中、音声制御用CPU33aは、図柄変動ゲームの変動開始からリーチの図柄組み合わせが表示される迄又はリーチの図柄組み合わせが表示されることなくはずれの図柄組み合わせが表示されるまでの間、選択した楽曲を出力し続ける。また、本実施形態において音声制御用CPU33aは、複数の始動保留球が記憶されている場合、図柄変動ゲームと図柄変動ゲームの間に設定されるゲーム間インターバル期間中も、同一の楽曲を継続して出力させる。
本実施形態では、「高確+変短あり」中に大当り抽選に当選したならば、大当りの種類にかかわらず、大当り遊技終了後の遊技状態は「高確+変短あり」とされる。つまり、確定モードM3中に大当り抽選に当選すれば、確定モードM3が継続して設定され続けることになる。これに合わせて楽曲制御を行うことで、同一の楽曲(特に、楽曲Aa)が出力される期間が長いほど、遊技者にとって有利な「高確+変短あり」の状態が継続していることが、音声演出からも遊技者に報知されることになる。
一方、大当りの種類が異なる場合、統括制御用CPU31aから新たな楽曲パターン指定コマンドが出力されるので、音声制御用CPU33aは、大当り遊技の開始時に、新たに入力した楽曲パターン指定コマンドに対応する楽曲データに基づいて楽曲を出力させるようにスピーカSPを制御する。これにより、大当り抽選当選前と同一の演出モードが設定される場合であっても、その演出モードを設定させる契機となった大当りの種類が異なれば、演出表示装置11では同一の背景画像が表示されるものの、スピーカSPからは異なる楽曲が出力される。
同様に、表示制御用CPU32aは、楽曲パターン指定コマンドを入力すると、準備モードM2が終了するまで、若しくは変短状態が終了するまで、表示制御用RAM32cの記憶領域に設定されている管理フラグに、その楽曲パターン指定コマンドで特定される楽曲パターンを識別する値をセットする。表示制御用CPU32aは、管理フラグに値がセットされている期間中、その値に対応する画像データを用いて歌詞を繰り返し表示させる。なお、表示制御用CPU32aは、音声制御用CPU33aと同じく、大当り遊技の終了によって管理フラグにセットした値をリセットしないが、各演出モードが終了することによって、管理フラグにセットした値をリセットする。
これにより、演出表示装置11では、大当り遊技の開始から大当り遊技終了後の特定演出モードが終了するまで、出力される楽曲に応じた歌詞が表示され続けることになる。そして、楽曲が変わるときには、楽曲に合わせて表示される歌詞も変更される。本実施形態では、歌詞を演出表示装置11に表示させる表示制御用CPU32aが、報知制御手段として機能する。
次に、楽曲変化の具体例について、図19に従って説明する。
図19(a)に示すように、初回の大当り抽選で大当りBに当選したとすると、大当り遊技の開始からエンディング時間が経過するまでの間、継続して「楽曲Bb」が出力される。また、初回の大当り抽選で大当りBに当選したことにより、大当り遊技の終了後に準備モードM2が設定されることになるが、準備モードM2中も、大当り遊技中に出力されていた楽曲と一連の楽曲Bbが出力される。
なお、準備モードM2が設定されてから5回目の図柄変動ゲームにおいて、再度、大当りBに当選したとする(2回目)。この場合、直近の図柄変動ゲームで出力されていた楽曲と一連の楽曲Bbが、大当り遊技の開始からエンディング時間が経過するまでの間、継続して出力される。また、準備モードM2中に大当りBに当選したことにより、大当り遊技の終了後には確定モードM3が設定されることになるが、前回と同じ大当りBに当選したことにより、大当り抽選に当選する前の演出モード(この例では、準備モードM2)で出力されていた楽曲と一連の楽曲Bbが出力される。なお、「楽曲Bb」の出力中は、その楽曲に対応する「歌詞Bb」が演出表示装置11にて継続表示される。このとき、演出表示装置11では、図18(a)に示すように、出力中の楽曲と対応する歌詞に下線が付される。
次に、大当りAが決定されたときの楽曲変化の具体例について、図19(b)に従って説明する。
この場合も、図19(a)の楽曲が、楽曲Bbから楽曲Aaに変わっただけで、大当り抽選に当選し、かつ直近の大当りと同一の大当り(この例では、大当りA)が決定されたのであれば、大当り遊技の開始から一連の楽曲Aaが出力されるとともに、楽曲Aaに対応する歌詞Aaが継続して表示され続ける。
次に、異なる大当りが決定されたときの楽曲変化の具体例について、図19(c)に従って説明する。
図19(c)に示すように、準備モードM2中の大当り抽選で大当りBに当選したとすると(2回目)、大当り遊技の開始時から「楽曲Bb」が出力される。この場合、大当り遊技の終了後には確定モードM3が設定されることになるが、確定モードM3中も、大当り遊技中に出力されていた楽曲と一連の楽曲Bbが出力される。
なお、確定モードM3が設定されてから5回目の図柄変動ゲームにおいて、大当りAに当選したとする。この場合、大当り遊技の開始時には、直近の図柄変動ゲームで出力されていた楽曲とは異なる楽曲Aaが出力される。また、確定モードM3中に大当りAに当選したことにより、大当り遊技の終了後には、再度、確定モードM3が設定されることになる。ただし、2回目の確定モードM3の開始時には、大当り抽選に当選する前と同一の演出モードが設定されるにもかかわらず、異なる楽曲Aaが出力される。そして、確定モードM3中は、一連の楽曲Aaが出力されるとともに、演出表示装置11では、その楽曲に対応する「歌詞Aa」が継続表示される。
次に、変短モードM4が設定されたときの楽曲変化の具体例について、図19(d)に従って説明する。なお、図19(d)では、2回目の確定モードM3が設定されるまでの流れが、図19(c)と同一であるため、以下、相違点を中心に説明する。
2回目の確定モードM3中の図柄変動ゲームで大当り抽選に当選しなかったとすると、大当り遊技終了後、6回目の図柄変動ゲームの開始時から変短モードM4が設定される。そして、変短モードM4の設定時には、楽曲Aa〜楽曲Ddのうちいずれかが、遊技者のボタン操作にて選択可能となる。このとき、遊技者が楽曲Ddを選択したとすると、変短モードM4中は、楽曲DdがスピーカSPから出力されるとともに、「楽曲Dd」の出力中は、その楽曲に対応する「歌詞Dd」が演出表示装置11にて継続表示される。
そして、変短モードM4中に大当り抽選に当選しなかったとすると、変短状態の終了に伴って変短モードM4から通常モードM1に移行する。この場合、大当り抽選に当選していないため、通常モードM1の開始時には、楽曲Ddの出力が停止されるとともに、歌詞も表示されない。
このような音声出力制御が行われることにより、確変状態が付与されている期間中、その確変状態を付与する契機となった大当りと同一の大当りが決定された際には、演出モードの種類にかかわらず、同一の楽曲が出力される。例えば、確定モードM3中に、その確定モードM3を設定する契機となった大当りと同一の大当りが決定されたのであれば、大当り遊技中及びその後に設定される確定モードM3でも同一の楽曲が出力されることになる。そして、直前の大当りと同一の大当りに当選したことで同一の演出モードが継続して設定されると、それに合わせて同一の楽曲も継続して出力されるので、同一の楽曲が継続するほど、遊技者にとって有利な状態が継続していることを、音声演出によっても報知していることになる。
ただし、楽曲Bbから最も有利な特典を付与する大当りAに対応する楽曲Aaに変化する場合、楽曲は継続しないが、その楽曲変化から遊技者にとって最も有利な大当りAに当選していることが報知されることになる。このため、楽曲Bbから楽曲Aaへの変化は、楽曲Bbの継続よりも有利である。
また、変短モードM4中は、直前まで設定されていた確定モードM3で出力されていた楽曲とは異なる楽曲が出力され得るが、変短モードM4中は、遊技者の意思を反映させ、ボタン操作によって任意の楽曲に変更可能としている。これにより、変短モードM4中は、楽曲の継続性によって有利な遊技状態の継続性を報知することはできないが、遊技者の好きな楽曲に変更できるという特典が付与される。本実施形態では、楽曲パターンで特定される楽曲をスピーカSPから出力させる音声制御用CPU33aが、音制御手段として機能する。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)有利遊技状態(高確+変短あり)で大当り抽選に当選した場合、高特典当り(変短状態「70回」を付与する大当り)を決定する一方で、有利遊技状態を除く遊技状態で大当り抽選に当選した場合、高特典当りを決定する場合と、高特典当りよりも有利度の低い低特典当り(変短状態「30回」を付与する大当りC)を決定する場合とがある。これによれば、大当り抽選に当選したときの遊技状態を反映した特典を付与することができるので、遊技がマンネリ化することなく、興趣の向上を図ることができる。
(2)確変状態は、予め定めた終了条件(5回の図柄変動ゲームが行われること)が成立すると終了する。ただし、確変状態が終了するまでに大当り抽選に当選すると、高特典当り(変短状態「70回」を付与する大当り)が決定されることがあるので、大当り抽選当選時の遊技状態を反映させて特典量を変化させつつ、高特典当りが決定された場合には、確変の引き戻しに成功したことによる優越感を与えることができる。
(3)有利遊技状態で確変状態が終了する前に大当り抽選に当選すれば、高特典当りが必ず決定されることになる。また、有利遊技状態が終了したとしても、確変状態又は変短状態のどちらかが付与されていれば、再度、高特典当りが決定される可能性も残ることになる。したがって、大当り抽選当選時の遊技状態を反映させて特典量を変化させつつ、確変状態又は変短状態のどちらかが付与されているときには、高特典当りが決定される可能性を残すことで、有利遊技状態が終了した後であっても遊技者に遊技を継続させる意欲を持たせることができる。
(4)「低確+変短なし」の状態で低特典当り(大当りB又は大当りC)が決定されたときには大当り遊技終了後に確変状態のみが付与される。一方、「高確+変短なし」又は「高確+変短あり」の状態で低特典当りが決定された場合、大当り遊技終了後に確変状態及び変短状態が付与される。また、「低確+変短あり」の状態で低特典当りが決定された場合、大当り遊技終了後に確変状態及び変短状態が付与される。このように、1つの大当り種(大当りB又は大当りCのどちから)で様々な遊技状態を作り出すことができるので、変化に富んだ遊技性を生起することができる。
(5)同じ低特典当り(大当りB又は大当りC)に当選した場合であっても、大当り抽選当選時の遊技状態に応じて、低特典当りに当選していることを示す当りの図柄組み合わせが異なるので、遊技状態の変化によって大当りの図柄組み合わせも変更されることになり、変化に富んだ遊技性を生起することができる。また、同一の図柄組み合わせが導出されたとしても、そのときの遊技状態によって異なる大当りの種類を示すことになるので、遊技者に大当りの種類を推測させる楽しみを与えることができる。
(6)大当り抽選に当選したときの遊技状態が有利遊技状態(高確+変短あり)であって、かつその大当り抽選で決定された大当りが、大当り遊技終了後に有利遊技状態を生起させることのできる大当りであるならば、大当り遊技中に保留内大当り報知演出を実行させるようにした。このような構成とすることで、保留内大当り報知演出によって、大当り遊技終了後に再度大当りが生起され、かつその決定された大当りに基づく大当り遊技終了後に有利遊技状態が付与されることに期待を持たせることができる。よって、遊技者が事前に知りたいという欲求を強く抱いている事柄に対応した報知演出を行い、遊技者の興趣を十分に高めることができる。
(7)初回の大当り抽選に当選しても保留内大当り報知演出を実行しない理由は、次のとおりである。初回の大当り当選は、大当り抽選に当選し難い「低確+変短なし」の状態で大当りを引き当てた状態となる。ところで、保留内大当り報知演出は、5回中最大4回の図柄変動ゲームを対象としている。つまり、大当り遊技の開始時に保留されている始動保留球数が多いほど保留内大当り報知演出の対象となる図柄変動ゲーム数も多くなる。このため、始動保留球が上限数まで記憶され、かつ期待度の低い内容で保留内大当り報知演出が行われると、その期待度の低さから、大当り遊技中は実際に図柄変動ゲームが行われていない状態であるにもかかわらず、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームに期待を持ち難くなってしまう。そこで、初回の大当り抽選に当選したときには保留内大当り報知演出を実行しないことで、遊技者が自力で引き当てた大当り遊技を楽しませることができる。このように、大当り抽選の当選回数に応じて大当り遊技中の演出内容を異ならせることで、当選回数に応じた演出を遊技者に体感させることができる。また、大当り抽選に連続して当選している場合、たとえ、大当りに期待を持ち難い内容で保留内大当り報知演出が行われるとともに、実際にも大当りとならなかったとしても、確定モードM3終了後、直ちに変短状態が終了するのではなく、変短モードM4が設定される。変短状態中は始動口への入球が容易となって大当り抽選の権利を獲得し易くなるため、期待度の低い内容で保留内大当り報知演出が実行されたとしても、遊技者の落胆具合を軽減することができる。
(8)特定期間(変短あり)中に大当り抽選に当選した場合、特定期間を除く期間(変短が付与されていない)中に大当り抽選に当選した場合に比して、変短上限回数として多い回数が決定され易くなる。これによれば、保留内大当り報知演出によって、再度大当りが生起されることの報知に加え、より多い回数の図柄変動ゲームにて変短状態が付与されることも報知されることになるので、より有利な印象を与えて遊技者の興趣を向上させることができる。
(9)特定期間中は、確変状態と変短状態の両方が付与されている状態である。確変状態のみが付与されていても、変短状態が付与されていなければ抽選効率が低下することになり、また変短状態のみが付与されていても、確変状態が付与されていなければ大当り抽選に当選する確率が低いままである。ところが、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選の連続当選回数が「2回」以上となる場合には、大当り遊技終了後、必ず「高確+変短あり」の状態が生起されるとともに、大当りとなる始動保留球が記憶されている場合には、保留内大当り報知演出を実行可としている。これにより、保留内大当り報知演出が実行されると、その演出内容から確変状態と変短状態が両方付与されている「有利遊技状態」が生起されることに期待を持たせることができる。
(10)有利遊技状態を付与する当りには、大当り抽選に当選したときの遊技状態にかかわらず、「高確+変短70回」を付与する第1当り(大当りA)と、大当り抽選に当選したときの遊技状態に応じて、「高確+変短70回」を付与する場合と、「高確+変短30回」を付与する場合とがある第2当り(大当りB,C)が分類される。そして、第1当りに当選した場合、大当り抽選実行時の遊技状態にかかわらず、保留内大当り報知演出を実行する一方で、第2当りに当選した場合、有利遊技状態(確変状態)が付与されている場合に限って保留内大当り報知演出を実行するようにした。これによれば、保留内大当り報知演出によって、「高確+変短70回」必ず生起されることを報知することができるため、保留内大当り報知演出が実行されたことに対する遊技者の期待感を高めることができる。
(11)大当り遊技が開始してから始動入賞口16,17に入球した遊技球は、保留内大当り報知演出の対象とはならない。ただし、表示制御用CPU32aは、保留内大当り報知演出の対象ではない図柄変動ゲームにおいても、保留内大当り報知演出の対象となった図柄変動ゲームと同じ敵キャラを表示させる。これにより、例えば、大当り遊技が開始するまでに始動保留球が4球保留されており、大当り遊技終了後、1回目の図柄変動ゲームの実行中に新たに遊技球が入賞したとする。すると、大当り遊技終了後、1回目〜4回目の図柄変動ゲームは、保留内大当り報知演出の対象となる一方で、大当り遊技終了後、5回目の図柄変動ゲームは、保留内大当り報知演出の対象とはならない。ただし、大当り遊技終了後、5回目の図柄変動ゲームにおいても1〜4回目と同じ敵キャラが表示されるため、あたかも、保留内大当り報知演出の対象となる図柄変動ゲームが、上限数よりも多く実行されたかのように体感させることができる。
(12)保留内大当り報知演出にて、最も強い敵キャラT4が表示されたとしても、大当り遊技が開始してから入球した遊技球に基づく図柄変動ゲームは、保留内大当り報知演出の対象ではない。これにより、敵キャラT4に敗北する演出が行われたとしても、大当り遊技が開始してから入球した遊技球に基づく図柄変動ゲームが「大当り」となる場合には、敵キャラT4に勝利することになる。このような流れで演出が実行されると、逆転勝利したかのような態様で演出が実行されることになるので、遊技者に優越感を与えることもできる。
(13)「高確+変短あり」中に大当り抽選に当選したならば、大当りの種類にかかわらず、大当り遊技終了後の遊技状態は「高確+変短あり」とされるとともに、その変短上限回数としては、当該パチンコ遊技機において最も多い回数「70回」が必ず決定される。そして、本実施形態では、連続当選回数が2回以上となる大当り遊技中に、保留内大当り報知演出を実行するようにしている。これにより、保留内大当り報知演出が実行されたときには、変短上限回数として「70回」が決定されることに期待を持たせることができる。そして、これらの演出は、大当り抽選に連続して当選しているとともに確変状態中に滞在する5回限定の確定モードM3を対象に行われる演出であるからこそ、大当り遊技中の演出に注目させ易い。
(14)大当り判定の判定結果を導出する判定結果導出ゲームの表示内容を異ならせた第1遊技演出期間(通常モードM1、確定モードM3、変短モードM4)と、第2遊技演出期間(準備モードM2)と、を設定した。そして、第1遊技演出期間では、判定結果導出ゲームとして図柄を変動表示することで、遊技の進行状態(リーチが形成されるか否か、図柄変動ゲームが終了して次の図柄変動ゲームが開始されるか否か)を認識可能とした。その一方で、第2遊技演出期間では、図柄(飾図)の変動状態を認識し難くする一方、特別演出(味方キャラKYが仲間KYaを探しに行く)を実行することで、遊技の進行状態を認識可能とした。この特別演出を実行させるにあたり、特別演出の最終結果がどのような結果となると大当りに期待を持つことができるのかを説明する説明演出を、大当り遊技中に実行させるようにした。これによれば、大当り遊技中に説明された内容を受けて特定期間中の演出が実行されることになるので、大当り遊技中の演出と、大当り遊技終了後の演出とに関連性を持たせ、継続して両方の演出を楽しませることができる。
(15)第2遊技演出期間中、特別演出を演出表示装置11で行うことによって大当り抽選の抽選結果を報知する一方で、第1遊技演出期間中は、特別演出を行うことなく、演出表示装置11で図柄の変動表示を行うことによって大当り抽選の抽選結果を報知することにした。これによれば、第2遊技演出期間中、特別演出(味方キャラKYが仲間KY2を探す)に注目させることができるので、あたかも、大当り遊技の前後で遊技性が変化したかのような印象を与え、遊技者の興趣を向上させることができる。
(16)たとえ、図柄変動ゲームに用いられる図柄(飾図)が表示されなかったり、遊技者から視認できないような状態になったとしても(例えば、動作後の可動体が図柄の前面に位置するなど)、補助図柄(第4図柄X及び第5図柄Y)によって大当り抽選の抽選結果を遊技者に報知することが可能となる。
(17)第2遊技演出期間は、確変状態が付与されている期間でもある。これによれば、特別演出の演出内容によって、第2遊技演出期間中に大当りとなる可能性があること、及び、再度、確変状態が付与される可能性があることの両方の可能性が示唆されることになり、より一層、第2遊技演出期間中の遊技展開を遊技者に注目させることができる。
(18)エンディング演出の実行時間が短い(1秒)ことで、大当り遊技中に説明演出が行われた後、直ちに特別演出が開始されることになるので、説明演出と特別演出が一連の流れで行われたかのように視認させることができる。これにより、大当り遊技中の演出と、大当り遊技終了後の演出とに関連性を持たせ、継続して両方の演出を楽しませることができる。
(19)途中結果が導出された図柄変動ゲームに期待を持つことができなくても、途中結果が導出されたことによって、次の図柄変動ゲームでも確率変動状態が継続して付与されることが報知されることになる。これにより、残りの図柄変動ゲームで大当りとなることに期待を持たせることができる。
(20)規定期間中(準備モードM2及び確定モードM3)は、その実行順序に従って予め変動時間を対応付けるようにした。これによれば、規定期間が設定される度に図柄変動ゲームの実行順序以外の条件(保留記憶数など)が如何なる値を取ったとしても、規定期間中に実行される図柄変動ゲームの変動時間がその他の条件の影響を受けて各規定期間で変動時間のばらつきが生じるということがなく、実行順序に合った変動時間が必ず決定される。したがって、実行させたい演出を確実に実行させることができる。
(21)規定期間中、図柄変動ゲームの実行順序に従って選択される変動パターンを予め対応付けた。これによれば、変動パターンを決定するだけで、図柄変動ゲームの進行具合に合致した演出を遂行することができる。
(22)第1規定期間(準備モードM2)と第2規定期間(確定モードM3)とで、演出内容及び変動時間を異ならせることで、確変状態が連続して生起されたか否かに応じた内容(変動時間)で演出を実行することができる。これにより、遊技者の心理状態を反映した演出を実行することができる。
(23)すなわち、第1規定期間中は、初回の大当り抽選に基づいて生起された状態であるため、図柄変動ゲームを効率良く消化させると、折角、得られた確変状態がすぐに終了してしまうことになる。このため、第1規定期間中の図柄変動ゲームの変動時間を長くすることで、第1規定期間中の演出を十分に楽しませることができる。その一方で、第2規定期間中は、確変状態が連続して生起された状態であるため、第1規定期間中のように、第1規定期間に滞在している期間を楽しませるというよりは、図柄変動ゲームをすばやく消化させ、次の大当りに期待を持たせる方が、遊技者の心理状態に合っている。したがって、第1規定期間と第2規定期間とで、演出内容及び変動時間を異ならせることで、遊技者の心理状態を反映した演出を実行することができる。
(24)規定期間を除く期間中は、変動開始直前における始動保留球の数に基づいて変動時間を決定することで、図柄変動ゲームの消化効率を向上させたり、始動保留球が少ない場合には、始動保留球を確保したりすることができる。
(25)規定期間中の図柄変動ゲーム毎にそれぞれ異なる変動時間を決定する場合、実行順序に合った変動時間で図柄変動ゲームを実行することができる。また、規定期間中の最終回の図柄変動ゲームの変動時間を異ならせた場合、最終回の図柄変動ゲームは、大当りとなるか否かを報知することができる最終段階となるため、最終回の図柄変動ゲームをその他の回数目の図柄変動ゲームとは異なる印象を与え、最終回の図柄変動ゲームに注目させることができる。
(26)規定期間を構成する最終回の図柄変動ゲームは、大当りとなるか否かを報知することのできる最終段階となる。このため、最終回の図柄変動ゲームの変動時間を長くすることで、始動保留球数の影響を受けることなく、必ず、演出を遊技者に最後まで視認させ、遊技者の興趣を向上させることができる。
(27)大当り遊技終了後に確変状態が付与される場合、図柄変動ゲームの実行順序に応じて変動パターンを一義的に定めているため、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択するだけで、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームの実行回数を把握することができる。これにより、保留記憶数の影響を受けずに変動パターンの選択、ひいては変動時間の設定をすることができる。また、このような設計とすることで、ある変動パターンを特定するだけで、その変動パターンに基づく図柄変動ゲームが、大当り遊技終了後、何回目の図柄変動ゲームであるのか、及び実行回数毎の変動時間を、メイン制御プログラムの設計時であっても事前に把握させることができる態様となる。
(28)パチンコ遊技機への電源投入が遮断された場合、主制御基板30にはバックアップ機能が備えられているため、主制御用RAM30cの記憶内容が保存される。このため、主制御用CPU30aは、バックアップ処理の実行後に復電(電源投入)された場合、主制御用RAM30cに記憶保持された情報をもとに、パチンコ遊技機の状態を電源遮断時の遊技状態に復帰することできるため、変動パターンも復元することが可能となる。これにより、変動パターン指定コマンドを入力した統括制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの実行回数をカウントしなくても、入力した変動パターンの内容を確認するだけで、これから実行させようとしている図柄変動ゲームが、大当り遊技終了後、何回目の図柄変動ゲームであるのかを把握することが可能となる。
(29)最終回のラウンド遊技が終了してから図柄変動ゲームが開始されるまでの期間を、大当り遊技を行うための遊技状態から図柄変動ゲームを開始させるための遊技状態に変更するための変更制御を行うために要する最小時間を加味した時間に設定した。これによれば、エンディング演出の実行時間が最小時間を加味した時間に設定されて短くなることで、大当り遊技中に説明演出が行われた後、直ちに特別演出が開始されることになるので、説明演出と特別演出が一連の流れで行われたかのように視認させることができる。これにより、大当り遊技中の演出と、大当り遊技終了後の演出とに関連性を持たせ、継続して両方の演出を楽しませることができる。
(30)最終回のラウンド遊技が終了してから図柄変動ゲームが開始されるまでの期間を、最終回よりも前の各ラウンド遊技の終了後に設定されるラウンド間インターバル時間と同一時間又はラウンド間インターバル時間よりも短い時間に設定した。これによれば、エンディング時間がラウンド間インターバル時間と同じような間隔で経過することになるので、大当り遊技から図柄変動ゲームまでの切り替えをスムーズに行うことができる。
(31)最終回のラウンド遊技が終了してから図柄変動ゲームが開始されるまでの期間中、大当り遊技中に説明演出を実行させるために用いた演出データを継続して用いることで、図柄変動ゲームが開始するまで説明演出を継続して実行させるようにした。最終回のラウンド遊技が終了してから図柄変動ゲームが開始されるまでの期間中も、大当り遊技が終了することを遊技者に分かり易く報知する演出が行われるのではなく、説明演出に関連性を持った演出が実行されるため、説明演出と特別演出が一連の流れで行われたかのように視認させることができる。これにより、大当り遊技中の演出と、大当り遊技終了後の演出とに関連性を持たせ、継続して両方の演出を楽しませることができる。
(32)大当り遊技終了後に待機中の図柄変動ゲームが存在しない場合、説明演出と関連性を持つ関連デモ演出を実行させるようにした。大当り遊技終了後に実行させる図柄変動ゲームが存在しなかったとしても、説明演出と関連性を持つ関連デモ演出が実行される。これにより、大当り遊技終了後に図柄変動ゲームが実行されない場合であっても、関連性があることを引き続き報知することができる。
(33)大当り遊技中に指定した楽曲データに基づく楽曲と同一の楽曲を、実行中の大当り遊技から大当り遊技終了後に設定される特定期間(準備モードM2又は確定モードM3)で出力するようにした。このように、大当り遊技中と特定期間中とで同一の楽曲を出力させることで、音声演出からも、大当り遊技と大当り遊技終了後の図柄変動ゲームに関連性があるかのような印象を持たせ、継続して両方の演出を楽しませることができる。
(34)また、この構成によれば、楽曲データを記憶する楽曲データ記憶手段(統括制御用RAM31c)の容量負荷を軽減することができる。
(35)直近の大当り種別と同一の大当りが決定されたときには、直近の大当りに基づく大当り遊技から出力されていた楽曲と同一の楽曲を今回の大当り遊技中及び今回の大当り遊技終了後に設定される特定期間中、継続して出力させる。その一方で、直近の大当り種別と異なる大当りが決定されたときには、直近の大当りに基づく大当り遊技から出力されていた楽曲とは異なる楽曲を、今回の大当り遊技から出力させる。これによれば、楽曲が変化しないことと、有利遊技状態の継続とを関連付けることができる。これにより、同一の楽曲が流れ続けるほど、遊技者にとって有利な遊技状態が継続しているという印象を与えることができる。
(36)楽曲種類の変化に合わせて認識情報(歌詞)を表示させるようにした。これによれば、楽曲の切り替わり時には、それに合わせて認識情報も切り替えられることになり、同一の楽曲が出力されていることを認識情報からも遊技者に認識させることができる。これにより、より一層、同一の楽曲が流れ続けるほど、遊技者にとって有利な遊技状態が継続しているという印象を与えることができる。
(37)特定期間(確定モードM3)が終了して変短状態のみが付与される状態が生起されると、特定期間が終了するまで出力されていた楽曲とは異なる楽曲を出力させる。その一方で、変短状態中に、直近の大当り種別と同一の大当りが決定されたときには、特定期間中に出力されていた楽曲と同一の楽曲を今回の大当り遊技から出力させる。これによれば、同一の楽曲を出力させることで、確変の引き戻しに成功したことを分かりやすく報知することができる。
(38)特定期間(確定モードM3)が終了して変短状態のみが付与される状態が生起されると、操作有効期間を設定するようになっており、操作有効期間内に操作選択手段(演出用操作ボタンBT)が操作された際に、楽曲を選択可能とした。これによれば、変短状態しか付与されていない状況では、楽曲の継続は行われないが、遊技者の好みに応じた楽曲を選択可能としたことで、遊技者を飽きさせない。
(39)リーチ演出が実行されるまでの間、同一の楽曲を、大当り遊技中及び特定期間中、継続して出力させるようにした。これによれば、大当りに期待を持てない変動中は、大当り遊技中と同一の楽曲が出力されるため、統一感を与えることができる。
(40)リーチ中は、リーチ形成前に出力されていた楽曲が出力されるのではなく、リーチ演出として定められた楽曲が出力されるので、楽曲の切り替えによってメリハリを与えることができる。
(41)第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとで、大当り抽選に当選した場合に付与される大当りの種類、及び特定の大当りが決定される確率も同一とした。これにより、変短状態の終了後に第1特図変動ゲームが行われる場合であっても、第2特図変動ゲームと変わらない特典が付与されるため、遊技者に不利な印象を与えない。
(42)左大入賞口20は、下大入賞口21に比して、遊技球が非遊技領域から遊技領域へ移動するための入口部近くに配置されている。このため、遊技領域へ移動した遊技球は、下大入賞口21よりも左大入賞口20に対して迅速に到達することになる。したがって、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技に要する時間を短縮させることができる。
(43)左大入賞口20へ遊技球が到達する経路長は、下大入賞口21へ遊技球が到達する経路長に比して短い。このため、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技と下大入賞口21を開閉動作させる大当り遊技は、従前と同様に大当り遊技を終了させるまでに必要な時間に差が生じ、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技に必要な時間の方が短くなる。すなわち、左大入賞口20を設けることで、大当り遊技の時間短縮を図ることができる。
(44)特に、本実施形態の場合は、左大入賞口20を使用する大当り遊技の割合を、下大入賞口21を使用する大当り遊技の割合に比して多く設定しているから、大当り遊技に要する時間を全体的に短縮させることができる。このように時間効率を図ることで、単位時間あたりの大当り当選回数を増加させることもできる。また、確変状態中、遊技者は、連続的に大当り遊技が行われること(連荘すること)を期待するから、大当り遊技を楽しむよりも、次の大当りへの期待の方が大きい。したがって、上記構成によって時間効率を図ることで、遊技に対する興趣を向上させることができる。つまり、大当り遊技によるイライラ感を遊技者に募らせることがない。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態における遊技状態の優劣を、演出表示装置11に表示される演出モードが異なることとしても良い。つまり、遊技状態の優劣は、主制御基板30が管理せず、統括制御基板31側で管理するものとしても良い。例えば、「高確+変短あり」の遊技状態である場合のみ設定される「高確確定モード」と、「高確+変短あり」又は「低確+変短あり」の遊技状態である場合に設定される「高確示唆モード」とを設定したとする。この場合、「高確+変短あり」の遊技状態である場合には、「高確確定モード」又は「高確示唆モード」が設定されることになる。したがって、「高確確定モード」が、有利な遊技状態となる一方で、「高確示唆モード」が、「高確確定モード」よりも不利な遊技状態となる。また、有利遊技状態を演出モードと定義する場合、統括制御用CPU31aが遊技状態判定手段及び遊技状態制御手段として機能することになる。
・ 実施形態において、大当りBを設定せず、大当りAと大当りCのみを設定しても良い。
・ 実施形態では、変短上限回数として70回又は30回が設定されている場合、確変状態の開始からその回数が計数されていた。その変更例として、確変状態が終了してから70回又は30回の図柄変動ゲームで変短状態が付与される仕様であっても良い。
・ 実施形態における変短状態の付与回数としての第2回数は、最大付与回数としての第1回数よりも少ない回数であれば、どのような回数であっても構わない。また、変短状態の付与回数として、変短状態を付与しない「0回」を、第1回数及び第2回数とは異なる「第3回数」として定義しても良いし、第1回数よりも少ない第2回数に含めても良い。
・ 実施形態における当りの種類を変更しても良い。例えば、小当りを設定しても良い。小当りは、小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させる当りである。また、変短状態と同一回数の図柄変動ゲームで確変状態を付与する大当りを設定しても良い。また、確変状態を付与しないが、変短上限回数を一部の確変大当りと同一回数に設定した非確変大当りを設定しても良い。また、確変状態を次回大当り遊技終了後まで付与可能な大当りを設定しても良い。このような構成とする場合、確変状態と変短状態が付与されている期間を「有利遊技状態」としても良いし、確変状態と変短状態が付与されている期間のうち一部の期間を「有利遊技状態」としても良い。
・ 実施形態は、確変状態又は変短状態のどちらか一方が付与されている状態を「有利遊技状態」と定義しても良い。
・ 実施形態における特典の大小は、遊技者に払い出される総賞球払出個数の多少で定義しても良い。この総賞球払出個数は、ラウンド遊技回数や、1回のラウンド遊技の開放時間、大入賞口20,21に1球入球する毎に払い出される賞球払出個数に依存する。
・ 実施形態では、確変状態が付与されている期間中、入球率向上状態が付与されるため、入球率向上状態を「確変状態」と読み替えても良い。
・ 実施形態における確変終了手段は、リミッタ機能を搭載することとしても良い。リミッタ機能は、確変状態を連続的に付与する確変上限回数を示し、この回数に到達するまでの間は大当り抽選に当選すると、大当り遊技終了後に必ず確変状態を付与する機能である。つまり、確変上限回数に到達した場合は、到達することになった大当り抽選の当選に基づく大当り遊技終了後、必ず非確変状態が付与される。
・ 実施形態では、連続当選回数「2」から保留内大当り報知演出の実行対象としたが、3回目以降を実行対象としても良い。つまり、大当り抽選に連続して当選している状態であれば、何回目から保留内大当り報知演出を実行しても良い。
・ 実施形態の保留内大当り報知演出では、最先の始動保留球から事前判定コマンドが設定されているか否かを判定するのではなく、保留記憶数にかかわらず保留中の図柄変動ゲームで事前判定コマンドが設定されているか否かを単に判定する態様であっても良い。また、複数の始動保留球に対して事前判定コマンドが設定されているときには、その数に応じて保留内大当り報知演出の演出内容を異ならせても良い。
・ 実施形態における第2遊技演出期間として「準備モードM2」を設定したが、「準備モードM2」に代えて「確定モードM3」を設定しても良いし、「準備モードM2」及び「確定モードM3」を第2遊技演出期間として設定しても良い。つまり、図6(a),(b)に示すように、保留記憶数に関係なく、図柄変動ゲームの実行順序に従って、選択される変動パターンを予め対応付けた変動パターン振分テーブルが設定されている遊技状態を、第2遊技演出期間として設定しても良い。この場合、確定モードM3では、画像表示部GHの右隅で図柄の変動表示を行っても良いし、画像表示部GHの中央で図柄の変動表示を行っても良い。
・ 実施形態では、「途中結果」を導出する各図柄変動ゲームで背景画像を異ならせても良い。また、途中結果として雑魚キャラを表示させていたが、キャラクタなどを表示させない態様であっても良い。
・ 実施形態では、最終回のラウンド遊技でのみ、説明演出を行うようにしても良い。これによれば、全ラウンド遊技にて説明演出を実行しなくても、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームと最も実行タイミングが近い最終回のラウンド遊技において説明演出を実行した場合であっても、両者に関連性があることを認識させることができるので、継続して両方の演出を楽しませることができる。
・ 実施形態では、準備モードM2中の飾図の大きさを通常モードM1時から変化させなくても良く、画像表示部GHにて飾図よりも前のレイヤーにキャラクタ画像を表示させたり、飾図の前面を移動するように可動体を動作させたりするなどして、飾図が目立たないようにしても良い。
・ 実施形態では、準備モードM2中、飾図を用いて図柄変動ゲームを行わず、第4図柄X又は第5図柄Yを用いて図柄変動ゲームを行っても良い。
・ 実施形態は、第4図柄X又は第5図柄Yの停止態様によって、当りの種類を報知するようにしても良い。例えば、大当りAが決定されている場合、第4図柄Xを赤色で停止させる一方で、大当りBが決定されている場合、第4図柄Xを黄色で停止させるなどしても良い。
・ 実施形態における説明演出は、オープニング演出、ラウンド遊技、エンディング演出、及び大当り遊技終了後の図柄変動ゲームが開始されるまでのインターバル時間のうちいずれか2つの組み合わせに跨っていれば良く(ラウンド遊技については複数ラウンド間)、その開始タイミングは問わない。
・ 実施形態における説明演出及び該説明演出に対応する内容で行われる大当り遊技終了後の図柄変動ゲームは、両者に関連性があって、かつ大当りの図柄組み合わせを導出させる遊技性とは異なる内容であれば、どのような内容であっても良い。例えば、敵キャラを倒す遊技性を、説明演出にて大当り遊技中に事前に説明するような内容でも良い。
・ 実施形態において、統括制御基板31にもバックアップ機能を搭載しても良い。これによれば、統括制御用CPU31aが入力した変動パターン指定コマンドの復元を行うことができるため、主制御用CPU30aからのコマンドの再送信を必要としない。
・ 実施形態では、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームの実行回数が確変上限回数に近付くほど、その変動時間が長くなるような設定とした。その変更例として、図柄変動ゲームの実行順序に応じて変動パターンを定めるのであれば、長い変動時間を特定する変動パターンを対応付ける箇所は、最終回に限定されない。例えば、確変上限回数に近付くほど、その変動時間が短くなるように変動パターンを対応付けたのであれば、確変状態が付与されてから1回目の図柄変動ゲームを、最も盛り上げることができる。また、確変状態が付与されてから3回目の図柄変動ゲームに対して、長い変動時間を特定する変動パターンを対応付けたのであれば、遊技者が確変状態に慣れてきた中盤の図柄変動ゲームを、最も盛り上げることができる。
・ 実施形態では、特定条件が成立した特定期間に限って、保留記憶数を参照することなく、一義的に定めた変動パターンを設定しても良い。特定条件としては、特定の変動パターンを選択させるか否かの抽選に当選することや、予め定めた回数の図柄変動ゲームが実行されることが含まれる。また、特定期間には、複数回の図柄変動ゲーム(例えば、20回)や、規定回数目(大当り遊技終了後、20回目)の図柄変動ゲームなどが含まれる。
・ 実施形態において、大当り遊技終了後の実行回数が同一であるならば、大当り抽選の結果にかかわらず、同一の変動時間を定めた変動パターンを設定しても良い。
・ 実施形態において、準備モードM2及び確定モードM3中では、1〜5回のうち少なくとも1回の図柄変動ゲームで、保留記憶数の影響を受けず、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームの実行順序に応じて変動時間を一義的に定める態様としても良い。
・ 実施形態では、準備モードM2及び確定モードM3にて、図柄変動ゲームの実行順序に応じた変動パターンを一義的に設定した。これに代えて、変短状態が付与されている確定モードM3及び変短モードM4にて、図柄変動ゲームの実行順序に応じた変動パターンを一義的に設定しても良い。
・ 実施形態では、図柄変動ゲームの実行順序に応じて変動パターンを1対1で対応付けたが、対応付ける変動パターン数を複数としても良い。
・ 実施形態において、エンディングコマンドを出力するようにしても良い。ただし、エンディングコマンドに従って演出表示装置11に表示される演出は、大当り遊技の終了を確定的に報知する内容ではなく、大当り遊技と大当り遊技後の図柄変動ゲームの流れを遮らないような内容とすることが好ましい。
・ 実施形態では、最終回のラウンド遊技の終了後、ラウンド間インターバル時間の経過後であって、かつエンディング演出を実行させるためのエンディング時間の経過後に、図柄変動ゲームを開始させるようにしても良い。
・ 実施形態では、エンディング時間の経過後に設定されるインターバル時間を「数ms」と短い時間に設定するならば、遊技者は略エンディング時間経過後のインターバル時間を体感することができないので、そのインターバル時間とエンディング時間を合算した時間は、「エンディング時間」と略同一とみなしても良い。この場合、エンディング時間とインターバル時間で、変更制御が行われることになる。また、エンディング時間経過後のインターバル時間で変更制御を行っても良い。
・ 実施形態において、大当りに連続して当選している間は、大当り遊技と大当り遊技後の図柄変動ゲームの流れを遮らないような内容でエンディング演出を実行させる一方で、初回の大当りなど、大当りに連続して当選していない間は、大当り遊技の終了を確定的に報知する内容でエンディング演出を実行させても良い。
・ 実施形態における視覚情報は、楽譜を表示させることとしても良い。また、図18(b)に示すように、味方キャラKYが歌を歌っているかのように音符(記号)を表示させ、楽曲の切り替わりによって、音符の種類や音符の色、歌っているキャラクタを変更する態様としても良い。また、演出用操作ボタンBTに内蔵されたランプを、スピーカSPから出力される楽曲の拍子に合わせて点滅させる態様としても良い。
・ 実施形態では、同一の楽曲が出力させることを報知する場合、その報知態様は、嗅覚情報や触覚情報としても良い。例えば、嗅覚情報としては、楽曲Aaなら「もも」の香りをパチンコ遊技機から放出させる一方で、楽曲Bbなら「いちご」の香りをパチンコ遊技機から放出させるようにしても良い。また、触覚情報としては、演出用操作ボタンBTに振動子を設置するなどして、楽曲の切り替わりに合わせて振動態様を変化させるようにモータを制御したりしても良い。
・ 実施形態では、大当り遊技中に出力されていた楽曲と大当り遊技終了後の演出モードで出力される楽曲を同一とするが、大当り遊技終了後の演出モードでは、その楽曲の最初から出力し直しても良い。
・ 実施形態において、エンディング時間として設定する時間を変更しても良い。例えば、大当り遊技を行うための遊技状態から図柄変動ゲームを開始させるための遊技状態に変更するための変更制御を行うために要する最小時間と同一時間に設定しても良い。また、大当りAのラウンド間インターバル時間(2秒)と同一時間としても良い。
・ 実施形態では、主制御用CPU30aからエンディング演出の開始タイミングに到達したことを示すエンディングコマンドを統括制御基板31に出力しても良い。これによれば、エンディングコマンドを入力した統括制御基板31は、変動パターン指定コマンドを入力する前に、大当り遊技が終了し、その後、図柄変動ゲームが開始することを前もって把握することが可能となる。そして、エンディングコマンドを入力した統括制御用CPU31aは、該コマンドに従ってエンディング演出の内容を指示する演出指定コマンドを各制御基板32,33に出力しても良い。一方、エンディングコマンドを入力したとしても、該コマンドに基づく演出指定コマンドを各制御基板32,33に出力せず、表示制御用CPU32a及び音声制御用CPU33aは、大当り遊技中に使用した画像データや音声データを使用して、繰り返し、演出表示装置11又はスピーカSPを制御する態様としても良い。また、エンディングコマンドを入力した場合、統括制御用CPU31aは、装飾ランプの発光態様を制御するランプ制御基板(図示せず)など、図柄変動ゲームが行われる演出表示装置11とは異なる発光体に演出指定コマンドを送信するようにしても良い。つまり、エンディングコマンドに基づく表示演出を演出表示装置11では行わず、エンディングコマンドに基づく遊技演出を、演出表示装置11を除くその他の演出実行装置(ランプ、スピーカ、可動体など)で行っても良い。これによれば、エンディング演出の演出時間が短く設定されている場合であっても、エンディングコマンドに対応する演出を実行することができる。
・ 実施形態では、説明演出や特別演出を実行しない場合であっても、エンディング時間を、大当り遊技を行うための遊技状態から図柄変動ゲームを開始させるための遊技状態に変更するための変更制御を行うために要する最小時間を加味した時間に設定しても良い。
・ 実施形態において、大当り遊技中と特定期間中に同一の楽曲を出力させる場合、特定期間中は、各図柄変動ゲーム毎に大当り遊技中に出力されていた楽曲の先頭から楽曲を出力させるようにしても良い。
・ 実施形態では、大当りの種類毎に楽曲を対応付けても良い。
・ 実施形態では、変短モードM4中の楽曲選択として、遊技者による演出用操作ボタンBTの操作を契機に、統括制御用CPU31aが楽曲をランダムに抽選で決定しても良い。
・ 実施形態において、変短モードM4中に選択可能な楽曲は、大当り抽選当選時に出力される楽曲を含まない楽曲としても良い。
・ 実施形態において、変短モードM4中に選択可能とされる楽曲は、連続当選回数が増加するに連れ、選択可能とされる楽曲の種類も増加させる仕様であっても良い。また、選択対象となる楽曲の数は変化しないが、連続当選回数が増加するに連れて、選択対象となる楽曲の種類を変化させても良い。また、連続当選回数が増加する度に1曲ずつ増加させても良いし、連続当選回数が規定回数(例えば、5回ずつ)を超える度に1曲ずつ増加させても良い。
・ 実施形態において、図柄変動ゲームと図柄変動ゲームの間のインターバル期間中は、楽曲を出力しないようにしても良い。
・ 実施形態では、設定される演出モードが同一であるならば、大当りの種類が異なる場合であっても同一の楽曲を出力させる態様であっても良い。
・ 実施形態は、大当りを生起させる契機となった図柄変動ゲーム中に出力されていた楽曲を、大当り遊技中も継続して出力させる態様としても良い。
・ 実施形態では、原則、直近の大当りと同一の大当りが決定された場合、同一の楽曲を出力させていたが、遊技者にとって不利な大当りは「同一」から除外しても良い。また、直近の大当りと異なる大当りが決定された場合、異なる楽曲を出力させるようにしたが、遊技者にとって不利な当りに当選した場合は、楽曲を出力しなくても良い。例えば、1回目に大当りAに当選し、2回目には総賞球払出個数が少ない大当り(例えば、2ラウンド非確変大当りなど)に当選し、3回目に大当りAに当選したとする。この場合、2ラウンド非確変大当りに基づく大当り遊技中及び大当り遊技終了後、次回大当り抽選に当選するまで、楽曲を出力しなくても良い。また、2ラウンド非確変大当りにおいてラウンド遊技時間を短くし、見た目上、大当り遊技が行われていないかのように見せる遊技性とするならば、2ラウンド非確変大当り遊技中及び大当り遊技終了後、次回大当り抽選に当選するまで、遊技状態が変化していないように見せるため、大当りAに基づく大当り遊技中と同一の楽曲を出力させても良い。
・ 実施形態において、「図柄変動ゲームの当選確率が高確率となる特定期間」は、普図ゲームの当選確率が高確率となる状態としても良い。そして、実施形態は、第1種,第2種混合のパチンコ遊技機に搭載しても良い。なお、第1種パチンコ遊技機とは、始動入賞口への遊技球の入球を契機に図柄の変動が開始され、所定の図柄の図柄組み合わせが確定停止表示された場合に大当りとなるパチンコ遊技機を指す。また、第2種パチンコ遊技機とは、例えば、始動入賞口への遊技球の入球を契機に特別電動役物が開放し、当該電動役物内の特別領域(所謂、Vゾーン)へ遊技球が入賞すると大当りとなるパチンコ遊技機を指す。したがって、第1種,第2種混合のパチンコ遊技機に実施形態の技術を搭載した場合、特別電動役物が開放している状態が、特定期間及び有利遊技状態に相当する。
・ 実施形態では、確変状態が付与されている期間中、リーチ抽選の当選確率を100%としなくても良い。この場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選しなかった際に、図柄変動ゲームの実行順序に応じて予め対応付けられたはずれ変動用の変動パターンを選択することになる。
・ 実施形態において、確変状態が付与されている状態では、大当り抽選に当選しなかった場合、必ずリーチ抽選に当選するようにリーチ判定値を設定している。これにより、図6(a),(b)に示すはずれ変動パターンは、はずれリーチ変動用の変動パターンとして分類されることになる。ただし、確変状態が付与されている期間中、図柄変動ゲームの実行順序に従って変動パターンが定められていれば良いので、大当り抽選に当選しなかった場合に実行される演出内容は、リーチ演出を伴っていても伴っていなくてもどちらでも良い。
・ 実施形態は、第2特図変動ゲームを優先的に実行したが、特図1,2を問わず、始動入賞口16,17に入賞した順に図柄変動ゲームを実行しても良い。この場合、先読み演出の実行対象となる始動保留球の最大値は「8」となるため、確変上限回数を、始動保留球の最大値と一致する回数以上(例えば、9回)としても良い。
・ 実施形態では、主制御用CPU30aが特図指定コマンド(特図毎に設定されたコマンド)を出力し、その特図指定コマンドをもとに統括制御用CPU31aが当りの種類を把握している。これに代えて、主制御用CPU30aが、特図指定コマンドに代えて、大当りの種類を示す制御コマンドを出力しても良い。なお、この制御コマンドは、大当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、大当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、変動パターン指定コマンドをもとに統括制御用CPU31aが、大当りの種類を把握するようにしても良い。
・ 実施形態では、特図の変動表示領域を演出表示装置11の表示領域の一部としても良い。この場合、特図の変動表示領域、飾図の変動表示領域、及び第4,第5図柄の変動表示領域をそれぞれ独立して設定することが望ましい。
・ 実施形態は、1つの特図を用いるパチンコ遊技機(特図1のみの構成)に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)図柄変動ゲームの始動条件を付与する始動手段と、前記始動手段で遊技球が検知されたことに基づいて当りか否かの当り判定を行う当り判定手段と、前記当り判定で当りと判定された場合のみ開放される入賞手段と、前記入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される当り遊技を実行させる当り遊技制御手段と、を備えた遊技機において、大当り遊技を行うための遊技状態から図柄変動ゲームを開始させるための遊技状態に変更するための変更制御を行う変更制御実行手段と、前記変更制御を行うための変更期間を設定する変更期間設定手段と、を備え、前記変更期間設定手段は、最終回のラウンド遊技が終了してから図柄変動ゲームが開始されるまでの期間を、前記変更制御実行手段が前記変更制御を行うために要する最小時間を加味した時間に設定することを特徴とする遊技機。